アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 2008年12月20日分 ー フィリッピンの電気料金は民営化で下がるかー

2008年12月20日分 ー フィリッピンの電気料金は民営化で下がるか ー

フィリッピン商工会議所PCCI(注1)の電気料金に対する圧力は,ますます激しくなってくる。フィリッピンがKWh当たり14セントとして,タイやベトナム,インドネシアでは,5〜7セントぐらいで推移しているから,半導体などの業種は,フィリッピンから逃げ出すのではないか,と懸念されている。一方でアロヨ政権は,なぜフィリッピンだけ電気料金が高いのか,と国民や国会から迫められ続けている。

その上,最近見てきたとおり,国産再生可能エネルギーの重視で,電気料金はますます高くなる可能性を孕んでいる。電気料金の問題と国産再生可能エネルギーとは全く矛盾する話なのである。2008年半ばには,原油が高かったから,再生可能エネルギー開発の制度の問題に拍車がかかったが,今となれば,全く矛盾した話になってきてしまった。原油が将来どうなるか,は勿論分からないが,今日安いと言うのは現実の問題だ。

今日のフィリッピン商工会議所PCCI(注1)のトップ,アレジャンドロ副総裁(注2)の発言も,競争市場の導入で,投資は増え,電気料金は安くなる,と言う前提で,民営化の加速を要請している。アレジャンドロ副総裁(注2)が本当にそう信じているのかどうか,よく分からないが,とにかくNPC(注3)の資産売却の促進を求めていることは事実である。

民営化は,民間セクターの投資と競争を促し,電気料金を真の値に近づけるまで,安くすることが出来る,と。「我々は,投資家達が来て投資を実際に行うような市場環境を造らなければならない。もしそうすることが出来るなら,早期に金融危機を克服できるだろう。」,と。アレジャンドロ副総裁(注2)は,今の原油価格下落に甘えるべきでない,米国経済が回復すれば,原油は再び上がってくるだろう,と考えている。

私は,フィリッピンの電気料金を下げることは,電力改革によっては成功しないと思っている。元々フィリッピンには資源がなかったのだから,電気料金は高くならざるを得なかったのだと思う。先日も思いを述べたが,中国,タイ,インドネシア,ベトナム,インド,など,発展するその最盛期に,石炭資源を国内に抱えていたことが,それが有利に働いた。日本の経済が立ち上がったときは,原油が安かった,と言うことだ。

今日のアレジャンドロ副総裁(注2)の発言の中で,少し興味をそそるのは,フィリッピンが100年かかって行ったボーリングの量を,インドネシアは1年で実施している,何とか海外資本を激励して,ここに来て掘らせる必要がある,と言っている言葉だ。発展すれば何処でもガスが出てくる,と言う現実は疑いもない。フィリッピンもマランパヤでガスが出たから,もっと掘ればもっと出る,と言うことになる。

ただ,原油がバレル150ドルもすれば,皆掘ろうとするが,30ドルでは誰も堀りに来ない,と言う現実がある。国産エネルギーに重点を置くのか,再生可能エネルギーに重点を置くのか,がここで問題になってくる。経済の動きにゆられ続けるフィリッピンの問題は,やはり持たざる国の悩みなのか。例えば,インドネシアは迷わず安い石炭火力に集中して開発している,安い電気料金を維持せざるを得ないから,と言っていいだろう。

(注) (1) Philppine Chamber of Commerce and Industry,(2) PCCI vice president for energy Jose S. Alejandro,(3) National Power Corp,(4) Independent Power Producer,(5) Independent Power Producer (IPP) Administrator,(6)



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本文

●フィリッピン,商工会議所,NPCの民営化を急げと

フィリッピン商工会議所PCCI(注1)のトップは,次のように信じている,政府の有する電源資産の民営化は,10億〜20億ドルの投資を呼び込み,フィリッピンはこの世界金融危機を乗り切りことができると。PCCI(注1)のアレジャンドロ副総裁(注2)は,政府は予定されている国家発電公社NPC(注3)の資産売却予定100%年内のスピードを上げる必要がある,と主張している。

また,この民営化は,民間セクターの投資と競争を促し,電気料金を真の値に近づけるまで,安くすることが出来る,と。「我々は,投資家達が来て投資を実際に行うような市場環境を造らなければならない。もしそうすることが出来るなら,早期に金融危機を克服できるだろう。」,と。アレジャンドロ副総裁(注2)は,今の原油価格下落に甘えるべきでない,米国経済が回復すれば,原油は再び上がってくるだろう,と考えている。

フィリッピンの電気料金は,アジアで日本に次いで高く,電気料金を下げようとしている他の国に比べて,まだまだ競争が足りない。アレジャンドロ副総裁(注2)は,電気料金が高くまだ下げなければならない,と。また,国産のガスと原油のロイヤリティを下げて,この先6ヶ月を目指して,IPP(注4)の経営者(注5)の参入を急がせなければならない。IPP(注4)の経営者(注5)は,燃料コストを下げ,効果的な民間運営を持ち込む。

エネルギーの自給率を高めるために,アレジャンドロ副総裁(注2)は,政府が原油探査を,海外資本に解放しなければならないと考えている。彼が言うには,フィリッピンが100年かかって行ったボーリングを,インドネシアは1年で実施している,何とか海外資本を激励して,ここに来て掘らせる必要がある,と。この視点は,フィリッピンでは初めて聞くせりふだ。

(注) (1) Philppine Chamber of Commerce and Industry,(2) PCCI vice president for energy Jose S. Alejandro,(3) National Power Corp,(4) Independent Power Producer,(5) Independent Power Producer (IPP) Administrator,(6)


参考資料

フィリッピン

●081220A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,商工会議所,NPCの民営化を急げと
PCCI urges speedier Napocor privatization
http://www.mb.com.ph/BSNS20081220143748.html



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