アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年11月24日分 ー パキスタンは,5400万人が,安全な水がないー

●パキスタンは,5400万人が,安全な水がない

昨日,2008年11月23日付本HP(注14)で,パキスタンのインダス河,特にその支流のシェナブ川(注15)で,インドに追いつめられる焦りを見てきたが,まさに国際河川の上流と下流の国の水への思いを新たにした。まだその思いも冷めないうちの今日,2008年11月24日,今度は和親から発せられたパキスタンの人々の水への声が,記事になっている。ワシントンで開かれたパキスタンの水問題に関する会議で,カラチ(注16)から出席した水問題専門家カマール女史(注17)の発言の内容である。

パキスタンの人口1億6,500万人のうち,5,400万人は安全な飲み水に恵まれていなく,7600万人が公衆衛生の恩恵を受けていない。また,9,800万人が農業に従事し,4,900万人が貧困のレベルにある。国土の92%は,乾燥地帯または準乾燥地帯(注18)である。インダス流域は国土の25%を占め,人口の65%がこのインダス流域に住んでいる。農業生産は,パキスタンのGDPの25%を占めている。

パキスタンは水不足のプレッシャーの中にあり,2035年には完全に欠乏する。灌漑面積の38%は沼地で,14%は塩害に悩まされている。インダス流域には塩が堆積し,帯水層は塩に侵されている。バロチスタン(注19)は塩分で危険な状態で,インダス下流域では,真水は激減している。パキスタンでの州の間の水争いは長く,重要な用途別の議論がなされる時間がなかった。

灌漑と農業に使われる水は97%に達し,僅かに4%が他の目的に使われているに過ぎない。水道と下水の費用はGDPに0.2%であることが分かった。マングラダム(注20)とタルベラダム(注21)の容量の25%が失われているので,灌漑水路の回転に使われるだけの水がない。また,取水堰や水路で失われる水は4分の一に達し,水路で失われる量は,送水量の3分の一に達する。農業で消費するのは25%に過ぎない。上流,中流,下流での水争いは激しく,耕作可能な土地の45%は,常に耕している,準備中の状態である。

非常に費用がかかるが,1〜2カ所のダムは必要だ。しかし,特に,パンジャブ州(注22)と他の3州との問題で,余りにも議論が長すぎる。カラバーダム(注23)は今一時的に棚上げされているが,建設費126億ドル,発電出力,450,000MW,のディアマ-バシャダム(注24)が浮上してきた。もし円滑に行けば,2016年に完成の予定である。便益的には,水力発電が15億ドル,灌漑が6億ドル,の割合だ。

もう少し効率的な維持管理システムを確立できれば,輸送中の水の損失が劇的に減少する。水の政治的要素は,パキスタンではまだ封建的な土地使用に阻害されている。特に,バロチスタン(注19)州では,雨水による灌漑や灌漑の出来ない乾燥地帯が殆どを占めて,他の農業の方法が無視されている。それは,ノンフラッド(注25)や小規模灌漑(注26)の方法である。

インダス流域で,地下水揚水箇所(注27)が50万カ所ほどあるが,地下水灌漑は耕地直接灌漑(注28)の半分を占めている。インダスデルタ(注29)の主要な17の水路のうち生きているのは一つで,他は,海水と淡水の境界で汚染されている。世界で第6位の規模を誇ったマングローブ林は消え去り,コトリ堰(注30)より下流は干上がっている,そこには海水が侵入している状態だ。

パキスタンには,包括的な水資源法がない。それは,水利権,水使用,水の価値,評価の原則,補助金,汚染防止,などを規定すべきものだ。現在は,不均衡や先入観の入り交じったもので,唯一,1991年に制定された,水基本合意書(注31)があるだけである。パンジャブ州(注22)とシンディ州(注32)の環境論争は長い。互いに首尾一貫していないし,政治に利用されている。

世界の河川でも,上下流の争いの例は沢山あるが,パキスタンも例外ではない。しかしそこには多くの教訓が潜んでいる。下流国が自分で自分を守ることが重要で大切だ。パキスタンの場合は,一般的な方法と新しい発想を組み合わせて解決可能だと思う。今とは違う枠組みを発想して行かなければならないかも知れない。州間の論争でなく水使用者の論争にすべきではないか。その意味では,パンジャブ州(注22)とシンディ州(注32)の論争に,全土の問題を解決するヒントがある。水の供給の問題から水需要の運営法に,重点を移していったらどうか。

このカマール女史(注17)の講演を読み進むうち,各地の水問題は殆どが政治に利用された政治問題ではないか,と言う気になってきた。まあ実態はそうなのだろうけれど,皆さん,一生懸命技術を考えているけれど,結局最後は政治家に利用されて行く。カマール女史(注17)の最後に出てくる言葉,「水は州の間の争いではなく,水を使うものの争いでなくてはならない。」,と言う言葉がそれを示している。

(注) (14) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm,(15) Chenab river,(16) Karachi,(17) Simi Sadaf Kamal,chairperson of Hissar, an NGO in Karachi,(18) semi-arid,(19) Balochistan,(20) Mangla dam,(21) Tarbela dam,(22) Punjab,(23) Kalabagh dam,(24) Diamer-Bhasha Dam,(25) non-flood methods of cultivation,(26) micro-irrigation strategies,(27) tubewell,(28) on-farm irrigation,(29) Indus delta,(30) Kotri Barrage,(31) Water Accord of 1991,(32) Sindh,(33)

Reference

Pakistan

●081124A Pakistan, dailytimes
パキスタンは,5400万人が,安全な水がない
54 million Pakistanis without safe drinking water
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C11%5C24%5Cstory_24-11-2008_pg7_28

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