アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年11月22日分 ー 中国が,ミャンマーを原油の中継基地として使おうとしている ー


●中国が,ミャンマーを原油の中継基地として使おうとしている

中国を中心とした外国勢力のミャンマーのエネルギー資源開発については,2008年11月1日付本欄(注11)で,中国紙が総括して,国際的な争奪戦の様相を示してきたことを匂わせている。また,2008年11月17日付け本欄(注2)では,新たに15のダムが計画に上がってきたことを伝えた。この活動をミャンマーにとってチャンスと見るか,外国の収奪と見るか,大いに意見の分かれるところである,と書いている。今日の記事は,ミャンマー紙イラワジ(注13)が,各国の動きに批判的な記事を載せている。

中国が,パイプラインによってミャンマーを,中東やアフリカからの原油ガス中継地として使うという意図を明らかにしてから,ミャンマーに於ける人権問題が,再びクローズアップされてきた。中国はメディアを通じて,雲南省高官の談話として,15億ドルのパイプライン建設は,この6ヶ月内に着工するだろう,と報じている。皮肉にも,世界の金融危機と時を同じくするが,先般中国政府が発表した6000億ドルの緊急対策に含まれると考える可能性もあると言うことだ。

情報として,中国は,アラカン沿岸(注16),ラムリー島(注14)のチャウクピュー(注15)に,スーパータンカーを接岸できる高深度港湾を建設中,と言われている。このことは,中国メディアも,マラッカ海峡(注17)ノミに頼り必要のないルートをミャンマーが提供してくれる,との表現で,これを認めている。また,中国国有巨大エネルギー企業CNPC(注18)は,原油パイプラインとは別に,10億ドルで,ミャンマーのガスを運ぶパイプラインを敷設する予定である。

国際人権団体は,これらのパイプラインの影響を心配している。シュエガス運動のウオンアウン氏(注21)は,アラカン州(注19)やシャン州(注20)に於ける人権が侵される,それは,軍部が大部隊を派遣して治安維持を名目に,強制的な立ち退きや労働などを,強いる可能性がある,と心配している。また問題は,韓国のダイウー(注22)の動きである。ダイウー(注22)はCNPC(注18)のパートナーで,シュエガス田(注23)の主開発企業である。米国籍の地球人権ERIのスミス氏(注24)は,韓国がOECD(注25)のメンバー国でありながら,この人権問題の一端の責任を負うことに懸念を示している。

専門家ワタナ氏(注26)は,これらのパイプラインは,ミャンマーの石油ガス公社(注27)が進めていると公表されているが,実質は中国のCNPC(注18)が進めているとの理解だ,と言っている。中国が,自国のエネルギー確保のため,ミャンマーを使っている,との認識である。また,ダムの問題についても,現在進行中の22のダムに加え,新たに15のダムの計画を追加している。これは,現在進行中の,16,500MWの上に新たに,14,000MWを加えることとなる。

専門家のレイノルズ氏(注28)は,これらの発電所が全部動くと,タイの現在の容量を超えてしまう,と言っている。ミャンマーの現在の電力は,17,00MWにしか過ぎない。タイの現在の設備は,26,000MWであるが,結局,ミャンマーの電力は,インドや中国に送られることになるだろう。関連する中国の企業は,YMEIE(注29),FIGC(注30),GWRI(注31)で,CPIC(注32)に至っては,一社で7つのダムを建設中である。

またこの記事では,日本の自動車メーカーもやり玉に挙がっており,日産と鈴木が,ミャンマーの軍関係企業FMI(注33)と結んで,車の組み立てとオートバイの生産に携わっている。ピックアップで,現在の月産170台を,2009年には1,200台に上がると,FMI(注33)は言っている。鈴木のミャンマー産業省(注34)との契約は,更に将来20年間に更新されている。工場は,南ダゴン工業団地(注35)にある。ロンドンのロイドも,ミャンマー軍事政権と結びついている,として非難されている。

この報告にあるように,経済的な結びつきを軍事政権との間で深めているのは,中国だけではない。しかし,ミャンマーの水力資源の開発は,おそらく,今しかない,と言うことは,皆よく分かっていると思う。政権が民主化されたときに,これらの資産はどうなるのであろうか。中国が,莫大な資金の償還を要求することになるのだろうか。しかし中国は,少なくとも20年は軍事政権が続く,と読まなければ,これだけの投資は出来ないだろう。

(注) (11) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081101A.htmm,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081117C.htm,(13) http://www.irrawaddy.org/,(14) Ramree Island,(15) Kyaukphyu,(16) Arakan coast,(17) Strait of Malacca,(18) China National Petroleum Corp,(19) Arakan atate,(20) Shan state,(21) Wong Aung, coordinator of the Shwe Gas Movement,(22) Daewoo International,(23) Shwe Gas Project,(24) Matthew F Smith of the US-based EarthRights International,(25) Organization for Economic Cooperation and Development,(26) regional energy industries analyst-consultant Sar Watana,(27) Myanmar Oil and Gas Enterprise,(28) energy consultant Collin Reynolds in Bangkok,(2) Yunnan Machinery and Equipment Import and Export Co,(30) Farsighted Investment Group Co,(31) Gold Water Resources Limited,(32) China Power Investment Corporation,(33) First Myanmar Investment,(34) Ministry of Industry (2),(35) South Dagon Industrial Zone in Rangoon,(36)

Reference

Vietnam

Myanmar

●081122B Myanmar, irrawaddy
中国が,ミャンマーを原油の中継基地として使おうとしている
China’s Burma Oil Conduit an ‘Abuse Threat’
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=14673

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