アジアのエネルギー最前線

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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2009年6月21日分 ー ベトナムのガスにシェブロンが40億ドルー

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PetroVietnam
Natural gas production in Vietnam


2009年6月21日分 ー ベトナムのガスにシェブロンが40億ドル ー

来年,2010年5月に選挙を控えるフィリッピンのアロヨ大統領が,静かに日本を訪問している(注1)。フィリッピンと日本の関係で私の視点は,日比の経済連携協定(EPA)に関連して,果たしてフィリッピン人の日本の労働者社会への溶け込みが円滑に行くのかどうか,と言うことだ。少子高齢化は,ODAの推進によるアジア全体の年齢構成で解決できないか,と私は言っているが,そのフロンティアにいるのが,フィリッピンだ。

今日はベトナム以外の話題をピックアップしようとしたが,シェブロンが,ベトナム沖の天然ガスに40億ドル投資,を発表し,日本の三井石油開発も関係していることから,この記事のインパクトが強かった。今日は,アロヨ大統領の話から,このベトナム沖を一つの地図で眺める機会が少ないので,その地図を見ながら考えてみた(注2)。ベトナム沖と言うのは,メコン河の流域面積が大きいだけに,その大陸棚は発達している。

ここにベトナムの天然ガスが,東南アジアの他国に先駆けて開発された原因を見るような気がするが,連なっているカンボジア沖,タイ沖などに比べると,その面積は極めて大きい。マレーシア東沖の大陸棚と繋がるかのように,南に延びているのが分かる。天然ガスが重要になってくるに従って,カンボジアとは,おそらくこれから大いに海域問題が,持ち上がってくるだろう。タイとカンボジアの間では既に紛争となっている。

ベトナム東方,フィリッピンとの間の海域は深いが,フィリッピンが力を入れているパラワンのマランパヤガス田は,ベトナムの大陸棚と対峙しており,その海域を繋ぐ南沙諸島が,フィリッピン,ベトナム,中国の大陸棚を結ぶ重要な拠点,と言うより,第2次の大陸棚として存在価値が大きいことがよく分かる。浅瀬を掘り尽くした数十年後には,この南沙諸島が,東南アジアのエネルギーの最大の争点になりそうだ。

インドネシアのカリマンタンの北端,ダトウ岬から北北東120kmの地点の辺りに,今話題となっているインドネシアのナツナガス田があり,その北北東290kmには,今日の話題のベトナムのガス田がある,まさに至近距離で,小島が連なっている。ナツナの西方にはインドネシア領のアナンバス列島を経て,マレーシアの大陸棚までは,アナンバスの大陸棚から僅かに70kmである。

天然ガスは地球上に何処でも存在する,ただ深いか浅いかの違いだけだ,と言う私の意見を後押ししてくれる人はあまりいないが,経済成長を遂げると必ずガスが出る,日本の例外を除いては,少なくとも東南アジアでは真実に近い。日本はガスが安く買えるから,近傍のガス田に興味がないだけのような気がする。ここまではある人達が付いてきてくれるが,私が天然ガスはマグマから無限に供給される,と言った途端,周りに人がいなくなる。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090621AT2M2002D20062009.html
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

本文

●ベトナムの沖合ガス田にシェブロンが40億ドル投入

Chevron Corp. may begin work on a US$4 billion offshore natural gas project in Vietnam by August, said the company’s top official in this nation, seven years after the plan was proposed by the now-acquired Unocal Corp. The project’s economics are based on developing about four trillion cubic feet, according to Hank Tomlinson, Hanoi-based president of Chevron’s Vietnam unit.

2009年3月4日の記事を見ると,ベトナムの天然ガスの大要が見える。ブロックBで知られているベトナム南部沿岸の西南部の沖合ガス田は,4〜7兆立方フィートTCFのガス埋蔵量を持っていて,25年以上の発電所の運転に耐えられる量である。シェブロン(注5)が事業運用に当たっており,ペトロベトナム(注10)と政府を相手に,ガス配分量,パイプラインの所有権とそのルート,他の技術的な仕様について,協議を進めている,と。

60兆立方フィートの埋蔵,と言われるミャンマー西部沖のガスが,如何に規模が大きいかが納得できる。なお,ベトナムのブロックBで生産されたガスは,ベトナム南部,カントーに近いオモンに運搬される計画である,と。今日の記事は,シェブロン(注5)が,2009年8月までに40億ドルの大金の投資を,ここのガス生産に投入するという。UNOCAL(注7)がこの提案をしてから,7年が経過している。

シェブロン(注5)のベトナム担当,トムリンソン(注8)は,4兆立方フィートの包蔵を対象としての投資,としており,ペトロベトナム(注10)との価格交渉に大きく見通しを得たことを匂わしている。来月,2009年7月にも交わされる合意書を得て,エンジニアリング作業を開始すると。また,ペトロベトナム(注10)のタン総裁(注11)も,間もなく合意できることを確認している。

現在,ベトナム最大のガス生産企業であるBP(注12)は,ベトナムのガス生産はこの10年で3倍となり,タイを追い越した,と語っている。シェブロン(注5)は,今後20年以上の生産を期待しており,電力の20%増に耐え得るとしている。世界銀行(注13)の見方は,電力の伸びは年率16%を越すことも考えられると,また,水力も石炭もあるが,ガスを利用する余地は十分にあると。

シェブロン(注5)のシンガポール(注14)によると,生産を開始してから5年でピーク生産量は,日5億立方フィートに達する,と。これから開始するエンジニアリング作業は,プラットフォームの設計,井戸資機材,電気機械機材の設置,生活空間,を含むものである。2011年までに,エンジニアリングから建設までの入札を終了する,としている。最終的には,メコンデルタ(注15)までの380kmのパイプラインの建設が必要である。

2002年に,UNOCAL(注7),三井石油開発(注16),タイのPTT探査事業(注17)のグループが,2.5兆立方フィートの天然ガス発見,を報じてから,2005年にシェブロン(注5)がUNOCAL(注7)の資本を買いとったが,三井石油開発(注16),タイのPTT探査事業(注17)は依然として,プロジェクトのパートナーである。

シェブロン(注5)もペトロベトナム(注10)も,生産開始の時期は明言していないが,ベトナム投資情報(注18)は,最初のガスが発電所に到着するのは,2014年と書いている。ペトロベトナム(注10)のタン総裁(注11)自身は,2012年を生産開始と期待しているようだ。

(注)A (1) 090621A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Chevron may begin work on $4 bln Vietnam project by August,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49976,(4) Source: Bloomberg,(5) Chevron Corp,(6) offshore natural gas project,(7) now-acquired Unocal Corp,(8) Hank Tomlinson, Hanoi-based president of Chevron’s Vietnam unit,(9) Vietnam Oil & Gas Group,(10) PetroVietnamペトロベトナム,(11) Chairman Dinh La Thang,(12) BP Plc,(13) Martin Rama, Hanoi-based country economist for the World Bank,(14) Gareth Johnstone, a Chevron spokesman in Singapore,(15) Mekong Delta,(16) Mitsui Oil Exploration Co,(17) PTT Exploration & Production Plc,(18) Vietnam Investment Review,(19)

今日の参考資料

●090621A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの沖合ガス田にシェブロンが40億ドル投入
Chevron may begin work on $4 bln Vietnam project by August
http://my.reset.jp/adachihayao/index090621A.htm

http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49976

最近の関連資料

●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220A.htm
●090304A Vietnam, glgroup,
ベトナムのオモンなどのガス火力開発
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304.htm



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過去のニュース

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フィリッピンの天然ガスと電気料金 (081015)
フィリッピンの長期エネルギー計画 (081014)
インドの大規模石炭火力計画 (081013)
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インドの配電組織改革 (081001)

フィリッピンの再生可能エネへの取組 (080930)
インドの地球温暖化との戦い (080929)
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インド,25年までに6千万KW水力開発 (080925)

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