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(本更新直前483,600 ,メルマガ配信数 1.042)
ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年11月6日分ーインドの大規模火力に資金難 ー
トヨタがストップ安で,東京株式市場が現在219円下げている,一時は600円を超える下がりだったとか。自動車というのはこんなに脆いものなのか,と思ってしまうが,如何にも安定している基礎物資,と思うけれども,実はミュージックなどと同じような浮き沈みの激しいものなのか。そういえば先輩が,トヨタの社員が新しい仕事は何かと中東を歩いていた話をしていた。トヨタの別の社員は,トヨタはロボット狙いだ,と言っていた。そうなのかな。
今日の雰囲気は,オバマ大統領で中国にはどの様な影響が,と論じている。元々人権問題でもっともうるさい活動家であったと言うから,中国政府も神経をとがらせているようだ。オバマ氏の外国人賓客の第一号がダライラマ法王であったことも,問題になっている。中国の貿易収支の黒字に対しても,オバマ氏は発言しており,中国元の更なる上げを要請してくると,結構緊張してくるようだ,と新聞にも書いてあった。

写真はムンバイ
米国民の新政権に対する期待は,対イラクが僅か10%で,金融問題が60%と言う。世界の金融問題は,彼方此方に影響してきて,先日からADB(注3)が問題にしていたインドの4,000MWクラス大規模火力開発構想UMPP(注1)の資金問題にも火がついたようだ。2008年10月13日に本HP(注2)でも取り上げている。それは,ADB(注3)が,インドの大規模石炭火力開発UMPP(注1)の規模4,000MWを,半分程度にすべきだ,と提言して,この金融危機のタイミングで外国資本抜きで資金調達するのは困難,としていた点だ。
今日の記事は,現在決定している3地点,ムンドラ,ササーン,クリシュナパットナム(注4)に続く第4の地点であるジャルカンド州(注5)のティライヤ地点(注7)の資金調達に関するものである。世界的な金融危機で野望的なUMPP構想(注1)も揺らいでいる。この構想の中心にある電力融資公社PFC(注7)は,ティライヤ地点(注7)の価格見積提案書RFP(注8)の提出期限を,2008年12月1日に延期した。それは,入札候補達の資金計画が間に合わないと見たからである。
入札参加の見込みは,タタ電力(注9),NTPC(注10),リライアンス電力(注11),エッサール電力(注12),L&T(注13),サテライト産業(注14)など,インドの有力企業が名を連ねているが,それぞれ,電力融資公社PFC(注7)に対して,資金調達の目処が困難と見通しを述べていたようだ。結局,PFC(注7)は2008年12月1日に延ばしたが,延期はこれが3度目である。
インドのこのUMPP構想(注1)が,恒常的なインドの電力不足を救うものとの,インド政府の野心的な構想ではあったが,ADB(注3)が忠告しているように,規模が大きすぎたことで,入札する国内企業が苦心していることと,世界の金融危機とが重なったことが,不幸であった。ADB(注3)は基本的に国内企業だけでは無理で,国際企業を入れた上,政府の保証を付けるべきだ,と言っている。日本企業にチャンスはないのか。
(注) (1) 4,000-mw ultra mega power projects (UMPPs),(2) http://my.reset.jp/adachihayao/index081013.htm,(3) the Asian Development Bank (ADB),(4) Mundra, Sasan and Krishnapatnam,(5) Jharkhand,(6) Tilaiya,(7) Power Finance Corp (PFC),(8) the request-for-proposal bid (or price bid)
RFP,(9) Tata Power,(10) NTPC,(11) Reliance Power,(12) Essar Power,(13) L&T,(14) Sterlite Industries,(15)
UMPPの解説
http://powermin.nic.in/whats_new/pdf/ultra%20mega%20project.pdf
本文
●インド,金融情勢悪化で,ティラヤ大規模石炭火力,資金調達困難
写真はムンバイ
インドの4,000MWクラス大規模火力開発構想UMPP(注1)の資金計画については,2008年1013日に本HP(注2)でも取り上げている。それは,ADB(注3)が,インド中央政府に対して,大規模石炭火力開発UMPP(注1)のプロジェクト規模4,000MWを,半分程度にすべきだ,と提言して,この金融危機のタイミングで外国資本抜きで資金調達するのは困難,としている。規模としては,2,000〜2,500MWが適当としている。また,出来るだけ,国内企業と外国資本を組み合わせ,51%以上を外国資本にすべきとしている。
今日の記事は,現在決定している3地点,ムンドラ,ササーン,クリシュナパットナム(注4)に続く第4の地点であるジャルカンド州(注5)のティライヤ地点(注7)の資金調達に関するものである。記事を見て行こう。世界的な金融危機で野望的なUMPP構想(注1)も揺らいでいる。この構想の中心にある電力融資公社PFC(注7)は,ティライヤ地点(注7)の価格見積提案書RFP(注8)の提出期限を,2008年12月1日に延期した。それは,入札候補達の資金計画が間に合わないと見たからである。
ティライヤ地点(注7)のRFP(注8)提出期限は,当初,2008年11月4日に予定されていた。これによって,他の5つのUMPP(注1)も順次順調にいって,この先5ヶ月で出そろうと期待されていた。今回のティライヤ地点(注7)の入札企業は,タタ電力(注9),NTPC(注10),リライアンス電力(注11),エッサール電力(注12),L&T(注13),サテライト産業(注14)の6企業であったが,いずれもこの一流のプロジェクトに踏みとどまっている。
PFC(注7)はいずれの入札候補も,資金調達に時間が必要と見ている。このティライヤ(注7)プロジェクトは,1,600〜1,800億ルピーの投資が必要の大規模のものであるが,PFC(注7)はRFP(注8)提出期限を,当初2008年3月としていたものを,一度2008年6月に延期しており,更にこれが最後と言って,2008年11月4日に設定していたものである。
インドのこのUMPP構想(注1)が,恒常的なインドの電力不足を救うものとの,インド政府の野心的な構想ではあったが,ADB(注3)が忠告しているように,規模が大きすぎたことで,入札する国内企業が苦心していることと,世界の金融危機とが重なったことが,不幸であった。ADB(注3)は基本的に国内企業だけでは無理で,国際企業を入れた上,政府の保証を付けるべきだ,と言っている。日本企業にチャンスはあるのか。
(注) (1) 4,000-mw ultra mega power projects (UMPPs),(2) http://my.reset.jp/adachihayao/index081013.htm,(3) the Asian Development Bank (ADB),(4) Mundra, Sasan and Krishnapatnam,(5) Jharkhand,(6) Tilaiya,(7) Power Finance Corp (PFC),(8) the request-for-proposal bid (or price bid)
RFP,(9) Tata Power,(10) NTPC,(11) Reliance Power,(12) Essar Power,(13) L&T,(14) Sterlite Industries,(15)
UMPPの解説
http://powermin.nic.in/whats_new/pdf/ultra%20mega%20project.pdf
●インドネシア,PLN,バリの供給力不足で,需要家に節約要請
ジャワ島でなくバリ島の話である。PLNのバリ支店(注15)は,年末に予想される電力供給力不足に備え,需要家の節電を要請した。スディルマン支店長(注16)は,年末には観光客が押しかけ,需要が急増する恐れがあるという。バリの需給は今のところ安定しているが,予備力が少なくなってきている。年末の最大出力は460MWと予想しているが,このとき予備力は102MWである。
スディルマン支店長(注16)は,予備力として130MWは確保したいとしている。PLNのバリ支店(注15)は,日562MWで740,000世帯に送っている。PLNはいろいろな節電対策を要請している。街灯を制限するなどして,20%減を目標にしているが,10%が可能な状態だ。2009年の半ばには電力危機が訪れる可能性があると警告している。
PLNのベラタ氏(注17)は,今後の計画を説明している。現在,新規に3つの発電所の計画を持っている。これらの発電所は,380MWの容量で,2010年までには運転に入る予定である。東ジャワとの連携については,2012年に,東ジャワのバニュワンギ港(注18)とバリのギリマヌック港(注19)を4kmの配電線で結ぶ予定で,これが出来れば30年間は大丈夫だ。
この東ジャワのバニュワンギ港(注18)とバリのギリマヌック港(注19)の連携プロジェクトの完成には,政治的な問題もあって,需要家全部で,政治的なキャンペーンが必要だ,と言っている。私は,ジャワバリ系と言うぐらいだから,この両島は,完全に繋がっているのかと思っていた。
(注) (15) state-owned electricity company PT PLN's
Bali office,(16) Sudirman, general manager of PLNs Bali office,(17) Communications manager of Bali's PLN office,
I Made Berata,(18) Banyuwangi port,(19) Gilimanuk port,
Reference
India
●081106A India, Economic Times
金融情勢悪化で,ティラヤ大規模石炭火力,資金調達困難
Financial meltdown hits Tilaiya UMPP
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Financial_meltdown_hits_Tilaiya_UMPP/articleshow/3674298.cms
Indonesia
●081106B Indonesia, The Jakarta Post
PLN,バリの供給力不足で,需要家に節約要請
PLN urges residents to conserve electricity
amid supply deficit
http://www.thejakartapost.com/news/2008/11/06/pln-urges-residents-conserve-electricity-amid-supply-deficit.html
過去のニュース
●中国の石炭に下降傾向 (081105)
●タイ首相ナムグムの水を東北タイへ (081104)
●タイの原子力地点決定は2009年末 (081103)
●イランのパイプラインとインドの優柔不断
(081102)
●ミャンマーでの中国のプレゼンス (081101)
●ベトナム油田へのロシアの参入 (081031)
●マニラ配電の先行き見通し (081030)
●カンボジアなどへの中国の進出 (081029)
●中国の水力開発規模は世界一 (081028
●インドネシアの 電気料金上げ (081027)
●中国企業がアザドカシミールにダム投資 (081026)
●中国広西とベトナムを結ぶ線 (081025)
●丸紅のフィリッピンへの取り組み (081024)
●インドネシアと中国のLNG契約 (081023)
●ラオスの水力で住民補償が再燃 (081022)
●世界で50カ国以上が原子力発電を計画 (081021)
●世界金融情勢の変化の影響 (081020)
●インドとパキスタン対立の悪夢 (081019)
●パキスタン大統領の北京挑戦 (081018)
●インド北辺水力開発に反旗 (081017)
●米国がインドへ原子力通商使節団 (081016)
●フィリッピンの天然ガスと電気料金 (081015)
●フィリッピンの長期エネルギー計画 (081014)
●インドの大規模石炭火力計画 (081013)
●ミャンマーの水力への外国投資 (081012)
●ダム建設を巡るカシミール問題 (081011)
●フィリッピンの国産エネルギーへの拘り (081010)
●バングラデシュとミャンマーの関係 (081009)
●バングラデシュのエネルギー長期見通し (081008)
●中国政府のチベット開発政策 (081007)
●ADBが初めてベトナム水力支援 (081006)
●知的送電線ネットワークの発想へ (081005)
●中国とインドのエネルギー問題 (081004)
●インドの原子力開発加速へ (081003)
●アジア大陸の水源はチベット高原 (081002)
●インドの配電組織改革 (081001)
●フィリッピンの再生可能エネへの取組 (080930)
●インドの地球温暖化との戦い (080929)
● サルウイーン河のダム開発 (080927)
●メコン流域会議開催と中国 (080926)
●インド,25年までに6千万KW水力開発 (080925)

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