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●081011 ダム建設を巡るカシミール問題


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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年10月11日分 ーダム建設を巡るカシミール問題

「ダム建設を巡るカシミール問題」,私は,インドの Prime Minister Manmohan Singh は,立派な人だと思うがどうであろうか。元大蔵大臣で,政策にも明るいと思うが,いろいろな行動を見ていると,インドの難しい政局の中で,十分に尊敬されながら,政治を推し進めているような気がする。

最初にそう感じたのは,米印原子力協定が野党の反対にあって潰れそうになったとき,一時,辞任の噂が流れた。それを克服したときの,彼への国民の尊敬の思いが,我々にも伝わったような気がする。

その後,立憲君主制に衣替えしたブータンの最初の国会で演説した彼や,「宰相が,日の出と共にやってきた」,と歓迎されたインド北東部の州都 Shillong を訪問したときの彼,更に世界の新聞を飾った写真,それは,王制を倒して共和制を実現し,ネパール共和国初代の首相となった毛派の首領 Prachanda をニューデリーに迎えた,まるで Prachanda が実の父親に会ったような,嬉しそうな顔をして,彼の胸に飛び込んでいる姿である。

そうして今回,難しい Srinagar 訪問である。まず,問題の多い Jammu and Kashmir のウイキペディア上のわかりやすい地図を見て,状況を頭の中に入れて欲しい。今回の主題である Baglihar ダムは,真ん中の Srinagar と冬の州都 Jammu の間の Chenab 河上にある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Kashmir_map.jpg

Jammu and Kashmir はまさに南アジアの闘争の歴史の中にある。北の一部には,パキスタンが中国にもぎ取られた中国実行支配の部分まであって,そのすぐ南のパキスタン実行支配中の領域の Jhelum 河の Kohala dam プロジェクトは,つい先日のニュースでも,中国の Sinohydro が強い関心を示したものである。

インドが米印原子力協定を成立させたのを見たパキスタンの President of Pakistan Asif Ali Zardari は,北京に飛んで,湖錦濤首席に,中国とパキスタンの原子力協定を提案するとされている。

また,9月24日のニューヨークの国連総会の時,President of Pakistan Asif Ali Zardari は Prime Minister Manmohan Singh と会談しており,このときの対話が,これからインドの実行支配の中で建設されようとしている多くのダム計画に対して,両者の微妙なやりとりが報道されている。

Sing 首相は,Baglihar project について,パキスタンの心配に対して,両国は十分な協議を行った,インドは,450MWの Chenab River のBaglihar hydroelectric project を,下流流量の正常化を要求するパキスタン側の反対に遭いながら,建設を行ったが,これについてはインドは,Indus Waters Treaty に基づき,両者が満足出来る方法で進めた,と説明している。

この竣工式でカシミール問題についてシン首相が語った印象深い言葉を紹介しておこう。「国境は変えられないが,不適切である現状を認識する。」,「過去の,「不適切な関係」,を,新しい,「人々の往来」,の形で両国の絆を固めたい。」,「異なった近所同士だが,国境線は地図の上に存在するだけだ」,

"Borders cannot be changed but they can be made irrelevant "
a concept of ‘a different neighbourhood, where borders exist only on maps’


本文

●インドのシン首相,パキスタンとカシミール対話の用意

デリーで書かれたパキスタン側の記事である。インドの Prime Minister Manmohan Singh が,パキスタンとの間で領土紛争が存在する Jammu and Kashmir 州の首都 Srinagar を訪問した。目的は,パキスタンとの間で長く議論の続いた Baglihar dam project の第1期完成の竣工式出席のためである。Singh 首相の歴史的な演説で,記事は飾られている。金曜日に到着して,二日間の日程で,この峡谷の町に留まる。彼の発言の要旨。

インドは,Jammu and Kashmir の紛争について,パキスタンとの間で平和的な手段で話し合う。インドは正常化を望んでおり,解決の方法を見つけたい。国境は変えられないが,不適切である現状を認識する。人々が,Srinagar と Muzaffarabad の間で自由に行き来できることが必要である。即ち,過去の,「不適切な関係」,を,新しい,「人々の往来」,と形で両国の絆を固めたい。

Baglihar project について,パキスタンの心配に対して,両国は十分な協議を行った。インドは,450MWの Chenab River のBaglihar hydroelectric project を,下流流量の正常化を要求するパキスタン側の反対に遭いながら,建設を行った。これについてはインドは,Indus Waters Treaty に基づき,両者が満足出来る方法で進めた。

インドは,このダムの完成の機会に,地域の人々が手を携えて発展に向かうよう,パキスタンに呼びかけたい。パキスタン側が,ダムの高さに不満を示し,世界銀行の仲介で,ダムの高さを144mから142.5mに変更した経緯がある。インドは,第11次五カ年計画で78,000MWの電源を開発するが,Jammu and Kashmir の役割は大きい。インドは,この550億ルピーのダムで,移住を余儀なくされた人々の生活には,最善を尽くす。

●インドのシン首相,Baglihar Dam 竣工式を主宰

この記事も,パキスタンの記者によって,デリーで書かれたものである。インドの Singh 首相は,パキスタンの懸念は十分に考慮された,今後もこの Chenab の中で3つの水力計画を持っている,カシミール問題の解決で,「異なった近所同士だが,国境線は地図の上に存在するだけだ」,と記者会見で語った。国境は人々の接触を妨げるものではない,とも表現した。

インドは,更に3つの水力プロジェクト,出力2,100MW,を,インドが実行支配している域内の Chenab river 上で開発する計画である。首相のカシミールへの出発前に,政府内の合意が出来ている。

●シン首相,金曜日,Baglihar Power Project 竣工を主宰

この記事は,今回の Baglihar power project の竣工式の模様を,イスラマバードから伝えたものである。インドが,占領されているカシミールに,ダム建設を行って,Indian Prime Minister Manmohan Singh 自ら竣工式を主宰した。パキスタンはこのダムの建設に反対してきており,1960年の Indus Waters Treaty に反しているものと考えてきた。

今回のダムは,下流への流量をチェックすることが出来るようになっている。9月24日にニューヨークで,Indian Prime Minister と President of Pakistan Asif Ali Zardari は会って,この問題について話し合っている。インド側は,まだ発表されていない方法で調整を行うことを約束した。パキスタンの Indus Waters Commissioner Syed Jamaat Ali Shah が,来週にも現地を訪れることになっている。問題は,このダムだけでなく,これから計画されている250もの大小のダムの問題である。

Reference

India

●081011A India, The Post
インドのシン首相,パキスタンとカシミール対話の用意
India ready to discuss Kashmir, says Singh
http://thepost.com.pk/MainNewsT.aspx?bdtl_id=12983&fb_id=2&catid=14
●081011B India, Daily Times
シン首相,Baglihar Dam 竣工式を主宰
Singh commissions Baglihar Dam project
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C10%5C11%5Cstory_11-10-2008_pg1_3
●081011C India, pakobserver
シン首相,金曜日,Baglihar Power Project 竣工を主宰
Manmohan to open Baglihar Power Project on Friday
http://pakobserver.net/200810/08/news/topstories18.asp


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