日刊 アジアのエネルギー最前線


●081024 主題 インドネシアと中国のLNG契約


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日刊 アジアのエネルギー最前線



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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年10月23日分 ーインドネシアと中国のLNG契約

昨2008年10月22日,フィリッピンの水循環基金(注29)でJICAがUSAIDとともに基金を支援して行く,と言う記事は,どうもぴんと来なかったが,JICAが主導していたので拾って見ていた。昨夜,NHKのテレビを見ていて,ああこれのことか,と納得がいった。海水淡水化の技術も含めて,使用した水を再び飲料水に戻すという,上水道から下水道まで一貫したシステムの中で,水の消費なしで循環させて行こうという壮大な計画のようだ。

私の後輩で衛生工学を専攻した友人が,昭和46年ぐらいに奥多々良木揚水の現場で同じ職場にいて,良く議論したが,その中に水のエントロピーの彼の発想があった。綺麗な水はエントロピーが高く,汚れた水はエントロピーが低い,と言う考え方で,下流でエントロピーの落ちた水をどの様に再びエントロピー高めた行くか,と言う熱エネルギー計算のような考え方であったと思う。テレビは,日本の透水膜の技術などを紹介していた。

情報というものがお金になる,なんて言う発想が出てきて,ものを造らずにそんな馬鹿なことがあるか,物を造る者だけが仕事をしているのだ,などと議論していた時代,「マックスウエルの魔法」,という本があって,もし砂糖水の中で,この分子は砂糖,この分子は水,と言う情報が与えられれば簡単に,砂糖水から純水が得られる,と書いてあって,ああ情報とはそういうものか,と納得したことがあった。上下水道のネットワークにも,まもなく「知的上水道」の発想の時代が来るだろう,知的送電網のように。

さて今日の記事だが,ASEM会議で北京に行っているインドネシアのユドヨノ大統領(注2)には,やっかいで重要な仕事が託されているという。それは,中国の湖錦濤主席に直接,過去の契約の更改を申し込まなければならないと言う,やっかいな問題。2002年,メガワティ政権(注5)の頃に,中国福建省(注6)と,タングーLNG供給契約(注4)で,2009年より25年間,百万Btu当たり2.4ドルでLNGを供給する,としている。

ここしばらく私のHPを読んでくれている人は,インドネシアが原油生産の落ち込みで大変に慌てており,国会も外資系資本を国会に呼びつけて,調査を行っている状況が分かる。インドネシアにとって残りは天然ガスであり,しかも国内消費のためには,LNGが必須となる。アチェなどのLNGを受けてきた日本も,既にLNGの価格や量で厳しい交渉をしており,先日,タングーLNG供給契約(注4)を申し込んだ韓国は,見込みがない,と棚上げにされている。

このような状況の中で,中国福建省(注6)だけが,百万Btu当たり2.4ドルでLNGを受け取れることは,何とも世界情勢が許さない。このようなLNG価格について,再交渉の閣僚チームを率いているのはカラ副大統領(注7)で,彼は中国に心酔しているとはいえ,これだけはこのままには出来ないと言うことだろう。

全くLNG価格は予断を許さない。最近ちらっと,ロシアがOPEC並のLNGカルテを結成しようという動きがあるが,現在のところLNG価格(いずれも百万Btu当たりで表現)は個々の契約に任されている。最近インドで,11ドルが出てインドもLNGまたは天然ガスの戦国時代に入ってきた。タイはまだ7〜8ドルで動いているはずである。それがメガワティ大統領(注5)の頃の2002年には2.4ドルだったわけだ。2.4ドルと言えば,発電単価になおして僅かKWh当たり2セントですよ。ユドヨノ大統領(注2)と湖錦濤主席(注3)の直接交渉になるとは,LNGも世界のトップ待遇になってきた。

(注)(29) Philippines Water Revolving Fund (PWRF),
(1) The Jakarta Post , Jakarta,(2) President Susilo Bambang Yudhoyono,(3) Chinese counterpart Hu Jintao,(4) Tangguh liquefied natural gas (LNG) contract,(5) Indonesian president Megawati Soekarnoputri,(6) China's Fujian province,(7) Vice President Jusuf Kalla,(8) the Bintuni Bay area in Papua,(9) 14.4 trillion cubic feet,(10) Europe's largest oil and gas company BP Plc,


本文

●インドネシア大統領,湖錦濤主席とLNGで協議

インドネシアのLNGについては,最近も韓国がLNG供給延長を求めてインドネシアと交渉しているが,良い返事が返ってきていない。日本も,既に契約減を求められている。インドネシアは,国内消費のための施設を東部ジャワに建設中で,LNGの国内消費増大に備えている。LNG価格についても,日本に対して百万Btu当たり16ドルの声がかかっているし,韓国との交渉では20ドルの契約をしたばかりである。

今日のジャカルタポスト(注1)の記事。ASEMの会議で北京に向かうインドネシアのユドヨノ大統領(注2)は,中国とのLNG供給契約に関して難問を背負っている。湖錦濤主席(注3)との直接対話で,過去になされたLNG供給契約を見直さなければならないからだ。議論の最中にあるタングーLNG供給契約(注4)は,2002年に,当時のメガワティ大統領(注5)政権によって,中国福建省(注6)との間で交わされた。

このときの契約では,タングーLNG供給契約(注4)で,2009年よりLNG供給を開始,25年間の契約で,価格は一般には,世界のLNG価格の変動を見ながら決定する習わしでありながら,このLNG契約では,百万Btu当たり2.40ドルの内容となっていた。インドネシア政府は,このLNG価格に関して,最近になってカラ副大統領(注7)をヘッドとする閣僚級のLNG価格見直しチームを編成して,検討に当たってきた。

この大規模なタングーLNG基地(注4)は,パプアのブントニ湾(注8)にあって,天然ガス包蔵は144兆立方フィート(注9)と言われている。BP(注10)によって運転されることになっており,2009年にLNG生産を始めて,年7百万トン規模となる予定である。

全くLNG価格は予断を許さない。最近ちらっと,ロシアがOPEC並のLNGカルテを結成しようという動きがあるが,現在のところLNG価格(いずれも百万Btu当たりで表現)は個々の契約の任されている。最近インドで,11ドルが出てインドもLNGまたは天然ガスの戦後時代に入ってきた。タイはまだ7〜8ドルで動いているはずである。それがメガワティ大統領(注5)の頃の2002年には2.4ドルだったわけだ。24ドルと言えば,発電単価になおして僅かKWh当たり2セントですよ。ユドヨノ大統領(注2)と湖錦濤主席(注3)の直接交渉になるとは,LNGも世界のトップ待遇になってきた。

(注) (1) The Jakarta Post , Jakarta,(2) President Susilo Bambang Yudhoyono,(3) Chinese counterpart Hu Jintao,(4) Tangguh liquefied natural gas (LNG) contract,(5) Indonesian president Megawati Soekarnoputri,(6) China's Fujian province,(7) Vice President Jusuf Kalla,(8) the Bintuni Bay area in Papua,(9) 14.4 trillion cubic feet,(10) Europe's largest oil and gas company BP Plc,

●ネパール,プラチャンダ,大規模プロジェクトへの外資参入を求める

ネパール共和国初の首相,毛派の首領,プラチャンダー(注11)は元々社会主義者なのであろう,それが率先して市場経済を標榜して,ネパールへの海外投資を求め,一挙にネパールの経済成長を図ろうとしている。プラチャンダー(注11)が,北京を訪れてまず政治的なネパールの安定と資金供給に目処を付け,返す刀でインドのシン首相(12)と,親子のように抱き合って,インドのネパール開発支援を取り付けたシーンは,我々の記憶に新しい。

今日の記事は,インドのヒンズー紙(注13)でカトマンズー(注14)発である。第一声,プラチャンダー(注11)は,自由市場経済を標榜し,民間投資の増大を求め,特にネパールの大規模開発プロジェクトへの海外資金の投資を要請している。大規模開発プロジェクトとは,ネパール東西鉄道路線敷設(注15),カトマンズーとテライ間高速道路(注16)とそれに大規模水力プロジェクト群の開発である。

プラチャンダー首相(注11)が特に強調しているのは,ネパールの経済開発のための官民資本の協力である。しかし,プラチャンダー首相(注11)の前途に政治的な問題がないわけではない。彼は,特に米国も含めて,複数政党による民主主義政治と民間投資に重点を置いたわけで,彼の周辺には依然として,世界の流れに抗して,共産党一党独裁を主張する強硬派もいるわけである。

カトマンズー(注14)で2日間に亘って開かれた,「カトマンズー官民投資シンポジューム」(注17)の冒頭で,プラチャンダー首相(注11)は演説し,政府はネパールの経済開発のために新しい産業政策を導入することを宣言した。プラチャンダー首相(注11)は最近,インドに対して向こう10年間で10,000MWの水力開発への支援を要請したばかりである。

具体的には,二つの大規模水力,パンチェスバール(注18)水力とサプタコシ高ダム(注19)で二つだけで合計出力9,000MWに達する。この二つのプロジェクトは,既に調査や設計が進んでいるが,ネパールの政治的不安定から,長い間,棚上げされていた。

私は,長い間,インドとの関係が悪くて,全然進まなかったネパールの莫大な包蔵水力が,一気に進展する可能性がある,という意味で,それはインドの石炭火力の抑制に繋がり,我々日本人も含めて人類が最後の聖域に挑戦できるから,素晴らしい,と思っている。あの嫌悪な両国の関係から我々世代がまだいる間に,このような関係が開かれるとは思わなかった。しかし,プラチャンダー(注11)構想は少し大きすぎて過激に過ぎる。

(注)(11) Nepal Prime Minister Prachanda,(12) Prime Minister Manmohan Singh,(13) http://www.hindu.com/,(14) Kathmandu,(15) East-West railway,(16) Kathmandu-Terai Fast Track road,(17) a two-day symposium on 'Public Private Partnership' in Kathmandu,(18) Pancheshwor,(19) Saptakoshi High Dam,(20)

●パキスタン訪米団,エネルギーへの世界銀行の支援を求める

パキスタンのザルダリ大統領(注20)が北京で湖錦濤主席と会って,ダム建設などへの中国企業の参入の約束を得たばかりである。原子力協力については,パキスタン側が,中国とパキスタンの原子力協力で湖錦濤主席の確約を得た,と言っているけれど,中国側は発言していないし,どうも湖錦濤主席は慎重だったような気がする。また,パキスタンと世界銀行の関係は,タルベラダム問題以来,深いものがある。

記事は,ワシントン発のAP電を元にしている。パキスタンのファルキ計画委員会副総裁(注21)を団長とする調査団がワシントンを訪れ,今週,世界銀行とIMF(注22)との間で,主としてパキスタンのエネルギーセクターの開発への支援を要請したものである。メンバーは,エネルギー分野のキーパーソンを網羅している(注23)。

記事の内容は複雑である。主としてエネルギー分野の効率改善に関する技術援助を要請しているように見えるが,おそらく最後に要約されているプロジェクトの資金調達支援を要請しているのであろう。

そこの書かれたプロジェクト名を上げると,ガス火力ガドウ(注24)の1,100MWを1600MWへ増設,タール石炭基地(注25),タルベラ発電所の第4次増設(注26)960MW,スキキナリ発電所(注26)840MW,ムンダ多目的ダム(注27)700MW,クラムタンギ多目的(注28),84MWと灌漑,などである。

世界銀行は,タルベラダムの技術的問題を支えてから,パキスタンとは関係が深い。何か難しい問題が起こると,必ず世界銀行にもたれかかってくる。それはインドとの間のインダス川の水問題もそうで,インドのインダス上流のダム紛争では,仲介のためのエンジニアーを派遣して,パキスタンを助けている。世界銀行にとっては,可愛い相手,と言う感じでもあるのだろう。今回はそれを象徴する大使節団である。

(注) (20) Pakistan’s President Zardari,(21) Salman Faruqui, Deputy Chairman, Planning Commission,(22) the World Bank and International Finance Corporation,(23) The delegation included Ismail Qureshi, Secretary, Ministry of Water and Power, Shakil Durrani, Chairman WAPDA, Asad Ali Shah, Member Thar Coal and Energy Board, Aslam Sanjrani, Managing Director Thar Coal and Energy Board, Fayyaz Elahi, Managing Director Private Power and Infrastructure Board and Abdul Wajid Rana, Economic Minister, Embassy of the Pakistani in Washington.,(24) the gas-based Guddu power station,(25) Pakistan's coal resources and associated power generation facilities at Thar,(25) Fourth Extension of Tarbela Power Plant,(26) Suki Kinari,(27) Munda multi-purpose,(28) Kurram Tangi,

Reference

Pakistan

●08023A Paksitan, The Post
パキスタン訪米団,エネルギーへの世界銀行の支援を求める
Pak delegation seeks WB help to improve energy sector
http://thepost.com.pk/CorpNewsT.aspx?dtlid=188606&catid=8

Nepal

●081023B Nepal, hindu
プラチャンダ,大規模プロジェクトへの外資参入を求める
Prachanda seeks mega investments in Nepal
http://www.hindu.com/thehindu/holnus/003200810221980.htm

Indonesia

●081023C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア大統領,湖錦濤主席とLNGで協議
SBY, Hu Jintao to discuss Tangguh gas contract
http://www.thejakartapost.com/news/2008/10/23/sby-hu-jintao-discuss-tangguh-gas-contract.html


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