アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2009年2月3日分 ー ラオスのナムグム第2水力順調に推移ー

2009年2月3日 ー ラオスのナムグム第2水力順調に推移 ー

2008年半ばのナムグム2サイト(注7)

今日のニュースで目を引くのは,オーストラリアで大規模な天然ガス開発が行われる,と言う日経の記事(注23)である。米シェブロンや英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなどの動きで,4兆円投資で2014年稼働,生産量は,カタールに次ぐ世界第2位の見込み,とある。天然ガスは地球上何処でもある,というのは私の信念で,誰もついて来ないが,もう宗教的な信じ込みに陥っている。

何処で誰がどれだけ投資できるか,にかかっているから,次がオーストラリアだ,というのは私は初耳である。再生可能エネルギーで生きれると信じているというオバマ政権下で,しかも金融危機の最中の,天然ガスに大型投資,の報道である。感じからしても,深海のある日本周辺のガス生産は大変だろうと思うが,そうか,大陸棚が大きいところ,経済的な基盤のあるところ,それがオーストラリアなのか。

もう一つ,三井物産の定例移動人事を報じたビジネスアイ(注24),三井物産は,70%を資源エネルギー分野で稼ぎ出しているらしいが,今度の配置転換で明らかになったのは,この偏った人事を,成長分野にシフトする,と読んでいることだ。成長分野とは,農業食糧分野と新エネルギー分野という。農業については,最近よく言われているから分かるが,新エネルギーとは何か,となると,問題も出てくる。

もしそれが,太陽光と風力であれば,少し焦点が違うかも知れない,と言いたくなる。一定の伸びはあるであろうが,量的に行き詰まる,と]言うことは,資源エネルギー分野を肩代わりできるような産業には,発展できないのではないか,と思っている。それよりも,昨日出ていた,大容量の電力を貯蔵し,瞬時に供給できる,「電力貯蔵用ナトリウム硫黄電池」(NAS電池),とは何者なのであろうか。

ラオスの水力については,長い間触れていないが,元々私の心の故郷は,ラオスの水力である。早くから,ナムテン第2水力の経済性を評価してきたし,次に続くのは,ダム式とは言え,ナムグム第2水力であろうと考えてきた。ここまでは,タイに電気を売るとしても,経済的に問題ないと思っていたが,それ以降のプロジェクトについては,多くの議論があった。

今日のニュースで,出力615MW,タイ企業が,昨年のインフレを何とか克服して,2010年にも運転開始するような雰囲気で安心した。三井物産と東芝が,この電気機器に参加しているが,この激しい時期に,良く国際入札でとれたことだと思う。昨年夏の鋼材の暴騰で相当苦労があったようだが,2010年8月にも運転開始,と報じられているので,良かったと思っている。

(注) (23) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090203AT2M0202S02022009.html,(24) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902030109a.nwc,(25)

本文

●ラオスの水力開発企業,タイ証券市場に上場の構え

ラオス東南アジアエナージSEAN(注1)は,ナムグム第2水力(注2)のために,タイの建設企業カムチャンCK(注3)が造った関連会社である。今日の記事は,バンコク発ロイター電で,このSEAN(注1)を,タイの証券市場(注4)への上場を視野に入れている,という証券市場のニュースである。この金融危機のタイミングなので,時期は明確にしていないが,ナムグム第2水力(注2)のオーナーとしての野望がある。

この機会に,しばらく遠ざかっていた,メコン支流ナムグム川(注5)の開発の模様を見ておこう。ナムグム第2水力(注2)は,私はラオスの水力の中では,ナムテン第2水力(注6)に次ぐ規模と経済性を持った優秀なプロジェクトである,と認識してきた。早くから開発の声がかかっており,既に工事も進んで,2010年にも完成の見込みと報じられている。出力は,615MWである。おそらく日15時間運転なので,将来,1,200MWの可能性。

昨年,2008年10月時点で報じた記事がある(注7)。それによると,着工したのは2005年で,昨年8月時点で工事の進捗は65%と報じられている。2008年8月時点のニュースなので,工事費の値上がりを心配しており,30%以上増えるものと懸念している。確か,電気機器は東芝と記憶しているので,当時の東芝としては,相当の値上げを要求したのではないか。今では鋼材価格は,様変わりしているが。

タイのEGAT(注8)との買電契約PPA(注9)は,2004年に既に合意されている。この半年の経済情勢から,改訂の動きが出ているとも記憶している。しかし,この昨年8月時点では,ナムグム第2水力(注2)の総工事費316億バーツは,既にタイの銀行(注10)との間で,資金調達を終えており,工事費改定は困難,との見通しが出ていた。この鞘を取るため,運転開始を早める考えで,数ヶ月早い,2010年8月を予定している。

このときの報道では,EGAT(注8)では,開発計画PDPを見直しているが,予定より1年遅れのプロジェクトとして,ナムニエップ水力(注11),ナムグム第3水力(注12),ナムテン第1水力(注13),ナムウー水力(注14),ホンサ石炭火力(注15),合計出力,2,336MWとされていた。ナムグム第2水力(注2)は先行着工して,この大変動の影響を最小限に食い止めたと言うことか。

(注) (1) Laos Southeast Asia Energy Co Ltd (SEAN),(2) Nam Ngum II hydropower plant,(3) Ch Karnchang CK.BK,(4) Bangkok stock exchange,(5) Nam Ngum river,(6) Nam Theun II hydropower plant,(7) http://www.flickr.com/photos/nn2dam/,(8) Electricity Generating Authority of
Thailand (Egat)
,(9) power purchasing agreement (PPA),(10) Krung Thai Bank, TMB Bank and Siam City Bank,(11) Nam Ngiep,(12) Nam Ngum 3,(13) Nam Theun 1,(14) Nam Ou,(15) coal-fired Hongsa Lignite plant,(16)

●インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発

インドのみならず,周辺諸国の電力を引っかき回す男,私が注視している,インド電力省の政治職,ラメッシュ副大臣(注16),(これ,大臣と書いてあるけど,副大臣の間違いですよね。),が,ヒマチャルプラデシュ(注17)の州都シムラ(注18)に現れたので,追っかけてみた。ヒマチャルプラデシュ(注17)には,そこを拠点とする公的開発公社SJVNL(注19)の本社ビル完成式に州首相(注20)と共に出席したようだ。

ラメッシュ副大臣(注16)は,SJVNL(注19)は現在,ヒマチャルプラデシュ(注17),ウッタラカンド(注18),ネパール,ブータンでプロジェクトを進めているが,アルナチャルプラデシュ(注22)にプロジェクトを持っていないので,直ちに持つべきだ,と暗にその仲介を約束した。SJVNL(注19)は現在,6,000MWの発電設備を持っている。

また,ヒマチャルプラデシュ(注17)の,19,000MWのポテンシャルのうち,11,000MWを,この先4年間で開発すべきだ,と語っている。更に,SJVNL(注19)は,ブータンやネパールと,国際的な協力を展開するようにアドバイスしている。また,他の発電公社と協力して,ヒマチャルプラデシュ(注17)に,工業大学など,教育機関の充実を呼びかけている。(ラメシュは電力大臣になったのですかね,その様な記事がある)

(注) (16) Jairam Ramesh, central power minister,(17) Himachal Pradesh,(18) Shimla,(19) Satluj Jal Vidyut Nigam (SJVNL),(20) chief minister Prem Kumar Dhumal,(21) Uttrakhand,(22) Arunachal Pradesh,(23)

参考資料

ラオス


●090203A Laos, uk.reuters.com
ラオスの水力開発企業,タイ証券市場に上場の構え
Thai Ch Karnchang eyes IPO for Laos subsidiary

http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKBKK21132420090202

インド

●090203B India, Economic Times
インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
SJVNL to be given projects in Aurnachal Pradesh ? Jiaram Ramesh

http://himachal.us/2009/02/01/sjvnl-to-be-given-projects-in-aurnachal-pradesh-?-jiaram-ramesh/10356/news/ravinder


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