愛知県豊田市/名鉄豊田市駅

ラウンジHIMAWARI(名鉄トヨタホテル1F)

▲豊田市では希少なホテルデザートブッフェ。正直パティシエの気配を感じない仕入品ばかりではあるが、ブッフェスタイルでスイーツが楽しめる機会は逃したくないもの ▲名鉄トヨタホテル1F入口。尚駅構内から歩行者デッキ直通の2Fからでも入館可能
▲昭和の喫茶ラウンジの香りと趣きが今も残るひまわり。リーマンの商談とか老夫婦の珈琲休憩とか似合いそうで、これはこれでいい雰囲気 ▲アップルパイ、抹茶クグロフ、苺のショート。他店でも見る業務用が軒並みに居並ぶ中で、実はこの3つがお手盛り推奨品
▲密度を高くしてひしめいているドリンクバーがこちら。前回はアイスコーヒーのお味が厳しかったが、今回改善されていておかわりがとても進んだ ▲ひまわり店頭。ブッフェ当日は通常喫茶営業をお休みして食べ放題営業に集中。時間外は閉鎖されていた

― DATA ―
企画名秋のスイーツバイキング
メインメニューケーキ
ケーキのサイズ【極小】〜【小】
お値段2,200円(税サ込)
制限時間90分/入替制
実施タイム2016年11月20、23日/2部入替制/午前11時半〜、午後2時〜/半年に一度程度の恒例イベント
ドリンク飲み放題!
その他ルール予約制/料金前払い/全席禁煙/次回開催は毎回決定後に公式サイトで声明あり
※ようつべに動画あるよ!⇒GO!
※各項目のポイントは10点満点で審査。総合★取りは5つが満点。
― JUDGE & COMMENTS ―

(ずばり、おいしいかどうか)
[5] ●名鉄グループ運営、且つ豊田市駅前で最も存在感のあるシティホテル《名鉄トヨタホテル/ラウンジHIMAWARI》では、かつてツキイチペースで1,500円ケーキバイキングが開催されていたが、その後一旦休止の運びに。

 現在では半年に1度のペースで2,200円の予約制スイーツ食べ放題を不定期実施。
 当日1週間前には満席御礼という人気イベントだ。

 しかも今回は2016/11/20(日)開催のトヨタマラソンとの協賛でケーキバイキングイベント実施!…という体育会系スイーツ好きの血が騒ぎそうな興味深いタイアップ。
 マラソン参加者は“ナンバーカード”を持参すると1割引という施し。

 因みに近隣の《ホテル豊田キャッスル/ウィンザー》でも同じお値段・同じマラソン割引制度で“ライトミール&デザートブッフェ”を協賛実施。

 地場的に意義のあるイベント性に価値を見出して駆け付けたいところだが、当日筆者は都合がつかず。
 マラソンのお祭り感は終わっていたが、もう1日の実施日である23日(祝)の《ラウンジHIMAWARI》スイーツバイキングに滑り込むこととなった。


 バイキングマニアの視点からすれば、同店で供されている品々は肯(がえん)ぜられない水準であることは否定できない。

 しかし、往年の風格漂う古格な喫茶ラウンジで執り行われる、ブッフェスタイルのスイーツの食べ放題。
 この設えによるお膳立だけでも楽しめる価値を見出したいし、何より久々の豊田市駅前ホテルでのケーキバイキングだ。張り切って臨んでしまおう。


― 食べ放題商品 Line Up ―

【スイーツ類】
 ラウンドホールもの4台、スクエアシート4台、ココットデザート5種、タルトレット2種、その他大皿ティラミスや焼き菓子など。
 大量の業務用仕入スイーツの解凍品の中に、うずもれるように同ホテルオリジナル品が散見。
 一見地味なようで食べてみると膝を打つ良品だったり、見かけはオリジナルのようで即席の掛け合わせだったりと、真贋の判定はなかなかの難易度。

【カットフルーツ】
 皮つきカットみかん、皮つきルビーGF、カットパイナップルの3種。
 皮むきされていないのでパフェアレンジなどのカスタマイズがやりにくい。しかしカットみかんの糖度が高く良質で、思わず頤が落ちた。

【実演ワッフル】
 焼き立てワッフルを各種トッピングで楽しくアレンジ。
 尚トッピングは蜂蜜、マロンシロップ、メイプルシロップ、絞り袋ホイップクリーム。

【ソフトクリーム】
 場数を踏んでるマニアなら何度か見たことのある、1人前カップ装填式のソフトクリームマシン。種類はバニラ1種のみ。
 冷凍庫が台に鎮座しているので、そこからセルフで取り出してボタン操作、グラスに落としてお好きにどうぞ。
 トッピングはコーンフレーク、カラースプレー、紅茶クラッシュゼリー、レモンクラッシュゼリー。
 ワッフルと組み合わせてちょっとしたアシェットデセールに。

【ドリンクバー】
 コーヒーHot/Ice、紅茶Hot/Ice、オレンジJ、アップルJ、グレープFJ、そしてホット珈琲とは別にエスプレッソマシンが1機常備。

【ライトミール】
 パスタ、パンピザ、サンドイッチ、フライドポテト。
 喫茶室厨房がいつもの腕前を振るってくれた軽食が楽しめる。こちらをメインに召しても良いくらい。

― 今回はコレが美味しかった! ―

 圧倒的なくらい仕入れスイーツや即席品が大半を占める中、やはりこちら喫茶室の通常品に魅了された。

 [ロールケーキ]は鮮度もまずまずだし、滑らかで愛らしい味わいの苺クリームが特筆。スポンジも決して悪くない。

 ひまわり名物の[アップルパイ]がラウンドホールごと出されていて、これを好きに盛れるだけでも来て良かったと思えた。分厚くてぎっしりの林檎フィリングに舌鼓。
 オーブンで温めることが出来ればもっと良かった。ソフトやホイップとの付け合せも良さそう。

 皆さんからはいまひとつ食指が伸ばされていない[抹茶パウンドケーキ]だったが、よく見るとこれ同ホテル特製“抹茶クグロフ”をカットし、ホイップクリームデコレートを施したもの。
 香ばしくて緊密感があって、小豆まで入ってる。当たりを引き当てた気分だ。

 [安納芋ココット]はクリーミーなスイートポテトといった趣き。
 品のある重厚感で、珈琲も美味しく進む。

 [イチゴタルト]も安物かな…と思ったが、よく見ると喫茶で出してるイチゴタルトの素材と同じもの。
 トロトロのナパージュとカスタードの甘さに陶酔。苺粒の甘酸っぱさとも融合して十分楽しめる。生地もまずまず。

 席まで運ぶ途中でなぜか上の層が容易くズリ落ちる[苺のショートケーキ]だが、その怪しいスポンジはともかく生クリームと苺は確かな施しで、一応は及第点の閾値だった。



 相変わらず、とても勿体ないケーキバイキングだ。

 せっかくのアップルパイやロールケーキといったホテル自慢の良品が、色合いが華美な仕入スイーツに完全に埋もれてしまっている。
 自家製クグロフの焼き菓子とかも、食べてみたらちゃんと美味しいじゃないですか。
 専属の方がいなくて普段から外注ならば仕方ないのだけれど、本来ブッフェこそパティシエさん腕試しの檜舞台であるはず。
 これでは有名食品工業製品の試食会になってしまう。

 目玉のはずの実演ワッフルが、一番盛りにくい冷凍庫の影になるような場所にあるのも惜しまれた。
 トッピングアレンジやカットフルーツ、ソフトクリームのお膳立てもバッチリなので、これらを重心に据えた上で、堂々たるコックコート姿の係員さんが笑顔で振る舞えば、なかなか豪華で贅沢な気分に浸れるはず。

 一方、オニオンたっぷりのピザパンと、アーリオオーリオ香ばしいきのこパスタは喫茶室本領発揮のクオリティ。

 特にパスタは人気品で、筆者がラスト15分で殆ど空になった大皿から残滓をトングで侘しく掻き集めていると、
 “申し訳ありませんっ すぐに茹でますのでお待ちくださいませ”
 ……と係員さんが即妙に対応。なんとラスト5分で熱々大皿パスタをサッと供して下さった。

 数組残っていたお客さんもみんなで平らげて、コレも殆どなくなったというイイ挿話も述べておきたい。

雰囲気
(入りやすい店か、落ち着いて食せるか)
[6]
リベラル感
(実施時間が不自由でないか、ルールがやかましくないか)
[7]
接客
(説明など不親切でないか、感じは悪くないか)
[8]
立地
(場所は便利かどうか)
[9]
お得感
(質量共に料金以上の満足が得られるかどうか)
[5]
総合【★★−−−】地元の方やお食事メインの方は星ひとつプラスで。ただマニアには厳しいか。

当日の収穫!

▲アップルパイ,苺のショートケーキ(なぜかずり落ちる上層スポンジ) ▲抹茶パウンドケーキ,チョコケーキ ▲実演ワッフルをパフェ仕立てに
▲ティラミス+カットパイナップル,ぶどうゼリー ▲イチゴタルト,モンブラン(マロンペーストもスポンジも即席だけどこれはこれで好きな味だった) ▲安納芋ココット,ロールケーキ
▲洋梨タルトレット,バターナッツプリン ▲ソレイユ,チョコパンナコッタ ▲カシスチョコアーモンド,ベルガモットティー
▲フランボワチーズ,みかん(このみかんが糖度アマアマジューシーで美味しいんですよ) ▲ベーコンときのこのアーリオオーリオパスタ,パンピザ ▲サンドイッチ,フライドポテト
▲アップルパイをアレンジしてみたが ▲ラスト5分で茹で立てパスタ

― みちあんない ―

名鉄[豊田市]駅から直通徒歩1分。

【所在地】〒471-0027
愛知県豊田市喜多町一丁目140
名鉄トヨタホテル ラウンジひまわり
【営業時間】午前9時〜午後10時
【tel】0565-35-6611
【関連サイト】公式サイト  食べログ
【PR】

▲こちらのロールケーキは比較的逸出品。場数を踏んだ審美眼で「ロールGET、アップルパイGET、クグロフGET〜!」と選別できれば、満足度指数はかなり上がるはずだ ▲そしてケーキバイキングマニアの方も決して失望なさらず、いっそこちらライトミールに集中してみるのも吉。パスタはキノコたっぷりだし、ピザトーストはさくさくだし。
▲味は良いはずが、ブッフェのヘリに追いやられて目立っていなかった熱々ワッフル。実演品として堂々と中心に据えて振る舞っても良かったのでは ▲仕入品や即席品が中心だろうとここはブッフェという設えを楽しむべき!と口では言いつつも、夜の胃もたれがスイパラの倍キツかったことも正直に白状しておきたい……
▲参考までに。同ホテル6Fバイキングレストラン《ル・ボナール》店頭。ランチバイキングは平日:2,160円/土日祝:2,484円。 ▲本日のおみや。定番品のラスク313円。1Fではなく6Fの売店で購入。お茶請けに重宝致しました

(取材日:2016年11月23日)