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夜話 その319回

 みなさんあけましておめでとうございます。 今年は巳年。蛇というと皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。自分の干支だけど「蛇は気持ち悪くて嫌い!」という方も多いと思います。人は蛇を恐れる一方で、神聖な存在、縁起のよい動物としてあがめてもきました。21世紀になった今日でも蛇への思いはさまざまかも知れません。
 蛇は生命力の象徴といわれて、脱皮を繰り返して成長する。脱皮は若返りや死からの再生と考えられており、蛇にはそのための強い生命力、知識があると信じられていました
 蛇が持って来た薬草で死者を復活させるグリム童語「三枚の蛇の葉」や、大蛇が人を食べた時の消化薬だという草を手に入れた男が、あるときそれを使ってみると自分が溶けてしまったという落語「蛇含草(じゃがんそう)」など、医薬にまつわる話もたくさん見られます。
 昔の人々は蛇に神秘的な力を感じていたようで。恐れと敬いは蛇を大地の神、水の神などとし、自然や生命を支えるものと深く結び付けたり、七福神の中で弁財天に化身するといわれるように、農耕には欠かせない水を司る神として崇めたてられ、特に白い蛇は豊穣の霊として大切にされてきました。
 問題が山積した時代の中で、蛇のイメージと同じように、豊かな恵と吉運が皆さんの基に来るよう、力強い歩みで堅実に一歩づつ、皆さんの希望に向って歩んでください。    

                                                                             団委員長 服部 慶治