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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年10月9日分 ーバングラデシュとミャンマーの関係 ー
「バングラデシュとミャンマーの関係」,昨日,10月9日は,バングラデシュの電力問題を取り上げ,石炭の探査に力を集中すべきだ,と言う意見を紹介した。今日突然,ミャンマーとバングラデシュのエネルギー交渉で埋まっているバングラデシュのニュースサイトを見て驚いた。バングラデシュは,懸命になってミャンマーにすがりつこうとするが,ミャンマーからも冷たく扱われてしまった。
登場人物は,バングラデシュ側が,エネルギー省の
M Tamim, the chief adviser’s special assistant,それに大統領の
Iajuddin Ahmed であり,ミャンマー側は,the
vice-chairman of the Myanmar State Peace
and Development Council, vice-senior general
Maung Aye と Mayanmar’s energy minister
Lun Thi である。この4人の間が錯綜していて,少し混乱している。話し合いは,ミャンマーの首都とダッカの両方で行われている。
要約すると,バングラデシュ側は,消えゆく自国のガスの代替をミャンマーに求めたが,ミャンマー側は冷たく,もう既に中国とタイに売る約束をしてしまったので,バングラデシュに供給するガスはない,と言い放っている。肥料工場分だけでも何とかならないか,とミャンマーの
Maung Aye 将軍にバングラデシュの大統領が打診する。
ミャンマー側が返した言葉はいよいよ冷たい。2008年年末には,バングラデシュとの境界に近い二つのブロックで探査結果が出る。このブロックに対して,もしバングラデシュ側が他の国と争って獲得できるならば可能性がある,勿論価格競争になるし,バングラデシュが勝っても,バングラデシュ自身が生産して,自分で持って帰らなければならない。まあ,バングラデシュにとって,タイと中国を相手に勝てるわけがなかろう,と言いたいところなのである。
もう一つ,以前よりバングラデシュ側が,ミャンマー領内の国境付近,Rakhain
州の水力開発について打診してきた。これに対するミャンマー側の答え。いいですよ,合同調査団を現地に派遣することには同意する。しかし開発はバングラデシュの責任でやって下さい。そうして,生まれる電力の30%はミャンマーに置いて行け,残り70%はバングラデシュに自分で持って帰りなさい。
ガスにしても水力にしても,まるで一休さんの難題をミャンマーから吹っかけられているようなバングラデシュである。汚職などで問題のあるバングラデシュであるが,この二日間で,本当にバングラデシュが可哀相になってしまった。JICAが動くか,大いに期待したいところである。なお,インドへのパイプラインは,ミャンマー側に言わせると立ち消えの感がある,しかしインドには,ミャンマーで水力を進める
Ramesh がいる。
別件,ブッシュ大統領が米印原子力協定に調印したその日,パキスタンのザルガニ新大統領が,北京に向かって出発する。パキスタンの意図は,中国と原子力協定を結ぶことにある。もし湖錦濤がこの申し出を受けた場合は,二つのグループの核軍拡競争に発展する可能性がある,と解説した新聞がある。
本文
●ミャンマー,今のところ,バングラデシュへのガスの余裕なし
話が錯綜しているが,ミャンマーの高官がバングラデシュを訪問しているようだ。ミャンマーの
Mayanmar’s energy minister Lun Thi がバングラデシュ側の
M Tamim, the chief adviser’s special assistant
に対して,ミャンマーのガスはもう余剰がない,全部,中国とタイに売ってしまった,と冷たく伝えたわけである。バングラデシュは,消えゆく自国のガスの代替としてミャンマーを期待していたが,希望が立たれたわけである。
また,同じ訪問団かどうか分からないが,ミャンマーの
the vice-chairman of the Myanmar State Peace
and Development Council, vice-senior general
Maung Aye がバングラデシュの大統領 Iajuddin
Ahmed を表敬訪問したときに,大統領から,主として肥料工場のためのガス供給を打診したが,Maung
Aye 将軍から断られたようだ。インドへのガスパイプラインについても,白紙だとの発言があった。
また,ミャンマーの energy minister Lun Thi
は,バングラデシュの M Tamim に対してこう言ったようだ。バングラデシュに近い海域の二つのブロックで探査中であり,バングラデシュが他の国と競争によりこのガスの取得する可能性は残されていると。自分で開発しなさいと言うことか。
余りにバングラデシュ側をいじめたミャンマー側は,それでも,バングラデシュが申し出ているミャンマー領内,Rakhain
州の水力開発については,容認の姿勢を示した。しかし条件はきつく,バングラデシュ自ら調査団を派遣して開発することと,電力の30%はミャンマー側に供給すると言うことを要求した。
●ミャンマー,もし余裕があれば,ガスをバングラデシュへ供給
Myanmar agrees to export gas if new reserve
found
http://www.thedailystar.net/story.php?nid=57884
●ミャンマー,バングラデシュの水力開発要請に合意
Myanmar agrees to move forward hydropower
plant proposal
http://news.xinhuanet.com/english/2008-10/09/content_10167617.htm
●フィリッピン,ERC,NPC以外の時間別料金の規則を新たに指示
フィリッピンでは,NPCが所有する発電所と,NPCが引き受け手になっているIPPの電力を配電会社に売電するときには,規定に定められた時間別料金表TOUに従うことになっている。大体,オフピークでKWh当たり1.5ペソ,ピークで5.5ペソ程度である。今日の記事は,これから増えてくると思われる直接買電,即ち,NPC以外の買電についても,別個にTOUを定める,というもの。実態に即して,ERCが承認することになる。
●フィリッピン,マニラ配電 Meralco の発電チャージアップ,KWh0.3145ペソ
この7月に起きたサンホセデルモンテ変電所の事故の影響で,卸売市場WESMの取引値段が急騰し,その後始末について,長い間議論が行われてきた。結局,10月の需要家への請求書は,このWESMの異常値を調整するために,NPCの時間別料金TOUを適用することで,解決を図ることになった。結果,マニラ配電は,平均値として,KWh当たり4.4174ペソであったものを,4.7319ペソに上げることとなった。
カリフォルニアで,この取引市場の問題を学習しているわけであるが,フィリッピンは,このような異常事態に於ける料金の決定の方法について,未だ公式を設定していない。現在のWESMの割合は10%であるが,今後これは増えて行くはずであるし,電力取引の原則をどの様に調整するのか,訴訟も起こってくる可能性がある。
Reference
Philippines
●081009A Philippines, Manila Bulletin
マニラ配電 Meralco の発電チャージアップ,KWh0.3145ペソ
Meralco generation charge up P0.3145/kWh
http://www.mb.com.ph/BSNS20081009137468.html
●081009C Philippines, Manila Bulletin
ERC,NPCの時間別料金の規則を新たに指示
ERC prescribes TOU charges formula
http://www.mb.com.ph/BSNS20081009137469.html
Bangladesh
●081009D Bangladesh, energybangla
ミャンマー,今のところ,バングラデシュへのガスの余裕なし
No Gas for Bangladesh Right Now Myanmar
http://energybangla.com/index.php?mod=article&cat=GasSector&article=1064
●081009E Bangladesh, xinhuanet
ミャンマー,バングラデシュの水力開発要請に合意
Myanmar agrees to move forward hydropower
plant proposal
http://news.xinhuanet.com/english/2008-10/09/content_10167617.htm
●081009F Bangladesh, thedailystar
ミャンマー,もし余裕があれば,ガスをバングラデシュへ供給
Myanmar agrees to export gas if new reserve
found
http://www.thedailystar.net/story.php?nid=57884le=1055

●バングラデシュのエネルギー長期見通し (081008)
●中国政府のチベット開発政策 (081007)
●ADBが初めてベトナム水力支援 (081006)
●知的送電線ネットワークの発想へ (081005)
●中国とインドのエネルギー問題 (081004)
●インドの原子力開発加速へ (081003)
●アジア大陸の水源はチベット高原 (081002)
●インドの配電組織改革 (081001)
●フィリッピンの再生可能エネへの取組 (080930)
●インドの地球温暖化との戦い (080929)
● サルウイーン河のダム開発 (080927)
●メコン流域会議開催と中国 (080926)
●インド,25年までに6千万KW水力開発 (080925)
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