日刊 アジアのエネルギー最前線

●081015 フィリッピンの天然ガスと電気料金


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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年10月15日分 ーフィリッピンの天然ガスと電気料金

「フィリッピンの天然ガスと電気料金」,2000年頃に,フィリッピンの西南沖のマランパヤ天然ガス田(注1)が発見されたときは,全く国内資源のなかったフィリッピンにとっては,衝撃的であった。今日は,このガス田から政府が取り上げているロイヤリティと,高い電気料金を結びつけて,ロペス財閥のロペス氏(注4)が,フィリッピン経済に思いを馳せながら,問題提起している。

大阪ガスがLNG計画を調査したときの報告書があるが,これに従うと,2001年10月にスタートしたマランパヤガス(注1)は,現在同国唯一の商業的ガス田で,バタンガス周辺の3個所の発電所(サンタリタ,イリハン,及びサンロレンツォ,計2,700MWで,365mmcfd(標準稼動時)が使用され,既に輸入石油代替効果により,国の財政や地域及び地球環境に大きく寄与している,と書かれている。

ファーストジェン(注3)のロペス会長(注5)は,上記3発電所のうち,サンタリタ,サンロレンツォの2カ所,約1,500MWを所有している。彼の言う数字は次の通り。天然ガスからの政府の徴収するロイヤリティは年間370億ペソの達している。5月の電気料金で見ると,もしこれを負荷率の高い企業にこの額で料金削減を行うと,KWh当たり4.36ペソ,約9.08セント相当,であったものが,2.57ペソ,約5.35セント相当,に激減する。これが企業の誘致となり,政府は逆に50億ペソの増収に跳ね返るだろう。

ここで彼は,東南アジアの電気料金を比較している。フィリッピンは最も高く,KWh当たり14セントに対して,タイは7セント,インドネシアは6セント,マレーシアとベトナムは6.3セント,と違いが明確である。フィリッピンの高い電気料金を何とかしなければ,フィリッピンの経済に波及が大きく,特に,エレクトロニクスと半導体産業への,所謂,高負荷率産業にその恩恵を与えるべきだ,としている。

彼によると,フィリッピンの輸出総額に占めるエレクトロニクスと半導体の輸出額は77%を占めているという。少し大きいような気がするが,後で調べてみよう。彼は,中国との比較を持ち出し,今後これらの産業が中国への移転を望むとすれば,フィリッピン経済への打撃は計り知れない,と言うのである。まあ彼も商売人だから,どの様な背景があるか分からないが,言葉はフィリッピン経済を思っている。ただ,彼のこの記事での最後の言葉は,「問題はそれを如何に実現するかだ。」(注5)。

大阪ガスLNG報告書
http://www.jetro.go.jp/jetro/activities/oda/model_study/earth/pdf14/earth_002.pdf

(注)
(1) the Malampaya gas field project, (2) high load factor or power-intensive industries,(3) First Gen, (4) president Federico R. Lopez,(5) "how do we do that?"


本文

●シェナブ川のバギリハールダム,パキスタンは更に懸念

カシミールに於けるインドのバギリハールダム(注1),インドのシン首相()の呼びかけの演説で,パキスタンも協調路線へ向かうかと思われたが,そう簡単なものでもないらしい。イスラマバード発の記事では,パキスタン側がますます燃え上がっている。どうもパキスタンのザルダニ大統領(注6)が,国内意思統一のために仕掛けているような節も見受けられる。大統領の北京訪問はどうなったか。

ニューデリーがわざとパキスタン世論を攪乱するために,情報を流している,としている。その情報というのは,バギリハールダム(注1)を建設したシェナブ川(注2)上に,更に同規模のダムを12カ所建設する計画を持って,インドがすべて水を自由にし,下流農業国のパキスタンを息の根を止める,と言うのである。シン首相は,更に3地点のダム建設を,演説の中で発表しているが。

1960年に結ばれた両国のインダス条約(注3)に従うと,インドは,インダス流域の三つの河川,シェナブ川(注2),ジェルム川(注4),インダス川(注5)の水を止めたり流量を減らすことは出来ない,とされているが,インドはたびたびこれを侵していると言う。それは最初に1948年4月1日に起こって,パキスタン西部の8%の農地が干上がったと言う。

パキスタンのザルダニ大統領(注6)がニューヨークでシン首相に直接迫ったとされるパキスタン側の申し入れは,最近起こった下流流量毎秒9,000トン割れで,このような事態は両国の関係を悪化させる,と通告している。12のダム建設は,インド側が意図的に流した攪乱情報で,これに対して,パキスタン政府は,断固たる処置を執るべきだ,と主張している。

(注)
(1) Baglihar Dam,(2) River Chenab,(3) 1960 Indus Basin Water Treaty,(4) Jhelum,(5) Indus,(6) President Asif Ali Zardari

●フィリッピン,マランパヤガスのロイヤリティ関連,料金カットは大口需要のみ

フィリッピンの悪名高い電気料金について,国内資源であるマランパヤガス田(注1)のロイヤリティが問題になっており,ファーストジェン(注3)のロペス会長(注5)が,その処置を政府に迫っている。その恩恵は特に,大口需要家(注2)を対象とすべきだ,と言っている。それは,フィリッピンへの投資を刺激するため,としている。

彼の言う数字は次の通り。天然ガスからの政府の徴収するロイヤリティは年間370億ペソの達している。5月の電気料金で見ると,もしこれを負荷率の高い企業にこの額で料金削減を行うと,KWh当たり4.36ペソ,約9.08セント相当,であったものが,2.57ペソ,約5.35セント相当,に激減する。これが企業の誘致となり,政府は逆に50億ペソの増収に跳ね返るだろう。

ロペス会長は続ける。特に,エレクトロニクスや半導体業界では,この事実は決定的である。これらの企業が,中国を選ぶかフィリッピンを選ぶか,と言うことになれば,大きな経済的な差が出てくる。ASEANの中で比べてみると良い。フィリッピンは最も高く,KWh当たり14セントに対して,タイは7セント,インドネシアは6セント,マレーシアとベトナムは6.3セント,と違いが明確である。

エレクトロニクスや半導体は,フィリッピンの輸出の77%,2007年時点,を占めているのである。電気料金が,如何にフィリッピンの経済を左右するか,重要なポイントである。しかし,最後にロペス会長の言葉は,「問題はそれを如何に実現するかだ。」(注5)

(注)
(1) the Malampaya gas field project, (2) high load factor or power-intensive industries,(3) First Gen, (4) president Federico R. Lopez,(5) "how do we do that?"


●インド,KGガス田の供給紛争,NTPCとリライアンス,友好的に解決

非常に微妙な問題として,先日来,このHPでも10月3日(注1)に取り上げた問題で,政府の新しいガス政策によって,NTPCの新規発電所にKGガス(注4)が送れなくなり,NTPCを中心に,ムンバイでの訴訟委に発展しそうな状態であった。中央政府が,肥料関係が優先とガス基本政策(注2))に書いてある,と言ってこれを阻止し,リライアンス側が,政策決定の前に,発電所への供給は決定していた,と反論していたものである。

今日の記事によると,何か訳が分からないが,友好的に解決の方向に向かった,と言うことである。NTPCの幹部とラズダン電力省次官(注5)が火曜日に会談を持って,裁判所に持ち込まずに,リライアンスとの紛争を解決しようと言うことで,合意したようだ。両サイドともその詳細には口をつぐんでいる。

記事の中の数字について。NTPCは当初,グジャラート州のカワス(注9)とガンダール(注10)の両発電所について,リライアンスが,百万Btu当たり2.34ドル(注6)で供給されるものと理解していた。そこで,ハイドロカーボン総局長()が出てくるのだが,政府としては,2年前の価格交渉を破棄して,新たに百万Btu当たり42ドル(注8)として,11月にも解決を目指すとしている。

(注)
(1) 081003B,(2) gas utilisation policy, (3) Reliance Industries (RIL),(4) Krishna-Godavari (KG) basin,(5) power secretary Anil Razdan,(6) $2.34 per million metric British thermal unit (mmbtu),(7) Directorate General of Hydrocarbons (DGH),(8) $4.2 mmbtu,(9) Kawas,(10) Gandhar

Reference

Pakistan

●081015A Pakistan, pakobserver
シェナブ川のバギリハールダム,パキスタンは更に懸念
Implications of more Baglihars on Chenab
http://pakobserver.net/200810/15/Editorial02.asp

Philippines

●081015B Philippines, Manila Bulletin
マランパヤガスのロイヤリティ関連,料金カットは大口需要のみ
Power rate cut from gas royalties proposed
http://www.mb.com.ph/BSNS20081015138002.html

India

●081015C India, Economic Times
KGガス田の供給紛争,NTPCとリライアンス,友好的に解決
RIL, NTPC may smoke peace pipe on KG gas
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/RIL_NTPC_may_smoke_peace_pipe_on_KG_gas/articleshow/3596675.cms


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