アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2009年3月25日分 ー パキスタンとインドがインダス河で水論争 ー

2009年3月25日分 ー パキスタンとインドがインダス河で水論争 ー

Neelum river

オバマ大統領が記者会見で,米経済に改善の兆し,と表明した。先日も,バッドバンク構想,官民協力による1兆ドル規模の不良債権買い取り構想で,日本の株式も反応していた。我々,実業にしか関心のないエンジニアーは,このようなバッドバンク構想とか,社会資本の増減に関係のないプロセスには,どうも信用をおきかねる。そう言う意味では,グリーン・ニューディールも危ないと思っている。

元々,バブル経済を構成したのは,このような虚業,と言うか実の社会資本を生まない貨幣経済で盛り上がったからだと思っているから,それをまたバッドバンクの虚業で持ち直しても,また同じようなバブルに陥るのではないか,と案ぜられる。ただ,我々が如何に,水力と原子力が地球を救う,と叫んでいても,それを造るための資本は,このような虚業の中からしか生まれてこないことに,無力感を感ずる。

経済産業省の,「資源大国ニッポンの実現」,構想が,日本列島近海のメタンハイドレートの資源にある,と勉強したのはつい先日であるが,今日のビジネスアイ(注)は,再びこれを取り上げ,政府の総合海洋政策本部が,昨日,2009年3月24日,商業化に向かって10年のロードマップを練り上げたことを報じている。企業としては,清水建設や三井造船が先行している,と報じている。

具体的な包蔵量については,現在の日本の天然ガス使用量の100年分,と言っているから,天然ガスに直すと60兆TCFぐらいはあると思われるから,ミャンマーと同じぐらいの天然ガス大国と言うことになる。ここでまた問題となるのは,生産価格であって,幾ら実業関係者が頑張っても,とにかく原油価格が上がってくれなければ,調査費も出ないと言うことになる。虚業の力を借りなければならないことになるのか。

インドとパキスタンのダム開発の紛争も,いつまで経ってもその先が見えない。両国とも,300MWから1,000MWを越す大規模なプロジェクトを推進しながら,すんなりと開発できない状態が続く。インダス河とガンジス河の大きな水争いの中で,そこにカシミールと言う複雑な国境問題が介在して,この国境を挟んでのプロジェクトなので,一層,問題を複雑にしている。

しかし,最近のインドとパキスタンが立派なことは,それを戦火に訴えず,世界銀行を介しての中立の専門家の招聘や,国際裁判所の調停に委ねようとしていることだ。それで果たして問題が解決するかどうか,分からないけれども,国際機関を使うと言うところが,大きな進歩だと思う。国の主権と国際機関と比べれば,例え小国でも,国の主権が優先すると思うが,両国の水争いは際限がない,残念だ。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200903250019a.nwc

本文

●パキスタンはインドにキシャンガンガ水力で警告を発す

Pakistan has served notice on India over the controversial 330 MW Kishanganga hydropower project after all efforts to resolve the issue at the level of Permanent Commission of Indus Waters (PCIW) failed, saying it is now left with no option but to move the neutral expert.(冒頭原文引用)

Kishanganda project (注24,26)

昨年,2008年12月13日,ときあたかもムンバイ・テロ事件の直後で,インドとパキスタンが緊迫している中,中東諸国が,パキスタン実質支配のアザドカシミール,ニールム川の水力プロジェクトへの大規模融資,775百万ドル,を発表した。この状況は,2008年12月13日付本HP(注23)に詳しく述べられている。今日のインドの,330MWのキシャンガンガ水力(注5)は,その上流にある。

パキスタンは,330MW,インドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注5)に対して,インダス条約(注7)の常設委員会PCIW(注6)での合意が失敗したとの認識で,外交的な手段,即ち警告を発した。これは,中立的な専門家を招く,との手段をまだ残している。パキスタンは,ニールム川(注12)の下流で,ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注15)を推進中であり,このプロジェクトへの打撃が大きいという。

インドのバギリハール・ダム(注20)でも,世界銀行(注19)による中立的な専門化を招き,結論を出したが,結局,この結論にパキスタン側は満足せず,国際調停の場(注21)へ訴える準備をしている。



(注) (1) 090325A Pakistan, thenews,(2) Kishanganga project Pakistan serves notice on India,(3) http://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=21115,(4) Tuesday, March 24, 2009,By Khalid Mustafa,ISLAMABAD:,(5) 330 MW Kishanganga hydropower project,(6) Permanent Commission of Indus Waters (PCIW),(7) 1960 Indus Waters Treaty,(8) Ganga tributary,(9) Bandipur,(10) Baramullah district,(11) held Kashmir,(12) Neelum River,(13) Ganga River,(14) Wullar Lake,(15) Neelum-Jhelum Hydropower project,(16) Azad Kahsmir,(17) Syed Jamaat Ali Shah, leader of the Pakistan delegation,(18) Neelum Valley,(19) World Bank,(20) Baglihar dispute,(21) International Court of Justice,(22) world water day (March 22),(23) http://my.reset.jp/adachihayao/index081213B.htm,(24) photo source: www.nhpcindia.com/Projects/English/Scripts/Pr.,(25) map source: telespy.blogspot.com/2008_06_03_archive.html,(26) photo source: www.tribuneindia.com/1998/98oct22/j&k.htm,(27)

●インドは2030年までに30%を再生可能エネルギーで

More than 35% of the India's electricity demands can be met from renewable energy by 2030 and 50% of the projected energy requirements can be met simply from smart and efficient generation, distribution and use of energy, says a report released by Greenpeace in capital on Tuesday.

2030年までに,インドの電力の30%を再生可能エネルギーで賄うことが出来る,と書いてあるので,注目して取り上げたが,よく読んで見ると,グリーンピース(注32)の主張であった。中国の場合は,大規模水力を再生可能エネルギーと位置づけ,具体的なクリーンエネルギーへの方向を打ち出している。インドも,北辺の水力と,原子力の開発によって,何処まで石炭火力を抑制できるか,がポイントだろう。

(注) (28) 090325B India, Economic Times,(29) Green energy can fulfil 35% of country's power demand,(30) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Green-energy-can-fulfil-35-of-countrys-power-demand/articleshow/4311919.cms,(31) 25 Mar 2009, 0240 hrs IST, ET Bureau,NEW DELHI:,(32) Greenpeace,(33) Energy Revolution: A sustainable India Energy Outlook,(34) Sven Teske, Greenpeace International’s renewable energy expert,(35)

参考資料

パキスタン

●090325A Pakistan, thenews
パキスタンはインドにキシャンガンガ水力で警告を発す
Kishanganga project Pakistan serves notice on India

http://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=21115

インド

●090325B India, Economic Times
インドは2030年までに30%を再生可能エネルギーで
Green energy can fulfil 35% of country's power demand

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Green-energy-can-fulfil-35-of-countrys-power-demand/articleshow/4311919.cms









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