2008年1月31日更新
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ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月31日分 ー 銀行は困っている人に直接お金を貸すべき ー

お金に困った人が家を売る,銀行はその人に直接お金を貸さずに,第3者にお金を貸して,困っている人の家を買わせる,家を買った人にその家でお店をやらせて,その儲けで銀行に借金を返してもらう。それなら,お金に困って家を売る人にお金を貸してお店をやらせて,返してもらえばよいのではないか。

ADBが7億円をフィリッピンの電源を買収した企業にお金を貸す,しかもこれは公的資金だ,ゼロサムゲームに公的機関がお金を貸すのは,社会資本の蓄積に全く貢献しないから,おかしいのではないか,と言うのが私の意見である。勿論,資産分割による電源の競争市場の創出,と言う目的があるが,電気料金を競争市場の創設によって達成できるのは相当に成熟した電力市場で,当面は電源の選択が最も重要であると考える。

先日のカンボジアのカムチャイ水力に関して,二つとは言え,中国支援の6億ドルもかかるのか,と書いたが,プノンペン駐在中の友人,鷲沢さんから詳報。カムチャイは180MW,中国水利水電建設集団公司,による,280百万ドル,またスタンアタイ水力は,120MW,中国雲南国際経済技術合作公司による,179百万ドル,合計で459百万ドル,それに送電線がいる,と言うことか。鷲沢さん,有り難う。なお,鷲沢さんによると,1月21日の日経朝刊でカンボジアの外務大臣は,「中国も二つの水力発電所に計8億ドルを投じた。」,と発言しているようである。


1 今日の概要

●フィリッピン産業界から,高い電気料金に対する不満が噴出,買電に際しての日本のようなオープンアクセスの採用を主張しているが,それが有効なのかどうか,私は電源の選択だと思うが。●イラワジ川の上流で360万KWミートソネ地点の着工らしき行動が報告されている,軍隊に守られた中国人エンジニアーなど,村人の不満が高まっている。●ADBがフィリッピンの資産買収企業に7億ドルを融資するが,それは理屈がおかしいのではないか,ゼロサムゲームに公的資金に疑問。●アフリカ支援,日系企業進出を支援,円借款を3年で5倍に,中国の方針とと同じになってきた。


2 目次

●フィリッピン産業界,電力料金の値下げを望む
●ミャンマーと中国,イラワジ上流の大規模ダム着手
●ADB,7億ドルをフィリッピンへ,主としてエネルギー支援
●ODA、5年で3倍増提言=対アフリカ支援−自民戦略本部


3 本文

●フィリッピン産業界,電力料金の値下げを望む

どうしてフィリッピンの電気料金はこんなに高くなったのだろう。日本,カンボジアに次いでアジア第3位である。考えてみれば,中国にしてもベトナムにしても,タイにしても,インドネシアにしても,自国産の石炭火力が経済発展の原点にあるので,最初から電気料金は低く抑えられた。考えてみれば,日本もカンボジアもフィリッピンも,石炭資源がなかったからとも言えるのか。

カンボジアの場合は,1990年以降,じっと見てきているが,明らかに需要の規模と資源の海外への依存で,電気料金が高くならざるを得なかった。スリランカもよく似ていると思う。小規模のディーゼルで徐々に対応してきたので,元々ディーゼル発電の燃料費が高かったと言うことだろう。カンボジアの場合はここからなかなか脱却できない。だから我々は,タイと共同で大規模石炭火力を造れ,と提案してきた。

今日の記事によると,2005年以降にルソン系統の端末電気料金はKWh当たり7.62ペソ,すなわち18.7セント相当だという,とんでもなく高い,日本より高いのではないか。今日は,輸出企業の業界が,製品に占める電気料金は,最高で35%にも達している,前のエネルギー大臣が約束した対策を手を打ってくれなければ,とてもやっていけない,と言うのである。眼目は,配電会社へのオープンアクセスだという。

今日の記事は,日本は供給源へのオープンアクセス,すなわち需要家が自由に供給源を選べるシステム,これに変えてから日本の電気料金は安くなっているではないか,と言っているが,実際はそうでもないと思うが,彼ら,すなわちフィリッピンの企業達はそう思っている。フィリッピンの電力分野の人々も,とにかく電力改革を進めれば安くなると説明しているが,私はやはり電源の選択の問題に帰すると思うのである。

●ミャンマーと中国,イラワジ上流の大規模ダム着手

何かはっきりしない記事であるが,イラワジ上流,有名なイラワジ合流で,ダム工事が開始されて,20人の中国人エンジニアとそれに付随したミャンマー人エンジニア,更に300人ほどのアジアワールド社の労務者が軍隊に守られて,ダムを建設するための河床部の掘削に入っているという。約40村落,1万人の地元民が影響を受けるようだが,地元には全くなにも知らされていない,と言う現状報告である。

イラワジ川の水力開発については,2007年6月に政府機関紙に掲載された記事があるそうだ。イラワジ川には7つの水力計画地点があって設計調査が進んでおり,その総出力は13,360MW,その中でも最大のものが,今日話題になっているミートソネ地点で,出力は360万KW,巨大である。ミートキーナの北42kmの場所である。

具体的な位置,写真などは後で調べるが,昔我々がタマンティと言っていた地点であろうと思う。旧日本軍がインパール攻めを行ったときに日本軍が渡河し,また敗退したときに渡った地点だ。このような戦争の時の渡河地点は,良くダムサイトとして目を付けられる。1976年,我々も当時のビルマに滞在したときに,その開発の可能性を探ったことがあるが,360万KW,どこに送るのだろう,中国に持ってかえるのか。それにしても,中国の石炭火力とダム開発の海外進出は,ところ構わず,と言う感じである。

●ADB,7億ドルをフィリッピンへ,主としてエネルギー支援

どうも納得できないですね。ADBは,新電気事業法に基づいてNPCが電源の資産売却を行う,その売却代金は負債に充当されるので,それで余った国家予算で他の分野の経済社会開発が出来る,だから,カラカやマシンロックの石炭火力を買収したAESなどにこの7億ドルの主要部分を融資する,と言うのだが,何とも納得できない。

資産売却,なにも社会資本が増えないゼロサムゲームに,貴重なADBの公的資金を消費せねばならないのか。ある人が借金で困っている,家を売りなさい,その家を買う人には私がお金を貸すから,と言う話ですよね。家を買った人は,その家でお店をやるから,その上がりで借金を返してもらう。それなら,家を持っていて借金に困っている人に直接貸して,その人にお店をやらせればいいじゃないの。

国家電力NPCを分割する,それは発電所資産を売却することだ,そうすれば発電分野に競争が生まれてきて,電源の競争市場が開かれ,電気料金が安くなっていく,これがフィリッピンの電力改革だ,と言うのでしょうが,私に言わせれば,競争市場の創出で電気料金を安くするのではなくて,安い電源を選択して建設すればよい,フィリッピンは輸入でも良いから,もっともっと石炭火力を伸ばすべきだと思う。

●ODA、5年で3倍増提言=対アフリカ支援−自民戦略本部

既報であるが,円借款の具体的な増額に触れたのはこの記事である。対象国を拡大して,5年で3倍増,今いくらか書いてないが,恐らく最終的には1000億レベルを目指しているのか。「日系企業の進出,投資につながるような案件を中心に」,と書いてあるのがポイントで,従来の弱者救済よりも日本の国益を全面に押し出そうと言うことか,中国と一緒かな。


4 その他

●中国,大雪で石炭底つき、1892万kW分発電ストップ
●ネパール,NEAと共済基金,アッパータマコシ水力投資で協定
●パキスタン,チャシュマ発電所,浸水で184MW落ちる,電力危機に油


5 参考資料

2008年1月31日分

パキスタン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●080131A Pakistan, Online News
チャシュマ発電所,浸水で184MW落ちる,電力危機に油
Chashma Power Plant shut down, 184 mw electricity production suspended
http://www.onlinenews.com.pk/details.php?id=123878

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080131B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン産業界,電力料金の値下げを望む
Business sector seeks cheaper power
http://www.mb.com.ph/BSNS20080130115693.html
●080131C Philippines, Manila Bulletin
ADB,7億ドルをフィリッピンへ,主としてエネルギー支援
ADB allots $ 700-M new loans for RP, most for energy projects
http://www.mb.com.ph/BSNS20080130115697.html

ODA一般

●080131D アフリカ支援,1月29日19時1分配信時事通信
ODA、5年で3倍増提言=対アフリカ支援−自民戦略本部
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080129-00000130-jij-pol

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●080131E Nepal, eKantipur
NEAと共済基金,アッパータマコシ水力投資で協定
NEA inks pact with EPF to invest Rs 12b in Upper Tamakoshi
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=135749

ミャンマー
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Myanmar.htm

●080131F Myanmar, The Irrawaddy
ミャンマーと中国,イラワジ上流の大規模ダム着手
Irrawaddy Dam Construction Begins, Human Rights Abuses Begin
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=10064

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080131G 中国,1月30日10時52分配信 サーチナ・中国情報局
大雪で石炭底つき、1892万kW分発電ストップ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000003-scn-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月30日分 ー なにカムチャイ?任した任した! ー

モスクワの1970年代のある日,カンボジアのシハヌーク国王は,フルシチョフ首相との会談を待っていた。フルシチョフ首相から会見の呼び出しがあったのは,夕闇迫る夕方の5時,その呼び出し状の中には,美人の誉れ高い国王妃殿下も会議に出席するように,と記されていた。夕方からの会議に臨んだのは,ソ連側が,フルシチョウ首相とモロトフ外相,カンボジア側からはシハヌーク国王と妃殿下の総勢4人を中心としていた。

会議の間,フルシチョフは議題に集中することなくずっと妃殿下を相手にしゃべり続けていた。大きな会議机の端では,シハヌーク国王とモロトフ外相が,カンボジア最大の水力プロジェクトであるカムチャイのソ連の協力のための協議を続けていた。2時間が経過し,モロトフ外相が協力の概要をフルシチョフに報告しようとすると,妃殿下との会話に夢中になっていたフルシチョフは手を振って,「いいよ,いいよ,任したよ,」,その報告を聞こうともしなかった。

かくしてソ連によるカムチャイ水力の調査が開始されたわけだが,1990年初めにカンボジアのメコン委員会の倉庫を訪れると,埃をかぶった膨大なカムチャイ資料が眠っていた。1990年に,ソ連は一斉にインドシナ地域から撤退していったのである。今日の記事にある,中国企業によるカムチャイ水力開発,201年にも運転開始。中国の技術者は,あの倉庫の中の資料をひっくり返したであろうか。シハヌーク国王の回想録では最後に,「ダムが出来上がってその上で,このカムチャイの渓谷を覆う鬱蒼たる森林を眺めてみたい。」,と結ばれている。


1 今日の概要

●カンボジアのカムチャイ水力18万KW,長い長い道のりだったが,中国の進出で2010年にも運転開始,更に18万KWスタンアタイ水力にも中国企業が着手しているという。カムチャイの6億ドルは中国の借款,6億ドルもかかるかな。●フィリッピンの20年前にお蔵入りしている62万KW原子力発電所,IAEAがその続行の可能性について調査するため,調査団が招待されている。●米中の経済対話の結果,中国の原子力開発への米国の協力が期待されている。改良型加圧水型。●タイが,2011年にもLNGの導入を果たすため,カタールと協定,初年度は年90万トン規模。●中国国家発展改革委が初めて,今回の石炭輸送の混乱等を通じ懸念を表明。●アフリカ総会へ森元首相が出席,5月の横浜会議への根回しを図る。


2 目次

●カンボジア最大の水力開発,住民に大きな脅威
●フィリッピン,IAEA,バターンの62万KW原子力,再開発を模索
●米中の原発建設,世界の50%超へー国家核安全局長
●タイ,カタールからのLNG輸入,2011年から開始へ
●中国国家発展改革委,インフレやエネルギー不足を懸念
●アフリカ支援,政府が関係強化働きかけ…中国へ対抗意識も


3 本文

●カンボジア最大の水力開発,住民に大きな脅威

何という長い道のりなのだろう。カンボジアの南西部,カンポットに流れ込むカムチャイ河にダムを建設する案は,ソビエト連邦健在なりし1970年代から調査が開始されている。カンボジアは,他のメコン諸国に比べれば,比較的山岳地帯が少なく,内陸部での水力開発のポテンシャルは小さい。メコン本流沿いには,サンボールを初め大規模な計画があって,日本工営なども調査を進めたことがあるが,今では殆ど開発不可能である。

そのために,規模としては10数万KWと言う中規模のプロジェクトであるが,カムチャイ水力プロジェクトは,カンボジアの水力開発の象徴として多くの人々が開発を試みた。1979年代末の旧ソ連の調査資料は,カンボジアのメコン委員会の倉庫の中,渦高く積まれて埃にまみれていた。1992年,カンボジアの和平が成立して,最初にカムチャイ入りを目指したのは,我々メコン委員会事務局の水力技術者であった。でもその時は,治安が悪く,地雷の懸念もあって,ダムサイトに立つことは出来なかった。

日本工営の技術者達も,カンボジアでのカムチャイ開発を目指して日本政府へアクセスしたが,最大の障害は現地の治安問題であった。当時はポルポトの残党が付近に出没し,とても現地日本大使館が開発を本国に取り次ぐような状態ではなかった。その後,カナダのケベック水力が果敢にFS調査を実施して,一つの開発案をまとめたが,民間開発の潮流に巻き込まれて,経済性から開発を断念している。

今日の記事では,中国が約6億ドルの資金援助を行って,中国企業による開発が始まり,2010年には18万KWのカムチャイ水力発電所が完成する。同時に,その北東部の12万KWスタンアタイ水力も,続いて2012年に完成するという。ダム開発と石炭火力は中国に任せておけ,と言う言葉よろしく,今や中国が手を付けると瞬く間に開発が進んでしまう。環境グループが,深林保護と住民の問題で反対しているが,中国の開発の奔流の前には,彼らは全く無力である。

●フィリッピン,IAEA,バターンの62万KW原子力,再開発を模索

ベトナムも,タイも,インドネシアも,とにかく原子力発電所の開発に手を染める時期に来ている。さてフィリッピンは,と聞かれたときに,考えてみれば20年前のアキノ大統領の頃に,フィリッピンでは既に原子力発電所が稼働寸前であったのだ,今では信じられないことだが。考えてみればあのころは,フィリッピンは東南アジア諸国の中でもずば抜けて経済発展を遂げており,ビルマの仕事の帰りに立ち寄った私は,そのまばゆいばかりのマニラの町に圧倒されたものである,なんだこれは東京ではないかと。

フィリッピンが,このお蔵入りしたバターンの62万KW原子力発電所の回復に期待を寄せていると言う話は,最近あまり話題になっていない,フィリッピンは資産売却にうつつを抜かしているから。でも,レイエス長官は,手を打っていたのだ。この29日には,IAEAの8人の技術陣が,このお蔵入りした発電所を訪ねて,調査を行い,回復可能かどうか,フィリッピン政府に意見を述べることになっている。

8人のメンバーを率いるのは,IAEAの日本人技術者オモトアキラさんである。レイエス長官は,「我々は決してIAEA調査団に,回復可能との結論を強制してはいない」,と語っているが,このお蔵入りした発電所の調査のみならず,フィリッピンに於ける原子力開発の位置づけを問うている。資産売却にうつつを抜かしていては駄目だと気がついたか。

●米中の原発建設,世界の50%超へー国家核安全局長

中国の原子力開発のスピードは決して速くない。石炭火力の開発との調整だが,もっと原子力に取り組んでも良いのではないか,取り組まなければ,地球温暖化の問題について中国は大変な貢献をしてしまうことになる,と思っている。しかし中国の石炭埋蔵量は膨大である,経済的にもこの石炭火力との開発のバランスを取ることが重要だろう。先般の米中経済対話で,この原子力協力も協議されている。改良型加圧水型炉,AP1000への技術導入が期待されているようだ。

●タイ,カタールからのLNG輸入,2011年から開始へ

石炭火力の開発が進まず,タイ湾沖の天然ガスの枯渇の幻影に脅かされるタイの電力であるが,将来のLNG導入は必須の情勢である。今回,カタールと協定したのは,初年を90万トン,2,3年後に200万トンを輸入する構想である。100万Btu当たり,タイ湾とミャンマーが6ドルであるが,このLNG輸入は9〜10ドルになるものと考えられている。タイは全体としては,2011年までに300万トン,続いて年1000万トンまでのLNG輸入拡大を視野に入れている。

●中国国家発展改革委,インフレやエネルギー不足を懸念

今回の民族大移動,寒波の襲来を面前にして,中央政府が初めてそのエネルギーの供給バランスの問題と,それと関連してくるインフレの経済上の問題や環境について,その懸念を表明した。「一部の地域では,資源と需要の構造的な問題,輸送能力の問題,自然災害により,エネルギーの供給不足が,今後しばらく続くだろう。非常に深刻なケースも出てくる。」,としている。

●アフリカ支援,政府が関係強化働きかけ…中国へ対抗意識も

今年5月に開かれる横浜での第4回アフリカ開発会議(TICAD4)を意識しての行動である。森元首相がアフリカ連合(AU)総会演説で,政府開発援助(ODA)や保健・衛生など日本の支援の取り組みを説明することになっている。2006年11月に北京で開かれた,「中国・アフリカ協力フォーラム首脳会議」に,41カ国代表が参加しており,日本としては横浜会議にまだ30カ国しか出席約束が出来ておらず,焦っている。


4 その他

●インド,電力省,超臨界火力機器の一般競争入札を提案
●インド,リライアンス,タタなど,10〜15%の料金値上げを視野に


5 参考資料

2008年1月30日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●080130A Thailand, Bangkok Post
カタールからのLNG輸入,2011年から開始へ
LNG deal with Qatar
http://www.bangkokpost.com/Business/29Jan2008_biz38.php

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080130B Philippines, Manila Bulletin
IAEA,バターンの62万KW原子力,再開発を模索
IAEA team to review BNPP
http://www.mb.com.ph/BSNS20080129115611.html

ODA一般

●080130C アフリカ支援,1月28日19時32分配信毎日新聞
<アフリカ支援>政府が関係強化働きかけ…中国へ対抗意識も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080128-00000102-mai-pol

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080130D India, Economic Times
リライアンス,タタなど,10〜15%の料金値上げを視野に
Reliance Energy, BEST, Tata Power seek nod to hike tariff by 10-15%
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Reliance_Energy_BEST_Tata_Power_seek_nod_to_hike_tariff_by_10-15/articleshow/2739078.cm
●080130E India, Economic Times
電力省,超臨界火力機器の一般競争入札を提案
Govt to float tender for super critical equipment
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Govt_to_float_tender_for_super_critical_equipment/articleshow/2737717.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080130F 中国,1月28日15時34分配信 サーチナ・中国情報局
米中の原発建設、世界の50%超へー国家核安全局長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080128-00000020-scn-cn
●080130G 中国,1月28日12時4分配信 ロイター
中国国家発展改革委、インフレやエネルギー不足を懸念
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080128-00000013-reu-int

カンボジア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Cambodia.htm

●080130H Cambodia, The Nation
カンボジア最大の水力開発,住民に大きな脅威
Cambodia's biggest hydropower dams serious threats to people
http://nationmultimedia.com/2008/01/28/regional/regional_30063685.php


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月29日分 ー 鉄道は人を乗せる前にまず石炭を運べ ー

「列車に人を乗せるな,まず石炭を」,と言ったかどうか分からないが,とにかく中国の鉄道当局が,鉄道輸送の最優先権を石炭に与えるよう指令を発した。厳しい寒気と積雪,それに春節を控えての民族大移動で混乱する中国は,省レベルの13の系統で遮断が続き,全国で7000万KW電力需要を賄い得ない,大混乱に陥っている。

私がいつも言っているように,石油や石炭を休みなく運び続けなければならない火力発電は,一旦その輸送路に障害が起こると,連鎖反応で瞬く間に影響が全国に広がってしまう。都市のゴミも一緒である,常に誰かが休みなく供給し続けなければ,正常な国民生活が営まれないと言う,とんでもない経済社会システムを作り上げてしまったのだ。

今日は中国の問題であるが,どこの国でも起こる可能性がある。中国の場合は,「人を乗せずに石炭を運べ。」,と指令していればよいが,日本の場合は国際的な海上輸送が遮断されると,石油もLNGも石炭も,一瞬にして途絶えることになる。だから,今既設の原子力発電所と水力発電所は,日本の経済社会の最後の砦なのだ。

どちらも,幾ら修繕費をかけても良い,と言う覚悟で,半永久的に運転を続けて行く必要がある。ガソリン税ではないけれど,一度ダムを廃止したらもう2度と出来ないであろうし,一度原子力発電所を廃止したら,2度と原子力発電所は出来ないであろう。


1 今日の概要

●王制廃止決定,マオイスト政治参画,によってやっと円滑に走り出したネパールの水力開発,マオイストの地方組織がアッパーカルナリ水力のインド企業GMRとの協定に反対,48時間以内の協定破棄を迫る,再び,三度,ポスト京都の目玉,ネパールの水力開発に赤信号が。●中国の電力大混乱,遂に鉄道当局が,人を乗せるな,まず石炭を運べ,と指令。●電力使用制限に苦しむパキスタン,日本エネルギーなどのIPP企業が義務量を発電していないと非難。


2 目次

●ネパール,マオイスト,インド企業の水力参入を好まず
●中国政府,鉄道輸送を石炭輸送に最優先権
●パキスタン電力,IPP企業に対し,電源強化を視野に


3 本文

●ネパール,マオイスト,インド企業の水力参入を好まず

ポスト京都に重要テーマー,インド周辺の水力開発,ネパールの水力開発はどうしてこんなに障害が多いのか。数日前に,インドのGMRがやっとの思いで政府との覚え書きを交わした309MWアッパーカルナリ水力プロジェクトであるが,カリナリ方面を掌握するマオイストの地方のトップが,48時間寺内にGMRとの協定を破棄するよう迫った。破棄しない場合は死を賭して抵抗する,と宣言したのである。インド企業へ水力開発を任せるのは憲法違反であるし,ネパールにとって自殺行為だというのである。

ネパールの海外民間資本による水力開発は,王制廃止を決めた国会で,マオイストが政治参加に同意し,これで地方を押さえていたマオイストの同意とともに,地方の治安が保証され,初めて開発が成立することになって,関係者は喜びに浸っていたところである。とにかく,理屈抜きで地方の治安はマオイストの同意なくして保たれない。和平以前は,ネパール政府は点と線で国を治めていたのであって,地方の治安は村々を統合する面を治めていたマオイストの世界であり,特に地方に分散する水力開発は,マオイストの同意なくして開発できないのである。

記事によると,マオイストの根底にある考え方は,長年に亘るインドとの不平等条約であり,今回のアッパーカルナリのみならず,インドのPTCが電力の引き受けてとなるウエストセティ水力や,インド企業も含めてこれから入札を行うアルン3水力についても,マオイストは反対の構えである。マオイストグループは,今回の水力開発はインドのごり押し,と表現している。この動きが,マオイストの一地方の主張なのか,マオイスト本部の意志なのか,更に続報を待ちたい。

●中国政府,鉄道輸送を石炭輸送に最優先権

春節で民族移動,大混乱の中国各地だが,積雪と渇水による水力発電の低下で,全国で7000万KWの電力不足の上,帰郷する民衆の動きが崩壊し,各地で停電,13系統が電力を遮断,高速道路が閉鎖され,農産物に甚大な被害が出ている。この混乱のさなかに,鉄道省は,他のものは運ぶな,まず石炭を貨車に乗せろ,と石炭に最優先権を与えてしまったのである。石炭輸出もストップされ,政府は人や物よりも,まず石炭が大事だ,となってきたのである。発電所はお金さへあれば出来るが,燃料はそれだけでは確保できないのである。

●パキスタン電力,IPP企業に対し,電源強化を視野に

連日続くパキスタンの電力使用制限であるが,供給に責任を持つパキスタン電力PEPCOは,IPP企業が約束の発電力を出していない,と契約上の責任を追及している。少し調べないと内容がよく分からないが,問題になっているIPP企業は,SEPCONと日本エナージ(これは何ですかね?)が,契約上は550万KW発電しなければならないのに,380万KWしか出していない,と言っている。それは,タルベラとマングラのダムからの放流量が問題になっているようだ。IPP側は,13億ルピーに上る未払い金が滞っている,と反発している。


4 その他

●NHPC,AP州の二つの水力,詳細設計をリライアンスなどに譲渡
●台湾,丸紅,長生電力の権益40%取得


5 参考資料

2008年1月29日分

パキスタン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●080129A Pakistan, Daily Times
パキスタン電力,IPP企業として,電源強化を視野に
Pepco wants IPPs to increase power generation
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C01%5C28%5Cstory_28-1-2008_pg1_6

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●080129B Nepal, khabrein.info
マオイスト,インド企業の水力参入を好まず
Maoists seek scrapping of hydel deal with India's GMR
http://www.khabrein.info/index.php?option=com_content&task=view&id=11678&Itemid=88

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080129C India, Business Standard
NHPC,AP州の二つの水力,詳細設計をリライアンスなどに譲渡
NHPC hands over DPRs to Jaiprakash. REL
http://www.business-standard.com/common/storypage_c_online.php?leftnm=10&bKeyFlag=IN&autono=33042

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080129D China, China View
中国政府,鉄道輸送を石炭輸送に優先権
China shifts railway capacity to coal transport
http://news.xinhuanet.com/english/2008-01/28/content_7512208.htm
●080129E 中国,1月28日8時0分配信 NNA
【台湾】丸紅、長生電力の権益40%取得
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080128-00000010-nna-int


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月28日分 ー 100万KW分の地下空洞を掘っておいてくれ ー

インドネシアの元スハルト大統領が逝く。我々年代がインドネシアで仕事をした1980年代,スハルト大統領の最盛期であっただろうか。我々が従事していた発電所の起工式や竣工式には必ず大統領が出席して,そこに自署を残し,そのサインが銅板に刻み込まれて,長く彼の功績をたたえる,と言うのが当時のインフラ建設最盛期のしきたりだった。私自身は大統領の臨席を見たことがないが,会った人は,いや素晴らしい顔をしている,と感激の面持ちであった。

このインドネシアの1980年代は,日本政府も世界銀行も,上げてインドネシアの経済成長を支持し,東南アジアで最も早く中進国になる可能性を持っていた。日本も含め欧米などからも多くのコンサルタントが入ってきて,どの報告書も年30%の経済成長を予測し,またこの報告書に従って世界銀行などがお金を貸す,だから実際に年30%近い経済成長が実現する,と言う影のシナリオを実際に現地で経験した。

ここにも一度書いたが,チタ水力を主導した世界銀行のインド人担当官は,私をホテルの一室に招いて,君は50万KWだと言っているが,100万KWの地下発電所空洞を掘っておいてくれ,インドネシアにお金を貸すのは今しかないのだ,と要請された。世界銀行は,インドネシアへの有り余る予算をもてあましていたような状態だった。それがインドネシアのスハルト時代の実像である。1997年のアジア経済危機がなければ,インドネシアの現在もまた違ったものになっただろう。合掌。


1 今日の概要

●ダボス会議,福田首相の演説の中の石炭火力の効率に関する発言に注目,IGCCなどの技術移転は,インド,中国,それにクラッシュプログラムを進めるインドネシアへのアクセスはタイミングが重要だ。●中国の年間450万ヘクタールの人工造林造成は,ポスト京都の一つの注目点である。●中国政府が心配するインフレ圧力,電気料金をいつまで抑えられるか。


2 目次

●エネ効率30%改善,「クールアース推進構想」,発表,首相ダボス講演
●中国の人工林,全世界の3分の1を占める
●中国,今年の物価上昇対策に7措置を発表


3 本文

●エネ効率30%改善,「クールアース推進構想」,発表,首相ダボス講演

すべて既報であるが,「日本の石炭火力発電効率が米,中,インドで普及すれば,日本一国分の排出量に当たる13億トンのCO2削減が可能だと指摘した。」,の文章に注目しよう。インドではUMPP,400万KWクラスの石炭火力発電所群の建設が進んでいるし,インドネシアでは電力危機を一挙に解決すべく1000万KW石炭火力計画クラッシュプログラムが進行中,中国は勿論,石炭主体の電力供給が続いている。

石炭火力の効率について過去を紐解くと,1990年代初期の旧世代微粉炭火力の効率が40〜41%,1994年からの新鋭微粉炭火力USCが41〜43%で,2002年ぐらいに実用化されてきたIGCC(固体の石炭をガス化することで蒸気タービンにガスタービンを組み合わせた発電)で1300度クラスのガスタービンを組み併せるもので,45〜46%,更に現在実用化を目指している1500度クラスのガスタービンと組み合わせると実に48〜50%の効率がでるという。

現在中国が支援しているインドネシアなどの石炭火力は,恐らく199年代初期の技術であろうと思われる,38%ぐらいの効率ではなかろうか。しかし問題は建設工事費で,ガスタービンを付け加えるのだから相当高価になるのだろう。インドネシアなどは,とにかく電気が足らないから,どんどん安い石炭火力を投入して行く,インドも然りでしょう。昨日はインドネシアの資金不足が報じられていた。

数日前の記事で,日本の電力会社が協力して,これらのIGCCの技術移転を,中国を中心にやろうとしている。温暖化の問題はこのようなインド,中国,インドネシア,タイなどの石炭火力を,原子力や水力で代替して行くと同時に,石炭火力の新鋭技術を適用して行くべきだ。インドネシアなどは,円借款とともに中国の火力に協力して排出権獲得など,まだ話し合いの余地があるか,無理かな。

●中国の人工林,全世界の3分の1を占める

ポスト京都で,APEC域内での一つのテーマーは,インドネシアで毎年180万ヘクタールが失われて行く熱帯林の保護と,世界でもっとも多くの人工林,450万ヘクタールを増やしている中国である。中国の人工林は,本当に熱帯林に匹敵する価値があるのかどうか分からないが,殆ど森林量が一定の先進国に対して,増えて行く中国は偉い。今日の写真に借りてきた。

●中国,今年の物価上昇対策に7措置を発表

中国の経済で,中国政府がもっとも警戒しているのがインフレの動向である。それは,中国経済の停滞を生む可能性があると同時に,国民の不満が高まったときの政治的な影響を心配しているのであろう。今回の7つの措置には,いろいろな対策が含まれているが,「精製油,天然ガス,電気の価格と,地方が管理,供給する電気,ガスなどの公共料金は一定期間引き上げない。」,と言う方針に注目。電力各社は石炭の供給不足と価格の高騰に参っている。どこまで電力会社の不満を押さえつけておくことが出来るか,一つのポイントであろう。


4 その他

●フィリッピン,マランパヤガス田のSPEX,NPCに400億ペソ料金請求
●インドネシア,PLN,省エネのため,5100万個の新型バブル配布へ


5 参考資料

2008年1月28日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080128A Philippines, Manila Bulletin
マランパヤガス田のSPEX,NPCに400億ペソ料金請求
SPEX seeks payment of NPC banked gas
http://www.mb.com.ph/BSNS20080127115471.html

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080128B Indonesia, The Jakarta Post
PLN,省エネのため,5100万個の新型バブル配布へ
PLN to distribute energy-saving bulbs
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20080126.M04&irec=3

環境一般

●080128C ダボス会議,1月26日22時45分配信産経新聞
エネ効率30%改善「クールアース推進構想」発表 首相ダボス講演
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080126-00000968-san-pol

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080128D 中国,1月26日16時52分配信 サーチナ・中国情報局
中国の人工林、全世界の3分の1を占める
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080126-00000008-scn-cn
●080128E 中国,人民日報
中国、今年の物価上昇対策に7措置を発表
http://j.peopledaily.com.cn/2008/01/26/jp20080126_83116.html


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月27日分 ー 日本はまず一塁に出塁した ー

「まず日本は一塁に出塁した」,と言うのが朝日新聞の,福田首相ダボス演説の総合評価である。「産業・分野別に温暖化ガスの削減可能量を積み上げる,「国別総量目標」,を提案」,と言うことだが,結局は京都議定書と同じことになるのではないか。バリ会議では,削減目標から逃げた日本が総攻撃を受けたわけだが,日本政府としては米国を土俵に上げるため,と称している。では今度のサミットはどうなるのか。死に体になったブッシュ政権は,数値目標を受け入れる,と言う読みがあるのか,少し甘くないか。

この排出ガス抑制問題では,どうしても国単位の話になってくるが,本当に地球を救うという必要があるならば,国際政治の道具としてこの問題を使っていたのでは,いつまで経ってもらちがあかないと思う。欧州が一生懸命,自分たちの土俵の中で努力しても,中国とインドが動かなければ,地球は救われない。世界のどこを押さえればもっとも効果的か,その議論にはいるべきだと思う。それは,森林と原子力と水力だから。


1 今日の概要

中国の協力で順調に進むと思われていたインドネシアのクラッシュプログラム,2009年までに1000万KW運転開始,の資金調達に黄信号,中国銀行との交渉が利子率の問題で暗礁に乗り上げ,不足分約28億ドルについて,資金調達に関する再入札が必要のようだ。ダボスの集まった日米欧のエネルギー担当相が会談,中国とインドの省エネルギーについて,協力の必要を協議した。フランス企業アレバが,米印原子力協力を視野に,インド現地で原子力機器の合弁を模索している。


2 目次

●インドネシア,PLN,クラッシュプログラムで資金難,中国側難色
●ダボス会議,省エネ,新エネルギー開発が重要,日米欧担当相
●フランス企業アリバ,原子力機器メーカーとして,JV視野


3 本文

●インドネシア,PLN,クラッシュプログラムで資金難,中国側難色

この1000万KWクラッシュプログラムの35発電所建設に必要な全資金は48億ドルである。PLNは現時点で27億8000万ドルが不足しているという,突然の報道である。この1月17日には,6発電所について19億ドルのローンパッケージを組むのだ,と言うエディ総裁の談話が出ていたが,おかしいなあ,中国が全部引き受けたのではないか,と思っていた。

4つの入札で13発電所の建設がすべて中国のコントラクターの落札となったわけで,中国の公的資金が全面的にこれを支援する構図であったが,今日の記事で見ると,インドネシア政府と中国金融機関との交渉はかなり激しかったことが予想される。当然中国側は,全面的な政府保証を要求したわけで,これはクリアしたような書きぶりだが,この報道ではただ一言,利子率が折り合っていない,としている。

責任者の政府電力総局のヨゴさんは,国会のヒアリングに呼ばれて,すべての資金調達を2008年の第1四半期に完了しなければ,2009年1000万KW運転開始は難しいと報告している。PLNはこの中国金融機関の代替としての資金調達に関する入札を実施しなければならない状態に陥っている。中国の全面的な支援で順調に進むと思われていたクラッシュプログラムに,黄信号が灯った。

ダボス会議での福田首相の演説の中に,日本の石炭火力の環境技術の技術移転が述べられている。中国のコントラクターはどの程度の環境対策を盛り込んでいるのか,効率はどの程度をオファーしているのか,詳細は分からないが,もしインドネシア側が合意するなら,CDMを活かした日本の技術と資金面での協力は,地球温暖化にとって大きな効果を生むに違いない。

●ダボス会議,省エネ,新エネルギー開発が重要,日米欧担当相

会合には甘利明経済産業相,ボドマン米エネルギー長官,ピエバルグス欧州委員(エネルギー担当)らが出席。エネルギー需要と二酸化炭素(CO2)排出量の多い中国,インドなどが一連の対策に参加することが重要との認識も共有した。

省エネルギーと新エネルギー,特に省エネルギー分野については,日本は中国とインドにアプローチしている。この三者の会談でも,問題は中国とインドなのである。中国は既に,再生可能エネルギーの開発について,大きな政策を打ち出しているが,それは量的には殆どが大規模水力の開発である。今後は,石炭火力の環境対策や効率向上について,大いに議論を進めるべきだろう。

●フランス企業アリバ,原子力機器メーカーとして,JV視野

インドを訪れている経済ミッションの中のアリバ社代表は,このJVに関心を持っていることを窺わせた。特に,米印原子力協定が大きなヒントとなっている。アリバは,現在どの企業と対話をしているか,明らかにしていないが,国有機器メーカーBHELの他,リライアンスやタタも原子力分野に参入したい意向を持っていると言われている。なおアリバ社は,原子力のみならず送電線や配電設備の分野でも,同じJVの考えを持っているようだ。


4 その他

●インド,パンジャブ州政府,電力強化委員会,750億ルピー承認
●インド,フランス企業アリバ,2010年までに変圧容量2倍を視野に
●インド,アダニ社,マハラシュトラの200万KW火力,着工へ


5 参考資料

2008年1月27日分

電力一般


●080127A ダボス会議,日本経済新聞
省エネ、新エネルギー開発が重要・日米欧担当相
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080126AT2M2600L26012008.html
 
インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080127B India, Economic Times
パンジャブ州政府,電力強化委員会,750億ルピー承認
Empowered committee approves Mega projects of RS 749.20 cr
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Empowered_committee_approves_Mega_projects_of_RS_74920_cr/articleshow/2729076.cms
●080127C India, Economic Times
フランス企業アリバ,2010年までに変圧容量2倍を視野に
Areva T&D India looks at doubling transformer capacity by 2010
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Areva_TD_India_looks_at_doubling_transformer_capacity_by_2010/articleshow/2729723.cms
●080127D India, Economic Times
フランス企業アリバ,原子力機器メーカーとして,JV視野
Areva plans India JV for nuclear power equipment
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Areva_plans_India_JV_for_nuclear_power_equipment/articleshow/2732842.cms
●080127E India, Economic Times
アダニ社,マハラシュトラの200万KW火力,着工へ
Adani group to set up Maharashtra power project
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Adani_group_to_set_up_Maharashtra_power_project_/articleshow/2725297.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080127F Indonesia, The Jakarta Post
PLN,クラッシュプログラムで資金難,中国側難色
PLN short $2.78b to build 35 plants
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20080125.L01&irec=0


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月26日分 ー 石炭は後7日分しか残っていない ー

三峡ダムの機器の入札は1998年に行われた。1998年は私のこのHPが本格的に稼働し始めた時期で,考えてみればこのHPは三峡ダムと同じ歩を経て,今年で10年目を迎える。最初の頃の三峡ダムの私の記述は,各所で引用されている。私は勿論報道記事を中心に書いているが,この三峡のころは,直接日本政府の調査団に加わった友人達の話も入っていて懐かしい。

1998年12月,三峡ダムの76万KWユニット26台の最初の入札が行われようとしていた。当時三峡ダムは,世界から暴挙であると批判され,当時の首相の李鵬さんは,世界銀行や公的資金の支援は受けない,と言い切って,世界は本当に中国が自己資金で開発できるのか,怪しんでいる段階であった。この入札前夜,日本企業は国際協力銀行の支援が受けられるかどうか,銀行に決断を迫っていた。

国際協力銀行は,いよいよ押し詰まった11月頃に専門家による調査団を現地に派遣した。調査団は,100万平方kmの流域面積の中に数十億トンの貯水池を造っても,流れ込み式に近く,河川環境への影響は小さい,と報告した。これは私も同感であった。JBICは支援に踏み切り,日本企業はぎりぎりになって入札の参加したが,山にこもった李鵬さん達の結論は,結局,技術移転の提案に勝る欧米企業に落札させた。

後日,工事中の三峡ダムを訪ねたとき,先方の幹部が応対してくれたが,その時の幹部の発言を今でも脳裏に焼き付けている。「すぐ傍に日本という技術立国の優秀な国があるのに,日本の名前が,この三峡に一つもないのは残念である。」,また彼は,「我々は,この仕事を終えた暁には,世界のダム開発に打って出るつもりである。」,と。事実,それは世界各地で実現されている。


1 今日の概要

追い打ちをかけるように中国の電力危機の記事,今日は国家電網公司の発表をレコードチャイナが報じている,石炭は後7日分しかないと,春節はどうなるのか。三峡ダム,2008年末に76万KWユニット26台が完成する,そこに日本の名前はない。ネパールの水力,いよいよインド資本による開発に火がつく,GMR社が30万KWアッパーカルナリを手中にした。インドのアダニ社は,石炭やガスの他,発電事業を拡大する,5年内に,1000万KWを視野にしている,ムンドラ火力など。


2 目次

●中国,発電用の石炭,「残りわずか7日分」!深刻な電力不足へ
●中国,三峡発電所,年内に運転開始,水力発電で世界一
●インド企業GMR,遂にネパールのアッパーカルナリ水力を手中に
●インド,アダニ社,2,3年内に1000万KW発電設備所有を


3 本文

●中国,発電用の石炭,「残りわずか7日分」!深刻な電力不足へ

中国の電力危機の報道が相次ぐ。今日のレコードチャイナの報道は,国家電網公司によるもので,ここは直接電力需給の責任を負っているだけに,危機感に切迫感がある。「残りわずか7日分」,と言う石炭の供給状況の危機に対して,中央の国家発展改革委員会が全国の鉄道会社に対して発電用石炭輸送を最優先させるよう指示した,異例である。こうなると,春雪を控えて他の物資の流通に問題が出てきて,ますます影響が拡大しそうな勢いである。

記事によると,やはり原因の根幹は,厳冬による需要の急増と,安全重視に切り替えた炭坑の生産能力の低下にあるようだ。ここで慌てると,また炭鉱の大事故に繋がって,大混乱に陥る可能性がある。10億の民が国内大移動を始めるわけだから,中央政府も,最大の厳戒態勢にあるようだ。この電力危機は2月中旬まで続くと見られている。

昨夜も国際協力の友人と酒を酌み交わしたが,彼は私の言う,「発電所は金さへあればいつでも出来る,問題は燃料の確保だ,」,と言う言葉に同感してくれた。日本では,昭和48年の石油危機以来,一般国民は燃料を気にしたことはないが,石油の問題と同時に,電力の面では天然ガス,すなわちLNGの海による輸送が絶たれると大変なことになる。まだそれほど深刻ではないが,インドネシアなどは日本への供給を減らす方向にある。

●中国,三峡発電所,年内に運転開始,水力発電で世界一

今更であるが,三峡発電所の70万KWユニット26台が,2008年末までに完成するという。やはり,70万KW26台と言われるとこれは大きいと言う気になる。タイが一生懸命に推進しようとしている石炭火力は,およそ1台70万KWだから,KWだけで行けば,一挙に26台の石炭火力ユニットを完成するのと同じだから。

比較的低落差で70万KWユニットと言うのは記録的なサイズである。1998年頃にこの機器の入札が行われたわけであるが,入札前夜まで日本企業は踏み切ることが出来なかった,それは国際協力銀行のゴーサインがなかなか出なかったからである。それでも,私の友人達が,三峡ダムは単なる流れ込み式だ,河川環境への影響は小さい,と報告書に書き,ゴーサインが出たのは入札の直前であった。中国が求めたのは,この大容量の機器の技術移転であり,その点で日本勢は敗れて,残念にも,三峡プロジェクトから日本の名前は消えた。

●インド企業GMR,遂にネパールのアッパーカルナリ水力を手中に

紆余曲折のネパール水力,外国企業による事業実施が決まった,考えてみれば歴史的な事実である。ネパールの水力が外国資本,特にインド資本によって開発されることは,今後のネパールの包蔵水力の開発に弾みがつき,ポスト京都の重要テーマーであるインド周辺の水力開発に火がついた,と言うことである。30万KWであるが,12%を無料で地元に降ろすことと,27%のシェアーをネパール政府に譲る条件である。ネパール政府は続いて,アルン3水力の交渉に入る,相手はストレッジ社。

●インド,アダニ社,2,3年内に1000万KW発電設備所有を

アダニ社は,本来発電の他,石炭生産,原油ガス探査,市ガス供給,などのエネルギー基幹事業に力を入れてきたインド最大の企業であるが,ここに来て,発電分野への事業の拡大を宣言したわけである。現在は,ムンドラの264万KW石炭火力,ゴンディアの198万KW石炭火力を手がけているが,更に,ムンドラの264万KWへの増設,ダヘジの132万KW,グジャラートの198万KWを視野に入れている。


4 参考資料

2008年1月26日分

ネパール

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0.htm

●080126A Nepal, Nepal News
インド企業GMR,遂にネパールのアッパーカルナリ水力を手中に
GMR bags Upper Karnali
http://www.nepalnews.com/archive/2008/jan/jan25/news03.php

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080126B India, Economic Times
アダニ社,2,3年内に1000万KW発電設備所有を
Adani Enterprises aims 10,000 MW power generation in 3-5 years
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Adani_Enterprises_aims_10000_MW_power_generation_in_3-5_years/articleshow/2727332.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080126C 中国,1月25日10時42分配信 Record China
発電用の石炭「残りわずか7日分」!深刻な電力不足へ―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080125-00000004-rcdc-cn
●080126D 中国,1月25日10時4分配信 サーチナ・中国情報局
三峡発電所、年内に運転開始 水力発電で世界一
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080125-00000004-scn-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月25日分 ー これは海外が要因だからやむを得ない ー

「原因は海外にあり,止むを得ない」,と言う発言を,小泉内閣の竹中さんから良く聞いた。私はあの竹中さんのその発表の時のホッとした顔が忘れられない。要するに政府の責任ではない,と言うことなのだが,株式などで被害を受けている一般の国民は,原因が外であろうと日本政府の責任であろうと全く関係ない,なんか手を打ってくれ,と言うことなのだ。

今の経済担当大臣の太田さんの会見を見ていても,やはりサブプライム問題で,何となくご自分はホッとしておられる雰囲気が何となく伝わってくる。それでどうするか,国民は次の言葉を待っているわけだが,はい,それで会見終わりとなる場面ばかりである。今朝の日経新聞は,米国の追加対策など,米国政府が懸命に戦っている姿が映し出されている。それだけに,日本の無策が印象的で,ダボス会議でも,米国が指弾されるよりは,日本などの先進国の無策が非難されそうな雰囲気だ。

しかし,日本経済の比重がどんどん軽くなっていく現状では,日本が如何に動いても影響が小さい,と言う言い訳もあると思う。世界のどこを押さえればよいのか,米国政府が見ているのか,IMFなどが見ているのか。中国はどうしているのか,国際的な連携が望まれる。


1 今日の概要

今日の記事では,石炭供給の問題と厳寒による電力需要の高まりから来る中国の電力危機一色である。一週間ほど前は,外電が報じただけであるが,遂に中央政府も対策に乗り出し,NNAやサーチナ中国,レコードチャイナなども一斉に報じた。全国では7000万KW不足で,特に中部の重慶を中心に電力使用制限が広がっている。ダボス会議は,気候変動問題から一転して,世界経済の混乱が主題となってきた。日本政府はアフリカ支援で,PKOなど非]ODA資金291億円の緊急支援に踏み切った。中国の2007年の名目GDPが365兆円と,ドイツや日本に迫ってきた。タイのEGATが今年の4つの天然ガス火力建設のため,100億バーツの起債に踏み切った。


2 目次

●中国,全国で電力不足本番,7,000万KW規模に
●大寒波来襲!電力網や農作物など,各地で被害が拡大―中国
●中国,全国23省で電力不足,天候不順で火力発電所ピンチ
●ダボス会議,始まる,世界経済,気候変動が中心議題に
●アフリカ支援,PKO隊員を養成,アフリカ緊急支援,非ODA資金拠出
●中国GDPは11.4%増,世界3位ドイツに迫る
●タイ,EGAT,電源開発資金として,100億バーツ債券発行


3 本文

●中国,全国で電力不足本番,7,000万KW規模に

昨日までにこのHPでも,相次いで中国の電力不足を報じてきた。インターファックスの南部系統の電力不足,続いてフォーブスの電力危機の中央部への波及,一方で人民日報は平然と需給バランスが順調であることを報じてきた。今日のNNAは,これらをまとめた形で,詳細に報告していてくれる。どうも人民日報の報道は,昨年の電力量バランスが達成されたことを報じたようだ。

今日の報道の新しい点は,国家電力監督管理委員会(電監会)が現時点の全国の電力不足量を,約7000万KWと発表していることで,全国で13省の電力網で使用制限が課されているという。特に華中の湖北省,四川省,重慶市で深刻というのは,一昨日のフォーブスの報道と一致している。昨年はあまり電力不足の報道はなかった,1億KW増設して,需給は緩和されたと見られていただけに,関係者は衝撃を受けている。

原因はあくまで石炭不足で,輸送なども含めたいろいろな要素が重なっているであろうが,最大の原因は,炭坑に於ける事故によって膨大な犠牲者が出たため何らかの手を打たなければならない状態になり,中小の炭坑を閉鎖したことにあると思われる。炭坑の犠牲者は網放置できないところまで来ていたわけである。

中国の炭坑の安全管理はひどい,と言う批判が日本でも良く聞かれるが,私は常に日本のことも思い出しながら反省している。今でも覚えているのは,私が木曽川にいた昭和38年,大きな炭鉱事故が起きて犠牲者の数がどんどん増えて行く,遂に400人に達したところで,日本最大規模の炭鉱事故となった。日本はその後,安価であった石油火力に切り替えて,炭坑を捨てたわけであるが,中国は今,炭坑を捨てるとが出来ない。

●大寒波来襲!電力網や農作物など,各地で被害が拡大―中国

レコードチャイナは,また違った観点から中国の電力危機を報じている。石炭不足もさることながら,10年ぶりの寒波の襲来で,凍結と積雪の影響で送電設備が打撃を受けているというのである。これを地球温暖化の異変と呼ぶかどうかは別にして,石炭不足と冬季の電力需要の急増が,今日の中国の電力危機を更に厳しくしている。

この電力危機に続いて心配されるのは,農業への被害だという。湖北省だけでも481万ヘクタールに影響が出ているという。400万ヘクタールと言えば,東北タイの全耕地面積に匹敵する。そうしてそのうち38万ヘクタールについては収穫が望めない。このために野菜などの高騰が続くならば,中国政府が経済についてもっとも心配している,インフレの問題に火がつくことになる。

●中国,全国23省で電力不足,天候不順で火力発電所ピンチ

サーチナ・中国情報局は国家電力監管委員会(電監会)が23日に全国を連携するテレビ会議を開いて,電力不足の実情把握に努めたことを報じている。7000万KWの不足は既に報じているが,石炭の輸送力低下で,日供給力は必要量を33トンを下回ったと報じている。

石炭の実情は,前の記事で報じられているが,1月10日時点での発電用石炭のストックは2,000万トン,1月20日時点では1,773万トンに減った,10日間で約230万トンのストックを消費した計算になるという。10日と20日の発電用石炭の消費量は,それぞれ207万トンと210万トン。国家電力網の関係者によると、全国的に安定した電力を供給するには,1月末まで1,400万トンの石炭ストックを残しておく必要があるという。

●ダボス会議,始まる,世界経済,気候変動が中心議題に

ダボス会議は,6月に洞爺湖サミットを控えて,気候変動問題が主要な議題とされていたが,ここに世界経済を席巻しているサブプライム問題,株式市場の混乱の問題に話題を取られて,気候変動問題の話題性が相対的に小さくなってきた感じ。世界経済に対する各国政府の無策が批判されている。竹中さんの時もそうだったが,太田経済担当相も,如何にも海外の要因で自分たちは責任ないような発言に違和感を感じる。

●アフリカ支援,PKO隊員を養成,アフリカ緊急支援,非ODA資金拠出

アフリカへの緊急支援で総額約291億円の支援だが,PKOなどの訓練費用のため,軍事組織に関連する事業への拠出を禁じた従来のODAの枠組みの外になるため,非ODAの予算支出という。PKO訓練施設支援に1700万ドル(約19億円)を支出するほか、紛争が深刻なダルフール、南部スーダンなどに計6450万ドル(約71億円)、ソマリアに4566万ドル(約50億円)、コンゴに4380万ドル(約48億円)の難民支援などを行う。

パキスタンの道路用機材の供与に関係したことがあったが,パキスタンでは道路建設,補修などは軍隊が担当しているため,随分,議論があったことを覚えている。ブルドーザーが戦車に改造されるとか,まあそんなことはないか。

●中国GDPは11.4%増,世界3位ドイツに迫る

2007年の中国の名目GDP総額は24兆6619億元(約364兆5000億円)で,米国,日本に次いで世界3位のドイツに迫った。すごいですね,つい2年ほど前は,日本4兆ドル,中国1兆ドル,並ぶにはまだ15年ほどかかる,なんて行っていたのに,もう殆ど並んでいる。あの時は人民元の値上がりを忘れて議論していたのかな。

●タイ,EGAT,電源開発資金として,100億バーツ債券発行

この起債は,今年に必要な電源など建設資金300億バーツの一部で,100億バーツは3.16億ドルに匹敵する。とりあえずは4つの天然ガス火力発電所の建設資金で,最初に着工するのは,チャナの71万KW天然ガス火力である。2015年までには石炭火力が必要で,質の高いオーストラリアやインドネシアの石炭の輸入が必要になる。


4 参考資料

2008年1月25日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●080125A Thailand, Bangkok Post
EGAT,電源開発資金として,100億バーツ債券発行
Egat to issue B10bn in bonds
http://www.bangkokpost.com/Business/24Jan2008_biz40.php

ODA一般

●080125B アフリカ支援,1月24日8時1分配信産経新聞
PKO隊員を養成 アフリカ緊急支援 非ODA資金拠出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000086-san-pol
●080125C ダボス会議,1月23日20時33分配信毎日新聞
<ダボス会議>始まる 世界経済、気候変動が中心議題に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000116-mai-int

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080125D 中国,1月24日11時24分配信 読売新聞
中国GDPは11・4%増、世界3位ドイツに迫る
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000020-yom-bus_all
●080125E 中国,1月24日16時27分配信 Record China
大寒波来襲!電力網や農作物など、各地で被害が拡大―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000018-rcdc-cn
●080125F 中国,1月24日10時56分配信 サーチナ・中国情報局
全国23省で電力不足、天候不順で火力発電所ピンチ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000007-scn-cn
●080125G 中国,1月24日8時0分配信 NNA
【中国】全国で電力不足本番、7,000万kW規模に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000001-nna-int


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月24日分 ー この現場は所長と岩盤が良かった ー

雪の舞う中,吉川の測量作業で,更新が遅れました。

昨夜も電力の旧友達と酒を酌み交わしたが,話題は需要想定と電源開発計画の話になった。今日の記事では,タイのEGATの需要想定が大きすぎて電源開発への投資が過剰になり,ラオスの環境まで乱している,という記事が出ているが,昨夜の友人達はいずれも30年から40年,電力で過ごしてきた連中で,我々の過去において,本当に電力危機はあったのであろうか,と話し合った。

昭和43年ぐらいに奥多々良木揚水に着工しているが,このときは年間10%以上を越す経済成長で,明日をも知れない供給の危機,と我々は理解していた。地域独占の電力会社は,供給責任は絶対,と教えられてきたし,奥多々良木の前に小浜付近で揚水発電所を開発すべく準備していたが,京大の演習林で拒否されて,京大は関西電力の親戚と思っていた我々は慌てふためいた。

結局,急遽,奥多々良木に地点を変更し,調査工事もそこそこに着工したわけであるが,これが僥倖というか,地質的に殆ど問題のない地点で,当時の現場所長をして,「この現場は所長と岩盤が素晴らしい。」,と言わしめた。ところがである,発電所工事の最盛期,昭和46年に石油危機に襲われ,需要が低迷して,供給力に余裕が出来てしまった。電力というものはそういうものですね。


1 今日の概要

ラオスのナムグム3水力プロジェクトが,ナムグム2の本格着工に続いて,準備工事に着手した,問題は,果たしてタイの電力需要想定が正しいのかと問題提起している,あまりにも過剰な投資で,電源開発計画PDPが大きく見過ぎて,近隣諸国の環境まで悪化させる可能性がある,というのである。また,ナムグム3の準備工事着手に際し,ナムグム水系一貫のダム群開発の環境調査が行われていないではないか,と苦言を呈している。中国の武漢の電力使用制限が始まり,中国の電力不足が本格化してきた。中国の安全担当当局は,電力不足に伴う春雪でも混乱を心配し,警告を発している。

2 目次

●ラオス,ナムグム3水力,いよいよ着工へ
●ラオス,ナムグム水系の階段ダム開発,貧困を加速
●中国,武漢で電力不足 市内全域で供給制限始まる
●中国,春雪が近づく,電力不足,不測の事態も


3 本文

●ラオス,ナムグム3水力,いよいよ着工へ

44万KW,7億ドルのナムグム3水力プロジェクトが,準備工事に着手した,2013年完成の目標と言う。タイとの買電協定で,2015年までに700万KW輸出する中の第3弾と言うことか。ナムテン2水力は既に工事中であり,ナムグム2水力は最近本格的に着工したとの報道がある。更に続いて,ナムテン1水力,ナムニエップ水力,テンヒンブン増設,などが準備中である。

ただ,この記事の焦点は,タイの電源開発長期計画PDPが少しおかしいのではないか,と言う疑問を中心に書かれている。タイは,2007年の設備出力22,684MWのところ,PDPでは,2021年に50,223MWの設備出力とする計画で,IPPによる天然ガス火力,石炭火力,後年度には原子力も投入し,更にラオスからの石炭火力や水力の輸入を計画している,このことが過大な計画で,それに基づく過大な投資と,近隣国の環境問題への影響など,過剰な投資活動を批判している。

電源開発というのは,一つ一つの電源の準備が,場合によっては10年以上かかるので,長期計画も10年から20年先を見越した計画となり,そこに経済成長という大きな仮定が入ってくる。事実,EGATでも,1997年のアジアの経済危機直後は設備が過剰となり,いろいろな批判を招いた。それは日本でも一緒で,バブル崩壊によって,折角の投資が無駄になった電源は多く見られる。

そこで問題となるのは,どれだけの余裕を見て計画するかと言うことと,もし電源が不足した場合の危機感の問題になってくる。日本の電呂lくかいしゃにとってっは供給責任は絶対であった時代,それは電力が地域独占であった時代だが,昭和40年代前半の高度経済成長の時代に於ける電力会社の使命感は,実に大きなものがあった。EGATの場合も,民営化を拒否されているから,大きな供給責任があるのだろう。

●ラオス,ナムグム水系の階段ダム開発,貧困を加速

このナムグム3水力プロジェクトは,タイの発電企業GMSが主体となって進めているが,この記事はまた違った側面からの疑問を投げかけている。それは,個々のプロジェクトの環境問題と同時に,ナムグム河という一つの水系の階段型ダム群の環境を問題にしているのである。日本では水系一貫開発計画の確立は常識であるが,ラオスの場合は少し様子が異なる。私もメコン委員会にいるときに,民間開発の発想が出てきて,一つの水系は一つのグループによる開発が望ましい,と意見を述べたことがあった。

実際には,まず手を付けられたのはナムテン川であり,それも上流でナムテン2水力という大規模な分水発電計画が進行している中で,別のグループが水系の中間に割って入って,テンヒンブン水力を先に造ってしまった。私はラオス政府に,一体どうするの,上流でナムテン2が分水してしまうと,テンヒンブン計画は水がなくなるではないか,と詰問したが,大丈夫大丈夫,皆分かった上でやっているから,いい加減なことを言っていた。

今回問題となっているナムグム水系は,既に1970年代に最下流にナムグムダムが建設され,続いて最近の民間開発から,ナムグム2が先行,また違ったグループが今回ナムグム3を上流に造ろうとしている訳である。我々が心配するのは,水収支の計画が水系一貫で確実にやられているかどうかだが,この報道では,複合された河川環境の問題を検討していないではないか,と疑問を投げかけている。

事実,私の目から見て,世界銀行の支援を受けたナムテン2水力は,環境問題が徹底的に議論された,そうしてラオス政府は,続く水力プロジェクトは,ナムテン2と同じレベルの環境調査を実施しもらう,といいながら,ナムグム河については少しその熱意が薄れてきたような感じがする。私はあくまでこれは融資機関の問題のような気がする。このナムグム河の開発は,ADBの支援を大きく期待しているわけだが,今後ADBがナムグム河の一貫の環境問題について,どの様な意見を持って対処するか,そこがポイントであると思う。

●中国,武漢で電力不足 市内全域で供給制限始まる

人民日報は,中国全土で電力の需給は安定してきた,と平然と言い放っているが,外電は次々と各地の石炭供給混乱による電力危機を報道している。インターファックスは南部系統が危ないと報道したし,フォーブスは電力危機が重慶などの中央グリッドにも波及してきたと報じた。今日は,サーチナ中国が武漢の電力供給制限を伝えている。大雪で寒さが厳しくなった1月中旬から電力不足が続いていると報じている。

●中国,春雪が近づく,電力不足,不測の事態も

中国は2月初旬の春雪が近づいて,民族大移動が始まろうとしている。安全担当の当局が異例の記者会見で,大事故の起こる懸念を表明して,警告を発した。その中には,電力不足による混乱が大きな心配としてあり,特に過去1年間の事故死者数が10万人を越えていることから,交通機関や,石炭不足に対応する炭坑の事故などを懸念しているようだ。電力不足は深刻,と当局は認めたわけで,特に石炭供給の混乱と同時に渇水による水力の出力低下を問題にしている。


4 その他

●中国,全国覆う天然ガス,石油ネット,建設達成
●インドの大規模石炭火力開発,海外商業資金導入で,規制緩和


5 参考資料

2008年1月24日分

ラオス

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●080124A Laos, Manufacturing Business Tecnology
ラオス,ナムグム3水力,いよいよ着工へ
Nam Ngun-3 hydropower project in Laos
http://www.mbtmag.com/articleXml/LN732202176.html
●080124B Laos, Asia Sentinel
ラオス,ナムグム水系の階段ダム開発,貧困を加速
Nam Ngum Hydropower Cascade Threatens Poverty Reduction in Laos
http://asiasentinel.com/index.php?option=com_content&task=view&id=999&Itemid=159

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080124C India, Economic Times
インドの大規模石炭火力開発,海外商業資金導入で,規制緩和
ECB relief for UMPPs likely
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/ECB_relief_for_UMPPs_likely/articleshow/2722826.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080124D 中国,1月23日11時20分配信 サーチナ・中国情報局
武漢で電力不足 市内全域で供給制限始まる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000007-scn-cn
●080124E 中国,1月23日10時34分配信 サーチナ・中国情報局
全国覆う天然ガス、石油ネット、建設達成
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000005-scn-cn
●080124F China, China Org
春雪が近づく,電力不足,不測の事態も
Accidents 'likely' to rise over holidays
http://www.china.org.cn/english/government/240404.htm


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月23日分 ー 飛行機に原子炉を積んで飛べるか ー

将来,エネルギーを原子力と水力,すなわち完全に燃料が立たれた場合,それだけに頼らなければならない場面が出てきたときに,自動車と飛行機はどうするのか,という問題がある。これを何というのですかね,携行型の燃料というのですかね。その場合にどうしても必要なのはバイオ燃料だ,と言う説がある。バイオ燃料を,原子力や水力のような主要エネルギー源にするという意見である。

私は前からそう感じていたが,バイオ燃料というのは,どうしても地球を面的に利用しなければならないので,問題が起こるであろうと直感してきた。農作物を圧迫し,森林を破壊して行く。それもある一カ所であればよいけれども,地球の面を全面的に利用してしまうから,問題がどんどん拡散していってしまう。今日の英国議会の報告書の報道を見て,我が意を得たり,と言うことなのだが,では飛行機と自動車はどうするのか,飛行機に原子炉を積んで飛べるか,と言う問題になってくる。

かって,通産省と電源開発が研究していた石炭水素の話題はどうなったのかな。あの時聞いた話では,石炭と水力が組めば容易に水素ガスが出来る,水素ガスを液体にして日本に運んでくればよい,例えばベトナム北部などは格好の水素ガス生産基地だ,と言うのは,もう駄目なのですかね。石炭はまだ数百年あるし,水素の運搬問題や燃焼問題はそのうち解決するのではないか,と思ったり。


1 今日の概要

人民日報は全国の需給が安定してきたと報じているが,今日のフォーブスや先日のインターファックスは,南部系統で発生した電力不足が,中央系統にも波及してきたと報じている,原因は石炭の供給で,備蓄も通常の半分以下となってきているようだ。これに対応するかのように,中央政府は,石炭と電力の統合を狙った省庁再編を検討している。英国議会で,バイオ燃料には地球的な問題がある,と言う報告書を提案している,さもありなん。JICAなどがフィリッピンの競争市場創設への法整備に協力している。外務省の有識者会議が,アフリカに於けるインフラ整備と人材育成の必要を低減している。ネパールの水力開発で,政治的な問題の前にインド企業も立ち往生していたが,昨今の電力危機から,迅速な開発を図るため,GMRがアッパーカルナリとアルン2水力を獲得する勢いである。


2 目次

●中国の電力危機,中央部まで拡大の様相
●中国,中央省庁を再編,エネルギーと環境で新組織
●バイオ燃料は地球に優しくない…英議会がレポート
●フィリピン,競争法導入で経済活性化,公取委が助言
●対アフリカODA強化を=中間報告で要望−外務省有識者会議
●インド建設企業GMR,アッパーカルナリ水力,獲得へ


3 本文

●中国の電力危機,中央部まで拡大の様相

中国の石炭供給が大揺れに揺れている。一昨日の人民日報は,平然と,全国の電力需給は安定している,と大見得を切った。しかしその前に,インターファックスが南部系統の苦しい状況を報じ,更に今日は,フォーブスが,南部に起きている電力不足が中央系統,すなわち重慶を中心とした中部諸省に拡大してきたというのである。原因は,雨と雪による石炭輸送の遅れと渇水による水力出力の低下である。

中央部の石炭火力の石炭使用量は,25の石炭火力で日当たり10万トンであるが,蓄積量は557万トンに減り,通常の半分である。供給力不足は627万KWに達している。南部系統でも不足量は1000万KWに達している。

発電所はお金さへあればどこでも幾らでも造れる,問題は燃料の供給である,と言い続けてきたが,特に石炭の問題は深刻で,必ずどこでも問題を起こしている。特に石炭火力に大きく依存しているインドと中国は,石炭の供給が経済を左右しかねない。インドも中国もそうだが,電力と石炭は省庁が別れており,これが調整を困難にしている一つの問題なのだ。これに真っ先に取り組もうとしているのは中国である。


●中国,中央省庁を再編,エネルギーと環境で新組織

昨日速報で既報であるが,この日本経済新聞の報道では,「ポスト胡錦濤」有力候補の李克強氏が担当して,60以上ある省庁を20程度にまとめるべく検討が進んでいる。その目玉は,エネルギーと環境であり,エネルギーでは,すべてを一元化する,「エネルギー資源省」,また環境では,「環境建設省」,の創設が検討されている。石炭と電力の統合も,一つの大きな焦点であろう。

●バイオ燃料は地球に優しくない…英議会がレポート

長期的なエネルギー需給を論じておられる鈴木篁氏は,ガス化メタノール製造法で,1ヘクタールの土地からバイオマスが55トン,これからエタノールが22.5トン,石油換算で13.5トン,効率を考えても石油換算10トンが可能とした上で,2100年の原子力水力現在の5倍供給の上で,更に必要な約150億トンの石油等価が必要であれば,バイオ燃料のための必要な土地面積は15.3億ヘクタールが必要であるが,地球上でバイオマス食物に充当できる土地は8.1億ヘクタールとされており,半分を満たすのみである,と,バイオマスの総量問題を論じている。

私は,このバイオ燃料が地球の農作物や森林と密接に関係してくることや,それが水力や原子力と違って,地球上で極めて面的な問題であることから,何か問題がありそうだと思っている。今日の記事では,英国下院環境監査委員会が報告書を出したもので,「バイオ燃料を製造するために、原料となる農作物の作付けを増やすことは,結果として,食物の価格高騰や,森林開拓などによる環境破壊,生態系の破壊をもたらす。」,と指摘している。バイオ燃料に大きく期待をすることは,私はやはり問題があると思う。

●フィリピン,競争法導入で経済活性化,公取委が助言

日本の公正取引委員会とJICAが共同して,研修会を開いたものである。フィリッピンは,競争市場の創設における法整備で他の東南アジア諸国より遅れている,との記事内容である。電力については,競争市場を導入するためとして,大規模な資産売却が進んでいるが,負債の処理が大目標で,必ずしも電力の競争市場創設に繋がるのか,議論が必要だろう。

●対アフリカODA強化を=中間報告で要望−外務省有識者会議

外務省の「国際協力に関する有識者会議」(議長・渡辺利夫拓殖大学長)の低減である。インフラ整備と人材育成を挙げている。アフリカに本気でインフラ整備を仕掛けるのか,と聞いてみたくなるが,先日の記事では,アフロかの道路ネットワークに着目した外務省の見解が出ていた。

●インド建設企業GMR,アッパーカルナリ水力,獲得へ

マオイストが政治に復帰していよいよ水力開発が軌道に乗ると言うときに,入札で最優位にあったインド企業のGMRに対して難題がふっかけられていた。一つは,ネパール国会が,一企業一プロジェクトを主張したことと,元々開発の権益を与えられていたフランス企業の抗議であった。まだ調整中だが,現今の電力不足による計画停電の激しさから,迅速な開発を目指して,アッパーカルナリもアルン2水力も,GMRに決定する方向にあるようだ。GMRは,12%の電力無料提供を申し出ている。


4 その他

●ネパール,メルマチ多目的ダム,2015年の目標には完成せず
●ドバイのETA,タミールナドの120万KW石炭火力へ,インドネシアから供給


5 参考資料

2008年1月23日分

電力一般


●080123A バイオ燃料,1月21日18時10分配信レスポンス
バイオ燃料は地球に優しくない…英議会がレポート
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080121-00000011-rps-ind

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080123B フィリッピン,1月22日8時7分配信 NNA
【フィリピン】競争法導入で経済活性化、公取委が助言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080122-00000008-nna-int

ODA一般

●080123C アフリカ,1月21日21時1分配信 時事通信
対アフリカODA強化を=中間報告で要望−外務省有識者会議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080121-00000165-jij-pol

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●080123D Nepal, The Rising Nepal
メルマチ多目的ダム,2015年の目標には完成せず
Melamchi project unlikely to meet 2015 deadline [ 2008-1-21 ]
http://www.gorkhapatra.org.np/content.php?nid=34641
●080123E Nepal, News Post India
インド建設企業GMR,アッパーカルナリ水力,獲得へ
Indian Firm Poised To Wrest Nepal Hydropower Project
http://newspostindia.com/report-32433

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080123F India, Economic Times
ドバイのETA,タミールナドの120万KW石炭火力へ,インドネシアから供給
ETA Star’s Indonesian mine to fuel Tamil Nadu power plant
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/ETA_Stars_Indonesian_mine_to_fuel_Tamil_Nadu_power_plant/articleshow/2719338.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080123G 中国,日本経済新聞
中国、中央省庁を再編・エネルギーと環境で新組織
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080122AT2M2102121012008.html
●080123H China, Forbes
中国の電力危機,中央部まで拡大の様相
China power shortages spread to central regions - report
http://www.forbes.com/markets/feeds/afx/2008/01/21/afx4555249.html


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月22日分 ー 中国政府が電力と燃料を統合省庁へ ー

今日の日本経済新聞の速報では,中国が中央省庁再編に乗り出したという報道で,その主眼はエネルギーと環境である。「エネルギー資源省」,を創設する意向のようだ。インドもそうだが,中国も,特にその大量の石炭火力のコントロールに手を焼いている。インドも電力省と石炭省が別で,そこに更に鉄道省が噛んでくるので,中国と同じで,燃料供給が一つの電力セクターの問題なのである。中国はいち早くこれの解消に乗り出したと言うことで,そういう意味で中国はインドに比べて,政治に機動性があるとも言える。

インドの英語の問題だが,その後水資源機構で国際を担当しておられる白石眞之さんが,特にエバキュエイトを中心に,理論的に説明してくれました。いや,世の中には勉強家がいるのだな,と感心しました。彼のメールを要約すると,

●Evacuationの用例(送るという意味では、全てインド国内)では,power evacuation,plan evacuation,evacuation facilities,evacuation efforts,evacuation augmentations,evacuation infrastructure,evacuation of wind electricity,などなどがあると。

●また国際会議での用例では,インド人専門家が国際会議で使う場合,インド特有の専門用語と認識した良識のある方は,「power evacuation (transmission) system」と表記していました。

●インド以外の適用例では,唯一,、クロアチアの電力会社の専門家が発表した論文では,「power evacuation security」という表現を用いていました。

●元々evacuateにはdischarge, overflowという意味がありますので、間違いではなさそうです。

白石さん,ありがとう。


1 今日の概要

経済産業省が,今日の地球温暖化対策の一環として,残存水力約1200万KWの開発優遇策を打ち出すべく検討中という。1000KWまでの補助金を3000KWまで拡大。フィリッピンでも,ダバオ付近で中小水力の開発が活発である,中心となっているのはアボリッツ系の企業である,最大クラスでは3万KWもある。フィリッピンは過去の負債や料金処理で振り回されている,今日はメラルコの90億ペソ未収問題。中国副首相が,インフレ懸念から燃料や電気料金の値上げを押さえる意向を表明。インドの産業界は,エネルギー使用の効率化について,政府の支援を求めている。


2 目次

●経産省,水力発電の支援制度拡充,地球温暖化対策
●フィリッピン,Hedcor,ダバオ市付近の8つの村落で,3つの流れ込み式水力
●フィリッピン,ERC,卸売市場WESM創設で90億ペソの判断,来月にも
●中国副首相,エネルギー確保へ更なる努力を要請
●フィリピン,国際金融公社,対比投資4倍の5億ドル
●インド,原油高騰,企業が政府に対して,省エネ技術移転を要請


3 本文

●経産省,水力発電の支援制度拡充,地球温暖化対策

昭和48年の石油危機の時は,一斉に残存未開発水力の洗い出しに集中した時期があった。実際にはその殆どは開発されなかったが,それを全国集計し,また世界の先進国も同じような調査を行ったので,その集計値だけでも,OPECにプレッシャーを与えたのではないかと思っている。当時どれほどの水力が集計されたか分からないが,今日の記事を見ていると,未開発の水力発電所は全国に約2700地点残っており,その出力は約1200万KWであるという。

現在の既開発水力は,1850地点,出力にして約2200万KW,日本の発電量の10%を確保しているという。今回の経済産業省の意図は,従来1000KW未満の水力について,電力会社にある一定の開発義務を負わせているが,これを3000万KW未満に広げるという。なかなかこれらの開発は,ここまで環境整備の進んだ日本で,開発は困難であろうが,それこそ市町村単位での活動や民間の投資で頑張れば,まだまだ開発できるのではないか,と言う期待はある。

●フィリッピン,Hedcor,ダバオ市付近の8つの村落で,3つの流れ込み式水力

Hedcor と言うのは,マガットなどの水力を買収したアボリッツ社との関係もあり,このアボリッツ系がすごい勢いでフィリッピンの水力発電で大きな主導権を発揮している。日本の残存水力は,3000KWクラスの話だが,フィリッピンは,水力は開発し終わったとはいいながら,残存水力の規模は大きい。少なくとも1万KW以上のプロジェクトが出てくるので,まだCDMも加えて面白い分野だろう。

今回問題となっているダバオ地域では,20MWのタムガン水力,6.5MWのスアワン水力,7.5MWのパニガン水力,などが上がっており,そのほかに,42.5MWという中規模のシブラン水力などがある。CDMにして8万9000トンCO2だという。日本の企業も,この辺りの規模の水力を,フィリッピンで洗い直してみてはどうだろうか。CDMと言う意味においては,日本の残存す力を実施するのと同じ意味である。

●フィリッピン,ERC,卸売市場WESM創設で90億ペソの判断,来月にも

ややこしい話で面白くないが,マニラ配電のMeralcoが,課金し損なっている90億ペソにも達する未収金をどうやって回復するかの問題のようだ。どうもフィリッピンの電力セクターは,NPCの70億ドルに達する借金の話や,このような過去に関わるお金の話が引っかかって前に進めないのが本当に煩わしい。一挙に国が,と言うのがインドネシア当たりのやり方だが,投資意欲にも響いてくるのだろう。資産の売却問題も,この過去の負債の処理の問題なのである,

●中国副首相,エネルギー確保へ更なる努力を要請

中国の英語の記事で苦労するのは地名ばかりでなく人名も難しい。ある一人の副首相が,エネルギーセクターの各機関のヒアリングを行ってコメントしたものが記事になっている。注意すべきは,燃料や電気料金の値上げの問題に言及している点で,経済全体のインフレへの懸念が如実に出ていて,やはり今の中国の経済で一番の気がかりはインフレだと言うことがよく分かる。

副首相の締めくくりの言葉であるが,「電力供給は,クリーンで安全の方向により配慮せよ,小規模の非効率な石炭火力は極力廃止せよ,今後は水力開発と原子力開発に力を注げ。」,と言うものであった。

●フィリピン,国際金融公社,対比投資4倍の5億ドル

既報であるが,NNAが日本語で解説している。「大型発電所などインフラ向けの投資に重点を置く。」,として,マガットのアボリッツなどの支援を言っているが,買収支援をしても仕方がない,その支援が開発に繋がるという見極めを付けて支援しないと,いつまで経ってもルソンの電力危機は克服できない。

●インド,原油高騰,企業が政府に対して,省エネ技術移転を要請

現在,インドの電力損失の低減やエネルギー効率の向上,省エネルギーなどの問題について,JICAを先頭に日本の技術陣が,支援体制にある。今日の記事では,原油の高騰に戦く産業界が,政府に対して,省エネルギーの技術移転に関しての補助金の設定や,関税の見直しなどを要求したもので,JICAなどもこれらの動きと連携しながら,協力を推し進めたらよいと思う。


4 参考資料

2008年1月22日分

電力一般


●080122A 経済産業省,1月20日23時0分配信産経新聞
経産省、水力発電の支援制度拡充 地球温暖化対策
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080120-00000944-san-bus_all

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080122B Philippines, Sun Star
Hedcor,ダバオ市付近の8つの村落で,3つの流れ込み式水力
Hedcor inks MOA with city villages for power project
http://www.sunstar.com.ph/static/dav/2008/01/21/bus/hedcor.inks.moa.with.city.villages.for.power.project.html
●080122C Philippines, Manila Bulletin
ERC,卸売市場WESM創設で90億ペソの判断,来月にも
ERC set to rule on P9-B PSALM claim
http://www.mb.com.ph/BSNS20080121114959.html
●080122D フィリッピン,1月21日8時0分配信 NNA
【フィリピン】国際金融公社、対比投資4倍の5億ドル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080121-00000008-nna-int

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080122E India, Economic Times
原油高騰,企業が政府に対して,省エネ技術移転を要請
Cos want govt help for energy-efficient tech
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Cos_want_govt_help_for_energy-efficient_tech_/articleshow/2716535.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080122F China, China View
中国副首相,エネルギー確保へ更なる努力を要請
Vice premier urges more energy output to ensure supply
http://news.xinhuanet.com/english/2008-01/20/content_7460076.htm


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月21日分 ー 京都議定書の期間延長は中国の主張 ー

フィリッピンが,京都議定書の2012年以降の延長を睨んでバイオマスのプロジェクトの活性化を期しているが,京都議定書の延長を言い始めたのは,バリ会議に於ける中国で,もしポスト京都を全く別の枠組みで考えるならば,先進国はまず京都議定書の義務を完遂せよ,出来なければ京都議定書を延長せよ,と発言したのが始まりである。日本は,米国の入らない京都議定書は効果がない,改めて新しい枠組みを,と言っているわけで,あまり表には出てきていないが,中国と日米は,と言うよりは,中国と日本は真っ向から対立している構図である。

このように日本は,心は京都議定書を通り越して,ポスト京都を論ずるダボス会議や洞爺湖サミットに言ってしまっているわけだが,今日の日本経済新聞は,EUでの排出権取引が急増し,2007年では取引高が22億トンに達したと報じている。EUは,米国が入ろうとはいらまいと,中国が何を言おうと,日本が京都議定書を反古にしてポスト京都に走ろうと,彼らは何がなんでも,数値目標とその義務を達成するために,必死の戦いを繰り広げている。根本は企業に削減義務を押しつけているところにあり,それがCDM市場の活性化を生んでいる。

日本の場合は6000万トンレベルの議論であり,EUのCDM市場の規模は20億トン規模である,地球全体では230億トンの規模の話である。米国の政権が変わって,EUと米国が共通のCDM市場を確立したときには,日本は完全に議論の外におかれてしまう。もっとも,地球にとっては日本がはずれてもあまり大きな影響はないが,日本の叡智は,世界の重点テーマー,インドネシアの森林,中国の森林,東南アジアの原子力,インド周辺の水力,などに向けられるべきだと思う。


1 今日の概要

フィリッピンの環境企業が,CDMについて頑張っているが,フィリッピンはバイオマス中心で,あまり私は関心がない。ただ,この記事が,バリ会議の結果として京都議定書の延長を視野に入れているところに,中国との関係から注目している。中国は原子力開発で,フランスのアレバ社と190億ドルの大商談を進めているが,核処理技術の移転を巡って,中国側が攻勢に出ている。フィリッピンの送電公社は中国国家電網に身売りされるが,国会承認が必要で,何が起こるか分からない雰囲気。インドのパンジャブ州で,200万KW石炭火力プロジェクトが,入札予備審査を終了,日本企業の名前はない。


2 目次

●京都議定書の期限が2012年,フィリッピンにとってチャンス
●中国,核再処理技術の移転求める…仏原発企業と交渉
●フィリッピン,PSALM,送電公社権利委譲の企業へ,フランチャイズ要請
●インド,パンジャブ州の200万KWタルワンディサボ石炭火力,リライアンスなど


3 本文

●京都議定書の期限が2012年,フィリッピンにとってチャンス

フィリッピンのCDMに対する関心はバイオマスに集中していて,それほど大規模でもないし,バイオマスが果たして地球を救えるのかどうか,私は疑問を持っている。ただこの記事では,京都議定書の延長に期待をかけているところに特徴がある。記事では,バリ会議で園長の可能性が出てきた,と書いているが,実際には中国が先進国の努力がまず必要だとして,先進国に数値目標を課した京都議定書を捨てて,ポスト京都に走るのはおかしい,と発言しているので,この流れをくんだ記事とも言える。でも,私の主張は,京都議定書は地球を救えない,ポスト京都で,もっと効果的な温暖化抑制の方法を追求すべきだという意見である。

●中国,核再処理技術の移転求める…仏原発企業と交渉

九江火力でもそうだった,三峡ダムでもそうだった,中国は契約の条件は必ず技術移転を伴うことをまず要求してくる。今回の契約は,昨年11月に訪中したフランスのアレバ社のロベルジョン会長が,「民間原発史上最大の記録的な契約となる」,と豪語したように,第3世代欧州加圧水型炉(EPR)原発2基の建設契約の建設契約で,総額119億ドルという大規模な受注戦争である。この核処理技術は,まだ日本も含めた先進国だけが持っている技術で,フランスがこの中国の技術移転の要請に応じざるを得ない,とされている。

中国への原子力商戦は熾烈を極めている。中国が,原子力発電の比率を増やして石炭火力の負担を小さくすることは,ポスト京都の重大なテーマーで,インドと違ってNPTで認められた核保有国であり,核処理技術の移転にも燃料供給にも,国際的な問題は何もない。いよいよ中国が核処理技術を手にすると,名実ともに中国は先進国の仲間入りをするわけだが,移転が終了するまでには10年はかかるとされている。

●フィリッピン,PSALM,送電公社権利委譲の企業へ,フランチャイズ要請

フィリッピンの電力供給の心臓部を握る国家送電公社の運用委譲は,国際入札の結果,中国国家電網を中核とするモンオログループに落札と決まり,その委譲の手続きに入っている段階だが,まだいろいろと複雑な手続きが残っているようだ。中国電網がフィリッピンの電力供給の中核を握ると言うこと自体,我々にショックだが,フィリッピン議会も,何らかの心証を持っているのではないか。一企業ならともかくも,中国の国家が所有する送電公社なのだから。

記事によると,法律に従って,モンオログループの方からフィリッピン国会に説明申請して,フランチアズ,すなわち運用委譲の特権の付与を受けなければならない,と言うことで,モンオロ側にボールが投げられた形なのだ。それにもまして問題なのは,入札に敗れたグループが,入札手続きの不正の訴えをマカティ高裁に出していることで,これが決着しないと,PSALMはモンオロに対して完全合意書を発行できない。フィリッピンも何をしているのかと言いたい。そのようなことをやっている暇があったら,国家送電公社は,早く次の電源開発の手を打たなければならないのに。

●インド,パンジャブ州の200万KWタルワンディサボ石炭火力,リライアンスなど

UMPPではないが,電力不足のパンジャブ州政府が進める200万KW石炭火力タルワンディサボの入札企業の予備審査が終わったところである。10者ほどが審査を通過しているが,日本企業の名前はない。この記事を読んでいると,インドの火力の入札への流れが端的に理解できる。

このパンジャブは石炭産地から離れているので,まず石炭省の石炭供給許可を受けなければならない,これは既に州政府によって年間870万トンの石炭が確保されている。またこれを輸送するために,国鉄の承認も取っている。土地は州政府が手当をして,2月中旬にも引き渡し可能,環境審査は,中央と州で,既に審査が進んでいる,入札後の着工命令は,今年の7月末にも出したい,と州政府は言っている。また,石炭を運ぶプロジェクトか,大変だな。


4 その他

●インド,電力分野の各機関トップ交代,時代の変革へ
●中国,「南水北調」、北京への五輪前給水にめど 年3億kl


5 参考資料

2008年1月21日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080121A Philippines, Manila Bulletin
PSALM,送電公社権利委譲の企業へ,フランチャイズ要請
TransCo bidder advised to get franchise
http://www.mb.com.ph/BSNS20080120114842.html
●080121B Philippines, Manila Bulletin
京都議定書の期限が2012年,フィリッピンにとってチャンス
Kyoto Protocol extension opens capital-generating opportunities
http://www.mb.com.ph/BSNS20080120114839.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080121C India, Economic Times
パンジャブ州の200万KWタルワンディサボ石炭火力,リライアンスなど
RPL, L&T qualified for Talwandi Sabo power project
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/RPL_LT_qualified_for_Talwandi_Sabo_power_project/articleshow/2714089.cms
●080121D India, Economic Times
電力分野の各機関トップ交代,時代の変革へ
Power sector PSUs to see change of guard
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Power_sector_PSUs_to_see_change_of_guard/articleshow/2714517.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080121E 中国,1月19日21時6分配信 毎日新聞
<中国>核再処理技術の移転求める…仏原発企業と交渉
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080119-00000097-mai-cn
●080121F 中国,「人民網日本語版」2008年1月19日
「南水北調」、北京への五輪前給水にめど 年3億kl
http://j.peopledaily.com.cn/2008/01/19/jp20080119_82768.html


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月20日分 ー インド人は送電をエバキュエイトと言う ー

「アダチさん,インド人はエバキュエイトという英語を送電と言う意味に使うらしいですよ。」,とメールをくれたのは日本工営のベテラン,片山陽夫さん。この話は昨日の,「インドの新水力開発方針,省間で紛争を巻き起こしている」,の記事の話で,第2パラグラフがさっぱり分からないと苦闘していた事件に対する話である。片山さんのメールに続いてすぐに公的機関のインド駐在をしている友人からもメールをもらって,明快に文章を解明してくれました。

「インドでは エバキュエイションは発電所からの送電線をさしており,北東州で計画されている40,000〜50,000MWの電力を送電するために,20,000〜30000MWの容量のある送電線を2系統整備する必要がある,といったあたりの訳になるものと思います。」。実に明快ですね。発電された電力はどこかに待避させなければならない,それは送電線だ,と言う読みが出来なかったことはお粗末だったが,分からなかった。片山さん,それにインド駐在の友人,それに一緒に悩んでくれたT君に感謝。

ところでそうなると,もう一度原文にかえると,閣議決定された新水力開発政策に関して計画委員会が作成した電力省を叱ったものだが,電力省はそのような大きな送電線の先行投資を伴うプロジェクトで,一体電気料金をどう考えているのか,重要な視点が欠けている,と言っているわけで,これでは専門家の集団である電力省の立つ瀬がありませんね。

インド駐在の友人によると,「北東州から他の地域に送電する際にはバングラデシュを避けるために西ベンガル州の北部の狭小な地区に大容量の送電キャパシティを設置する必要があるので,このあたりも懸案になってくる。」,と解説してくれました。


1 今日の概要

IFCがフィリッピンに5億ドル支援,主たる案件は,マガット水力買収のアボリッツと,マシンロック買収のAES,新規電源を放っておいて,資産売却だけ支援していて良いのだろうか。チベットの開発進む,今年37億ドル投入,鉄道の他ザンム水力プロジェクトの着工も。ベトナムのEVNがカンボジア領内のセサン河に50万KW水力を建設へ。パキスタンのWAPDAは1800万KW相当の水力の報告書をまもなく完成,でも資金調達の可能性は,政局混乱から,見通しが立たない。


2 目次

●IFC,フィリッピンへ5億ドル支援,マガット水力など
●中国,チベットの開発進む,鉄道延長や水力開発など
●ベトナム,EVN,セサン河で二つの水力発電所建設へ
●パキスタン,WAPDA,FS報告書を準備中,水力1800万KW


3 本文

●IFC,フィリッピンへ5億ドル支援,マガット水力など

IFC,世界銀行グループで主として途上国の民間投資を国際金融機関だが,フィリッピンの比較的堅調な経済成長と最近落ちついてきた政治環境から,昨年の1億3000万ドルのフィリッピンへの支援を,一挙に5億ドルに増やすという。主としてインフラ建設とエネルギー分野であるが,具体的に上がっている案件は,36万KWマガット水力発電所を買収したアボリッツと,マシンロック石炭火力を買収したAESを対象としている,と報じた。

これはやはり銀行から見て魅力のある投資,と言うことなのであろうが,私はいつも疑問を感じている。IFCは当然,国際的な公的金融機関である。民間投資を助けるという趣旨には添っているが,既設設備の買収行為は,フィリッピンでは民営化の一環だと考えられている,しかし,経済全体から見ればゼロサムゲームで,社会資本の蓄積にはなっていない。これを支援するなら,新規電源を探すべきではないか。

問題は,フィリッピンが資産売却にうつつを抜かしているところにあり,新しい発電所の建設を全然考えていない。インドネシアは,電力危機を目前にして政府の強力な主導でクラッシュプログラムを遂行中である。電力不足のインドも,UMPP,大規模石炭火力群の建設を,政府主導で進めている。フィリッピンが,まず資産売却して競争市場を創出し,新規電源はそれからだ,と考えているならば,遅きに失するのは明々白々である。

●中国,チベットの開発進む,鉄道延長や水力開発など

中国の人自身が言っていたが,英語で書かれると地名が分からなくなってしまって困ると。ましてや私たちは,英語から漢字に書き換えるためには,大変な努力を要する。ここではそのような面倒なことはやらない。チベットの鉄道延長254km,これはラサとシガゼを結ぶもので,約14億ドル相当をかけて2010年に完成するという。今年の計画は,この鉄道を含めて総額37億ドル相当で,10のプロジェクトであるが,その中には,ザンム水力発電所の建設が含まれている。

●ベトナム,EVN,セサン河で二つの水力発電所建設へ

ベトナムのEVNがいよいよカンボジア領域に入ってきて水力建設に着手する。セサン河はメコン左岸の大流域の支流で,上流ベトナム領域では多くの水力が建設されている。セサンは大きな川で,工事も大変だと思うが,ベトナムは既に可能性調査を終了しており,ラッタナキリとクラトレ地域で二つの発電所を建設する。出力は二つで50万KW,電力の一部は,ベトナム南部へ供給される。

●パキスタン,WAPDA,FS報告書を準備中,水力1800万KW

2週間後に報告書が完成する,その総出力は1800万KWで,電力危機のパキスタンを救うものである,と宣言してみても,今のパキスタンにとっては資金調達が最大の問題であり,混迷する政局を睨んで,なかなか電力への投資企業は見つからないのが現状である。今のパキスタンには,危機以外に何も資源がないと同様である,と書いた記事もあった。


4 参考資料

2008年1月20日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●080120A Vietnam, VNA
EVN,セサン河で二つの水力発電所建設へ
EVN constructs two hydropower plants
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=03ECO180108

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●080120B Pakistan, Daily Times
WAPDA,FS報告書を準備中,水力1800万KW
‘18,000 MW hydropower projects soon’
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C01%5C18%5Cstory_18-1-2008_pg7_39

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080120C Philippines, Inquirer
IFC,フィリッピンへ5億ドル支援,マガット水力など
IFC to quadruple loans to Philippines
http://business.inquirer.net/money/breakingnews/view/20080119-113400/IFC-to-quadruple-loans-to-Philippines

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080120D China, China Daily
チベットの開発進む,鉄道延長や水力開発など
Construction of Qinghai-Tibet railway extension to begin
http://www.chinadaily.com.cn/china/2008-01/19/content_6406216.htm


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月19日分 ー インド人の英語は難解である ー

「インドの新水力開発方針,省間で紛争を巻き起こしている」,と言う記事の英文には参った。それを解き明かすのに随分時間を食ってしまって,昨日一日悩んでいた。ことが,なかなか興味のありそうなものなので,つい考え込んでしまって,私たちの仲間でもっとも英語がうまいと言われるT君にメールで相談したが,彼も唸ってしまった。英語も分かり,水力開発もわかり,インドも分かる私たちが,どうしてこのインドのサイトの英語が分からないのか,ひょっとしてインドの英語が悪いのではないか,と思ってしまう。

直訳すると,「それぞれ2000万〜3000万KWの待避出力を持った二つの回廊は,提案されている北東地域全体からの待避出力4000万〜5000万KWと見なされなければならない。」,何のことかさっぱり分からないが,背景としては,北東地域の中国との国境問題や,プラマト川上流の中国の水資源開発が関係しているのかも知れない。誰か,この英文に挑戦してくれませんか。

T君のメールの一部を借用しますが,彼も全然自信なし,と言っています。「たしかに こまりますね。普通の意味は避難とか撤退とかでしょうが,強制移住みたいなときも使われますから,水没で移転かと思いましたが,evacuate されるのが人間ではどうもなくて,電力とかいてありますし,orridor (=とおりみち)という言葉から 一生懸命推測するに、corridor (水系)を流れる水が”抜かれて?” (=evacuate されて) タービンを通って 電力に ということでしょうかね。 evacuate されるのは だから 水!Corridor は水系で いっぱい発電所がCascade 上にならんだイメージでしょうか。。」,これも何を言っているのかさっぱり分からない。


1今日の概要

昨日のインターファックスは中国南部系の電力危機を報じたが,人民日報は平然と,全国の需給バランスは好調と報じた。特に石炭火力の国産脱硫装置が,先進国の20%のコストで出来ると強調した。インドの新水力開発政策,閣議決定後も計画委員会からその欠点を指摘され,紛糾している,問題は北東辺境のインフラ問題である。タイは15年間で現在の2800万KW設備を倍の5800万KWにする必要がある。タイで昨年に制定されたエネルギー基金による電源地元への貢献は順調に推移している。メコン外相は地域投資セミナーでパネルディスカッション,カンボジア代表は,昆明とシンガポールを結ぶ鉄道計画に言及した。


2 目次

●中国,電力需給のバランスを維持
●インドの新水力開発方針,省間で紛争を巻き起こしている
●タイのこの先15年間,電力需要が急増,2倍近くに
●タイ,エネルギー大臣,エネルギー税基金は,地域に貢献と
●メコン地域投資促進セミナー開催


3 本文

●中国,電力需給のバランスを維持

昨日は,インターファックスの中国南部系統に於ける石炭供給不足に伴う大規模な電力不足が報じられたばかりである。最初のころは,私も人民日報を大いに参考にしてきたが,最近にいたってエネルギー関係の報道は,どうも紋切り型が多くて,問題になっていることは殆ど報道されないことに気づき始めた。既に7億KW以上の設備になっているので,それなりに需給は緩和しているとは思うが,昨日の南部電力危機はどうしたのか。

ただこの記事の中で注目するのは,「排煙脱硫装置を取り付けた火力発電ユニット数は全国総数の半数に達し,「十五」(第10期5カ年計画,2001〜2005年)末と比較すると53倍以上になった。排煙脱硫装置は国産化が推進され,製造コストや運営コストを大幅に削減した結果,国産の排煙脱硫装置の製造コストは,先進国の5分の1程度に抑えられた。」,と言う記述である。

少し前までは,例え円借款で建設された石炭火力でも,その国の実情に併せて環境装置を省略する例があったが,もう中国でもそれは許されず,インドでも義務化が近いのではないか。この脱硫装置は非常に高価で,途上国の大きな負担となっているが,今中国が世界に建設しようとしている石炭火力,インドネシアやタイ,更にはスリランカなど,脱硫装置が先進国の5分の一の値段,と聞かされると,やはり日本企業は太刀打ちできないのか,とため息をついてしまう。

●インドの新水力開発方針,省間で紛争を巻き起こしている

この記事は主として北東地域の水力開発に関して言っているものである。昨日の記事では,ウッタランシャルの水力プロジェクトで,新基本政策通り外国資本に解放してしまったら,国境問題で揉めている地域にどっと中国企業がブルドーザーを押し立てて入ってくる,と言う問題であった。今日の記事はちょっと趣を異にする。要するに,北辺水力を開発するために電力省が作成した開発方針が閣議決定した後,計画委員会や国境を管理する省庁から異議が出て,電力省が袋だたきにあっている,と言うことである。

計画委員会が言っているおおかたの趣旨は,北東部の水力開発には膨大なインフラ建設が必要である,それはここのプロジェクトだけに使うものではなくて,地域全体で使うものであるのに,開発方針の中ではその点が触れられていない,というのが基本的な主張だと思う。それに関連して,耐用年数間の均等経費の問題にも触れている。

たださっぱり分からないのが,第2のパラグラフで,私の友人の中でもっとも英語に精通していると言われているT君に相談したが,かれもこれは難しい,と唸っていた。直訳してみると,「それぞれ2000万〜3000万KWの待避出力を持った二つの回廊は,提案されている北東地域全体からの待避出力4000万〜5000万KWと見なされなければならない。」,何のことかさっぱり分からないのですが,誰かなんとかなりませんかね。しかし,かなり重要なことを言っているように思われる。

●タイのこの先15年間,電力需要が急増,2倍近くに

タイの需要の伸びと供給力構成について,長期的な見通しを述べている。2007年に急激な需要の伸びを見たので,これを元に考えると,2021年には,現在の設備出力2780万KWを倍の5800万KWにしなければならないだろう。現在の66%に達する天然ガスへの依存は,輸入石炭や輸入水力で薄められては行くが,決定的な決め手は,2015年から2021年に投入が予定されている原子力で,その比重は一気に9%に達する。と言うわけで,全体的には原子力の重要性を強調したものである。

●タイ,エネルギー大臣,エネルギー税基金は,地域に貢献と

日本では昭和40年代に導入された電源地元への交付金の話である。タイでは昨年の7月に導入されて,既に18.87億バーツ,約6000万ドル相当が実際に動いているという。税金はKWh当たり,水力と石炭火力が0.02バーツ,0.064セント相当,石油火力が0.015バーツ,0.048セント相当である。最も多いのはマモー火力で143百万バーツ,4.6百万ドル相当である。原子力については現在議論が進んでいる。全体的にこの制度が落ちつきつつあると言うことか。

●メコン地域投資促進セミナー開催

メコン外相会議に平行して行われた国際機関・日本アセアンセンター(東京都中央区)が主催した同セミナーである。ADB中日代表を初め,参加した関係国の外相がパネルディスカッションに参加したが,特徴的な発言はカンボジアの外務大臣で,昆明からシンガポールまでの鉄道が検討されており,これが完成すれば,ASEANプラス中国という構図が成立する,と日本側を刺激した。


4 その他

●パキスタン,WAPDA,水力1800万KW分の報告書,まもなく完成
●天然ガス「西気東輸」第2ライン、2010年に運用開始―中国


5 参考資料

2008年1月19日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●080119A Thailand, Energy Tribune
タイのこの先15年間,電力需要が急増,2倍近くに
Thailand’s Booming Energy Demand
http://www.energytribune.com/articles.cfm?aid=767
●080119B Thailand, Bangkok Post
エネルギー大臣,エネルギー税基金は,地域に貢献と
Energy fund to benefit communities
http://www.bangkokpost.com/Business/18Jan2008_biz40.php

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●080119C Pakistan, Daily Times
WAPDA,水力1800万KW分の報告書,まもなく完成
‘18,000 MW hydropower projects soon’
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C01%5C18%5Cstory_18-1-2008_pg7_39

ODA一般

●080119D メコン,1月18日8時0分配信 NNA
【ベトナム・インドシナ】メコン地域投資促進セミナー開催
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080118-00000007-nna-int

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080119E India, Financial Express
インドの新水力開発方針,省間で紛争を巻き起こしている
Hydro policy spurs powerplay between ministry, Plan panel
http://www.financialexpress.com/news/Hydro-policy-spurs-powerplay-between-ministry--Plan-panel/262563/

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080119F 中国,1月18日11時2分配信 Record China
天然ガス「西気東輸」第2ライン、2010年に運用開始―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080118-00000003-rcdc-cn
●080119G 中国,「人民網日本語版」2008年1月17日
中国、電力需給のバランスを維持
http://j.peopledaily.com.cn/2008/01/17/jp20080117_82700.html


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月18日分 ー 中国南部は石炭供給不足で電力危機 ー

1989年,天安門事件直後に訪中した話はしたが,あの時に九江に下るべく武漢に宿泊した。寒かった,長江を夜行旅客船で下って九江に上陸したときは,寒くて寒くて九江上陸を思い出して思わず,「敵は幾万ありとても」,と口ずさんであると,通訳の女性から,「アダチさん,止めて下さい,中国の方はこの歌を皆知っていますから。でも,真っ暗な港について,用意された寒い寒いホテルに案内されたときは辛かった。

その武漢に宿泊したときに,長江にかかる鉄橋を見て,この鉄橋一本で石炭を運んで行くのか,と驚き,下流で石炭火力を計画していたから,一日何トン必要で貨車が何トン積めて,何両編成で,何分おき,とか計算していると,殆ど列車が繋がってないと石炭が供給できないのではないか,と疑ったことがあった。それほど石炭の運搬は大変なのである。しかもそれが,全く途切れては駄目なのであるから。

その後は長江に鉄橋が何本もかかったり,西電東送で,山元で発電して送電線で沿岸部に送るなど,大きく状況は変わってきてはいるが,発電の70%近くを賄う中国は,大変だなあと思う,インドも同じである。今日はインターファックスが,石炭不足から電力危機に陥っている中国南部系統の記事を見て,さもありなんと感じた次第。


1 今日の概要

中国は,古い炭坑の事故が増え生産効率も悪いことから,中小炭坑を閉鎖してきたが,その影響をまともに受けた雲南省などの南部系統は,石炭火力が石炭不足で稼働できなくなり,800万KWにも上る電力不足に遭遇している。日本政府は,月末に迫ったダボス会議に向けて,温暖化防止の数値目標で悩みに悩んでいる,ピークアウトという考え方も出てきた。いよいよネパールとインドを結ぶ送電線が動き始めた。タイのEGATは夏シーズンの訪れで,省エネルギーのPRに懸命である,ピーク値は23,344MWと予想されている。日メコン外相会議,1万人の高校生ら招待と2000万ドルの無償供与が提案された。

2 目次

●中国南部,6%電源落ちで,電力不足が拡大
●ポスト京都,削減目標受け入れ=首相,ダボス会議で表明へ−サミットで指導力発揮
●ネパールとインドを結ぶ送電線,年内にも着工へ
●タイ,EGATのピーク,2.3%伸びの23,344MWに
●日メコン外相会議,交流強化や経済協力で連携


3 本文

●中国南部,6%電源落ちで,電力不足が拡大

中国の報道ではなかなか実態を知ることは難しい。ロシアのインターファックスは中国の問題点を時々解説付きで報道しているので,面白く利用価値が高い。今日のニュースも,中国国内の主要サイトでは報道されていないもので,最近の電力不足の報道がなかっただけに,かなり衝撃的なニュースである。ただ,雲南省で行われた年次総会での報告なので,雲南省や四川省ではよく知られた問題なのであろう。発電所を建設して総設備が8億KWにも届こうとしている状態で,供給不足は解消に向かっていると理解されていた。

私たちも言ってきたが,お金さへあれば発電所は幾らでも出来る,問題は燃料がついてくるかどうかの問題だと。特に石炭は,輸送が非常に困難で,一旦バランスが崩れると大変なことになる。最近になって,中央政府は石炭事故が多いことに対処するため,中小炭坑の閉鎖を進めてきた。この中小炭坑が最も多いのが雲南省と四川省で,この影響をまともに受けた両省の石炭火力が,石炭不足に陥り,6%近くの設備が稼働不能に陥っているという。

記事によると,中国南部で今年の第1四半期には600万KWの不足が生じ,ピークである夏には800万KWの不足が生じたという。これらはすべて,石炭の供給不足と価格の高騰の結果と報告されている。この地域で閉鎖された炭坑の生産量は,2億5000万トンと言うから,相当な量である。因みに,中国の石炭の可採埋蔵量は1,150億トンで,2006年に於ける生産量は23.82億トン,消費量は23.8億トンである。

石炭の価格は,トン620元,ドルで85.4ドルまで上昇しており,また鉄道輸送量は,石炭需要が140百万トンも年間で上昇しているのに,鉄道輸送量は80百万トンしか増大していないと言う矛盾点もある。ベトナムの発展時にも見られたが,とにかく,発展段階にあって常にものの需給が激しく変動しているときには,中央政府の政策が揺れに揺れる。その調整の犠牲になっているのが,南部の電力であろう。


●ポスト京都,削減目標受け入れ=首相,ダボス会議で表明へ−サミットで指導力発揮

とこの記事では書かれているけれども,今朝の朝刊では,政府はまだ揺れに揺れている。数値目標を出したのはいいが,また米国の反対で日本の姿勢をぐらつかせたのでは,今度は世界から信用してもらえなくなってしまうだろう。ダボス会議は今月末であるから,まだ2週間ほどあり,政府内はまだまだ揺れ動くのではないか。今日のニュースでは,ピークアウトの時期を設定して提案してはどうか,と言う発想が出てきている。ピークアウトとは,全体として炭酸ガスが減り始める時期を言う。

でもこのピークアウトは,ある国は排出が増えながら,ある国は減って行くという,曲線の重なり合いを言うから,それはそれで大変な分析と交渉の問題になってしまって,かえって数値目標より難しいかも知れない。私は,ここの国の責任ではなくて,大きいものからつぶして行く,という方式がもっとも効果的だと思う。森林と原発と水力である,後は殆ど何をやっても影響が微細である。

●ネパールとインドを結ぶ送電線,年内にも着工へ

簡単な記事であるが,ネパールの政治情勢が落ちついてきて,いよいよ具体的な電力輸出の話が具体的に始まったと言うことか。協議をしているのは,ネパール電力庁NEAとインド側のインフラサービス機関IILFSで,最終的にはネパールのアルン3水力やカルナリ水力の電気をインドへ輸出するが,最初の段階では,逆にネパールの電力危機へ対応することになる。今年中にも着工する区間は,ネパールのダルクバールとインドのムジャファルプール間だという。地球を救うためのインド周辺の水力開発,ネパールの電源が軌道に乗り始めた。

●タイ,EGATのピーク,2.3%伸びの23,344MWに

タイのEGATが,これからの夏に向かって,省エネルギーへの努力を要請している。この辺りはタイの人々は結構真面目なんですね。あまり影響もないのに一生懸命バイオマスを開発したり。出てくる数字を整理しておくと,今年の夏のピークは,2.3%伸びの23,344MWである。室温を1度上げると,電気代が15%節約できる,このことは日本やオーストラリアで成功している,と報道している。

●日メコン外相会議,交流強化や経済協力で連携

1万人の高校生らを日本に招き,東西回廊のために2000万ドルを無償供与,と日本政府はメコン諸国を日本につなぎ止めるために必死である。何と言っても,日本の常任理事国入りを彼らが中国に牽制されて手を挙げてくれなかったショックが大きかった。カンボジアの外相が,北朝鮮との特別の関係を切り札に,結構新聞を賑わせている。


4 その他

●フィリッピン,ADB,資産売却で,送電公社,カラカ案件を支援
●インド,財政危機のマハラシュトラ電力局,電気料金値上げへ
●ベトナム銀行など,セサン4水力プロジェクトへ51百万ドル


5 参考資料

2008年1月18日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●080118A Vietnam, Thanh Nienh
ベトナム銀行など,セサン4水力プロジェクトへ51百万ドル
Banks finance $51 mln for hydropower plant
http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=35069

タイ
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●080118B Thailand, Bangkok Post
EGATのピーク,2.3%伸びの23,344MWに
Power-saving measures pushed
http://www.bangkokpost.com/Business/17Jan2008_biz43.php

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080118C Philippines, Manila Bulletin
ADB,資産売却で,送電公社,カラカ案件を支援
ADB to extend co-financing to TransCo, Calaca plant
http://www.mb.com.ph/BSNS20080117114567.html

ODA一般

●080118D 日メコン,1月17日10時6分配信 毎日新聞
日メコン外相会議 交流強化や経済協力で連携
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080117-00000012-maip-pol

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●080118E Nepal, Nepal News
ネパールとインドを結ぶ送電線,年内にも着工へ
Transmission line construction to begin
http://www.nepalnews.com/archive/2008/jan/jan17/news03.php

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080118F India, Economic Times
財政危機のマハラシュトラ電力局,電気料金値上げへ
Power bills in Maharashtra likely to go up
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power_bills_in_Maharashtra_likely_to_go_up/articleshow/2706451.cms

環境一般

●080118G ダボス会議,1月17日3時1分配信 時事通信
ポスト京都、削減目標受け入れ=首相、ダボス会議で表明へ−サミットで指導力発揮
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080117-00000018-jij-pol

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080118H China, Interfax
中国南部,6%電源落ちで,電力不足が拡大
Power shortage in southern China to widen after closure of 6 pct power generation capacity
http://www.interfax.cn/displayarticle.asp?aid=30499&slug=CHINA-ENERGY-POWER


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月17日分 ー インド高官達を襲う北辺水力の悪夢 ー

英系ファンドのJパワー株式買い増し問題で,経済産業省が厳しい判断の瀬戸際に立たされている。経済産業省は英系ファンドの20%保有を拒否する可能性が高いと思うが,昨日までの動乱の株式市場の状況を見ていると,拒否判断が更に外国勢の日本株売りに繋がる可能性もあり,実際に下がった場合には,内外の投資家から経済産業省が袋だたきに合う可能性がある。それでも20%は容認できないのだろうな。

電力が国の安全保障と繋がっている,と言う考え方は,最近特に東南アジアで広がっている。PLNの民営化で裁判所がノーを示したし,タイではEGATの株式上場が目の前に迫ったある日突然,憲法裁判所が民営化違憲の判断を下した。日本の場合はそれでもこれらのケースとは違うが,それでも過去の特殊法人の栄光の中で走ってきた電源開発に,外国資本,特に今後中国資本が入ってきたら,日本人はどういう反応をするだろうか,まあ英系なら良い,とは言わないけれども。

今日の記事解説の中のインドの北辺水力も,少し意味合いは違うが,電力の安全保障との関係を考えさせられる問題である。中国とインドが国境問題で揉めているときに,国境からわずか50km入ったところに,中国企業が大挙して入ってきて発電所を建設する,今インド政府の高官達は悪夢に悩まされている。


1 今日の概要

インド政府は北辺,中国との国境付近の二つの水力の民間誘致問題で,中国国境からの中国企業の国際入札への乱入という新たな国防上の問題点に頭を悩ませ始めた,でも基本は外国資本を拒否しない原則である。インドネシアの1000万KWクラッシュプログラム,資金調達の完了期限を目前に,主として中国系金融機関との激しい交渉が行われている。オーストラリアがインドへのウラン売却を拒否,インドの原子力にまたしても黄色信号がともる。中国のインフレ問題は微妙な段階,電気料金をいつまで抑えられるか。インド投資ミッション,デリーとムンバイの産業大動脈構想を中心に,日本企業の進出が期待される。


2 目次

●インド,中央政府,北辺水力への外資参入を認める
●インドネシア,PLN,クラッシュプログラムの資金,ローンで確保と
●インドにウラン売却せず=米印原子力協力に深刻な影響も−豪州
●中国,電気代,値上がりは時間の問題か
●インド投資ミッション,東芝など43社参加,産業大動脈構想に期待


3 本文

●インド,中央政府,北辺水力への外資参入を認める

インド北辺の水力開発は,インドにとっても大切だが,地球にとっても大切だ。今,インド政府内が北辺の水力開発で大もめに揉めている。それはシン首相の北京訪問と無関係ではない。インド北東部最北端の州ウッタランシャル,そこは中国と国境を接して,未だに国境確定問題で中国との間で紛争中である。この国境から50kmと離れていないところに,コトリベル1A水力24万KW,コトリベル1B水力28万KWの二つの重要な水力プロジェクト地点がある。

インド北辺の水力開発については,既に昨日も解説したとおり,民間資本に投資意欲を引き起こさせるような新しい政策が打ち出されている。シン首相も温家宝首相との間で,国境問題の解決や中国経済のインドへの進出を促している。この国境の二つの水力プロジェクトについては,この民間開発の趣旨に添って進められており,NHPCのHPによると,中央の計画委員会が開発を原則承認した旨の記述がある。

ところが問題はである,この二つのプロジェクトを国際入札した塗炭に,今まで手をこまぬいて待ちかまえていた中国企業が,国境を越えてどっと入ってくる気配なのである。ブルドーザーを押し立てながら,まるで中国の軍隊が雪崩を打ってインド領内に流れ込むシーンが,インドの高官達の頭をよぎり始めたのである。

基本的に,インド政府はこの事態を認識した上で,水力開発の必要から,二つのプロジェクトの民間開発を承認しており,どの様な手続きを取るかについて電力大臣に一任した形である。電力大臣は,国境の住民問題などを管掌する外務省などの省と協議を続けている。昨年の12月17日に関係次官会議が行われ,その議事録が漏れ出ているが,現在策定中の外国投資法案は微妙な情勢にある国境付近の外国投資に関する配慮が欠けている,と書かれている。日本企業は,このような中に割ってはいる人はいないか,でも案外歓迎されるかも知れない。

●インドネシア,PLN,クラッシュプログラムの資金,ローンで確保と

中国の支援で順調に推移しているかに見える1,000万KW石炭火力のクラッシュプログラムだが,2009年運転開始をターゲットとした場合,この2月にも企業者とのEPC契約を結ぶ必要があるので,資金調達が急がれるところである。エディ総裁の説明によると,2月に19億ドルのパッケージのローンが6銀行の協力で決まるはずで,これは5プロジェクトの40%をカバーできる内容とのことである。全体では49億ドルを必要としている。

中部ジャワの60万KWレンバンと西ジャワの60万KWインドラマユの10億ドルは,中国銀行などを中心に調達される見込みで,更に,バンテンの60万KWラブアン,東部ジャワの60万KWパイトンバル,バンテンの60万KWスララヤについては,中国系の金融機関と交渉中という。いずれにしても,中国企業と中国金融機関の独断場で,Jパワーのポリシーではないけれど,日本としては,石炭火力は中国に任せておけ,と言うことか。

●インドにウラン売却せず=米印原子力協力に深刻な影響も−豪州

インドの原発がウラン不足で十分に稼働していない,と知ったのは最近であるが,米国との原子力協定が円滑に行けば燃料供給については問題がない,と高をくくっていた関係者は,突然背中をどやされた感じである。オーストラリアは元々米国が同意すればインドにウランを供給するつもりでいたのだが,政権交代でそれがうまくいかなくなった,NPT加盟国以外にウランを売らない,と言う選挙公約だというのである。インドの原発が動かなければ,石炭発電が増えて地球の温度が上がる。

●中国,電気代,値上がりは時間の問題か

いろいろ探ると,中国経済の今一番の問題はインフレ動向のようだ。年6.9%と発表されているが,豚肉が4倍に跳ね上がったとか,市民はこの政府の発表を信じていない。人民元の更なる切り上げが必要なのだが,これも急激な操作によると何が起こるか分からない,そういう中国経済の転換点を匂わせるような兆候を前にして,政府は,電力会社の値上げ要求をがんとして拒否している。どこまでこの姿勢が持つかと言うことである。

●インド投資ミッション,東芝など43社参加,産業大動脈構想に期待

このインドのデリーとムンバイを結ぶ産業大動脈構想は,最初のインドとの協力でうちだされているが,その後の,メコン東西回廊やアフリカ道路網整備協力,などを見ていると,なるほど,無難でしかも目に見える協力,と言う気がしないでもない。この産業大動脈構想には,それに繋がる電力などへの日本企業の更なる参入が見込まれていると思う。


4 その他

●インド,ヒマッシャル,412MWランプール水力,世銀が4億ドル支援
●フィリッピン,売却済みのカラカとマシンロック,技術トラブルで引き渡し遅れる
●2007年原子力発電14%増、国内プラントは11基に


5 参考資料

2008年1月17日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080117A Philippines, Manila Bulletin
売却済みのカラカとマシンロック,技術トラブルで引き渡し遅れる
Tech woes stall Masinloc, Calaca turnover
http://www.mb.com.ph/BSNS20080116114479.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080117B インド,1月16日8時28分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
インド投資ミッション 東芝など43社参加 産業大動脈構想に期待
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080116-00000000-fsi-bus_all
●080117C インド,1月15日21時0分配信 時事通信
インドにウラン売却せず=米印原子力協力に深刻な影響も−豪州
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000182-jij-int
●080117D India, Business Standard
ヒマッシャル,412MWランプール水力,世銀が4億ドル支援
Himachal project gets $400 mn WB loan
http://www.business-standard.com/economy/storypage.php?leftnm=lmnu2&subLeft=1&autono=310766&tab=r
●080117E India, Financial Express
中央政府,北辺水力への外資参入を認める
Centre okay to Chinese hands in hydel projects
http://www.financialexpress.com/news/Centre-okay-to-Chinese-hands-in-hydel-projects/261784/

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080117F Indonesia, The Jakarta Post
PLN,クラッシュプログラムの資金,ローンで確保と
PLN gets $1.9b loans for plants
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20080115.L01&irec=0

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080117G 中国,1月16日9時32分配信 サーチナ・中国情報局
電気代、値上がりは時間の問題か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080116-00000002-scn-cn
●080117H 中国,1月15日17時54分配信 サーチナ・中国情報局
07年原子力発電14%増、国内プラントは11基に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000024-scn-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月16日分 ー インド新水力政策は投資を刺激できるのか ー

Jパワー,電源開発と英系ファンドの争いが熾烈になってきている。Jパワーの海外依存が多すぎるなど,注文を付けてきた英系ファンドだが,Jパワーは毅然として取締役受け入れ拒否など,対抗姿勢を打ちだしたことに対して,ファンドは,現在の株式持ち分10%弱から,一気に20%まで買い増すべく準備を始めて,政府日銀へ申請したとの報道である。電源開発に対しては,外資系が10%を越す場合は,許可が必要になっている。

エンロンが元気なときも大騒ぎをしたもので,四国電力が危ないとまで言われた。今度は電源開発に来るのではないの,などと我々も話していたが,ここにいたって深刻な話になってきた。経済産業省はどういう基準で,20%を許可不許可にするのですかね。


1 今日の概要

インドの新しい水力開発政策が,起草以来2年を経てやっと閣議決定,電源地元の広範な開発を盛り込む内容だが,果たした投資企業への投資企業の刺激策はどうなっているのか。サルウィン川の上流中国内,怒江では,包蔵水力1,800万KWの開発が進められている。日本政府は,アフリカ開発の最初の目標を道路整備に焦点を当てたようだ。中国は,インドのシン首相に対して,常任理事国入り支持の言質を与えたようだ。


2 目次

●インド,新しい水力開発政策,地方の広範な開発を目指す
●中国,怒声が唸る激流,「怒江」,水力発電基地の建設進む―雲南省
●アフリカ道路網整備,国際支援の柱として政府検討
●中国,インド,実利を推進,両首相,協力拡大で一致


3 本文

●インド,新しい水力開発政策,地方の広範な開発を目指す

インド政府は,電源開発が思うように進まないこと,特に石炭火力が増えていく現状で,水力発電の開発が遅れに遅れていることに焦りを隠せない。2002年〜2007年の第10次五カ年計画の中で,14,393MWの水力開発を目指したのに,その目的の半分も達成できなかった。次の第11次五カ年計画では,新規電源78,577MWのうち16,553MWを水力で開発しようとしている。国会からは,本当に開発できるのか,と電力大臣が問いつめられる場面が何度も新聞紙上を賑わしている。

電力省は,この水力発電の遅れを何とかしようと,新水力開発政策を策定中だが,何度も状況が報道されながら一向に成案とならない。2006年10月に新政策の原稿は出来上がったのだが,やっと閣議決定したのは新年になっての1月3日である。今日の記事では,その詳細が報道されているが,何か細かい小手先でいろいろと方策を出しているようだが,企業の投資意欲を刺激する内容とは言えない。

我々が河川の開発に勤しんでいた頃,昭和40年ぐらいか,水資源開発特別措置法が制定されて,その条文を一生懸命分析したことがあった。要するに,ダム開発者は,一定の税金を納めてこれを関係地元の地域開発に当てる,と言うもので,これがそっくりそのまま新水力開発政策に盛り込まれている。開発主体は,開発費の1%を基金に納め,これを地元の開発に充てようというものである。

そのほか地元対策としては,発電量の12%を地元に無料供給することや,関係地元の補償として,1ヶ月100KWhを1家族に10年間無料で提供するとか,その電源近辺の,国が進める地方電化に積極的に協力するとか,いろいろと奇策を打ち出しているが,結局,電源開発の遅れは,地元対策なのか開発企業の投資意欲なのか,そこが一つの問題である。

記事では,一般的な水力開発の遅れの原因として,投資企業の意志決定の遅れ,契約問題のこじれ,土地手当のトラブル,地質問題,自然災害,などが上げられていて,地元対策以上に投資企業の意欲が問題のような気がする。発生する電力の12%も取り上げられたのでは,投資意欲も減退するが,特にインドでは農業用電力優遇の深い問題があるので,ここが一つの政府のポイントなのであろう。ネパールやラオスでも水力のIPPに対して同じような要請をしている。勇気ある日本企業の進出を期待するものだが,じっくりとこの新政策を分析してかかる必要がある。

●中国,怒声が唸る激流,「怒江」,水力発電基地の建設進む―雲南省

怒江はサルウイン川の上流,中国領内の流れを言う。中国国内の全長は2,013km,流域面積は12万4800平方kmである。開発可能な発電力は1,800万KWと言われているが,2010年までに100万KWを開発するという。記事があまり正確でないので,実際の動きはよく分からないが,停滞する下流部の開発に比べて,上流では中国が盛んにダム開発を進めているようだ。メコン上流も同じである。

●アフリカ道路網整備,国際支援の柱として政府検討

そうか,アフリカ開発を道路から入るか。これは奇策とも言えるが,先日のメコン流域東西回廊でもあったように,何か最近,外務省に対して道路交通関係がやりやすいと考えた人がいるようだ。メコン開発でも,水資源はややこしいから,橋梁で行こうと言う話が,タイの大使館当たりで話し合われていた。アジアでは,道路はもっぱらADBの担当であったが,アフリカの道路は多国間にまたがる。日本としても二国間の枠を越えて,構想を広げる人たちが必要になるだろう。

●中国,インド,実利を推進,両首相,協力拡大で一致

 「両首脳は,(1)貿易目標額を2010年に従来の400億ドルから600億ドルとする,(2)エネルギー、環境保護分野、人的交流拡大における協力強化,(3)2回目の反テロ軍事演習など軍事交流強化−などでも一致した。」,としている。今朝の報道では,中国がインドの常任理事国入りを支持する旨の文章が入っているという。日本と中国の間には,「中国は留意する」,と言う文章が入っているそうだ。


4 その他

●インド,パンジャブ州,132万KWラジプラプロジェクト,国際入札
●エチオピア,ギベ第3水力の開発に乗り出す
●中国の発電設備,7億1300万KWに達す


5 参考資料

2008年1月16日分

ODA一般


●080116A アフリカ,1月15日9時19分配信 読売新聞
アフリカ道路網整備、国際支援の柱として政府検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000401-yom-pol

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080116B インド,1月15日8時0分配信 産経新聞
中国・インド、実利を推進 両首相、協力拡大で一致
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000026-san-int
●080116C India, Economic Times
パンジャブ州,132万KWラジプラプロジェクト,国際入札
PSEB invites bids for developing 1,320 MW project at Rajpura
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/PSEB_invites_bids_for_developing_1320_MW_project_at_Rajpura/articleshow/2698911.cms
●080116D India, Livemint
新しい水力開発政策,地方の広範な開発を目指す
New hydropower policy aims at wider local area development
http://www.livemint.com/2008/01/14234410/New-hydropower-policy-aims-at.html

エチオピア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Ethiopia.htm

●080116E Ethiopia, Nazret
エチオピア,ギベ第3水力の開発に乗り出す
Ethiopia to launch Gibe III hydroelectric power project
http://nazret.com/blog/index.php?title=ethiopia_to_launch_gibe_iii_hydroelectri&more=1&c=1&tb=1&pb=1

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080116F 中国,1月15日10時26分配信 Record China
怒声が唸る激流「怒江」、水力発電基地の建設進む―雲南省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000003-rcdc-cn
●080116G China, China Daily
中国の発電設備,7億1300万KWに達す
Installed electric capacity reaches 713m kilowatts
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2008-01/14/content_6392626.htm


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月15日分 ー 日本水力部隊はインド北辺に舵を取れ ー

ポスト京都の主要テーマーは何でしたっけ?森林,原発,水力,しかも水力は中国とネパールなども含んだインド北辺でしたね。原発については,遂に時代が来たと,東芝系,日立系,三菱系の三系列がそれぞれ欧米のメーカーと組んで世界の新しい市場に向けて熾烈な戦いの準備を始めた,と今朝の朝日新聞は囃している。森林は既にバリで一定の方向が打ち出された感じ。中国の水力はどんどん進むでしょう。残るはインド周辺の水力開発です。それが今日のインドのエコノミックタイムスに,大きく取り上げられている。

インド北辺は,日本企業が活躍するにはなかなか厳しい地域であるが,これは恐らく人類最後の水力開発への挑戦になるのではないか,しかもその戦いはこれから半世紀近く続くと思われる。Jパワー,日本工営,関西電力などは,まだまだ水力開発部隊を温存しており,この人類最後の戦いに打って出るべきではなかろうか。中国には政治的にハンディキャップがあるようなので,日本企業にとってはチャンスだろう。JBICが,この人類の最後の戦い,しかも地球温暖化でまともに日本にも跳ね返ってくるプロジェクトを,どこまで理解して支援できるか,に問題はかかっている。


1 今日の概要

大規模石炭火力開発計画UMPPを進めるインド,今度は同じ手法をインド北辺の大規模水力に適用するべく検討を進めている,あくまで買電単価入札方式で,50万KW以上のプロジェクトが目白押しである,人類最後の大規模な水力開発へ,日本のJパワー,日本工営,関西電力など,良くJBICと話し合って,挑戦すべきだろう。中国とのガス田問題,交渉進まず,中国は軍艦を出すか。インドのシン首相中国訪問,中国側のインド水力への投資意欲をどう裁くか。インドアルミ,インドネシアを選んだ理由は石炭と市場。三峡ダムと舟運の発達,写真がきれい。


2 目次

●インド,大規模石炭火力UMPPに続き,遂に北辺水力開発へ乗り出す
●ガス田共同開発 中国「中間線海域を」 日本側のみ対象、決裂
●インド・シン首相が就任後初の訪中,国家主席らと会談
●インドネシア,印国営アルミ,南スマ工場建設で覚書
●三峡ダム完成で長江の輸送能力大きくアップ


3 本文

●インド,大規模石炭火力UMPPに続き,遂に北辺水力開発へ乗り出す

アジアはどこも電力不足に悩んでいるが,この問題に真っ向から中央政府が取り組んでいるのが,インドネシアの1,000万KW石炭火力のクラッシュプログラムとインドの400万KWクラス石炭火力群の超大規模開発UMPPである。このインドのUMPPは入札上のいろいろな問題を含みながら,何とか進んでいるが,ベースにある考え方は,PFCを中心とした入札方法の仕組みで,買電料金入札を基本としている。これが円滑に行くならば,同じ手法を北辺の水力開発に適用する計画である。

電力融資公社PFCが中心になってそれぞれのプロジェクトにシェルカンパニーを組織する。シェルカンパニーというのはダミー会社の意味だが,ここでは入札によって本格開発企業を決定するまでの進行役を務める会社のようだ。このダミー会社が詳細設計や入札図書などの準備をする。この計画での対象水力は50万KW以上としている。このダミー会社は重要で,詳細設計の他,土地の準備,環境森林の他防衛問題も担当してクリアする。実際の入札は,このシェルカンパニーの準備に基づいて,買電単価最小の基準で入札を実施する。いつもの通り,中央の描く絵は素晴らしいのだが,実際に皆が動いてくれるのかどうか,問題もあろう。

今この計画の対象となっているのは,ジャムカシミールのラトル水力69万KW,クワール水力52万KW,キル水力60万KW,アルンシャルプラデッシュのロヒット水力248万KW,更に次期地点として,ナバ水力10万KW,ナイレ水力80万KW,オジュ第1水力70万KW,オジュ第2水力10万KWなどである。インドの包蔵水力は1億5000万KWと言われており,既開発は3370万KWである。

まあこれは,地球上最後の水力開発への挑戦,と言っても言い過ぎでは無かろう。日本企業にとっても最後のチャンスであり,ここまでオープンな入札を考えているならば,JBICと良く開発の趣旨を話し合って,地球温暖化との戦いの一環,と言うことを強調し,Jパワー,日本工営,水力に関心の強い関西電力など,一丸となってこのインドの政策に,積極的に協力してはどうか。まだ戦士は死なず,最後の戦いを挑め!

●ガス田共同開発 中国「中間線海域を」 日本側のみ対象、決裂

中国側が,「そうなったら戦争だ。軍艦を出す」,と複数回にわたり発言,などというのは本当の話だろうか,穏やかでない。まあしかし,お互いにやっかいな問題を抱えてしまった,と言うことで,日本側としては必ずしも資源上の必要があるわけではないのに,国家の威厳をかざして戦わなければならない日本の交渉団も,大変だろうと思う。

●インド・シン首相が就任後初の訪中,国家主席らと会談

5年ぶりの訪問らしいが,何が焦点なのか,恐らくバリ会議でともにともに先進国との交渉で共同歩調を取った両国が,この姿勢を確認していこうという趣旨が大きいのだろう。中国との国境問題で揉めている地域の水力開発に関し,中国側が投資の意欲を示したことに対して,インドは今後どういう姿勢に出るか,興味のあるところである。

●インドネシア,印国営アルミ,南スマ工場建設で覚書

昨日,ジャカルタポストで既報である。ただ,原料のアルミナはインドから運ぶので,どうしてインドネシアが選ばれたのか,疑問を持つが,この記事によると,「インドネシアを施設建設地に選んだ要因として,政府の受入姿勢と石炭調達の容易さ,市場への供給に向けた戦略的立地を検討した結果と述べている。」。

●三峡ダム完成で長江の輸送能力大きくアップ

写真がすごくきれいで,是非とも「人民網日本語版」の許可の元に使わせて欲しい。通貨量が1998年に1800万トンであったものが,2007年には6500万トンに達しているという。


4 参考資料

2008年1月15日分

インド

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080115A インド,1月14日11時56分配信 サーチナ・中国情報局
インド・シン首相が就任後初の訪中、国家主席らと会談
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080114-00000004-scn-cn
●080115B India, Economic Times
大規模石炭火力UMPP,次は大規模水力にも同じ手法
After coal success, govt plans ultra-mega hydro projects
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/After_coal_success_govt_plans_ultra-mega_hydro_projects/articleshow/2697723.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080115C インドネシア,1月14日8時0分配信 NNA
【インドネシア】印国営アルミ、南スマ工場建設で覚書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080114-00000005-nna-int

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080115D 中国,「人民網日本語版」2008年1月14日
三峡ダム完成で長江の輸送能力大きくアップ
http://j.peopledaily.com.cn/2008/01/14/jp20080114_82460.html
●080115E 中国,1月14日8時1分配信 産経新聞
ガス田共同開発 中国「中間線海域を」 日本側のみ対象、決裂
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080114-00000042-san-int


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月14日分 ー 友達のおじいちゃんが明石大橋を造った ー

「僕の友達のおじいちゃんは,明石海峡大橋を造ったそうだ,おじいちゃん達はすごいね。」,と言いながらそばに寄ってきたのは,最近テンサイになった孫である。私も頼まれてフィリッピンの5万分の一をテーブルに広げていたら,鉛筆を持ってきてダムサイトを探すのを手伝いながら,「おじいちゃんもあの田舎の近くのダムを造ったんだね。」,改めて私の顔を見つめていた。そうなんだ,この子達の年代のおじいちゃん達は,一生懸命,ダムや道路や新幹線や大きな橋を造っていたんだ,と改めて開発時代の年代を意識した。そういえば,私の息子の一人が挑戦しているのは最新鋭のDVDで,ダムとはちょっと時代が違うなあ,と言う感じ。

昔,私の祖父が故郷の道路に桜並木を造った,と教えられてきた。今でも春になると素晴らしい眺めを呈している。子供の頃に,近所の男の子が,「あの桜並木は僕のおじいちゃんが造ったんだ。」,と言っていたから,「いや,うちのおじいちゃんだよ。」,とちょっと言い争った。実は,私の祖父は村長として桜並木を計画して予算を造り,友達のおじいちゃんは実際に桜の木を植えた職人さんだった。プロジェクトには,参加したものすべてに思いがあり,計画した人も,金を出した人も,実際に鍬をふるった人も,すべて自分が造った,と思っているし,そう言うことが出来る資格があるのだ。


1 今日の概要

インドのシン首相北京到着,事前の通商大臣同士の話し合いで,中国側がインドの水力への中国の投資を打診したようだが,中国の狙うのはインド東北端のアルンシャルプラデッシュで,国境問題や上流のチベットの水資源開発問題で,両国の間には紛争の歴史がある。エチオピアの国家電力は,その豊富な水力資源の開発を意図し,近隣のケニアなどへの電力輸出を望んでいる。インドの国家アルミ企業が,大規模なアルミ精錬工場と75万KWの石炭火力発電を,インドネシアのスマトラに設けることで,両者が合意した。


2 目次

●中国政府首脳,インドの水力への投資を望んでいると
●エチオピア,次の10年間で更に水力開発加速
●インドネシア,インド企業ナルコ,南スマトラで石炭火力など計画


3 本文

●中国政府首脳,インドの水力への投資を望んでいると

インドのシン首相が13日,中国公式訪問で北京到着,今日14日にも温家宝首相と会談するが,パキスタン問題が主題といいながら,気候変動問題への取り組みで,バリ会議で協調したことが,この訪中の大きなきっかけであろう。日本は,民主国家としてのインドと手を握り,中国に対抗したいところだが,この気候問題を通して,今まで必ずしも良くなかった中印関係を改善していこうと言うことだろう。両者の間には国境問題があり,この問題が今回の記事の一つのポイントとなっている。

この記事は,シン首相の北京到着前に,通商大臣同士が話し合った時の問題である。インドのアルンシャルプラデッシュ州は,インドの東北端の州で,中国と国境を接しながら,国境問題で揺れている。バングラデシュに流れ下るブラマプトラ河は,このAP州で北に方向を変えて州を縦断し,その源流をチベットに発している。中国とは,この国境問題と,上流のチベットに於ける水資源開発と絡んで,国際河川の問題でも,紛争の歴史がある。

中国の商務大臣は,一般的な話として,インドの水力開発への中国の投資に関心がある,と発言した。彼はアルンシャルプラデッシュ州と具体的には言っていないようだが,インドの記事では,彼は明らかにこの州の水力開発を言っているのであって,インドのカマール通商大臣は,あまり相手にしなかったような書きぶりである。この州には,スバンシリダム計画など,大きな包蔵水力を持っており,上流チベットの開発問題とともに,インド経済の発展とともに,今後話題になってくる地域である。

●エチオピア,次の10年間で更に水力開発加速

ちょっと話が大きくてついていけないのだが,本当にエチオピアの水力開発はそんなに進んでいるのですかね。確かに,ナイル上流で水資源開発は面白そうな国だが,国内需要よりも電力輸出を大きな目標にしている,とのエチオピア電力の話である。輸出先は,ケニア,ジブチ,スーダンで,更にジブチから海底送電線を通じてイエメンに輸出するという。既に予備的な協定があって,20万KWをジブチへ,50万KWをケニアへ,20万KWをスーダンへ,と書かれている。

水力プロジェクトは,南部のギベ河を中心に,次の10年間で9つのダムを開発したいという。このうち5つのダムは2011年までに完成して,その出力は315万KWだという。大きなものでは,ギベ第4ダムで,19億ユーロ,出力200万KW,と言っている。エチオピアが接触している資金源は,主として英国系のファンドのようだ。先日は,JICAの堀米専門員が南アフリカから帰国して,盛んにアフリカの電源開発を説いて回っていた。

●インドネシア,インド企業ナルコ,南スマトラで石炭火力など計画

インド国有のアルミニューム企業ナルコが,大規模なアルミニューム精錬工場を南スマトラに造ることで,インドネシアと協定を交わしたようだ。このナルコはアルミニュームの原料であるボーキサイトを,インド本国で大量に生産しており,これを南スマトラに送り込んで,現地の石炭で火力発電を行って,アルミに精錬するという。インドネシアはアルミが不足しているようだ。投資額は34億ドル,アルミのインゴットの生産能力は年25万トン,石炭火力発電の規模は75万KWである。


4 その他

●インドネシア,北ジャカルタのプルートダム,不法占拠者が立ち退き了承


5 参考資料

2008年1月14日分

インド

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080114A India, Economic Times
中国政府首脳,インドの水力への投資を望んでいると
China wants to invest in hydroelectricity in Arunachal
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/China_wants_to_invest_in_hydroelectricity_in_Arunachal/articleshow/2695272.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080114B Indonesia, The Jakarta Post
北ジャカルタのプルートダム,不法占拠者が立ち退き了承
Pluit Dam squatters ready to move, with 'fair' amount of compensation
http://www.thejakartapost.com/detailcity.asp?fileid=20080112.C05&irec=4
●080114C Indonesia, The Jakarta Post
インド企業ナルコ,南スマトラで石炭火力など計画
Nalco India signs MOU to build aluminum plants
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20080112.L02&irec=1

エチオピア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Ethiopia.htm

●080114D Ethiopia, Nazret
エチオピア,次の10年間で更に水力開発加速
Ethiopia plans to build more power plants
http://nazret.com/blog/index.php?title=ethiopia_plans_to_build_more_power_plant&more=1&c=1&tb=1&pb=1


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月13日分 ー ラオスの技術基準が最終段階 ー

1992年にラオスが水力を民間開発に供する,と決定したとき,私たちはメコン委員会内部で,ラオスの水力民間開発のための人材育成と法整備の必要を説き,日本政府に予算を要求したことがあった。当時は今と全く違って,物の形が見えない支援は出来ない,と言うのが外務省の答えであった。その後日本は知的支援に舵を取り,この法制度の問題を進めたが,結局,電力の技術基準がまず必要,との観点から,ラオス電力技術基準促進支援プロジェクトが始まった。第2段階が始まったのが2005年と言うから,随分息の長いプロジェクトである。

このプロジェクトの業務調整に当たるJICAの友人貝増さんから久しぶりにメールをもらい,来る2月22日にラオスのドンチャンパレスホテルでIPPプロジェクト向けの電力技術基準(LEPTS)セミナーを開催する予定,との通知を頂いた。このプロジェクトは,JICAは勿論のこと,電力各社からも大勢の技術者が参加したものであり,このHPでも,お知らせしておきたい。彼のメールの要旨は次の通り。

ラオス電力技術基準促進支援プロジェクト,STEP2は,2005年度から始まり,今年3月には終了の予定です。現在DOE内には電力技術基準を執行する検査ユニットが設立されました。またフェーズ2プロジェクトの中で策定したガイドラインなども法制度化すでにされました。昨年の10月に検査ユニットのキックオフセミナーを実施しました。ラオス中央省庁が対象であり,出席者は中央政府関係者でした。また,11月よりラオスの各県を周り,地方での普及セミナーも実施し,すでに北部全県は終了しました。来月22日にはIPPプロジェクト向けの電力技術基準(LEPTS)セミナーを開催する予定で、海電調や関西電力をはじめ本ワークショップの案内をしております。


1 今日の概要

インドの東側は,原油や天然ガスの包蔵が確認されており,今回,リライアンスが約23億ドルを投じて,2009年3月より,日量3万バレル以上の生産を行う予定である。インド北東部,水力包蔵の宝庫であるが,二つの水力開発の不透明に抗議して,学生達がピケやデモを繰り返している。


2 目次

●インド,リライアンス,東部沖合の油田開発に,約23億ドル投入へ
●インド北東部,マガラヤの電力開発で紛争,入札問題


3 本文

●インド,リライアンス,東部沖合の油田開発に,約23億ドル投入へ

地球の自転の影響で,世界の大陸は西側が急峻で東側が緩やか,南米然り,アフリカ然り,中米然り,インド大陸また然り。だから,大陸の東側には水力や揚水地点があり,西側には石油やガスがとれる,と言う私の説は正しいのでしょうか。事実,インドでも,デカン高原の西側では揚水発電に最適の断崖絶壁があり,我々も調査したことがある。アフリカでも,カメルーンの西の部分は滝の連続である。

天然ガスというのは無機説があって,どこでも掘れば必ず出てくる,出てくるか出てこないかは単なる人類から見て手が届くかどうかと言うことだけだから,当然大陸の東側では天然ガスに手が届きやすい。インドも,長いこと石炭で経済を賄ってきたが,経済が発展するにつれて,天然ガス探査への投資額が増え,しかもそれはクリシュナ川河口付近に目がいって,インド有数の企業,リライアンスが目を付け,開発に乗り出している。

今日の記事の主題は,オフショアのKG-D6というブロックの原油であって,22億8000万ドルの大金を注ぎ込んで生産に乗り出すという。計画よりは1年遅れであるが,2009年3月生産開始の目標である。埋蔵量は6800万バレルで,日生産量は3万〜3万5000バレルとしている。記事の中ではそのほかに,この地域に関する天然ガス開発のデーターが並んでいる。

●インド北東部,マガラヤの電力開発で紛争,入札問題

インド東北部のシーロン,水力包蔵の大きなところで将来の開発が期待されていることから,是非一度行ってみたいと計画しながら,安全というか治安の問題で止められていたところである。昨日も,是非ともインド北辺の水力開発に日本の公的資金の支援を,と訴えたところであるが,インドの水力は,西側の北部各州と,東側のシーロンを中心とした北東部に集中している。

世界最大の民主主義国家と言われるインド,どこに行っても地元住民の活動が顕著である。ここシーロンでも,学生を中心としたKSUという連盟が,政府の水力開発政策に反対して,ピケやデモで抗議を行い,不穏な空気が漂っているようだ。ことの発端は,キンシ水力とウムンゴット水力の両プロジェクトを特定の民間企業に委ねたための抗議運動で,原則論に則り,透明性を持たせて国際入札にかけろ,と主張している,もっともである。


4 参考資料

2008年1月13日分

インド

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080113A India, Economic Times
リライアンス,東部沖合の油田開発に,約23億ドル投入へ
RIL to invest $2.28 bn in oilfield development
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/RIL_to_invest_228_bn_in_oilfield_development/articleshow/2692807.cms
●080113B India, Economic Times
インド北東部,マガラヤの電力開発で紛争,入札問題
Crisis in Meghalaya over power
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Crisis_in_Meghalaya_over_power/articleshow/2692261.cms


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月12日分 ー インド北辺水力公的資金支援を望む ー

Jパワーが,石炭火力と大規模ダムは中国に任せる,と決めたのではないか,と推測した。現実は必ずしもそうではないみたいだが,中国と競争するのは相当レベルを落としてかからないと勝てない,と言う一面もあるのだろう。中国は,国内でも石炭火力と大規模ダムを進めているのだから,それを海外に持ち込むに,何の躊躇もないのだろうし,そのための資金力も豊富である。それらを中国に任せておけ,と言うのも一つの見識だろう。

今朝の朝日新聞でもメコンの協力が取り上げられていたが,東南アジアどこを向いても中国人ばかりになってしまって,日本人の存在感が薄れて行く。私はODAやIPPは,少子化する日本の次世代が,東南アジアを中心とした深い連携で,少子化経済を乗り切るための下ごしらえをしているのだ,と考える。一人っ子政策の中国も,程なく少子化高齢化の時代を迎えて,若い労働力を東南アジアに求める時代が来る。彼らが,身を惜しむことなく彼らに与えた石炭火力や大規模ダムが,その時実を結ぶのではないか。

石炭火力はマイナスの面で温暖化と深く関わり,大規模ダムはプラスの面でこれも温暖化と関わってくる。今は中国の豊富な資金がこのために動いているが,少し前までは日本の財投がこの役割を果たしていたのだ。Jパワーなどがなかなかインド周辺の温暖化対策の決め手,大規模水力に思い切って出て行けないのは,一つにはJBICのポリシーがある。インド北辺の水力は日本の利害と関係ない,と考える時代は過ぎている。インドで水力を開発して石炭火力を減らすことが,日本の温暖化も制御するのだ。

森林,原発,水力,これらへの日本の制度金融の支援をもっと議論してはどうだろうか。あれほどアレルギーのひどかった原発も,昨今は全面的に地球を救うために,とのかけ声が連日新聞を賑わせている。ODAが排出権取引の対象となる雰囲気も盛り上がっており,Jパワーや日本工営など,まだまだインド北辺に出かけていくエネルギーは残っていると思う,また石炭火力のクリーン化など,もしJBICが支えてくれるならば,と言う気持ちである。


1 今日の概要

対中円借款がいよいよ終わる。現地のJBIC代表竹内和夫氏が,万感の思いを込めて一文を寄せている。私も,円借款と言えば,天安門直後の十三陵揚水発電所の思い出にかえってしまう。Jパワーと中部電力がスマトラでガス複合の開発調査を引き受ける,300万KW中国の石炭火力の傍で8万KWは辛かろう。フィリッピンのNPCが,どんどんつり上がる石炭市場価格についていけず,入札の苦労している。2010年のデリーでのコモンウエルスのゲームに,配電会社自らが10万KWのガス発電所を建設する決心をした。


2 目次

●新春特別寄稿,円借款の歴史的意義が問われる1年目
●中部電とJパワー,インドネシア火力発電所拡張のコンサル業務を受託
●フィリッピン,国家電力公社,石炭供給で,再入札実施へ
●ニューデリーのタタ配電企業,リライアンスガスで発電


3 本文

●新春特別寄稿,円借款の歴史的意義が問われる1年目

国際協力銀行北京駐在員事務所代表竹内和夫の一文である。円借款が閉じられてからも,まだ100件以上の環境関連工事が進行中という。結局,円借款の評価はまだこれからだ,と言うわけである。日中間の貿易総額が2000億ドルを超えてしまった今日では,確かに,500億円規模の円借款の重みは薄れてきているが,私は中国経済の中に日本企業が溶け込んでいくための重要な円滑油だったと思っている。

私に対中円借款の思い出を書けと言われたら,やはり十三陵揚水だろう。天安門直後の初めての鉱工業ミッションで,発電関連案件3件が候補に上り,円借款を供与するに当たり事前の開発調査が必要かどうか,を問う調査団であった。各省にまたがった構成メンバーで,技術的な判断は私自身に委ねられたが,いろいろな会合の中で,先方が老人ばかりであったことが,今と全く違う点だった。

それから数年後に,雲南省の金案橋プロジェクトで北京を訪問したときは,一変してエネルギー部門の重要ポストが若返っていたのには驚いたし,若い中国がこれから伸びて行く実感を身を以て感じたものである。1989年の天安門事件の時は,中国の総発電所設備が8000万KWっであって日本の当時の1億KWより少なかったことを覚えている。あれから18年,中国の設備出力は10倍近い7億KW,信じられないですね。

●中部電とJパワー,インドネシア火力発電所拡張のコンサル業務を受託

昨日既報である。この記事で私は,Jパワーは完全に舵を切り終えた,石炭火力は中国に任せ,Jパワーは複合火力などの高効率な火力に専念するのだ,と推定して断定していた。実際は分からないが,必ずしも明確な方針が出たわけではなく,かえって当時国が日本の高い設備を敬遠していることと,日本の公的資金,制度金融が石炭火力をカバーしてくれないところにあるのかも知れない。

●フィリッピン,国家電力公社,石炭供給で,再入札実施へ

フィリッピンは石炭火力の燃料の購入に苦慮しているようである。今回の入札は,パグビラオ,スアル,マシンロックの3発電所用の石炭約214万トンであるが,何度か入札に失敗している。それは,予算設定をして入札にかけると,その時点で既に値段が上がってしまって予算が付いてこない,と言う失敗を繰り返しているようだ。その都度,スポットマーケットに買いに走り,インドネシアや中国の高い石炭に手を出さざるを得ないことになっている。

●ニューデリーのタタ配電企業,リライアンスガスで発電

2010年にコモンウエルスのゲームがデリーで開かれるようだ。デリーは電力不足に悩んでいる。我々も,デリー近郊の古い石炭火力を見に行って,先方の所長の不興を買った,何故このような古い発電所を見に来たのか,と言うわけである。東の産炭地から延々列車で運ばれてきた石炭で,デリーの町は煙っていた。

デリーの配電を一部担当するタタ系列の配電会社は,この2010年を目指して,10万KWの発電所を自ら建設する決心をしたようだ。そして燃料としては,商売敵のリライアンスから天然ガスを買うと言うことらしい。ラジャスタン方面からのパイプラインなのであろう。


4 参考資料

2008年1月12日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080112A Philippines, Manila Bulletin
国家電力公社,石炭供給で,再入札実施へ
Napocor to re-tender coal supplies
http://www.mb.com.ph/BSNS20080111114030.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080112B India, Economic Times
ニューデリーのタタ配電企業,リライアンスガスで発電
NDPL to run Rohini plant on RIL gas
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/NDPL_to_run_Rohini_plant_on_RIL_gas/articleshow/2687996.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080112C インドネシア,1月11日8時34分配信日刊工業新聞
中部電とJパワー、インドネシア火力発電所拡張のコンサル業務を受託
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080111-00000024-nkn-ind

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080112D 中国,1月11日10時29分配信 サーチナ・中国情報局
新春特別寄稿:円借款の歴史的意義が問われる1年目
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080111-00000005-scn-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月11日分 ー 石炭とダムを中国に任せて良いか ー

英国ファンドと戦うJパワーが,石炭火力と大規模ダム開発から撤退して,この二つは中国に任せることにした,と言うJパワーの政策変更に対する私の推測を裏付けるニュース。インドネシアのクラマサン火力発電所拡張事業のコンサル業務を受託を,中部電力とともに受注した。この発電所は,スマトラのパレンバンで,天然ガス複合火力発電プラント1基(80MW)を建設するもの。中国が300万KWの大規模な石炭火力を進める近傍でのささやかな中にも,最新鋭の技術を駆使して,挑戦する。

最近の一連のニュースから,Jパワーを初め日本の電力各社は,複合火力を初め,石炭火力の効率向上への支援やICGGなど,技術高度化に専心して行く姿が浮かび上がってくる。大規模通常技術と資本の大量投入では,中国には着いていけない,と言うことであるから,それはそれで立派だと思う。ただ,技術の高度化と大量のスケートメリットによる便益獲得の両面作戦も必要なのではないかとも思う。

Jパワーも関電も東電も,やはり諦めることなく,インドの石炭火力や大規模ダムへの挑戦は必要なのではないか。勿論そのためには,JBICが支援する意味づけをはっきりさせる必要がある。何と言っても,地球温暖化の問題よりも,どんどん少子化して行く日本の次世代が,アジアなどに根を張るための重要な拠点なのだから。


1 今日の概要

ダボス会議を前にして,日本政府が温暖化対策のために途上国を対象に,1兆円を積み立てる,当面の対象は,インドネシア,ツバル,タンザニアだという,最近の福田政権の積極的な支援策打ち出しに,政府の何かの意図を感ずる。英国が原発建設を解禁し,外務省が温暖化対策としての原子力開発を経済産業省などと検討を始める,ポスト京都の一環が動いている。インドの地下鉄がCDMの可能性,ODA総動員で地球を救うプロジェクトがこれから動くだろう,インドの北辺,J&K州やHP州で水力開発の動き,日本工営など,情報収集に動きませんか。それとも,石炭と大水力は中国にお任せする?


2 目次

●温暖化対策,途上国支援,1兆円規模,ダボス会議で表明へ
●地球温暖化,「原子力の活用を」,国際問題研が外相に提言
●インドの地下鉄,ODAで年4万トン,のCO2排出削減効果
●インド,J&K州,水力発電所2000万KW開発へ
●インド,ヒマッシャル政府,水力開発の関心のため新政策


3 本文

●温暖化対策,途上国支援,1兆円規模,ダボス会議で表明へ

最近の記事を見ていて,地球環境問題への日本政府の矢継ぎ早の説教策打ち出しが目につく。福田政権の焦りともとれるが,福田さんにしてはアジアや発展途上国に対する手の内方が早い,誰かが何かをやっている,と言う感じですね。バリ会議の評価も気になっているのだろうが,これから国際会議が続いて,6月には洞爺湖サミットに突入するので,この数ヶ月が福田外交の唯一のタイミングなのだろう。メコンの東西回廊,わずかなお金だったが,これらも含めて,誰かが何かを仕掛けている。

発展途上国への100億ドル,とりあえずの相手国をタンザニア,ツバル,インドネシアに絞ったそうだが,ちょっと精神分裂的な国選びだが,ケニアが争乱が起こっていなければ,ケニアも入ったところなのだろう。地球温暖化対策と同時に,地方電化も入っているようなニュアンスがあり,担当8部局は忙しくなりそうだ。

●地球温暖化,「原子力の活用を」,国際問題研が外相に提言

今朝の日本経済新聞の第1報は,英国が原子力発電建設を解禁,の文字である。「ポスト京都は原子力発電だ,小規模なCDMばかりいじっていたのでは,地球は決して救えない。」,と叫んできたのは,このHPである。京都議定書では殆ど葬り去られていた原子力発電が,地球温暖化対策の最大の目玉になってきたのは,私がここで書きまくったせいである。もう一度言おう,ポスト京都は,森林,原発,水力だと。

日本国際問題研究所(佐藤行雄理事長)が,高村正彦外相に報告書を提出,「世界経済の持続的発展と地球温暖化問題解決のための原子力活用と,核の脅威削減を両立させる枠組み構築が課題」,と主張した。外務省に出しても良く理解してもらえないかも知れないが,記事では,高村外相が,参考にする,と発言し,外務省が経済産業省と協議にはいるという,当然だろう。また,報告書の中の,京都議定書後の枠組み作りの中で「温暖化対策として原子力を促進する政策メカニズムの創設」,と言うのも,全くその通りである。

●インドの地下鉄,ODAで年4万トン,のCO2排出削減効果

地球を救うためには,とにかくODAを活用し,そうして大規模にプロジェクトを起こして行くことが大切で,小水力で地球を救うなんて言う発想は,全然問題にならない。地下鉄建設が温暖化ガス排出を削減する,などという発想は,いままで出てきていない。京都議定書のつまらない規制が取り払われて,ODAでも地球に効けばよいのだ,原子力だって,地球を救うためには総動員だ,と言う今日の全体の論調は,このHPがsひゅちょうしてきた通りであり,大賛成で,これからどんどん新しいプロジェクトが生まれてくるだろう,ビジネスチャンスでもある。

●インド,J&K州,水力発電所2000万KW開発へ

ジャムアンドカシミール州,インドの最北西端の州で,中国やアフガニスタンと境を接している。この地域を含めたインド北部の大規模水力開発は,人類の義務であり,ポスト京都の重要テーマーである。中央の国会が,一体,J&K州にはどのぐらいの水力包蔵があるのか,と聞いた問いに対する州政府電力担当大臣の答えが,2000万KWである。

内訳だが,後でゆっくり地図で確認するとして,2000万KWのうち,1640万KWは,ジェルムシェナブ川,インダス川,ラビ川にある。ジェルム川は356万KW,シェナブは1,036万KW,インダスが206万KW,ラビ川が50万KW,である。

何故開発が遅れているのか,との国会の質問には,地方の企業だけでは開発できない,何とか中央からどんどん入ってきてくれないか,と言う州電力大臣の答えが面白い。インド人もビックリの辺境なのである。でも,この辺境の水力開発が大切で,もし私が40代なら,乗り込んでいって見るだろう。日本の企業が出て行くためには,公的資金が支援しなければならない。ポスト京都なのだから,どうですかね,JBICやJICA,それに日本工営やニュージェック,Jパワーの若手,一つ頑張ってみては。それとも,大水力と石炭は中国に任せる?

●インド,ヒマッシャル政府,水力開発の関心のため新政策

HP州,ヒマッシャルプラデッシュ州,これはJ&K州の南の州である。ここも辺境であるが,水力の包蔵のうち,25%が開発されだけで,まだ75%が眠っている。ちょっと内容がよく分からないが,何か水力開発の投資のための,新政策を打ち出したようだ。先行投資に対しての優遇政策か何かのようだ。ニュージェックか日本工営かJパーワーかどこか,ちょっと様子を見てきたらどうですかね。それとも,水力と石炭は中国に任せる?


4 その他

●紅河の水位,過去100年で最低=船が立ち往生,農作物に影響も−ベトナム
●ベトナムとラオス,ラオス南部で原油ガス探査へ
●パキスタン,バグヒラールダムで,世銀結論を提訴へ
●インド,国家送電公社PGCIL,10億ドルプロジェクト,2月にも


5 参考資料

2008年1月11日分

ベトナム

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Vietnam.htm

●080111A ベトナム,1月9日19時1分配信 時事通信
紅河の水位、過去100年で最低=船が立ち往生、農作物に影響も−ベトナム
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080109-00000137-jij-int

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●080111B Pakistan, Press Trust of India
パキスタン,バグヒラールダムで,世銀結論を提訴へ
Pak plans to move Intl Court against WB decision on Baghliar
http://www.ptinews.com/pti%5Cptisite.nsf/0/459F5FB014558EA1652573CC002A5A37?OpenDocument

ODA一般

●080111C ダボス会議,1月10日18時18分配信毎日新聞
<温暖化対策>途上国支援、1兆円規模 ダボス会議で表明へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000069-mai-pol

ラオス
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●080111D Laos, ABC Radio Australia
ベトナムとラオス,ラオス南部で原油ガス探査へ
Vietnam, Laos sign oil exploration deal Vietnam
http://www.radioaustralia.net.au/news/stories/s2135461.htm

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080111E インド,1月10日15時2分配信 読売新聞
インドの地下鉄、ODAで年4万tのCO2排出削減効果
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000305-yom-soci
●080111F India, Economic Times
国家送電公社PGCIL,10億ドルプロジェクト,2月にも
PGCIL to call bids for $1 bn transmission system in Feb
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/PGCIL_to_call_bids_for_1_bn_transmission_system_in_Feb/articleshow/2684215.cms
●080111G India, Economic Times
J&K州,水力発電所2000万KW開発へ
J&K can produce 20,000 MW hydel power: Minister
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/JK_can_produce_20000_MW_hydel_power_Minister/articleshow/2683344.cms
●080111H India, India PR Wire
ヒマッシャル政府,水力開発の関心のため新政策
Himachal revises hydel project allotment policy
http://www.indiaprwire.com/businessnews/20080109/26517.htm

環境一般

●080111I 原子力,1月9日18時52分配信 毎日新聞
<地球温暖化>「原子力の活用を」国際問題研が外相に提言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080109-00000076-mai-pol


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月10日分 ー 冬の測量作業は紀州に限る ー

今日も白浜の測量作業は,好天に恵まれて,まるで春のような陽気であった。40年前に,関西電力の揚水発電所を計画した際,昭和39年11月頃から,近畿内40カ所近くの候補地点を調査して歩いた。琵琶湖の周りでは山はもう雪で,函館山でまずスキーの練習をしてから,スキーを履いて今津の山中や琵琶湖西岸の山を歩き,時には胸まであるような雪をかき分けて現地に到達した。

それから紀州の候補地点に場所を移して踏査を続行したが,北とは全く違う温暖な気候に驚いたものだ。日本列島は中央で山脈に遮られて,太平洋側と日本海側では冬の気候が全く異なるが,唯一の例外は,琵琶湖地域で,琵琶湖があるために北の風を遮るものはなく,関ヶ原の積雪は新幹線にとっても難物なのである。冬に測量をやるなら,絶対に紀州でやるべきだ。今日は時間がなく,略式でごめんなさい。


●中国,毎年1兆円の巨額投資,原発や新エネ建設

石炭包蔵が大きく,石炭火力からスタートして経済発展を軌道に乗せて行く国は多い。タイ,ベトナム,中国,インドなどはその典型で,特に中国の場合は,2006年末の全電源設備6億2,200万KW,世界第2位,のうち77.8%が石炭火力である。タイのマモーの石炭火力で地方の大気汚染が問題になったが,これから経済がどこまで発展するか分からない中国では,地球温暖化への影響で世界の関心が高い。

この大規模な石炭火力を原子力発電と大規模水力で代替して行くことは,中国のみならず,世界全体のポスト京都に於ける重要な関心事である。中国は,原子力発電のために,2020年までに,4500億元,約6兆7,500億円相当,を投入して行くという。これだけ隣国で原子力発電が開発されて行くと,日本としても安全面と廃棄物が気になるところで,関心を持って協力して行くことになるのだろう。次の湖錦濤主席訪日の,一つのテーマーにすべきだと思う。

なお,この記事中,注目するのは,中国が2012年までに,京都議定書で定められた温室効果ガスの排出権全体の41%を創出する,と言う予測の点である。この前のバリ会議では,インドネシアが,排出権が承認されるのは中国やインドばかりだ,と不満を述べていたが,考えてみればそういうことで,恐らく排出権は,殆どインドと中国で出来てしまうのだろう。排出義務を負う先進国が,どっとこの両国に押し寄せることが,予想される。

●タイ,ゼネコンITD,カンボジアで発電事業

NNAの日本語の記事であるが,昨日のバンコクポストの記事と全く同じ内容である。場所は,タイ東部トラート県に隣接するカンボジア西部ココン州,としており,発電開始が少し食い違う。最初の1,830MWは,2014年としており,昨日の2019年とでは大きな違いである。NNAが正しいだろう。参加する中国系企業は大唐国際発電である。

2008年1月10日分

中国

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080110A 中国,1月9日8時11分配信 NNA
【中国】毎年1兆円の巨額投資、原発や新エネ建設
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080109-00000001-nna-int

カンボジア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Cambodia.htm

●080110B カンボジア,1月9日8時11分配信 NNA
【タイ】ゼネコンITD、カンボジアで発電事業
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080109-00000006-nna-int


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月9日分 ー 石炭とダムは中国に任せておけ ー

白浜で測量作業があり,更新が遅れています。今日は日本を代表するIPP企業,Jパワーのポリシーについて触れてみた。タイやスリランカに於けるビヘイビアを見ていると,そのポリシーが推測できる。石炭火力と大規模ダムは中国に任せておけ,と言う感じである。一つには,JBICとの連携もあると思う。例えば,石炭火力プロジェクトを起こしても,JBICがついて来れない,大規模ダムではJBICがついて来れない。従来は,財政投融資のJBIC資金の大きな受け皿の役をJパワーは果たしていたわけだ。インド周辺の水力について,Jパワーは全然でないのだろうか。


1 今日の概要

カンボジアのココン,石炭火力が再び脚光,イタルタイが参入,その他タイと中国企業が主体。インドの重電メーカーBHELがNTPCと提携,共同で今後の電源開発に対応する。


2 目次

●イタルタイ,中国企業などとともに,ココン石炭火力開発へ
●インド重電メーカーBHEL,NTPCと機器製作でジョイント


3 本文

●イタルタイ,中国企業などとともに,ココン石炭火力開発へ

いよいよココンの石炭火力がベールを脱いできたが,今日の記事から見ると,ココン島ではなく内陸部の可能性がある。ただ,私の知識では,内陸部では石炭船を着ける適切な深さの海がない,と理解しているのだが,最終的には続報を待ちたい。さて,規模は我々が想定したように,最終的には366万KWを予定しているが,当面は2基の183万KWで行く,まだPDP長期電源計画の中には入っていないが,2019年運転開始を予定している,と言うのは昨日の記事の通りである。

今日の記事では,大資本としてタイの大手建設企業イタルタイの30%参入が決定したとのことである。この他にタイの電力企業エグコとラチャブリがそれぞれ20%,中国企業が15%となっており,EGATインターナショナルが8%,とシノタイが7%となっている。石炭については,インドネシアからの買い付けを目指している。FSはABMアムロ,環境調査はタイのティーム,機器とエンジニアリングサービスは香港企業,とここまで具体化しているようだ。

結局,Jパワーを含めて日本企業は名前がない。折角,皆で持ち上げたアイディアだが,と思うが,考えてみるに,Jパワーには相当芯の通ったポリシーがあると見た。Jパワーはいま英国ファンドの攻撃に晒されながら,毅然としてこれをはねつけている。私は見るに,Jパワーは,石炭火力は中国に任せておけ,日本は更に高度な天然ガスやLNGの複合火力で勝負しよう,と考えているのだろう。スリランカでもあえなく中国に譲っているし,今回のタイのIPP入札でも,石炭火力には一顧だにせず,天然ガス火力を,鮮やかに落札している。

やっとJパワーの意図が分かってきた。と言うことは,Jパワーは,大規模ダムは中国に任せておけ,水力には手を出すな,と言うことになっているのか。そういえば,サルウイーンからの撤退も早かった。

●インド重電メーカーBHEL,NTPCと機器製作でジョイント

インドの重電メーカーBHELは国営である。非常に特殊な存在で,これまでは独占企業でそれで良かったが,第11次五カ年計画で8000万KWも開発しなければならないのに,これでは間に合わない,と叫んできたNTPCの攻撃に,遂に屈した形だ。


4 参考資料

2008年1月9日分

カンボジア

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Cambodia.htm

●080109A Cambodia, Bangkok Post
イタルタイITD,中国企業などとともに,ココン石炭火力開発へ
ITD part of $5bn Cambodia venture Koh Kong plant will produce 1,830 MW
http://www.bangkokpost.com/Business/08Jan2008_biz01.php

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080109B India, Economic Times
インド重電メーカーBHEL,NTPCと機器製作でジョイント
BHEL, NTPC JV to include power equipment manufacture
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/BHEL_NTPC_JV_to_include_power_equipment_manufacture/articleshow/2681237.cms


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月8日分 ー 神の島がバンコクポストに踊る ー

中国電力の火力グループを中心とした踏査チームを組織して,カンボジアの,「神が創り賜いし石炭火力の島」,に攻め上ったのはいつのことか,既に5年が過ぎている。当時は,プラチュアキリカンの石炭火力で苦しむタイのタクシン首相に対して,カンボジアのフンセン首相が救いの手を伸べ,カンボジアがタイに対して貸しを造り,国際政治を有利に進める,と言うのが我々が描いたシナリオであった。

その後私は,詳細なことの成り行きを知る立場にはないが,いまでは,天然ガスの高騰や枯渇から,更に更にタイは石炭火力を必要としている。いつの日か我々の構想が,タイやカンボジアの電力セクターの話題になってくるだろう,と予想していた。しばらく静かな日が過ぎ去ったが,今日の記事で突然にココン島の石炭火力が,バンコクポストの紙面に踊った。記事によると運転開始は2019年で,まだ相当の後年度の計画である。

中国電力の技術者達と検討したところでは,この近海で6万トンクラスの船が着ける喫水を持てる深海は,ベトナムからタイまで見渡しても,このココン島しかない。またこの島には殆ど人が住んでなくて,大気汚染に対する抵抗も少ない。また,島はは細長く,その北端は殆どカンボジア本土と接していて,工事へのアクセスや送電線建設にも問題がない。タイの需要点までは500km,プノンペンまでは300km,両国の電力供給にとって,格好の地点なのである。神様が電力のために造った地形は沢山ある,黒四然り,ラオスのナムテン2然り,ジャワ島のサグリン然り。このココン島も,石炭火力のために神が創ったに違いない,と私はいまでも信じている。


1 今日の概要

EGATが,昨今の原油価格高騰と地球温暖化の問題から,残存水力の開発を目指して,400万KWを目標に,計画を進めている,この電源開発の中には,初めてカンボジアのココン島の石炭火力計画が頭を出してきた。インドの北辺,HP州が一部国際入札を含む8つの水力プロジェクト,合計1,481MWの入札を計画している。米政権が,パキスタン北部攻撃の用意があると。ネパールでは,国会の難しい注文を受け流しながら,ギャネンドラ水資源大臣が,アルン3とカルナリ水力は推進を協力に進めている,しかし政治的な反対がまだ収まっていない。


2 目次

●EGAT,タイ領域内の水力地点の見直しを政府に要請
●インド,HP州政府,8水力,1,481MW,入札へ
●米政権,パキスタン部族地域で秘密軍事作戦検討…米紙報道
●温暖化対策,共同研究呼びかけへ,政府,サミットで議論主導
●ネパール,水資源大臣,毛派反対でも,アルン3とカルナリ水力は推進と
●ネパール,水資源大臣,次の10年間で500万KWの水力を開発


3 本文

●EGAT,タイ領域内の水力地点の見直しを政府に要請

国内水力開発については,日本とタイは同じ状況で,もうこれ以上の開発は無理である,と理解されている。事実,タイの最後の水力開発は,遡ること15年前,ウボンラッチャタニのパクムーンダムが最後で,しかも完成後もダムのゲート運用で,地元の漁業と大もめに揉め,無理矢理にゲートを開けさせられたりしている。日本でも,昭和48年の石油危機の時は,まだ未開発水力が残っているではないか,とその洗い出しに我々も関わった,殆どかけ声だけで実際の開発は殆ど出来なかった。

今日の記事では,タイについては,地球温暖化の問題と高騰する原油価格の影響で,もう一度未開発水力を見直そうと,EGATが動き始めたという。スティポンEGAT副総裁によると,タイ国内の残存未開発水力は400万KWにのぼり,その中には,マエホンソンのパイ川地点240MW,ナラティワットのサイブリ56MW,スラタニのカエンクルイン川80MW,更に大きなポテンシャルを持つタイ北部のヨム川などがあるという。

原油の高騰で,水力の経済性が浮かび上がってきたことと,炭酸ガス排出抑制の観点から見直しが言われているが,事実,30年を経たブミポンダムの発電所の原価はKWh当たり0.6バーツ,2セント相当,であり,石炭の1.80バーツ,6セント相当,天然ガスの2.20バーツ,7.4セント相当,に比べて相当の安価であるといえる。

記事はここで,電源開発長期計画PDPの内容に触れている。近隣諸国からの電力輸入を14,600MWとしており,最終年度では輸入電力の割合が25.4%にも達する。この中には,サルウイーンからの2017〜2020年にかけての4,000MWが入っており,他に2020〜2021年の原子力400万KWや,次のIPP開発,2017〜2019年の1,400MWがある。

なお,この記事で特に私の注目を引いたのは,2019〜2021年に予定しているとされている3,600MW,カンボジアのコーコン石炭火力の話題である。これは,タイ南部国境に近い付近のことを言っているが,これがコーコン内部の地点なのか,私が言っている,「神が創り賜いし石炭火力の島」,ココン島を言っているのか,判然としないが,恐らくココン島の話だろう。タイの石炭火力とカンボジアの電力安定供給の立場から,この計画は必須と見ているが,具体的に地名が上がったのは,私が知る限り初めてである。

●インド,HP州政府,8水力,1,481MW,入札へ

簡単な記事であるが,ネパールより更に高緯度にあるヒマッシャルプラデッシュHP州政府の独自の動きである。8地点のプロジェクト形成を行い,総出力1,481MWの入札を実施するという。この中で,6地点は規模の問題から国際入札を考えているようで,また中国企業が攻めてくるのではないか。この中には,454MWの大規模水力,シェナブ川のセリ地点が含まれている。いずれにしても,この地域の水力開発は,インドの石炭火力を水力で代替するというポスト京都の大きなテーマーの一つである。

●米政権,パキスタン部族地域で秘密軍事作戦検討…米紙報道

ペシャワールの近く,ムンダダムの開発調査の事前交渉に当たっているとき,この地域の異様な雰囲気を感じて戸惑ったことがあった。それより更に北の地域の小水力の問題があって,山奥深く分け入ったが,大使館で報告するときに,大使が,あの地域は危なくないか,と聞かれて,いやそんなことはないですよ,と打ち消すのに必死だった。でも,あの地域が部族地域,トライバルだと知らずに踏み込んでいたとは,調査不足だったと思っている。村落の中に入って,民家でご馳走になったが,周りの村人が鉄砲で武装していた。

●温暖化対策,共同研究呼びかけへ,政府,サミットで議論主導

バリのCOP13で,数値目標を提案せずに,散々の評価だった日本政府であるが,その後巻き返しに一生懸命である。再び数値目標を持ち出したり,省エネルギー評価機関の設置を提案したり,今度はまた国際共同研究の提案である。2050年までの50%削減,すなわち,美しい星50,の目標を基礎に,それへのアプローチを提案しようと言うわけだ。洞爺湖サミット狙いであるが,米国の削減義務反対で,ぐらぐらすることも予想される。

●ネパール,水資源大臣,毛派反対でも,アルン3とカルナリ水力は推進と

「我々は,毛派の出席する国会委員会で,まるでフライパンの上にいるようにいじめられている,しかし,アルン3402MW,カルナリ300MWは,政府決定通り,進めさせてもらう。」,と大見得を切ったのは国王と同じ名前のギャネンドラ水資源大臣である。ネパール人ってこんなに粘着力が強い民族なのですかね。

とにかく,ある程度審査が進んで二つのプロジェクトとも,インドのGMRに決定したところで,一つの企業に二つは駄目だとか,無料の電力をどのぐらい取り上げるかとか,ロイヤリティを幾ら取り上げるか,とか,最後は毛派の入る委員会が,完全な政治的合意が終わらなければ,入札結果を決定するなとか,大変である。アルン3とカルナリ水力から124MWの無料電力を受け取り,更にKW当たり10万ルピーのロイヤリティを要求しているという。これでは,外国企業も二の足を踏むことになるのではないか。

●ネパール,水資源大臣,次の10年間で500万KWの水力を開発

「いまお金さへあれば,我々は直ちに4300万KWの水力を開発することが出来る。」,ギャネンドラ水資源大臣一人が頑張っている。彼は,ネパールの水力開発が如何に魅力的な投資か,と言うことを強調しており,それが分かってきた一部の政治家が,外国企業にプロジェクトを渡すことに反対している,と不満を述べている。でも彼は,大規模水力は,適正な国際入札の元に推し進める,と宣言している。


4 その他

●マレーシア,バクン水力の海底送電で,財務アドバイザーを雇用
●インド,リライアンス,ダボールのガス電力施設の買収を視野


5 参考資料

2008年1月8日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●080108A Thailand, Bangkok Post
EGAT,タイ領域内の水力地点の見直しを政府に要請
More hydropower plants sought
http://www.bangkokpost.com/Business/07Jan2008_biz22.php

パキスタン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●080108B パキスタン,1月7日11時23分配信読売新聞
米政権、パキスタン部族地域で秘密軍事作戦検討…米紙報道
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080107-00000503-yom-int

ODA一般

●080108C 温暖化対策,1月7日8時2分配信 産経新聞
温暖化対策、共同研究呼びかけへ 政府、サミットで議論主導
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080107-00000044-san-pol

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●080108D Nepal, Nepali News
水資源大臣,毛派反対でも,アルン3とカルナリ水力は推進と
Minister says Arun III, Upper Karnali will proceed despite Maoist opposition
http://www.nepalnews.com/archive/2008/jan/jan06/news11.php
●080108E Nepal, Nepali News
水資源大臣,次の10年間で500万KWの水力を開発
Minister promises 5,000 MW in 10 years
http://www.nepalnews.com/archive/2008/jan/jan06/news02.php

マレーシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Malaysia.htm

●080108F Malaysia, The Star
バクン水力の海底送電で,財務アドバイザーを雇用
Sime appoints financial adviser for Bakun transmission
http://biz.thestar.com.my/news/story.asp?file=/2008/1/7/business/19914783&sec=business

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080108G India, Economic Times
リライアンス,ダボールのガス電力施設の買収を視野
Reliance Power sets sights on govt assets
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Reliance_Power_sets_sights_on_govt_assets/articleshow/2679235.cms
●080108H India, Economic Times
HP州政府,8水力,1,481MW,入札へ
Himachal invites bids for 8 hydel power projects
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Himachal_invites_bids_for_8_hydel_power_projects/articleshow/2679297.cms


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月7日分 ー 国王は水力のビジネスマンになれ ー

「国王は水力開発のビジネスマンに転身せよ」,ブータンの国王は,惜しまれながら代議制民主主義への道を自ら切ったが,ネパールのギャネンドラ現国王は,その即位も異常であったが,遂に国会から退位を迫られ,今春の選挙で選出される制憲議会で,一般人となって宮殿を追い出される。昔のように処刑されないだけでもましであるが,確かに,これからどう生きるか,共産党が厳しいことを言い放っている。このヒマラヤの両国が,時を同じくして,国王専制から脱却するのは,やはり時の流れか。

ネパールの国王は大金持ちだ,と言っている。民間人になった塗炭に,蜜による蟻のごとく,その資産も霧消してしまう恐れがある。しかしネパールはいま,マオイストの政治参加で,その豊富な水力資源をインド企業に解放して,これから大規模な開発が進むものと,大いに期待されている。国王がどのぐらい資産を持っているか知らないが,ネパールの水力に詳しい日本工営やJパワーは,一つ王様のところに顔を出してみたらどうだろう。


1 今日の概要

ポスト京都の大きなテーマーは,インドと中国の石炭火力を,原子力と水力で代替して行くと言うこと,この点から今日の中国の原子力発電,しかも米国のWE社との提携は,注目に値するが,計画でも,2020年に原子力の割合は4%と言う。洞爺湖サミットを睨んで,日本政府が,省エネルギーに関する国際機関の設置を提案するという,削減義務でバタバタの日本政府だが,これで歩調が揃うかどうか。フィリッピンのエネルギーセクターサミット構想,上院議員がぼろくそ,むしろVATを見直せと。政治混乱と電力危機の混沌の中のパキスタン,5つのダム建設に400億ドルの資金が必要だが,彼らにその見通しはいまだ無い。


2 目次

●中国,原発,第3代が次々と着工!将来は電力供給のカギに!!
●各国の省エネ策審査する国際機関,洞爺湖サミットで提案へ
●フィリッピン,野党議員,エネルギーサミットは何の役にも立たない
●パキスタン政府,5ダムの建設進まず,数年は電力危機続く


3 本文

●中国,原発,第3代が次々と着工!将来は電力供給のカギに!!

中国とインドが,今後の電源開発でどの様に石炭火力を,水力及び原子力で代替していけるか,この問題は,地球温暖化にとって極めて支配的な要素である。両国とも,必ずしも原子力開発が爆発的に進んでいる状況にはない。両国とも,有り余る石炭資源を前にしては,いろいろ技術的問題の他国際政治も関わってくる原子力開発は,どうしても拍車がかかってこない。特にインドの場合は,国際的問題から核燃料不足に陥っている。今日のこの記事の書き方はセンセーショナルである。

結局中国は,第3代の原子力開発の協力相手として米国を選んだようだ,ウェスチングハウス・エレクトリックWEから導入するAP1000(加圧水型原子炉技術)を採用するという。インドも,米国との原子力協力協定をどうするか,と言う問題に立ち至っており,米国がこの両国の原子力発電を支援して行くとすれば,乱戦にある程度の収拾の目処が出てくるとも言える。しかし,特にロシアの今後の出方には注目の必要があろう。

今回の発表によると,浙江省三門原子力発電所および山東省海陽原子力発電所のそれぞれ2台の発電機ユニットについて,12月31日に工事着工開始の命が下された。三門原発の1号機ユニットは2008年3月に着工,2013年8月に送電開始,その他の3台の発電機ユニットは,それぞれ2014年2月,同6月および同12月に送電を開始する予定だという。

なお,中国の「原子力発電中長期発展計画」によると,2020年時点で完成した原子力発電所総出力は4000万KW,その時点での建設中のユニットは1800万KWで,全電力の4%を占めることになる。なかなか,石炭火力を大幅に代替する,と言うところまでは行かないようだ。

●各国の省エネ策審査する国際機関,洞爺湖サミットで提案へ

洞爺湖サミットでは,バリ会議での日本の消極的な姿勢が批判されて,心配した政府は,一挙に排出ガス規制の数値目標設定へ動き始め,そのバタバタぶりが話題になっているが,バリ会議で中国やインドが主張した論点は,先進国が積極的に温暖化技術を公開して,インドや中国の新興国の環境技術を支援してくれ,と言うことであった。そこには,ノウハウの流出という問題点も議論されていた。

実際の事情は私もよく分からないが,JICAなどが中国やインドで進める省エネルギー技術の移転に関して,実際にその技術を有している企業がどの様な対応をするのか,問題点だと思っている。省エネルギーは必ずしも大きなビジネスに結びつくとは思えない。今回の提案は,「各国の省エネ政策について審査,提言する国際機関の設置を共同提案」,と言う,少しニュアンスの違う方向で,今後どの様に具体化するか,見守りたい。

●フィリッピン,野党議員,エネルギーサミットは何の役にも立たない

昨日の本欄で紹介した,アロヨ大統領呼びかけの,エネルギーセクターのサミット開催要請であるが,上院議員の一人が,これを痛烈に批判している。このような会議を開いても,石油の値段への影響は何もなく,ただ関係者の無知と不的確をさらけ出すだけだ,と手厳しい。彼の影響力は大きいにかどうか分からないが,彼の主張は石油製品への付加価値税VATの再検討を言っているようだ。新聞が取り上げるぐらいだから,彼の影響力は大きいのかも知れない。

●パキスタン政府,5ダムの建設進まず,数年は電力危機続く

政治的混沌の中にあって,パキスタン国民は停電という塗炭の苦しみに襲われている。冬季の供給力は全国でわずかに360万KWで,毎日10〜12時間の計画停電に悩まされている。それの唯一の解決策が,大規模な5つのダムの完成,2016年だというのだから,堪ったものではない。しかも5つのダムで400億ドルという膨大な資金を必要としているが,国際的な資金調達へのアプローチは全く出来ていない。

政府が推進している5つのダムとは,ディアマーバシャ,カラバーグ,アコーリ,ムンダ,スカルドクラム,いずれもインダス水系内の大規模なダムの計画である。ムンダダムはJICAー日本工営が開発調査を行ったダムである。バシャダムについては2008年3月にも基本設計を終える段階にあるが,工事には8年以上かかるという。カラバーダムもこれから6年以上かかるが,着工への合意が出来ていない。ダム開発は大きな夢であるが,何とも見通しの難しいパキスタンの電源開発ではある。


4 その他

●インドは最初の国,再生可能エネルギー省を独立
●インドネシアの石炭ベースメタン,多くの企業が注目
●フィリッピン,PSALM,マニラの火力売却,日程を再調整


5 参考資料

2008年1月7日分

パキスタン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Pakistan.htm

●080107A Pakistan, The International News
政府,5ダムの建設進まず,数年は電力危機続く
Power crisis to persist in coming years
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=89717

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080107B Philippines, Manila Bulletin
野党議員,エネルギーサミットは何の役にも立たない
Oil summit won’t accomplish anything ? Escudero
http://www.mb.com.ph/MAIN20080106113615.html
●080107C Philippines, Manila Bulletin
PSALM,マニラの火力売却,日程を再調整
Manila thermal plant bidding reset
http://www.mb.com.ph/BSNS20080106113558.html

ODA一般

●080107D 洞爺湖サミット,1月6日9時32分配信読売新聞
各国の省エネ策審査する国際機関、洞爺湖サミットで提案へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080106-00000002-yom-bus_all

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080107E India, Economic Times
インドは最初の国,再生可能エネルギー省を独立
'We need to invest in tomorrow’s technologies today'
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/We_need_to_invest_in_tomorrows_technologies_today/articleshow/2677958.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080107G Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの石炭ベースメタン,多くの企業が注目
Companies eye CBM projects in Indonesia
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20080105.L01&irec=0

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080107H 中国,1月5日22時39分配信 Record China
<原発>第3代が次々と着工!将来は電力供給のカギに!!―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080105-00000017-rcdc-cn


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月6日分 ー PLNの4つの石炭火力入札へ ー

ネパールのセティ川上流で熱い議論を戦わせたのは,ついこの間である。「この方式こそがネパールを電力不足から救う唯一の方法だ。」,と説くJICAの専門家と,下り行く急流を眺めながら,ネパールの水力開発の難しさに,思いを馳せてしまった。ネパールは,今渇水期で,週15時間の長い計画停電に,市民は脅かされている。

ネパールの難しさはどこにあるか。まず人口が少なく電力需要が小さいため,大規模水力開発が困難である。インドとの連携が具体化しつつある今日では,これも解決される可能性が出てきたが,大規模ダム開発が困難なために,小さい規模のダムでは,ヒマラヤから押し寄せる土砂を収容仕切れない,すぐに満杯になってしまうので,水量を調整できるような,乾期にも有効なダムの建設が不可能なのである。

これを解決するために,彼の専門家が考えた方法は,ダムの全高をゲートで覆う形式だ。これは日本でも良くある方法で,普段はゲートで水位を保っているが,洪水期土砂が流れてくるときには,ゲートを全門開いて,洪水と一緒に土砂も下流へ流す方式である。三峡ダムもこの考え方に近く,洪水期には水位を下げてゲートを全開する方式である。下流に土砂を流せば,河川環境も保たれる可能性が高く,有効であるが,実際にこれがうまく運用できるかどうか,には問題も残っている。ネパールの電力不足を思って,このような検討を行ったことを思い出した。


1 今日の概要

インドネシア政府は,今月末にも,クラッシュプログラムの第2次分について,資金調達のための入札を行うため,内外の融資機関に招待状を発送,目標は20億ドルで,プロジェクトは石炭火力4カ所,合計出力300万KWである。インドのシンディ電力大臣は,2012年まで待ってくれ,計画の8000万KWが完成すれば,電力供給は容易になる,と演説。フィリッピンのアロヨ大統領は,エネルギーセクターのサミットを招集を要請,高騰する石油かかへの対処に大わらわである。ネパールは現在乾期で,電力不足に悩み,週15時間の計画停電に踏み切る。


2 目次

●インドネシア,PLN,今月末にも,4つの石炭火力を入札へ
●インド,電力大臣,2012年以降は電力供給は,容易である
●フィリッピン,アロヨ大統領,エネルギー省へ指示,代替エネルギー開発急げ
●ネパール,NEA,渇水のため,週15時間停電を実施へ


3 本文

●インドネシア,PLN,今月末にも,4つの石炭火力を入札へ

ちょっとよく分からないのは,資金調達のための入札なのですね。記事中にもあるが,一般にはコントラクターの責任で資金源を探してくるのだが,今回の例では資金調達そのものを入札にかける,政府は内外の20の融資機関に入札への招待状を発出したようだ。政府の狙いは,総額20億ドル,4つの石炭火力プロジェクトの工事資金の85%に相当する,15%は政府が確保する,と言うことである。因みに,昨年の第1回の入札では,中国銀行と米国のバークレー銀行が外貨調達,内貨は国内の銀行によって調達されたが,中国銀行とはまだ交渉中という。

対象となっているプロジェクトは,クラッシュプログラム1,000万KWのうち,第2次分で,東ジャワの60万KWパチタン,西ジャワの90万KWプラブハンラト,バンテンの90万KWトウルックナガ,東ジャワのタンジュンアワールアワール,の4プロジェクトである。また,昨年入札で決定しているのは,バンテンの60万KWラブアン,西ジャワの90万KWインドラマユ,中部ジャワの60万KWレンバン,それに60万KWパイトンバルである。いずれもプロジェクトに対しては政府保証が付けられている。

長く低迷したインドネシアの電源開発であるが,完全な政府主導でこの電力危機を打破するために,クラッシュプログラムを仕掛け,今のところは順調な滑り出しと見た。民営化の段階でもたついているフィリッピンや,民間主導を頼みとするインドの大規模開発は,その点ではまだ円滑に進むのかどうか不透明である。しかし,石炭火力にはいろいろ批判もある今の段階で,果敢に石炭火力に挑み,また中国の金融面での支援を確実にしたインドネシアは,2009年には,電力危機から抜け出す勢いである。

今回のクラッシュプログラム1,000万KWが出来上がると,PLNの設備出力は約3,900万KWになるわけであるが,現在のところは設備の70%が石油火力であり,高騰する石油に対処するためにも,石炭への大幅な切り替えが必要なのである。しかし,先日もでていたが,インドネシアの石炭の可採埋蔵量は50億トンと言われており,年間2億トン生産で行くと25年で枯渇する。それ以降は輸入に頼ることになる。

●インド,電力大臣,2012年以降は電力供給は,容易である

さて,翻って,やはり電力不足に悩むインドであるが,国会から厳しく追及されているシンディ電力大臣は,国会では防戦一方だが,外に出ると勢いが良く,今日もゴアの開閉所の竣工式に出席して演説を行い,2012年まで待ってくれ,今計画の8,000万KWが完成すればたちどころに電力不足は解消する,まるでモバイル接続みたいに容易に電力が手に入る,とまた大風呂敷を広げた。

第11次五カ年計画に盛り込まれている,と言うか第10次から繰り越されてきたものも含めて,8000万KWと言う数字を言っているのだが,大臣は既にこのうちの6000万KWは,着工指示がでている,としている。しかし,この演説の中でも漏れてくるように,中央だけでは達成出来ない,州政府も自ら努力してくれ,と本音が出ている。400万KWクラスの大規模開発のUMPPは,果たして大臣の思惑通りに進むのであろうか。

●アロヨ大統領,エネルギー省へ指示,代替エネルギー開発急げ

インドネシアではクラッシュプログラムが強力に推進され,インドでは電力大臣が不透明な8000万KW新設計画を武器に,国民への説明に走る回る。ここフィリッピンでは,高騰する石油の影響で国民生活に影響が出てきた状況を考え,アロヨ大統領が,レイエス・エネルギー長官に,早急なアクションを取るように指示した,と大統領府が発表している。

大統領に指示は二つあって,早急にエネルギーセクターのトップを集めて,代替エネルギーの開発を急ぐ方策を検討せよ,と言うことと,石油の関税について,財務省など関係者で,割引を視野に入れてを検討せよ,と言うもの。ブニー大統領報道官の発表では,エネルギー関係者のサミットでは,政策とプログラムの改善,技術開発への投資の刺激,開発計画の推進,の3点であるが,問題は開発計画の推進が,円滑に言っていないことであろう,資産売却にばかりうつつを抜かしているから。

●ネパール,NEA,渇水のため,週15時間停電を実施へ

ネパールは,豊富な水力包蔵を有しながら,規模がうまく合わずに,開発が進まない。政治的和解が成立して,これからインドとの間で水力の共同開発が進むと思われるが,しばらくは大変である。現在の全国の需要は720MWとされており,渇水期に於ける現在の供給力は480MWである。不足は240MWで,週15時間の停電のやむなきに至っている。4月には乾期が終わるが,まだ3ヶ月間も電力不足が続くことになる。


4 参考資料

2008年1月6日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080106A Philippines, Manila Bulletin
アロヨ大統領,エネルギー省へ指示,代替エネルギー開発急げ
Energy summit called to meet expected rise in fuel costs
http://www.mb.com.ph/MTNN20080105113501.html

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●080106B Nepal, eKantipur
NEA,渇水のため,週15時間停電を実施へ
15 hrs a week power cut from Sunday
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=133301

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080106C India, Economic Times
電力大臣,2012年以降は電力供給は,容易である
Country will get rid of power shortage by 2012: Minister
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Country_will_get_rid_of_power_shortage_by_2012_Minister/articleshow/2675792.cms

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080106D Indonesia, The Jakarta Post
PLN,今月末にも,4つの石炭火力を入札へ
Govt, PLN to hold tender for four power plants
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20080104.L03&irec=2


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月5日分 ー 中国が進める「走去出」政策に2兆円 ー

日本の郵貯,400兆円がアジアの開発を動かしている,投融資の特別会計に守られたJBICの国際金融こそが,アジア開発の決め手だ,とつい最近まで私は叫んでいた。実際,ほんの5年ぐらい前までは,この資金がなければラオスの水力開発だって出来ないのではないか,と思っていたぐらいである。時の流れはこんなにも速いのか,今日の日本経済新聞では,「中国政府系ファンド,国家開発銀行に2兆円超す出資」,と題して,政策銀行の国家開発銀行に200億ドル(約2兆2000億円)を出資,今回の出資を通じて海外展開を後押しする狙いがある,と報道している。

数年前までの日本は,国際金融など十分な手当がありながら,対象プロジェクトの選定に悩んで二の足を踏むことが多かった。事実,インドネシアのダムプロジェクトでは,地元からの訴訟が起こされたり,とてもダム開発に踏み込んでいける状況ではなかった。それに対して中国は,プロジェクトも選ばないし,国も選ばない。ミャンマーのダム開発やスーダンの電力開発,更に最近の情報では,西側がいったんは諦めたメコン下流のダム開発にも,調査の手を伸ばしてきている。今後は中国政府が進める「走去出(外に出る)」政策に対応し,更に海外投資に軸足を移す姿勢をみせている。


1 今日の概要

タイのEGATは,次期IPP入札で予定されている4つの石炭火力プロジェクトの運転開始を1年延期,2015年とし,この1年間を地元民への説明に努力するという,一つには,先月のIPP入札でJパワーなどの440万KWが順調に滑り出したためという。中国では石炭の値上がりで電力各社が料金値上げを申し出ているが,発改委は求めず,大衆のエネルギーを考慮してか。インドの新首相が中国へ,地球温暖化で共同歩調を確認か。日本の炭酸ガスの地中埋め込み技術,アラブ首長国連邦へ売り込みに。日本,排出枠取引でグリーン投資スキームを使って東欧4カ国と交渉中,約1億トン,2000億円。


2 目次

●タイ,EGAT,地元の協力を得るため,石炭火力運転更に延期
●中国,石炭価格上昇で電力会社が値上げを再申請か
●インド,シン首相が訪中へ,パキスタン安定化で意見交換
●発電所のCO2回収,地中に送り石油増産,政府と三菱重工連携
●排出枠取引,東欧4カ国と交渉,政府,環境技術を有効活用


3 本文

●タイ,EGAT,地元の協力を得るため,石炭火力運転更に延期

EGATのスティポン副総裁が,EGATの最近の重要テーマーについて語った。最大のポイントは,今回のIPPの入札で,予定より120万KW多い440万KWが落札され次の段階に進んでいる,従って,次に予定していた4つの石炭火力の入札を1年間延期して2015年運転開始とする,この1年間で地元民の理解を更に得るよう努力する,と言うのである。この次期石炭火力の場所はまだ決定していない。是非とも,カンボジアの,「神が創り賜いし石炭火力の島」,も考慮に入れて欲しい。

スティポン総裁の言う440万KWのIPPとは,先日もこの欄で扱ったが,アドバーンスアグロ社の54万KW石炭火力,グロウエナージの66万KW石炭火力,日本のJパワーの320万KWガス火力の3プロジェクトで,来春までに環境報告書が提出され,審査されることになっている。いずれも,2014〜2016年に運転開始される。

なお,次期石炭火力のIPP入札に当たっては,クリーンコールの最先端の技術を採用するとしており,主として北米や欧州で研究されているIGCC,石炭ガス化複合方式,を研究中であるとしている。なお,これについては先日,日本の電力会社が,欧州などとは異なった,酸素ではなくて空気で燃焼させる方式を実地試験しているほか,効率の向上について,インドで実地検討会を行うという報道もあり,Jパワーなどは当然この辺りの情報をタイでも協議していることだろう。

更に副総裁は,昨年成立したエネルギー事業法について説明,KWh当たり,石炭火力からは0.02バーツ,ガス火力からは0.01バーツを徴収して,これをエネルギー税基金と称し,発電所地元の環境対策や地域開発の費用に充てることで,既に10発電所から徴収を実施しているという。丁度日本の電源特別会計と同じで,やっと昨年発足したばかりである。

●中国,石炭価格上昇で電力会社が値上げを再申請か

中国の国家発展発展改革委員会は,粘り強く電力会社の値上げ申請をはねつけている。2008年分の石炭価格については,30元から40元も値上がりして行くことになっており,華能国際集団,大唐発電集団,華電国際集団,国電電力集団,中国電力投資集団の5社は,既に限界である,と声を揃えて主張している。最近の中国の大衆の動きを見ていると,インドネシアとは言わないまでも,電力料金の値上げが,大衆の不満に火を付けかねない情勢と見られる。

●インド,シン首相が訪中へ,パキスタン安定化で意見交換

今月13日から3日間の日程である。この記事では,パキスタン問題,としているが,他紙の見方は気候変動問題の強調が大きな目的と書いている。安倍さんは,中国に対抗して民主主義価値観の同じインドとの連携を模索したが,一方でインドは国際政治の場に於ける中国との共通点に重点を置いているようだ。地球温暖化問題は,環境問題ではなくて,国際政治問題なのだ。CO21トンの分離,回収には5000〜1万円の経費がかかるという。原油の値上がりがこれを実用化する,というニュアンスで書かれている。

●発電所のCO2回収,地中に送り石油増産,政府と三菱重工連携

CCS技術,発生した炭酸ガスを地中に送り込み,この効果で原油生産増を図ろうということで,4日から甘利通産相が三菱重工とともにアラブ首長国連邦を訪問するという。昨日の,IGCC,石炭ガス化複合,の技術といい,日本の積極的な姿勢が報じられ始めた。ただ,このCCSは考えただけでも相当のコストがかかりそうで,そのためにまたCO2を発生させることになりそう,と考えていた。記事によると,コストが問題で,CO21トンの分離,回収には5000〜1万円の経費がかかるという。原油の値上がりがこれを実用化する,というニュアンスで書かれている。国際エネルギー機関(IEA)は2050年のCO2排出削減量320億トンのうち,約20%をCCSで達成すると予測している。
 
●排出枠取引,東欧4カ国と交渉,政府,環境技術を有効活用

北畑経済産業省次官が,京都議定書の規定を使ってどこが悪い,と開き直った手法である。「グリーン投資スキーム」(GIS)という,今回はハンガリー,チェコ,ポーランド,ウクライナと交渉中という。基本的に政府は,2000億円で1億トンを買う計画であり,この資金は,環境対策に回されるので,ODA的な意味を持っているとしている。でも,もう少し違ったことに2000億円使った方がよいのではないか,と言う疑問もある。


4 その他

●消費国に省エネ呼び掛け=原油在庫の減少で警告−IEA
●マニラ電力,1月より発電チャージ上乗せ,0.136ペソ
●中国雲南省,虎跳峡ダムの建設を放棄,写真がきれい


5 参考資料

2008年1月5日分

タイ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Thailand.htm

●080105A Thailand, Bangkok Post
EGAT,地元の協力を得るため,石炭火力更に延期
Egat may delay four coal plants to generate more local support
http://www.bangkokpost.com/Business/04Jan2008_biz30.php

電力一般

●080105B 三菱重工,1月4日8時1分配信 産経新聞
発電所のCO2回収、地中に送り石油増産 政府・三菱重工連携
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080104-00000022-san-soci
●080105C IEA,1月4日8時1分配信 時事通信
消費国に省エネ呼び掛け=原油在庫の減少で警告−IEA
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080104-00000017-jij-int

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080105D Philippines, Manila Bulletin
マニラ電力,1月より発電チャージ上乗せ,0.136ペソ
Meralco generation fee up P.0136/kWh
http://www.mb.com.ph/BSNS20080104113380.html

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080105E インド,1月3日19時3分配信 毎日新聞
<インド>シン首相が訪中へ パキスタン安定化で意見交換
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000029-mai-cn

環境一般

●080105F 東欧,1月3日10時48分配信 産経新聞
排出枠取引、東欧4カ国と交渉 政府、環境技術を有効活用
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000901-san-pol

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080105G 中国,1月3日15時30分配信 サーチナ・中国情報局
石炭価格上昇で電力会社が値上げを再申請か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000014-scn-cn
●080105H China, Shanhai List
中国雲南省,虎跳峡ダムの建設を放棄
China gives a dam after all!
http://shanghaiist.com/2008/01/03/china_gives_a_d.php


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月4日分 ー おじいちゃんが原油100ドルにしたんだよ ー

原油バレル100ドル突破!この100ドル載せの張本人は,独立系トレーダーで,売買の最小単位である1000バレルで,100ドル値を入れたらしいと報じている。とにかく,40年前の4ドルが今100ドルになったのだから,歴史的なポイントであることは間違いない,歴史に残るだろう。市場関係者の間では,「将来,孫に,「おじいちゃんがやったんだ」,と語るために損失覚悟で買ったのでは」,との見方があるという,面白いですね。

私も,田舎に帰る途中で時々孫を連れて奥多々良木揚水発電所の下部ダムに立ち寄ることがある。これも一度書いたが,車で湖畔を走りながら,「このダムはおじいちゃんが造ったんだよ。」,と言うと,孫が,「それはいいけど,この道,何か酔いそうだね。」,と言われてしまった。私の同僚が設計したのだが,ダムの専門家で,道路の専門家でなかったために,当時から道路の線形が劣悪,と言われてきた。孫は敏感である。

最近,グーグルの地球儀が有名だが,私もこのグーグルアースを見ながら,自分の関係した作品をよく眺める,「私たちの残した地球への爪痕」,とでも題して,一発書くかな,なんて言う気分になってくる。木曽川の牧尾ダム,市川の奥多々良木揚水,十津川の奥吉野揚水,市川の大河内揚水,北京の十三陵揚水,タイのラムタコン揚水,インドネシアのチラタダム,などなど。


1今日の概要

今後,インド,中国,インドネシア,タイなどの経済を支えていかなければならない石炭火力,日本の電力各社が,その誇る最新技術でこれらの国を支援しようと言う意気込みである,当面,インドでの効率アップのための実地検討会が,2月に行われるという。中国に対する円借款事業で,これをCDMに転用することを中国が容認する,問題は,国連での承認との駆け引きである。スリランカの和平工作が決裂,首都などでのゲリラやテロの恐れが増えてきた,日本やノルウエーの和平工作が実らず,残念。


2 目次

●電力各社,石炭火力発電でCO2を2割削減,中印などへ技術
●石炭火力,「エコ技術」,磨く日本,効率アップ新興国支援,最新「ガス化」本格試験
●ODA事業分の温室ガス排出枠を買い取り,日中で大筋合意
●LTTEとの停戦を破棄=スリランカ政府が決定


3 本文

●電力各社,石炭火力発電でCO2を2割削減,中印などへ技術

産経新聞が同じ記事を,「石炭火力,「エコ技術」,磨く日本,効率アップ新興国支援,最新,「ガス化」,本格試験」,と題してして記事にしている。とにかく当面の電力不足,特に,中国,インド,インドネシア,タイなどは,石炭火力を大量に新設しなければ,経済についていけない。原子力での代替や,インド周辺及び中国,並びにタイ周辺では,大規模水力の代替による石炭の置き換えが重要なテーマーだが,石炭火力の新設は,いずれにしても,当面の重要な発電手段である。インドネシアのクラッシュプログラム,インドのUMPP,タイのIPPなどなど。

まず,中国やインドの石炭火力の効率が30〜32%にとどまると書いてあるけれど,これは平均値を言っているので,恐らく最新鋭の中国やインドの火力は38%〜40%は確保しているのではないか。中国がインドネシアに持ち込むクラッシュプログラムの石炭火力が,効率30%と言うことはあるまい。この点は重要で,確認したい。ローカルな大気汚染への対策は,日本は最新鋭の技術を持っているのであろう。今度2月に,インドで実施するという実地検討会というのは,この効率の問題と大気汚染を対象としているのか。

なお,記事の中に出てくる,次世代技術である,「石炭ガス化複合発電(IGCC),」の実用化,と言う問題は,何年も前から研究が行われていて,7,8年前のJICAの知的支援の重要なテーマーとして指摘されたことがある。記事によると,石炭を空気混入して燃焼,ガス化させ,ガス発電を行って,更にのその残熱を利用する複合方式で,熱効率を50%近くまで高めるという。いずれにしても,人類は更に50年ほどは石炭に頼らなければならない,ここで日本の技術が世界をリードするならば,これほど心強いことはない。

●石炭火力,「エコ技術」,磨く日本,効率アップ新興国支援,最新「ガス化」本格試験

同じ趣旨の記事であるが,出てくる新しい技術や実験をピックアップしておこう。次世代技術である「石炭ガス化複合発電(IGCC)」の実用化,今春から2000時間連続運転試験も開始。米国や中国,インドなど7カ国が加盟するクリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップAPP。東京電力,関西電力など電力11社が運営するクリーンコールパワー研究所(福島県いわき市)の石炭をガス化。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000013-san-ind


 電力業界は二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出削減に向け、石炭火力発電の発電効率を高めるノウハウを、中国やインドなど主要排出国に提供する。2月にインドで実地検討会を実施し、ノウハウを伝える。一方で、次世代技術である「石炭ガス化複合発電(IGCC)」の実用化を目指し、今春から2000時間連続運転試験も開始。世界最高水準の石炭火力発電技術の提供とともに、次世代技術の開発を進めることで、温暖化防止の主導権を握る。環境負荷の低い石炭火力技術は,「クリーン・コール・テクノロジー」,と呼ばれる。などなど。

●ODA事業分の温室ガス排出枠を買い取り,日中で大筋合意

ODAによるCDMが可能かどうか,私たちは当初,京都議定書の中でも,ODAによるものは駄目だ,と教えられてきた。先日聞いたところによると,京都議定書の会議の時,途上国側がODAをその方向に転用されるのを恐れて反対したために,ODAをはずすことになったのだ,と聞いている。しかし最近になって,国連の承認機関が初めて,日本によるODA案件のCDMへの適用を承認したと聞いて,新しい段階を迎えたのかな,と思っている。

今日の記事は,日本と中国の関係で,このODA,対中円借款事業で生じた温室効果ガスの削減分を排出量として中国から買い取る,と言うことで両国が合意したともことで,中国との間には新しい道が開けることになる。ただ,中国との間のCDMプロジェクトが,すべて国連で承認されるかどうか,と言うのは問題で,この点は留意する必要がある。追加性の問題は別にしても,水力や原子力へのODAが,CDMに転用されれば,地球の温暖化対策は,大幅に進むだろう。

●LTTEとの停戦を破棄=スリランカ政府が決定

スリランカの和平対話は好調に進んだと思われたが,ここに来て破局。日本政府も,和平ムードからスリランカ支援に大きな力を入れてきたが,残念である。スリランカ政府は一挙に武力で制圧,としているが,ゲリラやテロで,コロンボも危ないのではないか。ノルウエーが和平交渉の仲立ちをやってきた。日本も明石さんを送って努力したが,無為に終わりそう。

4 その他

●インド,今年度,大規模火力計画UMPP,更に3カ所を追加
●ABB,中国横断の最長超高圧直流送電線,一部受注


5 参考資料

2008年1月4日分

スリランカ

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Srilanka.htm

●080104A スリランカ,1月3日2時1分配信 時事通信
LTTEとの停戦を破棄=スリランカ政府が決定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000011-jij-int

電力一般

●080104B 電力各社,1月3日8時28分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
電力各社 石炭火力発電でCO2を2割削減 中印などへ技術
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000000-fsi-bus_all
●080104C 電力各社,1月3日8時0分配信 産経新聞
石炭火力「エコ技術」磨く日本 効率アップ新興国支援 最新「ガス化」本格試験
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000013-san-ind

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080104D India, Economic Times
今年度,大規模火力計画UMPP,更に3カ所を追加
3 more bids likely for ultra mega power projects this fiscal
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/3_more_bids_likely_for_ultra_mega_power_projects_this_fiscal/articleshow/2670391.cms

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080104E China, The Engineer
ABB,中国横断の最長超高圧直流送電線,一部受注
Power across China
http://theengineer.co.uk/Articles/303813/Power+across+China.htm
●080104F 中国,1月3日3時11分配信 読売新聞
ODA事業分の温室ガス排出枠を買い取り、日中で大筋合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000101-yom-pol


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月3日分 ー インドネシアPLNの負債は17億ドル ー

ジャカルタの空港を出るときに,イミグレーションの係官に呼び止められて,「君は酒を飲んでいる,私は飲んでいない,だから可哀相な私のために,お金をおいて行け。」,と言われたり,胸に挿したボールペンを指さされて,「いいのを持ってるね,おいて行けよ。」,などといわれたのは,1980年代のジャカルタ空港の出入国管理である。あるお金持ちのインドネシアの婦人がおおくのお土産を海外から買ってきて,税関の余りのたかりように腹を立て,荷物で税関の窓ガラスをたたき割ってから,このような問題が少なくなったとか。

建設工事が行われると,その後で多くの関係者が左遷される,常に汚職の問題がつきまとったのが,インドネシアの電源開発であった。随分良くなったとは聞いていたが,最近になって,あのPLNの温厚そうなエディ総裁が一時拘束されて,我々も心配したものである。PLNのトップを引っ張って行くのだから,汚職撲滅には相当の力が入っているのだろう。でも,拘束されたといいながら,すぐに新聞にエディ総裁の談話が載ったりするので,何か不思議な国だな,と言う気がする。


1 今日の概要

汚職疑惑のインドネシア,PLNエディ総裁が,元気に2008年,今年のPLNの経営について談話を発表している。ポイントは,2020年までの未電化の国民,220百万人の44%,の電化のために今年は15億ドル相当を投入するという点と,2009年を目指すクラッシュプログラム,1000万KWの推進である。なお,PLNは現在17億ドル相当の負債を抱えている。雲南省のサイトが,英国の記事を引用して,虎跳峡ダムの放棄を伝えている。きれいな写真も貼付している。


2 目次

●インドネシア,PLN,2020年までの100%電化,今年は15億ドル
●中国,雲南省サイト発表,虎跳峡ダムは放棄へ


3 本文

●インドネシア,PLN,2020年までの100%電化,今年は15億ドル

汚職容疑で取調中かと思ったら,PLNのエディ総裁は元気で,昨年の実績を振り返りながら,今年のPLN経営の見通しを元気に語っている。PLNは未だに16兆ルピア,約17億ドル相当の負債を抱えているようで,その処理について金融機関や財務省と協議を続けているようだ。フィリッピンの70億ドル負債よりはましだが,それでもこの負債は電力料金問題や政府の補助金問題と絡んで,PLNの財政に重くのしかかっている。

もう一つ注目は,インドネシアの人口220百万人のうち,44%がまだ電気を供給されていないと言う数字も,改めて驚きだ。ジャワ島だけを取り上げると,とてもそのレベルとは思えないが,先日も記事になっていたサウダンズ諸島の電化など多くの島嶼やカリマンタンなどの辺境を抱えて,この未電化地域への対策も,大統領選挙を控えるだけに,力が入るところである。2020年までに100%,と言う目標に対して,今年は特に,ジャワとスマトラの送電線拡張など26000km,15億ドル相当を投入する予定という。

電化の推進に向けての電源の問題は,改めてクラッシュプログラムの内容を確認している。2009年までに1000万KWの電源を新設する。殆どは石炭火力で,その80%を中国企業と中国の公的資金に頼っている。ジャワ島内に10の石炭火力,出力690万KW,ジャワ島以外に25カ所,出力310万KWの計画である。

今年のPLNの経費,主として燃料費の問題にも言及している。2008年,今年1年間のPLNの経費は139兆ルピア,約147.8億ドル相当で,このうち60%が燃料費,またその78%が発電燃料費となっている。今年の燃料費の節約は1.7兆ルピアで,主として,天然ガスなどのパイプライン整備が効いてきて,従来の高速油などの使用が減るものと期待されている。

PLNの今年の課題は,何と言ってもジャワ島の10カ所の石炭火力建設を推進することで,すべてのこれらのクラッシュプログラムに関わる発電所は,来年,2009年には完成させる必要がある。ジャワバリ系統の逼迫した需給の緩和が,当面のPLNの大きなタスクである。

●中国,雲南省サイト発表,虎跳峡ダムは放棄へ

このニュースは既に英国のガーディアンの記事として,過日紹介しているが,今日の記事は雲南のサイトでしかも英国の記事を参照して書いている。実際に現地の公式な発表は行われたのかどうか,よく分からない。しかしこの雲南のサイトは,国内の環境保護を主張する人々の大きな成果だ,と言う書き方をしている。また,非常にきれいな現地の写真を載せているので,引用させてもらう。

私も,1998年ぐらいにこの地を訪れているが,当時は両岸に試掘のためのトンネルを掘ったりして,ダム建設への意欲満々であった。この記事にも出てくる標高5,596mの玉龍雪山,5,396mの哈巴雪山などの素晴らしい景色も眼にしている。このダム計画によって水没移住を迫られていた人たちは10万人に上り,殆どがナシ族で,一部には日本人との関連の説もある。現在では,世界遺産の一角として,観光設備も整っている,と記事には書いてある。気になるのは,その上下流にもダム計画があり,虎跳峡サイトだけを避けたのかどうか,と言う点である。


4 その他

●フィリッピン,Meralco の237億ペソ債券発行,ERCが承認
●フィリッピン,ERC,NPCのCBKプロジェクトに関わる経費回収を承認


5 参考資料

2008年1月3日分

フィリッピン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080103A Philippines, Manila Bulletin
Meralco の237億ペソ債券発行,ERCが承認
Meralco seeks ERC nod on borrowings
http://www.mb.com.ph/BSNS20080102113161.html
●080103B Philippines, Manila Bulletin
ERC,NPCのCBKプロジェクトに関わる経費回収を承認
ERC sets public hearing on CBK cost recovery
http://www.mb.com.ph/BSNS20080102113163.html

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080103C Indonesia, The Jakarta Post
PLN,2020年までの100%電化,今年は15億ルピア
PLN may spend $1.5b for power-for-all project
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20080102.L01&irec=0

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080103D China, Go Kunming
雲南省発表,虎跳峡ダムは放棄へ
Tiger Leaping Gorge will not be dammed
http://gokunming.com/en/blog/date.php?date=2008-01-02


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月2日分 ー メコン東西回廊は中国への対抗 ー

メコン東西回廊。ラオスとベトナムの国境付近を歩いていたときに,各所の池があるので,「これは何だね?」,と聞くと,米国がフィッシュポンドを寄付してくれた,と真面目な顔で説明してくれた。もう既に米国の支援が入っているのか,と勘違いしたことがあったが,米軍の爆撃の跡である。ベトナムの南北を連絡するホーチミンルートが米軍に攻撃されて,迂回してラオスの南部を通過した時期があり,米軍がラオスも爆撃したのである。

空爆の跡をフィッシュポンドと揶揄したり,ナパーム爆弾の破片で灰皿を造ったり,墜落した米軍機の翼の破片でボートを造ったり,ラオス人というのは随分皮肉のうまい人々である。戦争のさなかでも,こうしてユーモアを残して,米軍をからかっている姿は,どこか,イスラエルを狐に見立ててからかうパレスティナ人に似ている。今日の記事では,このホーチミンルートを傍に見ながら,日本がメコン東西回廊に協力する。


1 今日の概要

先日の高村外相の,メコン五カ国外相の東京への招待,そのテーマーは,メコンの東西回廊であった。この回廊は中国が進める南北回廊に対抗するもので,東南アジアでの更なる影響力を発揮しようとする福田外交の存在感を示すものである。


2 目次

●日本,メコン東西回廊に2000万ドル, “南進”中国に対抗
●メコン東西回廊に2000万ドル,東南ア外交再構築,ばらまきに対し着実援助


3 本文

●日本,メコン東西回廊に2000万ドル, “南進”中国に対抗

1992年,ラオスのベトナム国境付近,小水力現場,ラオスの人々が夕方5時頃,夕食前に皆消えてしまうので何をしているのかと窺うと,皆,ベッドの蚊帳の中で一眠りしている,暗くなると,もそもそと出てきて,「さあ,夕食にしようか。」。何故消えてしまうのか,と聞くと,夕方の蚊はマラリアが一番危ない,と言っている,早く言えよ!その付近の道路は一応舗装がしてあるが,穴ぼこだらけ,ラオスは人口が少ないから道路の補修にも事欠く状態である。ラオスの友人は,すべてベトナムのトラックのせいだ,ベトナムは通行量を払うべきだ,と怒っている。

その国境付近からタイとの国境のムクダハンに出て,港で船を待つ間,ラオスの友人とメコン河の畔に腰を下ろしてしばし休憩。港を出て行く船を見ながら友人に向かって,「タイからの船は物資を満載しているのに,ラオス側から帰って行く船は空っぽではないか,これではラオスは駄目だね。」,と言うと彼は,「そうなのだ,ラオスから物資を出すためには農産物しかない,でもベトナムとの物流が進めば,この港からも物資が動くようになるだろう,問題は,ベトナムからの道路の整備だ。」,と言うような会話を交わした。

まだその当時は,ビエンチャンのメコン第1架橋も出来ていない時代で,ムクダハンに橋を架けるなんて想像もしていなかった。先日,高村外相が,唐突に,メコン五カ国を東京に招いて,外相会議を開く,と言うニュースで,何とも唐突かつ何を目指すのか,と疑問を投げかけてきたが,今日のこのニュースで,その意図が理解できた。中国の南北回廊に対して,日本は東西回廊で対抗しよう,と言うわけだ。それなりに,面白い発想だと思うのだが,日本政府は,メコンについては道路に拘る。水はそれなりに問題があるからである。

橋とか道路とかは,工事費もそんなに高くなく,社会的な負の影響も少ないので,メコン河流域のインフラ建設となると,どうしても公的支援は道路に拘ることになる。でも,道路だけでは地域開発は完成しない。東西回廊にまつわるその他のインフラ,特に水資源についても,多角的援助の方向でプロジェクト形成を行って行くべきだろう。

●メコン東西回廊に2000万ドル,東南ア外交再構築,ばらまきに対し着実援助

昭和52(1977)年に「福田ドクトリン」を打ち出した故福田赳夫元首相を父に持つ福田康夫首相。東南アジアの過去の援助にもかかわらず,常任理事国入りで積極的に日本を支援したのはシンガポールだけ,と言うことがショッキングであり,また私から見れば,インドネシアのカラ副大統領が中国を訪問して,中国の政治は素晴らしい,と絶賛して,中国企業を誘致し始めたのを見て,日本の援助は何だったのか,と誰しも思った。

今回のメコン五カ国の外相を東京に招いての会議は,まさに福田内閣のアジア外交の反省に立ったもの,との見方である。私から見れば,ラオスの水力にしても,スリランカの石炭にしても,インドネシアの石炭火力にしても,ミャンマーの水力にしても,どうしてもっと日本企業が頑張らないのか,と思ってしまうが,日本企業には日本の公的資金を説得するだけの自信がないわけである。ダムや石炭は中国にやらせておけ,日本は別の道がある,と考えることも出来るが,中国の支援はインパクトが大きく見えてしまう。


4 その他

●インド政府,まもなくNTPC改革,更に金融面を強める組織へ


5 参考資料

2008年1月2日分

ラオス

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Laos.htm

●080102A メコン,1月1日8時1分配信 産経新聞
日本、メコン東西回廊に2000万ドル “南進”中国に対抗
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080101-00000025-san-int
●080102B メコン,1月1日8時1分配信 産経新聞
メコン東西回廊に2000万ドル 東南ア外交再構築 ばらまきに対し着実援助
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080101-00000013-san-pol

インド
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0India.htm

●080102C India, Economic Times
インド政府,まもなく改革,更に金融面を強める組織へ
Govt likely to arm NTPC with financial power
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Govt_likely_to_arm_NTPC_with_financial_power/articleshow/2665931.cms


ー 日刊アジアの開発問題 2008年1月1日分 ー ブット女史の最後の言葉はブットバンザイ! ー

パキスタンの核がテロリストに渡るのではないか,と言う懸念が世界を駆けめぐっている。パキスタンの軍部は,絶対大丈夫,と断言しているようだが,ブット女史の暗殺に関わったと見る人もいる軍部の中の親過激派は,この点に関してもっとも懸念されるグループのようだ。パキスタンの混乱は収まりそうにない,あの国は軍さへしっかりしていれば大丈夫,と見る人もいるが,民衆のエネルギーもばかにならない。

今日は,ブータンが総選挙を行って民主化へ一歩踏み出す日であるが,ブータンの人々は民主主義を怖いものとして見ている節がある,パキスタン然り,バングラデシュ然り,今日のケニア然り。彼らは,最後は王様が助けてくれる,と信じている。タイだってそうだからと。でも日本も,戦後の混乱期は,天皇陛下が助けてくれる,と思っていた節が大いにある。

それにしてもブット女史の死は壮烈である。お父さんは軍に処刑されている,ブット女史の最後の言葉が,「ブットバンザイ!」,だったというのは,思わず泣かされる言葉である。銃声で車の中に崩れ落ちてから,爆発が起こった,と政府側の発表と異なるところが怖い。


1 今日の概要

ネパール,マオイストの政治参加を受け水力開発に明るい兆しが見えてきたが,ネパール国会の厳しい注文など難題も横たわる中,ネパールの閣議はインド企業の参加を容認する決定を行った,手始めはアルン3及びアッパーカルナリである。スーダンの地元紙は,中国が世界の大規模ダムを殆ど一手に引き受けている現状を説明,27カ国で47の大規模ダム,と報じている。インドネシアは,枯渇が進む既存油井に対して,新規井戸の開発のための刺激策を積極的に展開している。


2 目次

●ネパール,インド企業の水力開発参入を認める
●ネパール政府,水力開発への外国企業を認める
●スーダンでの初めてのダム建設は中国
●インドネシア,来年は原油ガス生産を高めると


3 本文

●ネパール,インド企業の水力開発参入を認める

マオイストが政治に参画する決定で,いよいよネパールの外国資本による水力開発が現実のものとなってきた,と期待がかかっている。ネパールの水力開発は,インドの石炭火力を代替する上で,ポスト京都の地球温暖化対策に大きく貢献するものと,我々も期待している。多くのインド企業がネパール入りして,決定が今や遅しと待ちかまえている。

ところが障壁は意外なところに。ネパール国会が,外国資本の参入に関していろいろと条件を付してくる。現在問題となっているプロジェクトは,402MWのアルン3水力と300MWのアッパーカルナリ水力である。押しかけた外国資本は殆どがインド企業で,アルン3には9つのグループが,カルナリには14のグループが参加して,評価委員会は,ハイデラバードに籍を置くGMR社に決定していた。ところが,ネパール国会が,1企業には1プロジェクトしか渡せない,と変な条件を付けてきたのである。

この入札の評価には,無料で何%の電力を地元に落とすか,と言うことと,政府の取るロイヤリティを幾ら申し出るか,と言うことが重要な条件になっており,12%〜22%の無料電力を申し出ている企業もあり,政府の決定はこれからである。ただ記事によると,インド企業の参加は基本的に認めるという最終決定なので,開発は間違いなく進むだろう。

●ネパール政府,水力開発への外国企業を認める

ネパール紙も,ギネンドラ水資源大臣が会見し,閣議決定の結果として,402MWのアルン3水力と300MWのアッパーカルナリ水力を,外国の民間企業に委託開発することを,正式に発表している。

●スーダンでの初めてのダム建設は中国

中国の支援を受けているスーダンの新聞の記事であるが,世界のダム建設への慎重な姿勢にもかかわらず,中国が,そのダム建設技術を売り物に,世界各地で,しかもスーダンやミャンマーなど政治的に問題の多い地域での,お構いなしのダム建設に,環境団体が非難を浴びせている,と言う感じの記事である。確かに,中国は,企業も銀行も,大ダム建設については何の躊躇もない。それは,国内でダム建設を進めなければならないからであり,日本も,1970年代には,大いにダム技術者が海外進出を果たしたものである。

この記事の中でも,45000の世界の大規模ダムのうち,中国企業が半分を建設しており,最近では,27カ国で47の大規模建設を中国企業が行っているという。最近のパキスタンの15億ドルダム,ナイジェリアの15億ドルダム,ラオスの20億ドルダム,などが上げられている。

●インドネシア,来年は原油ガス生産を高めると

来年の原油生産は,シェブロンなどの活躍で,日量1.034百万バレルは確保できる,と言う強気の予測が書かれている一方,年々枯渇してくる既存の井戸の状況を心配する声も出ている。全体的に見ると,2001年には日量1.34百万バレルでていたものが,2007年には91万バレルとなっている事実があるわけで,政府は,新しい井戸の開発への優遇策を盛り込みながら,その生産高を維持しようと,努力している現状である。


4 その他

●<温暖化>5年間で氷河の7.4%が消失!水不足が住民の生活を脅かす―中国西部
●フィリッピン,世界銀行,PSALMに入札とIPPの専門家を派遣
●中国,旧式火力の閉鎖を進める,14,38MW


5 参考資料

2008年1月1日分

スーダン

http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Sudan.htm

●080101A Sudan, Sudan Tribune
スーダンでの初めてのダム建設は中国
China: New dam builder for the World
http://www.sudantribune.com/spip.php?article25353

フィリッピン
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Philippines.htm

●080101B Philippines, Manila Bulletin
世界銀行,PSALMに入札とIPPの専門家を派遣
For IPP administrators: WB study to guide PSALM on bidding
http://www.mb.com.ph/BSNS20071231113065.html

ネパール
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Nepal.htm

●080101C Nepal, Earth Times
ネパール,インド企業の水力開発参入を認める
Nepal allows Indian firms to enter hydropower sector
http://www.earthtimes.org/articles/show/166649.html
●080101D Nepal, The Rising Nepal
ネパール政府,水力開発への外国企業を認める
Govt to allow foreign private firms in hydels [ 2007-12-31 ]
http://www.gorkhapatra.org.np/content.php?nid=33282

インドネシア
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0Indonesia.htm

●080101F Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,来年は原油ガス生産を高めると
Indonesia making headway on higher oil and gas production
http://www.thejakartapost.com/detailbusiness.asp?fileid=20071231.L01&irec=0

中国
http://my.reset.jp/~adachihayao/indexmap0China.htm

●080101G China, Economic Times
中国,旧式火力の閉鎖を進める,14,38MW
China exceeds target on coal-fired power plants
http://economictimes.indiatimes.com/News/International__Business/China_exceeds_target_on_coal-fired_power_plants/articleshow/2663715.cms
●080101H 中国,12月31日14時6分配信 Record China
<温暖化>5年間で氷河の7.4%が消失!水不足が住民の生活を脅かす―中国西部
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071231-00000012-rcdc-cn


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