日刊 アジアのエネルギー最前線


●081016 主題 米国がインドへ原子力調査団


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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年10月16日分 ー米国がインドへ原子力通商使節団

「米国がインドへ原子力通商使節団」,2008年10月17日午前11時半時点で,日経平均は+129.66円の858.811円,円の対ドルは前日+1.19円の101.59円,原油は,ニューヨーク市場がバレル70ドルを切って68ドルまで下がり,今年7月の半値にまで落ちた。14ヶ月ぶりの安値という。OPECは緊急に来週に会合を持ち,減産を決めるだろうと見られている。(このHPも10年続き,今後の10年を考えると,その時々の時勢をメモしておく必要があることに気が付いた。)

さて,2008年10月3日,「インドの原子力開発加速へ」,と題して,米印原子力協力協定(注5)の発効に興奮するインド側民間企業の雰囲気を伝えたばかりである。10月10日にライス国務長官がニューデリーに降り立って,協定に署名,金融危機に揺れる米国の中でも,一つの明るい経済的な発展と見て,今日はワシントンの興奮を伝えている。インドの原子力の市場は,次の30年間で1,500億ドル,約15兆円相当,とされている。

先日のインド側から見た記事の引用。この先25年間で,60,000MWの原子力開発を計画しており,その費用は1,000億ドルと見られている。既に政府は10カ所の原子力地点を特定している。なぜか中国の計画を上回るインドの原子力開発計画である。中国は,2030年で4%の計画である。原子力業界は,中国もさることながら,インドへの参入で世界が競い合っている。

今回の協定発効に当たって,米国はインドの平和利用の原子炉に対する燃料供給を保証し,この1,500億ドルの商談を目指して,12月にも原子力産業通商使節団をインドへ送り込む。米国政府商務長官ギッテレッツ(注1)によって明らかにされたが,使節団を率いるのは米印ビジネス協会USIBC(注2)であるとした。今回の会議は,インド商工会議所CII(注3)とUSIBCが共催した,インドグリーン計画首脳会議(注4)である。

今日の記事の中で特徴的なのは,ギッテレッツ長官(注1)が,原子力のみでなく,幅広い米国の技術を,特にそのクリーンエネルギーや環境面で活かして,インドとの通商の幅を広げようとしている点である。原子力に続いて,まず最初に飲み水に触れたのは,インドの人口の飲料水の問題がこれから大きな問題になると想定したのだろう。勿論米国の関心はそれだけに留まらず,風力,水力,バイオマスなどの再生可能エネルギーへの協力にも言及している。

日本はどうなるのだろうか。前回も,インドの原子力業界を牽引する三つのグループ,東芝と米国ウエスティングハウス,三菱重工と仏アレバ,日立と米国のGE,と言う大きな流れに触れたが,国民感情を考えると,この提携関係の中で,日本の企業は動いて行かざるを得ないのであろう。この日本の3社が,更に米国の目指す幅広い環境協力の中で動こうとする日本の環境企業を牽引していくことが望まれる。

なお前回も触れたが,米印協定の前は,インドの原子力にはロシアが協力しており,インドは米印協定の傍ら,ロシアと軍事協定を締結するなど,中立的立場の固守を貫いていることと,今回のシン首相の努力を評価する与党と,これを米国への屈服だ,と非難する野党があることや,世界の世論でも,イスラエルやパキスタンや,これからのイランや北朝鮮はどうなるのか,また,パキスタンが中国と原子力協定を望んでいることなど,留意すべき点も多い。

(注)
(1) US Commerce Secretary Carlos M. Gutierrez,(2) the US-India Business Council (USIBC),(3) the Confederation of Indian Industry (CII),(4) "Green India" Summit,(5) the landmark US-India nuclear cooperation bill,(6) the Convention of Supplementary Compensation for Nuclear Damage,(7) the Asia-Pacific Partnership (APP) on Clean Development and Climate,(8) Secretary of State Condoleezza Rice,(9) "unflinching support" to the nuclear deal with India,(10) USIBC President Ron Somers,(11) the Civilian Nuclear Cooperation Initiative,


本文

●米国企業,1,500億ドルのインド原子力に,12月にも調査団

2008年10月3日,「インドの原子力開発加速へ」,と題して,米印原子力協力協定(注5)の発効に興奮するインド側民間企業の雰囲気を伝えたばかりである。10月10日にライス国務長官がニューデリーに降り立って,協定に署名,金融危機に揺れる米国の中でも,一つの明るい経済的な発展と見て,今日はワシントンの興奮を伝えている。インドの原子力の市場は,次の30年間で1,500億ドル,約15兆円相当,とされている。

先日のインド側から見た記事の引用。この先25年間で,60,000MWの原子力開発を計画しており,その費用は1,000億ドルと見られている。既に政府は10カ所の原子力地点を特定している。なぜか中国の計画を上回るインドの原子力開発計画である。中国は,2030年で4%の計画である。原子力業界は,中国もさることながら,インドへの参入で世界が競い合っている。

今回の協定発効に当たって,米国はインドの平和利用の原子炉に対する燃料供給を保証し,この1500億ドルの商談を目指して,12月にも原子力産業通商使節団をインドへ送り込む。米国政府商務長官ギッテレッツ(注1)によって明らかにされたが,使節団を率いるのは米印ビジネス協会USIBC(注2)であるとした。今回の会議は,インド商工会議所CII(注3)とUSIBCが共催した,インドグリーン計画首脳会議(注4)である。

ギッテレッツ長官(注1)は,インド側に,協定の中の義務の遵守を改めて強調した。それはインド側に必要な国内法制度との整合であり,それは原子力被害特別補償制度協議会(注6)と関係してくる。更に長官は,2007年に於ける米印貿易は420億ドルだが,これは2005年に比べて55%の伸びを示している。米国としては,原子力のみでなく他のクリーンエネルギー,風力,バイオマス,水力,なども視野に入っている。当然,米国の有するクリーンエネルギー技術がその中核をなすと。

長官は,環境問題協力も重要な柱である,としている。特に,アジア太平洋クリーン開発気候パートナーシップ(注7)の枠組みを通じて協力を広げて行くとしている。米国はインドに対して,クリーンで安全で健康的な環境作りに協力する用意がある。ライス長官(注8)もソマーズUSIBC総裁(注10)に当てたレターの中で,「断固とした支援」(注9)を,原子力平和協力宣言(注11)を推進することを約束している。

この長文の記事を読むと,米国経済にとって,今回の原子力協定は,実に広範なインドとの経済関係強化を狙っているもので,単なる原子力だけで引き下がる米国産業界ではない,と言うことだ。その米国の視点は,今後インドで大いに問題になる水資源問題にも焦点が当たっており,特に10億の民への安全な飲料水の提供に,米国技術が大いに関わることも視野に入れている。再生可能エネルギーから環境全般までは,言うまでもないところである。


(1) US Commerce Secretary Carlos M. Gutierrez,(2) the US-India Business Council (USIBC),(3) the Confederation of Indian Industry (CII),(4) "Green India" Summit,(5) the landmark US-India nuclear cooperation bill,(6) the Convention of Supplementary Compensation for Nuclear Damage,(7) the Asia-Pacific Partnership (APP) on Clean Development and Climate,(8) Secretary of State Condoleezza Rice,(9) "unflinching support" to the nuclear deal with India,(10) USIBC President Ron Somers,(11) the Civilian Nuclear Cooperation Initiative,

●中国,チベットで一連のダム開発を計画

2008年10月2日に,「アジア大陸の水源はチベット高原」,と題して,インドの教授の記事を解説したばかりである。特にチベットの下流にあるインドとして,チベットを中心とした水資源の源流に,何の相談もなくダム開発が行われることに,懸念を示していた。チベットはアジア大陸の水源だ,と言うものである。今日の記事は,当局の談話を交えながら,問題点を論じているが,まだ開発の実態は見えていない。

これは,地域の水資源責任者が記者に語ったものであるが,中国はチベット領内に一連の段階ダム計画を持っている,と言うところから始まっている。アジアの水源への影響を心配している人々や環境グループであるが,ラサの担当者は,チベットの貧困を救うには,ダム開発による水力発電が,もっとも適した経済開発の方法だ,と主張する。開発に当たっては,自然と社会に対するインパクトに心がける,としている。

当局によると,水力は,石油,ガス,原子力に比べてクリーンで効率的だと主張,2003年に行われた調査では,域内に年間1.8兆KWhの電力を包蔵しているという。具体的どこかと言うことは,今の段階では分からないが,少なくともブラマプトラ(注1)のような大河にはダムは造らない,としている。何処が開発の適地かとなると,上流は開発禁止,中流は多くの人が住んでいる,下流の峡谷部で住民が少ないところ,が開発のターゲットになるだろう,としている。

チベット当局の環境担当ホンシアン女史(注2)は,まだ調査の手が十分に入っていないチベットの水資源の開発には,慎重な手法を適用する,としている。ブリティッシュコロンビア大学のテッサリン氏(注3)は,環境に注意を払っても水質や自然流水の栄養循環などは忘れがちだ,とダムに反対する。彼は,以前は政府の開発政策には何も言えなかった住民だが,今では声を上げている,と言っている。

チベットは,開発の必要が叫ばれながら,具体的なダム開発計画が明らかにされない。前回のインドの教授の話によると,インドがもっとも警戒しているのは,大屈曲点と呼ばれている,ブラマプトラ河(注1)の中流部の大規模ダムである。中国政府は,この点に関しては黙して語らない。メコン川上流では,まだ下流が無関心に間に開発が進んだが,チベットは今,世界の注目を浴びている。温家宝首相も慎重にならざるを得ない。



(1) Brahmaputra,(2) Zhuang Hongxiang, an official at Tibet's environment bureau,(3) Tashi Tsering, a researcher on Tibetan water resources at the University of British Columbia,

Reference

India

●081016A India, siliconindia
米国企業,1500億ドルのインド原子力に,12月にも調査団
Eyeing India's $150 Billion nuclear pie, U.S. sending trade team in December
http://www.siliconindia.com/shownews/47726

China

●081016B China, unpo
中国,チベットで一連のダム開発を計画
Tibet China Plans String of Dams
http://www.unpo.org/content/view/8791/69/


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