アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年12月12日分 ー 中国の地方政府の開発志向は止まらないー

2008年12月12日分 ー 中国の地方政府の開発志向は止まらない ー

長江上流金沙江

万人の百科事典,ウイキペディアの中国の項に次のような表現がある。「中央ではある程度の危機意識を持って環境対策を打ち出しているが,地方行政府は地方の経済発展を重視して中央からの指示をないがしろにするケースも多く,実効性に問題が生じている。」。私は,中国人のこの性格は前から関知してきたし,成長の原動力として,寧ろ好ましいもの,として見てきた。ベトナム人にもこの性格は見られる。

2008年12月9日付本HP(注9)で,中国が内需拡大に向けて急旋回,と書いたが,このときに,北京中央政府は57兆円相当の景気刺激策を講ずる,と発表し,各地方政府が独自に実施する刺激策は,57兆円とは別に400兆円を超す規模になるだろう,と一般的な予測が書かれていた。中国人のバイタリティというか,一旦,地方が動き出すと止まらなくなる現象,これが中国経済の根底にあるのだろう。

すべて経済に関係してくるのだが,中国人のギャンブル好きがこの開発に拍車をかける。国内である程度の統制がとられて,ギャンブルなど簡単に出来ないときは,そのギャンブルへのエネルギーのはけ口が国境に向かう。政治的統制の弱い国,例えばミャンマーの辺境で中国と境界を接する地域は,多く,中国人の歓楽街と化している。そこでは,中国語と中国元がなければ生活できない状態に落ちいってしまう。

それが発電所建設にも出てくるから面白い。電力不足だ,となれば,多くの発電所が次々と,地方政府の手によって建設される。そこには中国人のギャンブル精神がしっかりと発揮されるのだが,残念ながらそこに,足に地が付いていないケースがまま生じ,発電所は出来たけれど燃料がない,という事態に陥る。2006年の大停電は,この造りすぎた火力が原因だった。

今日の記事で,政府系のコンサルタントが,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発は,指令,計画,監督のいずれもが欠けた深刻な状態にある,としている。中国人民諮問委員会(注12)の人民資源環境委員会シャオブイングレン次席(注11)は,環境保護部(注13)の統計では,中国全土を通じて,3,000に上る水力発電所が,政府の許可を得ていないものだ,としている。

そうして今度の,「青い龍の大旋回」,海外の経済に頼らず,国内需要を喚起するため,57兆円,地方を入れると400兆円以上,という号令を待ち受けているのは,地方政府だろう。地方で今後何が起こるか,考えただけでも心が躍る。やれっ,やれっ,という感じ。また私は,中国企業が,ミャンマー,ラオス,アフリカ,カンボジア,と盛んにダムを造っていることは,同じ一連の流れだと思って見ている。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081209.htm,(10) Yangtze River,(11) Shao Bingren, vice director of the Commission of Population, Resources and Environment,(12) National Committee of the Chinese People's Political Consultative Conference,(13) Ministry of Environmental Protection,(14) Sichuan province,(15) Tuojiang River,(16) Minjiang,(17) 11th Five-Year Plan (2006-2010),(18)




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本文

●ミャンマー,ヤンゴンの住民,停電に見舞われている

ミャンマーの旧首都ヤンゴン,電力供給の惨状が伝えられている。ベトナムやネパールなども同じだが,水力発電所に頼りすぎるところは,最近では常に季節的な電力不足に悩ませられている。大きなところでは南米諸国がある。南米諸国は水力資源に恵まれていて,水力に頼り切ってきたが,最近は石炭火力の建設に関心が集まっているという。いずれにしても今日の記事は,なかなか伝わらないミャンマーの状況,貴重である。

旧首都ラングーン(注1)の住民は,この一週間,厳しい電力使用制限に悩まされている。タムウエ(注2)に住む住民の一人は,この月曜日から一日僅か6時間だけ電気が来る状況だ,と話している。彼によると,先週は完全に供給されていたが,今週になってから,一日6時間供給,と言う状況だという。市内をA,B,Cの3地区に分けて,輪番制で停電しているようだ。5〜11時,11〜15時,15〜23時,など。

厳しい電力制限にもかかわらず,当局方は何の説明もないと言う。しかし,市民の説明では,ミャンマー全国に亘って,毎年,11月末から12月にかけては電力制限が行われる,それは,降雨がなく水力ダムの水位が低下するためだ,と言っている。ラングーン(注1)でも,6月から11月は雨が降るので電力供給は完全だが,11月末から翌年6月までは,普通は6時間の制限供給となる,と言う。

この現在の電力制限は,家庭のみならず企業にも深刻な影響を与えている。例えば,喫茶店,印刷店,書店などは,停電中は店を閉めている。逆に,経営コストは増えている。インターネットカッフェの経営者は,発電機を回すための燃料費が嵩んで悩んでいる。匿名の雑誌編集者は,この月曜日からディーゼルを動かしているが,一日3ガロン,10,000チャット,約8ドル相当の経費増だ,と言っている。

2008年11月24日,軍事政権トップのタンシュエ将軍(注3)は,USDA(注4)の第15回年次総会の演説の中で,近年の電力セクターの大幅な改善を誇った。政府系現地紙(注5)によると,過去の電力設備,228MWは,現在は,977MWに伸びている。それは,イエンウエ(注6),シュエリ(注7),ケンタウン(注8)の各新設水力発電所のお陰である,と言っている。

タンシュエ将軍(注3)は,更に,10000MW達成のために,14の水力発電プロジェクトを推進中で,これによって国民のすべての電力需要を満たすことが出来る,と言っている。確かに,中国の協力を得て,相当なスピードで開発が進んでいるが,水力だけでは需要を満たすことが難しいことは分かっているので,天然ガスの活用など,今後の課題だろう。高い天然ガスは,ミャンマー国民には使わせたくない,と言うのが本心か。

(注) (1) Rangoon,(2) Tamwe Township,(3) head of the Burmese junta, Snr-Gen Than Shwe,(4) Union Solidarity and Development Association,(5) New Light of Myanmar,(6) Yenwe,(7) Shweli,(8) Kengtawng hydropower plant,(9)

●中国で,3000の水力発電所が無許可

2008年12月9日付本HP(注9)で,中国が内需拡大に向けて急旋回,と書いたが,このときに,北京中央政府は57兆円相当の景気刺激策を講ずる,と発表し,各地方政府が独自に実施する刺激策は,57兆円とは別に400兆円を超す規模になるだろう,と一般的な予測が書かれていた。中国人のバイタリティというか,一旦,地方が動き出すと止まらなくなる現象,これが中国経済の根底にあるのだろう。

政府系のコンサルタントが,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発は,指令,計画,監督のいずれもが欠けた深刻な状態にある,としている。中国人民諮問委員会(注12)の人民資源環境委員会シャオブイングレン次席(注11)は,環境保護部(注13)の統計では,中国全土を通じて,3,000に上る水力発電所が,政府の許可を得ていないものだ,としている。

シャオブイングレン次席(注11)によれば,特にこれが極端な地域は,四川省(注14)東部の長江(注10)の上流,ツオジアン支流(注15)の500km区間に27の水力発電所が建設されている例だ,と述べている。また,長江(注10)の他の支流,ミンジアン(注16)では,平均して15kmに一つの発電所が建設され,中には,地震断層の真上に建設されたものもある,と言っている。

シャオブイングレン次席(注11)は,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発における承認手続きは,全く形式的なものだ,と指摘している。水力発電所というものは,総合的な計画が必須だが,それがなされていないと。中国政府の第11次五カ年計画(2006〜2010年)(注17)野中で,水力開発には環境保護が基本だ,と述べている。そのために,政府は,監督を強めると言ってきたのである。

私は,中国人のこの性格は,以前より十分察知していた。水力発電所ばかりでなく火力発電所も,一旦手綱を緩めると,建設ブームが止まらなくなる。火力なんかは燃料があるかないか,余り気にしないので,造ってから動かない発電所が出てくる。私はこの中国人のよく言えばバイタリティ,悪く言えば向こう見ず,この性格が,ミャンマー,ラオス,カンボジアの水力開発にも出ていると思う。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081209.htm,(10) Yangtze River,(11) Shao Bingren, vice director of the Commission of Population, Resources and Environment,(12) National Committee of the Chinese People's Political Consultative Conference,(13) Ministry of Environmental Protection,(14) Sichuan province,(15) Tuojiang River,(16) Minjiang,(17) 11th Five-Year Plan (2006-2010),(18)

Reference

Myanmar

●081212A Myanmar, irrawaddy
ヤンゴンの住民,停電に見舞われている
Rangoon Residents Suffer Power Cuts

http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=14789

China

●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu

http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2008-12/12/content_7300592.htm



過去のニュース

●NGOが世界銀行は温暖化の元凶と (081211)
●原油価格下降の現状とこれからの動き (081210)
●中国の経済外交が国内巨大需要へ急旋回 (081209)
●パキスタンのバシャダムの資金不足 (081208)
●フィリッピンの送電網は中国へ (081207)
●インドの電力が最高警戒レベル (081206)
●パキスタンがインドへ水補償要求 (081205)
●メコン事務局長が投稿立場説明 (081204)
●ベトナムの電力改革迷走か (081203)
●比のロペスが国産資源開発へシフト (081202)
●インド北部の水力二つ前進へ (081201)
●マニラのプール市場に混乱 (081130)
●タイEGATの海外進出への飛躍 (081129)
●世銀の大規模インフラに批判の声 (081128)
●フィリッピンの再生可能エネルギー再び (081127)
●ミャンマーのラシオへの思い (081126)
●インドのパイプラインへの挑戦 (081125)
●パキスタンの水問題深刻 (081124)
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