世界の地球温暖化最前線

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ー 週刊 世界の地球温暖化最前線 2009年5月16日分 ー 気候変動問題で国連は条約案の案文作成提示へー

2009年5月16日分 ー 気候変動問題で国連は条約案の案文作成提示へ ー

2009年12月コペンハーゲンで気候変動会議

国連気候変動会議のボン会議,2009年6月1日まで,もう残り少ない。日本政府は,オプションを示しながら,提案内容の結論をまだ得ていない。経団連に至っては,2020年までに温暖化ガス4%増,を政府に提案し,環境大臣から,世界の笑いもの,と酷評されている。何処の国にしても,殆ど科学的根拠を欠く提案だから,あくまで外交交渉の数字でしかない。

今日の記事では問題の本質が端的に書かれている。各国の目標値が合意できていないこと,先進工業国と後進国の溝,これらは重要な問題だが,あくまで国家間の対立の問題である。地球温暖化の基本的な科学的問題は,記事に書かれているように,原子力発電,炭素閉じこめ技術,森林,国際海運及び航空,をどう取り扱うか,にかかっている。

特に基本となる発電分野では,原子力発電,石炭火力の炭素閉じこめ,炭素取引市場に於ける大規模水力,の3点だろう。原子力と大規模水力を気候変動対策に入れるのは反対が多いが,殆どの反対は,CDM市場を混乱させるからである。本気になって地球を救う生うとするならば,原子力と大規模水力が,もっとも影響が大きいことは,まさしく事実だと思う。

私は,石炭火力はおそらく人類がもう半世紀は大いに使う必要があると思うから,石炭火力の効率化は非常に大切な分野だと思っている。だからこそ,日本政府のセクトラルアプローチが,非常によいアイディアであると思っている。原子力による炭素削減,大水力のCDM取引,石炭火力の効率化,これらは国際協力なくして実現せず,まず国の境を取っ払う必要を主張したい。


本文

●気候変動問題で国連は条約案の案文作成提示へ



The United Nations took a step toward a new climate treaty on Friday by publishing the first draft negotiating texts to help bridge a "great gulf" between options for rich nations to cut greenhouse gas emissions. Two documents totaling 68 pages also laid out choices on controversial issues such as nuclear power, emissions trading, forests, shipping or aviation in a new U.N. global warming pact due to be agreed in Copenhagen in December.

国際連合UN(注6)は,金曜日,2009年5月15日,先進国の間の温暖化ガス(注8)排出抑制に関する大差を埋める目的で,新しい気候変動条約(注9)の第1回ドラフトを発表した。これは2つの文書で全部で68ページに亘るが,2009年12月でコペンハーゲン(注13)で合意すべき国連地球温暖化条約(注12)の中で,特に議論となっている,原子力(注10),炭素取引(注11),森林,海運及び航空,の諸点を取り上げている。

このドラフトをまとめたアシェ国連代表(注14)は,交渉の進展を図る目的で策定された,としている。アシェ国連代表(注14)は,コペンハーゲン(注13)では誰も満足できないだろうが,地球にとっては良いこと願っていると。発展途上国は,産業革命(注15)以来の先進国の化石燃料使用に焦点を当て,先進国の大きな削減を主張している。一つの主張は,2018〜2022年までに,1990年の半分にせよ,というものだ。

オバマ大統領は,2020年までに1990年レベルとするというもので,2007年レベルで14%削減に匹敵する。米国の入っていない京都議定書(注18)では,先進37カ国について,2008〜2012年で平均5%削減,である。2050年を目標にして中国とインドが主導する発展途上国の行動も求める部分のドラフトは,2009年5月18日に,提示される。これらのテキストは,2009年6月1〜12日のボン(注19)会議で討議される。

ボア国連気候変動代表(注25)は,このボン会議を大切な瞬間だ,としている。この提案は,合意できる点と合意できない点を明確にし,合意できない点をどの様に合意に導くか,の作業の基礎となるものだと。金曜日のテキストでは,途上国の水力や風力の開発を炭素取引(注22)に載せることを,一つの可能性として提案している。

ある国は,この炭素取引の中に,原子力発電所や炭素閉じこめプロジェクト(注23)を提案しているが,強く反対している国がある。それに対する3つのオプションは,原子力などを受け入れるか,拒否するか,2010または2011年まで棚上げするか,である。また,先進国に於ける森林と土地利用改革をどの様に取り扱うか,のオプションも提示している。またEU(注24)は,京都議定書では除外された,国際海運と国際航空について,協定に含めるべき,と主張している。

(注)A (1) 090516A UN,washingtonpost,(2) title: Draft U.N. climate texts mark step towards treaty,(3) http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/05/15/AR2009051501297.html,(4) By Alister Doyle, Environment Correspondent
Reuters,Friday, May 15, 2009; 3:24 PM,OSLO (Reuters) -,(5) For Reuters latest environment blogs click on: http://blogs.reuters.com/environment,(6) United Nations,(7) great gulf,(8) greenhouse gas emissions,(9) new climate treaty,(10) nuclear power,(11) emissions trading,(12) U.N. global warming pact,(13) Copenhagen,(14) John Ashe, Antigua and Barbuda's ambassador to the U.N.,(15) Industrial Revolution,(16) U.N. Climate Panel,(17) President Barack Obama,(18) Kyoto Protocol,(19) Bonn,(20) nitty gritty,(21) www.unfccc.int,(22) carbon trading credits,(23) heat-trapping carbon dioxide,(24) European Union,(25) Yvo de Boer, head of the U.N. Climate Change Secretariat,(26)

今日の参考資料

●090516A UN,washingtonpost
気候変動問題で国連は条約案の案分作成提示へ
Draft U.N. climate texts mark step towards treaty
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/05/15/AR2009051501297.html

最近の関連資料

●090516B CD,financeasia
どの様にして炭素クレディットを開発し資金を得るか
How to develop carbon credits and make money
http://www.financeasia.com/article.aspx?CIaNID=101792
●090516C Google,greentechmedia
グーグルの炭素クレディットの買い取り益実現は容易でない
Google Carbon Credit Shopping Ain’t Easy
http://www.greentechmedia.com/articles/read/google-carbon-credit-shopping-aint-easy-4545/
●090516D World Bank, brettonwoodsproject
世界銀行の融資戦略は未だに炭素排出強度が高い
World Bank still supporting carbon-intensive future
http://www.brettonwoodsproject.org/art-564177
●090516E FACT,uk.reuters
主要国の温室効果ガス規制の目標一覧
FACTBOX-Greenhouse gas goals for major nations
http://uk.reuters.com/article/latestCrisis/idUKN26495174

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●パキスタンが東京会議を控え51ダムの提案 (090302)
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●インドネシア問題など中国資金の政策に異変が (090225)
●パキスタンのザルダリ大統領の孤独な中国訪問 (090224)
●中国の送電網先進技術が海外進出を狙う (090223)
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●インドネシアの電源早期着工計画が資金難 (090221)
●ベトナムの電源開発の遅れはなぜ (090220)
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●ネパールのアッパータマコシ水力を456MWに (090218)
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●インドのカシミールのダムに反対論 (090210)
●フィリッピンの石炭探査が始まるか (090209)
●ベトナムのソンラ水力の移住難航 (090208)
●中国は温暖化対策で先進国の義務強調 (090207)
●インドの副大統領がミャンマーへ (090206)
●中国の電力設備は792,000MW (090205)
●ミャンマーのアラカン州に鉄道建設 (090204)
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●インドの小水力包蔵は15,000MW (090202)
●再生可能エネルギーの前提はベース原子力 (090201)

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●インド北辺でのインド企業の奮戦 (090130)
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●フィリッピンのバターン原発再稼働問題 (090128)
●ネパールの水力開発との戦い (090127)
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●インドネシアのガス供給は国内優先 (090124)
●インドネシアのLNGに三菱160億ドル (090123)
●オバマ大統領の手から水が漏れた (090122)
●インドの北辺水力開発は人類最後の戦い (090120)
●パキスタンのロワリ隧道完成へ (090119)
●ベトナムが再生可能エネルギーに悩む (090118)
●中国国家送電網の内外での大活躍 (090117)
●フィリッピンの送電譲渡で電源はどうなる (090116)
●ミャンマーのアラカンに500MWダム (090115)
●インドネシアのガス田でエクソンと紛争 (090114)
●ネパールは中国の投資を歓迎 (090113)
●フィリッピンのセブに200MW石炭火力 (090112)
●インドのAP州に縦貫ハイウエーの計画 (090111)
●フィリッピンが中国のODA見直し (090110)
●パキスタンは2016年までに25,270MW (090109)
●インドの海岸の火力は輸入炭30% (090108)
●フィリッピンのエネルギー長官が回顧 (090107)
●インドネシアで新規電源が年内に (090106)
●ネパールの停電対策に新たな提言 (090104)
●パキスタンとイランの協力強化 (090103)
●カンボジアは中国企業に補償の義務 (090102)
●カンボジアの電気料金高止まりは続く (090101)

●インドのマハラシュトラの電源 (081231)
●インドネシアの原子力に不安 (081230)
●中国のエネルギー安全保障 (081229)
●中国の金沙江の開発進む (081228)
●インドがカシミールで水力推進決意 (081227)
●インド国家電網に世界銀行ローン (081226)
●インドのアルナチャルプラデシュの開発機運 (081225)
●中国2千キロの80万ボルト直流送電 (081224)
●中国がインドネシアのエネルギーに31億ドル (081223)
●インドのガスとLNGを巡る情勢 (081222)
●パキスタンの水力便益地元還元 (081221)
●フィリッピンの電気料金は民営化で下がるか (081220)
●インド北辺水力開発に変わった兆し (081219)
●フィリッピンの再生可能で産業界が沸き立つ (081218)
●フィリッピンが再生可能400万KW開発へ (081217)
●米国の知的送電網開発の気運 (081216)
●メコン委員会も気候変動戦争に参戦 (081215)
●インドが省エネ取引市場を計画 (081214)
●インダスのニールム川に火花散る (081213)
●中国の地方政府の開発志向は止まらない (081212)
●NGOが世界銀行は温暖化の元凶と (081211)
●原油価格下降の現状とこれからの動き (081210)
●中国の経済外交が国内巨大需要へ急旋回 (081209)
●パキスタンのバシャダムの資金不足 (081208)
●フィリッピンの送電網は中国へ (081207)
●インドの電力が最高警戒レベル (081206)
●パキスタンがインドへ水補償要求 (081205)
●メコン事務局長が投稿立場説明 (081204)
●ベトナムの電力改革迷走か (081203)
●比のロペスが国産資源開発へシフト (081202)
●インド北部の水力二つ前進へ (081201)

●マニラのプール市場に混乱 (081130)
●タイEGATの海外進出への飛躍 (081129)
●世銀の大規模インフラに批判の声 (081128)
●フィリッピンの再生可能エネルギー再び (081127)
●ミャンマーのラシオへの思い (081126)
●インドのパイプラインへの挑戦 (081125)
●パキスタンの水問題深刻 (081124)
●ベトナムの開発に何か変化が (081123)
●インドネシアの石炭探査投資を (081122)
●中国雲南省がコルカタへ調査団 (081119)
●パキスタンのダムになお異論 (081118)
●ミャンマーは更にダム開発加速 (081117)
●インド北東地域の送電線計画 (081116)
●メコン洪水で再び中国ダム論争 (081115)
●金融危機とインドの電源開発 (081114)
●カンボジアのNGO天国終焉 (081113)
●インドの電力プール市場 (081111)
●フィリッピンのマイクロ水力 (081109)
●カンボジアの多彩な水力開発 (081108)
●IEAが原油動向で報告書 (081107)
●インドの大規模火力に資金難 (081106)
●中国の石炭に下降傾向 (081105)
●タイ首相ナムグムの水を東北タイへ (081104)
●タイの原子力地点決定は2009年末 (081103)
●イランのパイプラインとインドの優柔不断 (081102)
●ミャンマーでの中国のプレゼンス (081101)

●ベトナム油田へのロシアの参入 (081031)
マニラ配電の先行き見通し (081030)
カンボジアなどへの中国の進出 (081029)
中国の水力開発規模は世界一 (081028
インドネシアの 電気料金上げ (081027)
中国企業がアザドカシミールにダム投資 (081026)
中国広西とベトナムを結ぶ線 (081025)
丸紅のフィリッピンへの取り組み (081024)
インドネシアと中国のLNG契約 (081023)
ラオスの水力で住民補償が再燃 (081022)
世界で50カ国以上が原子力発電を計画 (081021)
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米国がインドへ原子力通商使節団 (081016)
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インドの大規模石炭火力計画 (081013)
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バングラデシュとミャンマーの関係 (081009)
バングラデシュのエネルギー長期見通し (081008)
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●ADBが初めてベトナム水力支援 (081006)
●知的送電線ネットワークの発想へ (081005)

中国とインドのエネルギー問題 (081004)
インドの原子力開発加速へ (081003)
アジア大陸の水源はチベット高原 (081002)
インドの配電組織改革 (081001)

フィリッピンの再生可能エネへの取組 (080930)
インドの地球温暖化との戦い (080929)
サルウイーン河のダム開発 (080927)
メコン流域会議開催と中国 (080926)
インド,25年までに6千万KW水力開発 (080925)

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