2009年7月31日更新
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2009年7月31日分 ー ネパールが中国政府に10億ドル支援要請 ー

ネパールで王制を倒し,マオイストのプラチャンダーが政権を握ったとき,私たちもインドの立場はどうなるのか,大いに関心を持ったわけであるが,プラチャンダーは,最初は北京に挨拶に行ったものの,その帰る足でニューデリーに飛び,父親のようなインドのシン首相の懐に飛び込んで,その嬉しそうな二人の写真が当時のメディアを飾ったものである。10年間で10,000MW水力開発,はシン首相の後ろ盾がなかったら無理だった。

しかし,残念ながらこの,私の好きな二人の関係は,すぐに終わりを迎えた。マオイストの兵士の後始末を巡ってプラチャンダーが大統領と対立,プラチャンダーは政権を投げ出した。その後のマオイストの動きは余り伝えられないが,新しい連立政権で首相に推挙されたのが,ネパール共産党を代表するマダブ・クマル・ネパール首相である。当然,マオイストよりは北京に近い関係なのであろう。

今日の記事の終わりの方はよく理解できないが,このネパール新首相は,400MWのサリアガット水力プロジェクトの支援に関し,インドの協力を取り付けるべくニューデリーを訪問し,交渉が旨くいかなかったような報道である。共産党なら北京に行け,と言うことか。どうも,このネパール共産党の新首相は,インドにとっては頭痛の種になる,というようにとれる書き方をしている。

ネパール政府で,20年以上も頑張ったオーストラリアのSMECが,ADBの支援を得て,いよいよ,750MWのウエストセティ水力の最後の契約書案をネパール政府に送りつけた。契約違反した場合のネパール政府の義務が,事細かに書かれているという。ネパール議会は,国の資源の持ち出しだ,と反対した時期もあったが,裁判所が,水は資源だが生まれる電気は製品だ,の名判決で,やっと動くことになる。

20年以上もネパールの西辺に座り込んで動かなかったSMECは偉い,日本のニュージェックや日本工営にそこまでの度胸が,今の時代にあるのだろうか。いずれにしても,ウエストセティはインド向けだが,今回,北京政府にネパールが支援を要請したのは,カトマンズ西,約350kmの地点だから,400MWと言う規模から言っても,インド向けと考えざるを得ず,ネパール政府は大丈夫か,と思ってしまう。

中国政府には既に,カトマンズ北西80kmにあるトリスリ水力,60MWの支援を要請しており,この地点のすぐ裏は,標高8012mのシサバンマ山の西に,チベットに抜けるも道があり,大きく西に回り込んできたバンメトート河の上流水源はすぐそこである,いわば中国の裏庭だ。中国は,インド洋にインドに対抗するシーレーンを構築中だが,ネパールに関して,まさにインドとの緩衝地帯ぐらいのことしか考えていない。どうなるか。

日本のエネルギーニュースを一覧する。東北大学が核燃料再処理技術でイラン留学生を受け入れて,経済産業省が問題にしている(注1)。そう言えば我々も随分電力では,イランのエンジニアーと関係があった。鉄道という交通手段が,新興国の投資拡大と温暖化対策で,先進国でも見直され取り,日本の鉄道メーカーの動きが激しい(注2)。麻生首相の太陽光への重点政策で,日本が再び首位を取り返す勢いとか(注3)。

(注1) http://mainichi.jp/select/world/news/20090731k0000e040067000c.html
(注2) http://www.nsjournal.jp/news/news_detail.php?id=170161
(注3) http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20090730/101950/


本文

●ネパールは水力を含む3大プロジェクトを中国に支援要請

The Government of Nepal has decided to make a formal appeal to the “all weather friendly” neighbor in the north-China for subsidized loan assistance for the construction of three mega projects in the country. Sources at the ministry of Finance have it that the loan assistance will be used for the construction of three significant projects in the country.

ネパール政府が,正式に中国政府に対して,3つの巨大プロジェクトに関する支援の借款を要請した。ネパール財務省(注6)が明らかにしたもので,3つのプロジェクトの事業費総額は,10億ドルに達するものと考えられている。3つのプロジェクトは,ポカラ地域国際空港(注7),400MWのヌサリアガット水力プロジェクト(注8),ジャジャルコットに至る道路整備(注9)である。

既にネパール政府は,1.2億ドルの借款を,60MWのアッパー・トリスリA水力(注10)を要請しているが,今回のプロジェクトは更に新規の要請である。インドとの関係で何か微妙な問題があるらしく,今回新たなネパール共産党所属のネパール首相(注11)がインドを訪問してその直後になされた。インド側にとっては,新たな頭痛の種が生じたようだ。

400MWのサリアガット水力プロジェクト(注8)は,ネパール電力庁の資料の中にあるが,カトマンズから西北西に320kmの位置にあって,180mの高いロックフィルダムを計画している。ジャジャルコット(注9)の近くと思われ,ここに通ずる道路建設も,このサリアガット水力プロジェクト(注8)に関連しているだろう。400MWで首都まで遠く,インドへ輸出せざるを得ないが,それと中国の借款は問題ないのであろうか。

(注)A (1) 090731A Nepal, telegraphnepa,(2) title: Nepal appeals China for support to three projects,(3) http://telegraphnepal.com/news_det.php?news_id=5923,(4) TGW,2009-07-30 11:45:14,(5) all weather friendly,(6) ministry of Finance,(7) Regional International Airport in Pokhara,(8) Nousalya Ghat Hydro Power Project-400 MW,Narshingghad hydro,(9) Jajarkot,(10) Upper Trishuli-A Hydropower project,(11) Nepal Prime Minister Madhav Kumar Nepal,(12) Jajarkot photo spource: www.nepalikalasahitya.com/.../PhotoKabita/,(13) Upper Trishuli photo source: http://www.doed.gov.np/uploaded/documents/,(14)

今日の参考資料

●090731A Nepal, telegraphnepal
http://telegraphnepal.com/news_det.php?news_id=5923

最近の関連資料

●090720B Nepal, ndopia
ネパール政府は電力危機に対応するため大規模水力への外国企業視野
Nepal to accord priority for power export, invite investment
http://my.reset.jp/adachihayao/index090720B.htm
●090420C Nepal, thaindian
ネパールの首相の訪中で中国が支援の豪雨
China rains aid ahead of Nepal PM’s visit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090420C.htm


●ネパール政府は750MWのウエストセティ水力で最終決断へ

The government is planning to sign a new agreement on the 750-MW West Seti Hydroelectricity Project 12 years after a Memorandum of Understanding (MoU) was signed with an Australian company. Snowy Mountain Engineering Corporation, the initial promoter of the project, and the government had signed the MoU on July 7, 1994.

しかし,よくSMEC(注7)はここまで頑張ったものだと思う。今のニュージェックや日本工営に,ここまでネパールの北辺に座り込んでびくとも動かない,その度胸があるだろうか。ネパールの西の辺境,カルナリ川の上流に,インドへ電力を供給するための,750MWの規模のウエストセティ水力(注5)は,1980年代から調査が始まり,1994年7月7日に,MOU(注6)を,ネパール政府との間で交わしたという。

考えてみれば,ネパールの劇的な幾つかの政変を,じっと山の中で耐えてきたSMECのエンジニアーは,偉いと思う,会社の幹部も何を大義名分にしてここまで来たのか,一度聞いてきたいものだ。一時は,ネパール国会は,電力資源を外国企業に売り渡し,その電気をインドへ持ち出すのは憲法違反だ,との議論で危なかったが,裁判所は,水は資源だが電気は産物だ,と名判定を行った。

ADBの資金調達支援を受けて,いよいよSMECは,契約書原案をネパール政府に送りつけた。契約違反の場合の補償条項が事細かに書かれているという。誰が主権者か分からないようなネパールに,この原案を送りつけるSMECも,いよいよここで決着,と言う覚悟だろう。ネパール政府に委員会は検討を終え,受け入れを勧告し,今現在,閣議上程の段階にある。

(注)B (1) 090731B Nepal, kantipuronline,(2) title: Govt mulls new West Seti pact,(3) http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=207026,(4) Kantipur Report,KATHMANDU, July 30,Posted on: 2009-07-29 22:02:10 (Server Time),(5) 750-MW West Seti Hydroelectricity Project,(6) Memorandum of Understanding (MoU),(7) Snowy Mountain Engineering Corporation (SMEC),(8) West Seti Hydro Pvt. Ltd,(9) photo source: http://www.wsh.com.np/category/photo-gallery/?nggpage=3,(10)

今日の参考資料

●090731B Nepal, kantipuronline
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=207026

資金の関連資料

●080910B Nepal, nepalnews
West Seti 水力,750MW,議会の3分の2承認は必要ない
‘No need for two-third majority in parliament on West Seti’
http://www.nepalnews.com/archive/2008/sep/sep10/news01.php
●080722A Nepal, steelguru
75万KW,ウエストセティ水力,いよいよ動くか
Global collaborations get Nepal hydel power project rolling
http://steelguru.com/news/index/2008/07/22/NTU2NTA%3D/Global_collaborations_get_Nepal_hydel_power_project_rolling.html
●080630A Nepal, The Rising Nepal
オーストラリア大使,ウエストセティはまもなく着工と
'West Seti to begin soon'
http://www.gorkhapatra.org.np/detail.php?article_id=2483&cat_id=4
●071229C Nepal, Nepal News
ネパール国会,ウエストシティ水力の電気料金無料を要請
House presses for free energy in West Seti
http://www.nepalnews.com/archive/2007/dec/dec28/news01.php

その他の関連ニュース

●090731C Nepal, kantipuronline
ネパールの商工会議所調査団が中国で事業協力合意
FNCCI woos Chinese investment in Nepal
http://www.kantipuronline.com/capsule.php?&nid=207033




2009年7月30日分 ー メコン流域圏への米国の介入とタイの立場 ー

タイの経済発展は日本企業によるものだ,と私は,1990年代初期にバンコクに駐在していた頃,そう言って憚らなかった。当時のタイのプロフェッショナルの動き方を見ていても,日本企業なくしてタイの発展はなかっただろう,と思っていた。当時のバンコクは東南アジア随一の経済発展を遂げており,アパートの上から見ていても,回りで,まるで雨後の竹の子のように,ビル建設が上へ上へと伸びてきていた。

先日,2009年7月27日から3日間,タイのパタヤで中国華僑系企業向けのタイ投資セミナーが開かれ(注1),約5,600億円相当の投資に関する覚書が交わされたという。ミャンマーやラオス,カンボジアと違って,タイへの中国企業の進出は,それほど大きくなかったが,ここに来て一挙に中国企業の投資が爆発し,長く日本企業と手を繋いで低迷したタイ経済も,大きく変わる可能性が出てきた。

中国の貿易黒字は8000億ドル,日本の2倍,米国債と米企業社債で,1兆5000億ドル,これからの中国経済の東南アジア進出は堰を切るだろう。これに,全く微力であるが,中曽根外務大臣のメコン諸国への接近政策が続き,2009年10月には,カンボジアのシアムリアップで,メコン諸国閣僚を集めて,対話を行うが,米国と中国の狭間に入ってしまって,歴史ある日本のメコン外交はどうなるのであろうか。

私は,1995年頃から,大体,今日あるを予想し,中国企業との足場を固めて,中国企業を先導しながらメコン河を共に南に下る策を練っていたが,周囲から散々邪魔をされて,何も出来なかった,丁度,江沢民が作業服を着て天皇陛下の晩餐会に出席したときで,日本大使館の反中感情は最高度に達していた。それだけに,後にJパワーが漢江に乗り込んだときは,嬉しかった。

1990年代始めに東北タイを旅すると,メコン河を挟んで,ラオスとタイでは,道路も送電線も全く違う,ベトナム戦争で米国がメコン河を境に共産主義への防壁を張った名残であった。それ以来,米国はメコン河とは殆ど無縁,米国人エンジニアーとメコン圏に入っても,彼等は小さくなっていた。クリントン長官の,同じMRCだから,メコン河委員会とミシシッピ河委員会とを姉妹機関にしよう,から始まって,米国のメコンへの再進撃始まる。

米国クリントン長官のこのメコンでの動きは,あれからワシントンで始まった米中戦略対話と無縁ではなかったであろう。縦に,メコン河沿いに,またサルウイーン河沿いに,8,000億ドルの外貨を持って降りてくる中国企業,これを東西に交差して対抗しようとした微力きわまりない日本,その中に米国が今後どの様に介入してくるのか,タイの政治家は読みあぐねている。

三菱商事がインドネシアのカンゲアン石油・ガス開発プロジェクト対象の融資関連契約に調印したとのニュース(注2)。「本プロジェクトの開発を通じて,インドネシア国内ガス供給の確保に貢献することで,日本向けLNG輸出の安定供給に寄与することを目指しております。」,という三菱商事のコメントに,エネルギーへの執念と心意気を感ずる。

西国電力,日本の中国電力のかっての友人には,カンボジアで,正義感とゴルフと石炭火力を教えて貰ったが,今日のJパワーと組んだ,炭酸ガス排出ゼロの石炭火力へ挑戦(注3)には,その意気込みを感ずる。ゼロ,と言い切ってしまうところに,そのコマーシャルセンスを感ずるが,商業化には大変な困難が伴うのだろう。気候変動,の合い言葉と大気名分があるからこそ,誰もその無謀な挑戦に反対はしない。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090730D2M3000530.html
(注2) http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=226821&lindID=2
(注3) http://www.ecool.jp/news/2009/07/jpo09-527.html


本文

●メコン圏への大国の介入にタイなどはどの様に対処すべきか

Recent diplomatic activity in the Mekong basin should not be underestimated by policy makers in Bangkok. The major superpowers have given their attention to the region and there could be significant development in the region's geo-politics. A US Secretary of State Hillary Clinton concluded a meeting with her counterparts from Cambodia, Laos, Thailand and Vietnam last week, back-to-back with the Asean ministerial meeting in Phuket.

1990年頃のタイ東北部のメコン河沿岸,対岸のラオスとのインフラの違い,道路,電柱など,格段の違いを目立たせていたが,あれはまさしく,ベトナム戦争(注19)の影響で,メコン河を境に共産主義の進出を阻む,と言う米国の政策の結果だった。1875年に米国がベトナムから撤退して以来,メコン河流域への米国の政治的経済的干渉は,ほとんどなかったと言っても良い。

今回の米国クリントン国務長官(注7)によるメコン下流沿岸諸国の閣僚対話(注9)は,歴史的な出来事と言っても良い。これも,ワシントンでの米中戦略対話が控えていたこととも無縁ではなかろう。今日の記事は,バンコク発で,タイとしては,中国,日本,米国,それぞれとの対話には欠かさず入っているが,タイのメコン河に対する確固たる方針を確立するまで,残された時間は少ない,と論じている。

クリントン長官(注7)と沿岸諸国の閣僚との間では,定期的な会合の機会を要請する声が上がっていた。また面白いには,メコン河委員会MRC(注11)とミシシッピ河委員会MRC(注12)は,呼称が同じMRC,クリントン長官(注7)からこれらのMRCを,姉妹組織にしようという提案がなされている。協力の内容は具体的な水資源問題で,5項目に亘る。

協力の5項目提案は,気候変動適合問題(注14),洪水渇水運用問題(注15),水力開発と環境評価(注16),水需要と食糧確保(注17),水資源運用問題(注18)である。また,中国がメコン流域を自分自身の裏庭と見なして,ASEAN接近の糸口としていることや,日本政府が,沿岸諸国代表を東京に招待,この10月にはシアムリアップ(注21)で,日本と沿岸諸国の対話(注25)が行われる。タイの外交政策が問われる段階だ,と。

(注)A (1) 090730A Mekong, The Nation,(2) title: As superpowers eye the Mekong, Thailand should act,(3) http://www.nationmultimedia.com/topstory/30108683/As-superpowers-eye-the-Mekong-Thailand-should-act,(4) By Supalak Ganjanakhundee,The Nation,Published on July 30, 2009,(5) Mekong basin,(6) region's geo-politics,(7) US Secretary of State Hillary Clinton,(8) Asean ministerial meeting in Phuket,(9) first US-Lower Mekong Ministerial Meeting,(10) Lao Deputy Prime Minister and Foreign Minister Thongloun Sisoulith,(11) Mekong River Commission,(12) Mississippi River Commission,(13) "sister river" partnership,(14) climate change adaptation,(15) flood and drought management,(16) hydropower and impact assessment,(17) water demand and food security,(18) water resource management,(19) Vietnam War in 1975,(20) Greater Mekong Sub-region (GMS),(21) Siem Reap,(22) CLMV,(23) US-Lower Mekong cooperation,(24) Foreign Minister Kasit Piromya,(25) Japan-Mekong ministerial meeting in Siem Reap in October,(26)

今日の参考資料

●090730A Mekong, The Nation
メコン圏への大国の介入にタイなどはどの様に対処すべきか
As superpowers eye the Mekong, Thailand should act
http://my.reset.jp/adachihayao/index090730A.htm

http://www.nationmultimedia.com/topstory/30108683/As-superpowers-eye-the-Mekong-Thailand-should-act



●090702B Mekong, ipsnews
メコン川本流のダム開発は水戦争を勃発させる
Dams Across the Mekong Could Trigger a ‘Water War’
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702B.htm
●090702C Mekong, slowfood
メコン河流域の漁民など住民が本流ダム開発で関係政府に抗議
Fighting for the Mekong
http://sloweb.slowfood.com/sloweb/eng/dettaglio.lasso?cod=3E6E345B0f30127197IHt160F9F5
●090702D Mekong, news.asiaone
メコン河流域のダム反対の住民に世界がこぞって合流
World joins Mekong citizens in battle to stop dam building
http://news.asiaone.com/News/Latest%2BNews/Asia/Story/A1Story20090621-149910.html
●090702E Mekong, rfa
メコン河上流の中国のダムに対してメコンデルタから反対の声
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://www.rfa.org/english/news/vietnam/mekong-06162009095500.html
●090617B Mekong, rfa
メコン河上流のダム建設が下流域に脅威となっている
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617B.htm
●090601A Mekong, saigon-gpdaily
メコン河委員会が上流も含めた本流ダム開発を検討へ
Mekong body starts evaluating mainstream dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090601A.htm
●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529A.htm


●タイのラチャブリ電力が需要の低迷で開発のペースを落とす

Ratchaburi Electricity Generating Holding (Ratch) will lower its power-generation target over the next seven years from 8,800 megawatts to 7,800MW. The move is in response to lower electricity demand resulting from the economic slowdown. Managing director Noppol Milinthanggoon yesterday said the downward revision was also in line with the Kingdom's 15-year power-development plan, which was under amendment and tended to lower its forecast for electricity consumption.

タイのラチャブリ電力RATCH(注5)の業績を書いた記事であるが,ラオスの597MWのナムグム第2水力(注8)と,いつも話題になるタイの電源開発長期計画PDP(注7)の関連が出てくる。RATCH(注5)は,この先,8,800MWの開発目標を,経済の低迷で,7,800MWと下方修正した。現在タイは,PDP(注7)の見直しを行っているが,下方修正の方向にある。

現在のRATCH(注5)の保有電源は,5,478MWで,このうち4,374MWは商業運転に入っているが,残りは建設中で,その中には,85%まで完成したラオスの597MWのナムグム第2水力(注8)が入っている。最初の1号機は,来年,2010年にも運転開始の予定である。PDP(注7)は私の手元にはないが,2007年のPDP(注7)が公表されており,現在これを見直している最中なのであろう。

(注)B (1) 090730B Laos, nationmultimedia,(2) title: Ratch lowers 7-year power generation target,(3) http://www.nationmultimedia.com/2009/07/30/business/business_30108669.php,(4) By THE NATION,Published on July 30, 2009,(5) Ratchaburi Electricity Generating Holding (Ratch),(6) Managing director Noppol Milinthanggoon,(7) Kingdom's 15-year power-development plan,(8) 597MW Nam Nguem 2 hydropower plant,(9) Sustainable Energy,(10)

今日の参考資料

●090730B Laos, nationmultimedia
タイのラチャブリ電力が需要の低迷で開発のペースを落とす
Ratch lowers 7-year power generation target
http://my.reset.jp/adachihayao/index090730B.htm

http://www.nationmultimedia.com/2009/07/30/business/business_30108669.php

過去の関連資料

●090702A Laos, enews.mcot
ラオスは2020年までにASEANの電源地帯となる
Laos plans to become battery of ASEAN by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702A.htm
●090617A Laos, news.asiaone
ラオスのナムトウン2水力の工事に遅れがでている
Laos's largest dam behind schedule company
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617A.htm
●090529B Laos, guardianweekly
ラオスはいよいよその持てる資源の便益を得る段階に
Laos taps it key resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529B.htm

その他の関連ニュース

●090730C Mekong, saigon-gpdaily
メコン沿岸諸国が環境問題で米国と会合
Mekong countries, US meet for environment
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/International/2009/7/72786/
●090730D Laos, vietnamnews
ラオスへの投資問題がベトナムの民間企業で最大の議題
Trade, investment with Laos tops agenda
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=06BUS180709
●090730E Laos, monstersandcritics
ラオスの1065MWのナムトウン第2水力が一部をタイへ送電開始
Laos' giant hydropower dam delivers test electricity to Thailand
http://www.monstersandcritics.com/news/business/news/article_1488532.php/Laos_giant_hydropower_dam_delivers_test_electricity_to_Thailand_



2009年7月29日分 ー タイのエネルギー大臣がASEAN閣僚会議へ ー

ミャンマーは,今月末,2009年7月31日にもスーチーさんの判決を下す。ミャンマー首都訪問を予定していたタイのアシピット首相は,8月まで待ってくれ,とミャンマー政府から断られた。しかし,明日,2009年7月30日よりマンダレーで開催が予定されている,ASEANエネルギー閣僚会議は開かれるらしい。並んだ議題は,送電連携,パイプライン連携,クリーン石炭,再生可能エネルギー,原子力開発,と賑々しい。

ASEANの閣僚会議は,それぞれの国の中では結構権威を持っている。特に,ラオスやカンボジアなどでは,だってASEANで合意してるんだもの,と言う発言が目に付く。各国首脳が合意した,と言うことになる分けだ,何と言っても全会一致だから。例えば,インドネシアとマレー半島を送電線とパイプラインで結ぶ,無理だろう,と言うと,だって各国首脳が合意しているんだもの,となるわけで,引いた線も,会議に出された資料である。

メコン河の上流の中国のダムに関しても,中国側の要人と話すと,あのダムはASEANの会議で説明してある,という。それで皆さん,うん,と言っていたか,と聞くと,反対していなかったよ,同意しているはずだ,となる。NGOや環境の専門家の話は,全く犬の遠吠えにもならない。今度のマンダレー会議でも,メコン河上流開発ぐらいは議題になってもよいと思うが,議題には,その項目はない。

何しろ,お金の力はすごいもので,ワシントンで閉幕した,米中戦略対話(注1)も,米国が一生懸命,中国を持ち上げる姿勢に終始して,環境も原則論だけ,人権には全く触れず,という結果のようだ。中国の外貨準備高は2兆ドルを突破して,日本の2倍であり,それに米国債を8,000億ドル,米国社債などを入れると,1兆5,000億と言う。「米国の財政赤字に注目している」,と逆に中国に言われてしまった米国である。

だから,ASEANなどは,中国に対する批判は絶対に言わない。日本だって,1980年代の円借款たけなわの時代は,インドネシアもフィリッピンもタイも,絶対に日本の方針に従っていた。日本がどうしても再興したければ,中国の10倍のマンパワーで輸出と海外投資に,再度挑戦するしかない。戦争で核や空母を持つよりは,とにかく海外事業をもう一度やろうではないか。内需なんて世界戦略では役に立たない。とにかくドルだ。

マンダレーのASEAN会議では,当然二国間対話も行われるが,タイのエネルギー大臣が気にしているのは,サルウイーン河の下流,1,200MWのハッチ水力ダム,中流の7,110MWのタッサン水力ダムだ。特に,タッサンは,ダムの高さが285mで貯水池も長く,ミャンマー側の移住対策と絡んで,NGOからの批判が高まっている。首脳が合意しているよ,と言うこと,中国が開発の主導権を持つことが,一つの鍵かも知れない。

タイの人というのは真面目な一面があって,豚の糞尿から一生懸命メタンガスを取り出して,それをオートバイのエンジンみたいなものに繋いで,バイオだよ,このラーメンは豚のフンから焚いたものだ,食べてみろ,と奨められる。殆ど役に立たないオーダーの再生可能エネルギーに取り組む,15年間で285MWだと言うからクソ真面目だ。その点で一番不真面目なのは日本の電力会社で,太陽光や風力など,目も向けない。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090729D2M2901J29.html


本文

●タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る

A controversial energy plan for Southeast Asia covering nuclear power plants and "clean coal" promotion will be tabled for endorsement by energy ministers meeting in Mandalay this week. Energy Minister Wannarat Channukul said yesterday Bangkok, as current chairman of the Association of Southeast Asian Nations, had finished the drafting of the Asean Plan of Action for Energy Cooperation 2010-2015, to be proposed at the 27th Asean Energy Ministers Meeting tomorrow and Thursday.

ASEANのエネルギー閣僚が,間もなく,ミャンマーのマンダレー(注5)に集合する。明日,2009年7月30日,第27次ASEANエネルギー閣僚会議(注9)である。タイのワナラット・エネルギー大臣(注6)が議長を務めるが,2010-2015年ASEANエネルギー協力計画(注8)のドラフトが完成している。タイの使節団には,国家石油PTT(注15)とEGAT(注16)の代表も参加する。

今回の議題は,ASEAN送電連携(注10),ASEAN横断ガスパイプライン構想(注11),クリーン石炭技術(注13),再生可能エネルギー(注14),原子力発電開発(注15)の4項目である。二国間会議も行われるが,タイとミャンマーの間では,サルウイーン河(注19),特に,下流の1200MWのハッチ水力ダム(注17),中流のダム高285mの巨大プロジェクト,7,110MWのタッサン水力ダム(注18),の問題がある。

(注)A (1) 090729A Thailand, Bangkok Post,(2) title: Regional energy action plan ready for Mandalay meeting,(3) http://www.bangkokpost.com/news/local/21037/regional-energy-action-plan-ready-for-mandalay-meeting,(4) Writer: KULTIDA SAMABUDDHI
Published: 28/07/2009 at 12:00 AM,Newspaper section,(5) Mandalay,(6) Energy Minister Wannarat Channukul,(7) Association of Southeast Asian Nations (ASEAN),(8) Asean Plan of Action for Energy Cooperation 2010-2015,(9) 27th Asean Energy Ministers Meeting,(10) Asean power grid,(11) trans-Asean gas pipeline,(12) clean coal technology,(13) renewable energy,(14) nuclear power development,(15) PTT Plc,(16) Electricity Generating Authority of Thailand (EGAT),(17) Hut Gyi hydropower dam,(18) Ta Sang hydropower dam,(19) Salween,(20) Independent energy analyst Supakit Nuntaworakarn,(21) Healthy Public Policy Foundation,(22)

今日の参考資料

●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm

http://www.bangkokpost.com/news/local/21037/regional-energy-action-plan-ready-for-mandalay-meeting

最近の0関連資料

●090522A Thailand, bangkokpost
タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと
PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm


●タイのEGATが220億バーツを投じて再生可能エネルギー開発へ

The Electricity Generating Authority of Thailand (Egat) is ready to spend Bt22 billion on the establishment of renewable-energy-driven power plants with a combined capacity of 258 megawatts. Egat deputy governor Somboon Arayasakul said yesterday that the move was part of the state agency's development of renewable energy. The 15-year plan spans from last year through 2022.

タイは相変わらず真面目である。政界は混乱しているから,誰に言われるともなく,再生可能エネルギー開発を,一生懸命にやろうとする。タイのEGAT(注5)は,2022年までの15年間を対象に,220億バーツを投入して,258MWの再生可能エネルギー開発(注7)に手を付ける。15年で僅か258MWか,と言わないでね。

再生可能エネルギー(注7)は,小水力(注8)が170MW,ゴミ発電(注9)が15MW,風力発電(注10)が65MW,太陽光発電(注11)が8MWである。全体を3期に分け,2012年までに第1期,2017年までを第2期,2022年までを第3期として,細かく計画を立てているが,15年間で258MWなど,細かく立てても仕方がないと思うが。しかしこれはEGATの計画であって,民間投資を期待するとどうなるか。

現在の再生可能エネルギーは,1,750MWであるが,2022年までには,全体で再生可能エネルギーを5,608MWまで持って行きたいとしている,その内訳は,500MWを太陽光発電,800MWを風力発電,324MWを水力発電,3700MWをバイオマス発電,120MWをバイオガス発電,160MWをゴミ発電,3.5MWをハイドロジェン。まさに絵に描いた餅ですね。

(注)B (1) 090729B Thailand, nationmultimedia,(2) title: Egat set for power-plant spending spree,(3) http://www.nationmultimedia.com/2009/07/24/business/business_30108248.php,(4) By WATCHARAPONG THONGRUNG,THE NATION,Published on July 24, 2009,(5) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(6) Egat deputy governor Somboon Arayasakul,(7) renewable energy,(8) mini-hydropower plants,(9) waste power plants,(10) wind power plants,(11) solar power plants,(12) Lam Ta Khlong,(13)

今日の参考資料

●090729B Thailand, nationmultimedia
タイのEGATが220億バーツを投じて再生可能エネルギー開発へ
Egat set for power-plant spending spree
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729B.htm

http://www.nationmultimedia.com/2009/07/24/business/business_30108248.php

最近の関連資料

●090626B Thailand, Bangkok Post
タイの財務相が燃料補助金が多いと代替エネルギーが開発されない
Korn rebuts talk of fuel subsidies
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626B.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213AB.htm

その他の関連ニュース

●090729C Thailand, nationmultimedia
タイの金融危機でラオスのナムグム2水力が遅延
Ch Karnchang delays its Lao unit's listing
http://www.nationmultimedia.com/2009/07/27/business/business_30108379.php


2009年7月28日分 ー フィリッピンのガスと今後の探査へ期待 ー

フィリッピンのゼロサムゲームに付き合ってうんざりしている。東京電力などが所有する石炭火力発電所などは,今,電力の完全自由化を目指して,IPPA入札が行われているが,一向に収束の気配がない。総計1,900MWの大規模石炭火力のIPPA入札に,アボイテスとサンミゲールしか応札社がなく,2009年6月に失敗した入札を,再度,この8月に再入札するという。IPPA入札が成功しないと,期待のオープンアクセスが出来ない。

これも,私にとってはゼロサムゲームだが,一層のこと,東京電力のIPPを関西電力がIPPAで引き取り,関西電力のIPPを東京電力がIPPAで引き取るのは許されないのか。日本の商社間でも同じような取引が可能であれば,IPPA入札というのは,全く遊びにしか過ぎないのではないか,という気がする。そもそも企業とは何ぞや,になってくるが,インドネシアやタイのように,発電所は国または国に準ずる組織に持たせる案がよい。

今,ルソン系統の需要が,約6,000MWで低迷しているから,ゼロサムゲームで遊んでいられるけれど,経済が少しでも動くと,とてもこのような悠長なゼロサムゲームを続けていられないだろう。再生可能エネルギーに期待を示すフィリッピンだが,オバマ政権ではないけれど,再生可能エネルギーでは殆ど,フィリッピン経済の将来は期待できないと思う。原子力も,既設バターンガスが逆に足かせになって,新しい開発は困難だ。

私は,フィリッピンが国内資源の開発で将来,世界経済の中で生き残るためには,周辺海域の天然ガス探査を盛り上げることしか,希望が持てないと思う。現在のマランパヤ・ガス田は,3,000MW,25年運転,とされており,現在既に,2,700MWが既開発なので,残りは300MW。この最後の300MWのガス火力開発を目指して,国家石油が動き出し,2009年9月にも協力企業を募る入札を行いたいとしている。

マランパヤ・ガス田が頼りでは,フィリッピン国家百年の計を立てることは困難で,どうしても問題になるのは,パラワン島の西,西のベトナムのメコンデルタ,南のマレーシアのサラワク,2,500m以上の深海に挟まれたこの狭い領海の中の南沙諸島は,ベトナム,マレーシア,更に北から中国が虎視眈々と狙っていて,フィリッピンにとっては苦しい状態だが,私は,どの国が掘っても人類の財産には代わりはないと思う。

このようなエネルギー政策の難しい情勢の中,アロヨ大統領が任期最後の施政方針演説を行い(注1),世界の中での経済的な位置づけが上がったことを誇示し,改憲による任期延長に含みを残す発言を行ったという。フィリッピンは,しばらく政争の嵐の中に巻き込まれるが,エネルギーについては,電力自由化が大切か,開発が必要なのか,よく考えて欲しいと思う。

アロヨ大統領は先日,東南アジアで初めてホワイトハウスに招待された国家首脳,と言って,オバマ大統領の歓待を受けたが,そのワシントンには,中国の閣僚が集まって,米中戦略対話の真剣勝負が行われている(注2)。オバマ大統領は,中国訪問団に対し,「山の小道は,使えばすぐに道になるが,使わなければ,やはりすぐに雑草に覆われてしまう」,と孟子の言葉を引用して見せたという。

フィリッピンのマランパヤ周辺,西の海域は,まさにこの孟子の言葉が当てはまるだろう。中国は膨大な貿易黒字を,米国国債に当てているが,米国はこれに気を遣って最大級のもてなし,という。貿易黒字は,結局,企業が持って帰ったドルを,自分で印刷した人民元に変えるから,全部が国庫の潤いになり,中国はそれを世界の資源の買い漁りに当てている。南シナ海の天然ガスは,国際的な取り組みとして,中国も入るべきだ。

(注1) http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/090728-082028.html
(注2) http://www.asahi.com/international/update/0728/TKY200907280134.html


本文

●フィリッピンの石炭火力のIPPAでアボイテスが新提案

Keen at joining the re-bidding for the appointment of Independent Power Producer Administrators (IPPAs) for the Sual and Pagbilao coal plants, Aboitiz Power Corporation (AP) hinted that it may need to reassess its offers to finally top the reserve price set by the government for the power contracts.

フィリッピンのゼロサムゲームに付き合わされるのは,困ったものだが,1,200MWのスワル石炭火力(注6)と,700MWのパグビラオ石炭火力(注7)の,IPPA(注5)入札が一向に収束せず,困ったものだが,元々競争市場が狭い中での入札だから,フィリッピン政府に描いている電力自由化は甚だ困難。今度の入札も,アボイテス(注8)とサンミゲール(注10)だから,全然競争市場ではない。

要するに,PSALM(注13)が予定価格を持っていて,それに達しないために入札が成立しないわけである。勿論,PSALM(注13)が予定価格は極秘にされているが,おそらく,NAPOCORに売っていた減価を元に,現在の東京電力などが合意できる価格に設定されているのだろう。でも入札は,2024年までの売電価格と,2024年頃,BOTが切れて以降の資産売却,の二つの要素があるのだろう。

2024年までの売電価格は,現在の所有主が大きな発言権を持つのだろうが,資産売却についてはフィリッピン政府だけの問題で,東京電力などの所有主の意志は関係ない。再び,8月5日に入札の付されることになっているが,今のところ,アボイテス(注8)とサンミゲール(注10)だけであり,低調だ。PSALM(注13)は,今度失敗した場合は,最高入札の一社と,交渉に入ると言っている。

(注)A (1) 090728A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Aboitiz Power reviews pricing strategy for Sual, Pagbilao IPPAs,(3) http://www.mb.com.ph/articles/212807/aboitiz-power-reviews-pricing-strategy-sual-pagbilao-ippas,(4) By MYRNA M. VELASCO,July 26, 2009, 2:08pm,(5) Independent Power Producer Administrators (IPPAs),(6) 1,218MW Sual coal plant,(7) Pagbilao coal plant,(8) Aboitiz Power Corporation (AP),(9) AP president and chief executive officer Erramon I. Aboitiz,(10) San Miguel Corporation,(11) unmet reserve price,(12) AP senior vice president Luis Miguel Aboitiz,(13) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(14) two-envelope bidding system,(15) irrevocable letter of credit,(16)

今日の参考資料

●090728A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPAでアボイテスが新提案
Aboitiz Power reviews pricing strategy for Sual, Pagbilao IPPAs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090728A.htm

http://www.mb.com.ph/articles/212807/aboitiz-power-reviews-pricing-strategy-sual-pagbilao-ippas

今日の関連ニュース

●090728B Philippines, businessmirror
フィリッピンの石炭火力のIPPAでアボイテスはまだ熱意
Aboitiz Power still keen on Pagbilao, Sual
http://businessmirror.com.ph/home/companies/13538-aboitiz-power-still-keen-on-pagbilao-sual-.html

最近の関連ニュース

●090630A Philippines, pia.gov
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札は価格が合わず失敗
Bidding for selection of IPPAs fails as reserve price unmet
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630A.htm
●090630F Philippines, Manila Stand Today
フィリッピンのスワルなど石炭火力IPPA入札は成立せず
Sual, Pagbilao auctions fail
http://www.manilastandardtoday.com/?page=business1_june27_2009
●090622C Philippines, abs-cbnnews
フィリッピンのスワルなど石炭火力売却で3グループ関心
Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622C.htm
●090622C Philippines, abs-cbnnews
フィリッピンのスワルなど石炭火力売却で3グループ関心
Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622C.htm
●090525C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性
Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved
http://www.bworldonline.com/BW052609/content.php?id=044
●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm


●フィリッピンのマランパヤ・ガスで新規300MW発電所を計画

Re-positioning to be in the entire chain of the gas or energy business, state-run affiliate Philippine National Oil Company-Exploration Corporation (PNOC-EC) bared plans of cornering additional gas supply from the Malampaya gas field for its proposed 300-megawatt power plant project.

フィリッピンの天然ガス探査は,マランパヤ以降進んでいないので,先行きが非常に窮屈になってきた。当初より,マランパヤ・ガス田(注6)の限界は,3,000MW,25年運転,と見られてきた。既に,2700MWのガス火力発電所が開発され,次の目標は,300〜500MWと考えられていることは,先日も述べたとおり。この最後のガスを利用する発電所開発の具体的な構想が進んできた。

国家石油PNOC-EC(注5)のパラス会長(注7)によると,今年,2009年9月にも発電所の入札が実施される状況だ。既に10指に余るグループが応札の構えで,この記事を読む限り,PNOC-EC(注5)の合弁相手を捜している感じ。この発電所には,100kmのマニラ-バタンガスのパイプライン計画(注9)の問題と,フィリッピン国会が気にしているロイヤリティをどうするのか,電気料金と絡んで問題が残っている。

(注)C (1) 090728C Philippines, Manila Bulletin,(2) title: PNOC-EC plans to secure Malampaya gas for new plant,(3) http://www.mb.com.ph/articles/212814/pnocec-plans-secure-malampaya-gas-new-plant,(4) By MYRNA M. VELASCOJuly 26, 2009, 2:18pm,(5) Philippine National Oil Company-Exploration Corporation (PNOC-EC),(6) Malampaya gas field,(7) PNOC-EC chairman Jacinto Paras,(8) Service Contract 38,(9) 100-kilometer Batangas-Manila (BatMan) high pressure gas pipeline,(10)

今日の参考資料

●090728C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマランパヤ・ガスで新規300MW発電所を計画
PNOC-EC plans to secure Malampaya gas for new plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090728C.htm

http://www.mb.com.ph/articles/212814/pnocec-plans-secure-malampaya-gas-new-plant

最近の関連資料

●090718F Philippines, businessmirror
フィリッピンのマランパヤ・ガス田もいよいよ限界になってきた
Malampaya output tweaked
http://my.reset.jp/adachihayao/index090718F.htm
●090614A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンなどのLNGプロジェクトが原油高で活気
Investors bet on sustaining oil-linked pricing for LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index090614A.htm
●090310D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのパラワンの電力供給で民間との再契約に慎重
Interim extension of supply contract sought to avert Palawan power shortage
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310D.htm
●090303B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマランパヤガス田のパイプライン回復まで70日必要
Spex undertakes Malampaya maintenance
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303B.htm

その他の関連ニュース

●090728D Philippines, gmanews
フィリッピンの水道ライバンダムでサンミゲールに日本企業が協力
San Miguel identifies Japanese partners for Laiban dam
http://www.gmanews.tv/story/168078/San-Miguel-identifies-Japanese-partners-for-Laiban-dam
●090728E Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの水道ライバンダムを2015年にも完成の構想
Laiban Dam to address Metro Manila water demand in 2015
http://www.mb.com.ph/articles/211583/laiban-dam-address-metro-manila-water-demand-2015
●090728F Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのミンダナオのバギオの水力でアボイテスが妥協
Aboitiz offers compromise in river use
http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/regions/view/20090725-217179/Aboitiz-offers-compromise-in-river-use


2009年7月26日分 ー スリランカの復興に各国の思惑が集まる ー

スリランカに対して,日本はアッパーコトマレ水力で終わりなのか,と問いかけたかった。電力のマスタープランを実施しながら,石炭火力は中国に譲り,武装勢力への和解要請も,スリランカ政府の強攻策で終わってしまい,日本政府のスリランカ外交は行き詰まっている。穏健策とマスタープラン調査だけで,スリランカなどへの支援が出来ていると考えるならば,間違いだと思う。福田首相の訪問(注1)も,9億円の難民支援では弱い。

なぜそれほどスリランカ外交が大切なのか。それはインドと中国の経済的な台頭があるからだ。まず中国は,日本政府が踏み切れなかった石炭火力と引き替えに,スリランカ南部,ハンバントタ港を中国の軍港とすることに合意させた,軍港と言ってはいないが,建造が視野に入っている空母の重要な泊地になるわけである。それは中東からの原油を,ミャンマーのチャウクピュー港へ運ぶためだ。地図を見れば中国の意図は歴然。

インド海軍との直接接触を避けながら,スリランカ南部を経由して,ミャンマー南西沖に運び,そこから原油とガスのパイプラインで,雲南省に運び,更に上海など沿岸地域まで,大国の干渉なく,到達させることが出来る。インドとしては,スリランカの石炭火力で中国と争ったが,結局中国の経済攻勢に敗れ,今度は,シンディ電力大臣自ら,インドースリランカ超高圧直流送電連携,容量1,000MWを前面に押し出してきている。

中国輸出入銀行は,既に傷んだスリランカ北部の復興を引き受けるむね,スリランカ政府に伝えており,おそらく日本の人道支援9億円の数十倍の提案になるだろう。また,米国などの意志を含んだIMFは,復興支援として26億ドルを決定しており,一部はすぐにでも支出する体制にある。ここで注目すべきは,スリランカ北西沖のガス探査事業が動き始める情勢にある。北西沖,と言っているが,実際は,パーク海峡全域のガス包蔵だろう。

最大の親日国,戦後の日本のODAが力を入れたスリランカも,日本政府の穏健策で,見る見る間に日本の手のひらからこぼれ落ちて行く。アッパーコトマレ水力,150MWも,もうスリランカ政府の目から見ると,飲み込んでしまったご馳走で,美味が感じられなくなった。このたび,大統領がコトマレ現地に飛んだのは,別の要件もあったとはいえ,一つのチャンスかも知れない。

福田前首相が,ただ笑顔で9億円の人道支援を行って,これで良し,として帰ってしまうならば,日本政府も,大使館も,余りに甘いと言わざるを得ない。とにかく,アジアの途上国に対しては,人道支援や,2年も3年もかける開発調査では,時代に遅れている。今日本が出来ること,それは,スリランカ周辺のエネルギー資源に,早急に手を伸ばすことだろう,インドとはおそらく協力できるのではないか。過去の遺産を大切にせよ。

ロシアのラブロフ外相がハノイに入って,ベトナムのキエム副首相兼外相と原子力開発で連携(注2)との報道が流れている。ロシアは旧ソ連時代からベトナムのエネルギー支援には熱心で,今,韓国や日本などが入り乱れているベトナムの原子力開発も,大臣レベルの協議でないと太刀打ちできなくなってくる。明日は,測量作業,おそらく豪雨の中の厳しい作業になりそう,遭難しないように気を付けよう。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090724AT3S2401X24072009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090726AT2M2501025072009.html


本文

●スリランカの大統領がコトマレ水力の現場を視察

President Mahinda Rajapaksa inspected the Upper Kotmale Hydro Power project site on early hours of 24th (friday) July, while he was in the Uva province attending Provincial Council election campaign in the area. He made an inspection visit to the site and instructed the officials to take steps to complete the project on schedule. He further requested the officials to expedite the construction work to complete the work prior to schedule to meet the set targets.

内戦を終了させたスリランカのラジャパスカ大統領(注5)は,電力危機の最中,その解決の鍵を握る,150MWのアッパーコトマレ水力(注6)の建設現場を視察して,関係者を激励し,2011年の完成時期を少しでも早めるよう,要請した。アッパーコトマレ水力(注6)は,2002年3月に,日本政府と円借款に合意したもので,事業費総額は,950百万ドルで,2006年着工,2011年には完成予定である。

日調整と思われる流れ込み式発電所だが,12kmのトンネルで491mの落差を取っている。流域面積はよく分からないが,トンネルの直径は4.5m都書いてあるので,流量は毎秒50トンぐらいか,ピークに立てているとすれば,平均流量毎秒20トン程度,流域面積は300平方kmあるかな。間に合わせのディーゼル発電所で凌いでいるスリランカとしては,期待の水力だろう。記事に写真が多い。

(注)A (1) 090726A Srilanka, onlanka,(2) title: President Visits Upper Kotmale Hydro power Project,(3) http://www.onlanka.com/news/pubs/article_2009_07_24_2819.html,(4) Jul 24, 2009,Source: Onlanka News - By Janaka Alahapperuma,(5) President Mahinda Rajapaksa,(6) 150MW Upper Kotmale Hydro Power project,(7) Japanese Government on an Overseas Development Assistance loan,(8) Bank for International Cooperation in Japan,(9) Ceylon Electricity Board,(10) photo sources 01: http://www.ukhp.lk/waterfalls.html,(11) photo source: clombo page,(12)

今日の参考資料

●090726A Srilanka, onlanka
スリランカの大統領がコトマレ水力の現場を視察
President Visits Upper Kotmale Hydro power Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726A.htm

http://www.onlanka.com/news/pubs/article_2009_07_24_2819.html

最近の関連資料

●090126A Srilanka, itn.lk/news
スリランカ,大統領,全発電所の完成を指示
President instructs to complete work on power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090126A.htm
●081013A Srilanka,colombopage
アッパーコトマレ水力第2期,運転開始
Second phase of Sri Lanka hydropower project starts today
http://www.colombopage.com/archive_08/October1323527KA.html
●070922D Srilanka, Daily News
アッパーコトマレ水力,住民移住が始まる
Upper Kotmale resettlement begins


●スリランカにインドが送電線連携の具体化調査を提案

The proposed connection shall enable both the countries to exchange electricity to the tune of 1000 MW for mutual benefit
New Delhi: India has proposed to sign an MoU with Sri Lanka for conducting a feasibility study for establishing a power transmission system of 1000 MW capacity using overhead and sub-marine cables between two nations.

スリランカの反政府ゲリラ制圧を受けて,インドのシンディ電力大臣は,インドとスリランカの送電線連携について,可能性調査をやるべく,スリランカ政府と覚書を交わすことを提案しているむね,語った。提案の内容は,2回線,直流超高圧送電線(注4)で,両国側に変換所を設けるが,送電容量は,1,000MWで,両国にとって利益があると指摘している。

プレFS報告書(注7)によると,総事業費は,230億ルピー,全体の長さは,350〜400km,インド側は,200〜250kmの架空線,海底ケーブルが,30〜50km,スリランカ側の架空線が,125〜150km,で容量は,1,000MW,工期は4年としている。

(注)B (1) 090726B Srilanka,livemint,(2) title: India, Lanka to sign MoU on power transmission system,(3) http://www.livemint.com/2009/07/24154357/India-Lanka-to-sign-MoU-on-po.html?h=B,(4) high voltage direct current (HVDC) terminal stations,(5) Lok Sabha,(6) power minister Sushil Kumar Shinde,(7) pre-feasibility report,(8)

今日の参考資料

●090726B Srilanka,livemint
スリランカにインドが送電線連携の具体化調査を提案
India, Lanka to sign MoU on power transmission system
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726B.htm

http://www.livemint.com/2009/07/24154357/India-Lanka-to-sign-MoU-on-po.html?h=B

その他の関連ニュース

●090726C Srilanka, hindu.com
スリランカに対して中国輸銀が北部地域の復興支援を申し出
China EXIM bank to assist in development of Sri Lanka's north
http://www.hindu.com/thehindu/holnus/000200907111570.htm
●090726D Srilanka, forbes.com
スリランカに対してIMFが26億ドル支援で北西沖のガス探査も視野
UPDATE 4-IMF board OKs $2.6 bln loan for Sri Lanka
http://www.forbes.com/feeds/afx/2009/07/24/afx6699424.html


2009年7月25日分 ー 中国のダム工事に於ける地滑り続発 ー

日本も,梅雨のゲリラ的豪雨に見舞われているが,中国も例外ではないらしい。まず,雲南省,メコン河上流のランサン川,ダムはまだ工事中だが,既に湛水を始めており,好調な仕上がり状況を報じている。そこに突然,池内の地滑りが発生,13ヘクタール,約100万立方mの地滑りで,30mの波が起こって,数十名が行方不明になっている。その後の報道は小さく,ダムなどへの影響はないものと思われる。

まさにその報道を前後して,四川省で地滑りのため50名が行方不明,と報じられ,おかしいなあ,四川省と違う雲南省だろう,と思っていると,友人の力も借りて調べてみると,小湾ダムとは全く違う,背中合わせの河,大渡河での工事中のダム,長河堤ダムの出来事で,50万立方mに及ぶ建設用資材,石材などが滑り,50人以上が生き埋めで,報道としてはこちらの方が大きい。

今日は序でに,四川省西部の電源河川,大渡河を勉強してみた,HPに掲載している地図を見て下さい。長江が東西に流れている四川省の南部,その長江へ,北から大きな眠江が流れ込んでいる,その眠江の河口近くで,西から流れ込む河が,大渡河である。約87,000平方kmの流域面積を持つが,ラオスのナムテン川が1万平方kmであるから,中国大陸の小規模な支流河川が,如何に大きな規模を持っているか,分かる。

友人に提供して貰った資料を見ると,包蔵水力は,17,720MW,最上流の計画地点,独松ダムは満水位が,2,310mで,大渡河最下流の既設低ダム,銅街子ダムが600MWで満水位が474mであるから,短い距離,約600kmで,標高差が,約1,800mに達する。その上流部分,満水位1630mでダム高155mで計画,工事中の,1,240MWの長河堤ダムである。

この長河堤ダム地点は,成都から西南西の方向,直線で約180kmであるが,実は成都から南西方向約130kmに雅安という古い都市があって,そこまで高速道路で2時間程度だ。その近傍には,古代の灌漑設備,地震で被害を受けた都江堰や,観光で有名な蛾眉山などがある。この雅安の待ちから山越えで約80kmで,大渡河に出るが,地震といい,今回の豪雨被害といい,全く災難の多い年である。

この二つの地点,ランサン川の小湾ダムと,大渡河の長河堤ダム関連の写真を,中国のサイトなどから集めてみた。出所を完全にはフォローしていないが,ごめんなさい。

http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm


2009年7月24日分 ー ミャンマーのパイプラインにインドが資本参入 ー

昨日,2009年7月23日,メコン上流中国領内ランサン川の小湾ダムの貯水池で地滑りが起こって,30mの段波が発生し犠牲者が出た,と報じたが,その後,真田さんから中国語の情報が送られてきて,写真も付いていたから,後でゆっくり見ようと思ったら,二つのドメインとも消されてしまっていた(注1,2),残念,ダウンロードしておくべきだった。私は50万立方mと推算していたが,100万立方mはあるだろう,と言われている。

私も5万立方mの地滑りは直接見たことがあるが,その20倍というと大きい。しかし,友人のダムの専門家は,貯水池内の地滑りとしては大きい方ではない,という感想だが,波の高さが30m,と観測されているのは,異常だ。ダム本体の近くなら,ダムの安定にも影響を与えかねない規模だ。実は,今日,更に,ダム工事の地滑りで50数名行方不明の記事(注3)があり,読んでみた。

しかし,どうもダムが違うような印象で,小湾ダムは雲南省,今日の報道は四川省である。四川省の事故は,崩落によって川がせき止められ数百万トンの水が溜まって,これが壊れると更に下流に危害が及ぶ。私が比較的深刻に地滑りの記事を受け取っているのは,メコン川の上流であり,最近下流で,上流の中国のダムの影響が大きく取り上げられており,問題が複雑になると思ったからだ。

中国のダム工事は,少しスピードを落として,的確に進める必要がある,と感じ始めているこの頃だが,中国が進めるミャンマーのガスパイプラインも,相当早いスピードで計画が進められている。今日の記事は,ミャンマーのガスの実情が非常によく分かる記事である。ミャンマーのアラカン沖で発見されたガスは,韓国企業とインド企業によって探査されたわけで,2007年になってやっと韓国企業が,中国へ送ることに同意したという。

確かに私の記憶でも,ガスが発見された当時は,インドに送る案が有力だった,まさかミャンマーを縦断して雲南省に送るなど,当時は考えていなかったのではないか。そのうち,中国の外貨がどんどん増えてきて,中東の原油をミャンマーに送って,ミャンマーの港から,ガスと原油の2本のパイプラインで中国の昆明に,更には上海や広東など沿岸部に,などという発展は考えられていなかった。

2013年に生産開始し,日量約5億立方フィートのガスを,百万Btu当たり7.73ドルで19年間,中国に送る計画で,今回の,A-1,A-3ブロックの耐用年数は28年と考えられている。このパイプライン事業に,インドの国家石油ONGCが資本参加するべく準備を進めているという。今の想定では,中国のCNPC(注7)が50.9%,であるが,他にインドが参加すると次のようになる。

ミャンマー政府のMOGE(注13)が7.37%,韓国の大宇(注9)が25.04%,インドのOVL(注5,10)が8.35%,同じくインドのGAIL(注11)と韓国のKOGAS(注12)がそれぞれ4.17%,と言うことになる。インド企業は合計で,12.52%とシェアーは小さいが,中国へのパイプラインにインドが参入,ということは,単なるビジネスの話なのであろうか,それとも,インドの例のミゾラム州ルートが,頭の中にあるのであろうか。


(注1) http://news.yntv.cn/category/10104/2009/07/22/2009-07-22_750028_10104.shtml
(注2) http://news.xinhuanet.com/society/2009-07/22/content_11749285.htm
(注3) http://www.earthtimes.org/articles/show/278683,landslide-leaves-four-dead-53-missing-in-south-west-china--summary.html


本文

●インドの国家石油がミャンマーの中国パイプラインに資本参加の意向

ONGC Videsh, the overseas arm of state-run Oil and Natural Gas Corp (ONGC), may pick up a stake in the $1.95 billion gas pipeline that China is building for ferrying natural gas found off the Myanmar coast. China National Petroleum Corp (CNPC) is laying a 870-km pipeline in Myanmar to transport gas found in blocks A-1 and A-3 to mainland China. Sources said, CNPC has offered 49.9 per cent stake to the consortium developing gas fields in blocks A-1 and A-3.

今日話題の,ミャンマー,アラカン沖,ガス田のブロックA-1,A-3ブロック(注8)は,元々韓国の大宇(注9)が発見し探査を続けていたもので,これを中国へパイプラインで運ぶことに,大宇(注9)が同意したのは,2007年12月初旬である。このことがJOGMECの文献の中に書かれているが,元来,インド向け,タイ向け,LNG案などが有利であったにもかかわらず,中国の圧力で,ミャンマー政府が大宇に合意を要求した。

この中国へのガスパイプラインは,事業費19.5億ドルに,インドのONGC(注6)の海外活動関連会社であるOVL(注5,10)が,資本参入の意向を示している。中国石油CNPC(注7)は,ミャンマー沖合,A-1,A-3ブロック(注8)のガスを,870kmのパイプラインで,中国領内に運ぶ計画である。情報によると,CNPC(注7)は,A-1,A-3ブロック(注8)にも49.9%の資本参入を申し込んでいるという。

A-1,A-3ブロック(注8)に対しては,大宇(注9)が60%の資本を有し,OVL(注5,10)が20%,GAIL(注11)とKOGAS(注12)がそれぞれ10%である。しかし,ミャンマーのMOGE(注13)が15%の権利を持っているので,大宇(注9)が51%,OVL(注5,10)が17%,GAIL(注11)とKOGAS(注12)がそれぞれ8.5%%と言う結果となる。

大宇(注9)は,40インチのパイプラインへの資本参加に前向きで,OVL(注5,10)も参入を社内決定している。全員がパイプラインに参加すると,CNPC(注7)が50.9%,MOGE(注13)が7.37%,大宇(注9)が25.04%,OVL(注5,10)が8.35%,GAIL(注11)とKOGAS(注12)がそれぞれ417%,と言うことになる。ガスの値段は,ミャンマー卸で,百万Btu当たり7.72ドルとなるだろう。

なお,A-1,A-3ブロック(注8)に対して,大宇-OVL-GAIL-KOGASのジョイントは,三つのガス田に27.9億ドルを投下し,海底パイプラインに936.25百万ドルを投ずる。大宇(注9)の計画書(注15)では,A-1ブロックのシュエとシュエピュー(注16),A-3ブロックのミャ(注17)で,日5億立方フィートを19年間生産することになっている。ガス田の耐用年数は,28年と想定されている。最初のガスが出るのは2013年の計画。

中国とミャンマーの契約では,A-1,A-3ブロック(注8)のガスについて,百万Btu当たり6.71ドル,海底パイプライン経費が,1.02ドル,30年間の契約で,米国エスカレーション(注19)に従う。計画書(注15)によると,3段階に分けて開発される。ガスの純度は高く,メタンが99%であり,不純物が少ないとされている。A-1,A-3ブロック(注8)の包蔵量は,4.532兆(Tcf),経済性についてまだ明確にされていない。

(注)A (1) 090724A Myanmar, business-standard,(2) title: ONGC Videsh to join Chinese gas pipeline from Myanmar,(3) http://www.business-standard.com/india/news/ongc-videsh-to-join-chinese-gas-pipelinemyanmar/67679/on,(4) Press Trust of India / New Delhi July 14, 2009, 17:03 IST,(5) ONGC Videsh,(6) Oil and Natural Gas Corp (ONGC),(7) China National Petroleum Corp (CNPC),(8) blocks A-1 and A-3,(9) Daewoo Corp,(10) OVL,(11) GAIL,(12) Korea Gas Corp (KOGAS),(13) Myanma Oil and Gas Enterprise (MOGE),(14) million British thermal unit,(15) Field Development Plan (FDP),(16) Shwe and Shwe Phyu in Block A-1,(17) Mya in Block A-3,(18) million standard cubic feet per day,(19) US inflation,(20) Central Process Platform (CPP),(21) Shwe and Mya (North) fields,(22) Mya (South) field,(23) Shwe Phyu field,(24) trillion cubic feet (Tcf),(25)

今日の参考資料

●090724A Myanmar, business-standard
インドの国家石油がミャンマーの中国パイプラインに資本参加の意向
ONGC Videsh to join Chinese gas pipeline from Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index090724A.htm

http://www.business-standard.com/india/news/ongc-videsh-to-join-chinese-gas-pipelinemyanmar/67679/on

最近の関連資料

●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401A.htm
●081125C Myanmar, mathaba
ミャンマーとインド,経済協力の促進を確認
Myanmar, India to cement economic and trade ties
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125C.htm

その他の関連ユース

●090724B Myanmar, online.wsj.com
ミャンマーの外国資本投資は増え続け10億ドルで殆ど中国
Foreign Investment Grows in Myanmar
http://online.wsj.com/article/SB124774475064350745.html?mod=googlenews_wsj


2009年7月23日分 ー インドの大規模な原油ガス探査事業入札 ー

2009年7月22日午前10時の皆既日食で,家でも大いに議論が沸いた。日本で26年後は私が100歳で孫が37歳だ,とか,毎年地球上のどこかで見られるのと違うか,そこに行けばよい,とか。でも,太陽と地球がなぜびったしこん,重なり合うのか,大きさは同じなのか,その様な偶然がこの世の中にあるのか,と言っていたら,小学生の孫が帰ってきて,「うん,同じなのだよ,400倍で全く偶然」,と軽く言われて,一同ギャフン。

皆既日食は,ブータンから上海,悪石島,硫黄島,と弧を描いたが,その弧と全く直交する弧をインド洋に描いてみよう。ミャンマーのイラワジの大河が押し出すミャンマー南部の大陸棚,それを南にたどると,インド領のアンダマン諸島の弧に連なり,その南のニコバル諸島,更に同じ弧を描いて,スマトラの北端,アチェを通って,スマトラからジャワ島に至る。これと並行に,東に,ミャンマー東南端,タイの南部,マレー半島が走っている。

イラワジ河が織りなすミャンマーの大陸棚からは,ヤナダなどのガス田あって,タイにパイプラインで送っている。インドネシアは,世界でも有名な天然ガスの生産地である。アンダマン諸島とニコバル諸島に,天然ガスが出ないわけがないだろう,とこの前書いていたが,今日の記事で,インドの第8次探査事業NELPVIIIの大きなターゲットは,インド西部沿岸と,このアンダマン諸島のようだ。

インドは,石炭で車を動かすわけに行かないから,どうしても石油が必要であり,75%輸入に頼っている。天然ガスでも車は動くが,肥料工場が大量に天然ガスを必要としている,インドはなお今でも農業優先の農業国だ。アンダマン諸島がなぜインド領なのか,歴史的なチェックが必要だが,アンダマン諸島は如何にもインドから遠い。でも探査を行わなければ,日本海のように横から抜かれる可能性がある。

インドの今回の第8次探査事業NELPVIIIは,もっと早くに入札にかけられずはずだったが,天然ガス生産に対する優遇税制が今年度予算とひかっかって,決定が遅れた。来月,2009年8月7日に国会で予算が決定して,8月8日より入札作業にかかる。ムンバイを皮切りに,パース,ブリスベン,シンガポール,ヒューストン,カルガリ,ロンドン,と現場説明会が続き,10月中旬に入札の締め切りとなる。72ブロック,30億ドルである。

このような天然ガス探査は,私も全く素人で,おそらく日本の石油企業や商社は,懸命に準備中だと思う。大陸近傍の天然ガスは,供給先は比較的明確だが,このアンダマン諸島のガス田は,全く大海の中にぽつんと孤立しているから,ある可能性として,その現場でLNG基地で完結させなければならないのではないか。そうなると,日本の企業は大きな市場を持っているから,有利。勿論,ポテンシャルの大きさが決め手ではあるが。


本文

●インド政府は最大の原油ガスブロック入札に踏み切る

The government will relaunch the country's largest-ever auction of oil and gas blocks on August 8 and will extend the last date of bidding by two months to mid-October. The first of the promotional roadshows for 70 blocks offered under the eighth edition of New Exploration Licensing Policy (NELP) and 10 coal-bed methane (CBM) areas will be held in Mumbai on August 8, a Petroleum Ministry official said.

インドの東部沿岸,KG流域でリライアンスが天然ガス生産開始,大きな成果を上げていることは,我々も注目しているが,インドが西部沿岸に天然ガスのポテンシャルを持っていることは,既にこのHPでも報じている。更に最近,ミャンマーのイラワジ流域に連なり,インドネシアのアチェとも至近距離で繋がる,最東端のインド領,アンダマン諸島は,絶対に天然ガスのポテンシャル高し,と私も見ている。

インド政府は,天然ガスに対する優遇税制の問題で,2008-2009年度予算の審議状態から,見送っていた第8次新規鉱業権政策NELP-VIII(注5,16)の発注に係わる現場説明を開始することに決定を見た。インドとしては最大規模の探査事業発注で,2009年8月8日に入札説明を開始し,2ヶ月をおいた,2009年10月中旬に,入札期限を設定する。

この探査事業に含まれるのは,西部沿岸及び最東端のアンダマン諸島付近を重点に置いた70ブロックと,石炭ベースメタンCBM(注6,17)の10ブロックで,2009年8月8日に,ムンバイで入札現場説明会を行う。続いて,パース(注9)で8月10〜11日,ブリスベン(注10)で8月13〜14日,8月17日にはシンガポール(注11)で投資企業向け説明会を行う日程を発表している。

更に,入札現場説明会を,ロンドン(注12),ヒューストン(注13),カルガリ(注14)で行うが,日程は未定である。見込みでは,ロンドン(注12)が9月9〜10日,ヒューストン(注13)が8月24〜25日,カルガリ(注14)が8月27〜28日である。国会の予算審議は8月7日に行われ,天然ガス生産に対して7年の優遇税制が見込まれている。NELP-VII(注18)では,この優遇税制が不明確で,投資企業の不満を買った。

今回のNELP-VIII(注16)では,インド政府は,24の深海ブロック,28の浅井ブロック,18の陸上ブロックで,30億ドルの投資を期待している。また,原油需要の75%を輸入に頼っているインドとしては,10地域で,石炭相の下部またはCBM(注6)からのガス抽出も,提案している。

(注)A (1) 090723A India, economictimes,(2) title: Govt to relaunch NELP VIII on August 8,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Govt-to-relaunch-NELP-VIII-on-August-8/articleshow/4807398.cms,(4) 22 Jul 2009, 1515 hrs IST, PTI,NEW DELHI,(5) New Exploration Licensing Policy (NELP),(6) coal-bed methane (CBM),(7) Mumbai,(8) Petroleum Ministry,(9) Perth,(10) Brisbane,(11) Singapore,(12) London,(13) Houston,(14) Calgary,(15) Finance Minister Pranab Mukherjee,(16) NELP VIII,(17) CBM-IV,(18) NELP VII,(19) Eighth Round of New Exploration Licensing Policy (NELP VIII),Map: Blocks offered under the Eighth Round of the New Exploration Licensing Policy (red shading). Source: PetroViewR,(20)

今日の参考資料

●090723A India, economictimes
インド政府は最大の原油ガスブロック入札に踏み切る
Govt to relaunch NELP VIII on August 8
http://my.reset.jp/adachihayao/index090723A.htm

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Govt-to-relaunch-NELP-VIII-on-August-8/articleshow/4807398.cms

最近の関連資料

●090405A India, Economic Times
インドのKG流域でグジャラート企業が新ガス井発見
GSPC strikes gas discovery in KG 21 well
http://my.reset.jp/adachihayao/index090405A.htm
●090405B India, Economic Times
インドのリライアンスのKGガス生産開始はエネルギー界に活性
Energy boost for India as KG gas flows
http://my.reset.jp/adachihayao/index090405B.htm
●090402C India, Economic Times
インドのリライアンスがKG流域ガスの生産開始
RIL's KG-D6 block gas project goes on steam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402C.htm
●090220D India, Economic Times
インド政府はKGのガスよりも西海岸に注目
Govt may swap RIL’s KG basin gas with rich west coast output
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220D.htm
●090124A India, Economic Times
インド,イランのパイプラインなければガス危機
'India to face gas crisis if Iran pipeline is scrapped'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090124A.htm
●081125D India, Economic Times
インド,トルコのガス原油をイスラエル経由で
India, Turkey, Israel to discuss gas pipeline
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125D.htm


●インドの北東地域の開発遅れで世界銀行が分析報告

Insurgency and geographical isolation from the rest of India are two of the major causes for underdevelopment of the North East region of India despite the fact that the region has abundance of natural resources, said a report of the World Bank. The report of the World Bank said that insurgency is responsible for low level of business confidence and created a difficult investment climate as according to a report, about 70 militant groups are active in the region.

インドの北東地域(注5),人類最後の戦いの大舞台であるが,世界銀行はその開発が進まないことに懸念を表明している。資源に恵まれたこの北東地域(注5)の開発が進まない原因は,治安と地理上の隔離,だと言っている。北東地域(注5)は,アルンチャルプラデシュ(注9),アッサム(注10),ナガランド(注11),マガラヤ(注12),マニプール(注13),ミゾラム(注14),トリプーラ(注14)の7州からなる。

世界銀行が並べる数字を拾っていこう。治安については,70の武装したグループがいる。地理上の面積はインドの8%,人口は4%,その80%が農業に従事している。包蔵水力は,60,000MW。貧困層は,インド全体では26%であるが,北東地域(注5)では36%である。インフラ構築については,最低レベルで,財政面では中央政府に頼っており,90%が無償。汚職が多いことも,発展を阻害していると。

(注)B (1) 090723B India, assamtribune,(2) title: WB report blames geographical isolation,(3) http://www.assamtribune.com/scripts/details.asp?id=jul2009/at06,(4) R Dutta Choudhury,GUWAHATI, July 19,(5) North East region,(6) World Bank,(7) Department for Development of the North Eastern Region (DONER),(8) North Eastern Council (NEC),(9) Arunchal Pradesh, (10) Assam,(11) Nagaland, (12) Maghalaya,(13) Manipur, (14) Mizoram,(15) Tripura,(16)

今日の参考資料

●090723B India, assamtribune
インドの北東地域の開発遅れで世界銀行が分析報告
WB report blames geographical isolation
http://my.reset.jp/adachihayao/index090723B.htm

http://www.assamtribune.com/scripts/details.asp?id=jul2009/at06

最近の関連資料

●090715D India, ivemint
インドのスバンシリ水力で最高裁が棚上げを解除命令
Supreme Court lifts ban on Subansiri hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715D.htm
●090703D India, dnaindia
インドのパテルがアルンチャルの120MWゴングリ水力など土地手配
Patel Engg nears land buys for power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090703D.htm
●090616A India, livemint
インドのAP州の3000MWディバン水力で公聴会遅れる
Dibang project still awaits public hearing
http://my.reset.jp/adachihayao/index090616A.htm
●090525B India, livemint
インドの北東地域と中央部を結ぶ送電計画に遅れ
Power transmission project to link North-East delayed
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525B.htm
●090525C India, Economic Times
インドのリライアンスがアルナチャルで水力2,520MW開発へ
Reliance Power to invest Rs 12,000 cr in Arunachal Pradesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm


●インドのNHPCは新規14,000MW開発を視野に上場へ

State-run NHPC Ltd is close to bringing out an initial public offer (IPO) next month. It manages 14 per cent of India's hydel power generation, with an installed capacity of 5,175 Mw at 13 power stations and with generation of 17,000 million units of power in a year. They are presently working on projects with a total capacity of 5,000 Mw. In an exclusive interview with PB Jayakumar, its chairman and managing director, S K Garg details NHPC’s plans:

インドの国家水力発電公社NHPC(注5)が,来月,2009年8月にも株式上場を果たす。NHPC(注5)は,13の水力発電所を運転しており,出力は,5175MW,年間発生電力量は,170億KWhで,インド全土の水力の14%を支配している。現在推進中の水力プロジェクトは,5,000MWである。上場を機会に,カルグ総裁(注7)は,NHPC(注5)の計画を語った。数字だけを要約する。

現在,NHPC(注5)が推進しているプロジェクトは11プロジェクトで,4,622MW。第11次五カ年計画(注8)で,2,160億ルピーを必要とするが,ローンは1,600億ルピーが調達済み,LIC(注9)が,900億ルピー,PFC(注10)が,400億ルピーである。残りはNHPC(注5)が調達,450億ルピーが内部から,50億ルピーをIPO(注6)によって,と考えている。

第12次五カ年計画(注11)では,アルンチャルプラデシュ(注17),ウッタラカンド(注18),J&K(注16),シッキム(注19),マニプール(注15)で,16プロジェクト,14,000MWを特定している。

(注)C (1) 090723C India, business-standard,(2) title: 'We are working on 4,622 Mw...identified another 14,000 Mw',(3) http://www.business-standard.com/india/news/%5Cweworking4622-mwwe-have-identified-another-14000-mw%5C/364532/,(4) PB Jayakumar / Mumbai July 22, 2009, 1:04 IST,(5) NHPC Ltd,(6) initial public offer (IPO),(7) chairman and managing director, S K Garg,(8) XIth plan,(9) Life Insurance Corporation,(10) Power Finance Corporation,(11) XIIth plan,(12) Hydropower Policy in 2007,(13) guidelines for Resettlement and Rehabilitation (R&R),(14) Madhya Pradesh,(15) Manipur,(16) Jammu and Kashmir,(17) Arunanchal Pradesh,(18) Uttarakhand,(19) Sikkim,(20)

今日の参考資料

●090723C India, business-standard
インドのNHPCは新規14,000MW開発を視野に上場へ
'We are working on 4,622 Mw...identified another 14,000 Mw'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090723C.htm

http://www.business-standard.com/india/news/%5Cweworking4622-mwwe-have-identified-another-14000-mw%5C/364532/

最近の関連資料

●090715D India, ivemint
インドのスバンシリ水力で最高裁が棚上げを解除命令
Supreme Court lifts ban on Subansiri hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715D.htm
●090703A India, economictimes
インドのシンディ電力相が510MWティースタ5水力の竣工式
Power minister to dedicate 510 MW Teesta V to the nation
http://my.reset.jp/adachihayao/index090703A.htm
●090616B India, bloomberg
インドのNHPC新総裁指名と株式上場の9月日程
India to Name NHPC Director, Paving Way for IPO by September
http://my.reset.jp/adachihayao/index090616B.htm



●090723D India, assamtribune
インドのグハティ大学がスバンシリ水力の環境で立ち上がる
GU to study downstream impact of Subansiri project
http://www.assamtribune.com/scripts/details.asp?id=jul2109/at05
●090723E India, indopia
インドの電力不足の中で石炭不足から発電出来ない火力も
Loss in power generation due to drying up of coal stocks
http://www.indopia.in/India-usa-uk-news/latest-news/624723/MadhyaPradesh/4/20/4


2009年7月22日分 ー 中国のダム建設の速度が早やすぎないか ー

湖錦濤主席の方針の下に,中国の資源開発の技術集団は,一糸乱れず世界の各地に飛んで,膨大な資金を元に,戦略的に経済開発を進めている,と一般には映っている。昨日のカンボジアでも,ある一つのメコン回廊構築を目指してのカンボジアへのダム建設協力,と考えている。この中で,「中国企業の疑惑記事削除,胡主席長男が幹部」,の報道(注1)には,中に渦巻く権力闘争の噂を,彷彿とさせる記事である。

オーストラリアの資源企業,リオ・テントの中国企業による買収工作,オーストラリア政府の資源ナショナリズムを刺激しての拒否工作,中国政府のリオテント中国事務所社員のスパイ容疑による逮捕劇,と見てくると,我々の分からない中国政界内部の動きが,世界の資源戦争に大きな影響を与えているような気がしてくる。江沢民と湖錦濤の間に,未だに足の引っ張り合いが行われている,と言うのである。

電力出身の李鵬さんが首相に座っている頃は,三峡ダムを中心に多くの反対を押し切ってダム開発が進められた,誰もストップをかける人はいなかった。ところが,温家宝首相がダムの開発のスピードの速さに懸念を持ち,雲南省の金沙江で,環境調査優先を指示し,一部のプロジェクトに中止を命じた。うるさいのが出てきた,というような感じで,中国の開発指向の人々は見ていたようだ。

中国人の特性として,商売をやり始めると,社会主義政権であるにもかかわらず,中央政府のブレーキが全くきかず,右に左にと大揺れする。フライトシミュレーターで,右に操縦桿を切って正面に戻すのが遅れるように,多くの政策が大揺れする。特に顕著であったものは,電源と石炭である。足らないから増やせ,というと,一気に開発が加速する,発電所が増えて石炭が足らなくなる,石炭を増やせ,というと止まらなくなる。

今日の二つのダムのトラブル報道に,私は中国人社会の特徴を見る。長江上流,金沙江,四川省と雲南省の境界に建設中の,12,000MW,アーチダムの高さ,約280mの渓洛渡ダムだが,功を焦ってダムの高さを20mばかり嵩上げして,工期を1年近くも短縮したために費用が足らなくなって,不正な資金調達を行い,会計検査院から,安全と環境面,金銭問題で指摘を受け,工事が止まりかねない状態にある。

メコン川の上流,雲南省のランサン川,ここでも,高さ300m近いコンクリートアーチダムで建設され,殆ど完成に近いと思われる,4,200MWの小湾ダム。私がいつも,メコン下流へ渇水補給可能な大容量貯水池,と言っているプロジェクトだが,池内の山の斜面で大地滑り,50万立方mと推定される土砂が貯水池内に崩落し,高さ30mの段波が発生,犠牲者が出ている。

高さ300m近いアーチダムの量産であるが,これも地方や企業の手柄争いで,工期を短縮したり,無理な設計変更したり,随分危ない情景が目に浮かぶ。中央の権力争いに巻き込まれるケースも起こるであろうし,技術本来の慎重さを欠かざるを得ない場面が想像される。我々も,貯水池内の地滑りは随分気を遣うが,そこまで調査や対策を講ずる状況に置かれていないのか,権力争いと技術は切り離して欲しい。

(注) http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009072201000512.html


本文

●中国四川省の長江上流の渓洛渡ダムで工事を急いで危険な状態に

Faced with time constraints and a recent claim of public fund irresponsibility, China’s massive Xiluodu dam could become a riskier, more expensive project to complete, according to the National Audit Office. Auditors issued a report on Monday, which found that project managers pushed for the dam’s completion timetable to be tightened, resulting in a cost of almost $250 million to streamline productivity and change building plans.

中国,長江上流,金沙江,四川省と雲南省の境界付近に建設中の,300m近い高さのコンクリートアーチダム,渓洛渡ダム(注5)にニュースが集中した。具体的に何が問題なのか,少し不明確なところがあるが,中国会計検査院(注6)の報告書で,危険,と報告された。最近,ダムの安全や環境について,中国政府の厳しいアクションが目に立ってくる。温家宝首相のダムへの懸念が表に出てきたか。

報告書では,工程の急激な短縮,ダムの設計の変更,不正な資金調達,などで建設費が増大する懸念を伝えている。事業費の増は,250百万ドルに上る。また,プロジェクトを進める三峡発電公司(注7)は,1.46百万ドルを不正に調達したという。現地のプロジェクトマネージャー,ホンウエンハオ氏(注11),問題が大袈裟に伝わりすぎている,と言っている。27ヶ月短縮,が問題になっているが,自分たちの効率化を理解して欲しいと。

中国会計検査院(注6)は,工程の短縮とダムの高さを,278mから285.5mに上げたことで,危険が増えているとしている。ホンウエンハオ氏(注11)は,何も短絡的なことはやっていない,300mクラスのダムではその様なことは出来ない,1年の短縮などは三峡ダム(注12)でもやってきたことだ,と。2005年には,環境調査の不足が指摘されて,問題になったことがある。

(注)A (1) 090722A China, redorbit,(2) title: China’s Xiluodu Dam Faces Problems With New Audit Report,(3) http://www.redorbit.com/news/science/1724338/chinas_xiluodu_dam_faces_problems_with_new_audit_report/,(4) Posted on: Tuesday, 21 July 2009, 14:09 CDT,Source: redOrbit Staff & Wire Reports,(5) 12,500MW Xiluodu dam渓洛渡ダム,(6) National Audit Office,(7) China Three Gorges Project Corp,(8) Jinsha River金沙江,(9) Sichuan province, 四川省,(10) Yunnan province雲南省,(11) construction director Hong Wenhao,(12) Three Gorges Dam,(13) Ma Jun, a Beijing-based environmentalist,(14)

今日の参考資料

●090722A China, redorbit
中国四川省の長江上流の渓洛渡ダムで工事を急いで危険な状態に
China’s Xiluodu Dam Faces Problems With New Audit Report
http://my.reset.jp/adachihayao/index090722A.htm

http://www.redorbit.com/news/science/1724338/chinas_xiluodu_dam_faces_problems_with_new_audit_report/

過去の関連ニュース

●090612A China, chinadaily
中国の長江上流開発で環境部署がダム推進棚上げ要請
Dam projects suspended over eco-concerns
http://my.reset.jp/adachihayao/index090612A.htm
●090524D 中国,english.people
中国はダム開発などに対して急旋回の政策転換を示唆
Suddenly, China embraces Green
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524D.htm
●090422A China, energy-business-review
中国は2020年までに長江に更に20の水力を建設
China To Build 20 Hydroelectric Projects In Yangtze River System By 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090422A.htm
●081228B China, news.xinhuanet
中国,金沙江,大規模水力プロジェクト,河川切り替え
River blocked for China's new gigantic hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index081228B.htm
●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu
http://my.reset.jp/adachihayao/index081212B.htm


●中国ランサン川の小湾ダムで大地滑りの犠牲者発生

Two people are dead and another 12 are missing after a landslide triggered high waves on a river in southwest China's Yunnan Province, local authorities said Tuesday.

メコン河上流,中国領内,ランサン川上流,4,200MWの小湾ダム計画は,英語での報道が少ないが,ほぼ完成に近いはずである。300m近いアーチダムで,貯水量が多く,常に私のHPで,メコン下流の乾期に渇水量を補給できる規模,と論じてきた。今日の事故の報道は短いが,非常に0大きな影響を持つ話である。貯水池内で13ヘクタール,13万平方m,の山が滑り,30mの段波,2名死亡,12名行くへ不明。

少なめに見積もって深さ3mとしても,40万立方mの山が貯水池の中に落ち込んで,波の高さが30mに及んだ,と言うから,バイヨントダムの事故を彷彿とさせる地滑り事故である。貯水池が新しくできたときの,貯水池斜面の滑りは,我々がもっとも気にする地質状の問題点である。場合によってはダムの崩壊にも繋がりかねない。誰か,調査してくる必要があるが,簡単には入れないか。

(注)B (1) 090722B China, xinhuanet,(2) title; Two dead, 12 missing in SW China landslide,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/21/content_11744461.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-07-21 14:18:58,KUNMING, July 21 (Xinhua),(5) Yunnan Province,(6) Lancang River,(7) 4,200MW Xiaowan Hydropower Station,(8) Fengqing County,(9) Lincang City,(10) Li Huasong, chief of the Communist Party of China Fengqing County Committee,(11)

今日の参考資料

●090722B China, xinhuanet
中国ランサン川の小湾ダムで大地滑りの犠牲者発生
Two dead, 12 missing in SW China landslide
http://my.reset.jp/adachihayao/index090722B.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/21/content_11744461.htm

最近の関連資料

●090125C China, gokunming.
中国の雲南,蒋高明教授が視察,環境が足らないと
Yunnan news roundup
http://my.reset.jp/adachihayao/index090125C.htm
●080823C China, Asia Times
メコン川上流,中国のダム開発,下流国の懸念増大
China damned over floods
http://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/JH23Ae02.html
●080329G China, 中華人民共和国外交部
中国の大メコン経済圏参画に関する報告書全貌
Country Report on China's Participation in Greater Mekong Subregion Cooperation
http://www.fmprc.gov.cn/eng/zxxx/t419062.htm


●中国の神華集団が新疆ウイグル自治区で石炭生産拡充へ

China's Shenhua Group is expected to invest 36 billion yuan (5.27 billion U.S. dollars) over the five years to expand coal production capacity in Xinjiang Uygur Autonomous Region, a company executive said Saturday.

石炭の総量問題を見ておこう。世界で現時点,可採埋蔵量は98,457億トン,中国は11.6%を占め,世界で米国,ロシアに続いて第3位。中国の可採埋蔵量は,11,421億トン,2006年の石炭生産量は,23.82億トン,消費量は,23.8億トンである。この中国最大級の石炭企業である神華集団(注5)は,2004年にも,内モンゴル自治区鄂爾多斯(オルドス)地区での年産500万トン石炭液化油計画,が報じられている(注5)。

今日の報道。神華集団(注5)は,新疆ウイグル自治区(注6)に,5年間で360億元,約52.7億ドルの巨費を投じて,石炭生産能力を拡大する。これによって,2014年までに新疆に於ける石炭生産量を,年6,000万トンに拡大する。2005年の生産量は,1,047万トン,2008年は1,680万トンと拡大を続けている。中国全土では,神華集団(注5)は,2008年,2億8,125万トン,全体の19.3%.。石炭液化事業にも投ずる。

(注)C (1) 090722C China, xinhuanet,(2) title: China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/05/content_11657524.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-07-05 21:09:15,URUMQI, July 5 (Xinhua),(5) Shenhua Group神華集団,(6) Xinjiang Uygur Autonomous Region新疆ウイグル自治区,(7) Shenhua's President Zhang Yuzhuo,(8) coal-to-oil projects,(9)

今日の参考資料

●090722C China, xinhuanet
中国の神華集団が新疆ウイグル自治区で石炭生産拡充へ
China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090722C.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/05/content_11657524.htm

最近の関連資料

●090527B China, proactiveinvestors
中国の石炭は需要減から生産過重になっているのではないか
Is China headed for coal production overcapacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090527B.htm
●090514B 中国,china.org
中国のタリム盆地の河川と環境の戦いはこれからだ
The beginnings of a never-ending task
http://my.reset.jp/adachihayao/index090514B.htm
●090506B China, english.people.com
中国の新疆自治区で貧困対策としての最大の水力プロジェクト
Xinjiang starts construction of its biggest poverty relief project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506B.htm


2009年7月21日分 ー カンボジアの発電所に残る深い懺悔の念 ー

中国がASEANに対して,インフラ,エネルギー資源,情報通信などの分野の重点協力プロジェクトに,100億ドル投資の基金を設立すると言明した(注1)。100億ドルですよ,1兆円超ですよ。雲南,ラオス,カンボジアの南北ルートは,ミャンマーのガスパイプラインに隠れているが,メコン川沿いに降りてくる中国のパワーの重要な回廊構想,日本の東西アジアハイウエー構想と,メコン河の上で,激しく交差する。

カンボジアで我々は一体何をやってきたのだろうか。中国のブルドーザーが大挙して押し寄せてくる前に,我々がやっていたことは,子供のオモチャのショベルで土をかいていたようなものだ。今日の記事に出てくるカンボジアのエネルギー省のイトプレイン副大臣と,農村に小水力を造るためには全国の調査が2年必要だ,とか,カムチャイ水力をやるならば,その前に数年間,全国マスタープランが必要だ,とか,全く笑い話ものである。

如何に日本の協力が観念的であったか,反省よりも懺悔に近い心境である。結局我々は,長い太平の夢を貪っていて,観念だけが発達し,目の前に病気で死にそうな子供達がいれば,初めて医療品を運んだり,医師団を派遣したり,地震が起きれば国際救援隊を送り込んだり,目の前の具体的な悲惨しか目に入らず,我々が戦後に経てきた経済復興の経験を,殆ど活かすことが出来なかった。人生をやり直したい気持ちだ。

大使館やJICA現地事務所に当たるわけではないが,カンボジアの和平を構築した,と言う自負など,もうカンボジアの人たちは覚えていないだろう。まさに半世紀間,日本人が造ってあげる,造ってあげる,と言いながら結局何もしてくれなかった発電所を,目の前で,難しいことを言わずに,どんどん造ってくれる中国企業のエネルギーは,善悪の議論を越える壮大な人間同士の快挙だと思う。カンボジアの人々に顔向けできない。

結局,我々エネルギー関係の専門家も,国内世論を憚って,大使館,JICA事務所,JBICなどに,自分の身を犠牲にしても訴え続けるだけのエネルギーを失っていたのか。カムチャイをやるべきだ,とか,シハヌークビルに中規模の石炭火力を造るべきだ,それがカンボジアのエネルギー問題を解決する鍵だ,と私たちは知っていた。でも,ダムの「ダ」と言ったところで,ダメ,のダに変わってしまう。

歴史の中で,その発展過程がそれぞれの国によって変わっている。日本では絶対にやっては行けないプロジェクトも,カンボジアではそれが必要な時代だったのだ。戦後,日本国民の支援を受けて佐久間ダムや黒四ダムを造ったように,あの人達は,カンボジアの人たちは,あそこにダムを必要としているのだ,とどうしてもっと主張できなかったのか,まさに慚愧に耐えない。中国はあっという間に,カムチャイを完成する。

米国のクリントン長官は,北朝鮮は私の子供のようにだだをこねるが,何もオモチャは与えないよ,と言っている。そのクリントン国務長官に対してインドのシン首相は,インド国内の2つの原子力発電所の建設を米国企業に発注すると伝えた(注2)。東芝傘下のウエスチングハウスと,GEと日立の合弁会社が係わるという。やっと原子力の灯火が,日本企業にとっての重要な機会となってきた。時代感覚を失うな。

(注1) http://www.asiax.biz/news/2009/07/21-111717.php
(注2) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090721D2M2100B21.html


本文

●カンボジアの中国によるカムチャイなどダムが完成間近

CHINA'S Sinohydro Corporation said the smaller of two hydropower plants under construction is almost complete and will start supplying power to the national grid in October.

カンボジアの中部沿岸都市,カンポット(注8),その町に流れ込むカムチャイ川の中流部にダムを建設すれば,100MW規模の水力発電所が建設可能,50年ぐらい前から調査が行われてきた地点で,旧ソ連が係わり,メコン委員会が係わり,日本のコンサルタントが係わり,カナダのハイドロケベックが係わり,結局これを成し遂げるのは,中国人しかいなかった,と言う現実に,慚愧の念が一杯。

このカムチャイ水力(注6)は,中国水利水電集団公司,シノハイドロ(注5)は,180MWの主要部分と,10MWの副発電所を計画したようだ。この10MWの発電所が,2009年10月にも,EDC(注7)の国内グリッドに組み込まれ,プノンペンに電力が送られるという。シノハイドロ(注5)は,40年間の発電権益を持っており,180MWと10MWの両方で,事業費は,280百万ドルである。

180MWのカムチャイ水力(注6)は,現在,25%の進捗率で,2011年末に,電源として系統に組み込まれる。

(注)A (1) 090721A Cambodia,phnompenhpost,(2) title: 10-megawatt hydropower plant set for Oct launch,(3) http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009072027253/Business/10-megawatt-hydropower-plant-set-for-oct-launch.html,(4) Monday, 20 July 2009 14:01 May Kunmakara, (5) Sinohydro Corporation中国水利水電建設集団公司,(6) 180MW Kamchay Dam,(7) Electricite du Cambodge,(8) Kampot,(9) company representative Kim Sovan,(10)

今日の参考資料

●090721A Cambodia,phnompenhpost
カンボジアの中国によるカムチャイなどダムが完成間近
10-megawatt hydropower plant set for Oct launch
http://my.reset.jp/adachihayao/index090721A.htm

http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009072027253/Business/10-megawatt-hydropower-plant-set-for-oct-launch.html

最近の関連資料

●090331A Cambodia, hnompenhpost
カンボジアは2016年までには電力輸出可能に
Electricity exports expected by 2016, says govt official
http://my.reset.jp/adachihayao/index090331A.htm
●090206C Cambodia, xinhuanet
カンボジア,2008年,中国が最大の投資国
China top investor in Cambodia in 2008
http://my.reset.jp/adachihayao/index090206C.htm
●090102C Cambodia, phnompenhpost
カンボジアの国会,中国企業の水力開発へ,資金関連法承認
Funding law approved for hydropower dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090102C.htm
●081119I Cambodia, phnompenhpost
フンセン首相,嵐のため,カムチャイ水力の式典参加せず
PM cancels Kampot trip, citing storm fears
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119I.htm
●081113C Cambodia, Asia Times
カンボジアに,遂にNGOの時代,終焉を告げる
The end of an NGO era in Cambodia
http://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/JK14Ae02.html


●カンボジアのシハヌークビルでマレーシア企業が石炭火力

Malaysia's Leader Universal Holdings Bhd <LUNS.KL>, southeast Asia's largest cable and wire group, will invest $160 million in a coal-fired power plant in southern Cambodia, a government minister said on Monday. The deal aims to meet the increasing demand for power in Cambodia and will increase production by 100 megawatts by late 2011 or early 2012, Ith Praing, deputy minister of industry, mines and energy, told Reuters.

カンボジアの電力不足と高い電気料金を救うためには,南の海岸,唯一の海港,シハヌークビル(注7)に,中規模の石炭火力を造るしかない,と言われ続けてきた。日本のJICAも,調査に相当の費用を注ぎ込んだ,結局何も出来なかった。今再び,マレーシアのケーブル企業,LUNS(注5)が立ち上がった,中国企業はなぜ手を出さないのか,これは規模の問題なのである。

カンボジア政府,鉱工業エネルギー省のイト・プレイン副大臣(注6)が語った内容である。LUNS(注5)の提案は,事業費160百万ドルで,100MWの石炭火力を,2011年末か2012年初めに,運転開始したいとしている。工事に2年を要すると言っている。現在のカンボジアは,発電出力が,約300MWに対して,400MWの需要に対応するため,ベトナムやタイの支援を得ている。

カンボジアの電気料金は,KWh辺り20セントと,アジアで日本に次いで高く,未だに経済復興が困難で,外国投資が進まない。カンボジア政府は,外国投資,30億ドルを得て,6つの水力発電所と石炭火力を建設し,現在の能力の倍の発電出力を得る計画である。

(注)B (1) 090721B Cambodia, news.alibaba,(2) title: Malaysian group to invest $160m in Cambodian power,(3) http://news.alibaba.com/article/detail/energy/100134507-1-malaysian-group-invest-%2524160m-cambodian.html,(4) Published: 13 Jul 2009 05:48:25 PST,PHNOM PENH, July 13,(5) Leader Universal Holdings Bhd <LUNS.KL>,(6) Ith Praing, deputy minister of industry, mines and energy,(7) Sihanoukville,(8)

今日の参考資料

●090721B Cambodia, news.alibaba
カンボジアのシハヌークビルでマレーシア企業が石炭火力
Malaysian group to invest $160m in Cambodian power
http://my.reset.jp/adachihayao/index090721B.htm

http://news.alibaba.com/article/detail/energy/100134507-1-malaysian-group-invest-%2524160m-cambodian.html

最近の関連資料

●090331A Cambodia, hnompenhpost
カンボジアは2016年までには電力輸出可能に
Electricity exports expected by 2016, says govt official
http://my.reset.jp/adachihayao/index090331A.htm
●090101A Cambodia, phnompenhpost
カンボジア,石油が下がっても電気料金下がらず
Sky-high power costs here to stay official
http://my.reset.jp/adachihayao/index090101A.htm
●080109A Cambodia, Bangkok Post
イタルタイITD,中国企業などとともに,ココン石炭火力開発へ
ITD part of $5bn Cambodia venture Koh Kong plant will produce 1,830 MW
http://www.bangkokpost.com/Business/08Jan2008_biz01.php


●メコン河委員会が本流ダム開発の情報公開を求める

The submissions, which can be made at http://www.mrcmekong.org/ish/hydro-submit.asp or by post or fax, will provide input to the MRC's Strategic Environmental Assessment that is looking at the wider economic, social and environmental implications of the proposed dams in Cambodia, Laos and Thailand, according to MRC's statement released on Tuesday. MRC member countries will use information presented by the study to guide their decisions on these projects, it said.

タイの前首相サマック氏が,メコン下流域本流開発を主張し始めてからか,1992年以来眠っていた,階段状ダム開発計画が生き返ってきた。既に11のダムサイトがメディアの間を彷徨っている。私自身は,下流部に於けるダム開発は,おそらく困難で,寧ろ上流の中国領内のダムの有効利用を推し進めるべきだ,と思っている。しかし,メコン河委員会MRC(注5)は何をしているか,の声が高まり,動かざるを得ない。

メコン河委員会MRC(注5)は,メコン河本流下流域,11の水力発電ダムの計画に関して,関係者が利用できるウエブサイト(注6)を立ち上げた。提案されているダムについて,戦略的環境アセス(注7)を行うために,広く意見や資料の公開を行おうというのである。方針を出さずに,少しずるいとは思うが,MRC(注5)としては精一杯の動きなのであろう。

MRCのバード事務局長(注8)は,メコン河委員会構成国である,カンボジア,ラオス,タイ,ベトナムの各政府は,計画の決定に際して,このダム計画の背景となる状況を把握するために,メコン河委員会MRC(注5)の行動を強く要請したものだという。1995年メコン合意(注10)では,本流開発については,事前に沿岸国政府が協議することとなっている。

MRC(注5)は,発電などの便益と,特に漁業への影響のバランスが重要と考えており,環境問題としては漁業に重点がかかっている。当然漁業とは大きな関係を持ってくるが,私は,沿岸でどれだけの人が影響を受けるのか,移住が必要な規模,それが重要だと思っている。このメコン下流域のダム開発に付いては,多くの,最近の関連資料,がこの末尾にあるので,参照されたい。

(注)C (1) 090721C Mekong,news.xinhuanet,(2) title: MRC calls for public submissions on proposed Mekong hydropower schemes,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/14/content_11705935.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-07-14 11:14:43,PHNOM PENH, July 14 (Xinhua),(5) Mekong River Commission (MRC),(6) http://www.mrcmekong.org/ish/hydro-submit.asp,(7) MRC's Strategic Environmental Assessment,(8) Jeremy Bird, Chief Executive Officer of the MRC Secretariat,(9) proposed mainstream hydropower project,(10) 1995 Mekong Agreement,(11) MRC Member Countries,(12) fish migration,(13) Xaypladeth Choulamany, a Fisheries Program Co-ordinator at the MRC,(14)

今日の参考資料

●090721C Mekong,news.xinhuanet
メコン河委員会が本流ダム開発の情報公開を求める
MRC calls for public submissions on proposed Mekong hydropower schemes
http://my.reset.jp/adachihayao/index090721C.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/14/content_11705935.htm

最近の関連資料

●090609A Cambodia, phnompenhpost
カンボジアのセサン水力で地元住民などが反対運動
Villagers, activists criticise Sesan hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090609A.htm
●090702B Mekong, ipsnews
メコン川本流のダム開発は水戦争を勃発させる
Dams Across the Mekong Could Trigger a ‘Water War’
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702B.htm
●090702C Mekong, slowfood
メコン河流域の漁民など住民が本流ダム開発で関係政府に抗議
Fighting for the Mekong
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702C.htm
●090702D Mekong, news.asiaone
メコン河流域のダム反対の住民に世界がこぞって合流
World joins Mekong citizens in battle to stop dam building
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702D.htm
●090702E Mekong, rfa
メコン河上流の中国のダムに対してメコンデルタから反対の声
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702E.htm
●090617B Mekong, rfa
メコン河上流のダム建設が下流域に脅威となっている
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617B.htm
●090601A Mekong, saigon-gpdaily
メコン河委員会が上流も含めた本流ダム開発を検討へ
Mekong body starts evaluating mainstream dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090601A.htm
●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529A.htm
●090428B Mekong,mizzima
メコン河本流のダム開発について環境グループの懸念
Environmentalists worried over impact of Mekong damning
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428B.htm

最近の関連ニュース

●090721D Mekong, dailytimes
パキスタンより中国のメコン上流ダムは下流国との摩擦
ENVIRONMENT River of discord ?Michael Richardson
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C07%5C19%5Cstory_19-7-2009_pg3_6
●090721E Mekong, phnompenhpost
メコン河委員会が本流ダム開発についてウエッブ開設
Commission seeks comment on 11 planned Mekong dams
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009071427125/National-news/commission-seeks-comment-on-11-planned-mekong-dams.html
●090721F Mekong, earthtimes
タイの首相がメコンなどの対話のためハノイを訪問
Thai prime minister off to Vietnam for Mekong talks - Update
http://www.earthtimes.org/articles/show/276905,thai-prime-minister-off-to-vietnam-for-mekong-talks--update.html
●090721G Mekong, rfa.org
ベトナムの環境専門家がメコン本流上流のダム開発で脅威と
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://www.rfa.org/english/news/vietnam/mekong-06162009095500.html
●090721H Mekong, phnompenhpost
カンボジアのメコン本流開発をフォーラムの主題に
Workshop, regional coalition put Mekong dams on agenda
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009061726515/National-news/Workshop-regional-coalition-put-Mekong-dams-on-agenda.html
●090721I Cambodia, cambodia.ka
カンボジアは気候変動の影響でベトナムから押しかける難民に潰される
Is Cambodia the future shelter for Vietnamese climate exiles
http://cambodia.ka-set.info/environment/news-vietnam-environment-climate-change-warming-migration-refugees-090620.html?comment_id=216&joscclean=1



2009年7月20日分 ー ネパールの水力はヤダブ大統領主導か ー

ネパールのマオイスト政権,プラチャンダーが政権を降りてから,ネパールの政情はどうなっているのか,あれほど盛り上がった開発気運はどうなっているのか,しばらく私も,落胆のあまり見ていなかった。でも見ないわけにはいかないので,日本語情報を探ってみたが,日本はネパールに対して全く関心がないようだ。それに対して,中国紙が現状を報じ,インド紙がヤダブ大統領の動きを報じている。

話が飛ぶが,なぜ中国がスリランカの紛争に介入し,年間10億ドルもの支援をしているのか,スリランカの和平は日本の明石さんがやっていたのではないか,知らない間に中国が介入し,明石さんは恥をかいたような結末になったのか,中国はどうして一生懸命,スリランカの石炭火力を応援しているのか,若干,腑に落ちない気持ちで見ていたが,今日の韓国記者の記事は面白い(注1,2)。

中国は航空母艦を造っている。インド洋のモルディブの北に,英国海軍の港があって,日本の連合艦隊もその近くまで進出していたが,何しろ補給が続かない遠隔地である。スリランカは,中国の支援に感謝して,南に中国の港を建設することを認めた。また,パキスタン支援との関係から,パキスタン南部に港を建設中,また,ミャンマーのアラカン沖に,天然ガスと共に,大きな港を建設している。真珠の輪,と呼ばれている。

海と同時に,内陸部のミャンマーの水力やガスパイプラインと共に,インドとの対抗上,ネパールが大きな焦点になってくる。親中国の毛沢東主義勢力が総選挙で勝ったが,ヤダブ大統領と人事で対立して下野した。しかし,毛沢東派の兵士達は,国軍に入れることで話し合いを進めていたが,合意に至らず,ゲリラとなり得るポテンシャルを持ったまま,今,宙ぶらりんになっている。インドは,ヒマラヤ付近で兵力を増強しているという。

インドは,中国との貿易がアンバランス,との理由で一部の物品に関税をかけることに決め,中国の不興を買っている。折角のネパールの大きな水力資源の開発に取りかかろうとしたところで,中国とインドが対立したのでは,インド北辺,人類最後の戦いも容易ではない。最後は,インドと中国は戦わざるを得ないのではないか,と書いた記事も最近眼にした。

中東やアフリカから,原油や資源を積んだ中国の船がインドの目の前で,モーリシャスの港,モルディブの港,パキスタンの港,ミャンマーの港,スリランカの港,を,航空母艦に護衛されながら,船隊を組んで行く不気味なシーンを想像すると,インドの政治家は夜も眠れなくなる。北のヒマラヤからは,中国のブルドーザーが,ネパールやパキスタンのダム建設に降りてくる,戦車と見間違えないようにして欲しい。

(注1) http://www.chosunonline.com/news/20090714000034
(注2) http://www.chosunonline.com/news/20090714000035


本文

●ネパール政府が175MWの8つの水力に民間誘致

Nepali government plans to invite bids from the private sector for detailed feasibility studies and construction of eight hydropower projects with a totalcapacity of 175 MW. According to Sunday's eKantipur.com report, the Department of Electricity Development (DoED) under the Ministry of Energy will set the bidding process rolling soon.

ネパールのマオイスト派のプラチャンダーが政権を去ってから,ネパールはどうなっているのだろうか。中国紙がカトマンドウから伝えたニュースであるが,インドへの輸出を目指した大規模水力開発が余り話題にならなくなって,国内の地方の電化を目的とした大小のプロジェクトに取り組んでいるのか。しかし,いずれも民間資金待ちの様子で,何処までこの山の中で開発が進むのだろうか。

ネパール政府は,いろいろな段階にある8つの水力プロジェクト,合計出力175MW,について,詳細FS調査や建設など,民間企業の入札を実施する考えだ。エネルギー省(注6)の電力開発局DOED(注5)が間もなく発注手続きにかかるという。8つのプロジェクトは3つのカテゴリーに分類されており,第一のカテゴリーは,長年に亘って混乱を抱えてきた村落である。

ネパール西部,アッチャム地区のブディガンガ(注7),ロルパ地区のマディ(注8),ソルクンブ地区のインクー(注8),がこの第一カテゴリーに当たる。第二のカテゴリーは,ネパール東部の電力不足地域,第三のカテゴリーは,北部のドウディコシ(注10),シムブワ(注11)である。第一のカテゴリーは,FS調査の入札,第二は,企業が調査中,第三は,政府が調査中,という段階である。

(注)A (1) 090720A Nepal, news.xinhuanet,(2) title: Nepali gov't to invite bids for 8 power projects,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/19/content_11731954.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-07-19 13:01:36,KATHMANDU, July 19 (Xinhua),(5) Department of Electricity Development (DoED),(6) Ministry of Energy,(7) Budhi Ganga in Accham district,(8) Madi in Rolpa district,(9) Inkhu in Solukhumbu district,(10) Dudh Koshi,(11) Simbuw,(12)

今日の参考資料

●090720A Nepal, news.xinhuanet
ネパール政府が175MWの8つの水力に民間誘致
Nepali gov't to invite bids for 8 power projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090720A.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/19/content_11731954.htm

最近の関連資料

●090508A Nepal, livemint
ネパールの政治危機はインド企業の水力開発へ影響
Crisis in Nepal may affect plans of Indian power generation firms
http://my.reset.jp/adachihayao/index090508A.htm
●090504A Nepal, sify.com
ネパールの水力開発でインド企業の前にまた障害
GMR runs into fresh trouble in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090504A.htm
●090504B Nepal, kantipuronline
ネパールは自己資金で2つの水力を2年内に完成へ
Plan to build hydel projects sans donors
http://my.reset.jp/adachihayao/index090504B.htm
●090420C Nepal, thaindian
ネパールの首相の訪中で中国が支援の豪雨
China rains aid ahead of Nepal PM’s visit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090420C.htm


●ネパール政府は電力危機に対応するため大規模水力への外国企業視野

Nepal government today said that it will develop large scale hydro-power projects for solving the energy crisis in the country and also encourage foreign investments into its economy. Announcing the government&aposs policy document President Ram Baran Yadav said, policy will be adopted for developing hydroelectricity for the purpose of promoting its export in future as an important basis for national development.

ネパール,毛派のプラチャンダーが政権を去ってからどうなったのか,現実にはプラチャンダーを追い出す切っ掛けを造ったヤダブ大統領(注5)が一定の政策方針への主導権を持ったのか。この記事は,インド紙が書いたもので,中国紙のものとは,若干ニュアンスが異なる。ヤダブ大統領(注5)の政策方針(注6)の中には,電力危機への対処は,大規模水力開発への外国投資,を謳っている。

政策の方向として,大規模電力開発で電力輸出を行い,国力を貯めて国内の開発を行う,というように見て取れる。また,ネパールとインドの国境や,チベット,中国との通商を可能にする道路建設,コシ-ガンダキ-カルナリを結ぶハイウエーの建設,更に,東西鉄道連携(注7),テライ-マディス(注8)の連絡道路など,構想は広がる。

(注)B (1) 090720B Nepal, indopia,(2) title: Nepal to accord priority for power export, invite investment,(3) http://www.indopia.in/India-usa-uk-news/latest-news/619264/International/2/20/2,(4) Published: July 9,2009,Kathmandu , Jul 9,(5) President Ram Baran Yadav,(6) Kosi, Gandaki and Karnali corridor road projects,(6) Policy document of the government,(7) East-West railway,(8) sub-highway in Terai-Madhes,(9)

今日の参考資料

●090720B Nepal, ndopia
ネパール政府は電力危機に対応するため大規模水力への外国企業視野
Nepal to accord priority for power export, invite investment
http://my.reset.jp/adachihayao/index090720B.htm

http://www.indopia.in/India-usa-uk-news/latest-news/619264/International/2/20/2

最近の関連資料

●090508A Nepal, livemint
ネパールの政治危機はインド企業の水力開発へ影響
Crisis in Nepal may affect plans of Indian power generation firms
http://my.reset.jp/adachihayao/index090508A.htm
●090504A Nepal, sify.com
ネパールの水力開発でインド企業の前にまた障害
GMR runs into fresh trouble in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090504A.htm

最近の関連ニュース

●090720C Nepal, kantipuronline
ネパールの70MWミッドマルシャンディは発電停止か
Contractor threatens to stop power generation
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=200859
●090720D Nepal, redorbit
ネパールの氷河湖決壊問題に初めての現地調査が入る
Scientists Begin Further Studies On Himalayan Glacial Lakes
http://www.redorbit.com/news/science/1710006/scientists_begin_further_studies_on_himalayan_glacial_lakes/
●090720E Nepal, nepalnews
ネパール最大のマウムレ水力プロジェクトが20年間放置されている
Biggest hydropower project in limbo
http://www.nepalnews.com/archive/2009/jul/jul01/news08.php


2009年7月18日分 ー フィリッピンの国産資源開発に膨大な資金 ー

椰子の実には眼があって,木から落ちるときに下に人間がいるかどうか確かめてから落ちる,だから椰子の林を歩いていても心配することはない,と最初にフィリッピンを訪問したときに教えられた。それからは何処の国に行っても,椰子の実を気にすることはなくなった。眼があるから,日本列島の海岸にも,椰子の実一つ,で到着できるのだ,と理解できた。その椰子の実からはエタノールがとれる。

フィリッピンは最初にこのココ・エタノールを,車のガソリンに一定量混入することを義務づける法律を,世界に先駆けて制定した。他の東南アジア諸国は,大丈夫かな,とフィリッピンの様子を窺っている,それは,椰子の実がどんどん採取されて,大異変が起こるのではないか,椰子の実が怒って,わざと人間の頭を狙うのではないかと。事実,フィリッピンでは多くの農民が畑を潰して椰子畑に変え,大騒動になった。

フィリッピンのアロヨ大統領は,東南アジアで初めてホワイトハウスに招かれた首脳,と地元紙が書きたてて,悠々とオバマ大統領と会見して,これからバンコクに向かう。バンコクのプーケットでは,ASEAN外相会合が,明日,2009年7月19日,開幕する。インドでシン首相などと原子力の話をしたクリントン長官も合流して,ASEAN地域フォーラム(ARF)(23日)に出席する(注)。

アロヨ大統領は,オバマ大統領の前では余り言わないが,実は,オバマ大統領候補が選挙戦で,グリーン・ニューディールを叫んでいた頃,既にフィリッピン国会で,再生可能エネルギー法を通過させて,周辺諸国の懸念も気にせず,一挙にグリーン・エコノミーに舵を切った。それでなくても高い電気料金なのに,配電会社は10%以上の再生可能エネルギーを買わねばならない。

関西電力などは,太陽光の電気を買っても需要家に転嫁できる,というので,大いばりだが,フィリッピンはそうは行かないし,それに,オバマ政権のグリーン経済と違うのは,オバマ政権は殆どの増分費用を税金で賄うが,アロヨ大統領は,ただ法律を作っただけで,費用は全然準備していない,民間資金だけが頼りで,要するに,民間企業の投資意欲の刺激策だけだ。税の優遇措置は政府の持ち分になるが,少し意味が違う。

それに,この点はオバマ大統領と一緒か,アロヨ大統領も,国内エネルギー資源の開発によって,海外依存度を減らす,それによって今後原油高に見舞われても,影響を小さくする,と言っている。そう言う意味からも,再生可能エネルギーではないが,マランパヤのガス田からの天然ガスや,原子力発電所の再開問題も浮上してきている。ところが,天然ガスは必ずしも頼りになるかどうか分からない。

今日の記事によると,マランパヤは,2001年に開発が始まってより,ガスの埋蔵量は,3,000MW,25年間運転分しかない,という。フィリッピンの場合は,深い海に囲まれて,天然ガス探査には,それなりの費用が必要なわけだ。しかし,マランパヤのすぐ西,南シナ海の南沙群島は,中国,ベトナムとの間で国境紛争を起こしているが,ここは,貴重な資源として,是非とも,三国で開発協力して欲しいと思う。

(注) http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009071900064


本文

●フィリッピンのMWSSは10億ドルライバンダムをサンミゲールに

Regulator Metropolitan Waterworks and Sewerage System (MWSS) is now ready to go into negotiations with San Miguel Bulkwater Company (SMBC) for the $1-billion Laiban Dam project after the period for the Swiss challenge had lapsed without any competing proposal submitted.

フィリッピンの首都上水道公団MWSS(注5)の元で進められている上水ダム,10億ドル,ライバン・ダム・プロジェクト(注7)について,スイス企業が諦めてからここに来て動きが出てきた。MWSS(注5)とサンミゲールSMBC(注6)の合弁形成の動きである。しかし問題は,SMBC(注6)が主張するテークアンドペイ方式(注9)で,更に,リサール州のタナイ(注10)のダムへの根強い反対がある。

MWSS(注5)が民間と合弁を組むことについては,政府機関OGCC(注12)で承認されている,とMWSS(注5)は主張している。また,情報公開についても批判が集まっており,MWSS(注5)はSMBC(注6)との協定上,公開できないとしている。

(注)A (1) 090718A Philippines, manila bulletin,(2) title: MWSS ready to finalize SMC deal on $1-B Laiban water project,(3) http://www.mb.com.ph/articles/211250/mwss-ready-finalize-smc-deal-1b-laiban-water-project,(4) By JAMES A. LOYOLA,July 16, 2009, 6:32pm,(5) Metropolitan Waterworks and Sewerage System (MWSS),(6) San Miguel Bulkwater Company (SMBC),(7) Laiban Dam project,(8) MWSS administrator Diosdado Jose Allado,(9) take or pay,(10) Tanay, Rizal,(11) Justice Department,(12) OGCC (Office of the Government Corporate Counsel),(13)

今日の参考資料

●090718A Philippines, manila bulletin
フィリッピンのMWSSは10億ドルライバンダムをサンミゲールに
MWSS ready to finalize SMC deal on $1-B Laiban water project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090718A.htm

http://www.mb.com.ph/articles/211250/mwss-ready-finalize-smc-deal-1b-laiban-water-project

最近の関連資料

●090502B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのサンミゲールがインドネシアの石炭へ資本参加
SMC in talks to buy into Indon coal firm
http://my.reset.jp/adachihayao/index090502B.htm
●090210A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,水道用ライバンダム,サンミゲールが提案
San Miguel subsidiary eyes Laiban Dam project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090210A.htm

最近の関連ニュース

●090718B Philippines, business.inquirer
フィリッピンのライバンダムでサンミゲール以外はなし
SMC closes in on Laiban Dam deal
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090717-215847/SMC-closes-in-on-Laiban-Dam-deal
●090718C Philippines, tradingmarkets
フィリッピンのライバンダムに対し環境団体が反対
Coalition questions, opposes dam project
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2417868/


●フィリッピンのエネルギーも米国のクリーンエネルギーの影響

Recently the US Congress narrowly passed the landmark “American Clean Energy and Security Act.” The bill establishes national limits on greenhouse gases, creates a complex trading system for emission permits, and provides incentives to individuals and corporations that make the switch to clean energy.
Smoke stacks from the NRG power plant located just outside of Jewett, Texas tower over a highway. Photo: AP
Read more: http://www.politico.com/news/stories/0609/24232.html#ixzz0Lf5SIpOG


フィリッピンのアロヨ大統領が訪米中で,東南アジアでは初めてホワイトハウスに招かれた国家首脳,と地元紙は書きたてている。会談内容は,世界のテロ対策など広範だが,フィリッピンは,オバマ大統領がまだ選挙キャンペーン中に,再生可能エネルギー開発を法案化して,東南アジア諸国から,本当に大丈夫かね,と言う感じで見られていた。今日の記事は投稿記事で,米国と並んで先端を走る,と言う気持ちがほとばしっている。

最近,米国下院は,激しい議論の末に,米国クリーン・エネルギー法案(注5)を通過させた。この法案の中で,国としての温暖化ガス排出の上限を設定,排出権の取引制度の実施,クリーン・エネルギーへの個人や法人の参画,などを謳っている。賛成派は,これが米国経済を救う,と主張し,反対派は,エネルギー・コストの高騰を懸念して,激論が戦わされた。議論は上院に舞台を移した(現時点では上院も通過)。

オバマ大統領は政権に就いてから,米国のエネルギー政策の大きな転換を図った。エネルギー使用量を減らし,地球温暖化ガスを減らし,代替燃料としての風力や太陽光パネルの生産で,グリーン・ジョブを増やし,最終的には,前政権が果たせなかった,外国資源への依存を減らすと言う,最終目標を,オバマ政権は目指したことになる。

オバマ大統領はまた,気候変動対策法案(注7)を成立させることによって,再生可能エネルギーが便益をもたらす方向に向けさせ,風力,太陽光,地熱,原子力,更にはよりクリーンな石炭など,低炭素エネルギー資源の開発に火を付ける,としている。この歴史的な法律が,国際的なクリーン・エネルギー枠組み形成に貢献することを,示そうとしている。米国は,2020年までに17%温暖化ガス削減を視野に入れている。

欧州では,同じ2020年に,再生可能エネルギーの電力への貢献を,20%まで上げることを目指している。さてフィリッピンであるが,今年,2009年初めのエネルギー省の計画では,この先5年間でエネルギー自立を目指すために,1.42兆ペソの投資が必要,と発表している。フィリッピンは,クリーンで再生可能なエネルギーの時代にはいるが,フィリッピン自体は,国内エネルギー資源に事欠かない,問題は投資である。

確かに,再生可能エネルギー開発のコストは高価であるが,環境の健全さと,持続可能な将来を考えると,このコストは,投資の額を上回って帰ってくることは間違いない,と。

(注)D (1) 090718D Philippines, manila bulletin,(2) title: Changing the way we use energy,(3) http://www.mb.com.ph/articles/210464/changing-way-we-use-energy,(4) By EDUARDO ANGARAJuly 11, 2009, 8:08pm,(5) American Clean Energy and Security Act,(6) US President Barack Obama,(7) Climate Change Bill,(8) Department of Energy,(9)

今日の参考資料

●090718D Philippines, manila bulletin
フィリッピンのエネルギーも米国のクリーンエネルギーの影響
Changing the way we use energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090718D.htm

http://www.mb.com.ph/articles/210464/changing-way-we-use-energy

最近の関連資料

●090526A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンは再生可能エネルギーを新法で倍増へ
Manila to double renewable energy capacity with new law
http://my.reset.jp/adachihayao/index090526A.htm
●090526B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの再生可能エネルギー法実施細則が施行される
IRR of Renewable Energy Act of 2008 to be signed Monday
http://my.reset.jp/adachihayao/index090526B.htm
●090512A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲
Foreign investors keen on renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512A.htm
●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404B.htm
●090301B Philippines, newsinfo.inquirer
アロヨ大統領が水力現場を視察してクリーエネルギーに関心表明
Arroyo favors clean energy sources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301B.htm


●フィリッピンのアンガットダムの売却は上水道に懸念が

State-run Metropolitan Waterworks and Sewerage System (MWSS) said that the impending privatization of the Angat hydroelectric power plant may adversely affect Metro Manila’s water supply. Diosdado Jose Allado, MWSS administrator, said the privatization of the 246-megawatt plant poses a threat to Metro Manila’s water requirements because the Angat dam, from which it draws its power, may be utilized primarily for power generation instead of for domestic consumption.

フィリッピンのルソン南部,首都マニラの近くの,246MW,アンガット水力発電所(注6)が,PSALM(注11)によって,民間に売却される。これに関して,マニラ首都圏上下水道MWSS(注5)のアラド管理者(注8)が懸念を表明した。それは,アンガット貯水池(注9)がマニラの上水源として使われているためで,民間が所有することになると,貯水池運用が発電の重点を置くことになり,上水供給に懸念を表明したものだ。

アラド管理者(注8)は勿論,発電所ダム売却が,包括電気事業法(注10)に基づくもので,反対できないと言うことは了解の上で,このために,サンミゲール(注16)が提案しているライバン・ダム・プロジェクトの推進が重要,と言うことを言いたかったのだろう。アンガット貯水池(注9)は,マニラの水需要の97%を供給している。フィリッピン水規則WCP(注17)があり,ダムは上水優先の運用とされている。

現在のアンガット水力発電所(注6)の所有者,NAPOCOR(注12)のタンピンコ総裁(注18)も,貯水池運用の優先順位は,上水,灌漑,発電,の順と明言している。PSALM(注11)は,2009年内にアンガット水力発電所(注6)を売却予定であるが,12の水力発電所売却計画の,最後の水力
発電所となる。

(注)E (1) 090718E Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Angat privatization threatens Metro Manila’s water supply,(3) http://www.manilatimes.net/national/2009/july/18/yehey/top_stories/20090718top4.html,(4) By Euan Paulo C. Anonuevo, Reporter,(5) Metropolitan Waterworks and Sewerage System (MWSS),(6) 246MW Angat hydroelectric power plant,(7) Metro Manila,(8) Diosdado Jose Allado, MWSS administrator,(9) Angat dam,(10) Electric Power Industry Reform Act of 2001,(11) Power Sector Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM),(12) National Power Corp. (Napocor),(13) Angat River,(14) Norzagaray, Bulacan,(15) Laiban dam project,(16) San Miguel Corp,(17) Water Code of the Philippines,(18) Napocor President Froilan Tam-pinco,(19)

今日の参考資料

●090718E Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのアンガットダムの売却は上水道に懸念が
Angat privatization threatens Metro Manila’s water supply
http://my.reset.jp/adachihayao/index090718E.htm

http://www.manilatimes.net/national/2009/july/18/yehey/top_stories/20090718top4.html

最近の関連資料

●090512B Philippines, scandasia
フィリッピンのアンガット水力売却でSNパワーが関心
Norway's SN Power eyes Philippine IPPs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512B.htm
●090210A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,水道用ライバンダム,サンミゲールが提案
San Miguel subsidiary eyes Laiban Dam project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090210A.htm


●フィリッピンのマランパヤ・ガス田もいよいよ限界になってきた

THE Philippine National Oil Co.-Exploration Corp. (PNOC-EC) may develop an additional 300 megawatts (MW) from the Malampaya deepwater gas-to-power project. Jacinto Paras, PNOC-EC chairman, said a power plant using the additional gas from Malampaya would provide an anchor load should the plans be realized. The initial estimated reserves of the field could run power facilities with a capacity of up to 3,000 MW for 25 years.

フィリッピンのマランパヤ・ガス田(注8)は,フィリッピンにとってまさに虎の子の国産エネルギー資源だ。しかし,量的にはそれほど期待できないとされているが,私はそれも,深海探査技術の発展で,増えて行くものと思っている。さて,フィリッピン国家石油探査PNOC−EC(注5)は,いよいよマランパヤ深海ガス発電計画(注6)の最後の発電所,300MWを開発する構えである。

当初より,マランパヤ・ガス田(注8)の限界は,3,000MW,25年運転,と見られてきた。既に,2700MWのガス火力発電所が開発され,次の目標は,300〜500MWと考えられている。これには,ガスパイプラインをバタンガスからマニラまで敷設する必要がある。PNOC−EC(注5)は,当初より8つのガスパイプライン計画(注9〜15)を描いてきた。バタンガスからマニラの計画は,発電所に投資する人がいるかどうかが問題だった。

多くの発電所建設構想があったが,2007年以来,韓国電力(注16)のイリジャン発電設備(注17)の拡張計画や,FG(注18)の,550MWのサン・ガブリエルガス火力構想(注19)などがエネルギー省(注20)に上がっている。2007年に,シェルのAPEX(注21)は,内部で追加のガスはどの程度か,議論を続けてきた。マランパヤ・ガス田(注8)は,APEX(注21)とシェブロン(注22)が45%づつ,PNOCが10%の資本を持っている。

(注)F (1) 090718F Philippines, businessmirror,(2) title: Malampaya output tweaked,(3) http://businessmirror.com.ph/home/top-news/12719-malampaya-output-tweaked-.html,(4) Written by Paul A. Isla / Reporter,Sunday, 05 July 2009 21:16,(5) Philippine National Oil Co.-Exploration Corp. (PNOC-EC),(6) Malampaya deepwater gas-to-power project.,(7) Jacinto Paras, PNOC-EC chairman,(8) Malampaya gas field in Palawan,(9) 100-km Batangas to Manila 1 (BatMan-1),(10) Bataan to Manila 2 (BatMan-2)line,(11) 40-km Edsa-Taft (ET) loop,(12) 35-km Sucat-Malaya (Su-Ma) gas pipeline,(13) 40-km Bataan-Cavite (BatCave) pipeline,(14) 35-km Rosario-Binan (Ro-Bin),(15) 30-km Calaca spur line,(16) Korea Electric Power Corp,(17) Ilijan facility,(18) First Gen Corp,(19) 550-megawatt San Gabriel natural gas-run power project,(20) Deparment of Energy,(21) Shell Philippines Explorations BV (Spex),(22) Chevron Malampaya Llc,(23)

今日の参考資料

●090718F Philippines, businessmirror
フィリッピンのマランパヤ・ガス田もいよいよ限界になってきた
Malampaya output tweaked
http://my.reset.jp/adachihayao/index090718F.htm

http://businessmirror.com.ph/home/top-news/12719-malampaya-output-tweaked-.html

最近の関連資料

●090310D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのパラワンの電力供給で民間との再契約に慎重
Interim extension of supply contract sought to avert Palawan power shortage
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310D.htm
●090303B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマランパヤガス田のパイプライン回復まで70日必要
Spex undertakes Malampaya maintenance
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303B.htm
●081230A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,エネルギー省,西パラワンの深度探査,承認
DoE approves ultra-deep well oil drilling for West Palawan
http://my.reset.jp/adachihayao/index081230A.htm

その他の関連ニュース

●090718G Philippines, manilastandardtoday
フィリッピン政府は再生可能エネルギー開発基金20億ペソを望む
Govt to build P2-b energy trust fund
http://www.manilastandardtoday.com/?page=business4_july11_2009
●090718H Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンはクリーンエネルギー開発を目指すがどれほどの資金がいることか
Shift into clean energy needs huge capital as well as huge scale of regulatory changes
http://www.mb.com.ph/articles/208344/shift-clean-energy-needs-huge-capital
●090718I Philippines, manilastandardtoday
フィリッピンのミンダナオでアルカンタラが4.5億ドルの石炭火力
Alcantara group clears $450-m coal power plant
http://www.manilastandardtoday.com/?page=business3_july2_2009


2009年7月17日分 ー 中国訪問のチュウ長官が気候変動で協議 ー

中国国家統計局が昨16日発表,2009年4〜6月期の国内総生産(GDP)の伸びが前年同期比,7.9%(注1),で今日の新聞を賑わせている。日本も米国も世界経済も,中国様々,という感じだが,「ミニバブル」,との指摘もあり,政策効果に大きく頼る成長には不安も残る,と論評されている。この中,米国のエネルギー長官で,中国系のステファン・チュウ氏が,クリントン国務長官のインド訪問に合わせて,北京入りしている。

チュウ長官は,おそらく中国語も出来るのかな,中国へ堂々の凱旋とも言える中国訪問だが,雰囲気は全く違う。オバマ政権は,本気で今年末,2009年12月のコペンハーゲンの気候変動会議で主導権を持って,進めていこうとしているのだろうか。とにかく,中国とインドを同じ舞台に上げなければ,オバマ大統領のグリーン・ニューディールの意義付けまで危なくなって来ると言うことだろう。

チュウ長官は,真面目に科学者らしく,パワーポイントを使って,地球温暖化によって受ける影響が中国の足元に及ぶ,と言うことを説明したらしい。中国側のカウンターパートは誰なのか書いてないが,おそらく発改委の馬主任などだろう。中国側はあくまで,温暖化ガス排出の一人当たりの数字を持ち出して,先進国の責任を全うするよう,強く主張したという。先に向かって協力,と言う合意は取り繕ったが,情勢は厳しい。

今月,2009年7月初め,中国が米国に対して,強烈なメッセージを発している。それは,今日上院を通過したとの情報もある,米国のエネルギー法案の中に,炭素関税,カーボン・タリフの考え方が盛り込まれているからだ。排出量削減義務を果たさない国からの,エネルギー資機材など,2025年以降であるが,米国は関税をかけるという。中国は,環境に名を借りた貿易保護主義だ,と強く批判している。

中国は,大規模な水力開発を行い,風力開発への意欲も強く,自分たちは自分たちなりに,グリーン・エコノミーに舵を切っているという自負がある,それ以上の義務を課されるのは反対で,とにかく,地球温暖化の責任は,先進国でまずとってくれ,と言う主張だ。今日の新聞を見ていると,本当に温暖化ガスの影響か,と疑問の声が出ている。気候変動問題は,まさに,政治外交のツールと化してしまった感がある。

先ほど,ジャカルタのマリオットなどでテロと思われる爆発あり(注2),9人の犠牲者が出ているようだ。ジャカルタでは,欧米系のホテルに泊まるな,と言うのが日本のODA関係者の合い言葉だったが,オバマ政権の誕生で,すっかりこの合い言葉も忘れかけていた。別の情報によると,犠牲者の中に,ジャカルタ在住の日本人女性が含まれている,とされている。

(注1) http://mainichi.jp/life/today/news/20090717ddm002030056000c.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090717AT2M1702517072009.html


本文

●中国を訪問した米国チュウ長官は気候変動で対立点を協議

US Energy Secretary Stephen Chu was in China yesterday to discuss climate change with governmental officials. The New York Times reports that he raised the rhetoric somewhat in the persistent disagreement between the two countries on how the world should respond to climate change.

米国のチュウ・エネルギー長官(注5)が,ロック商務長官(注7)と共に,中国を訪問している。昨日,2009年7月15日,チュウ長官(注5)は,パワーポイントで造った資料を説明しながら,中国政府関係者と協議を行った。2009年12月に予定されているコペンハーゲンでの気候変動会議(注9)において,米国と中国が対立して,紛糾することを避けようとする,オバマ政権の戦略である。

チュウ長官(注5)は,米国を含む先進国の過去の責任を認めながら,中国の協力がなければ,世界はどうなるのか,中国の足下では何が起こるのか,を説明しようとしたという。ロック商務長官(注7)も,中国の足下で起こる環境の破局を強調して見せたという。しかし中国の主張は,一人当たりの温暖化ガス排出量で,責任は過去の先進国の行動であり,資金の準備など,先進国の責任は重いとしている。

チュウ長官(注5)の説明は,中国側を納得させるものではなかったが,効率の向上とクリーン・エネルギー技術(注8)の開発で協力して行くことに,合意を見たと強調して見せた。この一連の動きは,国際外交としては異例であるが,年末のコペンハーゲン(注9)に向けて,より楽観論を醸成する貢献はしたかも知れない,とチュウ長官(注5)はコメントしている。

(注)A (1) 090717A China, tpmcafe.talkingpointsmemo,(2) title: US Energy Secretary Stephen Chu was in China,(3) http://tpmcafe.talkingpointsmemo.com/talk/blogs/hugh_bartling/2009/07/chu-in-china.php?ref=reccafe,(4) July 16, 2009, 5:22PM,(5) US Energy Secretary Stephen Chu,(6) climate change,(7) Commerce Secretary Gary Locke,(8) clean energy technology,(9) Copenhagenコペンハーゲン,(10)

今日の参考資料

●090717A China, tpmcafe.talkingpointsmemo
中国を訪問した米国チュウ長官は気候変動で対立点を協議
US Energy Secretary Stephen Chu in China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090717A.htm

http://tpmcafe.talkingpointsmemo.com/talk/blogs/hugh_bartling/2009/07/chu-in-china.php?ref=reccafe

最近の関連資料

●090611A China, worldchanging
中国はクリーンエネルギー経済への転換を始めた
China Begins Transition To A Clean-Energy Economy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090611A.htm
●090527C China, chinadaily
中国の景気刺激策のうち300億元は新エネルギー開発へ
$30b set aside for green stimulus to double alternative fuel useBy
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
●090520B China, news.xinhuanet
中国の地方に於ける水力開発は温暖化ガス削減に貢献
China's rural hydropower plants help curb greenhouse gas emission
http://my.reset.jp/adachihayao/index090520B.htm
●090514A China, uk.reuters
中国の水力開発にとってCDMは煩わしく価値少ない
China hydropower "subprime carbon" flood may slow
http://my.reset.jp/adachihayao/index090514A.htm
●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506A.htm
●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301C.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/adachihayao/index090207B.htm
●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109E.htm


●中国政府は先進国の炭素関税案でWTOを無視すると反論

Developed countries' proposals to impose "carbon tariffs" on imports will violate WTO rules and go against the spirit of the Kyoto Protocol, the Ministry of Commerce (MOFCOM) said on Friday. A statement on the MOFCOM website said such a move would license developed countries to resort to "trade protectionism in the name of protecting the environment".

10日ほど前の記事だが,これは,気候変動問題で中国がオバマ政権に鋭く対立して行く,一つの兆しを見るもので,今回のチュウ長官(注12)訪中の一つの切っ掛けかも知れない。声を上げたのは,中国政府の商務部MOFCOM(注8)である。米国政府が,現在議会で審議中の,エネルギー法案(注15),先ほど上院を通過したと言うニュースが流れていたが,この中に盛られている炭素関税(注5)である。

中国政府はこれに真っ向から反対し,環境に名を借りた保護主義で,WTOのルールに違反するものだ,と強く非難している。特に,2007年のバリ会議(注17)で確認された,互いの経済発展状況を勘案するという,比較可能性(注18)の合意が全く考慮されていない,と攻撃している。米国の法律に盛られている内容は,排出削減目標に失敗した国からの特定の製品に関税をかけるというもの,2025年を実施目処としている。

チュウ長官(注12)は,努力している国としていない国の間の不公平をなくす,と説明している。中国の言い分は,世界が協力して気候変動と戦う,という環境を壊すものだ,強く反対する,と言っている。二国間の貿易にこの議論を持ち込むことは許されないと。

(注)B (1) 090717B China, chinadaily,(2) title: Carbon tariff 'an excuse' to protect trade,(3) http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-07/04/content_8377887.htm,(4) By Ding Qingfen (China Daily),Updated: 2009-07-04 08:29,(5) carbon tariffs,(6) WTO rules,(7) Kyoto Protocol,(8) Ministry of Commerce (MOFCOM),(9) greenhouse gas (GHG) emissions,(10) US Clean Energy and Security Act,(11) US emission standards,(12) US Energy Secretary Steven Chu,(13) Fu Donghui, managing director of Allbright Law Firm Beijing,(14) Zhang Haibin, Peking University's professor of environmental politics and an adviser to the MOFCOM on trade and climate change policies,(15) Waxman-Markey bill,(16) UN climate conference in Copenhagen,(17) UN climate talks in Bali in late 2007,(18) comparability of efforts,(19) Zhongxiang Zhang, environmental scientist with the East-West Center in Hawaii,(20)

今日の参考資料

●090717B China, chinadaily
中国政府は先進国の炭素関税案でWTOを無視すると反論
Carbon tariff 'an excuse' to protect trade
http://my.reset.jp/adachihayao/index090717B.htm

http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-07/04/content_8377887.htm

最近の関連資料

●090611A China, worldchanging
中国はクリーンエネルギー経済への転換を始めた
China Begins Transition To A Clean-Energy Economy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090611A.htm
●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506A.htm
●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301C.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/adachihayao/index090207B.htm
●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109E.htm


●中国貴州省の3,000MWゴウピタン水力が運転開始

The Goupitan hydropower station, a key part of the "west-east power transfer" project, is the largest of its kind to be built in the history of Guizhou Province in southwest China. It has a total installed capacity is 3 mln kilowatts. There are five hydro-generating units altogether.

中国,三峡ダムから西の方向へ長江を遡ると,四川省の重慶に達するが,その重慶の手前,約100kmのところで大きな支流が南から合流している。これが,烏川だと思うのだが,この川を遡って行くと貴州省に入って行く。貴州省の貴陽から北に向かって重慶まで走る鉄道の途中の駅で,運義と言う駅が地図上にあるが,その東南約80kmの,道路と烏川が交差する辺りに,このゴウピタン水力,木句皮灘水電站(注5)がある。

ゴウピタン水力,木句皮灘水電站(注5)の最終出力は,3,000MWで,貴州省としては最大規模である。単機600MWの水車を5機据え付ける予定であるが,今日の記事はその第1号機の試験運転開始で,後の機械は,半年後に運転開始可能という。西電東送(注6)の一つの焦点となる発電所である。ダムは,コンクリートアーチダムで,高さが232.5m,貯水容量65億トンと読める。

(注)C (1) 090717C China, english.people.com,(2) title: Biggest hydro-power station in Guizhou starts trial run,(3) http://english.people.com.cn/90001/90778/90857/90860/6686489.html,(4) Photo from People's Daily,(5) 3,000MW Goupitan hydropower station,(6) west-east power transfer,(7) Guizhou Province貴州省,(8)

今日の参考資料

●090717C China, english.people.com
中国貴州省の3,000MWゴウピタン水力が運転開始
Biggest hydro-power station in Guizhou starts trial run
http://my.reset.jp/adachihayao/index090717C.htm

http://english.people.com.cn/90001/90778/90857/90860/6686489.html

その他の関連ニュース

●090717D China, chinaknowledge
中国の大唐電力が四川省の水力開発へ約36億元投資へ
Datang Huayin mulls hydropower projects in Sichuan
http://www.chinaknowledge.com/Newswires/News_Detail.aspx?type=1&NewsID=25346
●090717E China, xinhuanet
中国の神華集団公司が新疆ウイグル自治区で360億元の石炭開発
China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity
http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/05/content_11657524.htm



2009年7月15日分 ー インドの原子力開発とクリントン国務長官 ー


米国のクリントン国務長官は,先日,国務省の玄関で転んで骨折した。最近静かな長官だが,今朝の新聞では,国務省が担当するODA担当局の局長人事で,ホワイトハウスが身体検査に時間をかけて,どうにもならないと憤懣をぶちまけた。小学校時代からの経歴を洗っているらしい。出来るだけオバマ大統領への批判発言を控えてきたクリントン氏であるが,骨も折れるし人事も難しいし,少しいらいらが募っている。

そのクリントン国務長官は,明後日,2009年7月17日より,インドとタイの訪問に旅立つ(注1)。アフガニスタンやパキスタンなども噂に上がっているが,テロの関係で公表していないのだろう。やはり大きな課題は,インドとどの様に協調できるかだろう。人格者,インドのシン首相は,50名のインド軍と一緒に,フランスに招かれて,シャンゼリゼーの革命記念日の行進を見守ったという。

クリントン国務長官のニューデリー入りを控えて,インドの原子力業界に激震が走っている(注2)。マハラシュトラ州に,州政府と原子力公社の合弁で,約1兆円相当,10,000MWの原子力パーク建設の構想が浮上しており,この他,クリントン長官向けの2カ所の原子力発電所の,米国企業による原子力発電所開発を提案する予定という。

石炭火力が,全設備,149,392MWの66%を占めるので,インドの原子力建設は,まさに地球の全人類への大きな貢献,という大義名分がある。昨年,2008年10月に,ブッシュ政権によって結ばれた米印原子力協定は,オバマ政権によって引き継がれることになるが,オバマ政権はブッシュ政権のような勝手なことばかりは出来ない。オバマ政権なりに,インドの原子力の国際的枠組みへの編入も,長官にとって重要な課題である。

クリントン長官のデリー入りを渇望しているのはインド側ばかりではない。既にGEや,GEと組む日立,ウエスティングハウスを傘下におさめる東芝にとっても,今後の原子力での生き残りは,まさに,社運,国運を左右する大事業である。三菱重工は,逆にアレバと組んでパリから乗り込んでくる。マハラシュトラの10,000MWは,フランスの機械とも言われている。

今日の記事を見ると,インドは,他のパキスタンやベトナムと共に,電力不足に悩まされており,インドの特徴として,大陸のため,灌漑には電力不足は許されないのである。また,クリントン長官のデリー入りを控えて,原子力発電所の民間開発容認の姿勢も打ち出しており,外国資本にも,49%までなら資本参入を許すという。クリントン長官のインドでの動きを見守ろう。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090715AT2M1500I15072009.html
(注2) http://www.asiax.biz/news/2009/07/02-093115.php


本文

●インドの原子力問題についてクリントン長官が挑む

War in Afghanistan, instability in Pakistan and upheaval in Iran have diverted attention from India. Its cooperation is essential to slow climate change, pass new world-trade rules and stem a regional arms race. Secretary of State Hillary Clinton’s planned trip later this week is the Obama administration’s first high-profile effort to resolve differences with Prime Minister Manmohan Singh’s new government.

米国のクリントン国務長官(注6)が,間もなく,2009年7月17日に,国務長官として初めてニューデリーに入り,インドのマンモハン・シン首相(注7)らと会談に入る。オバマ政権にとっては,初めてインドと公式対話を交わすわけだが,何でもありであったブッシュ政権(注8)のインドへの接近を,オバマ政権はどの様に整えて行くのか,世界のメディアが注目している。

気候変動問題,通商問題,南北対立問題,テロの問題,アフガニスタンの問題,パキスタンの問題,などインドと米国が話し合わなければならない問題は山積しているが,最大の問題は,インドの原子力開発への米国の協力の問題だろう。何しろインドは,世界の核開発の諸条約,特に核実験禁止条約(注11)にも加盟していない状況で,ブッシュ政権は原子力平和利用に協力する協定を結んでいる。

オバマ大統領の核軍縮の流れの中で,インドとの原子力協力をどの様に進めるのが,オバマ政権として,国際社会に対する一定の説明が必要になるだろう。ただ,インドの膨大な原子力開発計画に対しては,原子力メーカーであるGE(注9)やWE(注13)を傘下におさめている東芝が,今や遅しとクリントン長官の出発を待ちわびている。日立は既にGEと協力関係にあり,三菱重工もフランスからインドを凝視している。

気候変動問題でのインドと米国の対立も,そう容易な問題ではない。温暖化ガス排出削減の義務化を求める米国に対して,インドの言い分は,インドの温暖化ガスの排出は世界の4%,まず米国から削減を行うべき,との姿勢を崩していないし,現在,米国議会で審議中のクリーンエネルギー法案(注16)では,義務を回避する国からの輸入に関税をかける内容があり,インドなどの反発を招いている。間もなく長官は,デリーへ向かう。

(注)A (1) 090715A India, bloomberg,(2) title: Clinton Seeks to Resolve India Nuclear Arms Dispute,(3) http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601080&sid=aCm_QG1Q0_68,(4) (Update1),By Indira A.R. Lakshmanan,July 14 (Bloomberg),(5) U.S. President Barack Obama,(6) Secretary of State Hillary Clinton,(7) Prime Minister Manmohan Singh,(8) George W. Bush’s presidency,(9) General Electric Co,(10) global nuclear nonproliferation treaty,(11) comprehensive test-ban treaty,(12) nuclear-energy deal, signed in October,(13) Westinghouse Electric Corp,(14) Toshiba Corp,(15) Indian National Congress party,(16) clean-energy bill,(17) U.S.-India Business Council,(18)

今日の参考資料

●090715A India, bloomberg
インドの原子力問題についてクリントン長官が挑む
Clinton Seeks to Resolve India Nuclear Arms Dispute
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715A.htm

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601080&sid=aCm_QG1Q0_68

最近の関連資料

●090625B India, Economic Times
インドは原子力開発に関して経済性を考えて国産技術開発を
'India should look at generating cheaper power'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625B.htm
●090525A India, Economic Times
インドでGEと日立がインド企業と原子力ABWR開発で協力
GE Hitachi Nuclear Energy, L&T to develop nuclear power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525A.htm
●090324B India, Economic Times
インドの原子力セクターにGE-日立が参入へ
GE-Hitachi to build nuclear reactors for NPCIL, BHEL
http://my.reset.jp/adachihayao/index090324B.htm
●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205A.htm
●081216D India, Economic Times
インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン
Areva inks pact with NPCIL to supply 300 tonnes of uranium
http://my.reset.jp/adachihayao/index081216D.htm
●081207C India, Economic Times
インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ
India may open nuclear sector for private players soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index081207C.htm
●081119G India, Economic Times
重電メーカーBHEL,原子力開発で,仏のアレバと技術提携
BHEL, Areva T&D to form JV for manufacturing nuclear reactors
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119G.htm


●インドのシンディ電力大臣が電力不足は20,000MWに達していると

The country is currently facing a shortage of 15,000 to 20,000 megawatts (MW) in electricity generation, Power Minister Sushil Kumar Shinde said on Tuesday. The deficient rain has not yet affected power generation, although it could become a cause for concern if monsoon doesn't revive in the coming days, Shinde said in New Delhi.

インドも悩んでいる,先日まではベトナム,パキスタンの電力不足が問題となっていたが,インドの電力不足は恒常的である。その上に異常なモンスーン季節で,まさに明日にでも雨が降らなければ,電力が持たない,とシンディ電力大臣(注5)が悲鳴を上げている。まだ雨に降らない影響は余り現れていないが,全体としては,15,000〜20,000MWの不足であると説明している。

インドにとって,どうやら電力不足の問題は,農業に大きく影響するようだ。特に影響が大きいのが,パンジャブ州(注6)とハリヤナ州(注7)だという。インドの農業は,地形上,ポンプによって支えられており,水はあっても,電気がないために灌漑が出来ない状態に陥っているようだ。

(注)B (1) 090715B India, indiainfoline,(2) title: India has 15,000-20,000 MW power shortfall: Shinde,(3) http://www.indiainfoline.com/news/innernews.asp?storyId=108168&lmn=1,(4) India Infoline News Service / Mumbai Jul 14, 2009 14:27,(5) Power Minister Sushil Kumar Shinde,(6) Punjab state, (7) Haryana state,(8) erratic monsoon rains,(9) Power Secretary H.S. Brahma,(10)

今日の参考資料

●090715B India, indiainfoline
インドのシンディ電力大臣が電力不足は20,000MWに達していると
India has 15,000-20,000 MW power shortfall: Shinde
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715B.htm

http://www.indiainfoline.com/news/innernews.asp?storyId=108168&lmn=1

最近の関連資料

●0907903B India, business-standard
インドは雨量少なく水力の出力落ちでガスと石炭火力がフル稼働
Government looks at coal, gas to beat power shortfalls
http://my.reset.jp/adachihayao/index0907903B.htm
●090531B India, sindhtoday
インドの首都デリーはヒマチャルの水力発電増加の恩恵を受けている
Delhi benefits from record hydropower in Himachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090531B.htm
●090507A India,livemint
インドの迫り来る夏の電力不足は12%に達する
India has 12% power shortage, figure may get higher experts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090507A.htm


●インド政府は原子力発電への民間参入を認める方向を視野に

The Economic Survey 2008-09 said “The atomic energy act needs to be amended to permit private corporate investment in nuclear power, subject to regulation by the Atomic Energy Regulatory Board and the Atomic Energy Commission. It has also prescribed that rules need to be framed for allowing up to 49% FDI in the sector.”

インド政府が,2008〜2009年度決算と共に発表した経済調査(注5)に盛り込まれた内容である。これからブームを迎える原子力発電開発については,石炭火力の轍を踏むことなく,民間開発を取り入れる必要がある,それも,原子力エネルギー規制庁(注6),原子力委員会(注7)の監督の下に,海外資本の49%までの参入を認めよう,と言う見解である。

石炭火力の轍を踏むな,とはどういうことか。石炭燃料を政府の公社管理下に置いたために,石炭火力の稼働率が落ち,開発もままならない,と言っている。石炭の74%を使って,全国設備,149,392MWの66%を石炭火力が占めているが,更に,2008〜2009年度の新規電源の目標は,7,530MWであったにもかかわらず,2009年3月31日現在で,3,454MWを達成したに過ぎない,と言うのである。

理由をいろいろ挙げている。建設資材の流通システムの低下,熟練労働者の不足,契約上の関係者間の紛争,としているが,最も大きいのは,中央政府,地方政府も入れた,契約上の紛争ではないのか。

(注)C (1) 090715C India,steelguru,(2) title: Open up nuclear sector in India for private players,(3) http://steelguru.com/news/index/2009/07/12/MTAxODA1/Open_up_nuclear_sector_in_India_for_private_players.html,(4) Sunday, 12 Jul 2009,Sourced from Business Line,(5) Economic Survey 2008-09,(6) Atomic Energy Regulatory Board,(7) Atomic Energy Commission,(8)

今日の参考資料

●090715C India,steelguru
インド政府は原子力発電への民間参入を認める方向を視野に
Open up nuclear sector in India for private players
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715C.htm

http://steelguru.com/news/index/2009/07/12/MTAxODA1/Open_up_nuclear_sector_in_India_for_private_players.html


最近の関連資料

●090625B India, Economic Times
インドは原子力開発に関して経済性を考えて国産技術開発を
'India should look at generating cheaper power'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625B.htm
●090525A India, Economic Times
インドでGEと日立がインド企業と原子力ABWR開発で協力
GE Hitachi Nuclear Energy, L&T to develop nuclear power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525A.htm
●090324B India, Economic Times
インドの原子力セクターにGE-日立が参入へ
GE-Hitachi to build nuclear reactors for NPCIL, BHEL
http://my.reset.jp/adachihayao/index090324B.htm
●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205A.htm
●081216D India, Economic Times
インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン
Areva inks pact with NPCIL to supply 300 tonnes of uranium
http://my.reset.jp/adachihayao/index081216D.htm
●081207C India, Economic Times
インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ
India may open nuclear sector for private players soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index081207C.htm
●081119G India, Economic Times
重電メーカーBHEL,原子力開発で,仏のアレバと技術提携
BHEL, Areva T&D to form JV for manufacturing nuclear reactors
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119G.htm



●インドのスバンシリ水力で最高裁が棚上げを解除命令

The Supreme Court has lifted the stay on the development of hydropower projects on the upper and middle Subansiri river basin in Arunachal Pradesh, effectively clearing the way for at least 19 projects that will together generate 12,000MW. The apex court’s order will immediately benefit state-owned NHPC Ltd which can now go ahead with its 2,000MW Subansiri (lower) project.

インドの北東,中国と未確定国境を抱えるアルナチャルプラデシュ(注6),ヌラマプトラ河の北の大支流スバンシリ川(注5)は,NHPC(注7)が開発を担当してきたが,国際環境グループのワイルドライフ(注11)の反対で,NHPC(注7)と州政府の間で開発の合意が出来ていなかった。スバンシリ川(注5)には,上流開発と下流開発があり,NHPC(注7)の進める,2,000MW,スバンシリ下流水力(注8)が問題となっている。

環境グループの言い分は,上下流全体の計画の確立と環境調査が必要で,下流プロジェクトの調査だけで着工するのは危険である,と言う言い方だ。もっともな話だが,上下流全部の調査となるとヒマラヤ山脈までかかってしまって,下流プロジェクトも開発できなくなる。最高裁判所が一時工事差し止めを指示していたが,最高裁はこのたび,下流計画にも差し止めを解除し,NHPCと州政府は,覚書を交わすことになる。

電力省の副大臣をしていた開発男,ラメシュ氏は,今度,環境大臣に就任している。プロジェクトのブレーキをかける立場に立って,戸惑っていることだろう。今日の記事でも,彼は,スバンシリ川全体の環境調査が必要と言っている。

(注)D (1) 090715D India, ivemint,(2) title: Supreme Court lifts ban on Subansiri hydropower projects,(3) http://www.livemint.com/2009/07/14222743/Supreme-Court-lifts-ban-on-Sub.html,(4) New Delhi:,(5) Subansiri river basin,(6) Arunachal Pradesh,(7) NHPC,(8) 2,000MW Subansiri (lower) project,(9) S.K. Garg, chairman and managing director, NHPC,(10) ministry of environment and forests (MoEF),(11) Indian Board of Wild Life,(12) National Environment Appellate Authority,(13) Jairam Ramesh, the minister for environment and forests,(14)

今日の参考資料

●090715D India, ivemint
インドのスバンシリ水力で最高裁が棚上げを解除命令
Supreme Court lifts ban on Subansiri hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715D.htm

http://www.livemint.com/2009/07/14222743/Supreme-Court-lifts-ban-on-Sub.html

最近の関連資料

●090703D India, dnaindia
インドのパテルがアルンチャルの120MWゴングリ水力など土地手配
Patel Engg nears land buys for power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090703D.htm
●090616B India, bloomberg
インドのNHPC新総裁指名と株式上場の9月日程
India to Name NHPC Director, Paving Way for IPO by September
http://my.reset.jp/adachihayao/index090616B.htm
●090525C India, Economic Times
インドのリライアンスがアルナチャルで水力2,520MW開発へ
Reliance Power to invest Rs 12,000 cr in Arunachal Pradesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm
●090203B India, Economic Times
インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
SJVNL to be given projects in Aurnachal Pradesh ? Jiaram Ramesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090203B.htm
●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111B.htm
●081225A India, .sakaaltimes
インド,アルンチャルプラデッシュ,2008年,水力や国境など
2008 A saga of development in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index081225A.htm

その他のニュース

●090715E India, business-standard
インドの石炭大臣が石炭価格の値上げで首相に申請
Ministry to seek PM's support to raise coal prices
http://www.business-standard.com/india/news/ministry-to-seek-pm%5Cs-support-to-raise-coal-prices/67644/on
●090715F India, hindu
インドのNTPCがチャティスガールで4,000MW電源準備
NTPC to set up 4,000 MW power plant in Chhattisgarh
http://www.hindu.com/thehindu/holnus/006200907111331.htm


2009年7月14日分 ー インドネシアの電源開発状況とLNGなど ー

日本もいよいよ選挙戦に突入の情勢になってきたが,インドネシアではいち早く,ユドヨノ大統領が再選を果たして,安定した第2期の政権に入る(注1)。すごく安定感があって,羨ましい限りだ。前カラ副大統領は,今度は野党の立場からユドヨノ大統領と対立して行くこととなるが,カラ副大統領が消え,ネパールではプラチャンダーが,タイではサマットが首相の座から降りて,開発男が去って行くのは,私は寂しい。

麻生政権も,8月21日解散でそのまま行くのかと思ったが,古賀さんが辞意表明で,また波乱ありか。自民党にしても,民主党にしても,幹事長と別に選挙担当を決めてしまうと,幹事長の権限なんてなくなってしまうことは分かっているから,古賀さんも小沢さんも,選挙に執心する。あれは両党の党首とも,少し甘すぎると思う,悪役達の本心が分かっていながら,認めざるを得ないのは,麻生さんも鳩山さんも,五十歩百歩だ。

そこで問題のカラ前副大統領だが,大統領選挙戦も酣な,2009年6月末,突然に,スラウエシの新しいLNGプラントの製品の輸出に反対,天然ガスはまずインドネシア国内で消費せよ,と指示した。カラ前大統領も,愉快なのだが,前の総務大臣のように,突然突拍子もないことを言い出すので大変である。「世界で一番よい政治体制は中国だ」,と言って,石炭火力の80億ドルを取ってきたことは,記憶に新しい。

スラウエシ東部のドンギ・スロノ・LNGプラントは,2012〜2013年にも運転開始する予定であるが,プラントの51%資本を三菱商事が持ち,LNGの買い手は日本の関西電力と中部電力で,まさしく日の丸のプロジェクトである。「インドネシアのエネルギー資源を外国企業の自由にはさせない」,と叫んでいたカラ前副大統領だから,ここに一石を投じたわけだが,このときに当時のユドヨノ大統領も,同意の発言をしている。

実はこの記事は,パソコンの中にしまっておいて今日引っ張り出してきたもので,2009年6月24日に発信されている。内容は,バイヤーである関西電力と中部電力が,三菱商事側に,合意の期限を引き延ばしてもよいから,じっくりインドネシア政府と協議して決めて下さい,と時間的余裕を与えた,と言うことなのだが,インドネシア国内向けは,LNG百万Btu当たり5ドルだが,日本側は,JCCに沿って,10.9ドルらしい。

また,2006年にスタートした,インドネシアの10,000MWクラッシュプログラムは,一時中国が資金調達に難色を示していたが,年内,2009年内の一部の運転開始が報じられている。現在のジャワバリ系統の需要は,16,300〜16,900MWで推移しているが,設備出力は,現在の20,500MWから2009年末には,22,035MWに増大する。予備力は,現在の4,200MW,25.78%から,5,135MW,30.40%に増大する。

突然ベトナムの話に変わって恐縮だが,ベトナムの首都ハノイを流れる紅河沿いの地域を対象にした大規模な都市開発計画が浮上した(注2),と報じている。先日も,洪水と停電に悩むハノイの町を取り上げたばかりだが,どうしようもなくなったのだろう。アフリカなんかでは,汚くなった首都を捨てて,新しい都を着くことは行われているが,さすがに歴史のあるハノイを,ベトナム人は去るわけにはいかないのだろう。

(注1) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090711-OYT1T01009.htm
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090714AT2M1300Z14072009.html


本文

●インドネシアのPLNが国内石炭火力で石炭入札へ

State utility firm PT PLN is holding another tender for coal procurement as it strives to secure up to 3.26 million tons of low rank coal per year for the next 20 years to fuel its power plants. Nasri Sebayang, head of PLN’s primary energy unit, said that the tender is the third tender this year. “We may hold more tenders in the event some of the current tenders failed,” Nasri said in a text message on Friday.

インドネシアは,高質石炭は海外に輸出し,低質炭は国内の地方の小規模火力に回しているのだ,と言うことがよく分かる記事である。輸出しているのは,キログラム当たり7,000キロカロリーあるが,ここで記事の対象になっているのは,4,000キロカロリー程度だ。クラッシュプログラムの石炭火力が動き始めると,そうは行かないことになる。政府の契約総量は,年326万トンで20年間供給である。

PLN(注5)は,12の地方の石炭火力発電所のための,低質炭(注6)の将来20年間に亘る供給契約の入札を実施するが,この入札に先立って事前資格審査(注8)を行うための事前審査書類(注22)を,一冊500万ルピアで販売を開始した。申請の資格を持っているのは,既に最低2000万トンの埋蔵量を持って,年20万トンを島嶼間運搬可能な,政府の鉱業権CCOW(注20,21)を有している企業またはコンソーシアムに限る。

供給の対象となる発電所が上がっており,アチェ,リアウ,など地方や島嶼を含む12発電所(注9〜18)である。求めているカロリー仕様は,最低でキログラム当たり3,900カロリー(注19),最高で4,700キロカロリーである。関心表明は,2009年7月10〜16日,事前資格審査図書(注22)の販売は,2009年7月13〜17日である。PLNは,この石炭入札で,243百万ドル相当の原油購入を抑える,としている。

(注)A (1) 090714A Indonesia, thejakartapost,(2) title: PLN holds tenders to buy coal,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/07/11/pln-holds-tenders-buy-coal.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Sat, 07/11/2009 11:58 AM | Business,(5) PT PLN,(6) low rank coal,(7) Nasri Sebayang, head of PLN’s primary energy unit,(8) pre-qualification for the bid,(9) Teluk Naga (Tangerang, Banten),(10) Pelabuhan Ratu (Sukabumi, West Java),(11) Nagan Raya (Aceh Province),(12) Pesisir (West Sumatra),(13) Bangka and Belitung (Bangka and Belitung Islands),(14) Bengkalis and Selat Panjang (Riau),(15) Tarahan Baru (Lampung),(16) Pangkalan Susu (North Sumatra),(17) Asam-asam (South Kalimantan),(18) Tanjung Balai Karimun (Riau Islands),(19) kCal/kg,(20) Coal Contracts of Works (CCOW),(21) PKP2B contracts or mining rights (KP),(22) pre-qualification documents,(23) non oil-based fuels,(24) Java-Bali grid,(25)

今日の参考資料

●090714A Indonesia, thejakartapost
インドネシアのPLNが国内石炭火力で石炭入札へ
PLN holds tenders to buy coal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090714A.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/07/11/pln-holds-tenders-buy-coal.html

過去の関連資料

●090317B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府がプマラン石炭火力の入札開示へ
Govt to soon open bid for Pemalang power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317B.htm
●090227C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府が石炭の最低料金を設定へ
Govt to regulate minimum coal selling prices
http://my.reset.jp/adachihayao/index090227C.htm


●インドネシアのジャワバリ系統に1,535MW新規電源投入へ

Java and Bali will receive an additional 1,535 megawatts (MW) of power supply this year, although the increased capacity would still not still reach an ideal level, state power firm PT PLN said over the weekend. PLN's director for the Java and Bali region, Murtaqi Syamsuddin, said PLN's system in the area would receive more power from three new power plants and two upgraded power plants.

インドネシアのクラッシュプログラム(注8)が,今年,2009年内にも,その一部の果実を実らせようとしている。インドネシア政府は,2006年に,10,000MWを目指してプロジェクトを発進させたが,特に年率平均6.72%で増えてきているジャワバリ系統(注6)への対処が視野に入っていた。10,000MWのうち,10地点,6,800MWがジャワバリ系統(注6)に属する。その他,3200MW,20地点が,ジャワバリ系統(注6)の外である。

今回,PLN(注5)のムルタキ局長(注7)が明らかにした見通しによると,年内,2009年内に,1,535MWの設備出力が増大するが,まだ十分ではないと言う。新規発電所が3つ,増設が2つである。ジャワバリ系(注6)の3つの発電所の合計は,1,245MW,バンテンの600MWのラブアン発電所(注9),西ジャワの330MWのインドラマユ発電所(注10),中部ジャワの315MWのレンバン発電所(注11)。

また,ジャワバリ系(注6)の2つの増設は,北ジャカルタの180MWのムアラカラン発電所(注12),西ジャワの地熱,110MWのワヤンウインドウ発電所(注13)である。ジャワバリ系(注6)のピーク需要は,16,300〜16,900MWで推移しているが,設備出力は,現在の20,500MWから2009年末には,22,035MWに増大する。予備力は,現在の4,200MW,25.78%から,5,135MW,30.40%に増大する。

しかしムルタキ局長(注7)は,発電所が落ちた場合を考えると,40%は必要と言っている。また,スマトラ(注14)では4つの発電所で270MWの増分,カリマンタン(注15)では40MWの増分,スラウエシ(注16)では22MWの増分,をそれぞれ期待している。また,民間開発による3つの発電所,合計90MWも,2009年内に入ってくると。

(注)B (1) 090714B Indonesia, thejakartapost,(2) title: Java-Bali grid set for increased power supply,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/01/05/javabali-grid-set-increased-power-supply.html,(4) Alfian, , The Jakarta Post, , Jakarta | Mon, 01/05/2009 11:06 AM | Business,(5) PT PLN,(6) Java-Bali system,(7) PLN's director for the Java and Bali region, Murtaqi Syamsuddin,(8) 10,000 MW crash program,(9) 600MW Labuan power plant,Banten province,(10) 330MW Indramayu power plant,West Java,(11) 315MW Rembang power plant,Central Java,(12) 180MW Muara Karang Power plant,North Jakarta,(13) 110MW Wayang Windu power plant,West Java,(14) Sumatra system,(15) Kalimantan system,(16) Sulawesi system,(17)

今日の参考資料

●090714B Indonesia, thejakartapost
インドネシアのジャワバリ系統に1,535MW新規電源投入へ
Java-Bali grid set for increased power supply
http://my.reset.jp/adachihayao/index090714B.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/01/05/javabali-grid-set-increased-power-supply.html

最近の関連資料

●090523B Indonesia, english.cri.cn
インドネシアのジャワ島などの電力危機に緊急措置
Indonesia Sets Steps to Overcome Power Crisis
http://my.reset.jp/adachihayao/index090523B.htm
●090317B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府がプマラン石炭火力の入札開示へ
Govt to soon open bid for Pemalang power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317B.htm
●090213D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,中国が資金支援で,利子率上げを主張
China wants higher interest for PLN projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213D.htm
●090211B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要
PLN should negotiate with China on funds, or local banks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211B.htm
●090111C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,スラウエシで,新規発電所完成へ
New power plants for S. Sulawesi
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111C.htm


●インドネシアのドンギLNGで日本側が合意の延長を促している

Japanese buyers have extended the Heads of Agreement (HoA) for the sale of gas from the planned Donggi-Senoro LNG plant, allowing the government and the plant’s builder to continue talks over LNG sales. “They’ve given us more time to continue negotiations with the government,” Lukman Mahfoedz, project director at PT Medco Energi Internasional, said Tuesday.

この記事を長いことしまっておいたら,カラ副大統領が大統領選に敗れて,彼の発言が有効でなくなってしまったが,当時の記事を読むと,ユドヨノ大統領もカラ副大統領の発言を支持する,と言っているから,紛争は続いているのだろう。要は,三菱商事が率いるスラウエシ東のLNGプラントから,関西電力と中部電力に,LNGを送ろうとしたら,カラ副大統領が,ローカル優先,と発言してしまったことである。

日本側のバイヤー,即ち,関西電力(注10)と中部電力(注11)が,ドンギ-スロノLNGプラント(注6)の供給契約について,HOA(注5),予備合意書,ですかね,インドネシア政府とプラント経営者に協議の時間を与えるため,延期したというニュース,2009年6月24日に配信されている。MEDECOのルクマン担当マネージャー(注7)は,政府との交渉で,時間が与えられた,と言っている。

ドンギ-スロノLNGプラント(注6)に関し,MEDECO(注15)が20%,プルタミナ(注8)が29%,三菱商事が51%の資本を所有しているが,このコンソーシアムは,2009年2月に,関西電力(注10)と中部電力(注11)との間で,212年から,毎年100万トンのLNGを15年間供給する仮契約,HOA(注5)に既に署名している。ところが,突然,当時のカラ副大統領からの発言が飛び出した。

カラ副大統領,スロノ・ガス田(注13)とマティンドック・ガス田の天然ガスは,インドネシア国内産業に供給すべし,と発言したのである。MEDCO(注15)はスロノ・ガス田(注13)の50%資本を有し,プルタミナ(注8)はマティンドック・ガス田の全資本を有している。MEDCO(注15)は,国内と海外に配分するのが最適な計画だ,プルタミナは日本に30年間もLNGをかって貰っていると,主張している。

プルタミナの野田聖子氏によく似た女性の総裁,カレン女史(注16)は,仮合意,HOA(注5)は,2009年3月31日にも一度失効しており,今回の期限は2009年6月末とされている,と語っている。ドンギ-スロノLNGプラント(注6)の運転開始は,依然として2012〜2013年を予定しており,そうでなければ日本のバイヤーが,他の国に行く,と心配している。

ドンギ-スロノLNGプラント(注6)のコンソーシアムは,関電と中部に送るのが最適,と主張している。それは,JCC(注17)がバレル当たり70ドルで,市場ではLNG価格は,百万Btu当たり5ドルにも係わらず,関電と中部の買値は,百万Btu当たり,10.90ドルだ,としている。

(注)C (1) 090714C Indonesia, thejakartapost,(2) title: Japan buyers allow time for talks over LNG plant,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/24/japan-buyers-allow-time-talks-over-lng-plant.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , JAKARTA | Wed, 06/24/2009 11:07 AM | Business,(5) Heads of Agreement (HoA),(6) Donggi-Senoro LNG plant,(7) Lukman Mahfoedz, project director at PT Medco Energi Internasional,(8) PT Pertamina,(9) Mitsubishi Corporation,(10) Kansai Electric Power Co. Inc,(11) Chubu Power Co. Inc,(12) Vice President Jusuf Kalla,(13) Senoro field, (14) Matindok field,(15) PT Medco E&P,(16) Pertamina president director Karen Agustiawan,(17) Japan Crude Cocktail price,(18) MMBTU (million British thermal units),(19)

今日の参考資料

●090714C Indonesia, thejakartapost
インドネシアのドンギLNGで日本側が合意の延長を促している
Japan buyers allow time for talks over LNG plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090714C.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/24/japan-buyers-allow-time-talks-over-lng-plant.html

最近の関連資料

●090623B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執
Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623B.htm
●090623C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スレノLNGで三菱は輸出にこだわる
Consortium insists on need to export Donggi-Senoro's LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623C.htm
●090318B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのLNGから日本などが他の市場を模索
RI’s LNG diverted to other markets
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217C.htm
●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211A.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205B.htm

その他の関連ニュース

●090714D Indonesia, thejakartapost
インドネシアはもっとグリーン経済導入で経済は発展すると
Study asks Indonesia to adopt green economy
http://www.thejakartapost.com/news/2009/07/01/study-asks-indonesia-adopt-green-economy.html



2009年7月13日分 ー パキスタンの電力不足に財界が反発 ー

イタリアで開かれていたG8でもG20でも,パキスタンの話題は,アフガニスタンの治安問題に絡んでしか話し合われなかった。パキスタン内部の治安さへの不安定な状態では,パキスタンはなかなか,世界経済の中へ潜り込めない。最新のニュースでは,2009年7月1日の,パキスタン軍地上部隊で本格攻勢へタリバーン掃討(注),から,まだ2週間も経っていない。

中国の冶金関係の使節団がイスラマバード入りして,パキスタンは投資大臣以下総出で迎え,使節団とは関係のないプロジェクトも並べて,投資を促している。特に,不動産関係の話で,北西辺境州への支援を要請している。パキスタン側は,ペシャワールの北,スワット平野やマラカンドは,既に反乱軍を制圧して平常の状態に帰っており,不動産への投資を促している。事実,治安は回復に向かっているのか。

中国側に,タールの石炭開発と共に,イランからのガスパイプラインへの協力を要請している。今までは,イランーパキスタンーインドが目指すパイプラインのルートであるが,ムンバイのテロ事件以降,インドのシン首相のイランのガスへの関心は,すっかり冷めたようである。パキスタンのザルダリ大統領は,パキスタン単独でも,と言っているが,財政的な問題と共に,イラン側の関心が薄くなる懸念がある,中国が動くのか。

また,パキスタンの治安問題では,まだアフガニスタンの避難民の問題があると同時に,2,500MW不足と言われている電力不足問題に根ざす財界の反発がある。産業界では,余りの停電のひどさに,従業員がゼネストを起こす可能性を示唆しており,パキスタン経済を大混乱に陥れる危険性まで出てきている。これに対して,パキスタン商工会議所FPCCIが,ザルダリ大統領やジラニ首相と会っている。

大統領と首相は,電力供給の産業界優先を約束させられており,PEPCOなどの電力企業に指示を飛ばしている。幾ら大統領の指示でも,ないものない,と言うことになるが,どうも問題はベトナムと一緒で,勝手に電気を切るな,と言うことらしい。電気が足らないなら,計画停電のスケジュールを組んで,確実に,事前通知を行いながら停電して欲しい,と言うことだが,これがまた優先順位の問題で難しいのだろう。

久しぶりに,改めてパキスタンの地図を眺めている。東はアフガニスタンに接して,米国やロシアの介入が取りざたされる複雑な国境付近の問題があり,パキスタンを悩ませているが,北を見てみると,今騒然としている中国のウイグル地区とは,まさに背中合わせである。イスラマバードからは,標高8,611mのK2峰を挟んで,ホタンの砂漠の町がある。距離は500km,イランのガスを運ぶなど,そんなんに難しい話ではない。

(注) http://www.asahi.com/international/update/0701/TKY200907010382.html


本文

●パキスタンの大統領と首相が産業への円滑な電力供給を

SCCI, FPCCI chiefs urge trade bodies not to strike, protest or rally against load shedding : President Asif Ali Zardari and Prime Minister Yousuf Raza Gilani have directed the Ministry of Water and Power to ensure the smooth supply of electricity to the industrial sector on top priority and assure well-planned load shedding in all major commercial areas across the country.

テロとの戦いに揺れるパキスタンは,最近はどうなっているのか,と思ってこの記事を拾ったが,電力不足に産業界に不穏の空気が流れているようだ。昨日のベトナムもそうだったが,停電するなら計画を立てて事前に教えてくれ,急に切るな,と言うのが需要側の強い主張だ。今日の一文を読むと,産業界は,停電に対してストライキも辞さないと言う従業員の雰囲気が伝わってくる。

ザルダリ大統領(注5)とジラニ首相(注6)が,二人がかりで,産業界への電力供給を最優先にしている,説得の先頭に立って,水資源電力省MWP(注7)に指示を下している。ザルダリ大統領(注5)とジラニ首相(注6)に会って要求したのは,SAARC(注8)のパキスタン代表のマリク氏(注9)であり,更にマリク氏(注9)は,パンジャブのシャリフ州首相(注11),アシュラフ電力大臣(注12)にも,産業界優先を確約させている。

これを受けて,パキスタン商工会議所FPCCI(注13)は,従業員が停電に抗議して起こそうとしているストライキを抑える,と発言している。テロと戦う現状でストライキまでやられては大変だ,と言うわけだ。PEPCO(注14)のチーマ総裁(注15)は,既に指示を受けていて,可能性のある計画停電の計画(注16)を準備していると発言している。

(注)A (1) 090713A Pakistan, dailytimes,(2) title: ‘President, PM for smooth power supply to industry’,(3) http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C07%5C13%5Cstory_13-7-2009_pg7_18,(4) LAHORE,(5) President Asif Ali Zardari,(6) Prime Minister Yousuf Raza Gilani,(7) Ministry of Water and Power,(8) South Asian Association for Regional Cooperation (SAARC),(9) Chamber of Commerce and Industry Vice President (Pakistan chapter) Iftikhar Ali Malik,(10) Islamabad,(11) Punjab Chief Minister Shahbaz Sharif,(12) Water and Power Minister Raja Pervaiz Ashraf,(13) Federation of Pakistan Chamber of Commerce and Industry (FPCCI),(14) Pakistan Electric Power Company (PEPCO),(15) Managing Director Tahir Basharat Cheema,(16) feasible load-shedding plan,(17)

今日の参考資料

●090713A Pakistan, dailytimes
パキスタンの大統領と首相が産業への円滑な電力供給を
‘President, PM for smooth power supply to industry’
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713A.htm

http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C07%5C13%5Cstory_13-7-2009_pg7_18

最近の0関連資料

●090501A Pakistan, thenews
パキスタンの電力セクターへ日本政府が支援へ
Japan to provide help for Pakistan’s power sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index090501A.htm
●090429B Pakistan, dawn
パキスタンの中央開発会議でエネルギー開発が最重要課題
Energy projects top agenda of CDWP meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090429B.htm
●090411B Pakistan, regionaltimes
パキスタンの電力需要はこの先5年で36,000MWへ
Power demand to rise upto 36,000MW in next five years: Pervez Ashraf
http://my.reset.jp/adachihayao/index090411B.htm
●090323B Pakistan, thenews
パキスタンの電力不足量は2,500MWの不足
Country to face power shortage of 2,500 MW till 31st
http://my.reset.jp/adachihayao/index090323B.htm


●パキスタンは中国企業のエネルギー資源開発を優遇

Federal Minister for Investment, Senator Waqar Ahmed Khan, said that Pakistan is a land of opportunities, with immense untapped resources. Government is committed to facilitating the foreign investors and will provide legal guarantee to their investment vis e vis tax relation will also be given to them.

最近のパキスタンは中国企業と見れば何でも頼んでみる,と言う姿勢だ。日本企業はパキスタンではなかなか動かないが,中国企業なら動いてくれるし,中国政府にも伝えてくれるし,治安なども気にしない,と言うことか。今回の中国企業訪問団は冶金集団MCC(注7)だが,関係なくダムも石炭も住宅もパイプラインも,とカーン投資相(注5)の口をついてでるプロジェクトは多様である。

エネルギー的にパキスタン側の重要な関心は,パキスタンとイランのガスパイプライン(注10)である。テロの問題からインドの協力が得られそうにない現状で,中国との協力を視野に入れている。また,電力不足に対応するために,小規模ダム群の建設の要求もでている。また,タール(注15)の石炭は,パキスタンとしては初めての試みで,石炭ガス化プロジェクト(注14)を提案している。

住宅建設の要求も多いいが,その中で,つい先日まで掃討作戦の行われていたスワット(注11)とマラカンド(注12)の住宅復興の話が出ている。パキスタン側からは,掃討作戦は終了した,との宣言を出しており,外国難民を含むIDPS(注13)への対応も,その支援を要求している。団長のフアンさん(注8)も大変である。

(注)B (1) 090713B Pakistan, geo.tv,(2) title: China company to invest in Pak energy projects,(3) http://www.geo.tv/7-11-2009/45782.htm,(4) Updated at: 1528 PST, Saturday, July 11, 2009,ISLAMABAD,(5) Federal Minister for Investment, Senator Waqar Ahmed Khan,(6) vis e vis tax relation,(7) MCC (China metallurgical group corporation),(8) Dan Huang,(9) Pakistan Steel Mills,(10) Pak-Iran gas pipelines,(11) Swat,(12) Malakand,(13) IDPS,(14) gasification of coal,(15) Thar (Sindh),(16)

今日の参考資料

●090713B Pakistan, geo.tv
パキスタンは中国企業のエネルギー資源開発を優遇
China company to invest in Pak energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713B.htm

http://www.geo.tv/7-11-2009/45782.htm

最近の関連資料

●090618A Pakistan,
パキスタンの中小ダムの建設計画で中国政府が支援表明
Chinese govt to support President Zardari’s plan to build 12 small and medium sized hydropower dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618A.htm
●090310B Pakistan, economictimes.indiatimes
パキスタンのザルダリ大統領が単独でもパイプラインを
Pak to go ahead with IPI project even without India Zardari
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310B.htm
●090302A Pakistan, steelguru.com
パキスタンは54のダムプロジェクトに各国の支援を期待
Pakistan seeks help for 54 mega projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090302A.htm
●081119C Pakistan, regionaltimes
経済省,パキスタンの水力投資は,外資に絶好の機会
‘Hydropower projects offer sound investment opportunities’
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119C.htm


●パキスタンで初めての水力民間開発は84MW

Work on Pakistan’s first private sector 84-megawatt hydroelectric project located 7.5km downstream of the existing Mangla Dam in Mirpur, Azad Kashmir will start in the next couple of weeks, an official said yesterday.

パキスタンにとって民間による水力開発は初めてなのだ,と言うことを改めて感じた。パキスタンは,ハブ社(注8)による火力発電所を早くにBOTで開発し,小説「アジアの隼」,の最初のシーンにも使われている。今回のプロジェクトは,NBEプロジェクト(注10)と呼ばれ,マングラダム(注4)の灌漑水路の中で,低落差流れ込み式(注9)で開発される,84MWの水力で,ADBとIDBが融資を行っているようだ。

既に,ラライブ社(注7)とハブ社(注8)の落札が決まっていて,2,3週の間にも工事にかかるという。方式はBOOT(注11)である。民間初の開発だけでなく,国境紛争中のアザドカシミール(注6)に国際融資機関が民間に貸し付ける初めての例だという。

(注)C (1) 090713C Pakistan, gulf-times,(2) title: First private sector hydropower project ready,(3) http://www.gulf-times.com/site/topics/article.asp?cu_no=2&item_no=299852&version=1&template_id=41&parent_id=23,(4) Mangla Dam,(5) Mirpur,(6) Azad Kashmir,(7) Laraib Energy Limited,(8) Hub Power Company,(9) run-of-the-river power project,(10) New Bong Escape project,(11) Build-Own-Operate-Transfer (BOOT),(12)

今日の参考資料

●090713C Pakistan, gulf-times
パキスタンで初めての水力民間開発は84MW
First private sector hydropower project ready
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713C.htm

http://www.gulf-times.com/site/topics/article.asp?cu_no=2&item_no=299852&version=1&template_id=41&parent_id=23

最近の関連資料

●090302A Pakistan, steelguru.com
パキスタンは54のダムプロジェクトに各国の支援を期待
Pakistan seeks help for 54 mega projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090302A.htm
●081119C Pakistan, regionaltimes
経済省,パキスタンの水力投資は,外資に絶好の機会
‘Hydropower projects offer sound investment opportunities’
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119C.htm

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●090713D Pakistan, hindu
パキスタンのテロ問題はインドのシン首相にとって最優先課題
Pakistan, terrorism top Manmohan’s agenda
http://www.hindu.com/2009/07/13/stories/2009071359261100.htm
●090713E Pakistan, thenews
パキスタンのKESCがタール石炭火力を2年内に開発
KESC to go for Thar coal power generation in two years
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=186891
●090713F Pakistan, dawn
パキスタンは2010年までに10,000MW開発で外国支援必要
Pakistan looks abroad to boost energy capacity
http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/news/business/03-pakistan-looks-abroad-to-boost-energy-capacity-ss-01
●090713G Pakistan, thenews
パキスタンのマングラダム増設220MWが7月8日運転開始
Mangla power plant to be operational from 8th
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=186610
●090713H Pakistan, dawn
パキスタンのPEPCOによると電力不足は2,500MW
Electricity shortfall now 2500MW, says Pepco
http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/news/pakistan/12-electricity+shortfall+now+2500mw+says+pepco--bi-12
●090713I Pakistan, thenews
パキスタンの電力はカシミールの17000MW水力で賄えると
Kashmir can fulfill Pakistan痴 power needs: Atiq
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=185783


2009年7月12日分 ー ベトナムのEVNの能力に国民の疑問符 ー

4日間も書けなかった,こんなに空けたのは初めてかな。梅雨の因幡,2日間はからりと晴れて,絶好の測量日和となったが,蒸し暑かった。私は,播磨,因幡の道を車で走るのは好きである,殆どが田野でその中に舗装路真っ直ぐに伸びている景色は,いつ走っても心が和む。宮本武蔵の美作を通って,宮本村でしばし車を止めたが,お通がいたお寺は,どれかよく分からなかった。

今日はベトナムの記事に集中したが,ベトナムと言うところは,インターネットだけでは情報収集が極めて難しい,ウエブサイトを造っている間に水力発電所を造ってしまおう,と言うことだが,特に中部ベトナムは日本と同じ地形で,山から一気に海に川が流れ落ちているので,洪水にやられたり,渇水に見舞われたり,と忙しい。ダナンの南のブギア川が今日の主題だが,EVNが一生懸命,ダムを造っている。

しかし,日本の木曽川でも昔,批判が集中したが,このような地形で水力発電所を造ると,水がトンネルの中を通ってしまって,川の水がなくなってしまう。少なくとも渇水量相当の流量は,川を流そう,といい始めたのは,私が電力会社に入って数年後,おそらく昭和40年ぐらいではなかろうか,今では法制化されて河川維持流量は,水力技術者にとって必須科目である。

ベトナムは,それよりも何よりも,電気を必要としているが,それでも,少しおかしいのではないか,と言う声も出始めていると言うことだ。今日の一言は,元々電気がなければエアコンなど買わなかったのに,と泣いているハノイ市民である。夏になって渇水と暑さが重なり,停電が長く,蒸し風呂のような部屋で,いつ電気が来るのか,と待つことの苦しさをぶちまけている。通りは,信号が消えて渋滞の連続という。

ベトナムの人々の目は,EVNに向いてきている,EVNの無能力がこの停電を生んでいるのではないか,と。あれだけエリート意識を持っていたEVNの無気力さが目立つ。何処の国でも,電力は伝統のある母体があるが,ベトナムは,三つに分かれていた電力会社の上に,一気に上位機関を新しく造ってしまった,そこに問題があったかも知れないが,原因はもっと深いと思う。

石炭火力やガス火力を,日本のJBICが世界の民営化の波に抗して,支援を続けてきた間はよかったが,IPPを主体にして火力の建設を初めてからは,電気料金の問題が足かせとなっている。IPPから高い電気を買わされて,それを安い電気料金で販売するEVNは,どんどん気力を失っていった,と言うことではないか。電気料金の改革が何よりも重要なベトナムの課題である。


本文

●ベトナムの停電でEVNの能力に疑問の声が広がる

I was not in Ha Noi during the hot days when the power cuts happened. But honestly, I can imagine how uncomfortable it must have been without electricity. I have experienced the same situation every year. The recent power cuts in Ha Noi suggest there has been a significant growth in customer demand due to the hot weather. It begs the question, can the Electricity of Viet Nam (EVN) provide sufficient power to meet its customers’ needs.

ベトナムの電力需給は,夏の到来で悲惨そのものだ。ベトナムニュースが,人々の声を集めて特集している。聞くも無惨である。最初から電気がなかった方がよかった,そうすればエアコンもなかっただろうし,このような苦しい停電を経験しなくてもよかった,とまで言わせている。また,目抜き通りの信号が動かなくなって,ハノイ市内は渋滞に苦しんでいる。まあ,ここまでならいつもの風景だ。

今日の記事の違うところは,電力公社EVN(注5)が役割を果たしていない,という民衆の声が上がり始めていることだ。特に,ラオスに出て行ったりサイドビジネスに励んだり,本来の努力をしていない,と疑い始めている。電力供給の優先地域の選定にも疑問が投げかけられている。更に非難の声をはベトナム国会にも向けられており,どうしてEVN(注5)をもっとしっかり監督できないのかと。

あれほど華やかにスタートしたEVNが,このような事態になるとは,想像しなかった。問題は電源民営化のタイミングと電気料金の調整が不十分な点だろう,と私は見ている。EVNはスピリットを完全に喪失している。EVNのHPを見ても分かる,全く無気力である。世界銀行などの民営化の波に抗しながら,電源支援を続けてきたJBICにも,ここに来て見放されたか。

(注)A (1) 090712A Vietnam, vietnamnews,(2) title: Power cuts raise questions over EVN’s ability to meet demand,(3) http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=01SAY100709,(4) Ha Noi,(5) Electricity of Viet Nam (EVN),(6) Nguyen Chi Thanh Street,(7)

今日の参考資料

●090712A Vietnam, vietnamnews
ベトナムの停電でEVNの能力に疑問の声が広がる
Power cuts raise questions over EVN’s ability to meet demand
http://my.reset.jp/adachihayao/index090712A.htm

http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=01SAY100709

最近の関連資料

●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304A.htm
●090225B Vietnam, english.vietnamnet.
ベトナムの電力改革でEVNは反対の立場を表明
EVN does not want reform
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225B.htm
●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220A.htm
●090106J Vietnam, english.vietnamnet
ベトナム,電気料金値上げ案,政府へ提出
Electricity price increase plan submitted to Government
http://my.reset.jp/adachihayao/index090106J.htm
●081207A Vietnam, thanhniennews
ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図
Ministry eyes comprehensive power sector reform
http://my.reset.jp/adachihayao/index081207A.htm
●081203A Vietnam,english.vietnamnet
ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案
CBP scheme to be applied for electricity pricing
http://my.reset.jp/adachihayao/index081203A.htm


●ベトナム中部の水力開発で川が干上がってきている

In the central Vietnam, about 200 hydro-power projects have been built, are being built or are on the drawing boards. With Vietnam facing chronic shortages of power in the summer months, electricity generation has become a hot product ? so profitable that little attention has been given to environmental consequences.

ベトナムの人々の特性である,水力発電所が好きである,必要とあれば地方でどんどん造って行く,中国の人と似たところがある。電気が足りない,と言えば電力最優先で川の開発が始まる,そう言う点では日本もそうだった,昭和20年代は電力会社のダム開発が最優先であった。今,ベトナムでもやっと,トンネルの中を流れて,干上がる川に注目が集まり始めている,ベトナム中部である。

ベトナムの地点の位置は非常に分かりがたいが,追っかけてみる。ベトナム中部では,実に200地点に上る水力発電所が,造られたか,造られているか,はたまた図面が書かれているか,の状態にある。ザウン川(注6)の30MWのザフン水力(注7),これは位置がよく分からない。クワンナム県(注8)のブギア川(注9),トウボン川(注10)も同じように,水力建設で川の水が干上がっている。これらの川は,チュオンソン山脈(注11)が水源

コン川(注12)もよく分からないですね,おそらく,ダナンの少し南にある63MWのソンコン第2水力(注15)のある川でしょう。上流に,約50mのダムが造られ,河川水が迂回されたのだろう,付近の住民が悩んでいるという。可能性のある支流から水を集めてくる,日本人と同じ考え方だ,この中部ベトナムは山から海が近く,日本と同じような考え方になるのだろう。

ブギア川(注9)の北側支流,アブオン川(注20)でも,アブオン水力(注21)が建設中である。ソンコン第2水力(注15)の上流と思われるザフン川(注6)では,30MWのザトウン水力(注18)が進行している。

(注)B (1) 090712B Vietnam, globalpost,(2) title: Vietnam Hydropower projects drying up central Vietnam's water supplies,(3) http://www.globalpost.com/dispatch/vietnam/090706/hyropower-projects-drying-central-vietnams-water-supplies,(4) VietNamNet Bridge,(5) central Vietnam,(6) Zahung dam on Zahung river,(7) 30 MW Zahung hydro-power plant,(8) Quang Nam province,(9) Vu Gia province, (10) Thu Bon province,(11) Truong Son mountains,(12) Kon river,(13) Zo Ngay commune,(14) Song Kon commune,(15) 63MW Song Kon 2 hydro-power project,(16) Geruco Kon River 2 Hydro-power Joint stock Company,(17) Company’s planning director Tran Quang Hoa,(18) 30 MW Zatung hydropower plant,(19) Alang Be, a Zahung village resident,(20) A Vuong river,(21) A Vuong hydro-power plant,(22) map source: http://www.gms-eoc.org/CEP/Comp1/docs/EAP-PolicyPlanning/SEA_QuangNam_HPPlan.pdf,(23)

今日の参考資料

●090712B Vietnam, globalpost
ベトナム中部の水力開発で川が干上がってきている
Vietnam Hydropower projects drying up central Vietnam's water supplies
http://my.reset.jp/adachihayao/index090712B.htm

http://www.globalpost.com/dispatch/vietnam/090706/hyropower-projects-drying-central-vietnams-water-supplies

最近の関連資料

●090619B Vietnam,english.vietnamnet
ベトナムの環境グループが開発による森林破壊を警告
Improper infrastructure poses biggest threat to forests, biodiversity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619B.htm
●090606A Vietnam, hydroworld
ベトナムは260MWのチュンソン水力で環境モニター
Vietnam seeks environmental monitoring for 260-MW Trung Son
http://my.reset.jp/adachihayao/index090606A.htm
●090511B Vietnam,army.qdnd
ベトナム政府は多数の水力プロジェクト推進を支援
Government backs hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090511B.htm
●081119A Vietnam, vnbusinessnews
EVN,主要な水力プロジェクトは,2008年内に終了
Major power projects almost done
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119A.htm

その他の関連ニュース

●090712C Vietnam, english.vovnews
ベトナムでマオケ火力の約4億ドルのEPC契約を署名
US$429.5 million to build Mao Khe power plant
http://english.vovnews.vn/Home/US4295-million-to-build-Mao-Khe-power-plant/20097/105701.vov
●090712D Vietnam, hydroworld
ベトナムで260MWのチュンソン水力が移住問題で注意喚起
Vietnam reissues call for social monitoring for 260-MW Trung Son
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/4504033264/s-articles/s-hrhrw/s-tendersandnotices/s-tenders/s-vietnam-reissues_call.html



2009年7月8日分 ー インドの石炭への依存はまだ続く ー

米国のエネルギー情報局EIAが,現在の世界の再生可能エネルギーは全電力の16%で,2030年にはこれを20%に上げることになるだろうが,その主役は,中国,インド,ベトナムの水力だ,と言った中で,石炭資源は重要で,少なくとも2030年までは,世界の電力の主力的役割,3分の2は石炭に頼らざるを得ない,と言っている。オバマ政権と一体かどうか分からないが,正直な見通しだろう。

石炭の総量問題だが,世界で現時点,可採埋蔵量は98,457億トンと言われていて,石油が41年で枯渇するのに,石炭は192年,約200年といわれている。インドはこのうち,米国(25.4%),ロシア(15.9%),中国(11.6%)に続いて世界第4位の包蔵量を有し,推定で2,480億トン,確認埋蔵量は930億トンと言われている。2006年〜2007年の総使用量は11.1億トン,このうち243百万トンを輸入している。

電力不足に悩むインドの電源開発の目玉は,インド北辺の水力の人類最後の戦い,これを続けながら,大規模石炭火力開発UMPPを,民間資金を頼りに進めている。一つのプロジェクトが,4,000MWで,全国で10〜11カ所を計画,このうち目処が付いたのは3カ所ぐらいであり,金融危機の中,一つのプロジェクトが4,000億円以上の資金を必要として,資金調達が大きなネックと言われている。

しかし,今日の報道もあるように,この膨大な石炭火力の建設を進める上では,発電効率の向上などによる炭酸ガス抑制が急務で,日本のメーカーが進めてきた超臨界技術が売り物になる。東芝は,このインドの情勢を見込んで,タミルナド州のチェンナイに火力発電設備工場の建設を決定している(注1)。東芝は,鉄鋼のジンダルとの提携を見ており,そのジンダルは,今日,マハラシュトラに,3,200MWの火力建設を発表している。

イタリアで開催中のG8サミット(注2),「2050年までに世界全体で半減する」,との長期目標に中国やインドなどの新興国を巻き込めるかが大きな焦点だ。この後,新興国とのG20の会合が予定されているが,先進国が幾ら頑張っても,インドと中国が大きな役割を持っていることは,疑問の余地はない。しかし,目標数値の合意はそれほど重要でなく,インドと中国が現在進めている電源計画を,そのまま進めればよい。

インドと中国が,これからの増分電力に対して,水力をどの程度,石炭火力の効率化をどの程度推進するのか,原子力の建設の速度を上げられないのか,それだけが重要なテーマであり,目標値で合意できなかったからと言って,外交的な問題はあるかも知れないが,物理的には何の影響もないだろう。湖錦濤主席は急遽,新疆ウイグル自治区での暴動激化を受け,帰国の途に(注3),シン首相,頑張れ。明日から3日,梅雨の中,播州で大測量作業,更新できないかも。

(注1) http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK200907080016.html
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200907080071a.nwc
(注3) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090708AT2M0801008072009.html


本文

●インドの大規模火力で政府が一企業へのプロジェクト数制限否定

The government on Tuesday ruled out any possibility of putting cap on the number of ultra mega power projects alloted to a single player
citing legal impossibility in doing so. "The government cannot limit the number of ultra mega power projects alloted to a single player ... legally it is not possible," Power Minister Sushil Kumar Shinde said at a function organised by industry body FICCI here today.

インド政府が進める大規模石炭火力推進計画,UMPP(注5)は,一つの地点規模が,4,000MWで全国で約10カ所,民間開発で進める計画であるが,入札のもつれや世界金融機の影響,ADBのプロジェクト規模が大きすぎるとの批判のコメント,など問題が続いており,一手にその責任を負うシンディ電力大臣(注6)も頭の痛い問題であると同時に,インドの経済の根幹を握る重要なプロジェクトでもある。

お互いに競い合ってきたタタ電力とリライアンスであるが,最近は,リライアンスが続いて落札しており,一企業が多くのプロジェクトを持つことに懸念が表明されていた。シンディ電力大臣(注6)は,経済団体FICCI(注7)の講演で,一企業当たりのプロジェクトの数を制限することは,法律的に不可能である,と改めてその制限の可能性を否定した。

大規模開発UMPP(注5)は,一つのプロジェクトに,2,000億ルピーを必要とすることから,この金融危機の時,懸念が広がっていた。しかし実際問題として,例えば一社が10プロジェクトを推進するなどは難しい,と以前はシンディ電力大臣(注6)は言っていた。なお,大臣によると,2009-2010年国家予算の中で占める電力改革(注9)の費用は,前年比160%の208億ルピーで,順調である,と語っている。

(注)A (1) 090708A India, Economic Times,(2) title: Govt rules out putting cap on number of UMPP alloted to a firm,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/Govt-rules-out-putting-cap-on-number-of-UMPP-alloted-to-a-firm/articleshow/4747907.cms,(4) 7 Jul 2009, 1152 hrs IST, PTI,NEW DELHI,(5) ultra mega power projects,UMPP,(6) Power Minister Sushil Kumar Shinde,(7) FICCI,(8) Budget 2009-10,(9) power reforms programme,(10)



"There no harm in awarding 10 such prestigious projects to a single company
but we have to see whether it is capable of executing these," Shinde had said earlier.

On the Budget 2009-10, he said it has been very good for the power sector.

The Budget gave a big boost to power reforms programme
by increasing allocation to Rs 2,080 crore, or a rise of 160 per cent from the previous fiscal.



今日の参考資料

●090708A India, Economic Times
インドの大規模火力で政府が一企業へのプロジェクト数制限否定
Govt rules out putting cap on number of UMPP alloted to a firm
http://my.reset.jp/adachihayao/index090708A.htm

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/Govt-rules-out-putting-cap-on-number-of-UMPP-alloted-to-a-firm/articleshow/4747907.cms

最近の関連資料

●090531C India, hindu
インドのシン新政権誕生で電力改革と地方電化を推進へ
Big push to rural electrification on cards
http://my.reset.jp/adachihayao/index090531C.htm
●090518A India, Economic Times
インドの規制委員会が近く火力と送電の料金で新しいルール
CERC to set new criteria of power generation, transmission
http://my.reset.jp/adachihayao/index090518A.htm
●090518B India, Economic Times
インドの火力発電公社NTPCがインド中央銀行から融資
NTPC ties up Rs 8,500-cr SBI loan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090518B.htm
●090321C India, Economic Times
インドで4つの大規模発電プロジェクトが再び発進する
Work resumes at four large power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090321C.htm
●090309C India, Economic Times
インドのリライアンスがササーン火力で資金調達完了へ
Financial closure for Sasan UMPP by March end
http://my.reset.jp/adachihayao/index090309C.htm
●081230B India, Economic Times
インド,大規模火力プロジェクトUMPP,5社が応札
5 power cos submitted bids for UMPP
http://my.reset.jp/adachihayao/index081230B.htm
●081229B India, Economic Times
インド,大規模火力,ティラヤ,入札へ
Bids for the Tilaiya ultra mega power project on Monday
http://my.reset.jp/adachihayao/index081229B.htm
●081202C India, Economic Times
大規模火力UMPP,ティライヤ,入札,12月29日に延期
Tilaiya UMPP bids deferred till Dec 29
http://my.reset.jp/adachihayao/index081202C.htm


●インド政府は25の民間企業への石炭供給協定を取り消す

India has cancelled allocation of coal supplies to 25 private power companies for not setting up plants that can annually generate 1,292
megawatts, the coal minister said on Friday. The country had assured coal supplies to several private firms for setting up their power plants. These firms are required to enter into fuel supply agreement with Coal India Ltd, a state-run monopoly coal producer.


インドで電力供給の中心となっているのは石炭火力である。石炭の埋蔵量は,2,533億トン,世界の10%を占めて,米国,ロシア,中国に続いて4番目である。灰分含有率が40%程度と高く品質は高くない。中国と共に問題となっているのは,電力と石炭の行政が縦割りになっていることで,インドも中国も,石炭供給に常に問題を起こしている。中国は改革の兆しがあるが,インドの行政改革は困難と思われている。

さて今日の記事。25の発電企業による石炭供給契約が,プロジェクトの進捗が遅いとして,石炭省より契約の打ち切りを通告された。その全発電力は,1,292MWである。民間の発電企業は,国有石炭公社(注6)と石炭供給契約(注9)を結ぶことが,発電所を造る条件だ。国有石炭公社(注6)は,インドの石炭を独占している。ジャイスワール石炭大臣(注8)は,余りにも時間遅れが激しい,と語っている。

この契約打ち切りとなった石炭総量は,年間584.4万トンに上る。また,15日以内に計画を説明しない場合は,更に10企業の契約も打ち切られる,と。しかし,新規に7つの企業に対して,新しい石炭供給契約(注9)を結ぶ準備をしていると。企業の名前は明かでない。

(注)B (1) 090708B India, Economic Times,(2) title: Govt revokes coal supplies to 25 pvt power cos,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/Govt-revokes-coal-supplies-to-25-pvt-power-cos/articleshow/4734835.cms,(4) 3 Jul 2009, 1912 hrs IST, REUTERS,NEW DELHI,(5) coal minister,(6) Coal India Ltd,(7) coal linkages,(8) Sriprakash Jaiswal,(9) fuel supply agreement with Coal India,(10)

今日の参考資料

●090708B India, Economic Times
インド政府は25の民間企業への石炭供給協定を取り消す
Govt revokes coal supplies to 25 pvt power cos
http://my.reset.jp/adachihayao/index090708B.htm

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/Govt-revokes-coal-supplies-to-25-pvt-power-cos/articleshow/4734835.cms

最近の関連資料

●090321C India, Economic Times
インドで4つの大規模発電プロジェクトが再び発進する
Work resumes at four large power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090321C.htm
●090108A India, Economic Times
インド,海岸立地の火力発電所は,輸入炭30%
Coastal power projects may have to import 30% of their coal needs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090108A.htm


●インドのジンダール系企業がマハラシュトラで3,200MWの超臨界

Sajjan Jindal-promoted JSW Energy today said it plans to set up a 3,200-MW super critical thermal power plant entailing an investment of
Rs 15,000 crore at Ratnagiri in Maharashtra.

インドの鉄鋼を率いるジンダール氏(注8)が進める電力への進出,そのための企業が,JSWエナージ(注5)である。現在の発電所の出力は,800MWであるが,この年度内に,2,000MWに持って行く。このJSWエナージ(注5)が,電力不足になくマハラシュトラ州のラトナギリ(注7)に,800MW機4台,32,000MW規模の超臨界石炭火力による最新鋭の発電所を計画している。事業費は,1,500億ルピー。

(注)C (1) 090708C India, Economic Times,(2) title: JSW Energy plans 3,200 MW power plant, to invest Rs 15,000 cr,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/JSW-Energy-plans-3200-MW-power-plant-to-invest-Rs-15000-cr/articleshow/4747955.cms,(4) 7 Jul 2009, 1202 hrs IST, PTI,NEW DELHI,(5) JSW Energy,(6) super critical thermal power plant,(7) Ratnagiri in Maharashtra,(8) JSW Energy Managing Director Sajjan Jindal,(9)

今日の参考資料

●090708C India, Economic Times
インドのジンダール系企業がマハラシュトラで3,200MWの超臨界
JSW Energy plans 3,200 MW power plant, to invest Rs 15,000 cr
http://my.reset.jp/adachihayao/index090708C.htm

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/JSW-Energy-plans-3200-MW-power-plant-to-invest-Rs-15000-cr/articleshow/4747955.cms

その他の関連ニュース

●090708D India, Economic Times
インドのジャイピーがJPパワーなど買収して電源開発強化へ
Jaypee to merge JP Power with Jaiprakash Hydro Power
http://www.indiainfoline.com/news/innernews.asp?storyId=107432&lmn=1


2009年7月7日分 ー ミャンマーのアラカンで水力建設進む ー

日本語のニュースでは,トヨタのプリウスが売り上げを伸ばしているニュースで持ちきりだが,英文ニュースには,トヨタが2012年を目指してプラグインカーの投入を目指している,と報じられている。私は当然だという顔であるが,プリウスの発表会に招待されたときに,折角バッテリーがあるのに,どうして外部充電機能を付けなかったのか,と問いつめた。私の意見がトヨタの社長に届いたかな。

プリウスは人気が出ているが,基本はガソリンで,余力で走った分だけ充電するというもので,単なるガソリン代の節約だけであるから,必ず日産に追い抜かれる,と予言していた。電力会社の造った電気で走ることが善かどうか,問題のあるところだが,電力は当面,原子力の稼働率を90%にあげ,更にこれから増える自動車の使う電力は,原子力と揚水の組み合わせで対処することになる,と考えよう。何なら飛行機も引き受けよう。

北朝鮮のミャンマー向けの船が引き返して,北朝鮮に帰った。2008年11月にミャンマー軍事政権のナンバー3が平壌を訪問して,軍用機や艦艇の地下格納施設建設・武器の近代化で協力する覚書を交わしているという(注1)。今回の北朝鮮の船は,それに関係している,と読んでいる。ミャンマーの軍事政権は,中国にとって,なくてはならないものになってきている。

今日の記事で,ミャンマーの西部,アラカン州で,7万KWの水力を,軍隊を動員して進めているという。関係の地元民を軍隊が移住させ,地元民の生活上の森林などを伐採していると,ミャンマーのアラカンのNGOが,記事を出している。どうして急に,このような強引な小さい規模の発電所を進めるのか,明らかにその地点は,雲南省へのガスパイプラインのスタート地点に近い。そこでカラダン川をパイプラインが渡河するのだろう。

このカラダン川は,シットウエーの港町を河口としているが,源流は真っ直ぐ北に上ったインドのミゾラム州である。インドのラメッシュ副大臣が,この通商ルートの開発に目を付けていることは,読者は覚えているだろう。このように,ミャンマーは,イラワジ,サルウイーンの大河の他にも,隠れた立派な川が存在する,別に隠れているわけではないが,国の隅っこに,重要な川が流れる。

ミャンマーの東南端,サルウイーンのの河口から更に南に下ったところに,これもタイの国境から流れ下るテナッサリン川がある。ここも当然,タイは目を付けていたが,カレン族がいて治安が悪く,今までは動けなかった。しかし,軍隊のよって守られながら水力開発を行うことを中国に教えて貰ったミャンマーは,ここにも大隊を駐屯させて,タイのダム開発を助けるという。ここがシンガポールに近く,その企業も参加していることに注目。

果たして,軍隊で抑えてこのような重要なダムやガスパイプラインを築造して行くことに,ミャンマー軍事政権や湖錦濤主席,タイ政府などは,心配でないのだろうか。イタリアに着いた湖錦濤主席は,新疆ウイグル自治区の騒乱(注2)には,一言も触れなかったという。騒乱がこれ以上大きくなると,そのままで国際会議におれなくなるだろうし,ミャンマー軍事政権も,中国がこれを如何に納めるか,じっと見守っていることだろう。

(注1) http://www.asahi.com/international/update/0704/TKY200907030620.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090707AT2M0701B07072009.html


本文

●ミャンマーのアラカンで水力のために6村落移住へ

Six villages located near the proposed site of a hydropower plant in Burma’s western Arakan state have been displaced by Burmese military, with added concerns that civilians nearby will be forced to help build the plant. The villages, near to Buthidaung township, are home to the Khami ethnic group, whose numbers are reportedly “very low already”, according to the All Arakan Student and Youth Congress (AASYC), who have been monitoring the plant’s impact on the local area.


ミャンマーの西部,アラカン州(注5)の水力開発,特に具体的な地点名,サイディン水力プロジェクト(注14)については,2009年4月4日付本HP(注16)で報告している。2009年3月着工,アラカン地方の電力供給を目的に開発されると。中国政府の支援で,5年かけて,2014年に完成の予定である。サイディン水力プロジェクト(注14)はブティダウンの南東30マイルの位置にあり,アラカン最大のサイディン滝(注9)を利用する。

なおこの地点の開発については,ウヌー政府時代,1952年に,地点調査に当たっていた外国人エンジニアーが,ビルマ共産党(注10)のグループによって殺害される事件があり,作業は中止された,とされている。今日の記事では,この殺害された外国人エンジニアートは日本人である,と書かれている。この話は聞いたことがないが,当時,ビルマで大活躍の日本工営と関係しているのであろうか。

さて,今日の記事は,「民主ビルマの声」DVB(注4)の記事で,この70MWのサイディン水力プロジェクト(注14)による軍隊の荒っぽい工事の推進を報告しようとしている。カラダン川(注13)は,河口を港町シットウエー(注17)に持つ大河で,ほぼ直線的に北の方向から流れ下っている。上流は,インドのアッサム地方を水源としているようで,ミャンマーとの国境ではミゾラム州(注18)に入り,インドが通商路の開発に目を向けている。

このダムサイトの近くに住む6人の村民が強制移住をされ,付近の住民が強制労働に駆り出されている,推進の主体はミャンマー軍である,と。この地域の少数民族はカミ族(注7)で,ブティダウン地区(注6)に居住するが,非常に少なくなっている。全アラカン学生青年会議AASYC(注8)のが,この付近の政府の動きを監視している。

AASYC(注8)によると,昨年,2008年に,150人の村民が無償で駆り出されたジーチャウンダム(注12)の建設と同じ方法がとられているという。ERI(注15)など国際的な人権グループは,中国のガスパイプライン建設と深い関係があると見ている。軍部がダム建設に動く方式は,ミャンマーの一般的な方法で,軍隊は,地域のために電気を造っている,と言っている。

(注)A (1) 090707A Myanmar, www.dvb.no,(2) title: Six villages relocated for Arakan hydropower plant,(3) http://www.dvb.no/english/news.php?id=2657,(4) June 25, 2009 (DVB),Reporting by Daniella Nayu,(5) Arakan state,(6) Buthidaung township,(7) Khami ethnic group,(8) All Arakan Student and Youth Congress (AASYC),(9) Sai Dan waterfall,(10) Burmese Communist Party,(11) Kim Weistrich, from the AASYC’s Anti-River Development Campaign,(12) Zee Chaung dam,(13) Kaladan river,(14) 70MW Sai Din hydropower plant,(15) Matthew Smith of advocacy group EarthRights International (ERI),(16) http://my.reset.jp/adachihayao/index090404A.htm,(17) Sittwey,(18) Mizoram,(19)

今日の参考資料

●090707A Myanmar, www.dvb.no
ミャンマーのアラカンで水力のために6村落移住へ
Six villages relocated for Arakan hydropower plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090707A.htm

http://www.dvb.no/english/news.php?id=2657

最近の関連資料

●090624C Myanmar,irrawaddy
ミャンマーの水力をバングラデシュに輸入する計画で協議
Bangladesh, Burma Firm in Electricity Power Station Talks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624C.htm
●090404A Myanmar, narinjara
ミャンマーのアラカンでサイディン水力着工
Sai Din Hydropower Project Resumes
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404A.htm
●090204A Myanmar, narinjara
ミャンマー軍事政権,中央部とアラカンの鉄道計画
Arakan and Central Burma to be Connected by Railway
http://my.reset.jp/adachihayao/index090204A.htm
●090115A Myanmar, narinjara.com
ミャンマーのアラカン山脈,600MW発電可能
Over 600 Megawatts to be Produced in Arakan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115A.htm
●081125C Myanmar, mathaba
ミャンマーとインド,経済協力の促進を確認
Myanmar, India to cement economic and trade ties
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125C.htm


●ミャンマーの東部のテナッセリム水力で調査活動

Thai surveyors and Burmese authorities are surveying the Tenasserim River, in Burma’s southernmost Tenasserim Division, for a potential dam site to generate electricity for export to Thailand and Singapore. Sources in the area said Thai authorities have placed a representative in Tenasserim Division to observe river levels and to record water levels both during the rainy and summer seasons.

サルウイーン本流でダム計画が進む中,このミャンマーの最東端の川,テナッサリム川(注5)は,まさにタイの裏庭という感じで,水力発電所建設の絶好の位置にあると言っても良い。これまで開発が遅れてきたのは,カレン族とミャンマー正規軍の関係がすこぶる悪く,常に人権問題と背中合わせの地域だからであろう。今日の報道も,カレン側の情報である。

タイは駐在員をこのテネッサリム地区(注6)に常駐させて,ダムサイトの可能性を調査している,それは電力をタイ及びシンガポールに輸出することを視野に入れている。現在,乾期と雨期の両方で,測水作業を実施中だ。現地住民に委託し,時期記録計の設備も預けている。一度,2008年12月25,26日に,タイの測量隊とミャンマーの軍隊が現地に入った。

カレン族同盟KNU(注8)によると,これは2度目の調査で,目的は,テナッサリン水力(注9)の建設にある。最初の,2007年の0調査では,KNU(注8)によってGPS(注10)などの機器を没収される事件が起こっている。ダムサイトの候補は二つあり,一つは上流サイトで,レルパド村(注11)の近く,もう一つは下流で,ムロ村(注12)の近くであり,二つのサイトは船で3時間ぐらい離れている。

このプロジェクトに関するミャンマー政府側との署名は終わっており,相手は,タイのイタルタイ(注15)とシンガポールの風力企業(注16)で,署名は,2008年10月9日に行われた,とミャンマー紙(注13)が報じている。規模は,600MWと言われている。ミャンマー軍司令部が,協定によって,レルパド村(注11)とタイボーナ村(注18)に置かれている。

地元には何の相談もない,と地元民は言っているが,11村落が影響を受けると言われている。カレン族同盟KNU(注8)は,今後とも監視を続ける,と言っている。

(注)B (1) 090707B Myanmar, mizzima,(2) title: Tenasserim hydropower project under survey,(3) http://www.mizzima.com/news/inside-burma/2362-tenasserim-hydropower-project-under-survey.html,(4) by Ko Shwe,Friday, 26 June 2009 15:45,New Delhi (mizzima),(5) Tenasserim River,(6) Tenasserim Division,(7) water-measuring equipment,(8) Karen National Union (KNU),(9) 600MW Tenasserim hydropower project,(10) Global Positioning System (GPS),(11) Ler Pa Doh village,(12) Muro village,(13) New Light of Myanmar,(14) Ministry of Electric Power No. 1,(15) Italian-Thai Development Public Co. Ltd.,(16) Singapore's Wind Fall Energy Services Ltd,(17) Burmese Army battalions,(18) Thay Baw Nah village, (19)

今日の参考資料

●090707B Myanmar, mizzima
ミャンマーの東部のテナッセリム水力で調査活動
Tenasserim hydropower project under survey
http://my.reset.jp/adachihayao/index090707B.htm

http://www.mizzima.com/news/inside-burma/2362-tenasserim-hydropower-project-under-survey.html

その他の関連ユース

●090707C Myanmar, mizzima
ミャンマーは経済制裁にも係わらず外国投資は150億ドルに達している
Foreign investments soar in Burma despite economic sanctions
http://www.mizzima.com/news/inside-burma/2410-foreign-investments-soar-in-burma-despite-economic-sanctions-.html



2009年7月5日分 ー ブータンの水力10,000MWを2020年までに ー

昨日からブータンに取りかかって苦しんでいる。米国のEIAの報告書の記事は,先日も読んだが,世界の電力の中で再生可能エネルギーの占める割合は16%,これを2030年に20%に上げる必要がある,と書いてあって,よく読んでみると,頼りになるのはインドと中国の中規模,大規模な水力開発である。要するに,先進国などが太陽光や風力へ努力しても殆ど地球には影響せず,頼みは,これらの国なのだ,と言うこと。

その意味で,先日はインドのシッキムの水力開発計画を見てきたが,そのきめの細かさというか,考え方は地形が地形だけに,日本がやってきた水力開発によく似ている。ブータンについても,シッキムに似たような水力開発を進めるべきであるが,インフラが大変で,そこまでのきめの細かさは求められない。それにしても少し大雑把ではないか,と思われるところがある。

地形図や資料が不足で,本当のことはよく分からないが,250mの高さのダムを造って,3億トンを貯めて,900MW発電,などと言われると,少しこれは検討不足ではないか,と思われるところがある。しっかりと10地点の提案がなされて,一部は既にインドの企業も入っている。おそらく元々インドのエンジニアーが計画したのであろうが,インドの洪水を対象にしたものなどが多く,再検討が必要ではないか。

それにしても,ブータンでプロジェクト形成を行うのは,その道路や宿泊設備のことを考えると,少し大変なような気がする。ネパールも同じことだが,世界が期待しているインド北辺の水力開発,それも特に,ブータンやネパールについては,もう少し国際的な枠組みで,調査,計画,インフラ建設など,総合的に取り組むべきではないか。


本文

●ブータンとインドが水力開発を急ぐことで合意

India and Bhutan will hold a meeting of the Empowered Joint Group to fast-track implementation of hydropower projects next month. The first meeting of this group was held in New Delhi in March 2009 after the signing of the Protocol to the 2006 Agreement on Cooperation in Hydropower.

昨日から悪戦苦闘,ブータンとインドが2020年までに10,000MW開発,の報道は前から出ていたが,11地点の場所の特定に苦労して四苦八苦した。まだ東の方はよく分からないが,とにかく地図に落としてみた。誰か詳しい計画の地図の所在を知っていたら教えて下さい。ブータンとインドの水力開発に関する基本合意は,2006年の協定(注7),更にその確認のため,ブータン側が2009年3月にデリーを訪れている。

今回,ブータンのティンリー首相(注8)が,2009年6月28日から7月3日までデリーを訪れて,新しく再任されたインドのシン首相(注9)と会って,進捗を確認すると同時に,2020年までの10,000MW開発の協力を確認した。また両者は,ティンプーで開催が決まっている第16回SAARC首脳会議(注11)に関し,インドが全面的に協力することも,確認し合った。

今日はここで,促進が確認された水力プロジェクトで,いくらかでも分かっている情報で概要を書きとどめておく。サンコシュ多目的貯水池プロジェクト(注12)は,位置的にはサンコシュ川の最下流と思われる。インドにも影響を与える灌漑と洪水調節を兼ね備えた大貯水池計画で,発電は,500MW機8台,20MW機3台,合計で4,060MW,おそらくインド側とブータン側への供給を分けたものと思われる。

クリガングリ水力(注13)は,1,800MWと言う大規模開発だが,場所も詳細も分からない,東部だろう。チャムカルチュ水力(注14)は,チャムカルチュ川とマンデチュ川の合流点,ゴンプー(注23)の近くと思われる。出力は670MW,ダムはコンクリート重力式で,高さ65m,11.8kmの導水路を持つ,落差は570m,NHPCが手がけている。落差等から見て支流かも知れない。

プナチャンチュ(注15,16)は,有名なので省略。ワンチュ貯水池プロジェクト(注17)は,もっとも西の水系,ワンチュ川の最下流と思われる。258mのダムの高さで計画中で,HWL490m,池容量362百万トン,225MW機4台,合計出力900MWである。インドのSJVNLが進めている。

(注)A (1) 090705A Bhutan, news.smashits,(2) title: India, Bhutan agree to fast-track implementation of hydropower projects,(3) http://news.smashits.com/401942/India-Bhutan-agree-to-fast-track-implementation-of-hydropower-projects.htm,(4) Posted: 12:16a.m. IST, July 3, 2009,New Delhi, July 3 (ANI),(5) Empowered Joint Group,(6) fast-track implementation of hydropower projects,(7) Protocol to the 2006 Agreement on Cooperation in Hydropower,(8) Bhutan Prime Minister Thinley,(9) Prime Minister Dr. Manmohan Singh,(10) Bhutan,(11) 16th SAARC Summit in Thimphu in April 2010,(12) Sunkosh reservoir - 4,000 mw (Inter-Govt),(13) Kuri Gangri - 1,800 mw (Inter-Govt),(14) Chamkarchu - 1,670 mw (Joint Venture),(15) Punatsangchu 1 - 1,200 mw (Inter-Govt) Tendered out,(16) Punatsangchu 2 - 1,000 mw (Inter-Govt),(17) Wangchu reservoir - 900 mw (Joint Venture),(18) Mangdechu - 720 mw (Inter-Govt),(19) Amochu reservoir - 620 mw (Inter-Govt),(20) Kholong Chu - 486 MW (Joint Venture),(21) Bunakha reservoir - 180 MW (Joint Venture),(22) Gongphu,(23)

今日の参考資料

●090705A Bhutan, news.smashits
ブータンとインドが水力開発を急ぐことで合意
India, Bhutan agree to fast-track implementation of hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090705A.htm

http://news.smashits.com/401942/India-Bhutan-agree-to-fast-track-implementation-of-hydropower-projects.htm

最近の関連資料

●090402B Bhutan,rttnews
ブータンのプナチャンチュ水力はインドのL&T社へ
L&T Secures Rs.1,245 Cr. Hydropower Project From Bhutan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402B.htm
●090130B Bhutan, Economic Times
ブータンのダガチュ水力開発,インド企業へ
Maytas lowest bidder for Bhutan hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090130B.htm
●090108B Bhutan, Kuensel
ブータン,ダガチュウ水力のパートナー,不確定に
Dagachu power partner under cloud
http://my.reset.jp/adachihayao/index090108B.htm

最近の関連ユース

●090705B Bhutan, kuenselonline
ブータンの水力にとってインドの会議派の勝利はどう影響するか
Observations from the Indian elections for Bhutan
http://kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=12561
●090705C Bhutan, kuenselonline
ブータンの経済は1985年から2009年で飛躍的に拡大
Bhutan’s big jump 1985-09
http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=12571
●090705D Bhutan, xinhuanet
ブータンをインドの外務大臣が訪問
Indian FM visits Bhutan
http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/19/content_11567242.htm


2009年7月3日分 ー インドのシッキムの510MWティースタ第5水力が竣工式 ー

インドが気候変動のもっとも受けやすい地域の一つ(注1),として,インド軍がテロリストの国境侵入に神経を尖らせているという。氷河の熔解と共に,不規則なモンスーンの影響で,農業や水力発電が影響を受ける,と考えているようだ。炭酸ガスはともかく,地球の温暖化が気候変動のサイクルの中に入ってきたとすると,島嶼国家ばかりでなく,ヒマラヤを有するインドなども脅威となって来るという。

それとあってかあらぬか,インドの雨期を現出するモンスーンの来襲が遅れ,水力発電所の出力が40%も落ちて,石炭火力とガス火力がフル稼働で対応しているという。先日生産を開始したKG流域ガスのお陰で,ガス火力がフル回転で,これがなければ大変なことだった,と言っている。しかし,後,10日か20日の間に雨が降らなければ,強制停電の可能性が増えるという。

雨は降らないが,ヒマラヤの氷河の融解で,ヒマチャルプラデシュ州の,4年前に完成した,1,500MWのナトパ−ジャカリ水力発電所は,好調な運転を続けているようだ。インダス河上流のサトルジュ川だが,65mのダムで27kmの水路を引くという,世界最長の発電トンネルを持っている。中国人のやることもすごいが,インド人のやることもすごい。大陸の中と島国では,発想も違ってくると言うことか。

ネパールとブータンの間に,インドのシッキム州がある。ここは元々,英領インドと中国が領有権争いをやっていて,国境問題の話し合いが着いたのは,やっと2005年だ,と聞いて驚いた。このシッキムには,ガンジス川に流れ込むティースタ川が州の北のヒマラヤから南に流れ落ちており,水力包蔵が豊富である。その一つ,NHPCが昨年,2008年5月に運転開始したティースター第5ダムの竣工式が,明日行われる,510MW。

このプロジェクトもすごくて,ティースタ川本流沿いに17kmの導水路トンネルと持つ。シンディ電力大臣が忙しくて,竣工式が今まで延びていたという。このダム地点は,相当に北,ティースタ川の上流部になる。インド北辺は本当に発電所を造っているのか,と心配だったが,今日の,1500MWのヒマチャル,510MWのシッキム,と現実に出来た発電所を見て,少し安心かなと。

イラク油田に日本が新日石など総力戦展開(注2),で発電所建設も申し出ながら,懸命の官民一体の交渉が続いているようだ。ライバルは中国とか,日本が軍隊を出していなかったら,欧米から何を言われたか分からないが,中国は堂々と入札争いに参加できる分けか。今日は,シッキムにこだわって山の中を歩いている間に時間が過ぎてしまった。 

(注1) http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090702/36927.html
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200907030011a.nwc

本文

●インドのシンディ電力大臣が510MWティースタ5水力の竣工式

The union power minister Mr Sushil Kumar Shinde is likely to dedicate the 510 MW Teesta V project of NHPC in Sikkim to the nation on July 4. The project, already commissioned, had been performing exceedingly well during the last couple of months, contributing significantly to the national hydropower pool.

インドのヒマラヤのしたの水力開発はよく取り上げてきたが,シッキム(注8)の記事は少ない。改めてこのブータンとネパールに挟まれたティースタ川(注16)の地図を眺めていると,心躍る感じに浸って,時間だけ経ってしまう。中国政府がシッキムをインド領として認めたのは,2005年だと聞いて驚いた。中印両国に挟まれたネパール系民族の旧王国は,8,593mのカンチェプジュンガから流れ落ちる水の豊富なティースタ川(注16)が中心。

ティースタ第5水力(注7)は,ティースタ川(注16)のかなり上流で,ディクチュ(注17)の町の近く,ティースタ川(注16)左岸の支流,ディクチュ(注17)川の合流点に,高さ96.45m,長さ182.5mのコンクリート重力式ダムを造って,ここから延々,17.5kmの導水路トンネルによって,下流の町,バルタール(注18)の近くに発電所を設け,510MWを発電する。落差や流域はよく分からないが,全体としては黒四を凌ぐ。

NHPC(注9)によるプロジェクトで,シッキム州も12%の資本を持つ。1999年に工事が始まっているが,2006年完成の予定がやや遅れて,昨年,2008年に完成して,既に運転をしているようだ。シンディ電力大臣(注6)の都合で,明日,2009年7月4日に竣工式を行う。運転は順調に推移していると書かれている。317MW機3台で,出力510MW,事業費は,260億ルピー,約5.43億ドル相当,である。

電力は,西ベンガル州など(注11)4州を主体に送電されるが,CERE(注12)が承認した売電単価は,KWh当たり1.62ルピー,約3.38セント,と経済性はよい。NHPC(注9)によると,ティースタ川(注16)には,流れ込み式(注15)の6カ所の3,635MWの発電計画があり,NHPC(注9)は,第5と第4(注14)を担当している。なお,ティースタ第5水力(注7)の乾期に於ける90%確率の発電量は,25.73億KWhである。



(注)A (1) 090703A India, economictimes,(2) title: Power minister to dedicate 510 MW Teesta V to the nation,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Power-minister-to-dedicate-510-MW-Teesta-V-to-the-nation/articleshow/4729413.cms,(5) 2 Jul 2009, 1731 hrs IST, Debasis Sarkar, ET Bureau,SILIGURI,(6) union power minister Mr Sushil Kumar Shinde,(7) 510 MW Teesta V project,(8) Sikkim,(9) NHPC,(10) Mr D Parija, executive director (West Bengal and Sikkim) of NHPC Limited,(11) West Bengal, Bihar, Orissa and Jharkhkand,(12) Central Electricity Regulatory Commission,(13) Mr D Chattopadhyay, NHPC chief engineer,(14) Teesta V and IV,(15) Run of the River kind,(16) Teesta river,(17) Dikchu,(18) Balutar,(19)

今日の参考資料

●090703A India, economictimes
インドのシンディ電力相が510MWティースタ5水力の竣工式
Power minister to dedicate 510 MW Teesta V to the nation
http://my.reset.jp/adachihayao/index090703A.htm

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Power-minister-to-dedicate-510-MW-Teesta-V-to-the-nation/articleshow/4729413.cms

最近の関連資料

●090525B India, livemint
インドの北東地域と中央部を結ぶ送電計画に遅れ
Power transmission project to link North-East delayed
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525B.htm
●090202B India, Economic Times
インド,小水力の未開発地点は,80%残っている
India yet to tap 80 pc of small hydropower potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index090202B.htm
●081129C India, Economic Times
インド,水力開発,地方電化で優先資金獲得
Hydro projects, rural power to get priority funds
http://my.reset.jp/adachihayao/index081129C.htm


●インドは雨量少なく水力の出力落ちでガスと石炭火力がフル稼働

With deficient monsoon reducing hydropower generation in the country by around 40 per cent, the power ministry has started stressing more on power from coal and natural gas. The ministry has said that gas-based power plants are running near full capacity for the first time, helping the country marginally offset the shortfall in hydropower generation.

日本は梅雨の雨に襲われて豪雨となっている。インドはモンスーンの来襲が遅れて,水力発電所の出力が落ちて,いつモンスーンがやってくるか,測候所と水力発電所が連絡を取りながら,気をもんでいる。現時点で,水力の出力の40%が落ちて,天然ガスベースの火力発電所が,史上初めてフル稼働しているという。それも,最近開始したリライアンスン(注12)のKG流域ガス田(注13)からの供給が始まったからだ。

水力発電所は,この2週間で,36,000MWから25,000MWに落ちている。一方で需要は,3,900MW増大した。水力の落ちは,昨年,2008年の同じ2週間と比べ,不足量が,7,200万KWhから1億2,600万KWhに増えた。72時間以内の降雨を期待しているが,2009年7月10には,緊急措置を講じなければならない。ガス火力は,KG流域ガス田(注13)からの供給で,2,000MW増え,全部で,14,000MWが稼働している。

僅か2,000MWの増分ガス火力も,大いに助けになっている。石炭火力も,800MW増加,NTPC(注14)は,殆どメインテナンスをやっていないと言う。水力への水量は全国で,標準の毎秒20,000トンから15,000トンに減っている。今のところ,供給は続いているが,後,10〜20日,モンスーンが遅れると,大変なことになる。NHPC(注15)は,5175MW,4%の水力を持つが,殆ど流れ込み(注16),ヒマラヤ氷河(注17)が頼り。

NHPC(注15)の子会社であるナルマダNHDC(注18)は,貯水池が多く,マディアプラデシュ(注20)の1,000MWのインディラサガール水力(注19)を含め,1,500MWの設備を持つ。しかし,全部で174の水力発電所の60%はインド北部にある。アッサム(注21)とメガラヤ(注22)には若干の降雨があったが,殆どの水力は,アルナチャルプラデシュ(注23)に集中している。

リライアンスン(注12)のガス生産は,80mscmd(注24)に増え,電力への配分も,18mscmd(注24)から,36〜40mscmd(注24)に,2009年12月末には,増える予定である。電力省のブラーマ次官(注7)は,2020年までには原子力発電所を増設して,石炭と水力依存のインドの電力体質を変えなければならない,と言っている。

(注)B (1) 0907903B India, business-standard,(2) title: Government looks at coal, gas to beat power shortfalls,(3) http://www.business-standard.com/india/news/government-looks-at-coal-gas-to-beat-power-shortfalls/362303/,(4) Sudheer Pal Singh & Jyoti Mukul / New Delhi June 28, 2009, 0:05 IST,(5) Ministry of Agriculture,(6) meteorological department,(7) Directorate General of the Indian Meteorological Department,IMD,(8) Power Secretary HS Brahma,(9) Chhattisgarh,(10) North Andhra Pradesh,(11) Andaman & Nicobar islands,(12) Reliance Industries (RIL),(13) Krishna-Godavari (K-G) field,(14) National Thermal Power Corporation,NTPC,(15) National Hydroelectric Power Corporation (NHPC),(16) run-of-the-river (RoR),(17) Himalayan glaciers,(18) Narmada Hydroelectric development Corporation (NHDC),(19) 1,000-Mw Indirasagar reservoir-based project,(20) Madhya Pradesh,(21) Assam,(22) Meghalaya,(23) Arunachal Pradesh,(24) million standard cubic metres a day (mscmd),(25)

今日の参考資料

●0907903B India, business-standard
インドは雨量少なく水力の出力落ちでガスと石炭火力がフル稼働
Government looks at coal, gas to beat power shortfalls
http://my.reset.jp/adachihayao/index0907903B.htm

http://www.business-standard.com/india/news/government-looks-at-coal-gas-to-beat-power-shortfalls/362303/

最近の関連資料

●090531C India, hindu
インドのシン新政権誕生で電力改革と地方電化を推進へ
Big push to rural electrification on cards
http://my.reset.jp/adachihayao/index090531C.htm
●090507A India,livemint
インドの迫り来る夏の電力不足は12%に達する
India has 12% power shortage, figure may get higher experts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090507A.htm
●090409B India, economictimes.indiatimes
インドの閣僚会議がKGガスの電力への供給開始を承認
Power list gets nod for KG gas
http://my.reset.jp/adachihayao/index090409B.htm
●090405B India, Economic Times
インドのリライアンスのKGガス生産開始はエネルギー界に活性
Energy boost for India as KG gas flows
http://my.reset.jp/adachihayao/index090405B.htm


●インドのヒマチャルの1,500MWナトパジャカリ水力が順調運転

Having clocked a generation of 1069 million units in June, Satluj Jal Vidyut Nigam (SJVNL) that operates the country’s largest 1500 MW Nathpa-Jhakri hydropower plant bettered in previous best of 976 MU in 2007 for any given month record generation.

インド,ヒマチャルプラデシュ(注8)をほぼ東から西に流れて,バクラダムを経て,パキスタンに入り,インダス河に合流するサトルジュ川(注11),その中流部に,SJVNL(注5)が造った,1,500MWのナトパ-ジャクリ水力発電所がある。高さ56mのコンクリートダムと,世界最長と思われる導水路トンネル27kmで地下発電所に導いている。最初の運転は,2004年,と記録されているが,土砂流に悩まされた形跡がある。

今回,2009年6月の実績が発電開始以来最大を出して,喜びに包まれている。2009年6月の発電量は10.69億KWhで,2007年の月976億KWhを越えた。この発電実績によって,デリーを初め9つの州(注8)が大きな便益を得た。ヒマチャルプラデシュ州(注8)も,25%の資本参加と,12%の無料電力で潤った。2008〜2009年度は,66.09億KWhで,計画の66億KWhを越えている。

(注)C (1) 090703C India, himachal,(2) title: Nathpa-Jhakri 1500 MW plant in Himachal achieves record generation in June,(3) http://himachal.us/2009/07/01/nathpa-jhakri-1500-mw-plant-in-himachal-achieves-record-generation-in-june/13861/news/ravinder,(4) Posted by Ravinder Makhaik on Jul 1st, 2009 in Business, News. Follow comments via RSS 2.0.,Shimla,(5) Satluj Jal Vidyut Nigam (SJVNL),(6) 1500 MW Nathpa-Jhakri hydropower plant,(7) Vijay Verma, SJVNL spokesman,(8) Delhi, Haryana, Punjab, Rajasthan, Uttar Pradesh, Uttrakhand, Chandigarh, J&K and Himachal Pradesh,(9) NC. Bansal, general manager Nathpa-Jhakri,(10) Satluj river,(11)

今日の参考資料

●090703C India, himachal
インドのヒマチャルの1,500MWナフタジャカリ水力が順調運転
Nathpa-Jhakri 1500 MW plant in Himachal achieves record generation in June
http://my.reset.jp/adachihayao/index090703C.htm

http://himachal.us/2009/07/01/nathpa-jhakri-1500-mw-plant-in-himachal-achieves-record-generation-in-june/13861/news/ravinder

最近の関連資料

●090531B India, sindhtoday
インドの首都デリーはヒマチャルの水力発電増加の恩恵を受けている
Delhi benefits from record hydropower in Himachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090531B.htm
●090130A India, thaindian
インド,ヒマチャルプラデシュ,ADBローン支払いへ
ADB to release first tranche of loan to Himachal soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090130A.htm
●090120B India, newspostonline
インドのヒマチャルプラデシュ,13水力を認可
Himachal Pradesh approves 13 hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120B.htm

その他のニュース

●090703D India, dnaindia
インドのパテルがアルンチャルの120MWゴングリ水力など土地手配
Patel Engg nears land buys for power plants
http://www.dnaindia.com/money/report_patel-engg-nears-land-buys-for-power-plants_1270558
●090703E India, himachal
インドのヒマチャル州が州内のプロジェクトと水文資料交換の協定
Himachal Signs MoU With Hydropower Producers For Sharing Hydrological Data
http://himachal.us/2009/06/30/himachal-signs-mou-with-hydropower-producers-for-sharing-hydrological-data/13847/general/himachal-news
●090703F India, Economic Times
インド政府はリライアンスの自己企業ガス価格234百万Btuに違反と判断
Govt may take action against RIL on KG gas
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Govt-may-take-action-against-RIL-on-KG-gas/articleshow/4722430.cms



2009年7月2日分 ー ラオスの電源開発とメコン本流ダム ー

メコン・インド経済回廊(注),余り聞き慣れない概念だが,日本政府が考えているという。ベトナムを民主主義国家とは言わないが,ASEANに入ってくれば民主主義国家扱いとなる,と言うのも変か,ミャンマーがあるから。でも,日本政府はベトナムも自分たちの仲間と考えている。高速道路を,ホーチミン,プノンペン,バンコクと繋いで,インドの東岸に至る,地図で見ると,北緯10度〜15度の範囲でほぼ直線である。

メコン河とインドを結ぶ回廊だ,と書いてあるが,随分,こじつけた回廊のような気がする。この想定回廊は,インド洋で,中東ーミャンマ西岸ー雲南省,と結ぶ中国の原油回廊と,一点で交差する。この辺りに,やや東より,ミャンマーの先端に,アンダマン諸島があって,その中心都市であり港であるポートブレアが東経93度20分にある,これが面白いことに,インド領になっており,ここはインド海軍のインド洋の根拠地なのである。

中国は,中東からの原油や場合によってはLNGを,ミャンマーの西海岸の港,シットウエーに運ぶために,中国海軍を展開することになるだろう。そうすると,きわどいところでインド海軍と中国海軍が,互いに交差する回廊付近で出会うことになる。メコンとインドを結ぶ,という発想は,経済産業省か外務省か分からないが,一生懸命地図を睨みながら,この線を引いたのだろう。

このアンダマン諸島は,線をたどればインドネシアのスマトラの先端から延びて来ているので,原油や天然ガスの宝庫であるインドネシアのアチェとは地続き,とは言わないけれど,同じ系列の列島弧だから,アチェのガスとミャンマーのガスが確認されて,アンダマン諸島にガスがないわけがない,と素人は考える。もっとも,わざわざアンダマンまで行かなくても,と言うことだろうが,メコン・インド経済回廊の線を引いた人は,調べてみるとよい。

このように,インドと結ばれるメコン,インドシナ大陸,ASEANの電源地帯を目指すラオスは,年末に期待されている,1,088MW,ナムトウン2水力の完成が近づいてきて,国庫収入の夢が現実となってきた。我々は,投資した者しか便益は受け取れませんよ,法制度を整備してロイヤリティをとらねば,と忠告してきたが,結果的にラオス政府自ら25%の資本を持って,堂々と便益を受け取れる。

また今日は,最近大いに騒がれているメコン本流のダム開発計画に対する環境グループの反対活動が激化している。メコンの下流域にダムを造ることは不可能の近い,と私は思っている。住民の問題もあるが,低ダムでは発電が非常に難しいからだ。11ダムの計画があると言うが,20年前の計画を再び出してきたものだ。果たし低ダムで可能性があるのかどうか,頑張っている人に聞いてみたいと思う。

今まで余り出てこなかったメコンデルタの関係者の,上流中国のダムへの不満が大きくなってきている。ダムは中流に造るよりも上流に造った方が造り安いし効果も大きい,と考え,中国のダムは大きな効果を下流にもたらす,というのが原則論だ。メコンデルタを救うためには,中国にダムを造って下流に渇水補給を行い,メコンデルタを救うのが正しいと思う。ベトナムの人は真剣に中国と技術論で,話して見ることを提案する。

(注) http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090615AT3S1300Z13062009.html


本文

●ラオスは2020年までにASEANの電源地帯となる

Laos has a plan to transform itself to become the battery of ASEAN by 2020 and so rid itself of the status of least developed country. “According to a government estimate it would be selling 7,000 megawatts of hydroelectric power to Thailand by 2015 and 5,000 megawatts to Vietnam by 2020,” said Mr Saypaseuth Phopsoupha, Director of Energy Promotion and Development of the Ministry of Energy and Mines.

20年前から聞きならされてきた言葉である,ラオスはインドシナ半島のバッテリーになると。バッテリーという言葉は必ずしも適当ではないが,でも,ラオスが地域の電源地帯となって,周辺校とウインウインの関係を築こう,それがラオスの貧困からの脱却に繋がる,と言われてきてから久しい。ナムトウン2水力(注7)の完成が近づくにつれ,やっと20年ぶりに,それが現実になろうとしている,ラオスはやや興奮気味である。

ラオスの政府も,名前を変えてスマートになった,エネルギー鉱工業省MEM(注8)と言うのか,MEMは,先週,2009年6月末,北の古都,ルワンプラバン(注9)で年次総会を開いたようだ。この会議を受けて,エネルギー開発促進局のサイパスート局長(注5)が記者会見をしているが,会議では改めて,水力建設を続けることにより,ASEANに電力を供給,収益は国庫に入り,貧困削減に使われる,と原則論を確認したようだ。

ラオス政府の想定によると,2020年までにこの水力輸出によって,ASEANの電源地帯としてのラオスの存在を確立し,最後進国の経済状態から脱却する。それは,2015年までにタイに7,000MWを,また,2020年までにベトナムに5,000MWを輸出する計画に基づいている。ナムトウン2水力(注7)をモデルとして,水力開発を全国展開する。その開発計画が,年次総会で協議された。

ナムトウン2水力(注7)に続く今後の計画としては,2010年には,ナムリク1−2水力(注11)とセカマン3水力(注12)が2010年に,ナムグム2水力(注10)が2011年に運転開始する計画である。

(注)A (1) 090702A Laos, enews.mcot,(2) title: Laos plans to become battery of ASEAN by 2020,(3) http://enews.mcot.net/view.php?id=10594,(4) LAOS, July 1 - (KPL),(5) Mr Saypaseuth Phopsoupha, Director of Energy Promotion and Development of the Ministry of Energy and Mines,(6) ASEAN,(7) Nam Thuen 2 hydropower,(8) Ministry of Energy and Mines,(9) Luang Prabang province,(10) 615MW Nam Ngum 2 hydropower,(11) Nam Lik 1-2 hydropower,(12) 218MW Sekaman 3 hydropower,(13)

今日の参考資料

●090702A Laos, enews.mcot
ラオスは2020年までにASEANの電源地帯となる
Laos plans to become battery of ASEAN by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702A.htm

http://enews.mcot.net/view.php?id=10594

最近の関連資料

●090617A Laos, news.asiaone
ラオスのナムトウン2水力の工事に遅れがでている
Laos's largest dam behind schedule company
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617A.htm
●090529B Laos, guardianweekly
ラオスはいよいよその持てる資源の便益を得る段階に
Laos taps it key resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529B.htm
●090407B Laos, isria.info
ラオスのルワンプラバンでナムモンMW水力が完成
A Japanese funded 70 mw dam supplies energy to six villages
http://my.reset.jp/adachihayao/index090407B.htm
●090102B Laos, thanhniennews
ラオス,ベトナム企業が,ナメット川で水力開発へ
Vietnam to build three hydropower plants in Laos
http://my.reset.jp/adachihayao/index090102B.htm
●081127C Laos, news.xinhuanet
新たな水力プロジェクト,ベトナムとの連携
New hydropower plants to be built in Laos
http://my.reset.jp/adachihayao/index081127C.htm


●メコン川本流のダム開発は水戦争を勃発させる

For now, the lower stretches of the Mekong River remain a symbol of peace and tranquillity in a region that was once bloodied by war. But for how long? That question is gaining attention following fears expressed by environmentalists that plans to build 11 large hydropower dams on the mainstream of Southeast Asia’s largest waterway could trigger a "water war."

最近に起きている一連の,メコン河下流域に於ける本流ダム建設の噂に,環境グループが反対運動を活発化させている報道の一つである。この記事の特徴は,メコン下流域沿岸諸国政府が,再生可能エネルギー開発の機運に乗って,民間による本流のダム開発を推進させている,との情報を元にしているが,このダム開発が,ベトナム戦争以来のメコン河流域の水戦争勃発に繋がる,と過激な点である。

ベトナムデルタ(注7)の問題については,前回も,主として上流域,中国領内のダムの影響について,ホーチミンの科学技術院(注6)から,影響が出ている,と抗議の記事があったが,ここでもベトナムデルタ(注7)の問題が主題である。「水がブロックされて海水が遡上し,稲作や漁業に大きな悪影響が出る」,と言うのがその主張である。影響はデルタの1,700万人に及ぶとしている。

「メコンを救え(注8)」のかけ声の元に,反対運動が広がっている。漁業への影響は,約6,000万人,20〜30億ドルの損失に及ぶ,と言っている。また,メコン河委員会MRC(注13)が攻撃されている。機関としての義務を果たしていない,その行動を促すと,関係政府に言ってくれ,と答えるだけだと。MRC(注13)も,化石燃料の削減に向かって水力を支持する立場にあると。中国のダムにも触れているが,渇水期の不規則な河川水位の変動が漁業に悪影響,と言う表現を使っている。

(注)B (1) 090702B Mekong, ipsnews,(2) title: Dams Across the Mekong Could Trigger a ‘Water War’,(3) http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=47367,(3) By Marwaan Macan-Markar,BANGKOK, Jun 25 (IPS),(5) Mekong River,(6) Ngo Xuan Quang, a specialist in aquatic ecology and biodiversity at the Vietnamese Academy of Science and Technology,(7) Mekong Delta,(8) Save the Mekong,(9) Mak Wangdokmai, from Thailand’s Roi Et province,(10) Carl Middleton, Mekong programme coordinator for International Rivers,(11) Irrawaddy Dolphin,(12) Mekong Giant Catfish,(13) Mekong River Commission (MRC),(14) Premrudee Daoroung, co- director of Towards Ecological Recovery and Regional Alliance,(15) Jeremy Bird, the head of MRC,(16) Tibetan plateau,(17) Manwan dam, (18) Dachaoshan dam,(19) 11 large hydropower dams on the Mekong,(20)

今日の参考資料

●090702B Mekong, ipsnews
メコン川本流のダム開発は水戦争を勃発させる
Dams Across the Mekong Could Trigger a ‘Water War’
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702B.htm

http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=47367

最近の関連資料

●090617B Mekong, rfa
メコン河上流のダム建設が下流域に脅威となっている
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617B.htm
●090601A Mekong, saigon-gpdaily
メコン河委員会が上流も含めた本流ダム開発を検討へ
Mekong body starts evaluating mainstream dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090601A.htm
●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529A.htm
●090428B Mekong,mizzima
メコン河本流のダム開発について環境グループの懸念
Environmentalists worried over impact of Mekong damning
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428B.htm
●081204B Mekong, phnompenhpost
メコン河委員会のダムに対する見解について
Dam wrong about Mekong River Commission's role
http://my.reset.jp/adachihayao/index081204B.htm
●081119E Laos, phnompenhpost
環境フォーラム,ラオスの南のダムは,下流に濁水被害
Lao dams muddying the waters
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119E.htm

その他の関連ニュース

●090702C Mekong, slowfood
メコン河流域の漁民など住民が本流ダム開発で関係政府に抗議
Fighting for the Mekong
http://sloweb.slowfood.com/sloweb/eng/dettaglio.lasso?cod=3E6E345B0f30127197IHt160F9F5
●090702D Mekong, news.asiaone
メコン河流域のダム反対の住民に世界がこぞって合流
World joins Mekong citizens in battle to stop dam building
http://news.asiaone.com/News/Latest%2BNews/Asia/Story/A1Story20090621-149910.html
●090702E Mekong, rfa
メコン河上流の中国のダムに対してメコンデルタから反対の声
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://www.rfa.org/english/news/vietnam/mekong-06162009095500.html

2009年7月1日分 ー スリランカの石炭火力が順調に推移 ー

スリランカが,「LTTEを完全制圧」,と宣言したのは,2009年5月20日である(注)。一生懸命,明石さんを押し立てて仲介を図ろうとした日本政府は,面目を潰された感じではあるが,それでも,あのゲリラ戦のなか,勇敢に支援を続けてきた日本のODAは,評価されてもいいだろう。JICAのコロンボ事務所長の椅子には,ゲリラの攻撃を受けた銃弾の跡が残っていた。

私は,スリランカは,日本,台湾,カンボジア,フィリッピンなどと共通点を持っていると思う。石炭資源に恵まれず,石油火力に頼らざるを得なくて,需要規模が小さい間に,電気料金がどんどん高くなっていった。スリランカは,日本政府は,アッパーコトマレなど,水力も支援したが,我々の狙いは輸入石炭による石炭火力だった。JICAやJパワーは,専門家を現地に送って,その可能性を追求した,2000年頃だろうか。

間に,JICAの中部電力によるマスタープランなどが入って,我々も大いに期待したが,進展が思わしくなかった。基本的には,地元住民などの反対で,JBICも動けなかったと言うことだろう。それでも私は,専門家まで送ったJパワーには大いに期待をしていたが,いつの間にか,日本勢は無気力になっていった。私は,如何に水力を助けても,大規模ベース火力がなければ,スリランカの発展はない,と見ていた。

スリランカのクマラトンガ大統領と中国の湖錦濤国家主席立ち会いの下に,最終規模,300MW3台,900MWの北西部沿岸,プットラム(注7)に,ノロッチョロイ石炭火力プロジェクト(注6)を,中国政府及び中国企業の支援で建設,2010年にも第1号機の運転開始の工程で,着工する,と合意したのは,2005年8月30日の北京であった。スリランカ政府が直ちに発表,建設が決まった。

私は,Jパワーが,石炭火力については手を出さない,中国に譲った,と言う基本方針が,Jパワー内部で決定されたと考えた。それからのJパワーは,カンボジアの大規模石炭火力の提案にも,その粘っこさが全く見られなくなっていった。結果として正しい判断であったとは思うが,一生懸命進めてきたスリランカの電力支援だけに,もう少し粘りが欲しかったが,怒濤のような中国の攻めに向かっていったら,溺死したかも知れなかった。

日本政府やJBICが,石炭火力やダムを支援しなくなったことも大きな原因だが,中国が造るインドネシアの石炭火力やスリランカの石炭火力で,大気汚染に関する日本の技術を適用できなかったことは残念だ。それにしても,日本が支援したときのスリランカ地元の反対は,大統領が中国の支援を発表した途端,反対運動がぴたりと止まってしまったのは,一体どういう分けだろう。今日の記事も深くは触れていない。

Jパワーが中国に譲ってしまった石炭火力開発だが,どうしても石炭火力を今後も続けなければならない国,インド,中国,ベトナム,タイなどでは,日本の石炭火力に関する環境技術を必要としており,そのために一生懸命努力している日本の人々を,私も知っている。二酸化炭素閉じこめは,おそらく経済性の壁に突き当たるであろうが,超臨界機器など,石炭火力の効率向上については,日本勢はメーカーも含め,まだ諦めていない。

(注) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090518D2M1802618.html

本文

●スリランカのノロッチョライ石炭火力建設が進展

With the President and the Government firmly behind the project, construction of stage one is moving ahead, to be followed by stages two and three in the same premises. Once completed, the power plant will have a total gross generating capacity of 900 MW. After discounting for the in-house consumption and losses in transmission, the power plant would provide about 850 MW of capacity to the national grid.

スリランカは,かってのカンボジア,台湾,日本,フィリッピンと環境が似ている。いずれもエネルギー資源がなく電気料金が高い。経済発展の差こそあれ,環境は非常によく似ている。我々は相当前から,スリランカのエネルギーを救うためには,輸入石炭による石炭火力を建設するより他にない,と言い続け,日本も専門家を送って支援の姿勢だった。でも,そこに現れたのは,発展を続ける中国であった。

過去の記事を紐解いてみると,2005年8月30日にスリランカ政府が発表,北京で,スリランカのクマラトンガ大統領と中国の湖錦濤国家主席立ち会いの下に,最終規模,300MW3台,900MWの北西部沿岸,プットラム(注7)に,ノロッチョロイ石炭火力プロジェクト(注6)を,中国政府及び中国企業の支援で建設,2010年にも第1号機の運転開始の工程で,着工が決まった。今日の記事は,技術者の書いた石炭火力の正当性である。

現在,第1号機の工事が30%まで進んだところだが,昨日,2009年6月30日,その第2号機,第3号機の工事着工のための署名式が行われた。記事では,最終的に所内使用を除いて,850MWとしている。現在のCEB(注8)は4つのディーゼル発電所,合計600MWで運転している。日本が支援したアッパーコトマレ水力については,ここでは記述がない。ククレ(注9)とウクエレ(注10)の水力は夜間ピーク供給用である。

1996年から2005年にかけて,あれほどうるさかった政治家,宗教家,環境グループ,科学者達の反対運動は,2008年に大統領が石炭火力の着工を宣言してからは,ぴたりと止まってしまった。あの眠っていたカルピティヤ半島(注11)は,今や開発で盛り上がっている。しかし依然として,ノロッチョロイ石炭火力プロジェクト(注6)は2つの議論を抱えている,環境と電気料金である。

環境問題は,CEB(注8)が,環境法(注13)に基づく地域環境庁(注12)の認可を得て解決している。まだ運転のための環境ライセンスEPL(注14)を得てその条件に従う必要がある。経済性の問題。ノロッチョロイ石炭火力プロジェクト(注6)の事業費は,第1号機が,450百万ドル,最終事業費は890百万ドル。これは,3地区(注16〜18)への送電線や石炭供給設備も含んでいる。耐用年数は30年。

割引率10%を適用すると,資本費は,KWh当たり1.77セント,石炭トン100ドルとして燃料費は4.2セント,維持管理費は1.25セント,合計でKWh当たり7.24セントである。原油が140ドルまで上がると,石炭も上がるとして,11.42セントになるだろう。石油火力は,原油価格がバレル70ドルだから,資本費が1.43セント,燃料費は7.61セント,維持費1.00セント,合計で石油火力はKWh当たり10.04セントである。

またLNG(注19)の問題だが,最近,オーストラリア企業から600百万ドルのLNG施設を無償で提供する,との申し出が報じられたが,ガス火力とするとこの企業の申し出を受けたとして,資本費137セント,燃料費8.21セント,維持費1セントで,LNG火力合計KWh当たり10.58セントである。その他,いろいろなケースを試算しているが,石炭火力との結論である。

(注)A (1) 090701A Srilanka, dailynews,(2) title: The significance of Norochcholai power plant,(3) http://www.dailynews.lk/2009/07/01/fea01.asp,(4) Dr. Tilak Siyambalapitiya,(5) photo: The Norochcholai coal power plant. Pictures by Sarath Weerasinghe,(6) Norochcholai coal power plant,(7) Puttalam,(8) Ceylon Electricity Board (CEB),(9) Kukule hydropower plant,(10) Ukuwela hydropower plant,(11) Kalpitiya peninsula,(12) Provincial Environmental Authority,(13) Environment Act,(14) Environmental Protection Licence (EPL),(15) CEA,(16) Veyangoda, (17) Chilaw,(18) Anuradhapura,(19) liquefied natural gas (LNG),(20)

今日の参考資料

●090701A Srilanka, dailynews
スリランカのノロッチョライ石炭火力建設が進展
The significance of Norochcholai power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090701A.htm

http://www.dailynews.lk/2009/07/01/fea01.asp

最近の関連資料

●090701B Srilanka, lbo.lk,050830
スリランカと中国が北京でノロッチョライ石炭火力で覚書署名
Norochcholai coal power plant agreement signed
http://www.lbo.lk/fullstory.php?newsID=1193840083
●080317C Srilanka, Lanka Bisiness Online
エネルギー専門家,LNG推進の危険性を警告
Sri Lanka energy expert warns against LNG push
http://www.lankabusinessonline.com/fullstory.php?newsID=1791634062&no_view=1&SEARCH_TERM=4



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