アジアのエネルギー最前線

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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2009年4月15日分 ー パキスタンのダムへの支援を日本政府拒否 ー

2009年4月15日分 ー パキスタンのダムへの支援を日本政府拒否ー

バシャダムサイト

今日は,2009年4月16日,明日より東京で,パキスタン支援国会議が始まる。先ほどのパキスタン現地の報道で,日本政府の考え方が明らかになり,パキスタン側を失望させている。パキスタンの焦眉の急は,水と電力である。パキスタン政府は,日本政府に,969MWのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注10)と,4,500MWのバシャ・ダムプロジェクト(注11)を含む20プロジェクトの支援を要請していた。

まさに黒四前夜である。その中で,日本政府が支援しようとしているのは,僅かな国家的には副次的なプロジェクト3つで,パキスタンの経済を根幹から助けるプロジェクトではない。カラチの鉄道と地方の送電網,それに灌漑用の堰である。それが事実なら,何がパキスタンの支えるか,と言う考え方ではなく,誰からも問題の起こらない無難なプロジェクトだけを選んできた,と言うのが実情であろうと思う。

ではパキスタンを本当に支えるのは誰か,と言うことになるが,記事では,ADBに大いに期待がかかっている。ADBがIDBなどをまとめて,水や電力に支援を集めてくれる,と言うのが,パキスタンの期待のようだ。日本政府は出来ないのであれば,東京に来てくれ,など言うのは却って恥ずかしい。元々パキスタンの必要な開発プロジェクトは分かっていたから,寧ろ北京にお願いした方が,よかったのではないか。

日本の実情とパキスタンの実情が余りにも違うので,支援の仕方で日本国民の賛同が得られない,それを乗り越えることは出来ない,というなら,早くから北京に花を持たせて,電力や水中心の支援に持っていった方が,パキスタンにとってよいばかりでなく,日本にとっても賢明な方法だろう。イラク戦争と同じで,血を流すようなプロジェクトはどこかがやってくれる,安全なところだけ,と言う気持ちが,日本のODA機関にはびこっては困る。

本文

●インドの大規模電源開発で選挙監理委員会が待った

The government’s effort to push through a policy related to large power plants has been scotched by the Election Commission. The revised so-called mega power policy has been in the making for at least a year, but the power ministry’s request to the commission to be allowed to put up this policy before the cabinet has been denied because of the general election that begins on Thursday.

インドは,自家用発電所が大きな役割を担っている。全体の4分の1ぐらいで,一つ一つの規模も大きい。規模の大きい発電所の建設に対して,税金面での優遇措置を与えて,その開発を促そうという政策があるが,その実施について,選挙監理委員会が待ったをかけた,と言うのである。総選挙は,木曜日,2009年4月16日に公示される。

政府は,所謂大規模電源政策(注6)を推し進めるべく,選挙によって現内閣が総辞職する前に,閣議決定を行うよう,選挙監理委員会EC(注5)に申し出ていたが,EC(注5)はこの案を潰した。新内閣が出来るまで待て,と言うのである。新政策は,大規模電源政策(注6)を自家用発電所(注8)にまで拡大して適用しようというものである。

新政策の特徴は,1,000MW以上の自家発電所への優遇政策適用で,多くの企業,リライアンス(注9),ジンダール(注10),スターライト(注11),などは自家用大規模電源を計画している。自家用発電所に新たに適用しようとしている優遇策は,関連機器輸入の関税免除,10年の税免除などである。選挙監理委員会EC(注5)が閣議決定を許してない背景について聞き合わせたが,何処とも回答がない。

現在の優遇政策の適用限界は,規模が1,000MW以上,配電が自由化された州で,人口が少なくとも100万人以上,と言う条件である。水力については,最少500MWであるが,J&K(注16),北東地域(注17)については,火力が700MW,水力が350MW,となっている。リライアンスは,ハリヤナ(注19)とマハラシュトラ(注20)にそれぞれ2,000MWの火力プロジェクトを計画している。4,000MWの計画もある。

JSPL(注22)は,ジャカンド(注23)に2,609MW,オリッサ(注24)に2,600MWを計画しており,スターライト(注11)は,オリッサ(注24)に1215MW,チャティスガール(注27)に1,200MWを,それぞれ計画している。新しい政策が,自家用発電所にも適用されるようになれば,大いにインドの電力需給の改善に貢献するに違いない,と考えられている。

2007年までの5年間で,開発目標,41,110MWに対して,実際に開発されたのは,20,950MWである。インドの現在の設備は,147,000MWで,2012年までに新たに,78,577MWを開発する計画である。自家用発電所は全国で,45000MW存在するが,2012年までに新規の自家用発電所が,10,000MW開発されるものと期待されている。

(注)A (1) 090415A India, livemint,(2) title: EC says no to review of mega power policy,(3) http://www.livemint.com/2009/04/16000121/EC-says-no-to-review-of-mega-p.html,(4) Utpal Bhaskar,New Delhi:,(5) Election Commission,(6) so-called mega power policy,(7) Essar power plant at Hazira,(8) high-capacity captive plants,(9) Mukesh Ambani’s Reliance Industries Ltd, or RIL,(10) Jindal Steel and Power Ltd,(11) Anil Agarwal-owned Vedanta Resources Plc’s Sterlite Industries (India) Ltd,(12) Captive power plants,(13) power secretary V.S. Sampath,(14) chief election commissioner N. Gopalswamy,(15) threshold capacity,(16) Jammu and Kashmir,(17) North-East,(18) SEZs,(19) Haryana,(20) Maharashtra,(21) Reliance Retail Ltd,(22) JSPL,(23) Jharkhand,(24) Orissa,(25) Sterlite,(26) Bharat Aluminium Co. Ltd, or Balco,(27) Chhattisgarh,(28)

参考資料

●090415A India, livemint
インドの大規模電源開発で選挙監理委員会が待った
EC says no to review of mega power policy

http://www.livemint.com/2009/04/16000121/EC-says-no-to-review-of-mega-p.html


●パキスタンに対して日本政府が送電線など3プロジェクト支援へ

The sources revealed to the Business Recorder on last Tuesday that the government had requested Japan to provide assistance for 20 projects that also included Neelum Jhelum hydropower project and Bhasha dam, but Japan agreed to extend support for three projects. The assistance will be provided through Japan International Co-operation Agency.

2009年4月17日より始まる,パキスタン支援のための東京会議が迫り,日本政府の方針と見られる案が,現地より漏れ伝わってきた。現地紙によると,日本政府は,パキスタン友好国東京会議(注9)に於いて,3つのプロジェクト,カラチ環状鉄道プロジェクト(注5),GEPC(注7)の第6次第2フェース送配電網プロジェクト(注6)及び,新カンキ堰プロジェクト(注7)を支援することに決定,東京会議で発表する。

パキスタン政府は,電力と水資源に重要性に鑑みて,ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注10),バシャ・ダムプロジェクト(注11)を含む20プロジェクトの支援を要請したが,日本政府の受け入れるところとならず,上の3プロジェクトを,JICA(注12)を通じて支援する,と報じられている。鉄道については,既にJICAも補足調査を完了している。円借款は,償還期間40年のステップローン(注14)で行われる。

パキスタン政府は,ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注10),バシャ・ダムプロジェクト(注11)については,イスラム開発銀行IDB(注17)の協力も視野に入れている。IDBは,2011年に僅か3,000万ドルをバシャダムに準備しているだけだ。パキスタンは,2005年時点で,65億ドルが必要,と見積もっている。ADB(注18)を中心としたコンソーシアムも考えている。

(注)B (1) 090415B Pakistan,steelguru,(2) Japan agrees to provide aid for 3 projects in Pakistan,(3) http://steelguru.com/news/index/2009/04/16/OTAzNDY%3D/Japan_agrees_to_provide_aid_for_3_projects_in_Pakistan.html,(4) Thursday, 16 Apr 2009,Sourced from Business Recorder,(5) Karachi Circular Railway project,(6) sixth secondary transmission and grids project,(7) Gujranwala Electric Power Company,(8) New Khanki Barrage,(9) Friends of Democratic Pakistan meeting,(10) Neelum Jhelum hydropower project,(11) Bhasha dam,(12) Japan International Co-operation Agency,(13) consultant Mr Scott Wilson Railways, UK appointed by Pakistan Railways,(14) STEP loan,(15) Punjab Irrigation Department,(16) PC-1,(17) Islamic Development Bank (IDB),(18) Asian Development Bank,(19)

参考資料

●090415B Pakistan,steelguru
パキスタンに対して日本政府が送電線など3プロジェクト支援へ
Japan agrees to provide aid for 3 projects in Pakistan

http://steelguru.com/news/index/2009/04/16/OTAzNDY%3D/Japan_agrees_to_provide_aid_for_3_projects_in_Pakistan.html












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サルウイーン河のダム開発 (080927)
メコン流域会議開催と中国 (080926)
インド,25年までに6千万KW水力開発 (080925)

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