アジアのエネルギー最前線
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ー 日刊アジアのエネルギー最前線 090214B ー マニラの科学者達が原子力発電所の復旧に反対ー

●マニラの科学者達が原子力発電所の復旧に反対

Photo source: IAEA

フィリッピンのバターン原子力発電所BNPP(注1)の再開問題については,2009年1月2日付本HP(注11)で,再開への気運を盛り上げる記事が出ている。2008年前半,IAEAの調査団が現地を訪問,その継続性について調査,BNPP(注10)のバターン-1が更新されることが可能,30年の間,経済的に,そして問題なく維持管理運転されることができる,政府に報告している。韓国電力KEPCO(注12)が動いている。

今日の記事は,この再開への機運に対して,科学者達の反対論が扱われている。1984年に完成して一度も運転されていないバターン原子力発電所BNPP(注10)の再開に対して,マニラの科学者グループが,これに立ち向かって反対することを宣言した。科学者グループは,バターン原子力発電所BNPP(注10)を,眠っているモンスター,汚職の記念碑,とまで呼んでいる。

バターン半島(注12)のモロン(注13)に位置するバターン原子力発電所BNPP(注10)は,フィリッピン全土の科学者の世界と汚職撲滅運動家による反対の砲火に曝されている。バターン原子力発電所BNPP(注10)は,1876年に事業費6億ドルでスタートしたが,1984年に完成したときには,マルコス大統領(注14)のグループがキックバックを狙って,23億ドルまで膨れあがっていた。

政府は,国民の税金の中から,ウエスティングハウスWE(注15)に対して毎日30万ドルの利子を払い続けてきたが,このローンは,世界銀行(注16)とIMF(注17)が保証を与えていたものだ。インクワイアラー(注18)によると,2007年時点で,支払いはまだ終わっていなかった。それから政府は,利子支払い分の3分の一,647億ドル,約13.6億ドル相当,の支払いを行った。一片の電気もなく,国民のポケットから出ていった。

1980年代には,反対運動が盛り上がって,町から町へ,マルコス独裁反対も手伝って,デモの民衆で埋まった。民衆の力に負けた当時のアキノ大統領(注19)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)の中止を決議したが,支払いは利子も含めて拒否できなかった。今や25年が過ぎたが,ここに至って,パンガシナン県(注20)のコンジュアングコ議員(注21)が,バターン原子力発電所BNPP(注10)の再開を画してきた。

コンジュアングコ議員(注21)は,下院(注22)に,バターン原子力発電所BNPP(注10)の修理と改修のために,10億ドルの予算を提案した。この議会での提案に対して,バターン原子力発電所BNPP(注10)の地域の,科学者,教会関係者,村人達,漁民,農民が,一斉に怒りに立ち上がった。フィリッピン大学シムブラン教授(注23),フィリッピン原子力反対同盟NFPC(注24)の会長,が立ち上がった。

シムブラン教授(注23)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)の現場を調査した米国の専門家ポラード氏(注25)の結果を見て,再開反対の立場を鮮明にした。シムブラン教授(注23)によると,ポラード氏(注25)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)は,安全に対して問題解決の前の設計で,公共の安全と健康に問題があるとしている。1980年代初頭,スリーマイル事故(注26)以来,米国は安全の改善をしてきたと。

フィリッピンの有名な地質専門家ロドルフ氏(注27)は,原子力廃棄物の問題で,フィリッピンでは十分に処理しきれない,と反対している。ロドルフ氏(注27)は,米国地質調査所USGS(注28)が,近傍のナティブ山(注29)付近で,少なくとも6回の自身を記録している,と言っている。またロドルフ氏(注27)は,原子力発電所は,多くの過程で,化石燃料の30%の温暖化ガスを排出するので,温暖化問題の解決にならないと。

フィリッピン大学の物理のタパン教授(注30)は,620MWを得るには危険が多い,と。2012年までに,地熱,水力,天然ガス,風力,太陽光を総動員すれば,3,000MWは容易に得られる,と言っている。地熱発電所のポテンシャルは,750MWあり,9,000万人のフィリッピン人が暮らすには十分だ,と。このような立場から,多くの人々が,政府のバターン原子力発電所BNPP(注10)再開の政策に反対している。

アロヨ大統領(注31)政権は,これらの意見に耳を貸さないようで,投資を行い,投資家から多くのポケットマネーを得ようとしている。マルコスの意図と同じで,フィリッピン人の命を賭けにしようとしている。アロヨ大統領(注31)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)再開を諦めようとしていないし,眠れるモンスターを叩き起こすことに,フィリッピン人は手段を持たない。

(注) (10) Bataan Nuclear Power Plant,(11) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090128A.htm,(12) Bataan peninsula,(13) Morong,(14) former Philippines President Ferdinand Marcos,(15) Westinghouse,(16) World Bank,(17) International Monetary Fund,(18) Philippine Daily Inquirer,(19) former President Corazon Aquino,(20) Pangasinan province,(21) Mark Cojuangco, representative of Pangasinan province,(22) House of Representatives,(23) Professor Roland Simbulan of the University of the Philippines,(24) Nuclear Free Philippines Coalition,(25) U.S. nuclear scientist Robert Pollard,(26) Three Mile Island accident in the United States in 1979,(27) Renowned Philippines geologist Kelvin Rodolfo,(28) United States Geological Survey,(29) Mt. Natib,(30) Professor Giovanni Tapang,(31) presidency of Gloria Macapagal-Arroyo,(32)


参考資料



フィリッピン

●090214B Philippines, Manila Bulletin
マニラの科学者達が原子力発電所の復旧に反対
Manila scientists oppose nuclear plant
http://www.upiasia.com/Economics/2009/02/12/manila_scientists_oppose_nuclear_plant/6766/



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