アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2009年3月6日分 ー ベトナムの住民移住で国会が活躍 ー

2009年3月7日 ー ベトナムの住民移住で国会が活躍 ー

minority source: permaculture.org.au

今日のビジネスアイ(注31)が,「MOX,資源安保の柱,初のプルサーマル,九電実施」,として,長文で解説している。私もよく知らないので,ポイントだけ抜き出しておくと,プルサーマルは,使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混合してつくったMOX燃料(混合酸化物燃料)を,原発の燃料として使う発電方法。フランスやドイツなどではすでに実用化されている。

“純国産資源”となる使用済み燃料を利用すれば,ウラン燃料が1〜2割程度節減でき,日本の資源戦略上,大きな意味を持つことになる,としている。青森県六ケ所村に建設された再処理工場もトラブル続きで,本格操業が大幅に遅れている。プルサーマルに見込みが立ったものの,核燃料サイクルの実現という点では,「緒に就いた段階」,というのが実態のようだ。注31の図が我々にはわかりやすい。

さて,今日はベトナムの国会議員調査団が,ベトナム中部のダックミ川の水力プロジェクト現場を訪ねて,その住民移住の実態を現地で調査をしている。ベトナムをよく知っている友人が話していたが,ベトナムは移住住民に対して,大統領を含めた政府上層部が,非常に気を遣っている,と言うのだ。ソンラ水力の10万人の移住など,大したことはない,と言っていた電力当局に比べて,政治は大きく介入してくる。

前回の記事でも,国会議員団が,あの山の中のソンラ水力プロジェクトの現場に,4日間も泊まり込んで,調査を行い,大統領に進言している。大統領はすぐに1兆ドンの追加予算を承認している。大統領が現場に行くと,住民一人一人に話しかけて行くという。今日のダックミ第4水力,190MWについても,2日間の泊まり込みで,移住地の調査に当たって,不十分,と結論を大統領に伝えている,すぐ処置が執られるのであろう。

ダックミ水力プロジェクト,ダナンから80kmほど直線で南西に下がったところだが,地名から地図を調べてもよく分からないが,相当の山岳地帯で,ラオスとの国境に近い,ラオスのパクセと同緯度ぐらい。190MWのダックミ第4水力プロジェクト(注4)は,ベトナム中部クワンナム県(注6)のプオッック・ソン地区(注5)のダックミ川(注12)にあり,4a及び4bの二つの階段型開発(注11)で,二つの落差の合計は190m。

最大使用水量は毎秒130トン,年間電力量は,770GWhである。ダムは高さ90mのRCC方式(注15),設計洪水量は,毎秒11,400トン,導水路は径6.6mの長さ27km,水圧管路は,径5.5mで長さ730mである。このようなところで190MWの大きな水力が出来るのか。AECOMというオーストラリア系統と思われるコンサルタントが,指導に当たっている。RCCダムだから,日本工営なども関係しているのかな。

(注) (31) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200903070023a.nwc

本文

●ベトナムのダックミ第4水力で住民移住に問題が

The relocation of residents displaced by the Dak Mi 4 Hydropower Project in Phuoc Son District, Quang Nam Province, has been carried out poorly, said a supervisory team from the National Assembly.(冒頭引用注3)

Dak Mi project site source: 注3

ベトナム中部のダックミ第4水力プロジェクト(注4)については,正確な位置は掴んでいないが,190MWと言うから相当な規模である。おそらくダナンから80kmほど南西に入ったところで,ラオスの国境に近いところであろう。オーストラリア籍だと思われるが,AECOM(注14)と言う太平洋アジア地域で活躍する総合コンサルタントがあって,これがPECC2(注13)を助けて設計を行っているようだ,そのHP(注10)に諸元がある。

190MWのダックミ第4水力プロジェクト(注4)は,ベトナム中部クワンナム県(注6)のプオッック・ソン地区(注5)のダックミ川(注12)にあり,4a及び4bの二つの階段型開発(注11)で,二つの落差の合計は190m,最大使用水量は毎秒130トン,年間電力量は,770GWhである。ダムは高さ90mのRCC方式(注15),設計洪水量は,毎秒11,400トン,導水路は径6.6mの長さ27km,水圧管路は,径5.5mで長さ730mである。

2009年2が8日付本HP(注16)には,国会議員の調査団が,北の大プロジェクト,ソンラ水力プロジェクト(注17)の現場に数日間も滞在して,移住の実態調査に当たっている。ベトナムは,ダムの住民移住に関しては,大統領以下,常に大きな関心を持って事に当たる,と言う慣例があり,国民が政権や政治家に一定の信頼感を寄せている一つの理由だ。この国会調査団が,今度はこの中部ベトナムにも入ってきて,厳しい評価をしている。

国会から派遣された調査団は,ベトナム中部クワンナム県(注6)のプオッック・ソン地区(注5)のダックミ第4水力プロジェクト(注4)の現場に入り,住民移住の作業は誠に貧弱,と声明した。調査団は,国会少数民族委員会ブイティビン副委員長(注7)に率いられ,現地で2日間の調査を行った。移住先のヌオックラン村(注8)に入った調査団は,プオッック・ソン地区(注5)役所に,貧弱な対策に不満を表明した。

問題とは,貧弱なアパート,面積不足の耕地,貧弱な道路網,森林伐採,などで,これらの問題が移住民に問題を起こしている。また,住民への,生産活動,環境保護,ギエチエン少数民族(注9)の文化の保護,などの面で,十分な教育が出来ていない,としている。ビン副委員長(注7)は,プロジェクトの担当者や役所に対して,住民の意見をよく聞いて対処するよう促した。

(注) (1) 090306A Vietnam,saigon-gpdaily,(2) Hydropower project's relocation poorly handled,(3) http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/Society/2009/3/68930/,(4) Dak Mi 4 Hydropower Project,(5) Phuoc Son District,(6) Quang Nam Province,(6) National Assembly,(7) Bui Thi Binh, deputy chairwoman of the Council for Ethnic Minority Affairs,(8) Nuoc Lang,(9) Gie Trieng ethnic minority,(10) http://www.maunsell.com/MarketsAndServices/43/65/index.html,(11) Dak Mi 4a & 4b Hydropower Projects,(12) Dak Mi River,(13) Power Engineering Consulting Company No. 2 (PECC2),(14) Maunsell AECOM,(15) RCC dam,(16) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090208A.htm,(17) Son La dam project,(18)

●フィリッピンのカラカ石炭火力売却で大臣は値引きはせずと

With French-Belgian investor Suez Energy pulling out from its bid to buy the 600-megawatt Calaca coal plant, the energy chief is not discounting possibility of new snags in the privatization of power assets given the tough economic times. "Effects on our bid to fully privatize the power generating business remain to be seen," Energy Secretary Angelo T. Reyes intimated. (冒頭引用注20)

Calaca plant, sorce wjec

フィリッピンの発電資産売却で,カラカ石炭火力の落札企業がその権利を放棄,前渡金も没収された報道は,2009年1月29日付本HP(注29)に報告されている。世界の金融危機の中で,フィリッピンの電力改革に思わず障害が出たと言うことで,その先行きが心配されているところだが,今日は,レイエス長官が,強気の見通しを述べている。それだけにことの深刻さが,感じ取れる。

前の記事から,スエズエナージ(注22)の契約履行保証放棄は,カラカ石炭火力(注23)の運転環境の劣悪の結果とされている。カラカ石炭火力(注23)の運転を担当することになっていたスエズエナージ(注22)の現地企業エメラルドは,先週,マニラ事務所を閉鎖している。今回の中止のいきさつは,発電所の状況が劣悪であることと,NPC(注25)の引き取り価格が低いことが要因である,とされている。さて今日の記事。

フランス-ベルギー国籍スエズエナージ(注22)が,600MWのカラカ石炭火力(注23)の入札結果から撤退したことで,この厳しい経済情勢の中での発電資産の民営化に際して,エネルギー大臣(注24)は,この突然の障害による発電所の値引きを否定している。レイエス長官(注24)は,発電設備の完全民営化の目標は,まだそのまま続けられる,と言明している。

レイエス長官(注24)は,NPC(注25)の残りの資産の切り離しへの努力を弱めるものではない,それは,改革の義務をが,電力セクターの改革を実行するという政府への信頼感に影響してくるからである,と語っている。PSALM(注26)は,今回失敗したカラカ(注23)も含めてまだ多くの入札に書けるべき資産を準備している段階だ。多くの関係企業は,PSALM(注26)が今回の失敗からどの様に立ち直るか,注目している。

特に,スエズエナージ(注22)が,787百万ドルで入札結果を放棄したことで,幾らで売れるのか,に関心を持っているからである。財務省(注27)の評価では,カラカ(注23)の場合,実現可能な価格はいくらか,を現実的に判断しなければならない,と考えている。ポール財務次官(注28)は,最低価格を見直す必要がある,と言っている。

すべての眼が,PSALM(26)のこれからの動向に釘付けとなっている。PSALM(26)は,NPC(注25)の資産の70%の売却を早く終わらせなければならない。それが,改革の本丸である,オープンアクセス,電力の選択制度,の前提条件であるからだ。

(注) (18) 090306B Philippines, Manila Bulletin,(19) Energy chief hints at possible snags in power privatization,(20) http://www.mb.com.ph/node/197918,(21) By MYRNA M. VELASCO,March 06, 2009,(22) Suez Energy,(23) 600-megawatt Calaca coal plant,(24) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(25) National Power Corporation (NPC),(26) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(27) Department of Finance,(28) Finance Undersecretary Jeremias N. Paul Jr.,(29) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090129A.htm,(30) reserve price,(31)

参考資料

ベトナム


●090306A Vietnam,saigon-gpdaily
ベトナムのダックミ第4水力で住民移住に問題が
Hydropower project's relocation poorly handled

http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/Society/2009/3/68930/

フィリッピン

●090306B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのカラカ石炭火力売却で大臣は値引きはせずと
Energy chief hints at possible snags in power privatization

http://www.mb.com.ph/node/197918


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