足立隼夫の主張 22

インドトの電力事情と最近の主たる論点
(2003/12/18時点)


本稿は、平成14年12月、海外電力調査会自主調査団の一員として参加した前後に書きためたもので、このまままでは私自身のメモに終わってしまうので,この構成をベースに、今後出来るだけ情報収集に努め、随時更新してゆきたいと思っている。インドの国土面積は,カシミールを含めて316万5596km2,人口は10億4970万100人(2003年推計)。2003年1月31日現在に於ける発電事業者の発電設備の総容量は,107,533.7 MW で,このうち火力が 76,525.11 MW (71.1 %), 水力が 26,600.11 MW (24.7 %), 原子力が 2,720.00 MW (2.5 %),風力が 1,628.36 MW (1.5 %) となっている。地域別電源を大きさの順に主たるものを上げると,最大はマハラシュトラ州の 15,208.27 MW を最大とする西地域の 31,564.02 MW,2番目はパンジャブ州の 5,655.94 MW を最大とする北地域の 28,452.56 MW, 3番目がタミールナド州の 9,290.81 MWを最大とする南地域の 28,451.76 MW,4番目に西ベンガル州の 6,550.84 MW を最大とする東地域の 16,696.68 MW,5番目がアッサム州の 1,119.49 MW を最大とする北東地域の 2,309.41 MW である。


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1. インドの電力設備の現状

(1)発電設備の概要

インドの国土面積は,カシミールを含めて316万5596km2,人口は10億4970万100人(2003年推計)。2003年1月31日現在に於ける発電事業者の発電設備の総容量は,107,533.7 MW で,このうち火力が 76,525.11 MW (71.1 %), 水力が 26,600.11 MW (24.7 %), 原子力が 2,720.00 MW (2.5 %),風力が 1,628.36 MW (1.5 %) となっている。地域別電源を大きさの順に主たるものを上げると,最大はマハラシュトラ州の 15,208.27 MW を最大とする西地域の 31,564.02 MW,2番目はパンジャブ州の 5,655.94 MW を最大とする北地域の 28,452.56 MW, 3番目がタミールナド州の 9,290.81 MWを最大とする南地域の 28,451.76 MW,4番目に西ベンガル州の 6,550.84 MW を最大とする東地域の 16,696.68 MW,5番目がアッサム州の 1,119.49 MW を最大とする北東地域の 2,309.41 MW である。

(2)送電設備の概要

インドの送電系統は,各州ごとに行われている系統の制御を,州の間の連携を高めるために,地域ごとの電力運営協議会が設置されている。地域協議会毎の設備を概観する。北地域協議会管内(電源 28,452.56 MW)では,UP州に817回線kmの超高圧線,400KVは,ハリアナ州の1,789回線kmを最大として,7州7952回線km,220KVは,ラジャフスタン州の1032回線kmを最大として7州3248km,開閉所の総容量はハリアナ州の2025MVAを最大として7州合計6,620MVA,西地域協議会管内(電源 31,564.02 MW )では,400KV系統に関し,MP州の5,791回線kmを最大にして4州合計8,113回線km,220KV系統はグジャラート州のみで852回線km,開閉所の総容量はMP州の945MVAを最大に4州合計1,575MVA,南地域協議会管内(電源 28,451.76 MW )では,400KV系統に関し,AP州の2,762回線kmを最大にして4州合計5,634回線km,220KV系統はケララ州の156回線kmを最大に合計220回線km,開閉所の総容量はAP州の3,150MVAを最大に4州合計5,355MVA,東地域協議会管内(電源 16,696.68 MW )では,400KV系統に関し,西ベンガル州の1,287回線kmを最大にして4州合計3,722回線km,220KV系統は西ベンガル州の872回線kmを最大に合計952回線km,開閉所の総容量はオリッサ州の2,520MVAを最大に4州合計7,035MVA,北東地域協議会管内(電源 2,309.41 MW )では,400KV系統に関し,アッサム州の1,978回線kmを最大にして7州合計2,311回線km,220KV系統はナガランド州の320回線kmを最大に合計491回線km,開閉所の総容量はアッサム州の1,015MVAを最大に7州合計1,126MVA,全国合計で,HVDCが817回線km,400KVが27,732回線km,200KVが5,763回線km,開閉所の容量が21,711MVAである。

地域間連携は,北のUP州と西のMP州をHVDCで結ぶVindhyachal連携500MW容量,西のマハラシュトラ州と南のAP州をHVDCで結ぶChandrapur連携1,000MW容量,東のオリッサ州と南のAP州をHVDCで結ぶGazuwaka連携500MW容量,西のMP州と東のオリッサ州を220KVで結ぶKorba−Budhipara連携150MW容量,東のビハール州と北のUP州を220KVで結ぶDehri−Karmnasa1560MW容量の,合計5カ所で,更に,北のAP州と東のビハール州をHVDCで結ぶSasaram500MW連携が計画中である。

国家送電系統公社PGRID(Power Grid Corporation of India)は,地域内または地域間の電力輸送を目的として,1989年10月23日に設立された。現在,PGRIDが運用している設備は,400KV,220KV,132KV,HVDC併せて,13,000回線km(全国35790回線kmの36.3%),55開閉所28,000MVA(全国開閉所設備は21,711MVAとなっており要チェック)である。1999年現在工事中の設備は,北で800KVが920回線km,400KVが,北で1,607回線km,北東で333回線km,西で222回線km,開閉所が,北で2520MVA,西で630MVAである。国内の報告によると,PGRIDの設備投資資金は,政府借入15.3%,外国借款33.7%,起債42.7%となっているが,第9次計画における投資予定額は1,300億ルピーで,調達の構想は,自己資金20%,起債10%,国際金融機関27%,外国政府27%,その他ECBを含んで23%となっており,ECBは,JBIC,興銀,他に欧米の銀行を予定している。

2.今回現地調査に於ける主たる論点

(1) 石炭資源他燃料資源と今後の電源開発との関連

― 石炭資源の将来

インドの電力の80%が火力で賄われており、その大部分が石炭である。石炭の埋蔵量は、今後百年以上のインドのエネルギー使用に耐えると言われており、その点では恵まれていると言えるが、一方で、石炭生産のコストが今後増大して行く問題と同時に、環境への影響を問題にするときには、極めて脆弱なエネルギー基盤、と我々は見た。現在、デリーの電力供給を支えている Bapudapur 石炭火力発電所は既に老朽化への道を歩んでいるが、石炭を1200kmを鉄道によって運搬してニューデリーの市街に近いところで発電しているが,この方式は今後考えられず,石炭生産地である Jairah 地域に発電所を建設して,送電線で需要地に運ぶ方式が主流であり,そうなると一極集中による大気汚染が問題になることは,タイのマモー火力などの例を見ても明らかである。

インドには、約 2,210 億トンの石炭埋蔵量が 1,200 m の深さで存在しているが、これまでに開発されたのは深さ 450 m までである。未開発の石炭は今後採掘が可能であるが、全埋蔵量を利用することはないと言える。これから利用する量は、それよりもかなり少ないだろう。以上の予測は一定ではないが、インドの石炭資源も長く続くものではない。いくつかの研究によって、経済的な理由から、石炭埋蔵量の内実際に開発できる量はかなり少ないことがわかった。このことは、インドの石炭相が1月に発表した声明の中にも記載されているし、報道もされた。

専門家の説は、「インドの埋蔵石炭量は、合衆国、中国に次いで世界第3位である。また、インドは世界第3位の石炭生産国であり、第8位の輸入国である。インドは年間で3億1000万トンの石炭を生産し、2500万トンを輸入しており、石炭はインドのエネルギー供給の三分の一を賄っている。インド政府は石炭による発電量の大幅増を見込んでいる。それを実現するには、石炭の供給を大幅に増やさなければならないが、それが実行可能かどうかは明らかでない。インド石炭政策の第一の目的は、自由競争ができる石炭産業を創出することによって、石炭産業の財務実績を改善することである。この石炭産業の改革を支援するために、財政的に存立できる電力産業が必要である。」としている。

― LNGプロジェクトの動き

このように,石炭資源に依存してきた発電事業が,近い将来曲がり角に来るとの認識の元に,LNGを輸入すべくプロジェクトが動いている。しかし,LNGの導入は,今まで国内石炭が支えてきた安価な電力の常識を覆すものであり,早急に大量のLNGガス焚き発電所の増設には,電気料金問題を抱えるインドの電力セクターにとって,問題もある。

Gujarat 州の Dahej で,PLL によってLNG基地の建設が急ピッチで進み,98%の進捗である。PLL を構成するのは,IOC, GAIL India, BPCL , ONGC 等で,原油の供給はRasgas of Qatar とFis である。2700 km に及ぶ Hazira-Bijaipur-Jagdishpur (HBJ) pipeline によって,西海岸から北部のデリーを含む内陸部に運ばれる。LNGの出荷箇所は,Doha Qatar の Ras Laffan,なお,EPC コントラクターとして日本のIHI が契約している。

現在進められている LNG プロジェクトについて,NTPCは価格のベンチマークとして, $3 per mbtu (million British thermal units) を超えてはならない,と表明した。LNGの対象プロジェクトはKawas とGandharのガス焚き火力プロジェクトで,総額1000億ルピーを超す。インドでの LNG の価格は $2.40-2.50 per mbtu であるが,一般に国際的に考えられている石油価格とのリンクを,インドでは出来ないと否定した。

3mt の LNG を17年間供給する入札について,NTPC は10月末にも入札価格を開く予定である。4つのグループで,Reliance も含まれている。このプロジェクトでは,NTPC も26% の出資を行う予定である。この計画では,4.14bn cubic meters の天然ガスをNTPC のGujarat 州のKawas とGandhar projects に供給する。Anta とAuriya のプロジェクトは棚上げされている。以前には,Kawas and Gandhar (in Gujarat), Anta (in Rajasthan) ,Auraiya (in Uttar Pradesh) of 650 MW each が計画されていた。また,Kayamkulam (in Kerala) を350 MW から1,950 MW へ増設する計画もある。

― 天然ガスの発見とその将来性

東海岸の Godovari 川と Krishana 川河口に挟まれた AnderaPredesh の沿岸地域に新たに天然ガスの存在が確認され, 民間による発電事業が動き始めている。ガスの包蔵は,国際的な専門コンサルタントである DeGolyer と MacNaughton によると,10兆立方フィート(約1兆立方mか)と言う膨大なもので,現在のところのガス生産の目処は,KG-D-6 ガス田で日当たり60百万立方mが計画されており,この数字は発電設備約 20,000 MW に相当するもので,インドの電力供給に大きく貢献することが期待されている。

具体的にこの天然ガスを使用するために,Reliance は Gujarat 州のエネルギー公社 Gujarat State Petroleum Corporation Limited GSPCL とタイアップして,パイプラインで運ぶ方法と,LNGにして海路 Gujarat に運ぶ案を検討中と見える。しかし既に Reliance は AndhraPradesh の Kakinada から Mahrashtra 沿岸までの150億ルピーのガスパイプラインに着工している。

Reliance 傘下の BSES はこの国内天然ガスに注目して既に Maharashtra も供給の視野に入れた上で, AndhraPradesh, Haryana, Karnataka 各州に合計で 3,000 MW の発電所の建設を視野に入れている。

― 原子力発電の展望

インドの原子力発電は緒に就いたばかりであり,今後どの程度まで早急に実質的な供給力に組み込まれるか不透明な部分がある。しかし,主たる燃料である石炭の生産位置を考慮して,出来るだけ西海岸など石炭を補う立地を心がけている。インドの原子力開発については,インド原子力省戦略企画部長のラヴィ・B・グローバー氏の書いた「原子力とインド−その展望」と言う論文がある。彼によると,「現在建設中のプロジェクトがいくつかある。タラプールでは540MW2基、西海岸のカイガでは220MW2基、クダングラムではさらに1,000MW2基が建設中であり、建設は急速に進んでいる。ラジャスタン州では220MW2基の建設が先月始まったばかりである。以上は建設がすでに始まったものである。こうした集中的な計画によって4,000MWの電力が追加される。すべての計画が終われば、約20,000MW相当の原子力発電容量が可能になる。しかし、インドは多量の電力を必要としているので、原子力省は政府が十分な支援をすべきだと考えている。エネルギー委員会の5カ年計画では、原子力の稼働率と設備容量を積極的に用いて、燃料ミックスに占める原子力のシェアを着実に増やす必要があるとしている。」

(1) 新電気事業法に基づく電力セクター改革の論点

― 長期の需給バランス確保に関する考え方

新しい電気事業法の中で電源開発に関して特に注目を引いたのは,水力と原子力を除いては,電力関連諸官庁が全くその許認可権を手放してしまって環境や燃料の問題に絞り,それらの判断を他の省庁に任せてしまったことである。従って,民間資金,あるいは中央の発電公社,州政府などが計画する石炭や天然ガスを燃料とした火力発電所については,関連する燃料供給の契約と環境省の審査が終われば,全く自由に発電所を建設することが出来,中央の電力省,電力監理委員会 CREC,国家電力庁 CEA はこれを公式には関知しないということで,考え方によっては全く無責任であり,また一方,電源開発を全く市場経済に任せたという大胆な発想である。これについては,関連諸機関との面談の中で議論を行ったが,いわゆる10年計画など長期的な視野からは,CERCが一応資源の適正配分という立場から基本計画を策定する機能を持っており,また,各次5カ年計画には具体的な電源プロジェクトが羅列されることになる。しかし,電源開発に参入する各機関あるいは民間資金は,この計画には全くとらわれないと言うことで,長期的な需給バランスという面で果たして市場経済そのものが的確に機能するかどうか,見守る必要がある。

― 州電力セクターが負う課題

農業料金が低く抑えられているという問題点は各所で議論されており,発電・送変電・配電を分割した後もこの問題は依然として残っている。中央政府は,中央や州政府からの電力セクターへの補助金の打ち切りや産業用電力料金からの内部補助(Cross subsidy)の漸減などの合理化の推進を強く主張しているが,少なくともAP州の各電力機関との面談では,全く問題にされていない,それほど農業への電気料金の問題は根強いものがあるが,州政府からの補助並びに産業用電気料金からの助けがなければ,州の電力セクターは全く機能しない。この面では,ハイテク企業の誘致を進めるAP州などでは大きな足かせとなるであろう。ただ,従来大きな負担となっていた電力損失の軽減には相当の力が入っており,盗電等の取り締まりが厳しくなって,この面では経営面に大きく貢献している。AP州では,一昨年の39%の損失が26%に縮小されている。

州電力局の改革は生みの苦しみを味わっており、民間企業の進出もはかばかしくない、しかし子供のような歩みながら、改革の方向には向かっている。01/02年度の補助金の総額は3,458.7億ペソであったものが、今年度は3,242.9億ペソに確実に減っている。Rajasthan と Delih は、電気料金について政府の勧告を受け入れた、MadhyaPradesh は大幅に値上げしたが、TamilNadu と Punjab は農業特定料金を採用している,生産原価と平均電力料金のギャップは大きく,01/02年度は改革にもかかわらず023ペソから1.10ペソに拡大したが,02/03年度は0.91ペソの縮小する兆しである。22州では電力規制委員会が発足し,多くの州で分割や公社化が進んでいる。しかし,今年度,IPPで融資が決着したものはまだ一つもない。

以下は,報道等に現れた最近の動きである。

AnantGGeete電力大臣の報告,各州電力局の01年度及び02年度の電力損失総額は800億ルピーに達する,01年度は2526億に対して,02年度は3318億と急激に増大した。損失の主たる原因は,技術的欠陥と盗電である。大きいところでは,MP の Rs 3,682 crore, Maharashtra のRs 3,527 crore,Gujarat の Rs 3,491 crore。しかし,軽減したところもあり,Maharashtra, Gujarat, Haryana, Rajasthan 等,それぞれ Rs 580 crore, Rs 1,072 crore, Rs 211 crore,Rs 275 crore となった。

電力省の Shahi 次官は、改革プログラムの結果として、この2年間に11の州で合計500億ペソのコスト削減に繋がった、と述べた。電力セクターは,漸次健全化の道を歩んでいる。既に11の州電力局は,500億ルピーの損失を回復していることがその証である。これは政府のみならず,企業においても同様で,典型的な例は,グジャラート州電力局が6.5%の株を持つ Torrent 傘下の Ahmedabad 電力企業AECの例で,この企業は,Ahmedabad に39万KWの石炭火力と,Wadhwa に10万KWのガス火力を持っているが,10%の伸びから今年は15%の簿美となる可能性がある。しかしこのAECは,問題の農業への電力供給は行っていない。「農民へはただの電力を」の政策は,これまで電力財政を悩ませてきた。

農業料金の変更が不可能な状況下で,グジャラート州の規制委員会GERC は,IPP 企業とのPPAの再交渉を迫られている。現在のPPAはGERC が2002年の8月に結んだものだが,この問題は高裁にて係争中で GERC としては口をつぐんでいる。しかし,数多のIPP,即ち,Gujarat PowerGen Energy Corporation (GPEC), Gujarat State Energy Generation Company (GSEG), Essar Power and Gujarat Industrial Power Corporation Ltd (GIPCL),の中で,GSEG は既に,以前 IRR が16%で PPA に組まれていたものを12%に引き下げることに同意しており,新しいグジャラート州の電力法の改正も視野に入れている。

- 新電気事業の改正の要点

州電力局 SEB が,電力供給と財政面で,いずれもその要求を満足せず,発電・送変電・配電を分割して,市場経済を導入しようとする意図で,改革が行われようとしている。州の電力セクターは財政的に逼迫した状態で,最低限度の内部収益率 RoR 3%も満たしていない。電気事業法の精神は,電力セクター発展の鍵を握るのはすべて人のすべての発電機への自由なアクセス,と表現されており,この最初の試みで考えられるのは、鉄道や大規模需要家に対するもので、また、ラジャスタン州の Mandala 水力発電所の電気を全部デリーへ送電する、と言う方法も一つのポイントである。ただ、電力料金政策の関連は問題点を残すものである。

新電気事業の改革の要点は次の通りである。

●中央政府は,州政府の意見を求めて国家電力政策 National Power Policyを策定する,●地方電化を推進する,このために Panchayats, 組合組織,NGO,地方組織などを活用する,●発電事業の免許制度は廃止し自家用発電は自由とするが,水力発電については CEA の認可を必要とする,●送電公社は,中央,州レベルとも国有とし,送電網の計画や建設を行う,ただし,民間による送電線の開発運用も視野に入れる,●送電線網への自由な使用を認める,内部補助に基づく課金は漸次減少させる,●配電の免許は完全自由化し,発電会社なども参入できる,●州に State Electricity Regulatory Commission SERC電力監理委員会は完全独立の権限を有する,●地方に於ける発電並びに配電の免許も,すべて自由化する,●州においても SERC は,配電網の自由な使用を許す,使用料については現行の内部補助を考慮しつつこれを漸次減らして行く,●電力取引は認めるが,監理委員会によって利益制限などを考慮する,●州政府は,州電力局の解体については柔軟に対応するが,配電網,送電網については現状を継続する,●電気料金請求書の形式については特に定めないが,州の実情を考慮して,それぞれの州が決定する,●電力計は独自の正当性を保護される,●監理委員会の決定に対する不服申し立て制度を確立する,●盗電に対してより厳しく臨む,

― 国家電力政策策定のためのシン委員会の動き

電力投資と改革を含む電力政策立案のためのタスクフォースは、N.K.Singh 氏を議長として活動を始めた。今回の議題は、投資を促すための多方面の財政的手段と、国家電力政策の確立、であり、12月までの完成を目指している。当面、投資環境の現状を分析して、内外の民間資本の進出のための方策を討議するが、最終的には、投資家保護の財務体制確立でこれを2012年に完全移行を目標としている。

新しい電気事業法に基づく電力改革を確実に実施するために組織されたシン委員会,高名な委員達,委員長の Singh 氏は元財務省次官,電力省 Shahi 次官,財務相 Rai 次官,彼らは来年早々には結論を出そうとしている,果たして電力セクターを救うことが出来るか,国民が注視している。とにかく各州の電力局が遭遇している困難に対して,如何にして投資家の嫌悪感を払拭するかが最大の役目である。5項目の議題の中で,最大の問題は財政である。4兆ルピーにも上る必要資金を如何にして集めるか,過去の20億ドルプロジェクトであるダボールの失敗,アンデラプラデッシュ州に於ける SpectrumPower のトラブル,これらの悪印象を如何にして消して,投資に対するリスクを少なくするか,特に,保険企業の資金と年金基金を如何にして動員するか,が最大の眼目になる。そのためには,通信などに比べて電力企業は余りにも関税が高い,旧来の保護主義からの脱却が当面の目標である。電力セクターの財政問題については,少なくとも12月15日までには,電気料金政策の草案を完成して来年2月の予算設定までに間に合わせる必要がある。シン委員長は,需要と供給がバランスしていない状態で,料金を市場原理に任すのは危険,と考えており,そのためには,更に電気事業法を改正して行くことも視野に入れている。

シン委員会の絞られた標的は電力分野の補助金制度であり,この問題は,現在の人為的にコンとローされた料金制度と州政府独占のシステムから,民間企業による完全自由競争の仕組みに移る遷移期における財政の問題である。委員会の役目の一つは,この補助金制度の完全撤廃までの期間を判断することにある。

― 配電事業の自由化に伴う動きと問題点

新電気事業法2003の中の第62条では,同じ地域の中に複数の配電業者の存在を認めており,また第14条では,複数の配電業者の中でも独立の配電網の存在を認めている。これらの場合にも,電気料金には規制委員会が最大の頭打ち料金を設定する。今回,Reliance のBSESが,デリー電力規制委員会DERCに対して,デリーにおける配電業の申請を行った。

ニューデリーの配電事業が,BSESと Tata に引き継がれてから,電気料金が高騰してくることに需要家が警戒感を露わにしている。このことは,電力セクターの改革に,一種の暗雲を漂わせることになってくる。(結局,補助金も含めた租税と電気料金という両面からの評価を行う必要がある。)

― 地域間電力取引への民間参入の動き

電力取引免許は、新電気事業法に基づいて初めて導入されるビジネスで、PTCなどが最初の申請者となる。CERCは、技術、資本適正、信用度の三つの面から審査を行って、11月中旬にも決定する見込み。なお、CERCはこのほか、初めての送電線BOOTを審査中、それは、Tata とPGCILの合弁で25年間、40万ボルト送電線で、西ベンガルの Siliguri から、デリーの近くの Mandola まで、ブータンから輸入する Tala 水力の電気を運ぶためで、2006年6月運転開始、となっている。

2001年以来電力取引を続けてきたPTCは,純益が127%アップという画期的な業績見通しを発表,今年4月から9月までで48億KWhを取引,売り上げ総額は100億ルピーに達する見通し。増資に関してはIFCの決定を待っているが,Thakur 総裁はIFCがいやというなら他に手がある,と。現在の株主は,PGCIL, NTPC, PFC and NHPC等。

新しい電気事業法の下で,電力取引業は,インドにおいて数十億ドルのビジネスに発展しようとしている。既に,Reliance, TataPower,AdaniExports,EssarPower, Amalgamated Power, KoylerPower 等が,CERCから認可をとって,北東の電力が余った地域から南西部の電気が不足している地域に送ろうというのである,勿論,送電線が確実であることが条件ではあるが。中でもAdaniExports は,既にマハラシュトラ電力局MSEBと覚書を取り交わしており,それによると,50MWの取引で1年半に100億ルピーの取引を想定している。なお,このビジネスでは,CERCは10万ルピーを各会社に課している。また,PTCは,Ahmedabad に事務所を置くグループに属して,この取引の取引者となっている。

現在電力取引免許を申請しているのは6グループだが,CERCによると,12月中旬にもガイドラインを発表しこれに基づき審査を行う。2001年初頭から取引を行っているPTCも,この免許を新たに取得する必要がある。PTCはこの2年で200億ルピーの取引を行った。

政府は近く,今まで国営の公益企業に与えられてきた10%の購買優先権(purchase preference)を廃止することに決定した。これは,より競争を導入するっと言う新しい電気事業法に則るもので,NHPC,NTPC,PGCILなどの国営企業の優先権を排除して,私企業や多国籍企業,Siemens やABBなど,の競争力を増やすものである。

Ruias 傘下の Essar グループEEPDCL,CERCに対して,州間電力取引の免許を申請した。12月の決定を待って,初めての取引業に乗り出す。当面は,年間2GW程度の取引となるが,順次増大させて行く意向である。なお,Essar は,グジャラート州の Hazira に515MWの火力発電所を有しており,そのうち215MWは自社系統の製鉄会社で使用しているが,残りの300WMは,グジャラート州電力局に売電している。

新電気事業法2003年の施行は,海外投融資機関の関心を大いに引き立てたようだ。この第2四半期,即ち,7月から9月までの3ヶ月間の株式市場で,特に,Bhel,ABB,BSES,TataPower の株が高騰している。

(2)電気料金を巡る最近の動き

― 送電線使用の自由化と電力料金の

CERCは、新電気事業法に基づいて、まず送電網へ誰でも繋げることが可能との原則を発表し、更に年末には電力料金決定の基本方針を発表、また電力取引自由化についても規制方法を発表する、とCERC AshokBasu 会長が述べた。現行の電気料金システムは3年間有効で2004年3月で期限が切れるが、新しい基準の有効期間は5年となる見込みである。新しい基準が目指すものは、内部補助金を合理的に減らして行くことで、また実質ベースで行くのかある想定された規範に基づくものか、まだ決定していない。また、送電網アクセス自由化の問題について、PGCLの RP Singh 会長は、料金が異なる送電部分を通過する場合は、最終の需要家がすべて負担するとしており、送電網の独占化については、CERCを通じて誰でも送電免許が取れるので問題はない、としている。

― 配電業務自由化の電気料金への影響

Tata 発電会社やBSESが、配電営業圏を獲得して、ムンバイやデリーで法外な電気料金を課したことが問題となり、ムンバイの電力委員会 MERC が提訴していた事件で、最高裁は、州電力規制委員会 ERSCs のみが電気料金の決定を行うことが出来る、と判断を下した。

― 電気料金設定方式の複雑さに対する批判

一般に電力の生産単価は2.5から3ルピー(5.5セントから6.6セント)であるにも関わらず、最終端では5ルピー(10.9セント)と言う高額となっている。これは燃料費調整分FACなどを導入した料金設定の計算式が余りにも複雑で,「not-so-user-friendly 公式」と呼ばれ,需要家を欺くものではないか,とまで言われている。ムンバイの例では,100kwh を超えた需要家は,基本料金は3.38ルピー(7.40セント)であるが,これに1.50ルピー(3.28セント)が加算されて,5ルピーを超しており,また,多くの州で,0.35から0.40ルピー(0.75セントから0.88セント)が,送電線使用料として加えられているのである。

― 電気料金基本政策策定の動き

5月初旬、新電気事業法が議会を通過して48時間以内に、AnantGeete 電力大臣は、この6ヶ月以内に、電気料金の合理化と内部補助の減額を目的とした新しい電気料金政策を発表すると言明した。内部補助制度は、家庭需要・産業需要・商業需要の間の問題であるとしている。また、配電、発電分野などは完全に自由化されるが、新規水力発電所についてはあくまで CEA の許認可性を続けるとした。更に、料金政策の他に、国家電力政策の策定も必要である、とした。

― 大規模化学産業基地 MCIE と電気料金の関連

石油化学局の要請で、TataEnergyResearchInstitute (Teri) が、大規模化学産業基地MCIEs の電気料金引き下げの可能性について調査を行うこととなった。この構想に興味を持っている州は、WestBengal と Gujarat である。


(3) 最近の電源開発を巡る動き

― 過去1年間の電力設備整備の実績

最近の電力開発の動きであるが,2003年1月までの1年間に 2540MW の電源と 6372km の送電線が建設された。前年の実績は 1683MW と 4503km であり,これを大きく上回った。NTPC はTalcher と Simhadori で 500MW の発電所を完成した。PGCIL は,Jamshedpur ? Rourkela 間及び Raipur ? Roulkela 間の40万ボルト送電線を完成,更に,Talcher II の送電システムと Kollapur ? Mapusa 間の送電線を工事中である。また,民間開発で Baspa 水力発電所が工事中である。間もなく,NHPC の Parbati II 800MW が認可される予定である。Koldam 水力 800MW も取り上げられる予定である。

現在の発電設備1.6億KWは、2012年までに更に1億KWを新設する、このうち、0.41億KWは2007年までに開発する。一方で、既設老朽発電所の修復と近代化にも力を入れる。

― 電力設備整備に伴う産業界の活況

発電設備の拡大が見込まれる。CEAによると、2004年3月までの発注関連発電設備は5,000MWであり、これに伴う発注総額は、MW当たり4千万ルピーとすると2千億ルピーに達する。ほとんどはNTPCと州電力局の発注であるが、その主たるプロジェクトは、Seepat II 500MW2基、Kahalgann 500MW、Parli 250MW、210-mw Unchahar 210MW(Uttar Pradesh)、Kutch lignite 75MW、などである。

― 日本企業のIPP への進出の機運

インドの民間事業者の発電所総出力は 11,650.52MW (2003年1月31日現在) であり、インド全体の10.8%を占める。急速に伸びる電力需要に追いつかない供給側を補うため,インド政府は民間の参入に期待している。民間資金の出動や競争市場のより有効な確立を目指して,水力はCEA(中央電力庁)の認可を必要とするものの,発電事業の免許制度を廃止し,自家用発電については自由とするなど,改革を進めている。

報道ではインドでは50を超すIPPプロジェクトが進行中とされているが,その内容については必ずしも明らかでない。しかし,ほとんどの進行中のプロジェクトが,いずれも決着していないばかりでなく,必ずしも円滑に進行していない。このうち日本企業が関与しているもので実態が公表されているのは,アンデラプラデッシュ州で丸紅とジェーパワーが参加しているラマグンダム石炭火力発電所52万KWがある。公開されている報告によると,このプロジェクトは,インドの電機メーカーBPL社がメインとなって進めているが,民民ベースで電力需給契約を結んだ段階で,主として電気料金に関して官の介入があり,契約の見直しを迫られ,最近になってその見直しが終了,インド側銀行団の融資契約に係わる最終調整を実施中で(2003年8月時点の報告),調整終了次第着工の予定とされている。総工事費は約7億ドル,商業運転開始は平成17年以降となり,現在11%のシェアーを持つジェーパワーは,建設期間の施工管理,完工後の発電所の運転保守を行う現地法人を設立し業務を履行する予定,と報告されている。他に,丸紅によって進められているタミールナド州のガス焚き火力発電プロジェクト300MWがあるが,詳細は明らかにされていない。

いずれにしても,日本企業が関係してある程度進行しているものはこの2件と思われるが,両者ともその進捗が必ずしも円滑でなく,今後の日本企業の取り組みは,この先行2プロジェクトの結果に大きく左右されると考えられている。

― Karnataka 州のBangalore に 3000MW のガス焚き火力発電所

Reliance の関係企業 BSES が Karnataka 州のBangalore に 3000MW のガス焚き火力発電所を提案したことが波紋を投げかけている。 問題は,BSES が火力発電所とともに配電業も提案していることで,現在,Bangalore Electricity Supply Company (BESCOM) に配電業務を委任しているところ,更に州電力局が改革の途上にあって,電力セクターの分割を行う段階にあるところである。州電力局は財政的に急迫しており,この提案の行く末が関心を引いている。

Karnataka 州の Mangalore 石炭火力,1013MW,10億ドル,プロジェクト,香港籍の CLPPower が参加を取りやめたため,新たな枠組みの段階に入った。Kartanaka 送電公社 KPTCL によると,NagarjunaPower が進めることになるが,NTPCにも声をかけている,いずれにしても,支払い責任のメカニズムが不確定で,円滑に言っていない。Kartanaka 州は,現在のピークロードは5,700MWであるが,需要と供給の間には1400MWのギャップがあると言われている。急激な経済発展で,2011年には需要は116%の伸びとなると想定されている。

― Gujarat 州の Bhavnagar に375MW,Ghogha褐炭焚き石炭火力発電プロジェクト

グジャラート州の Bhavnagar に位置する375MW(125MW機3台)のGhogha褐炭焚き石炭火力発電プロジェクト,2,200千万ルピー(4.8億ドル),は,Reliance が降りることによって,NirmaChemistry が49%,GujaratPowerCorporation が51%となり,the Gujarat Infrastructure Development Act に違反しない形となった。Nirma は,NirmaChemicalWorks で,JamnagarRefinery と関係があり,Reliance が懸念する石炭の埋蔵量についても克服出来るとしている。なお,Reliance は L&T-Marubeni consortium をしのいで参入していたものである。また,Reliance-base のBSES は,グジャラート南部に300万KWのガス焚き火力を計画したことがあり,同様のプロジェクトを以前にも,Andhra Pradesh とMaharashtra に提案したことがある。

― Dabhol 発電所紛争の現在の状況

Dabhl 発電所に関する紛争の状況であるが,ReserveBankofIndia (RBI) はその判断基準を修正することによって,740-MW phase I に関して,IDBI,IFCI, Canara Bank の債権は不良化していない,としているが,StateBankofIndia と ICICIBank は2004年3月時点で不良債権化(不稼働資産NPA)していると判断している。債権者達は,少なくとも PhaseI, PhaseII について,2004年3月には完全に不良債権化することは一致している,それは,2,184MWに対して債務残高総額620億ルピーに達する。2003年12月から考えると,90日基準を適用して,2004年3月が,不良債権と判断される期限となる。年末までにこの紛争が解決する目処はほとんどない。

Dabhol 問題を扱う最高裁は,現在発電所を所有してこの24ヶ月間稼働させずに6億ドルの獲得を目指して調停に持ち込んでいる GE の 子会社 CapitalIndiaPowerMauritius とBechtel の子会社 EnergyEnterprise に,発電所を稼働することがすべての関係者の利益になる,売電については仮契約を MSBC と結べばよい,として説得を試みている。しかし,DPC側は,既に出ている裁判所の判断で,関係者のうち何人といえども MCERC に仮買電契約を交渉することは出来ない,とされており,この妥協案には応じられないと主張している。

― Tata 発電会社の活発な動き

TataPowers は,この先5年間で電力セクターに1500億ルピーをつぎ込む予定,これにより,現在所有の3,000MWに加えて新たに2,500MWを建設し,固有の需要家を200万増やす予定,FirdoseVandrevala 社長が語る。PGCIL との送電線建設に関する合弁の話も進んでおり,デリーに,1000MWレベルの発電所を設置する予定。

― Gujarat 州に於ける Torrent group の動き

Torrent group は,Gujarat 州を中心に460億ルピーに上る投資を予定している。Surat に1,000MW以上の発電所に Torrent Power Generation Ltd (TPGL) を設立して350億ルピーを投資し,Dahej 特別経済区の中に更に Surat Electricity Co’s を通して 100億ルピーで156MWを考えている。


(4) インド全体を襲う電力危機の様相

― インドと中国に対する IEA の警告

IEAは,中国とインドが当面している電力危機についての認識を新たにするよう警告した。年ベースで400億ドル,またはGDPの2.5%の資金を必要とするが,政府だけでこれを準備することは不可能,それは政府が民間資金を動員するための改革を如何にして緊急に行うか,これが問題なのである。

― 工業都市に於ける停電による損害の実態

20近い全国の商業都市で,電力不足のための損失が Rs 22,000cr/yr に上っているとの調査結果が出た。この値は関連分野のGDPの 2.2% に相当する。Delhi, Bangalore, Chennai,Mumbai 等では日2回以上の停電が起きている。調査は,MAIT-Emerson survey で 302 の企業について行われた。

― マディアプラデッシュの深刻な供給不足

マディアプラデッシュ州電力局,計画停電に追い込まれている。それは石炭の質の悪化,連日の豪雨,NTPCの発電設備不調,などの影響で,例えば,845MWのBirsinghpur 火力発電所は245MWしか出ていない, NTPCの Korba とVindhyachal 発電所も問題が多いが,豪雨は逆に,90MWのGandhisagar を含めて700 MW の水力が順調に動いているが,その影響は小さく,州全体で1500 MWとなっており,長期に州外から電力購入の必要に迫られている。


(5) PGCIL と送電網に関する最近の動き

― 国家送電網PGCIL公社の米国への進出

後進国であると言われているインドから世界で最も高度な技術を有する米国へ,インドの送電技術が進出しようとしている。それは250百万ドルの工事を伴うもので,現在,Federal Electricity Regulatory Commission (FERC) と交渉中である。インドでは,地域の給電司令所が送電線の運用を行っているが,PGCIL が中央からこれを監視している。

― PGCIL の昨年度の実績

PGCIL は,昨年度,Jamshedpur ? Rourkela 間,及び Raipur ? Rourkela 間の40万ボルト送電線,及び Talcher II 送電システム,Kollapur ? Mapusa 間の送電線を完成した。

― 送電線使用の自由化に関するガイドライン

11月18日、CERCは、すべての電力関係企業及び機関を対象に、送電線使用自由化についてのガイドラインと手続き方法を発表した。送電線使用者は短期と長期の二つのカテゴリーに分けられ、1年以内の短期使用者の申込場所は地域の給電司令所、長期の使用者はPGCIL本体とする。長期の使用者については、申し込み料として10万ルピーを徴収する。

― 送電線建設に関する民間協力プロジェクトの進展

送電線建設に関する初めての民間協力プロジェクト,Tata と PGCIL の両社で,WestBeangal 州の Siliguri から UttarPradesh までの1200km,120億ルピーのプロジェクトで,PowerLinksTransmisshin 社が設立され,Tata が51%のメジャーを獲得する。予算構成の決定は来月とされており,2006年中には完成の目処である。東部のWestBengal, Bihar, Jharkhand,Sikkim の各州,北部の Haryana, Punjab , Rajasthan, UP, Jammu, Kashmir 各州及び Delhi がこのプロジェクトの恩恵を受けることとなる.

― 2002年7月の大停電の教訓

送電公社 PGCIL は,2002年7月の5つの州にまたがる大停電の教訓を生かして,新しいシステムを実行に移した。あのときは、MadhyaPradesh 州が過剰に電力を引き出した結果であるが、今では、周波数が49 htz の状態ではRs 4.20 per unit を支払うようにし、 49-50 htz の間で4.20 からゼロまで変動する、これによって電気を取り出そうとする州の給電司令所に自制が働くこととなる。地域の給電司令所は northern, eastern, western, southern and north-eastern

― 北東地域協議会の送電線運用への注文

北東地域に属する Tripura, Nagaland, Mizoram と大部分が地域に入るMeghalaya は,
North Eastern regional Electricity Board (NEREB) を通じて電力運用を行っているが,このたび各州の電力大臣が会議を持ち,中央に対して,送電線運送に支払う35 Paise は高すぎる,全国平均の 15 paise にすべき,と中央政府に要求した。同時に,北東部の供給を容易にするため,送電網の拡張整備を要求した。

― Rajasthan 州の送電線整備と PGCIL の増強計画

Rajasthan 州の送電公社 Power Grid Corporation は,この先10年間に Rs 4,000 crore を投資する計画である。これに呼応して,中央の PGCIL は,UP 州東端の Ballia から Munbai の近くの Bhiwadi までの送電容量を Rs 2,000 crore で 2500-3000 MW まで上げる計画である。最近の 400 KV Talcher II link, 500 MW High Voltage Direct Current (HVDC) Sasaram and 1000 MW Rourkela-Raipur line 等に匹敵するものである。

(6) 火力発電公社及びLNGを巡る最近の動き

― Gujarat 州の Dahej プロジェクトとLNGの進捗

Gujarat 州の Dahej で,PLL によってLNG基地の建設が急ピッチで進み,98%の進捗である。PLL を構成するのは,IOC, GAIL India, BPCL , ONGC 等で,原油の供給はRasgas of Qatar とFis である。2700 km に及ぶ Hazira-Bijaipur-Jagdishpur (HBJ) pipeline によって,西海岸から北部のデリーを含む内陸部に運ばれる。LNGの出荷箇所は,Doha Qatar の Ras Laffan,なお,EPC コントラクターとして日本のIHI が契約している。

現在進められている LNG プロジェクトについて,NTPCは価格のベンチマークとして, $3 per mbtu (million British thermal units) を超えてはならない,と表明した。LNGの対象プロジェクトはKawas とGandharのガス焚き火力プロジェクトで,総額1000億ルピーを超す。インドでの LNG の価格は $2.40-2.50 per mbtu であるが,一般に国際的に考えられている石油価格とのリンクを,インドでは出来ないと否定した。

3mt の LNG を17年間供給する入札について,NTPC は10月末にも入札価格を開く予定である。4つのグループで,Reliance も含まれている。このプロジェクトでは,NTPC も26% の出資を行う予定である。この計画では,4.14bn cubic meters の天然ガスをNTPC のGujarat 州のKawas とGandhar projects に供給する。Anta とAuriya のプロジェクトは棚上げされている。以前には,Kawas and Gandhar (in Gujarat), Anta (in Rajasthan) ,Auraiya (in Uttar Pradesh) of 650 MW each が計画されていた。また,
Kayamkulam (in Kerala) を350 MW から1,950 MW へ増設する計画もある。,

― 火力発電公社 NTPC の海外進出

NTPC が Saudi Arabia と Oman で発電事業に参入すべく計画を進めている。会長の CPJain 氏によると,2017年までには多国籍企業に変身させたいとしている。Saudi の Shouiba 発電淡水化プロジェクトはJeddah から10km に位置し,700 MW の石油火力が中心,また,Oman の Sohar project はBharat Heavy Electricals (BHEL) との合弁を目指すもので,450 MW の発電所が中心。


(7) 水力開発及び水力発電公社を取り巻く問題

― 水力発電公社 NHPC の財政基盤の整備

水力発電公社 NHPC は,組織強化のため生命保険公社から Rs 2,500 crore loan を調達する。利率は9.25 % で期間は19年間である。NHPC は,2012年までに 23,000 MW を開発する計画であり,そのためにはRs 60,000 crore を必要としている。

― 水力発電公社の大規模水力開発計画

水力発電公社 NHPC は,次の5年間に 8,000 MW を開発する計画で,その半ばには 10,000 MW 規模の公社に発展するだろう。そのためには,Rs 10,000 crore が必要である。この計画の中には,132 MW Teesta Lower Dam in West Bengal and 120 MW Sewa II in Himachal Pradesh が含まれている。

― Vajpayee 首相の水力開発への方針

520 MW Omkareshwar hydropower project,Rs 2,200 crore,2007 年末完成予定,の定礎式で Vajpayee 首相は,水力こそ安価で公害がなく,今後も積極的に開発して,2007年には全国の村を電化し,2012年には全部の世帯に電気を送ると。このためには,新たに 34,000 MW を開発する,また,1,000 MW Indira Sagar hydel power project は来年に完成するが,これもこの州の電化に大きく貢献する。


― 200 MW Allain Duhangan 水力プロジェクト (Himachal Pradesh)

LNJ Bhilwara group が進める 200 MW Allain Duhangan 水力プロジェクト (Himachal Pradesh),IFC が10%の出資額に合意,IFC がインドの水力 IPP に投資するのは初めてのケース,また出資以外に,Rs 920 crore のうち Rs 225 crore の借款も行う。LNJ Bhilwara group の最初のIPPは Jegurupadu 発電プロジェクトで Andhra Pradesh に位置する。Allain Duhangan power project はこの2乃至3ヶ月以内に資金調達を完了する予定。Delih の他 Haryana にも供給する。

― ネパールとの融通,West Seti プロジェクト

PTC の Thakur 総裁,Rs 4.50 per unit (8-9 cents) で取引が行われているが,5セント以下で交渉可能であろう,3時間から4時間のピークを供給するWest Seti project では,Rs 2.65 to Rs 2.70 per unit が可能であると。

PTC はネパールとの間で750-MW hydel project, West Seti Hydro Electric Project の買電契約にサイン,買電単価は Rs 2.65 per unit,供給区域は Delhi , Haryana, Rajasthan, Punjab , Jammu and Kashmir。

― 中国のティベット開発に対するインドの懸念

中国がティベットで計画している河川の分水計画は,インドが下流で計画している諸河川の連結計画に致命的な影響を与える。今回の Vajpayee’ 首相の北京訪問は,まさしく1999年のパキスタンのラホール訪問とよく似ている,あのときは Kargil の運河掘削の問題があった。インドが計画している河川連結は30河川に及ぶもので,総工事費は Rs 5,600 billion で2012年完成を目指している。中国の計画は,Great Bend 地点で 40,000 MW を発電して,同時に分水する大規模なもので,インドにとってはまさしく原子爆弾に匹敵する。

− Krishna 川開発の水問題の紛争

TRS は,Krishna 川の水利用に関して,早急に独立した Krishna River Valley authorityを創設すべきと提案した。現在,Andhra Pradesh が計画している Bachawat 計画のB案は,近傍の Karnataka and Maharashtra が被害を受けるとしているが,AP としては,水不足解消のために,この案しかないと考えている。

― NHPCのコンサルタント分野への進出

水力発電公社 NHPC は,この11月に子会社としてコンサルタント会社を発足させる。既に,Holland, Vietnam, Algeria, Tajikistan, Uzbekistan, Nepal and Bhutan 等から声がかかっている。現在 NHPC は,昨年度 Rs 510.50 crore の純益を上げているが,その活動は, 10,824 MW の発電のために11の詳細設計報告書と4,490 MWに匹敵する提案書の作成を考慮中である。
資金調達が難航中の 450-mw Baglihar hydel power project,中央政府が Rs 600 crore の特別借款を供与することになった。前に Indian Banks Association (IBA) が Rs 1,000 crore のソフトローンを合意している。

― Bengal 州北部の Teesta Low Dam Project III (TLDP III)

NGO がBengal 州北部の Teesta Low Dam Project III (TLDP III),132 MW,に環境問題ありと反対している。この計画は,多段階 eesta Basin Power (TBP) プロジェクトに属する9つの発電所のうちの一つで,全体では 3,903 MW が計画されている。
South Asia Network on Dams, River and People (SANDRP) and Kalpavriksha

― Himachal Pradesh 州の 1500 MW hydel power project

Himachal Pradesh 州の 1500 MW hydel power project,は,中央政府と州政府の合弁で実施されている,中央が75%の出資をしている。ローンは世界銀行など,総工事費は Rs 8,160 crore,既に高さ 62.5 m のダムはほとんど完成し,最初のユニットは2003年9月に運転開始,残りは2004年7月である。日本工営はエレクトロワットとともにEPC 契約を持っている。


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