アジアのエネルギー最前線

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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2009年7月29日分 ー タイのエネルギー大臣がASEAN閣僚会議へー

From YouTube

Asian Development Outlook 2008 Update
ADB Chief Economist Ifzal Ali provides an overview of the Asia-Pacific's development and economic outlook in the wake of the global economic slowdown, high food and energy prices, and persistent in...



2009年7月29日分 ー タイのエネルギー大臣がASEAN閣僚会議へ ー

ミャンマーは,今月末,2009年7月31日にもスーチーさんの判決を下す。ミャンマー首都訪問を予定していたタイのアシピット首相は,8月まで待ってくれ,とミャンマー政府から断られた。しかし,明日,2009年7月30日よりマンダレーで開催が予定されている,ASEANエネルギー閣僚会議は開かれるらしい。並んだ議題は,送電連携,パイプライン連携,クリーン石炭,再生可能エネルギー,原子力開発,と賑々しい。

ASEANの閣僚会議は,それぞれの国の中では結構権威を持っている。特に,ラオスやカンボジアなどでは,だってASEANで合意してるんだもの,と言う発言が目に付く。各国首脳が合意した,と言うことになる分けだ,何と言っても全会一致だから。例えば,インドネシアとマレー半島を送電線とパイプラインで結ぶ,無理だろう,と言うと,だって各国首脳が合意しているんだもの,となるわけで,引いた線も,会議に出された資料である。

メコン河の上流の中国のダムに関しても,中国側の要人と話すと,あのダムはASEANの会議で説明してある,という。それで皆さん,うん,と言っていたか,と聞くと,反対していなかったよ,同意しているはずだ,となる。NGOや環境の専門家の話は,全く犬の遠吠えにもならない。今度のマンダレー会議でも,メコン河上流開発ぐらいは議題になってもよいと思うが,議題には,その項目はない。

何しろ,お金の力はすごいもので,ワシントンで閉幕した,米中戦略対話(注1)も,米国が一生懸命,中国を持ち上げる姿勢に終始して,環境も原則論だけ,人権には全く触れず,という結果のようだ。中国の外貨準備高は2兆ドルを突破して,日本の2倍であり,それに米国債を8,000億ドル,米国社債などを入れると,1兆5,000億と言う。「米国の財政赤字に注目している」,と逆に中国に言われてしまった米国である。

だから,ASEANなどは,中国に対する批判は絶対に言わない。日本だって,1980年代の円借款たけなわの時代は,インドネシアもフィリッピンもタイも,絶対に日本の方針に従っていた。日本がどうしても再興したければ,中国の10倍のマンパワーで輸出と海外投資に,再度挑戦するしかない。戦争で核や空母を持つよりは,とにかく海外事業をもう一度やろうではないか。内需なんて世界戦略では役に立たない。とにかくドルだ。

マンダレーのASEAN会議では,当然二国間対話も行われるが,タイのエネルギー大臣が気にしているのは,サルウイーン河の下流,1,200MWのハッチ水力ダム,中流の7,110MWのタッサン水力ダムだ。特に,タッサンは,ダムの高さが285mで貯水池も長く,ミャンマー側の移住対策と絡んで,NGOからの批判が高まっている。首脳が合意しているよ,と言うこと,中国が開発の主導権を持つことが,一つの鍵かも知れない。

タイの人というのは真面目な一面があって,豚の糞尿から一生懸命メタンガスを取り出して,それをオートバイのエンジンみたいなものに繋いで,バイオだよ,このラーメンは豚のフンから焚いたものだ,食べてみろ,と奨められる。殆ど役に立たないオーダーの再生可能エネルギーに取り組む,15年間で285MWだと言うからクソ真面目だ。その点で一番不真面目なのは日本の電力会社で,太陽光や風力など,目も向けない。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090729D2M2901J29.html


本文

●タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る

A controversial energy plan for Southeast Asia covering nuclear power plants and "clean coal" promotion will be tabled for endorsement by energy ministers meeting in Mandalay this week. Energy Minister Wannarat Channukul said yesterday Bangkok, as current chairman of the Association of Southeast Asian Nations, had finished the drafting of the Asean Plan of Action for Energy Cooperation 2010-2015, to be proposed at the 27th Asean Energy Ministers Meeting tomorrow and Thursday.

ASEANのエネルギー閣僚が,間もなく,ミャンマーのマンダレー(注5)に集合する。明日,2009年7月30日,第27次ASEANエネルギー閣僚会議(注9)である。タイのワナラット・エネルギー大臣(注6)が議長を務めるが,2010-2015年ASEANエネルギー協力計画(注8)のドラフトが完成している。タイの使節団には,国家石油PTT(注15)とEGAT(注16)の代表も参加する。

今回の議題は,ASEAN送電連携(注10),ASEAN横断ガスパイプライン構想(注11),クリーン石炭技術(注13),再生可能エネルギー(注14),原子力発電開発(注15)の4項目である。二国間会議も行われるが,タイとミャンマーの間では,サルウイーン河(注19),特に,下流の1200MWのハッチ水力ダム(注17),中流のダム高285mの巨大プロジェクト,7,110MWのタッサン水力ダム(注18),の問題がある。

(注)A (1) 090729A Thailand, Bangkok Post,(2) title: Regional energy action plan ready for Mandalay meeting,(3) http://www.bangkokpost.com/news/local/21037/regional-energy-action-plan-ready-for-mandalay-meeting,(4) Writer: KULTIDA SAMABUDDHI
Published: 28/07/2009 at 12:00 AM,Newspaper section,(5) Mandalay,(6) Energy Minister Wannarat Channukul,(7) Association of Southeast Asian Nations (ASEAN),(8) Asean Plan of Action for Energy Cooperation 2010-2015,(9) 27th Asean Energy Ministers Meeting,(10) Asean power grid,(11) trans-Asean gas pipeline,(12) clean coal technology,(13) renewable energy,(14) nuclear power development,(15) PTT Plc,(16) Electricity Generating Authority of Thailand (EGAT),(17) Hut Gyi hydropower dam,(18) Ta Sang hydropower dam,(19) Salween,(20) Independent energy analyst Supakit Nuntaworakarn,(21) Healthy Public Policy Foundation,(22)





Hatgyi dam by Sinohydro


Tatsang dam site


今日の参考資料

●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm

http://www.bangkokpost.com/news/local/21037/regional-energy-action-plan-ready-for-mandalay-meeting

最近の0関連資料

●090522A Thailand, bangkokpost
タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと
PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm


●タイのEGATが220億バーツを投じて再生可能エネルギー開発へ

The Electricity Generating Authority of Thailand (Egat) is ready to spend Bt22 billion on the establishment of renewable-energy-driven power plants with a combined capacity of 258 megawatts. Egat deputy governor Somboon Arayasakul said yesterday that the move was part of the state agency's development of renewable energy. The 15-year plan spans from last year through 2022.

Presentation by Thailand energy

タイは相変わらず真面目である。政界は混乱しているから,誰に言われるともなく,再生可能エネルギー開発を,一生懸命にやろうとする。タイのEGAT(注5)は,2022年までの15年間を対象に,220億バーツを投入して,258MWの再生可能エネルギー開発(注7)に手を付ける。15年で僅か258MWか,と言わないでね。

再生可能エネルギー(注7)は,小水力(注8)が170MW,ゴミ発電(注9)が15MW,風力発電(注10)が65MW,太陽光発電(注11)が8MWである。全体を3期に分け,2012年までに第1期,2017年までを第2期,2022年までを第3期として,細かく計画を立てているが,15年間で258MWなど,細かく立てても仕方がないと思うが。しかしこれはEGATの計画であって,民間投資を期待するとどうなるか。

現在の再生可能エネルギーは,1,750MWであるが,2022年までには,全体で再生可能エネルギーを5,608MWまで持って行きたいとしている,その内訳は,500MWを太陽光発電,800MWを風力発電,324MWを水力発電,3700MWをバイオマス発電,120MWをバイオガス発電,160MWをゴミ発電,3.5MWをハイドロジェン。まさに絵に描いた餅ですね。

(注)B (1) 090729B Thailand, nationmultimedia,(2) title: Egat set for power-plant spending spree,(3) http://www.nationmultimedia.com/2009/07/24/business/business_30108248.php,(4) By WATCHARAPONG THONGRUNG,THE NATION,Published on July 24, 2009,(5) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(6) Egat deputy governor Somboon Arayasakul,(7) renewable energy,(8) mini-hydropower plants,(9) waste power plants,(10) wind power plants,(11) solar power plants,(12) Lam Ta Khlong,(13)

Presentation by Thailand energy

今日の参考資料

●090729B Thailand, nationmultimedia
タイのEGATが220億バーツを投じて再生可能エネルギー開発へ
Egat set for power-plant spending spree
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729B.htm

http://www.nationmultimedia.com/2009/07/24/business/business_30108248.php

最近の関連資料

●090626B Thailand, Bangkok Post
タイの財務相が燃料補助金が多いと代替エネルギーが開発されない
Korn rebuts talk of fuel subsidies
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626B.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213AB.htm

その他の関連ニュース

●090729C Thailand, nationmultimedia
タイの金融危機でラオスのナムグム2水力が遅延
Ch Karnchang delays its Lao unit's listing
http://www.nationmultimedia.com/2009/07/27/business/business_30108379.php





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●インドネシアの電源早期着工計画が資金難 (090221)
●ベトナムの電源開発の遅れはなぜ (090220)
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●ネパールのアッパータマコシ水力を456MWに (090218)
●インドネシアと日本のLNG契約減 (090217)
●ADBがブータンのダガチュ水力支援 (090215)
●>ベトナムのソンラ水力のダムに亀裂 (090214)
●インドネシアの中国ローンで利上げ要求 (090213)
●カンボジアで中国のダム着工 (090212)
●インドネシアのエネルギーに変革のとき (090211)
●インドのカシミールのダムに反対論 (090210)
●フィリッピンの石炭探査が始まるか (090209)
●ベトナムのソンラ水力の移住難航 (090208)
●中国は温暖化対策で先進国の義務強調 (090207)
●インドの副大統領がミャンマーへ (090206)
●中国の電力設備は792,000MW (090205)
●ミャンマーのアラカン州に鉄道建設 (090204)
●ラオスのナムグム第2水力順調に推移 (090203)
●インドの小水力包蔵は15,000MW (090202)
●再生可能エネルギーの前提はベース原子力 (090201)

●インドの石炭火力は燃料不足に (090131)
●インド北辺でのインド企業の奮戦 (090130)
●ミャンマー首相がアラカンを視察 (090129)
●フィリッピンのバターン原発再稼働問題 (090128)
●ネパールの水力開発との戦い (090127)
●フィリッピンの電力改革に黄色信号 (090126)
●中国雲南のダムが景気刺激策で動く (090125)
●インドネシアのガス供給は国内優先 (090124)
●インドネシアのLNGに三菱160億ドル (090123)
●オバマ大統領の手から水が漏れた (090122)
●インドの北辺水力開発は人類最後の戦い (090120)
●パキスタンのロワリ隧道完成へ (090119)
●ベトナムが再生可能エネルギーに悩む (090118)
●中国国家送電網の内外での大活躍 (090117)
●フィリッピンの送電譲渡で電源はどうなる (090116)
●ミャンマーのアラカンに500MWダム (090115)
●インドネシアのガス田でエクソンと紛争 (090114)
●ネパールは中国の投資を歓迎 (090113)
●フィリッピンのセブに200MW石炭火力 (090112)
●インドのAP州に縦貫ハイウエーの計画 (090111)
●フィリッピンが中国のODA見直し (090110)
●パキスタンは2016年までに25,270MW (090109)
●インドの海岸の火力は輸入炭30% (090108)
●フィリッピンのエネルギー長官が回顧 (090107)
●インドネシアで新規電源が年内に (090106)
●ネパールの停電対策に新たな提言 (090104)
●パキスタンとイランの協力強化 (090103)
●カンボジアは中国企業に補償の義務 (090102)
●カンボジアの電気料金高止まりは続く (090101)

●インドのマハラシュトラの電源 (081231)
●インドネシアの原子力に不安 (081230)
●中国のエネルギー安全保障 (081229)
●中国の金沙江の開発進む (081228)
●インドがカシミールで水力推進決意 (081227)
●インド国家電網に世界銀行ローン (081226)
●インドのアルナチャルプラデシュの開発機運 (081225)
●中国2千キロの80万ボルト直流送電 (081224)
●中国がインドネシアのエネルギーに31億ドル (081223)
●インドのガスとLNGを巡る情勢 (081222)
●パキスタンの水力便益地元還元 (081221)
●フィリッピンの電気料金は民営化で下がるか (081220)
●インド北辺水力開発に変わった兆し (081219)
●フィリッピンの再生可能で産業界が沸き立つ (081218)
●フィリッピンが再生可能400万KW開発へ (081217)
●米国の知的送電網開発の気運 (081216)
●メコン委員会も気候変動戦争に参戦 (081215)
●インドが省エネ取引市場を計画 (081214)
●インダスのニールム川に火花散る (081213)
●中国の地方政府の開発志向は止まらない (081212)
●NGOが世界銀行は温暖化の元凶と (081211)
●原油価格下降の現状とこれからの動き (081210)
●中国の経済外交が国内巨大需要へ急旋回 (081209)
●パキスタンのバシャダムの資金不足 (081208)
●フィリッピンの送電網は中国へ (081207)
●インドの電力が最高警戒レベル (081206)
●パキスタンがインドへ水補償要求 (081205)
●メコン事務局長が投稿立場説明 (081204)
●ベトナムの電力改革迷走か (081203)
●比のロペスが国産資源開発へシフト (081202)
●インド北部の水力二つ前進へ (081201)

●マニラのプール市場に混乱 (081130)
●タイEGATの海外進出への飛躍 (081129)
●世銀の大規模インフラに批判の声 (081128)
●フィリッピンの再生可能エネルギー再び (081127)
●ミャンマーのラシオへの思い (081126)
●インドのパイプラインへの挑戦 (081125)
●パキスタンの水問題深刻 (081124)
●ベトナムの開発に何か変化が (081123)
●インドネシアの石炭探査投資を (081122)
●中国雲南省がコルカタへ調査団 (081119)
●パキスタンのダムになお異論 (081118)
●ミャンマーは更にダム開発加速 (081117)
●インド北東地域の送電線計画 (081116)
●メコン洪水で再び中国ダム論争 (081115)
●金融危機とインドの電源開発 (081114)
●カンボジアのNGO天国終焉 (081113)
●インドの電力プール市場 (081111)
●フィリッピンのマイクロ水力 (081109)
●カンボジアの多彩な水力開発 (081108)
●IEAが原油動向で報告書 (081107)
●インドの大規模火力に資金難 (081106)
●中国の石炭に下降傾向 (081105)
●タイ首相ナムグムの水を東北タイへ (081104)
●タイの原子力地点決定は2009年末 (081103)
●イランのパイプラインとインドの優柔不断 (081102)
●ミャンマーでの中国のプレゼンス (081101)

●ベトナム油田へのロシアの参入 (081031)
マニラ配電の先行き見通し (081030)
カンボジアなどへの中国の進出 (081029)
中国の水力開発規模は世界一 (081028
インドネシアの 電気料金上げ (081027)
中国企業がアザドカシミールにダム投資 (081026)
中国広西とベトナムを結ぶ線 (081025)
丸紅のフィリッピンへの取り組み (081024)
インドネシアと中国のLNG契約 (081023)
ラオスの水力で住民補償が再燃 (081022)
世界で50カ国以上が原子力発電を計画 (081021)
世界金融情勢の変化の影響 (081020)
インドとパキスタン対立の悪夢 (081019)
パキスタン大統領の北京挑戦 (081018)
インド北辺水力開発に反旗 (081017)
米国がインドへ原子力通商使節団 (081016)
フィリッピンの天然ガスと電気料金 (081015)
フィリッピンの長期エネルギー計画 (081014)
インドの大規模石炭火力計画 (081013)
ミャンマーの水力への外国投資 (081012)
ダム建設を巡るカシミール問題 (081011)
フィリッピンの国産エネルギーへの拘り (081010)
バングラデシュとミャンマーの関係 (081009)
バングラデシュのエネルギー長期見通し (081008)
中国政府のチベット開発政策 (081007)
●ADBが初めてベトナム水力支援 (081006)
●知的送電線ネットワークの発想へ (081005)

中国とインドのエネルギー問題 (081004)
インドの原子力開発加速へ (081003)
アジア大陸の水源はチベット高原 (081002)
インドの配電組織改革 (081001)

フィリッピンの再生可能エネへの取組 (080930)
インドの地球温暖化との戦い (080929)
サルウイーン河のダム開発 (080927)
メコン流域会議開催と中国 (080926)
インド,25年までに6千万KW水力開発 (080925)

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