2007年11月30日更新
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ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月30日分 ー 石油鉱業連盟が石油埋蔵量は残り36.7年分と ー

この先何年,という感覚だが,先日も,25年でダムの水を使い切る,25年あれば対策は幾らでもあるだろう,と思っていたら,瞬く間に25年が過ぎてしまって,水がなくなった,と言う話をした。病気をしても後25年生きられますよ,と言われれば何も怖くない,25年あれば幾らでも新しい治療法が出来るであろうから,と思ってしまう。石油専門の友人に聞いたことがある,石油は常に残り30年ですよ,と言うことになっているのだと。そういっておけば決して今すぐにはパニックは起きないから。そういえば,40年ぐらい前にも,後30年,と聞いていた。

今日の記事の石鉱連の推計値で,石油埋蔵量の見通しは後37.6年分,と発表された。5年前と比べれば5年分増加したという。いろいろ考えれば,30年というのは如何にも少なすぎる。現在の石油の高騰は,資金の問題もあるが,30年というのが大きく効いているのだろう。石炭は数100年と言われているし,天然ガスは無機説を頼りにすれば無限にある。しかし,石油がなくなる,ということは,経済構造そのものを変えていかなければならないと言うことだから,どうかいつまでも,残り30年,と言うことで行きたいものだ。


1 今日の概要

石油鉱業連盟が,石油埋蔵量は残り36.7年分,と現在の推計値を発表,確認埋蔵量は1兆1,138億バレル,とした。中国は,石炭輸送の改善が進まず,今後も国内石炭の価格が上昇する傾向である,と発表した。丸紅がベトナム中部の大規模石炭火力に,1650億円規模の投資を行うとを発表したが,中部ベトナムの電力需要は,今後の工業団地の発展にかかっている。米国が温暖化ガス排出が前年マイナスとなり,ブッシュ大統領が,バリが楽しみ,と語った。中国も,構造調整による省エネと排出削減に一層努力する,旨の声明を発表した。日本の環境省は,中国と「コベネフィット(相乗便益)」,事業で協力する方向となった,排出削減とローカルな環境問題の結びつきである。


2 目次

●石油鉱業連盟,石油埋蔵量,37年分に増加,「枯渇」までは68年に短縮
●中国の発改委,2008年も石炭値上がりか,輸送コスト上昇中
●丸紅,ベトナム中部に火力,風力発電所を建設,1650億円規模
●米,温暖化ガス1.5%%減,2006年,5年ぶりマイナス
●中国,省エネと排出削減を一層強化,中国国家発展改革委員会の会見
●公害,地球温暖化対策を同時達成,日中が事業基本合意


3 本文

●石油鉱業連盟,石油埋蔵量,37年分に増加,「枯渇」までは68年に短縮

石油の総量問題をチェックしておきたい。IEAは2007年の原油需要日量8,590万バレルとし,9月の生産が8,510万バレルだとし産油量の減少を指摘した(1バレルは159リッター)。原油確認埋蔵量は大まかに言って1兆バレル,その25%,約2,600億バレルをサウジアラビア,イラクが10.9%,1,125億バレル,アラブ首長国連邦が9.5%,978億バレル,などなどである。世界日需要を365倍すると317億バレルで,確認埋蔵量を年需要で割ると31年になる。これは可採年数と呼ばれているが,今後新しく発見される埋蔵量も入れると枯渇年数は80年と言われている。

 今回の発表では,石油の確認埋蔵量は1兆1,138億バレル,現在の生産量ベースで37.6年分,未発見の資源量を加味した「枯渇年数」,は68年で,ただ,埋蔵量と未発見の資源量を合計した「究極可採資源量」,は約3兆バレルと変わっていない,としている。後70年ぐらいは,毎年,残り30年ですよ,と言い続けることが出来る訳か。

●中国の発改委,2008年も石炭値上がりか,輸送コスト上昇中

石炭を送り続けることがどれだけ大変なことなのか,中国の武漢長江鉄橋やデリーでの石炭輸送を見て,実感として感じている。日本の石炭火力だって,連続して石炭を船で運んでこなければ,その灯をともし続けることが出来ないわけだから。日本の場合は,石油もLNGも同じことだから,例えば一旦輸送路が途絶えるようなことがあれば,原発と水力だけで生きていかなければならないということだ。それがどの様な生活なのか,シミュレーションしておく必要がある,と同時に,一旦創った原発と水力は,永久的に使えるように,修繕投資を続ける必要がある。

話が横道にそれたが,石炭の総量問題だが,世界で現時点,可採埋蔵量は98,457億トンと言われていて,石油が37年で枯渇するのに,石炭は192年,約200年といわれている。中国の場合は,その11.6%で,米国,ロシアに次いで第3位である。鉄道部の胡亜東副部長によると,2008年は国内最大の石炭輸送能力を持つ大秦線(山西省・大同市−河北省・秦皇島市)の輸送能力を3,000万トン引き上げる計画だが,他の石炭輸送線では輸送力増強の計画はない。大秦線は主に華東,華南地域に石炭を供給しているため,華中地域の供給不足が懸念される。

●丸紅,ベトナム中部に火力,風力発電所を建設,1650億円規模

建設予定地は,ベトナム中部に位置するビンディン省で,風力発電所と480万KWの石炭火力発電所を建設する計画で,第1フェーズとして120万KWの石炭火力発電所開発準備を2008年中に進める,としている。第1フェーズの投資額は15億ドル程度(約1650億円)に達する見込み。ベトナム中部の火力発電所の燃料は,北の石炭を海上輸送する計画なのであろうか。ベトナムは北が石炭で南が天然ガスである。

●米,温暖化ガス1.5%%減,2006年,5年ぶりマイナス

これは昨日冒頭で取り上げたニュースの全体記事で,これは行けると見たブッシュ政権は,ブッシュ大統領自ら声明を発表して,12月のバリでのCOP13の主導権を一挙に握ろうという構えである。日本は苦しいですね。

●中国,省エネと排出削減を一層強化

人民日報の記事である。中国国家発展改革委員会の会見で,構造調整を加速して,エネルギー消費量と排出量の多い業界の加速成長を抑制し,循環型経済の発展を推し進めている,としている。最近の中国に関しては,まもなく排出量が米国を追い越して世界第1位になる,と懸念の的になっており,12月のバリ会議を睨んで,構造改革のアドバルーンを盛んに上げている。

●公害,地球温暖化対策を同時達成,日中が事業基本合意

先日少し触れた,「コベネフィット(相乗便益)」,事業の話である。12月1日に北京で鴨下環境相が中国の周生賢国家環境保護総局長と合意文書に正式調印する。日本政府にとっては初めての試みで,インドネシアなどに広げて行きたいとしている。結局,グローバルな問題と,ローカルな環境改善とを結びつけて,グローバルは日本が貰う,ローカルは中国の便益,と言うわけである。


4 参考資料

2007年11月30日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●071130A ベトナム,11月29日8時33分配信 日刊工業新聞
丸紅、ベトナム中部に火力・風力発電所を建設−1650億円規模
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0420071129000aaab.html

電力一般

●071130B 石油埋蔵量,11月29日15時0分配信時事通信
石油埋蔵量、37年分に増加=「枯渇」までは68年に短縮−石鉱連推計
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071129-00000100-jij-bus_all

環境一般

●071130C 米国,日本経済新聞
米,温暖化ガス1.5%%減,2006年,5年ぶりマイナス
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071129AT2M2900Y29112007.html

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071130D 中国,「中国国際放送局 日本語部」より2007年11月29日
中国、省エネと排出削減を一層強化
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/29/jp20071129_80440.html
●071130E 中国,11月29日14時36分配信 読売新聞
公害・地球温暖化対策を同時達成、日中が事業基本合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071129-00000106-yom-soci
●071130F 中国,11月29日12時58分配信 サーチナ・中国情報局
08年も石炭値上がりか 輸送コスト上昇中−発改委
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071129-00000017-scn-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月29日分 ー インド国会が電力大臣を喚んで電源遅れを糾弾 ー

「ゴルフを皆で一緒にやろうよ。」,と誘いかけても,「いや,仕事に差し支えるからやらないよ。」,と言いながら,密かにやってみると良いスコアが出た。「よし,私が幹事をやってコンペをやろう。」,と急に大きな顔をして出てきた友人がいた。米国は,増え続けてきた温暖化ガスが,2006年に至って急に1.5%のマイナス,二酸化炭素換算で70億7560万トン,と出た。早速ブッシュ大統領は声明を出して,「米国は,2.9%の経済成長を遂げながら効果的に気候変動に対応している。」,とし,「米国はバリで開く気候変動会議を楽しみにしている。」,とはしゃいだ。

結局,温暖化問題はまさしく国際政治の道具と化しつつある。一国一国の業績がすなわち国際政治での主導権争いなので,地球には殆ど影響がない話でも,数字で優位を保つ必要が出てくる。今回の米国の結果は,実際は冬場に厳しい寒さが続かず,家庭での暖房の需要が下がったことが大きく影響している,と言われている。日本は,ハンガリーから権利を買い取っても,がむしゃらに数字を出す必要に迫られてきた。


1 今日の概要

米国が5年ぶりに温暖化ガス排出でマイナス,ブッシュ大統領が大見得を切った。電力不足に悩むインド,国会の委員会が喚んで,電源開発の遅れを糾弾,民間資本の問題を追求した。NTPCも計画に大幅な遅れが出て,問題は石炭リンケージにあると,電力大臣が石炭省などにレターを出して改善を促した。日本政府は,農林省を中心に,農地の温暖化ガス吸収能力の研究を始めた。インドネシアは,熱帯林保護への先進国の貢献に大いに期待,地方への配分まで議論を始めた。


2 目次

●インド,国会の委員会,電力大臣を追求,民間資本導入の加速を
●インド,NTPCを中心とする新規電源開発,更に時間がかかる
●温室効果ガス,「農地はCO2吸収源」,日本政府が検討へ
●12月の気候変動会議,インドネシアのプロジェクトへの資金期待


3 本文

●インド,国会の委員会,電力大臣を追求,民間資本導入の加速を

インド国会のエネルギー委員会が激しく電力大臣を糾弾した。曰く,2012年までに全国民に電気を届けるためには,1億KWを新設しなければならない,それに対して電力セクターの実績は,話にならない,と。更に,2007年までの第10次五カ年計画(2002年〜2007年)ではわずかに2,118万KWが完成しただけで,多くのプロジェクトが第11次五カ年計画(2008年〜2012年)にずれ込んでいる,元々第11次では6000万KWと言っていたのに,これをいつの間にか7850万KWに変更している,と言うのである。

国会委員会が激しく追求したもう一つの点は,民間資金による開発が殆ど円滑に行っていないことである。第10次五カ年計画では,民間によって712万KWが開発される予定であったが,わずかに106万KWが開発されただけだ,と言うことである。私に言わせれば,これがインドの現実である,中央政府の絵は見事で,日本に持って帰って真似したほどであるが,州政府は殆ど絵の通りには動かない。電源開発計画というものは,数字でなくて,もう少しプロジェクトの積み上げ方式で行くべきだ。

●インド,NTPCを中心とする新規電源開発,更に時間がかかる

更に電源開発の遅れに鞭を当てるような記事が続く。問題はNTPCで,電力省はレターを連発すれども,NTPC踊らず,と言うところである。記事をずっと読んで行くと,最後はどうもコールリンケージ,すなわち石炭供給の契約が出来ないために遅れているらしい。今次のNTPCの目標は2043万KWであったが,着工命令が出せたのはわずかに1206万KWである。私がいつも言うように,中国とインドの電力の問題点は,石炭供給である。電力大臣は,国会委員会で糾弾されて,協力要請のレターを,国鉄と石炭省に出したが,難しいという答えが返ってきている。


●温室効果ガス,「農地はCO2吸収源」,日本政府が検討へ

何だか怪しげな話でよく分からないし,定性的な話ばかりで定量的なデーターは,今のところ見つからないですね。森林と同じように,放出したガスと吸収した炭素の差し引きだから,余り大きな値ではないのでしょう。京都議定書の中で,1990年以降の排出削減分に,日本の場合は1,300万トン(炭素)まで森林の吸収源をカウントしてよいことになっている。これは削減義務6%に対して3.8%と言う大きな数字のようだ。

ただ私の言いたいのは,地球上空の炭酸ガス237億トンの中の話なので,日本だけの問題として国際政治の場での交渉のツールとしてしか意味がないから,日本の農業,と言う立場で研究を進めても余り意味がないと思う。しかし原単位としての研究であれば,世界的な利用価値はあるのだろう。熱帯林を伐採してトウモロコシを作りバイオガスを精製する,という話や,世界の食糧不足の問題への関わり合いで,面白いかも知れない。

●12月の気候変動会議,インドネシアのプロジェクトへの資金期待

インドネシアのニュースでは,殆ど毎日,熱帯林保護に対する先進国からの資金期待感で溢れている。遂に,国際間の話ではなくなってきて,国内での資金の配分にまで話が及んできた。財務大臣が,「それぞれの地方で扱ったプロジェクトに応じて中央政府が地方に直接配分する。」,と言う談話まで出してきた。皮算用だが,今日の財務大臣の話の中には,国内の熱帯林のリハビリに必要な費用は216兆ルピー(約230億ドル相当)である,といっており,巨大な資金の流入を想定しているようだ。


4 その他

●フィリッピン,175MWアンブクラオビンガ水力売却,競争が激しい
●タイ,国家石油総裁,燃料多様化の観点から原発必要
●ラオス,ノルウエーの環境団体,テンヒンブン増設の危険を主張
●フィリッピン,国内の石炭生産,需要の高まりで,関心が集まる
●インド,リライアンス,石炭火力開発に向け,炭坑企業を買収へ
●インド,MP州の50万KW水力プロジェクト進まず,国内企業JAL参入
●<温室効果ガス>先進国に80%削減求める UNDP報告


5 参考資料

2007年11月29日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071129A Thailand, Bangkok Post
国家石油総裁,燃料多様化の観点から原発が必要
PTT chief supports nuclear power plan Fuel diversity needed as gas running dry
http://www.bangkokpost.com/Business/28Nov2007_biz34.php

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071129B Philippines, Manila Bulletin
国内の石炭生産,需要の高まりで,関心が集まる
Local coal production seen picking up with hiked demand
http://www.mb.com.ph/BSNS20071128109964.html
●071129C Philippines, Inquirer
175MWアンブクラオビンガ水力売却,競争が激しい
Ambuklao, Binga attract big bidders
http://business.inquirer.net/money/topstories/view_article.php?article_id=103493

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071129D Laos, Reuters
ノルウエーの環境団体,テンヒンブン増設の危険を主張
Green group urges Laos to stop dam expansion plan
http://sg.news.yahoo.com/rtrs/20071127/tbs-laos-dam-7318940.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071129E India, Economic Times
リライアンス,石炭火力開発に向け,炭坑企業を買収へ
REL ties up coal supply with buyouts, contracts
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/REL_ties_up_coal_supply_with_buyouts_contracts/articleshow/2576585.cms
●071129F India, Economic Times
NTPCを中心とする新規電源開発,更に時間がかかる
Power generation capacity addition likely to take time
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Power_generation_capacity_addition_likely_to_take_time/articleshow/2576361.cms
●071129G India, Economic Times
国会の委員会,電力大臣を追求,民間資本導入の加速を
Panel raps Power Min on capacity addition, pvt participation
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Panel_raps_Power_Min_on_capacity_addition_pvt_participation/articleshow/2576207.cms
●071129H India, Economic Times
MP州の50万KW水力プロジェクト進まず,国内企業JAL参入
Jaypee group eyes Bina Power

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071129I Indonesia, The Jakarta Post
12月の気候変動会議,インドネシアのプロジェクトへの資金期待
Regions to get due share of global warming fund
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20071127.L02&irec=1

環境一般

●071129J UNDP,11月27日21時28分配信毎日新聞
<温室効果ガス>先進国に80%削減求める UNDP報告
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071127-00000163-mai-int
●071129K 日本政府,11月27日15時1分配信 毎日新聞
<温室効果ガス>「農地はCO2吸収源」政府が検討へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071127-00000067-mai-soci


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月28日分 ー 原発,ベトナムの関心は地元より国会承認 ー

ペルーのとある街角で水道の水を引いている細いゴム管に小さな穴が空いていて,そこからしずくが漏れて,細い水に湿った道筋が出来ていた。その水のしみ出たところにスイカの種を植えて,私が見たときには20cmぐらいに伸びて,子供達が一生懸命見守っていた。あの情景を見たときほど,日本人には考えられない水の貴重さというものを実感した。ペルーの海岸沿いからアンデス山脈への道は,いずこも砂漠の中に一条の川が流れて,河底にやっと緑が見られる,と言う情景が多い。

そのペルーの南部に,アリコータという自然湖があった。古代より数千万トンの水を青々と湛えていた。1970年ぐらいか,当時の電発の優秀なエンジニアーがこの湖を見て,はったと思いついたのが,この水を下流に導いて,水力発電と灌漑を行う考えであった。工事は実際に行われ,発電も順調であったが,この湖に流れ込む河は小さく,そのエンジニアーは発電のために流れ込んでくる水より少し多く放流する設計とし,25年間で湖の水を使い切る計画とし,25年もあれば上流からの引水など誰かが何かやってくれるだろうと考えた。

25年という歳月は,そこに立っている人間には無限とも思える時間で,やろうと思えば何でも出来る時間があると考えた。そうして発電を続けるうちに湖の水位はどんどん下がってきて,あっという間に25年が過ぎてしまって,上流では水を追加するための計画も滞って,殆ど発電できなくなってしまった。慌てて上流で地下水をポンプでくみ上げて湖の中に注水する変な計画が生まれて,私もその計画に駆り出された。ポンプでくみ上げてダムの水を増やすという発想といい,25年間があっという間に過ぎ去ったことを思い,人間の浅はかな戦いに思いをいたしたプロジェクトであった。


1 今日の概要

ポスト京都の重要テーマー,東南アジアの原発開発,今日はベトナムとタイのニュースが報じられた。ベトナムは,地元民対策には絶対の自信を持っており,問題は国会承認としている。技術者養成は日本に依存している。タイは,IAEAへの申請を行ったが,立地に於ける安全と地元対策が焦点で,インドネシアとイランの例を挙げて論評している。スリランカの石炭火力,長く揉めておいたが,インドのNTPCの5億ドルプロジェクトが,来年早々にも動き出す様相である。


2 目次

●ベトナムにとって,原発はエネルギーの安全保障
●タイの原発計画の基盤はまだ不安定
●インドのNTPC,スリランカの石炭火力,来年早々にも開始


3 本文

●ベトナムにとって,原発はエネルギーの安全保障

原発建設推進は,ポスト京都の重要テーマーである。中国,インドは勿論のこと,タイ,インドネシア,フィリッピン,ベトナムなど今後成長するASEAN有力国の原発への準備は,今後の重要な関心事である。今日の記事では,ベトナムとタイの原発問題が取り上げられている。ベトナムの記事はEVNのラムドソン博士が記者の質問に答える形で書かれている。

数字を拾うと,2015年までの水力設備能力は1,500万KW〜1,600万KW,火力は2020年までに1700万KW,両方併せて2015年までに4000万KW,2020年までに8000万KWの発電設備となるべべく計画している。石炭は,年生産量の限界が3000万トンで,2015年までしか持たないと思われる。原発は,2020年に最初の1号機を投入し,順次増やして1100万KWに持って行く考えである。ウランの包蔵は70年から80年といわれており,先進国ではリサイクルも検討の対象になっている。

ここで,ベトナムがどの程度的確に計画を進めているか,と言う問題になってくるが,国会承認などの法的手続きを非常に重要視しているように窺える。立地については,タイやインドネシアに比べれば余り心配していない様子で,候補地転住民の90%は建設に同意している,として如何にもベトナムらしい。技術の問題については,今のところ,フランス,日本,韓国,ロシアを上げているが,人材養成については,日本に依存している感じである。

●タイの原発計画の基盤はまだ不安定

これは地元紙バンコクポストの論評とでも言うべき記事なのか。ベトナムと違って,問題は立地であることを窺わせる,当然だろう。既にIAEAの承認を得るべく申請しているが,決して焦るべきでない,と主張している。特に,インドネシアとイランの例を挙げ,インドネシアの場合はジェパラの候補地点の活火山ムリヤとの関連からイスラムの宗教的な反対運動があり,それが発展して地元民を巻き込んだ100人委員会の設置など,参考にすべきところあり,としている。

またイランも重要な参考しyろうであるとして解説している。それは,現在イランが計画している原発候補地点は,もっとも危険な地震地帯の終端に位置して,地点を変えるべきだという議論が起こっており,地震地帯を持つタイとしても,大いに参考にすべし,としている。この記事の結論は,「原発建設を考えることは現実的であるが,一つ一つの段階で,慎重な検討が必要,としている。

●インドのNTPC,スリランカの石炭火力,来年早々にも開始

スリランカの石炭火力,資源のないスリランカで唯一の可能性のある輸入石炭による中規模石炭火力の建設は,スリランカにとって非常に重要である。一度この欄でも取り上げているが,中国が参入してきて最適な地点を取り上げてしまい,インドはインフラが不足するサイトに追いやられ,NTPCは苦慮していたときがあった。それを乗り越えて,来年早々にも着工の運びとなったようである。5億ドルのBOTプロジェクトである。


4 その他

●パキスタン,WAPDA,12の水力発電プロジェクトを調査
●パキスタン,WAPDA,1700万KWの水力のFSを実施中
●パキスタン,3つの水力発電所の売電単価値上げを認可
●ラオス,環境団体,テンヒンブン水力,下流河川の危険を警告
●インド,タミールナド州,中央政府へ,50万KW融通を依頼
●インド,NTPC,マハラシュトラの100万KW火力に546億ルピー投入
●インドネシア,中国石炭最大手、アダロ買収計画か


5 参考資料

2007年11月28日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●071128A Vietnam, VNA
ベトナムにとって原発は,エネルギー安保
Nuclear power for energy security
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=02COM261107

タイ
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071128B Thailand, Bangkok Post
タイの原発計画の基盤はまだ不安定
N-plants on shaky ground
http://www.bangkokpost.com/News/27Nov2007_news14.php

スリランカ
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Srilanka.htm

●071128C Srilanka, Economic Times
インドのNTPC,スリランカの石炭火力,来年早々にも開始
NTPC's project in Sri Lanka may begin early next year
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/NTPCs_project_in_Sri_Lanka_may_begin_early_next_year/articleshow/2571893.cms

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071128D Pakistan, The International News
WAPDA,12の水力発電プロジェクトを調査
WAPDA studies 12 hydropower projects
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=82938
●071128E Pakistan, Daily Times
WAPDA,1700万KWの水力のFSを実施中
WAPDA conducts feasibility studies for 17,000MW power projects
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2007%5C11%5C27%5Cstory_27-11-2007_pg7_57
●071128F Pakistan, Daily Times
3つの水力発電所の売電単価値上げを認可
Increase in tariff of 3 hydropower projects allowed
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2007%5C11%5C27%5Cstory_27-11-2007_pg5_5

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071128G Laos, AFP
環境団体,テンヒンブン水力,下流河川の危険を警告
Laos dam hurting villagers: environmentalists
http://afp.google.com/article/ALeqM5gOrR2zskCXtCkn-XYQetucORb3dA

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071128H India, Economic Times
タミールナド州,中央政府へ,50万KW融通を依頼
TN's plea to Centre on power allocation
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/TNs_plea_to_Centre_on_power_allocation/articleshow/2572739.cms
●071128I India, Economic Times
NTPC,マハラシュトラの100万KW火力に546億ルピー投入
NTPC to invest Rs 5,459 cr in Mauda Thermal Power Project
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/NTPC_to_invest_Rs_5459_cr_in_Mauda_Thermal_Power_Project/articleshow/2573203.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071128J インドネシア,11月27日8時0分配信 NNA
【インドネシア】中国石炭最大手、アダロ買収計画か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071127-00000005-nna-int


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月27日分 ー 日中がCDM絡みでコベネフィット事業 ー

昨日,ハンガリーから日本が排出権を買うのは地球を全然救っていない,と書いたら,早速経済産業省の北畑次官が反論してきた,曰く,「京都議定書の通りやっているのだ,京都議定書によって日本は削減義務を負っているのだ。」,と。やはりハンガリーから余った排出権を買うのはおかしい,と思っている人が沢山いるのですね。この手法で日本が削減義務を果たし終わってホッとして,ポスト京都の主導権を握ろうと会議に出たら,「大きな顔をするな,あなたは地球を救っていない。」,と国際政治から言われるのではないかと心配。

私は,2000年にJICAの仕事で,ミャンマーの東北端,コーカン地区に入ったことがある。ケシの代わりにソバを植えようと日本が動いて,その手助けで小水力発電所が出来ないか,と言う業務であった。マンダレーから西へ,ラシオで一泊して中国との国境の町を通って北上し,老街と言う町に入ったわけだが,その途中の中国との国境と接する部分,その道は昆明に通ずるのだが,今朝の朝日新聞の,「小さな町の小さな橋の大役」,と言う記事を見ていて,あのミャンマーと中国の国境の橋が,日中戦争の時代に米英が蒋介石軍に物資を運んだ,「援蒋ルート」,だと初めて知った。


1 今日の概要

日本の環境省が,中国との,「コベネフィット事業」,を手がける,これはCDMと中国側のローカルな環境対策を結びつけるウインウインのシステムを狙ったものであろう。中国が,地方の経済開発へ向けての意欲を十分のコントロールできるかどうか,正念場である。中国がエネルギー法案を準備している,これはエネルギー省創設への布石と見られている。日本政府は,温暖化ガス削減義務を果たすため,ハンガリーから1000万トン,200億円で買う計画である,その理屈に批判の声も上がっている。


2 目次

●技術供与「CO2削減セットに」,日中が新環境対策
●中国,二酸化炭素排出量世界一の中国,「環境か経済成長か」,政府と地方が対立?
●中国,エネルギー法案を年末までに策定する見通し=関係筋
●日本政府,温室効果ガス,削減目標達成へハンガリーから排出権


3 本文

●技術供与「CO2削減セットに」,日中が新環境対策

「コベネフィット」,と言うのは何のことかと思ったら,温室効果ガス削減を行うことによってエネルギー改善や大気汚染改善に繋げる,すなわち,温室効果ガス削減は先進国がCDMスキームで貰って行き,もたらされる改善効果は途上国の得るメリットで,両方にメリットがある,と言う,所謂,ウインウインの関係だ,と言うわけですかね。環境省の主導の元に,来月にも北京で日中両国閣僚によるハイレベル経済対話が行われるという。

結局,グローバルな問題とローカルな問題を結びつけようと言うわけですか。ただ,CDMスキームは,日本の企業も多く中国に行って両国間でのCDM作業は進んでいるようだが,国連レベルでのCDMの承認が進んでいないので,果たしてウインウインの規模としてうまく効果を発揮するのか,経済的なバランスの問題があると思う。一度,マクロな観点から,中国と日本のコベネフィットを計ってみると良い。そうすると,自ずと次はどこへ行けばよいかが分かってくる。日本政府は,次はインドやインドネシアを考えているようだ。

●中国,二酸化炭素排出量世界一の中国,「環境か経済成長か」,政府と地方が対立?

私は,中国は元々,インドのように,地方政府の強い国だと思っている。共産党支配によって締め付けている状態ではよく分からないが,例えば一旦,電気が足りないとなってくると,地方政府レベルで利権も絡んで大規模な投資が進み,設備だけは大きいけれども燃料がついてこない動かない発電所が続々出来てしまった,中央政府の歯止めが効かないのである。これは中国人やインド人の商人根性の表れで,自由経済の堰が切られると,一挙に洪水が起こってしまって,止まらない。温家宝政権は今ブレーキをかけるのに必死である。

●中国,エネルギー法案を年末までに策定する見通し=関係筋

そうですか,今までエネルギー法はなかったのか。ポイントは,エネルギー法案策定の底にあるのは,明らかにエネルギー省の創設にかかっているのだろう。これは大変なことで,このロイターの記事でも,関連法令の整備など,そう簡単ではない,と予想している。インドもそうだが,電力とエネルギーが分割行政されているために,発電所が出来ても燃料が間に合わないケースが続発している。特に両国では,石炭行政が独立しているところに,電力供給の基本的な問題点があるような気がする。

●日本政府,温室効果ガス,削減目標達成へハンガリーから排出権

昨日からガチャガチャ言っているのはこの記事ですね。規模は1,000万トンで,支払う代金は200億円程度と予測されている。とんでもない高い値でよく理解できないが,ハンガリーへの環境支援の意味も含んだ話なのであろうか。EU市場の価格体系をぶちこわしてしまうのではないか,と言われているようだが,北畑経済産業省次官は強気,「関係ない!」,と一蹴。


4 その他

●フィリッピン,マガット買収のアボリッツなど,36万KWに拡張の計画
●インドネシア,プルタミナなど,東ジャワへ,20百万ドル投入,精製工場建設


5 参考資料

2007年11月27日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071127A Philippines, Manila Bulletin
マガット買収のアボリッツなど,36万KWに拡張の計画
For Magat hydroelectric plant: New owners plan 360-MW capacity
http://www.mb.com.ph/BSNS20071126109807.html

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0indonesia.htm

●071127B Indonesia, The Jakarta Post
プルタミナなど,東ジャワへ,20百万ドル投入,精製工場建設
Pertamina, Wahana to build $20m refinery in East Java
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20071126.L02&irec=1

環境一般

●071127C 日本政府,11月26日11時21分配信毎日新聞
<温室効果ガス>削減目標達成へハンガリーから排出権
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071126-00000038-mai-soci

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071127D 中国,11月26日9時15分配信 Record China
二酸化炭素排出量世界一の中国、「環境か経済成長か」政府と地方が対立?―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071126-00000000-rcdc-cn
●071127E 中国,11月26日16時25分配信 ロイター
中国、エネルギー法案を年末までに策定する見通し=関係筋
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071126-00000462-reu-int
●071127F 中国,11月25日23時44分配信 産経新聞
技術供与「CO2削減セットに」 日中が新環境対策
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071125-00000943-san-int


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月26日分 ー COP13への日本の対処方針は数値目標なし ー

ある村で全体のお米の蓄えを増やすことになった。一軒一軒に増やす量の割当量が決められた。私の家はどうも決められた割当量を満たすことが出来そうにない。隣の家を覗くと,割当量以上に蓄えがあったので,それをお金で買って,自分の割当量を満たした。村全体としては蓄えは増えていないが,私は何とか割当量を満たして,恥ずかしい思いをしなくて良かった。

地球の炭酸ガスの問題で,CDMは何とかかんとか言いながら,まあそれなりにプラスの効果を生んでいるが,日本がハンガリーの炭酸ガス節約分1000万トンを200億円出して買ってきて割当量を満たした。これって地球は救われていくことになるのですかね。これは明らかに無駄なアクティビティで,日本は買わなくても地球の炭酸ガスの量は変わらないのでは,と思うが。


1 今日の概要

日本政府は12月のバリ会議に臨む対処方針を策定したが,数値目標先送りで,米国,オーストラリア,中国,インドなどを同じ土俵に載せるための妥協案の様相である。インドネシア政府は,バリ会議に向けて,その熱帯林の価値を喧伝するためのキャンペーンとして,11月28日に7,900万本の植林を計画している。インドのパンジャブ州は,先送りになっていた州電力局の分割に着手した。ブータンの経済状況について,2005年の一人当たりGDPは1300ドルになったが,貧困層が3分にと言う現状は変わらない。


2 目次

●日本,温室効果ガス削減数値目標先送り,COP13で政府方針
●インドネシア政府,7,900万本の植林を計画
●インド,パンジャブ州,電力局の分割に着手
●ADB,ブータン支援,ここでのビジネスは非常に困難である


3 本文

●日本,温室効果ガス削減数値目標先送り,COP13で政府方針

12月のバリの気候変動会議,COP13に対応する日本政府の方針は,非常に妥協的で,地球を救うという大目的を忘れているのではないかという感じを持つ。それがすなわち国際政治というものなのであろうか。日本の方針は,紛争の種となりそうなものは先送りして,とにかく前回不参加の米国,オーストラリア,それに今や経済成長の著しいインドと中国を土俵に引き出す,と言う方針である。そのためには,欧州が提案する2020年までに1990年比で30%削減の数値目標設定に難色を示す,と言う対処方針だという。

京都議定書が効果を上げているのかどうか,と言うことを議論する必要があると思う。今のところは,削減目標が達成できそうな国は欧州だけで,日本は苦労しているし,カナダはギブアップ,中国とインドは対象外,米国は不参加,CDMは認定されたものがやっと7,000万トン,と言う状態では,はっきり言って京都議定書は失敗であった,と言わざるを得ないだろう。森林,原発,水力をもう少し合理的に扱った枠組みを,ポスト京都では,作り上げる必要があるのではないか。

●インドネシア政府,7,900万本の植林を計画

インドネシア,何だかはしやぎすぎの感じが出てきた。熱帯林の規模が世界で3番目,毎年180万ヘクタールを喪失,ポスト京都の大きな目玉,REDDでこれは世界の先進国の責任,日本政府がいち早く20億ドル支援を提案,と続いてくると,インドネシア政府が主宰する12月のバリ会議では,インドネシアにどれほどのお金が流れ込んでくるか,と言うことで,大統領自ら大騒ぎである。

11月28日午前9時を期して,全国で大統領を初めすべての官公庁が,1,000本の植林を行うという。全国で官公署は79,000カ所あるので,全国合計で7,900万本になるという。その費用はおおよそ136.7百万ドル,1ヘクタールに1,000本と仮定すると,約8万ヘクタール,ヘクタール当たり年200トンの炭酸ガス吸収とすると,1,600万トン,日本がハンガリーから200億円で権利を買おうというのが1,000万トン。全然話が合わないですね。私は,ヘクタール当たり16トン吸収,と聞いているが,インドネシアの農林大臣は200トンと言っている。

今日の記事では,7,900万本の植林を世界の人類のためにやる,支出はインドネシアが出す,言う言い方で,とにかく,インドネシアの森林育成は世界のためで,森林を保護したために,インドネシアが本来は得るべき森林からの収入を犠牲にしている,と主張している。私は,インドネシアの森林喪失の防止と中国の植林,それに,原発と水力,がポスト京都の最大のテーマーだと思っているが,インドネシアにここまではしやがれると,入ってくるお金をきちんとして下さいよ,と言いたくなる。

●インド,パンジャブ州,電力局の分割に着手

パンジャブ州の電力局の分割はまだだったのか,と言いたくなる。中央政府は幾度となく州政府に命令を発しているが,過去2度も延期手続きをして今日に至っている。中央政府は,この12月9日までに,州電力局を,発電,送電,配電の各部門に分割するよう命じ,これを州政府が受け入れたものである。このように,中央政府は素晴らしい絵を描くのだが,州政府がなかなかついてこないと言うのがインドという国である。

●ADB,ブータン支援,ここでのビジネスは非常に困難である

久しぶりに,ブータンの経済をテーマーとした記事を発見した。ADBが15百万ドルの無償援助を実施するに際して,そのエコノミストがブータンの経済状況を評論したものである。表面の経済は激しく伸びていて,2005年の一人当たりGDPは,前年の834ドルから,実に1,300ドルに達した。しかしこの殆どは,水力開発で流れ込んできたお金で,一般庶民の収入は増えていない。依然として国民の3分の二が貧困のレベルから抜け出していない。


4 参考資料

2007年11月26日分

インド

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071126A India, 25 Nov, 2007, 0100 hrs IST, PTI Economic Times
パンジャブ州,電力局の分割に着手
Punjab to take decision on PSEB unbundling soon
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Punjab_to_take_decision_on_PSEB_unbundling_soon/articleshow/2567910.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071126B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府,7,900万本の植林を計画
Govt prepares to plant 79 million trees
http://www.thejakartapost.com/detailnational.asp?fileid=20071124.H05&irec=4

環境一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071126C 日本政府,11月24日16時22分配信産経新聞
温室効果ガス削減数値目標先送り COP13で政府方針
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071124-00000090-san-soci

ブータン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Bhutan.htm

●071126D Bhutan, All Headline News November 23, 2007 11:12 p.m. EST
ADB,ブータン支援,ここでのビジネスは見返りが必要
Extremely High Collateral Hampers Business Growth In Bhutan
http://www.allheadlinenews.com/articles/7009252278


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月25日分 ー カンボジア110万KW水力へ30億ドル投資 ー

カンボジアの通りがバイクの群れで埋め尽くされるようになった頃,道路を横断するのに恐怖を覚えたが,一旦飛び出してみるとバイクの間にはそれそれ幅があって,体をくねくねしながら渡って行くと,横断するのに案外に苦労しない。モンゴルの草原を初めて見たとき,青々と水平線まで茂る緑に圧倒されたが,中に入ってみると,草は砂地の中にまばらで今にも枯れそうな弱々しい緑である,全く砂漠と草原の微妙なバランスを感じて,このような微妙なバランスがよくも数千年も続いてきたものだ,と自然のバランスの妙に感心した。

今朝の日経の記事は,「温暖化の影響,モンゴルで拡大,永久凍土最大2m減少」,のタイトルの元に,過去8年間で永久凍土が2m現象,20年後にはこれが消滅して草原が砂漠になる可能性が高い,と報じている。しかし,あのジンギスカンの時代も飲み込んでそれこそ数千年の長きに渡って生き続けてきた草原が,後20年で消滅するだろうか。ブラジルで国際環境会議の時,当時外務省の雅子様が書いた原稿を竹下首相が読み上げたものの中に次の一句があったという,「大きな池の表面に水草が出現,毎日その水草が倍になって増えて行く,今日遂に水草は池の半分まで達した,さて,池がすべて水草で覆われるまでに,一体いかほどの日時が残されているでしょうか?」。


1 今日の概要

久しぶりにカンボジアの電源開発の報道,中国企業とベトナム企業がそれぞれ西と東で合計110万KWの水力開発を計画,そのような大機花素材はないはずだが。中国は,12月のバリ会議を前に,続々と気候変動への中国の姿勢をアピールして行く,IPCCの報告書を認めると。フィリッピンのERCが年内値上げを否定,また資産売却については,70%の予定のうち,38%しか進んでいないと。


2 目次

●カンボジア,電源開発に30億ドル投資を視野に
●中国は気候変動に積極対策,排出削減等に努力
●フィリッピン,ERC,今年は電力料金の値上げはないと


3 本文

●カンボジア,電源開発に30億ドル投資を視野に

カンボジアの電力には深い思い入れがある。何しろ,1993年に和平が成立したときにプノンペンに入ったが,そのときプノンペンの発電設備は9万KWであったが殆ど破壊されて,わずかに2万KW未満の電力でプノンペンは生きていた。それから日本が中心になって,緊急支援としてディーゼル発電機などを入れたが,いずれも小規模で電気料金が高く,日本を凌ぐKWh当たり18セントぐらいで推移し,中国企業による復旧キリロム水力発電所1万KWの投入などがあり,しかし,中規模,ないしは大規模な石炭火力など入れなければ,根本的な解決にはならない,と思われている。

今日の報道の内容は,私には明確には読みとれないが,記事は,いずれも水力で,中国企業が北西のプルサット近辺に二つの水力,合計出力が70万KW,また,ベトナム企業が,北東のラッタンキリに40万KW,合計で110万KWの水力を,総投資額30億ドルで準備しているという。私も,カンボジアの殆どの水力地点は把握していたが,これだけの大きなポテンシャルは考えられない。プルサットは,河の水をいろいろ集めてくる方法があったが,70万KWと言うのは想像できない。

カンボジアのような規模の国では,どうしても大規模電源が入らないので,小規模の発電所の集合体になり,燃料費が高く,経済成長を阻害する。スリランカなども同じような状態である。スリランカの場合は難しいが,カンボジアは,近隣の大国タイやベトナムと協力して発電所を造ればよい,と言うのが所謂,「神の創り賜いし石炭火力の島」,の発想である。

●中国は気候変動に積極対策,排出削減等に努力

人民日報の記事。素早くIPCCの第4次報告書に反応した。「国家気候委員会は22日に記者会見を開き,国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次評価報告書の統合報告書,および中国政府による積極的な気候変動対策を説明した。」,としている。地球温暖化という客観的事実は疑いを入れないものである,と確認したことと,中国政府が国家としての取り組みを開始した,と宣言している。温暖化規制に消極的と見られる中国だが,12月のバリに於けるICOP13に向けて信号を放ったと言うことだろう。

●フィリッピン,ERC,今年は電力料金の値上げはないと

今年は値上げがないから安心してくれ,と言うERCトップの話であるが,来年は上げるぞ,と聞こえてしまって仕方がない。今も配電会社などから,燃料値上がりによる電気料金値上げの申請が続々続いているという。それを,値上がりの影響が料金に出るまでには一定の時間が必要,として押さえている状況である。電力民営化は料金値下げに繋がる,と言うアロヨ政権の説明は,いつまでたっても達成されることはない。

記事はこの料金の話からまた,資産売却の話に移って行く。発電設備70%売却,の目標は今までに38%の売却が達成されたに過ぎない。資産を売却し赤字を返して,それによって分散化した発電設備と発電企業によって競争市場を創出し,その競争によって電源開発を進めて行く,というシナリオであるが,競争市場が創り出される前に,電力危機がフィリッピンを襲おうとしている。


4 その他

●インド,国家電力網,リライアンスとJVで送電線建設


5 参考資料

2007年11月25日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071125A Philippines, Manila Bulletin
ERC,今年は電力料金の値上げはないと
No power rates hike this year, ERC assures
http://www.mb.com.ph/MAIN20071124109590.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071125B India, 23 Nov, 2007, 2018 hrs IST, REUTERS Economic Times
国家電力網,リライアンスとJVで送電線建設
Power Grid in joint venture with Reliance Energy
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Power_Grid_in_joint_venture_with_Reliance_Energy/articleshow/2565931.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071125C 中国,「人民網日本語版」2007年11月23日
中国は気候変動に積極対策、排出削減等に努力
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/23/jp20071123_80147.html
●071125D 中国,「人民網日本語版」2007年11月23日
中国、発展途上国への強制的な排出削減目標に反対
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/23/jp20071123_80108.html

カンボジア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Cambodia.htm

●071125E Cambodia, Bangkok Post
カンボジア,電源開発に30億ドル投資を視野に
Cambodia seeks $3bn investments in power plants
http://www.bangkokpost.com/Business/24Nov2007_focus05.php


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月24日分 ー 機先を制した日本の20億ドル気候変動貢献 ー

1991年にタイのパタヤで,カンボジア4派による和平対話に関する会合がもたれ,最後にシハヌーク殿下が用意していたアンコールワットを染め抜いた国旗を示して,これを新政府の国旗にしようと提案した。バンコクで新聞を見ていて,そのカラーの国旗入りの記事は今でも私の脳裏に鮮明である。後に選挙から離脱するポルポト派も入れて,新生カンボジアが生まれた日である。この席で,当時タイ大使館公司として出席していた後のカンボジア大使今川幸雄氏が,他の列強に先駆けて,「日本政府は新生カンボジアを承認する。」,と宣言してシハヌーク殿下を喜ばせた。

国際会議で日本のしかも大使館の公使と言う実権のない立場で,重要な日本の外交方針を他国に先駆けて宣言したことは,日本政府としては珍しいことであった。既に次期カンボジア大使とされていた今川氏は,政府への十分な根回しの末とは言え,国際会議での率先してのインパクトのある日本の姿勢であり,その後のカンボジア復興へも,今川大使の元で,日本のプレゼンスが大きかった。今でも外務省の人は,カンボジアの和平は日本政府が創った,と広言して憚らない。今回の東アジアサミットで,福田首相の,アジアの気候変動への20億ドルの支出発言は,場違いの感もあるほど,唐突であったが,中国などの機先を制したことは事実であろう。


1 本日の概要

日本政府が12月のバリ気候変動会議に先んじて20億ドルの貢献策を提示したことで,インドネシアがこれを高く評価している,インドネシアの深林保護の主張とタイミングがうまくマッチしているせいもある。アジア諸国との経済連携協定交渉は,フィリッピンなどでも,不平等条約だと国会dめおぎろんが続いているが,NNAがインドネシアの状況を解説している。気候変動会議の森林への集中議論を受けて,ラオスも,熱帯林育成強化の方針を打ち出してきた。


2 目次

●日本政府,気候変動で,アジアで20億ドル支援をプレッジ
●インドネシア,日本との経済連携,イ側の批准は年内も
●ラオス政府,森林面積を増やすための政策を強化


3 本文

●日本政府,気候変動で,アジアで20億ドル支援をプレッジ

本欄としてはこの件,既報であるが,これをインドネシアのジャカルタポストが真っ先に大きく取り上げた。インドネシアはこれまで何度も,途上国の熱帯林育成のためには先進国の協力が欠かせない,と言ってきたから,具体的な支援額を福田首相が提案したことで,これこそインドネシアの根強い主張が浸透し始めたものとして,大きな評価をしているのである。その前にJBIC総裁は,カラ副大統領に対して,円借款のソフトローンの支出を約束している。

ジャカルタポストの言葉使いを見ると,福田さんの20億ドル提案は,「12月のバリでの協議に先行して」,と言っており,中国などの他の先進国は,12月に向けて満を持していたわけで,他の先進国から見ればフライングの感じもないではないが,問題は20億ドルという数字で,これが中国が21億だったり30億だったりすると,また日本の戦略もおかしくなってくる。帰って手の内を早く見せすぎた,と言うことになる。

なお,ジャカルタポストは,この日本の提案は,森林の育成と原発推進と受け取っており,殆どのプレッジ額がインドネシアに流れ込むかのような書きぶりでもある。他に開発と環境のバランスを主張しており,また日本は,5年間で500人の研修生に受け入れを申し出ている。

●インドネシア,日本との経済連携,イ側の批准は年内も

各国との経済連携協定の交渉の進み方には,本欄は余り取り上げていないが,フィリッピンやタイなどでは,不平等条約の声も挙がって,まるで明治維新の黒船のような騒ぎである,少し大げさか。今回は,インドネシアの交渉状況をNNAが詳しく解説してくれた。

記事は,「日本とインドネシアの経済格差から,インドネシア国内の民間企業や非政府組織(NGO)の一部からは,不均衡な協定との批判が出ており,政府の説明が必要という。来月バリ島で開催される国連の「気候変動枠組み条約第13回締約国会議,京都議定書第3回締約国会合で世界貿易機関加盟国の経済閣僚会議を準備中なため,会議後に周知活動を本格化する予定と語った。」,としている。

●ラオス政府,森林面積を増やすための政策を強化

ラオスの森林は,ビエンチャン近辺の乱伐は別にして,南部の森林は,電発の撮った航空機からの写真を見ると素晴らしい。特に,完全に伐採されたタイ側との違いが,メコン河を境に誠に顕著である。地球温暖化への貢献は面積から見て大きくはないが,ラオス政府は,気候変動への資金の流れを期待して,政策強化を打ちだした。1992年に48%の国土が森林に覆われていたが,2002年時点では41%に落ちているという。


4 その他

●日本政府,第2世銀に3500億円出資へ=アフリカ支援重視,前回比26%増
●中国,渤海と黄海を運河でつないで水質浄化へ,プロジェクト実現に政府もバックアップ
●中国の石炭ガス開発,商業用段階へ


5 参考資料

2007年11月24日分

パキスタン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071124A パキスタン,11月22日19時43分配信毎日新聞
<パキスタン>最高裁が違憲の訴え棄却 大統領の再選確定 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000116-mai-int

ODA一般

●071124B アフリカ,11月23日3時1分配信 時事通信
第2世銀に3500億円出資へ=アフリカ支援重視、前回比26%増−政府
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000242-jij-pol
●071124C Laos, VOA 22/11/2007
ラオス政府,森林面積を増やすための政策を強化
Laos Plans Intensive Reforestation to Increase Forest Areas.
http://www.voanews.com/lao/2007-11-22-voa4.cfm

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071124D India, Economic Times 22 Nov, 2007, 1736 hrs IST, REUTERS
NTPC,北部インドで,132万KW水力プロジェクト参入
NTPC says to set up North India power plant through JV
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/NTPC_says_to_set_up_North_India_power_plant_through_JV/articleshow/2562301.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071124F Indonesia, The Jakarta Post
日本政府,気候変動で,アジアで20億ドル支援をプレッジ
Japan pledges $2b for climate change fight
http://www.thejakartapost.com/detailheadlines.asp?fileid=20071122.@04&irec=3
●071124G インドネシア,11月23日8時0分配信 NNA
【インドネシア】日本との経済連携、イ側の批准は年内も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071123-00000005-nna-int

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071124H 中国,11月23日11時10分配信 Record China
渤海と黄海を運河でつないで水質浄化へ、プロジェクト実現に政府もバックアップ―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071123-00000001-rcdc-cn
●071124I 中国,「中国国際放送局 日本語部」より2007年11月22日
中国の石炭ガス開発、商業用段階へ
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/22/jp20071122_80080.html
●071124J 中国,「中国国際放送局 日本語部」より2007年11月22日
中国の水資源、全体では需要に満足
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/23/jp20071123_80094.html


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月23日分 ー 中国はインドの数値目標反対で救われた ー

「君もそろそろ勉強した方が良いよ。」,と先輩に言われて,「あれっ,先輩は全然勉強してないではないか。」,と言う感じ。「温家宝首相がミャンマーの首相に民主化を促した。」,と言う記事で,温家宝首相は「民主化」,で何語を使ったのだろう,またミャンマー首相は何語で民主化を受け取ったのだろう,と関心を示したが,ミャンマーウオッチャーのJICAの友人から,「本当に気になりますね。中国の民主化度合いとミヤンマーの民主化度合いは全く同じなのですが。」,とメールが帰ってきた。やはり何人かは,何語だろう,と関心を持ったわけである。

中国語の辞書を引いてみると,民主主義はやはり中国語でも,「民主主義」,で同じである,当然か。そうすると温家宝首相は堂々と,「民主化せよ。」,と言ったわけで,中国は民主化しているという前提に立っていることになる。また調べてみると,マイクロソフトは中国政府の要請で,MSが運営するブログなどでは,「民主主義」,「自由」,などの言葉が入力できないという,すごいなあと思った。更に調べてみると,「中国民主政治建設白書」,なるものが中国共産党によって創られていて,「民主政治の主人公は国民であるが,それを「指導」,するのは共産党である。」,という主張が貫かれている,という。全人代のことを言っているわけだが,だから温家宝首相は,堂々とミャンマー首相に向かって,「民主化せよ。」,と臆さず言ったのだろう。


1 目次

中国の温家宝首相が東アジアサミットで,中国の気候変動問題への立場を説明,先進国は努力せよ,途上国への技術移転と資金援助を行うべき,気候変動は開発問題だ,と。毎日新聞はこれに対して,中国は,インドの数値目標反対,で救われたと。日本は,気候変動会議への方針を確認,米国を決して逃さない条件を画策,それは作業部会の設置と数値目標を避けることに一生懸命。欧州が,京都議定書の数値目標達成の見込みで日本は窮地に,なお1000万トンが不足している。中国がアフガンの銅鉱山権益を落札したことで,蛮勇であるとの批判。


2 本文

●温総理,気候変動問題で中国の立場を説明

中国の主張は,これまで何度も出てきているように,「目的は共通だが,国の発展段階によって差異のある義務」,と言うことにつきる。これは取りようによっては,先進国に削減義務がある,途上国は先進国の技術を提供されながら経済成長を続ける,というような意地の悪い解釈も出来るが,そのことは今回の温家宝首相の演説の内容にも明確に表現されている。これは人民日報日本版の表現だが,「先進国は率先して排出削減に取り組むとともに,発展途上国に対する技術移転と資金援助の約束を履行すべきだ。」,ということである。

もう一つ注目すべき点は,「気候変動は根本的には開発問題だ。」,という表現で,開発しなければならないから,「経済成長・社会発展・環境保護を統合的に調和させ,持続可能な発展の要請に適合する生産・消費モデルを構築すべきだ。」,となるわけで,中国の成長を抑制することはないよ,と言う主張なのだろう。

●東アジアサミット,中国が温暖化対策アピール,温首相演説

人民日報に対する毎日新聞の表現であるが,今回のサミットで,インドが強硬に,「エネルギー効率を30年までに25%以上改善させる。」,という数値目標に反対して盛り込ませなかった強硬な主張が,如何にも温家宝首相が穏やかなごとくに見せかけられた,と評している。中国は黙っていてもインドが反対してくれたわけで,このことについては何も言わなくて良かった。逆に,「温室効果ガスの一つである窒素酸化ガスの排出量を05年水準で安定させる。」,と言う数値目標を打ちだしたことで,今後の交渉が有利に進むことになる可能性を期待しているようだ。いずれにしても,気候変動問題は,科学よりも国際政治の具と化してきており,もう一度本質を見極める必要がある。

●気候変動会議,主要排出国参加の作業部会提言,日本案

今度は次の段階の日本の対応案であるが,根底に流れるのは,欧州の厳しい注文の中で如何にして米国を逃さないか,と言う一点に集中しているように思われる。それこそが日本の役割だ,と言うことのようだ。そのための提案には2点あって,一つは米国のみならず中国,インドも入れる作業部会を設置する,そこで長期的な削減目標や技術開発を議論する,二つは欧州の主張する数値目標をはねのけて米国の受け入れやすい努力目標にする,と言う誠に妥協的な方針である。「美しい星50」,はまさしく数値目標ではなかったのか。

●温室ガス削減,CO2,1000万トン分不足 

日本の炭酸ガス排出量年13億トンと言う数字から見れば,1,000万トンの話は微々たるもので,地球を救うかどうかの話とは余り関係ないが,問題は,「赤信号,皆で渡れば怖くない。」,と思っていた京都議定書の枠組みが,欧州が義務を守れそうだ,となって来ると,1000万トン,100万トンの話ではなくなって,欧州は守れる,米国は守れないと言って離脱したから良い,日本はやりましょうといって京都に皆を集めておきながら,1000万トンでも不足すると,国際政治の場で何も言えなくなる可能性緒がある,そこが問題なのだろう。新エネルギー導入に対して,電力会社の対応が遅れている,とその矛先が電力会社に向いてきた。

●中国,アフガンの銅鉱山の調査権を獲得

この問題は,中国に対して厳しい意見を述べている経済評論家の宮崎正弘氏がそのメールマガジンの中で,「この蛮勇だけは誰も真似が出来ないだろう,中国,アフガニスタンへ未曾有の30億ドルを投資し銅山開発へ」,と題して批判的な意見を述べている。この銅山の権益には,中国の他に米国,ロシア,カナダの鉱山企業が応札したが,これらが20億ドル台のところ,中国が一気に30億ドルで豪快に権益を取得してしまった。しかしこの地域はタリバン勢の拠点に近く,もっとも危険な場所であることと,開発までには,道路や電力などインフラ建設が必要で,開発までに相当の年月が必要だろうというのである。しかし,埋蔵量を金額で換算すると,今日の銅価格を基準に300億ドルの銅埋蔵があるという。


3 その他

●フィリッピン,国内企業FG,国家石油PNOC株式取得落札,40%
●インド,中央規制委員会CERC,ピーク時料金で新システム
●中国,新疆,瑪河ガス田が生産開始,同区北部のガスを解消


4 参考資料

2007年11月23日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071123A Philippines, Manila Bulletin
国内企業FG,国家石油PNOC株式取得落札,40%
FGen group bags PNOC-EDC for P58 B
http://www.mb.com.ph/BSNS20071122109345.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071123B India, 21 Nov, 2007, 1657 hrs IST, PTI Economic Times
中央規制委員会CERC,ピーク時料金で新システム
CERC moots new tariff norms for power from trial projects
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/CERC_moots_new_tariff_norms_for_power_from_trial_projects/articleshow/2559387.cms

環境一般

●071123C 気候変動会議,11月22日10時53分配信毎日新聞
<気候変動会議>主要排出国参加の作業部会提言 日本案
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000028-mai-pol
●071123D 温室効果ガス,11月21日22時10分配信毎日新聞
<温室ガス削減>CO2 1000万トン分不足 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071121-00000149-mai-pol

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071123E 中国,11月22日12時2分配信 サーチナ・中国情報局
新疆:瑪河ガス田が生産開始、同区北部のガスを解消
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000005-scn-cn
●071123F 中国,中国人民日報
温総理、気候変動問題で中国の立場を説明
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/22/jp20071122_80042.html
●071123G China, AFP
中国,アフガンの銅鉱山の調査権を獲得
China wins right to explore Afghan copper mine: ministry
http://afp.google.com/article/ALeqM5gtclQnDszcIG3Sq9jPBgZfvLIn_g
●071123H 中国,11月21日21時1分配信 毎日新聞
<東アジアサミット>中国が温暖化対策アピール 温首相演説
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071121-00000134-mai-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月22日分 ー IPCCが水力開発の一定の役割評価

「ヒトの皮膚から万能細胞」,は衝撃的なニュースのようだ。これが人類の幸せに繋がるならば,その人類を収容する地球も,衝撃的に再生させなければ意味がなくなる。それにしても,昨夜の9時のNHKニュースの冒頭を見ましたか?「地球温暖化」,「焦点は深林保護」,のタイトルの背景は,来年のサミットの行われる洞爺湖のホテル,森林は完全に伐採されて目の前にあるのは広大なゴルフ場,これを黙って放映しているNHKのスタッフは何も感じてないのでしょうか。ここを選んだ外務省にも問題がある。森林と芝生が炭酸ガス吸収でどの様に違うのか,まだ答えに到達していないが,森林破壊を目の前に見せられている風景は,やはり衝撃的である。因みに,森林1ヘクタールの炭酸ガス吸収は16トン,生成される酸素は12トン,と言われているが大きな幅があるはずだ。


1 今日の概要

IPCCの第4次報告書の中では,水力開発の一定の役割が書かれている,しかし地域の半乾燥化に注目する必要がある。東アジアサミットで中国のシン首相が,エネルギー効率か目標に強硬に反対,数値目標を避けた表現となった。JBICがインドネシアの深林保護に本格的支援を約束した,1980年代の日本の乱伐を考えると,当然だろう。原発用の核燃料の不足に悩むインドは,AP州などで自国内埋蔵の生産に巨額を投ずる決意をした。タイは,IPP入札を控え,地元住民の石炭火力反対への運動が,再び激化しつつある。


2 目次

●IPCCの第4次報告書,水力の役割重視,地域性にリスク
●エネルギー効率の数値目標断念,東アジアサミット宣言
●日本政府,インドネシアの熱帯雨林保護へ,JBICローン
●インド,AP州のウラニューム鉱山,3年内に稼働が可能と
●タイ,石炭火力の地元住民,6県から1000人以上が首都集結


3 本文

●IPCCの第4次報告書,水力の役割重視,地域性にリスク

これはウオーターパワーの記事であるが,彼らはIPCCの今回の報告書をつぶさに見て,報告書が取り上げている水力発電の温暖化ガス排出の抑制効果を抽出している。勿論報告書は,原発や他の再生可能エネルギーも重要としているのだが,原発とともに大規模に化石燃料を代替できる可能性に注目しているわけである。しかし地球規模で考えるならば,農村電化などの小規模水力ではなくて,やはり注目は,石炭火力に大きく依存して発展を遂げている中国国内の大規模水力と,インド周辺のそれであろう。

「地域性のリスク」,リージョナルリスク,と言っているのは,地球の場所によっては,温暖化,気候変動の影響を受けて降雨に変化が生じ,場所によっては水力発電の基礎である河川の流況に大きな変化が訪れる危険性を言っている。特に,半乾燥地帯となる地中海沿岸,米国の西部,アフリカの南部,ブラジルの北東部,が危ないと言っている。インド北部や中国南西部はどうなるのか,これらが最も重要な地域である。

●エネルギー効率の数値目標断念,東アジアサミット宣言

「エネルギー効率を2030年までに2005年比で25%以上向上させる」,と言う主催国シンガポールの提案に対して徹底的に反対したのは,ASEANの外にあるインドのシン首相で,インドネシアも,それなら,と行ってこれに同調し,結局数値目標を削除することになった。エネルギー効率の向上は何を言っているのか分からないところがあるが,少なくとも,大きく損失の出る電力の送電配電損失も重要なファクターなのであろう。でも25%と言う数字は,そういうものではなくして,一定の経済的民生的効果を上げるのに必要な電力を25%減らしましょう,と言うことなのだろう。それならば,送電配電損失が40%近くにも上るインドは,比較的簡単に目標達成が出来そうだ。でもシン首相は,40%もロスしていることが,恥ずかしかったのかも知れない。

●日本政府,インドネシアの熱帯雨林保護へ,JBICローン

私の声も聞こえたと思う,1980年代の日本人のインドネシアに於ける熱帯林乱伐,当然日本が真っ先に手を差し伸べるべきところだろう。JBICの田波総裁とカラ副大統領の会談で申し出たとしている。金額は明らかにされていないだけに,今後大規模に支援する覚悟が,JBICにはあるのだと思う。今朝の新聞では,東アジアサミットで福田首相が,域内の気候変動対策,環境改善に20億ドルをプレッジしているが,それと連動しているのかも知れない。何と言っても,インドネシアの熱帯林保護は,12月のCOP13の大きなテーマーの一つであるから。

●インド,AP州のウラニューム鉱山,3年内に稼働が可能と

実はインドは,原発の核燃料の不足に悩んでいるのだ,と言うことを私が知ったのは,つい先日であるが,この記事では,既設の原発の半分の能力しか出していないと言う深刻さのようだ。NPTに入っていないために輸入制限を受けているわけで,今回話題となった米国との原子力協力が如何にインドにとって重要なものだったかが理解できる。野党の反対でシン首相辞任の噂が流れたのも頷ける。この記事でのウラニューム鉱山は,鉱石処理能力日3,000トンで,更にジャカンド州で5,090トンが稼働する。米国との交渉が円滑に行かないので,急遽始まったもの。

現在インドでは,17基の原発で合計400万KWの設備を有し,2020年までには2000万KWに拡大する計画である。燃料のウラニュームの調査は,チャティスガール,ラジャスタン,カルナタカ各州でも始まっており,インドの推定ウラン埋蔵量は全世界の1%,78,000トンとされている。この量とエネルギーがどう結びつくのか,私は知らない。調べてみよう。

●タイ,石炭火力の地元住民,6県から1000人以上が首都集結

相も変わらぬタイの石炭火力反対運動の激化である。地元とは,プラチュアキリカン,ラチャブリ,サムットソンクラン,チャッチェンサオ,サラブリ,ラヨンなどである。彼らは環境庁の環境審査を停止せよ,と言うものだが,環境庁は,何もしなくて放っておくと,75日後に自然承認になってしまう,と説明している。2007年の憲法では,開発への地元民参加が義務づけられている。マモーの郊外が,タイの人々のトラウマになっている。これを解くために,その環境技術のその後の進展を説明しなければならない。


4 その他

●タイのエグコ,IPP320万KWのうち,100万KWを期待している
●タイ,JBIC,大量輸送施設パープルライン,60%を支援
●タイ企業ラッチャブリ,ラオスの1,653MWホンサリグナイト火力に投資
●インドネシアのエネルギー事情,2004年より原油輸入,長文の論文
●中国,新疆に大規模送電網が完成 120万平方キロ覆う
●中国,黄河・長江の環境負荷も限界、水質汚染改善の目途たたず―中国
●中国,三峡ダムの予想を超える現象で,更に追求をしると


5 参考資料

2007年11月22日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071122A Thailand, Bangkok Post
石炭火力の地元住民,6県から1000人以上が首都集結
Villagers rally against proposed power plants Protesters in capital from six provinces
http://www.bangkokpost.com/News/21Nov2007_news04.php
●071122B Thailand, Bangkok Post
JBIC,大量輸送施設パープルライン,60%を支援
JBIC offers B31bn loan Funds would finance 60% of Purple Line
http://www.bangkokpost.com/Business/21Nov2007_biz34.php
●071122C Thailand, Bangkok Post
Egco,IPP320万KWのうち,100万KWを期待している
Egco expects to win big IPP licences
http://www.bangkokpost.com/Business/21Nov2007_biz52.php

電力一般

●071122D IPCC, 20 November 2007 Water Power
IPCCの第4次報告書,水力の役割重視,地域性にリスク
IPCC latest report sees hydropower role but regional risk
http://www.waterpowermagazine.com/story.asp?sectioncode=130&storyCode=2047912

ODA一般

●071122E 東アジアサミット,2007年11月20日21時37分朝日新聞
エネルギー効率の数値目標断念 東アジアサミット宣言
http://www.asahi.com/international/update/1120/TKY200711200383.html

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071122F Laos, Tue Nov 20, 2007 4:37am GMT Reuters
タイ企業ラッチャブリ,ラオスの1,653MWホンサリグナイト火力に投資
Thai Ratchaburi to invest in power plant in Laos
http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKBKK7650520071120

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071122G India, 21 Nov, 2007, 0456 hrs IST, TNN Economic Times
AP州のウラニューム鉱山,3年内に稼働が可能と
Andhra uranium project to boost N-power generation
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Andhra_uranium_project_to_boost_N-power_generation/articleshow/2557643.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071122H Indonesia, The Jakarta Post
日本政府,インドネシアの熱帯雨林保護へ,JBICローン
Japan offers loan for forest rehabilitation in Indonesia
http://www.thejakartapost.com/detaillbus.asp?fileid=20071120183852&irec=1
●071122I Indonesia, Energy Publisher
インドネシアのエネルギー事情,2004年より原油輸入
Indonesia is the only Southeast Asian member of OPEC, although the country became a slight net oil importer in 2004.
http://www.energypublisher.com/article.asp?id=12311

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071122J 中国,「人民網日本語版」2007年11月20日
新疆に大規模送電網が完成 120万平方キロ覆う
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/20/jp20071120_79967.html
●071122K 中国,11月21日11時15分配信 Record China
黄河・長江の環境負荷も限界、水質汚染改善の目途たたず―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071121-00000006-rcdc-cn
●071122L China, Wall Street Journal By SHAI OSTER November 21, 2007
中国,三峡ダムの予想を超える現象で,更に追求をしると
China Vows to Pursue Three Gorges Fixes
http://online.wsj.com/article/SB119557173464899248.html?mod=googlenews_wsj


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月21日分 ー 英国首相温暖化ガス80%削減提案

交差点の赤信号,皆で渡れば怖くない。京都議定書,2008年〜2012年の間に,日本は1990年比で6%の温暖化ガスを削減しなければならない,とても難しいことと,米国が参加していないことで,話はポスト京都に移って行く,と考えている向きもある,私もその一人である。しかし,今朝のニュースでは欧州,とりわけ英独仏は目標達成の可能性が極めて高くなってきた。

米国が抜けて,欧州もとても目標達成できないだろうと,交差点を渡ってポスト京都に走ろうとしたが,ふと英独仏を見ると渡っていない,英独仏が目標達成で赤信号を渡らないから,日本は大変なことになってきた。米国は最初から出来ないといったからいいけれど,日本は出来ると言って出来ないから責任は重くなる。こうなったら地球を救うかどうかは別問題にして,ポスト京都に向かっての外交政治の主導権争いになってきた。来年は洞爺湖サミットだ,「美しい星50」,美しくなくなってきそうである。


1 今日の概要

英国首相が,2050年までに排出ガス80%削減を提案,日本の,「美しい星50」,を一蹴,事務局がどうして計算しているのか分からないが,地球を救うという熱意よりも先に,国際政治の主導権争いが目につきすぎる。シンガポールが舞台のアジア外交,中国がミャンマー擁護に回るが,民主化を促したと言うが,どういう言葉を使ったのか,英語のデモクラシー?ASEAN域内の森林面積,2020年までに1000万ヘクタール拡大計画,これも事務局がどの様に計算したのか。


2 目次

●温暖化ガス削減,2050年までに80%,英首相が目標上積み
●東アジアサミット,ガンバリ氏報告見送り,中国が出席反対,ミャンマー問題
●ASEAN首脳会議,ミャンマー問題や地球温暖化問題など協議
●ASEAN,2015年までに経済共同体,目標を正式採択


3 本文

●温暖化ガス削減、2050年までに80%・英首相が目標上積み

結局,地球温暖化を介して,国際政治の主導権を如何に勝ち取るかが,ポスト京都に向かって争われている。日本は,2050年に温暖化ガス排出半減,すなわち,「美しい星50」,で主導権を取ったつもりで,12月のバリでの気候変動会議に臨み,更にその勢いを来年6月の主要国サミットに持ち込もうとしたが,バリの会議は,インドネシアのカラ副大統領のREDD,熱帯林保護育成,に主題を奪われそうだし,英国首相が,日本の提案50%削減を上回る60%,更に80%と,天井を上げてきた。あげればよいというものではないが,日本の対応はなかなか難しくなる。

●東アジアサミット,ガンバリ氏報告見送り,中国が出席反対,ミャンマー問題

中国の動きは,かなり露骨である。前もってASEAN諸国首脳に書簡を送り,その書簡を受けたマレーシアとインドネシアがガンバリ氏の招請を拒否,そのために議長国のシンガポールが,ガンバリ氏の報告を取りやめたという。中国の上げる理由は,あくまでこのミャンマーの問題は子lくれんの問題であり,国連でやればよいので,東アジアサミットの場で議論する必要はないという。それにしても,温家宝首相がミャンマー代表に民主化を促した,と言う話は,やはり,デモクラシー,と言う言葉を使ったのだろうか。

●ASEAN首脳会議,ミャンマー問題や地球温暖化問題など協議

熱帯林保護の問題と,民主主義や基本的人権など加盟国が順守すべき原則を定めた憲章の調印に注目。熱帯林については,域内の森林面積を2020年までに1,000万ヘクタール以上拡大する,としている。インドネシアは毎年180万ヘクタール減っている,域外ではあるが中国が毎年450万ヘクタール増やしている,他の国は減っているがオーダーとして無視できるほど。インドネシアのマイナス180万ヘクタールをゼロにしてなおかつ毎年他のベトナム,タイ,などが100万ヘクタールを拡大することは,極めて高い目標である。

民主主義と人権について,昨日もライスの首相が,「民主化よりも水力開発だ,」,と言い切っているし,ベトナムも民主化という言葉には敏感といわねばならない。この両国と,それにミャンマー代表は,どういう顔をして署名したのであろうか。

●ASEAN,2015年までに経済共同体,目標を正式採択

「モノ,サービス,投資,など5分野の自由化を核に,市場や製造拠点を一体化する行程を盛り込んだ。中国やインドが台頭する中,今年創設40周年を迎えるASEAN域内の人口約5億人,国内総生産(GDP)約7,000億ドル,貿易総額8,500億ドル(2006年)の市場を融合,存在感の保持を狙う。」。人口13億,GDP3兆ドルの中国経済の拡大の中での統合,難しい課題である。


4 その他

●インド,パンジャブの200万KW石炭火力,リライアンスなど10社が関心
●インド,国家送電公社PGCIL,突然の電力取引でCERCを訴える
●中国のダム開発,環境コストの増大で,世論の批判,長文の英語論文


5 参考資料

2007年11月21日分

ODA一般

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071121A 東アジアサミット,2007年11月20日06時24分朝日新聞
ガンバリ氏報告見送り,中国が出席反対 ミャンマー問題
http://www.asahi.com/international/update/1119/TKY200711190345.html
●071121B ASEAN,11月20日11時4分配信 産経新聞
ASEAN首脳会議 ミャンマー問題や地球温暖化問題など協議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071120-00000917-san-int
●071121C ASEAN,日本経済新聞
ASEAN、2015年までに経済共同体・目標を正式採択
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071120AT2M2001H20112007.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071121D India, Economic Times
パンジャブの200万KW石炭火力,リライアンスなど10社が関心
Reliance Power, L&T & Lanco bid for Talwandi Sabo project
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Reliance_Power_LT__Lanco_bid_for_Talwandi_Sabo_project/articleshow/2554836.cms
●071121E India, Economic Times
国家送電公社PGCIL,突然の電力奪取で訴え
PGCIL moves CERC on overdrawing of power
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/PGCIL_moves_CERC_on_overdrawing_of_power/articleshow/2554284.cms
●071121F India, Economic Times
NTPCのササーン石炭火力,機器の価格高騰で問題
Costly equipment may have cost NTPC its bid for Sasan UMPP
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Costly_equipment_may_have_cost_NTPC_its_bid_for_Sasan_UMPP/articleshow/2553013.cms

環境一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071121G 英国首相,日本経済新聞
温暖化ガス削減、2050年までに80%・英首相が目標上積み
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071120AT2M2000C20112007.html

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071121H China, Blue Ridge Now
中国のダム開発,環境コストの増大で,世論の批判
Chinese Dam Projects Critisized for Their Human Costs
http://www.blueridgenow.com/article/20071119/ZNYT03/711190351/1171/AP/ZNYT03/Chinese_Dam_Projects_Criticized_for_Their_Human_Costs


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月20日分 ラオス首相民主化より水力開発だと

ラオスの山の中で地べたにへたり込んで,ダムで水没するかも知れない村の人々の話を聞いていた。一人のやや年長の子供が大切そうに昔のほこりだらけのカセットラジオを抱えて座っていた。ああ,おたくだな,どこか闇市で手に入れた昔の機械を,ひとときも手から離したくないのだな,と昔の自分を思い出して微笑ましく眺めながら,「モン族は家を移るときは,お墓も一緒に持って行くのだ,覚えておけよ。」,はい,分かりましたと,ノートをとりながら話していた。じゃまた会いましょう,と別れようとすると,件の年長の子供が,「お前の言ったことはこのカセットに全部録音したから,覚えておけ,嘘をつくなよ。」,と言われてぶったまげた。しかし,あのボロのカセットで,私の英語が本当に録音できたのかなあ。今日は,ラオスの水力開発の国としての重要性を,ラオスの首相が語っている。つい古いことを思い出した。


1 今日の概要

ラオスのブーハバン首相,シンガポールでロイター記者に,「民主化より水力開発だ」,と,ASEAN憲章案の民主化事項をものともせず発言。インドネシアのカラ副大統領の独断場,OPEC首脳会議も,熱帯林保護支援を約束させられた。中国を中心にしたアジア高速道路網が,急速に整備されつつある,現代のシルクロードだ,バンコクで国際会議が開かれた。原油高で,日本企業はリスク覚悟で未開拓油田に挑戦している,オーストラリアなどの各所。


2 目次

●ラオス首相,今は民主化よりもまず水力開発
●OPECは,インドネシアの熱帯林保護を支援すると
●中国がアジア高速道路網の中心に
●「未開拓」油田を狙え リスク覚悟のエネルギー業界


3 本文

●ラオス首相,今は民主化よりもまず水力開発

「ラオス,ターゲッツ,ハイドロパワー,ノット,デモクラシ。」,すごいロイターのタイトル。さすがのロイターの記者もこれには驚いただろう。しかも場所はシンガポール,今やASEANが,民主化と人権を軸としたASEAN憲章を決議しようとしている場である。ASEANの政治的複雑さは,今朝のニュースを賑わせている。とにかく,CLV,カンボジア,ラオス,ベトナムを,更にはミャンマーをASEANに抱き込んだときから苦悩が始まった。「内政不干渉」,がその基本線にならざるを得なかったわけである。シンガポールに来た中国の温家宝首相までも,「ミャンマーは民主化されなければならない。」,と言っているが,中国に帰ってこの発言をどう皆に説明するのですかね。

ラオスのブーハバン首相の言い分は,米国は21世紀かも知れないけれど,ラオスはまだ16世紀か17世紀の時代にいるのだ。事実,600万人の人口のうち80%の人々が,一日2ドルの最貧困のレベルで生活している。首相は,我々の目指すのはあくまで一党独裁の社会主義だと。ここまで強調されると,ASEANも困るだろう。しかし,国際経済の波はラオスにも打ち寄せている。昨年の外国投資が2億ドルであるが,今年はこれが一挙に5億ドルになるという。それもラオス自身が,「地域のバッテリー役」,に徹することにしたからだ。「バッテリー」,ではなくて,「地域の発電機」,に修正して欲しいのだが。

ラオスの現在の発電設備は60万KWで20万KWをタイへ輸出している。その包蔵水力は2,800万KWとされており,既に,2015年までに,700万KWをタイへ,500万KWをベトナムへ,150万KWをカンボジアへ,それぞれ輸出することをコミットしている。水力開発へ入っていっているのは,中国,タイ,ベトナムの企業が主体で,欧米ではオーストラリア,フランスのEDF,ロンドンのサラマンダー,などで,日本企業の名前は,少なくともロイターの記者の頭の中にはない。2015年には,「森と泉に囲まれて〜」,静かに眠るラオスの人々の眼を覚ますことになる。

●OPECは,インドネシアの熱帯林保護を支援すると

ジャカルタポスト,カラ副大統領の独断場である。12月のバリ気候変動会議では,スシロ大統領をASEAN首脳会議に釘付けにしておいて,カラ副大統領が,COP13の国際会議を取り仕切る方向で動いている。OPEC首脳会議においては,インドネシアの代表であったカラ副大統領が,OPECのリヤド宣言,環境を盛り込んだ仕掛け人であるかのような記事となっている。

彼のポイントは,「森林のための石油基金」,「オイル,フォア,フォレスト,ファンド」,で,彼は具体的に,産出国,消費国共同で,バレル50セントの拠出を提案している。日量8500万バレルだから,日4,300万ドル,年間で150億ドルとなる。これの30%ぐらいをインドネシアの熱帯林保護に頂こうという算段か。カラさんはそれでも少し言い過ぎたと思ったのか,森林基金とともに,貧困国の教育基金も提案している。

●中国がアジア高速道路網の中心に

人民日報の勝手な記事だが,最近の中国の動きから見て,かなり現実味を帯びた話である。シルクロードの再現といっても良かろう。16日にタイのバンコクで開かれたアジア高速道路投資フォーラムの記事である。既に,総延長14万kmの90%以上がすでに基準を満たしているという。最高基準である完全に出入制限した高速道路2万kmのうち,中国は1万5千kmを占める。他は,ロシア2400km,アフガニスタン1700km,カザフスタン1550km。

●「未開拓」油田を狙え リスク覚悟のエネルギー業界

中国が,日本との中間線で原油試掘を開始した頃,国会議員の一人が,「日本で一番優秀な人材を中央官庁に集めておいて,今まで彼らは一体何をしていたのか!」,と怒鳴ったが,事実日本のエネルギーは,大量にしかもバレル4ドルで国際メジャーから豊富に供給される燃料で,全くと言っていいほど,資源早々への参加の意思はなかった。中国が来たときも,あそこで掘るよりは中東から入れた方が安い,とても日本海では採算に合わないだろう,と言っていた,そのとき原油はバレル30ドルぐらいではなかったか。今は100ドルであり,ベネズエラのチャベス大統領は,「米国がイランに攻撃を仕掛けると,バレル200ドルだ!」,と威喝し始めた。

今日の記事では,日本企業による「リスク覚悟」の未開拓権益獲得の動き,である。新日本石油グループが権益を持つベトナム・ランドン石油,東京ガスのオーストラリア北西の未開拓鉱区の開発に参加,関西電力も権益取得に向け交渉,コスモ石油もカタールで石油探鉱を開発する権利を同国政府から取得,出光興産も「未探鉱の開発に力を入れる」(天坊昭彦社長)方針,などである。しかしこれらの日本企業の動きは中国やインドを刺激して,世界的な未開拓権益の獲得競争に発展する可能性があるという。
 

4 その他

●ADB,パキスタンのファウジ基金に投資,年200万KW電力
●マレーシア,シナジー,バクン発電所の経営掌握へ
●中央アジアと南アジアの連携送電線建設,カブールで合意


5 参考資料

2007年11月20日分

電力一般

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071120A 未開拓油田,11月19日8時32分配信フジサンケイ ビジネスアイ
「未開拓」油田を狙え リスク覚悟のエネルギー業界
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071119-00000000-fsi-bus_all

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071120B Pakistan, Unique Pakistan
ADB,パキスタンのファウジ基金に投資,年200万KW電力
ADB to invest in Fauji Foundations power plant Extra 2000MW needed annually
http://www.uniquepakistan.com/news/general/adb-to-invest-in-fauji-foundations-power-plant-extra-2000mw-needed-annually-20071118.html

マレーシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Malaysia.htm

●071120C マレーシア,11月19日8時0分配信 NNA
【マレーシア】シナジー、バクン発電所の経営掌握へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071119-00000004-nna-int

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071120D Laos, Reuters
ラオス首相,今は民主化よりもまず水力開発
Laos targets hydropower not democracy
http://uk.news.yahoo.com/rtrs/20071118/twl-uk-laos-interview-bd5ae06.html

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071120E Indonesia, The Jakarta Post
OPECは,インドネシアの熱帯林保護を支援すると
OPEC supports Indonesia's fight for forests
http://www.thejakartapost.com/detailheadlines.asp?fileid=20071119.B07&irec=6

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071120F 中国,「人民網日本語版」2007年11月19日
中国がアジア高速道路網の中心に
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/19/jp20071119_79849.html

アフガニスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Afghan.htm

●071120G Afganistan,Relief Web
中央アジアと南アジアの連携送電線建設,カブールで合意
Agreement signed in Kabul on electricity transmission project that connects Central Asia with South Asia
http://www.reliefweb.int/rw/RWB.NSF/db900SID/SIRU-79494P?OpenDocument


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月19日分 IPCC,2050年までに300兆円必要

夕食でワインを飲みながらよく孫と話をする。「君は9歳だね,クサイな。」,とからかうと,11月に誕生日の孫はすかさず,「もうすぐテンサイだよ!」,と返された。10歳と言うのは私にとっては忘れられない歳で,今でもよく覚えている。天皇陛下の終戦勅諭を聞いて,そのころ大人の男はその辺にいなかったので,嘆き悲しむおばさん達に,「天皇陛下が言っておられるのだから,アメリカが乱暴をすることはないだろう。」,と言った覚えがある。随分賢い子だったのだな,と思い出す。孫は22世紀まで生きる可能性がある,そのときは温度が今の温度プラス6.4度になるらしい,おじいちゃんがそういってたなあ,とそのとき思い出してチェックしてくれ,と言ったら,「僕は寒いの嫌いだから,その方がいいよ。」。


1 今日の概要

昨日一部既報,IPCCが第4次報告書を国連事務局長に提出,対応のためには2050年までに300兆円相当が必要であると。今月20日に開かれる日CLV首脳会議に向けて,中国投資リスクをヘッジするために,ラオスと投資協定を結ぶ計画である。インドネシアのプルノモ大臣が,インドネシアの提唱する熱帯林保護対策については,OPECの協力を得たいと発言,OPECも地球間虚位問題への関心を初めて表明した。


2 目次

●温暖化対策、2050年までに300兆円必要,IPCCが試算
●日本とラオスが1月に投資協定,中国投資リスクをヘッジ
●インドネシア,熱帯林問題で,OPECの支援を期待


3 本文

●温暖化対策、2050年までに300兆円必要,IPCCが試算

IPCCのサイトを見てみたが,まだ第4次報告書はダウンロードできない。新聞記事による報告書のポイントは,早急な対策がなければ地球の平均今世紀末に温度が6.4度上昇する,温暖化の進行を抑えるためには2050年までに300兆円必要,上昇幅を2,3度に押さえるためには2050年までに温暖化ガス排出を半減させる必要がある,排出ガス抑制のみならず温度上昇への適応策の検討が必要,と言うような感じであろうか。特に,適応策の検討の必要,がすごく気に入った。300兆円の中には,私の言う熱帯林,原発,水力が大きな部分を占めるべきなのだろう。

IPCCの前回の報告書は,2002年に京都議定書に盛り込まれたものだが,解説によると,その後の温暖化を中心とした世界の新しい研究を盛り込んで第4次が創られた。IPCCのビューローメンバーは,研究自体はやらないことになっていて,その時点に於ける世界の研究者の成果を評価して報告書にまとめるのだそうだ。議長は最近つとに有名なインドのパチャウリ博士で,日本からは一人,平石尹彦氏が入っている。氏の出身は労働省だが,環境庁の設立に関わってからは環境一筋で,途中,UNEPのプロパーに転出されている。「相当のPCおたくで.どの国でもインターネットにつなぐことができるという特技の持ち主。」,とのこと,私とそっくりなのだけど。

●日本とラオスが1月に投資協定,中国投資リスクをヘッジ

CLVと言うのは先日まで知らなかったのだが,ASEANに後で加盟したカンボジア,ラオス,ベトナムを言うそうだ。今月20日に東アジアサミットが開かれるが,そのときに,日CLV首脳会談が行われるようだ。ラオスについては,「ラオスは中国投資に対するリスク分散の新たな投資先として注目されている。」,と書いてあるけれど,とても規模的にそうは思われないけれど,でも,タイからラオスへ進出,または転身,と言うのはありえるし納得できる。日本企業も,関電のナムニエップなど,電力企業や商事会社が水力への投資を窺っている。

●インドネシア,熱帯林問題で,OPECの支援を期待

12月にバリで開かれるCOP13に向けて,議事を取り仕切るインドネシアは,特に熱帯林の問題に集中している。しかし,そのときにユドヨノ大統領は,ASEAN首脳会議で,主宰するのはカラ副大統領のようだ。今日の記事は,エネルギー大臣のプルノモ氏で,熱帯林保護への対応策,REDDなどに,OPECのバックアップを期待していると,報じた。これは面白い方向で,地球温暖化の元になる化石燃料を売っているのだから,熱帯林への貢献があってもおかしくない,と言うわけである。

しかしOPECは,炭酸ガスの地中閉じこめ方式CCSに熱心で,勿論インドネシアも,OPECの一員として,リアウや南スマトラなどで実験を行うことになっている。私はよく分からないが,閉じこめるために多くのエネルギーが必要ではないか,と心配している。また今日のニュースによると,OPECは従来環境問題に余り熱心ではなかったが,今回の会議では,温暖化抑制に積極的の貢献する,と決議した。サウジは3億ドルを地球温暖化を対象とした研究に投じることを明らかにし,カタール,アラブ首長国連邦,クウェートもそれぞれ1億5000万ドル程度の拠出を表明したようだ。


4 その他

●フィリッピン,アボリッツ,台湾企業と組んで,ルソンに30万KW石炭火力
●インド外資促進庁FIPB,PTCの外国新導入を承認


5 参考資料

2007年11月19日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071119A Philippines, Manila Bulletin
アボリッツ,タイ湾企業と組んで,ルソンに30万KW石炭火力
Aboitiz Power, Taiwan firm to build $ 420-M coal-fed plant
http://www.mb.com.ph/BSNS20071118108954.html

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071119B ラオス,11月17日20時15分配信 産経新聞
日本とラオスが1月に投資協定 中国投資リスクをヘッジ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000944-san-bus_all

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071119C India, Economic Times
インドのピーク電力不足は,10年来で最高
India's peak power deficit hits 10-year high: Report
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Indias_peak_power_deficit_hits_10-year_high_Report/articleshow/2545502.cms
●071119D India, Economic Times
インド外資促進庁FIPB,PTCの外国新導入を承認
FIPB clears PTC's plan to rope in foreign cos in subsidiary
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/FIPB_clears_PTCs_plan_to_rope_in_foreign_cos_in_subsidiary/articleshow/2546657.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071119E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,熱帯林問題で,OPECの支援を期待
Indonesia seeks OPEC support for forestry cause
http://www.thejakartapost.com/detailheadlines.asp?fileid=20071117.B06&irec=5

環境一般

●071119F IPCC,日本経済新聞
温暖化対策、2050年までに300兆円必要・IPCCが試算
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071118AT2M1701Q17112007.html


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月18日分 電源開発,長江水系漢江の水力に楔

麻雀をやっていて大きな手を造っているときに,横で小さな手でどんどん上がられると頭に来る。そういう友人が私の傍にも居た。メコンの本流開発をどうするか,と論じていたら,横でその友人が,インドネシアで10KWの発電所を造ってきたよ,と話題をさらってしまう。タイの石炭火力で住民反対で潰れかけたプロジェクトに参入して,嘲笑されながら,タイの今回の320万KWのIPPプロジェクト群に,その電力会社はちゃっかりと名前が出ている。一昨日は,フィリッピンの水力買収を視野に入れる関西電力,昨日はタイのIPP参入の中部電力,また今日は電源開発Jパワーの中国漢江の開発参入,と電力の活躍が続く。少子化する日本の次世代は,必ずアジアと一体にならなければ生きていけない。

さざれ石が巌となる君が代の一節があるが,インドネシアの火山灰が降りかかる中,こうもり傘でそれを避けながら,今日積もった火山灰は数センチだが,あれが何万年と繰り返されて,あの堅い凝灰岩になって行くのか,との思いで建設現場を歩いていた。今朝のニュースでは,あのノーベル賞のIPCCが報告書を国連の潘基文事務総長に提出する写真が出ていた。今世紀末で最大6.4度温度上昇。最近熱射病で何か人がよく死ぬね,と話す程度から後で振り返ると,地球温暖化の大きな大きな影響だったか,と思い返すことになるのだろうか。ただ今回の報告書では,排出ガス抑制のみならず,温暖化への適応,という考え方が出てきている。水を貯留して平均化して使う,と言うダムの発想はその適応策の一つ,と書いてあったかどうか。


1 今日の概要

Jパワーが中国の長江水系,陝西省最大の河川漢江を握る公司に27%株式参入,漢江の潜在は1400万KWと言われている。タイの320万KWのIPP群の事前審査で敗れたラチャブリ発電会社,エネルギー省を相手取って訴訟へ,エネルギー省も受けて立つ構えである。インドのシン首相はロシアで原子力協力で合意したが,野党が妥協して,米国含みのIAEA協議に同意した,どう展開するのか。北京へ長江の水を送る南水北調プロジェクト,汚染がひどい水を送って良いのか,という議論が出てくるほど,上海の汚染は激しい。


2 目次

●Jパワー,中国の水力開発プロジェクトに参画,権益27%を取得
●タイのIPP入札,ラチャブリ,IPP落選で,訴訟へ持ち込み
●インドがIAEAと交渉へ,米との協定発効へ前進
●中国,期待できぬ南水北調,上海脅かす水源汚染


3 本文

●Jパワー,中国の水力開発プロジェクトに参画,権益27%を取得

いや,こういう仕事がやりたかったですね。中国の雲南省では,一時このJパワーの構想に近いことを考えて突っ込んで行って自爆した時代があったが,Jパワーの粘り強さとともに,中国の企業がここまで国際的に溶け込んできたと言う思いと,長江水系の陜西省一の大河の漢江,年間総流量200億トン以上,開発可能水力1,400万KWの大河川の一環開発を握る,これほどやりがいのある仕事はないですね。中国の水力開発は,インドのそれとともに,増え続ける石炭火力の抑止に繋がる,ポスト京都の重要なテーマーである。

新聞記事は短い記事だが,JパワーのHPのニュースリリースでは,添付書類まで付けて詳しい。「中国陝西省において,漢江一貫水力開発プロジェクトを所有実施する陝西漢江投資開発有限公司の権益の27%を取得することとし,持分分譲渡契約を陝西省水電開発有限責任公司並びに安康市国有資本経営公司と締結した。」,と言う内容である。Jパワーとしては2件目であるが,あの雄大な中国の大陸河川の一部に楔を打ち込んだことは,すごく夢のふくらむ話である,しかもそこは,あの三国志の戦いの場,漢中の近くというのも楽しい。私は,中国への水力開発参入は,最近になって無理だと思うようになってきていたが,こういう地道なアプローチもあったわけですね。

電力会社も含めて,一般的に日本の企業は,海外進出でプロジェクト単位に狙いを定めて行っている傾向がある。この作戦は非常に難しく,一旦はずれれば大変な失敗になる。しかし,水力プロジェクトであれば水系に食いつく,火力については,特にインド,タイ,中国などでは,地元企業に食いつく,と言うのが,戦略も立てやすく,高度な作戦だと思う。

●タイのIPP入札,ラチャブリ,IPP落選で,訴訟へ持ち込み

その中部電力が入っている今回の320万KWのIPP群の予備審査であるが,20社のプロポーサルのうち3社が拒否されている。その中に,タイ有数の発電会社ラチャブリが入っていたので,大変なことになってきた。エネルギー省発表の拒否の理由は,その株式を国営企業が50%以上持っているから,と言うのである。これでは,今後ラッチャブリはすべてのIPPに入れず,昨日の株式市場でも値を下げている。

実際は,ラチャブリの株式で国営企業EGATの持ち分は45%なのであるが,難しいのは,バンプーや国営銀行が持っている株を入れると50%を越えると言うことなのであろう。エネルギー省は財務省に確認した結果の判断だから法廷で戦おう,と言っている。早く造らなければならないのに,また手間暇のかかることになった。国営企業主導の企業が入札資格がない,ということは,随分タイの電源開発に影響すると思うが。

●インドがIAEAと交渉へ,米との協定発効へ前進

先日から,シン首相のロシア訪問などで,不可解,と書いてきたが,ここでまた不可解。シン首相のロシア訪問と相前後して,米国との原子力協定に反対していた野党4党が,米国との前提条件となるIAEAの査察協議だけは始めてよろしい,と妥協したのだ。先行きはまだ分からないが,インドとしては,セーフネットをロシアにかけながら,米国と交渉することになるのか。NPT未加盟のインドは,原発燃料不足で調達に苦慮しているという。


●中国,期待できぬ南水北調,上海脅かす水源汚染

先日も,水資源に悩む首都北京の移転問題が話題になっていたが,南水北調のプロジェクト,すなわち,中国で最も水量の多い長江の上,中,下流から取水し,大規模な水路を建設して水不足の北京など北部に水を送り込もう,というもので,工事は既に進んでいる。上海の水道は褐色に濁っている,そうだが,上海市民にとってはそれが当たり前である。ここで起こってきた問題は,長江下流の余りの汚染の激しさで,この汚い水を北京に運んでどうなるか,と言うことらしい。

中国の水資源量は全体で2兆4,130億立方mにものぼるが,これを13億人で割ると,1人あたりでは2,200立方mと世界平均の4分の1程度だ,という。水だけは資源外交ではとってこれない。うん?そうでもないか,チベットや雲南で,メコンやサルウイーンの水をとれるかな。


4 その他

●中国の資源獲得外交が成功、年100万ガロンの原油輸入に合意―ベネズエラ
●中間線日本側でも共同開発 東シナ海ガス田、政府打診 中国「試掘なら軍艦出す」
●新疆の石炭資源開発が加速 国内の4割占める埋蔵量
●ダムは「巨大な汚水池」 重慶で500万人が強制大移住


5 参考資料

2007年11月18日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071118A Thailand, Bangkok Post
ラチャブリ,IPP落選で,訴訟へ持ち込み
Ratchaburi suing over IPP rejection
http://www.bangkokpost.com/Business/17Nov2007_biz26.php

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071118B インド,11月16日23時43分配信 読売新聞
インドがIAEAと交渉へ、米との協定発効へ前進
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000217-yom-int

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071118C 中国,11月17日12時1分配信 Record China
中国の資源獲得外交が成功、年100万ガロンの原油輸入に合意―ベネズエラ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000069-san-pol
●071118D 中国,11月17日8時1分配信 産経新聞
中間線日本側でも共同開発 東シナ海ガス田、政府打診 中国「試掘なら軍艦出す」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000069-san-pol
●071118E 中国,「人民網日本語版」2007年11月16日
新疆の石炭資源開発が加速 国内の4割占める埋蔵量
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/16/jp20071116_79802.html
●071118F 中国,11月16日18時48分配信 産経新聞
期待できぬ南水北調 上海脅かす水源汚染
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000961-san-int
●071118G 中国,11月16日14時4分配信 産経新聞
ダムは「巨大な汚水池」 重慶で500万人が強制大移住
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000943-san-int
●071118H 中国,11月16日20時2分配信 時事通信
Jパワー、中国の水力開発プロジェクトに参画=権益27%を取得
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000200-jij-biz


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月17日分 メコン河委員会本流ダム建設で議論沸騰

その昔,雲南省を車で走っていたとき,「あっ,少数民族が沢山歩いている!」,と叫んだら車内から,「少数民族が沢山いるわけないだろう。」,と言葉が飛んだ。今,甘利経産相がレアーメタルを求めて南アフリカなどを訪ねている。元々ハイテクに使われるレアメタルは,日本は中国にその素材を求めていたらしいが,中国には希少金属が沢山あるようだ。しかし,中国のハイテクブームで価格が上がって,日本のハイテク業界に素材入手という面で,脅威となっている。中国はエネルギー資源を求めてアフリカに行き,日本はレアーメタルを求めてアフリカに行く。3兆ドルのGDP規模に7億KW巨大エンジンを積む中国と,4兆ドルのGDP規模に2億KW余のコンパクトなエンジンを積む日本,ここにその両者の差を見る。


1 今日の概要

先日来話題になっているメコン下流域に於ける6つのダムについての調査活動で,カンボジア政府がラオス代表に不満をぶっつける,中国企業の動きが目立つ。タイの320万KWIPP入札について,中部電力や住友商事の名前が挙がる,ラチャブリは選外で不満を漏らしている。タイの原発問題でセミナー賛否両論が飛び交う,反対論は主として金融リスクに集中した。


2 目次

●メコン河委員会,本流ダム建設で議論沸騰
●タイ,IPP20件のうち3件で,ラチャブリなどが落とされた
●タイ,専門家,原発に変わる代替エネルギーを考えるべき
●タイ,政府専門家,原発建設を支持


3 本文

●メコン河委員会,本流ダム建設で議論沸騰

1992年のメコン委員会総会の席に私も出席していた。タイのメコン代表シン氏が,メコン河としては歴史に残る演説を行った,「今日踏み切らなければ,メコン河に眠る巨大エネルギーは,もう2度と日の目を見ることはないだろう,さあ,決断しよう。」,と。ラオス,カンボジア,ベトナム代表は黙して語らず。かくしてそのとき,下流メコン流域の本流ダム開発は葬り去られたと思っている。ビエンチャン直上流の低パモンダム,最後の日であった。時の事務局長はカナダのランカスター氏。

あれから15年の歳月が流れた。あのころ初めてメコン委員会の総会にやっとオブザーバーで出席していた中国は,今や世界を揺るがすエネルギー戦争を仕掛けている,メコン川下流も例外ではなかったのだ。カンボジアのシアムリアップで先週開催されたメコン河委員会総会,カンボジア代表のシンニニは,言葉激しくラオス代表に迫った,「メディアが騒いでいる,ラオス政府はもっと情報の透明化に努めるべきだ!」,と。

先日から出ているメコン下流域本流の6つのダムの調査に関する記事である。今日のバンコクポストには,この報道の裏側が明らかに読めるようになっている。メコン上流のランサン川でダム建設を続ける中国企業が,タイとマレーシアの企業を巻き込んで,下流域のダムの調査に踏み切らせているのだ。総会に出席した中国代表団は,「開発と環境保全の間にはバランスがなくてはならない,保全のみが優先するべきではない。」,と調査の続行を容認する発言をした。

私は,メコンの下流域では大規模ダム開発は困難である,しかし処女河川のままにしておくには,人類への包蔵の大きさから見て不適切,ダムを造るならば中国領内の上流に行くべきだ,と主張してきた。今上流には,漫湾ダムを初め多くのダム建設が進んでいる。特に巨大貯水池を有する小湾ダム(建設中)は,池の使い方によっては,下流の利水に大きな効果をもたらす。しかし,この調整は全く行われていない。

●タイ,IPP20件のうち3件で,ラチャブリなどが落とされた

有名な国営企業出身のラッチャブリ社がIPP320万KWの選に漏れたことで,大騒ぎ。ラッチャブリは,既にアユタヤのガス火力80万KWで,住金物産とともに落札しているが,今回のIPP群では,ラチャブリ地点に80万KWのガス火力を提案して,エネルギー省から拒否されたわけで,相当のショックのようだ。エネルギー省の話では,50%以上国有の企業ははずした,と言っているが,ラチャブリはEGATのシェアーは45%であるから,他の理由であろう,と言う観測である。

なお,記事の中で,今回の審査で通過した企業の中には,中部電力と住友商事が入っている。他には,アマタ電力,ヘマラジュエナージ,イタリアンタイ,タイ石油エネルギーなどの名前がある。どれが天然ガスで,どれが石炭の提案かは,この記事では分からない。

●タイ,専門家,原発に変わる代替エネルギーを考えるべき

昨日バンコクでは,今まで政府が計画してきた原発建設への一般PR活動が開始された,と言える。エネルギー省がセミナーナーを開き,政府案を説明し,これに対して出席者から討論が行われた。バンコクポストとネーションの両氏の取り上げ方が面白い。前者は,カセットサート大学の経済学の教授であるデチャラット博士の反対論を主題に置き,後者は,EPPOのチャバリット次官の推進論を主題にしている。

デチャラット博士の反対論は,あくまで経済的見地からの意見で,安全問題には一言も触れていない。政府が,原発の経済的有利性を説明しているが,これに対して博士は,ファイナンシャルなリスクを問題にしている。運転開始が2021年とされていて,それまで18年もあり,更に運転期間が70年から80年,更に燃料の後処理に1000年mもかかる,余りにも金融リスクが大きすぎるというのである。原発はMW当たり150万ドルから200万ドルに対し,複合火力は50万ドル,このイニシャルコストの差にリスクが潜む,と言うのである。

政府の説明した経済比較によると,いずれもKWh当たりで,原発は2.08バーツ(6.08セント),石炭火力が2.15バーツ(6.83セント),天然ガス火力が2.20バーツ(6.98セント),バイオマスが2.50バーツ(7.94セント),風力が7.50バーツ(23.81セント),太陽光が15.20バーツ(48.25セント)などである。

●タイ,政府専門家,原発建設を支持

ネーション紙は逆に,政府側のチャバリット次官の推進論を中心に据えて記事を書いているが,勿論公平にデラチャット博士の金融リスク論も解説している。この中で特徴的なのは,チャバリット次官が,原発は既に世界33カ国で442基が稼働しており,更に現在29基が建設中である,と言う説明に対して,デラチャット博士は,世界の先進国の中には,デンマークやノルウエーのように,原発抜きで来ている国もある,と反論している。なお,EGAT代表は,現在国内で22地点を比較中である,としている。いずれにしても,安全問題については,少なくともこの記事の中にはない。


4 その他

●ASEAN、多様な国家体制 困難極める調整
●<東アジアサミット>森林面積拡大の数値目標設定へ
●中国の送電網,過去のソビエト時代の設備に悩む
●中国,「水質汚染は深刻な問題」!水質汚染食い止めに目標と対策へ


5 参考資料

2007年11月17日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071117A Thailand, Bangkok Post
IPP20件のうち3件で,ラチャブリなどが落とされた
Ratchaburi has one IPP bid rejected
http://www.bangkokpost.com/Business/16Nov2007_biz30.php
●071117B Thailand, Bangkok Post
専門家,原発に変わる代替エネルギーを考えるべき
Expert urges alternative power Non-nuclear plants must be examined
http://www.bangkokpost.net/Business/16Nov2007_biz32.php
●071117C Thailand, The Nation
専門家,原発建設を支持
Expert supports plan for nuke plant
http://nationmultimedia.com/2007/11/16/headlines/headlines_30056298.php

ODA一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071117D ASEAN,11月16日10時56分配信 産経新聞
ASEAN、多様な国家体制 困難極める調整
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000914-san-int

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071117E Laos, Bangkok Post
メコン河委員会,本流ダム建設で議論沸騰
Cambodia raps Laos over Mekong dams
http://www.bangkokpost.com/breaking_news/breakingnews.php?id=123623

環境一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071117F 東アジアサミット,11月16日2時31分配信毎日新聞
<東アジアサミット>森林面積拡大の数値目標設定へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000017-mai-int

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071117G 中国,「人民網日本語版」2007年11月14日
中国工程院院士が「三峡=生態破壊」を否定
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/14/jp20071114_79667.html
●071117H China, Online Wsj
中国の送電網,過去のソビエト時代の設備に悩む
China Tests AC Electricity
http://online.wsj.com/article/SB119507940686793254.html?mod=googlenews_wsj
●071117I 中国,11月15日21時6分配信 Record China
「水質汚染は深刻な問題」!水質汚染食い止めに目標と対策へ―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071115-00000025-rcdc-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月16日分 関電がフィリッピンの水力買収を視野に

今日の概要

ローマで開かれている世界エネルギー会議,マニラブリテンの記者が,サンロケ水力を完遂した関西電力代表を捕まえて,アンブクラオ- ビンガ水力買収への関心を聞いて記事にしている。インドのIT産業では,2010年までに,電力と冷却の費用がIT産業のコストの30%に達するとして,電力使用の効率化を訴えた。


目次

●関西電力,アンボクラオ- ビンガ水力,買収を視野
●インド,'IT産業に於けるエネルギー使用効率化は,大きな意義が


本文

●関西電力,アンボクラオ- ビンガ水力,買収を視野

「資産売却にうつつを抜かすフィリッピン」,とこの欄でもフィリッピンに於ける電源開発の重要性を訴えてきているが,企業の側から見れば,どうしても建設よりは買収に走る。関西電力は,この記事にも出てくる20億ドルプロジェクト,サンロケ水力に果敢に挑戦し成功した経験を持つが,フィリッピン政府が建設を忘れて売却に走るものだから,世界の投資が,建設よりも買収に向いてしまう。私に言わせれば,ゼロサムゲームだが,それもフィリッピンの電力セクターが立ち直るためには,致し方ないのか。

今,ローマで世界エネルギー会議WECが開かれているが,この会議に出席したユカワ氏の談話としてマニラブリテンが捉えた記事である。この水力施設に買収には,現在,地元企業のFGが乗り気であるが,これに丸紅と組んだ関西電力が乗るのではないか,という,ユカワ氏の談話を元にした推測記事である。彼は,具体的な判断には至っていない,と強調しながら,サンロケの経験を踏まえて,フィリッピンの水力買収に関心を持っていることを語っている。

これらの水力は,ルソン最大の河川アグノ川の上流に位置して,バギオの町の北東36km付近にある。アンブクラオは,75MW,ダムは建設当時は極東最大のロックフィルダムで,高さ129m,長さ452m,貯水池容量は約3.3億トンである。ビンガ水力はアンブクラオの下流19kmにあり,100MW,ダムは高さ約107mの同じくロックフィルダム。いずれも1950年代に建設されたもので,50年近くが経過しているが,1980年代に,JICAニュージェックが補修調査を行っている。これからの補修費とダムの堆砂については慎重に見積もる必要があろう。

●インド,'IT産業に於けるエネルギー使用効率化は,大きな意義が

インドの電力,始末が悪いのが損失電力の大きさ,州によっては30%とも40%とも言われている。この損失電力の問題と同時に,電力使用の効率化が問題になる。今日の記事は,インド得意のIT産業に於ける電力使用の効率化を話題にしている。IBMが主導のワークショップが開かれ,IBMが有するエネルギー使用効率化のノウハウが討議された。IT産業がどの程度の電力を使用しているのか,資料はないが,記事によると,2010年には,IT産業のサーバーの電力と冷却費用が,製品の30%に達するという。


その他

●ベトナム,93%が進捗,日越イニシアチブ第2期
●長江流域の年間汚水排出量、300億トンの大台に―中国


参考資料

2007年11月16日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●071116A ベトナム,11月15日8時0分配信 NNA
【ベトナム・インドシナ】93%が進捗、日越イニシアチブ第2期
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071115-00000007-nna-int

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071116B Philippines, Manila Bulletin
関西電力,アンボクラオビンガ水力,買収を視野
Kansai Electric eyes tie-up with Marubeni, First Gen
http://www.mb.com.ph/BSNS20071115108627.html

ODA一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071116C JICA公示案件,JICA
再生可能エネルギー利用地方電化推進のための課題に関する調査
http://partner.jica.go.jp/main_out/servlet/CTRL?NEXT_PAGE=/TI/TI_details.jsp?TAL_NO=102003000813524

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071116D India, 15 Nov, 2007, 0127 hrs IST, TNN Economic Times
'IT産業に於けるエネルギー使用効率化は,大きな意義が
Energy efficiency can power profits'
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Energy_efficiency_can_power_profits/articleshow/2541706.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071116E 中国,11月15日7時38分配信 Record China
長江流域の年間汚水排出量、300億トンの大台に―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071115-00000000-rcdc-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月15日分 印NHPC向こう20年間で2500万KW開発

インドの原子力協力,今日も朝刊に解説記事が出ていたが,米国との協力を巡り,成り行き誠に不可解。米国との協力をインドの野党が反対して批准できず,シン首相はロシアに飛び,ロシアとの原子力平和協力についてプーチン大統領と合意した。発表された談話では,序でに米国の一国有利を牽制するために,中印露の三国が協力するという。如何にもインドが急転換しているように見える成り行きだが,その底にはNPTに加入していないインドが,核燃料の調達に苦慮している事実がある。ところが今日の記事では,核燃料を供給すると,プルトニュームや濃縮ウランなどが余って,それが原発増強に回される恐れがあって,国際的な緊張が高まるらしい。少し,関心を持ってインドの原発開発を見てみよう。インドの原発開発は,ポスト京都の重要なテーマーである。


1 今日の概要

インドの北辺の水力開発はポスト京都の重要なテーマー,NHPCが開発能力の喧伝に努めるが,政府は民間資金の導入により傾いている。メコン本流開発への動きは,発展する中国,ベトナム,タイがその可能性をもう一度探りたいようだ,フィンランドが資金を支援している。ミャンマーのガス田開発で,タイと中国が協力の可能性,中国は既に陸続きのパイプライン敷設で,ミャンマー政府と合意している。


2 目次

●インド,NHPC,向こう20年間で2,500万KWの水力開発
●メコン本流の6個のダム計画,メコン河にとって脅威
●フィンランド,メコン委員会へ2百万ユーロ,水力調査
●タイ,国家石油探査PTTEP,ミャンマーのガス田で中国と協力を模索


3 本文

●インド,NHPC,向こう20年間で2,500万KWの水力開発

インドの北辺の水力開発は,原発開発とともに,インドの石炭火力を代替する意味から,ポスト京都の大きなテーマーの一つである。国家水力発電公社NHPCは,1975年に設立されてから,多くの事業を手がけてきたが,資金面などの問題から,必ずしも期待通りの役割を果たしていないのではないか,との疑問に晒されている。最近では,会社の規模が大きく拡大した火力発電公社NTPCも水力に手を出したり,政府が水力開発への新方針の中で,大きく民営化に舵を切るなど,NHPCは一つの岐路にさしかかっている。そこで,今後の見通しを改めて,喧伝したものと思う。

記事によると,NHPCは1975年に設立されてから11プロジェクト,4,145MWの水力を開発した。それらは主として,西ベンガル,アルンシャルプラデッシュ,J&K,マニプール,シッキム,ウッタラカンドなど,北部及び北東部に偏っている。現在準備中のプロジェクトは13地点,5,652MWで,いずれも2007〜2012年に運転開始される予定である。その他に,J&K州で合計450MWを準備中であり,次の5年〜10年の間に,7750MWを開発する計画である。プロジェクトとして確認されたものの中には,アルンシャルプラデッシュのスバンシリ水力16,000MW,タワン水力750MWがある。

このように,懸命に将来の水力開発の動向を説明しているわけであるが,これは一つには中央政府が,多くの地点を民間資金に委ねようとしていることへの対抗でもある。しかし,民間資金が参入するには,もう一つ,水没移住や環境問題が明確に説明されていないところに,インドの北辺水力の問題点があって,なかなかインド中央政府の考えているような,大々的な民間資金の動員が可能かどうか,不透明なところがある。


●メコン本流の6個のダム計画,メコン河にとって脅威

メコン下流域で何かが動いている,と言う感じである。メコン下流域本流のダム開発については,殆どその可能性を放棄したかに見えるメコン河委員会であるが,中国,タイ,ベトナムの経済発展が著しく,これらの国が動いて,メコン本流のダム計画を動かそうとしている雰囲気である。計画の6つのダム建設で75000人の水没が記事の中にも見られる。これだけのポテンシャルがあるのだから,もう一度可能性を探ってみよう,と言う動きに対して,環境団体のTERRAが強く抗議の姿勢にある。フィンランドが調査の費用を申し出ているのか。

●フィンランド,メコン委員会へ2百万ユーロ,水力調査

200万ユーロは約287万ドル,3億円程度の費用分担であるから,図上検討程度のことしかできないが,既に過去の蓄積もあり,それらをもう一度整理して,調査の方針を立てようと言うのだろう。

●タイ,国家石油探査PTTEP,ミャンマーのガス田で中国と協力を模索

M9ブロックと呼ばれるマルタバン湾の鉱区で,これから生産に向かって動くのには,約10億ドルの費用が必要である。隣のM4ブロックで動いている中国石油と合弁で,このM9を動かそうと言うわけだが,そのシェアーなど,未確定だ。タイもこの天然ガスを必要としているし,中国は既にミャンマーと,陸上のパイプライン計画に合意している。


4 その他

●タイ,大型投資16件を承認,エネ関連はPTTの37.6MWなど
●インド,中央電力規制委員会CERC,州間の取引に料金を課す
●中国,再生可能エネルギーの国際技術協力に着手


5 参考資料

2007年11月15日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071115A Thailand, Bangkok Post YUTHANA PRAIWAN
国家石油探査PTTEP,ミャンマーのガス田で中国と協力を模索
PTTEP seeks ties with China to develop Burmese gas field
http://www.bangkokpost.com/Business/14Nov2007_biz35.php
●071115B タイ,11月14日8時0分配信 NNA
【タイ】大型投資16件を承認、エネ関連・ホンダ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071114-00000006-nna-int

ラオス・メコン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071115C Laos, ScandAsia
フィンランド,メコン委員会へ2百万ユーロ,水力調査
Finland Funds Mekong Hydropower Projects
http://www.scandasia.com/viewNews.php?coun_code=kh&news_id=3926
●071115D Laos, Associated Press By MICHAEL CASEY 11.13.07, 10:46 AM ET
メコン本流の6個のダム計画,メコン河にとって脅威
Proposed Dams Threaten Mekong
http://www.forbes.com/feeds/ap/2007/11/13/ap4333317.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071115E India, United Press International Published: Nov. 13, 2007 at 11:46 AM
NHPC,向こう20年間で2500万KWの水力開発
NHPC to add 25,000 MW of power in 20 years
http://www.upi.com/International_Security/Energy/Briefing/2007/11/13/nhpc_to_add_25000_mw_of_power_in_20_years/8509/
●071115F India, Economic Times 13 Nov, 2007, 1605 hrs IST, PTI
中央電力規制委員会CERC,州間の取引に料金を課す
CERC to levy charges on states for power overdrawal
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/CERC_to_levy_charges_on_states_for_power_overdrawal/articleshow/2538049.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071115G 中国,「人民網日本語版」2007年11月13日
中国、再生可能エネルギーの国際技術協力に着手
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/13/jp20071113_79566.html


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月14日分 EGAT新総裁石炭火力への決意を表明

1 今日の概要

EGAT新任のソンバット総裁,石炭火力推進の重要性を強調して決意を語る,LNGなどの価格に具体的な数字を用いている。メコン河下流地域の階段型ダム開発の亡霊が生き返ったか,可能性調査開始に多くの非難が集中している。インドはロシアと原子力協力,アメリカはどうなるのか。ベトナムのODAへの本音が出た,しかしベトナム人はカントー大橋事故には一言も触れず,ベトナム人は偉い!パキスタン,政治混乱の中でも,テクノクラートは粛々とプロジェクトを進めている,バシャダムなど推進,高村外相はODAを大幅増を見直す方針。インドの大規模火力,突然のルール変更,一社一プロジェクト,インドでは常に人為的障害が先行する。中国の植林はポスト京都の目玉,ここに写真で人口美林を見た。


2 目次

●EGAT総裁,天然ガスへの過度の依存を減らす,石炭火力推進
●世界30カ国200環境団体,メコン河委員会にダム反対コール
●ロシアとインド,原子力で協力拡大・首脳会談で一致
●ベトナムへのODA支援,更に国内参加者の便益重視を
●パキスタン,国家計画委員会,バシャダムなど16プロジェクトを承認
●パキスタンODA,高村外相が大幅増を見直す方針
●インド,大規模火力,一社の複数プロジェクト入札許さず
●中国,新疆,植樹推進,2010年の森林被覆率3.2%に


3 本文

●EGAT総裁,天然ガスへの過度の依存を減らす,石炭火力推進

新任,58歳のEGAT総裁,ソンバット氏,着任早々の挨拶は,石炭火力推進への決意である。とにかく地元説得で,そのためには日本の電源開発特別措置法のような,地元地域開発への基金の設定である,と強調した。今計画が進んでいるのは,既設のアユダヤとマモー地域に年3億バーツの資金を元現運営者から徴収し,地元開発に当てようとすすものである。日本でも昭和40年代に設定されたものだ。

でも私は,カンボジアで石炭火力の話をしたときに,IPPの時代なのだから地元も資本参加したらどうかと,資本はどこにあるかと聞かれれば,土地であり環境権だと考えたらどうか,と提案していた。石炭火力に好適な立地条件は,地元の財産と考えるべきではないか。勿論これで問題は解決するとは思えない,あくまで石炭技術のクリーン化の追求で,ソンバット総裁もそれを強調している。

記事によると,EGATの電源開発計画では,4つの石炭火力プロジェクト320万KWを2013〜2016年に運転開始するためには,2009年〜2011年に着工する必要がある。4つのうち二つは既に地元の反対で潰れ,後二つも厳しい地元の反対に晒されている。結局,マモーの悪夢が尾を引いているわけで,石炭のクリーン化技術が当時とは格段に違うことを,もっと説明すべきではないか。

この記事の中に出てくる発電単価を記録しておこう。タイは2012年にLNGを導入する必要があるが,その価格は現在百万Btu当たり330〜350バーツとしている。10.44ドル〜11.08ドルで,前回8ドル前後とした値に比べれば,相当値上がりしている。タイ湾のガスはというと,百万Btu当たり220〜230バーツで相当に低い。これは6.96〜7.28ドルに匹敵する。これらからKWh当たりの燃料費を算定すると(前回効率を40%としたが,友人達が,アダチさん,ガスは複合火力で考えなければならないから,52%ぐらいになる,と言うので変更して計算する。),LNGで6.85〜7.27セント,タイ湾ガスで4.31〜4.78セント,とLNGとタイ湾で相当の開きがあり,EGATは将来,タイ湾のガスもLNGに釣られて上がってくると見ているので,危機感が募るのだろう。

なお,輸入石炭はトン当たり60ドルと想定しており,前回の中国の国内炭より安い。これで行くとKWh当たりの石炭の燃料費は2.08セント(効率40%)と相当に安いが,固定費を含めた比較を見ると,石炭が6.65〜6.96セント,タイ湾ガス火力が6.52セント,LNG火力が823〜8.54セント,水力が5.70〜6.01セント(いずれもバーツ表現を今日の時点でドルに換算)とされており,石炭火力が高いのがやや理解困難。

●世界30カ国200環境団体,メコン河委員会にダム反対コール

タイトルを見て上流中国領内で進むダムの話かと思ったら,メコン下流域,すなわちゴールデントライアングルより下流の計画を指している。1990年代に我々がいろいろ検討を行ったものだが,ラオス領内に4地点,カンボジア領内に1地点,タイラオ国境が1地点,と書いてあるから,ルワンプラバン,サヤブリ,パモン,などを含む本流段階開発のことだろう。タイ,マレーシア,中国の企業が可能性調査を開始するという情報である。メコン河委員会の発注ではないと思うが,少し時代遅れの感もあり,しかし,時代が流れると,また幽霊のようなプロジェクトが生き返ってくるのか。

●ロシアとインド,原子力で協力拡大・首脳会談で一致

昨日コメントした記事の本文である。「米国の一極支配に対抗するため、中国を含めた3国の関係を強化することでも一致した。」,とも書かれているから,インドのシン首相は,完全に米国との原子力協力を放棄したのであろうか。そのようなことはないと思うが,米国を刺激するだろう。インドは条約に入っていないので,核燃料の調達に苦慮していると聞いている。

●ベトナムへのODA支援,更に国内参加者の便益重視を

いや,ODAに対して厳しい論調で,どこかでカントー大橋の事故が出てこないか,ヒヤヒヤしながら読んだ。さすがベトナム人だ,この厳しい論調の中でも,一言もカントー大橋には触れていない,涙が出てきますね。昔,旧日本軍が仏印進駐したときに,米を徴収して,多くベトナム人が飢餓と闘い,多くの犠牲者が出たと聞いているが,このことはベトナム人の口から一言も我々に対して出てこない,常に日本のODAに感謝の言葉が口を次いで出てくるのは,ベトナムの代表である。

しかし,この記事の論調はODAに厳しい,もっともここまで言えるところまでベトナムの経済が大きくなってきた,とも言えるわけである。「プレファレンシャルローンと言うけれども,誰のためのプレファレンシャルか!」,と言う辺りは最高である。ODAに関しては,常にドナーの言うとおりにしなければならない,ベトナムのコントラクターは常に下請けに回らされる,我々は1990年以前に国内企業の手でアジア最大のホアビンダムを造ったが,ODAが始まってからは,ハムトワンダミのような規模のダムも,外国企業が主導で,ベトナムは常に下請けだ,と言いたいことを言いまくっている。この辺りで当然カントー大橋の事故が出てきても良いのに,出てこない,私はベトナム人を尊敬しますね。

●パキスタン,国家計画委員会,バシャダムなど16プロジェクトを承認

政治的大混乱の中で,テクノクラートはしずしずと仕事を進めている。承認された16プロジェクトの中には,カラコルムハイウエーの改良工事やバシャダムの興味あるプロジェクトも含まれている。しかし,承認はいいんだけれども,問題は資金調達いなのですよね。

●パキスタンODA,高村外相が大幅増を見直す方針

と言うことで,政治的混乱が資金調達に直接響いてくる。でも,日本政府にしても米国政府にしても,タリバン攻撃の始まった頃のあの感激と興奮はない。あの時,決断に迷ったムシャラフ大統領が,米国に手を貸す,と決めたとき,我々も,それ今だ,パキスタンに日本のODAが入る絶好の機会であり,今まで手がけてきたムンダダムなどの案件を,あちこちに説明したものだ。でも,日本政府は結果的には冷たかった。今また,高村外相は多くもないパキスタンODAの見直しをコメントした。

●インド,大規模火力,一社の複数プロジェクト入札許さず

また急に政策変更,こういうことはネパールでしか起こらないと思っていたら,大民主主義国家インドでも,条件が出された。こういう突然の条件変更が,外資の参加を阻む原因だろう,ビューロクラシーのなせる事件だ。物理的障害の前に,インドでは常に人為的障害が発生する。

●中国,新疆,植樹推進,2010年の森林被覆率3.2%に

ポスト京都のテーマーで重要なものの一つは,中国が年間450万ヘクタールの森林を増やしていっていることである。雲南省に行ったときに,山のすそに等高線に沿って溝のようものが掘ってあった。あれは何だろう,と話し合ったが,あれは植林の準備だったのだ。その植林の成果を一度見てみたい,どの様な人工造林が出来るのか,と思っていたら,この記事の写真が素晴らしかった。素晴らしいところが写真になったとも言えるが。


4 その他

●インド,400万KW大規模火力ティラヤ,タタ発電など13社が競う
●インド,大規模プロジェクトに重要な障害,政府が一社に二つ許さず
●中国,深刻な水不足に警告,中国政府が対策急ピッチ 


5 参考資料

2007年11月14日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●071114A Vietnam, Thnh Nienh
ベトナムへの海外支援,更に国内参加者の便益重視を
Vietnam should not give in to all foreign donors’ demands
http://www.thanhniennews.com/features/?catid=10&newsid=33382

タイ
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071114B Thailand, Bangkok Post
EGAT総裁,天然ガスへの過度の依存を減らす,石炭火力推進
Egat chief vows to push coal plants Necessary to ease dependence on gas
http://www.bangkokpost.com/Business/13Nov2007_biz28.php

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071114C Pakistan, Dawn
国家計画委員会,バシャダムなど16プロジェクトを承認
Ecnec approves 16 projects of Rs97.9bn
http://www.dawn.com/2007/11/13/top9.htm
●071114D パキスタン,11月13日11時41分配信毎日新聞
<パキスタンODA>高村外相が大幅増を見直す方針
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071113-00000033-mai-pol

ラオス・メコン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071114E Laos, Bangkok Post
世界30カ国200環境団体,メコン委員会にダム反対
NGOs against Mekong dams
http://www.bangkokpost.com/News/13Nov2007_news13.php

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071114F インド,日本経済新聞
ロシアとインド、原子力で協力拡大・首脳会談で一致
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071113AT2M1202C12112007.html
●071114G India, 13 Nov, 2007, 0433 hrs IST, TNN Economic Times
400万KW大規模火力ティラヤ,タタ発電など13社が競う
Tatas, ADAG & Lanco among 13 in power race for Tilaiya UMPP
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Tatas_ADAG__Lanco_among_13_in_power_race_for_Tilaiya_UMPP/articleshow/2536949.cms
●071114H India, 13 Nov, 2007, 0440 hrs IST,Subhash Narayan, TNN Economic Times
大規模プロジェクトに重要な障害,政府が一社に二つ許さず
Big projects may not be able to bulldoze traffic on highways
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Big_projects_may_not_be_able_to_bulldoze_traffic_on_highways/articleshow/2536954.cms
●071114I India, 13 Nov, 2007, 0437 hrs IST, TNN Economic Times
大規模火力,一社の複数プロジェクト入札許さず
Bidders may get to operate only two projects
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Bidders_may_get_to_operate_only_two_projects/articleshow/2536953.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071114J 中国,11月13日8時34分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
深刻な水不足に警告 中国政府が対策急ピッチ 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071113-00000012-fsi-bus_all
●071114K 中国,11月13日11時24分配信 サーチナ・中国情報局
新疆:植樹推進、2010年の森林被覆率3.2%に
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1113&f=national_1113_001.shtml


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月13日分 北京の首都移転構想が話題に

今朝の朝刊を見ると,パキスタン情勢はまだ揺れている。ムシャラフ大統領の強攻策への揺れ戻しが,また問題を起こしそうだ。それと,パキスタンの北西辺境州の混乱が輪をかけている。ペシャワールの北,スワット地域は,桃の花が咲く文字通りの桃源郷で,仏教遺跡も多く,恐らく日本の歴史の中でもこの地域にあこがれた時代があったのだと思う,仏教徒の悲願の地である。その地域が,反ムシャラフ,反米の拠点となって,パキスタン正規軍が攻撃をかけようとしている。仏教との悲願の地であると同時に,ポスト京都の重要な水力開発拠点でもある。

今朝の日経サイトを見ると,インドのシン首相がモスクワを訪問してプーチン大統領との間で原子力協力の話をして,昔の親密な両国の関係を取り戻そうとしている。先日は,実はインドは核燃料の不足に悩んでいる,と言うことを知ったばかりだが,折角進みかけた米印の原子力協力が,インドの野党の反対で停滞しており,シン首相が一時辞任するという噂まで流れた。彼は一転,ロシアとの協力に切り替えたのか,或いは,米国一辺倒を嫌う政界をおもんばかって,全方位に切り替えようとしているのか。


1 概要

北京の首都移転構想,まだ一学者の構想であるが,英紙が取り上げている,汚くなった首都を捨てる話はよくあるところ。1992年に制裁解除を受けたベトナムが,遂に世銀の分類で中所得国に,でもまだ一人当たりGDPは900ドル前後,まだこれからである。パキスタン情勢は,この時点ではムシャラフ大統領の軟化が伝えられているが,再び情勢は緊張してきている。インドの石炭火力に,静かに中国企業が入ってきた,ムンバイの発電所建設。中国がインドネシアから石炭購入計画,インドも中国も,沿岸部への国内炭の輸送は難しく,輸入すす時代となった。香炉峰の雪で日本人にも有名な廬山国立公園,懐かしく,ここに取り上げてみた。


2 目次

●中国,北京からの首都移転を提言,水不足・大気汚染などの問題が深刻
●ベトナム,世銀が越を低所得国から中所得国に
●パキスタン,「来年1月総選挙」,ムシャラフ大統領,米圧力に前倒し
●インド,ムンバイの企業,中国国有企業とタイアップ,120万KW開発へ
●中国,広東省の企業,インドネシアから石炭購入契約結ぶ
●中国の世界遺産,廬山国立公園


3 本文

●中国,北京からの首都移転を提言,水不足・大気汚染などの問題が深刻

1989年ぐらいの頃,天安門事件の余韻が収まらない頃に,北京郊外の十三陵揚水のために北京を訪れて,郊外を歩き回った。この揚水発電所の下の池は,文化大革命のときに急いで造られたダムで,ダムから漏水がある可能性があり,調査を行ったが,更に不思議であったのは,貯水池の後ろからも他流域に水が漏れている事実だった。この池は実に貴重で,北京の人々の水瓶なのだが,当時でも水は不足がちであった。歴史もあるこの首都北京に,どうしてこの水不足に抗して人が集まってきたのか,不思議な思いであった。

今は,南水北調の事業で,南部の水を北京に運ぶべく,大規模な運河の工事が行われている。日本でも,経済成長華やかなりしころは,日本海の水を東京へ,また紀州の水を大阪へ運ぶべく,大規模な導水計画が練られて,我々も揚水発電所の計画を進めながら,紀ノ川からどうすれば大阪へ水が持ってこれるか,研究したものである。でもその時に,水を動かさずに,水のあるところに人や産業を移せば良いではないか,と言う思いはいつも頭の中にあった。北京の首都機能の移転先を考えている人々は,長江中流を頭の中に描いているらしい。

首都を放り出して外に逃げ出す例は沢山ある。ガーナを訪れたときに,現在の首都アクラに移る前の首都はケープコーストであった。貧民街が増えて汚くてどうしようもなくなって,首都機能が逃げ出し,アクラに移ったという。いい加減なことをするなあ,と思ったものだが,考えてみれば,カラチを捨てたパキスタンのイスラマバードや,デリーを捨てたインドのニューデリーなどもその中にはいるだろう。まあしかし,北京の首都機能移転は,100年はかかるのではないでしょうか。

●ベトナム,世銀が越を低所得国から中所得国に

ベトナムへの制裁解除が行われた1992年には,ベトナムの一人当たりのGDPは150ドルぐらいであった。日本の制裁解除が行われた日に,私はバンコクのメコン委員会に勤務していたが,帰りの私の車に友人のベトナム人達が乗ってきて,「ノーモアサンクション,ノーモアサンクション」,と叫びながら私の煙草を吸いまくって騒いだ日があった。当時のベトナム大統領が,初めて飛行機でバンコク空港に入り,ずらりと居並ぶジャンボ機の群れを見つめたまま,タラップを降りることを忘れて,しばらく呆然と佇んだという。15年を経て,今や一人当たりGDPは外務省の外務省の統計で716ドルと書いてある,1992年の5倍以上だ。

今日の記事では,世界銀行はGNI,すなわち海外所得の純受け取りを含むもので判断しており,世銀の基準では中所得国は,900ドル以上であるから,1,000ドル近くになっているのであろう。今までベトナムは,世界銀行の中核IBRDの借款を受ける資格がなかった,とは知らなかった。今までのものはすべて国際開発協会IDAからのもので,これからは本格的な支援を得られることになる。しかし,そういう意味では,今までベトナムの電源を支えてきた日本の国際協力銀行のベトナムへの役割は,非常に大きかったと言える。

●パキスタン,「来年1月総選挙」,ムシャラフ大統領,米圧力に前倒し

この時点の報道では,ムシャラフ大統領がブッシュ大統領の要請に応えて,柔軟な姿勢に転換したことになっているが,冒頭に書いたように,再び強攻策に転じて,ブット女史も再び事実上の軟禁状態に於かれているという。思ったよりも一般国民の抵抗が強く,混乱が増すと考えたのだろう。特に北西辺境州,300人の中国人水力エンジニアーが逃げ出したが,その方面での無政府状態が大きな問題である。

●インド,ムンバイの企業,中国国有企業とタイアップ,120万KW開発へ

中国の発電企業が,静かに,しかし確実にインドの石炭火力に手を伸ばしてきた。どの様な資金調達がなされるのか未だ不透明であるが,殆ど手を出すことの出来なかった中国企業のインド進出は,注目の必要がある。石炭についても,インドネシアからの輸入を考えているようだ。

●中国,広東省の企業,インドネシアから石炭購入契約結ぶ

インドネシアの石炭の話が続く。中国にしてもインドにしても,沿岸部の発電所には,当然,海外からの輸入石炭の話が付いてくる時代となった。中国3社による輸入で,5年間で合計3,250万トンと言うから,約100万KW5年分,と今のところは規模は大きくない。

●中国の世界遺産,廬山国立公園

江西省北部の九江市郊外にある廬山(ろざん)。「廬山には,白居易の詩で有名な香炉峰や五老峰などの山々が連なる。最高峰の漢陽峰は標高1474メートル。長江をのぞむこれらの峰は鬱蒼とした古木に覆われ,山麓には湖水が点在している。」。実は,天安門事件の直後,九江の火力発電所を支援すべきかどうか,と言う調査団に加わって,夜の長江を船で下り,夜明けに九江の港に上陸,思わず支那事変を思い出して,「敵は幾万ありとても・・・・・」,口ずさんで,通訳から,「アダチさん,皆軍歌知ってますから気を付けて。」,と叱られた。そのときに廬山に案内されて食事をし,山に登ったが,いかにも中国らしい景色で,いつまでも頭に残っている,ちょっとピックアップしてみた。


4 その他

●フィリッピン,IFC,マシンロックの購入先へ275百万ドル支援
●フィリッピン,国内電力企業GP,5億ドルの石炭クリーン化事業で契約
●インド,UP州,電力危機へ自ら対処へ,50万KW発電所


5 参考資料

2007年11月13日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●071113A ベトナム,11月12日8時0分配信 NNA
【ベトナム・インドシナ】世銀、越を低所得国から中所得国に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071112-00000007-nna-int

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071113B パキスタン,11月12日17時8分配信産経新聞
パキスタン「来年1月総選挙」 ムシャラフ大統領、米圧力に前倒し
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071112-00000008-san-int

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071113C Philippines, Manila Bulletin
IFC,マシンロックの購入先へ275百万ドル支援
IFC to give $ 275-M loan financing to US buyer of Masinloc power plant
http://www.mb.com.ph/BSNS20071112108352.html
●071113D Philippines, Manila Bulletin
国内電力企業GP,5億ドルの石炭クリーン化事業で契約
Global Power set to sign today $ 500-M ‘clean’ coal power venture
http://www.mb.com.ph/BSNS20071112108354.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071113E India, 11 Nov, 2007, 1800 hrs IST, PTI Economic Times
UP州,電力危機へ自ら対処へ,50万KW発電所
UP govt to lay foundation of two 500 MW power plant units
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/UP_govt_to_lay_foundation_of_two_500_MW_power_plant_units/articleshow/2533103.cms
●071113F India, 12 Nov, 2007, 1300 hrs IST, REUTERS Economic Times
ムンバイの企業,中国国有企業とタイアップ,120万KW開発へ
Suryachakra in Chinese tie-up for power project
http://economictimes.indiatimes.com/News/Suryachakra_in_Chinese_tie-up_for_power_project/articleshow/2534817.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071113G 中国,11月11日14時35分配信 Record China
北京からの首都移転を提言、水不足・大気汚染などの問題が深刻―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071111-00000010-rcdc-cn
●071113H 中国,11月12日11時14分配信 サーチナ・中国情報局
広東省の企業:インドネシアから石炭購入契約結ぶ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071112-00000004-scn-cn
●071113I 中国,11月11日15時42分配信 サーチナ・中国情報局
[中国の世界遺産]廬山国立公園
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071111-00000005-scn-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月12日分 サルウイーン河が危機に陥っている

吉川で測量作業,更新遅れました,寒風が吹きすさんだ。大体,月曜日というのはニュースが非常に少ない。新聞記者さん達も休んでいるからですかね。以前は,その日に収集したニュースでその日のウエッブを更新していましたが,最近読者が増えてきたので責任感が出てきて,前日にニュースを集めて一日温め読んで勉強してから書くようにしています。だから,この前書きには,日にち遅れにならないように,重要事項はピックアップするようにしています。しかしこの前の小沢さん事件の時には,小沢さんを批判したら,途端にメルマガの人数が減ったのには驚きましたね。あんな小沢さんでもファンがいるのですね,ビックリした。本日は,サルウイーンのダム問題とパキスタン情勢だけになってしまった。


目次

●サルウイーン河が危機に陥っている,ハッチダムの成り行き
●軍参謀長辞任へ,パキスタン・ムシャラフ大統領


本文

●サルウイーン河が危機に陥っている,ハッチダムの成り行き

非常に長文で面白いバンコクポストの記事。でも殆どは,EGATのサルウイーンのダム開発に対する地元住民の反応が中心になっている。この中には,ダムの名前が三つ出てくるが,それは,ハッチ,ウエイジー,ダグウイン。EGATは,タイとミャンマーの国境上にある後者二つのダムサイトのどれかを造りたかったのだが,ミャンマー側がうんと言わなかった。ハッチダムは貯水池も含めて完全にミャンマー側なので,ミャンマー側はこのハッチダムに拘った。私も,当時ミャンマーの水力開発を指揮していた局長に直接確認したが,彼はハッチでないと駄目だ,と言っていた。

何故ハッチでなくては駄目なのか?そこのところはよく分からないが,タイの国境のダムだと,経済的な力比べで,ミャンマーの発言力が小さくなると考えたのか。しかしEGATとしては,プロジェクトの全体がミャンマー領内に入ったために,タイの法律に従ってやるべき環境調査を手抜きできた,と言うよりは,ミャンマー側のプロジェクトの手順とタイ側のそれが合わなかった,と言うことかも知れない。サルウイーンウオッチなどの環境グループは,一斉にEGATを批判し始める,しかしミャンマー政府には,手も足も出ない。ちょうど,国際環境グループが,ラオスのダムには反対したが,三峡ダムには手も足も出せなかったのと同じですね。

いずれにしても,ハッチダムは,EGATにテロの犠牲者が出て,その調査続行については,12月の総選挙後に出来る新内閣によって判断されることになる。ただ,ラオスのナムテン2水力では,世界銀行が積極的に環境調査を実施し,大ダム建設の一つの手順を作り上げた形だが,ミャンマー側の軍政の問題と,資金が中国から入ってくることで,ラオスの調査とは随分違った進行になってしまい,EGAT一人が悪者にされて,これからの推進が非常に難しくなってきた。


●軍参謀長辞任へ,パキスタン・ムシャラフ大統領

しかし,ブッシュ大統領の説得がこのように執拗に行われる,と言うことは異例であろう。最後はとうとう電話会談にまで持ち込んで,ムシャラフ大統領の説得に当たった。アフガニスタンのときに,国内の難しい情勢を納めて,米国側につき,タリバンを駆逐したその成果というか,関係が維持されていたのだろう。でも,パキスタン,ミャンマー,更にはタイまで,軍事政権の元で取り仕切られていると言うことは,アジアも何だかあぶなつかしい限りである。


参考資料

2007年11月12日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071112A Thailand, Bangkok Post
サルウイーン河が危機に陥っている
SALWEEN ON A PRECIPICE
http://www.bangkokpost.com/Perspective/11Nov2007_pers001.php

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071112B パキスタン,2007年11月11日03時01分朝日新聞
軍参謀長辞任へ パキスタン・ムシャラフ大統領
http://www.asahi.com/international/update/1110/TKY200711100259.html
●071112C パキスタン,(07:01) 日本経済新聞
パキスタン、非常事態から1週間
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071111AT2M1001710112007.html


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月11日分 世銀が南アジアの電力地域連携を勧告

ミャンマーのスーチー女史の,軍政との対話,発言についてはその後まだ大きな動きは伝えられていない。しかし,パキスタンの政治情勢は大きく動いている。米国とムシャラフ大統領は,対テロ作戦で相当の親好があり,今回のムシャラフ大統領の非常事態宣言に対して,ブッシュ大統領は支援削減を含む強い姿勢で説得したようだ。一時軟禁されたブット首相も一日で解放されて,再び政治活動を始めた。遅がけの今日の記事にもあるが,ムシャラフ大統領とブット首相は,表面的には対立しながら,関係は微妙である。パキスタンの安定は,インド周辺国の大規模水力開発にも大きな影響を与え,ポスト京都の地球温暖化問題に響いて来る。

1 概要

世界銀行の報告書が南アジア地域の国家間エネルギー連携の必要を説き,資金的な支援も行うとした。中国が内モンゴル自治区で良質な石炭180億トンの埋蔵を発見した,1億KWを30年間運転できる量である。スーダンの原油は硫黄分が少なく国内各社もブレンドして使用しているが,国際的な事情を考慮して,九州電力が輸入禁止に踏み切った。パキスタン情勢,ブット首相とムシャラフの中を仲介したいるのは,地域の安定を願うブッシュ政権,軟禁の裏では水面下で協議が進んでいるとの憶測も。


2 目次

●世界銀行,インドやパキスタンに,国家間電力融通を推奨
●中国,埋蔵石炭180億トン!史上有数の超大型炭田を発見―内モンゴル自治区
●九州電力,スーダン原油使用自粛,紛争の資金源化懸念?力発電燃料,下期から
●パキスタン,ブット元首相軟禁,大統領と元首相,対立の裏で協力協議


3 本文

●世界銀行,インドやパキスタンに,国家間電力融通を推奨

世界銀行が11月7日に発表した,「南アジアに於ける地域内エネルギー通商の潜在力とその見通し」,の報告書は異例である。強い調子で,政府間ハイレベルでの予備的合意までを要請している。対象は電力とガスであるが,私は,ポスト京都に向けたインド周辺国の水力大規模開発による国際間電力融通がその主眼であると思う。世界銀行は,この予備的合意が出来れば,国際金融機関も支援を惜しまない,とまで明言している。

現状認識としては,今域内で現実に融通が行われているには,インドに対するブータンとネパールだけで,この地域の電力開発は遅れており,経済成長の足を引っ張っている。域内の電力は,全世界の電力のわずか4%であり,域内平均の一人当たり電力使用量は,世界平均の6分の一である。今後可能性の高さから見ると,パキスタンとアフガニスタンの関係が地勢的にはもっとも有利であり,また,ブータンの未開発水力が2300万KW,ネパールのそれが4300万KWと膨大である。

天然ガスについてはバングラデシュの問題である。バングラデシュだけで使用すると104年分の包蔵力があり,域内で有効に活用する必要がある。もっともこれは,バングラデシュ側に言わせれば,価格的にも量的にも,国内使用に拘っている。また世銀が期待を寄せているのは,中央アジアからのガスと,イラン,インド,パキスタンの間のガスパイプライン構想である。この構想によると,インドへは日量1.5億立方m,パキスタンへは0.6億立方mである。私の試算によると,100万KWガス火力が70%年負荷で14億立方mであるから,インドへの供給量は,400万KW大規模開発の8箇所分,3,200万KW分に匹敵する膨大な量である。


●中国,埋蔵石炭180億トン!史上有数の超大型炭田を発見―内モンゴル自治区

低灰分,低硫黄で,史上有数の優良な大型炭田だという。地層の厚さは250mで,地質も安定,生産は比較的容易であるという。びっくりマークを付けての発表であるが,一体どのぐらいのオーダーなのか。100万KWの石炭火力が年間に使用する石炭を600万トンとすると,1億KWの石炭火力が6億トン,30年間稼働が可能な量である。

石炭の総量問題だが,世界で現時点,可採埋蔵量は98,457億トンと言われていて,石油が41年で枯渇するのに,石炭は192年,約200年といわれている。中国はこのうち米国,ロシアに続いて世界第3位で,11.6%であるから,11,421億トン,180億トンはそれでも中国の持つ包蔵と比べると,わずかである。中国の石炭の包蔵が如何に大きいかを思い知らされるが,地球温暖化の観点から,どこまでこれを節約して,原発や水力に置き換えるか,人類の課題である。

●九州電力,スーダン原油使用自粛,紛争の資金源化懸念?力発電燃料,下期から

スーダン・ダルフール紛争が,九州の電力供給体制に看過できない影響を及ぼしていると言うことか。スーダン産原油は,「ナイルブレンド」,と呼ばれて,硫黄分が少ないために,国内各電力会社が重油と混ぜて焚いているという。使用量としては関西電力が最も多く70万キロリッターで,これに次いで九州電力が多いという。不足分は,インドネシアか中国から入れる必要があり,問題もある。スーダンの石油については,中国の積極的な資源外交が,国際社会で問題となっており,北京五輪への影響を言う人もいる。

●パキスタン,ブット元首相軟禁,大統領と元首相,対立の裏で協力協議

この記事は少し古く,ブット女史軟禁解放の前のものだが,複雑な裏事情を解説している。ムシャラフ大統領とブット女史を協力させようとしたのは,元々パキスタンの政治情勢安定を願うブッシュ政権であり,ムシャラフ大統領の突然の非常事態宣言で,テロと戦う米国は,この両者の和解作戦に齟齬を来して,必死にムシャラフ大統領の説得にかかった。ムシャラフ大統領としては,ブット女史に圧力をかけながらも,いろいろと配慮の跡が見られ,それが国民の疑惑も生んでいる。いずれにしても,我々としては早く政治を安定させて貰って,開発へ専心できる体制になってくれと。


4 その他

●パキスタン,タルベラダム,水車発電機増設計画,90万KWへ
●インド,リライアンス電力,AP州の400万KWクリシュナパットナム,拘る
●インド,アダニグループ,ムンドラ石炭火力を,200万KW拡大計画
●中国,溪洛渡ダムの堤防工事が完了、三峡に次ぐ2番目の規模―中国


5 参考資料

2007年11月11日分

電力一般

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071111A 九州電力,11月10日12時18分配信 西日本新聞
九電、スーダン原油使用自粛 紛争の資金源化懸念? 火力発電燃料、下期から
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071110-00000010-nnp-soci

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071111B パキスタン,毎日新聞 2007年11月10日 東京朝刊
パキスタン:ブット元首相軟禁 大統領と元首相、対立の裏で協力協議
http://mainichi.jp/select/world/news/20071110ddm007030127000c.html
●071111C Pakistan, The International News
タルベラダム,水車発電機増設計画,90万KWへ
Modification of Tarbela Dam planned
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=79805
●071111D Pakistan, Daily Times
世界銀行,インドやパキスタンに,国家間電力融通を推奨
Inter-Country Agreements on energy trade: World Bank offers to help Pakistan and India
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2007%5C11%5C10%5Cstory_10-11-2007_pg5_12

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071111E India, 9 Nov, 2007, 0410 hrs IST, TNN Economic Times
リライアンス電力,AP州の400万KWクリシュナパットナム,拘る
Reliance Power set to clinch Andhra project
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Reliance_Power_set_to_clinch_Andhra_project/articleshow/2530116.cms
●071111F India, 10 Nov, 2007, 0256 hrs IST, TNN Economic Times
アダニグループ,ムンドラ石炭火力を,200万KW拡大計画
Adani to hike Mundra plant capacity by 2,000 MW, plans IPO for APL
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Adani_to_hike_Mundra_plant_capacity_by_2000_MW_plans_IPO_for_APL/articleshow/2530957.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071111G 中国,11月9日21時48分配信 Record China
溪洛渡ダムの堤防工事が完了、三峡に次ぐ2番目の規模―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071109-00000023-rcdc-cn
●071111H 中国,11月10日15時14分配信 Record China
埋蔵石炭180億t!史上有数の超大型炭田を発見―内モンゴル自治区
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071110-00000007-rcdc-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月10日分 スーチー女史軍政との対話を決意

国連のガンバルさんは,本当に頑張ってくれるのかどうか,余り当てにはしていなかったが,スーチさんと会談後,シンガポールに出たガンバルさんは,突然にスーチーさんのメッセージを読み始めた。スーチーさんが妥協することが一体,タンシュエ議長に何をもたらすのか,軍政に何か変化が出るのか,全く期待が持てるわけではないが,事態が動かなければ何も出来ないと言うスーチーさんの思いが伝わってくる。中国の支援だけではやはり限界のあるミャンマーだが,少しでも軍政に変化があれば国際情勢にとってプラスであるし,日本のODAや民間資金も生きて来るというものだ。


1 概要

スーチーさんが動いた,と言うことも衝撃的だが,ガンバルさんが頑張ったというのも賞賛,これからの展開に関心を持つ。タイの原発開発で初めて国内環境グループが反対論展開,でも的はずれのような気も。インドネシアの森林保護問題,グリーンピースが持論を展開,でもよく分からない。パキスタン北西部,300人の中国人水力エンジニアーが国外に避難へ,300人も入っていたのか。インドの水力プロジェクトで,コストオーバーランを黙認,インド官僚にしては想像出来ない融通性。


2 目次

●ミャンマー,スー・チーさん「軍政に協力の用意」,国連特別顧問,声明を代読
●タイ,原発反対激化,次期内閣はその決断を迫られる
●インドネシア,グリーンピースが政府のREDDプロジェクト,変更求める
●パキスタン北西部,水力開発の中国人300人,出国へ
●インド,NHPC,J&K州のドルハスティ水力,中央政府認可なしで


3 本文

●ミャンマー,スー・チーさん「軍政に協力の用意」,国連特別顧問,声明を代読

スー・チーさんの声明の内容は,「国益を考え,対話プロセスを成功に導くため政府と協力する用意がある。」,と言う内容である。彼女はあくまで自身の率いる,「国民民主連盟(NLD)」,を最大野党という認識であり,他にも野党や政権に反対する政治団体があって,それらと意見を交わしながら,軍政と民主化について対話をしていきたい,と言うことだろう。元々,現在の政権も,アプローチは違っても民主化へのロードマップを一応は示しているので,今後2転3転あっても,軍政側が対話に応じる土俵が出来るならば,日本を含めた国際社会も動きやすくなる。

私自身にとっても,ミャンマー,当時のビルマは海外進出の出発点であり,元々親日国で,私の後輩達も,難しい国際情勢を克服しながら,かの地に根を下ろして,将来の自由な交流の時代の来ることを願って,我慢している。中国は,このような政治情勢にお構いなしだから,どんどんダム開発にも入っていっているが,ある程度バランスのとれた経済発展を目指すなら,日本を初めとする西側諸国の協力は欠かせないと思う。

●タイ,原発反対激化,次期内閣はその決断を迫られる

東南アジアの原発推進は,ポスト京都の重要なテーマーである。タイ政府は,15年長期電源開発計画PDPの中で,2020年に400万KWの原発を導入する,費用は18億ドルかかるだろう,としている。これに対してタイ環境回復基金FERが,建設費が膨大で必ずしも原発は経済的ではない,次の内閣ではこの原発案を葬り去るべきである,と主張している。またこの水曜日に開かれたタイ環境ジャーナリスト協会TSEJの会合でも,同じ議論が繰り返され,原発に反対している野党との協力の下で,原発案を廃止すべきだとしている。

当然政府は,このような議論が起こってくるのを視野に入れながら,国民へのP期間と予算を取っているわけであるが,今回のこの記事に関する限り,安全問題に触れていないのは面白い。あくまで国家経済の立場から,非常に大きな負担になって,将来の国のエネルギー問題を誤ると言うのである。例を引いているのは,マサチューセッツ工科大学の見解で,現在の原発の建設費は25%カット可能であり,建設期間6〜10年は4年で完成すべきだ,としている。これは原発を推進するタイ政府にとっては,むしろ援軍のような意見である。

●インドネシア,グリーンピースが政府のREDDプロジェクト,変更求める

インドネシアの熱帯雨林は1億2,000万ヘクタール,ブラジル,コンゴに次いで世界第3位である。インドネシアの森林保護は,ポスト京都の重要なテーマーの一つである。この記事に於けるグリーンピースが何を言っているのか,今ひとつよく理解できない。インドネシア政府は,REDDと称して,途上国の森林保護のためには,先進国の資金を使うべき,現在のCDM方式では,森林に対する判断基準が曖昧である,だから,2012年以前にでもこのREDDを実施に移すべきだ,と言っている。

これに対してグリーンピースは,グリーピース自体が有するシステム,「熱帯雨林破壊ガス削減メカニズムTDERM」,を適用すべきで,熱帯雨林を有する地元民や自国政府は,炭素売買,すなわちCDMに,インドネシアの熱帯雨林を提供すべきでない,あくまで自主性に基づく市場を形成すべきである,と言っている。何のことか分かりますか?グリーンピースにお金を寄越しなさい,我々が保護対策を行うから,と言っているのかな。

●パキスタン北西部,水力開発の中国人300人,出国へ

ペシャワールからの報道。パキスタンの水力開発は,ポスト京都の重要テーマーの一つである。イスラマバードではブット女史が軟禁状態に於かれ,ムシャラフ大統領の非常事態宣言で緊張している。今日の記事は,北西辺境州の2カ所の水力開発に参画している中国人エンジニアー300人に,治安の問題から退去命令がでたと言うことで,必ずしもイスラマバードの問題とは,連動していないかも知れない。それにしても,300人の中国人水力エンジニアーが北西辺境州で働いていたとは驚きである。北西辺境州にいる日本人水力エンジニアーは,今,ゼロであろう。

●インド,NHPC,J&K州のドルハスティ水力,中央政府認可なしで

インド北辺の水力開発は,ポスト京都の重要なテーマーの一つである。でも書き出しが笑えてしまう。「官僚制度というのは,いつもプロジェクトの進捗を妨害している,と言うものでもなさそうだ。」,。NHPCがシェナブ川で開発しているドルハスティ水力39万KWについて,172億ルピーのコストオーバーランがあって,総工事費が523億ルピーになった。しかし,いつもは政府経済委員会CCEAの承認が必要であるのに,今回はその承認なしで進めることが許可された,と言うもの。非常に技術的な問題で,トンネルでのオーバーランは,英国やフランスでも当たり前のこと,と書いている。


4 その他

●中国,国内第二規模となる水力発電所 川のせき止めを開始渓洛渡水力発電所


5 参考資料

2007年11月10日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071110A Thailand, Bangkok Post
原発反対激化,次期内閣はその決断を迫られる
Opposition to nuclear energy project mounts Next govt to be asked to scrap or revise plan
http://www.bangkokpost.com/News/09Nov2007_news14.php

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071110B Pakistan, International Herald Tribune The Associated PressPublished: November 9, 2007
パキスタン北西部,水力開発の中国人300人,出獄へ
Pakistan evacuates 300 Chinese working on hydropower projects in troubled northwest
http://www.iht.com/articles/ap/2007/11/09/asia/AS-GEN-Pakistan-China.php

ミャンマー
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Myanmar.htm

●071110C ミャンマー,11月9日16時21分配信産経新聞
スー・チーさん「軍政に協力の用意」 国連特別顧問、声明を代読
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071109-00000148-san-int

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071110D India, 9 Nov, 2007, 0047 hrs IST,Niranjan Bharati, TNN Economic Times
NHPC,J&K州のドルハスティ水力,中央政府認可なしで
NHPC completes project sans key clearance
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/NHPC_completes_project_sans_key_clearance/articleshow/2529777.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071110E Indonesia, Adianto P Simamora, The Jakarta Post, Jakarta The Jakarta Post
ぐりーんピース,政府のREDDプロジェクト,変更求める
Greenpeace offers REDD alternative
http://www.thejakartapost.com/detailnational.asp?fileid=20071109.H04&irec=3

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071110F 中国,「人民網日本語版」2007年11月9日
国内第二規模となる水力発電所 川のせき止めを開始
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/09/jp20071109_79408.html


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月9日分 インドネシアは2015年までに更に3500万KW

今日は泉南で地形測量あり,既に秋の気候で寒く,上着が必要な季節になった,更新遅れでごめんなさい。昨夜テレビを見ていたら,造林公社問題で滋賀県が大きく揺れており,嘉田知事の画面がよく出てきた。あの人は,新幹線の駅を造らないと言う決断で,あれだけの男達からのプレッシャーを受けながら,平然とまたにこにことして,大変なことをこなしている。よくもプッツンしないことだと思う。小沢さんならとっくの昔にプッツンしているだろう。嘉田知事を見ていると,小沢さんがまるで幼稚園児のだだっ子のように見えてくる。あの強い女性,パキスタンの元ブット首相が軟禁されたようだ。パキスタンは,ムシャラフ大統領が,ブッシュの諫めも聞かず,暴走し始めた。原爆はちゃんと管理して下さいね。


概要

インドネシアのプルノモ担当大臣,2015年までに更に3500万KW開発が必要で,390億ドルが必要と語った。インドネシアの専門家が,原油がここまで上がると,太陽光発電も採算に乗ってくると。IEAが2030年の原油需要は,日量1億1,630万バレル(2007年の需要は日量8,590万バレル)に達すると。インドは,輸入石炭を年1500万トン確保すべく,PTCが動き始めた。中国の砂漠緑化は大きな成果を上げており,人工林面積は5300万ヘクタールでに達し,世界最大。

目次

●インドネシア,2015年までに,3,500万KW建設が必要
●インドネシア,この原油高,太陽光発電も代替案の一つとなる可能性
●IEA展望,中印の原油需要2.5倍…2030年
●インド,PTC,年間1500万トンの石炭輸入を検討中
●中国,緑化プロジェクトに大きな成果,沙漠面積が縮小傾向に


本文

●インドネシア,2015年までに,3,500万KW建設が必要

インドネシアの長期電源開発計画はどうなっているのか分からないが,これに基づいて,プルノモ担当大臣が談話を発表した。要旨は,現在進めているクラッシュプログラム,すなわち,2009年までに石炭火力1,000万KWを運転開始する,と言うプロジェクトに加えて,更に,2015年までに3500万KWを新たに建設しなければならない,そのために要する費用は390億ドルだ,と言うものである。

彼によると,インドネシアの人口2億2,000万人のうち44%が未電化で,2020年までにはインドネシア全土を電化する計画の一環だ,と言うのである。だからこのために,送電線26,000kmの建設が必要で,来年2008年4月に,スマトラとジャワの送電設備の入札を行うが,この中には,スマトラージャワ間の海底送電線12億ドルも含まれていて,この海峡の送電線は,2011年に完成する必要がある,と言っている。

390億ドルをどうやって集めるかには,いろいろ難題もあるだろうが,一生懸命,政府主導で電源開発を進めるインドネシアは偉い,資産売却にうつつを抜かすフィリッピンよりは真面目である。ただ中国の資本が相当に入ってくる期待があり,特に海底送電線は,中国企業が進める南スマトラの大規模石炭火力に間に合わせる必要がある,と言う中国からのプレッシャーも働いている。

●インドネシア,この原油高,太陽光発電も代替案の一つとなる可能性

エネルギーの専門家が書いた記事のようである。要するに,原油など高くなって,インドネシアのような熱帯地方では,再生可能エネルギーの一つである太陽光発電が有力な代替案になる,と主張しているわけである。この記事の中に,幾つか拾っておきたい数字がある。

まず彼は,原油の値上がりが収まらない,来年はバレル150ドルも視野に入れなければならないのではないか,と言っている。石炭については,昨年から51%値上がりしてこの10月末にトン78ドルになっているという。これは先日も中国の石炭で見たトン80ドルと一致する。天然ガスは石油より安いが,インドネシア全国で使うにはインフラ建設が必要である。もしガスが使えるならば,補助金込みの高速ディーゼル油の半分,補助金がなければ3分の一だろう,と言っている。また,太陽光発電の設備は,建設費が石炭火力の5倍,KW当たり8500ドル必要,だが燃料費は要らない,と言っている。

●IEA展望,中印の原油需要2.5倍…2030年

今日は時間がないので改めて原油に関する資料を整理するが,この7日に発表されたIEAの「世界エネルギー展望」の中のポイントになる数字をメモしておく。2030年に於ける原油需要は日量1億1,630万バレル(2007年の需要は日量8,590万バレル),中印両国では現在930万バレルであるが,2030年には両国で2,300万バレルに急増する。石炭需要は石油換算で50億トン,二酸化炭素排出量は,現在の57%増で420億トンに達する。OPECのシェアーが52%になって,価格支配力が高まる,としている。

原油の総量をチェックしておきたい(1バレルは159リッター)。原油確認埋蔵量は大まかに言って1兆バレル,その25%,約2,600億バレルをサウジアラビア,イラクが10.9%,1,125億バレル,アラブ首長国連邦が9.5%,978億バレル,などなどである。世界日需要を365倍すると317億バレルで,確認埋蔵量を年需要で割ると31年になる。これは可採年数と呼ばれているが,今後新しく発見される埋蔵量も入れると枯渇年数は80年と言われている。発電との関係など,後でチェックします。

●インド,PTC,年間1500万トンの石炭輸入を検討中

インド電力取引公社PTC,我々が面談したときには,このような大きな企業になるとは思えなかった。遂に石炭を確保するところまで手を伸ばしてきた。インドは石炭を輸入する必要があるのか。インドの石炭埋蔵量は,推定で2,480億トン,確認埋蔵量は930億トンと言われている。これに対して,昨年度,2006年〜2007年の総使用量は1.11億トン,このうち243百万トンを輸入している。これに対して今日の記事では,輸入石炭を年間1500万トンにする,と言っている。現状の6倍である。輸入先は,インドネシア,オーストラリア,アフリカを目指している。恐らく,西部沿岸地帯の発電用だろう。あの地域は国内石炭の輸送が不可能に近い。

●中国,緑化プロジェクトに大きな成果,沙漠面積が縮小傾向に

中国は年々植林が増大している,年450万ヘクタールといわれている。今日の記事では,「5年間で2,885万ヘクタールの植樹が行われたが,その前の5年間と比べ植樹面積は20%近く増加した。現在,中国の人工林面積は5300万ヘクタールでに達し,世界最大。」,と謳っている。中国の森林増加は,ポスト京都の重要なテーマーである。


その他

●フィリッピン,ロペス参加のファーストジェン,10億ドルを電源投資,2011年まで
●ラチャブリ発電,ラオスのホンサリグナイト発電で,中国企業と連携へ
●フィンランド政府,メコン河委員会に対して,200万ユーロー支援
●インド,国家鉄道とNTPC,ビハール州の100万KWプロジェクトで協力
●日本の対中円借款,今年度は463億円=7年連続で減少
●中国,金沙江で三峡に次ぐ巨大ダム,仮締め切り完成


参考資料

2007年11月9日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071109A Thailand, Bangkok Post
JBIC,23kmのパープルライン,310億バーツ借款,基本合意
JBIC agrees to terms
http://www.bangkokpost.com/Business/08Nov2007_biz37.php

電力一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071109B IEA,11月7日23時20分配信 毎日新聞
<IEA展望>中印の原油需要2.5倍…30年
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000150-mai-bus_all

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071109C Pakistan, The International News
WAPDA,全権委任にもかかわらず,水資源省が縮小に動く
WAPDA’s autonomy under threat
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=79415

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071109D Philippines, Manila Bulletin
ロペス参加のファーストジェン,10億ドルを電源投資,2011年まで
First Gen sets $ 1 B to double generation capacity by 2011
http://www.mb.com.ph/BSNS20071108108007.html

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●071109E Laos, Bangkok Post
ラチャブリ発電,ホンサリグナイト発電で,中国企業と連携へ
Ratchaburi in talks with China for investment in Lao power plant
http://www.bangkokpost.com/081107_Business/08Nov2007_biz32.php
●071109F Laos, Vientiane Times
フィンランド政府,メコン河委員会に対して,2百万ユーロー支援
Finland supports MRC basin programmes
http://www.vientianetimes.org.la/FreeContent/FreeContent_F.htm

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071109G India, 8 Nov, 2007, 0054 hrs IST, TNN Economic Times
国家鉄道とNTPC,ビハール州の100万KWプロジェクトで協力
Raillways, NTPC join to set up 1,000-MW power plant
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Raillways_NTPC_join_to_set_up_1000-MW_power_plant/articleshow/2526652.cms
●071109H India, 7 Nov, 2007, 0114 hrs IST, TNN Economic Times
PTC,年間1500万トンの石炭輸入を検討中
PTC to secure 15 MT coal pa
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/PTC_to_secure_15_MT_coal_pa/articleshow/2523631.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071109I Indonesia, The Jakarta Post, Jakarta
インドネシア,2015年までに,3,500万KW建設が必要
RI needs additional 35,000 MW of power
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20071108.L04&irec=3
●071109J Indonesia, The Jakarta Post
この原油高,太陽光発電も代替案の一つとなる可能性
Are we running out of 'alternative' energy sources?
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20071108.L05&irec=4

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071109K 中国,11月8日11時39分配信 Record China
緑化プロジェクトに大きな成果、沙漠面積が縮小傾向に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071108-00000007-rcdc-cn
●071109L 中国,11月8日13時6分配信 時事通信
対中円借款、今年度は463億円=7年連続で減少
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071108-00000088-jij-pol
●071109M China, Window of China
中国,金沙江で三峡に次ぐ巨大ダム,仮締め切り完成
China begins damming river for 2nd largest hydropower plant project
http://news.xinhuanet.com/english/2007-11/07/content_7026978.htm


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月8日分 ベトナム2015年までに8100万KW建設

小沢さんが,「プッツンして辞めると言ってしまった。」,と言っていたが,宇宙飛行士や政治家にとって,「プッツン」,は決してあってはならない話である。そういう意味で,私が小沢さんが人間的にも問題がある,と言う意味が分かってくれますか。かって外務大臣の田中真紀子さんが,「頭が真っ白になってしまって何も考えられず,米高官とのアポイントを断った。」,と言ったときに,側近が,あれはまずい,と言って諫めた。外務大臣や総理候補がプッツンしたり,頭が真っ白になったりしたら,国家は破滅する。ブッシュ大統領がプッツンして原爆を発射したら,世界は終わる。まあ,それに近いことをやってはいるが。今は,原爆を握るムシャラフ大統領の動きを,インドが最高の警戒度で見守っている。

先日,あるメルマガの報告で,英国のエコノミストに載った三峡ダムの話。貯水池の中の地滑りで,ダムが壊れるかも,とか書かれて,それはおかしいと反論したが,友人でダムの専門家である竹村陽一君が一文を寄せてくれた。「三峡を見に行ったとき,金安橋の時の見聞があったので,貯水池斜面に注意していました。3つの峡谷のうちには遠景ですが,すべったような跡が見られ,大地震のときに岩壁が落ちたりしたらカタストロフィーにならないかと気をもみました。ダムの専門家にとっては貯水池斜面の安定問題はバイヨントダムの経験以来,常識となっていますので,中国もそれ相応の調査はしていると思います。また,地震も大きなものは500−1000年単位かと思われますので,懸念に及ばないのかも知れません。」,と自身で撮った写真を送ってくれた,ちょっとどの方向から撮ったのか分かりにくいが。

しばらく見なかったベトナム,来年は電力の伸びが15%,2015年までに8,100万KW新設へ。日本政府がアンゴラの原油に対して,遅まきながら資源外交をスタート,アンゴラの原油は日生産140万バレル。資源機構も,レアメタルの確保を目指して,南アフリカへ甘利経産相が乗り込む。中国の耕地面積は食糧のため120万平方kmを確保,困難な数字である。ポスト京都の一つ,中国の原発,ロシアが協力へ温家宝首相と合意。


目次

●ベトナム,2008年の電力の伸びは15%と予測
●アフリカ諸国との資源外交を本格化,アンゴラに初の円借款検討
●資源機構がアフリカ各国でレアメタル地質調査,年度内合意へ,権益確保狙う
●中国,耕地面積確保を指示,食糧安全などから―中国高官
●中国,原発建設協力で合意書署名=中ロ,首相会談を機に


本文

●ベトナム,2008年の電力の伸びは15%と予測

ベトナムは電力供給の40%を水力発電所に頼っているため,特に北部系統は渇水期の電力供給が不足気味である。2004年から,中国の南部系統からの融通を受けているが,今日の記事では,2007年に25億KWhを輸入し,2008年には29億KWhを輸入する必要がある,としている。しばらくベトナムから離れているので,ちょっと勘が戻らないが,今年の総発電量が671億KWhであるから,3.7%程度を中国からの輸入に依存していることになる。輸入単価はKWh当たり45セント,と書いてあるが,4.5セントの誤りだろう。来年2008年の電力の伸びは15%と予想されており,772億KWhに達する見込み。また,EVNは,2015年までに74発電所,8100万KWを新設する計画という。

●アフリカ諸国との資源外交を本格化,アンゴラに初の円借款検討

一部既報である。来年5月には,横浜で日本主導による,「アフリカ開発会議(TICAD)」,の開催が予定されており,同会議での具体化を目指しているが,つい数年前に,中国がアフリカ諸国を集めて上海で会議を持ち,昨日も人民日報が,中国のアフリカへの協力を大々的に喧伝したばかりである。このアンゴラは,我々が行っていた頃は内戦状態で,首都のルアンダだけが,我々の行動範囲であった。

初の円借款を検討するアンゴラは,2006年の原油生産量が日量約140万バレルである。序でに総量を見ておくと,全世界で生産日量は2007年で8,590万バレル,原油確認埋蔵量は大まかに言って1兆バレル,その25%,約2,600億バレルをサウジアラビア,イラクが10.9%,1,125億バレル,アラブ首長国連邦が9.5%,978億バレル,などなどである。

このアンゴラの状況であるが,宮崎正弘氏のメルマガによると,「国民の7割が一日2ドル以下で暮らしている国で,首都の豪華ホテルは数ヶ月先まで予約がとれないほど盛況を極めている。アンゴラは貧困,福祉を放棄した汚職政治という意味では,ナイジェリアやダイヤモンドで腐敗を続けるリベリアなどの構造に似ている。いずれも背後に欧米メジャーにかわろうとする中国の影がある。」,としている。私が言っていた頃も,首都のリゾートは,アンゴラとは思えない賑わいだった。

●資源機構がアフリカ各国でレアメタル地質調査,年度内合意へ,権益確保狙う

資源機構とは,独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)である。「今月14日から甘利明経済産業相が南アフリカを訪問するのに合わせ,同国での地質調査実施で合意するが,他のアフリカ諸国についても,早ければ今年度中にも調査実施で合意できる見通しとなった。」,と報道している。そのほか,電池の電極に使われるプラチナでは,タンザニアとボツワナ,コバルトでマダカスガル,インジュームでナミビア,などが上がっている。国際マーケットの中で調達してきたこれらのレアメタルが,中国の資源外交で一挙に火を噴いた,と言う感じか。

●中国,耕地面積確保を指示,食糧安全などから―中国高官

120万平方kmの耕地面積確保が基本という。これは非常に難しい数字のようだ。都市の発展もあるが,中国の森林問題は,ポスト京都の重要なテーマーの一つで,インドネシアが年間180万ヘクタールの森林を喪失しているのに対して,中国では,耕地を森林に転換する面積が,年間450万ヘクタールに上り,世界からも地球温暖化の立場から大いに期待されているところで,これとの関係が微妙である。因みに,120万平方kmは1200万ヘクタールである。

●中国,原発建設協力で合意書署名=中ロ,首相会談を機に

石炭を使い続けて経済発展する中国が,出来るだけ原発にこれを肩代わりさせることは,地球温暖化の立場から,インドのそれをともに,ポスト京都の重要なテーマー出ある。先日も,2020年までに大陸部での原子力発電所の総容量を4,000万KW以上にする目標で,中国の総発電量に占める原子力発電の割合は現在の2%から4%程度にまで引き上げられる計画を発表したばかりである。温家宝首相は,ロシアとの間で,田湾原発(江蘇省)の第2段階や中国でのウラン濃縮施設建設に協力することなどを盛り込んだ基本合意がなされた。


その他

●ネパール,NEA,12月半ばから,計画停電を日5時間へ
●バングラデシュ電力局,ラングーンへ調査団派遣へ熱意
●三菱重工,インドに合弁設立,火力発電所向け蒸気タービンなど製販
●中国,「三峡高速」の澎渓河大橋が完成 四川省


参考資料

2007年11月8日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●071108A Vietnam, Reuters
ベトナム,2008年の電力の伸びは15%と予測
Vietnam forecasts 2008 power output up 15 percent
http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKHAN11328320071106

ODA一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071108B 資源機構,11月7日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
資源機構がアフリカ各国でレアメタル地質調査 年度内合意へ 権益確保狙う
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000000-fsi-bus_all
●071108C アフリカ,11月7日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
アフリカ諸国との資源外交を本格派 アンゴラに初の円借款検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000004-fsi-bus_all

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●071108D Nepal, The Rising Nepal [ 2007-11-6 ]
NEA,12月半ばから,計画停電を日5時間へ
Power outage hours to rise 5 times: NEA
http://www.gorkhapatra.org.np/content.php?nid=29800

ミャンマー
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Myanmar.htm

●071108E Myanmar, Narinjara 11/6/2007
バングラデシュ電力局,ラングーンへ調査団派遣へ熱意
Bangladesh Power Division Keen to Send Delegation to Rangoon
http://www.narinjara.com/details.asp?id=1515

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071108F インド,11月7日8時34分配信 日刊工業新聞
三菱重工、インドに合弁設立−火力発電所向け蒸気タービンなど製販
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000003-nkn-ind

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071108G 中国,11月7日8時0分配信 Record China
耕地面積確保を指示、食糧安全などから―中国高官
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000002-rcdc-cn
●071108H 中国,11月6日22時1分配信 時事通信
原発建設協力で合意書署名=中ロ、首相会談を機に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000184-jij-int
●071108I 中国,「人民網日本語版」2007年11月6日
「三峡高速」の澎渓河大橋が完成 四川省
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/06/jp20071106_79256.html


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月7日分 中国ODAも国際枠組みへ参加せよと

私は読んでいないが,英誌エコノミストの11月3日号に,三峡ダムのその後について記事が出ていると,あるメルマガが報告している。それによると,貯水池領域内で,地割れ,土砂崩れ,地滑り箇所が283ヶ処も確認され,更に堤体本体の亀裂によって,下流400万人の移住が必要になってくる,と報じたとのこと。貯水池内の地滑りはよくあることで,我々も事前に調査を行って補強できるところは補強するが,三峡ダムのような広大な地域では難しいだろう。でも,貯水池内の地滑りとダムの崩壊を結びつけるのは早計で,ダムの安全に関係のない地滑りとダム本体の安全とは,レベルが全く違う。柏崎原発の原子炉の安定の考え方と,共通の視点がある。

今まで問題となっていた中国のODA政策とのすりあわせ,初めて北京で協議開始,日本側が国際的枠組みへ参加を呼びかけた。ペトロチャイナが上海市場上場,時価総額の4分の一を占める,バブルと識者は懸念を表明している。ネパールの臨時議会が共和制移行を方針として決定,毛派の賛成で,水力開発へ燭光がさす。インドネシアが,COP13に向け森林のワークショップ開催,インドネシアの市場規模は20億ドルと断じた。


目次

●日中援助政策協議,日本,国際的枠組みへの参加呼びかける
●上海上場のペトロチャイナ,終値は公開価格の2倍以上
●ネパール,王室廃止・共和制実施へ,ネパール暫定議会臨時会が閉会
●インドネシア,ワークショップ開催,インドネシアの気候変動取り組み討議


本文

●日中援助政策協議,日本,国際的枠組みへの参加呼びかける

1993年にカンボジアの和平が成立して,ポルポト派などを政権参加させるべく治安回復や経済復興に努めた国連のUNTACがあった。欧米の開発専門家が大挙して訪れてカンボジアの復興に取り組んだが,我々も,日本のODAによる支援の一環として,発電所復興のためよく現地入りしていた。そのとき日本は,カンボジアの和平は日本が作り上げた,と言う誇りがあって,なかなかUNTACとの間の調整がうまくいかなかった。二国間ODAと言うのは,強く援助国側の国益が前面に出て,調整が難しい。最近の中国の海外援助は,まさしく我が道を行く,と言う感じで,特に援助に名を借りた資源外交には,眼を顰めるものがある。

記事によると,温家宝訪日時の約束で,日中両国の対外援助に関する初の政府間協議が5日北京で開かれたという。日本は中国側に対し,援助政策を話し合う国際的な対話の枠組みに積極的に参加するよう呼びかけた,とされている。簡単な記事なので,中国側の反応については何も書かれていない。昨日も,アフリカへの援助に関し,人民日報は大きくその中国の役割を喧伝していたが,例えば,ミャンマーへの水力開発支援など,全く両国の方針が異なるケースもあって,中国は簡単に国際的な枠組みに参加できないだろう。インドネシアの石炭火力への支援など,JBICと協調融資が話し合われた形跡もあるが,どこまでこの両国の話し合いが成果を上げるか,関心がある。

●上海上場のペトロチャイナ,終値は公開価格の2倍以上

ペトロチャイナは上海市場で40億株のA株を公開し,668億元(90億米ドル)を調達した,と言う。人民日報も,「中石油がA株上場,時価総額で世界トップに。」,と大々的に報じている。上海市場における時価総額は一気に100兆円を超え,上海証券取引所に上場する銘柄全体の4分の1が,ペトロチャイナなのである。この事実に対して,いつも中国への辛口の論評を以て鳴る経済評論家の宮崎正弘氏は,そのメルマガの中で,喜んでばかりはおれない,これは明確なバブルの始まりだ,と断じている。

氏によると,「上海株式市場では,昨今,大手国有企業のIPOが連続しており,先月には「中国建設銀行」,と石炭最大手の「中国神華能源」,が上場した。この列にペトロチャイナをくわえて三社だけの資金調達額は邦貨換算で,2兆6000億円!どこからそういうカネが出てくるだろうか?」,と嘆じている。

●ネパール,王室廃止・共和制実施へ,ネパール暫定議会臨時会が閉会

これも短い記事であるが,重要な出発点を意味する。一時政権参加を表明したパール共産党毛沢東主義派が,制憲議会選挙まで王制廃止が決まらないことに反対して,政権離脱を宣言し,彼らが掌握している地方の治安が再び悪化する懸念に見舞われた。ちょうどそのころ,インドのPTCなどを中心にカトマンズーでネパールの水力開発へのインドの協力が協議されていて,一瞬暗雲が立ちこめた。

しかしこのニュースでは,毛派も今回の臨時国会の決議,王室廃止・共和制実施を指示しており,同派による武力闘争再開の危機は当面回避された。この意味は大きく,ネパールの水力開発が一気に再び脚光を浴びることになる。ネパールの水力資源は,ポスト京都の重要なテーマーの一つである。どこまで石炭火力一辺倒のこれからのインド経済を代替補完して行くか,重要な問題である。先日もブータンが,どうですか我々のようにうまく水力を開発しては,とネパールをけしかけていたが,本質的にブータンのやり方とは違うとしても,何らかの進展を期待したい。

●インドネシア,ワークショップ開催,インドネシアの気候変動取り組み討議

ポスト京都のテーマーは,森林・原発・水力,である。世界の森林面積は39億ヘクタール(1万ヘクタールは1,000平方km)で地球陸地面積の30%,毎年730万ヘクタールの熱帯雨林が喪失している。インドネシアの熱帯雨林は,国別ではブラジル,コンゴーに続いて3番目で,1億4,400万ヘクタールの熱帯雨林を持ち,毎年180万ヘクタールが失われている。」,と。インドネシアは,この熱帯雨林はインドネシアだけのものでなく地球全体のものであり,その保全については先進国も応分の資金負担をすべきだ,といって,REEDを提唱している。

今回のワークショップは,インドネシアの森林省が,12月のバリで開催されるCOP13にREEDを提案するために,REED実施のためのインプットを以下にするか,国際レベル,政府レベル,地方政府レベル,民間レベルなど多方面について討議を行ったものである。主たる報告は,インドネシア森林気候変動機構IFCAの報告書に基づいている。この中で,森林が固定する炭素の単価をトン10〜18ドルと想定し,世界の市場規模は150億ドルと想定した上,インドネシアへの資金流入は20億ドルと断じている。インドネシアの力の入れようが分かる。


その他

●インド,グジャラートの200万KWプロジェクト,17社が応札の構え
●インドネシア,首都圏で計画停電,送電塔の修理一週間
●大迫力,黄河の壺口滝の絶景


参考資料

2007年11月7日分

ネパール

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●071107A ネパール,11月5日19時52分配信 読売新聞
王室廃止・共和制実施へ、ネパール暫定議会臨時会が閉会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071105-00000111-yom-int

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071107B India, Economic Times 6 Nov, 2007, 0132 hrs IST,Kalpesh Damor, TNN
グジャラートの200万KWプロジェクト,17社が応札の構え
Top 17 power cos to bid for 2,000 MW power supply to GUVNL
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Top_17_power_cos_to_bid_for_2000_MW_power_supply_to_GUVNL/articleshow/2520627.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071107C Indonesia, Alfian, The Jakarta Post, Jakarta
ワークショップ開催,インドネシアの気候変動取り組み討議
Workshop discusses ways to implement green scheme
http://www.thejakartapost.com/detailnational.asp?fileid=20071106.H08&irec=1
●071107D インドネシア,11月6日8時0分配信 NNA
【インドネシア】首都圏で計画停電、送電塔の修理1週間
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000005-nna-int

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071107E 中国,「人民網日本語版」2007年11月5日
中石油がA株上場、時価総額で世界トップに
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/05/jp20071105_79204.htm
●071107F 中国,「人民網日本語版」2007年11月6日
大迫力、黄河の壺口滝の絶景
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/06/jp20071106_79221.html
●071107G 中国,11月5日19時39分配信 ロイター
上海上場のペトロチャイナ、終値は公開価格の2倍以上
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071105-00000205-reu-int
●071107H 中国,11月6日10時14分配信 毎日新聞
<日中援助政策協議>日本、国際的枠組みへの参加呼びかける
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000028-mai-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月6日分 ガス枯渇を懸念のタイがカンボジアと

経済産業省の役割について,昨日手元に届いたエネルギーフォーラムは厳しい記事を載せていた。エネルギー政策以外の問題については,完全に他省庁との間に埋没してしまっているのではないか,余りにもマスコミに神経を使いすぎて本来の国家を論じていない,また,最近省内で3大政策として取り上げられた,地域,安全,温暖化の3テーマーは,すべて経済成長を抑制するテーマーではないか,と。もしこの批判が当たるならば,経済産業省もそろそろエネルギー省に衣替えして,世界の中での国のエネルギーの将来を,大局的に論じたらどうか,と私も思う。

環境省が5日に発表した2006年度の温暖化ガスの国内総排出量(速報値)は,13億4,100万トンで,前年度比1.3%減少,京都議定書の1990年基準では6.4%上回っている。この値は,すべて一定のルールに従った数値計算の結果であるが,各業界の値は,殆どが節電の影響を勘定したものだ。だから,個々の個人や企業が,事細かに努力しても,地球に対する影響はほとんどない。むしろ大本の,エネルギーを押さえることが賢明な方法で,発電所の燃料源をしっかりと抑制していくべきで,少しでも原発や水力の発電量を増やす努力が,地球を救うことになる。環境庁などが個別の企業にテーマーを課す前に,経済産業省を中心に,その根元を押さえるべきだろう。

石炭火力,といいながら,それでもタイ湾のガスの枯渇を懸念するタイが,長らく行われなかったカンボジアとのガス開発協力に手を付ける。石油の高騰が,タイの再生可能エネルギー開発への論調を高めている。ダルフール問題と北京五輪を気にする中国が,アフロか問題について過去1年のせいかを強調して見せた。中国の原発新設計画,2020年までに4000万KWの開発目標だが,少し遅くない。


目次

●タイ,10年間途絶えていたカンボジアとのガス共同探査,来年にも復活
●タイ,原油高騰など,長期的なエネルギー戦略が必要
●中国とアフリカの新しい戦略的パートナーシップ
●中国,原発建設の長期計画を発表,今後15年間で発電容量を倍以上に


本文

●タイ,10年間途絶えていたカンボジアとのガス共同探査,来年にも復活

急激な経済成長が始まると,必ずと言っていいぐらい天然ガスが出始める。1990年初頭のタイ然り,1995年当時のベトナム然り,フィリッピンのパラワン然り,東シナ海然り。原油が安いころはそんなことは想像もされなかった地域で急に天然ガスの探査に続いて必ず生産が行われる。日本近海では,日本の成長期はバレル2ドルという安い原油が中東からどんどん入ってきたので近海には見向きもしなかった。インドや中国は豊富な石炭に支えられているので,ガス探査に余り熱心ではない。このようなことを考えて,天然ガスは実は有機ガスではなくて無機ではないか。どこでも掘れば必ず出てくる,そうして地球のマグマから無限に生産されるのではないか,と言ったら,バカな,と怒った人がいた。

タイの発電は70%がミャンマーも含めた近海の天然ガスである。タイは余りに天然ガスの頼りすぎることを警戒している,タイ人独特の危険への匂いを感じ取っているのだろう。タイの天然ガスの原価は今手元にないが,日本のLNGが100万Btu当たり7.1ドル,欧州の天然ガスが8.77ドルとして,平均値8ドルとすると,発電効率40%でKWh当たり燃料費単価は7.2セントぐらいになる。バレル100ドルまで値上がりした状態の場合石油は14.6セントにもなる。これに対して石炭は,トン100ドルとしてもわずかに2.8セントである。だから,タイは何とかして石炭火力を造りたいのだが,住民の反対で,開発が思うに任せない。

タイの天然ガスはの総需要は,2004年時点であるが,29億4600万立方フィート/日(LNG換算換算約2000万トン/年)で,発電は24億5100万立方フィート/日を占める。供給は,68.3%がタイ湾,28.8%がミャンマーである。タイ湾の包蔵についてはよく分からないが,当局がその枯渇を相当心配しているので,10数年と言うところなのではない。そこで今回,10年以上とぎれていたカンボジアの境界線上の9ブロックについて,カンボジア政府との間で,開発協力の協議を開始したわけである。PTTはそのほかにも探査を広げるとして,2008年〜2010年に30億バーツを投入する計画である。2011年から中東からのLNGの輸入も視野に入っている。

●タイ,原油高騰など,長期的なエネルギー戦略が必要

重要な記事としてピックアップしてみたが,社説による論説で,再生可能エネルギー拡大によって,高騰する石油の使用量に歯止めをかけようというもの,現在,発電以外も含めて燃料の40%ぐらいが石油に頼って,危機感を感じている。

●中国とアフリカの新しい戦略的パートナーシップ

アフリカとの関係で世界の世論を気にする中国が,整理をして2編にまとめた人民日報の記事である。昨年11月の「中国・アフリカ協力フォーラム」,北京サミットから1年を経ての成果を強調している。ダルフール問題がますます混迷する中,北京オリンピックも近づくし,この辺りで過去のせいかを協調しておきたいという趣旨だろう。

●中国,原発建設の長期計画を発表,今後15年間で発電容量を倍以上に

一部既報である。もう一度数字を整理しておくと,2020年までに大陸部での原子力発電所の総容量を4000万KW以上にする目標で,中国の総発電量に占める原子力発電の割合は現在の2%から4%程度にまで引き上げられることとなる。現在の発電能力は,1697万KW。それにしても少しペースが遅くないか。2020年であれば,20%ぐらいに上げて石炭を代替しなければ,地球が壊れる。


その他

●フィリッピン,NPC,2008年の石炭供給,28億ペソ相当の入札へ
●インド,マハラシュトラ州政府首相,ダボール3運転後,需給改善へ
●中国,中央アジア経済協力閣僚級会議,経済協力強化を強調
●中国,世界最大の三峡ダム,累計発電量が2000億キロワット時を突破


参考資料

2007年11月6日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071106A Thailand, Bangkok Post YUTHANA PRAIWAN
10年間途絶えていたカンボジアとの共同探査,来年にも復活
Thais revive talks with Cambodia
http://www.bangkokpost.com/Business/05Nov2007_biz24.php
●071106B Thailand, Bangkok Post
原油高騰など,長期的なエネルギー戦略が必要
Long-term energy strategy necessary
http://www.bangkokpost.com/News/05Nov2007_news14.php

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071106C Philippines, Manila Bulletin
NPC,2008年の石炭供給,28億ペソ相当の入札へ
NPC to bid out P2.8-billion worth of coal supply for 2008
http://www.mb.com.ph/BSNS20071105107709.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071106D India, 4 Nov, 2007, 2245 hrs IST, PTI Economic Times
マハラシュトラ州政府首相,ダボール3運転後,需給改善へ
Power situation to improve after Dabhol-III unit: Minister
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Power_situation_to_improve_after_Dabhol-III_unit__Minister/articleshow/2517336.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071106E 中国,「人民網日本語版」2007年11月5日
中国とアフリカの新しい戦略的パートナーシップ(1)
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/05/jp20071105_79180.html
●071106F 中国,「人民網日本語版」2007年11月5日
中国とアフリカの新しい戦略的パートナーシップ(2)
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/05/jp20071105_79181.html
●071106G 中国,「人民網日本語版」2007年11月5日
中央アジア経済協力閣僚級会議 経済協力強化を強調
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/05/jp20071105_79158.html
●071106H 中国,11月5日11時42分配信 Record China
世界最大の三峡ダム、累計発電量が2000億キロワット時を突破―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071105-00000006-rcdc-cn
●071106I 中国,11月5日11時14分配信 Record China
原発建設の長期計画を発表、今後15年間で発電容量を倍以上に―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071105-00000005-rcdc-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月5日分 東アジアサミットでインド数値目標反対

小沢さんで大混乱の日本列島。あの人ぐらいわがままな人はいないですね,どうして民主党はあのような人を担ぐのだろう。大体,記者団に対する態度が悪すぎる,まるで恐喝じゃないですか。政治家は定期的に記者会見をやるぐらいだから,新聞記者は国民だと思って話をしなければならないと思う。まるで虫けらと話しているような態度は,人間的にも問題ですね。カンボジアのフンセン首相を初め多くの政治家がそうだが,権力を握るためには手段を選ばない。給油活動が必要との認識でも,政権をとるためには反対する。ムシャラフ大統領もそうだし,タンシュエ議長も,権力奪取や維持のためには,国際的な関係など,すべて隅っこに押しやってしまうのですね。まあ彼らは身の安全もあるのでしょうが。

11月21日の東アジアサミットの合意事項について協議が進んでいるが,インドが温暖化問題の数値基準に反対している。パキスタンのムシャラフ大統領が政権維持のため戒厳令を敷いたが,国民の支持は得られないであろう。フィリッピンは,電源開発を忘れたまま,電力自由化構想の中での規則細則の問題に熱中している。電力不足に悩むインドのマハラシュトラ州は,新たに電源を追加,60万KWが運転に入った。


目次

●数値目標にインド抵抗 東アジアサミット温暖化宣言案
●パキスタン,最高裁封じ込め,大義なく…国民反発必至
●フィリッピン,ERC,配電などオープンアクセスのルール変更の意図
●インド,マハラシュトラ州政府,ラットナギリ火力2期66万KW完成


本文

●数値目標にインド抵抗 東アジアサミット温暖化宣言案

11月21日にシンガポールで東アジアサミットが開かれることを知らなかった。この東アジアサミットの構成については,随分問題があるようで,元々1990年12月に,APEC参加国から比較的近い国家同士の経済圏構築を目指したマレーシアのマハティール首相が提案した。日本は米国の参加を求めて反発されたし,中国はロシアを入れたいとして対立している。まさに主導権争いの場であるが,結局,ASEANと日中韓3カ国,オセアニア2カ国,それにインドが入っているという形で,ASEAN+3+2+1と言う変な形,バングラデシュやパキスタンやスリランカは入っていなくて,インドが代表しているのも何となく変である。オセアニアとインドが入ったのは,ASEANが日中に主導権を渡さないためだとか。

そこで,この東アジアサミットを舞台とした気候変動対策の問題だが,先日のAPEC首脳会議の議論を参照する形で,エネルギー効率を2030年までに2005年比25%以上向上させる,温室効果ガスの二酸化炭素を吸収する森林の面積を20年までに1500万ヘクタール以上増やす,と言う2点を声明に盛り込むことで打ち合わせが行われているらしい。「美しい地球50」,を初め,インドネシアのREED,EUの数値目標,などなど,科学的根拠に乏しい数値が飛び交っているが,インドが初めて国別数値目標反対を唱えて,混乱しているらしい。

●パキスタン,最高裁封じ込め,大義なく…国民反発必至

パキスタン国民もそうだろうが,私は最初はムシャラフ大統領は純粋な人だと思っていた,こんなに政権にこだわる人とは思っていなかった。それほど私も,1999年頃のシャリフ政権には怒りを覚えていた,議事録になかなかサインをしてくれない,このプロジェクトでどの様に自分に賄賂が入るか,と言うことばかり考えている政権だったから。でも,ここまでムシャラフが政権にこだわるのは,この政権が8年間も続いて,いろいろ腐敗も進んできているのではないか,一旦政権を離せば刑務所行き,と言うところまで来てしまったのか。

パキスタンは,国民が納得しなければ何が起こるか分からない状況であるから,このムシャラフ大統領の戒厳令で国民が騒ぎ出せば,それこそ軍隊を出して,収拾がつかなくなる可能性がある。パキスタンは,大きなインダス河を国の中央に持ちながら,水不足,電力不足に悩んでおり,国民生活は円滑に進んでいない。テクノクラートは,一生懸命やっているのだろうが,政治がこれでは,開発もスムーズには進まないだろう。

●フィリッピン,ERC,配電などオープンアクセスのルール変更の意図

資産売却にうつつを抜かすフィリッピン,と罵ってきたが,スタートしたはずの電力の分割,自由化も,法律や規則がついてこずに,もたついている感じ。元々,EPIRAと言う基本的な電気事業改革法が出来て,それに伴う規則や細則を造るとき,日本政府も相談にあずかったと聞いている,当時の通産省などがアドバイスをしたのだろう。しかし,まだまだ,補修が必要なようで,今日の問題は配電事業の自由化に関する問題だ。それもいいけれども,電源開発を急がなければ,電力危機までの時間がどんどん少なくなってきている。

●インド,マハラシュトラ州政府,ラットナギリ火力2期66万KW完成

インドのマハラシュトラ州は,現在の不足電力が350万KWと言われており,電力危機のまっただ中にある。エンロンが破産してダボール発電所が長い間手続きで揉めて発電できなかった事実があったが,記事によると,このムンバイから南355kmの位置にあるラットナギリもエンロンが残した負の遺産のようだ。1号機は今年初め60万KWが運転開始し,これが2号機,更に3号機が2008年2月運転開始の予定である。州政府の首相は強気で,次の3年間で500万KWを追加し,更に4年間では1,000万KW追加,と語っている。

参考資料

2007年11月5日分

パキスタン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071105A パキスタン,11月4日8時0分配信 産経新聞
パキスタン 最高裁封じ込め 大義なく…国民反発必至
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000048-san-int

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071105B Philippines, Manila Bulletin
ERC,配電などオープンアクセスのルール変更の意図
ERC to revise rules on open access
http://www.mb.com.ph/BSNS20071104107699.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071105C インド,2007年11月04日15時31分朝日新聞
数値目標にインド抵抗 東アジアサミット温暖化宣言案 
http://www.asahi.com/international/update/1103/TKY200711030230.html
●071105D India, Economic Times 4 Nov, 2007, 0600 hrs IST, IANS
マハラシュトラ州政府,ラットナギリ火力2期66万KW完成
Second phase of Maharashtra power project commissioned
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Second_phase_of_Maharashtra_power_project_commissioned/articleshow/2516081.cms


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月4日分 中国南西地域の水力開発に拍車

ムシャラフ大統領がクーデターを起こして政権を奪取したときは,我々も拍手をしたものである。それ以前のシャリフ政権など,余りにも腐敗のひどい政党政権で,ODAレベルの交渉でも腹の立つことばかりであった。でも,シャリフ大統領がここまで政権にすがりつくとは思っていなかった。軍参謀長を辞めてでも大統領にとどまる,と言ったときは,やはり政権よくなのかと落胆した。今再び戒厳令を敷いて強権復活,治安さへ保たれれば,と思うが,報道によると,イスラマバードは軍の厳戒下で携帯電話も通じないと言う。

中国の雲南と四川,いずれも標高が2000mの地域で,多くの川が流れ下る,包蔵水力は1億5,000万KWといわれている。中国の原発開発は,今後100万KWクラス30基以上を2020年までに開発し,4,000万KWとする計画が発表された。インドは2012年までの第11次五カ年計画で7,800万KWを開発するが前途多難である。タイ南部のチャナ複合火力73万KWの来年運転開始に備え,ガス供給契約が成立した。タイのソラユッド首相が,EGATの民営化がないことを確認する発言を行った。温家宝首相が,資源外交を意図して,旧ソ連諸国歴訪の旅に出発した。


目次

●中国の南西部,水力開発に向けて,突き進む
●中国,原発計画,2020年までに現状の4.4倍に
●インド,計画委員会副委員長,2012年3月までの第11次で7800万KW開発
●タイ,国家石油PTT,EGATと25年間天然ガス供給契約調印
●タイ,サラユッド首相,EGATなど国有企業の民営化は考えていない
●中国,温首相,旧ソ連諸国歴訪始める,資源供給働きかけに


本文

●中国の南西部,水力開発に向けて,突き進む

中国の情報を英語で読むのは大変である。特に地名が問題で,中国人でさへ大変だといっている。この記事は長文だが,私たちが関心を持ってきた雲南省や四川省の水力開発を熱心に論じている。数年前までは我々も,資金協力の支援を得ながらこれらの地域の開発に一翼を担おうと張り切っていたのだが,金沙江で失敗してから,中国の国内開発には全く興味を失った。中国にもう十分な資金力が出来たことも一因である。

ただ,ポスト京都では,中国の温暖化ガス排出抑制が一つの大きなテーマーになってくることから,中国の持つ水力ポテンシャルと原発開発による石炭代替には,地球人類として大きな影響を受けることになり,常に関心を抱きながら,その量的な進展を見守りたい。今日の話題の地域では,英語を何とか漢字に変換してみると,怒江,ランチャン河,金沙江,大度江,並龍江,眠江など,104地点の開発で1億5,000万KWの開発が可能とされており,それはこの地域が標高2000m級で,急激に下流に急勾配をなしていることに発する。

この地域のダム開発には夢があり,特にラオスのビエンチャンやベトナムのハノイ,ミャンマーのサルウイーンに立っていると,この上流に昆明などの大都市があって,2000mの高さからこの地点まで川が下ってきていると感ずると,遙かな地域への夢が広がってくるものである。それを,今度は上流の昆明当たりから下流に下ると,この下には,ベトナムやタイの大経済圏があるのだ,と考えて感慨が沸いてくる。この記事は長文だが,一度翻訳してみたいと思っている。

●中国,原発計画,2020年までに現状の4.4倍に

さて,石炭火力代替のもう一つの手段,中国の原発開発について,毎日新聞の短い記事だが,要点がまとまっている。現状の原発設備約900万KWを2020年に4.4倍の4000万KW,100万KWクラス30基以上を13年間で新設する。それでも原発比率は4%らしい。総投資額を4500億元(約6兆8000億円)と見積もられ,東芝傘下の米ウエスチングハウスなどから技術を導入を求めるが,最終的には加圧水型原子炉の自主設計・製造能力を確立する,としている。場所は,浙江省,広東省などに加え,山東省,福建省,広西チワン族自治区などとなっている。

●インド,計画委員会副委員長,2012年3月までの第11次で7800万KW開発

一方の大国インド,これは何度も出てくるが,地球温暖化の前にとにかく供給力確保が問題なのである。第10次五カ年計画,2002年〜2007年,では4,000万KWの開発が意図されたが,2,100万KWが開発できたのみである。2008年〜2012年の第11次五カ年計画では7,800万KWの開発が計画されているが,手続きは遅れ気味。中国人とインド人とどう違うのですかね。中国はブレイキかけなければ燃料を無視して造りすぎてしまう。インド人は,入札などの手続きに随分官僚制度の混乱が持ち込まれているようだ。

なお,この記事の中では,送配電損失の大きさが問題になっている。現在,発電された量の34%が買電の前に失われているのである。

●タイ,国家石油PTT,EGATと25年間天然ガス供給契約調印

天然ガス燃料の増加に悩むタイの電力だが,とにかく今日のところは,南部ソンクラン県の73万KWガス複合発電所の完成を来年5月に控えて,国家石油との天然ガス供給契約にサインできたことで,EGATはホッとしている。日当たり114,000百万Btuの契約であるが,単価については記述がない。欧州の天然ガスで百万Btu当たり7ドルの検討であるから,日80万ドル,年2.4億ドル,25年間で60億ドル,そのような見当か。

●タイ,サラユッド首相,EGATなど国有企業の民営化は考えていない

一挙に民営化に走って,東南アジアで先頭を切って電力改革を実行するはずであった前タクシン政権の計画は,EGATの従業員の反対に加え,憲法裁判所が民営化違憲判断を出して潰れてしまった。これを,現在のクーデター後の政権が,追認した形である。これでタイの電力改革は完全に行き詰まったわけだが,東南アジアの中では一番需要と供給の関係がしっかりしているタイの電力は,いつかは改革の日を迎えるのであろう。

●中国,温首相,旧ソ連諸国歴訪始める,資源供給働きかけに

上海協力機構(SCO)なるものが出来て,中国以外の国は指をくわえて見つめているわけであるが,最近,先鋭化してきたプーチン政権との間に,何らかの動きが出る可能性もあろう。「ロシアは、中国に天然ガスを送るパイプライン2本の敷設を表明しており、温首相は、この実現を確実にするための政府間合意文書の署名を迫る考えだ。」。


その他

●豪企業 Nido,フィリッピンのパラワンの北東部で,3D探査を開始
●インドネシア,タングーLNGプロジェクト資金調達完了
●中国,北部で水不足が特に深刻化,黄河・淮河・海河・遼河地域


参考資料

2007年11月4日分


タイ
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071104A Thailand, Bangkok Post
国家石油PTT,EGATと25年間天然ガス供給契約調印
PTT to supply gas to Songkhla plant Electricity to start flowing in May 2008
http://www.bangkokpost.com/Business/03Nov2007_biz24.php
●071104B Thailand, Bangkok Post
サラユッド首相,EGATなど国有企業の民営化は考えていない
PM assures no privatisation plan in pipeline Electricity workers call off day-long strike
http://www.bangkokpost.com/News/03Nov2007_news04.php

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071104C Philippines, Manila Bulletin
豪企業 Nido,パラワンの北東部で,3D探査を開始
Nido Petroleum kicks off oil/gas seismic surveys in NW Palawan
http://www.mb.com.ph/BSNS20071103107569.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071104D India, Economic Times 2 Nov, 2007, 1645 hrs IST, PTI
計画委員会副委員長,2012年3月までの第11次で7800万KW開発
India may add 78,000 MW in next five years: Montek
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/India_may_add_78000_MW_in_next_five_years_Montek/articleshow/2512430.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071104E インドネシア,11月2日20時10分配信レスポンス
タングーLNGプロジェクト資金調達完了
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000023-rps-ind

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071104F 中国,「人民網日本語版」2007年11月3日
北部で水不足が特に深刻化,黄河・淮河・海河・遼河地域
http://j.peopledaily.com.cn/2007/11/03/jp20071103_79122.html
●071104G China, China Org
中国の南西部,水力開発に向けて,進む
Hydropower exploitation devastating SW China
http://www.china.org.cn/english/environment/230676.htm
●071104H 中国,11月2日20時49分配信 毎日新聞
<中国>原発計画、20年までに現状の4.4倍に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000134-mai-cn
●071104I 中国,11月2日20時10分配信 毎日新聞
<中国>温首相、旧ソ連諸国歴訪始める 資源供給働きかけに
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000128-mai-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月3日分 EGATが石炭で神の島へ上陸か

カンボジア,「神が創り賜うた石炭火力の島」,遂にタイのEGATが手を付けるのか。もう5年も前になるのだろうか,東京田町の酒場で友人と飲んでいて,「カンボジアの電力料金は発電所の規模の問題で小規模のディーゼルばかりで燃料費が高いからだ。」,「タイの南部の石炭火力はあの地元住民の反対では建設は無理だな。」,とか何とか話していて,「おいっ,カンボジアにタイと協力して大規模石炭火力を造ればよいのではないか!」,と発想して,中国電力や電源開発の友人達に,事を託した時期があった。今日のバンコクポストを見て,また感慨一塩である。

今日の記事は,石炭火力問題が各所に浮上してきた。タイのEAGTがカンボジアに石炭火力建設を決断した。クラッシュプログラム,1000万KWの石炭火力建設を進めるインドネシアは,輸出に偏っている自国石炭に,国内への確保を要請した。中国の石炭が値上がり,トン620元,80ドルに相当する。12月のCOP13,熱帯雨林で途上国が俄然勢いづいてきた。ブータンはインドとの水力開発協力を喧伝,でも外交権と軍事権を失っている。

目次

●EGAT,カンボジアに石炭火力建設決断,中国企業参入
●インドネシア政府,石炭企業へ,国内使用分確保せよと
●中国,需要増で動力用石炭価格が上昇−商務部
●12月のバリ会議,途上国が,先進国の貢献を期待
●ネパールなど,ブータンとインドの水力開発協力を見習いたいと


本文

●EGAT,カンボジアに石炭火力建設決断,中国企業参入

何故EGATが石炭火力にこだわるのか。それは,1980年代にバンコク経済が栄えたのはマモーの石炭火力のおかげであり,今,中国とインドが栄えるのは自国の石炭がエンジンとなっているからである。原油の値上がりはすさまじい,昨日の東京市場の下げも,天井が分からなくなってきた原油価格だと言う人もいる。原油生産の原価は,バレル3,4ドルだと言われている。それが100ドルが眼の前に迫ってきた。100マイナス4ドルはすべて当期に基づくバブルだ,と昨夜の東大名誉教授が言っていた。

5年ぐらい前に計算したシートを引っ張り出してきて触ってみると,当時の原油はバレル26.8ドルで発電原価はKWh当たり3.92セントであったものが今バレル100ドルとすると14.6セントにもなる。石炭は当時トン当たり33.6ドルで1.17セントの電力であった。今日の記事の中にある山西省の石炭は620元と言っているから83ドルに相当し,KWh当たりは2.88セントで,燃料経済としては,石炭が絶対に有利である。なお天然ガスは原油の値上がりと軌を一にするが,百万Btu当たりで,1999年にLNGも含め大体2〜3ドルであったものが,今は,日本LNGが7.14ドル,欧州天然ガスが8.77ドル,米国天然ガスが676ドル,と値上がり倍率は原油の値上がりにそっている。

今日のこの記事は,石炭火力にこだわるタイのEGATが,188万KWのラオスのリグナイト石炭火力開発輸入の次は,カンボジア領域内での大規模石炭火力建設だ,と言うわけで,EGATとカンボジア政府の共同出資でカンボジア領内に,実に300万KWの規模として,殆ど全量,タイへ運ぼうという話し合いができた,と述べている。規模も私たちが想定したものとほぼ一緒で,そこまで規模を大きくしなければ採算はとれないはずである。建設費は45億ドル,KW当たりは1,500ドルである。

ただ,こうなると中国の存在が気になってくる,何と言っても中国得意の石炭火力であるから,インドネシアの石炭火力の現状を見て貰えば分かる。記事によると,サンティEGAT総裁代理が,「我々は投資のパートナーを求めている。このプロジェクトの最大の資本分担は中国政府だと期待している。後は,カンボジア政府とEGATだ。」,言っている。一昔前は,日本のJBICのお金がなければこのようなプロジェクトは出来なかったのに,JBICも石炭火力にお金を出すかどうか,不透明な時代だ。私の友人達もこのプロジェクトで国益のために戦っているとは思うが,苦戦を察する。

なお一言。私たちは当時,この話をカンボジア政府の大臣や担当次官とも話しているが,そのとき私が強く働きかけたのは,地元住民は株主のグループに加えろと。お金がないではないか,と言う次官に,「いや違う,彼らが関係者の中のもっともリッチな資産家だ,それは土地であり,マイナス影響を受ける住民社会であり,大気や海洋を含めた環境権だ。」,と。なお私は,この話は,石炭火力に苦しむタクシン首相へのフンセン首相からの贈り物にしなさい,と言ったのだが,そうは事は運んでいないようだ。

●インドネシア政府,石炭企業へ,国内使用分確保せよと

ここも石炭の話である。先日も石炭の総量問題をおさらいしたが,「世界の可採埋蔵量98,457億トンの中で,インドの位置づけは,米国(25.4%),ロシア(15.9%),中国(11.6%)に続いて世界第4位の包蔵量で推定で2,480億トン,確認埋蔵量は930億トンと言われている。」,と言うことで,世界的に見てインドネシアは,石炭国ではないのだが,石炭を余り使わず原油を使っていたから,石炭を輸出してきた。しかしインドネシアはそうは行かなくなってきたわけで,クラッシュプログラム1000万KW石炭火力の燃料確保が,重要なテーマーになってきたことに気づいたわけである。

ところが問題は石炭業界で,インドネシア政府が国際価格で確実に買ってくれるかどうか,そこに議論の焦点を置いている。現在は国内用に3000万トンを使用し,70%を輸出している。2009年以降順次国内の石炭火力が稼働してくると,国内に必要な石炭は7000万トンに跳ね上がる。因みに先日の記事でインドの国内使用量は1億1000万トンである。しかし,輸出で便益を出してきた石炭業界は,2006年の生産1億9,300万トン,輸出70%,の次に2007年には生産2億300万トン,輸出1億7,000万トン,更に2008年には生産2億2500万トン,輸出1億9000万トン,輸出をどんどん大きくして行く方向にある。発電側が補助金を出せば,また国会で揉めるだろう。とにかく,設備を作っても,問題は燃料確保なのである。

●中国,需要増で動力用石炭価格が上昇−商務部

ここも石炭の話,原油高の中で,石炭の重要性がどんどん増えていると言うことだ。トン620元といえば,現在の換算レートで,トン当たり80ドルで,大局的な値上がりの率は,原油を追っかけてはいるが,石炭から得られる電気は元々安いので,発電経済は少ない,どころか東南アジアではどんどん石炭火力への傾斜が強まっている。

●12月のバリ会議,途上国が,先進国の貢献を期待

インドネシア主導の気候変動に於ける熱帯雨林の重要性の認識と,途上国の熱帯林保護は先進国へ大きく貢献しているのだ,と言うインドネシアの主張で,途上国が俄然,勢いを得て,気候変動会議への関心を高めてきた。熱帯雨林には世界の資本が集まる,と言うわけである。

●ネパールなど,ブータンとインドの水力開発協力を見習いたいと

ブータンは,インドとの協力で水力開発が順調に推移していることを,近隣各国に宣伝これ勤めているわけだが,ブータンが,外交権も軍事権もすべてインドに委譲している,と言う現状を考える必要がある。パキスタンやネパールに,そのようなことが出来るわけがないから。


その他

●パキスタン政権、憲法超越の措置検討・地元TV報道
●パキスタン,マングラダムの嵩上げ,2008年4月完成,電力水など増加
●インド輸出入銀行,ミャンマーのタッタイチャウン水力へ,60百万ドル支援
●中国、経済過熱防ぐ措置を講じる必要=国家発展改革委


参考資料

2007年11月3日分

パキスタン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●071103A パキスタン,日本経済新聞
パキスタン政権、憲法超越の措置検討・地元TV報道
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071102AT2M0200Q02112007.html
●071103B Pakistan, The International News By By our correspondent 11/2/2007
マングラダムの嵩上げ,2008年4月完成,電力水など増加
Mangla Dam raising project to store 2.8 MAF water
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=78322

ミャンマー
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Myanmar.htm

●071103C Myanmar, Economic Times 1 Nov, 2007, 2120 hrs IST, PTI
インド輸出入銀行,タッタイチャウン水力へ,60百万ドル支援
Exim Bank extends $ 60 mn LoC to finance Myanmar project
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Exim_Bank_extends__60_mn_LoC_to_finance_Myanmar_project/articleshow/2509859.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071103D Indonesia, The Jakarta Post
12月のバリ会議,途上国が,先進国の貢献を期待
Support grows for RI to take lead in Bali
http://www.thejakartapost.com/detailheadlines.asp?fileid=20071101.@01&irec=0
●071103E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府,石炭企業へ,国内使用分確保せよと
Govt mulls quota for domestic coal sales
http://www.thejakartapost.com/detailheadlines.asp?fileid=20071101.B09&irec=8

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071103F 中国,11月2日11時54分配信 ロイター
中国、経済過熱防ぐ措置を講じる必要=国家発展改革委
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000795-reu-bus_all
●071103G 中国,11月1日15時10分配信 サーチナ・中国情報局
需要増で動力用石炭価格が上昇−商務部
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071101-00000015-scn-cn

カンボジア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Cambodia.htm

●071103H Cambodia, Bangkok Post POST REPORTERS
EGAT,カンボジアに石炭火力建設決断,中国企業参入
Cambodia coal plant planned
http://www.bangkokpost.com/Business/02Nov2007_biz37.php

ブータン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Bhutan.htm

●071103I Bhutan, Kuensel
ネパールなど,ブータンとインドの水力開発協力を見習いたいと
Cross border hydropower exchange program
http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=9325


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月2日分 ムンバイ空港拡張は成田闘争を想起

「いや,その人々を水没させてしまうわけではない,水がたまる前に移住して貰って補償をするのですよ。」,とあるダム開発の会議で話したら,外務省の担当官からひどく怒られた。今日の記事を見ながら,一体日本の高度経済成長の時代の立ち退き問題はどうだったのだろうかと。最近,インドや中国で高度経済成長に伴ういろいろな問題が取りざたされ,日本の我々もその政府のやり方に非難の目を向けているが,私のような年齢層にとっては,日本はもっとひどかったではないか,「メイドインジャパン」,と言えば粗悪品の代名詞の時代もあったのだ,と思い出してしまう。

今日のインド,ムンバイの空港拡張問題の紛争は,1962年,昭和37年に発した成田空港問題に比べればまだまだ整然としている。そう思ってウエッブを探してみると,当時学生として反対運動に参加した人の思い出の記事が出ていた。「羽田空港というものが既に飽和状態に達しているので、その打開策として新しい空港を作る、という国民的要請に応ずる形で成田において土地収用が強行されているわけで、そこには誰一人として私利私欲で関与しているわけではない。」,と。でも,「そういう状況下に、馬鹿な学生が面白半分で戦争ゴッコを持ち込んできたものだから,民主主義の敵としての農民のエゴと,革命気取りの学生が妙に合体してしまったが故に,これほどまでに混乱してしまったわけである。」,と解説している。

今日は,この中国とインドの高度経済成長に伴う基盤整備と住民の立ち退き問題を,フジサンケイビジネスアイが取り上げている。シンガポールから,マレー半島,タイ,ベトナムを経て昆明に至る5,500kmの鉄道建設整備,2015年開通の計画で,日本経済新聞が取り上げている。ミャンマーの水力をバングラデシュに電力輸入する話,ミャンマーのでも騒ぎもあって,バングラデシュ側は案を放棄するようだ。


目次

●経済発展へ基盤整備,中印で立ち退き問題,急成長の歪み浮き彫り
●東南アジア中国縦断鉄道網構想が始動
●バングラデシュ,ミャンマーからの電力輸入を放棄


本文

●経済発展へ基盤整備,中印で立ち退き問題,急成長の歪み浮き彫り

記事は,「ムンバイ同空港の年間旅客数は1800万人,貨物量は40万トンに達する。飛行機が着陸するのにムンバイ上空で30分以上も待機させられることも珍しくなく,すでに施設能力を25%も超えているとの指摘もある。」,とし,35万人が住むスラム街を一気に立ち退かせようと言うことから,政治家も立ち上がって反対運動が盛り上がる気配だ。インドは,世界最大の民主主義国家,と言われており,元成田投資の言葉にある,「民主主義は最大多数の最大幸福」,が目的関数であるように,どの様な成り行きになるか,成田問題を振り返りながら,関心を持ちたい。

インドは最大の民主主義国家であるが,インドに先んじて成長を続ける中国は,それこそ世界最大の社会主義国家である。「世界最大級とされる長江の三峡ダム建設では農民ら120万人規模が移住させられ,引っ越し先でも農地不足や雇用確保の問題が起きている。」,としながら,殆ど外面的には殆ど問題なく120万人の大移動を成し遂げた。もう一つ,ベトナム北部で進む12万人水没移住のソンラ大規模ダムの成り行きも,国柄を見ながら,関心を持っている。

●東南アジア中国縦断鉄道網構想が始動

目標完成年2015年,総工事費約20億ドル,総延長約5,500km,シンガポールから昆明まで,と言われると,夢があり,果たしてどのルートを考えているのかと,少しわくわくしてくる話である。「タイやベトナムなどを経て」,と書かれると,どう走るのかよく分からない。短い記事なので,そのうちに調べてみるが,一旦ベトナムに入ってしまうと,海岸沿いに中国に入って,と言う話になってしまう。しかし,タイと昆明を結ぶだけでは,何とも面白くない。どうしても,タイからプノンペンを通ってホーチミンに抜け,ハノイから紅河沿いに雲南省に入って欲しいものだ,途中でダムを造りながら。我田引水か。

●バングラデシュ,ミャンマーからの電力輸入を放棄

先月,バングラ政府の調査団がミャンマーに入って,ミャンマーのアラカン地方の水力開発から,電力をバングラデッシュに持ってくる話が,両国の協定にまで発展しそうな勢いであったが,バングラデシュ側から,これは難しい,と判断してきたようだ。経済性の問題が第一にあるけれども,私はそれよりも何よりも,送電線の問題だと思う。治安の悪いしかも旧日本軍が苦闘したあのジャングルの中を,建設はしたとしても,どうやって維持管理を行うかが最大の問題であろう。バングラデシュ側の難しいという話が出たのも,ヤンゴンデモの後なのも頷ける,でも残念ですね。


その他

●中国とベトナム,フランス企業アルストム,約5億ドル相当の水力機器を受注


参考資料

2007年11月2日分

ミャンマー

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Myannmar.htm

●071102A Myanmar, 10/31/2007 Narinjara
バングラデシュ,ミャンマーからの電力輸入を放棄
Power Imports from Burma Impossible
http://www.narinjara.com/details.asp?id=1505

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●071102B インド,11月1日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
経済発展へ基盤整備 中印で立ち退き問題 急成長の歪み浮き彫り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071101-00000014-fsi-bus_all

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071102C 中国,日本経済新聞
東南アジア・中国縦断鉄道網構想が始動
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071101AT2M3102031102007.html
●071102D China, Interfax
フランス企業アルストム,約5億ドル相当の水力機器を受注
Alstom China picks up $508 mln in hydropower equipment supply contracts
http://www.interfax.cn/displayarticle.asp?aid=29174&slug=CHINA-ENERGY-HYDROPOWER


ー 日刊アジアの開発問題 2007年11月1日分 中国の電力7億KW石炭不足も

昨夜の6チャンネル,目を覆いたくなるベトナム,カントー橋崩落。50人の犠牲者,その最後の一人が見つかって駆けつける父親。画面が変わって父親がカメラに向かい,「むすこの体が帰って来た,これで安心した,早く橋を造って下さい,私もその橋を渡ってあちこちに行ってみたい。」,涙なしには見れなかったが,あれはベトナム人の果敢な精神から出たのか,私はあれがディエンビエンフーでフランス軍を落とし,ベトナム戦争で米国を追い出したベトナム人の姿だと思う,やらせではないと思いますね,感動した!

中国が電力設備をどんどん増やして2007年末には7億KW,米国に追いつく。しかし,燃料供給は大丈夫か,2010年で4000万KWの稼働不能の計算も出てくる。上海を環境モデル都市に,昨日の政治絡みと並べて考えてしまう。インドのジャイプールで開かれている第12回世界湖沼会議,インド代表が氷河のとけ出しで議論を主導。


目次

●中国,5年内に電力需給に余裕,2007年末発電能力7億KW
●中国,山西省,「石炭まだ200年以上生産できる」
●CO2排出量ゼロ!夢の「環境都市」,開発計画が進む,上海市
●温暖化影響,相次ぎ指摘,世界湖沼会議,参加者ら「水資源に脅威」


本文

●中国,5年内に電力需給に余裕,2007年末発電能力7億KW

つい先日の記事でも,中国の電力設備は6億KWで,どうしてGDP350兆円で6億KWと言う大きなエンジンがいるのか,日本はわずか2.3億KWで430兆円のGDP規模を運営しているではないか,と言っていたら,今日の記事では,この1月から9月までに6,000万KW増設され,2007年末には7億KWになるという。中国電力企業聨合会は,今後5年間,供給力に若干の余裕が出てくるといっている。

7億KWと言えば,米国と並んで第1位である。なお,年間発電量については,米中央情報局によると,米国が3兆9,790億KWh(2004年)で世界第1位,第2位以下は,中国の2兆5000億KWh(2005年),日本の9960億KWh(同),ロシアの9524億KWh(同),インドの6306億KWh(2004年)と続く。

さて問題は,昨日もインドの電力事情で指摘されたとおりであるが,燃料がついてくるのかという問題である。恐らく設備過剰で,石炭供給には中国も苦労していると思われるが,実態はもう一つよく分からない。


●中国,山西省,「石炭まだ200年以上生産できる」

その中国の石炭であるが,世界の石炭可採量が約10兆億トンと言われており,中国はその11.6%,すなわち約1兆トンとされているが,今日の報道では,山西省だけで2,600億トンの埋蔵とされている。包蔵量は中国の数世紀のエネルギーを維持できるほど十分な量であるが,問題は生産能力である。これが,この前の記事の7億KWの発電の主要な部分を維持しなければならないのだから,大変である。

少し古く,2005年の報道であるが,国家安全生産監督管理総局(安監総局)の王顕政・副局長は,「2010年には石炭消費量が22億トンに達する」,と予想,その上で,予測される生産量は18.7億トンで,約3億トンの石炭が不足するとの懸念を示している。昨日勉強したところだが,1,000MWの石炭火力の運転を1年間維持するのに必要な石炭は約690万トン,3億トン不足といえば,4,300万KW分の石炭火力が動けなくなる計算である。

インドも中国も,いずれも豊富な石炭包蔵を持ちながら,その生産能力が経済成長に追いついていけない悩みがあるようだ。現場は大車輪で,中国ではよく炭鉱事故が報道される。ところで,インドは何故炭鉱事故が起こらないのか?

●CO2排出量ゼロ!夢の「環境都市」,開発計画が進む,上海市

この記事を見ると,つい昨日の,「中国の省エネは政治絡み」,と言う記事を見てしまいますね。上海市のトップにも,江沢民派なのか,「太子党」,の一人がついたし,大気汚染に汚れきってきた北京に対抗した上海の行き方がかいま見えるような気がする。これは上海の一部と思われるが,崇明島東端部で,都市内の建築物は最高8階までと高さを制限,道路には十分な広さの歩道を設けるほか,バスは全て燃料電池車,電動オートバイ・自転車の使用も奨励するという。

●温暖化影響,相次ぎ指摘,世界湖沼会議,参加者ら「水資源に脅威」

京都新聞の報道。現在,インドのジャイプールで開かれている第12回世界湖沼会議の模様である。インドの学者達がリードしており,特にインドの代表がヒマラヤ山脈の氷河の後退について報告。「ヒマラヤの氷河はガンジス川やインダス川など主要河川の水源になっており、10億人の水資源を1年間安定的に支えている。しかし,今日では氷河の溶解が進み,川の水量が3〜4%ほど増えている」,と話し,水資源の将来を不安視した。


その他

●タイ,省エネ促進に40億バーツ,来年エネ省
●インドネシア,クラカタウ火山,高度な警報,活動予兆
●重慶で長江大橋開通、08年以降はモノレールも利用


参考資料

2007年11月1日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●071101A タイ,10月31日8時0分配信 NNA
タイ,省エネ促進に40億バーツ,来年エネ省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071031-00000006-nna-int

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●071101B Philippines, Manila Bulletin
ERC,時間によよって異なる電気料金制度,採用を検討中
ERC mulls new rules for TOU power scheme
http://www.mb.com.ph/BSNS20071031107303.html

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●071101C,Indonesia, The Jakarta Post
クラカタウ火山,高度な警報,活動予兆
HIGHLY ACTIVE: Mount Anak Krakatau, or Child of Krakatoa
http://www.thejakartapost.com/headlines.asp
●071101D インドネシア,10月31日8時0分配信 NNA
インドネシア,エネルギー関連契約、90億米ドル調印
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071031-00000005-nna-int

環境一般
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Japan.htm

●071101E 温暖化,10月31日15時20分配信 京都新聞
温暖化影響、相次ぎ指摘 世界湖沼会議 参加者ら「水資源に脅威」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071031-00000036-kyt-l25

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●071101F 中国,10月31日10時18分配信 サーチナ・中国情報局
重慶で長江大橋開通、08年以降はモノレールも利用
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071031-00000003-scn-cn
●071101G 中国,「人民網日本語版」2007年10月31日
社会科学院顧問、資産インフレ加速に警鐘
http://j.peopledaily.com.cn/2007/10/31/jp20071031_78980.html
●071101H 中国,10月30日18時7分配信 サーチナ・中国情報局
山西省,「石炭まだ200年以上生産できる」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071030-00000033-scn-cn
●071101I 中国,10月30日12時15分配信 Record China
CO2排出量ゼロ!夢の「環境都市」、開発計画が進む―上海市
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071030-00000009-rcdc-cn
●071101J 中国,10月30日16時4分配信 サーチナ・中国情報局
5年内に電力需給に余裕、07年末発電能力7億kW
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071030-00000023-scn-cn


2007年9,10月分