アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年11月13日分ー カンボジアに,遂にNGOの時代,終焉を告げる ー

●カンボジアに,遂にNGOの時代,終焉を告げる

私の短い職歴の中でも,これほど揺れ動いた国なはない。それでも,その間,フンセン首相(注1)は動いていない。一体フンセン首相(注1)はいくつなのか,と思ったりする。フンセン首相(注1)がいなくなったらカンボジアはどうなるのか,と良く思うことがある。それでも,フンセン首相(注1)の行政に厳しい目を向けてきたのは,世界銀行や日本政府などの所謂援助国会議(注2)とNGO(注3)であった。しかし,その時代も終わるつつあると言うのが,この記事のポイントである。長いが読んでみて,要約してみよう。

完全な選挙で自分の王国を作り上げたフンセン首相(注1)は,原油ガスの潜在力爆発を目の前に,今まで20年以上に亘り自分たちの天下を謳歌してきたNGO(注3)を敵に回すことを決意した。今年,2008年9月末,フンセン首相(注1)は,2000以上の団体,NGO(注3)に対する完全な登録制度,それも厳しい財務報告義務を課す法律の実施に踏み切った。この法案は,数ヶ月内に,フンセン首相(注1)率いるカンボジア人民党CPP(注4)が多数を占める国会(注5)を通過すると想定されている。

フンセン首相(注1)は,2008年9月26日のラジオ放送を通じての演説で,「カンボジアは,NGO(注3)の天国が余りにも長すぎた。」,とし,NGO(注3)の報告書で何一つ有益なものを期待することは出来ない,「NGO(注3)は全くコントロールできない,NGO(注3)は自分たちの財務維持のため,政府を攻撃し続けてきた。」,とNGO(注3)の天国の終焉を告げた。これは,今までフンセン首相(注1)を財政的に支援してきた欧米グループのの代わりを,中国と韓国が肩代わりすることで,フンセン首相(注1)を決意させた。

カンボジア国際ビジネス協会のシアロニ会長(注6)は,「今までNGO(注3)が果たしてきた財務は,すべてカンボジア政府に移管される。」,と言い切った。この対NGO(注3)法案は,選挙で地滑り的な勝利を得たフンセン首相(注1)と,その政権の人権と汚職の体質を非難し続けてきたNGO(注3)との,象徴的な権力の移行を示すものである。

記事はここで,クメールルージュ(注7)の恐慌政治から,ベトナムの侵攻,欧米のベトナムへの制裁,パリの和平協定(注8)成立など,カンボジアの近代歴史に触れている。NGO(注3)が,この混乱の時期に果たした地雷撤去や人権などに対する評価は高い。しかし,政府高官の熱帯林不法伐採を糾弾した環境のグローバルウイットネス(注9)や人権団体(注10)には,政府も手を焼き始めた。世界銀行も,2006年には,一時支援を凍結し,フンセン首相(注1)の政権の名声を失わせる恐れが出てきた。

ここに現れたのは中国の援助で,西欧に比べれば,行政姿勢や透明性に関して,それほど注文はない。中国の支援は,水力発電や道路などのインフラ関連である。年間6億ドルに上った欧米の政府やNGO(注3)の支援に対して,フンセン首相(注1)は恒に不満を持っていたところである。人権ウオッチのアダム代表(注11)が,皮肉な表現を使っている。

米軍の皮肉なキャッチフレーズに,「軍隊に来い,海外に行けるぞ,刺激的で異常な人々に会えるぞ,そうしてそれらの人々を殺すのだ。」,があるが,これをもじってカンボジアへの支援に誘う言葉.,「援助仲間に入れ,海外に行けるぞ,刺激的で異常な人々に会えるぞ,そうして大もうけをするのだ。」(注12)。ここでは勿論,殺すというキルと,大もうけと言う意味の,キリング,をかけているのだ。とにかく,無税の優遇で,月1万ドル以上の報酬,郊外にNGO村と言われる豪華な邸宅を建てて,一日0.5ドルで生活する地元民から羨まれる,それがNGOだ,と言うのだ。

ここで,もう一つの問題は,米国石油巨人シェブロン(注13)の探査見通しである。フンセン首相(注1)がじっと目をこらしているのは,専門家による見通し,2010年に始まると言われるフルスケールでの原油天然ガス生産,カンボジア政府に,年間,2億ドルとも20億ドルとも言われているこの原油天然ガスの収入である。これについては,既にNGO(注3)が警告を発している。原油に酔っぱらったフンセン首相(注1)が,何をするか分からないと。

この記事は最後に,ダムや道路,原油やガスの生産は,中国の支援などで,これからも大いにフンセン首相(注1)を支援して行くだろうが,カンボジアに必要な教育と医療の支援は,無惨な状態に移行する可能性がある,と警告している。私の感覚であるが,中国が急にカンボジアのダムに投資を始めた背景には,このカンボジア沖での,原油ガス生産の兆しが大きなインセンティブになっているのではないか。

(注) (1) Cambodian Prime Minister Hun Sen,(2) Consultative Group meetings,(3) the non-governmental organizations (NGOs),(4) Hun Sen’s Cambodia People's Party (CPP),(5) National Assembly,(6) Brett Sciaroni, chairman of Cambodia's International Business Association,(7) Khmer Rouge,(8) 1991 Paris Peace Accords,(9) Global Witness,(10) the UK-based rights lobby Amnesty International,(11) Brad Adams, executive director for Human Rights Watch's Asia Program,(12) 'Join the aid community. Travel to exotic, distant lands. Meet exciting, unusual people. And make a killing'.,(13) Chevron, the US energy giant,(14)

Reference

India

●081113B India, prminds
インドの原子力産業,米印協定で,一大ブームへ
Indian nuclear power industry is set to boom post Indo-US nuclear deal
http://www.prminds.com/pressrelease.php?id=6733

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