アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年10月29日分 ーカンボジアなどへの中国の進出


カンボジアのケップ海岸で捕れた蟹を運ぶ人々

aaa今日の新聞記事で,製鉄企業の業績悪化が報じられている。今年,2008年7月に,鉄スクラップの値段がトン7万円であったものが,今1万5千円だと言っている,製鉄企業は,これに応じて製品の値引きを考えているが,幾ら引いても鉄を買ってくれるところがなくなった,と言っている。2008年の初めから7月まで,原油といい鉄といい,余りにも異常で,プロジェクトに関わる我々を悩ました。

今日も株式市場と為替市場は復活の流れに乗っている。欧州を中心に,一通りの資金注入の準備が整ったと言うことか,と安心している人が多い。原油は,一気に62ドル台から一日で67ドルまで上がってきた。OPECの減産が効いてきたのか。出血が止まって,改めて将来を見据えている経済の専門家が多いことだろう。中国の経済は輸出が40%と言う。中期の課題は,中国が内需にどの様に転換して行くかであろう,と専門家は言っている。

さて今日の記事だが,一本に絞ったが,なかなか読み応えのある長文であった。今年,2008年の初め,カンボジアのフンセン首相が,日本政府ももう少しカンボジアの援助に力を入れてはどうか,と言ったときは,日本の援助関係者は思わず自分の耳を疑ったであろう。特に日本の外交官は,カンボジアの和平と復興を直接主導したのは日本政府だ,と言う自負があったので,あの時のフンセンと今のフンセンは同じ人か,と眼をこすったに違いない。

今日の長文の記事は,米国の目から見た中国の東南アジア,特にカンボジア,ラオス,ベトナムへの対応である。これを書いたカイン記者(注1)は,プノンペン駐在である。あくまでも米国の視点であって,この中国の進出に日本がどう思っておるのか,などには触れていない。日本の記者が,この観点からの日本の見方を作文してみる必要があろう。誰かそういうことを言っていないか,と調べると,政府関係ではなかなか見つからないが,サンケイビジネスアイ(注12)が触れている。

少し言葉を借りるが,中国の低金利融資は機動的で,日本のODAの魅力は薄れる一方だ。日本の新たな戦略は,麻生太郎外務相(当時)が中国にインドシナ半島のメコン川流域に対する政策を日中で協議する対話を打診し,2008年4月には北京で,「日中メコン政策対話」,を開催,日中共同支援をめざしている。日本政府は,中国が日本をこの地域から排除する意志はないと見ている,と報じている。

しかし問題は,「中国の低金利融資は機動的」,と言う部分で,これはどう見ても日本のODAがもっとも不得意とするところで,だから民間はどうか,と言っても,民間によるインフラ建設は,そう大規模には動かない。寸断されたJBICが,これからどの様に動くのか,我々にとっては甚だ不透明である。インドシナ三国が欲しいのは,ダムと石炭火力だから,日本が捨ててしまったものばかり,致し方ないか。

2008年1月に書かれたCRS(注2)報告書では,東南アジア,特に低発展国,例えばカンボジアへの支援で中国が飛び抜けていて,2007年には689百万ドルであり,2008年には,二つのダムなど10億ドルを約束している。これに対し米国はNGO中心の55百万ドルである。1990年代には西側と日本が中心であった援助も,今ではフンセン首相は,人権にうるさい国連機関や,フンセン一族の森林不法伐採を糾弾するNGO(注3)などを追い出すところまで来ている。現在,10億ドルの予算不足を起こしているフンセン政権は,1008年10月24日の北京に於けるASEM(注4)で温家宝首相に泣きつき,280百万ドルの借款を獲得している。

(注)(1) a Phnom Penh-based contributor to the Far Eastern Economic Review and Integrated Regional Information Networks (IRIN),(2) the Congressional Research Service (CRS),(3) NGO Global Witness,(4) the Asia-Europe summit,(5) Laos Prime Minister Choummaly Sayasone,(6) "no-strings-attached",(7) the line on Beijing's "one China" policy,(8) the multilateral Consultative Group,(9) the Stanley Foundation,(10) Secretary of State Condoleezza Rice,(11) China's "charm offensive" in Southeast Asia,(12) http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200805140005a.nwc,(13)


本文

●中国,資源を求めて,援助を武器にカンボジアなど,進出

今年,2008年の初め,カンボジアのフンセン首相が,日本政府ももう少しカンボジアの援助に力を入れてはどうか,と言ったときは,日本の援助関係者は思わず自分の耳を疑ったであろう。特に日本の外交官は,カンボジアの和平を直接主導したのは日本政府だ,と言う自負があったので,あの時のフンセンと今のフンセンは同じ人か,と眼をこすったに違いない。今日の長文の記事は,米国の目から見た中国の東南アジア,特にカンボジア,ラオス,ベトナムへの対応である。これを書いたカイン記者(注1)は,プノンペン駐在である。

経済発展のための原材料を求めて,中国は開発援助を通じて,ベトナム戦争以来忘れられていた三国,カンボジア,ラオス,ベトナムに急接近している。米国も,9.11事件より,この地域での活動を積極化しているが,それはあくまで対テロ対策で,中国の成長目標とは異なる。しかし,これらのカンボジア,ラオス,ベトナムは,この中国と米国の競争には,余り気分は良くない。

2008年1月に書かれたCRS(注2)報告書では,東南アジア,特に低発展国,例えばカンボジアへの支援で中国が飛び抜けていて,2007年には689百万ドルであり,2008年には,二つのダムなど10億ドルを約束している。これに対し米国はNGO中心の55百万ドルである。1990年代には西側と日本が中心であった援助も,今ではフンセン首相は,人権にうるさい国連機関や,フンセン一族の森林不法伐採を糾弾するNGO(注3)などを追い出すところまで来ている。現在,10億ドルの予算不足を起こしているフンセン政権は,1008年10月24日の北京に於けるASEM(注4)で温家宝首相に泣きつき,280百万ドルの借款を獲得している。

ラオスも同じような状態で,中国からの178百万ドルに上る交通インフラ支援と2006年の45百万ドルの経済支援に比べて,米国は全く不毛の2005年〜2007年,僅かに4.5百万ドルである。中国は,ラオス現首相(注5)のベトナムとの関係維持の方針にもかかわらず,ラオス軍隊の近代化や留学支援に援助の手を差し伸べている。中国政府の狙い目は,次世代への布石である。

ミャンマーに対して中国は,CRS(注2)報告書は,1988年に現軍事政権が権力を握って以来,総額50億ドルに上る借款,投資などを行っているが,2007年の避難民対策12百万ドルのみである。中国政府は,ミャンマーの軍事政権の将来に楽観的な見通しを持っていて,その根底には,ガスパイプラインのインドとの対立の問題がある。

何よりも問題なのは,この中国の,一見,紐付きでない(注6)接近で,実はその被援助国の外交政策に紐を付けていると言うことである。それには台湾の問題があって,一つの中国(注7)を認めさせると言うことである。ベトナムが2006年にハノイでのAPECに台湾を招待したときは,2億ドルの対ベトナム支援を棚上げした,その後復活はしたが。

かってこれらの東南アジア諸国が,こぞって日本,インド,オーストラリアに接近していたとき,やはり歴史的な意味で競争はあった。現在の中国と米国の競争は,ゼロサムゲームの中に閉じこめられてはいない。実際は,カンボジア,ベトナム,ラオスのリーダー達は,明らかに,中国米国どちらかに偏ることを望んでいないのである。

2007年に行われたカンボジアの援助国会議(注8)で,中国が出席して91.5百万ドルの約束を行ったが,これは画期的である。これは,中国が多国間協議の前に姿を現したことを意味するが,カンボジア以外ではまだ実現していない。スタンレー基金(注9)は,今後のASEAN諸国との会議には,必ず米国外交官の参加を促している,ライス国務長官(注10)は,時々このことをさぼってきた。中国の「魅力を見せながらの攻撃(注11)に対して米国は,協調的で信頼できる姿勢で臨む必要がある。

以上が,今日の記事の要約であるが,一貫して,インドシナ三国へのプレゼンスが落ちてきた米国が,次の政権でどの様に対応すべきか,プノンペンから米国本土へ訴えたものである。「魅力を見せながらの中国の攻撃」,に米国は,「協調的で信頼される姿勢」。を保て,と言っている。我々も日本の支援で,これらの貧困国には,技術協力に重心を置いた姿勢がよい,と判断しているわけだが,フンセンの言葉に報いるには,一体どうすればよいのか,日本のカンボジア援助関係者の,ここが正念場であろう。

(注)(1) a Phnom Penh-based contributor to the Far Eastern Economic Review and Integrated Regional Information Networks (IRIN),(2) the Congressional Research Service (CRS),(3) NGO Global Witness,(4) the Asia-Europe summit,(5) Laos Prime Minister Choummaly Sayasone,(6) "no-strings-attached",(7) the line on Beijing's "one China" policy,(8) the multilateral Consultative Group,(9) the Stanley Foundation,(10) Secretary of State Condoleezza Rice,(11) China's "charm offensive" in Southeast Asia,(12)

reference

China

●081029A Cambodia, worldpoliticsreview
中国,資源を求めて,援助を武器にカンボジアなど,進出
Chinese Aid Wins Hearts, Twists Arms in Southeast Asia
http://www.worldpoliticsreview.com/article.aspx?id=2822

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