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2008年12月31日分 ー インドのマハラシュトラが電源に450億ルピー ー

金融に続いて自動車産業が倒れてきたことが,経済に対して一番ショックが大きかった。後からの話になるけれども,この時点で自動車企業は,少なくとも20%ぐらいは自動以外,例えばロボットとか,ハイブリッドカーなどで売り上げが進むぐらい,構造改革が行われていなければならなかったのかも知れない。あくまで自動車にこだわるのかどうか,そこは非常に大きな論点だが,今日の新聞を見ても,車は車,と言う感じだ。

アイビジネス(注16)が,ややホンダが側に立って記事を書いているが,ホンダの燃料電池車とトヨタの電気自動車とのハイブリッドの競争,と言う感じで書かれていて,車からはみ出そうという気配は全くなさそう。エタノール車という発想は日本には全くないようだ,当然だろう。しかし,いずれのケースも,炭素を排出する点では,そこから逃れられないようで,車だけを考えている人だけでは,どうしようもない感じがする。

トヨタのハイブリッドは,当然電力会社の電力を使うから,その辺に炭酸ガスを吐き散らすことはなくても,電力会社が炭酸ガスを吐き出しているから,地球にとっては同じことだ,原子力を増やせば別だが。ホンダは,水素を天然ガスから生成するとしか考えていないから,化石燃料を使うという点では全く同じである,効率は格段に改善される,と書いてはあるが。

だから,自動車にこだわって人類の究極を狙うとすると,原子力発電所から充電される電気自動車と言うことになるのか。車に小型原子炉,これは難しいだろう。水素燃料は,最後は化石燃料の天然ガスからではなく海水から生成する方向に向かうのだろうが,海水から水素を生成するには,エネルギーが絶対必要で,それは電力からとるから,結局どちらにしても原子力発電所が欠かせないことになる。

一時,海外の石炭と水力で水素ガスを,それを日本に運ぶ,と言う発想もあったようだが,海に囲まれていて海外から水素ガス,と言うことはないであろう。やはり,原子力発電による海水からの水素ガス生成,と言うのが自動車の究極の姿なのか。でも,今ホンダの水素ガスの自動車は,1台数千万円という,その様な代物が実用化されるのですかね。家庭用の燃料電池は,公害の分散にしかならないだろう,意味がない。

自動車自体は変わらないのか,ここが一つ問題点だ。住居と車,これは静と動の生活の組み合わせで,刑務所にでも入らない限り,人類の自由と快適の上で欠かせないと思うがどうだろうか。だから自動車メーカーはあくまで自動車にこだわってくるのか。この辺の議論は,自動車メーカーの中では,盛んに行われているのだろうか。自動車メーカーは自動車メーカーでなくてはならないのか。そうとすれば自動車メーカーは詰まらない。

インド,マハラシュトラ州政府(注11)は,火曜日,2008年12月30日,2012年の電力需要に対応するため,450億ルピーの意欲ある投資計画を発表した。これは,先週の州議会での議論,野党のリーダー,カダム議員(注12)とカドッセ議員(注13)の電力危機についての厳しい質問に対して,州エネルギー相タッカレ氏(注14)が応えたもので,州内閣は,この先2,3年を目指して,450億ルピーの投入を決定している,とした。

(注) (16) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200901010013a.nwc,(17)
(注) (11) Maharashtra government,(12) Ramdas Kadam (Shiv-Sena),(13) Eknath Khadse (BJP),(14) state energy minister Sunil Tatkare,(15) CMD of Western Coalfields,(16)

本文

●フィリッピン,電源資産売却が終わってから,調整制度をと

何が争点なのか,よく分からないが,記事を追っかけてみよう。NPC(注1)から民営化された発電設備の買い手企業は,資産が完全に移行されてからのみ,発電チャージ調整が適用されることを求めている。規制委員会ERC(注2)は,NPC(注1)試算の買い手企業かまたは所謂,「受け取り発電企業」,SGC(注3)が,暫定供給契約TSC(注4)を結ぶ状態になったとき,発電チャージ調整が適用されるというのが,その方針である。

ERC(注2)は,発電原価の調整は,発電企業が,発電原価調整方式GRAM(注5)と増分為替レート調整ICERA(注6)の適用を申請するものだ,としている。準備期間中は,それぞれのNPC(注1)設備の売却が終わったところで,NPC(注1)-SGC(注3)の責任で,GRAM(注5)とICERA(注6)の調整は行われるべき,とERC(注2)は言っているのである。

NPC(注1)-SGC(注3)によって求められる新しい料金調整方式の承認の前は,発電料金は,NPC(注1)の時間制料金TOU(注7)を準用することになっている。NPC(注1)-SGC(注3)によって配電部門DU(注8)及び需要家に供給される電力への適用単価は,TOU(注7)単価で,この中には,GRAM(注5)とICERA(注6)の調整が含まれてくる,とERC(注2)は言っている。

ERC(注2)は更に指摘して,暫定供給契約TSC(注4)が失効する場合は,NPC(注1)-SGC(注3)が二者間の契約を更改する努力をし,ERC(注2)に許可を求めるべきだ,としている。このような解釈は,新規に民営化に関連する企業の,暫定供給契約TSC(注4)に対する権利と義務Iを通告しておく必要がある,と言っている。このような解決方法は,暫定供給契約TSC(注4)によるあらゆる問題点に適用される,と。

また,KWh当たり0.3ペソの単価低減義務MRR(注9)は,暫定供給契約TSC(注4)も適用されるものだ。また,VAT(注10)の適用は,NPC(注1)-SGC(注3)に関わる設備の性格による,それは,再生可能エネルギーについてはVAT(注10)がゼロとなっているからである。要するに,単価調整は,発電企業側からの申請によって決まるので,ERC(注2)からは動かない,と言っているのだろう。

(注) (1) National Power Corporation (NPC),(2) Energy Regulatory Commission (ERC),(3) "successor-generating companies" (SGCs),(4) transition supply contracts (TSCs),(5) Generation Rate Adjustment Mechanism (GRAM),(6) Incremental Currency Exchange Rate Adjustment (ICERA),(7) time-of-use (TOU),(8) DU (distribution utility) customer,(9) Mandated Rate Reduction (MRR),(10) VAT (value-added tax),(11)

●マハラシュトラ州,電力設備に4500億ルピー投資へ

マハラシュトラ州政府(注11)は,火曜日,2008年12月30日,2012年の電力需要に対応するため,450億ルピーの意欲ある投資計画を発表した。これは,先週の州議会での議論,野党のリーダー,カダム議員(注12)とカドッセ議員(注13)の電力危機についての厳しい質問に対して,州エネルギー相タッカレ氏(注14)が応えたもので,州内閣は,この先2,3年を目指して,450億ルピーの投入を決定している,とした。

時間停電を減らし,電力全般の問題を改善するための方策を説明するときに,既設発電所が年数を経て老朽化しており,効率よく動いていないことを認めた。過去7〜8年,需要が伸びてきたのに,設備は,6700MWのままである。発電所は古く,時々分解作業が必要で,突然停電してしまうことが多い,と説明している。

また,石炭の供給不足について,タッカレ氏(注14)は,西部炭坑の責任者(注15)と,石炭供給が断続しないよう,既に協議を行っている,と説明している。タッカレ氏(注14)によると,2009年1月と3月の間に,1,500MWを運転開始して対応する,としている。

(注) (11) Maharashtra government,(12) Ramdas Kadam (Shiv-Sena),(13) Eknath Khadse (BJP),(14) state energy minister Sunil Tatkare,(15) CMD of Western Coalfields,(16)

参考資料

フィリッピン

●081231A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,電源資産売却が終わってから,調整制度をと
Only after asset turnover Buyers can seek adjustment in charges
http://www.mb.com.ph/BSNS20081231144525.html

インド

●081231B India, Economic Times
マハラシュトラ州,電力設備に4500億ルピー投資へ
Maha govt plans Rs 4500 crore investment plan for power sector
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Maha_govt_plans_Rs_4500_crore_investment_plan_for_power_sector/articleshow/3915459.cms



2008年12月30日分 ー インドネシアの原子力に不安 ー

今から7時間ぐらい前の日経ネットのニュース,住友商事が100%出資するタンジュンジャティB石炭火力発電所を,2,000億円を投じて2012年までに,出力を2倍の2,640MWに引き上げる計画という。この地点の第一期工事は,当時混乱したIPPの発電所建設で,メガワティ大統領が住友商事に懇請して実現したもので,今日の記事を読むと,設備のリース,と言う形をとっているようだ。それでよいのかな。

インドネシア政府は,2020年にも,4,000MWの原子力発電所を運転開始する計画で頑張っている。東南アジア各国,今政治は混乱しているが,段階を踏んで進めようとしているタイ,それにベトナムなどと比較して,商業的な交渉を優先して進めているインドネシアである。今日の記事は,近隣諸国の新聞記者達のグループが,フランスに招待されて,その感想を記者の立場から書いたものだ。

フランスは全電力の75%近くが原子力発電で賄われている,原子力先進国だ。原子力メーカーのアレバは有名で,米国企業に先駆けてインドの原子力開発に先手を打っている。ここまで原子力に頼っている国に招待されて,記者達もその偉容に驚いたことだろう。所内を案内されるときに,物々しい防護服を着せられて,恐れを感じた,と書いている。

彼が書いた記事の最後は,次の言葉で結ばれている。「発電所を去るとき,私は複雑な気持ちであった。確かに原子力発電は一つの解決手段ではある。しかし,いろいろなインドネシアにおける災害を考えるとき,人間の侵す誤りについて,大きな危惧を感ぜざるを得ない。」,と。我々日本人も,今から38年前の1970年,初めて原子の灯で運営された大阪万博を知っている。未来の希望に満ちた時代であった。

新幹線も原子力発電所も,大事故もなくここまで来ていることを思うと,良かった,と思う反面,余りにもボーンヘッドが大事故を引き起こしていることに思いを致す。新幹線をあのような頻度で動かすなど日本人の得意技,と思っているのに,あの尼崎の福知山線のような,ボーンミスでしかも悲惨,美浜の配管の事故だって,設備としてはもっともプリミティブなところでミスを犯している。

大切な根幹には,確実な資源が注ぎ込まれているが,副次的な設備で手を抜いてしまうことに,大いに反省がある。原子炉は点検がしっかり行われているのに,配管は手が抜けていた。新幹線はしっかり管理されているが,ローカル線では思わぬ事故が起こってしまう。世界に技術を誇って歩いてきたのに,あのような事故が起こると,日本も一緒か,と思われるところが,ODAに携わっていて恥ずかしく思うところだ。

本文

●フィリッピン,エネルギー省,西パラワンの深度探査,承認

フィリッピンのエネルギー省DOE(注1)は,オットーエナージ(注2)のパラワン南西部(注3)原油ガスブロックにおける2010年8月までの超深水委託井戸(注4)の掘削提案に対して,これを承認した。これは,9,000平方kmをカバーする契約55SC(注5)に対する第3次作業プログラムである。DOE(注1)によると,第2次分は,2009年までの見通しで探査活動が,発注される予定である。

DOE(注1)は,3次元弾性派探査(注6)を行い,2009年にその解析,2010年にそれを実証するための掘削を行う,としている。オットーエナージ(注2)は,オーストラリア企業のBHP(注7)と,契約55SC(注5)の60%を提供する条件付き合意を行っている。オットーエナージ(注2)とBHP(注7)の共同運営の合意は,政府の許可と合弁の手続きが完了してから行われる。

フィリッピン証券市場(注8)届けられたところによると,契約55SC(注5)に15%の権利を持っているトランスアジアEDC(注9)は,探査作業の第2次と第3次を取り替えるべく,DOE(注1)に申請している,としている。それは,第1次の掘削を,2009年8月5日の契約であったものを,2010年5月に変更できるようにするため,と説明している。それはリグの設置見通しが,2010年前半まで不確定だから,と言っている。

契約55SC(注5)の範囲は,ボルネオの沖合(注11)南西部とフィリッピンの北東の権利が接近している。レイエス・エネルギー長官(注12)は,エネルギー的に独立するための原油とガスの探査には,これから投資を続ける,と言明している。もしこれが成功した暁には,フィリッピンは莫大な利益が期待できると。結局,議会からインドネシアと比べて探査の投資意欲が足りない,と批判されたばかりと言うことである。

(注) (1) Department of Energy (DoE),(2) Otto Energy Limited,(3) southwest Palawan basin,(4) ultra-deep water commitment well,(5) Service Contract 55 (SC),(6) 3D (three dimensional) seismic survey,(7) BHP Billiton Petroleum Pty Limited (BHP Billiton) ,(8) Philippine Stock Exchange,(9) Trans-Asia Oil and Energy Development Corporation,(11) offshore Borneo,(12) Energy secretary Angelo T. Reyes,(12)

●インド,大規模火力プロジェクトUMPP,5社が応札

先日から問題となっていた第4次の大規模火力計画UMPP(注12),4,000MW,ティラヤ火力(注13),結局5社が,この月曜日,見積もりを提出した。5社は,NTPC(注14),リライアンス(注15),ランコ(注16),ジンダール(注16),スターライト(注17)である。予定が1年遅れで,総工事費は,1800億ルピーと想定されている。見積もりを検討の上,2009年1月半ばにも,最終選定を終える。

発注主体となっている電力融資公社PFC(注19)は,この金融危機の最中,5社の入札を受け取った,2週間後には結論を出したい,としている。最終的に,UMPP(注12)としては初めて最低保証金12億ルピーの払い込みで,手続きを終える。最初は11社が,第1次選定に参加したが,最終的には5社となった。ランコ(注16)はマレーシアのゲッティング(注20)と組むことになった。

前回のクリシュナパットナム火力(注21)では3社,ササン火力(注22)では10社,ムンドラ火力(注23)は6社の入札があり,ムンドラ火力(注23)はタタ電力(注24)が,後の二つはリライアンス(注15)が,それぞれ勝ち取っている。今回のティラヤ火力(注13)は何度も延期された経緯を持っている。投資額は,1600億〜1800億ルピーで,資本は30%,債務は70%と考えられており,政府も資金調達に支援の手を伸ばしている。

(注) (12) ultra mega power project (13) Tilaiya Ultra Mega Power Project (UMPP) in Jharkhand,(14) government-owned NTPC,(15) Anil Ambani Group company Reliance Power,(16) Lanco Infratech,(17) Jindal Power,(18) Sterlite Energy,(19) Power Finance Corporation (PFC),(20) Malaysia-based Genting Sanyen Power Sdn Bhd,(21) Krishnapatnam UMPP in Andhra Pradesh,(22) Sasan UMPP (Madhya Pradesh),(23) Mundra (Gujarat),(24) Tata Power,(25)

●原子力発電,フランスはいいが,インドネシアはどうか

原子力発電所でフランスに招かれたジャカルタポストの記者が,素朴な疑問を記事にしている。フランスは電力需要,489TWhの77.4%を原子力に依存している。インドネシアを含めた世界の国々で議論を巻き起こしているが,実際,いつ原子力は安全な手段になるのか,聞きたくなる。ペンリー原子力発電所のアンドレ所長(注25)に話を聞いて厳重な警戒の中,発電所に入ったとき,各国の記者は,脅えていた。

原子力発電所の放射能は一体どれほどのリスクがあるのか?中にはいるときには特別の装備をさせられたが,見学のリーダーは,完全に安全だ,と言っていた。インドネシア政府は,ムリア半島(注26)に,4機,4,000MWの原子力発電所を建設しようとしている。最初の工事開始は2010年初めと考えられている。工事費は70兆ルピアで,半島は火山の傍にあり,一般の反対運動が起きている。

原子力の専門家は,リヒタースケール7.0(注27)の地震にも安全だ,と言っている。フランスのペンリー発電所は,ノルマンディにあり1,300MWの出力で,これは58ある原子力のうちの単なる一つだ。隔離されたところにあり,周辺には人家はない。フランス政府は,原子力に対する信頼感を醸成しようと,多くの見学者を受け入れている。

フランスの原子力発電は,近隣諸国の輸出されている。その会社は,結局,原子力に対する一般の理解を得ることは難しく,しばらくは化石燃料に頼らざるを得ない,という見方をしている。発電所を去るとき,私は複雑な気持ちであった。確かに原子力発電は一つの解決手段ではある。しかし,いろいろなインドネシアにおける災害を考えるとき,人間の侵す誤りについて,大きな危惧を感ぜざるを得ない。

(注) (25) EDF's Penly nuclear power plant managing director Andre Van-Spaandonck,(26) Muria Peninsula, in Central Java,(27) 7.0 Richter scale earthquake,(28)

参考資料

フィリッピン

●081230A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,エネルギー省,西パラワンの深度探査,承認
DoE approves ultra-deep well oil drilling for West Palawan
http://www.mb.com.ph/BSNS20081230144477.html

インド

●081230B India, Economic Times
インド,大規模火力プロジェクトUMPP,5社が応札
5 power cos submitted bids for UMPP
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/5_power_cos_submitted_bids_for_UMPP/articleshow/3909924.cms

インドネシア

●081230C Indonesia, The Jakarta Post
原子力発電,フランスはいいが,インドネシアはどうか
Nuclear power for France, but not RI
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/30/nuclear-power-france-not-ri.html



2008年12月29日分 ー 中国のエネルギー安全保障 ー

中国が2015年を目指して航空母艦を保有する計画を進めている,と報じられている。航空母艦は欲しいですね。あの太平洋戦争初期の戦いを思い出すし,ゲームをやっていても,航空母艦は強い。でも,もの凄く繊細な運用を迫られる。少しでも敵の攻撃に曝されると,あれほど弱いものはない。そのために,索敵,敵艦の存在を探すことが何よりも大切,先に敵を見つけた方が勝ち,と言うのが航空母艦だ。

ゲーム,「太平洋の嵐」,随分打ち込んで来たが,トラック島周辺で航空母艦で待ちかまえて,偵察機を飛ばしながら,アメリカ艦隊の接近を探る,手に汗を握る場面だが,雨が降ると偵察機を飛ばせない,晴れた途端に目の前に敵の航空母艦が現れて,一瞬にして沈められてしまう,そこでリセット,となるわけだが,リセットできるから,ゲームは良い。

「太平洋の嵐」,でもう一つのポイントは,まずスマトラ島を落とすこと。スマトラ島を落とさないと,軍艦の石油が尽きてしまって,連合艦隊が動けなくなってしまう。原油を精製する必要があるから,日本に持って帰るのだが,ルソン島沖でタンカーが皆沈められてしまう。そこで考えるのが,中国大陸の一気通関作戦で,マレー,ハノイ,南寧,上海,と確保して,陸路日本へ運んでくる。マレーのボーキサイトも運ぶ,飛行機を造るため。

今日のチャイナデーリーは,中国のエネルギー安全保障の根拠付けが,要約してある。中国は,最終的には水力を含めた再生可能エネルギー,主として風力を言っているが,それと原子力を開発して,今,エネルギーの85%,年間25億トン,世界第2の石炭消費国の名前から逃れようとしているが,なかなか原子力は,そう簡単には進まないようだ。また激増する車のための石油確保も重要なテーマーである。

そのために,国家人民会議(注24)が,2008年3月に,国家エネルギー庁(注25)を創設したことである。この長官に任命されたザングオバオ氏(注26)は,エネルギー構造を拡大するため,再生可能エネルギーと原子力の開発をより追求する,とした。それまでの間は,製造業の需要を満たすため,海外資源に依存せざるを得ないとしている。また莫大な外貨準備高の件だが,首脳部がザングオバオ氏(注26)の提言に従う。

しばらくは,中国のエネルギー企業は,海外企業の買収に大胆に乗り出すよう,鼓舞されている。これは,中国共産党中央委員会政策策定部のゼンシンリ副長官(注27)のメッセージである。ゼンシンリ副長官(注27)は,2兆ドルに上る外貨準備は,特に,エネルギーや資源関連の海外企業の買収(注28)に使うべきだ,と示唆している。開発を阻害する要因を除くために,外貨準備(注29)を使うべきだ,と言っている。

またゼンシンリ副長官(注27)は,場合によっては,中国の海外投資企業に,相手国のインフラ改善のための優先的融資(注30)を供与すべきだ,とも言及している。この中国首脳部への彼のアドバイスは,中国の対外基本政策,即ち,海外投資を推し進め,海外の原油,ガス,その他の金属資源の探査に重点を置くこと,この政策に影響を及ぼしている。これは,資源国も中国も,両方が便益となる相互関係にある,と言っている。

(注) (22) National Development and Reform Commission,(23) Energy security,(24) National People's Congress,(25) National Energy Administration,(26) administration's head Zhang Guobao,(27) Zheng Xinli, vice-director of the Policy Research Office of the Central Committee of Communist Party of China,(28) mergers and acquisitions (M&As),(29) foreign exchange reserve,(30) preferential loans,(31)

本文

●インド発電企業JPL,タムナール発電所の規模を,3,400MWへ

最近のジンダール電力(注1)の話題は,2008年12月19日付本HP(注2)の,ヒマチャルプラデッシュ州(注3)の水力プロジェクトの入札で,大企業がはねのけられて,ジンダール電力(注1)関連の鉄鋼企業が,3つの水力を落札した,と言う記事である。ジンダール電力(注1)も,最近は積極的である。今日の話題は,インド南東部,マディアプラデシュ州(注4)の火力発電所の増設に関するもの,規模が大きいので拾った。

今日の発信は,マディアプラデシュ州(注4)のライガール(注5)からである。ジンダール電力(注1)は,ライガール(注5)の北20kmにあるタムナール発電所(注6)の出力を,今後4年間で,2,400MW増設して,3,400MWとする計画を持っている。ジンダール電力(注1)のジンダール会長(注7)は,国有重電メーカーBHEL(注8)に,2400MW増設のための機器発注を行ったと発表した。

合意書によると,BHEL(注8)は,ボイラー,タービン,発電機を中心に,付属品一式を供給する供給することになっている。ジンダール電力(注1)の親会社であるジンダール鉄鋼電力JSPL(注9)は,このタムナール発電所(注6)ブロックに,次の4年間で1,000億ルピーを投入する計画である。燃料について記述がないが,この地域は,天然ガスのKG流域に接近したところである。

(注) (1) Jindal Power Ltd,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081219C.htm,(3) Himachal Pradesh,(4) Madhya Pradesh,(5) Raigarh,(6) Tamnar power plant,(7) JPL Chairman and Managing Director Naveen Jindal,(8) Bharat Heavy Electricals Ltd (BHEL),(9) Jindal Steel and Power Ltd (JSPL),(10)

●インド,大規模火力,ティラヤ,入札へ

何度も話題になっている,大規模火力第4弾のティラヤ発電所(注10)である。遅れに遅れたジャークランド’(注11)のティラヤ発電所(注10)の入札を,月曜,2009年2月5日に行うことで,政府は合意した。これで5回目の入札である。電力省筋によると,流動性の厳しさと高い利子率から,余り良い結果は得られないであると見ている。

前の3つの大規模火力プロジェクトUMPP(注12),ササン(注13),クリシュナパットナム(注14),ムンダ(注15)は,多くの電力企業から積極的な入札を受けた。先頭を切ったササン(注13)と輸入石炭による沿岸火力のムンダ(注15)は,売電単価KWh当たり2ルピーの提案で,新しい基準となった。専門家によると,今回は,コストの高騰と負債の増大で,あまり多くを期待できない,と考えている。

企業幹部の一人は,今回の入札価格は今までのUMPP(注12)に比べて倍ぐらいになるだろう,70%の負債分は随分高いものになる,と見ている。ティラヤ発電所(注10)の入札は,最初,2008年3月と設定されたが,6月に延期された。最後に,RFP入札(注16)が11月に設定されたが,政府の承認過程で更に延期されていた。11社がRFP入札(注16)で資格審査を通過している。

この11社のうち,AES(注17)が撤退を表明などして,9社が残っている。残っている企業の中には,ジンダール(注18),ランコ(注19),チトラ(注20)などが含まれている。ランコ(注19)は,マレーシアのゲンティング(注21)と組んでいる。電力省筋は非常に懐疑的で,私語に残るのは4社だろう,と見ている。政府は,電力不足12%を早急に解決すべく,この大規模火力プロジェクトUMPP(注12)を投入しているのである。

(注) (10) Tilaiya ultra mega power project,(11) Jharkhand,(12) ultra mega power projects,(13) Sasan,(14) Krishnapatnam,(15) Mundra,(16) RFP stage,(17) AES,(18) Jindal Steel & Power (JSPL),(19) Lanco Infratech,(20) Citra Thermal Power & Infrastructure,(21) Genting Sanyen Power Sdn Bhd.,(22)

●中国,燃料税改革,エネルギーの里程標

中国のエネルギー政策全般を説明している貴重な記事である。長い間,20年に亘って,中国政府は実施を模索してきた中で,この原油価格乱高下の最中,2009年1月1日より,燃料税を採用することとなった。計画によると,ガソリン税はリッター当たり0.2元であったものを1.0元に,ディーゼルについては,0.1元であったものを0.8元に上げた。これに伴い,高速料金を撤廃した。

燃料税と原油価格低下で,国家開発改革委員会(注122)は,2008年12月半ばに,燃料価格を下げた。現在の燃料価格は,原油バレル83.5ドルを基準としている。しかし,国際市場では,バレル147ドルの原油が,4年半来のバレル36ドルまで低下している。と言うことは,中国政府は2009年に更に燃料費を下げる必要がある,政府の最終目標は,市場に従うことだから。

2008年を振り返ると,エネルギー関連の重要政策は,価格と税制の改革であった。今議論になっているのは,改革は,車の購買力を増やし,金融危機で疲弊した自動車産業を回復させることである。高い成長率を維持するためには,自動車産業の回復と不動産部門の再活性化である。注意すべきは,これらの政策が,低価格の原油情勢と経済不況の中で行われる,と言うことである。

しかし車の購買者は,車を買うのに安いローンを提供され,不況の中で安いガソリンを買うことが出来る。しかし,景気が回復してガソリンが高くなると,車は家に駐車したままになる。中国の車政策と景気刺激策を考えるとき,環境とエネルギーの関わり合いを慎重に考える必要がある。相でなければ,車の所有者は被害を被るし,車が走ると環境が悪化することになりかねない。

これらのシナリオに対して二つの流れがある。クリーンな車の実用化はまだまだ先である,中国には13億人の人口がある,それらの多くの人々は車に乗ることが夢である,しかし,環境を考えている人は殆どいない。次にエネルギーの安全保障(注23)の問題である。エネルギー供給の保証は,安定した経済の基本であり,中国政府はそれをよく知っている。

それを証明するのは,国家人民会議(注24)が,2008年3月に,国家エネルギー庁(注25)を創設したことである。この長官に任命されたザングオバオ氏(注26)は,エネルギー構造を拡大するため,再生可能エネルギーと原子力の開発をより追求する,とした。それまでの間は,製造業の需要を満たすため,海外資源に依存せざるを得ない,としている。

最近になって,国家エネルギー庁(注25)は,原子力の設備目標を,2020年までに70,000MWとしたが,これは2006年の時の目標より75%増えている。これは,原子力の前発電設備に占める割合を2006年の目標より1%高い5%と設定した。現在は原子力は,僅かに9,000MWで全設備に対して1.3%である。これに対して,火力設備は,現在76%を占めている。

電力供給の84%は石炭火力で,二酸化炭素ガス排出の大きな原因となっている。2007年における中国の一次エネルギーは石炭は,24億トンで,消費全体では27億トンであり,世界第2位である。近年政府は,代替エネルギー開発のため,財政上また税制上の措置を講じており,その中には,風力に対する付加価値税50%免除も含まれている。

風力発電は,2007年の4,030MWに対して,2008年には10,000MWに達すると期待されている。この増加は,原油価格の高騰で政府が推進した結果である。2007年の,風力,バイオマス,水力発電は,全エネルギー使用の8.5%であり,これを,2010年には10%へ,また2020年には15%とす計画である。原油価格が低下する状況下でも,この目標は変わらない,と明言している。

しばらくは,中国のエネルギー企業は,海外企業の買収に大胆に乗り出すよう,鼓舞されている。これは,中国共産党中央委員会政策策定部のゼンシンリ副長官(注27)のメッセージである。ゼンシンリ副長官(注27)は,2兆ドルに上る外貨準備は,特に,エネルギーや資源関連の海外企業の買収(注28)に使うべきだ,と示唆している。開発を阻害する要因を除くために,外貨準備(注29)を使うべきだ,と言っている。

またゼンシンリ副長官(注27)は,場合によっては,中国の海外投資企業に,相手国のインフラ改善のための優先的融資(注30)を供与すべきだ,とも言及している。この中国首脳部への彼のアドバイスは,中国の対外基本政策,即ち,海外投資を推し進め,海外の原油,ガス,その他の金属資源の探査に重点を置くこと,この政策に影響を及ぼしている。これは,資源国も中国も,両方が便益となる相互関係にある。

(注) (22) National Development and Reform Commission,(23) Energy security,(24) National People's Congress,(25) National Energy Administration,(26) administration's head Zhang Guobao,(27) Zheng Xinli, vice-director of the Policy Research Office of the Central Committee of Communist Party of China,(28) mergers and acquisitions (M&As),(29) foreign exchange reserve,(30) preferential loans,(31)

参考資料

インド

●081229A India, Economic Times
インド発電企業JPL,タムナール発電所の規模を,3,400MWへ
JPL to increase Tamnar plant capacity to 3,400 MW over 4 yrs
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/JPL_to_increase_Tamnar_plant_capacity_to_3400_MW_over_4_yrs/articleshow/3901268.cms
●081229B India, Economic Times
インド,大規模火力,ティラヤ,入札へ
Bids for the Tilaiya ultra mega power project on Monday
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Bids_for_the_Tilaiya_ultra_mega_power_project_on_Monday/articleshow/3905380.cms

中国

●081229C China, chinadaily
中国,燃料税改革,エネルギーの里程標
Fuel tax reform an energy milestone
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2008-12/29/content_7349014.htm


2008年12月28日分 ー 中国の金沙江の開発進む ー

中国,雲南省,長江上流の金沙江には,結構思い入れがあった。雲南省のエンジニアーが,ミャンマーなどにそろそろ下ってきている時代で,彼等と接触したかった。あのころは,日本政府もメコン河開発に熱心で,中国の雲南省と協力すれば,素晴らしい仕事が出来たのに,と悔やまれる。多くの友人も出来ていたが,彼等が独自の行動で南下し始めてからは,全く疎遠になってしまった。

今日の記事を見ると,金沙江(注5)は,長江(注6)の支流で,2,290kmの流路を持ち,その源をタングラ連山(注11)発し,青海(注12),チベット,四川省(注9)及び雲南省(注10)を流れ下っている。ダム計画は,主としてその中流,下流に位置し,12のダムが計画されており,その総出力は,50,080MWとされている,となっている。

先日,金沙江から80万ボルト超高圧直流送電線で,長躯2,000km,上海に電力が送られると報道されていたが,その水力プロジェクトが,向I家堤水力プロジェクト(注5)である。河川切り替えに成功したニュースである。この向I家堤水力プロジェクト(注5)は,総工事費434億元,約63億ドル相当で,2015年完成予定である。出力は,6,000MW,年間発生電力量は,307億KWhである。

写真にも,最後の金沙江の流水が締め切られる直前の写真が出ているが,ここの流域面積は,20万平方kmはあると思うので,早々の難事業である。水没は12万人余り。お祝い気分に満ちた現場の状況が,写真報道されている。動員された観客の数も多く,赤い旗,国旗かな,を振りながら,中央政府の賓客を歓迎している風景は,まさしく中国である。

日本もこういう時代があったことを思い出す。木曽川の河原で,間組の神部社長がはちまき姿で,紅白のテントの前で扇子をかざしながら,式典参加者の音頭をとっていた写真がある。経済の進展とダム開発,それは非常に象徴的なシーンで,国民を酔わせてしまう作用がるようだ。中国は今,その最盛期にある。その国内の興奮が,そのまま,ミャンマーやラオスや,また遠くアフリカにまで吹き出している。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081227B.htm,(2) Longtan hydropower station,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081224C.htm,(4) Xiangjiaba hydropower plant,(5) Jinsha River,(6) Yangtze River,(7) Three Gorges Project Development Corporation,(8) Li Yong'an, general manager of the China Yangtze River Three Gorges Project Development Corporation,(9) Sichuan province,(10) Yunnan provinnce,(11) Tanggula Range,(12) Qinghai,(13) www.chinaview.cn 2008-12-28 19:09:55 Print,(14) http://www.sc.xinhuanet.com/topic/xjb/


本文

●フィリッピン,ERCが,NPC料金自動調整のルール

フィリッピンの電気料金の報道を追っかけるのはうんざりする。そう言う駆け引きばかりで,電源開発への機運は全然盛り上がらない。2008年12月23日付本HP(注1)では,電力規制委員会ERC(注2)は,国家電力公社NPC(注3)の,KWh当たり0.3685ペソの料金値上げ申請を,NPC(注3)が根拠を説明できていない,として却下した。逆に,KWh0.56ペソの削減を,この12月の請求書に適用すべく,承認した。

今日の記事。電力規制委員会ERC(注2)は,電気料金をもっと予測しやすくするために,国家電力公社NPC(注3)の,発電原価と為替レートを自動的に調整するルールに焦点を当てている。ERC(注2)のジュアン長官(注4)は,燃料費,発電原価,為替レートの調整方式を,2009年2月〜3月に規則化しようとしているが,その時期は,公聴会と法案公開の日程によって決まる,と言っている。

フィリッピンの電力投資企業は,国家電力公社NPC(注3)の時間制料金表TOU(注5)の値上げを要求している。それは,投資企業とNPC(注3)の間の暫定供給契約TSC(注6)が,このTOU(注5)に固定されてしまっているからである。資産買収企業,例えば,600MW,マシンロック火力(注7)のAES(注8)などは,NPC(注3)の机上で造られた料金表の最低線を押しつけられ,まさにピンチに陥っている。

実際,融資機関もこの点を心配しており,電力セクターへの融資に二の足を踏んでいる。ERC(注2)のジュアン長官(注4)も,その点は分かっているが,NPC(注3)の値上げ申請案は,説明が足りない,と言っている。ERC(注2)のスタッフは,自動調整方式の採用で,投資企業の言う眞の発電原価に迫ることが出来るのではないか,と言っており,関係者からの意見を聴取している,としている。

いずれにしても,提案されている燃料電力購入調整FPPCA(注9)と為替レート調整FXA(注10)は,現在の,発電原価調整方式GRAM(注11)と増分為替レート調整ICERA(注12)による料金設定の遅れを補うだろう,言われている。この調整遅れは1年にも及んで,NPC(注3)が需要家への請求書の歪みと不合理を生じている。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081223B.htm,(2) Energy Regulatory Commission (ERC),(3) National Power Corporation (NPC),(4) ERC executive director Francis Saturnino Juan,(5) time-of-use (TOU) rates,(6) transition supply contracts (TSCs),(7) Masinloc coal-fired power facility,(8) AES Corporation,(9) Fuel and Purchased Power Cost Adjustment (FPPCA),(10) Foreign Exchange Adjustment (FXA) ,(11) Generation Rate Adjustment Mechanism (GRAM),(12) Incremental Currency Exchange Rate Adjustment (ICERA),(13)

●中国,金沙江,大規模水力プロジェクト,河川切り替え

中国の大規模水力の開発が,まさに最盛期を迎えている。2008年12月27日付本HP(注1)では,6,300MW,全国第3位の規模を持つ龍灘水力発電所(注2)の第1期工事を完了した,との報があり,2008年12月24日付け本HP(注3)では,今日の記事にある中国西部の向I家堤水力プロジェクト(注5)から80万ボルト直流送電の鍵となる技術の開発に成功した,など,ニュースが続いている。

今日はその向I家堤水力プロジェクト(注5)が,河川切り替えに成功したニュースである。日曜日,2008年12月28日,中国南部の金沙江(注5)の河川が締め切られた。長江(注6)の上流に,新規水力発電所を建設するためである。この向I家堤水力プロジェクト(注5)は,総工事費434億元,約63億ドル相当で,2015年完成予定である。出力は,6,000MW,年間発生電力量は,307億KWhである。

三峡公司(注7)の長江のリヨンガン氏(注8)は,この電力は,中国東部,南部,中央部の各地域に送電されるが,四川省(注9)及び雲南省(注10)の地元にも便益をもたらす,と語っている。また,洪水調節,灌漑などの機能も持っている。既に,雲南省(注10)と四川省(注9)で,125,100人が移住している。向I家堤水力プロジェクト(注5)は,政府が進める金沙江(注5)の階段状開発の一つである。

金沙江(注5)は,長江(注6)の支流で,2,290kmの流路を持ち,その源をタングラ連山(注11)発し,青海(注12),チベット,四川省(注9)及び雲南省(注10)を流れ下っている。ダム計画は,主としてその中流,下流に位置し,12のダムが計画されており,その総出力は,50,080MWとされている。JICAが関係した金案橋プロジェクトも,その一つである。河川切り替え(注13),完成図(注14)がある。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081227B.htm,(2) Longtan hydropower station,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081224C.htm,(4) Xiangjiaba hydropower plant,(5) Jinsha River,(6) Yangtze River,(7) Three Gorges Project Development Corporation,(8) Li Yong'an, general manager of the China Yangtze River Three Gorges Project Development Corporation,(9) Sichuan province,(10) Yunnan provinnce,(11) Tanggula Range,(12) Qinghai,(13) www.chinaview.cn 2008-12-28 19:09:55 Print,(14) http://www.sc.xinhuanet.com/topic/xjb/

参考資料

フィリッピン

●081228A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,ERCが,NPC料金自動調整のルール
ERC set to rule on automatic adjustment for Napocor rates
http://www.mb.com.ph/BSNS20081228144334.html

中国

●081228B China, news.xinhuanet
中国,金沙江,大規模水力プロジェクト,河川切り替え
River blocked for China's new gigantic hydropower project
http://news.xinhuanet.com/english/2008-12/28/content_10571292.htm



2008年12月27日分 ー インドがカシミールで水力推進決意 ー

パキスタンのブット元首相が,橋本首相に対して,カラチ東方の大規模工業団地の建設を要請したり,北部地域への道路トンネル建設を要請してから既に10年が経つ。昨日,2008年12月27日,10万人の人々が,南部シンド州にある彼女の墓を取り囲んで,その一周忌を悼んだ。裸足で400キロ歩いて墓を訪れたという25歳の男性は足にできたマメを指さし,「受難したリーダーからの贈り物だ」,と語ったと言う。

ブット元首相が生存していれば,インド,パキスタンの情勢は変わっただろうか。政治情勢はどう転んだか分からないが,アジアでもパイオニアとして挑み,「アジアの隼」,の小説の冒頭の場面にもなったハブコ火力発電所の民営化にも熱心であった。おそらく,当時の欧米の支援を受けて,もう少し開発も進んでいたかも知れない。ザルダリ大統領は墓前で,「殺人者は彼女の理念を葬ることはできなかった」,と述べたという。

インドのシン首相が,三軍の長を呼んで会議を持った,という情報で,1万のパキスタン軍の精鋭が,西部から東部へ移動したという。ザルダリ大統領は,インドとの対立は政治で解決する,と明言しているが,一つ一つのトップ達の行動が,緊張感を煽っている。今度は,インドの閣議が,時も時,国境未確定のカシミールのインダス上流で,330MWのキシャンガンガ水力の推進を決定し,パキスタンを緊張させている。

今日の報道はパキスタン側のもので,パキスタンのニールム川の水力プロジェクト(注6)の上流に位置するインドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注7)に関するもの。この金曜日,2008年12月26日,インドは閣議を開いて,インド実行支配カシミールIHK(注8)のガンジス川(注9)に,330MWのシャンガンガ水力プロジェクト(注7)を承認した。

キシャンガンガ水力プロジェクト(注7)の計画では,ムザファラード地区(注15)近辺でジェルム川(注21)本流に合流する支流ニールム川(注20)の水を分水して,インド実行支配カシミールIHK(注8)領域内のバンディポーラ地区(注22)近辺のウラー湖(注23)に分流させる計画である。これにより,ウラー湖(注23)の水位を上げ,毎秒52トンの水を下流に流して,480MW,ウリ水力(注26)に便益を与えるものだ。

何処がどうなっているのか,詳しい地図がないのでよく分からなかったので,あり合わせの地図でその状況を見てみたので,HP上の地図(注33)を見て欲しい。インド領内の分流計画が,支流ニールム川沿いのパキスタン領の灌漑や,計画中のニールム-ジェルム水力(注6)にマイナスの影響を与えるのだ。そこで,どちらのプロジェクトが先行するかで,水利権の行く手に影響が出る。真っ向からの対立である。

早くプロジェクトを実施した方に水利権を与える,と書いたのは,1960年に成立したインダス水条約IWT(注10)である。なぜその様に書いたのか,私はメコンの歴史を思い出す。ラオス,ベトナム,カンボジアが戦争に追われている間に,タイは急激な経済成長を遂げ,多くの水利権やインフラ建設を成し遂げた。そのことが,1990年初めのメコン委員会の文書作りで,結局事後承認,という形をとった。

1960年のインダス河は,誰がどの様に開発して行くか,資金も乏しく,先が見えなかったのだろう。どちらでも良いから早く経済成長を遂げて水資源開発を実施した方に権利を与える,これは中国の,裕福になれるなら早くなれるものからなれ,と言う考え方と同じだったと思う。それが今日の水紛争を生んでいるが,テロに関わる政治紛争を,水紛争で火に油,などという愚行に発展しないように,祈るのみ。

(注) (1) http://my.reset.jp/adachihayao/index081213B.htm,(2) Kuwait,(3) Saudi Arabia,(4) Abu Dhabi,(5) OPEC (Organization of the Petroleum Exporting Countries),(6) Neelum-Jhelum hydropower project,(7) Kishanganga hydropower project,(8) Indian-held Kashmir (IHK),(9) Ganges River,(10) Indus Water Treaty (IWT),(11) Jhelum river,(12) Union Ministry of Water Resources,(13) Line of Control (LoC),(14) Neelum valley,(15) Muzaffaraabd district,(16) Indian Home Minister P Chidambaram,(17) Baramulla district,(18) India’s Water Resources Minister Saifuddin Soz,(19) India-Pakistan Indus Commission,(20) Neelum tributary,(21) Jhelum River,(22) Bandipora district,(23) Wullar Lake,(24) run-of-the-river,(25) National Hydro-Electric Corporation,(26) Uri hydroelectric project,(33) http://my.reset.jp/~adachihayao/081227A01.htm

本文

●インドの閣議,キシャンガンガ水力,承認,パキスタン紙

インドとパキスタンの緊張が続く中,インダス河水系の水の問題でも紛争が続く。2008年12月13日付本HP(注1)にある通り,パックオブザーバーは,突如,中東諸国,クウエート(注2),サウジアラビア(注3),アブダビ(注4)及びOPEC(注5)が,大規模融資,775百万ドルを,パキスタンのインダス上流,国境未確定,パキスタン実質支配のアザドカシミール,ニールム川の水力プロジェクト(注6)への融資を発表している。

今日の報道はパキスタン側のもので,パキスタンのニールム川の水力プロジェクト(注6)の上流に位置するインドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注7)に関するもの。この金曜日,2008年12月26日,インドは閣議を開いて,インド実行支配カシミールIHK(注8)のガンジス川(注9)に,330MWのシャンガンガ水力プロジェクト(注7)を承認した。(ガンジス川と言う表現に疑問あり,インダスではないか)

インダス水条約IWT(注10)によると,この地域の開発については,先にプロジェクトを完成した方が水の権利を有する,と書いてある。その意味については,私の解釈を後で開陳するが,とにかく,このインダス水系ジェルム川(注11)などについてはそう言う規定になっていて,パキスタンのニールム-ジェルム水力(注6)が先か,その上流のインドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注7)が先か,先陣争いをしている。

パキスタンの水資源省(注12)は,パキスタンが,960MW,15億ドル,ニールム-ジェルム水力(注6)を中国企業に発注して,早期完成を目指している,と言っている。デリー側とイスラマバード側は,ここ数年,このダムの問題について,現在議論を中止している。パキスタン側の主張は,このインドのプロジェクトが,支配境界線LoC(注13)をまたぐニールム-ジェルム水力(注6)に影響を与えるだけではない,と言っている。

それは,ニールム渓谷(注14)とムザファラード地区(注15)の133,209ヘクタールの農地に影響を与える,と言っている。しかしインド側は,衛星写真を分析した結果,パキスタンは影響を誇張している,と主張している。閣議後,インドのチダムバラム内相(注16)は,キシャンガンガ水力プロジェクト(注7)は極めて重要で,パキスタンの反対があるが,閣議は決定を強行した,と言っている。

また,インダス水条約IWT(注10)の元で,水使用権でインドを有利にし,バラマムーラ地区(注17)の灌漑の能力を大きく向上する,と言っている。インドのソズ水資源相(注8)は,2008年8月に,インド・パキスタン・インダス委員会(注19)で農地の問題を話し合ったが,パキスタン側は10万ヘクタールに影響すると言っているが,我々は,影響が小さいと言うことを証明している,と言っている。

キシャンガンガ水力プロジェクト(注7)の計画では,ムザファラード地区(注15)近辺でジェルム川(注21)本流に合流する支流ニールム川(注20)の水を分水して,インド実行支配カシミールIHK(注8)領域内のバンディポーラ地区(注22)近辺のウラー湖(注23)に分流させる計画である。これにより,ウラー湖(注23)の水位を上げ,毎秒52トンの水を下流に流して,480MW,ウリ水力(注26)に便益を与えるものだ。

キシャンガンガ水力プロジェクト(注7)は計画変更されて,流れ込み方式(注24)で,出力は同じ330MWとなっている。工事費は,223.9億ルピアであったものが,364.2億ルピアに増大しているが,これは,厳しい流砂と,地質の悪さ及び支配境界線LoC(注13)に接近しているというリスクを考慮した結果という。工費節約の観点から,起業のNHPC(注25)は,12%地元卸をゼロとするよう,政府に申し入れた。

このNHPC(注25)の要求は受け入れられず,結局設計変更して,ダムの高さを,73mから37mに変更し,ダムの工事費を助けるだけでなく,上流のダードシナ部落が,閉じこめられないように,その部落の保護も考慮している。前回の記事では,このキシャンガンガ水力プロジェクト(注7)は60%進捗している,と書かれていたが,今回は触れられていない。

(注) (1) http://my.reset.jp/adachihayao/index081213B.htm,(2) Kuwait,(3) Saudi Arabia,(4) Abu Dhabi,(5) OPEC (Organization of the Petroleum Exporting Countries),(6) Neelum-Jhelum hydropower project,(7) Kishanganga hydropower project,(8) Indian-held Kashmir (IHK),(9) Ganges River,(10) Indus Water Treaty (IWT),(11) Jhelum river,(12) Union Ministry of Water Resources,(13) Line of Control (LoC),(14) Neelum valley,(15) Muzaffaraabd district,(16) Indian Home Minister P Chidambaram,(17) Baramulla district,(18) India’s Water Resources Minister Saifuddin Soz,(19) India-Pakistan Indus Commission,(20) Neelum tributary,(21) Jhelum River,(22) Bandipora district,(23) Wullar Lake,(24) run-of-the-river,(25) National Hydro-Electric Corporation,(26) Uri hydroelectric project,(33) http://my.reset.jp/~adachihayao/081227A01.htm

●中国,第3に規模の龍灘水力,運転開始へ,ロイター

中国は,金曜日,2008年12月26日,全国第3位の規模を持つ龍灘水力発電所(注27)の第1期工事を完了した,と新華社が報じた。この開発によって,過疎山岳地帯の中国西部から,エネルギー不足に悩む沿岸地域に,電力が送られる。この第1期工事は,単機出力700MWの機器7台を持ち,工事を2001年に開始して,2007年に最初の機器が運転開始した。後,第2期分2機の完成を待って,出力6,300MWとなる。

総工事費と全部の完成時期については,報道は触れていない。広西族自治区(注28)と近傍の貴州省を併せて,10町村の8万人以上が移住した。この発電所で,大唐電力(注29)は設備出力,80,000MWとなり,ライバルの華能電力(注30)を抜いてトップとなった。大唐電力(注29)の水力設備は,13,340MWで,主要電力起業5社の中で最大規模となった。

先日,単機出力700MWを26台持つ三峡発電所(注31)が完成したばかりである。第2の規模を誇るシルオドウ水力(注32)は,同じサイズのユニットを18台予定しており,2017年完成を目指している。中国は今,汚れた石炭火力への依存を減らして,出来るだけ水力を開発すべく懸命に戦っているが,環境専門家達は,地域への悪影響を懸念している。

(注)(27) Longtan hydropower station,(28) Guangxi region,(29) Datang Power,(30) Huaneng Group,(31) Three Gorges Power station,(32) Xiluodu hydropower,(33)

参考資料

インド

●081227A India, dailytimes
インドの閣議,キシャンガンガ水力,承認,パキスタン紙
Indian cabinet okays Kishanganga project
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C12%5C27%5Cstory_27-12-2008_pg7_1

中国

●081227B China, uk.reuters.com
中国,第3に規模の龍灘水力,運転開始へ
China starts running 3rd largest hydropower station
http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKPEK28002720081226


2008年12月26日分 ー インド国家電網に世界銀行ローン ー

インドとパキスタンが再び緊張,と伝えているのは,今日,2008年12月17日11時12分の読売新聞速報である。ムンバイテロ事件以降,パキスタンのラホールの爆弾事件でインド人が拘束されており,12月26日,インドのシン首相が三軍の長を集めて会議を持った,と言う情報が流れた。これを切っ掛けに,パキスタン側が緊張し,兵員約1万人がアフガニスタン国境付近から東部のインド国境へ向け移動し始めた,と。

まさに両国の関係は,ことある毎に,一触即発の危機に直面する。何と言っても過去に,北部カシミールで戦闘をした経験があるだけに,容易に燃え始めるところが怖い。インドは既に,パキスタンへの渡航危険情報を流している。ブッシュ大統領が死に体だけに,仲介者を欠いた状況である。つい先日まで,ムンバイテロ事件までは,イランからパキスタンを通ってインドへのガスパイプラインが,議論されていたのに。

地図を見れば分かるが,ニューデリーとパキスタンの国境の都市ラホールとは,インダス平野の中,僅かに400kmの距離である。それでも戦いは必ずカシミールの山の中で行われている,それは勿論,紛争の原因の国境線上で行われているわけで,今回のような国境線以外の問題で紛争になると,このような平野の中での対立が起こって,また別の形の戦争になるのだろう。核の問題も出てくる。

2008年12月6日付本HP(注20)で,テロの脅威でインドの電力が随分緊張している,と言う話を書いた。インドの送電網は,PGCIL(注13)が運用しており,その全長は,61,875kmである。現時点では,南地域を除いて,5地域が連携している。送電網の破壊は,送電事業にとって最悪のシナリオである。もしその様なことが起これば,それから電力を受けている州は,全停電になってしまうであろう。

PGCIL(注13)は,2012年までの第11次五カ年計画(注15)で,複数のプロジェクトに5,500億ルピー近い額を投入するものと期待されている。このプロジェクトの中には,地域間の電力融通容量,現在の,17,000MWから2012年までに,37,000MW以上に拡大する計画も含まれている。また,PGCIL(注13)は,地方電化公社REC(注16)や他の関連機関と協力して,政府の地方電化計画を推進する。

インドの送電網は,テーマーとしてすごく面白い分野だ。今まで出てきた,知的送電網,再生可能エネルギー集約,超高圧直流長距離送電網,などのテーマーはすべてインドの送電線問題に当てはまる。インドを中心,今日遂に火力の建設に踏み切ったネパール,水力の宝庫ブータン,更にはスリランカ,それに加えて,パキスタン問題が進展して,パキスタン,バングラデシュを巻き込んだ一大送電線論議が起こるのはいつの日か。

(注) (13) State-owned transmission monopoly Power Grid Corporation of India (PGCIL),(14) “absorptive capacity” of the navratna company,(15) 11th five-year plan ending in 2012,(16) Rural Electrification Corporation,(17) World Bank,(18) International Bank for Reconstruction and Development,(19) India Infrastructure Finance Company,(20) http://my.reset.jp/adachihayao/index081206B.htm,(21)


本文

●ネパール,200MW,火力発電所にゴーサイン

停電に悩むネパール,遂に水力の早期の運転に見切りを付けて,火力建設に踏み切ったようだ。賢明な措置だろう。この水曜日,2008年12月24日,閣議は,年間50億ルピー以上の出費を覚悟して,200MWの火力発電所の建設を決定した。この火力発電所は,日8時間,年240日間運転する計画である。閣議は,エネルギー危機に対処するための,短期,中期,長期に亘る国家計画(注1)を決定した。

国家計画(注1)の決定に当たって,水資源省MOWR(注2)の高官は,長引く強制停電が,経済に打撃を与え,更に和平プロセスにも影響してきた,と語っている。閣議決定によると,火力発電所の建設は,ネパール電力庁NEA(注3)かいずれかの民間企業でも良い,と言うことで,建設を決定した企業には,96億ルピーの無償資金が振り向けられる。

政府は,この建設費の上に更に燃料費が必要となる。閣議の36項目の決定事項の中には,国家エネルギー危機(注4)の宣言と,NEA(注3)の機構改革が含まれている。また,この2年間のうちに運転開始する水力発電プロジェクトに対しては,10年間の所得税が課税される。更に,この電力計画の中には,ヒートウダ(注5)-バルディバス(注6)間,及びマルシャンディ(注7)-カトマンズ(注8)間の送電線建設が含まれる。

この火力発電所の推進に当たっては,1年間で準備を終えるために,環境影響評価EIA(注9)など森林省(注10)とその関連機関の審査が省略される。その代わり,時間と資源が節約できる予備的環境評価IEA(注11)が課される。エネルギーを節約するために,官庁は週5日制とし,とし農村ともCFL電球(注12)の使用運動が進められる。また,省エネのための組織も新設される。

燃料は石油にならざるを得ないのであろう。インドとの摩擦から,自動車の燃料不足で悩んだ時期もあったが,今は両国の関係は良く,とりあえず火力で緊急事態を凌ぐ,と言う選択は賢明と思う。ただ,カンボジアのように小規模のディーゼルを増設,増設して行くと,電気料金が高くなるので,ここは思い切って200MWとしたことは良く,おそらく重油炊きとなるのか。

(注) (1) "National Energy Crisis Reconciliation Working Plan 2065",(2) Ministry of Water Resources (MoWR),(3) Nepal Electricity Authority,(4) 'National Energy Crisis',(5) Heatuda,(6) Bardibas,(7) Marshyangdi,(8) Kathmandu,(9) Environment Impact Assessment (EIA),(10) Ministry of Forest,(11) Initial Environment Assessment (IEA),(12) CFL lamps,(13)

●インド国家送電網,世界銀行30億ドルローンの一部割り振りへ

国有送電公社PGCIL(注13)は,世界銀行(注17)が,2009年7月までに供与する30億ドルローンの一部を割り当てられる模様である。その資金は,全土の送電網拡張に使用される。この先5年内に8,000万世帯に電気を供給する目標を持つ政府は,この資金で,送電線を新設することを考えている。政府高官は,この資金は,拡大路線で,予算を吸収することの出来る優良企業(注14),と言う言い方をしている。

PGCIL(注13)は,2012年までの第11次五カ年計画(注15)で,複数のプロジェクトに5,500億ルピー近い額を投入するものと期待されている。このプロジェクトの中には,地域間の電力融通容量,現在の,17,000MWから2012年までに,37,000MW以上に拡大する計画も含まれている。また,PGCIL(注13)は,地方電化公社REC(注16)や他の関連機関と協力して,政府の地方電化計画を推進する。

最近,通信分野にも乗り出して経営の多様化を進めているPGCIL(注13)は,かって世界銀行(注17)のローンを受けたことがある。また政府高官筋は,この世界銀行(注17)のローンは,この世界金融崩壊の中で,資金調達に苦しむ多くのインフラプロジェクトにとって,大いに助けになる,としている。また,電力供給にとって,経済成長を助けるために,適切な料金で供給することが重要である。

世界銀行(注17)グループの事業体,国際復興開発銀行(注18)のローンは,返済が長期で低い利子率である。残りのローンは,インドインフラ融資公社(注19)に供与して,資本設備の輸入企業に振り向けられる。インド政府は,この,2008〜2009年の2年間に亘って,世界銀行(注17)から,その2倍の60億ドルの借り入れを行うことになる。

(注) (13) State-owned transmission monopoly Power Grid Corporation of India (PGCIL),(14) “absorptive capacity” of the navratna company,(15) 11th five-year plan ending in 2012,(16) Rural Electrification Corporation,(17) World Bank,(18) International Bank for Reconstruction and Development,(19) India Infrastructure Finance Company,(20) http://my.reset.jp/adachihayao/index081206B.htm,(21)


参考資料

ネパール

●081226A Nepal, kantipuronline
ネパール,200MW,火力発電所にゴーサイン
Green light to thermal plant blueprint
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=171981

インド

●081226B India, Economic Times
インド国家送電網,世界銀行から30億ドルローン
PGCIL to get a pie of World Bank loan
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/PGCIL_to_get_a_pie_of_World_Bank_loan/articleshow/3892835.cms



2008年12月25日分 ー アルナチャルプラデシュの開発機運 ー

インド北東部の山岳地帯,インド北辺水力,人類最後の戦いの最前線,未確定国境で中国との摩擦を抱えたその北辺,行ったことはないが,何となく夢があり,一度は具に見てみたい,その様なイメージで眺めているアルンチャルプラデシュ州(注1)である。2008年早々には,JBIC,Jパワーなどの調査団が入ったと聞いている。いつか話を聞いてみたいものだ。今日は現地紙が,2008年を振り返っている。

アルンチャルプラデシュ州(注1)は,安全に問題もあるが観光地であり,ブラマプトラ河(注2)の大支流が入って,渓谷美をなしている,と想像している。州都はやや南西の縁に位置するイタナガール(注3)である。州の総面積は,83,743平方km,人口は,2001年推定で1.091百万人。主要河川は,シアン(注4),ティラップ(注5),ロヒト(注6),スバンシリ(注7),バレリ(注8),いずれもブラマプトラ河(注2)の支流である。

グーグルアースや写真など,じっくりと見てみたが,いずれの場合もそうだが,地図だけ見ていると大変な山岳地帯で恐ろしいところに見えるが,全く平和な,のどかな山間地帯の風景である。こういうところでじっくりと腰を据えて,水力発電所を計画してみたい,と言う気にさせる。ただ,州都イタナガール(注3)の写真を見ると,州都とは言え,なかなか大変そう。

この地は,中国との国境紛争の最前線である。今,シン首相(注11)が2,000億ルピーをひっさげて州都を訪問し,州の開発に火を付けてことは,これは中国を意識しての話である。少なくとも国際的な地図の上では,中国との間の未確定地帯となっている。インド西部の国境は完全に中国軍に抑えられてしまったが,この東部の地域は,中国軍が静かに引き上げていった地域だ。水力開発で,戦車に変わってブルドーザーが来る。

アルンチャルプラデシュ州(注1)は,インドにとって未来の発電所,と称されているが,その包蔵水力は,50,000MWとされているが,今回,開発へ大きな一歩を踏み出している。この10年間の計画で,で民間企業による開発が,4,200MW,中央公社企業によるものが,10,230MWに達している。これらの開発を通じて,アルンチャルプラデシュ州(注1)は無料電力を得ることが出来る。またこの電源で産業育成が可能になる。

58億ルピーに上る地方電化は,ラジブガンディ(注15)のもと,殆どの村落が電化される。食糧供給の拠点整備も行われる。一方で拉致事件も頻発しており,治安の問題が重要で,一層の中央政府の協力が約束されている。このHPでも,東のヒマチャルは相当話題となっていたが,この東の山岳州についても,私の関心は高く,出来るだけ拾っていきたいと思っている。HP(注21)で写真など見てください。

(注) (1) Arunachal Pradesh,(2) Bramaputra river, (3) Itanagar,(4) Siang,(5) Tirap,(6) Lohit,(7) Subansiri,(8) Bhareli,(9) saga,(10) Chief Minister Dorjee Khandu,(11) Prime Minister Dr Manmohan Singh,(12) Tawang,(13) Mahadevpur,(14) Trans-Arunachal Highway project,(15) Rajiv Gandhi Gramin Vidyutkaran Yojana,(21) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081225.htm

本文

●インド,アルンチャルプラデッシュ,2008年,水力や国境など

インド北東部の山岳地帯,インド北辺水力,人類最後の戦いの最前線,未確定国境を抱えた中国との摩擦を抱えたその北辺,行ったことはないが,何となく夢があり,一度は具に見てみたい,その様なイメージで眺めているアルンチャルプラデシュ州(注1)である。2008年早々には,JBIC,Jパワーなどの調査団が入ったと聞いている。いつか話を聞いてみたいものだ。今日は現地紙が,2008年を振り返っている。

アルンチャルプラデシュ州(注1)は,安全に問題もあるが観光地であり,ブラマプトラ河(注2)の大支流が入って,渓谷美をなしている,と想像している。州都はやや南西の縁に位置するイタナガール(注3)である。州の総面積は,83,743平方km,人口は,2001年推定で1.091百万人。主要河川は,シアン(注4),ティラップ(注5),ロヒト(注6),スバンシリ(注7),バレリ(注8),いずれもブラマプトラ河(注2)の支流である。

記事は主要な関心事だけ拾ってみる。タイトルは,「アルンチャルの武勇伝20008」,とでも訳すのだろうか,サガ(注9)というのは,冒険談,英雄伝,などと訳されている。2008年の主要な出来事の中で関心をそそるのは,電力セクターの活況,多くの開発事業,中国との国境騒動,などである。州政府カンドウ首相(注10)の指導力で始まった開発への大きな一歩を踏み出した。

2008年1月には,中央政府の首相として初めてアルンチャルプラデシュ州(注1)訪問,シン首相(注11)が2,000億ルピーをひっさげて来訪し,州の開発に火を付けてことは,大きな出来事だった。その提案の中には,タワン(注12)からマハデブプール(注13)を結ぶ1,840kmの,アルンチャル縦断ハイウエー(注14),550億ルピーのプロジェクトが含まれており,中央政府としても国家プロジェクトである。

シン首相(注11)は多くの分野のプロジェクト開発の約束をしたが,州都イタナガール(注3)への4レーン高速道路も含まれている。観光のためのホテル,ヘリコプーター便,国境付近のイルミネーション,教育,大学拡充,水供給システム,その他があるが,中央政府の意志は,中国との国境問題や国境付近のダム開発を意識していることが窺われる。ロシア,タイ,南米諸国,チェコスロバキアなどの投資資本が出てきている。

アルンチャルプラデシュ州(注1)は,インドにとって未来の発電所,と称されているが,その包蔵水力は,50,000MWとされているが,今回,開発へ大きな一歩を踏み出している。この10年間で民間企業による開発が,4,200MW,中央公社企業によるものが,10,230MWに達している。これらの開発を通じて,アルンチャルプラデシュ州(注1)は無料電力を得ることが出来る。またこの電源で産業育成が可能になる。

58億ルピーに上る地方電化は,ラジブガンディ(注15)のもと,殆どの村落が電化される。食糧供給の拠点整備も行われる。一方で拉致事件も頻発しており,治安の問題が重要で,一層の中央政府の協力が約束されている。このHPでも,東のヒマチャルは相当話題となっていたが,この東の山岳州についても,私の関心は高く,出来るだけ拾っていきたいと思っている。

(注) (1) Arunachal Pradesh,(2) Bramaputra river, (3) Itanagar,(4) Siang,(5) Tirap,(6) Lohit,(7) Subansiri,(8) Bhareli,(9) saga,(10) Chief Minister Dorjee Khandu,(11) Prime Minister Dr Manmohan Singh,(12) Tawang,(13) Mahadevpur,(14) Trans-Arunachal Highway project,(15) Rajiv Gandhi Gramin Vidyutkaran Yojana,(16)


●インドネシア,プルタミナ,補助金2兆ルピアを期待

プルタミナ(注16)は,来年,2009年,補助金による燃料供給で,2兆ルピア,約166百万ドル,が失われる可能性がある,と報じられている。この損失は,「アルファパーセント」(注17)と言われる,所謂,供給原価と利潤の差を意味するもので,これは政府によって8%と規定され,その時の仮定は,原油価格がバレル50ドル,為替レートがルピア対ドル11,000,である。語っているのは,スマルノ総裁(注18)である。

プルタミナ(注16)は,財務省(注19)と国営企業省(注20)に対して,「アルファパーセント」(注17)を,最低の限界となる12.5%とするよう要求している。2008年は,原油が数ヶ月間高騰してバレル100ドルを超していたので,プルタミナ(注16)の供給ビジネスの利潤は,4兆ルピアに達していた。政府は,これ以上は補助金を行わないが,国内で販売する質の悪い石油で,巨額の利潤を得ている。

(注) (16) State-owned oil company, PT Pertamina,(17) "alpha percentage",(18) Pertamina president director Ari Soemarno,(19) Finance Ministry,(20) State Ministry for State Enterprises,(21)

参考資料

インド

●081225A India, .sakaaltimes
インド,アルンチャルプラデッシュ,2008年,水力や国境など
2008 A saga of development in Arunachal
http://www.sakaaltimes.com/2008/12/24130055/2008-A-saga-of-development-in.html

インドネシア

●081225B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,プルタミナ,補助金2兆ルピアを期待
Pertamina expects fuel subsidies to cost Rp 2t next year
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/24/pertamina-expects-fuel-subsidies-cost-rp-2t-next-year.html



2008年12月24日分 ー 中国2千キロの80万ボルト直流送電 ー

長距離超高圧直流送電線が,今後の世界エネルギー開発の一つの大きな鍵となる,と言うことは言われてきた。昭和40年代,日本の経済成長期に,真剣にシベリアの水力を日本へ,直流送電で持ってこようとした人たちがいた。当時は中国は闇の中で,中国から電気を運ぶより,シベリアの方が政治的に,またサハリンがあって地形的に,実施が簡単,と考えられていた時代である。

この記事はスイス発であるが,中国の長距離送電線,西電東走,をテーマーにしたもので,この記事には,知的送電網(注19)と繋がるかどうかは別にして,首都大学東京学長西澤潤一氏(注20)の,「西澤氏の論文を米学会誌が正式承認」,の記事や,鈴木篁氏の水力開発論(注21)を連想させる。この中国の構想は,バンコク経済圏,ムンバイ経済圏,デリー経済圏,などには共通したものがある。

西澤潤一氏(注20)は,地球温暖化・エネルギー対策の切り札として,「世界の電力需要は水力発電と直流送電で賄える」,という主張が,最近米国の学会誌で正式論文として掲載されて承認されたり,中国政府が石炭によるCO2を多く出す火力発電に代わって,これを順次導入して切り替えていく計画を決めるなど,CO2排出大国がそろって,「水力発電と直流送電」,技術を正式に認める動きをみせている,と報じられている。

鈴木篁氏の水力開発論(注21)の中では,この西澤潤一氏(注20)の,「直流送電では1万km送電が可能で東京からナイアガラの滝は勿論ビクトリアの滝まで入る」,を参照しながら,世界中の水力資源を総て活用する事が出来,その総発生エネルギー量は,少なくとも当分の間,全世界の電力需要を賄って余りある,としている。(鈴木氏注:世界の包蔵水力14兆KWh,うち既開発2.4兆,現在の世界の全電力消費量12兆KWh)

事実,そこまで行かなくても,メコン雲南周辺では,中国沿岸部のみならずバンコク経済圏への水力開発,インダス,ガンジス,ブラマプトラ,サルウイーン,イラワジ,など,インドのニューデリーやムンバイ経済圏への電力輸送は,政治的問題が解決すれば,難しい問題ではなくなる。これは,アメリカ,ヨーロッパ,アフリカ,南米,などを含めると,人類にとって予想も出来ない大きな衝撃を与えることになろう。

また,今日の記事の中でも,ABBは再生可能エネルギー開発とこの長距離送電を結びつける発言をしている。知的送電網(注19),スマートグリッドとは書かれていないが,グーグルやオバマの知的送電網の発想とは,データー交換の問題以上に,この長距離と言うことが,その一つの鍵なのである。知的送電網(注19)発想を拡大して行く鍵の一つが,今日の記事には盛られていると見た。

なお,今日の中国のプロジェクト,中国西部の向I家覇水力プロジェクト(注22)は,最大出力,6,000MWで,四川省宜賓県と雲南省水富県との境界を流れる金沙江の下流に位置する。住民8万8千人から15万人の強制移動を強いる可能性のある中国第3の大型水力発電所で,2008年12月26日から正式に着工され,2015年までに完成する予定である。電気は,2,000km離れた上海に送られる。

(注) (19) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081216.htm,(20) http://tech.braina.com/2008/1217/other_20081217_001____.html,(21) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info4.htm#Label48,(21) ABB,(22) Xiangjiaba hydropower plant,(23) ultrahigh-voltage direct current (UHVDC) transmission corridor,(24) State Grid Corporation of China (SGCC),(25) to convert AC current to DC and back, and
to alter the voltage at each end,(26) Bernhard Jucker, head of ABB’s Power Products division,(27)

本文

●フィリッピン,サンミゲールがペトロンの株式過半数

高い確度の情報であるが,国家石油PNOC(注1)が,英国籍の投資企業アシュモア(注2)に売却した下流国家石油企業ペトロン(注3)の株式40%分,256.87億ペソを受け取ったことによって,フィリッピン政府は,徐々に国家赤字を減らすという目標に近づいているようだ。PNOC(注1)のカイラオ会長(注4)は,「フィリッピン政府は,予定された期間内に,支払いを受け取った。」,と語った。

それは,英国籍の投資企業アシュモア(注2)の関連企業であるSEA(注5)が小切手をカイラオ会長(注4)に手渡した直後である。一方,サンミゲール(注6)は,昨日,石油ビジネスの第一歩となるペトロン(注3)の株式買収を終了した,と発表している。サンミゲール(注6)のフィリッピン証券市場(注7)への報告では,ペトロン(注3)のアシュモア(注2)が持つ株式の50.1%取得の交渉は,最終段階だ,としている。

英国籍の投資企業アシュモア(注2)の関連企業であるSEA(注5)は,今月初めに541百万ドルで,国の有するペトロン(注3)の株式40%をかった時点で,90.57%に達している。ペトロン(注3)によると,昨日時点で,投資分を差し引いた209.12億ペソは,ペトロン(注3)売却代金として既に国庫(注8)に入っている。これは,予定されていた2009年2月5日より,1ヶ月以上早い処置である。

国家石油PNOC(注1)は,2008年12月19日に,アシュモア(注2)との取引の結論を出しており,フィリッピンの巨大石油企業であるPNOC(注1)の37.5億株を売却することで,売買協定SPA(注9)に署名していた。この売却に際し,PNOC(注1)のカイラオ会長(注4)は,政府が機会が来れば,更に石油精製事業を拡大して行く可能性を否定していない。ペトロン(注3)の株式の売却は石油精製販売産業からの撤退を意味しない。

PNOC(注1)のカイラオ会長(注4)は更に,PNOC(注1)の石油安定供給の義務はそのままであり,更に石油産業下流への投資も考えている,多くの内外の企業がPNOC(注1)との連携を探っており,それは,次の石油精製販売事業,次なるペトロン(注3)への道である,と。ただ考えておかなければならないのは,この英国籍の投資企業アシュモア(注2)は,サンミゲール(注6)へ売却のつもりで,これは最終段階に入っている。

ペトロン(注3)は明確にフィリッピン国内の石油産業の重要な役割を持っており,国家石油PNOC(注1)のカイラオ会長(注4)は,将来,再びこの分野へのカムバックを考えている。エネルギー企業としてPNOC(注1)には限界はなく,そのことは,メジャーと競い合うことになるもう一つの企業の設立の可能性もある,とカイラオ会長(注4)は宣言している。

(注) (1) Philippine National Oil Company (PNOC),(2) United Kingdom-based investment firm Ashmore Group,(3) Petron Corporation,(4) PNOC president Antonio M. Cailao,(5) SEA Refinery Corporation,(6) San Miguel Corp.,(7) Philippine Stock Exchabnge,(8) National Treasury,(9) sale purchase agreement (SPA),(10)

●フィリッピン,NPCが発電単価を全国で上げるよう申請

この記事は,昨日,2008年12月23日付本HP(注10)で,NPC(注11)の電気料金値上げの申請を,電力規制委員会ERCが,根拠薄弱として却下した報道の前,即ちNPC(注11)がどの様に値上げを考えたかを書いたもので,話が前後するが,一応見ておくこととする。昨日のERCの記事は,主としてルソン系統のものだが,NPC(注11)の申請は,ルソン,ビサヤス,ミンダナオの3系統に関係している。

NPC(注11)は,フィリッピン政府が望む,「眞のコスト」,を追求するため,発電チャージを,ルソン系統で,KWh当たり0.7456ペソ,ビサヤス系統で,0.8114ペソ,の値上げを申請した。ミンダナオ系統については,0.1590ペソの値上げを考えている。これによる回復すべきコストは,ルソンで,40.66億ペソ,ビサヤスで,10.64億ペソ,ミンダナオで,3.35億ペソである。

NPC(注11)は,PSALM(注12)と合同で申請している第12次発電料金調整方式GRAM(注13)は,2008年7月〜9月の燃料と買電コストを目標としたものである。このGRAM(注13)の適用遅れによって生じた調整DAA(注14)は,エネルギー販売予想との比較から来たもので,2007〜2010年の予算に付加される,とNPC(注11)は説明している。これらは3ヶ月以内に処理されるべき,としている。

NPC(注11)は,今回の申請は,燃料価格の遅れ,IPP価格の遅れ,各系統の送電費対応,などを含むものだ,と説明している。また,内々には,仮定されたヒートレートの問題もある。ERCが固定しているヒートレートは,2008年7月〜9月の実績から見て桁違いである,と。4年に一度の維持点検で,改善の可能性がある,と言っている。

NPC(注11)が強調している点は,IPPの中の4つの発電所,マラヤ火力(注15),ナガ火力(注16),CBK水力(注17),ミンダナオ石炭火力(注18)は,計算に含まれていないとしている。いずれにしても,これらのNPC(注11)の値上げ申請は,根拠が薄弱だとして,一応,ERCによって却下された状態にある。

(注) (10) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081223B.htm,(11) National Power Corporation,(12) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(13) Generation Rate Adjustment Mechanism (GRAM),(14) deferred accounting adjustment,(15) Malaya thermal plant,(16) Naga thermal plant,(17) Caliraya-Botocan-Kalayaan (CBK) hydro plant,(18) Mindanao Coal (STEAG) plant,(19)

●中国,ABBが80万ボルト,遠距離送電の鍵となる変圧器テスト成功

この記事はスイス発であるが,中国の長距離送電線,西電東走,をテーマーにしたもので,この記事には,知的送電網(注19)と繋がるかどうかは別にして,首都大学東京学長西澤潤一氏(注20)の,「西澤氏の論文を米学会誌が正式承認」,の記事や,鈴木篁氏の水力開発論(注21)を連想させる。この中国の構想は,バンコク経済圏,ムンバイ経済圏,デリー経済圏,などには共通したものがある。

スイスの世界的電力自動化技術グループのABB(注21)は,膨大な電力を長距離に亘って送電する電力スーパーハイウエー,または電力連携の鍵となる新型変圧器の試験運転に成功した。ABB(注21)が成功したのは,中国西部の向I家覇水力プロジェクト(注22)と上海,2,000kmを結ぶ超高圧直流送電UHDVC送電線(注23)のための88万ボルト変圧器である。1年間の契約で受注していた。

これは,この仕様としては世界最高の電圧で,6,400MW,3100万人分の電力を運ぶという記録的なプロジェクトである。この中の変圧器は,中国国家電網SGCC(注24)が発注したものの一つでシステムの鍵となるものであり,ABBは,直流を交流へ,またその逆へ電圧を変えながら切り替える変換器(注25)を供給することになっている。これに付随する重要な部分,インシュレーターやブッシングを含む。

ABB(注21)のジャッカー電力製品部長(注26)は,ABB(注21)とSGCC(注24)の協力の成果で,またABB(注21)の技術的また開発能力を発揮したものだ,と語っている。また,この超高圧直流送電UHDVC送電線(注23)の技術は,二酸化炭素削減のための再生可能エネルギー開発の重要な手段となろう,とも語っている。

超高圧送電線は,一般的な送電線に比べて,損失を減らし,送電敷地を減らし,大きな環境上の利点が考えられる。特に,広大な国土を有する国,中国のような国で,電源と需要地を結ぶのに重要な手段だ。超高圧送電線に関して,ABBは世界のパイオニアーで50年の歴史を持っており,この20年間では,送電線の大容量化と効率化の面で,最大の成果である。

ABB(注21)は,電力自動化技術の世界的リーダーで,電力企業と需要家に大きな技術的環境的効果をもたらしてきた。ABB(注21)グループは,世界の100カ国に企業を持ち,12万人の従業員が,仕事に従事している。

(注) (19) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081216.htm,(20) http://tech.braina.com/2008/1217/other_20081217_001____.html,(21) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info4.htm#Label48,(21) ABB,(22) Xiangjiaba hydropower plant,(23) ultrahigh-voltage direct current (UHVDC) transmission corridor,(24) State Grid Corporation of China (SGCC),(25) to convert AC current to DC and back, and
to alter the voltage at each end,(26) Bernhard Jucker, head of ABB’s Power Products division,(27)

参考資料

フィリッピン

●081224A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,サンミゲールがペトロンの株式過半数
San Miguel close to buying 50.1% of Petron PNOC gets P25.7-B payment from Ashmore
http://www.mb.com.ph/BSNS20081224144062.html
●081224B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,NPCが発電単価を全国で上げるよう申請
NPC seeks generation rate hikes for all grids
http://www.mb.com.ph/BSNS20081224144061.html

中国

●081224C China, edubourse.com
中国,ABBが80万ボルト,遠距離送電の鍵となる変圧器テスト成功
ABB successfully tests ultrahigh-voltage transformer, key for power
http://www.edubourse.com/finance/actualites.php?actu=49220superhighways


2008年12月23日分 ー 中国がインドネシアのエネルギーに31億ドル ー

昨日,2008年12月22日分本HP(注36)では,インドのKG流域深海の天然ガス生産開始とカタールからのLNG輸入問題で,ガスの価格を論じたが,今出てきたロイター電で,「ロシア主催のガス生産国会議,国際機関発足で合意」,と出た。殆どが石油輸出国機構(OPEC)の加盟国で,インドネシアが含まれているかどうか,確認できていないが,インドネシアは重要なLNG輸出国だから,参加したのだろう。

このロシア主宰になる,「ガス輸出国フォーラム(GECF)」,では,ロシアの思惑とは別に,OPEC諸国は,ロシアが原油生産削減に実際には協力していない,と攻撃の矛先がロシアに向いたことと,天然ガス市場は構造的に価格調整に向いていないとし,価格調整を否定していることである。原油は原価に比べてロイヤリティがかなり高いので,調整が可能だったのだが,天然ガスはそうはいかないようだ。

インドネシアは,原油の枯渇に懸念が広がっているが,天然ガスでは,探査も生産もこれからであり,中国経済にとっても捨ててはおけぬ相手国である。昨年,インドネシアのカラ副大統領は中国に招かれて,大満足の体で,中国の政治経済体制は世界一だ,と中国を賞賛して,帰国したが,今日の報道は一重に,カラ副大統領の功績といえるだろう。

今日の報道は,久しぶりのカラ副大統領の出番である。インドネシアと中国は,この月曜日,2008年12月22日,総額35兆ルピア,約31.3億ドル相当の8つのエネルギー及び鉱山部門のプロジェクトの協力協定に署名した。署名は,インドネシア側,カラ副大統領(注14)と中国側,リケキアン副首相(注15)が出席した第3次中国インドネシアエネルギーフォーラムICEF(注16)の席上で行われた。

カラ副大統領(注14)は挨拶で,今回の案件は両国の利益のためである,インドネシアは中国の製品を使用し,中国の経済を活性化する,それは同時にインドネシアにも影響を与える,と語った。また,現時点のエネルギーへの投資は低廉であり,今投資することによって,経済が回復したときに,我々には準備態勢が出来上がっていることになる,としている。

インドネシアも,単なる資金供与を受けるだけでなく,中国がインドネシアのLNGの獲得に向かって,日本などと競い合っていることを頭の中に入れた上での演説である。一方の中国の副首相も,署名は紙の上だけだ,実際に行動に移すのはインドネシアだ,と言わんばかりに,確実な実行を迫っている。ジャカルタのフォーラムで,両国の火花が散っている。日本の企業,民間の活躍が期待されるところだが,金融危機はそう影響するか。

(注) (14) Vice President Jusuf Kalla,(15) Deputy Prime Minister Li Keqiang.,(16) third Indonesia-China Energy forum (ICEF),(17) China's CNOOC,(18) Canada's Husky,(19) Madura Strait, East Java,(20) Upstream oil and gas regulator BPMigas,(21) state power company PT PLN,(22) Exim Bank of China,(23) Pelabuhan Ratu, West Java,(24) Pacitan, East Java,(25) PLN president director Fahmi Mochtar,(26) China National Technical Import and Export (CNTIE),(27) Shanghai Electric Group Company Ltd,(28) Adipala, Cilacap, Central Java ,(29) PT GH EMM Indonesia, a subsidiary of a China-based power producer,(30) Simpang Belimbing, Muara Enim, South Sumatra,(31) PT Tambang Batubara Bukit Asam,(32) China's Huadian Corporation,(33) Jambi,(34) Purnomo,(36) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081222.htm

(35)
1. Oil and gas contract extension in Madura Strait (BP Migas, CNOOC and Husky Madura Ltd),US$642 million
2. Power plant financing in Pelabuhan Ratu (The Exim Bank of China and PT PLN),US$481.94 million
3. Power plant financing in Pacitan (The Exim Bank of China and PT PLN),US$293.23 million
4. Power plant construction in Cilacap,US$605.29 million (PLN, CNTIE and Shanghai Electric),Rp 2.45 trillion
5. Power purchase agreement for Muara Enim (PT PLN and PT GH EMM Indonesia),US$330 million
6. Coal mining joint venture in Muara Enim (Bukit Asam and Huadian Corp),US$14.40 million
7. Biodiesel development in Jambi and South Sumatra (PT Kurnia Selaras and China Development Bank),US$255 million
8. Coal mining cooperation in East Kalimantan (PT Budi Dharma Kencana and Lark Guangdong Power Resources Inc) ,US$350 million
Sources: The third Indonesia-China energy forum 2008

本文

●ベトナム,105MW,アブン水力,試運転開始

アブン水力(注1)については,2008年11月15日付本HP(注2)で取り上げている。現地企業電力機械(注3)と住友商事が,EVN(注4)からターンキーで建設を請け負った,105MW,アボン水力(注1)の第1号機を完成して運転に入った。第2号機は2009年1月完成の予定である。アボン水力(注1)地点は,クワンナム県(注4)に位置し,2003年に着工し,完成が近づいている。年間発生電力量は815GWhである,としている。

今日の記事,ベトナム中部のクワンナム県(注4)に位置するアボン水力(注1)の,105MW,第2グループのタービンが,先週金曜日,無水試運転に入って中央グリッドに投入する準備に入った。第2グループのタービンは,2008年10月11日に運転開始した第1グループと同じ出力で,既に,140百万KWhを発電した。総工事費は235百万ドルで,第1,第2併せて210MW,年間815百万KWhの電力を発生する。

ホアンチュンハイ副首相(注5)は,発電所の職員達を前に,効果的で安定した運転に心がけ,8億トンの貯水池を絶対安全を目標に,維持管理に当たれ,と訓示した。このハイさんは,EVNの総裁をしていたハイさんですね。当時,ハイ総裁と会見するときに,職員から,あの人は首相になる人だからそのつもりで会ってくれ,と言われた。工業大臣を経て副大臣か。ベトナムって,そうやって首相が決まるのですかね。

(注) (1) A Vuong hydropower plant,(2) http://my.reset.jp/adachihayao/index081115A.htm,(2) Power Machines,(3) Electricity of Viet Nam (EVN),(4) Quang Nam province,(5) Deputy Prime Minister Hoang Trung Hai,(6)

●フィリッピン,規制委員会,NPCの電気料金値上げ申請を却下

情報によると,消費者心理を考えて,電力規制委員会ERC(注6)は,国家電力公社NPC(注7)の,KWh当たり0.3685ペソの料金値上げ申請を,NPC(注7)が根拠を説明できていない,として却下した。逆に,NPC(注7)のルソン系統における発電料金調整方式GRAM(注8)と増分為替レート調整ICERA(注9)で,KWh0.56ペソの削減を,この12月の請求書に適用すべく,承認した。

しかしながら,NPC(注7)の時間制料金TOU(注10)の暫定低減分,KWh当たり0.7431ペソが今月で期限切れとなるので,消費者への直接の影響は,KWh当たり0.1831ペソと,増えることになる。2008年12月26日〜2009年1月25日までの請求書では,過去6ヶ月間の暫定NPC発電料金低減分,KWh当たり0.74ペソが無効となり,その発電料金は,KWh当たり3.89ペソ,約8.16セント相当に帰ることになる。

調整で,KWh当たり0.56ペソの低減にもかかわらず,最終消費者に行くNPC発電料金は,現在の,KWh当たり3.17セントから平均KWh当たり3.33ペソ,約6.98セント相当になる。ERC(注6)のジュアン局長(注11)は,NPC(注7)が値上げを説明できなかった,としている。ERC(注6)のドウカット会長(注12)は,自動調整,GRAM(注8)とICERA(注9)適用がない場合,71センタボの値上げになるところだ,と言っている。

ERC(注6)のジュアン局長(注11)は,投資企業の申し入れでNPC(注7)の眞の価格を,と言うことは理解しているが,数字の根拠は説明できていない,と言っている。ERC(注6)の基本は,自動調整にあると。見直しは来年に持ち越されると。投資企業は,NPC(注7)の発電コスト部分と常に衝突してきた,それは,彼等の暫定供給契約TSC(注13)がNPC(注7)の時間制料金TOU(注10)に,連動されているからである。

ここは大事なところだが,自動調整,GRAM(注8)とICERA(注9)は,燃料,電力供給,為替変動と遅れが生ずる。料金は大きく揺れるが,特に,NPC(注7)の資産売却に伴う引き取り手である投資企業にとっては,大きな損失となる可能性がある。結局,IPPが確実にNPCに引き取られるとしても,コスト面では,必ずしも理屈にあった待遇が受けられない可能性,これが問題のようだ。

(注) (6) Energy Regulatory Commission (ERC),(7) National Power Corporation (NPC),(8) Generation Rate Adjustment Mechanism (GRAM),(9) Incremental Currency Exchange Rate Adjustment (ICERA),(10) NPC’s time-of-use (TOU) rates,(11) ERC executive director Francis Saturnino Juan,(12) ERC chairperson Zenaida G. Cruz-Ducut,(13) transition supply contracts (TSCs) ,(14)

●インドネシアと中国,約30億ドルのエネルギーなど支援


久しぶりのカラ副大統領の出番である。インドネシアと中国は,この月曜日,2008年12月22日,総額35兆ルピア,約31.3億ドル相当の8つのエネルギー及び工業部門のプロジェクトの協力協定に署名した。署名は,インドネシア側,カラ副大統領(注14)と中国側,リケキアン副首相(注15)が出席した第3次中国インドネシアエネルギーフォーラムICEF(注16)の席上で行われた。

カラ副大統領(注14)は挨拶で,今回の案件は両国の利益のためである,インドネシアは中国の製品を使用し,中国の経済を活性化する,それは同時にインドネシアにも影響を与える,と語った。また,現時点のエネルギーへの投資は低廉であり,今投資することによって,経済が回復したときに,我々には準備態勢が出来上がっていることになる,としている。

8案件に含まれるのは,一つの原油ガスプロジェクト,一つのバイオディーゼル開発プロジェクト,二つの石炭プロジェクト,四つの発電所プロジェクトである。原油ガスプロジェクトは,東ジャワのマドウラ海峡(注19)で中国企業CNOOC(注17)とカナダ企業ハスキ(注18)が運用しているもので,上流原油ガス公社BPミガス(注20)が2社と協定を交わし,2012年に終わる契約を,更に20年延長するものである。

協定に含まれる4つの発電所について,そのうち二つは,PLN(注21)が計画し中国輸出入銀行(注22)が融資する石炭火力である。これらは,西ジャワのパラブハンラト(注23)と東部ジャワのパチタン(注24)に位置する。パラブハンラト(注23)は,1,050MWで,パチタン(注24)は,630MW,いずれも,モクタールPLN総裁(注25)によると,2010年までに運転開始することになっている。

また,PLN(注21)は,中国企業CNTIE(注26)と上海重電(注27)と,発電プロジェクトで署名した。この二つの中国企業は,地元企業とも協力して,中部ジャワのチラチャップ(注28)に,660MWの石炭火力を建設する。このプロジェクトについては,モクタールPLN総裁(注25)は,追加資金が必要としている。また,3つの発電プロジェクトは,PLN(注21)が進める10,000MW石炭火力計画クラッシュプログラムの一環である,と。

更にPLN(注21)は,中国企業子会社GHEMM(注29)が進めるIPPプロジェクト,南スマトラ,シンパンベリンビン(注30)の石炭火力,227MWについても,第4の発電プロジェクトとして,買電協定を結んだ。中国リケキアン副首相(注15)は,挨拶の中で,これらが単なる紙の上の署名だけでなく,実現し具体的に実施されるよう,強く望む,と発言した。

石炭鉱山開発の協力についても,ブキットアサム石炭公社(注31)と中国のフアディアン公司(注32)が協定に署名した。また,ジャンビ州(注33)と南スマトラのバイオディーゼルも署名された。プルノモ大臣(注34)は,これらの8つのプロジェクトは多年度に亘るもので,そのかいはつペースに応じて支出され,32,000人の雇用を創出する,と述べた。内訳は注35に記録する。

(注) (14) Vice President Jusuf Kalla,(15) Deputy Prime Minister Li Keqiang.,(16) third Indonesia-China Energy forum (ICEF),(17) China's CNOOC,(18) Canada's Husky,(19) Madura Strait, East Java,(20) Upstream oil and gas regulator BPMigas,(21) state power company PT PLN,(22) Exim Bank of China,(23) Pelabuhan Ratu, West Java,(24) Pacitan, East Java,(25) PLN president director Fahmi Mochtar,(26) China National Technical Import and Export (CNTIE),(27) Shanghai Electric Group Company Ltd,(28) Adipala, Cilacap, Central Java ,(29) PT GH EMM Indonesia, a subsidiary of a China-based power producer,(30) Simpang Belimbing, Muara Enim, South Sumatra,(31) PT Tambang Batubara Bukit Asam,(32) China's Huadian Corporation,(33) Jambi,(34) Purnomo

(35)
1. Oil and gas contract extension in Madura Strait (BP Migas, CNOOC and Husky Madura Ltd),US$642 million
2. Power plant financing in Pelabuhan Ratu (The Exim Bank of China and PT PLN),US$481.94 million
3. Power plant financing in Pacitan (The Exim Bank of China and PT PLN),US$293.23 million
4. Power plant construction in Cilacap,US$605.29 million (PLN, CNTIE and Shanghai Electric),Rp 2.45 trillion
5. Power purchase agreement for Muara Enim (PT PLN and PT GH EMM Indonesia),US$330 million
6. Coal mining joint venture in Muara Enim (Bukit Asam and Huadian Corp),US$14.40 million
7. Biodiesel development in Jambi and South Sumatra (PT Kurnia Selaras and China Development Bank),US$255 million
8. Coal mining cooperation in East Kalimantan (PT Budi Dharma Kencana and Lark Guangdong Power Resources Inc) ,US$350 million
Sources: The third Indonesia-China energy forum 2008

参考資料

ベトナム

●081223A Vietnam, vietnamnews.vnagency
ベトナム,105MW,アブン水力,試運転開始
A Vuong power plant tests turbines
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=05ECO221208

フィリッピン

●081223B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,規制委員会,NPCの電気料金値上げ申請を却下
ERC rejects NPC rate increase petition
http://www.mb.com.ph/BSNS20081223144000.html

インドネシア

●081223C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアと中国,約30億ドルのエネルギーなど支援
RI, China sign Rp 35t deals on energy, mining
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/23/ri-china-sign-rp-35t-deals-energy-mining.html



2008年12月22日分 ー インドのガスとLNGを巡る情勢 ー

トヨタが赤字転落,と言うニュースは,日本人にとっても自信を失わせるような事件である。金融危機の影響もあるが,それはほんの切っ掛けであって,実は自動車産業というものが緩やかに斜陽になって行く姿を,直視していなかったのだろう。常に構造改革を強いられる企業の厳しい運命を感ずる。次は何をやるべきなのか,と一つの企業の中で考える人が,必ず居るべきなのだろう,普段は相手にされないが。

数ヶ月前にトヨタの人に,トヨタは次は何をやるべきなのか,と聞いたら,やはりトヨタがやるとしたらロボットだろう,と言っていた。トヨタの中にもその様に言っていた人は多くいたに違いない。でも1兆円を超える利益が出ているとき,ロボットに変えましょう,とは誰も言えない。自動車のロボット化と言う発想から抜け出せなかったのだろう。燃料を変えれば,自動車で永遠に行けると思ったわけではなかろうけれど。

インドも燃料で揺れている。インドは元々石炭で経済を動かしてきたのだが,西部沖合のKG流域で2002年にガスが発見されてから,それが商業化するまで長い道のりを歩んだ。今日の記事では,来年,2009年早々にも,生産を開始するところまでこぎ着けた,と書かれている。今のところ,KG流域のガス包蔵は,14兆立方フィートだから,バングラデシュと余り変わらない程度で,ミャンマーの60兆のガスに関心を持っている。

KG流域のガスを握っているにはリライアンスだが,一時リライアンスは,百万Btu当たり10ドルの値段を口にして,どうも政府から叩かれたようで,今日の記事ではこの数字は出ていない。今,国内天然ガスの4分の一を,カタールのLNGに頼っているが,2009年1月で長期契約が切れ,カタールからは,35%に上る値上げを突きつけられている。

今日の記事から見てみると,来年,2009年1月よりの国内LNGよりのガス販売は,長期契約,スポットをプールして,百万Btu当たり8ドル,と言って良く,これに対して,既に国家ガスONGCの販売価格は,2.4ドル,と言っているから,相当の開きがある。また,KG流域より来年早々生産を開始するリライアンスの値段は,4.2ドル,と言っている。

本日の原油価格は,アジアの需要減の見通しで,バレル33.87ドルである。発電燃料に直すと,カタールのLNGからの半分程度まで落ち込んでいる。LNGの価格は非常に分かりにくい。私は原油と連動しているのかと思っていたが,そうではなく,その生産原価がかなり支配的で,場所によって相当の開きがあるという。LNGのアジアのスポット価格は,20ドルまで上がっている,という報道もある。

(注) (1) http://my.reset.jp/adachihayao/index081003B.htm,(2) Reliance Industries (RIL) ,(3) petroleum ministry,(4) Krishna-Godavari (KG) basin,(5) RIL chairman Mukesh Ambani,(6) Petroleum minister Murli Deora,(7) Haryana,(8) Rajasthan,(9) Uttar Pradesh,(10) Gujarat,(11) Maharastra,(12) Delhi,(13) Karnataka,(14) Andhra Pradesh,(15) million standard cubic meter per day (MMSCMD),(16) Gail India,(17) Reliance Gas Transportation Infrastructure (RGTIL),(18) Dadri-Bawana-Nangal,(19) Chainsa-Gurgaon-Jhajjar-Hissar,(20) Jagdishpur-Haldia,(21) Dabhol-Bangalore,(22) Kochi-Kanjirkkod-Bangalore/Mangalore,(23) Kakinada-Basudebpur-Howrah,(24) Vijaywada-Nallore-Chennai,(25) Chennai-Tutikorin,(26) Chennai-Bangalore-Mangalore,(27) Kakinada-Hyderabad-Uran-Ahmedabad,(28) Ratnagiri Gas & Power,(29) Dhabol,(30)


(注) (30) ,(31) http://my.reset.jp/adachihayao/index081217C.htm,(32) liquefied natural gas,(33) naphtha,(34) million British thermal units (mmBtu),(35) Qatar,(36) Dabhol,(37) state- promoted Petronet LNG Ltd,(38) Reliance Industries,(39) Japanese Crude Cocktail (JCC),(40) RasGas of Qatar,(41) pre-shipping cost (or fob price) ,(42) shipping cost,(43) import duty,(44) re-gasification charges,(45) pipeline tariff,(46) marketing margin,(47) sales tax,(48) ONGC,(49) Panna Mukta Tapti fields in Mumbai Offshore,(50)

本文

●リライアンス,KG流域のガス生産,2009年2月にも開始

インド,KG流域(注4)のガス田について,2008年10月3日付本HP(注1)などで取り上げているが,「2002年にリライアンスは,インド東海岸沖合のクリシュナ・ゴバダリ(KG)盆地で推定埋蔵量14兆立方フィート(2002年度における世界最大の天然ガス発見)の天然ガスを保有することとなった。」,のが切っ掛けであるが,その後,インドらしく,その優先権の取り合いで裁判沙汰にもなっていた。

石油省(注3)の高官によると,リライアンスRIL(注2)は,KG流域(注4)の天然ガス生産を,2009年2月までに開始すると期待されている。政府のガス利用方針によって,まず20の肥料プラントに供給される。2008年9月,リライアンスRIL(注2)のアンバニ会長(注5)は,KG流域(注4)のD6ブロックから商業運転を始めるが,その時期は,2009年1月〜3月,と語っていた。

先週,デオラ石油相(注6)は国会で,生産開始は2009年初頭,と説明している。KGガスの深海からの生産は,リグの不足や悪天候で,2008年半ばの生産開始予定が,2009年初頭に遅れ込んでいた。リライアンスRIL(注2)は,最初から2009年初めの予定で,懸命に努力して予定通り生産に入る,この事業は世界的なプロジェクトであり,全員一丸となっている,と言っている。

石油省(注3)は最近,パイプラインの視察を行った。2カ所を除いて20カ所の肥料プラントが,KGガスの恩恵を受ける,と語っている。30の既設発電所も,このパイプラインのネットワークの中にある。そのプラントは,ハリアナ(注7),ラジャスタン(注8),ウッタルプラデッシュ(注9),グジャラート(注10),マハラシュトラ(注11),デリー(注12),カルナタカ(注13),アンデラプラデッシュ(注14)の各州に及ぶ。

これらのプラントのガス必要量は,日36百万立方m(MMSCMD)(注15)である。国家ガスGAIL(注16)とリライアンスインフラRGTIL(注17)のパイプラインが完成すれば,更に14の発電所が,KGガスと結ばれる。政府が認可したGAIL(注16)のパイプラインは5区間(注18,19,20,21,22)であり,RGTIL(注17)は4区間(注23,24,25,26)であり,現時点で完成しているのはアームダバードに至るもの(注27)である。

政府は,最優先として,元のダボール(注29),現ラタナギリ発電所(注28)を充足して後,アンデラプラデッシュ(注14)の発電所としている。閣僚会議は,2009年3月の生産予定量,日40百万立方m(MMSCMD)(注15)のうち,18MMSCMDを発電に当てると決定している。RDPPL(注30)の2009年1月〜9月の間の必要量は,1.4〜8.5MMSCMD(注15)である。

閣僚会議の方針では,優先権は,LPGセクターの3MMSCMD(注15)に続いて,肥料プラントの14MMSCMD(注15)となっている。第3の優先順位が発電で,量は,18MMSCMD(注15)である。残りの,5MMSCMD(注15)が市ガスに当てられる。

(注) (1) http://my.reset.jp/adachihayao/index081003B.htm,(2) Reliance Industries (RIL) ,(3) petroleum ministry,(4) Krishna-Godavari (KG) basin,(5) RIL chairman Mukesh Ambani,(6) Petroleum minister Murli Deora,(7) Haryana,(8) Rajasthan,(9) Uttar Pradesh,(10) Gujarat,(11) Maharastra,(12) Delhi,(13) Karnataka,(14) Andhra Pradesh,(15) million standard cubic meter per day (MMSCMD),(16) Gail India,(17) Reliance Gas Transportation Infrastructure (RGTIL),(18) Dadri-Bawana-Nangal,(19) Chainsa-Gurgaon-Jhajjar-Hissar,(20) Jagdishpur-Haldia,(21) Dabhol-Bangalore,(22) Kochi-Kanjirkkod-Bangalore/Mangalore,(23) Kakinada-Basudebpur-Howrah,(24) Vijaywada-Nallore-Chennai,(25) Chennai-Tutikorin,(26) Chennai-Bangalore-Mangalore,(27) Kakinada-Hyderabad-Uran-Ahmedabad,(28) Ratnagiri Gas & Power,(29) Dhabol,(30)

●インド,輸入のLNG,35%値上がりへ

インドのガス燃料について,2008年12月22日付本HP(注30)で,リライアンスRIL(注2)が,KG流域(注4)の天然ガス生産を,2009年2月までに開始すると期待されている,と報じられた。また,2008年12月17日付本HP(注31)で,インドのバイヤーが,LNG(注33)のアジアのスポット市場から,原油価格に連動して急落したナフタ(注34)に切り替えている,と報じられた。

インドにとって,LNG(注32)は大変難しい燃料である。インドのガス価格は来年高騰の兆しであり,LNG基地は,より長期の契約を望んで,スポット市場から退却している。今日の記事は,2009年1月からの,インド市場でのLNGの値上がりを詳しく報じている。基本的には,35%の値上がりで,百万Btu当たり(注34)6.7ドルとなる,としている。

即ち,2009年からのカタール(注35)に於けるLNG供給が値上がりの見込みなので,インドの輸入のLNG,肥料プラントやダボール(注36)に供給されるLNGが,値上がりする見込みである。国内で消費する天然ガスの4分の一は,ペトロネット(注37)によって輸入されるLNGに依存しているが,その価格は,現時点で百万Btu当たり(注34)4.98ドルである。これが,2008年1月より,百万Btu当たり(注34)6.3〜6.7ドルとなる。

この価格は,売上税,パイプライン経費,市場利益が含まれていないので,百万Btu当たり(注34)7.2〜7.8ドルになるだろう,と言われている。この輸入LNGは,国内で最も高いガスになるはずで,もっとも安いのは,リライアンス(注38)のD6ブロックからのガスで,百万Btu当たり(注34)4.2ドルである。カタール(注35)からのLNG契約は,もっとも安い長期契約と,短期のスポット価格がある。これをプールして国内販売している。

現在では,長期契約が,船出前で,百万Btu当たり(注34)2.53ドル,短期契約が,8.5ドル,この二つをプールして,4.98ドルとなっている。2009年1月からは,長期が,3.12ドル,短期が,12ドルとなる,と言われている。短期契約分LNGで100万トンは,2009年9月までの契約で,日本原油混合JCC(注39)に固定されており,バレル60〜70ドルである。この見通しを受けて政府は,ダボール(注36)にはD6ガスを割り当てる。

ペトロネット(注37)は現在,カタールのラスガス(注40)から,FOB価格(注41),百万Btu当たり(注34)2.53ドルで輸入している。JCC(注39)に連動する5年契約が,2009年1月に終了する。2009年1月からは,FOB価格(注41)で,3.12ドルとなる。これに,船コスト(注42),輸入税(注43),再ガス化(注44),パイプライン料(注45),市場利益(注46),売上税(注47)を加えて,5.5188ドルとなる。

将来,カタールからのLNGのFOB価格は,JCC(注39)の移動平均に連動して,2010年1月で百万Btu当たり(注34)4.25ドル,2011年で5.59ドル,2012年で6.91ドル,2013年で8.24ドル,2013年12月で8.73ドル,と変わってくる。2009年1月のペトロネット(注37)のガス価格は,国内生産ガスの4倍近くになる。

ONGC(注48)のガスは,現在百万Btu当たり(注34)1.9ドルが,政府が値上げを認めれば,2.4ドルとなる。また,リライアンスRIL(注2)のKG流域(注4)の天然ガスは,少なくとも4.20ドルとなるはずで,ムンバイの沖合,パンナタピガス田(注49)の価格は,5.70ドルである。2006〜2007年で36%の伸びを見せたインドのLNG購買は,台湾を抜いたが,今年の輸入は落ち気味であった。

(注) (30) ,(31) http://my.reset.jp/adachihayao/index081217C.htm,(32) liquefied natural gas,(33) naphtha,(34) million British thermal units (mmBtu),(35) Qatar,(36) Dabhol,(37) state- promoted Petronet LNG Ltd,(38) Reliance Industries,(39) Japanese Crude Cocktail (JCC),(40) RasGas of Qatar,(41) pre-shipping cost (or fob price) ,(42) shipping cost,(43) import duty,(44) re-gasification charges,(45) pipeline tariff,(46) marketing margin,(47) sales tax,(48) ONGC,(49) Panna Mukta Tapti fields in Mumbai Offshore,(50)

参考資料

インド

●081222A India, Economic Times
リライアンス,KG流域のガス生産,2009年2月にも開始
RIL may begin production at KG basin by Feb 2009
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/RIL_may_begin_production_at_KG_basin_by_Feb_2009/articleshow/3871442.cms
●081222B India, Economic Times
インド,輸入のLNG,35%値上がりへ
LNG to cost up to 35 pc more at USD 6.7 per mmBtu from Jan
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/LNG_to_cost_up_to_35_pc_more_at_USD_67_per_mmBtu_from_Jan/articleshow/3862090.cms



2008年12月21日分 ー パキスタンの水力便益地元還元 ー

昨深夜のディスカバリーチャンネルで,北海で行われている沖合の風力発電所の設置工事を見ていた。突然,電力の友人からメールが来て,2008年12月16日付本HP(注30)の知的送電網の話は面白かった,しかし,再生可能エネルギーを活用しようと思ったら,知的送電網(注31,32)では駄目で,バッテリーの研究をしなければ役に立たない,とメールの中で怒鳴っていた。

テレビは途中から見たのだが,羽の長さが約40m,風雨がきつくて飛ばされそうになりながらの工事はとっても大変だった。36基の風車を海底から柱を上げて据え付ける,その36基を海底で結んで,510トンもする変電所をそのまま船で運んできて柱の上に据え付け,風車をケーブルで繋ぐ,15万ボルトに昇圧して陸地の送電網に繋ぐ,おそらく全部で10万KW内外の設備のようだった,あれでやっと10万KWだ。

オバマ大統領候補は,あんなものを系統の20%まで入れよう,と言っているし,フィリッピンではあのような国産エネルギーを60%にしようと言っている。風力と太陽光の日間,年間の発電負荷曲線を書いて,それを系統の20%,30%,入れると,需要との関係がどうなるのか,一度絵を描いてみる必要がある,とんでもない容量のバッテリーが必要になるのだろう。

考えてみれば,水力も本来は太陽光とか風力と同じような発電パターンになるのだが,水力の場合はダムという手段があって,需要の形に合わせた発電が出来るようになっている。最近は渇水で,必ずしも調整が円滑に行っていないが,それでも経済的に成り立つような手段が用意されている。揚水発電所の活用は,ある程度規模が必要だし,水の上げ下げのロスがあって,再生可能用には無理だろう。

ネパールやパキスタン,電力不足に悩んでいるが,彼等も十分大きな規模のダムがあれば,水力開発で安定した電力が得られる,と言うことで,計画を進めている。今日の記事になっているディアマー-バシャダム(注1)は,4,500MWと言う壮大な計画で,600億トンぐらいの貯水容量を持つために,約3万人の水没移住がでる。資金の見込みのない中で,勇敢にも着工に踏み切っている。

いわば,日本の佐久間ダムや黒四ダム着工前夜,中国の三峡ダム着工前夜,みたいな雰囲気で,これで盛り上がらなければ,政治が持たない,と言う事情もある。大統領を初め国のトップ同士が,その資金調達に奔走している。頼みは中国であり,またパキスタンにとっては中東も頼りになる資金源であるが,最近の金融情勢,原油の値下がりで,先行き甚だ不透明である。


(注) (30) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081216.htm,(31) 知的送電網,(32) smart grid
(注) (1) Diamer Basha Dam,(2) North West Frontier Province,(3) Northern Areas,(4) Prime Minister Syed Yousuf Raza Gilani,(5) Planning Commission,(6) Ministry of Water and Power,(7) WAPDA,(8) Awami National Party central leader Senator Haji Adeel,(9) Ghazi Brotha Dam,(10) Punjab,(11) Executive Committee of the National Economic Council,(12) Basha Dam,(13) million acre feet,(14) http://my.reset.jp/adachihayao/index081105.htm,(15) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081020A.htm,(16) Munda dam,(17)

本文

●パキスタンのバシャダム,発電所位置で,裁定委員会設置

パキスタンのディアマー-バシャダム(注1)については,2008年11月5日付本HP(注14)で取り上げている。また,2008年10月20日付け本HP(注15)で,「2008年,今年の4月に,ドイツのラメイヤーの詳細設計が完成した記事がある。このインダス川の上流に建設される大規模なダム計画,バシャダイムラープロジェクト(注1)は,資金調達を待たずに当時の大統領は着工を命令している。北京の支援がある。」,と。

パキスタン連邦政府は,125億ドルのディアマ-バシャダム(注1)の発電所位置,北西辺境州NWFP(注2)か北部地域NA(注3)か,についての正確な位置を決定するための委員会設置を決めた。ジラニ首相(注4)は,ディアマ-バシャダム(注1)の便益地元還元を,NWFP(注2)とNA(注3)でどの様に配分すべきかの決定を行う委員会設置,これを決めたのである。計画委員会(注5)副委員長が主宰することになる。

この委員会は,計画委員会(注5)事務局,水資源電力省(注6),WAPDA(注7)総裁,各NWFP(注2)とNA(注3)の代表によって構成される。NWFP(注2)とNA(注3)は,便益地元還元に影響してくる発電所の位置で,意見がまとまっていない。NA(注3)は,ディアマ-バシャダム(注1)の99%の土地がNA(注3)管轄内だ,と主張し,NWFP(注2)は,発電所位置がその管轄下にあり,便益地元還元を主張している。

本来,地元還元は発電所位置によって決められることになっている。委員会はまだ開かれていない。アディール国会議員(注8)は意見を求められて,ガジバロタダム(注9)の例を挙げ,発電所がパンジャブ州(注10)にあったのでNWFP(注2)は便益地元還元を主張しなかった,どちらもパキスタン人だからこだわらない,と言っている。

国家経済委員会役員会議ECNEC(注11)は最近になって,バシャダム(注12)の用地買収費用を,1,160億ルピーから600億ルピーに減額している。政府は既に,アクセス道路の建設費用,20億ルピーを支出した。着工は2009年度である。ディアマ-バシャダム(注1)の移住人口は,4,135家族,28,640人であり,発電所出力は,4,500MW,ダムの貯水容量は,6.4MAF(注13)である。

この便益地元還元,所謂,ロイヤリティ,と言われるものについては,憲法にその記述があるという。我々も,ムンダダム(注16)の調査の経験から,パキスタンに於ける州政府の強さを知っている。そうして,この便益地元還元が,日本の電源特会に似通っていることも一つの関心事だ。便益を地元に落とす,という制度が,これほど早く,また憲法で決められている,と言うのは驚きである。

(注) (1) Diamer Basha Dam,(2) North West Frontier Province,(3) Northern Areas,(4) Prime Minister Syed Yousuf Raza Gilani,(5) Planning Commission,(6) Ministry of Water and Power,(7) WAPDA,(8) Awami National Party central leader Senator Haji Adeel,(9) Ghazi Brotha Dam,(10) Punjab,(11) Executive Committee of the National Economic Council,(12) Basha Dam,(13) million acre feet,(14) http://my.reset.jp/adachihayao/index081105.htm,(15) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081020A.htm,(16) Munda dam,(17)

パキスタン,大規模ダムプロジェクト位置
http://my.reset.jp/~adachihayao/08040401.jpg
バシャダム,貯水池の概要
http://my.reset.jp/~adachihayao/08040402.jpg
バシャダム,ダム構造平面,高さ281m
http://my.reset.jp/~adachihayao/08040403.jpg

●フィリッピン,規制委員会,料金自動調整で公式提示

電力規制委員会ERC(注17)は,現実の電力コストを電気料金に反映させるための,NPC(注18)の燃料及び買電コスト調整FPPCA(注19)と為替レート関連調整FXA(注20)の自動調整に関する公式を作成した。しかし,実際の公布は,関係者からの意見を求める公聴会形式で,2009年1月16日に意見を求めて,それ以降となる。

燃料コスト調整については,その期間に応じたヒートレート上限と売り上げによって,調整しなければならない。また,シンガポール平均MOPS(注21)も参考にする。混乱している為替レートについては,初期値として,USドル当たり44.049ペソとしている。NPC(注18)コスト関連の調整については,資産売却の生産方法などで,混乱している。提案では,暫定供給契約TSC(注22)に基づいている。

ERC(注17)の提案では,自動調整を改めてERC(注17)が見直して承認することになっている。少なくとも,12ヶ月毎に,買電コスト調整FPPCA(注19)と為替レート関連調整FXA(注20)を,実際の収入に照らして検討する。規定にあるように,発電料金は,買電コスト調整FPPCA(注19)と為替レート関連調整FXA(注20)を参照することになる。

(注) (17) Energy Regulatory Commission, Philippines,(18) National Power Corporation,(19) fuel and purchased power cost adjustment,(20) Foreign Exchange-Related Cost Adjustment,(21) Mean of Platts Singapore,(22) transition supply contracts,(23)

●ネパール最大のカリガンダキ発電所,144MW,停止の可能性

電力不足で停電の続くネパール,ネパール電力庁NEA(注23)の維持管理担当部門によると,国内最大,144MW,カリガンダキA水力発電所(注24)が,機会上のトラブルで深刻な状態にあり,緊急に処置をしなければ,運転停止の危険性がある。単機48MWであるが,3つのフランシス水車(注25)のうち,第1及び3号機の重要なデーターの更新が出来ない状態に陥っているという。

NEA(注23)のジャー土木計画局長(注26)によると,通常は自動で更新されるデータが更新されないと言う。コントローラーPLC(注27)とコンピューターの間のデータやりとりが自動で出来ず,主導でやっていたが,限界だという。各タービンは,3年ごとにNEAがオーバーホールしているが,これも流砂と摩擦で問題が生じている。

ランジット所長(注28)によると,カリガンダキA水力発電所(注24)は,夕方のピーク時に,110MWを発電しており,その他の時間は,60〜65MWで運転している。水が十分にあれば,5〜6時間,144MW運転が可能である。この機械は,フランス企業で製作されたもので,新規のソフトの更新が必要と思われる。ネパールでは不可能で,フランスから技術者を招く必要がある。スペアー購入も,10.8百万ルピーが必要である。

NEA(注23)は現在深刻な電力不足に陥っており,日常,400MWが不足している。もし国内最大,144MW,カリガンダキA水力発電所(注24)が停止するようなことになれば,電力危機を増大し,社会的な問題となる可能性がある。東芝の資料の中に,水車の摩耗対策として,東芝の技術が使われている,と言う記述がある。Aではないかも知れない。

(注) (23) Nepal Electricity Authority NEA,(24) Kaligandaki 'A' hydropower plant,(25) Francis turbine,(26) Dr Jivendra Jha, director-general of the civil and planning department of NEA,(27) Programmable Logic Controller,(28) Jujukaji Ranjit, project manager at Kaligandaki 'A,',(29)

参考資料

パキスタン

●081221A Pakistan, thenews
パキスタンのバシャダム,発電所位置で,裁定委員会設置
Body formed to resolve royalty issue
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=152744

フィリッピン

●081221B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,規制委員会,料金自動調整で公式提示
ERC sets formula on automatic recovery of NPC’s purchased power, forex costs
http://www.mb.com.ph/BSNS20081221143823.html

ネパール

●081221C Nepal, kantipuronline
ネパール最大のカリガンダキ発電所,144MW,停止へ
Snags may shut Kaligandaki NEA
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=171297


2008年12月20日分 ー フィリッピンの電気料金は民営化で下がるか ー

フィリッピン商工会議所PCCI(注1)の電気料金に対する圧力は,ますます激しくなってくる。フィリッピンがKWh当たり14セントとして,タイやベトナム,インドネシアでは,5〜7セントぐらいで推移しているから,半導体などの業種は,フィリッピンから逃げ出すのではないか,と懸念されている。一方でアロヨ政権は,なぜフィリッピンだけ電気料金が高いのか,と国民や国会から迫められ続けている。

その上,最近見てきたとおり,国産再生可能エネルギーの重視で,電気料金はますます高くなる可能性を孕んでいる。電気料金の問題と国産再生可能エネルギーとは全く矛盾する話なのである。2008年半ばには,原油が高かったから,再生可能エネルギー開発の制度の問題に拍車がかかったが,今となれば,全く矛盾した話になってきてしまった。原油が将来どうなるか,は勿論分からないが,今日安いと言うのは現実の問題だ。

今日のフィリッピン商工会議所PCCI(注1)のトップ,アレジャンドロ副総裁(注2)の発言も,競争市場の導入で,投資は増え,電気料金は安くなる,と言う前提で,民営化の加速を要請している。アレジャンドロ副総裁(注2)が本当にそう信じているのかどうか,よく分からないが,とにかくNPC(注3)の資産売却の促進を求めていることは事実である。

民営化は,民間セクターの投資と競争を促し,電気料金を真の値に近づけるまで,安くすることが出来る,と。「我々は,投資家達が来て投資を実際に行うような市場環境を造らなければならない。もしそうすることが出来るなら,早期に金融危機を克服できるだろう。」,と。アレジャンドロ副総裁(注2)は,今の原油価格下落に甘えるべきでない,米国経済が回復すれば,原油は再び上がってくるだろう,と考えている。

私は,フィリッピンの電気料金を下げることは,電力改革によっては成功しないと思っている。元々フィリッピンには資源がなかったのだから,電気料金は高くならざるを得なかったのだと思う。先日も思いを述べたが,中国,タイ,インドネシア,ベトナム,インド,など,発展するその最盛期に,石炭資源を国内に抱えていたことが,それが有利に働いた。日本の経済が立ち上がったときは,原油が安かった,と言うことだ。

今日のアレジャンドロ副総裁(注2)の発言の中で,少し興味をそそるのは,フィリッピンが100年かかって行ったボーリングの量を,インドネシアは1年で実施している,何とか海外資本を激励して,ここに来て掘らせる必要がある,と言っている言葉だ。発展すれば何処でもガスが出てくる,と言う現実は疑いもない。フィリッピンもマランパヤでガスが出たから,もっと掘ればもっと出る,と言うことになる。

ただ,原油がバレル150ドルもすれば,皆掘ろうとするが,30ドルでは誰も堀りに来ない,と言う現実がある。国産エネルギーに重点を置くのか,再生可能エネルギーに重点を置くのか,がここで問題になってくる。経済の動きにゆられ続けるフィリッピンの問題は,やはり持たざる国の悩みなのか。例えば,インドネシアは迷わず安い石炭火力に集中して開発している,安い電気料金を維持せざるを得ないから,と言っていいだろう。

(注) (1) Philppine Chamber of Commerce and Industry,(2) PCCI vice president for energy Jose S. Alejandro,(3) National Power Corp,(4) Independent Power Producer,(5) Independent Power Producer (IPP) Administrator,(6)

本文

●フィリッピン,商工会議所,NPCの民営化を急げと

フィリッピン商工会議所PCCI(注1)のトップは,次のように信じている,政府の有する電源資産の民営化は,10億〜20億ドルの投資を呼び込み,フィリッピンはこの世界金融危機を乗り切りことができると。PCCI(注1)のアレジャンドロ副総裁(注2)は,政府は予定されている国家発電公社NPC(注3)の資産売却予定100%年内のスピードを上げる必要がある,と主張している。

また,この民営化は,民間セクターの投資と競争を促し,電気料金を真の値に近づけるまで,安くすることが出来る,と。「我々は,投資家達が来て投資を実際に行うような市場環境を造らなければならない。もしそうすることが出来るなら,早期に金融危機を克服できるだろう。」,と。アレジャンドロ副総裁(注2)は,今の原油価格下落に甘えるべきでない,米国経済が回復すれば,原油は再び上がってくるだろう,と考えている。

フィリッピンの電気料金は,アジアで日本に次いで高く,電気料金を下げようとしている他の国に比べて,まだまだ競争が足りない。アレジャンドロ副総裁(注2)は,電気料金が高くまだ下げなければならない,と。また,国産のガスと原油のロイヤリティを下げて,この先6ヶ月を目指して,IPP(注4)の経営者(注5)の参入を急がせなければならない。IPP(注4)の経営者(注5)は,燃料コストを下げ,効果的な民間運営を持ち込む。

エネルギーの自給率を高めるために,アレジャンドロ副総裁(注2)は,政府が原油探査を,海外資本に解放しなければならないと考えている。彼が言うには,フィリッピンが100年かかって行ったボーリングを,インドネシアは1年で実施している,何とか海外資本を激励して,ここに来て掘らせる必要がある,と。この視点は,フィリッピンでは初めて聞くせりふだ。

(注) (1) Philppine Chamber of Commerce and Industry,(2) PCCI vice president for energy Jose S. Alejandro,(3) National Power Corp,(4) Independent Power Producer,(5) Independent Power Producer (IPP) Administrator,(6)

●インド,電力で,100%外国資本のプロジェクトを認める

ラメッシュ副大臣(注6)が,電力全般について,その政策を話している。産業情報資源社(注7)がまとめたものである。最近,インド政府は,発電,送電,配電一貫での電力事業について,100%外国資本による投資を認めることにした。しかし,原子力開発にはこの方針は適用されない。しかし金融危機の折り,その目標は定めていないが,ラメッシュ副大臣(注6)は,政府として出来る限りの刺激策は採っている,と。

インドは,ブータン政府(注8)と,2020年までに,5000MWの電力輸入について文書で合意している。インド自身が,輸入するために,開発の参加する計画である。2006年に,水力プロジェクトと関連送電線の推進に,インドとブータンは合意している。また,公益事業ばかりでなく民間事業の参入も合意している。ブータン政府は,100MWを越す水力プロジェクトについて,外国資本の100%参入も認めている。

インド企業は,ブータンからの電力輸入が出来る唯一の国だから,ブータンが電力セクターの民営化への努力を,資本の面から支援しようとしている。2008年7月,タタ電力(注9)は,ブータン政府と,114MW,ダガチュー川(注10)の流れ込み式水力(注11)の開発で,連携することになっている。タタ電力(注9)は,開発主体のダガチュー水力会社(注12)の株式26%を分担している。地元企業,龍緑発電会社(注13)が主体。

発電した電力は,タラ送電線(注14)によってインドの東地域に入り,タタ電力(注9)の有するタタ電力取引会社(注15)によって引き取られる。また,エッサール電力(注16)は,840百万ドルの500MW水力プロジェクトを準備することを発表している。このプロジェクトは,BOOT方式(注17)か,ブータン政府との合弁か,どちらかの方式となる。発電した大部分は,インドに輸入される。

また,ラメッシュ副大臣(注6)は,4,000MW,大規模火力開発計画UMPP(注18)について,その開発に際し,その推進のために電力省は,料金競争入札方式(注19)を採用する,と。火力発電所は,超臨界圧技術(注20)を採用し,立地は炭坑近辺か海岸地域か,その水源,用地,道路や鉄道の利便さ,などを考慮して決める,と言っている。

(注) (6) Jairam Ramesh, Minister of Power,(7) Industrial Info Resources,(8) Royal Government of Bhutan,(9) Tata Power Company Limited (Mumbai),(10) Dagachhu River,(11) run-of-the-river hydropower project,(12) Dagachhu Hydro Power Corporation Limited,(13) Druk Green Power Corporation Limited (Thimphu, Bhutan),(14) Tala Transmission Link,(15) Tata Power Trading Company Limited (Mumbai),(16) Essar Power Limited (Mumbai),(17) build-own-operate-transfer,(18) Ultra Mega Power Projects,(19) tariff-based competitive bidding route,(20) supercritical technology,(21)

●南部スマトラ,インドなどが発電所など,40億ドル投資へ

インド籍アルミ企業NALCO(注21)とUAE(注22)のミネラル企業RMMI(注23)は,40億ドルを投じて,南スマトラのタンジュンアピアピ(注24)に,発電所を含めたアルミナからアルミニューム(注25)への精錬所を建設することで,MOUに署名した。署名後,NALCO(注21)のバルガ財務担当重役(注26)は,工事にはまもなく着手し,精錬所の運転開始は,2013年と考えている,と話した。

バルガ財務担当重役(注26)によると,20億ドルが精錬所の建設費で,15億ドルが発電所,港湾,鉄道の建設に当てられる。インドのアルミナ生産は年210万トンで,このうち100万トンを南スマトラに運び,年間50万トンのアルミニュームを製造する。インドネシアの良質な石炭により発電所を利用することがより効率的,と判断したようだ。

自家用となる石炭火力発電所の出力は,1,250MWで,年間500万トンの石炭を必要としている。NALCO(注21)とRMMI(注23)は現在,地元の石炭業者と話を進めている。40億ドルのうち3分の2がローンで,資本は,RMMI(注23)が24%,NALCO(注21)が76%の模様。NALCO(注21)は一部,地元鉱業企業の参加を考えており,Antam(注27)などと話を進めている。また,ジャカルタ証券市場(注28)上場も考慮中。

インドネシア政府のシハブ中東担当大統領顧問(注29)は,このMOUは,インドネシアがまだ魅力的な投資市場であることを示しているが,多くのMOUが棚上げされているので,その実現のための関係者の努力を要請する,と。バルガ財務担当重役(注26)は,世界金融危機は好ましくないが,この精錬プロジェクトが完成する2,3年後には,経済が好転しているものと考えて,推進している,と語っている。

(注) (21) National Aluminium Company Ltd (NALCO),(22) United Arab Emirates,(23) Ras Al Khaimah Minerals and Metals Investment FZ LLC,(24) Tanjung Api-api,(25) alumina into aluminum,(26) NALCO’s finance director B.L. Bagra,(27) PT Aneka Tambang,(28) Jakarta stock exchange,(29) Alwi Shihab, President Susilo Bambang Yudhoyono’s special envoy to the Middle East,(30)

参考資料

フィリッピン

●081220A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,商工会議所,NPCの民営化を急げと
PCCI urges speedier Napocor privatization
http://www.mb.com.ph/BSNS20081220143748.html

インド

●081220B India, pump-zone
インド,電力で,100%外国資本のプロジェクトを認める
India Approves 100 Percent Foreign Investment in Power Sector
http://www.pump-zone.com/global-news/global-news/india-approves-100-percent-foreign-investment-in-power-sector-plans-to-import-power-from-bhutan.html

インドネシア

●081220C Indonesia, The Jakarta Post
南部スマトラ,インドなどが発電所など,40億ドル投資へ
India, UAE firms to build $4b smelter
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/20/india-uae-firms-build-4b-smelter.html



2008年12月19日分 ーインド北辺水力開発に変わった兆し ー

今日のワシントンポストは,OPECが日220万トン減産を決定したにもかかわらず,1月もの原油が更に下がって,バレル33ドル台,と特に報じている。2008年7月,バレル147ドルを付けた当時,米国大統領選挙は盛り上がっており,オバマ候補の,再生可能エネルギー20%まで開発,の提案に多くの人が好感を持ち,またアジアでも,フィリッピン政府の再生可能エネルギー法案の成立に向かって,勢いがついた。

今,バレル33ドルの現実を前に,世界の人たちの心理にどの様な変化が起こっているだろうか。人類は今までに1兆バレルの原油を消費して,まだ1兆バレル残っている。原油の包蔵から見れば,道半ばである。2030年にはバレル200ドル,という原稿をIEAが書いた当時は,まだ100ドルを超えており,抵抗なく,このIEAの報告書は,世界の人々は受け入れた。それは今でも変わっていないだろう。

昭和48年頃の石油危機の頃を思い浮かべると,石油が高いから水力を開発する,国産エネルギーを開発する,と大きなかけ声で日本ばかりでなく世界も叫んでいた頃,その声に応じて原油の値段は下がってきた。再生可能エネルギーを開発するぞ,国産エネルギーに切り替えるぞ,と言う声が,実際には何もやらなくても,原油の価格を抑えることに繋がってきた,と言うと反論もあるだろうか。

地球温暖化,気候変動への人類最後の戦い,と私が位置づけるインド北辺の水力,今日は不思議な記事を二つ取り上げた。一つは中国で書かれたネパールの水力開発の記事であり,もう一つは,インド西北,ヒマチャルプラデシュ州の記事である。いずれも分かりにくい記事で,それがどうした,という解説はない。しかし私は,この二つの記事に,不思議な,微妙な変化を感じ取る。

ネパールのマオイスト政権が発足して,やっと平和が訪れ,インド企業が大挙してネパールの押し寄せ,次から次へと水力プロジェクトを決めって行っている。難しかったネパールが,やっとエネルギーのインドの裏庭になりつつある,と皆考えている。そこに,中国がその根幹を抑えるような企業を押し込んできた。西安の西北観測設計研究院が,ネパール水力の財務支援の重要なパートナーになるという。

もう一つのヒマチャルプラデシュ州。先日から,中小規模の水力にこだわり,ADBも流れ込み式水力に限って,と条件を付けて8億ドルの支援を約束したり,何か動きがおかしいなあ,と思っていたら,今日は,多くの中小規模の水力のBOOT入札に於いて,インドを代表する大規模企業を落として,中小規模の企業を重視,12地点,約1,400,MWの契約に踏み切った。

最初の記事は,中国で書かれているから,何かネパールの水力開発の中に,戦略的に手を突っ込んでいこうとする中国の意図が感じられる。また記事中の,ブラマプトラ-メコン基金(注3)と称するものは,この記事以外に存在しない。中国内にその様なものがある可能性がある。また,
ヒマチャルプラデッシュ州(注8)政府の中に,それは州のための開発,環境を守りたいという感情,これがそうさせている可能性を感じる。

(注) (1) Nepali Clean Energy Development Bank,(2) Northwest Hydro Consulting Engineers,(3) Brahmaputra-Mekong Fund,(4) FMO --
an international development bank
,(5) Tridos Bank,(6) Hydro Fund,(7) http://www.nwh.cn/(gcwwvuuffwb25j45gbl12mvb)/index.aspx,(8)
(注) (8) Himachal Pradesh,(9) Shimla,(10) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024D.htm,(11) Asian Development Bank,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081124C.htm,(13) Himachal Pradesh Chief Minister Prem Kumar Dhumal,(14) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081124C.htm,(15) Tata Power,(16) Larsen and Toubro,(17) Essar Power,(18) Bhilwara Group,(19) GMR Infrastructure,(20) Moserbaer,(21) DCM Sriram Infrastructure,(22) Jindal Steel and Power,(23) Reoli Dugli,(24) Seli,(25) Teling,(25) Miyar,(26) Sach Khas,(27) Lara,(28) Kuling Lara,(29) Mane Nadang,(30) Khoksar,(31) Tinget,(32) Patel Engineering,(33) Chamba district,(34) Dugar project,(35) ANS Construction,(36) Kilhi Bahl project,(37) build-own-operate-and-transfer,(38)

本文

●ネパールの銀行,中国企業と戦略的連携へ

この記事は中国紙のものである。ネパールの水力開発はなかなか複雑になってきた。ネパールのプラチャンダ首相が,10年間で,10,000MWを開発する,と宣言して,大いにインドとの連携を深める情勢にあるが,ここに来て中国の攻勢が強くなってきた。ネパールとしては両国との協力が必要,と言うことだが,インドとしては電力の買い手であり,政治的に安定した,自分の裏にはであって欲しいと思うだろう。

ネパールクリーンエネルギー開発銀行CEDB(注1)は,世界的に主導するコンサルタントの一つ,中国企業の北西水力コンサルタントNWH(注2)と,戦略的パートナーシップの合意書に署名した。これは,いろいろなレベルの水力地点の調査を行い,ネパールの中規模及び大規模な水力の技術的財務的な分析を行うことを,目的としている。これは,CEDB(注1)内のスタッフとNWH(注2)のノウハウを,一体化して行う。

合意書によれば,中国人専門家を効果的に活用するために,NWH(注2)がカトマンズに,熟練したスタッフが常駐するオフィスを設立する。更に,CEDB(注1),いろいろな段階にある水力開発のライセンスを有する投資企業に,資本金と負債部分を提供する準備に入っている,ことが書かれている。この署名の前にCEDB(注1)は,ブラマプトラ-メコン基金(注3)と,エネルギーセクターに,1億ドルまでの投資計画に署名している。

同じように,オランダの国際開発銀行FMO(注4)とトリドス銀行(注5)とも契約を行っている。また,CEDB(注1)は最近,かってなかった規模の,準備段階の水力支援のための水力基金(注6)を,250〜300百万ルピー,約3.3〜4百万ドル相当,の規模で設定準備に入っている。トリドス銀行(注5)は英国籍のようだ。

この記事は何とも不思議な記事である。中国で書かれているから,何かネパールの水力開発の中に,戦略的に手を突っ込んでいこうとする中国の意図が感じられる。NWH(注2)とは,西安にある中国水電顧問集団西北観測設計研究院(注7)のことである。また,ブラマプトラ-メコン基金(注3)と称するものは,この記事以外に存在しない。中国内にその様なものがある可能性がある。

(注) (1) Nepali Clean Energy Development Bank,(2) Northwest Hydro Consulting Engineers,(3) Brahmaputra-Mekong Fund,(4) FMO --
an international development bank
,(5) Tridos Bank,(6) Hydro Fund,(7) http://www.nwh.cn/(gcwwvuuffwb25j45gbl12mvb)/index.aspx,(8)

●インド,ヒマッチャルプラデッシュ,水力開発で,小規模会社重視

ヒマチャルプラデッシュ州(注8),シムラ(注9)を州都に持つ山岳地帯で,ニューデリーの北にあり,水力発電の宝庫である。そのヒマチャルプラデッシュ州(注8)に何か動きがある,という予感がしていた。2008年1024日付本HP(注10)では,ADB(注11)が,流れ込み式水力(注14)にこだわって8億ドル供与,2008年11月24日付け本HP(注14)では,ドウマル州政府首相(注13)は,水力開発にのめり込む決意,などなど。

インドの名だたる大企業,タタ電力(注15),L&T(注16),エッサール電力(注17),ビルワラ(注18),GMR(注19)などが,ヒマチャルプラデッシュ州(注8)の水力プロジェクトの入札で,比較的小さい企業に敗れ去った,と,この金曜日,州高官が言っている。この山岳州の水力の国際入札で割り当てられたのは,モサバエール(注20)やDCM(注21)である。ジンダール鉄鋼電力(注22)は,3つの水力プロジェクトを獲得した。

CDなどの光学メディアを扱うモサバエール(注20)は,最も多い5つのプロジェクトを割り当てられ,その総出力は,1,148MWに達する。内訳は,420MW,ロエリドウグリ(注23),320MW,セリ(注24),69MW,テリン(注24),90MW,ミヤール(注25),149MW,サッシュカス(注26)。ジンダール鉄鋼電力(注22)は,40MW,ララ(注27),40MW,クリンララ(注28),70MW,マンナダン(注29)。

DCM(注21)は,90MW,コークサール(注30),81MW,ティンゲット(注31)。また,パテルエンジニアリング(32)は,チャンバ地区(33)の,236MW,ドウガール水力(注34)を獲得,ANS建設(注35)は,カングラ地区(注36)の,7.5MW,キヒバール水力(注36)を獲得。なおいずれもプロジェクトはBOOT方式(注37)である。

記事は何の論評も加えていない。しかし,今日の記事を含めて3つの記事から感じ取れるのは,ヒマチャルプラデッシュ州(注8)政府の中に,或いはドウマル州政府首相(注13)自身に,ヒマチャルプラデッシュ州(注8)の大規模水力を大規模企業によって開発し,安定的に需要地に電気を遅らせようとする中央政府への抵抗が感じさせられる。それは州のための開発,環境を守りたいという感情,これらがさせた技ではなかろうか。

(注) (8) Himachal Pradesh,(9) Shimla,(10) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024D.htm,(11) Asian Development Bank,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081124C.htm,(13) Himachal Pradesh Chief Minister Prem Kumar Dhumal,(14) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081124C.htm,(15) Tata Power,(16) Larsen and Toubro,(17) Essar Power,(18) Bhilwara Group,(19) GMR Infrastructure,(20) Moserbaer,(21) DCM Sriram Infrastructure,(22) Jindal Steel and Power,(23) Reoli Dugli,(24) Seli,(25) Teling,(25) Miyar,(26) Sach Khas,(27) Lara,(28) Kuling Lara,(29) Mane Nadang,(30) Khoksar,(31) Tinget,(32) Patel Engineering,(33) Chamba district,(34) Dugar project,(35) ANS Construction,(36) Kilhi Bahl project,(37) build-own-operate-and-transfer,(38)

参考資料

ネパール

●081219A Nepal, yourprojectnews
ネパール首相,70MW,ミッドマルシャンディ水力完成式
PM inaugurates much-awaited 70MW Mid-Marsyangdi hydel project
http://www.yourprojectnews.com/pm+inaugurates+much-awaited+70mw+mid-marsyangdi+hydel+project_18956.html
●081219B Nepal, xinhuanet
ネパールの銀行,中国企業と戦略的連携へ
Nepali bank signs strategic partnership agreement with Chinese firm
http://news.xinhuanet.com/english/2008-12/19/content_10527738.htm

インド

●081219C India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデッシュ,水力開発で,小規模会社重視
Himachal allots hydro projects to smaller players
http://www.sindhtoday.net/south-asia/44507.htm



008年12月18日分 ー フィリッピンの再生可能で産業界が沸き立つ ー

今日は関西は素晴らしい好天,山々はもう冬の景色であるが,今日の泉南の測量作業は,天気だけは素晴らしかった。週末なのに,更新が遅れて申し訳ない。作業中に携帯電話を覗くと,原油価格,1月ものがバレル36ドル,とか書いてあって,これは大変だなあと思った。36ドルというのは,昭和48年頃の石油危機の後の値に近いのではないか。

原油価格が下がると,ガソリンや飛行機のサーチャージが安くなってよくなるが,一方で影響が現れてくるのは,中東の景気だろう。日本のジェネコンなど多くの企業が,アジアを捨てて中東に走っていたから,かなり影響を受けるのではないか。それと,代替エネルギー開発の気運に水を差す可能性がある。オバマ次期政権の再生可能エネルギー20%も,フィリッピンの再生可能エネルギー法も,原油高騰が後押しをしていた。

ところで今日は,昨日のフィリッピンの再生可能エネルギー法の成立を受けて,関連サイトが大いに賑わっていた。しかし現実に,何を開発するのか,と言えばとりあえず地熱しかないのではなかろうか。高い電気料金にフィリッピン国民は悩まされてきたし,大量に,太陽光や風力を開発することは困難だろう。アジア一の電気料金を,ますます上げることに繋がる。

今回のフィリッピンの再生可能エネルギー法に関する記事を読むと,再生可能エネルギーよりは,どちらかというと国産エネルギーに重点が置かれているように読みとれる。フィリッピンはどうして国産エネルギーにこだわるのであろうか。日本も,台湾も,スリランカも,カンボジアも,資源のない国は,国産資源,と言う言葉は余り使わない。寧ろ,海外石炭の活用によって,電気料金の引き下げを狙っている。

フィリッピンが,電力自由化に向けて改革を行ったとき,またバイオココナッツの自動車ガソリンへの混入を義務化したとき,他のアジア諸国は,本当に大丈夫か,とその行く末を模様眺めしている。フィリッピンは本当にくそ真面目な面があるのだろうか。2008年半ば,原油が高騰したとき,国産エネルギーの必要を痛感したのか。そうであれば,今日の原油バレル36ドル,を彼等はどう見ているのであろうか。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081217A.htm,(2) renewable energy projects,(3) Ernie Pantangco, Philippine Independent Power Producers Association president,(4) Renewable Energy bill,(5) indigenous renewable energy resources,(6) Lopez-controlled Energy Development Corp,(7) Mario Marasigan, Department of Energy utilization and management bureau director,(8) Vincent Perez, a former Energy secretary,(9)

本文

●フィリッピンの関連産業界,再生可能エネルギー法で,盛り上がる

2008年12月17日付け本HP(注1)では,アロヨ大統領が再生可能エネルギー法案に署名し,マラカニアンは盛り上がっていた。今日は,産業界を中心に,今後の投資への期待の声が,紙上を飛び回っている。産業界の関連企業は,再生可能エネルギープロジェクト’注2)への投資の波の中でどっぷりつかることに,大きな期待感を持っている。

フィリッピンIPP協会のパンタングコ総裁(注3)は,「この再生可能エネルギー法(注4)の成立は,我々産業界だけでなく,フィリッピンにとっても,開発への歓迎を意味するものだ。それは,エネルギー自給と言う正しい方向への政府による推進の第一歩であり,同時に,国産再生可能エネルギー資源(注5)の開発を促進することに繋がるものである。」,と歓迎している。特に,太陽光,風力,地熱の開発に期待を示している。

現時点に於いて,フィリッピンは,地熱開発で世界をリードしており,米国に次いで世界第2位の位置にある。それは,1,200MWの設備を持つロペス財閥下のEDC(注6)が地熱開発の主導権を握っている。他の再生可能エネルギー資源は,大きな投資を必要とするので,まだ開発中,という段階である。エネルギー省のマラシガン局長(注7)は,多くの関連企業が,再生可能エネルギー法(注4)の成立を予期,既に動いている,と。


再生可能エネルギー法(注4)案を推進してきた前エネルギー長官のペレス氏(注8)は,2010年までにエネルギー自給率を60%に持って行くために,国産再生可能エネルギー資源(注5)の開発が必要である,と言っている。フィリッピンのエネルギー自給率は,2000年当時で45%であったものが,2007年には57%に達している。発電に限定しても,この数字である。

前エネルギー長官のペレス氏(注8)は,今回の再生可能エネルギー法(注4)は,財政的にもまたその他の面でも,非常に大判振る舞いであり,産業の成長と,政府のエネルギー自給率向上に大きく貢献するだろう,と見ている。また,長期的観点からも,持続的なは点を意味するものだ,と。またエネルギーセクターは温暖化ガス排出で非難を受けてきたので,気候変動問題対応への,正しい方向を示していると言える,

更にペレス(注8)は続ける。エネルギー需要は,天然資源や環境へ大きな負荷をかけている。成長を続け,環境問題をコントロールするために,再生可能エネルギー資源の利用を推進することによって,環境をコントロールすることは,我々にとって非常に重要なことだ,と。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081217A.htm,(2) renewable energy projects,(3) Ernie Pantangco, Philippine Independent Power Producers Association president,(4) Renewable Energy bill,(5) indigenous renewable energy resources,(6) Lopez-controlled Energy Development Corp,(7) Mario Marasigan, Department of Energy utilization and management bureau director,(8) Vincent Perez, a former Energy secretary,(9)

参考資料

フィリッピン

●081218A Philippines, istockanalyst
フィリッピンの関連産業界,再生可能エネルギー法で,盛り上がる
Industry Players Upbeat Onrenewable Energy Projects
http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews/articleid/2890158


2008年12月17日分 ー フィリッピンが再生可能400万KW開発へ ー

マラカニアン宮殿,国会議員を初め,エネルギー関係閣僚,環境専門家などを一堂に集めて,カタールから帰国したばかりのアロヨ大統領が,重々しく,再生可能エネルギー法案(注7)に署名し,アジアでは初めてとも言える試みに挑戦することになった。アロヨ大統領は,これらの人々の前で,これでフィリッピンはアジアを先導して国産エネルギー開発に邁進できる,地熱では世界第1位になる,と謳い挙げた。

フィリッピンの再生可能エネルギーについては,2008年10月10日付本HP(注1)にて,フィリッピン国会が,再生可能エネルギー報告を了承,アロヨ大統領の署名待ちとなっている,ことを伝え,2008年11月27日付本HP(注2)では,法案を積極的に進めた一人,アンガラ上院議員(注3)の講演内容を伝え,2008年12月13日付本HP(注4)では,ロペス財閥のファーストジェンFGC(注5)が,地熱へ走る状況を伝えた。

今日は各紙が,アロヨ大統領(注6)が再生可能エネルギー法案(注7)に署名をし正式に発効,そのお祭り騒ぎのような署名式の模様を伝えている。基本は,2010年までに国産エネルギーを60%に引き上げることを謳っている。正式名称は,共和国法律9513(注8),法律名は,再生可能エネルギー資源開発利用商業化推進法(注9)で,太陽光,風力,地熱,その他の開発に,租税などの優遇措置を講ずる内容である。

再生可能エネルギー法(注7)の運用は,エネルギー省(注13)が当たり,国家再生可能エネルギー委員会(注14)がこれを支える。現在見込まれている再生可能エネルギーの新規開発量は,4,000MWと見込まれている。エネルギー省のレイエス長官(注14)は,再生可能エネルギー開発が,次の5年間で,最大規模の産業の一つに発展するだろう,と見ている。

ここで重要な問題は,再生可能エネルギー,特に風力などは,高価で出力が断続的,と言う問題があり,世界中で政策担当者の議論が続いているところだ。短期的には,従来の燃料に比べて,再生可能エネルギーが高価であると言うことで,需要家は,クリーンか安価か,と言う選択に立たされることになる。しかしレイエス長官(注14)は,国民への多大な便益,持続的で独立で経済安保で気候変動対応への国民の統合,など強調した。

開発目標の4,000MWのうち,1,200MWが地熱発電で開発されると考えられている。これで米国を押しのけて,地熱では世界第1位になるはずだ。エネルギー省(注13)の見方は,投資企業は既に準備態勢にある,今までは政策不在で,その進捗は遅かったが,変わると考えている。いろいろな見方があるが,まず地熱開発を念頭に置いた立法だ,と考えればよいか。後の2,800MWはどうするのだろう。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010C.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081213A.htm,(5) Lopez-controlled First Gen Corporation,(6) President Arroyo,(7) Renewable Energy Act of 2008,(8) Republic Act 9513,(9) Act Promoting the Development, Utilization and Commercialization of Renewable Energy Resources,(10) Biofuels Act,(11) Renewable Portfolio Standard,(12) feed-in-tariff mechanism,(13) Department of Energy,(14) National Renewable Energy Board,(14) Energy Secretary Angelo Reyes,(15)

本文

●フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名

フィリッピンのエネルギーへの攻勢が激しい。電気料金が高い,と言う批判の中で,こうすれば安くなるからと,電力改革を進めてきているが,今度は,アジアに先駆けて,再生可能エネルギー法案の成立に全力を挙げた。それは寧ろ,国産エネルギーへの依存度を高める,という趣旨であり,資源の少ない国で,電気料金が本来高かった,と言うこと,地熱資源から,思い切った法案の成立になったのだろう。

フィリッピンの再生可能エネルギーについては,2008年10月10日付本HP(注1)にて,フィリッピン国会が,再生可能エネルギー報告を了承,アロヨ大統領の署名待ちとなっている,ことを伝え,2008年11月27日付本HP(注2)では,法案を積極的に進めた一人,アンガラ上院議員(注3)の講演内容を伝え,2008年12月13日付本HP(注4)では,ロペス財閥のファーストジェンFGC(注5)が,地熱へ走る状況を伝えた。

今日は各紙が,アロヨ大統領(注6)が再生可能エネルギー法案(注7)に署名をし正式に発効,そのお祭り騒ぎのような署名式の模様を伝えている。基本は,2010年までに国産エネルギーを60%に引き上げることを謳っている。正式名称は,共和国法律9513(注8),法律名は,再生可能エネルギー資源開発利用商業化推進法(注9)で,太陽光,風力,地熱,その他の開発に,租税などの優遇措置を講ずる内容である。

アロヨ大統領(注6)は,再生可能エネルギー法案(注7)への署名に当たって,大勢の国会議員やエネルギー関係官僚,環境専門家などを前に,これがフィリッピン共和国の偉大な里程標であるエネルギー独立への大きな希望への一歩だ,とたかだかに謳い挙げた。また,再生可能エネルギー法案(注7)は,2008年1月に発効した,バイオ燃料法(注10)と共に,再生可能エネルギーの枠組みを造るものだ,と説明した。

アロヨ大統領(注6)は続ける,アロヨ政権が発足する前のエネルギー自給率は45%であったが,今日では57%であり,2010年には60%を達成する,と。特に,地熱エネルギー利用については,世界第2位にあり,ポテンシャルでは世界で第1位であること,また太陽光エネルギーでは高い可能性を有し,水力資源とバイオ資源に恵まれていること,を強調した。カタールから帰国したばかりの大統領は,中東資金に期待を寄せている。

エネルギー自給率向上を前面に押し出しているが,気候変動対策の面からも,再生可能エネルギー法案(注7)のタイミングがよいことも強調されている。また,再生可能勘定基準(注11)の概念が含まれて,再生可能エネルギー供給比率の義務化があり,12年間の料金固定の制度,料金供給メカニズム(注12)も盛り込まれている。再生可能エネルギー関連機材の政策や輸入にも,税の優遇がなされる。

再生可能エネルギー法(注7)の運用は,エネルギー省(注13)が当たり,国家再生可能エネルギー委員会(注14)がこれを支える。現在見込まれている再生可能エネルギーの新規開発量は,4,000MWと見込まれている。エネルギー省のレイエス長官(注14)は,再生可能エネルギー開発が,次の5年間で,最大規模の産業の一つに発展するだろう,と見ている。

ここで重要な問題は,再生可能エネルギー,特に風力などは,高価で出力が断続的,と言う問題があり,世界中で政策担当者の議論が続いているところだ。短期的には,従来の燃料に比べて,再生可能エネルギーが高価であると言うことで,需要家は,クリーンか安価か,と言う選択にタタされることになる。しかしレイエス長官(注14)は,国民への多大な便益,持続的で独立で経済安保で気候変動対応への国民の統合,など強調した。

開発目標の4,000MWのうち,1,200MWが地熱発電で開発されると考えられている。これで米国を押しのけて,地熱では世界第1位になるはずだ。エネルギー省(注13)の見方は,投資企業は既に準備態勢にある,今までは政策不在で,その進捗は遅かったが,変わると考えている。いろいろな見方があるが,まず地熱開発を念頭に置いた立法だ,と考えればよいか。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010C.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081213A.htm,(5) Lopez-controlled First Gen Corporation,(6) President Arroyo,(7) Renewable Energy Act of 2008,(8) Republic Act 9513,(9) Act Promoting the Development, Utilization and Commercialization of Renewable Energy Resources,(10) Biofuels Act,(11) Renewable Portfolio Standard,(12) feed-in-tariff mechanism,(13) Department of Energy,(14) National Renewable Energy Board,(14) Energy Secretary Angelo Reyes,(15)

●フィリッピン,アムラン水力売却,国内企業へ

フィリッピン電力公社NPC(注15)の発電資産70%を売却して,電力自由化を促進させるという,フィリッピンの電力セクター改革の目玉,PSALM(注16)による2008年最後の入札の対象が,この,ネグロスオリエンタル(注17)の,0.8MW,アムラン水力発電所(注18)である。PSALM(注16)の発表では,フィリッピン企業ICS再生可能社(注19)が,PSALM(注16)の予定価格を超えた23万ドルを提示,最優先札となった。

アムラン水力発電所(注18)は,ネグロスオリエンタル(注17)最初のベースロード発電所で,アムラン町のシラブ村シティオパサラン(注20)に位置している。ICS再生可能社(注19)は,代替燃料の製造の他,資産のリースや運転維持など,環境関係の機器などを扱っている会社である。PSALM(注16)は,提出された文書を精査の上,決定する。なお70%売却の対象系統は,ルソン(注21)とビサヤ(注22)系統である。

(注) (15) National Power Corporation,(16) Power Sector Assets and Liabilities Management Corp,(17) Negros Oriental,(18) Amlan Hydroelectric Power Plant,(19) ICS Renewables,(20) Sitio Pasalan, Brgy. Silab in Amlan town,(21) Luzon grid,(22) Visayas grid,(23)

インド

●インド,LNGから転換へ,ナフタがより安価と

シンガポール発の記事である。インドのバイヤーが,LNG(注23)のアジアのスポット市場から,原油価格に連動して急落したナフタ(注24)に切り替えている。インドにとって,LNG(注23)は大変難しい燃料である。インドのガス価格は来年高騰の兆しであり,LNG基地は,より長期の契約を望んで,スポット市場から退却している。

インドの急激な発電需要の伸びを反映して,アジアのLNG(注23)価格は急騰し,今年初めには百万Btu当たり(注25)20ドルを超えた。2006〜2007年で36%の伸びを見せたインドのLNG購買は,台湾を抜いたが,コンサルタント(注26)によれば,今年の輸入は落ち気味であった。多のコンサルタント(注27)によれば,ナフタ(注24)の価格急落は突然で劇的であった,これがインドをLNG(注23)から転換させた原因だと。

ナフタ(注24)の価格は,2008年7月の値から4分の3も落ちた。原油とLNG(注23)価格の連動は直接的でなく時間遅れも伴う。インドの発電所は特殊で,燃料をLNG(注23)とナフタ(注24),どちらにでも切り替えられるようになっている。ナフタ(注24)の価格,トン300ドルは,百万Btu当たり(注25)5.80ドルに匹敵し,現在のアジアのナフタ(注24)価格は,前の百万Btu当たり(注25)9.50〜10.50ドルの半分である。

インド第2のLNG基地ハジラ(注28)から月1船のLNGを買っていたインド人バイヤーは,ナフタ(注24)が安いので今はLNG(注23)を買わない,と言っている。ペトロネット(注29)のダヘジ基地(注30)もLNG(注23)購入は43%落ちている。ダヘジ基地(注30)は長期契約が主体だが,昨年からスポットでも買っている。シェル(注31)とトータル(注32)が,ハジラ(注28)を運営しているが,ナフタ(注24)に矛先が向いている。

LNG基地ハジラ(注28)のLNGタンクは満杯だが,誰も買い手がない。2008年初めに百万Btu当たり20ドルで買ったものである。果たして,この価格の衝撃的な変動は,どの様に動いていくのだろうか。今日の報道では,OPECが歴史上初めての日量200万トンの減産に踏み切り,会議に一緒に出ていたロシアも同調して,30万トン規模の減産に踏み切るという。

(注) (23) liquefied natural gas,(24) naphtha,(25) million British thermal units (mmBtu),(26) Waterborne consultants,(27) Cecile Jovene, head of the gas team at consultants Facts Global Energy,(28) Hazira,(29) Petronet,(30) LNG Dahej terminal,(31) Royal Dutch Shell,(32) Total,(33)

参考資料

フィリッピン

●081217A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名
President signs law promoting renewable energy
http://www.mb.com.ph/articles/194288/president-signs-law-promoting-renewable-energy
●081217B Philippines, visayandailystar
フィリッピン,アムラン水力売却,国内企業へ
Amlan hydro to be sold to RP company: PSALM
http://www.visayandailystar.com/2008/December/17/businessnews2.htm

インド

●081217C India, Economic Times
インド,LNGから転換へ,ナフタがより安価と
India curbs LNG buying as naphtha cheap option
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/India_curbs_LNG_buying_as_naphtha_cheap_option/articleshow/3846277.cms



2008年12月16日分 ー 米国の知的送電網開発の気運 ー

ブッシュ大統領への靴投げゲームがネットに登場,一方で,「オバマ次期政権の環境政策の転換鮮明」,の文字がネット上に踊る。「問題の根は海外の石油への依存にある」,「石油に代わる新エネルギーの開発を通じて雇用創出と安全保障に注力」,「地球温暖化問題に正面から取り組む」,などなど,少し上滑りの感のある言葉が続く。これに乗っかったいろいろな意見が飛び交う中,再び,知的送電網,が出てきた。

この記事は,オバマ政権発足に向けて,再生可能エネルギー開発への期待を込めながら,スマートメーターズ(注1)が書いた記事だが,メディアは一斉にオバマ政権の新しい方向に眼を向けている。私は,果たして皆が期待している方向に行くかどうか,疑問を持ちながら見守っているが,この中に出てくる知的送電網(注2)については,2008年10月5日付本HP(注3)にもあるとおり,注目はしている。

今日の記事。ルーズベルト大統領のニューディール政策(注4)で数多くの水力発電ダムが開発されたときのように,このたびの金融危機が米国の
知的送電網(注2)の建設を早める可能性がある,と。75年前に,7,000人の労働者が,グランドクーリー(注5)やボンネビルのダム建設工事現場で働き,米国西北部地区の電化のために,送電線建設に邁進したことを想起する,と。

そのダムは未だ健在で電気を送り続けている。75年後の今日,再び金融危機に襲われて,公共工事が議論の対象になっている。かって水力を対象としたように,今度は,北西部から風力発電による電気を送ることだ。この事業では,5万人の雇用が生まれると言われている。地域の政治家は,ボンネビル電力公社BPA(注7)の送電網の拡張への資金供給を視野に入れている。

読み進むと,再生可能エネルギー擁護の人々,特に,風力発電と太陽光にこだわっている人々は,その多様で,断続的で,高価な,質の悪い電気を,どの様に効率的に集約して需要地に送るか,このことに悩んでいるようだ。数百万KWとか言う話なので,その辺の村の片隅で,貧困に悩む人々に国家が供給,などという代物では,オバマ政権の目指す,「石油に代わる新エネルギーの開発」,にはほど遠いわけだ。

記事は言う。全国的に米国は,遠隔地にある再生可能エネルギー資源の開発を望んでいるが,問題は,そのクリーン電力を如何にして都市に運ぶかの問題である。BPA(注7)は,北西部の3分の一に電力を供給している大恐慌時代以来の非営利団体である。BPA(注7)は,コロンビア川水系(注11)の政府所有の31のダムから電力を得て,15,000マイルの送電線で,電力を供給している。

また更に続ける。問題は,全国の送電網が旧式で,風力や太陽光のように,多様で断続的な再生可能エネルギーによる電力を送れないことである。あるコンサルタントの試算では,送電網改造のために,9,000億ドルが必要,と言っている。再生可能エネルギーの擁護者である北西部エネルギー連合のサラ女史(注13)は,送電網が更に必要でそれも知的送電網,即ち,より効果的に需要と適合させた自動化された送電網,が必要,と。

要するに,送電網が旧式で,風力や太陽光などの再生可能エネルギーが集められない,送れない,と送電線に責任があると言わんばかりの発言だ。確かに,送電線の高度化,知能化は面白いテーマーだが,具体的な構想は何処にもない。ただ一点で数百万KWを発電できる原子力で,インドは更に進展を見せている。オバマ政権は,バイオとトルネードによる被害が考えられる風Ryくはつ田には,見切りを付ける様子である。

(注) (1) http://www.smartmeters.com/,(2) smart grid,(3) http://my.reset.jp/adachihayao/index081005.htm,(4) President Roosevelt’s New Deal,(5) Grand Coulee Dam,(6) Bonneville Dam,(7) Bonneville Power Administration,(8) Obama administration,(9) Washington Representative Jay Inslee,(10) House of Representatives,(11) Columbia River,(12) U.S. Department of Energy,(13) Sara Patton, executive director of the Northwest Energy Coalition,(14) 知的送電網,(15)

本文

●世界の金融危機,知的送電網開発へ拍車

この記事は,オバマ政権発足に向けて,再生可能エネルギー開発への期待を込めながら,スマートメーターズ(注1)が書いた記事だが,メディアは一斉にオバマ政権の新しい方向に眼を向けている。私は,果たして皆が期待している方向に行くかどうか,疑問を持ちながら見守っているが,この中に出てくる知的送電網(注2)については,2008年10月5日付本HP(注3)にもあるとおり,注目はしている。

今日の記事。ルーズベルト大統領のニューディール政策(注4)で数多くの水力発電ダムが開発されたときのように,このたびの金融危機が米国の
知的送電網(注2)の建設を早める可能性がある。75年前に,7,000人の労働者が,グランドクーリー(注5)やボンネビルのダム建設工事現場で働き,米国西北部地区の電化のために,送電線建設に邁進したことを想起する。

そのダムは未だ健在で電気を送り続けている。75年後の今日,再び金融危機に襲われて,公共工事が議論の対象になっている。かって水力を対象としたように,今度は,北西部から風力発電による電気を送ることだ。この事業では,5万人の雇用が生まれると言われている。地域の政治家は,ボンネビル電力公社BPA(注7)の送電網の拡張への資金供給を視野に入れている。

オバマ政権(注8)はグリーン技術を標榜しており,まさにときは来たれり,だ。米国北西部こそが,全国20万マイルに及ぶ送電線の,21世紀の知的送電網への転換の呼び水となるのだ。ワシントン州選出インスリー議員(注9)は,この問題こそ21世紀のテーマーだ,と主張している。インスリー議員(注9)は今や,米国議会下院(注10)に於けるグリーンエネルギーのリーダーである。

全国的に米国は,遠隔地にある再生可能エネルギー資源の開発を望んでいるが,問題は,そのクリーン電力を如何にして都市に運ぶかの問題である。BPA(注7)は,北西部の3分の一に電力を供給している大恐慌時代以来の非営利団体である。BPA(注7)は,コロンビア川水系(注11)の政府所有の31のダムから電力を得て,15,000マイルの送電線で,電力を供給している。

この地域の風力発電資源は巨大で,北西部の風力出力は2,000MWに達しており,この先5年間で,4,700MWに達する勢いである。現在,この風力電気を送るに十分な送電線がない。BPA(注7)は,15億ドルをかけて,600マイルの送電線を建設する計画である。エネルギー省(注12)は,2030年までに風力によって20%を賄う計画で,600億ドルの基盤整備の費用を必要としている。

問題は,全国の送電網が旧式で,風力や太陽光のように,多様で断続的な再生可能エネルギーによる電力を送れないことである。あるコンサルタントの試算では,送電網改造のために,9,000億ドルが必要,と言っている。再生可能エネルギーの擁護者である北西部エネルギー連合のサラ女史(注13)は,送電網が更に必要でそれも知的送電網,即ち,より効果的に需要に適合させるための自動化された送電網,が必要,と言っている。

とき折しも金融危機に見舞われて,このような投資を難しくしているが,今こそ,再生可能エネルギーに熱心な国会議員は,政府による刺激策を,この送電線などに注入するよう,働きかけるべきだろう。インスリー議員(注9)は,この危機を新しい機会に変えるマジックを出すべきときだ,と言っている。BPA(注7)は,ダム改良,送電線高度化,その他のプロジェクトで,70億ドルを要求している。

この記事を読んでみて,地方に散らばって発電も断続的な風力や太陽光の電力を,どの様に集中化して,都市部の主要な電源に押し上げて意向とするのか,非常に疑問が残るし,その当たりはうまく説明できる人はいない。知的送電網がすべてを解決してくれる,と信じている人もいるようだ。それでも,具体的にどの様な知的な機能を持たせるべきなのか,まだ誰も分かっていないのだろう。

(注) (1) http://www.smartmeters.com/,(2) smart grid,(3) http://my.reset.jp/adachihayao/index081005.htm,(4) President Roosevelt’s New Deal,(5) Grand Coulee Dam,(6) Bonneville Dam,(7) Bonneville Power Administration,(8) Obama administration,(9) Washington Representative Jay Inslee,(10) House of Representatives,(11) Columbia River,(12) U.S. Department of Energy,(13) Sara Patton, executive director of the Northwest Energy Coalition,(14) 知的送電網,(15)

●フィリッピン,台湾企業が15億ドル,石炭火力へ投資

フィリッピンの電気料金が高いのは,システムが悪いのではなくて,資源がない国で基本的な供給力として,輸入してでも石炭火力を造らないからだ,と,私は言ってきている。再生可能エネルギーだけではでは,料金は下がらない。今日は,台湾企業が,フィリッピンの石炭火力に投資する,とのタイトルを見て大いに期待したが,果たして我々が考えるような構想なのか,まだ未知数だ。

台湾の大規模複合企業,フォルモッサ(注15)は,金融危機をものともせず,フィリッピンの電力セクターへの投資を倍増して,二つの石炭火力に15億ドルの投資を行う計画である。MECO(注16)のディタ部長(注17)が明らかにしたところによると,フォルモッサ(注15)は,既設のセブ(注18)とイロイロ(注19)の二つの発電所の上積みで,来年,2009年,7億ドルで二つの発電所を造ることを,明らかにした。

MECO(注16)は,金融危機の中で台湾が投資を増やしていることを評価しており,フォルモッサ(注15)が現在発電所現場で12,000人を働かしていること,更に新しい計画で8,000人を雇用することを期待している。フォルモッサ(注15)は現在,メトロ銀行グループ(注20)と合弁で,セブ(注18)のトレド(注21)の石炭火力,更にイロイロ(注19)のラパス(注22)の石炭火力,二つで,450MWを建設中である。

フォルモッサ(注15)は,アジアで石炭火力,14,000MWを所有運転している大企業で,台湾,中国,ベトナムなどで活躍している。また世界的な石油化学企業でもある。また,台湾複合火力公社(注23)は,4億ドルで300MWの石炭火力を,スービック(注24)のレドンド半島(注25)で建設中である。MECO(注16)はは,台湾企業が,フィリッピンを投資の重要な対象としていることに,評価している。

(注) (15) Formosa Heavy Industries Corporation,(16) Manila Economic and Cultural Office,(17) Dita Angara-Mathay, director of commercial affairs of the Manila Economic and Cultural Office,(18) Cebu,(19) Iloilo,(20) Metrobank Group of Companies,(21) Toledo,(22) Lapaz,(23) Taiwan Cogeneration Corporation,(24) Subic Bay Freeport,(25) Redondo Peninsula,(26)

●インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン

インドの原子力開発に於ける海外からの具体的な支援が出始めた。世界最大規模,フランスの原子力企業アレバ(注26)とインド原子力開発公社NPCIL(注27)は,年間300トンのウラニューム(注28)供給で,協定に署名した。これは,今年,2008年,米印原子力協定が発効してから初めての原子力燃料供給協定である。この量は,1,500MWを運転するに必要な量で,インドの原子力設備の35%分に当たる。

ラメシュ副大臣(注29)は,この燃料供給によって,2009年6月より,NPCIL(注27)の全原子力設備がフル運転に入る,としている。現在の稼働率は45%である。NPCIL(注27)は,現在,6カ所で17機の原子炉を稼働させており,その合計出力は,4,120MWである。インドのウラニューム(注28)の埋蔵量は,10,000MWを稼働するのに十分と見られている。しかし,質の問題や開発困難で,それほど期待されていない。

今回のアレバ(注26)との協定で,インドの原子力供給グループNSG(注30)からの疎外から免れることになる。現在は,国内産を主体にロシアからの供給で発電を続けていた。アレバ(注26)は燃料の他,1700MWの原子炉売り込みに関心を持っており,そうなるとこれは,インド最大規模のユニットとなる。ロシアは,コダンクラム(注31)原子力発電所,4,000MWのうち,1,000MWを供給,2009年9月完成予定である。

この他,原子力局DAE(注32)は,NSG(注30)以外からの燃料供給で,ナンビア(注33),ニジェール(注34)とも交渉中である。ナイジェリアは世界のウランの10%を包蔵している。ウランの不足で,ラジャスタン原子力発電所(注35)の220MW機の運転開始が遅れている。また,第11次五カ年計画(注36)では,3,880MWに抑えているが,第12次五カ年計画(注37)では,新規10,000MWの開発を計画している。

(注) (26) Areva,(27) Nuclear Power Corporation of India,(28) uranium,(29) Minister of state for power and commerce Jairam Ramesh,(30) Nuclear Suppliers’ Group,(31) Koodankulam,(32) department of atomic energy,(33) Namibia,(34) Niger,(35) Rajasthan Atomic Power Station,(36) 11th Plan (2007-12).,(37) 12th five-year Plan,(38)

●中国,寧夏回族自治区,500億元,大規模エネルギー基地

中国,寧夏回族自治区(注1)で,500億元,アジア最大の石炭化学エネルギー基地の建設が始まった。これは中国政府の西部開発の一環で,広さ3500平方kmのニンドン・エネルギー化学基地(注39)と呼ばれているもので,2020年までの投資額は,3,000億元に達する。工事を主導するのは,中国国家電網(注40)と華能国際電力(注41)で,3つの発電所,送電線,石炭化学プラントが含まれる。

中国国家電網(注40)は,104億元をかけて,66万ボルト送電線を,寧夏の石炭火力及び水力発電所と,山東省の青島(注42)を結ぶ。2010年の完成予定で,これが出来ると,汚れた石炭を西部から山東省に運ぶ必要はなくなる。華能国際電力(注41)は,164億元をかけて,三つの石炭火力を造るが,その出力は,4,400MWである。

国家エネルギー監理委員会(注43)のザングオバオ首席(注44)は,金融危機が石炭価格を抑え電力需要を減らして,中国のエネルギー産業を改造するよい機会だ,と述べている。寧夏回族自治区(注1)の石炭包蔵は300億トンであり,そのうち273億トンは,ニンドン・エネルギー化学基地(注39)の近くにある。2020年までに,発電,16,000MW,石炭年間130百万トン,石炭化学製品2,000万トンを得る計画だ。

(注) (38) Ningxia Hui autonomous region,(39) Ningdong Energy-Chemical Base,(40) State Grid Corp of China,(41) Huadian Power International Corp,(42) Qingdao,(43) National Energy Administration,(44) Zhang Guobao, head of the National Energy Administration,(45)

参考資料

電力一般

●081216A Power, smartmeters
世界の金融危機,知的送電網開発へ拍車
Financial crisis could speed up smart grid development
http://www.smartmeters.com/newsdetail.php?id=353

フィリッピン

●081216B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,台湾企業が15億ドル,石炭火力へ投資
Formosa Heavy plans $ 1.5-B power projects
http://www.mb.com.ph/BSNS20081216143591.html
●081216C Philippines, Manila Bulletin
マニラ配電,大規模ユーザーが,貧困層料金負担
Bigger consumers to shoulder costs of subsidy for Meralco lifeline users
http://www.mb.com.ph/BSNS20081216143596.html

インド

●081216D India, Economic Times
インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン
Areva inks pact with NPCIL to supply 300 tonnes of uranium
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Areva_inks_pact_with_NPCIL_to_supply_300_tonnes_of_uranium/articleshow/3843067.cms

中国

081216E China, chinadaily
中国,寧夏回族自治区,500億元,大規模エネルギー基地
Ningxia to fuel China power needBy Si Tingting
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2008-12/16/content_7308067.htm


2008年12月15日分 ー メコン委員会も気候変動戦争に参戦 ー

先ほどの読売新聞速報は,オバマ次期米大統領が,エネルギー環境分野の4人事を発表した,と報じている。エネルギー長官,ノーベル物理学賞を受賞した中国系の科学者,スティーブン・チュー氏(60)は既に報じられているところだが,新たに,ホワイトハウスに新設するエネルギー気候変動担当調整官にはキャロル・ブラウナー元環境保護局長官(52),環境保護局長官にはニュージャージー州知事補佐官のリサ・ジャクソン氏。

更に,環境問題で大統領顧問役の環境評議会議長にはロサンゼルス副市長のナンシー・サトリー氏を指名。オバマ氏は,COP14が目立った進展なく終わったことに触れて,「米国は交渉のテーブルだけでなく,技術革新を通じて先頭に立つ」,と,再生可能なエネルギーの開発や地球温暖化対策で世界をリードする考えを示した,と報じられている。改めて,地球温暖化抑制に舵を切ることを,明確にしたのか。

2008年11月12日の日経ネット,「飯田哲也のエネルギーフロネシスを求めて」,では,ブッシュ大統領とオバマ氏のエネルギー政策の違いに触れている数少ない記事がある。ブッシュ政権の初頭に,カリフォルニアの料金高騰問題が起こって,このときの仕掛け人が,ブッシュ政権の強力な支持者を構成していたエンロンであったとされ,ブッシュ政権は,電力問題に,今日まで手を拱いているという。

一般に,石油,そうして温暖化への対応をつくろうために,原子力政策に傾いていったブッシュ政権に対して,オバマは全く違った方向で走り出そうとしている。新しい環境重視の政策で,投資の機会を増大して,金融危機を乗り切ろうとするオバマの政策に,誤りはないのか,じっくりと追っかけてゆくことが,世界のエネルギー問題の鍵を握ることになる。

昨夜のテレビで,北海道でニシンがとんでもない豊漁になった,と言う記事で,海水の温度が問題となっていた。あの示されたグラフを見ると,果たして炭酸ガスの影響で地球の温暖化が進んでいるのか,疑問になる傾向で,おそらく数十年の温暖化の周期が回ってきている,という感じがするが,猛烈な勢いで地球温暖化対策に,世界が走り始めた。メコン河委員会も,この戦いに参戦である。

再生可能エネルギーをどのようにして主要電源に押し上げようと言うのか,大いに疑問と関心を持っている。10KWの発電所をどの様に統合して10,000MWにしてゆくのか,そこに知的送電線の問題が出てきて,オバマの陣営でも,知的送電網が一つの重要な要素になっている。これからオバマ陣営のエネルギースタッフの話が出てくるだろう。まだ誰もその具体策には触れていない。

本文

●メコン河委員会,気候変動との戦いに参戦へ

メコン河委員会MRC(注1)については,最近,流域の水力開発について十分の役割を果たしていない,などの批判が相次ぎ,2008年12月4日付本HP(注2)で,MRC(注1)バード事務局長(注3)が,MRC(注1)本来の基本合意書に基づいて,メコン本流開発などの計画が明らかになった段階で,その役割を果たす,と新聞紙上で答えている。内外からMRC(注1)に視線が注がれる中での,START(注4)との提携である。

2008年12月13日,先週,メコン河委員会MRC(注1)は,地球変動に関する分析・研究・研修システムSTART(注4)と,地域の気候変動との戦いで協力関係を樹立することで,覚書MOU(注5)に署名した。MRC(注1)側はバード事務局長(注3),START(注4)側は,スニドボン東南アジア地域局長(注6)である。MOU(注5)は,メコン河委員会MRC(注1)とSTART(注4)が,次の点で協力することになっている。

2つの機関は,気候変動とそれへの適合,メコン河流域の水文調査,知識と情報の共有の3点に関し,調査研究と関連プロジェクトの実施に当たって協力する。これらの項目は,気候変動,緩和対策,と水文のシナリオにおける資料交換,技術書発刊,研究結果の交換,などが含まれる。バード事務局長(注3)は,MRC(注1)のそれらの面での手法や過程を,地域の水資源に導入することで,指導力を発揮する,としている。

更に,MOU(注5)は,国際的な気候変動の議論を,地域のレベルに反映させることを考えている。例えばMRC(注1)は,いろいろな開発のシナリオを描いており,流域で何が進行しているか,水力開発はどの様な工程で進んでいるか,水資源の農業や産業への活用にどの様なオプションがあるか,などを調査研究している,とバード事務局長(注3)は話している。

START(注4)は,国際的な研究ネットワークで,スポンサーは,国際地表生物圏計画IGBP(注7),国際人類環境変動計画IHDP(注8),世界気候研究計画WCRP(注9)で,人間と環境の問題について,多専門分野の連携を促進することを目的としている。また,世界に9つの本部と支局を持ち,今回の部局は,東南アジア研究センター(注10)で,事務所はタイのバンコクにある。

(注) (1) Mekong River Commission,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081204B.htm,(3) Jeremy Bird, Chief Executive Officer of the Mekong River Commission Secretariat,(4) Global Change System for Analysis, Research and Training,(5) Memorandum of Understanding,(6) Dr. Anond Snidvong, Director of the Southeast Asia Regional Centre for START,(7) International Geosphere Biosphere Programme,(8) International Human Dimension Programme on Global Environment Change,(9) World Climate Research Programme,(10) regional research centre for Southeast Asia,(11) START http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/db/info/prg/start.htm,(12)

●インド,電力大臣,2012年までに,全家庭に電気を

インドの農村電化計画である。政府は,現在までに,53,000の村落の電化を完了し,2012年までにはすべての村落を電化する,とシンディ電力大臣(注12)は,日曜日,記者会見で発表した。電力省(注13)は,120,000の村落の電化を,現在の第11次五カ年計画(2007〜2012年)に組み入れている。その計画名は,RGGVY(注14)で,2005年に,全国の村落電化を目的にスタートした。

この地方電化計画RGGVY(注14)では,政府が,配電インフラの90%を補助し,農村の全家庭の100%の電化を補助する。政府は既に,貧困層ラインBPL(注15),この年度計画対象500万世帯のうち,180万世帯の電化を終わっている。インフラに対する補助金総額は,3,300億ルピーである。RGGVY(注14)を担当する部局は,地方電化公社REC(注16)である。

地方電化公社REC(注16)のシャンカール総裁(注17)は,第11次五カ年計画で配分されている補助金予算は2,800億ルピーで,前回の五カ年計画では500億ルピーであった,我々は,この第11次五カ年計画で,12万村落の電化を計画している,と語っている。インドは,まだ相当のみ電化村落が残されており,それも厳しい山岳地帯が多いので,大事業である。

(注) (12) Power Minister Sushilkumar Shinde,(13) Ministry of Power,(14) Rajiv Gandhi Grameen Vidyutikaran Yojana,(15) Below Poverty Line,(16) Rural Electrification Corporation,(17) Chairman and Managing Director REC P Uma Shankar,(18)

参考資料

ラオス

●081215A Mekong, bernama
メコン河委員会,気候変動との戦いに参戦へ
MRC To Cooperate With Start On Combating Climate Change
http://www.bernama.com/bernama/v5/newsworld.php?id=378338

インド

●081215B India, Economic Times
電力大臣,2012年までに,全家庭に電気を
Electricity for all by 2012 Power Minister
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Electricity_for_all_by_2012_Power_Minister/articleshow/3836381.cms



2008年12月14日分 ー インドが省エネ取引市場を計画 ー

ブッシュ大統領がイラクで靴を投げつけられて,「靴のサイズは10だった。」,とジョークに紛らわせようとしたが,しらけた一幕だったという。そのブッシュ大統領が去り,小浜市,と違ったオバマ氏が,来月より大統領職に就く。本屋で雑誌を立ち読みしていると,「石油と原子力のブッシュから,再生可能エネルギーのオバマへ」,と出ていた。実質から理想へ,何処まで変わるのか,よく分からない。

オバマ次期米大統領は,新政権のエネルギー長官にノーベル物理学賞の受賞者で中国系のスティーブン・チュー氏を指名する方向だが,スティーブン・チュー氏は,最先端の代替エネルギー研究を進める米ローレンス・バークレー国立研究所の所長。1997年,レーザー光を使って原子を超低温で捕捉する研究でノーベル物理学賞を受賞した。エネルギー政策では,温暖化ガスの排出規制に積極的な立場だ,と報じられている。

また,オバマ氏は,ゴア前副大統領と会談,「雇用を創出しエネルギー効率を引き上げ,経済を強化し地球も救うにはどうしたらいいか。今がその機会だ。」,と語ったという。日本語でこの辺りの成り行きを探ってみたが,まだ十分な解説がない。再生可能を主体に,と言う理想主義を通すのか。出来れば明日から,オバマ陣営の発言を調べて,「オバマのエネルギー戦略最前線」,のメルマガを出す,どうかご期待を。

原子力や大規模水力を除いた温暖化ガス抑制政策,それに基づく地球温暖化ガス抑制の取引市場,CDMが盛り上がっているが,中国,インドを初めとする途上国グループは,まず先進国が温暖化ガス発生を抑制せよ,と主張して,削減義務には応じない。その時に,インドは,省エネルギー取引市場の創設を計画,1年の準備期間を置いて,2010年より3年間に亘って,取引を行う,と言う。

グリーン電力証書,と言うのは聞いたことがあるが,あれは再生可能エネルギーによって発電した者への一種の表彰状だ。インドは,省エネルギーに対してこの表彰状を出そうという。そうして,インド国内の市場で,この表彰状を売買しよう,と言うわけで,世界最初の試みだ,と言っている。確かに世界最初で,その様なことが簡単に出来ると考えている人は少ない。要点を挙げると,次のようになる。

それぞれの産業ユニットまたはプラントに対して,「固有エネルギー使用量」(注16)を省エネルギーの目標として定める。目標の定め方は,プラントの規模などが多様なので,包括的には決められない。その決定の方法論と共に,それぞれのユニットの目標値を定めるには,1年はかかるだろう。2009年末に設定を終わって,その目標達成に3年間が与えられることになる。

これらのユニットが目標を達成すると,「エネルギー証明書」(注17)が与えられる。この「エネルギー証明書」(注17)は,国内で取引できる。目標が達成できなかったユニットは,オープン市場メカニズムの中で,「エネルギー証明書」(注17)を買うことが出来る。目標が達成できず,且つ「エネルギー証明書」(注17)買うことが出来なかった場合は,省エネルギー法(注18)によって,ペナルティが課される。

中国でならともかく,インドでこの試みに皆が従うかどうか,分からない。企業から訴訟が出てきたりすると,何年も結論を得るのにかかってしまうだろう。インドの省エネルギーは,JICAも大きなテーマで取り組んでいる,その枠組みに入れば面白い。インドはおそらく,温暖化よりも国内のエネルギー確保,効率化が先だ,と世界に主張したいのだろう。

(注) (11) National Action Plan on Climate Change,(12) market for trading in energy savings,(13) power ministry,(14) PM’s climate council,(15) ‘Perform, Achieve and Trade’ or PAT scheme,(16) ‘specific energy consumption ’,(17) ‘energy certificates’,(18) Energy Conservation Act,(19) Bureau of Energy Efficiency,(20) National Mission on Enhanced Energy Efficiency,(21)

本文

●ネパール,70MW,マルシャンディ水力,遂に運転開始に

ネパールの混乱を象徴するようなプロジェクトの成り行きであった。すべてのネパールの苦悩が凝縮されていた。それはまず第1に,ヒマラヤの麓に於ける地形の険しさ,地質の厳しさ,と言う自然の脅威であり,第2には,ネパール社会の複雑さである。当時はマオイスト(注6)の存在で,治安に大きな不安があり,従事する外国技術者への脅威,また労働者達の賃上げ要求,これからもいろいろあるだろう。

4年の遅れの後,70MW,ミッド-マルシャンディ水力MMHEP(注1)が,日曜日,ネパールとドイツの国交正常化50周年記念の日,2008年12月14日,やっと運転開始にこぎ着けた。ダハール首相(注2)出席の元,竣工式が,本日,15日,ラムジュン地区(注3)のボテボダールVDC(注4)に位置するミッド-マルシャンディ水力MMHEP(注1)発電所で執り行われる。

この70MW,ミッド-マルシャンディ水力MMHEP(注1)は,現在,週45時間の電力制限に悩まされているネパール国民への幾ばくかの救いとなる。停電時間を,25%短縮するとされている。ネパール電力庁NEA(注5)によると,当初予定の工事費130億ルピー,約168百万ドル相当,が倍増して,270億ルピー,約350百万ドルに達したという。KW当たり5,000ドルである。

このドイツ資金によるミッド-マルシャンディ水力MMHEP(注1)の遅れは,ネパール側の理由が大きい。2003年にマオイスト(注6)によって二人の労働者が殺され,コントラクターが仕事を無期限拒否した。ドイツ,スペイン,中国の合弁になるコントラクター,DDC−JVは,建設工事方式の変更を要求して,2年間の中断となった。ドウンゲル所長(注7)によれば,地下工事の地質が,想定外だったという。2年間は地質調査に使われた。

ミッド-マルシャンディ水力MMHEP(注1)は元々,2001年にNEA(注5)の資金で着工し,2004年12月完成を目指していた。結局,KWh当たりのコストが,ネパールで最も高いプロジェクトになってしまった。ドウンゲル所長(注7)によると,プロジェクトが契約されたときは,ネパールの政治情勢がもっとも悪いときで,治安の問題が,コントラクターの行く手を阻んでしまった,としている。

またこの治安に輪をかけて,労働者達は,何度も賃金の値上げや地元の取り分の増額を要求することになった。やっと運転開始にこぎ着けたが,当初の発電は半分の35MWとなる。1ヶ月後には70MWのフル稼働となる予定である。しかし,NEA(注5)のバシアル部長代理(注8)は,このミッド-マルシャンディ水力MMHEP(注1)こそが,ネパールの水力開発の重要なマイルストーンだ,と強調している。治安問題での遅れに言及。

工事の半ばに於いて,コントラクターが,プロジェクトの開始のために,53億ルピーの追加を要求してきた。実際,2004年の時点で,内務省(注9)が水資源省(注10)に対して文書を発し,コントラクターとプロジェクトの担当には,本当に工事を期限内にやろうという真剣な気持ちがあるのかどうか,問いつめた時期もあった。バシアル部長代理(注8)は,工事の遅れが工事費の増大の原因だ,と説明している。

フル稼働の段階で,年間発生電力量は,400GWhとなる見込み。それにしても,見て涙,聞いて涙,のような苦難の連続だったようだ。2001年に着工してから,70MWに8年を要した分けである。これから,インド企業を中心に,ネパールの水力プロジェクトが進行する。おそらく,ここまでとは言わないが,ネパールでの開発は,苦難の連続となろう。それこそ人類最後の戦いだから,頑張れ,と言いたい。

(注) (1) Mid-Marshyangdi Hydro-electricity Project,(2) Prime Minister Pushpa Kamal Dahal,(3) Lamjung district,(4) Bhotewodar VDC,(5) Nepal Electricity Authority,(6) Maoists,(7) Sunil Dhungel, project manager of MMHEP,(8) Danda Pani Bashyal, acting director of NEA,(9) Home Ministry,(10) Ministry of Water Resources,(11)

●インド政府,世界最初の,省エネルギー市場へ構想

これは一体なんだ,と言う感じ。新興国としての温暖化ガス排出規制への対抗なのか,まあ読んでみよう。インドは,世界最初の省エネルギー取引市場(12)の創設に動く。国家気候変動行動計画(注11)の元で,電力省(注13)は,目標の省エネルギーを実施する産業プラントによるエネルギー取引の青写真を準備している。

この計画の元では,政府が,エネルギーを多量に使用する大規模な産業ユニットとプラントに対し,目標値を義務化する。この産業ユニットとプラントの中には,セメント,アルミニューム,鉄鋼,電力,繊維,肥料,鉄道,紙パルプ,などが含まれる。この,まもなく首相府気候変動委員会(注14)が最終承認する予定の計画は,実現すれば世界最初の制度となるだろう。

国際的な気候変動抑制では,温暖化ガス排出削減の国際取引市場は存在する。しかしインドの場合は,工業先進国と比べて温暖化ガス排出は極めて少なく,寧ろ,エネルギー安全保証が,国内的には重要で,またこの考え方は,国際的な温暖化ガス排出抑制にも,副次的に貢献するものである。この計画は,「実行,達成,そうして取引」(注15),またはPAT計画,と称する。

それぞれの産業ユニットまたはプラントに対して,「固有エネルギー使用量」(注16)を省エネルギーの目標として定める。目標の定め方は,プラントの規模などが多様なので,包括的には決められない。その決定の方法論と共に,それぞれのユニットの目標値を定めるには,1年はかかるだろう。2009年末に設定を終わって,その目標達成に3年間が与えられることになる。

これらのユニットが目標を達成すると,「エネルギー証明書」(注17)が与えられる。この「エネルギー証明書」(注17)は,国内で取引できる。目標が達成できなかったユニットは,オープン市場メカニズムの中で,「エネルギー証明書」(注17)を買うことが出来る。目標が達成できず,且つ「エネルギー証明書」(注17)買うことが出来なかった場合は,省エネルギー法(注18)によって,ペナルティが課される。

この計画の元で,エネルギー効率庁BEE(注19)が,実際の産業ユニットの消費エネルギーを監査し,任意のチェックを行うことによって,民間企業を表彰する。計画は,エネルギー効率庁BEE(注19)によって造られたが,それは,首相府気候変動委員会(注14)の原則指示,エネルギー効率国家推進委員会(注20)の案に従ったものだ。

とんでもない案が出てきたものだが,それがインドで円滑に行くのですかね,中国ならともかくも。インドの言い分はおそらく,インドにとっては温暖化の問題ではない,エネルギーの問題なのだ,温暖化ガス取引の前に,まずエネルギーで考えねばならない段階だ,と言う国際社会に対する一つのインドの主張なのであろう。でも,ここの産業ユニットが,多様な中で,うまくまとまるには,相当困難があるような気がする。

(注) (11) National Action Plan on Climate Change,(12) market for trading in energy savings,(13) power ministry,(14) PM’s climate council,(15) ‘Perform, Achieve and Trade’ or PAT scheme,(16) ‘specific energy consumption ’,(17) ‘energy certificates’,(18) Energy Conservation Act,(19) Bureau of Energy Efficiency,(20) National Mission on Enhanced Energy Efficiency,(21)


参考資料

ネパール

●081214A Nepal, kantipuronline
70MW,マルシャンディ水力,遂に運転開始に
PM to inaugurate much-awaited 70MW Mid-Marshyangdi hydel project today
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?page=kolnews.php&nid=170301

インド

●081214B India, Economic Times
インド政府,世界最初の,省エネルギー市場へ構想
Govt readies blueprint for world's first energy savings market
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Govt_readies_blueprint_for_worlds_first_energy_savings_market/articleshow/3832727.cms



2008年12月13日分 ー インダスのニールム川に火花散る ー

今は,2008年12月14日午後2時,今から数時間前,現地時間13日深夜,インド軍の戦闘機が2度にわたってパキスタンの領空を侵犯,インドがイスラム過激派の拠点を空爆する可能性がある中,緊張が走った。ラホール周辺では軍の部隊の大規模な移動が地元住民に目撃されたという。インド側から,不注意で侵犯した,との連絡が入ったようだ。パキスタンは,迎撃の容易あるも事態の悪化は望まない,とメッセージを発した。

ムンバイのテロ事件に関して,パキスタン政府は,インド側が,「実行組織」,と名指しした北部カシミールを拠点とするイスラム過激派組織,「ラシュカレ・タイバ」,のモハマド・サイード最高指導者を自宅軟禁しているが,インドが証拠を示さない限り,3ヶ月で解放するとしている。インド側は,被疑者のインドへの引き渡しを要求しているが,パキスタンはそれには応じない構えである。毎日新聞などの報道である。

このような情勢の中,2008年12月13日,昨日,パキスタン現地紙,パックオブザーバーは,突如,中東諸国,クウエート(注22),サウジアラビア(注23),アブダビ(注24)及びOPEC(注25)が,大規模融資,775百万ドルを,パキスタンのインダス上流,国境未確定,パキスタン実質支配のアザドカシミール,ニールム川の水力プロジェクトへの融資を発表した。

969MW,21億ドル,パキスタンのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)については,25kmの水路トンネルを有する流域変更プロジェクトで,インドとの間に微妙な問題が横たわっている。パキスタンは,既にこのプロジェクトの建設費の一部として,電気料金に上乗せして資金調達を急いでいるが,それも21億ドルの半分の見込みで,今回の775百万ドルは大金である。中国が300百万ドル,既に約束している。

1960年に,インダス河の水について,インダス水条約(注28)には,ニールム川(注22)の開発に関して,先に建設,運転開始に成功した側が,ニールム川(注22)の開発優先権を持つ,と書かれている。当時は,ニールム川(注22)にダムを造ることは,実際問題,困難であったので,その様な取り決めになったのであるが,今や情勢は変化,需要も大きく,資金調達も手が届くところまで来た。

このニールム川(注22)の上流は,ジャムアンドカシミールでインド実効支配の領域となる。インドはここに,400MW,流れ込み式,キシャンガンガ水力プロジェクト(注26)を建設中で,今日の記事によると,60%程度まで進捗しているという。インドの旗振り役は,例のミャンマーの天然ガス獲得に走っているラメッシュ副大臣である。パキスタン側が,資金調達に目処を付けて,一挙にインドと競争できる立場に立った。

二つのプロジェクトが両立するのかどうか,地図を片手に調べているが,もう一つ位置がはっきりしない。ただ近くには,最近,中国企業が関心を示しているコハラ水力があり,またパキスタン側のニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)は,中国企業が施工することで契約が成立している。国境未確定地域の微妙な中での先陣争い,中国が絡み,イスラムが絡み,まさに火花が散っている。

(注) (18) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081205A.htm,(19) Mangla dam,(20) Neelum river,(21) Neelum-Jhelum hydropower project,(22) Kuwait,(23) Saudi Arabia,(24) Abu Dhabi,(25) OPEC (Organization of the Petroleum Exporting Countries),(26) Kishanganga hydropower project,(27) Ministry of Water and Power,(28) Indus Waters Treaty,(29) paisa,(30) supplier credit,(31) China Gezhouba,(32) CMEC China,(32) Neelum-Jhelum Hydroelectric Project Company,(33)

本文

●フィリッピン,ファーストジェン,405百万ペソ,植林事業へ

最近話題を賑わせているのは,ロペス財閥のファーストジェンFGC(注1)の関連会社であるEDC(注2)で,2008年10月24日付本HP(注4)では,世界銀行のIFC(注3)から41億ペソのローンを獲得した,との報道。また,2008年12月11日付本HP(注5)では,EDC(注2)の地熱,既にその60%を手中,また水力はファーストジェン水力FGHPC(注6)の株式の60%を手中,としてグリーン化に一役買う姿勢。

今日の記事。ファーストジェン(注1)は,クリントン,グローバル,イニシャティブ(注8)の一環としてのコミュニティ植林運動CBFM(注9)で5,000ヘクタールの植林に着手した。10年間に405百万ペソを投入する計画である。FGC(注1)自身,その地熱発電所関連の30万ヘクタールの流域面積の森林地帯を有し,その地熱発電のためにも,この植林は重要な意味を持つ。

EDC(注2)のロペス会長(注10)は,このCBFM(注9)プロジェクト,別名,ビニ(注11)の発進に当たり,「EDC(注2)の中核である地熱エネルギーを確保するための地下貯留水を涵養する必要がある。」,とその趣旨を説明している。FGC(注1)ーEDC(注2)は,地熱発電に於いて,フィリッピン最大の企業であり,世界でも第2位に位置する。EDC(注2)のアキノ社長(注12)も,1980年以来の環境貢献の続編,と言っている。

EDC(注2)は,5つの地熱発電所区域,9,500ヘクタールに,740万本の植林をしてきた。これは,1980年代初頭より続けてきた自然林の保護の上積みになる,と説明している。熱帯林再生プロジェクトの意義が大きいのは,フィリッピンで生き残り,利用価値が高いと思われるフィリッピン固有の希少種の保護と連なるところにある,と。EDC(注2)は,環境保護に貢献する企業としての評価を勝ち取るのだ,と。

この植林プログラムは,環境天然資源省DENR(注13),国際保護(注14),観光気候変動対策省DTCCP(注15),WWF(注16),教育省(注17)などが協賛するものである。それにしても,つい先日まで,資金不足に悩んでいたEDC(注2)は,環境と気候変動対策に関連づけて,地熱と水力の発電企業としての位置づけを,本格的に売り出す方針のようだ。そこに資金が集まる,と観測したか。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC),(3) International Finance Corp,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(5) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081211A.htm,(6) First Gen Hydro Power Corp,(7) Pantabangan-Masiway hydroelectric power complex,(8) Clinton Global Initiative.,(9) community-based forest management (CBFM) project,(10) EDC Chairman Oscar M. Lopez,(11) Binhi,(12) EDC President and Chief Executive Officer Paul A. Aquino, (13) Department of Environment and Natual Resources,(14) Conservation Interantional,(15) Department of Tourism Climate Change Panel,(16) World Wildlife Fund,(17) Department of Education,(18)

●パキスタン,ニールムジェールム水力,中東から775百万ドル

インドとパキスタンの関係が,2008年12月4日のムンバイのテロを切っ掛けに,犯人の引き渡し問題の他に,インダス河の水を巡っての論争,2008年12月5日付本HP(注18)のように,今日,ますます先鋭化してきている。互いに宗教問題が絡んできているわけであるが,パキスタンからマングラダム(注19)があるニールム川(注20)の水力開発が,領土未確定問題も影響して,白熱化している。

969MW,21億ドル,パキスタンのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)に対して,中東諸国,クウエート(注22),サウジアラビア(注23),アブダビ(注24)及びOPEC(注25)が,大規模融資,775百万ドルを行うことになった。このニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)は,パキスタンにとっては,インドとの対抗上,政治的に極めて重要な水力プロジェクトなのである。

もしこのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)の発進と完成が遅れれば,インドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注26)が先行し,インドがニールム川(注22)の開発優先権を主張するからである,と叫んでいるのは,パキスタン水電力省(注27)の高官である。ニールム川(注22)の上流で,インド支配地域に入ると,キシャンガンガ川と呼ばれて,インドが,400MW,キシャンガンガ水力プロジェクト(注26)を立ち上げている。

インダス水条約(注28)には,ニールム川(注22)に関して,先に建設,運転開始に成功した側が,ニールム川(注22)の開発優先権を持つ,と書かれている。パキスタン政府は,既に電力料金の中に,KWh当たり10パイサ(注29)を,ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)分として加算しており,その額は10億ドルに達する見込みとしている。

パキスタン側の話では,中東諸国,クウエート(注22),サウジアラビア(注23),アブダビ(注24)及びOPEC(注25)は,1ヶ月内に328百万ドルを調達し,残りを近い将来,準備し供与するとしている。また,施工に当たる中国企業は,300百万ドルを,サプライヤークレジット(注30)する。インドは既に,60〜65%工事が進捗しているにもかかわらず,パキスタン側は,進んでいない。

ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)の工事発注は,既に2007年3月9日に,中国ゲゾウバ(注31)とCMEC中国(注32)の合弁に行われている。ニールム-ジェルム水力プロジェクト会社NJHPC(注32)は既に創立を終わって,株式上場している。堂々たる真っ向勝負,と言うことだが,このテロの最中に宗教対立が鮮明になってきた,インダス戦争の激化である。

(注) (18) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081205A.htm,(19) Mangla dam,(20) Neelum river,(21) Neelum-Jhelum hydropower project,(22) Kuwait,(23) Saudi Arabia,(24) Abu Dhabi,(25) OPEC (Organization of the Petroleum Exporting Countries),(26) Kishanganga hydropower project,(27) Ministry of Water and Power,(28) Indus Waters Treaty,(29) paisa,(30) supplier credit,(31) China Gezhouba,(32) CMEC China,(32) Neelum-Jhelum Hydroelectric Project Company,(33)

参考資料

フィリッピン

●081213A Philippines, Manila Bulletin
ファーストジェン,405百万ペソ,植林事業へ
First Gen puts P405 M in forest project
http://www.mb.com.ph/BSNS20081213143375.html

パキスタン

●081213B Pakistan, pakobserver
ニールムジェールム水力,中東から775百万ドル
Neelum-Jhelum project Kuwait, S Arabia, Abu Dhabi ensure $ 775m funding
http://pakobserver.net/200812/13/news/topstories03.asp


2008年12月12日分 ー 中国の地方政府の開発志向は止まらない ー

万人の百科事典,ウイキペディアの中国の項に次のような表現がある。「中央ではある程度の危機意識を持って環境対策を打ち出しているが,地方行政府は地方の経済発展を重視して中央からの指示をないがしろにするケースも多く,実効性に問題が生じている。」。私は,中国人のこの性格は前から関知してきたし,成長の原動力として,寧ろ好ましいもの,として見てきた。ベトナム人にもこの性格は見られる。

2008年12月9日付本HP(注9)で,中国が内需拡大に向けて急旋回,と書いたが,このときに,北京中央政府は57兆円相当の景気刺激策を講ずる,と発表し,各地方政府が独自に実施する刺激策は,57兆円とは別に400兆円を超す規模になるだろう,と一般的な予測が書かれていた。中国人のバイタリティというか,一旦,地方が動き出すと止まらなくなる現象,これが中国経済の根底にあるのだろう。

すべて経済に関係してくるのだが,中国人のギャンブル好きがこの開発に拍車をかける。国内である程度の統制がとられて,ギャンブルなど簡単に出来ないときは,そのギャンブルへのエネルギーのはけ口が国境に向かう。政治的統制の弱い国,例えばミャンマーの辺境で中国と境界を接する地域は,多く,中国人の歓楽街と化している。そこでは,中国語と中国元がなければ生活できない状態に落ちいってしまう。

それが発電所建設にも出てくるから面白い。電力不足だ,となれば,多くの発電所が次々と,地方政府の手によって建設される。そこには中国人のギャンブル精神がしっかりと発揮されるのだが,残念ながらそこに,足に地が付いていないケースがまま生じ,発電所は出来たけれど燃料がない,という事態に陥る。2006年の大停電は,この造りすぎた火力が原因だった。

今日の記事で,政府系のコンサルタントが,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発は,指令,計画,監督のいずれもが欠けた深刻な状態にある,としている。中国人民諮問委員会(注12)の人民資源環境委員会シャオブイングレン次席(注11)は,環境保護部(注13)の統計では,中国全土を通じて,3,000に上る水力発電所が,政府の許可を得ていないものだ,としている。

そうして今度の,「青い龍の大旋回」,海外の経済に頼らず,国内需要を喚起するため,57兆円,地方を入れると400兆円以上,という号令を待ち受けているのは,地方政府だろう。地方で今後何が起こるか,考えただけでも心が躍る。やれっ,やれっ,という感じ。また私は,中国企業が,ミャンマー,ラオス,アフリカ,カンボジア,と盛んにダムを造っていることは,同じ一連の流れだと思って見ている。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081209.htm,(10) Yangtze River,(11) Shao Bingren, vice director of the Commission of Population, Resources and Environment,(12) National Committee of the Chinese People's Political Consultative Conference,(13) Ministry of Environmental Protection,(14) Sichuan province,(15) Tuojiang River,(16) Minjiang,(17) 11th Five-Year Plan (2006-2010),(18)


本文

●ミャンマー,ヤンゴンの住民,停電に見舞われている

ミャンマーの旧首都ヤンゴン,電力供給の惨状が伝えられている。ベトナムやネパールなども同じだが,水力発電所に頼りすぎるところは,最近では常に季節的な電力不足に悩ませられている。大きなところでは南米諸国がある。南米諸国は水力資源に恵まれていて,水力に頼り切ってきたが,最近は石炭火力の建設に関心が集まっているという。いずれにしても今日の記事は,なかなか伝わらないミャンマーの状況,貴重である。

旧首都ラングーン(注1)の住民は,この一週間,厳しい電力使用制限に悩まされている。タムウエ(注2)に住む住民の一人は,この月曜日から一日僅か6時間だけ電気が来る状況だ,と話している。彼によると,先週は完全に供給されていたが,今週になってから,一日6時間供給,と言う状況だという。市内をA,B,Cの3地区に分けて,輪番制で停電しているようだ。5〜11時,11〜15時,15〜23時,など。

厳しい電力制限にもかかわらず,当局方は何の説明もないと言う。しかし,市民の説明では,ミャンマー全国に亘って,毎年,11月末から12月にかけては電力制限が行われる,それは,降雨がなく水力ダムの水位が低下するためだ,と言っている。ラングーン(注1)でも,6月から11月は雨が降るので電力供給は完全だが,11月末から翌年6月までは,普通は6時間の制限供給となる,と言う。

この現在の電力制限は,家庭のみならず企業にも深刻な影響を与えている。例えば,喫茶店,印刷店,書店などは,停電中は店を閉めている。逆に,経営コストは増えている。インターネットカッフェの経営者は,発電機を回すための燃料費が嵩んで悩んでいる。匿名の雑誌編集者は,この月曜日からディーゼルを動かしているが,一日3ガロン,10,000チャット,約8ドル相当の経費増だ,と言っている。

2008年11月24日,軍事政権トップのタンシュエ将軍(注3)は,USDA(注4)の第15回年次総会の演説の中で,近年の電力セクターの大幅な改善を誇った。政府系現地紙(注5)によると,過去の電力設備,228MWは,現在は,977MWに伸びている。それは,イエンウエ(注6),シュエリ(注7),ケンタウン(注8)の各新設水力発電所のお陰である,と言っている。

タンシュエ将軍(注3)は,更に,10000MW達成のために,14の水力発電プロジェクトを推進中で,これによって国民のすべての電力需要を満たすことが出来る,と言っている。確かに,中国の協力を得て,相当なスピードで開発が進んでいるが,水力だけでは需要を満たすことが難しいことは分かっているので,天然ガスの活用など,今後の課題だろう。高い天然ガスは,ミャンマー国民には使わせたくない,と言うのが本心か。

(注) (1) Rangoon,(2) Tamwe Township,(3) head of the Burmese junta, Snr-Gen Than Shwe,(4) Union Solidarity and Development Association,(5) New Light of Myanmar,(6) Yenwe,(7) Shweli,(8) Kengtawng hydropower plant,(9)

●中国で,3000の水力発電所が無許可

2008年12月9日付本HP(注9)で,中国が内需拡大に向けて急旋回,と書いたが,このときに,北京中央政府は57兆円相当の景気刺激策を講ずる,と発表し,各地方政府が独自に実施する刺激策は,57兆円とは別に400兆円を超す規模になるだろう,と一般的な予測が書かれていた。中国人のバイタリティというか,一旦,地方が動き出すと止まらなくなる現象,これが中国経済の根底にあるのだろう。

政府系のコンサルタントが,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発は,指令,計画,監督のいずれもが欠けた深刻な状態にある,としている。中国人民諮問委員会(注12)の人民資源環境委員会シャオブイングレン次席(注11)は,環境保護部(注13)の統計では,中国全土を通じて,3,000に上る水力発電所が,政府の許可を得ていないものだ,としている。

シャオブイングレン次席(注11)によれば,特にこれが極端な地域は,四川省(注14)東部の長江(注10)の上流,ツオジアン支流(注15)の500km区間に27の水力発電所が建設されている例だ,と述べている。また,長江(注10)の他の支流,ミンジアン(注16)では,平均して15kmに一つの発電所が建設され,中には,地震断層の真上に建設されたものもある,と言っている。

シャオブイングレン次席(注11)は,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発における承認手続きは,全く形式的なものだ,と指摘している。水力発電所というものは,総合的な計画が必須だが,それがなされていないと。中国政府の第11次五カ年計画(2006〜2010年)(注17)野中で,水力開発には環境保護が基本だ,と述べている。そのために,政府は,監督を強めると言ってきたのである。

私は,中国人のこの性格は,以前より十分察知していた。水力発電所ばかりでなく火力発電所も,一旦手綱を緩めると,建設ブームが止まらなくなる。火力なんかは燃料があるかないか,余り気にしないので,造ってから動かない発電所が出てくる。私はこの中国人のよく言えばバイタリティ,悪く言えば向こう見ず,この性格が,ミャンマー,ラオス,カンボジアの水力開発にも出ていると思う。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081209.htm,(10) Yangtze River,(11) Shao Bingren, vice director of the Commission of Population, Resources and Environment,(12) National Committee of the Chinese People's Political Consultative Conference,(13) Ministry of Environmental Protection,(14) Sichuan province,(15) Tuojiang River,(16) Minjiang,(17) 11th Five-Year Plan (2006-2010),(18)

Reference

Myanmar

●081212A Myanmar, irrawaddy
ヤンゴンの住民,停電に見舞われている
Rangoon Residents Suffer Power Cuts
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=14789

China

●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2008-12/12/content_7300592.htm



2008年1月11日分 ー 世界銀行が温暖化の元凶と ー

気候変動会議COP14の開かれているポーランドのポズナン(注13),対立が対立を呼び,来年,2009年のオランダ会議で,ポスト京都の合意に至るかどうか,懸念される情勢である。対立は復次化しており,米国対EU,の対立は,更に南と北の対立を呼び,南側諸国も多重な構造で,必ずしも足並みは最後まで一緒でないかも知れない。新興国対途上国,この対立もありえるだろう。

EUはEUで,パリで首脳会議を行っており,イタリアなどの反発で,フランスのサルコジ大統領が苦労をしている。1997年に,2020年に向けて1990年比で,(1)温室効果ガスの20%削減,(2)再生可能エネルギーの利用割合20%,(3)省エネ20%の3目標で合意。この基本路線は厳守で一致している。しかし,温暖化の元凶である二酸化炭素(CO2)を大量に排出する企業に対する一種の“罰金”を科す計画では,ドイツ反対。

しかし,今日の記事の対立は,なかなか深刻だ,と私は思う。COP14のポズナン(注13)からの報告である。主導的な環境グループが,気候変動に関する財政を世界銀行に預ける計画に反対している。工業先進国は,途上国で低炭素経済を育成するために,1,000億ドルの準備が必要,とされている。この費用を世界銀行に預ける案に反対の声明を出したのは,気候変動会議に参加している142の環境NGOである。

今回の会議では,途上国が,温暖化抑制及び適合のための費用に直接アクセスできる保証を求めて,世界中から集まったNGOも,世界銀行グループが気候変動対策費の運用を行う位置づけで考えてきた。今回のNGOの合同声明では,費用の運用について,世界銀行ではなく,国連気候変動枠組みUNFCCC(注18)が責任を持つべき,と主張を変えてきた。

共同声明は続ける,世界銀行は主たる人権侵害機関だ,それは,チャド-カメルーンのパイプライン(注24)プロジェクトに始まって,ラオスのナムテン2水力プロジェクト(注25)に至る,世界銀行直接支援の人権侵害プロジェクトがある。世銀の森林オフセットFCPF(注26)も,その真理について疑心暗鬼である。参加している住民も,納得はしていない,とまで,共同声明は言っている。

私は思うが,NGOの共同声明は,歴史をうまく表現出来ていないような気がする。ダムにはダムの時代にあった役割があったし,世界銀行が果たしてきた経済成長への役割があった。もし,50年前から,温暖化抑止を目的にしていれば,人類はもっともと多くの貧困を生み出したはずだし,それは単なる貧困で収まらず,文化を変え社会を変えて,より多くの悲惨を生んだかも知れない,と言うことは全然考えないのか。

(注) (13) Polish city Poznan,(14) UN climate talks,(15) Bali,(16) Copenhagen,(17) Danish,(18) United Nations Framework Convention on Climate Change,(19) Friends of the Earth U.S. international finance campaigner Karen Orenstein,(20) Lidy Nacpil, coordinator of the Jubilee South Asia/Pacific Movement on Debt and Development,(21) Democratic Republic of Congo,(22) International Finance Corporation,(23) UN Food and Agriculture Organisation,(24) Chad-Cameroon pipeline,(25) Nam Theun 2 Hydropower Project,(26) World Bank's Forest Carbon Partnership Facility, (27)

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●フィリッピン,電力企業EDC,2009年の運転資金必要

ロペス財閥のファーストジェン(注1)の関連会社であるEDC(注2)が,世界銀行のIFC(注3)から41億ペソのローンを獲得し,従来の関係を強化した,との報道は,2008年10月24日付本HP(注4)に見たとおり。2008年12月2日付本HP(注5)では,ファーストジェン(注1)のロペス社長(注6)が,国産クリーンエネルギー(注7)によって,発電設備を増強する投資の牙城を築こうと,記者会見で,気炎を挙げている。

国家電力NPC(注8)から売却される発電資産に対して,EDC(注2)は,来年,2009年の運転資金(注9)を得るべく,融資機関を探している。EDC(注2)のアキノ社長(注10)は,外貨に対するペソの償却で,4億〜5億ドルの追加資金が必要,と率直に認めている。問題は,80億日本円に対するドルヘッジで,等価のドルが必要で,為替差損にも対応することを考えている,としている。

アキノ社長(注10)によると,IFC(注3)のローンは,国家電力NPC(注8)から売却される発電資産の買収と,120億円の宮沢基金への返還に,大いに助けになる。そしてこのローンが,IFC(注3)によるEDC(注2)への信頼をつなぎ止めるものだ,と。IFC(注3)は以前より,EDC(注2)による世界規模のクリーンな再生可能エネルギーの担い手をして評価している,と言っている。

EDC(注2)は,地熱に関しては,既にその60%を手中にしており,また水力に関しても,ファーストジェン水力FGHPC(注11)の株式の60%を府中にしている。FGHPC(注11)は,パンタバンガン-マシウエイ水力(注12)の運用企業でもある。まさに,国産エネルギー開発を主目的に,EDC(注2)を中心押して,内外の企業が走り始めた。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(3) International Finance Corp,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(5) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081202A.htm,(6) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(7) indigenous and clean energy,(8) National Power Corp,(9) war chest,(10) Paul Aquino, EDC president,(11) First Gen Hydro Power Corp. (FGHPC),(12) Pantabangan-Masiway hydroelectric power complex,(13)

●気候変動,世界銀行に任せてはいけない,NGO

気候変動会議COP14の開かれているポーランドのポズナン(注13)からの報告である。主導的な環境グループが,気候変動に関する財政を世界銀行に預ける計画に反対している。非公式な推定によると,工業先進国は,途上国で低炭素経済を育成するために,1,000億ドルが必要,とされている。この費用を世界銀行に預ける案に反対の声明を出したのは,気候変動会議に参加している142の団体である。

この国連気候変動会議(注14)には,世界の192の国から11,000人が参加して,2008年12月1日に始まった。12月11日,各国環境閣僚や政府高官が加わり,会議は重要な段階に入った。この2週間を予定している会議は,2007年12月のバリ(注15)会議と,コペンハーゲン(注16)会議を繋ぐもので,このコペンハーゲン(注16)会議は,来年,2009年に予定されているデンマーク(注17)の結論の中間に当たる。

今回の会議では,途上国が,温暖化抑制及び適合のための費用に直接アクセスできる保証を求めて,世界中から集まったNGOも,世界銀行グループが気候変動対策費の運用を行う位置づけで考えてきた。今回のNGOの合同声明では,費用の運用について,世界銀行ではなく,国連気候変動枠組みUNFCCC(注18)が責任を持つべき,と主張を変えてきた。

世界の133の途上国を代表する,中国も含めたG77グループは,基金はUNFCCC(注18)の管理下に置くことを希望してきた。米国NGOのオレンスタイン氏(注19)は,気候変動対策基金は,取り返しのつかない欠点があり,すぐに一旦閉じるべきだ,と主張している。途上国は緊急に数億ドルが必要,それは気候変動から来る暴風雨,渇水,飢餓,洪水の頻発に対応するためである,と。

しかし,この費用は,皆が同意できる国連気候変動組織によって,管理されるべきだと。また,東南アジアNGOのナクピル氏(注20)は,ローンで南側諸国に供与するのは,理屈が通らない,途上国はもっとも気候変動の被害を受けながら,北側諸国に,返済しなければならない,気候変動に責任のある世界銀行と北側諸国が,どうして南側諸国に負債を課すことになるのか,不公平である,と。

更に,世界銀行が,まだ環境破壊的なプロジェクトに融資を続けるならば,気候変動基金はまさしく偽善である,と。このNGO達による声明の中では,世界銀行は,気候悪化や森林喪失をもたらす主要な機関であるばかりでなく,権利までも侵している,最後に,それは非民主的な機関である,とまで書かれている。世界銀行は化石燃料プロジェクトを支援,1997〜2007年の世銀支援分は,英国排出の45倍に達する,と。

昨2007年,世銀は,化石燃料プロジェクトに94%増の,30億ドルローン供与,石炭対象では256%増である。世界銀行自身の2004年のレビューでも,同様趣旨の意見である。しかしまだ,2008年4月にもまだ,インドの4,000MW石炭火力に,450百万ドル融資,NGOの声明では,世界銀行は,気候変動対策を扱う機関として不適当,と主張している。

森林破壊が温暖化ガス排出の20%に貢献しているにも関わらず,世界銀行は,伐採を伴うプロジェクトを支援しているし,自身,2007年のパネルで,世界第2位の熱帯林を持つコンゴ(注21)での問題を扱っている。IFC(注22)は,農業破壊に手を貸している。FAO(注23)によれば,生活直結で,排出ガスの20%と言われている。

共同声明は更に続ける,世界銀行は主たる人権侵害機関だ,それは,チャド-カメルーンのパイプライン(注24)プロジェクトに始まって,ラオスのナムテン2水力プロジェクト(注25)に至る,世界銀行直接支援の人権侵害プロジェクトがある。世銀の森林オフセットFCPF(注26)も,その真理について疑心暗鬼である。参加している住民も,納得はしていない,とまで,共同声明は言っている。

私は思うが,NGOの共同声明は,歴史をうまく表現出来ていないような気がする。ダムにはダムの時代にあった役割があったし,世界銀行が果たしてきた経済成長への役割があった。もし,50年前から,温暖化抑止を目的にしていれば,人類はもっともとおおくの貧困を生み出したはずだし,それは単なる貧困で収まらず,文化を変え社会を変えて,より多くの悲惨を生んだかも知れない,と言うことは全然考えないのか。

(注) (13) Polish city Poznan,(14) UN climate talks,(15) Bali,(16) Copenhagen,(17) Danish,(18) United Nations Framework Convention on Climate Change,(19) Friends of the Earth U.S. international finance campaigner Karen Orenstein,(20) Lidy Nacpil, coordinator of the Jubilee South Asia/Pacific Movement on Debt and Development,(21) Democratic Republic of Congo,(22) International Finance Corporation,(23) UN Food and Agriculture Organisation,(24) Chad-Cameroon pipeline,(25) Nam Theun 2 Hydropower Project,(26) World Bank's Forest Carbon Partnership Facility, (27)

Reference

Philippines

●081211A Philippines, Manila Bulletin
国内電力企業EDC,2009年の資産買収劇に,資金
EDC needs $500M for war chest next year
http://businessmirror.com.ph/index.php?option=com_content&view=article&id=3189:edc-needs-500m-for-war-chest-next-year&catid=33:economy&Itemid=60


●081211B Climate change,ipsnews
気候変動,世界銀行に任せてはいけない,NGO
CLIMATE CHANGE: 'Don't Leave it to the World Bank'
http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=45050


2008年12月10日分 ー 原油価格下降の現状とこれからの動き ー

原油の先行きとエネルギー長期見通しについては,2008年11月7日付本HP(注21)で,IEAの報告書を紹介している。僅か1ヶ月前の話であるが,その中で,今年,2008年7月,に最高147ドルまで達した原油価格は,この木曜日,2008年11月6日,ニューヨーク市場で,一気に6.9%,バレル4.53ドルの下落を演じ,2007年3月以来の安値,60.77ドルとなった,と書いている。今日は,40ドルの話である。

2008年7月,バレル147ドルは,そのまま電気の燃料単価に換算すると,KWh当たり21.5セントである。今日のバレル約40ドルを考えると,KWh当たり5.8セントで,石炭がトン150ドルとすると,KWh当たり5.2セントなので,殆ど,石炭の高いものと同じぐらいの競争力になってしまう。今日の最初の記事は,2012〜2015年程度に開発が予定されている油田プロジェクトの休止が,将来に大きな影響,と心配している。

IEAは,中期見通しで,2030年,バレル200ドル,とその権威ある報告書に書いているが,問題は投資家の姿勢である。投資家は,IEAの報告書を読んで投資判断を行うのであろうか,或いは,今日出される米国エネルギー省の週報,原油需要予想を見て判断するのか,はたまた,2008年12月17日に予定されているOPECの減産合意を見て,投資の判断をするのであろうか。

どう考えても,今日のバレル40ドルが,40ドルを切って30ドルに落ち込むかも知れない,とテレビで専門家が言っているのを聞きながら,イヤ,IEAが200ドルと言っているから資本も注ぎ込む,と言う決意はなかなか出来ないだろう。今日の最初の記事が心配しているのは,そこのところで,今動き出そうとしている,カナダ,ベネズエラ,南米沖,北海,などの新規プロジェクトが止まる,その影響は,2015年に出てくる,と言っている。

今日の夕刊フジ(注22)が,イラクの原油埋蔵への各企業の関心が記事になっている。イラクが約36年ぶりに外資企業に開放する油田開発事業,これに日本の資源開発各社が熱い視線を送っている。世界3位の原油埋蔵量,未開拓油田が7割,関心を寄せる各国石油会社との権益獲得競争が激しくなるのは必至,としながら,足元で1バレル40ドル前後まで急落した原油先物価格が,その意欲に与える影響を懸念する。

OPEC(注8)の11月17日の報告書では,2009年,日量53万バレル,0.6%下がって,日量8,668万バレルと言っている。コネチカットのブーテル氏(注14)は,これらの数字は,単なる多くの踏み石に過ぎず,遅行指標(注15)であって,多分,数ヶ月先では,もっと落ちてゆくだろう,と言っている。今年の原油先物の落ち56%は1983年以来の現象で,IMF(注16)は,来年の米国,日本,欧州の景気悪化を予測している。

リビヤのガネム氏(注17)は,OPEC(注8)の次の会合では,本格的な減産が合意される,と見ている。OPEC(注8)は10月の会議では,日量150万バレルの減産を決定している。コンサルタントのマロニー氏(注17)も,OPEC(注8)は原油価格の吊り上げを考えている,前回の減産は明らかに不十分であった,と見ている。米国エネルギー省は,本日ワシントン10時35分に,週報を発表する。

(注) (21) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081107A.htm,(22) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200812110027a.nwc,(23)
(注) (1) gallon,3.785 litters,(2) oil sands,(3) Canadian oil sands,(4) Venezuelan oil sands,(5) North Sea,(6) off the coasts in South America,(7)
(注) (7) http://www.bloomberg.com/,(8) Organization of Petroleum Exporting Countries,(9) billionaire hedge-fund manager Boone Pickens,(10) Rick Mueller, director of oil markets at Energy Security Analysis Inc. in Wakefield, Massachusetts,(11) New York Mercantile Exchange,(12) Energy Department said in its monthly Short-Term Energy Outlook,(13) International Energy Agency,(14) Peter Beutel, president Cameron Hanover Inc., an energy consulting company in New Canaan, Connecticut,(15) lagging indicator,(16) International Monetary Fund,(17) Steve Maloney, a risk-management consultant for Stamford, Connecticut-based Towers Perrin,(18) Nauman Barakat, senior vice president of global energy futures at Macquarie Futures USA Inc. in New York,(19) Brent crude oil,(20) London’s ICE Futures Europe exchange,(21)


本文

●低価格の原油に,如何に対処すべきか

信じがたいことだが,2,3ヶ月前には,米国のドライバーは,ガソリンの価格1ガロン(注1)5ドルになるだろう,と話していた。それがどうだろう,全国殆どの地域で平均2ドルにまで下がり,更に過去一週間で原油は,更に20%も下がっているのである。これは明らかに経済の影響で,お金に事欠く消費者のポケットのしまわれたまま,長期的にこのようなことでよいのだろうか。

当初,2,3ヶ月前までは,誰もが,どの様にしてエネルギーを節約するか,話し合っていたのである。それは,如何に車で走る時間を減らし,更に車を小型に変えてゆく,と言う中で,多くの人が,省エネルギーの電球や太陽光電池の話に躍起となっていた。それが最近ではこのような会話はなくなってしまった。皆が恐れているのは,石油の消費の過去に長い習慣を,変えなくなってしまった,と言うことだ。

更に恐ろしいことは,原油価格の低下が,オイルサンド(注2)や沖合油田プロジェクトを中止していることである。このことは,来年や2年後程度では,堅調な影響は出ないであろうが,我々が恐れるのは,2012〜2015年の時間枠である。この時間枠で原油供給を考え疎き,多くの予想は,カナダ(注3)やベネズエラのオイルサンド(注4),南米沖の油田(注6),などのプロジェクトは,継続されるものとの前提なのである。

これら3つのプロジェクトの初期段階での減産は,北海(注5)の幾つかのプロジェクトの遅れと重なって,この3〜5年の原油供給に,大きな影響を及ぼすことになろう。要するにこの記事は,ここ数日の原油価格の値下がりが,途端に,現在OPEC以外で動いている原油生産プロジェクトの中止,または,工事の遅れをもたらす影響を言っている。

(注) (1) gallon,3.785 litters,(2) oil sands,(3) Canadian oil sands,(4) Venezuelan oil sands,(5) North Sea,(6) off the coasts in South America,(7)

●原油価格,OPECの減産で,上昇傾向へ

ブルーンバーグ(注7)の原油価格に関する記事である。この3日間,原油価格がやや上がっている。これは,来週,2008年12月17日に,OPEC(注8)の会合が予定されていて,ここで元の減産に踏み切るとの思惑が働いている。OPEC(注8)は,世界の原油の40%を供給しているが,ヘッジファンドのピッケン氏(注9)の予測では,最近の価格低下に対応するために,日量250万バレルを削減する,と見られている。

昨日は,米国の予測,年間原油需要が1983年以来初めて下降する,と言う情報で,下降に転じている。マサチューセッツのミューラー氏(注10)は,「私は,OPEC(注8)の会合で一定の考えがでるまでは,40〜45ドルで推移すると思っている。」,と言っている。彼は,今は世界経済の動きが,即ち,原油市場を左右するものと思っている,と付け加えている。

原油の1月の先物価格は,ニューヨーク市場(注11)で,シドニー時間,11時22分,57セント,または1.4%上がって,42.61ドルとなっている。昨日の先物は,164ドル,または3.8%下がって,42.07ドルで,2007年11月以来,23%落ちたことになる。昨日の米国エネルギー省の報告(注12)によると,2008年の世界の原油需要は,日量8,575万バレルで,2007年と比べると,5万バレル落ちている。

また,これは1983年以来のことで,来年,2009年には更に,日量45万バレル落ちて,日8,530万バレルになるであろう,と言っている。IEA(注13)もOPEC(注8)も,この月の経済の収縮で,原油需要は低下する,と言っている。IEA(注13)の11月13日の報告書では,2009年は,日量67万バレル落ち,0.8%の落ち,で,日量8,650万バレルとなる,と言っている。次の報告は12月11日である。

OPEC(注8)の11月17日の報告書では,2009年,日量53万バレル,0.6%下がって,日量8,668万バレルと言っている。コネチカットのブーテル氏(注14)は,これらの数字は,単なる多くの踏み石に過ぎず,遅行指標(注15)であって,多分,数ヶ月先では,もっと落ちてゆくだろう,と言っている。今年の原油先物の落ち56%は1983年以来の現象で,IMF(注16)は,来年の米国,日本,欧州の景気悪化を予測している。

リビヤのガネム氏(注17)は,OPEC(注8)の次の会合では,本格的な減産が合意される,と見ている。OPEC(注8)は10月の会議では,日量150万バレルの減産を決定している。コンサルタントのマロニー氏(注17)も,OPEC(注8)は原油価格の吊り上げを考えている,前回の減産は明らかに不十分であった,と見ている。米国エネルギー省は,本日ワシントン10時35分に,週報を発表する。

ニューヨークのバラカット氏(注18)は,「今日のエネルギー省の報告は一つの切っ掛けになろう。二つのイベントに注目,パリのIEA(注13)の木曜日の報告書は,需要崩壊はまだ続き,重要なカルテル,OPEC(注8)の会議が,12月17日に開かれる。」,と。ブレント原油(注19)1月先物は,ロンドンの欧州先物市場(注20)で,バレル1.89ドル,4.4%落ちで,41.53ドル,である。

(注) (7) http://www.bloomberg.com/,(8) Organization of Petroleum Exporting Countries,(9) billionaire hedge-fund manager Boone Pickens,(10) Rick Mueller, director of oil markets at Energy Security Analysis Inc. in Wakefield, Massachusetts,(11) New York Mercantile Exchange,(12) Energy Department said in its monthly Short-Term Energy Outlook,(13) International Energy Agency,(14) Peter Beutel, president Cameron Hanover Inc., an energy consulting company in New Canaan, Connecticut,(15) lagging indicator,(16) International Monetary Fund,(17) Steve Maloney, a risk-management consultant for Stamford, Connecticut-based Towers Perrin,(18) Nauman Barakat, senior vice president of global energy futures at Macquarie Futures USA Inc. in New York,(19) Brent crude oil,(20) London’s ICE Futures Europe exchange,(21)

Reference

●081210A Oil, thestreet.com
低価格の原油に,以下に対処すべきか
How to Play Lower Oil Prices
http://www.thestreet.com/story/10452285/1/how-to-play-lower-oil-prices.html?puc=googlen&cm_ven=GOOGLEN&cm_cat=FREE&cm_ite=NA
●081210B Oil, bloomberg.com
原油価格,OPECの減産で,上昇傾向へ
Crude Oil Rises Amid Speculation Over Size of OPEC Output Cut
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aIHNY5eFEoPY&refer=home


2008年12月9日分 ー 中国の経済外交が国内巨大需要へ急旋回 ー

中国の政治経済に,ここ数日,目立った変化が現れている。昨夜,2008年12月9日,深夜にテレビを見ていたら,ここ数日間の株価上昇の動きは,米国の自動車への支援もあるけれど,皆が見ているのは,中国で開催中の全国協商会議で,世界金融危機を横目で見ながら,57兆円相当の内需拡大策への期待感で,アジアの株が動いているという,もう中国しかないというわけ。また,中国政府の眼は,完全に中を向き始めた。

更に,東亜日報の記事では,これを裏付けするような記事,「中国の外交路線,「超強硬」に急旋回」,として,フランスのサルコジ大統領がダライラマと会うことで,目前に控えた中国欧州拡大首脳会議を一方的に取り消したこと,また,米中経済戦略会議で,米国側に一言も中国元切り上げの言葉を言わせなかったこと,を挙げ,首脳会議を直前でキャンセルすることは,相当の路線転換の腹をくくった,と見ている。

要するに,世界経済の中の一つの歯車として生きてゆく戦略が,今回の世界金融危機で根こそぎ揺らいだものだから,予め用意していた内需策,57兆円をまずその発端にして,10億の民を擁して,内需型経済への大転換を諮ろうとしている,と言うわけである。まさにこれに呼応するようなWWFの報告書,その名も,「青い龍への旋回」(注3)である。

中国政府は,クリーンエネルギー経済(注7)に向けて大規模な目標を設定している。それは,2010年に向かって,エネルギー依存度を20%削減し,2015年に向かって,再生可能エネルギーを今の倍の15%とする,と言うものである。中国は特に,小規模の水力開発にも熱心で,海外資本にも解放する方向で,2006年の40,000MWレベルを,2020年に一気に125,000MWとする計画である。

中国の風力について,2020年までに現在の5倍,30,000MWにするという目標は,現在のペースで行けば,2012年には達成されるだろう。金融危機で世界の再生可能エネルギー投資が萎縮する中で,中国の投資はこの2008年の第4四半期で35億ドルに達し,中国の風力セクターを最強にするだろう。中国WWFのドンメイ氏(注8)は,沖合風力プロジェクトでのノルウエーとの協力は,更にこの商業的成果を高めるだろう,と。

また,中国の特徴である地域間を超えた超高圧送電線が,送電報告書(注9)の計画の中心に据えられている。2006〜2020年の超高圧送電線建設への投資額は,4,060億元であり,内訳は,交流送電線が2,560億元,直流送電線が1500億元となっている。今回刊行された報告書(注9)は,中国の送電網の現状ばかりでなく,将来の計画に関する分析と予測が,盛られている。

今日は,中国に関する二つの報告書,環境と送電,を取り上げて呼んでいる最中に,中国が大きく舵を取り始めた,その兆候を示すいろいろな報道が飛び込んできている。これからは,この中国の変化が,どの様にアジアのエネルギー開発に飛び火してくるか,慎重に分析する必要がある。私の感じでは,ミャンマー,ラオス,カンボジア,パキスタン,などに対する開発圧力は強くなると思う。

(注) (1) green technology,(2) WWF,(3) Green Dragon,(4) Borge Brende, Managing Director of the World Economic Forum, (5) Rasmus Reinvang of WWF Norway, lead author of the report,(6) OECD countries,(7) clean-energy economy,(8) Chen Dongmei, head of the Climate and Energy programme for WWF in China,(9)

(注) (9) 2008 Report on China's Power Grid Construction,(10) www.marketavenue.cn/upload/ChinaMarketReports/REPORTS_1027.htm,(11) 11th "Five-Year Plan",(12) 10th "Five-Year Plan",(13) Tibet,(14) Sichuan province,(15) Yunnan province,(16) Shanxi province,(17) Shaanxi province,(18) Inner Mongolia,(19)


本文

●中国,先進国の環境技術を超える勢いで発展

環境技術(注1)のリーダーと自負してきた先進国諸国は,今や,環境製品やサービスで巨大な市場となりつつある中国の後塵を拝する勢いにある。最近,WWF(注2)から刊行された,「グリーンな龍」(注3),のタイトルの報告書によると,世界の環境ビジネスを窺う企業は,中国への投資額,2020年までに15兆〜19兆ドルに達すると考えられている市場に視野を向けている。

また報告書は,次のように言っている。環境分野での巨大な投資は,中国をして,低価格の環境問題解決手段の開発の世界の中核になろうとしている。その技術は,環境に拘束されるであろう21世紀に,世界経済を急拡大させるための必須の技術でもある,と。環境分野の西欧の企業家や関連企業は,拡大する中国市場に,未曾有の機会を持ちそれ自身が世界経済の主導者,と断ずるのは,WEFブレンデ氏(注4)だ。

ノルウエーに於ける調査では,中国の環境への投資の誇大な表現は,実際にこれを超えるものであることを示している。WWFのレインバン氏(注5)は,中国との環境協力という大きな目標に比べると,ノルウエーの現在の実情は,余りに断片化して小規模に過ぎる,OECD諸国(注6)は,その得意な環境技術を駆使しながら,大きな兆しの見える中国と組んで,規模の大きなビジネスにしていかなければならない,と述べている。

中国政府は,クリーンエネルギー経済(注7)に向けて大規模な目標を設定している。それは,2010年に向かって,エネルギー依存度を20%削減し,2015年に向かって,再生可能エネルギーを今の倍の15%とする,と言うものである。中国は特に,小規模の水力開発にも熱心で,海外資本にも解放する方向で,2006年の40,000MWレベルを,2020年に一気に125,000MWとする計画である。

中国の風力について,2020年までに現在の5倍,30,000MWにするという目標は,現在のペースで行けば,2012年には達成されるだろう。金融危機で世界の再生可能エネルギー投資が萎縮する中で,中国の投資はこの2008年の第4四半期で35億ドルに達し,中国の風力セクターを最強にするだろう。中国WWFのドンメイ氏(注8)は,沖合風力プロジェクトでのノルウエーとの協力は,更にこの商業的成果を高めるだろう,と。

(注) (1) green technology,(2) WWF,(3) Green Dragon,(4) Borge Brende, Managing Director of the World Economic Forum, (5) Rasmus Reinvang of WWF Norway, lead author of the report,(6) OECD countries,(7) clean-energy economy,(8) Chen Dongmei, head of the Climate and Energy programme for WWF in China,(9)

.●中国の送電網,2008年の報告書発刊

「中国送電網建設2008(注9)」,が発刊され,ウエブ(注10)でその全容が見られる。2000年以来,中国の電源設備は年10%以上の伸びを見せてきたが,送電網の建設は満足できるものではなかった。中国の送電網建設への投資は,一桁パーセントであり,ある年は僅かに2%の伸びであることもあった。その結果,2002年には,沿岸地域でたびたび停電が発生した。

この脆弱な送電網を改善し安全度を高めるために,北京政府は2006年以来,多大な関心を払い始めた。2006〜2010年の第11次五カ年計画(注11)では,1兆2,000億元が投入されることになっている。これは年に直すと,2,400億元となり,これは,第10次五カ年計画(注12)のときの90%増に匹敵する。中国の電力で最大の問題は,エネルギー資源と需要地が,離れていることである。

資料によると,開発可能な水力資源の3分の2は,チベット(注13),四川(注14),雲南(注15)の山岳地帯に位置している。また,石炭資源の3分の2は,山西省(注16),セン西省(注17),内モンゴル(注18)にある。このような地理的な配置関係から,北京政府は,小規模の電線で大容量の送電が出来る超高圧送電線に関心を持ってきた。

その結果,地域間を超えた超高圧送電線が,今回の計画の中心に据えられている。2006〜2020年の超高圧送電線建設への投資額は,4,060億元であり,内訳は,交流送電線が2,560億元,直流送電線が1500億元となっている。今回刊行された報告書(注9)は,中国の送電網の現状ばかりでなく,将来の計画に関する分析と予測が,盛られている。

(注) (9) 2008 Report on China's Power Grid Construction,(10) www.marketavenue.cn/upload/ChinaMarketReports/REPORTS_1027.htm,(11) 11th "Five-Year Plan",(12) 10th "Five-Year Plan",(13) Tibet,(14) Sichuan province,(15) Yunnan province,(16) Shanxi province,(17) Shaanxi province,(18) Inner Mongolia,(19)

Reference

China

●081209A China, environmental-expert
中国,先進国の環境技術を超える勢いで発展
Green high-tech champions slow to take up China opportunities
http://www.environmental-expert.com/resultEachPressRelease.aspx?cid=4638&codi=40761&idproducttype=8&level=0
●081209B China, pr-inside
中国の送電網,2008年の報告書発刊
2008 Report on China's Power Grid Construction
http://www.pr-inside.com/report-on-china-s-power-grid-r955103.htm


2008年12月8日分 ー パキスタンのバシャダムの資金不足 ー

4,500MW,パキスタンのバシャダムの総工事費は,実に126億ドルである。WAPDA総裁は,2018年完成後は,毎年電力で15億ドル,農業で5億ドル,合計毎年20億ドルの便益があるという。インダス川の上流で,実質パキスタン実効支配地域とは言え,国際的には国境未確定地域である。世界銀行は,それを理由に,支援を拒否した。

バシャダムこそが,新しい文民政権の国民統合の象徴,と考えるザルダニ大統領は,北京を訪問したときに,湖錦濤主席に直接その支援を訴えた。湖錦濤主席は,明確に答えを与えなかったのではないか,と言うことは,民間資金の可能性を考えたのではないかと思われる節がある。ザルダニ大統領は,湖錦濤主席の支援が受けられる,と考えているようだ。

パキスタンの国家経済委員会幹部会ECNECは,バシャダム(注1)の用地確保のため1,165億ルピーを承認したが,土地取得は予算の目処が立つまで待て,と言われている。パキスタンの手持ちの資金はこれだけである。見切り発車,と言うことだろう,この2008年11月27日,総工事費126億ドルの戦略的なプロジェクト,ディアマー-バシャダム(注1)に対する施工業者の事前資格審査(注4)が強行された。

現在パキスタンは,中国を中心に,オイルマネーのUAE,クウエート,また中国など,トップレベルとの交渉を続けていると言う。2009年1月にはコントラクターの決定にこぎ着ける。11企業が資格審査に応じたが,それらの国籍は,中国,EU,UAEの企業で,具体的な名前は明らかにされていない。当然パキスタンとしては,各国トップの資金協力を待って,業者決定を行う構えだ。

今日のWAPDA総裁の話は,多分にこの資金協力への下ごしらえのためであろう。これだけの大プロジェクトで,世界一の汚職国と言われているパキスタンに対して,皆尻込みするであろうから,WAPDA総裁は,まず,財務担当のアドバイザーを来年早々にも指名する,と切り出して,後は内貨外貨に区分した毎年の支出計画を発表している。

このバシャダムは,一時,大昔に,ニュージェックのメンバーが現地を訪ねて,その急峻なアクセスに,大声を上げていたのを覚えている。パキスタンにとってはまさに戦争である。インドのシェナブ川のバギリハールダムの完成に対抗する意識も強く,どうか,実際の戦争を行わずに,このようにダム建設で模擬戦争をやってもらえれば有り難い。パキスタン,頑張れ。

(注) (1) Diamer-Bhasha dam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081204A.htm,(3) pre-qualification,(4) Chairman Water and Power Development Authority (Wapda) Shakeel Durrani,(5) Chenab River,(6)


本文

●パキスタンのバシャダム,金融専門家を招聘へ

資金調達の目処がつかないまま,いよいよ入札に入ったパキスタンのディアマ-バシャダム(注1),2008年12月4日付本HP(注2)では,内外の10企業が事前資格審査(注3)に応募したことを報じている。126億ドルに上る資金調達については,パキスタン政府は努力を続けており,UAE,クウエート,中国の最高位レベルとの交渉を行っており,他にもパキスタンの友好国とも接触している,と報じられた。世界銀行は拒否。

このような状態の中で,パキスタンは,まさしく戦争前夜の様相である。政府は国民の一致団結を呼びかけている。パキスタン政府の高官筋が明らかにしたところでは,政府は,財務担当のアドバイザーを雇う計画で,来月,2009年1月には決定する,これは財務関係で,不適切な方法を避け,完全にコントロールするためだ,と述べている。多分に,資金調達先を意識した発言である。

ドウラニWAPDA総裁(注4)は,汚職の防止を含めて,WAPDAと共に,財務状態をモニターする役割として,財務担当のアドバイザーを雇う計画,と話している。また,最終的な規模は,4,500MWで,年間20億ドルの収益を上げることが出来る,としている。また,財務担当のアドバイザーと同時に,入札結果も,2009年1月には明らかになるとしている。

現時点では,入札企業,殆どが海外企業であるが,のショートリストに焦点を当てている段階だと。すべてが円滑に行き,資金調達も間に合えば,2017〜2018年に完成する予定である,と。シェナブ川(注5)でインドが水をストップして以来,パキスタンは現在,電力不足と水不足に悩んでいる,この危機は更に今後拡大してゆく様相を見せている,と危機感を煽っている。

WAPDAの計算では,電力で年間15億ドル,農業で年間5億ドルの収益を上げる見込みであり,これは,経済専門機関も支持している。2018年までの支出予定も把握している。2008〜9年で545百万ドル,2009〜10年で725百万ドル(内貨545,外貨180),2010〜11年で996百万ドル(内貨735,外貨261),2011〜12年で1,527百万ドル,以下同じように,

2112〜13年で1,421百万ドル,2013〜14年で1,586百万ドル,2014〜15年で1,664百万ドル,2015〜16年1,451百万ドル,2016〜17年で1,023百万ドル,2017〜18年で1247百万ドルとなる。最終年度には,後処理として415百万ドルが必要である。これで総額は126億ドルであり,外貨分としては5059百万ドル,内貨分は政府とWAPDAが賄うが,7,410百万ドルである。

要するに今日の記事は,ドウラニWAPDA総裁(注4)が,資金調達に必要な条件を明らかにした,と言うことで,必要な主出計画の他,何かと信用されないパキスタンの汚職問題を強く意識して,財務担当のアドバイザーを置くことを内外に宣言したわけで,これでどうか,資金を貸してくれないか,ということだ。ダム地域が国境不確定地域なので,世界銀行が供与に応じなかったのが,パキスタンを苦しくしている。

(注) (1) Diamer-Bhasha dam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081204A.htm,(3) pre-qualification,(4) Chairman Water and Power Development Authority (Wapda) Shakeel Durrani,(5) Chenab River,(6)


●ネパールの電力制限,更に5年以上続く

ネパールは水力だけに頼っている。それも,経済規模が小さいために,大規模な水力開発は出来なくて,常に洪水や渇水の影響を受ける,比較的規模の小さいダムが殆どである。新しい共和政権の元で,インドとの協力の下に,これから大規模な貯水池を建設していこうと言うことだが,大規模なだけに,建設に時間がかかり,電力不足の状態は容易に解決できない,と言うことだろう。中国紙の報道である。

ネパール電力庁NEA(注6)は,不十分な資源と電源不足によって,ネパール全国に亘る電力供給制限は,今後も少なくとも5年間は続くであろう,と悲観的な見通しを明らかにした。バシャルNEA担当(注7)は,水源の川が氷結して多くの水力発電所で水位が下がってきている,そのために,我々はやむなく,伸びてゆく需要に対応することが出来ない,と話している。

ネパールの全国の電力設備は,617MWで,他に地方に,幾つかの小水力や太陽光発電所がある。需要は現時点で,722MWであり,更に伸び続けている。NEA(注6)は先週,週間の停電時間を更に増やす決定をせざるを得なかった。ある地域では,今まで週35時間の停電であったものを,45時間に増やすことになる。

(注) (6) Nepal Electricity Authority,(7) Danda Pani Basyal, NEA public relation director,(8)

Reference

Pakistan

●081208A Pakistan, thenews
パキスタンのバシャダム,金融専門家を招聘へ
Financial adviser for Bhasha Dam to be appointed soon
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=151226

Nepal

●081208B Nepal, english.people.com
ネパールの電力制限,sqあらに5年以上続く
Power cut to continue for 5 more years in Nepal
http://english.people.com.cn/90001/90777/90851/6548982.html


2008年12月7日分 ー フィリッピンの送電網は中国へ ー

オバマ大統領候補が,引き継ぎに向けて堅実な人事を行っている様子で,皆安心してみているようだが,新聞の見出しで,親戚を重要ポストに就け始めた,と書かれていたので,何だあいつはと思って,好天の中,紅葉が少し散りかけてきた山の中をドライブしていた。更新が遅くなって,手こずった。石川遼の最後のアプローチでガックリを見てから,「親戚」とは,日系日本人のシンセキ氏の退役軍人庁長官起用だった。

フィリッピン,国会の承認がなかなか進まず,遅れに遅れた国家送電公社の運用権の譲渡問題で,中国電力網側に,10億ドルの政府への前払い金の目処がつき,いよいよ譲渡が実現する,と言うニュースが流れている。中国電網が9.5億ドル,最高値で25年の運用権入札を落札してから,半年以上は経っているだろう。国会が承認しないのではないか,とも言われていたが,国会も,フランチャイズ問題を納得したようだ。

そう言うことで,いよいよフィリッピンの送電網が,中国電網によって25年間,運用されることになるのだが,いつまで経ってもこの委託は理解できない。アジアで電力の自由化,分割民営化が進む中で,すべて発電がバラバラにされる中で,送電網は国家の中枢に据える,と言う国が多い。中国がその最たるものであるし,インドも,送電公社PGCILは絶大な権限を持っている。

国家の電力,と言うことになると,民営化の中でどの基幹が国の電力の構想を責任を持って展開するのか,それは送電網を握る会社ではないか,と思っていた。事実,中国は現在そう考えているのではないか。だから,フィリッピンの送電網が売りにでたとき,最初は九州電力なども噂に上っていたが,何度か入札が失敗して後,最後まで食いついていったのは,中国電網だった。

今日の記事を見ると,委託の内容は,高圧送電網の,運転,運用,維持,建設,設置,財務,改善,拡張,補修及び修理を包含,となっており,送電網の拡張計画及びその工事も,中国電網の責任である。結局,フィリッピンは,10億ドルの現金が欲しかったのは事実だけれど,自分たちで送電網を整備してゆく資金的な目処がなかった,と言うことなのか。ビサヤ系やミンダナオ系で,拡張が手についていないという。

日本の東海道新幹線が資金繰りに困って,中国企業に売り飛ばされ,日々の運用もすべて中国企業任せ,などという事態になればどうなるのか。そう言えば,GMのトップは,首にしなければ支援できない状態らしく,後任に,日産のゴーン社長の名前も挙がってきている。トヨタの減益は随分話題になっているが,そう言えば,日産の減益は余り話題になっていない。

先日話題になったベトナムの電力改革が,今日はまた大きく記事になっている。ベトナムの産業通商省内で,相当議論が積み重なっているようだが,またフィリッピンのような議論の蒸し返しか,と思うとうんざりする。しかし,2014年とか2015年とか言っているので,今すぐには改革はやらない,と言う意思表明とも受け取るか。なお,原子力地点は,ニントワン省(注13)と決まっているようだ。タイに先行か。

パキスタン治安当局が,インドと領有権を争うカシミール地方のパキスタン側の中心都市ムザファラバード近郊で,インド西部ムンバイで起きた同時テロへの関与が指摘されているイスラム過激派「ラシュカレトイバ」の拠点を急襲した。と報じられている。 軍のヘリコプターや車両で乗り込む場面が地元住民に目撃された,という。ザルダニ大統領は,結構平和主義者だ。

(注) (1) State-owned power monopoly Electricity of Vietnam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(5) Hanoi Power,(6) Ho Chi Minh City Power,(7) Ta Van Huong, head of the ministry’s Energy Department,(8) Electricity Regulatory Authority of Vietnam,(9) Hoa Binh,(10) Ialy, (11) Tri An,(12) Son La,(13) Ninh Thuan Province,(14) power trading company,(15) State Capital Investment Corp. (SCIC),(16) president, Dao Van Hung,,(17)

(注) (17) National Transmission Corporation,(18) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation,(19) State Grid of China,(20) Monte Oro Grid Resources,(21) Calaca High Power,(22) Philippine Stock Exchange,(23) Brown Company Inc,(24) National Grid Corporation of the Philippines,(25) President Gloria Macapagal Arroyo,(26) Visayas grid,(27) Mindanao grid,(28)


本文

●ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図

ベトナムの電力市場については,水力発電所の渇水から起こる電力不足の問題と共に,電気料金の矛盾が問題となってきた,それは特にEVN(注1)の低料金とIPPとの調整の問題であった。2008年12月3日付本HP(注2)で,産業通商省MOIT(注3)が首相に対して,EVN(注1)の独占打破を基本とする改革案を提案した,との比較的簡単な記事を解説している。

このときのキーワードは,原価方式プール市場CBP(注4)で,何のことかよく分からないが,提案したMOIT(注3)も,具体的な方策は,海外のコンサルタントや世界銀行,ADBなどの協力で,これから枠組みを造って行く,と言うものであった。私はこれを,迷走している,と表現したが,とにかくベトナムが,自由市場だが価格混乱の起こらないもの,という都合のいいものを考えている,と感じた。今日は少し詳しい報道だ。

国有の独占企業EVN(注1)は,全国の送電網と,ハノイ電力(注5)とホーチミン電力(注6)を含む11の配電会社をその傘下に置いている。この電力市場を自由化し,国有電力企業の独占を打ち破るために,産業通商省MOIT(注3)が,一連の積極的な改革案を提案した。この提案書はまもなく政府に提出されるが,その意向に関して,3つの段階を経ることを考えている。

その3つの段階とは,2014年までに発電競争市場の創成,2015〜2022年の間に競争卸売市場の形成,2024年以降に競争小売市場の創成,である。遅いですね,これでは今はやらない,と宣言しているようなものだ。この第1段階の発電競争市場の創成は,原価方式プール市場CBP(注4)と言う,少し分かりにくいキーワードが入ってくるのである。おそらく,余り取引価格が変動しない市場を考えているのか。

この電力卸売りの取引市場は,30MW以上の発電所はすべてこの市場に参入しなければならない。産業通商省MOIT(注3)筋によると,このモデルが基準として容量でなく原価としていることで,新規投資企業の参入を助け,大規模発電企業の独占を妨げる,と説明している。MOIT(注3)のタバンフオン部長(注7)は,取引市場の価格決定は,電力規制委員会(注8)が行う,と説明している。

更に続けて,この取引が円滑に進むと,発電事業者はEVN(注1)と長期の契約をしないで,発電事業者の最適の価格を提案することが出来る,と言っている。また,現在11ある配電会社を統合して,5〜7にしたいとしている。EVN(注1)は現在,全発電設備の71%を所有して,市場を独占し,競争を封じている。そこで,EVN(注1)の発電設備を3つの企業に分割し,1企業が25%以下の発電設備を持つように改革する。

産業通商省MOIT(注3)は,大規模水力,ホアビン(注9),ヤリ(注10),チアン(注11),ソンラ(注12)とすべての原子力発電所は,戦略的立場から,産業通商省MOIT(注3)の直轄にする,と言っている。最初の原子力発電所は,2020年にニントワン省(注13)に建設され,2025年までには設備出力,8,000MWが予定されている。

EVN(注1)の独占をなくするために電力取引企業(注14)が設立されるが,EVN(注1)は,依然としてただ一つの電力の引き取り手であり,卸売業者として,現体制を維持する。この電力取引企業(注14)は,EVN(注1)から独立しており,発電所から電気を買い,配電会社に売る機能を持つことになる。外部の解説者は,この改革が承認されれば,EVN(注1)は,他の発電企業と肩を並べ,もはや市場をコントロール出来ないと。

電力をEVN(注1)に売っている発電所の経営者は,この改革はIPPにとってはまさにその人生を変えるものであり,電力への投資を大きく飛躍させるだろう,と言っている。設備増強に関して,EVN(注1)は最近,外国資本の確保に失敗した場合は,国家基金を得られることで合意している。国家資本投資公社SCISC(注15)は国家資金を運用しているが,これがEVN(注1)の発電所の株式を取得することもあり得る。

この場合,SCISC(注15)かEVN(注1)のどちらかの国有企業が,51%以上の株式を所有することになる,と説明している。また,EVN(注1)が開発中の火力や水力のプロジェクトで資金を必要としたときは,SCISC(注15)が資金を供給する。政府は,電力不足を解消するために,電力インフラの増設の促進を迫られている。EVN(注1)は,420百万ドル外資に失敗,政府に対して,13プロジェクトの資金支援を要請している。

EVN(注1)のダオバンフン総裁(注16)は,このSCISC(注15)支援の方式は,2015年まで毎年80兆ドン,約47億ドル相当,の必要投資額を支援してくれるだろう,と語っている。またSCISC(注15)は,次の10年に予定されている最初の原子力発電所にも,資金調達を行うとしている。SCISC(注15)のチャンホアンリ報道官(注17)は,まだ詳細は決定していない,と説明を拒否した。

産業通商省MOIT(注3)は,先月,需要見通しを発表し,2020年時点で2262億KWhの不足が残るとしている。このためにベトナムは,中国,ラオス,カンボジアからの電力輸入が必要であり,また,2015年時点では2,240万トンの石炭輸入が必要になるとしている。EVN(注1)によると,今年,2008年の11ヶ月間の需要は,昨年同期から,25.5億KWhの減となっている。

今月,2008年12月も,まだ電力不足の可能性がある。南部の水力発電所の水位が例年より低下しており,火力発電所も問題を抱えているという。来年,2009年は,電力不足を補うため,中国より27億KWhの輸入が予定されているが,現在その購入価格について交渉中であり,今月,2008年12月中には,交渉は妥結するものと予測している。

いろいろ記事には書いてあるが,電力改革に関しては,これからまたこの制度設計をいろいろ聞かされるのか思うと,フィリッピンを思い出してうんざりである。行程表から見て,今は改革を行わない,ととってもよいが,話は随分聞かされるだろう。この記事で,政府ファンドの記述が相当にあり,寧ろこの辺りの財政面での基盤確立が,改革よりも急務といえよう。

(注) (1) State-owned power monopoly Electricity of Vietnam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(5) Hanoi Power,(6) Ho Chi Minh City Power,(7) Ta Van Huong, head of the ministry’s Energy Department,(8) Electricity Regulatory Authority of Vietnam,(9) Hoa Binh,(10) Ialy, (11) Tri An,(12) Son La,(13) Ninh Thuan Province,(14) power trading company,(15) State Capital Investment Corp. (SCIC),(16) president, Dao Van Hung,,(17)

●フィリッピン,送電公社,いよいよ10億ドル前払い,運営権委譲へ

中国企業が落札してから,長い間,国会の承認で待たされた。フランチャイズと前納金の調達の問題であったのか。そもそも,電力改革の過程で,どうして送電公社の運営権を売りに出さなければならないのか,よく分からないが,どうも必要な送電線増強プロジェクトが資金難で進まず,y7ァ無を得ず,と言うことなのか。送電網を電力セクターの基幹と捉えるかどうか,私とは相当な感覚の違いがある。

国家送電公社TransCo(注17)の運営権入札で落札したコンソーシアムは,資産運用委譲のための前払い金10億ドルの資金調達について,融資側と合意したと報じられた。昨年,2007年,のPSALM(注18)の元での国家送電公社(注17)の入札を勝ち取ったのは,中国電網(注19)と地元企業モンオロ(注20)とカラカ(注21)のコンソーシアムで,委託期間25年,入札額9,500万ドルであった。

フランチャイズの問題については,証券市場PSE(注22)への届け出を,モンオロ(注20)の持ち株会社ブラウン(注23)が,フィリッピン国家送電網NGCP(注24)とすることで,アロヨ大統領(注25)も承認した。NGCP(注24)の記者会見では,融資機関の名前は明らかにされなかったが,取引文書に署名は終わっている,と発表されている。国有企業としてのフランチャイズ承認も,国会を通過している。

このNGCP(注24)が取得する事業権は,高圧送電網の,運転,運用,維持,建設,設置,財務,改善,拡張,補修及び修理を包含するものとされている。民営化の問題とは別にして,設備の拡張や高度化は,委託された側が,資金を出すことになる。元の送電公社のプロジェクトの中には懸案が多く,今回の委託によって,問題となっているビサヤ系統(注26)とミンダナオ系統(注27)で進展が期待されている。

私は,どうしてこういう基幹インフラを,外国企業に委託してしまうのか,よく分からないですね。資金がなくて送電網の拡大が出来ないから,うん江要件を与えてその稼ぎで拡張改良して貰う,と言う発想なのですかね。それなら国内の,それも民族資本に頼ればよいものを。でもその様な入札では,外国資本が受け付けないのか。日本の国鉄路線を中国の企業に運用して貰う,そんな感じなのに。

(注) (17) National Transmission Corporation,(18) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation,(19) State Grid of China,(20) Monte Oro Grid Resources,(21) Calaca High Power,(22) Philippine Stock Exchange,(23) Brown Company Inc,(24) National Grid Corporation of the Philippines,(25) President Gloria Macapagal Arroyo,(26) Visayas grid,(27) Mindanao grid,(28)

●インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ

インドの原子力産業の将来,2008年11月13日付本HP(注28)には,「インドの原子力産業,米印協定で,一大ブームへ」,として,sひょうなや区割りを果たすであろうインドの民間企業の名前が出ている。また,昨日,2008年1月6日付本HP(注29)では,インドは,現在の原子力設備5,000MWを,2030年には20,000MWに増強する予定である,とし,オーストラリアと関わるウラニュームが話題になっている。

この土曜日,2008年12月6日,ニューデリーでは,科学技術省(注30)とインド商工会議所CII(注31)の共同主催になる,第14回技術サミット(注32)が開かれていた。期待して聞き入る内外のビジネス業界を前に,シバル科学技術大臣(注33)は,次のように切り出した,「一旦,現在交渉中のロシアや他の諸国との交渉が終われば,原子力セクターは,民間の参入を歓迎することになろう。」,と。

シバル科学技術大臣(注33)は続けて,今,インドが国際的立場で当面している問題は3つある。それは,金融経済危機,テロリズム,それに地球温暖化の問題である。そうして,再生可能エネルギーによる発電,農業の最適化,及び技術改革への動機付けの方法と求める,と要請した。また,海外企業に対しては,国内企業との合弁による積極的な参入を求めた。

(注) (28) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081113.htm,(29) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081206A.htm,(30) Department of Science and Technology,(31) Confederation of Indian Industry,(32) 14th Technology Summit and Technology Platform,(33) Science and Technology Minister Kapil Sibal,(34)

Reference

Vietnam

●081207A Vietnam, thanhniennews
ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図
Ministry eyes comprehensive power sector reform
http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=44329

Philippines

●081207B Philippines, Manila Bulletin
送電公社,いよいよ10億ドル前払い,権限委譲へ
TransCo concessionaire readies $ 1.0-B upfront fee for turnover
http://www.mb.com.ph/BSNS20081207142952.html

India

●081207C India, Economic Times
インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ
India may open nuclear sector for private players soon
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/India_may_open_nuclear_sector_for_private_players_soon/articleshow/3802569.cms



2008年12月6日分 ー インドの電力が最高警戒レベル ー

ムンバイのテロの後,一本の電話がパキスタンのザルダニ大統領執務室にかかってきた。相手は,インドのムケルジェ外相だと名乗り,インド軍はパキスタンへの攻撃態勢に移った,と通告した。ザルダニ大統領は,直ちにパキスタン訪問から帰途の途中にあるライス国務長官を呼び出した。ライス国務長官は,慌ててムケルジェ外相に電話して,偽電話と判明した。発信箇所は明らかにインド外務省内の建物だったという。

一時ザルダニ大統領は,西のアフガン国境にある軍隊を東に移す態勢を取りかけた,と言うのはこのことらしい。今日の記事を読むと,この記事の前に,何かテロリストの側から予告の電話があったようだ。よく分からないが,インドの国家ガス公社ONGCが,北東地域のハイドロカーボンに,最高度の警戒警報をかけた,これを受けて,電力省が,NTPCなど参加の公共事業体を集めて,最高警戒レベルを指令した。

テロというのは,やはり命をかけてやるから,おそらく目の前に成果が見えなければ実行する勇気がないのではないか。無人の発電所や変電所に自爆攻撃をかけても,多くの犠牲が出るのは,停電して混乱してからだから。電力設備は脆弱だと思うが,小説以外は余りテロ攻撃を聞かない。推測だが,今回のテロ予告は,ハイドロカーボンの油田を焼き払うような,壮大な警告だったのではなかろうか。

今日の最初の記事の,インドの電力問題の将来に亘る展開に関するもの,なかなか常識的なわかりやすく総括して書いてある。最後に,インドの損失電力に言及し,オーストラリアの送電網を例にとって,インドは学ぶべき,と言っている。具体的には分からないが,おそらく広大なオーストラリアで,長距離送電の成功を言っているのか。また,ハイドロカーボンにある期待を寄せているところに,関心を持った。

インドネシアの記事で,西ジャワのチタルム河が,世界で一番汚れた川,と書かれた。私たちが,青春,ではなく壮年の情熱を燃やした川をその様に言うのはけしからん。でも,上流にバンドンという100万都市を抱えての下流のダムなので,まずバンドンの下水とゴミ処理場を完備せねばならなかったのだろう。今では手順が逆で,まず上流環境の工事から始める羽目になる。

上流の水源地帯に大都市がある川,幾つかあるであろうが,アジアではそんなに多くない,寧ろ珍しい。チタルム河はその典型とも言えるが,私の気になるのは,上流に中国雲南省の昆明を持つ,ベトナム北部の紅河である。ただ,規模は全く違うけれども,我々は昭和30年代の大阪中之島の水を今でも覚えている。人間の努力によって,このように変わるのだ,と言う経験をしている。

ニューヨーク原油が,バレル40.81ドル,40ドルを割るのは目前という。30ドル台というのは随分懐かしい気がするが,2004年12月というから,案外そんなに昔ではないのだ。と言うことは,3年半ほどで,今年の夏には150ドル,5倍も高騰していたのか。その高騰の波に乗った中東景気は,これからどうなるのだろう。かえってまた車が増えたりして。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081129B.htm,(2) HSBC,(3) International Energy Outlook 2008,(4) Nuclear Suppliers Group,(5) Indo-US civil nuclear deal,(6) Nuclear Non-Proliferation Treaty,(7) Foreign Minister Stephen Smith,(8) Oil and Natural Gas Commission,(9) Reliance group,(10) first-of-its-kind hydrocarbons,(11) Krishna-Godavari basin in the Bay of Bengal,(12)

(注) (1) Oil and Natural Gas Corp. Ltd,(2) Ashok Kumar Balyan, director of human resources, ONGC,(3) Gujarat,(4) Assam,(5) Tripura,(6) NTPC Ltd,(7) NHPC Ltd,(8) Power Grid Corp. of India Ltd,(9) North Eastern Electric Power Corp. Ltd,(10) Satluj Jal Vidyut Nigam Ltd (11) Damodar Valley Corp.,(12) Bhakra Beas Management Board,(13) PGCIL chairman and managing director S.K. Chaturvedi,(14) Central Industrial Security Force,(15)


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●インドの電源開発,もう引っ返す道なし

インドの電源開発は,もう待ったなしである。2008年11月29日付本HP(注1)では,香港の銀行系のHSBC(注2)が,インドの石炭のクリーンかが,今後の投資の目玉である,と言う記事を載せていたが,インドの石炭をどうするのか,このことが,インド経済を占う大きな要素であることは間違いない。今日の記事は,全体的な視点から,インドのエネルギーを見ている貴重なものだ。週末の読み物,と銘打っている。

インドの電源開発はもう引っ返せない。7%の経済成長を続けて行くためには,次の20年間で電源を今の6倍にする必要がある。即ち,現在の143,000MWを少なくとも800,000MWにすると言うことである。まるで脱力感を煽るような数字である。問題はそれだけではないのだ。世界の6%が内蔵しているインドの石炭は,環境を阻害する硫黄分と灰分を高い濃度で含んでいるのである。

環境に破壊的な損害をもたらさないためには,どうしても,原子力,バイオ燃料,風力,太陽光を,より大きな規模で開発するような,クリーン技術を強化せざるを得ない。現在のインドのエネルギー消費は,IE報告書2008(注3)によると,一次エネルギーとしての石炭が53%,石油が31%,天然ガスが8%,水力,風力,太陽光など再生可能が6.8%,原子力が1.2%であり,これは将来基本的に見直す必要がある。

インド政府の期待は,再生可能エネルギーの開発速度を上げて,2008〜2012年に20%にすべく,新規70,000MWを再生可能で開発することである。グリーンな代替案として現実に技術が完成しているのは原子力で,世界で既に370,000MWの設備が存在する。太陽光は,確かに汚染がなく資源は無尽蔵である。しかし,全土で130000MW必要なときに,僅かに1,700MWである。

インドは太陽光に恵まれており,殆ど年中,殆ど全土で,可能である。もし,大規模発電が可能なら,大成功だろう。原油価格が下がってきている現在,太陽光や風力への大規模な投資は,経済的に不適当だ。勿論,原油価格が低く止まっていることはないが,その原油価格に比べて,太陽光や風力がそれほど安価になって,経済的になるとは思えない。

原子力は,二酸化炭素排出量が最も少ない。原子力供給国NSG(注4)の合意と,米印原子力協定(注5)の成立によって,近い将来,原子力開発のブームが来ることは間違いない。最近のこの3年間で,安全基準が改善し,危険が少なくなった。インドは,現在の原子力設備5,000MWを,2030年には20,000MWに増強する予定である。しかしそこに,問題が横たわる。

インドのウラニューム自然埋蔵量は,多く見積もっても,70,000トンである。大まかに見ても,この量は既設及び計画中の原子力発電所を動かすのに,十分とは言えない。インドはウラニュームを世界中で探し回っているが,最大の資源を持つオーストラリアは,労働党の政策,NNPT(注6)非加盟国には輸出しない,があり,悲観的である。

しかし,注目すべきは,最近インドを訪問したスミス外相(注7)は,記者会見で,インドから特別の要請があれば,平和及び軍事の二つの目的を有する場合でも,自分は考えてみたい,と述べている。インドの見通せる未来について,原子力や再生可能エネルギー開発が,大きく前進することはありえるが,石炭,石油,ガスへの依存を捨て去る可能性は考えられない。

公共部門の石油ガス委員会(注8)は,原油ガスの探査は終焉と考えているが,幸運にも,私企業のリライアンス(注9)が,活動領域を拡大しつつある。深海のハイドロカーボン(注10)で,リライアンス(注9)のベンガル湾のKG流域(注11)は,18ヶ月内に,国産ハイドロカーボンの40%を生産する見込みである。リライアンス(注9)は,これによって,外貨流出を200億ドル抑えることが出来る,と言っている。

インドは,経済成長によって,一人当たりの電力消費が年間400KWh,世界平均は2400KWh,と極めて低いが,今後急激に増えるだろう。巨大な電力不足が,インドの成長を妨げる。更にエネルギーの多様化を急ぐ必要があるが,送配電網からの莫大な損失を見逃すことは,賢明な方法とは言えない。オーストラリアに於ける最近の高圧送電網の経験は,インドを大いに勇気づけるものだ。

インドは,このオーストラリアの送電技術から多くのことを学ぶだろうし,出来るだけ詳しく調べる必要がある。この技術は,資本集中が必要で,労働力を余り必要としない。しかし,如何にクリーンで効率的かをよく検討してみる価値がある。確かに,インドに適しているかどうかには問題があるが,現在のインドの電力損失を考えれば,更に検討している必要がある。

広範ににいろいろなことが書いてあるが,インドの基本的な方向転換を図るような提案はない。ウラニュームの問題をオーストラリアとどの様に話し合うか,これは一つの至近年の大きな問題だろう。ハイドロカーボン(注10)は,環境も考慮して,果たして使い物になるのかどうか,疑問を持つ。最後に出てくるオーストラリアの送電技術は,長距離という面からの視点が高いのだろう。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081129B.htm,(2) HSBC,(3) International Energy Outlook 2008,(4) Nuclear Suppliers Group,(5) Indo-US civil nuclear deal,(6) Nuclear Non-Proliferation Treaty,(7) Foreign Minister Stephen Smith,(8) Oil and Natural Gas Commission,(9) Reliance group,(10) first-of-its-kind hydrocarbons,(11) Krishna-Godavari basin in the Bay of Bengal,(12)

●インド,発電所は,テロから自分で守る必要

テロと電力,結びつきそうでなかなか結びつかない。電力を狙ったテロ,というのは,映画にはよく出てくるが,実際にはほとんどない。発電所や変電所は無人みたいなものだから,テロリストも張り合いがない,とも言える。やはり直接的な虐殺が伴うところを狙ってくる。しかし今度のムンバイのテロでは,インドの電力セクターは,随分緊張しているようだ。

ムンバイのテロの後,電力省はすべての発電,送電企業に,自らの保安能力をアップするよう求めている。名前は挙げなかったが,電力省高官は,すべての管轄下にある公共事業体を集めて,ONGC(注1)が実施するような警戒部隊を配置することで,会議を行う,と表明した。北東部の州に位置するONGC(注1)の資産と人員が,脅かされている。

ある州政府は,州保有のハドロカーボン企業に代わり,警戒度を上げている。ONGC(注1)のバリアン労務担当(注2)は,グジャラート(注3),アッサム(注4),トリプーラ(注5)各州政府と覚書を交わして,約1,100人の警戒部隊を動員することになっている,と。電力省の会議に出席する企業は,NTPC(注6),NHPC(注7),PGCIL(注8),NEEPC(注9),SJVN(注10),テリー(注11),ダモダール(注12),バクラ(注13)。

インドの電源全設備は,145,000MW,このうち,原子力は,4,120MW,水力は,35,900MWである。これらの電源と送電線の国境付近は,テロ警戒のリストに入っている。PGCIL(注8)のチャトルベディ会長(注13)は,「我々は既にCISF(注14)の人員に守られている。事業体からでている警戒部隊も,CISF(注14)と一体化して見えるはずだ。」,と言っている。

インドの送電網は,PGCIL(注8)が運用しており,その全長は,61,875kmである。現時点では,南地域を除いて,5地域が連携している。送電網の破壊は,送電事業にとって最悪のシナリオである。もしその様なことが起これば,それから電力を受けている州は,全停電になってしまうであろう。私は,余り書きすぎだと思う。こうなったら,送電網の詳細を公表するのまで危なくなってくる。

(注) (1) Oil and Natural Gas Corp. Ltd,(2) Ashok Kumar Balyan, director of human resources, ONGC,(3) Gujarat,(4) Assam,(5) Tripura,(6) NTPC Ltd,(7) NHPC Ltd,(8) Power Grid Corp. of India Ltd,(9) North Eastern Electric Power Corp. Ltd,(10) Satluj Jal Vidyut Nigam Ltd (11) Damodar Valley Corp.,(12) Bhakra Beas Management Board,(13) PGCIL chairman and managing director S.K. Chaturvedi,(14) Central Industrial Security Force,(15)

●インドネシア,ADB,チタルム河の浄化に,5億ドル支援

インドネシアのチタルム河(注15),私もいつかは新聞記事になるだろう,と心配していた。何と言ってもチタルム河は,我々の,青春とは言わないけれど,壮年の血と涙が混じっている川だ。上流に百万都市を持つ川,それは世界中でも余りない。上流のバンドンの都市下水を処理せずに,下流にダムを造ることは,これからは許されないだろう。中国雲南省昆明の下流になるベトナムの紅川,更に大きな規模だ。

ADB(注16)は,チタルム河(注15)のクリーン化に特定して,5億ドルのローンを供与することを決定した。世界でもっとも汚れた川,と書いてある,恥ずかしい。5億ドルは15年に亘るローン(注17)である。このローンは,インドネシア政府が進める35億ドルの計画の一部を支援するものである。流域2,800万人のために,流域の2,000の工場と百万レベルの家庭からのゴミを処理する問題である。

チタルム河(注15)の流域は,インドネシアのGDPの20%を稼ぎ出しており,首都ジャカルタに住む1200万人に,表流水の80%を供給している。ADBのモリス水資源専門家(注18)は,このチタルム河(注15)の浄化には,総合的な手法が要求される,と言っている。流域の村や町,更には企業を巻き込んだ,総合的な体制を確立する必要がある,と。

また,地元のNGOのダダン氏(注19)は,汚職が心配だし,十分な情報が地元住民に伝えられるかどうか,懸念を示している。どの様な計画が進められるのか,小さい英語のパンフレットが配布されただけで,どの様に人々に説明してよいのかも分からない,と。ADBのモリス水資源専門家(注18)は,多年度ローンで15年の少額なので汚職は抑えられると。ADBと政府で協力して,よい管理を行う,と説明している。

チタルム河(注15)は,西ジャワのバンドン(注20)からジャカルタまで,北東方向に160kmの流路を持つ。私は,地元の人々の考えと同じだが,どの様な方法で浄化するのか,実際に疑問を持つ。何と言っても,バンドン(注20)の下水の完備とゴミ処理の近代化が欠かせない。私も過去に,この難題に挑戦したことがあるが,果たせていない。

(注) (15) Citarum River,(16) Asian Development Bank,(17) multi-tranche loan,(18) ADB senior water resources engineer Christopher Morris,(19) Dadang Sudarjam from the People's Alliance for Citarum, a local non-government organization,(20) Bandung, in West Java,(21)

Reference

India

●081206A India, businessspectator.
インドの電源開発,もう引っ返す道なし
WEEKEND READ: India's big test
http://www.businessspectator.com.au/bs.nsf/Article/Energy-in-India-LXUWR?OpenDocument&src=sph
●081206B India, hindustantimes
発電所は,テロから自分で守る必要
Power plants may get to raise own forces
http://www.hindustantimes.com/StoryPage/StoryPage.aspx?sectionName=BusinessSectionPage&id=889a1731-9fe0-4e01-8821-f9048de699c5&&Headline=Power+plants+may+get+to+raise+own+forces

Indonesia

●081206C Indonesia, The Jakarta Post
ADB,チタルム河の浄化に,5億ドル支援
ADB Gives Indonesia $500 Million to Clean Up World's Dirtiest River
http://www.voanews.com/english/2008-12-05-voa15.cfm


2008年12月5日分 ーパキスタンがインドへ水補償要求 ー

ロシアのメドベージェフ大統領が今ニューデリーに滞在中。インド南部タミルナド州の原子力発電所に,ロシアが原子炉4基を新たに建設することなどで正式合意した,と国内でも報じられ,インドも発表している。米印原子力協定の成立を受けて,日本など原子力供給国グループ(NSG)が,インドへの機器輸出を認めたため,ロシアもやりやすくなった,と書いてある。フランスやロシア,全く抜け目のない動きである。

長く海外に行って来て,羽田から車で都内まで走って帰ってくると,東京というのは何と沢山お金をかけた町か,と思ってしまう。橋とか道路もそうだけれど,都心のビル群なども,地下鉄なども,全部入れると資産価値は一体どうなるのか,とよく考える。つれづれなるままに,少なくとも社会資本の価値ぐらいは分かるだろう,と調べてみたら,新潟大学の先生が,約492兆円と勘定されていた。もっと多いのではないか,と言う感じ。

この前,石放送大学総長の,国の借金と個人の借金は違う,国は自分で紙幣を増刷できるから,と言っていたが,まだ意味がよく分からないが,国の借金というのは,誰がコントロールするものなのか。政府の主人は次々と替わっていくから,幾らでも先送り可能で,何処で限界が現れてくるのか。いつまでも借金だけが頭の中にあったら,ODAも大きな顔をして出て行けないではないか。どこかで帳消しにする必要がある。

帳消しにするなら,早いほうがよいのではないか。その新潟の先生によれば,社会資本の生産性だけを取り上げて492兆円の価値がある,という。借金の方は,2004年時点で地方債も入れて619兆円らしい。社会資本を全部売り払っても,まだ120兆円ほどの借金が残ることになる。でも500兆円と100兆円では,大変な違いだから,100兆円ぐらいはそれこそ紙幣増刷で何とかならないか。

今例えば,私が国債を500億円ぐらい持っていたとすると,政府に帳消しにされる,法律で決めるから仕方がない,帳消しである。その代わり,淀川にあるダムを全部あなたに差し上げる,維持費は国家予算で出すから,これで許してくれ,と言われたら,許すのではないか。急いで借金をして,空いているダムに発電機を付けて見るとか,いろいろ努力するだろう,観光客からお金を取るとか。

これからの国債発行はすべて現物返し,としたらどうだろう。新潟大学の先生が,生産性で勘定しておられるから,うまく利用すれば,橋でも道路でも,それなりの民営化でお金が稼げるのではないか。まあ,最後はそう言うことになるのかな,と思う。年金をキチンとくれて生活さへできておれば,あの高速道路は私のものだ,といつも家の窓から眺めるだけで,楽しいのではないか,子孫代々。国に借金はない,と思ってよいことにしよう。

パキスタンは,この前も見たように,インダスの水そのものが生産のすべてである。シェナブ川(注1)のインドのダム(注2)との論争は,どの様に決着を付けるのか,と思っていたら,結局,お金で補償してくれ,とパキスタンの水資源電力大臣(注5)が,記者団に語っていた。ダムが出来て,その初期湛水の水,と随分話が細かく具体的になってきた。パキスタンは,水量は容易にお金に換算できるようだ。

とにかく,パキスタンとインドに仲良くして貰わなければ,インド北辺の仕事は何も出来なくなってしまう。今日の新聞では,ザルダニ大統領はライス国務長官に冷静を約束したらしいが,インド側は,パキスタンの軍部の関わりをまだ疑っている。ザルダニ大統領が文民政権だけに,パキスタン軍部との乖離がこの際もっとも懸念事項なのであろう。

(注) (1) Chenab river,(2) Baglihar hydro electric power project,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm,(4) 32nd Annual Convention of Institution of Electrical and Electronic Engineers of Pakistan,(5) Water and Power Minister Raja Pervaiz Ashraf,(6) National Electric Power Regulatory Authority (NEPRA),(7) Malakand-III hydropower station,(8) Attock General Limited power plant,(9) Rawalpindi,(10)

本文

●パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ

インダス河の上流,インド領内,チェナブ川(注1)にインドがバギリハールダム(注2)を完成したことで,下流本流の流況に影響を与えるとパキスタンが抗議をしている。この状況は,2008年11月23日付本HP(注3)に詳しい。パキスタンが,インダスの水問題でチェナブ川(注1)の実情を反映せよ,と言うものだが,先日からは,具体的に被害額を補償せよ,という表現に変わってきた。

今週木曜日,2008年12月4日,ラホールにて,第32回パキスタン電力年次会議(注4)が行われ,アシュラフ水資源電力大臣(注5)が出席した。その時の記者会見で,2つの点を語っている。それはインダス河の水問題であり,もう一つは,電力不足と電気料金の問題である。特に,その前の週にムンバイでテロ事件が起きており,インドとパキスタンの関係は緊張状態にある。

インダス川上流,チェナブ川(注1)にインドがバギリハールダム(注2)の問題で,アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,今,インドに対して,あらゆるレベルで,補償を支払うよう要求している,と語っている。具体的には何を言っているのか不明だが,おそらく,バギリハールダム(注2)が完成したばかりであり,この際にダムの初期湛水に使われた水を,農業か発電の損失便益に換算,と言うことなのであろう。

また,アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,国内の電力問題に言及している。国家電力調整庁NEPRA(注6)が更に電力料金を値上げする歩行にある状態の中で,中流階級に属する需要家に対して,料金値上げの影響を緩和する,と発言している。また,原油高騰の時期に,政府は電力への補助金を,1,170億ルピー支出しており,大きな赤字を抱えていることも説明した。

チェナブ川(注1)の水問題については,その流量の減分について,既にインド政府に抗議を発しており,それは首相のレベルから大統領のレベルと,関係するあらゆるレベルで抗議を行っているが,その内容は明確で,ニューデリーに対して補償を要求しているものである。アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,我々は今,インド側の回答を待っているところだ,と説明した。

アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,電力不足の問題にも言及した。現在のこの冬季の期間,1,500〜1,800MWの不足が生じているが,現在政府は緊急の手段を進めており,2009年末までには,新たに,5,000MWを追加する予定である。マラカンド第3水力(注7)は既に発電を開始しており,AGL社の発電所(注8)も,まもなく運転に入る予定である,と。

別の資料で調べてみると,マラカンド第3水力(注7)は,北西辺境州にあって出力は,81MW,2008年1月に完成したが,発電開始は少し遅れたようだ。AGL社の発電所(注8)とは,ラワンピンディ(注9)の精油所に建設されているもので,156MW,とされている。いずれにしても,アシュラフ水資源電力大臣(注5)の言う,2009年末,新規5,000MWにはほど遠い内容だ,他にあるのかな。

(注) (1) Chenab river,(2) Baglihar hydro electric power project,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm,(4) 32nd Annual Convention of Institution of Electrical and Electronic Engineers of Pakistan,(5) Water and Power Minister Raja Pervaiz Ashraf,(6) National Electric Power Regulatory Authority (NEPRA),(7) Malakand-III hydropower station,(8) Attock General Limited power plant,(9) Rawalpindi,(10)

●フィリッピン,カラカの契約遅れで,オープンアクセス制度が遅れる

私も,どうもこのフィリッピンの複雑な電力改革のルールに付き合っておれないと言う感じなのである。これを幾ら追っかけても,本質論に到達しないわけで,いつまで経っても,将来の需給の安定どころか,電力料金の安定さへ不確定である。この間に,儲けすぎたお金の処置や,ゼロサムゲームの発電所買収が絡んで,綺麗さっぱり,供給を統一した方が,人件費もプラットフォームも安くなる,と言う感じだが,今少し付き合っておこう。

電力規制委員会ERC(注10)は,暫定オープンアクセス(注11)の実施は延期せざるを得ない,と結論した。それは,787MW,カラカ発電所(注12)の787百万ドルの取引が思わぬ障害に遭遇したからである。またERC(注10)は,暫定オープンアクセス(注11)をIOAと呼んでいたものを,電力供給オプションプログラムPSOP(注13)と呼び変えることにしたようだ。

この変更の理由は,噂によれば,電力事業改革法EPIRA(注13)の中のオープンアクセス条項との法的専門用語の問題らしい。ERC(注10)は,この新たに言い換えたPSOP(注13)の実施は,あくまでカラカ発電所(注12)のNPCからの分離民営化が終了してから始める,と強調して見せた。何処に問題があるのか明確ではないが,まるでタイミングを見計らったように(注14),国会でやりとりが行われた。

今週の国会のヒアリングの席上で,PSALM(注15)は,カラカ発電所(注12)の移管に関しある問題が起こった,それは頻発する機器の分解整備の問題で,一つのユニットが100%,セミララ石炭(注16)を使ったことが引き金になったようだ,言うことを認めた。ERC(注10)は,あくまでPSOP(注13)というのは,EPIRA(注13)上,実際のオープンアクセス開始の前段階だけのものだ,と説明している。

この暫定オープンアクセスの方針は,いろいろな方面のビジネスグループに混乱を与えている。この方針は,電力供給に於いて,電力の選択の自由,への道を開くものだからだ。このシステムは,大口ユーザーには,価格の交渉に有利な立場に立たせるものだ。このPSOP(注13)に参加できる資格は,ピーク需要が1MW以上,6ヶ月後からは750KW以上となる。

このPSOP(注13)には,過去12ヶ月のピーク需要が1MWを越す需要家で,参加を望む需要家が参加する,とERC(注10)は説明している。集合の需要家団体は,対象としない,としている。供給側は,EPIRA(注13)上の制限の中で,すべての発電企業,NPC(注17)から民営化された資産の企業も含むものである。NPC(注17)自体は,70%資産売却後で,即ちカラカ発電所(注12)の移管が終了してから,となる。

これから入ってくるIPPは,NPC(注17)との引き取り契約の外にある部分について,PSOP(注13)に参加の資格がある。このような移行時期に関しては,移行時期契約TSC(注18)が有効で,その契約の範囲内でPSOP(注13)に参加できる。本当に一生懸命,基本法に照らして自由化を進める姿勢は偉いが,何処まで有効なのか,複雑なばかりである。

途中,セミララ石炭(注16)が出てきたので調べた。2004年の石炭エネルギーセンター(注19)による。フィリッピンの石炭生産量は増加傾向にあり,2003年は過去最高の200万トンに達した。国内生産はほとんど亜瀝青炭であり,その9割以上がセミララ石炭(注16)の露天掘によるものである。国内生産炭はすべて国内消費しており,石炭火力発電所及びセメント産業用に,豪州,インドネシア,中国から石炭を輸入している。

(注) (10) Energy Regulatory Commission (ERC),(11) interim open access,(12) Calaca,(13) Power Supply Option Program (PSOP),(13) Electric Power Industry Reform Act,(14) as if on cue,(15) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation,(16) Semirara coal,(17) National Power Corporation,(18) transition supply contracts (TSC),(19) http://www.brain-c-jcoal.info/publication-files/oldjcoal/jcoal-topics/Topics_J204.doc,(20)

Reference

Pakistan

●081205A Pakistan, dailytimes
パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ
Pakistan for Chenab water compensation
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C12%5C05%5Cstory_5-12-2008_pg7_2

Philippines

●081205B Philippines, Manila Bulletin
カラカの契約遅れで,オープンアクセス制度が遅れる
Interim open access to suffer delays due to snags in Calaca privatization
http://www.mb.com.ph/BSNS20081205142801.html


2008年12月4日分 ー メコン事務局長が投稿立場説明 ー

長くタイにいたので,朝のテレビの度に,ブミポン国王のニュースが流れていた。タイでは,何があってもニュースの初めは国王,それからシリントン王女,と来るので,まるで自分の国の国王のような感じになってしまう。憲法裁判所が,ソムチャイ首相を失脚させて,次はブミポン国王が何らかの意見を,誕生日の挨拶に入れてくる,と誰しも予想していたが,ブミポン国王,一言も発せず。

81歳で体の調子が悪い,と報道されている。確かに,前日のバンコクポストの写真を見ると,シリキット妃殿下の横でぐったりとしたように馬車に揺られていた。タイの国民も,ブミポン国王が何とかしてくれる,と言う甘えを捨てなければならないか。おそらく,変な言い方だが,ブミポン国王がいたから,軍部も安心してクーデターにでることが出来た。国王がいなかったら,ミャンマーのような強権でなければ抑えられなかっただろう。

バンコクの国際空港が完全再開,と言うニュースが先ほど流れていた。意外に早かった。デモの群衆が,空港から退去するときに,一生懸命掃除をしていたが,タイ人と言うものをあそこで見たような気がする。インドネシアからタイに来たときは,車で割り込むときに,運転手同士が頭を下げて挨拶するのを見て吹き出してしまったが,インドネシアでは,鉄道踏切と言えども先頭争いは戦争だった。

今日のニュースで,インドネシア,スマトラのジャンビ県の知事達が,タイ,バンコクの西方,2時間ぐらいのところに最近出来た4,000MW規模の石炭火力を見て,そのクリーンさに驚いたとか。確かあれは三菱重工の技術が入っているはずだ。タイのEGATが,スマトラに500MWの石炭火力を造るというので招待されたが,果たしてタイのEGATは,日本式のクリーンな石炭火力を,インドネシアの中国企業に見せてくれるであろうか。

タイが政治的に安定してくれなければ,メコン沿岸諸国の開発にも,障害がでるだろう。先日,プノンペンポストに,メコン河委員会は何の役割も果たしていない,と痛烈な記事が載せられた。今日驚いたのは,そこにメコン河委員会のバード事務局長が,丁寧にその批判記事に答える投稿を,個人名でしていたことだ。非常に異例といえるが,内容は,当然のことながら,非常に官僚的である。

私も知っているが,加盟諸国の政府は,事務局に対して非常に強い権限を持っている。事務局長の首をはねるぐらいは簡単な話なのだ。それは,バード事務局長の投稿にも現れていて,彼の金科玉条は,1995年メコン合意,と,カウンシル,即ち各国代表会議である。今度の,ダムによる水系への魚類の影響についても,分析に必要な情報が集まった段階でカウンシルに諮る,それまでは何も出来ない,と言うに等しい。

しかし,最近のメコン開発への不満は,魚類に集中してきた。漁獲高,それによって生活している人々の多さ,と言うことが,環境NGOのポイントになってきた。漁業に比べれば,水没移住などはまだ簡単な方で,漁業となると,その影響範囲が分からなくなってくる。また影響が間接的なだけに,補償をしようと思っても,その相手が特定できないという複雑な問題がある。NGO自身も,おそらく何処に焦点を持って行くか,難しいのではないか。

今日は,その他に,ニューヨーク原油が,バレル43.76ドルまで落ち込んだ,というニュースがある。原油の高騰で,相当な規模のパイプラインプロジェクトが動いてきたが,一服するか。インドは,ムンバイのテロで,イランからのガスパイプラインは,当面諦めたようだ。再び,トルコからイスラエルのエラット港を経るパイプラインが,その代替であるように書かれている。

(注) (1) Mekong River Cimmission,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index080926,(3) Jeremy Bird CEO, MRC Secretariat,(4) Phnom Penh Post,(5) "Dam Wrong" by Mr Stan Khan,(6) 1995 Mekong Agreement,(7) MRC Council,(8)

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125.htm,(10) pipeline between Iran-Pakistan-India (IPI),(11) petroleum minister Murli Deora,(12) Ceyhan,(13) Red Sea,(14) Baku-Tbilisi-Ceyhan pipeline,(15) Caspian region,(16) Eilat port,(17)

本文

●パキスタン,126億ドル,ディアマバシャダム,10企業が事前適格

ディアマ-バシャダム(注1),2008年11月25日付本HP(注2)で,その重要性を謳った記事が出たばかりである。「パキスタンは,まさしく戦争前夜の様相である。これは政府が国民の一致団結を呼びかけた記事と見て良かろう。インドへの挑戦状も,実は大規模ダム建設への,政府の意図的な行動,と見ることも出来るだろう。中国は既に,このディアマー-バシャダム(注1)への協力を約束している。」,と述べている。

世界銀行(注3)が,露骨に融資を拒絶する中で,この2008年11月27日,総工事費126億ドルの戦略的なプロジェクト,ディアマー-バシャダム(注1)に対する施工業者の事前資格審査(注4)が強行された。この事前資格審査(注4)は,ダム本体,河川切替,発電水路の土木工事に関するもので,政府高官が記者に語ったものである。参加したのは,中国,UAE,EUに属する企業である。当局は次のように語っている。

総工事費126億ドル,7年で完成を目指すディアマ-バシャダム(注1)は,カシミールのインドとの国境紛争地域に位置するため,世界銀行(注3)が融資を拒否したため,現在,資金の目処が立っていない。ディアマ-バシャダム(注1)は,5つの工区に分かれている。それは,ダム本体,河川切り替え,発電水路,電気機器,送電線である。このうち3つの工区で,ラホールのWAPDA(注5)で事前資格審査を終了した。

資金について,パキスタン政府は努力を続けており,UAE(注6),クウエート(注7),中国の最高位レベルとの交渉を行っている。他にもパキスタンの友好国(注8)とも接触している。今は2億ルピーがあるだけで,各国首脳クラスが資金について考えていてくれる。ディアマ-バシャダム(注1)の規模は,貯水池容量810万エーカーフィート,出力は,4,500MWである。年間,電力で15億ドル,農業で6億ドルの便益が考えられる。

国家経済委員会幹部会ECNEC(注9)は,バシャダム(注1)の用地確保のため1,165億ルピーを承認したが,土地取得は予算の目処が立つまで待て,と言われている。ECNEC(注9)は,2008〜1009年度予算で土地取得のための600億ルピーを承認しており,残りの費用は,2009〜2010年度の予算に盛り込まれるはずである。

私は,インドがこのパキスタンのディアマ-バシャダム(注1)建設に,おおっぴらに反対しているというニュースは余り聞かないが,今となってみれば,ムンバイのテロ以降,インドとパキスタンの間が緊張しており,パキスタンのアフガン国境にあった軍隊を,東のカシミールに移動するとの情報もあり,何とも微妙なプロジェクトとなってきた。ライス国務長官が,両国の間を飛び回っている。

(注) (1) Diamer-Bhasha dam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125A.htm,(3) World Bank,(4) pre-qualification,(5) WAPDA,(6) UAE, (7) Kuwait,(8) member countries of Friends of Pakistan,(9) Executive Committee of National Economic Council (ECNEC),(10)

●メコン河委員会のダムに対する見解について

メコン河の開発とメコン河委員会MRC(注1)の関係,その議論がでていたのは,2008年9月26日付本HP(注2)か。私もよく覚えているが,MRC(注1)がその役割を果たしていない,との論調が,プノンペンポストに投稿された。特に,その記事が取り上げたのは,メコン河委員会MRC(注1)が1995年に再組織されたときに交わされた基本合意文書であった。今日はこれに対して,MRC(注1)バード事務局長(注3)が,投稿で反論。

バード事務局長(注3)が答えた相手の文書は,2008年11月27日付のプノンペンポスト(注4),スタンカン氏のダムの間違い(注5)と言う投稿である。スタンカン氏(注5)は,メコン河委員会MRC(注1)は表向き,メコンの環境を守ると標榜しているが,その役割に対して非常に弱い,と指摘している。9月の地域協議会で,メコン河委員会MRC(注1)の役割が重要である,との指摘が,政府,開発企業,NGO,金融からあった。

3点について述べる。第1に,ダムのようなプロジェクトが実施される前に,1995年のメコン合意書(注6)に基づいて,政府間の公式な協議がなされる。その前に情報は供給されるが,完全情報が開発側から提供されて,メコン河委員会MRC(注1)が検討するのは,2009年早々で,これでもって正式な政府間のプロセスが行われるはずだ。

第2に,9月の地域協議会で参加者がメコン河委員会MRC(注1)の早い行動を要請したが,それは,いろいろな形の違う影響を考えて流域全体としての調査が行われるよう,戦略的で蓄積された調査研究を急ぐように,という意味と考えている。ここは,誠に官僚的な表現になっているが,どうも,個別の調査結果の報告を見て,メコン河委員会MRC(注1)は,流域としての全体的な視野に立つ,と言っているように見える。

第3に,コンサルタントはMRC(注1)の役割の重要性を知っている。それは,世界的に有名なグループと水辺環境専門家,対策の専門家を集めて,魚類の移動と将来のメコン河の魚類の生息量と地域住民の望む生活レベルを調査研究することを目的としているからである。会議の席上では同時に,世界の河川プロジェクトの経験が,引用されていた。

いずれにしても,MRC(注1)は,1995年のメコン合意書(注6)に基づいて水力開発を進めることが地域に便益をもたらすと考えており,その持続的開発を支援しながら,環境全般の問題について,積極的に行動して行く決意である。水力開発は,地域にとってまさしく絶好の機会であると同時に,危険な要素を含んでいる,と言うことは,周知の通りである。

MRC(注1)事務局は,メコン河委員会(注7)の指導を受けながら,水力開発の機会と危険を常に分析してきたところである。スタンカン氏のダムの間違い(注5)が指摘した問題は貴重であり,ここのダムプロジェクトを進めるべきかどうかの決定に対して責任を持つ各政府に,問題tんを明らかにすよう,MRC(注1)事務局は,努めているのである。

バード事務局長(注3)は,いつでもMRC(注1)にコンタクトしてくれ,と結んでいるが,誠に官僚的な回答で,1995年のメコン合意書(注6)とメコン河委員会(注7),即ち加盟国政府代表の意志決定を前提に語っている。まあ自分たちを単なる技術者グループと位置づけたわけで,プロジェクトを実施するならMRC(注1)に持ち込んでくれ,情報が十分の段階で検討の上,各国政府に伝える,受動的である。

(注) (1) Mekong River Cimmission,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index080926,(3) Jeremy Bird CEO, MRC Secretariat,(4) Phnom Penh Post,(5) "Dam Wrong" by Mr Stan Khan,(6) 1995 Mekong Agreement,(7) MRC Council,(8)

●インド,イランからのガスパイプライン,パキスタンで攻撃の可能性

インドのガスパイプラインへの挑戦,と題して,2008年11月25日付本HP(注9)で,トルコが,イスラエル経由で原油を送る案や,ラメッシュ副大臣が,ミャンマー西部を旅して,このミャンマー西部ルートへの関心を示すなど,大いに盛り上がったのは,僅か10日前であった。その間にも,イランからパキスタン経由のガスパイプラインは,相当に煮詰まったようだが,ムンバイのテロで状況は一変したようだ。

インド中央政府の閣議の模様が,漏れ伝わって来る。74億ドル,イラン - パキスタン - インド ガスパイプラインIPI(注10)は,先週のムンバイテロ事件でパキスタンの関わりが疑われ,インドが安全性に疑問を持って,棚上げの様相である。閣議に出席した閣僚から漏れてきた。関係3国の代表によるIPI(注10)に関する協議は,まもなく始まるはずであった。

ムンバイのテロの直前,デオラ石油相(注11)は,IPI(注10)に関して,送ガス費用,切り替え費用,受け取り場所,ガス価格などの懸案事項を,イランとパキスタンを入れて協議する,と語っていた。しかし,テロの後,その雰囲気は一度に消し飛んだ。イランは,最近,ガス遮断の事態が起こった場合の法的規制なども提案していた。戦争条項を罰則から除くなどの件であった。

今,トルコは,セイハン(注12),紅海(注13)を通るパイプラインを申し出ている。既に,バク-トビシリ- イハンのパイプライン(注14)は運転しており,カスピ海(注15)周辺とロシアからの原油とガスは送られている。トルコの申し出によると,原油はイスラエルのエイラット港(注16)から,紅海(注13)を経て海路,インドへ送られる。IPI(注10)の実現は,甚だ困難な情勢だし,米国との関係もある,渡りに船か。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125.htm,(10) pipeline between Iran-Pakistan-India (IPI),(11) petroleum minister Murli Deora,(12) Ceyhan,(13) Red Sea,(14) Baku-Tbilisi-Ceyhan pipeline,(15) Caspian region,(16) Eilat port,(17)

●インドネシア,タイ企業がインドネシアの石炭火力に関心

タイのEGATインターナショナル(注17)が,インドネシア,スマトラのジャンビ県(注18)を訪問し,その石炭資源に目を付けた,という記事は,2008年11月29日付本HP(注19)で見たとおりである。現地の調査によると,ジャンビ県(注18)の石炭埋蔵量は,高度の質を誇る22億トンとされている。EGATインター(注17)は,調査の結果が良ければ,現地での発電所建設も視野に入れている,と報告されている。

EGATは手っ取り早い,インドネシから既にジャンビの代表団をタイに受け入れていたのだ。この記事は,その代表団がインドネシアへ帰国して,書かれた記事である。EGATインターナショナル(注17)と国内鉱山企業(注20)は合弁で,石炭火力をジャンビ県(注18)に建設する意向,と伝えたのは,インドネシア代表団のヌルディン知事(注21)である。石炭火力の出力は,500MWで,タイはまもなく調査に入る,と伝えている。

ヌルディン知事(注21)によると,先週のタイ訪問で,タイの鉱業相と会い,タイの環境に配慮したランパン石炭火力(注22)を見せられたという。ヌルディン知事(注21)は驚きの表情で,EGATインターナショナル(注17)が初めて造ったランパン石炭火力(注22)は,バンコクから僅か2時間,1万ヘクタールの土地に,4,180MWという最大規模の石炭火力発電所を運転している,と報じた。

ヌルディン知事(注21)は,タイの2つの投資企業は,必要な手続きの後,直ちにジャンビ県(注18)の数カ所で調査活動を行うと。タイ側は,低カロリーの石炭を使うと言っている。ヌルディン知事(注21)は慎重に,まだ正式の協定を結ぶべき要請は受け取っていないが,出来れば,30年分に匹敵する余剰石炭を供給できるだろう,と語っている。また,ジャンビ県(注18)の各地区の了解は取っていないと。

ジャンビ県地方政府の了解前だが,電力はPLN(注23)が引き取り手であることを伝えたと。問題点を認識するために,内閣のシララヒ長官(注24)に,ユドヨノ大統領(注25)との面会を要請していると。ジャンビ県のスディルマン法務次官(注26)は,どの様に環境に優しい発電所を造るか,よい勉強になった,と言っている。

このランパン石炭火力(注22)というのは,タイのEGATが住民の反対に遭いながら苦労して建設した発電所で,確か,三菱重工がその機器の設計据え付けに当たったと記憶している。まさに,インドネシアの中国の石炭火力との違いが出てくるよい機会かも知れないが,EGATが,確実に日本の石炭火力への技術継承をやってくれるかどうか,その当たりがポイントだろう。

(注) (17) Egat International Co (Egat Inter),(18) Janbi province,(19) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081129A.htm,(20) Intermining and Energy Co. Ltd,(21) Jambi Governor Zulkifli Nurdin,(22) a eco-friendly coal-fired plant in Lampang,(23) Indonesian state power company PLN,(24) Cabinet Secretary Sudi Silalahi ,(25) President Soesilo Bambang Yudhoyono,(26) head of legal and organizational affairs at the Jambi provincial secretariat, Sudirman,(27)

●インドネシア,エクソン,チェプブロックの生産開始で,楽観的

インドネシアの東ジャワ,原油ガス田,チェプブロック(注27)については,昨日,2008年12月3日付本HP(注28)で報じたように,国会議員達は,東ジャワ,ボジョネゴロ(注29)のチェプブロック(注27)の原油ガス探査の遅れに重大な関心を持って,バトウガナ議員(注30)は,現場を視察したが,約束通りに工事は進んでいない,とこの火曜日の,エネルギー鉱物資源に関するヒアリングの席上で発言している。

MCL(注31)のエクソンインドネシアのラッチマン報道担当(注32)は,国会でのヒアリングを踏まえて,大丈夫だ,と強く遅れを否定,水曜日,記者団を前に,「まだ取得できていないボジョネゴロ(注29)の250ヘクタールの土地は,この,2008年12月10日までの生産開始には,支障ない。今,MCL(注31)は,プルタミナ(注33)や関係政府機関と協力して,期限に間に合うよう頑張っているところだ。」,と胸を張った。

火曜日の国会委員会(注34)では,土地取得の問題で,2008年12月10日生産開始が遅れる,と委員達の間で議論があったところだが,この場で,MCLのママン副社長(注35)は,「最初の生産は日量1,000バレルを下回るが,来年,2009年3月には,日量3万バレルに達する。」,と答えている。また,「2010年に日量10万バレル,2012年に日量16万5,000バレル,この目標は守り,全国の15%に達してみせる。」,と。

2001年に発見されたこのチェプブロック(注27)は,2億5,000万バレルの包蔵がある,と期待されている。しかし,国会議員は,250ヘクタールの土地が取得できていないことから,目標に疑問を持っていた。ボジョネゴロ(注29)のスヨト地区代表(注36)は記者に対して,我々はいつでも協力する,と言っているが,土地の下の石油がある,と知った住民は,土地の値段をつり上げている。

最初の,2008年12月10日に生産に必要な土地,20ヘクタールでさへも,まだ借地の状態で,MCL(注31)は,250ヘクタールの土地に,108億ルピー,約87万ドル相当,を用意している。委員会次席のスタン議員(注37)は,地方政府が仲介に入っての早期の解決に同意している。とにかく,先細りして行く原油の先行きについて,国会は重大な関心を持っており,これからも,国会による外国企業への監視は強まるだろうと思われる。


(注) (27) Cepu block,(28) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203B.htm,(29) Bojonegoro,(30) Sutan Bhatoegana, the deputy head of House's Commission VII,(31) PT Mobil Cepu Ltd. (MCL), the subsidiary of energy giant ExxonMobil,(32) Exxon Indonesia spokesperson Deva Rachman,(33) PT Pertamina,(34) House commission VII, which oversees energy and mineral resources,(35) MCL vice president Maman Budiman,(36) Bojonegoro regent Suyoto,(37) Sutan Bhatoegana, the deputy head of House Commission VII,(38)

Reference

Pakistan

●081204A Pakistan, pakobserver
126億ドル,ディアマバシャダム,10企業が事前適格
$ 12.6b Diamer-Bhasha dam
http://pakobserver.net/200812/04/news/topstories05.asp

Laos

●081204B Mekong, phnompenhpost
メコン河委員会のダムに対する見解について
Dam wrong about Mekong River Commission's role
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2008120322988/National-news/Dam-wrong-about-Mekong-River-Commission-s-role.html

India

●081204C India, Economic Times
イランからのガスパイプライン,パキスタンで攻撃の可能性
Attack likely to blow up IPI pipeline plan
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Attack_likely_to_blow_up_IPI_pipeline_plan/articleshow/3790092.cms

Indonesia

●081204D Indonesia, The Jakarta Post
タイ企業,インドネシアの石炭火力に関心
Thai investors eye coal-fired power plant
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/04/thai-investors-eye-coalfired-power-plant.html
●081204E Indonesia, The Jakarta Post
エクソン,チェプブロックの生産開始で,楽観的
Exxon upbeat on Cepu production schedule
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/04/exxon-upbeat-cepu-production-schedule.html



2008年12月3日分 ー ベトナムの電力改革は迷走 ー

ポーランドで開かれているCOP14,国連気候変動枠組み条約第14回締約国会議について,余り詳しいニュースが流れてこないが,時事通信は日本政府が苦境に立っている,と短い記事を載せている。不評の一因は,日本代表が,「2050年までに世界全体の温室効果ガス半減」との長期目標について,政府代表が12月2日の会議で,「拘束力はない」,と発言したためらしい。途上国への配慮が仇眼に。

米中戦略経済対話が北京で,2008年12月4日に開幕した。ポールソン米財務長官と王岐山中国副首相を共同議長としている。これに関連して,中国の中国投資公司CICの動きに注目が集まっている。「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」を見ると,外貨準備高から2,000億ドル(20兆円)もの巨費をまわして,国富ファンドとして設立,今回の世界金融危機回避への何らかの貢献が期待されていた。

しかし,現在中国国内では,CICに対する国民の不満が高まっているという。欧米ファンドへの出資の結果が,今回の金融危機で大きな損害をもたらした,その責任をどうとる,と言うことらしい。宮崎正弘さんによると,CICの楼継偉会長が演説し,「もう我々は西側の金融機関へ投資しない」,と言明したと言うのである。かって日本は,郵貯400兆円でアジア開発を,なんて頑張っていたのは,つい数年前であった。

さてベトナムだが,何度もその電力不足と不合理な電気料金体系で,改革の必要が叫ばれてきた最近であったが,ベトナムの産業通商省が首相に対して,改革の案を提案したという。記者が書いた記事は,一体何を改革しようとしているのか,よく分からないが,いずれにしても不合理な電気料金体系に,大いに悩んで居ることが,手に取るように分かる。

提案の内容は,海外のコンサルタントに委託し,世界銀行(注5)とADB(注6)の協力を得たいという。それでは,何も出来ていないのかというとそうでもなく,電力料金の決定方式として,原価方式プール市場CBP(注7)といっている。要するに,欧米やフィリッピンなどで実際に進んでいる方式とは一線を画す意志が,言葉の節々に現れている。

記事は解説している。このCBP(注7)というのは,30MW以上の規模でBOT(注8)を除く発電所は,市場の中で入札価格を提出する。ここから分かりにくいが,発電ユニットは,電力販売について,ただ一つの購買者と契約にサインする,と言うのである。この辺りは,カリフォルニアやフィリッピンで混乱を招いているプール市場とは一線を画したい意図が見られるが,言っていることがよく分からない。

私の理解としては,改革のためにコンサルタントを雇う,中央給電司令所(注9)をそのカウンターパートにする,原則はCBP(注7)方式で,一般のプール市場のような不安定なものにはしない,と言うこと,だと思う。IPPから高く買ってEVNが安く売らなければならない矛盾の解決がまず先決だと思うが,彼等も,何らかの形で,競争システムを導入しなければ,という思いがあるようだ。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081007A.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) Minister of Industry and Trade Vu Huy Hoang,(5) World Bank,(6) Asian Development Bank (ADB),(7) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(8) BOT (build-operation-transfer),(9) National Load Dispatch Centre,(10)


本文

●ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案

ベトナムの電気料金問題が重要な話題になっていることは,2008年10月7日付本HP(注1)にあるとおり,経済専門家が,ベトナムの電気料金の矛盾を論じている。また,2008年10月10日付本HP(注2)では,産業通商省(注3)が,2009年にも,20%の電気料金値上げを発表している。大体KWh当たり5セントだから徹底的に安い,インフレ懸念で挙げられない,IPP買い取りにも矛盾が出てきている。

遂に,ブフイホアン産業通商大臣(注4)が,首相に対して,改革案を提出した。これがまたよく分からないのだが,提案の内容は,ベトナムにも競争的な電力市場を創設するという。そうして,改革の要点は3点だという。産業通商省(注3)が言うには,完全に研究した結果で,それは,電力市場を創設し,法律的な枠組みの整備を行う,と言う内容のようだ。

その作業に当たっては,海外のコンサルタントに委託し,世界銀行(注5)とADB(注6)の協力を得たいという。それでは,何も出来ていないのかというとそうでもなく,電力料金の決定方式として,原価方式プール市場CBP(注7)といっている。要するに,欧米やフィリッピンなどで実際に進んでいる方式とは一線を画す意志が,言葉の節々に現れている。

記事は解説している。このCBP(注7)というのは,30MW以上の規模でBOT(注8)を除く発電所は,市場の中で入札価格を提出する。ここから分かりにくいが,発電ユニットは,電力販売について,ただ一つの購買者と契約にサインする,と言うのである。この辺りは,カリフォルニアやフィリッピンで混乱を招いているプール市場とは一線を画したい意図が見られるが,言っていることがよく分からない。

発電所というものは,その形態,火力発電,水力発電,多目的ダム水力発電,BOT発電所,などによって投資の方法が異なる。だから,それぞれが違った原則で,また違った上限や下限の価格を申し出る,こうすることによって,市場の中での急激な上昇を避けることが出来る,と言うのである。産業通商省MOIT(注3)の幹部は,このCBP(注7)方式が,最適な方法だ,と言っている。

このCBP(注7)方式だと,電力の安定を保ち,想定外の電気料金高騰を避け,更に投資企業のリスクを最少にする,と言っている。改革の三つの計画,これがよく分からないのだが,競争的な電力市場とCBP(注7)方式に適合させることができる。この三つの計画,と言っているのは,火力,水力,多目的水力,を言っているのだろうか。BOTをはずすと,意味がなくなるように思うが。

産業通商省MOIT(注3)は,中央給電司令所(注9)を,産業通商省MOIT(注3)に提言する立場に立たせる,と考えている。それは,電力供給の安全と効率と安定を確保するための問題についてだ,としている。中央給電司令所(注9)は情報を産業通商省MOIT(注3)に提供して,政府へ提出するための電力販売に関する計画策定に寄与させる。

また中央給電司令所(注9)は,地方や都市に於ける電力開発計画を審査する機能も持たせる,と考えている。新聞記者が書いたのであろうから,何を言っているのかさっぱり分からないが,私の理解としては,改革のためにコンサルタントを雇う,中央給電司令所(注9)をそのカウンターパートにする,原則はCBP(注7)方式で,一般のプール市場のような不安定なものにはしない,と言うこと。そんなこと出来るかな。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081007A.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) Minister of Industry and Trade Vu Huy Hoang,(5) World Bank,(6) Asian Development Bank (ADB),(7) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(8) BOT (build-operation-transfer),(9) National Load Dispatch Centre,(10)

●インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問

原油生産が下降線に入ったと言われ,世界の原油の先行きを暗示しているとされるインドネシアの原油であるが,インドネシア国会が神経質になり,高い関心を持っている。2008年9月10日付本HP(注10)でも報告したとおり,インドネシア国会は,「なぜ外資系企業の生産実績が落ちているのか,と言う一点である。よく言われる,生産ピークが過ぎてしまったインドネシアの原油について,国会は連日緊張したやりとりが続いている。」

国会議員達は,東ジャワ,ボジョネゴロ(注11)のチェプブロック(注12)の原油ガス探査の遅れに重大な関心を持っている。運用企業は,未だに250ヘクタールの土地の取得を終えていない。バトウガナ議員(注13)は,現場を視察したが,約束通りに工事は進んでいない,とこの火曜日の,エネルギー鉱物資源に関するヒアリングの席上で発言している。

モービルMCL(注14)が,大規模な原油ガス田チェプブロック(注12)の運転企業であるが,プルタミナ(注15)も50%の関心参加を行っている。インドネシア政府も大きな関心を寄せている。それは,チェプブロック(注12)が,全国生産量の15%にあたる日16万バレルの生産が可能と推定されており,先細りする原油生産に,大きく貢献するものと期待しているからである。

2年後に生産ピークを迎えるものと想定されているが,現段階に於いて,生産はまだ開始されていない。モービルMCL(注14)は,遅れの一つの原因は,地元住民が土地売却に応じないため,と説明している。ムナウイル議員(注16)は,地元住民が拒否している理由は,土地の提示価格が安いためである,と言っている。提示価格は平方m当たり75,000〜80,000ルピーで,ある場所では,60,000ルピーに下げている,と。

キエマス議員(注17)もこれに同調し,提示価格は不当に安い,と言っている。モービルMCL(注14)のブディマン副社長(注18)は,国会ヒアリングの席で,提示価格は,原油ガスの上流調整者BPミガス(注19)によって承認されたものだ,と説明し,提示価格を上げることはには口をつぐんだ。地元ボジョネゴロ(注11)出身のスヨト議員(注20)は,調整する,と語ったが,その方法については明らかにしていない。

このチェプブロック(注12)は,2001年3月に発見され,2億5,000万バレルを包蔵していると考えられている。このチェプブロック(注12)は,既に入手されている地区から生産を始め,2009年3月には,日量2万バレルの生産を行うと期待されている。とにかく,先細りして行く原油の先行きについて,国会は重大な関心を持っており,これからも,国会による外国企業への監視は強まるだろうと思われる。

(注) (10) http://my.reset.jp/~adachihayao/index3news0809.htm,080910D,(11) Bojonegoro,(12) Cepu block,(13) Sutan Bhatoegana, the deputy head of House's Commission VII,(14) Mobil Cepu Ltd. (MCL), a local subsidiary of United States energy giant ExxonMobil,(15) State oil and gas company PT Pertamina,(16) Wahyudin Munawir of Prosperous and Justice Party (PKS),(17) Nazaruddin Kiemas,(18) MCL vice president Maman Budiman,(19) upstream oil and gas regulator BPMigas,(20) Bojonegoro regent Suyoto,(21)

Reference

Vietnam

●081203A Vietnam,english.vietnamnet
ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案
CBP scheme to be applied for electricity pricing
http://english.vietnamnet.vn/biz/2008/12/816526/

Indonesia

●081203B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問
Exploration schedules in Cepu put into doubt
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/03/exploration-schedules-cepu-put-doubt.html



2008年12月2日分 ー 比のロペスが国産資源開発へシフト ー

タイのソムチャイ政権が即日崩壊,ここまでは読み通りだけれど,次の内閣の形が見えてこないので,まだまだ政情不安,国際空港が動き始めるまでには2週間はかかるという。それにしても,タイの人々は,空港というよいターゲットを発見したものだ。今までは政府建物の回りで,海外には影響がなかったが,空港は全世界に衝撃を与えた。また空港に来るよ,と言っているそうだが,今度は空港では,大事件になるだろう。

日本政府の中で,財政規律か景気対策か,で与党が分裂しそうな雰囲気にあるが,この国の赤字,500兆円に上ると言うけれど,はっきり言ってどういう意味を持つのか,いつも素人なりに考えてしまう。彼方此方で解説しているのは,家の家計と一緒だ,と言うけれど,どこか違うような気がする。放送大学の石学長の話を聞いていたら,彼も違うと言っていた。国民が国債を買ってくれる,何処まで行くか,の問題か。

石学長は,「家庭と違うのは,国は貨幣を印刷できますから」,ほんの一言,言ってすました顔で次の話題に移っている。肝心の所を聞かせてくれない。私は,放っておいてもよいのじゃないか,と言う気がしているわけ。少なくとも日本国民は国債を売らないだろう,と仮定すると,海外さへしっかりしておけばよい。おそらく,信用を失ってしまうどこかに限界があるのだろうけれど,それはかなり遙か向こうではなかろうか。

フィリッピンは日本と同じように,国産資源に恵まれない国だ。シンガポールや香港や日本は,資源がない状態である程度生きる道を見つけ出した感じだが,フィリッピンはいつまでも,生きる道が見つからない。外国への出稼ぎも,そんなに大きな手段ではなかろう。今度の世界的な原油高騰で,莫大な輸入のための損失を積み重ねて,もう国産エネルギーでなくては駄目だ,と叫び始めた。

そこに乗っているのが,地球温暖化と絡む,国産の再生可能エネルギー(注9),と言う概念である。国内資源,という言い方は,我々も昭和40年終わりの石油危機のときによく使った。今度はそれの上に,再生可能エネルギー,と言う天下に通用する枕詞がつく。フィリッピンは大いばりで,ASEAN諸国に先駆けて,再生可能エネルギー法案を通過させた。

ロペス財閥,というのはフィリッピンでは有名な財閥で,特に電気事業で頭角を現している。一時,ロペスの保有するEDC(注5)など,資金不足に陥ったとの情報もあったが,先日,世界銀行のIFC(注6)から41億ペソのローンを獲得し,更に今日は,少し事情がよく分からないが,5億ドル相当の金繰りがついて,系列のファーストジェン(注1)のロペス社長(注12)が勢いに乗ってしまった。

更にロペス社長(注12)は続ける。サンタリタガス発電所(注10)の再資金調達は,将来への基礎を築くもので,当社の資産の基盤となり,他の個別の資産よりはより強力なものとなるであろう,と。私には,もう少しサンタリタガス発電所(注10)の補助金の関係など,よく理解できないところがあるが,ロペス社長(注12)の怪気炎だけは感じることが出来る。そこまで本心から,再生可能エネルギーにのめり込んで居るのであろうか。

フィリッピンの国産資源は,いろいろ言われているけれども,私に言わせれば,地熱発電と水力発電しかないように思う。そう言う意味で,今度,ファーストジェン(注1)が水力発電所を手に入れて,勢いづいている。日本の丸紅もこのロペスの再生可能エネルギーに乗るような記事もあったが,丸紅側はまだ何も発表していない。本当にロペスは国産エネルギーやるならば,ルソン北の水力に手を付けるべきだ。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081126A.htm,(5) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(6) International Finance Corp,(7) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(8) Japanese conglomerate Marubeni Corp,(9) indigenous and clean energy,(10) Sta. Rita natural gas fired power facility,(11) First Gas,(12) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(13) Bank of Tokyo-Mitsubishi senior vice president Colin Chen,(14)

本文

●フィリッピンのファーストジェン,クリーンエネルギー挑戦

フィリッピンが遮二無に,再生可能エネルギー,国産エネルギーに向かう中,ロペス財閥支配下にあるファーストジェン(注1)が,これに乗って走り始めた。2008年11月27日付本HP(注2)では,再生可能エネルギー法成立を主導したアンガラ上院議員(注3)の演説が引用された。少なくとも,東南アジアの中では突出した行動で,国産エネルギーへのこだわりがこうさせた,とも言えるので,資源を持たない国の焦りともとれる。

また,2008年11月26日付本HP(注4)では,ファーストジェン(注1)の関連会社であるEDC(注5)が,世界銀行のIFC(注6)から41億ペソのローンを獲得し,従来の関係を強化した。また,2008年10月24日付本HP(注7)では,丸紅(注注8)が,ロペス財団の保有するファーストジェン(注19)の株式40%獲得を真剣に考えているようだとしている。まさに,国産エネルギー開発を主目的に,内外の企業が走り始めた。

今日の記事,ロペス財閥が支配するファーストジェン(注1)は,国際クリーンエネルギー(注9)によって,発電設備を増強する投資の牙城を築こうとしている。記者会見で,ファーストジェン(注1)は,国策に沿って,その戦略的ゴールを目指す基盤を構築する,と明言した。特に,1,000MW,サンタリタガス発電所(注10)のファーストガス(注11)の補助金関連,12銀行による544百万ドル調達による成長への補強がなされた,と。

ファーストジェン(注1)のロペス社長(注12)は,この金融危機の嵐の中でも,この過程を通じての再融資に誠実に対応する,としている。難局だからこそ,叫ぶよりも行動で示すことが,困難だろうと言っている人たちへの答えになる,と言うのである。東京三菱銀行のチェン副社長(注13)も,銀行は融資をとどめると思っている人が多いいが,そうとばかりは言えない,とバックアップしている。

チェン副社長(注13)は,スポンサーが優れ,経済的合理性があるような資金調達は,今回のように,多くの銀行を惹き付けるものだ,と言っている。ロペス社長(注12)は,このような厳しい取引を経て,ファーストジェン(注1)は,他の挑戦に挑む準備をしているが,これは即ち,需要家に尽くす道だと思っている,と言っている。クリーンで再生可能な資源を探し求めることが,将来の社会への貢献になると信じている,と。

更にロペス社長(注12)は続ける。サンタリタガス発電所(注10)の再資金調達は,将来への基礎を築くもので,当社の資産の基盤となり,他の個別の資産よりはより強力なものとなるであろう,と。私には,もう少しサンタリタガス発電所(注10)の補助金の関係など,よく理解できないところがあるが,ロペス社長(注12)の怪気炎だけは感じることが出来る。そこまで本心から,再生可能エネルギーにのめり込んで居るのであろうか。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081126A.htm,(5) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(6) International Finance Corp,(7) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(8) Japanese conglomerate Marubeni Corp,(9) indigenous and clean energy,(10) Sta. Rita natural gas fired power facility,(11) First Gas,(12) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(13) Bank of Tokyo-Mitsubishi senior vice president Colin Chen,(14)

●中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など

ネパールのプラチャンダー首相(注14)が,就任早々,インドを訪問する前に北京に行ったことは記憶に新しい。そうして,最近は,インドのムケルジ外相(注15)が,一週間前にカトマンズ(注16)を訪問したばかりである。タイミングを逃さず,中国のヤン外相(注17)が,この火曜日,10人のスタッフを引き連れて,3日間の予定で,カトマンズ(注16)を訪問を訪問する。相手はヤダブ外相(注18)になる。中国外相は5年ぶりである。

ヤン外相(注17)は,滞在中,プラチャンダー首相(注14),ヤダブ大統領(注19)と会談する予定である。ネパール側のプラダン報道官(注20)
によると,会談の主題は,和平プロセスと二国間協力で,来年,2009年早々と考えられているプラチャンダー首相(注14)訪中の,基礎となるものである。中国使節団は,ドルバル広場(注21)を訪ねたり,ヤダブ外相(注18)主宰の晩餐会にも出席する。

協力プロジェクトは,カトマンズ北部の陸港(注22)やパンカル特別経済圏(注23)構築も含まれる。プラダン報道官(注20)によると,中国の無償資金は,毎年80億ルピーの見込みである。最近では,16kmのシャブルベシ - ラスワガディ間道路建設(注24),カトマンズから中国国境までの光ケーブル敷設,病院援助,などに使用されている。今後,自然保護庁舎建設(注25)やアユリベディック研究所(注26)が合意されている。

電力では,中国輸出入銀行(注27)からの2億ドルが,60MW,アッパートリシュリ第3水力(注28)が軌道に乗っており,その他,送電線建設や,カトマンズ市内のフライオーバー,などが討議の俎上に上がっている。カトマンズ峡谷の外輪線道路(注29)については,ネパール側からは要請しているが,可能性調査の結果では,中国側は消極的である,と言われている。


(注) (14) Prime Minister Pushpa Kamal Dahal,(15) Indian Minister for External Affairs Pranab Mukherjee,(16) Kathmandu,(17) Chinese Foreign Minister Yang Jiechi,(18) Upendra Yadav,(19) President Dr. Ram Baran Yadav,(20) Suresh Pradhan, spokesman for the Ministry of Foreign Affairs,(21) Kathmandu Durbar Square,(22) a dry port north of Kathmandu,(23) a special economic zone in Panchkhal of Kavre district,(24) the 16-kilometre Syabrubesi-Rasuwagadhi highway,(25) National Trust for Nature Conservation,(26) Ayurvedic research centre in Kathmandu,(27) Export Import Bank of China,(28) Upper Trishuli III hydropower project,(29) Outer Ring Road in the Kathmandu valley,(30)

●インド,大規模火力UMPP,ティライヤ,入札,12月29日に延期

インドの大規模火力建設UMPP(注30)については,全国11地点で計画が進んでいるが,2地点が資金調達を終わった段階で,他の地点についてはまだ目処がついていない。ADBは,規模が大きすぎて資金調達困難,2,000MWクラスに縮小すべき,と提言を行っている。この第3の地点,ジャルカンド(注31)のティライヤ(注32)プロジェクトについては,今も難航している。

企業主(注34)であるPFC(注33)は,今回で5回目となる入札延期を発表した。次の予定は,2008年12月29日となった。これは,入札参加予定の企業が,世界的な金融危機のため,資金調達困難と表明したためである。また,入札候補企業は,同時に,石炭供給の問題の解明を求めている。延期した間に,石炭供給鉄道ネットワークの設定も行う,としている。メリーゴーラインドシステム(注35)が焦点になっている。

入札参加予定の9つの企業の中には,タタ電力(注36),NTPC(注37),リライアンス(注38),L&T(注39),スターライト(注40)が入っている。エネルギー省高官筋は,3つの企業は入札可能と言っているが,他の企業は延期を希望した,としている。最初の計画では,このティライヤ(注32)プロジェクトは,2007年7月に入札されることになっていた。このときは,サイトについて,水などの問題があった。

ティライヤ(注32)プロジェクトは,総額1,600億〜1,800億ルピーと見られており,負債資本の割合を70対30と見ても,莫大な資本の準備が必要である。政府は,この資金調達について,外国資金の規制緩和を考慮しており,更に,5億ドルについて,対等に調達できるよう,現在検討中である。世界の金融危機は,NHPCの上場を延期し,更にこの大規模石炭火力にも遅れをもたらしている。

(注) (30) ultra mega power projects (UMPP),,(31) Jharkhand,(32) Tilaiya project,(33) Power Finance Corporation (PFC),(34) nodal agency,(35) merry-go-round system,(36) Tata Power,(37) NTPC,(38) Reliance Power,(39) L&T,(40) Sterlite Industries,(41)

Reference

Philippines

●081202A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのファーストジェン,クリーンエネルギーへ
First Gen reinforces investment thrust to include clean energy
http://www.mb.com.ph/BSNS20081202142521.html

Nepal

●081202B Nepal, kantipuronline
中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など
Chinese FM arriving
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=168802

India

●081202C India, Economic Times
大規模火力UMPP,ティライヤ,入札,12月29日に延期
Tilaiya UMPP bids deferred till Dec 29
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Tilaiya_UMPP_bids_deferred_till_Dec_29/articleshow/3781944.cms



2008年12月1日分 ー インド北部の水力二つ前進へ ー

タイのバンコク空港騒乱,12月4日のブミポン国王の演説,インドとパキスタンの関係悪化,ライス国務長官の12月3日のインパキ訪問,とアジアのエネルギー最前線でも,関心の高いところだが,このところの原油価格の下落の影響が,彼方此方に響いてくる。バレル50ドルを切ってくる場面も出てきている。人類はこれまでに1兆バレルを消費し,残りは1.2379兆バレルという,生産ピークが近づいているという観測もあるが。

昨夜のNHKの中東の番組,JBICの前田さんが大活躍をしていたが,NHK,少し遅かったのではないか,と心配して上げる。今年,2008年5月頃,日本のジェネコンの人は,アダチさん,あなたなど相手にしておれませんよ,中東が忙しくて。1000億のプロジェクトなど,中東にはごろごろしているのだから,と日本企業の中東への動員が最盛期にあった,あのころのNHKならよいタイミングだったのだが。

経済産業省が今年,2008年11月末に,東京で予定していたSWFなどと日本企業との商談会,「アブダビ投資セミナー」,が中止になったと報ぜられている。1兆ドルを動かしていた中東の公的ファンドに,明らかに異変が起きている。それは,原油価格暴落と米国やアジアの株式市場の下落が,中東ファンドを襲っている,と書かれている。IEAは,2030年,原油バレル200ドルを予想しているが,問題はこの2〜3年だ。

結局,日本企業がが一斉にある方向に向かってシフトするから,その前提が崩れたときの揺り戻しの影響は大きい。絶対に中東は伸びる,と言う方向性は間違いないかも知れないが,アジアと中東では事情が大きく異なる。原油を除くと,中東は裸になる可能性がある。2兆バレルのうち,もう半分の1兆バレルを使ってしまったのだから。雅子さんの論文,池まで半分が蓮で埋まった,全部が埋まるのはいつですか,の問いかけと同じだ。

パキスタンが一生懸命,西に動いていた軍隊を,今懸命に東に移動させているという。そのような右往左往している間に積み重なる負債は大きい。日本企業のエネルギーシフトは,当然各企業の作戦によるが,往々にして勢いに飲まれてしまう。中東だ,と社長が言うと,皆中東に行ってしまって,アジアが手薄になってしまう。中東の次はアジアのどこか,このエネルギー最前線を見ながら,じっくりと方針を練って頂きたい。

インドの北辺の水力は,何とか前に進んでいる。今日の記事は,国内企業のGVKの,ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)近く,アラカンダラ川(注7)上にある,360MW,アラカンダラ水力(注2)の順調な推移と,オランダの電力大手,ブラッケル(注25)の,ヒマッチャルプラデシュ州(注22)の400億ルピー,960MW規模,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)が,2年の苦難あげく,署名にこぎ着けたニュースである。

アジアのエネルギー最前線で,焦点と思われるのは,東南アジア主要国で進む原子力,インドの米国との協力による原子力開発,それと組み合わせになるインド北辺,それはネパールもブータンもパキスタンも巻き込んでの,ヒマラヤ大規模水力開発作戦である。中東の見極めは難しいところだが,アジアへとって返す日本企業の連合部隊も,そろそろ船など,手配した方がよいのではないか。

(注) (1) GVK Power and Infrastructure,(2) Alaknanda hydro power project,(3) Rishikesh,(4) Uttarakhand,(5) Jegurupadu-II plant,(6) Gautami plant,(7) Alaknanda river,(8) Koteshwar dam,(9) Tehri dam,(10) GVKPIL CFO Issac George,(11) power purchase agreement,(12) Uttar Pradesh Power Corporation,(13) Bharat Heavy Electricals,(14) Andhra Pradesh,(15) Punjab,(16) Reliance Gas Corporation,(17) Jaipur,(18) Kishangarh,(19) Airports Company South Africa and Bidvest,(20) Mumbai International Airport (MIAL).,(21) Airports Authority of India,(22)

(注) (22) Himachal Pradesh,(23) Thopan-Powari-Jangi hydropower project,(24) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081116D.htm,(25) Dutch power major Brakel Corp,(26) Principal Power Secretary Ajay Mittal,(27) Kinnaur district,(28) pre-implementation agreement (PIA) ,(29) upfront premium,(30) Shimla,(31) Brakel’s top official in Shimla B.R. Gautam,(32) Dean Gesterkamp,(33) Anil Wahal,(34) Bharatiya Janata Party,(35)


本文

●インド企業GVKのアラクナンダ水力順調,繰り上げ

インドの有力なインフラディベロッパー,GVK電力(注1)は,ムンバイ空港などで有名な企業の一派であるが,発電企業としては,220MW,ジェグルパド第2(注5)と,464MW,ガウタミ(注6)の二つのガス発電所を持っている。2008年10月までガスが供給されなかった,という記事が残っているが,今はどうなっているのだろうか。ネパールの水力発電所建設も参画している。

現在,GVK電力(注1)が進めている206.7億ルピーの,ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)近く,アラカンダラ川(注7)上にあるアラカンダラ水力(注2)を建設中で,金融危機の中にも関わらず,予定を繰り上げて発電できる予定という。この地点は,地図で確認すると,ニューデリーから北北東180kmの地点にあり,立地は最高である。近くには,コテッシュバール(注8)やテリー(注9)のダム群がある。

GVK電力(注1)のジョージCFO(注10)によると,着工から15ヶ月経って,河川切り替えを終わったところだが,52ヶ月の予定を48ヶ月に切り上げて完成の見込みという。他の多くのプロジェクトが,金融危機の煽りを受けて資金調達難から,遅れが目立つ中,このアラカンダラ水力(注2)は,その影響を受けず,順調だという。GVK電力(注1)は,多国籍民間資本のコミットを受けているという。

ジョージCFO(注10)は,海外民間資本は,このアラカンダラ水力(注2)に関心を示して資金調達を続けると言っているが,今のところ,手持ちの資金で続行する見込みという。当初,14.2億ルピーを推進母体の資本として投入した。その後,11の内外の銀行から160億ルピーを調達,まだ40億ルピーを消費しただけである。

このGVK電力(注1)の進めるアラカンダラ水力(注2)は,出力330MWで4台の82.5MW機を有する。ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)から110kmの位置にある。電力購入契約PPA(注1)は,ウタルプラデッシュ電力公社UPPCL(注12)と2006年に結んでいる。資金調達は2007年8月に完了し,電気機器の調達は,既にBHEL(注13)と契約を結んでいる。

GVK電力(注1)は,発電所だけでなく多角経営に乗り出しており,都市インフラ,エネルギー,航空,病院,製造業などにも関心を寄せている。電力としてはこの他に,アンデラプラデシュ(注14)州やパンジャブ(注15)州の石炭火力開発も手がけている。216MW,ジェグルパド(注5)複合火力は,インド初めてのIPPで,投資額は102.5億ルピー,現在はリライアンス(注16)からのガス供給を待っているところである。

電力以外では,既に運用に入っているジャイプール(注17),キシャンガル(注18)間の道路を手がけた。また合弁で,GVKグループと空港企業南アフリカビッドベスト(注19)によるムンバイ国際空港プロジェクト(注20)の契約を勝ち取っており,このコンソーシアムが株式74%,インド空港会社(注21)が24%である。GVK電力(注1)の2008年度第2四半期の売り上げは,10.95億ルピーである。

(注) (1) GVK Power and Infrastructure,(2) Alaknanda hydro power project,(3) Rishikesh,(4) Uttarakhand,(5) Jegurupadu-II plant,(6) Gautami plant,(7) Alaknanda river,(8) Koteshwar dam,(9) Tehri dam,(10) GVKPIL CFO Issac George,(11) power purchase agreement,(12) Uttar Pradesh Power Corporation,(13) Bharat Heavy Electricals,(14) Andhra Pradesh,(15) Punjab,(16) Reliance Gas Corporation,(17) Jaipur,(18) Kishangarh,(19) Airports Company South Africa and Bidvest,(20) Mumbai International Airport (MIAL).,(21) Airports Authority of India,(22)

●インド,ヒマッチャルプラデシュ州,オランダ企業の水力建設を承認

ヒマッチャルプラデシュ州(注22)の400億ルピー規模,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)については,2008年11月16日付本HP(注24)で,落札したはずのオランダ企業ブラッケル(注25)が,泥沼に,「紛争の原因はよく分からないが,ミッタル次官(注26))が資金力の面からの理由を付けて,ブラッケル社(注25)をプロジェクトから排除しようとしているところから発しているようだ。」,と書いている。

政府高官筋によると,紛争の後,ヒマッチャルプラデシュ州(注22)政府は,オランダ企業ブラッケル(注25)に2006年12月,発注した数億ドルの大規模水力の実効のために,予備実施合意書PIA(注28)に署名するため,呼び出しをかけた。PIA(注28)は,一般に,どのプロジェクトでも着工に先立って必要な手続きで,2〜3日内に署名が行われる模様である。

ブラッケル(注25)は,インドの調停関連法に基づいて,PIA(注28)署名のときに,25%の予約金(注29)を払うことに同意している。この決定は,960MW,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)が推進指示が出てから2年後になされたことになる。トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)は,州都シムラ(注30)から300kmのキナウル地区(注27)に位置する。総工事費は,600億ルピーである。

ブラッケル(注25)は,既に予約金(注29)の50%,17.3億ルピーを預けており,更に,遅れによる利子,利率11%で2.10億ルピーも支払っている。残りの予約金(注29)は,分割して,PIA(注28)署名のときと,プロジェクト完成の直前に支払われることになっている。このことを問われたブラッケル(注25)の現地責任者ガウタム氏(注31)は,2〜3日内と言われている署名には,いつでも準備が出来ている,と語っている。

しかし現地責任者ガウタム氏(注31)は,まだ政府から正式な案内はないが,重役,ゲステルカンプ(注32)とワハール(注33)両取締役は,いつでも来れると言っている。また,完成は2017年を予定しており,約束より繰り上げになる。元々トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)は,国際入札で前の国会与党がブラッケル(注25)に決定したが,現与党,BJP(注34)によって,署名が遅らされてきたものである。

(注) (22) Himachal Pradesh,(23) Thopan-Powari-Jangi hydropower project,(24) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081116D.htm,(25) Dutch power major Brakel Corp,(26) Principal Power Secretary Ajay Mittal,(27) Kinnaur district,(28) pre-implementation agreement (PIA) ,(29) upfront premium,(30) Shimla,(31) Brakel’s top official in Shimla B.R. Gautam,(32) Dean Gesterkamp,(33) Anil Wahal,(34) Bharatiya Janata Party,(35)

Reference

India

●081201A India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデシュ州,オランダ企業の水力建設を承認
Himachal Pradesh invites Brakel to sign power project agreement
http://www.sindhtoday.net/south-asia/40081.htm
●081201B India, Economic Times
インド企業GVKのアラクナンダ水力順調,繰り上げ
GVK Power’s hydro project to go on stream before schedule
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/GVK_Powers_hydro_project_to_go_on_stream_before_schedule/articleshow/3777108.cms


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