日刊 アジアのエネルギー最前線

●081022 主題 ラオスの水力で住民補償が再燃


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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年10月22日分 ーラオスの水力で住民補償が再燃

昨夜は電力会社の友人達と酒を酌み交わす。飛行機にバッテリーを積み込んで飛べないのか,などと話していたが,我々の関心は,電気自動車の電気がどこから来ているのか,そこまで触れないテレビ番組に苛立っていた。要するに,原子力発電で自動車が動く,と言うことなのだが,つっこみが足りないなあ,と話していた。知的送電網の話も出たが,電線上にブロードバンドを載せなければ,知的送電網の意味がないと思うが,専門家の彼等は,情報は光の方がよい,と主張していた。

その友人が調べてくれたところでは,パナソニックの乾電池で人が乗って飛んだ飛行機のホームページを紹介してくれた。やはりどう考えても将来は,自動車も飛行機も電気で動くようになるのだろう。そうなると,石油もバイオ燃料も要らなくなる,と言うことにならないかな。新幹線がエコだと言うが,新幹線の電力も原子力から来ている,と説明すればよいのではないか,「原子力で動く新幹線にどうぞ!」とか。まあ今は原子力は30%程度だが,化石燃料がなくなってそのうち原子力と水力だけになる,と想定しての話である。

原子力,インドのシン首相が日本を訪問し,麻生首相と首脳会談。主題は,経済連携協定(EPA)と安保協力であるが,原子力協力については,両方とも言い難し,と言うところか。麻生首相も,将来の核実験の可能性など,言うべきは言わなければならない。しかし,シン首相は,「原子力に対する日本人の感情は良く理解できる」,と言っていた。シン首相は偉いなあ,私は好きですね。

原子力の一方の水力であるが,ラオスの水力で,また住民補償の問題が燻っている。ラオスの中部,メコン河の左岸から流れ込むナムテン川(注2)は流域面積約1万平方kmの大支流であるが,中流に,1998年に真っ先に完成した210MWテンヒンブン水力発電所(注1)があって,このテンヒンブン水力発電所(注1)を増設して,280MW〜290MWにするテンヒンブン水力増設計画(注11)が進行中である。

テンヒンブン水力発電所(注1)は,ナムテン川(注2)の水を分流して小河川であるカンムーン県のヒンブン川流域(注5)に流すので,洪水問題が論じられている。洪水がでたときにその上に分流した水が覆い被さる,と言う意味なのである。

このテンヒンブン水力増設計画(注11)の環境影響評価に責任を持つコンサルタント,ボルセット氏(注15)は,もっとも大きな影響は,新しく造られる100平方kmの貯水池によって起こる浸食と下流への洪水だろう,と言っている。また,11村落,4,000人の移住が必要としている。このような水力開発に伴う環境対策について,ラオスのブナソン首相(注16)は,2007年11月のシンガポールに於けるASEANサミット(注17)で,適切に対処することを約束している。

私は,テンヒンブン水力増設計画(注11)は,おそらく15時間ピークで対応してきた210MW,テンヒンブン水力発電所(注1)を,更にピーク時間を短くして280〜290MWに増設する計画と解釈しており,ボルセット氏(注15)の言う新たな貯水池は,そのピーク流量を調整する逆調整池なのか,取水ダムを大きくするのか。このように増設に伴って,元の210MW,テンヒンブン水力発電所(注1)で,不満の出た補償問題も,一挙に吹き出してくる可能性がある。

(注) (1) the 210-megawatt Theun Hinboun hydropower dam,(2) Nam Theun river, (3) Nam Thun 2 hydropower,(4) the Imaging Our Mekong Programme coordinated by IPS Asia-Pacific,(5) the Hinboun River in the central province of Khammouane,(6) the Theun Hinboun Power Co (THPC),'(7) the Norwegian state-owned utility Statkraft,(8) Thailand's GMS Power,(9) Phomma Khoutmany, deputy chief of Phahang village,(10) the U.S.-based campaign group International Rivers,(11) the Theun Hinboun expansion project,(12) International Rivers Campaigns Director Aviva Imhof,(13) the Hai and Hinboun River valleys,(14) a national workshop on the Environmental Impact Assessment
of the Theun Hinboun Expansion Project in Vientiane in October 2007,(15) Erik Borset, senior environment planner for the Norwegian consulting company Norplan,(16) Prime Minister Bounasone Bouphavanh,(17) the 13th ASEAN Summit in Singapore in November last year.,(18)


本文

●ラオス,テンヒンブン,ダムとの戦い,ジレンマ

210MWテンヒンブン水力発電所(注1)は1998年,ラオスの水力の中では最初に造られたタイへの輸出用の発電所である。ナムテン川(注2)の中流部にダムを造って,メコン本流側に,落差約400mを利用して分流する計画で,当時計画が進んでいたナムテン2水力(注3)に先駆けて,北欧主導で建設された。大河川の水を小河川に分流するために,小河川側での高水に対する問題点が指摘されてきた。

この記事は,IPSニュースが,「我がメコン計画のイメージ」運動(注4)の活動の一環として書かれたもののようだ。やや長文。ラオス政府は,大きな希望を抱いて水力開発に取り組んでいるが,カンムーン県のヒンブン川流域(注5)に住んでいる人々にとっては,状況は全く違うものとなってきた。テンヒンブン水力発電所(注1)のオーナーであるテンヒンブン電力会社THPC(注6)は,ラオス政府,ノルウエーのスタットクラフト(注7),タイのGMSパワー(注8)によって運営されているが,テンヒンブン電力会社は,住民対策に失敗した,と村人は言っている。

今,国内的にも国際的にも問題になっているのは,2012年を目標に進められているテンヒンブン水力発電所(注1)の増設計画である。村人は,テンヒンブン水力発電所(注1)によってもたらされた洪水が,農作物に大きな被害をもたらした,特に稲田の被害,と言っている。これを語っているのは村長のポーマ(注9)である。漁獲高も極端に減ったと言っている。

問題は,このテンヒンブン水力発電所(注1)の完成後に得た多くの経験が,ラオスの他の水力プロジェクトにどの様に生かされるかが問題だ。最近10月に発表された米国籍環境グループIRN(注10)は,ラオスでは6つのダムが運転中であり,7つのダムが建設中,12以上のダムが計画中である事実に鑑み,水力プロジェクトに関する更なる住民参加の促進と影響評価の見直しを提案している。

IRN(注10)は,調査中のテンヒンブン水力増設計画(注11)の環境評価と住民対策は,国際規格に合致していない,としている。補償の大部分は土地の所有者に行くもので,一般の村人には行かない。補償の不公平さに住民の不満が上がっている。IRNのインホッフ女史(注12)は,その4月の報告書で,ハイ川とヒンブン川峡谷(注13)の人々の移住で,貧困が急速に進むと予測している。テンヒンブン水力発電所(注1)によっても,住民には電気の一つも届かない,という点も指摘している。

テンヒンブン水力増設計画(注11)であるが,テンヒンブン電力会社THPC(注6)は,外国やタイの銀行による485百万ドルの融資によって,現在の210MW,テンヒンブン水力発電所(注1)を,280〜290MWに増設する計画である。テンヒンブン水力増設計画(注11)については10月にビエンチャンで,ラオス政府の環境影響評価のワークショップ(注14)が持たれている。

このテンヒンブン水力増設計画(注11)の環境影響評価に責任を持つコンサルタント,ボルセット氏(注15)は,もっとも大きな影響は,新しく造られる100平方kmの貯水池によって起こる浸食と下流への洪水だろう,と言っている。また,11村落,4,000人の移住が必要としている。このような水力開発に伴う環境対策について,ラオスのブナソン首相(注16)は,2007年11月のシンガポールに於けるASEANサミット(注17)で,適切に対処することを約束している。

私は,テンヒンブン水力増設計画(注11)は,おそらく15時間ピークで対応してきた210MW,テンヒンブン水力発電所(注1)を,更にピーク時間を短くして280〜290MWに増設する計画と解釈しており,ボルセット氏(注15)の言う新たな貯水池は,そのピーク流量を調整する逆調整池だと思うが,このように増設に伴って,元の210MW,テンヒンブン水力発電所(注1)で,不満の出た補償問題も,一挙に吹き出してくる可能性がある。

(注) (1) the 210-megawatt Theun Hinboun hydropower dam,(2) Nam Theun river, (3) Nam Thun 2 hydropower,(4) the Imaging Our Mekong Programme coordinated by IPS Asia-Pacific,(5) the Hinboun River in the central province of Khammouane,(6) the Theun Hinboun Power Co (THPC),'(7) the Norwegian state-owned utility Statkraft,(8) Thailand's GMS Power,(9) Phomma Khoutmany, deputy chief of Phahang village,(10) the U.S.-based campaign group International Rivers,(11) the Theun Hinboun expansion project,(12) International Rivers Campaigns Director Aviva Imhof,(13) the Hai and Hinboun River valleys,(14) a national workshop on the Environmental Impact Assessment
of the Theun Hinboun Expansion Project in Vientiane in October 2007,(15) Erik Borset, senior environment planner for the Norwegian consulting company Norplan,(16) Prime Minister Bounasone Bouphavanh,(17) the 13th ASEAN Summit in Singapore in November last year.,(18)

●日本と米国,フィリッピンの水循環基金,設立へ

日本と米国が協力して,フィリッピンの水資源循環基金(注18)を設立する,という記事で,基金はフィリッピン開発銀行(注19)内に設けられ,発足時の元となる初期資金の額100万ドルは,JICA(注20)が米国USAID(注21)の資金部DCA(注22)の支援を受けて準備する。

(注)(18) the Philippine Water Revolving Fund (PWRF),(19) The Development Bank of the Philippines (DBP),(20) Japan International Cooperation Agency (JICA),(21) US Agency for International Development,(22) Development Credit Authority (DCA).

その他

●フィリッピン,マニラ配電Meralco,料金値上げ,KWh0.14ペソ

Reference

Philippines

●081022A Philippines, Manila Bulletin
日本と米国,フィリッピンの水循環基金,設立へ
US, Japan establish water revolving fund
http://www.mb.com.ph/BSNS20081022138636.html
●081022B Philippines, Manila Bulletin
マニラ配電Meralco,料金値上げ,KWh0.14ペソ
Meralco to hike rates by P0.14kWh
http://www.mb.com.ph/BSNS20081022138638.html

Laos

●081022C Laos, ipsnews
ラオス,テンヒンブン,ダムとの戦い,ジレンマ
DEVELOPMENT: Laos Struggles With Dam Dilemma
http://ipsnews.net/news.asp?idnews=44346


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