アジアのエネルギー最前線

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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2009年4月20日分 ー ネパール支援増大で中国がチベットなど条件 ー

2009年4月20日分 ー ネパール支援増大で中国がチベットなど条件 ー

ネパールのカリガンダキ

今日は泉南の測量作業で,明日は,定額給付金中学同窓会で,城之崎に走ります。更新が少し遅れるかも。それにしても,定額給付金が間に合うかと思っていたが,まだ来ない,早くすればそれだけ盛り上がるだけではなく,実際早くしたほうがそれだけ経済効果があるわけで,遅くなればなるほど,どんどん効果が薄れる,ダムだって早く造っただけ,その便益が大きくなる。

そう言う点で,政治体制から来るのか,国民性から来るのか,中国の景気刺激策の効果は早いのではないか(注1)。今日,4月20日,上海のモーターショウ,数ヶ月前のシカゴのモーターショウの沈滞の雰囲気とは大分違うようだ。トヨダの社長のプレゼンスが大きい。自動車は既に在庫が減り始めて,次に向かって走り始めているようだ。トヨタのSUVがショウの目玉だとか(注2)。

その中国が,ネパールの新政権にプレッシャー。ネパールの外務大臣が北京に招かれて,支援を5割り増しする,との示唆で,プラチャンダー首相の北京入りを待っている。プラチャンダーは,就任直後,昨年,2008年8月に北京を訪問しているが,この5月に再度訪問する。水力開発への援助を期待するが,ネパールの狙いは,平和友好条約の締結にある。しかし北京は,そう簡単にはネパールに言質を与えない。

ネパールが,「一つの中国」を認め,カトマンズーで北京オリンピックの時に起こったチベット闘争だ。プラチャンダーに,カトマンズでの反チベット闘争を取り締まれ,と言うのである。そうすれば,水力開発の支援もさることながら,平和友好条約も締結しよう,と言うのである。北京が心配しているのは,ネパールの中の政局で,プラチャンダーが合意しても,ネパール国会がどうなるか,と言うことなのだ。

中国の支援を取り付けるためにネパールが無理をすると,インドとの関係がおかしくなる可能性もあり,ネパールの中でも問題が起こりそう。折角プラチャンダーが,民主主義,人権の尊重という理想の高い政治を掲げているのに,ここで反チベット闘争を強権で取り締まると,折角動き始めたネパールの新時代がおかしくなる。プラチャンダーは難しい舵取りを強いられている。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200904200021a.nwc
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200904200024a.nwc


本文

●インドの国家送電網が電源を睨み2000億ルピー投資へ

Central transmission utility PowerGrid Corp has announced an investment of up to Rs 20,000 crore during the XIth Five-Year Plan period to provide transmission system to four ultra mega power projects of 4,000 MW each. This is a part of PGCIL's total investment of Rs 55,000 crore for laying new transmission lines for various projects, including four UMPPs and others to be commissioned, in the 12th plan period.

インドの国家送電網PGCIL(注5)は,4,000MW規模の4つの超大型石炭火力UMPP(注7)への送電網構築のため,第11次五カ年計画(注6)内の2012年までに,送電網に2,000億ルピー,約40億ドル相当,を投資すると発表した。これは,第12次五カ年計画(注8)も含めたUMPP以外のプロジェクトを対象としたすべての投資額,5500億ルピー,約110億ドル相当,の一部に当たる。

PGCIL(注5)のマジュムダール局長(注9)は,UMPP(注7)関連で,1600億〜2000億ルピー,約32億ドル〜40億ドル相当,を投入,第11次五カ年計画(注6)の期間内には,800億〜900億ルピー,約16億ドル〜18億ドル相当,を注ぎ込み,残りは第12次五カ年計画(注8)にずれ込ませる,と語っている。

世界的な金融危機の影響については,マジュムダール局長(注9)は2つの点で恩恵があったと,一つは政府の対策で資金の流動性が確保されたことと,建設費が安くなったことだ,と言っている。この野望的な計画に対する資金調達は,内部留保の活用と,国際金融機関からの融資に依存する,としている。

(注)A (1) 090420A India, Economic Times,(2) PowerGrid to spend about 20,000 cr in UMPPs by 2012,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/PowerGrid-to-spend-about-20000-cr-in-UMPPs-by-2012/articleshow/4420996.cms,(4) 19 Apr 2009, 1655 hrs IST, PTI,MUMBAI:,(5) PowerGrid Corp,PGCIL,(6) XIth Five-Year Plan,(7) UMPPs,(8) 12th Plan (2012-17),(9) PGCIL Director (Projects) S Majumdar,(10)

参考資料

●090420A India, Economic Times
インドの国家送電網が電源を睨み2000億ルピー投資へ
PowerGrid to spend about 20,000 cr in UMPPs by 2012

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/PowerGrid-to-spend-about-20000-cr-in-UMPPs-by-2012/articleshow/4420996.cms

関連事項

●090321C India, Economic Times
インドで4つの大規模発電プロジェクトが再び発進する
Work resumes at four large power plants
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090321C.htm
●090309C India, Economic Times
インドのリライアンスがササーン火力で資金調達完了へ
Financial closure for Sasan UMPP by March end
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090309C.htm
●090115B India, Economic Times
インド,送電公社が不満,発電地点の変更が頻発
PowerGrid seeks new IPP norms over location shifts
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090115B.htm
●081230B India, Economic Times
インド,大規模火力プロジェクトUMPP,5社が応札
5 power cos submitted bids for UMPP
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081230B.htm
●081229B India, Economic Times
インド,大規模火力,ティラヤ,入札へ
Bids for the Tilaiya ultra mega power project on Monday
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081229B.htm


●インドの国家送電網が2010年度に1200億ルピーを投資

Power Grid Corporation on Saturday said that its capital expenditure for this fiscal is at over Rs 12,000-crore and the downturn in global economies had not affected its operations. "Our capex for FY 10 is over Rs 12,000-crore. Last year, it was Rs 8,095-crore," Power Grid Corporation of India Limited (PGCIL) Chairman and Managing Director, S K Chaturvedi, told reporters here.

インドの国家電網PGCIL(注5)は,土曜日,2009年4月18日,本年度の資本支出は,1,200億ルピー,約24億ドル相当,であり,世界金融危機はPGCIL(注5)の運営には影響していない,と発表した。PGCIL(注5)のチャタベリ総裁(注6)は,2010年度の資本支出は,1,200億ルピー,約24億ドル相当であるが,2009年度は,809.5億ルピー,約16.2億ドル相当,であったと言っている。

チャタベリ総裁(注6)は,送電事業に関する限り,景気後退の影響は受けておらず,PGCIL(注5)は,運用を維持し,目標を達成している,と言っている。PGCIL(注5)は,第11次五カ年計画(注7)内で,地域間容量を,37,800MW,新規に増強する計画である。既にこのうち,20,800MW容量は達成している。この第11次五カ年計画内の目標達成のため,5,500億ルピー,約110億ドル相当,を当てる予定である。

PGCIL(注5)は,世界銀行(注8)とADB(注9)から,資金調達の約束を取り付けており,その総額は,10億ドルを期待している,とチャタベリ総裁(注6)は語っている。

(注)B (1) 090420B India, Economic Times,(2) title: Power Grid Corp earmarks Rs 12,000-crore capex for FY 10,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/Power-Grid-Corp-earmarks-Rs-12000-crore-capex-for-FY-10/articleshow/4418246.cms,(4) 18 Apr 2009, 1902 hrs IST, PTI,MUMBAI:,(5) Power Grid Corporation of India Limited (PGCIL),(6) Chairman and Managing Director, S K Chaturvedi,(7) 11th five Year Plan (2007-12),(8) World Bank,(9) Asian Development Bank,(10)


●090420B India, Economic Times
インドの国家送電網が2010年度に1200億ルピーを投資
Power Grid Corp earmarks Rs 12,000-crore capex for FY 10

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/Power-Grid-Corp-earmarks-Rs-12000-crore-capex-for-FY-10/articleshow/4418246.cms


●ネパールの首相の訪中で中国が支援の豪雨

Ahead of Nepal’s Maoist Prime Minister Pushpa Kamal Dahal Prachanda’s second visit to China next month, Beijing has stepped up its aid bonanza for its smaller southern neighbour, increasing development assistance by 50 percent. From the earlier 100 million yuan (about $14 million), Beijing has upped its aid to 150 million yuan (over $21 million), Nepal’s state media said Sunday.

ネパールのプラチャンダー首相(注5)の2度目,来月,2009年5月の訪中に先だって,北京政府は,隣の小国ネパールへ,50%増しの援助を供与する約束をしている。当初,1億元,約14百万ドル相当,の約束を,1.5億元,約21百万ドル相当に引き上げる,とネパールのメディアが報じた。これは,ヤダフ外相(注6)が,9日間の北京政府の招待で訪中した時の情報である。土曜日,外相は帰国している。

ヤダフ外相(注6)も詳細は分からないが,プラチャンダーの卒業した南部チットワン地区(注8)のランプール農業大学(注7)の改善計画や,中国とネパールの間の,道路,鉄道建設が含まれている,と語っている。また,両国の貿易収支のバランスのため,ネパールの500品目の関税免除も含まれている。ネパールとしては,困難な水力開発,それにインフラ,農業,観光,技術,などを要請している。

何処まで中国が,プラチャンダーの政権を支えるのかは,来月のプラチャンダーの訪中まで,明かではない。しかしメディアは,中国ネパール平和友好条約(注9)の締結は無理と見ている。この問題は,ネパールの連立内閣の党派の問題や,最大野党のネパール会議党(注10)との話し合いにかかっている。2010年の新憲法制定までは,これらの動きは不明確である。

プラチャンダーの訪中の前に,ネパールの大使節団が,土曜日に北京に向けて旅立った。カナール共産党党首(注11)と4人のリーダー達で,一週間,中国共産党(注12)の招きで,中国に滞在する。中国としては,「一つの中国」(注13)の確認の問題と,カトマンズー内のチベット反対派の押さえ込みの問題を抱えている。オリンピック開催時に,これらが大きくクローズアップされている。

(注)C (1) 090420C Nepal, thaindian,(2) China rains aid ahead of Nepal PM’s visit,(3) http://www.thaindian.com/newsportal/business/china-rains-aid-ahead-of-nepal-pms-visit_100181708.html,(4) April 19th, 2009 - 3:45 pm ICT by IANS -,Kathmandu, April 19 (IANS),(5) Maoist Prime Minister Pushpa Kamal Dahal Prachanda,(6) Nepal’s Foreign Minister Upendra Yadav,(7) Rampur Agriculture Campus,(8) Chitwan district,(9) new peace and friendship treaty with China,(10) Nepali Congress party,(11) Jhalanath Khanal, chief of the Communist Party of Nepal-Unified Marxist Leninist,(12) Communist Party of China,(13) One China policy,(14) Tibetan dissidents,(15)

参考資料

●090420C Nepal, thaindian
ネパールの首相の訪中で中国が支援の豪雨
China rains aid ahead of Nepal PM’s visit

http://www.thaindian.com/newsportal/business/china-rains-aid-ahead-of-nepal-pms-visit_100181708.html

関連事項

●090401B Nepal, uk.reuters
ネパールの水力開発でダハール首相がインドが鍵を握っている
India key to Nepali hydropower ambition, PM says
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090401B.htm
●090301C Nepal, isria.info
ネパールのプラチャンダー首相が一つの中国政策を強調
Prachanda reiterates one-China policy
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090301C.htm
●090301D Nepal, asianews
ネパールの反チベットの動きに中国が警告を発す
Beijing warns Kathmandu against pro-Tibet rallies in Nepal
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090301D.htm
●081202B Nepal, kantipuronline
中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など
Chinese FM arriving
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081202B.htm
●080828C Nepal, Washington Street Journal
プラチャンダ,北京訪問,ネパール東西を鉄道連結構想
The Prachanda Path
http://online.wsj.com/article/SB121985913495976891.html?mod=googlenews_wsj












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過去のニュース

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●メコン委員会も気候変動戦争に参戦 (081215)
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●原油価格下降の現状とこれからの動き (081210)
●中国の経済外交が国内巨大需要へ急旋回 (081209)
●パキスタンのバシャダムの資金不足 (081208)
●フィリッピンの送電網は中国へ (081207)
●インドの電力が最高警戒レベル (081206)
●パキスタンがインドへ水補償要求 (081205)
●メコン事務局長が投稿立場説明 (081204)
●ベトナムの電力改革迷走か (081203)
●比のロペスが国産資源開発へシフト (081202)
●インド北部の水力二つ前進へ (081201)

●マニラのプール市場に混乱 (081130)
●タイEGATの海外進出への飛躍 (081129)
●世銀の大規模インフラに批判の声 (081128)
●フィリッピンの再生可能エネルギー再び (081127)
●ミャンマーのラシオへの思い (081126)
●インドのパイプラインへの挑戦 (081125)
●パキスタンの水問題深刻 (081124)
●ベトナムの開発に何か変化が (081123)
●インドネシアの石炭探査投資を (081122)
●中国雲南省がコルカタへ調査団 (081119)
●パキスタンのダムになお異論 (081118)
●ミャンマーは更にダム開発加速 (081117)
●インド北東地域の送電線計画 (081116)
●メコン洪水で再び中国ダム論争 (081115)
●金融危機とインドの電源開発 (081114)
●カンボジアのNGO天国終焉 (081113)
●インドの電力プール市場 (081111)
●フィリッピンのマイクロ水力 (081109)
●カンボジアの多彩な水力開発 (081108)
●IEAが原油動向で報告書 (081107)
●インドの大規模火力に資金難 (081106)
●中国の石炭に下降傾向 (081105)
●タイ首相ナムグムの水を東北タイへ (081104)
●タイの原子力地点決定は2009年末 (081103)
●イランのパイプラインとインドの優柔不断 (081102)
●ミャンマーでの中国のプレゼンス (081101)

●ベトナム油田へのロシアの参入 (081031)
マニラ配電の先行き見通し (081030)
カンボジアなどへの中国の進出 (081029)
中国の水力開発規模は世界一 (081028
インドネシアの 電気料金上げ (081027)
中国企業がアザドカシミールにダム投資 (081026)
中国広西とベトナムを結ぶ線 (081025)
丸紅のフィリッピンへの取り組み (081024)
インドネシアと中国のLNG契約 (081023)
ラオスの水力で住民補償が再燃 (081022)
世界で50カ国以上が原子力発電を計画 (081021)
世界金融情勢の変化の影響 (081020)
インドとパキスタン対立の悪夢 (081019)
パキスタン大統領の北京挑戦 (081018)
インド北辺水力開発に反旗 (081017)
米国がインドへ原子力通商使節団 (081016)
フィリッピンの天然ガスと電気料金 (081015)
フィリッピンの長期エネルギー計画 (081014)
インドの大規模石炭火力計画 (081013)
ミャンマーの水力への外国投資 (081012)
ダム建設を巡るカシミール問題 (081011)
フィリッピンの国産エネルギーへの拘り (081010)
バングラデシュとミャンマーの関係 (081009)
バングラデシュのエネルギー長期見通し (081008)
中国政府のチベット開発政策 (081007)
●ADBが初めてベトナム水力支援 (081006)
●知的送電線ネットワークの発想へ (081005)

中国とインドのエネルギー問題 (081004)
インドの原子力開発加速へ (081003)
アジア大陸の水源はチベット高原 (081002)
インドの配電組織改革 (081001)

フィリッピンの再生可能エネへの取組 (080930)
インドの地球温暖化との戦い (080929)
サルウイーン河のダム開発 (080927)
メコン流域会議開催と中国 (080926)
インド,25年までに6千万KW水力開発 (080925)

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