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2009年2月28日 ー 中国の2030年はグリーン経済を達成と ー

昨夜,梅田で,電力の旧友と飲んでいて,揚水発電所を上手に使う方法で議論していて,LNGより石炭で揚水した電気の方が安いのではないか,と口を滑らした途端,全員から,アダチさん,何を言っているのか,と,こぼれる水力の水を使った後で優先的に使うのはLNGだ,と言い出した。その様なことはなかろうと,よく話を聞いてみたら,LNGの船が入ってきて,タンクが一杯だったらどうするか,と詰問された。

LNGのタンクはそんなにぎりぎりなのか,と思って調べていたら(注43),日本はそれぞれの企業がバラバラで,LNG備蓄については全く国家政策がないと言うことを知った。それに比べれば,欧州などは,地下タンクを利用したりして,地域の協力がまだ円滑に行っているようだ。原油の備蓄は早くから問題になっていたが,LNG船が到着して慌てふためく姿を想像して,ダムじゃあるまい,もっと造れと,少しおかしくなった,ごめんなさい。

日経の記事で,2009年2月26日のオバマ大統領の予算教書に含まれている環境政策の部分が解説してあったが,2020年に2005年比で温暖化ガス15%削減,の方針の下,排出量取引制度を導入し政府が企業に排出枠を販売して8年間で6,457億ドル,約63兆円相当の国庫歳入を目指すという。これは,政府は再生可能エネルギーへの補助を行えば,排出権がその分政府に転がり込む,と言う理屈か。

このことは今まで日本でも行っていたのですかね,私は不勉強か,この話は初めてのような気がする。地球温暖化取引は,国際的な枠組みの下に,国内でのサブ市場があるはずだから,その国内市場で政府が排出権を取得し,国内企業に売るというのか,或いは国際市場で売りに出して利益を得ようと言うのか。その時,原子力や大規模水力をどのよいに扱うのか,依然として小間物で取引するのか,よく見ておこう。

今日の収録した記事は,いずれもグリーン,フィリッピン政府のアロヨ大統領の強い意向が目に見えてくる。フィリッピンの再生可能エネルギーは,オバマ政権より前の話であるから,アロヨ大統領としては,オバマの先を行っている,という感覚もあるのだろう,随分力が入っている。ミンダナオの小さな45MWの水力の現場,それも民間企業のプロジェクトに駆けつけて,再生可能エネルギーの宣伝に,これ努めている。

中国の記事は,国際的なコンサルタント,マッキンゼーが書いた報告書の内容で,中国の,政府,産業界,学会の100人の専門家のインタービューによる,中国経済のグリーン化のポテンシャルを論じたものだ。ここでも,電気自動車の大量生産によって,原油輸入量を,2030年には今の30〜40%削減できる,としている。少し控えめの数字のような気がするが,もっと大々的に考えればよいのに,と思う。

昨夜も友人との話題に出たのだが,電気自動車に変えれば当然,発電所は何を焚くのか,と言う話になってくる。同じ化石燃料を使ったとしても,発電所の効率は,40%〜60%あるのに対して,現在のガソリン自動車の効率は10%程度という。まるでそれこそ石油をどんどん漏らしながら自動車が走っている,と言う光景に繋がる。中国の場合は,発電は原子力と水力を大量に投ずるが,それでも石炭はなかなかはずせない。

だから考えなければいけないのは,中国の場合は,ガソリン自動車を電気自動車に変えるのはよいが,実はガソリンから石炭に自動車の燃料が変わった,と言うような事態になりかねない。局地的な大気汚染などの環境問題には,電気自動車はある程度貢献するが,地球温暖化抑制には,それほど貢献できないという可能性がある。そこまで考えていてくれるのかな。自動車1億台としたら,1億KWの石炭火力が必要,これは困る。

(43) http://www.e.u-tokyo.ac.jp/cirje/network/EPM06/documents/EPM06_chap5.pdf,(44) www.kajima.co.jp/.../ex/kawagoe-fire-lng.html,(45)

本文

●フィリッピンの電力の10%は水力で賄うことが可能である

フィリッピンは,昨年,2008年11月,再生可能エネルギー法案を可決(注29)して鼻息は荒い。オバマ大統領の当選直前の法案成立だから,アイディアとしてはオバマ政権の前を行っているつもりだ。他の東南アジア諸国は,フィリッピンの再生可能エネルギーの行く末をじっと睨んでいる。私も,フィリッピンの電源開発への意欲がないことを批判の材料にしているが,今日はフィリッピンの水力がどうなって行くのか,見てみたい。

今日の記事。再生可能エネルギー法(注5)が施行されると共に,水力開発に視点が集まり,フィリッピン全土の電力供給の10%を水力発電で賄うことが可能,との見通しが持たれている。水力発電は,化石燃料と違って,基本的に,二酸化炭素(注30)や有害なガスを発生しない。マラカニアン発表(注6)は,再生可能エネルギー法(注5)の成立で,輸入化石燃料からの離脱への追求の軌道に乗った,と見られている。

化石燃料は,国土の大気汚染と地球温暖化の弊害を持つと考えられている。地熱発電,水力発電,他の国産資源の開発による電源の増大は,フィリッピンの輸入燃料への依存を著しく減少させてきた。フィリッピン政府は,同様の趣旨で,地方電化への努力の中で,太陽光発電,小水力発電,風力発電,バイオマスなどの再生可能エネルギー資源を開発してきた。

エネルギー省(注8)は,バイオマス,小水力発電,太陽光発電,風力発電は,エネルギー源多様化の中で,再生可能エネルギーの重要な部分を占めており,平均割合は,27.5%に達していると。特に水力と地熱発電は,国産発電資源の割合を高めている。以前からアロヨ大統領(注9)は,エネルギー確保の問題は,地熱,国産原油ガス,太陽光,波力,バイオ燃料を含めてた,国産及び再生可能エネルギーの開発を必要としていると。

マラカニアン報告(注6)は,再生可能エネルギー開発を盛り上げることが,政府のエネルギー確保戦略の中の重要な要素をなしている,と表現している。

(注) (1) 090228A Philippines, pia.gov.ph,(2) Hydropower can supply 10% of RP's electricity requirements, say,(3) http://www.pia.gov.ph/default.asp?m=12&r=&y=&mo=&fi=p090226.htm&no=32,(4) officials by T. Villavert Manila (26 February),(5) Renewable Energy Law,(6) Malacanang press report,(7) Department of Energy Biomass,(8) DOE,(9) President Arroyo,(10) (26) http://www.geni.org/globalenergy/library/energy-issues/philippines/index_chart.html,(27) (29) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(30) carbon dioxide,(31)

●アロヨ大統領が水力現場を視察してクリーエネルギーに関心表明

木曜日,2009年2月26日,アロヨ大統領(注15)はミンダナオに飛んだ。そこで,フィリッピンの電力供給を強化するために,私は,クリーン・エネルギー資源の開発を強く望む,と演説している。マラカニアン報告によると,大統領(注15)は51.2億ペソ,42.5MWのシブラン水力プロジェクト(注28)の現場を訪ね,クリーン・エネルギーの開発は,電力問題を扱う中で,地球の持続的天然資源の開発の重要性を強調した。

アロヨ大統領(注15)は,この2009年10月運転開始予定のクリーンエネルギー,アボイテス系列のHEDCORのプロジェクト(注16)は,水力の経済的便益だけでなく,環境に優しく,地球温暖化抑制への動機付けになる,と語っている。また,発電所現場に立ち寄って,ダバオデルスール(注17),特にバゴボ-タガバワ地区(注18)への明確な便益を讃えた。

HEDCOR(注16)のロンキジョ社長(注19)はアロヨ大統領(注15)に説明,このプロジェクト(注28)は,25年間の事業運営に亘って,1,100人の
地元民雇用と7億ペソの税収入をもたらす,と。また,建設費,150百万ペソの道路4kmが使用に供されると。他に,アポ山自然公園(注20)内の植林,流域保護のため,50百万ペソのHEDCOR(注16)の基金が設けられると。それよりも,環境に優しいことを強調。

(注) (10) 090228B Philippines, newsinfo.inquirer,(11) Arroyo favors clean energy sources,(12) http://newsinfo.inquirer.net/inquirerheadlines/nation/view/20090227-191326/Arroyo-favors-clean-energy-sources,(13) Philippine Daily Inquirer
First Posted 06:24:00 02/27/2009,(14) Filed Under: Alternative energy, Electricity Production & Distribution,STA. CRUZ, DAVAO DEL SUR?,(15) President Gloria Macapagal-Arroyo,(16) Aboitiz-owned Hedcor project,(17) Davao del Sur,(18) Bagobo-Tagabawa communities,(19) Rene Ronquillo, Hedcor president and chief operations officer,(20) Mt. Apo Natural Park,(21) run-of-river hydro plants,(22) Sibulan Hydropower Plant B,(23) Barangay Sibulan,(24) Sta. Cruz, Davao del Sur,(25) Mindanao grid,(26) (27) http://www.flickr.com/photos/kitoy/3310338005/,(28) R5-billion, 42.5-megawatt Sibulan hydropower project (SHP) in Barangay Sibulan, Sta. Cruz, Davao del Sur,(29)

●中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると

世界的に活動するコンサルタント企業のマッキンゼイ(注35)が,マクロな視点から,中国経済のグリーン化について,政府,産業界,学会などの専門家100人のインタービュ調査によりまとめた報告書の概要記事である。この報告書は,エネルギーと環境を主宰にしたもので,中国は将来数十年で,「グリーン経済(注36)」,を確立するポテンシャルを有している,としている。

中国は2030年までに,商業的には適用可能であるが,現時点では広く理解されてなく展開されていない技術への投資を通して,原油輸入量を30〜40%,石炭需要を40%,温暖化ガス排出を50%,それぞれ削減することが期待できる。「中国のグリーン経済への脱皮(注39)」,と題して,今から,2030年の間,基本的な改革達成のためのグリーン技術(注37)を効果的に展開するため,毎年,1.5〜2兆元が必要としている。

年間ベースで,エネルギー確保のために,中国全体のGDPの1.5〜2.5%の投資が必要と。例えば,次の20年間に広範に電気自動車(注40)採用,大量生産することによって,2030年に於ける原油輸入を,30〜40%削減することが出来る。また,原子力,風力,太陽光,水力などのクリーンエネルギー技術(注37)を開発して,発電への石炭依存を,現在の81%から34%に減らすことが出来る。

また,ビルや工場の広範なエネルギー効率改善技術(注41)の投入,工場の廃棄物や副産物の再利用の活発化,によって中国は,2030年には,電力と石炭需要を10%削減することが可能である。中国は過去15年で,経済の炭素効率(注38)を改善してきた実績がある。政府と民間の協力で,過去15年間,二酸化炭素と他の温暖化ガスを,毎年GDP当たり49%削減した実績あり,これは米国で1.7%,ドイツで2.7%であったものだ。

(注) (31) 090228C China, chinadaily,(32) China can build 'green economy' by 2030,(33) http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-02/26/content_7516870.htm,(34) By Zhao Tingting (chinadaily.com.cn),Updated: 2009-02-26 17:08
Comment) PrintMail,(35) McKinsey & Company,(36) green economy,(37) clean energy technologies,(38) carbon efficiency,(39) Transforming China into a "green economy",(40) electric vehicles,(41) energy efficiency improvement technologies,(42) http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/48/843e8ae600a2253d665bc609b69ada49.jpg,(43)

参考資料

フィリッピン


●090228A Philippines, pia.gov.ph
フィリッピンの電力の10%は水力で賄うことが可能である
Hydropower can supply 10% of RP's electricity requirements, say
http://www.pia.gov.ph/default.asp?m=12&r=&y=&mo=&fi=p090226.htm&no=32
●090228B Philippines, newsinfo.inquirer
アロヨ大統領が水力現場を視察してクリーエネルギーに関心表明
Arroyo favors clean energy sources
http://newsinfo.inquirer.net/inquirerheadlines/nation/view/20090227-191326/Arroyo-favors-clean-energy-sources

中国

●090228C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-02/26/content_7516870.htm


2009年2月27日 ー フィリッピンの電力需要は下方修正か ー

フィリッピンのレイエス・エネルギー長官が,フィリッピン経済の伸びの鈍化を懸念し,フィリッピン・エネルギー計画や長期電源開発計画を見直して,下方修正する作業に入る,と言っている。エネルギー計画や長期電源開発計画,それは一体何を指すのか,元々その様な基本計画がフィリッピンにあるのか,とぶつぶつ言いながら調べてみると,思うとおり,殆ど具体性のあるものはない。

今日,2009年2月27日,の日本の経済見通しは厳しく,日経によると,1月の鉱工業生産は10%減,有効求人は0.67倍,など,容易に底が見えない状況を報じている。フィリッピンも日本も,報道は誠に暗いが,下降傾向に早くも変化が訪れていることを,私は感ずる。日経は,企業の在庫調整に進む兆しが見えると報じているし,NY原油が終値バレル45.22ドルと言うのは,3日続伸であり,35ドル台だったものが急反発している。

もう一つ注目すべき記事は,ビジネスアイ(注40)の,「素材が反転か,中国目覚め,鉄鋼底打ち手応え」,である。中国鉄鋼最大手,宝山鋼鉄が2009年1月末にブラジルからの鉄鉱石輸入を約4カ月ぶりに再開すること,建設関係を中心に需要回復の兆候が出てきたと言うのである。中国の需要回復に刺激され,下落を続けていた各種鉄鋼関連の国際市況も上向き始めた,と言うのである。

最近,中国の海外資金に異変が生じている,インドネシアやパキスタンの電力開発投資を渋っている,と書いてきたが,中国の資金の資源への投資はこの環境の中でも,驚異的な活動を行っている。宮崎正弘氏のコメントであるが,上海証券新聞が2月24日,中国投資公司(CIC)が2008年度に100億ドルの利益を出した,と伝えたことが書かれている。国内はともかく,中国が資源を買いあさる限り,経済に影響が出る。

フィリッピンのレイエス・エネルギー長官の悲観的な見方で,電源開発計画を見直す,というのは,少し悲観的すぎる,と言うよりは,私の言いたいことは,電源開発というのは10年単位の長い話で,半年ぐらいの景気の落ち込みで電源開発を修正したりすると,途端に後悔せざるを得ない局面が出てくるだろう,と言うこと。電力やエネルギー開発,少なくともマスタープランは,10年平均曲線ぐらいで捉えるべき,と長官に言いたい。

フィリッピンの電源計画,需給予想は,今日もトランスコのHPに出ているが,ルソン系統は,今日,2009年2月27日午前11時58分で,ピーク需要が,6434MW,設備は,対応できる供給力が,8,022MWで,1,288MW余っている状態,しかし,ビサヤス系統は,ピーク1,115MWで供給力を越えており,ミンダナオは,ピーク1,060MWで,予備力は僅かに,301MWである。ちょっとゆっくりするか,と言う状況ではないでしょう。

長期計画は,エネルギー省のHPに出ているが,この忙しいときに,2006年作成のものをまだ持ち歩いている精神が気にくわない。数字は既に陳腐化しており,インディカティブ,と書いてある電源も,現実味が全くない。競争市場に持って行けば,政府が手を出さなくても,民間企業が競争して投資してくれる,と言うのは間違いで,電力,特に電源は,投資企業が先を見ながら競争で発電所を造るには,視野が余りにも長すぎるのである。

(注) (40) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902270014a.nwc

本文

●フィリッピンのエネルギー省がエネルギー計画を見直しへ

The demand crunch 不足 wrought 仕上げ by the global economic recession has prompted the Department of Energy (DoE) to revisit the Philippine Energy Plan, with it indicating that the close of supply-demand gap for power supply may slip to later periods. The existing Power Development Program (PDP) anticipated new capacity to be on stream starting 2011, but as demand drops, supply is seen getting stretched for several years. (注3冒頭引用)

フィリッピンに長期電源開発計画はあるのか,改めて調べてみても,JICAが手がけたものしか見つからない,NAPOCORの中に,2006年に見直したものがあるが,これはJICAが実施したマスタープランの内容,殆どそのままだろう。とにかく電力改革に一生懸命で,競争市場さへ造れば,電源は何とかなる,と言う構え。今日の記事を見ても,レイエス・エネルギー長官には,将来需給への関心は少ない。

今日の記事。世界金融危機がもたらした需要の減退により,電力需給の逼迫は遠のき,エネルギー省DOE(注5)のエネルギー計画(注6)の見直しが急がれている。現在の電力開発計画PDP(注7)は,新しい電源の投入は2011年としているが,需要の減退で,その時期は数年延びるだろう。レイス・エネルギー長官(注8)は,ある地域では,電力需要が伸びず,供給力は安定していると。

短期的には,電力を多く使う半導体産業は縮小の方向にあると,そうしてこのことは,新規電源や設備の必要時期を遅らせている。投資意欲の減退があり,積極的な開発は,新たな資本流入の時期を待って,延期されるだろうと。ルソン系統(注10)については,電源拡充の必要がある時期は送れるが,ビサヤスとミンダナオ系統(注9)については,相変わらず需給に厳しいものがあると。

このことは,発電企業にも同じ雰囲気の中にあり,プロジェクトの実施時期を見直している。例えばルソン島では,景気後退の悲惨な結果を受けて,特別経済区(注11)で事業運営を縮小,ある企業は停止しているものが出ている。ただ,ビサヤス系統(注9)は別で,ある地区では輪番停電を行っているところがあり,電源の投資計画が動いている。

(注) (1) 090227A Philippines, Manila Bulletin,(2) DoE to review energy plan as slump dampens demand,(3) http://www.mb.com.ph/BSNS20090226149084.html,(4) By MYRNA M. VELASCO,(5) Department of Energy (DoE),(6) Philippine Energy Plan, (7) Power Development Program (PDP),(8) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(9) Visayas and Mindanao grids,(10) Luzon grid,(11) special economic zones,(12)


インドネシアのプルタミナへの補助金を大幅カットへ

The government will be forced to dig deeper into its pockets for fuel subsidy allocations after a House of Representatives’ commission agreed Wednesday to give state oil and gas firm PT Pertamina greater cuts for distributing subsidized fuels.(注14冒頭引用)

水曜日,2009年2月15日,インドネシア国会の委員会(注16)が,国有石油ガス企業プルタミナ(注17)の配送部分の補助金を大幅にカットすることに同意した結果,政府は,補助金予算を大幅に下げることになった。エビタ担当総局長(注18)によると,正確な数字はまだ分からないが,配送のコストが高く,最初に想定していたように,全部の燃料に対する補助金総額は,32兆ルピア,約26億ドル相当,になるだろうと語った。

新しい制度では,プルタミナに対して固定費を採用することになる。以前から,アルファ(注19)と呼ばれていた支払いは,MOPS(注20)に対する%で計算されてきた。最初は,2009年に対して,アルファ(注19)はMOPS(注20)の8%に設定されていた。エビタ担当総局長(注18)は,現在の低い原油価格で考えると,このアルファ(注19)設定では,プルタミナ(注17)は苦しいだろう,と語っている。

新しい制度では,リッター当たり,563.57〜571.89ルピアの間の固定値に設定されることになる。この幅は,インドネシア原油価格ICP(注21)の価格バレル当たり45〜60ドルを基礎に置いている。この値は昨年設定された,587〜685ルピアに比べ高くないが,%から見ると事実上高くなる。2008年の原油価格は,今年の予想,バレル45〜60ドルに比べ遙かに高い。以下省略。

(注) (12) 090227B Indonesia, The Jakarta Post,(13) Pertamina Govt braces for higher fuel subsidy,(14) http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/26/govt-braces-higher-fuel-subsidy.html,(15) Alfian , THE JAKARTA POST , JAKARTA | Thu, 02/26/2009 8:54 AM,(16) House of Representatives’ commission,(17) PT Pertamina,(18) Energy and Mineral Resources Ministry’s director general for oil and has Evita H. Legowo,(19) alpha,(20) MOPS (Mean of Platts Singapore daily oil price traded),(21) Indonesian Crude Price (ICP),(22) (39) http://i16.photobucket.com/albums/b3/dave_win/Balikpapan/KilangPertamina.jpg,(40)

●インドネシア政府が石炭の最低料金を設定へ

To complement the recent enactment of the new mining law, the government is preparing to introduce a coal pricing index which will set the minimum selling prices required for producers.Energy and Mineral Resources Ministry Purnomo Yusgiantoro said Tuesday that a government team was working out how to formulate the index which will be used as the coal prices benchmark. (注24冒頭引用)

インドネシアの,昨年,2008年12月,国会で承認された鉱業法の影響については,2009円2月14日付本HP(注36)でも扱ったが,このときは,石油ガス企業の問題で,国内企業を優遇する内容を議論した。今日の記事では,石炭価格の統制を考えている記事で,変動する石炭価格の中で,如何にして政府の歳入を守るか,に重点が置かれている。

今日の記事。新しい鉱業法(注26)の施行を完成するために,インドネシア政府は,石炭価格指標(注37)を設定する準備に入っている,この指標(注37)は,生産企業に対する最低売炭価格を指示するものである。プルノモ・エネルギー大臣(注27)は,火曜日,2009年2月24日,政府は,石炭価格の標準として使用するための指標をどの様に設定するか,作業を行っているところである,と語った。

その日,オーストラリアとの第3次鉱業会議OZIMINE20009(注28)を主宰した大臣(注27)は,この石炭価格指標(注37)で,年次毎に異なる石炭生産量に対して,政府の歳入を最適化することを狙っている,と語っている。このOZIMINE20009(注28)には,80社以上のオーストラリアの鉱業企業が参加していた。プルノモ・エネルギー大臣(注27)は,この石炭価格指標(注37)は,法律(注29)の派生規則として設定すると。

プルノモ・エネルギー大臣(注27)は,この石炭価格指標(注37)は,既存のICI(注30)やBJI(注31)など世界的な指標を参考にすると。バンバン担当総局長(注32)は,石炭価格指標(注37)は,月ごとに変化し,最低の売炭価格を基礎とする予定だ,と言っている。即ち,石炭生産企業は,この石炭価格指標(注37)より安く売ることは出来ない,勿論,カロリー値(注33)や契約場所によって違うが,生産企業には有利だろうと。

バンバン担当総局長(注32)は,石炭価格指標(注37)は,石炭からの政府歳入の確保に資するとしている。昨年,2008年11月のセミナーで,バンバン担当総局長(注32)は,指標に従わない石炭企業には制裁を課すことになろうと。また,インドネシアの石炭生産の80%以上を占めていた所謂,PKP2B(注34)で知られる第一世代の石炭契約は,実際には価格が規制されてきている,と言っている。

しかし,このような規制は,地域政府が行った石炭契約KP(注35)には適用されてきていない。バンバン担当総局長(注32)は,このような石炭契約KP(注35)が問題なのだ,と言っている。この石炭価格指標(注37)は,2009年10月に設定され,直ちに施行されると。この派生的な規則は,石炭や金属の国内の生産企業にも適用されると。

プルノモ・エネルギー大臣(注27)は,多くの投資企業は,この派生的な規則の内容に関心を持っており,事業運用の実際は,規則の内容によると。長い間議論が続いた鉱業法(注26)は,昨年,2008年12月に国会を通過,現在,鉱業法(注26)を有効にするための4つの運用規則の作成に取りかかっている。

(注) (22) 090227C Indonesia, The Jakarta Post,(23) Govt to regulate minimum coal selling prices,(24) http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/25/govt-regulate-minimum-coal-selling-prices.html,(25) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Wed, 02/25/2009 1:53 PM | Business,(26) mining law,(27) Energy and Mineral Resources Ministry Purnomo Yusgiantoro,(28) 3rd Australian Mining Exhibition and Conference (OZMINE 2009),(29) Law No. 4/2009 on coal and mining,(30) Argus's Indonesian Coal Index (ICI),(31) Barlow Jonker's index and the Global index.,(32) Bambang Setiawan, director general of coal, mineral, and geothermal at the ministry,(33) calorific values,(34) acronym PKP2B,(35) mining contract (KP),(36) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090214D.htm,(37) coal pricing index,(38) http://www.leighton.com.au/verve/_resources/LAS_LoaJananCoalMine09.jpg,(39)

参考資料

フィリッピン


●090227A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのエネルギー省がエネルギー計画を見直しへ
DoE to review energy plan as slump dampens demand
http://www.mb.com.ph/BSNS20090226149084.html

インドネシア

●090227B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナへの補助金を大幅カットへ
Pertamina Govt braces for higher fuel subsidy
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/26/govt-braces-higher-fuel-subsidy.html
●090227C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府が石炭の最低料金を設定へ
Govt to regulate minimum coal selling prices
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/25/govt-regulate-minimum-coal-selling-prices.html



2009年2月26日 ー 米国エネルギー長官が揚水発電開発主唱 ー

オバマ大統領が50分間に亘って国会演説を行ったが,その中の,エネルギー自給を主張する下りでは,次のように報じられている。大統領は,国内の二酸化炭素排出量の上限を設け,再生可能エネルギーの生産を促進する法案を可決するよう議会に求めた。予算案では,風力・太陽光発電、バイオ燃料やクリーン・コール(環境調和型の石炭利用)および低燃費の国産車の普及に年間150億ドル拠出することが盛り込まれると。

数年前に,3万KWの海水揚水発電所が,実験的に沖縄で,Jパワーと通産省の協力で完成した。一応,実験の役割を終えたこの揚水発電所の始末について相談を受けたことがあったが,その時,私は,その揚水発電所の周囲に巨大な風力と太陽光発電を造って,揚水発電所の上部池に水を貯めておけばよい,いわば,出力不安定な再生可能エネルギーのバッテリーにすれば,と提案したが,誰も分かってくれなかった。

これは,その揚水発電所が30,000MWと小規模で,しかも,建設費が既に目的を終えて償還済み,と考えた場合,即ちそこに揚水発電所が既にあると考えた場合は,損失を考えてもバッテリーより安くつくのではないか,と思ったわけである。一般には,揚水は大規模にして資本の負荷を軽くし,揚水には石炭火力や原子力など,燃料費の安いもので揚水して,電力需要がピーク時にあるとき発電する,と言う理論である。

米国のチュー・エネルギー長官が,急に,再生可能エネルギー開発のためには揚水発電所が欠かせない,と言い始めたから大変だ。これに悪のりした感じで乗っていったのが,米国水力発電協会NHAのシオッチ専務理事である。揚水発電所への投資を促すため,免税措置などの優遇政策を,エネルギー法案の中に盛り込むよう,ロビー活動を始めるという。

揚水発電所は,私の感じでは,揚水するための原資を石炭火力と考えた場合は,規模として,1,000MWぐらいなければ,ピーク供給力として優位性を保てない,と思っている。だから,そのレベルの規模に匹敵する再生可能エネルギー開発が頭の中になければ,チュー・エネルギー長官のような発言は出来ない。まあ,彼はそれ以上の規模の再生可能エネルギー開発を,頭の中に描いているのであろう。

それともう一つ問題は,設備が2重に必要になる,と言うことである。風力が1,000MWあれば揚水も1,000MW必要で,1,000MWの需要を満たすために,2,000MWの設備が必要になる,これは発電経済ではもっとも避けたいケースである。オフピークに水を上げてピークに発電する,と決まっていれば,設備は2重になっていない。それにしてもとにかく,揚水発電所の損失を入れれば,とても高い電気になってしまう。

オバマ大統領の発言の中で,3,000マイルの送電線を新規に建設して,各所に散らばる再生可能エネルギーを集めて回るという。何処に何があるか,いつ電気があるのか,を知るために,知的送電網の発想が出てくるわけだが,余れば貯めておいてくれる,必要であれば風が吹いていなくても電気を送ってくれる揚水発電所は,オバマ政権の政策の中では,魅力的に映るのだろう。まあ,やれと言うならやりますよ,と言うところか。

本文

●パキスタンのAJK州首相がニールムジェールム水力からロイヤリティ徴収と

Azad Jammu and Kashmir (AJK) Prime Minister, Sardar Yaqboob, has said that the Pakistan government would furnish a royalty to AJK in lieu of the Neelum-Jhelum hydropower project. Yaqoob was talking to the media after visiting the head office of the City District Government Karachi (CDGK) at Civic Centre on Tuesday.(注3冒頭引用)

国境未確定地域のカシミール,その中でもパキスタン実行支配区域のアザド・ジャム・カシミール地域AJK(注4)には,そのインダス河上流に,969MW,流域変更を伴う大規模水力プロジェクト,ニールムジェールム(注6)があって,2009年2月22日付本HP(注8)にあるように,中東の資金を中核に,中国企業も加わって,着工に踏み切った。また,パキスタンには,憲法上,水力便益の地元配分が規定されている。

今日の記事。アザド・ジャム・カシミール地域AJK(注4)を統治する州政府のヤクブーブ首相(注5)は,パキスタン政府はAJK(注4)に対して,ニールムジェールム水力(注6)のロイヤリティを支払うべきだ,と主張した。また,このベースとなるものは,マングラダム(注7)で,このロイヤリティは,AJK(注4)州政府の大きな拠り所になっていると,その額は,年間,13億ルピーである。

ニールムジェールム水力(注6)は,約1,000MWであり,AJK(注4)全体としては,8,000〜12,000MWのポテンシャルを持っている。

(注) (1) 090226A Nepal, thenews,(2) AJK to get royalty from Neelum-Jhelum hydropower project’,(3) http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=164458,(4) Wednesday, February 25, 2009,By By our correspondent ,Karachi,(4) Azad Jammu and Kashmir (AJK),(5) Azad Jammu and Kashmir (AJK) Prime Minister, Sardar Yaqboob,(6) Neelum-Jhelum hydropower project,(7) Mangla project,(8) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090222A.htm,(9)

●米国水力協会NHAがエネルギー長官の揚水発言に拍手

The following is a statement from National Hydropower Association executive director Linda Church Ciocci on comments by Energy Secretary Steven Chu at the Center for American Progress Clean Energy Project's Building the New Economy event in Washington, D.C., yesterday:"The National Hydropower Association welcomes Secretary Chu's comments about the integral role pumped-storage technology must play in our national plan to expand our clean-energy resources and integrate variable renewable-energy resources into the transmission grid. (冒頭引用)

米国水力発電協会NHA(注13)のシオッチ会長(注14)は,昨日,2009年2月23日,ワシントンの米国クリーエネルギービル)注16)で行われたエネルギー関係のイベントに於けるチュー・連邦政府エネルギー長官(注15)の発言に注目し歓迎している,それは,揚水発電(注17)は系統に於いて重要な役割を果たすべきで,クリーンエネルギー拡大と,変動の激しい再生可能エネルギー(注18)を円滑に送電網に乗せる役割だ,と。

シオッチ会長(注14)は続けて,長官(注15)が指摘したように,現在に於ける米国全土のエネルギー貯留設備は限られており,その設備の殆どは,20,355MWの揚水発電所(注17)である,今後,計画されている莫大な風力発電や太陽光発電のことを考えると,揚水発電の容量を増やすことは,高い優先度を持っている,としている。NHA(注13)の揚水発電委員会は,この重要な設備の拡大について,検討を行っている,と。

我々は,エネルギー産業全体の活動として,揚水発電(注17)の理解を拡大し,すべての米国人のためである確実な政策を生み出すために,連邦政府及び議会に対して,支援を求めたい,と。我々の目指すゴールの一つは,新規の揚水発電プロジェクト(注17)に対する投資企業への意欲の醸成と,早急な開発への助勢であると。現在,連邦政府は,揚水発電(注17)を拡大する構想は持っていない。

NHA(注13)は,揚水発電開発(注17)への動機を高めるための,投資に際しての租税免除やその他の助成措置の政策化を,主唱するものだ,と。チュー長官(注15)に言っていることは正しい,我々米国は,再生可能エネルギー(注18)開発を開始するためにも,揚水発電所(注17)を開発する必要がある,と。

また別のエネルギー貯留の新技術の開発も必要であるが,揚水発電(注17)は既に十分完成した技術であるから,開発を行うべきだ。我々は,長官(注15)や政府のスタッフに,揚水発電(注17)への積極的な投資を助成する政策の実現を,促すものである,と。これは同時に,雇用など景気刺激策の一環をなすものだ。NHA(注13)は,チュー長官(注15)に協力して,揚水発電(注17)への積極的な投資を実現するよう,努力する,と。

(注) (9) 090226D Power, renewableenergyworld,(10) NHA applauds Secretary Chu's comments on pumped storage,(11) http://www.renewableenergyworld.com/rea/partner/national-hydropower-association-3340/news/article/2009/02/nha-applauds-secretary-chus-comments-on-pumped-storage,(12) Washington, DC (February 24, 2009) ?,(13) National Hydropower Association,(14) executive director Linda Church Ciocci,(15) Energy Secretary Steven Chu,(16) Center for American Progress Clean Energy Project,(17) pumped-storage,(18) renewable-energy,(19)


参考資料

ネパール


●090226A Nepal, thenews
ネパールのAJK州首相がニールムジェールム水力からロイヤリティ徴収と
AJK to get royalty from Neelum-Jhelum hydropower project’
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=164458

●090226D Power, renewableenergyworld
米国水力協会NHAがエネルギー長官の揚水発言に賛意
NHA applauds Secretary Chu's comments on pumped storage
http://www.renewableenergyworld.com/rea/partner/national-hydropower-association-3340/news/article/2009/02/nha-applauds-secretary-chus-comments-on-pumped-storage



2009年2月25日 ー インドネシア問題など中国資金の政策に異変が ー

インドネシアが積極的に進める電源開発,特に,10,000MW石炭火力クラッシュプログラム(注9)については,苦しいジャワバリ系統(注15)の需給緩和のために,よく頑張っている,と評価してきたが,ダムと石炭火力は任しておけ,と言う中国が,この殆どの発電所を引き受けることになって,インドネシアは喜んだものの,公害など,二の次にした電源確保に,やや批判も出てきていた。

しかし,少しぐらつき始めたのは,今月に入って,2009年2月11日(注56)の,「インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要」,の記事で,中国が約束の80億ドルの支出に滞りが出ていること,更に,2009年2月13日(注57)の,「インドネシア,中国が資金支援で,利子率上げを主張」,として,明らかに中国の姿勢に変化が出てきたことが明確になり,大統領以下,慌てていることが明らかになってきた。

今日の記事。インドネシアのムルパティ航空(注5)と中国の航空機製造企業シアン(注6)の間の航空機契約問題が,PLN(注59)のエネルギー開発計画(注7)に遅れをもたらすことになりそうだ。プルノモ大臣(注8)は,月曜日,2009年2月23日,ムルパティ航空(注5)の契約問題が,PLN(注59)の10,000MWクラッシュ・プログラム(注9)を遅らすかも知れない,それはプログラム(注9)が大きく中国の銀行群に依存しているから,と。

中国は,米国の経済落ち込みで輸出が大打撃を受けて,大きく国内需要に方向転換する,と世界に宣言した。ところが,ここ一月余りの中国の動きには,目を見張るものがある。最大の注目は豪州の鉱業企業リオティントへの200億ドル近い出資で,豪政府は何らかの規制をかけようとしている。その他,中国国家開発銀行によるロシア政府系石油会社への資金貸与とその見返りなど,世界が注目している。RD(注59)を引用する。

「世界は中国を必要としている。そして中国はこの立場を利用し,過去の投資や買収で犯した過ちを繰り返すことなく,将来性のある有利な買収を進めようとしている。中国が資源国の原料生産企業を狙っていることは疑う余地もないが,平常時には政治上の制限などでそれが難しかった。しかし金融危機という非常時の今,中国は世界第3の経済大国の影響力をもって行動を開始している,と記事は分析している(翻訳・編集/津野尾)」。

私は,上の記事からも,国内需要もさることながら,今が買い時と悟った中国金融が大きく舵を取り始めた,と見る。そこに,膨大な支援を約束されたインドネシアとパキスタンの問題があると思う。パキスタンのザルダリ大統領は,上海で足止めされ,インドネシアは,カラ副大統領が身を挺して獲得してきた80億ドルを棚上げされようとしている。

おそらく,「過去の投資や買収で犯した過ち」,というのは,インドネシアのカラ副大統領やパキスタンのザルダリ大統領に約束した莫大な石炭火力と水力ダムの問題も含むだろう。元々は,中国国内企業の海外進出を図るための莫大な投資の積もりであったが,もっとやらなければならないことがあるはずだ,と誰かが言い始めたのであろう。インドネシアの80億ドル,パキスタンに至っては100億ドルを越す約束になりそうだった。

今が中国にとっても山場で,世界の今や価値の下がった資源を買いまくって,一段落ついたら,再び支援を再開するものと思うが,それが半年ぐらいはかかる,と予測すれば,被害を受けるのは,一刻も早く発電にこぎ着けたいインドネシアであり,政権維持のためにも,バシャダムなどの早期着工を願うパキスタンにとっては,耐えられない時間だろう。

なお,パキスタンについては,日本と米国が動き始めていることに,注意しよう。また今日は,ベトナムに関して,原子力開発の具体的な日取りと,電力制度改革に関するEVNの抵抗,などを拾っているので,本文を見てください。

(注) (59) http://www.recordchina.co.jp/group/g28828.html,(60)

本文

●ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ

The first nuclear power plant project in Vietnam will be kicked off in 2015 and will become operational in 2020. Director of the Vietnam Nuclear Energy Institute Vuong Huu Tan talks more about the project. Vietnam is taking the first steps to build its first nuclear power plant. Why is the country aiming at nuclear power and what will be the scale of the first plant? (注33冒頭引用)

ベトナムの原子力開発計画が記事になるのは,昨年,2008年5月13日(注49)の,「原子力発電所開発が視野に入ってきた」,の記事以来である。制度的には進めていますよ,と言う姿勢であるが,技術的な内容については,勿論海外技術陣任せである。ただベトナムのすごいところは,既に2地点が具体的に決まっていること,これはタイでは真似の出来ないところである。

今日の記事。ベトナム最初の原子力発電所は,2015年に着工し,2020年に運転開始の予定である,として,ベトナムエネルギー研究所VNEI(注37)のブオン・フ・フー部長が,詳細な開発への日程を語っている。記者の一問一答である。ベトナムに於ける原子力発電の必要性は高まっている,それは,水力と火力には限界があり,近隣国からの輸入もその供給力の確保とはほど遠い,そうなれば原子力発電しかない,と。

原子力開発にとって甚だ好ましい環境は,政府のトップがその開発を支えていてくれることだ。ベトナム7政府は,その最初の原子力発電所の規模は,4,000MWで,場所はベトナム南部,ニン・トウアン県(注40)のフオック・ディン(注38)とビン・ハイ(注39)である。運転開始は2020年。どの様な問題点が,との質問に,多くの難関あり,人材,資金,インフラ,その他で,すべての問題を研究し解決すべく努力していると。

原子力発電所を動かすためには,200〜250人のスタッフが必要,これらは,火力運転員や研究施設の訓練で養成してゆく,まだ運転開始まで10年以上の日時がある。原子力産業分野の人材開発は,教育訓練省(注41)が担当するが,その全体計画は,今年,2009年初めにも政府へ提出される。原子力技術の選択は重要だが,専門家は,軽水炉型(注50)に関心を持っている。今,専門家達がその選定指針を作成している。

多くの海外の技術を研究しているが,ウエスティングハウスWH(注43)が候補に挙がっている,それは日本やフランスで実績を持っているからだが,しかし現段階では,幅を広げて研究している。政府は国会に対して,最初の原子力発電所の投資計画書を,2009年4月に提出しなければならない。2009年2月15日に,第2回目の委員会が開かれた。ベトナム原子力協会VNPA(注44)とエネルギー研究所ESTI(注45)が主管する。

2009年3月15日に,第2回の協議会を開催する。国家審査委員会(注51)は,作業部隊の報告を聞いて決定し,投資計画書を,4月に国会に上程する。国会承認と同時に,政府は的確な担当部署を選んで,プロジェクト形成と協力グループを選定する。プロジェクト形成までに2年が必要だろう。2015年工事開始となるよう,国際入札やコントラクターの選定を行う。2020年運転開始は,国の絶対目標である。

ターンキー(注52)の制度をとるが,全面的に海外企業に依存するわけではない。例えば韓国の例を見ると,2次的な仕事で最初の資金の20%は国内企業が担当している。韓国はベトナムにとってよいモデルで,彼等は,1987年に原子力発電所を開発し,1995年には既に技術の供給者となっていた。

ベトナムの原子力開発は,2020年までに,4000MWの計画である。ニン・トウアン県(注40)に二つのサイトが準備されており,一つは,ニン・フオック地区のフオック・ディン村(注47),他の一つは,ニン・ハイ地区のビン・ハイ村で,いずれも,2,000MWタービンを設置する予定である。

(注)(33) 090225A Vietnam,.vietnamnet,(34) Nuclear power project to be submitted to NA in April,(35) http://english.vietnamnet.vn/interviews/2009/02/831639/,(36) 00:23' 24/02/2009 (GMT+7),Mr. Vuong Huu Tan.,VietNamNet Bridge ?,(37) Director of the Vietnam Nuclear Energy Institute Vuong Huu Tan,(38) Phuoc Dinh,(39) Vinh Hai,(40) Ninh Thuan province, (41) Ministry of Education and Training,(42) National Assembly,(43) Westinghouse’s AP 1000 technology,(44) Vietnam Nuclear Power Association,(45) Energy Science and Technology Institute,(46) Ninh Thuan province,(47) Phuoc Dinh commune in Ninh Phuoc district,(48) Vinh Hai commune in Ninh Hai district,(49) http://english.vietnamnet.vn/biz/2008/05/782673/,(50) light water nuclear power plant,(51) state evaluation council,(52) turn-key,(53)

●ベトナムの電力改革でEVNは反対の立場を表明

The electricity price will increase on March 1, 2009, while the capability of the Electricity of Vietnam (EVN) to settle electricity shortages remains unclear. Meanwhile, EVN has expressed concerns that a strong reform of EVN would make electricity shortages more serious and make it more difficult to ensure energy security. (注25冒頭引用)

ベトナムの電力改革については,過去を見てみると,多くの不毛の議論が行われている。電力不足と電気料金の問題が,この議論に密接に絡んでくる。電力料金は上げたが,電力不足解決への決め手はなく,ましてや電力改革への糸口にも達していないのが現状だ。フィリッピンとは目と鼻の先にありながら,これほど議論の内容が違うのか,と国と国の違いを実感する記事である。

最近の議論を見てみると,2009年1月6日(注53)に,「ベトナム,電気料金値上げ案,政府へ提出」,2008年12月7日(注54)に,「ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図」,2008年12月3日(注55)に,「ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案」,2008年8月16日(注56)に,「ベトナムへの電力投資,独占企業EVNの存在が問題に」,と議論が続くが,今日の記事でもトンネルは抜けていない。

今日の記事。ベトナムの電力料金値上げは,2009年3月1日に実施されるが,電力危機に対応すべきEVN(注27)の機能は見えてこない。依然としてEVN(注27)は,EVN(注27)の改革は,電力不足を更に深刻化し,ネルぎー確保はますます困難となる,と主張し続けている。産業通商省(注28)のド・フー・ハオ副大臣(注28)は,電力産業改革のプロジェクトは,既に政府に提出済みである,と言っている。

ハオ副大臣(注28)は,EVN(注27)が,発電,送電,配電のすべての設備を握っており,すべての投資企業は,まずEVN(注27)と交渉しなければならない,まずEVN(注27)の持つ発電所を切り離すことが,緊急の課題だ,と言う。計画によると,EVN(注27)は,発電所から電気を買って配電企業に卸売りすることになり,EVN(注27)は最早,配電企業の一部,と呼ばざるを得ない。

これに対してEVN(注27)のディン・クワン・チ副総裁(注29)は,改革は電力生産と配電に,問題を引き起こす,EVN(注27)こそが,発電所をもっとも競争力のある状態で運用できる唯一の組織だ,と言っている。計画では,送電部門を独立させることになっているが,ディン・クワン・チ副総裁(注29)は,送電企業だけでは,資金を集められない,システムの拡張もままならない,と。

更にディン・クワン・チ副総裁(注29)は,EVN(注27)を分割してしまうと,高いIPPの電気を誰が買うのか,今でこそ,EVN(注27)が自分で持つ安価な水力とプールすることによってIPPの電気を吸収している,としている,他の国の例を見てみるとよい,改革は即,エネルギー確保の困難を経験しているではないか,と。

それでもなお専門家は,ベトナムの電力の競争市場を創出するために,改革を急ぐべきだ,と言っている。ハオ副大臣(注28)は,EVN(注27)の改革は絶対である,とし,しかし段階を踏む必要があり,実際の電力競争市場を持つのは,2024年以降だ,と言っている(なんだ,やらないと言うことか)。ハオ副大臣(注28)も,送電部門が独立すると,資金調達が難しくなる,と認めて,年10億ドルの資金をどうするか,と言っている。

専門家はこれに対して,適切な利益を確保すれば,資本は問題ないと。ファム・ドウイ・ヒエン教授(注30)は,数年間電力を研究しているが,EVN(注27)は多くの問題を抱えている,EVN(注27)は,改革するとエネルギー確保は難しいと言っているが,現状のEVN(注27)でもエネルギーは確保できていないではないか,と言っている。

他の専門家の多くも,ヒエン教授(注30)に近い意見で,国家のエネルギー確保を一公社に任せるべきではない,現在の状況の中で,電力監督庁(注31)と産業通商省(注32)が,エネルギー確保に責任を持つべきで,将来はベトナムとして,もっと強力な指導官庁を組織すべきだ,と主張している。(民営化なのかその逆行を言っているのか,全然分からない状況だ,混乱の上に混乱)。

(注) (23) 090225B Vietnam, english.vietnamnet,(24) EVN does not want reform,(25) http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/02/831540/,(26) 16:58' 23/02/2009 (GMT+7) VietNamNet Bridge ? ,(27) Electricity of Vietnam (EVN),(28) Deputy Minister of Industry and Trade Do Huu Hao,(29) Deputy General Director of EVN Dinh Quang Tri,(30) Prof Pham Duy Hien, former Head of the Da Lat Nuclear Research Institute,(31) Electricity Regulatory Authority,(32) Ministry of Industry and Trade,(33) (53) http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/01/822435/,(54) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081207A.htm,(55) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203A.htm,(56) http://english.vietnamnet.vn/reports/2008/08/798976/,(57)

●インドネシアの航空機中国契約問題がPLN開発計画に影響

A contract row between state airline PT Merpati Nusantara and China’s Xi’an Aircraft Industry may cause delays for a key PLN energy program. Energy and Mineral Resources Purnomo Yusgiantoro said Monday that the Merpati contract problem could delay the state power firm’s 10,000 MW crash program, which largely depends on finance from Chinese banks.(注3冒頭引用)

インドネシアが積極的に進める電源開発,特に,10,000MW石炭火力クラッシュプログラム(注9)については,苦しいジャワバリ系統(注15)の需給緩和のために,よく頑張っている,と評価してきたが,ダムと石炭火力は任しておけ,と言う中国が,この殆どの発電所を引き受けることになって,インドネシアは喜んだものの,公害など,二の次にした電源確保に,やや批判も出てきていた。

しかし,少しぐらつき始めたのは,今月に入って,2009年2月11日(注56)の,「インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要」,の記事で,中国が約束の80億ドルの支出に滞りが出ていること,更に,2009年2月13日(注57)の,「インドネシア,中国が資金支援で,利子率上げを主張」,として,明らかに中国の姿勢に変化が出てきたことが明確になり,大統領以下,慌てていることが明らかになってきた。

今日の記事。インドネシアのムルパティ航空(注5)と中国の航空機製造企業シアン(注6)の間の航空機契約問題が,PLN(注59)のエネルギー開発計画(注7)に遅れをもたらすことになりそうだ。プルノモ大臣(注8)は,月曜日,2009年2月23日,ムルパティ航空(注5)の契約問題が,PLN(注59)の10,000MWクラッシュ・プログラム(注9)を遅らすかも知れない,それはプログラム(注9)が大きく中国の銀行群に依存しているから,と。

プルノモ大臣(注8)の国会(注10)への報告によると,中国の銀行群,中国銀行(注11),中国開発銀行(注12),中国輸出入銀行(注13)は,インドネシア政府に対して,ムルパティ航空(注5)と中国の航空機製造企業シアン(注6)の間の航空機契約問題の解決を,PLN(注59)のエネルギー開発計画(注7)への資金支出の前に解決するよう,助けてくれ,と要請してきたことを明らかにした。

プルノモ大臣(注8)は,これはPLN(注59)の資金が人質になったと言うことだ,と表現した。2006年,ムルパティ航空(注5)は,シアン(注6)との間で,15機のシンゾウ60型航空機(注14)を,1機1400万ドルで購入し,資金は中国輸出入銀行(注13)のソフトローンを使うことになった。2008年に2機が入ったところで,ムルパティ航空(注5)は経営危機に陥り,残りの航空機の購入を一時中断した。

プルノモ大臣(注8)は,中国の投資企業が,ムルパティ航空(注5)の失敗を,PLN(注59)のエネルギー開発計画(注7)への融資中断の理由に使っている,と言っている。10,000MWクラッシュ・プログラム(注9)は,全国,特に年率7%で需要が伸びているジャワバリ系統(注15)の需給緩和のため,2006年にスタートした。中国銀行群は,利率の上げを要求して来ており,今までに,14.8億ドルを支出したに留まっている。

プルノモ大臣(注8)は,この問題は両国の国際調停の場への訴訟になる可能性があり,一方で,突然,政治問題化して来た,と言っている。鉱工業エネルギー省(注8参照)は,ムルパティ航空(注5)と共に,この0,000MWクラッシュ・プログラム(注9)の利子率と支出問題で,中国側との交渉団を編成した。プルノモ大臣(注8)は,ムルパティ航空(注5)問題が,その理由なのか,私はそうでないことを願う,と言っている。

国有企業省SOE(注16)も,ムルパティ航空(注5)問題を解決するための,副大臣級の,ガオル氏(注17)を団長とする交渉団を編成したが,早急に解決する期待は薄い。ムルパティ航空(注5)のバンバン社長(注18)は,依然,財政危機で8機の購入にとどめたいと言ったことがある。SOE(注16)のサイド次官(注9)は,今回の問題だけでムルパティ航空(注5)が破産に至ることは,見たくもないと。

サイド次官(注9)は,ムルパティ航空(注5)は契約を破棄したのではない,何となれば,この契約は株主が同意して発効することになっており,まだ株主は合意していないと。ムルパティ航空(注5)は,他の国有企業と従業員の給与で,3兆ルピアの債務がある。1,300人の従業員にレイオフをとらせており,その費用は2,230億ルピアに達する。現在,資産運用企業PPA(注20)により,資金改革を実施中だ。

国有企業省SOE(注16)のジャリル大臣(注21)は,この二つの問題がリンクしているという見方は間違っていると,PLN(注59)は独自の立場で中国側と交渉すべきだ,ムルパティ航空(注5)側も,そう言うつもりで交渉に当たる,と主張している。

(注) (1) 090225D Indonesia, The Jakarta Post,(2) Merpati row may delay PLN 10,000 MW program,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/24/merpati-row-may-delay-pln-10000-mw-program.html,(4) Alfian , THE JAKARTA POST , JAKARTA | Tue, 02/24/2009 9:24 AM | Business,(5) PT Merpati Nusantara,(6) China’s Xi’an Aircraft Industry,(7) PLN energy program,(8) Energy and Mineral Resources Purnomo Yusgiantoro,(9) 10,000 MW crash program,(10) House of Representatives (DPR) Commission VII,(11) Bank of China,(12) China Development Bank,(13) China Export Import Bank,(14) Xinzhou-60 aircraft,(15) Java-Bali system,(16) State Ministry of State Enterprises,(17) Sahala Lumban Gaol,(18) Bambang Bhakti, Merpati’s president director,(19) Said Didu, the secretary to the SOE minister,(20) Asset Management Company (PPA),(21) Sofyan Djalil, the SOE minister,(22) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090221D.htm,(23) (56) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090211B.htm,(57) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090213D.htm,(58) PLN,(59)

参考資料

ベトナム


●090225A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ
Nuclear power project to be submitted to NA in April
http://english.vietnamnet.vn/interviews/2009/02/831639/
●090225B Vietnam, english.vietnamnet.
ベトナムの電力改革でEVNは反対の立場を表明
EVN does not want reform
http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/02/831540/

インドネシア

●090225D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの航空機中国契約問題がPLN開発計画に影響
Merpati row may delay PLN 10,000 MW program
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/24/merpati-row-may-delay-pln-10000-mw-program.html



2009年2月24日 ー パキスタンのザルダリ大統領の孤独な中国訪問 ー

麻生首相が,オバマ大統領と会談するためワシントンへの機上にある。そのワシントンでは,米国務省のウッド報道官代行が,2009年2月23日のの記者会見で,米国,アフガニスタン,パキスタンの3カ国による外相会談を,2009年2月26日,麻生オバマ会談終了後に,ワシントンで開く方向だとの予定を明らかにした。このとき,パキスタンのザルダリ大統領は,一人,三峡ダムの上を歩いている。

アフガニスタンについては,オバマ大統領の最大の公約である派兵の問題がある。アフガニスタンに踏み込むために絶対に必要なのは,パキスタンの協力である。中国が米の派兵についてどの様な発言をしているか,よく分からないが,中国を向きっぱなしのパキスタンを,何とか米国の方へ引き戻さなければならない。日本のODAが重要な役割を持っているという。日本政府が東京で,パキスタン支援国会議開催の準備に入ったとか。

パキスタンのザルダリ大統領は,就任直後,中国を訪問して,インダス河のダム開発,インドに対抗するために中国の協力を求めた。なかなか具体的な話にならなかったが,ザルダリ大統領は湖錦濤主席に,何度でも中国に来る,3ヶ月に一度は北京へ足を運ぶ,と約束した。今3ヶ月後,北京訪問を打診したが,クリントン在中中で会えない,と冷たくあしらわれた。

なぜ冷たくあしらわれるのか,大統領も分からないが,3ヶ月に一度,と言う約束を自分自身に守るために,ドウラニWAPDA総裁をつれて,上海など中国沿岸部の経済視察の目標で,無理矢理中国へ入国し,北京に近づかずに,三峡ダムを訪れて,人間はやろうと思えば何でも出来る,と三峡ダムの偉大さを讃えている。大統領が来ているから,仕方ないので,三峡公司の社長が,WAPDA総裁と水力技術協力の覚書に署名した。

中国は,パキスタンのダム開発が,莫大な資金を必要としていることに,改めて気がついているのではないか。バシャダムなどへの協力を約束をしたが,まだ具体的な動きはない。先日の,969MWニールムジェルム水力,7億ドルのうち,3億ドルだけコミットして,中国企業を送り込んだ。その先は見えていない。インドネシアの石炭で80億ドルを約束したが,26億ドルしか出さず,インドネシアが困っている。しばらく注視したい。

今日は,インドのウッタラカンド州の水力の話が注目を引いた。インド北辺,人類最後の挑戦の主要舞台の一つである。話の中に,400MW,600MWのプロジェクトがごろごろ出てくるので驚いてしまう。ガンジス川に流れ込むヤムナ川,トンス川,バギラティ川,などが主要な開発の舞台である。中央政府とのきしみもあるようだが,この際,地図や写真で,ウッタラカンド州を見ておこう。

本文

●パキスタンのザルダリ大統領が三峡を見て自国もと

President Asif Ali Zardari on Sunday said Pakistan has a lot of potential in the hydropower generation and it can secure its future in energy sector by building new dams.Talking to media persons here after the visit to the world痴 largest Three Gorges Dam, he said: 鏑ooking at this dam gives the realisation that humans can accomplish any task if they have desire, will and determination.(注3冒頭引用)

北京から,クリントン国務長官が来ているから会えないよ,と言われながら,年に3度は中国へ来ると約束した,と中国へ押しかけ,南の工業地帯視察に目的を切り替えたパキスタンのザルダリ大統領(注5)の動きである。日曜日,2009年2月22日,ザルダリ大統領(注5)は,パキスタンは莫大な包蔵水力を有しており,これらのダムの建設により,パキスタンはエネルギーを確保することが出来る,と語った。

世界最大の三峡ダム(注7)を視察した後,ザルダリ大統領(注5)はメディアを前にして,このダムは,人類はもしそれをやり遂げると決意したら,必ず実現できる,と言うことを示している,と語った。また,このようなプロジェクトがパキスタンで出来るなら,それは,人々への,また次の世代への大きな奉仕になるだろうと。前回来たときに,3ヶ月に一度は中国を訪れると,中国人民に約束した,これがその約束の実行だ,と。

ザルダリ大統領(注5)は,三峡プロジェクト公司(注6)社長の案内でダムを見て回り,発電所の運転制御室も訪ねた。三峡ダム施設(注7)は,ダム,水力発電所,船渠からなっている。貯水池の面積は,632平方km,完成には17年を要し,現在は中国の電力需要を果たすのに,重要な役割を果たしている。大統領(注5)は現場を訪ねる前に,展示室で資料見たり,質問を行っていた。出力,22,500MW,長江(注11)中流にある。

ザルダリ大統領(注5)は記録帳に,私の三峡ダム訪問は記憶に残る大きな経験だ,これは中国人民とそのリーダー達の勝利だ,と書き残した。なお,事前に,大統領(注5)立ち会いの下,WAPDAのドウラニ総裁(注8)と三峡プロジェクト公司リ社長(注6)の間で,中国が,パキスタンの水力開発に対して,技術的な支援を行う,との覚書に署名した。

(注) (1) 090224A Pakistan, thenews,(2) Zardari visits Three Gorges dam in China,(3) http://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=20504,(4) Monday, February 23, 2009,YICHANG, China:,(5) President Asif Ali Zardari,(6) president of China Three Gorges Project Corporation,(7) Three Gorges Hydropower Complex,(8) Chairman Wapda Shakeel Durrani,(9) President of China Three Gorges Project Corporation Li Yong誕n,(10) Yangtze River,(11)

●インドのウッタラカンドが120MWビャシ水力など工事を再開

With the hydropower sector in the state taking a beating following the suspension of three major hydel projects, the Uttarakhand government is now pulling out all the stops to revive the stalled power plants.To begin with, Chief Minister BC Khanduri tomorrow will lay foundation stone for the 120-Mw Vyasi hydel project on the river Yamuna in Dehradun, which has been gathering dust for the past two decades.(注13冒頭引用)

この機会に,インドのウッタラカンド州を見ておこう。包蔵水力豊富で,インド北辺水力人類最後の戦いの重要な地域である。2000年11月9日に,ウッタルプラデシュから独立しているので,古い地図に出てなくて苦労する。州面積は,5万1,125平方km,人口は848万人,州都はデラドゥン(注14),世界遺産 ナンダ・デヴィ国立公園がある。ガンジス川の支流が多く走っており,ヤムナ(注17),バギラティ(注22)などがある。

今日の記事。ウッタラカンド州(注12)政府は,長い間棚上げされていた3つの主要な水力プロジェクトを,急遽再開することで動き始めた。その始まりとして,明日,2009年2月24日,カンドウリ州政府首相(注16)は,20年間も凍結されていた,120MW,デラドウンのヤムナ川にあるビャシ水力プロジェクト(注17)の定礎式(注33)の臨むことになった。

ビャシダム(注17)の工事は,州営企業であるUJVNL(注18)によって,事業費75.8億ルピー,約153億ドル相当,にて開発される。年間発生電力量は,4.3838億KWhで,年間収入は,10.529億ルピーである。ビャシ水力プロジェクト(注17)は,昨年,2008年7月,UJVNL(注18)に発注された,420MWのラキワール-ビャシ水力総合プロジェクト(注19)の一部である。

ラキワール-ビャシ水力総合プロジェクト(注19)は,デラドウンの西を南北に流れるバギラティ川(注22)にある,480MWのパラ・マネリ水力プロジェクト(注20)と,381MWのバイロンガティ水力プロジェクト(注21)の鍵となるダムの損失を回復するためのプロジェクトである。この二つのプロジェクトは,州政府による環境上の判断から,1ヶ月前に,中断された。

この州政府の突然の決定,ラキワール-ビャシ水力総合プロジェクト(注19)をUJVNL(注18)に発注することになったのは,突然中央政府が,このプロジェクトを,詳細設計(注24)を実施したNHPC(注23)の手に渡す,と言い始めたからだ。また,ウッタラカンド州(注12)政府の動きを察して,中央政府は,金曜日,2009年2月20日,NTPC(注25)の,600MW,ロハリ・ナグパラ水力を中止した,アグロワール専門家(注26)の反対で。

もう一つの中断中のプロジェクト,トンス川(注27)のデラドゥン(注14)に位置する,600MWのキシャウ水力プロジェクト(注27)があるが,この10年間棚上げされてきた,この多目的プロジェクト(注34)を再開することを検討している。このために,UJVNL(注18)と,詳細設計(注24)を手がけたテリー水力発電公社THDC(注28)との合弁による推進を検討中である。UJVNL(注18)のプラサド総裁(注29)は,同意している。

(注) (11) 090224C India, business-standard,(12) Uttarakhand to revive stalled hydel projects,(13) http://www.business-standard.com/india/news/uttarakhand-to-revive-stalled-hydel-projects/01/09/349861/,(14) Shishir Prashant / Dehradun February 23, 2009, 1:02 IST,(15) Uttarakhand,(16) Chief Minister BC Khanduri,(17) 120-Mw Vyasi hydel project on the river Yamuna in Dehradun,(18) Uttarakhand Jal Vidyut Nigam Ltd (UJVNL),(19) 420-Mw integrated Lakhwar-Vyasi project,(20) 480-Mw Pala Maneri,(21) 381-Mw Bhaironghati,(22) river Bhagirathi,(23) NHPC,(24) detailed project report (DPR),(25) NTPC’s 600-Mw Lohari Nagpala dam site,(26) GD Agrawa,(27) 600-Mw Kishau on the river Tons in Dehradun,(28) Tehri Hydro Power Corporation (THDC),(29) Yogendra Prasad, chairman of UJVNL,(30) http://www.indochannel.jp/travel/area/uttaranchal_index.html,(31) http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Oasis/4781/photos_india.htm,(32) Below is the image at: tehri.nic.in/rsvy_new/Map.htm,(33) foundation stone,(34) multi-purpose project,(35)

参考資料

パキスタン


●090224A Pakistan, thenews
パキスタンのザルダリ大統領が三峡を見て自国もと
Zardari visits Three Gorges dam in China
http://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=20504

インド

●090224C India, business-standard
インドのウッタラカンドが120MWビャシ水力など工事を再開
Uttarakhand to revive stalled hydel projects
http://www.business-standard.com/india/news/uttarakhand-to-revive-stalled-hydel-projects/01/09/349861/



2009年2月22日 ー 中国の送電網先進技術が海外進出を狙う ー

知的送電網の話から始まって,送電網の問題が,年末から今年にかけて多い。私のHPへのアクセスを分析していると,中国のUHV送電網や米国の景気刺激策に出てくる送電線強化で,多くの人が関心を持っていることが分かる。今,私のページの冒頭に出ているオバマ大統領の演説を良く聴くと,彼は,3,000マイルの送電線を強化して地方に散らばる再生可能エネルギーを集めてくる,と言っている。知的送電網もアクセスが多い。

知的送電網とは,今までの世界の議論を総合して,更に突っ込むと,次のようなことになるのかな。幹から枝まで統一のとれた網の目で,電力を運ぶだけでなく情報も運ぶもの,電源のあるところと電力需要のあるところを時間軸で詳細に把握しているもの,需要の中身は家庭の中の冷蔵庫などの機器類にまで侵入して情報を集めるもの,それと見た目にスマートで,テロに屈しない強い構造,これが知的送電網の定義だ。

また,私の2008年12月24日付け本HP(注36)にあるように,鈴木篁氏の水力開発論(注38)の中では,西澤潤一氏(注39)の,「直流送電では1万km送電が可能で東京からナイアガラの滝は勿論ビクトリアの滝まで入る」,を参照しながら,世界中の水力資源を総て活用する事が出来,その総発生エネルギー量は,少なくとも当分の間,全世界の電力需要を賄って余りある,としている。

今日の記事は,世界の多くの企業は,出費を削減して世界金融危機を乗り切る構えだが,中国最大の公共事業体は,送電線の分野で数十億ドルの金額を注ぎ込もうとしている。中国国家送電網SGC(注5)は,2009年1月に,100万ボルト送電線の商業運転を開始したが,これは米国の76万5000ボルトの送電線を越える力強さを持っている,と書き出している。

記事の中でも,日本がこの技術を有している,と書き,しかし日本ではこれを商業化するほどその必要性に迫られていないことを挙げ,実用化しようとしているのは中国で,この実績を踏まえれば,将来は世界市場に打って出る,と広言している。そうして,その対象として,インド,ブラジル,南アフリカなどの可能性を挙げている。

また,中国の当面の目的は,中国北部の石炭火力による電力,中国南西部の水力発電による電力を,長躯,北京や上海に送ることだが,この記事の中には,実際にはアフリカからブラジルまでの距離を,送電線で送ることが出来る,と西澤潤一氏(注39)や鈴木篁氏の水力開発論(注38)の世界の包蔵水力開発論に通ずる議論も出てくる。

オバマ大統領の送電線は,再生可能エネルギーを集めてくる,という少し矮小化された送電網強化論であるが,それでも,中国と米国が,送電網強化を叫んでいることは,世界的にも漸次広がってきて,ちょっとした議論になるのではないか。中国と米国は大まかで,ここに日本の知的送電網の概念やグーグルの意図が入ってくると,しばらく話題が盛り上がるかも知れない。

(注)(36) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081224.htm,(37) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/,(38) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info4.htm#Label48,(39) http://tech.braina.com/2008/1217/other_20081217_001____.html,(40)

本文

●中国の送電網先進技術が海外進出を狙う

As companies abroad slash spending to ride out a global slump, China's biggest utility is pouring money into the multibillion-dollar field of electric power transmission. State Grid Corp. says it began operation in January of a 1 million-volt commercial power line, which is much more powerful than the 765,000-volt systems used in the United States and elsewhere.(注3冒頭引用)

中国の超高圧長距離送電線への圧巻は,2009年2月9日付本HP(注33)の,「中国,四川から上海への超高圧送電線,2010年に向け突貫」,の記事であった。元々は日本などの技術なのだが,日本は,地理的にも制度的にも,数千kmに及ぶ送電プロジェクトは,ない。昔,シベリアからの電力輸入を画した人がいたけれど,実現していない。世界的な長距離送電線の有用性を主張した人は,日本にもいる。

今日の記事。世界の多くの企業は,出費を削減して世界金融危機を乗り切る構えだが,中国最大の公共事業体は,送電線の分野で数十億ドルの金額を注ぎ込もうとしている。中国国家送電網SGC(注5)は,2009年1月に,100万ボルト送電線の商業運転を開始したが,これは米国の76万5000ボルトの送電線を越える力強さを持っている。

それは,超高圧送電線(注6)と呼ばれていて,遠く離れた水力発電所と都市区域を結ぶ,例えばブラジルからアフリカまでも結ぶ能力を持っている。SGC(注5)のル・ジアン副総裁(注7)は,電力産業の歴史に於ける画期的な事業だ,と言っている。これは,中国が経済発展を続ける中で,北京政府の野望,安価な商品の生産国から,人類を益する技術の創造者となるための,一つの成果である。

マッキインゼーのアジア太平洋コンサルタントグループのデビッド・ス氏(注8)は,中国の企業群は,着々と技術開発の梯子を登り続けており,彼等は,単なるコストの競争だけでは,その持続性に欠ける,と言うことを理解している,と言っている。今ここに,強力な送電線技術は,石炭火力発電所を石炭生産地に建設できるようにして,北京などの都市群の大気汚染を,改善することに成功するだろう。

中国国家送電網SGC(注5)は,世界では余り知られていないが,2007年の収入が1,330億ドルに達して,フォーチューンの格付け500社(注9)の中で24位にランクされている,世界有数の企業の一つである。世界不況の中で多くの企業が賃金カットや経費削減に取り組んでいる中,中国国家送電網SGC(注5)は,生き生きとして資金を注ぎ込んでいる。

中国国家送電網SGC(注5)は,中国全土32省のうちの26省を横断する大規模な送電網を運用し,更に発展を続けている。2009年1月には,フィリッピンの送電網運用事業を,39億ドル,25年間の契約に署名している。超高圧送電線(注6)の売り込みは,専門家によると,長距離送電に於ける効率にあるという。KWと言う電力は,電圧と電流の積であリ,同じKWを送るのに,高い電圧では少ない電流で良く,損失も少ない。

この技術開発で,送電設備の面で中国は世界的な競争力を持つことになり,工業調査企業のグルドン報告書(注10)によると,2015年には1400億ドル売り上げの企業に発展するだろう,と言っている。ロシア,日本,イタリーなども超高圧の実験的使用は実績があるが,商業的運用までは到達していない。米国のAEP社(注11)は,200万ボルト送電に試験的に成功したが,一般的に使用する計画はない。

欧州では,それぞれ異なった需要で,電力企業への訴訟が多く,強力な送電線建設の障害になっている。中国国家送電網SGC(注5)は,北京や上海など東部の都市群と,南西部の水力発電所及び北部の石炭火力を,超高圧送電線で結ぶために,この先,3,4年で,1000億元,約146億ドル相当,を費やす,と言っている。SGC(注5)は,成功の暁には,その技術を海外へ売り込むと言っている。

この場合,幾つかの機器は,ドイツのシーメンス(注12)とスイスのABB(注13)から供給されているが,殆どの必要な機器は国内の100以上の企業から供給されているという。チェン・メンロン国際副主任(注14)は,国際市場でこの技術を分かち合いたい,特に,インド,ブラジル,南アフリカなどが対象となるだろう,と言っている。

(注) (1) 090223A China, forbes,(2) Chinese utility tries to join electricity pioneers,(3) http://www.forbes.com/feeds/ap/2009/02/21/ap6079438.html,(4) By JOE McDONALD , 02.21.09, 12:14 PM EST,(5) State Grid Corp.,(6) "ultra-high voltage" transmission systems,(7) State Grid vice president, Lu Jian,(8) David Xu, director of McKinsey & Co.'s Asia-Pacific power consulting group,(9) Fortune magazine's Global 500 list,(10) Goulden Reports,(11) American Electric Power Inc. in Columbus, Ohio,(12) Siemens AG of Germany,(13) Switzerland's ABB Ltd,(14) Cheng Mengrong, deputy director-general of State Grid's international department,(15) Shanxi province,(16) Hubei province, (17) Sichuan province,(18) Jiangsu province,(19) company's executive vice president, Shu Yinbiao,(20) Richard Lordan, technology director for power delivery for the Electric Power Research Institute, a utility-supported U.S. group,(21) McKinsey's Xu,(22) (31) http://www.bpovia.com/blog/wp-content/uploads/2008/11/yongdian.jpg,(32) www.skyscrapercity.com/showthread.php?p=31444946,(33) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090209D.htm,(34)

●中国はチベットの牧草地減退で2030年までに回復を計画

China's chief economic planner Friday announced that the country aims to revive the degraded pasture and harness rat pest in Tibet by 2030. It is the government's latest goal in the fight against global climate change and to protect the ecology of Tibet, which covers more than 1.2 million square kilometers. (注24冒頭引用)

金曜日,2009年2月20日,中国の経済計画の主任は,中国は2030年までに,チベットの牧草地帯を蘇らせる計画だ,と発表した。中国政府の最近の目標としていることは,世界的な気候変動と戦い,120万平方kmのチベットの環境を守ることであると。水曜日,2月18日,中国政府閣議(注26)は,チベット南西部の環境保護計画を打ち出した。

発改委NDRC(注27)の発表内容は,チベットの環境保護への努力は極めて重要で,その内容は,地球の温暖化と戦い,中国の環境上の安全を確保し,チベットの経済社会開発を保護することだ,としている。チベットの気温上昇は,1061年から2007年の10年間で,摂氏0.32度に達し,この値は,世界や中国全体の平均よりも高い。土地浸食防止,生物多様性を保護し,農村地域でのクリーンエネルギー使用の促進を狙っていると。

また,チベットの農村に於ける,水力発電,メタンガス発電,太陽光発電の使用を促進すると。また,自然草原の保護,森林火災の予防,沼沢地の保護,強風や嵐に対抗するための森林ベルトの育成,牧草地の砂漠化防護,などが含まれる。地方政府は,環境保護と経済開発のバランスをとる必要があると。また,農民や牧夫達の生活環境を向上し,収入を確保する必要があると。

NDRC(注27)のチベット担当副主任プ・キオン氏(注28)によると,80億元,約12億ドル相当の予算は,2009年から2010年に,チベットの農民や牧夫のための,インフラの改善,特に,家庭水需要,電気,道路,通信,に費やされると。詳細は詳細は発表されていないが,水曜日の閣議決定は,地球規模気候変動に対抗して,チベット自治区(注29)の自然環境を保護する計画が承認されたと言うことだ。

また地方政府に対しては,チベットの環境保護に優先度を与え,生態系の安全を確保し,南西部の自治区の農民や牧夫の生活環境を向上することを目標とせよ,と。チンハイ-チベット高原(注30)は重要な要素で,チベットは特殊で多様性に富んだ生態系を持っている,世界の生態環境に与える地球気候変動に直面することへの対策が必要だ,と。特に中国は,草原の砂漠化を防ぐことに重点を置くと。

(注) (22) 090223B China, dailymailnews,(23) China aims to curb pasture degradation in Tibet by 2030,(24) http://dailymailnews.com/200902/22/news/dmchinawatch04.html,(25) BEIJIN,(26) State Council, China's Cabinet,(27) National Development and Reform Commission (NDRC),(28) Pu Qiong, deputy director of the NDRC in Tibet,(29) Tibet Autonomous Region,(30) Qinghai-Tibet Plateau,(31) (34) www.danmex.org/html-en/pic-detail.php?pic_id=3,(35) harness rat pest,(36)

参考資料

中国


●090223A China, forbes
中国の送電網先進技術が海外進出を狙う
Chinese utility tries to join electricity pioneers
http://www.forbes.com/feeds/ap/2009/02/21/ap6079438.html
●090223B China, dailymailnews
中国はチベットの牧草地減退で2030年までに回復を計画
China aims to curb pasture degradation in Tibet by 2030
http://dailymailnews.com/200902/22/news/dmchinawatch04.html


2009年2月22日 ー パキスタンのニールムジェルム水力着工 ー

パキスタンのこの水力プロジェクトは,969MW,国境未確定の中でのまさにパキスタンの問題をすべて包含したような,複雑なプロジェクトである。インダス河の上流であるから,インドとの問題もあり,それに対する中国の意図も働いて,難しく動いたプロジェクトである。でも,決め手になったのは,イスラム諸国の資金支援であった。

昨年,2008年12月13日付本HP(注15)では,突如,中東諸国,クウエート,サウジアラビア,アブダビ及びOPECが,大規模融資,775百万ドルを,パキスタンのインダス上流,国境未確定,パキスタン実質支配のアザドカシミール,ニールム川の水力プロジェクトへの融資を発表した,と報じている。パキスタンは,既にこのプロジェクトの建設費の一部として,電気料金に上乗せ,中国が300百万ドル,既に約束している,と書いている。

今日の記事。969MWのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注5)の目玉工事である47kmのトンネル工事が,アザド・ジャム・カシミールのムザファラバード(注6)の近くで,掘削を開始した。このトンネルの意味するところは,ニールム川(注7)の水をジェルム川(注8)のチャッタル・カラス(注9)付近に分水することである。アフザル所長(注10)とイスラム銀行IDB(注11)の代表が立ち会って,最初の発破がかけられた。

私は考えるが,石油火力,石炭火力,天然ガス火力,或いは原子力発電もそうかな,殆どのエネルギー資源は有限である。だから,人類にとっては,もし電力が必要ないならば出来るだけ遅く開発した方が,人類のためだと思う。でも水力資源は違う,水力発電所は一日でも早く発電すれば,それだけ人類が受け取るエネルギーは大きくなる。太陽光も風力もそうだが,これは量的に問題にならない。

電力会社は,一旦着工したら出来るだけ早く発電したい,それは注ぎ込んだ資本の問題であって,この私の言う人類のエネルギー資源の価値としての水力発電所の話とは違う。このインダス河の膨大なポテンシャルを,手を拱くばかりで開発できないと言うことは,今そこに降ってくる雨,流れている水が,全く無駄に流れている状態を長引かせるだけだ。

このようなときに思い出すのは,1992年,メコン本流で,ビエンチャン直上流の低パモンダム計画を審議していたメコン総会の会場の情景である。可能性調査に入りたい,と言うメコン委員会事務局の提案に,ベトナム代表,カンボジア代表,ラオス代表まで,それぞれ反対の演説を行った。大勢は事務局案破棄である。最後に立ったタイのシン代表は,ここにメコン本流のエネルギー資源が永久に閉ざされたと言う,涙の演説であった。

パキスタンのこの水力プロジェクト,969MW,水路トンネルが47kmと言うとんでもない計画だが,これが各勢力が複雑に絡み合って,資金の大部分は,同じ回教徒勢力の中東の資金,またこれを動かした中国の政治的意図,最初の資金を出して,工事を中国企業に落札させた外交力,これらが重なり合って,この難しいプロジェクトを着工に持っていった。まだ5年はかかるだろうが,人類のために成功を祈りたい。

本文

●パキスタンのニールム-ジェルム水力が掘削開始

Excavation of a 47km-long network of tunnels, one of the main works for the 969-megawatt Neelum Jhelum Hydroelectric Project (NJHEP), has started at the project site near Muzaffarabad in Azad Jammu and Kashmir.(注3冒頭引用)

昨年,2008年12月13日付本HP(注15)では,突如,中東諸国,クウエート,サウジアラビア,アブダビ及びOPECが,大規模融資,775百万ドルを,パキスタンのインダス上流,国境未確定,パキスタン実質支配のアザドカシミール,ニールム川の水力プロジェクトへの融資を発表した,と報じている。パキスタンは,既にこのプロジェクトの建設費の一部として,電気料金に上乗せ,中国が300百万ドル,既に約束している,とも。

969MW,21億ドル,パキスタンのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注5)については,25kmの水路トンネルを有する流域変更プロジェクトで,インドとの間に微妙な問題が横たわっている。1960年のインダス水条約には,ニールム川の開発に関して,先に建設,運転開始に成功した側が,ニールム川の開発優先権を持つ,と書かれている。今や情勢は変化,需要も大きく,資金調達も手が届くところまで来た,とも。

今日の記事。969MWのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注5)の目玉工事である47kmのトンネル工事が,アザド・ジャム・カシミールのムザファラバード(注6)の近くで,掘削を開始した。このトンネルの意味するところは,ニールム川(注7)の水をジェルム川(注8)のチャッタル・カラス(注9)付近に分水することである。アフザル所長(注10)とイスラム銀行IDB(注11)の代表が立ち会って,最初の発破がかけられた。

ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注5)は,パキスタンにとって極めて重要なプロジェクトで,安価な電気を電力不足で苦しむ中央グリッドへ送り込むわけである。イスラム銀行IDB(注11)と中東諸国が,既にその資金調達に合意している。このプロジェクトの工事は,中国企業,中国ゲゾウバ(注13)と中国機会輸出入(注14)の組むコンソーシアムに発注された。

アクセス道路,事務所建物,コントラクターとコンサルタントのキャンプ建物などの準備工事は,既に昨年,2008年に開始しており,本格工事はまずトンネルから始まった。総事業費は1,300億ルピー,約16.5億ドル相当,であり,完成に暁には,年間51.5億KWhの電力が,中央グリッドへ流れ込むことになる。完成時期は書いてないが,トンエルの長さから見て,5年はかかるだろう。

(注) (1) 090222A Pakistan, thenews.com,(2) Excavation work for hydropower project starts,(3) http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=163663,(4) Saturday, February 21, 2009, By By our correspondent , LAHORE:,(5) 969-megawatt Neelum Jhelum Hydroelectric Project (NJHEP),(6) Muzaffarabad in Azad Jammu and Kashmir,(7) Neelem river,(8) Jhelum river,(9) Chattar Kalas,(10) NJHEP General Manager Hasnain Afzal,(11) Islamic Development Bank (IDB),(12) Middle Eastern donors,(13) China Gezhouba Group Company,(14) China Machinery Import & Export Corporation,(15) http://my.reset.jp/adachihayao/index081213B.htm,(16)

●インドのタタ電力は大規模プロジェクトには挑戦せず

Tata Power Ltd, India's largest private sector utility, will not bid for any more large power projects as raising funds is proving difficult given current market conditions, a senior official said on Friday.(注18冒頭引用)

インド最大の民間電力事業者,タタ電力(注20)のアグラワダ常務取締役(注21)が,ある会議出席の合間に語ったところであるが,タタ電力(注20)は,最近の市場動向を考えると,大きな資金調達を要する大規模電力プロジェクトへの入札参加は,差し控える,と発言している。一つのプロジェクトに2000億ルピーも要するような資金調達は困難だ,と述べている。4,000MW規模石炭火力を言っているのだろう。

インドは,2012年までに,新規電源,78,000MWを建設する計画である。現在のインドは,ピークで16%の電力が不足しており,4000MWの大規模石炭火力を9つ建設する,との計画を持っている。タタ電力(注20)は,インド西部のかかるプロジェクトの一つを抱えており,その総事業費は,1,700億ルピー,約34億ドル相当,である。

しかし,最近のインド東部に於けるプロジェクトへの入札は参加しておらず,ライバルであるリライアンス電力(注22)が落札してきている。アグラワダ常務(注21)は,収益の分かれ目は,最近高くなってきており,タタ電力(注20)はプロジェクト選定で慎重になっている,現在,6,000MW相当を工事中であり,その完成に集中したい,と言っている。タタ電力(注20)の現在の設備は,2,300MWである。

世界の金融危機の中で,このアジア第3位の経済規模を持つインドは,規模の大きい債務に苦闘しており,銀行貸し出しに慎重な姿勢を示していて,インフラは,その成長のレールからはずれてきている。

(注) (16) 090222B India, Economic Times,(17) Tata Power says not to bid for large plants,(18) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Tata-Power-says-not-to-bid-for-large-plants/articleshow/4162593.cms,(19) 20 Feb 2009, 1921 hrs IST, REUTERS,MUMBAI,(20) Tata Power Ltd,(21) Executive Director Banmali Agrawala,(22) Reliance Power,(23) (35) www.tataprojects.com/hydro.htm


バングラデシュが電力のマスタープランを発表

These days Bangladesh media is busy with energy reporting. Almost all the dailies are publishing some analytical reports everyday on the prevailing crisis situation of energy and suggesting options to confront and mitigate the crisis. (注25冒頭引用)

滅多に取り上げないバングラデシュの電力事情であるが,2008年10月8日付け本HP(注33)で,地質の専門家が書いた,とされているが,短い文章で,バングラデシュのすべての電力問題を総括していて,実に要領がよい。我々もこのような文章を書きたいものだと思う。彼は地質だから,おそらく石炭の調査をやっていて,煮え切らない,踏ん切りの悪いエネルギー官僚に業を煮やして,この記事を書いたのだろう,と書いた。

このとき私は,次のように書いて結んでいる。曰く,バングラデシュのエネルギー問題は,国際的に孤立している。津波にやられ,毎年洪水に見舞われて,経済的に疲弊したバングラデシュ。水力がほとんどないので,私も余り取り上げていないので可哀相。もう石炭火力は中国に任す,と決めた日本やJパワーであるが,この記事を読んで,もう一踏ん張り,バングラデシュの石炭にチャレンジして上げませんか,と。

今日の記事は長文で,今ここで全文を紹介することは出来ない。最初の部分だけを紹介するが,時間のあるとき,或いはバングラデシュの仕事に関係する人は,読んでみてください。まず,ここ最近,バングラデシュのメディアは,エネルギー報告に関して極めて多忙である。最近のエネルギー危機やそれにタイする対策の提案,など,殆ど毎日,新聞などが取り上げている。

2009年2月17日のある記事では,チョウドリ・エネルギー担当首相顧問(注27)の話を取り上げている。政府は,将来20年間の電力系統マスタープランPSMP(注27)を見直して,発電の新しい資源のを設定し,2021年までに,20,000MWの電力供給を可能にする,としている。現在の発電設備は,4,000MWなので,20,000MWに引き上げるためのは,12年間で4倍の拡張が必要である。

野心的な計画ではあるが,大きな変革が必要であろう。ハッシーナ首相(注34)の選挙公約にもあるとおり,この目標のレベルまで発電設備を上げるためには,石炭と水力の焦点を当てる必要がある。政府の計画では,2011年までに5,000MWへ,2013年までに7,000MWへ,更に,2015年までに8,000MWに,2020年までに20,000MWへ,となっている。

このマスタープランPSMP(注27)の見直しを行ったのは,米国大手コンサルタントのNEXANT(注28)で,BPDB(注29),PGCB(注30)が協力,2006年6月のバングラデシュ工学技術BETS(注31)の台本が元となっている。そのサマリーは,「バングラデシュに於ける電力改革」(注32)の政府の報告書に組み込まれている。この報告書は,制度問題に焦点を当てた改革の筋書きを基本的に論じている。以下,省略。

(注) (23) 090222C Bangladesh, energybangla,(24) Bangladesh Power System Master Plan Review,(25) http://www.energybangla.com/index.php?mod=article&cat=SomethingtoSay&article=1533,(26) Engr. Khondkar Abdus Saleque.Friday, 02.20.2009, 08:25pm (GMT),(27) Dr.Tawfique Elahi Chowdhury Energy Sector advisor to the Prime Minister Sheikh Hasina,(27) Power system Master Plan (PSMP),(28) Nexant,(29) BPDB,(30) PGCB Ltd,(31) Bangladesh Engineering & Technology Services,(32) Power System Reforms in Bangladesh,(33) http://my.reset.jp/adachihayao/index081008.htm,(34) Prime Minister Sheikh Hasina,(35)

参考資料

パキスタン


●090222A Pakistan, thenews.com
パキスタンのニールム-ジェルム水力が掘削開始
Excavation work for hydropower project starts
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=163663

インド

●090222B India, Economic Times
院dのタタ電力は大規模プロジェクトには挑戦せず
Tata Power says not to bid for large plants
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Tata-Power-says-not-to-bid-for-large-plants/articleshow/4162593.cms

バングラデシュ

●090222C Bangladesh, energybangla
バングラデシュが電力のマスタープランを発表
Bangladesh Power System Master Plan Review
http://www.energybangla.com/index.php?mod=article&cat=SomethingtoSay&article=1533


2009年2月21日 ー インドネシアの電源早期着工計画が資金難 ー

クリントン国務長官は,今日はもう既に北京に入っている。前のクリントン政権は,インドネシアのワヒッド政権に非常に冷たかったと言う。大統領がワシントンに入っても,クリントン大統領は,会おうともしなかったようだ。東ティモール問題などで人権が問題になっていた頃だ。それだけに,インドネシアとしては,ヒラリーのジャカルタ入りには,相当の歓迎ぶりである。

そのインドネシアで,電源開発計画が大きく揺れている。クラッシュプログラム,と称して,ジャワ島内外の石炭火力10,000MWを2010年までに完成させるべくスタートしたが,カラ副大統領の肝いりで,中国の資金が,石炭火力に全面的に協力する姿勢で,80億ドルがコミットに近い約束をして,殆どの石炭火力のコントラクターに中国企業が入っていった。

ところが,先日も報告したように,中国が資金支援を棚上げにしそうな情勢で,ユドヨノ大統領が慌ててPLNに乗り込み,善後策を協議した,国内銀行を使えと。中国は80億ドルを約束しながら,26億ドルでストップ,これ以上は金利を上げなければ協力できない,と言っている。中国が全面的に協力する,と言うので,設計は少々雑で環境問題があっても,中国に寄りかかる姿勢で来たのに,2010年より大きくずれ込む可能性。

また,インドネシアは積極的である。第2次の早期着工計画,ファースト・トラック・プログラムを打ち上げて,大統領令をこれから発するところだが,2014年を目指して再び10,000MWを目指す。今度は,地熱,水力などの再生可能エネルギーを重視するという。それに,70%は民間資金IPP頼りである。2014年運転開始だから,今年,2009年に着工しなければならないものもある。その一つが,チソカン揚水発電計画1,000MWである。

チソカン揚水発電については,JBIC初め世界銀行やADBも資金支援を行う姿勢にある,とプルオノ総局長は述べている。チソカンをもっと早くやって居れば,随分電力危機も救われたのに,と思うが,プルオノ総局長は,20億ドルという建設費に参っている。ダムが二つあるから仕方がないか,と言っているが,大間違いだ,幾ら高くても,20億ドルはちょっとひどい。

私の推測するところ,2008年7月頃の時点で,誰かが慌てて,20億ドルに上げたのだろう,あのころは皆が大変にショックを受けていた。私は,2008年7月の事業費は,今は半額で行けると思う。1,000KWの揚水は,10億ドル以下でなければ成り立たない。だから私は,今こそ皆,プロジェクト形成に走れ,と言いたいのだ。今仕込めば,絶対に円滑に調査にはいることが可能だ,今こそプロが動くときだ。

今日の記事はいずれも大切だった。ベトナムのソンラ水力のRCCのクラックの問題は,更に発展してきているようだ。タイのマモー火力は,炭坑を開発して更に20年間動かそうとしている。パキスタンのザルダリ大統領は,北京がヒラリーが来るのでいそがしい,と言っているのに押しかけて,ダムと原子力発電所の支援を要請する。中国の水力の原価の話も面白い,同じ電気は同じ値段で,と言っているが,真理かな。

本文

●ベトナムのソンラダムの亀裂は問題ないと(注37)

A crack on the Son La hydropower plant’s dam. Several cracks have appeared but a senior construction official has said they will not affect the construction. Ten cracks found in the main dam of a hydropower project in Son La Province have not affected the project’s safety, the project owner Electricity of Vietnam (EVN) confirmed in an official report Thursday.(注37)

ソンラダムのコンクリートの亀裂については,2009年2月14日付本HP(注50)で報じられており,流れと直角の方向で,亀裂の長さは31.5m,幅が1mm,深さが一番深いところで6m,とされていた。当事者は,問題なく工事は続行,とその方針を伝えているが,問題は少し大ききなって聞いたのか,今日も詳しく報じられている,写真も貼付されている。

プロジェクトの担当者は,亀裂は1本ではなくセベラルだ,と報じている,一般にセベラルと言うのは5本以上を言う。建設工事には影響はない,と言っている。企業者のEVN(注40)は,亀裂は10本で,プロジェクトの安全には問題ない,と発表している,ただ格好悪いだけだと。亀裂は,長さ方向,高さ方向にも発生しており,最初の発見は,昨年,2008年8月であった。

亀裂10本は,最も長い亀裂は,97.3mで,最も短いものは8m,幅はいずれも,0.5mm,深さは,4〜6.5mである。貯水には問題ない,今後とも観測を続ける,と調査報告書には書かれている。設計者のスイス籍コレンコ(注41),工事を監督するSMEC(注42),日本工営(注43),Jパワー(注44),によると,コンクリート内部の熱と外気温の差から生まれる熱応力が原因だ,と言っている。

あるコンクリートの専門家が記者に語ったところによると,規模の大きいブロックのコンクリート打設ではよく起こる問題で,設計コンサルタントが事前に効果的な工法を説明していなかったのではないか,と言っている。EVN(注40)は,これ以上亀裂が生じないよう,,コンサルタントが対策を講じている,と言っている。建設省のル・クワン・フン主任(注45)の前回報告書では,プロジェクトの安全には問題ない,と書かれている。

ソンラ水力プロジェクト(注39)は,ベトナム北部の山岳地帯,紅河の支流ダ川(注46)に建設されている多目的ダム(注51)で,首都ハノイから北西360kmの位置にある。総事業費は,42兆ドン,約24億ドル相当,で,出力規模2,400MW,年間発生電力量94億KWh,ダムの形式は,RCC型(注46)で,今のところ出力規模に於いて,東南アジア最大である。

洪水吐は右岸にあって,8門のゲートと12門の底部ゲートがあり,洪水調節を行う。発電所は,ダム下流の河川敷内に設ける。グエン・タン・ドウン首相(注47)は,財務省に指示して,ソンラ県(注48)に対して,1兆ドン,約57百万ドル相当,の支出を行い,土地の買い取りと住民に対する保証を行うべく準備中である。

(注) (36) 090221A Vietnam, thanhniennews,(37) EVN’s official report says dam safe despite cracks,(38) http://www.thanhniennews.com/education/?catid=4&newsid=46286,(39) Son La hydropower plant,(40) Electricity of Vietnam (EVN),(41) Colenco,(42) SMEC,(43) Nippon Koei,(44) Jpower,(45) Le Quang Hung, head of the Ministry of Construction’s State Bureau for Construction Quality Inspection.,(46) Da River, the main tributary of the Red River,(46) roller-compacted concrete dam,(47) Prime Minister Nguyen Tan Dung,(48) Son La Province,(49) http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=46,(50) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090214A.htm,(51) multipurpose project,(52)

●タイのイタルタイなどがEGATの石炭入札で落札

The contractors Italian-Thai Development Plc (ITD) and Nawarat Patanakarn Plc (NWR) have won bids to operate coal mines to supply the Electricity Generating Authority of Thailand (Egat).The two mines' total coal supply is estimated at 95 million tonnes for contracts worth 36.68 billion baht over nine years. (注63)

2009年2月1日付け本HP(注72)で,タイのEGAT,マモーの石炭生産で,許認可取得,890億バーツ,と報じられていた少なくとも,既存の石炭火力は,何としても永続させたい,とのEGAT(注68)の切なる願いである。EGAT(注68)への石炭供給入札で,イタリアンタイITD(注66)とナワラットNWR(注67)が,石炭鉱山事業で,落札した。両者で,石炭9,500万トン,事業費は366.8億バーツである。

NWR(注67)は石炭5,000万トン,166.8億バーツ,ITD(注66)は石炭4,500万トン,200億バーツで,採掘は来月から始まり,供給は,2010〜2018年である。ソンバットEGAT総裁(注69)は,マモー石炭火力(注70)は,現在の石炭鉱山は2,3年で尽きるが,今回の2つの新たな石炭契約で,更にその耐用年数を20年延ばすことが出来る,と言っている。マモー石炭火力(注70)は2,400MWで,年1,000万トンの石炭が必要。

ソンバットEGAT総裁(注69)によると,マモー石炭火力(注70)は,水力に続いて安価な電源である,電気料金を安く保つために,この2400MW,年間発生電力量180億KWhの発電所の存続が必要である,と言っている。因みに,KWh当たり単価は,ガスが1.27バーツ(3.55セント),石炭が0.83バーツ(2.32セント),ディーゼルが4.85バーツ(13.57セント),水力がラオスからの輸入を除いて0.40バーツ(1.12セント)である。

EGAT(注68)は,将来,更に他の石炭鉱山の開発入札を検討している。ソンバットEGAT総裁(注69)によると,電力消費は,涼しい天候と経済危機のために,2009年1月は13%の落ち,2月の第1週は10%の落ちを記録している。

(注) (61) 090221B Thailand, istockanalyst,(62) Ital-Thai, NWR Win Egat Bid,(63) http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews/articleid/3054603,(64) Thursday, February 19, 2009 5:55 PM,(65) (Source: Bangkok Post)By Yuthana Praiwan, Bangkok Post, Thailand,(66) Italian-Thai Development Plc (ITD),(67) Nawarat Patanakarn Plc (NWR),(68) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(69) Egat governor Sombat Sarntijaree,(70) Mae Moh coal-fired power plant,(71) Lampang,(72) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090201A.htm,(73)

●パキスタンのザルダニ大統領が中国へ水力協力要請へ(注28)

Pakistan's Asif Ali Zardari is visiting China, his second since becoming president, with plans to promote mutual economic and trade relations. Pakistani Foreign Ministry spokesman, Abdul Basit, said in Islamabad on Thursday that Zardari's 4-day visit beginning on Friday, Feb. 20, is part of his quarterly visit regime to China to explore economic cooperation, Press TV reported late Thursday from Islamabad. (注29)

パキスタンは,インドに攻められながら,自らもダム開発を進めるべく準備中であるが,資金的,技術的にも中国の支援を頼りにしている。ザルダリ大統領(注28)は,昨年,2008年,就任早々に北京を訪問し,ダム建設への支援の約束を取り付けているが,なかなか具体的な支援に広がらないところに,焦りが見える。パキスタンにとって,今や中国が唯一の頼りである。

パキスタンのザルダリ大統領(注28)は,第2回目の北京訪問に旅立つ。目的は,経済通商の推進計画についてである。バシット外務報道官(注32)は,ザルダリ大統領(注28)が,金曜日,2009年2月20日,に出発,4日間の中国訪問を行うが,これは年4度の定期的な経済協議の一つである,と。今回,ザルダリ大統領(注28)は,産業の中心地,上海など(注34)を訪問し,農業,科学技術など,視察する予定である。

北京駐在のカン大使(注33)は,自由貿易協定への署名を求めており,更にザルダリ大統領(注28)自身は,水力開発への支援を確認することを視野に入れている,と言っている。消息筋は,今回は純粋な経済目的で,政治的な交渉は視野に入っていない,北京の上層部とは,クリントン国務長官(注35)の北京訪問で,会えない可能性が強い,と報じている。しかし少なくとも,大統領(注28)は商務長官には会うつもりだ。

前回のザルダリ大統領(注28)の訪中では,パキスタンの行き詰まった電力不足に対応するため,中国が二つの原子力発電所の建設に,新たな支援を行う,との合意がある。パキスタンは,既に中国支援原子力発電所が動いており,更に一つが現在工事中である。

(注) (27) 090221C Pakistan, presstv,(28) Zardari begins China visit,(29) http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=86201&sectionid=351020401,(30) Fri, 20 Feb 2009 02:20:27 GMT,(31) Pakistani President, Asif Ali Zardari,(32) Pakistani Foreign Ministry spokesman, Abdul Basit,(33) Pakistani Ambassador to China, Masood Khan,(34) Wuhan, the capital of Hubei province, Yichang and Shanghai,(35) US Secretary of State, Hillary Clinton,(36) (73) http://3.bp.blogspot.com/_orkXxp0bhEA/R2nCQKh384I/AAAAAAAADVM/8YSZ0BkIWik/s400/071219-pakistani-nuclear.jpg (74)

●インドネシアのPLNは第2次電源開発で失敗か(注2)

State-owned electricity company PT Perusahaan Listrik Negara is likely to only be capable of increasing national electricity generating capacity by about 2,000 megawatts as part of the second stage of its expansion program, instead of 3,000 MW as originally planned, a top Energy Ministry official said on Thursday. This is due to lack of funding and technical limitations, with the rest of the work possibly left for the private sector to do.

インドネシアの電源開発は,中国の支援を受けて,順調に入っているはずだったが,ここに来て中国側の態度が変化し,ユドヨノ大統領(注18)以下,苦慮しているようである。これについては,2009年2月13日付本HP(注20)で報じられたとおりである。インドネシアのクラッシュプログラム,所謂,緊急プロジェクト計画(注5)は,2010年までの第1次がこの障害に遭遇,2014年までの第2次についても問題が起こっている。

木曜日,2009年2月19日,エネルギー関係省高官の話によると,国有電力公社PLN(注4)は,早期着工計画(注5)第2次分の最初の計画としていた,3,000MWについて,2,000MWとせざるを得ない,としている。理由は,資金不足と技術的限界,と言っており,出来ない部分は,民間セクターにお願いせざるを得ない,としている。

インドネシア政府は,第2次の早期着工計画(注5)を,今年,2009年にスタートさせる計画である。この第2次計画は,全国に亘る99プロジェクトで,2014年までに完成させる計画である。その半分以上は,地熱発電(注20)と水力発電を含む再生可能エネルギー(注21)を想定している。全部完成すれば,10,000MWで,第1次分,10,000MWと併せて,新規20,000MWとなる予定である。

この第2次分,10,000MWのうち,3,000MWはPLN(注4)が実施し,残りの,7,000MWはIPP(注22)に期待している。プルオノ電力総局長(注8)は,今のところPLN(注4)は,2,000MWを予定しており,ムワラ・タワール天然ガス火力(注6)とチソカン揚水(注7)であり,サブローン(注23)は,この二つのプロジェクトについては確保されている,と語っている。

プルオノ電力総局長(注8)によると,西ジャワ州(注24)のチソカン揚水(注7)の工事費は20億ドルであり,ダムが2つ必要なので高くつく,と。PLN(注4)は需要の60%を満たしているのみである。揚水発電所は,オフピークの電力で揚水し,ピーク時にこれを発電する仕組みである。チソカン揚水(注7)については,JBIC(注10),世界銀行(注11),ADB(注12)など国際的な融資機関から,コミットを受けている。

第2次の緊急プロジェクト計画(注5)の他の地点については,PLN(注4)に検討を指示しており,民間企業にも参入を要請する方向である。この大統領令は現在準備中である。また,IPP(注22)に対する販売料金の基準については,省令で決めるべく検討中で,近いうちに成案となるであろう,と。第1次については,頼りにしていた中国資金が暗礁に乗り上げており,2010年完成の予定は,ずれ込む可能性があると。

PLN(注4)によると,資金難から第1次の完成は2012年にずれ込むが,ジャワの3つの発電所,1,000MWは,2009年内に完成する,それは,中部ジャワ州(注25)のレンバン火力(注13)と西ジャワ州(注24)の,ラブアン火力(注14)とインドラマユ火力(注15)である。中国政府は,第1次分の石炭火力に対して,80億ドルを約束していたが,現在までに20億ドルが具体化しただけで,残りは棚上げされている。

このことに関して,ムルヤニ財務大臣(注16)とマリ貿易大臣(注17)が,北京を訪問する予定になっている。PLN(注4)は現在,自己資金で第1次分の残りを進めている。ユドヨノ大統領(注18)は,2009年2月10日,中国の撤退に備えて国内銀行の動員を考えるよう,PLN(注4)に指示している。現時点では,PLN(注4)は,全国需要の60%を供給するのが精一杯である。

(注) (1) 090221D Indonesia, thejakartaglobe,(2) PLN May Possibly Miss Target For Second ‘Fast-Track’ Scheme,(3) http://www.thejakartaglobe.com/business/article/10497.html,(4) PT Perusahaan Listrik Negara (PLN),(5) fast-track program,(6) gas-fired Muara Tawar plant,(7) Cisokan pumped-storage hydro scheme,(8) Jacobus Purwono, the Energy and Mineral Resources Ministry’s director general of electricity,(9) Pumped-storage schemes,(10) Japan Bank for International Cooperation,(11) World Bank,(12) Asian Development Bank,(13) Rembang power plant,(14) Labuan power plant,(15) Indramayu power plant,(16) Finance Minister Sri Mulyani Indrawati,(17) Trade Minister Mari Pangestu,(18) President Susilo Bambang Yudhoyono,(19) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090213D.htm,(20) geothermal,(21) renewable resources,(22) independent power producers,(23) Subloan,(24) West Java Province,(25) Central Java Province,(26) http://blogs.yahoo.co.jp/tknaito/51593370.html,(27) (74) http://mproprovider.files.wordpress.com/2008/05/picture-3002.jpg。(75)

●中国は水力発電所の料金を値上げへ(注53)

Vice Director of the National Development and Reform Commission (NDRC) Zhang Guobao has told a forum on Sustainable Development of Hydropower that China intends to raise the price of hydropower, according to a February 19 report in Caijing magazine. The price adjustment would change a long-standing policy to set the price of hydropower lower than that of thermal power.(注54)

2009年2月19日付の雑誌カイジン(注57)によると,発改委NDRC(注60)のザン・グオバオ副主任(注55)は,水力持続的開発(注56)のフォーラムで,水力発電所の電気料金を値上げする意向を報じた。水力の単価は,長い間,火力より低く抑えられてきた。ザン・グオバオ副主任(注55)は,この単価が水力開発の障害になってきた,それは歴史的な理由からである,と語っている。

2008年末に於ける水力設備は,170,000MWで,2008年の水力の発生電力量は,5,630億KWh,全電力の16.4%を占めている。長期に亘ってNDRC(注60)は,原価プラス利益として,水力の単価を低く抑えてきた。しかし内部では,水力の運転経費は少ないが最初の投資が大きいことで,いろいろな批判も出ていた。ザン・グオバオ副主任(注55)は,これを修正しなければ,水力開発に影響が出ると。

三峡ダムの元所長ル・ヨウメイ(注58)は,現在,水力の単価は,KWh当たり,0.2〜0.3元,約2.90〜4.38セント相当,で,これに対して火力は,0.4〜0.5元,約5.85〜7.31セント相当,で両者がバランスしているとは言えない,と言っている。ザン・グオバオ副主任(注55)は,同じ製品は同じ値段,と言う原則から言えば,火力と水力の単価は同一にすべきだ,と。

これにより増加する費用は,売電単価に反映すべきだが,送電網企業と発電企業の関心に影響して,水力の単価は,複雑な困難を伴う。更に詳しい議論については,注59を見られたし。

(注) (52) 090221E China, china.org,(53) China to raise price of hydropower official,(54) http://www.china.org.cn/business/highlights/2009-02/20/content_17309377.htm,(55) Vice Director of the National Development and Reform Commission (NDRC) Zhang Guobao,(56) Sustainable Development of Hydropower,(57) Caijing magazine,(58) ex-general manager of the Three Gorges Project Development Corporation Lu Youmei,(59) http://www.caijing.com.cn/2009-02-19/110071498.html,(60) National Development and Reform Commission (NDRC),(61)

参考資料

ベトナム


●090221A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのソンラダムの亀裂は問題ないと
EVN’s official report says dam safe despite cracks
http://www.thanhniennews.com/education/?catid=4&newsid=46286

タイ

●090221B Thailand, istockanalyst
タイのオタルタイなどがEGATの石炭入札で落札
Ital-Thai, NWR Win Egat Bid
http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews/articleid/3054603

パキスタン

●090221C Pakistan, presstv
パキスタンのザルダニ大統領が中国へ水力協力要請へ
Zardari begins China visit
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=86201&sectionid=351020401

インドネシア

●090221D Indonesia, thejakartaglobe
インドネシアのPLNは第2次電源開発で失敗か
PLN May Possibly Miss Target For Second ‘Fast-Track’ Scheme
http://www.thejakartaglobe.com/business/article/10497.html

中国

●090221E China, china.org
中国は水力発電所の料金を値上げへ
China to raise price of hydropower official
http://www.china.org.cn/business/highlights/2009-02/20/content_17309377.htm


2009年2月20日 ー ベトナムの電源開発の遅れはなぜ ー

今日は真剣に取り組みすぎて,随分大変だった。途中でどれかのニュースを省略しようとしたが,どうしても出来なかった。私は,エネルギー開発,と言うテーマーに絞っているつもりで,原油ガスの探査とか,石炭の埋蔵量とか,水力のダム開発とか,原子力開発とか,エネルギー源に関するものは網羅するつもりでいる。特に今日の,ベトナムの電源開発とか,インドの東部のガスとか,ネパールのダムとか。

しかしその中で邪魔になるのは,フィリッピンなどの発電資産の買収だ。出来上がったものを買収するなどと言うのは,世間に何のプラスも生まないし,まさしくゼロサムゲームだから,出来るだけ無視するが,フィリッピンの発電所の買収劇には参ってしまう。時間の無駄だ,と思いながら,毎日毎日,買収の話ばかりで,何も造ろうとしない,だんだんと苛立って,むしゃくしゃして来る。

ベトナムはどうしたのだろう。最近電気料金を上げたが,状況は一向に改善されない。私も,EVN総裁の頃に昔よく知っていたハイさんは,将来首相になる人だから,と周りの人が気を遣っていた。工業大臣に上り,更に今日のニュースでも,副首相として重要な発言を行っている。彼の発言は,詳しく内情を説明していないが,その言葉の中に,何となくベトナムの問題点が浮き彫りにされているのか。

ベトナムには,水力,火力を含めて沢山のプロジェクトが進行中である。昔は私もベトナムの殆どのプロジェクトを知っていたが,今では,水力も火力も,私には耳慣れないプロジェクトばかりである。と言うことは,ベトナムは一生懸命,プロジェクトの形成に頑張ってきたと言うことで,昔,我々が知っていたプロジェクトの多くは完成している。

今日は,産業通商省が,2006〜2015年の電源開発計画の進行状況を報告書にして説明している。すべてのプロジェクトが,1年,2年と遅れて来ている。ベトナムはあれだけ一生懸命電源開発を行ってきたにもかかわらず,厳しい電力不足に見舞われている,まだまだ脱却できそうにない。一つは,出力が不安定な水力発電が大きな部分を占めていることにもあるが,今日のハイさんの言葉は,別の見方だ。

ハイさんは,電気料金を上げても,電力不足への対症療法にはならないと言っている。彼は,投資計画省が奮起すべきだ,と檄を飛ばしている。彼は8つの法案,と言っているが,この8つの法案を整備しなければ,公社事業も民間の発電事業も,投資が集まらない,と言っている。と言うことは,多くのプロジェクトの遅れが,投資企業への対策に問題がある,と言うことだ。もう少しここを突っ込む必要がある。

本文

●ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻

ベトナムの電力不足の真因は何か,おそらく投資環境の問題で,電気料金による資本回収にも問題があるのだろう。EVNの総裁で,末は首相だ,と言われてきたハイさんは,もう副首相に上り詰めて,ウイキペディアにもその名前が出ている。ハイさんの言っていることが,おそらく核心をついているのだろう。詳しくは書いてないが,要するに,資本を動員するために,ハイさんは,8つの法案を準備せよ,と言っている。

ベトナムの一連の電源プロジェクトが,6ヶ月から1年の遅れを出している。この結果,現在から2011年まで,毎年,21〜31%の電力が不足巣Rことになる。産業通商省MIT(注1)は,国家電源開発計画,2006年〜2015年(計画6)(注2)に於ける開発の状況に関する報告書を出して,プロジェクト実施の遅れに対して警告を発した。

全国系統の中で,今年,2009年,15の発電所プロジェクト,出力合計3,393MWが運転開始すると期待されていた。しかし,MIT(注1)は,このうち8つの発電所プロジェクトが遅れており,年内に運転開始されるべき,966MWが不足し,ベトナム全部の28%の設備を追加する必要が生じている。ビナコミン(注4)の進めるマオケ第1火力プロジェクト,220MWは,2011年完成で,計画より2年遅れである。

遅れている他の8つの中には,150MWのバンメ第2水力プロジェクト(注5),86MWのブオンツアサ水力(注6),180MWのドンナイ第3水力1及び2号機(注7),以上はいずれもベトナム電力EVN(注8)の投資によるものだが,他に,300MWのハイフォン火力第2.1(注9)がある。また遅れは,2010年及び2011年に運転開始が予定されているプロジェクトの中にも出てきている。

リラマの投資による,600MWのブンアン第1.1火力(注10)と,ビナコミン(注4)の投資による,220MWのマオケ第2火力(注11)は,予定は2010年のところ,2012年となる。更に,ペトロベトナムの,750MWのノンチャッチ第2ガスタービン(注12)は,2011年の予定が2012年になる。3つの発電所はいずれも大規模で,深刻な電力不足を招き,2010年には全国で,1,570MW不足,全電力の31%に相当する。

2011年には,計画6(注2)によると,14の新規発電所,5,401MWが必要である。しかし,MIT(注1)の調査では,600MWのモンドウオン第2.1火力(注13)及び,600MWのブンアン第1火力(注14)に1年の遅れがでている。この2つのプロジェクトの遅れで,2011年には22%の電力婦sくの見込みである。

同じように,2012年には,6,554MWの新規電源が必要だが,2つのプロジェクトに遅れがでる。それは,600MWのチャビン火力(注15)と,600MWのニソン第2.1火力(注16)である。これらの遅れは,慢性的なベトナムの電力不足を続けることになるが,効果的な対策は見つかっていない。MIT(注1)のドフハオ副大臣(注17)は,その日暮らし(注20)だとして,生産できたものはすべて消費してしまう状態を言っている。

今しばらくは,ベトナム系統では,4,000〜5,000MWの予備力が必要である。2009年2月17日の記者会見で,MIT(注1)は,8.92%の電気料金値上げを発表した。ホアンチュンハイ副首相(注17)は,この値上げは電源開発促進に繋がらない,政府は計画投資省MPI(注19)に2009年5月までに資本再編成の8つの法案を準備するよう指示しており,これが現在の電力投資上の問題を刑欠出来る,と言っている。

(注) (1) Ministry of Industry and Trade,(2) national program on power development for 2006-2015 (program 6),(3) Mao Khe 1 Thermopower Plant,(4) Vinacomin,(5) Ban Ve 2 hydropower plant,(6) Buon Tua Sah hydropower plant,(7) Dong Nai 3 hydropower plant,(8) Electricity of Vietnam,(9) Hai Phong Power Plant 2.1,(10) Lilama-invested 600MW Vung Ang 1.1 power plant,(11) Vinacomin’s 220 MW Mao Khe 2 plant,(12) PetroVietnam’s 750 MW Nhon Trach 2 gas turbine project,(13) 600MW Mong Duong 2.1 power plant,(14) 600MW Vung Ang 1 thermopower plant,(15) 600 MW Tra Vinh thermopower,(16) 600 MW Nghi Son 2.1,(17) Deputy Minister of Industry and Trade Do Huu Hao,(18) Deputy Prime Minister Hoang Trung Hai,(19) Ministry of Planning and Investment,(20) live from hand to mouth,(21)





●フィリッピンの地熱発電所をアボイテスが引き取り

アボイテス電力が,先日のアンボクラオ水力の改修工事着手の報道に続いて,地熱への具体的な動きを始めた。いずれも,再生可能エネルギーに関連した動きだが,なかなか電源の新規開発には及んでこない。他の国の今日の報道と比較してください,情けない。アボイテス電力(注64)は,289MWのティウイ地熱発電所と458.53MWのマクバン地熱発電所(注65)の引き取りの準備に入り,2009年代2四半期に引き取り完了,と。

アボイテス電力(注64)のパレデス副社長(注67)によると,既にティウイ及びマクバン地熱発電所(注65)の40%に相当する事前払い(注68)は手元にあると。80億ペソは現金で保有しており,手付け金(注69)は5月に支払う,残りの60%分は,7年間に漸次支払う,と。間もなく,3ヶ月以内に設備を引き取る,と言っている。

PSALM(注7)は,昨年,2008年7月,ティウイ及びマクバン地熱発電所(注65)は,446.89百万ドルでアボイテス電力(注64)が落札した,と公表している。PSALM(注7)は,NPC(注71)を通して,投資意欲を刺激するため,400MWの電力引き取りを,契約に付け加えている。アボイテス電力(注64)のアボイテス上級副社長(注72)は,ティウイ及びマクバン地熱発電所(注65)に問題あるものの,関心は維持している,と。

アボイテス電力(注64)は以前から,ティウイ及びマクバン地熱発電所(注65)について,NPC(注71)がシェブロン(注73)都交わしている上記供給契約(注75)の存在と,JCPC(注74)の未解決の認可問題に,引っかかっている。しかしこれは,急騰して来た石炭市場価格と密接な関連があるので,再交渉の必要がある,と見ている。

(注) (64) Aboitiz Power Corporation (AP),(65) 289 megawatt (MW) Tiwi and 458.53 MW Makban geothermal power plants,(66) Tiwi-Makaban power plant,(67) AP senior vice president Stephen Paredes,(68) upfront payment,(69) downpayment,(70) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM) ,(71) National Power Corporation (Napocor),(72) AP senior vice-president for power generation group Luis Miguel Aboitiz,(73) Chevron geothermal unit,(74) JCPC,(75) steam supply contract,(76)

●ネパールのアッパーカルナリ水力の工事がGMRで再開

インドの企業が一斉に,ネパールの水力開発に入っているが,円滑に言っているのかどうか,余り報道もなく心配していた。マオイストの政権入り,しかも与党の主流にいることから,地方の治安の問題は解決している,と考えてきたが,まだ問題は残っているようだ。昨日の記事で,インドのメノン外務次官(注40)が,ネパールのダハール首相と長く話し込んだ。

インドのメノン外務次官(注40)は,2日間のネパール訪問を終えて,水曜日,2009年2月18日,カトマンズを去るに当たり記者会見,ネパール西部に於けるインド企業GMR(注39)の,日曜日以来,地元住民の妨害によりストップしていた工事を再開した,すべての障害は取り払われた,と語った。GMR(注39)は,2008年,300MWのアッパーカルナリ水力(注41)の開発を落札したが,住民が知らされていないと,妨害していた。

アッパーカルナリ水力(注41)プロジェクトは,3つの地区,アチャム(注42),ダイレキ(注43),サーケット(注44)に跨っているが,これらの地区はすべて強力なマオイスト党(注45)の支持者である。先週,これらの地元住民が,自分たちの要求に応えないならば工事を妨害する,との書面が出され,これが障害になっていた。地元新聞は,この妨害でGMR(注39)は,1日1,000万ネパールルピー,約623,800ルピー相当損失と。

GMR(注39)は,治安確保に関して,地区ののチーフに書面を提出していたようだ。昨年,2008年,メノン外務次官(注40)が,クケルジー外相と共にネパールを訪問した際,複数のインド有力企業(注47)から,治安と地元雇用に問題のあることを,事前に通知していた。

(注) (39) GMR Energy,(40) Indian Foreign Secretary Shivshankar Menon,(41) 300 MW Upper Karnali hydropower project,(42) Achham district,(43) Dailekh district,(44) Surkhet district,(45) Maoist party,(46) Indian External Affairs Minister Pranab Mukherjee,(47) United Telecom, Dabur Nepal and Nepal Lever,(48)

●インド政府はKGのガスよりも西海岸に注目

インドの東海岸の天然ガス,KG流域(注22)は,リライアンス(注21)によって事業化されていて,その供給先や契約で,いろいろと紛争が起きてきているが,今日の報道では,インド政府が,東のガスの方がよいのではないか,と言っている。東にガスがあるのかよ,と言いたいところで,あるならあるで手を早く打てばよいのに,とも思う。でも,賦存量や技術的な問題については,まだ書かれる問題ではないようだ。

今日の記事。石油省高官の話として,中央政府は,リライアンス(注21)が事業化しているKG流域(注22)の天然ガスが十分でないので,供給量を最大にするために,西海岸の豊富なガスに切り替えることを視野に入れているという,しかし,この突然の出来事について,詳しいメカニズムなどはまだ表に現れていない。

リライアンス(注21)のKG-D6ガス田(注37)のガスの主成分は,メタン(注36)で,石油化学製品やLPG(注27)には使えない。しかし,西海岸のボンベイ大陸棚(注23)で,国有企業及びその合弁企業が運営するパンナ(注24),ムクタ(注25),タプティ(注26)各ガス田は,量も豊富で,石油化学製品とLPG(注27)にも使うことが出来る。

リライアンス(注21)のKG-D6ガス田(注37)のガスは,カロリーが低く,8,100kcal/SCM(注31)であり,エタン(注28),プロパン(注29),ブタン(注30)を含んでいない。その高官は,国としてよりよい天然ガスを得るために,単なる燃焼だけではない他にも利用できる西海岸のガスに,KG-D6ガス田(注37)のガスから転換を図るべきだ,と言っている。

専門家によると,西海岸のガスは,エタン(注28),プロパン(注29),ブタン(注30)を含んでいて,カロリーも,10,000kcal/SCM(注31)以上あると。価格もこのカロリーによって違ってくる。高官筋は,リライアンス(注21)のKG-D6ガス田(注37)のガスは,政府のガス使用政策(注38)に基づいて販売される,と。デオラ石油相は国会の委員会で,リライアンス(注21)のKG-D6ガス田(注37)のガスは,2009年4月に供給開始と。

そのガス,日4,000万立方mMMSCMD(注33)は,既設の肥料工場,LPG施設,発電所の不足分を補うと。最終決定は,まだ時間がかかるが,肥料への補助金削減,電力とLPGの生産増強によって,原油への依存の軽減や環境への影響を考慮して決定されると。このガスは,過程や運輸セクターに対するCNG(注35),PNG(注34)にも供給されるだろうと。

(注) (21) Reliance Industries,(22) Krishna-Godavari (KG) basin,(23) Bombay High,(24) Panna,(25) Mukta,(26) Tapti,(27) liquefied petroleum gas (LPG),(28) C2H6 (ethane),(29) C3H8 (propane),(30) C4H10 (butane),(31) kcal per standard cubic meter (SCM),(32) petroleum & natural gas minister Murli Deora,(33) million metric standard cubic metre per day (MMSCMD),(34) piped natural gas (PNG),(35) compressed natural gas (CNG),(36) methane (CH4),(37) KG-D6 field,(38) gas utilisation policy,(39)

●中国のCRパワーが中国南部で火力発電所建設

中国南部に於けるCRパワー(注48)の,開発への活躍を詳細に伝えている。中国で第6番目の発電企業CRパワー(注48)は,中国の南西部,広西荘自治区(注49)で,火力発電所を建設することになった。CRパワー(注48)は,中国の輸入石炭の60%を消費している中国南部での急速な事業拡大を目指していることを示唆した。地方政府によると,CRパワー(注48)は既に発改委NDRCC(注50)の承認を受けている。

CRパワー(注48)は,南部中国で最大規模となる,それぞれ1000MWを4機の石炭火力発電プロジェクトを計画している。第1段階は,1000MW機2機の超臨界石炭発電機器(注63)で,76.52億元という莫大な投資である。このプロジェクトは,年間で,362.8万トンの石炭を必要としている。この石炭は,中央部の河南省(注51)の石炭で,ピンディンシャン石炭(注52)とイイマ石炭(注53)から買ってくる。

CRパワー(注48)の拡大計画は止まらない。2008年10月,20億元,南西部中国の雲南省(注55)シシュアンバンナ県(注54)の地方自治体と,水力プロジェクト開発で合意している。雲南省(注55)政府とも以前に,開発に関する包括的な合意に達している。既に,ヌー川(注56)とホンヘ川(注57)で,水力プロジェクトの準備に入っている。ランサン-メコン・サブリージョン計画LMSECP(注58)にも入っている。

中国南西部は今や,急速な電力産業の発展を続けている。広西荘自治区(注49)は,2008年12月に,5つの送電線建設,69km,176百万元,の認可を受けている。広西荘自治区(注49)の投資額は,付属設備も含め,全部で6億元に達し,これらは,2009年5月に完成する。今月,広西送電公社(注59)は,南寧(注61)の送電線工事を開始する。

送電線は,広西荘自治区(注49)の省都南寧(注61)のユンジン送電プロジェクト(注60)で,31.6億元を要し,完成の暁には,広西荘自治区(注49)の変圧器容量は,294万KVAに達し,送電線の延長は,998kmに達する。

(注) (48) China Resources Power Holdings Co., Ltd. (CR Power, SEHK: 0836),(49) Guangxi. 広西荘自治区,(50) National Development and Reform Commission of China,(51) Henan 河南省,(52) Pingdingshan Coal (Group) Co., Ltd.,(53) Yima Coal Mining Group,(54) Xishuangbanna Prefecture,(55) Yunnan Province,(56) Nu River,(57) Honghe River,(58) Langcangjiang-Meikong Sub-regional Economic Cooperation Program,(59) Guangxi Power Grid Company,(60) Yunjing Power Transmission and Transformation Project,(61) Nanning,(62) USD 1 = CNY 8.63,(63) ultra supercritical coal-fired generation set,(64)

参考資料

ベトナム


●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/02/829956/

フィリッピン

●090220B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの地熱発電所をアボイテスが引き取り
Aboitiz Power sets Tiwi, Makban plants takeover
http://www.mb.com.ph/BSNS20090219148477.html

ネパール

●090220C Nepal, thaindian.com
ネパールのアッパーカルナリの工事がGMRで再開
GMR trouble in Nepal resolved Menon
http://www.thaindian.com/newsportal/world-news/gmr-trouble-in-nepal-resolved-menon_100156723.html

インド

●090220D India, Economic Times
インド政府はKGのガスよりも西海岸に注目
Govt may swap RIL’s KG basin gas with rich west coast output
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Govt-may-swap-RILs-KG-basin-gas-with-rich-west-coast-output/articleshow/4152538.cms

中国

●090220E China, tradingmarkets
中国のCRパワーが中国南部で火力発電所建設
CR Power to Build Thermal Power Plant in South China
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2182101/


2009年2月19日 ー ネパールとインドが今後の開発計画で協議 ー

今日の話題は,東京電力の復調と原発要員不足に備える1,000人規模の新卒使用計画か。電力だけがなぜ好調なのか,各企業の操業停止や設備廃止などで,需要も影響を受けていると思われるが,おそらく急激なエネルギーを含めた資源価格の下落が,電力を救っているのだろう。資料不足で確実には分からないが,電力料金調整が,急激な資源価格下落について行っていないのではないか。

今日の政府の地球温暖化会議で,電気事業連合会の森本宜久副会長が,「大幅な省エネの進展を前提とした大規模な設備投資はできない」,と言い切って,1990年比で4%程度の温暖化ガス削減は難しい,と言い切っている。批判を浴びそうだが,原子力発電所の稼働も上がってくると考えると,もう少し謙虚に発言してはどうか,と誰かに言われている。

麻生首相のサハリン訪問でサハリン2のLNGが大いに盛り上がっている。ここでLNG関連の数字を整理しておこう。日本の2008年の年間LNG輸入量は6,680万トン,世界の40%を占める。輸入の内訳は,インドネシアが1,360万トン(300万トンに減らすと言われている),マレーシアが1,330万トン,オーストラリアが1,210万トン,カタールが880万トン,ブルネイが640万トン,サハリン600万トン,UAEが560万トン,オマン360万トン

インドの外務次官がカトマンズを訪問,ネパールのダハール首相,プラチャンダと,インドの開発協力について話し合っている。目玉は,プラチャンダーの打ちだした,10年間で10,000MWの水力開発だ。その後,一向に進んだ話がないが,首相公邸で1時間に亘って話し合われた中には,具体的な地点名も出てきている。昨日は,アッパータマコシの話題で,インドと中国の企業が,大挙してネパールにいることが分かる。

おそらく,大規模プロジェクトは,今こそ仕込むチャンスではないかと思われる。ダムの事業費,電気機器も含めて,昨年,2008年半ばの価格よりも半減に近い減り方をしているのではないか。昨年時点では,何を仕掛けても事業費が高くてどうしようもなかった。今は,どのプロジェクトでも採算ベースに入ってくるのではないか,特にネパールなどはそうだ。

資金調達難,将来の見通しが不透明,などがプロジェクトを仕掛ける邪魔をしている,と皆考えているだろうが,プロジェクトは立ち上げるときが最も重要で,ある程度立ち上がってしまえば勢いで走り出す。車でも,信号待ちからダッシュするのが一番難しい。今なら,軽くアクセルを踏むだけで走り始める。ネパールは,日本から見ると大変だろうが,日本工営やJパワーは経験豊富,どんどん引っ張るべきだ。

本文

●タイのラチャブリ電力が2009年の拡張計画で128百万ドル

タイ最大の民間発電会社ラチャブリRATK(注1)の2009年の活動計画が報じられている。水曜日,2009年2月18日,RATK(注1)は,2009年に,既存及び新規のプロジェクトに,450億バーツ,約128百万ドル相当,の投資を行う計画を発表した。その説明文書によると,持続的エネルギー分野への参入として,タイ北部のペッチャブン県(注2)の風力プロジェクト(注10)に,11.1億バーツを投資するという。

この風力プロジェクト(注10)は,設備出力60MW,年間発生電力量125GWh,2011年運転開始,の計画である。タイの民間企業再生可能エネルギーREC(注3)が,この42.7億バーツの資本の74%を持っている。RATK(注1)は,ラオスに,ホンサ・リグナイト火力(注4),ナムグム3水力(注5),セピアン・セナムノイ水力(注6)の3つのプロジェクトを持っている。更に,ベトナムやインドネシアのプロジェクトも,視野に入れている。

RATK(注1)の資本は,国有電力EGAT(注7)が45%,タイ最大の石炭企業バンプBANP(注8)が15%,保有している。タイ証券市場SETI(注9)の今日の0347GMT株価は,0.6%ダウンの39.25バーツ,なおその時のSETI(注9)指数は,0.4%ダウンである。1ドルは,35.24バーツ。

(注) (1) Ratchaburi Electricity Generating Holding RATC.BK,(2) Phetchabun province,(3) Renewable Energy Corporation,(4) Hongsa lignite power plant,(5) Nam Ngum 3 hydropower plant,(6) Xe-Pian Xe-Namnoy hydropower plant project,(7) Electricity Generating Authority of Thailand (EGAT),(8) Banpu BANP.BK,(9) Thai stock index .SETI,(10) wind power project,(11)

●フィリッピンの石炭で20ブロックを民間セクターへ

フィリッピンに石炭があるのかね、と言いながらまとめたのは、2009年2月9日付本HP(注14)である。セミララ島、カガヤン渓谷,ミンダナオなどが上げられ,ミンダナオでは,9億トンの包蔵が見積もられている。この時点のNEDO報告では,この記事にあるセブ南部の記述はない。炭質は,発熱量,3,900〜5,200 Kcal/kg,とされて,余り良くない。セブ南部は良質,と書かれている。これが前回の大要。

今日の記事。エネルギー省(注11)によって,およそ20ブロックが,フィリッピン・エネルギー契約ラウンドPECR(注12)の次のラウンドとして,民間開発に委ねられる。エネルギー・オフィスは,石炭事業契約COC(注13)への応札のプロセスなどに関するガイドラインを作成中である。オカ・エネルギー省次官(注15)は,この石炭事業契約COC(注13)に続いて,他のエネルギー資源,原油やガスについても踏み出す,と言っている。

次官(注15)は,我々は石炭を発進させた,ガイドラインが出来ればすぐに発表し,15日程度を経て,3月には実際の石炭への行動に移る,と言っている。この政府の国内石炭の包括的な開発の意図は,近い将来,その需要が増える,との期待に基づいている。油田ブロックの入札が終われば,今年のラウンドは終了するが,次は地熱開発に移ることになる。

ここ数年の石炭の価格上昇は,国内石炭の増産を後押ししている。事実,現在計画中の石炭火力の殆どは,国内石炭を使用する設計になっている。実際には国内炭は量的に厳しく,現在の石炭火力は,殆ど,中国,インドネシア,オーストラリアからの輸入で賄われている。もう一つのディレンマは,国内石炭の質で,他の国の石炭に比べて,低質である。

世界的な燃料のクリーン・エネルギー資源への転換の流れの中でも,石炭は,安定したエネルギーとして,エネルギー・ミックスの中での役割が期待されている。有毒ガスの噴出を少なくするために,開発企業は,クリーン・石炭技術(注16)に期待が集まっている。

(注) (11) Department of Energy (DoE),(12) Philippine Energy Contracting Round (PECR),(13) coal operating contracts (COCs),(14) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090209A.htm,(15) Energy undersecretary Ramon Oca,(16) clean coal technologies,(17)

●ネパール首相とインドの外相が今後の開発計画で協議

その後のインドとネパールの関係,二国間の開発協力はどうなっているのか,関心を持っていたところである。2009年2月17日,インドのメノン外務次官(注17)は,ネパールのダハール首相(注18)をバルワタール(注19)の首相公邸を訪ね,暫時懇談した。タパ首相補佐官(注21)によると,2008年9月のダハール首相(注18)の初めてのインド訪問の際に話し合われた主要な二国間プロジェクトについて,約1時間,協議された。

また,2008年11月の,インドのムケルジ外相(注20)がネパール訪問のときの約束も話題となった。このときの,ネパールのヤダブ外相(注22)との間の16項目の進捗状況が検討された。主要な項目は,ネパールの,10,000MW水力10年内開発構想と,問題を抱えたテライ(注30)の法令を回復する点であった。ネパール側は,インドの公私に渡る企業の投資環境整備を約束した。

ダハール首相(注18)は,メノン外務次官(注17)に対して,インドが支援を約束しているナウムレ水力プロジェクト(注23)の進捗について質問した。ネパール側から,何か障害があるなら言ってくれ,と言ったが,メノン外務次官(注17)は,今,両サイドがこのラプティ(注24)のダム建設について,協議を進めている,と答えている。また,コシ堤防(注25)と送電線の問題も,支援を約束した。

タパ首相補佐官(注21)によると,新規送電線は,まもなく,ムザファルプール(注26)とビハール(注27)の間に建設される,また,東西ハイウエー(注28)の損傷箇所は,3月末までに修復される,と説明されている。その午後には,メノン外務次官(注17)は,コイララ前首相(注29)をその自宅に訪ねて,現在の政治環境について,状況を探った。

コイララ前首相(注29)は,現況を説明した後,娘のスジャタ(注31)から,最近のダハール首相(注18)の無責任な発言は,政治混乱を招く恐れがある,とのコメントを聞いた。この議会の重鎮は,政治勢力の意見の一致,協力,統一が緊要,との意見を述べた。

(注) (17) Indian foreign secretary Shiv Shankar Menon,(18) Prime Minister Pushpa Kamal Dahal ‘Prachanda’,(19) Baluwatar,(20) Indian Foreign Minister Pranab Mukherjee,(21) Hira Bahadur Thapa, PM’s foreign policy advisor,(22) Foreign Minister Upendra Yadav,(23) Naumure hydro-project,(24) Rapti,(25) Koshi embankments,(26) Muzaffarpur,(27) Bihar,(28) East-West Highway,(29) former Prime Minister Girija Prasad Koirala,(30) Tarai,(31) Sujata Koirala, daughter of the veteran leader,(32)

●インドネシアのプルタミナがナツナガス田で政府補償を要求

インドネシア,リアウ諸島(注33)のナツナガス田(注34)のインドネシア政府とエクソンモビル(注35)の長年に亘る紛争については,2009年1月21日付本HP(注32)で解説し,インドネシア政府にとって,エクソンモビル(注35)の探査権は,2005年に失効していた,との判断を示したいた。ここの天然ガス包蔵量は16兆立方フィートと言われ,プルタミナ(注35)主導の政府方針が,確認されている。

今日の記事。水曜日,2009年2月18日,原油ガス規制機関BPミガス(注36)は,ナツナガス田(注34)の開発資金調達に関して,プルタミナ(注35)が,政府保証(注37)を要求していることを明らかにした。BPミガス(注36)のプリヨノ総裁(注38)が語ったところによると,必要投資額が,400億ドルという莫大なため,プルタミナ(注35)だけでは調達困難で,政府の協力が必要,と言っていると。

タングー天然ガス田(注39)でインドネシア政府がBPミガス(注36)に出したような,信用できるレター(注40)の発行を求めている。プルタミナ(注35)は現在,ナツナガス田(注34)の開発に関わるパートナーを捜しているが,その候補として,シェブロン(注41),エクソンモビル(注35),ステートハイドロ(注42),CNPC(注43),シェル(注44),ペtロナス(注45),ENIスパ(注46)の名前が挙がっている。

プルタミナ(注35)は,ナツナガス田(注34)少なくとも40%以上の主導多数の資本を望んでおり,その事業運営者となる希望である。

(注) (32) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090121E.htm、(33) Riau Islands,(34) Natuna-D Alpha block,(35) ExxonMobil,(35) PT Pertamina,(36) BP Migas,(37) government guarantee,(38) BP Migas president R Priyono,(39) Tangguh gas field,(40) trustee letter,(41) Chevron,(42) Total,(43) StatoilHydro,(44) CNPC,(45) Shell,(46) Petronas,(47) ENI Spa.,(48)

参考資料

タイ


●090219A Thailand, Bangkok Post
タイのラチャブリ電力が2009年の拡張計画で128百万ドル
Thai Ratchaburi to spend $128 mln on 2009 expansion
http://www.reuters.com/article/rbssUtilitiesElectric/idUSBKK41601520090218

フィリッピン

●090219B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭で20ブロックを民間セクターへ
20 coal blocks offered to investors
http://www.mb.com.ph/BSNS20090218148387.html

ネパール

●090219C Nepal, thehimalayantimes
ネパール首相とインドの外相が今後の開発計画で協議
Follow-up push to bilateral commitments
http://www.thehimalayantimes.com/fullstory.asp?filename=6a1Za0zko2am8&folder=aHaoamW&Name=Home&dtSiteDate=20090218

インド

●090219D India, Economic Times
インド政府が民間初電気業に3%のフリーアクセスを義務化へ
Power generators to sell power capacities through open access system
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Power_generators_to_sell_power_capacities_through_open_access_system/articleshow/4144968.cms

インドネシア

●090219E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナがナツナガス田で政府補償を要求
Pertamina asks for government guarantee for Natuna
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/18/pertamina-asks-government-guarantee-natuna.html





2009年2月18日 ー ネパールのアッパータマコシ水力を456MWに ー

昨日,2009年2月17日付,アフリカ,カメルーンの情報(注37)を流しましたが,この中で,英豪大手リオ・ティントが,この世界金融危機の中で,カメルーンの1,000MW水力開発とアルミ精錬工場に元気,というのは,おそらく中国の資源外交のせいではないか,と思われます。今日の日経は,中国の資源会社がオーストラリアでの権益拡大で攻勢をかけている,と報じられている。中国は当然,アフリカの資源に接近。

先日も書いたが,中国は,金融危機が言われていた頃に,国内需要に転換,として80兆円相当を超す内需拡大政策に走ろうとしたわけだが,つい最近に,再び海外資源への投資に,大きな挑戦を仕掛けてきている。このリオティントは,まさしくその兆しを示しているが,内需拡大がどれほど経済にとって大変なのか,瞬時に気がついたに違いない。今こそ手持ち外貨を,資源に注ぎ込むべき,と悟ったに違いない。

昨年,2008年7月に,原油が最高値に達して,鉄鋼材料の不足なども追いかけて,世界中のプロジェクトの建設費がパンクしていった。報道されたのは特に,ラオスの水力が悲鳴を上げて,タイとの買電交渉を再度行うとか,1年延期するとか報道された。私たちも,あるプロジェクトで随分悩んだが,おそらく落ちつくのではないか,と考えていたのが,今年になって,需要減退から,プロジェクトのコストが下がり始めた。

ネパールのアッパータマコシ水力(注29)が,309MWを,周辺の水を取り込んで,456MWに拡張する,と言う報道がなされたのは,今年の1月である。この水力は,カトマンズの北東,中国との国境に近い辺境で,ネパールが,出来るだけ自己資金で開発しようと頑張っているプロジェクトである。プラチャンダー首相の,10年間で10000MW開発,の先頭を切るプロジェクトだ。今参加しそうな企業はインドと中国である(注38)。

ノルウエーのコンサルタントなどが,その拡張の追加予算として80億ルピーを見積もったのに対して,ネパールのNEAが疑問を持ち,自ら精査に当たって,結論は30億ルピーとした。400億ルピーは約5億ドルに相当する。この拡張分は電気機器が大きな部分を占めるから,2008年ベースで見積もったコンサルタントの試算は,NEAによって,半分以下に評価されたことになる。私は,NEAは正しい,と言う予感だ。

私は,世界が不況で縮こまっているが,開発プロジェクトについては,今が動くチャンスではないか,と言う気がする。プロジェクトのコストが低いことは需要も少ない,と仰るだろうが,需要はもっと4,5年先の話だから,今こそ,プロジェクトを仕込む商売の人は,世界に飛び出すべきだ,今不景気だと言って内にこもると,後れをとること確実である。今こそ,明日にでも,東南アジア,アフリカへ,プロジェクト形成に飛び出すべきだ。

訂正,昨日,クリントン国務長官がお参りしたのは,靖国でなくて,明治神宮でした,ごめんなさい。


(注) (37) http://my.reset.jp/~adachihayao/iindex3newsAF.htm,(38) Larsen & Toubro Limited (India)Hindustan Construction Co. Ltd. (HCC),India - Tundi Construction (Pvt.) Ltd., Nepal, Joint Venture,China Gezhouba Group Company Limited (China),.China Railway 15 Bureau Group Corporation (China) - China CMIIC Engineering Corporation (China) Joint Venture ,Sinohydro Corporation (China),.China International Water & Electric Corporation (CWE) (China) ,China Anneng Construction Corporation (CACC) (China) Joint Venture ,

本文

●フィリッピンのアンボクラウ水力の改修が進む

SNアボイテス-ベンクエット(注4)は,ベンクエット県(注3)のボコッド(注2)に位置するアンブクラオ水力発電所(注1)の改修を,昨日,2009年2月16日,開始した,と発表した。2008年7月,PSALM(注5)は,入札で最高額の325百万ドルを提示したSNアボイテス電力(注7)に,175MW,アンブクラオ及びビンガ水力発電所(注6)を引き渡した。

SNアボイテス電力(注7)のルビオ社長(注8)は,我々は誇りに思っている,PSALM(注5)との売却合意に基づく我々の義務に則り,アンブクラオ水力発電所(注1)の改修に取りかかった,これは,近い将来,ルソン系統(注13)に再生可能エネルギーを供給する大きな貢献だ,と語っている。この改修工事は,2008年に土木工事を開始し,今月,2009年2月に電気機器の設置工事に入る。

SNアボイテス電力(注7)は,シンガポールの持株会社を通じたノルウエー籍のSN電力(注9)と,アボイテス資本ベンチャー(注11)の子会社であるアボイテス電力(注10)とのコンソーシアムである。SNアボイテス電力(注7)は,改修工事の工期を2年間としており,2010年に完成の予定である。SNアボイテス電力(注7)によれば,改修工事は,ノルウエー人のバッセルド・プロジェクトマネージャー(注12)に率いられた専門家によっている。

改修工事は,NPC(注14)から引き継がれた敷地内で行われており,SNアボイテス電力(注7)としては,特に近傍の地域に混乱を与えていない。SNアボイテス電力(注7)によれば,工事の開始に先立って,担当の地方自治体と相談して,必要な手続きを行って,すべての許可を既に得ている,と説明している。

(注) (1) Ambuklao Hydroelectric Power Plant,(2) Bokod,(3) Benguet,(4) SN Aboitiz Power-Benguet Inc.,(5) Power Sector Assets and Liabilities Management Corp.,(6) Ambuklao and Binga Hydroelectric Power Plants,(7) SN Aboitiz Power,(8) SN Aboitiz Power chief executive Emmanuel Rubio,(9) SN Power of Norway,(10) Aboitiz Power,,(11) Aboitiz Equity Ventures,(12) project director Rolf Baaserud,(13) Luzon grid,(14) National Power Corp.,(15) (36) www.cityofpines.com/ambuklao.html

●フィリッピンの議会報道官が原油規制緩和法の見直しを視野

石油各社から無視されて,ノグラレス議会報道官(注15)は,昨日,2009年2月16日,改めて,フィリッピン政府が申し渡しているように,石油規制緩和法(注16)の議会による見直しを示唆したが,これは,国内の主要な石油各社の財務状況を,検査すると言うことを意味する。ノグラレス議会報道官(注15)は,議会は,もし国の利益に反すると思うときは,石油規制緩和法(注16)も含めて,見直し,修正,撤回の権限を持つ,と言っている。

石油規制緩和法(注16)の修正は,そんなに強引な手法でもない,と。グラレス議会報道官(注15)は,燃料価格の矛盾は,政府の経済回復への努力を阻害している,と嘆いている。これは,世界の原油価格が下がっている現状で,石油製品の値下げの要求に応じない石油各社への不満から出たコメントである。議会(注17)は,このような状況の中で,石油各社への監視の権限を持っている,と。

世間の批判は,石油各社が競争でなくカルテルを組んでいるかのごとき動きをしていることで,これは価格を統一して,選択の余地のない消費者に損害を与えている,と言うものだ。グラレス議会報道官(注15)の警告は,議員達に指示されているが,石油各社は無視している。議会リーダーのディフェンサー議員(注18)も,次の議会の開会のときに,この問題を扱う,と言っている。これは多くの議員(注19)によって支持されている。

マラカニアンから石油各社の財務状況を懸念する声に対して,グラレス議会報道官(注15)は,石油規制緩和法は,競争を生んで価格の下落に繋がるはずだ,と言っている。エネルギー省(注20)の統計では,2009年2月12日のドバイ原油の価格は,1月のレベルで安定している。この週末の石油各社(注21〜24)の燃料リッター当たりの価格は,ディーゼル0.25ペソ,無鉛ガソリン0.50ペソ,エタノール混合0.75ペソ,上げている。

PTT(注27)は,そのまま価格を維持する,と言っているが,他の石油各社は,その意図を明確にしていない。グラレス議会報道官(注15)は,政府の権限に対して,賢明な措置を執るように期待している,と言っている。

(注) (15) House Speaker Prospero Nograles,(16) oil deregulation law,(17) Congress,(18) Majority Leader Arthur Defensor,(19) Deputy Speaker Eric Singson, Reps. Rodolfo Plaza (NPC, Agusan del Norte), Vincent Crisologo (NP, Quezon City), Ferjenel Biron (Lakas, Iloilo) and Oscar Malapitan (NP, Caloocan City),(20) Department of Energy,(21) Pilipinas Shell Petroleum Corp.,(22) Chevron Philippines Inc.,(23) Petron Corp.,(24) Total (Philippines) Corp.,(25) unleaded gasoline,(26) ethanolblended gasoline,(27) PTT Philippines Corp.,(28)

●ネパールのNEAがアッパータマコシ水力増設を視野

ネパールのアッパータマコシ水力プロジェクトUTHEP(注29)については,2009年1月29日付本HP(注35)で取り上げている。UTHEP(注29)の役員会は,30億ルピーを加えて,増分出力,147MWを得ることで合意した。新規規模の電力量は,年間2,247GWhに対して,元の309MWの計画では,1,777GWhであった。他の流域から水を導入することによって,拡張可能になった,と記している。

ネパール電力庁NEA(注28)の特別委員会は,アッパータマコシ水力プロジェクトUTHEP(注29)は,現在の309MWの設備から,30億ルピーを投入すれば,456MWに拡張することが出来る,との結論を出した。456MWに向かってプロジェクトを推進する,と言うことだ。2週間前に,ノルウエーのコンサルタントのJV(注30,31)が,NEA(注28)にプロポーサルを提出している。

このプロポーサルでは,309MWに147MW増設するために,追加で80億ルピーが必要,としていた。以前より,309MWプロジェクトは,320億〜330億ルピーとされてきたので,456MWに対しては,410億ルピーが必要,と言うことである。これに対してNEA(注28)は,一週間前に8人からなる特別委員会を組織,コンサルタント提出のプロポーサルの検討に入った。

委員会は,30億ルピーが適当との結論を出した模様である。情報によれば,委員会は,国際市場で物価が下落しており,コンサルタントの提案よりは費用は少なくなる,と判断したようだ。土木,機器,一般経費について,著しく価格が低下している,としている。NEA(注28)の委員会は,UTHEP(注29)の役員会に,今週中に報告書を提出し,資金調達完了を目指す考えである。

アッパータマコシ水力プロジェクトUTHEP(注29)のシュレスタ・プロジェクト・マネージャー(注32)は,資金調達が遅れているため,まだ建設工事は始まっていない,と言っている。309MWから456MWへの拡張は,2機のタービンを増設することになる。雇用者準備基金EPF(注33)は,120億ルピーを供与することになっていて,ネパール政府資金での最大規模の水力プロジェクトになる。

(注) (28) Nepal Electricity Authority (NEA),(29) Upper Tamakoshi Hydro Electricity Project (UTHEP),(30) M/S Norconsult As,(31) Lahmeyer International GmbH,(32) Mrigendra Bahadur Shrestha, project manager of the UTHEP,(33) Employees’ Provident Fund,(34) www.nea.org.np/eng.php,(35) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090129B.htm,(36)

参考資料

フィリッピン


●090218A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのアンボクラウ水力の改修が進む
Rehabilitation of Ambuklao power plant under way
http://www.manilastandardtoday.com/?page=business5_feb17_2009
●090218B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの議会報道官が原油規制緩和法の見直しを視野
Oil deregulation review sought
http://www.mb.com.ph/MAIN20090217148306.html

ネパール

●090218C Nepal, kantipuronline
ネパールのNEAがアッパータマコシ水力増設を視野
Upgradation cost down
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=180742


2009年2月17日 ー インドネシアと日本のLNG契約減 ー

13時5分の日経速報は,中川財務大臣の辞意表明を報じた。でも,ぐでんぐでんになって記者会見に臨むなんて,すごい豪傑ですね。どうだろう,上司が,ぐでんぐでんになって,どうしても大事な会議に出る,と言い張ったら,どうだろう,体を張って止めるだろうか。止めるのではないか,と思うけれど,そうかこの機会に貶めるか,など考えることもあるかも知れない。付き添いの局長は,今,もっとひどい目に遭っているだろう。

テレビが,クリントン国務長官の靖国神社参拝を報じている,ゴメン,靖国ではなかった,伊勢神宮だった。それにしても,拉致家族と会うなど,日本へのプレゼンが驚くほど派手である。東条英機など,A級戦犯の遺灰を太平洋に撒いてしまったのは,日本人がすぐ東条神社とか神社を造るのに秀でているから,もし造ったら,うるさいからと言うのが理由だった。伊勢神宮も結構,対米戦では活躍した神社だ。

今日のニュースの主題は,インドネシアのエネルギー資源である。どんどん生産量が落ちてゆく原油で,インドネシア国会が神経質になっており,これを受けたインドネシア政府も,資源ナショナリズムへ走っている。生産が落ちているのは,外国企業がしっかり生産をやらないからだ,と言う主張で,外国企業の尻を叩くと共に,国有のプルタミナへの移管を早めたい考えだ。

日本の,中部電力,関西電力,九州電力など6社のLNGが問題になっている。従来このグループは,年間1,197万トンと言う膨大なLNG供給をインドネシア政府と交わしており,その契約が2011年3月に切れる。インドネシア政府は,それを一気に300万トンまで落とすと言うことで,先日来日したカラ副大統領も,強硬に削減を表明してきた。日本は,タンカー90船がまだ来ていない,と訴訟の構えをである。

日本は,世界のLNGの40%を使用している,またインドネシアは,1,361万トンのLNGを輸出,世界の20%のシェアーである。サハリンなどもあるが,厳しい情勢だ。金曜日,2009年2月13日,大阪で予備的な合意書に署名が行われ,インドネシア側は,これで日本のクレームは解消された,としているが,利潤の大きいタンカーによる運搬で,インドネシア船か,日本船か,でまた揉めている。

裏には,インドや中国の急激な発展があり,中国がミャンマーの60兆立方フィートの膨大なガス包蔵を一手に納めンと,ミャンマー軍事政権に膨大な支援を行っていることは,このHPでも何度も報じてきたが,日本の国策企業や商事会社などが,奮闘している様も,時々目にするニュースである。市場を重視してきた日本のエネルギー取得のやり方は,中国などに押されて,少し修正の方向に行くのか。

本文

●ベトナム政府はソンラダムの移住に対して1兆ドンを準備

ベトナムが国運をかけるソンラ水力プロジェクト(注11),2400MW,最近は2,3,このHPでも扱っている,いまや最盛期なのであろう。2009年2月14日付本HP(注1)では,高さ138mのRCC型コンクリートダムをうち上がり中だが,長さ31mの亀裂が起きて問題となっている。また,2009年2月8知日付け本HP(注2)では,10万人の移住遅れで,国会議員団が現地調査に入っている。今日はその対策の記事である。

この金曜日,2009年2月13日,グエン・タン・ドウン首相(注3)は,ベトナム北部ソンラ県(注4)の巨大水力プロジェクトの建設による数千の関係住民への補償として,1兆ドン,約1億ドル相当,の支出を,財務省(注5)に命じた。グエン・タン・ドウン首相(注3)は,EVN(注6)に対して,ベトナム開発銀行(注7)の支出を,予定に従い,サイトの抜開や移住への住民の補償に遅れを来さぬよう,指示した。

全部で,20,206世帯,95,862人が,北部3県,ソンラ県(注4),ライチャウ県(注8),ディエンビエン県(注9)から,282カ所の新規住居地区と23の地方自治体(注10)に移住することになっている。移住は,来年,2009年6月までに完了する予定である。ソンラ水力プロジェクト(注11)の工事は,2005年12月に開始され,総事業費は,25億ドルと試算されている。イメージなどVNCOLD(注12)にあり。

ソンラ水力プロジェクト(注11)は,6機のタービンで,出力2,400MW,年間発生電力は,94.29億KWhで,2012年に完成する計画である。貯水池の面積は,224平方km,総貯水容量は,92.6億トンである。このソンラ水力プロジェクト(注11)は,莫大な電力を生むだけでなく,北部地域の少数民族の生産構造と生活環境の改善を助けるものとして,ベトナムにとっては重要なプロジェクトと位置づけられている。

(注) (1)http://my.reset.jp/~adachihayao/index090214A.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090208A.htm,(3) Prime Minister Nguyen Tan Dung,(4) Son La Province,(5) Ministry of Finance,(6) Electricity of Viet Nam,(7) Viet Nam Development Bank,(8) Lai Chau Provinve,(9) Dien Bien Province,(10) communes,(11) Son La hydropower plant,(12) http://www.vncold.vn/En/Web/Content.aspx?distid=344,(13)

●インドネシアの原油ガス企業が2009年に140億ドル投資

インドネシアは,生産が落ちている原油生産を,どの様に盛り上げるか,政府を上げて大きな関心事になっている。それは国会で度々問題となり,特に外国企業への風当たりが強く,資源ナショナリズム台頭の大きな要因となっている。2009年2月11日付け本HP(注24)にあるとおり,カラ副大統領が,原油ガスで海外企業に支配させない,と大きく見得を切ったばかりである。この記事はそれに関連する。

インドネシアの原油ガス企業は,今年,2009年の投資総額を,140億ドルと提案しているが,これは,先月,2009年1月,に計算された131.5億ドルよりもおよそ15%増となっている。先月の試算は,大部分の203の契約保持者から出された業務計画と予算提案書WP&B(注13)に基づいたものであった。より多くの提案書が提出されたのは,原油ガス規制機関BPミガス(注14)の発言が元である。

BPミガス(注14)のルティフ計画担当副会長(注15)が,日曜日,2009年2月15日,業務計画と予算提案書WP&B(注13)はコントラクターの業務と予算を示すもので,実施に際しては,BPミガス(注14)の証承認得る必要がある,と述べたことによる。昨年,2008年1月〜10月の投資額は115億ドルであった。副会長(注15)は,業務計画は石油事業運営(注16),予算は事業予算(注17)と呼ぶ,と言っている。

ルティフ計画担当副会長(注15)によると,投資が増えたことは,2009年の政府の生産目標,日960,000バレルの目標達成に貢献するだろう,しかしこの目標は,2008年の実績,日978,000バレルを下回っている。BPミガス(注14)のプリヨノ会長(注18)は,2009年の生産目標が低いのは,米国第2の石油企業の地元子会社シェブロン(注19)の原油生産が落ちたことが大きな理由だ,と言っている。

シェブロン(注19)の原油生産は,全インドネシアの40%に相当するが,生産落ち込みは油井の老朽化が原因,と。プリヨノ会長(注18)は,シェブロン(注19)は,日400,000バレルを生産しているので,この生産が落ちると,これを補うものがない,と言っている。最近のシェブロン(注19)のスマトラのドウリ(注20)とミナス(注21)の契約区域では,2008年の生産実績は,日405,000バレルである。

この値は,政府の目標である日408,000バレルより少なく,2007年の実績,日425,000バレルに遙かに及ばない。プリヨノ会長(注18)は,投資は,探査よりも生産工場に重点を置くべきだ,として,探査は,昨年,2008年,良い結果を出した,と。2008年と比べての2009年の見通しを聞かれて,もっと多くのボーリングと他の他の探査活動に期待している,と述べている。

BPミガス(注14)のハムザ外事担当部長(注22)は,業務計画と予算提案書WP&B(注13)について,2008年とはその作成法で少し異なる,として,前は,支出承認AFE(注23)とWP&B(注13)は別途に扱ったが,これを今年からは同時に協議する,これによって承認が早くなる,と言っている。WP&B(注13)は監査資料として重要,それは,資金回収,利益配分,租税の減速が盛られているからだ。

資金回収は,極めて投資の刺激に重要なメカニズムで,このメカニズムの中で,政府は,探査期間に油田のコントラクターが費やした費用を回収できるのは,セクターの投資を増強して,そのブロックの生産が始まってからのみ,改修できるのである。

(注) (13) Work Program and Budget (WP & B),(14) BPMigas,(15) Achmad Luthfy, BPMigas deputy chair for planning,(16) “Petroleum Operation”,(17) “Operating Cost”,(18) BPMigas Chair Priyono,(19) PT Chevron Pacific Indonesia,(20) Duri,(21) Minas,(22) BPMigas external division head Amir Hamzah,(23) Authorization for Expenditure (AFE),(24) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090211A.htm,(25)

●インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長

インドネシアは,日本へのLNG輸出を大幅に減らす,と言う話は前からあり,カラ副大統領来日の折もそれに言及している。私のメモを見ると,今回日本企業6社の現状契約は,年1,197万トンで,これを300万トンに減らすと言うから,インパクトは大きい。日本は,世界のLNGの40%を使用している,またインドネシアは,1,361万トンのLNGを輸出,世界の20%のシェアーである。サハリンなどもあるが,厳しい情勢だ。

インドネシアと日本は、金曜日,2009年2月13日,LNG(注25)購買契約の10年間延長契約の予備合意書を交換した。この予備合意書署名は大阪で行われたが,BPミガス(注26)のプリヨノ会長(注27)によると,本契約は後ほど行われる。2011年〜2020年までで,参加した日本の企業は,中部電力(注28),関西電力(注29),九州電力(注30),日本製鉄(注31),大阪ガス(注32),東邦ガス(注33)の6社である。

今回コミットしたと契約全量は,10年間で2,500万トン,東カリマンタン(注34)のボンタンLNG施設(注35)から供給される。ボンタンLNG施設(注35)のガスは,トータル(注36)が運用しているマハカム・ブロック(注37)から供給される。この署名式には,国有原油ガス公社プルタミナ(注38)とインペックス(注39)が出席している。

10年のうち最初の5年間は,LNG年供給量200万トンがCIF(注40)で,100万トンがFOB(注41)で持ち込まれる。後半の5年間は,全部で年2百万トンに減り,100万トンがCIF(注40),残りの100万トンがFOB(注41)である。プルタミナ(注38)は,供給解決合意書DRA(注42)に署名したが,この結果,日本企業から出ていた契約違反クレームは,なくなった,とプリヨノ会長(注27)は述べている。

前から日本企業6社は,2010年までに90船の契約不足を訴えてきた。プリヨノ会長(注27)によると,このLNGの75%は,インドネシア企業によって運搬される,と言っている。日本企業は前から,50%はインドネシア企業で,残りは日本のLNGタンカーで,と合意している,と言っている。プリヨノ会長(注27)は,インドネシアは十分なLNG運搬能力を持っている,プルタミナ(39)が入札を行うことになっている,と言っている。

プリヨノ会長(注27)によると,LNG運搬は事業として有利で,1日3万ドルを得ていると。また,プルノモ大臣(注43)は,ガスの殆どは輸出に回っているので,政府としては輸出を減らし,国内供給を増やすべく検討している,と主張している。今回の合意書が正式に契約書になった段階で,現在の25年間の契約は,2010年に破棄される。現状の契約は,日本が毎年1,200万トン供給を受けることになっていた。

(注) (25) liquified natural gas (LNG),(26) BPMigas,(27) BPMigas chairman R. Priyono,(28) Chubu EPC,(29) Kansai EPC,(30) Kyushu EPC,(31) Nippon Steel Co, Ltd,(32) Osaka Gas Co, Ltd,(33) Toho Gas Co, Ltd.,(34) East Kalimantan,(35) Bontang LNG plant,(36) Total Indonesia,(37) Mahakam block,(38) PT Pertamina,(39) Inpex Corporation,(40) CIF (Cost Insurance Freight),(41) FOB (Free on Board),(42) Deliverability Resolution Agreement (DRA),(43) Minister of Energy and Mineral Resources Purnomo Yusgiantoro,(44)

参考資料

ベトナム


●090217A Vietnam,vietnamnews
ベトナム政府はソンラダムの移住に対して1兆ドンを準備
Ministry allocates VND1 trillion for those relocated by Son La dam
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=01SOC160209

インドネシア

●090217B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの原油ガス企業が2009年に140億ドル投資
Oil, gas firms to invest $14b in 2009
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/16/oil-gas-firms-invest-14b-2009.html
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/14/lng-ri-signs-deal-with-japan-gas-sales-extension.html



2009年2月15日 ー ADBがブータンのダガチュ水力支援 ー

今日は外出していて遅くなりました。最近余り得ていなかったネパールとブータンのニュースを拾いましたが,やはりニュースというものも,旨い書き方と詰まらない書き方があるな,と思います。ネパールは,米国の国務次官補が,ネパールのカマール首相から,水力はどうか,と言われて,個別のプロジェクトはともかくとして,包括的には支援する,と何か訳の分からないことを言っていた。

ブータンは,ADBのセンガ総局長が主役,1億ドルを持ってブータンを訪ね,ダガチュー水力と農村電化を包含した,グリーン電力支援,ブータンは何処に行ってもグリーンなのに,まだグリーンプロジェクトか。しかし,基本的にはインドの資金の世界で,例え1億ドルでも,ADBの出番は,ブータンにとっては嬉しい,大体,無償資金の世界に,国際機関のローンが入る。

今日の日経,「ゼネコン各社,海外の収益改善急ぐ」,と題して,大林組の中東からの撤退と清水建設の現地社員増強のニュースが出ている。いずれも後ろ向きの話であり,勢い込んで乗り込んだ中東から,日本のジェネコンが撤退しなければならないのは,寂しい話だ。原油価格は何処まで落ちるのか,バレル40ドルで止まるかと思ったら,40ドルを大きく割り込んできた。

このニュースの中で,「大成建設は政府開発援助(ODA)案件で経験を積んだ東南アジアなどに経営資源を集中させ」,という言葉が出てくる。日本のODAは,少子化する日本人次世代の生き残りのため,と言い続けてきた私の言葉を覚えていただいているか。ODAの経験はジェネコンにも伝わり,また,拡大する東南アジアの看護士の採用など,刻々と成果を生んできていると思う。明日は測量で遅くなります。

本文

●ネパール,米国がマオイストのテロリスト見直し

マオイスト・グループ,今は,CPN(マオイスト)(注12)と呼ぶが,が武器を捨て,政治の主流に参画してから2年,米国はやっとこのCPN(マオイスト)(注12)をテロリスト監視リストからはずすことを示唆した。米国のバウチャー国務次官補(注13)は,木曜日,2009年2月12日,ニューデリーに向かう際に,記者会見を開いて,その可能性を示唆した。外交関係は成立していても,テロの問題は別,と言う見方だ。

2007年5月には,米国は既に,米国の,海外テロリスト組織(注14)に組み込まれないことを確認している。この水曜日に正式に,ダハール首相(注15)と会談して,このことを確認した。ハール首相(注15)は,2008年9月に米国を訪問しているが,その時,米国の政策転換について糾している。その時米国は,待ってくれ,少し様子を見る,と反応していた。

マオイストグループ(注16)は,1996年2月に,ゲリラ活動を開始し,14,000人を殺害,150,000人を強制移住した。2006年11月に,政府との間で,包括和平合意(注17)に署名した。バウチャー国務次官補(注13)は,今後のネパールの開発と和平プロセスを支援する,としたが,今のところ大規模な投資は考えていない,民間投資を併せて考えてくれ,と発言している。

なお,水力開発について言及しているが,当面は,個々の特定のプロジェクト支援を行うと言うよりは,広範な水力開発の支援を行いたい,と表現している。またバウチャー国務次官補(注13)は,憲法草案の作成に注目している,暴力は止め,ジャーナリストを守れ,武装解除を急げ,とアドバイスしている。ダハール首相(注15)は,武装解除される軍隊へのリハビリ支援を要請しているが,国連ベースで,という結論だ。


(注) (12) CPN (Maoist),(13) US Assistant Secretary for Bureau of South and Central Asian Affairs Richard Boucher,(14) ‘Terrorist Exclusion List’,(15) Prime Minister and Unified CPN (Maoist) Chairman Pushpa Kamal Dahal,(16) CPN-Maoist,(17) Comprehensive Peace Agreement,(18)

●ブータン,ADBが106百万ドルでグリーン開発

ブータンでグリーンプロジェクト,何処見てもグリーンしかないともうが,それでも,インド以外で,114MWの水力は大きい。一昨日,2009年2月13日,ADB(注1)のクニオ・センガ南アジア局長(注3)とノルブ財務大臣(注2)との間で,グリーン電力開発プロジェクト(注4)のフレームの中で,ダガチュウ水力プロジェクト(注5)と農村電化プロジェクト(注6)について,106百万ドルの合意書に署名がなされた。

この合意によって,ADB(注1)は,80百万ドルをダガチュウ水力プロジェクト(注5)に,無償資金26百万ドルを農村電化プロジェクト(注6)に供与する。ダガチュウ水力プロジェクト(注5)の総事業費は,200百万ドルであるが,ラムドルジ財務次官(注11)によると,残りは,オーストリア輸出信用庁(注7),タタ電力(注8),ドウルック・グリーン電力公社(注9),国家年金基金(注10)及びブータン政府によって調達される。

農村電化プロジェクト(注6)は,事業費32百万ドルであるが,残りはブータン政府が準備する。ADB(注1)のクニオ・センガ南アジア局長(注3)は,この供与は歴史的なもので,通常は,20〜30百万ドルのところ,今回は1億ドル以上のプロジェクト支援は初めてである,と語った。ADB(注1)はブータンに対して,1983年以来,30プロジェクト,総額3億ドルを支援してきた。

(注) (1) Asian Development Bank (ADB),(2) Finance Minister Lyonpo Wangdi Norbu,(3) Director General of South Asia Department of the Asian Development Bank, Kunio Senga,(4) Green Power Development Project,(5) Dagachhu Hydropower project,(6) Rural Electrification project,(7) Austrian Export Credit Agency,(8) Tata Power of India,(9) Druk Green Power Corporation,(10) National Pension and Provident Fund,(11) Finance Secretary Lam Dorji,(12)

参考資料

ネパール

●090215B Nepal,kantipuronline
ネパール。米国がマオイストのテロリスト見直し
US reviewing on Maoists' terrorist tag
http://www.kantipuronline.com/capsule.php?&nid=180030

ブータン

●090215C Bhutan, bbs
ブータン,ADBが106百万ドルでグリーン開発
ADB to provide US$ 106 million for the Green Power Development Project
http://www.bbs.com.bt/ADB%20to%20provide%20US$%20106%20million%20for%20the%20Green%20Power%20Development%20Project.html



2009年2月14日 ー ベトナムのソンラ水力のダムに亀裂 ー

ここしばらく,ベトナムの,2,400MW,国運をかけたソンラ水力の検索が増えているな,と思っていたが,現在,打ち込み中のダムの本体に,亀裂が生じた,と言って現地が騒いでいるようだ。亀裂の長さは31.5m,幅が1mm,深さが一番深いところで6mだという,川の流れに直角方向,だと書いている。現地のプロジェクトマネージャは,騒がないで,と懇願しているが,ベトナムの建設省は,対策に乗り出したようだ。

この前も書いたが,このソンラ水力には,日本工営などの日本のコンサルタントがアドバイスに当たっていて,日本工営の公表されている報告書を見ると,コンクリートのクラック発生には,相当に神経を使った書き方が読みとれる。RCCタイプであるから,本体がどうしても粗となるため,ダムの上流表面の処理に,相当力が入っていた。現場はおそらく,ベトナムの人には大変だったと思う。

このプロジェクトの諸元は,日本工営の資料によると,ベトナム北部,ハノイに流れ込む紅河の上流,ソンラ県内,ダムはRCCタイプで,高さ138m,流域面積43,760平方km,総貯水容量93億トン,出力2,400MW,年間発生電力量9,429GWh,である。世界銀行も日本政府も,途中まで支援したが,後,支援を絶ってしまった。結局,日本工営やJパワーのアドバイスを受けながら,自分たちで建設を始めた。

亀裂の問題はよく分からないが,おそらく致命傷ではないだろう。ただ,ダムのコンクリートは,熱応力で亀裂が入りやすいため,技術的には非常に神経を使って管理する部分だ,大きな亀裂はないとしても,今回のように,格好悪いし,大丈夫だ,と言い切るのは結構時間が必要で,大切な開発の工程にも影響してくる。今回の場合も,おそらく日本から専門家を呼んだり,大変だろう。

ベトナムの技術者との付き合いは私も長いが,いつも彼等の熱心さと根気には敬服するところがある。いざとなれば何でもベトナムの技術でこなしてしまう。昔,ハノイの鉄工所で,外国の図面と睨めっこで,水車タービンを造っていたのには驚いた。ラオスの小水力で,お金がないから,ベトナムのタービンを買ってきなさい,と言って,あれは旨くいったのかなあ。

ただ,これは悪口ではないが,ベトナムの人のやることは荒っぽい。ホアビンのダムの右岸で,山に亀裂が入って問題になったことがあるし,ヤリフォールのダムの写真を見ると,洪水吐の両側の岩盤がむき出しで,本当に大丈夫かいな,と言うような場面に出くわすことがある。今度の場合も,RCC型はベトナムでは初めてで,その工事管理は大変だったと思う。まあ,大したことにならないだろう,と願っている。

今日の記事の中で,フィリッピンのバターン原子力発電所の改修再開が問題になっている。全くもったいないことをしたもので,23億ドルの借金を,一粒の電気も生まれない発電所で,つい先日ま返済し続けてきたわけだ。でも,プラス10億ドル,と言っているが,再開は技術的に無理だろう。インドネシアの鉱業法の制定,資源ナショナリズムが,国会などで激しくなってきていることを伺わせる。

本文

●ベトナムのソンラダムの亀裂は大きな問題ではない

ベトナムが国家の威信をかける,北部,紅河上のソンラ水力プロジェクト(注2),2,400MW,は,2009年2月8日付本HP(注1)で,10万人の移住に問題があり,国会議員調査団が現地に入っている,と言う情報があったばかりである。ダムの形式は,最近はやりのRCC型(注3)であるが,突然の報道で,コンクリート内に入った亀裂が問題になっているようだ。設計で日本工営の報告書(注9)がある。

ソンラ水力プロジェクト(注2)のプロジェクト・マネージャーは,その様に大きな問題ではないから,そんなに騒がないでくれ,と言っている。ダムは現在工事中だが,亀裂の長さは31.5m,幅が1mm,深さが一番深いところで6mだという。グエン・キム・トイ・マネージャー(注4)は,ダムの大きさ,長さ1,000m,幅90m,高さ130mの規模から見て,深さ6mの亀裂は,大きなものとは言えない,と言っている。

マネージャー(注4)によると,この亀裂の事実は,上部にも報告されているが,現在,鉄板で覆っている,亀裂は危険なものではない,コンクリートダムでは世界でも良くあることだ,と言っている。この鉛直に入った亀裂は,熱応力によるもので,コンクリートの層の内部の温度と外気温の差から生じたものだ,とコンサルタントの説明を元に,話している。

ダムの設計者によると,亀裂は基本的には問題はない,亀裂は紅河(注5)の断面の下部に当たり,マネージャー(注4)は,ダム壁の中に水が侵入する可能性は殆どない,と言っている。建設省(注6)の高官は,この亀裂がダムの質と安全性に及ぼす影響を,建設の専門家に調査を依頼している,と語っている。プロジェクトのダン・フン・ソイ主任エンジニア(注7)は,亀裂は水のラインに対して垂直だ,と説明している。

ソイ主任エンジニア(注7)は,この亀裂部分を切り離しており,このような亀裂はマスコンクリート(注8)の打ち込みではよく起こることだ,と言っている。ソンラ水力プロジェクト(注2)は,工事費,42兆ドン,約24億ドル相当,で2005年に着工している。東南アジア最大の水力発電所で,2,400MWの設備で,年間94億KWhの電力を発生する。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090208A.htm,(2) Son La hydropower project,(3) roller compacted concrete dam,(4) Nguyen Kim Toi, head of the project management,(5) Da River,(6) Ministry of Construction,(7) Dang Hung Son, chief engineer of the project,(8) mass concrete,(9) http://www.n-koei.co.jp/library/pdf/forum15_011.pdf,(10)

●マニラの科学者達が原子力発電所の復旧に反対

フィリッピンのバターン原子力発電所BNPP(注1)の再開問題については,2009年1月2日付本HP(注11)で,再開への気運を盛り上げる記事が出ている。2008年前半,IAEAの調査団が現地を訪問,その継続性について調査,BNPP(注10)のバターン-1が更新されることが可能,30年の間,経済的に,そして問題なく維持管理運転されることができる,政府に報告している。韓国電力KEPCO(注12)が動いている。

今日の記事は,この再開への機運に対して,科学者達の反対論が扱われている。1984年に完成して一度も運転されていないバターン原子力発電所BNPP(注10)の再開に対して,マニラの科学者グループが,これに立ち向かって反対することを宣言した。科学者グループは,バターン原子力発電所BNPP(注10)を,眠っているモンスター,汚職の記念碑,とまで呼んでいる。

バターン半島(注12)のモロン(注13)に位置するバターン原子力発電所BNPP(注10)は,フィリッピン全土の科学者の世界と汚職撲滅運動家による反対の砲火に曝されている。バターン原子力発電所BNPP(注10)は,1876年に事業費6億ドルでスタートしたが,1984年に完成したときには,マルコス大統領(注14)のグループがキックバックを狙って,23億ドルまで膨れあがっていた。

政府は,国民の税金の中から,ウエスティングハウスWE(注15)に対して毎日30万ドルの利子を払い続けてきたが,このローンは,世界銀行(注16)とIMF(注17)が保証を与えていたものだ。インクワイアラー(注18)によると,2007年時点で,支払いはまだ終わっていなかった。それから政府は,利子支払い分の3分の一,647億ドル,約13.6億ドル相当,の支払いを行った。一片の電気もなく,国民のポケットから出ていった。

1980年代には,反対運動が盛り上がって,町から町へ,マルコス独裁反対も手伝って,デモの民衆で埋まった。民衆の力に負けた当時のアキノ大統領(注19)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)の中止を決議したが,支払いは利子も含めて拒否できなかった。今や25年が過ぎたが,ここに至って,パンガシナン県(注20)のコンジュアングコ議員(注21)が,バターン原子力発電所BNPP(注10)の再開を画してきた。

コンジュアングコ議員(注21)は,下院(注22)に,バターン原子力発電所BNPP(注10)の修理と改修のために,10億ドルの予算を提案した。この議会での提案に対して,バターン原子力発電所BNPP(注10)の地域の,科学者,教会関係者,村人達,漁民,農民が,一斉に怒りに立ち上がった。フィリッピン大学シムブラン教授(注23),フィリッピン原子力反対同盟NFPC(注24)の会長,が立ち上がった。

シムブラン教授(注23)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)の現場を調査した米国の専門家ポラード氏(注25)の結果を見て,再開反対の立場を鮮明にした。シムブラン教授(注23)によると,ポラード氏(注25)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)は,安全に対して問題解決の前の設計で,公共の安全と健康に問題があるとしている。1980年代初頭,スリーマイル事故(注26)以来,米国は安全の改善をしてきたと。

フィリッピンの有名な地質専門家ロドルフ氏(注27)は,原子力廃棄物の問題で,フィリッピンでは十分に処理しきれない,と反対している。ロドルフ氏(注27)は,米国地質調査所USGS(注28)が,近傍のナティブ山(注29)付近で,少なくとも6回の自身を記録している,と言っている。またロドルフ氏(注27)は,原子力発電所は,多くの過程で,化石燃料の30%の温暖化ガスを排出するので,温暖化問題の解決にならないと。

フィリッピン大学の物理のタパン教授(注30)は,620MWを得るには危険が多い,と。2012年までに,地熱,水力,天然ガス,風力,太陽光を総動員すれば,3,000MWは容易に得られる,と言っている。地熱発電所のポテンシャルは,750MWあり,9,000万人のフィリッピン人が暮らすには十分だ,と。このような立場から,多くの人々が,政府のバターン原子力発電所BNPP(注10)再開の政策に反対している。

アロヨ大統領(注31)政権は,これらの意見に耳を貸さないようで,投資を行い,投資家から多くのポケットマネーを得ようとしている。マルコスの意図と同じで,フィリッピン人の命を賭けにしようとしている。アロヨ大統領(注31)は,バターン原子力発電所BNPP(注10)再開を諦めようとしていないし,眠れるモンスターを叩き起こすことに,フィリッピン人は手段を持たない。

(注) (10) Bataan Nuclear Power Plant,(11) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090128A.htm,(12) Bataan peninsula,(13) Morong,(14) former Philippines President Ferdinand Marcos,(15) Westinghouse,(16) World Bank,(17) International Monetary Fund,(18) Philippine Daily Inquirer,(19) former President Corazon Aquino,(20) Pangasinan province,(21) Mark Cojuangco, representative of Pangasinan province,(22) House of Representatives,(23) Professor Roland Simbulan of the University of the Philippines,(24) Nuclear Free Philippines Coalition,(25) U.S. nuclear scientist Robert Pollard,(26) Three Mile Island accident in the United States in 1979,(27) Renowned Philippines geologist Kelvin Rodolfo,(28) United States Geological Survey,(29) Mt. Natib,(30) Professor Giovanni Tapang,(31) presidency of Gloria Macapagal-Arroyo,(32)

●インドのジャルカンド電力がティラヤ火力でリライアンスに内示

インドの野心的な大規模石炭火力計画UMPP(注32),プロジェクトの規模,4,000MW,全国で10地点ぐらいをとりあえず想定しているが,世界的いな金融危機の折から,なかなか進展せず,ADBも,少しプロジェクトの規模を縮小したら,と提言していた。この第3弾のティラヤ石炭火力(注34)についても,一度入札が延期され,その行くへが心配されていたところだ。

インドの大規模石炭火力開発プログラムUMPP(注32)の3番目のプロジェクトであるジャッカンド州(注33)ティラヤ火力(注34)が,紆余曲折の末(注36),直前までこぎ着けた。ティラヤ火力(注34)プロジェクトの特別組織(注38)であるジャッカンド電力JIPL(注37)の役員会が,火曜日,2009年2月10日,リライアンス電力(注39)に対して,契約内示書LOI(注36)を手交した。

リライアンス電力(注39)は,最低札,KWh当たり1.77ルピー,約364セント相当,を提示して,他の4グループを制し,勝者となった。これで,4,000MW,ティラヤ火力(注34)は,リライアンス電力(注39)の3番目のUMPP(注32)となるが,リライアンス電力(注39)は既に,マディアプラデッシュ(注40)のササン火力(注41),アンデラプラデッシュ(注42)のクリシュナパトム火力(注43)を制している。

ジャッカンド電力JIPL(注37)のゴエル会長(注44)は,リライアンス電力(注39)のプロジェクト担当チャラサリ氏(注45)に,契約内示書LOI(注36)を手交した後,リライアンス電力(注39)がティラヤ火力(注34)を獲得したが,次は,実行計画書を提出する段階があり,その後,ティラヤ火力(注34)プロジェクトは,ジャッカンド電力JIPL(注37)からリライアンス電力(注39)に引き渡される,と語った。

ティラヤ火力(注34)は,4,000MW,投資額,1,600億〜1,800億ルピー,約33億〜37億ドル相当で,債務資本比率は,75対25であり,石炭は自家用炭坑が用意されている。ティラヤ火力(注34)は,2008年12月29日に入札が始まり,15日以内の開示が行われた。参加した他の4社は,NTPC(注46),ランコ(注47),ジンダール電力(注48),スターライト(注49)で,事前資格審査には,11社が応募しいた。

(注) (32) ultra mega power project (UMPP),(33) Jharkhand,(34) Tilaiya project,(35) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090131A.htm,(36) letter of intent LoI,(37) Jharkhand Integrated Power Limited,(38) special purpose vehicle,(39) Reliance Power Ltd,(40) Madhya Pradesh,(41) Sasan project,(42) Andhra Pradesh,(43) Krishnapatnam project,(44) chairman of Jharkhand Integrated Power Ltd M K Goel,(45) chief executive officer of reliance Power J P Chalasani.,(46) NTPC,(47) Lanco Infratech,(48) Jindal Power,(49) Sterlite Energy,(50)

●インドネシアの鉱業法制定で国有公社が特権を獲得へ

インドネシア,新しい鉱業法(注50)の制定に伴って,政府は,国有企業の特別扱いを規定する規則の案を策定中である。金属・石炭・地熱エネルギー総局のバンバン総局長(注51)は,木曜日,2009年2月12日,記者団に対して,規則の中で確実jに国営企業に特別の扱いをするよう検討している,政府は国有企業を守る,と断言した。鉱業法のセミナー(注52)では,その特別扱いの詳細は,述べなかった。

バンバン総局長(注51)の,国有企業優遇についての発言は,PTアントム(注53)のタト開発部長(注54)の質問に答えたものである。タト開発部長(注54)もセミナー(注52)の一人の報告者であった。タト開発部長(注54)は,鉱業法(注50)はPTアントム(注53)にとって困難な規定がある,例えば52条,53条で,探査面積を5,000〜10,000ヘクタールとし,最大生産面積を,25,000ヘクタールでシーリングしている点だ,と。

PTアントム(注53)の規模は,これらの制限を遙かに超えているが,タト開発部長(注54)は,国有企業の優遇とは,この制限を超えることを許容することではないか,と示唆している。政府は何度も,既契約は変更なし,としているが,制限を超える契約をしている企業は,全作業区域での作業計画書を提出させる,と言っている。バンバン総局長(注51)は,国有企業にも,この計画書の提出をさせる,と言っている。

プルノモ大臣(注55)は以前に,もし作業計画書を出せなければ,鉱業企業の作業区域の権利は,中央政府または地方政府へ委譲することになる,と言っている。これは国有企業に対しても同じかどうか,明確になっていない。タト開発部長(注54)は更に,他の条項で,ある製品の国内市場への販売優先と,5年以内の精錬工場の国内立地化の義務,について質問している。例えば,ニッケル鉄(注56)は国内市場はない,と。

タト開発部長(注54)は,その条項は,国内市場がある場合に限るべきだと。また,国内精錬工場の件は賛成だが,5年以内は困難だ,と。タト開発部長(注54)によると,精錬工場は,資金調達も考えて,10年は必要で,国内銀行にも支援を要求したい,と。長い間議論された鉱業法(注50)は,2008年12月,国会を通過し,政府は現在,法に書かれた4項目の実施細則を策定しているところである。

(注) (50) mining law,(51) Bambang Setiawan, director general for minerals, coal, and geothermal energy,(52) Mining Law and the Future of the State Enterprises,(53) PT Antam,(54) Tato Miraza, director for development at state mining company PT Antam,(55) Energy and Mineral Resources Ministry Purnomo Yusgiantoro,(56) ferronickel,(57)

参考資料

ベトナム


●090214A Vietnam,thanhniennews
ベトナムのソンラダムの亀裂は大きな問題ではない
Major hydropower project manager calls for calm over dam cracks
http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=46016

フィリッピン

●090214B Philippines, Manila Bulletin
マニラの科学者達が原子力発電所の復旧に反対
Manila scientists oppose nuclear plant
http://www.upiasia.com/Economics/2009/02/12/manila_scientists_oppose_nuclear_plant/6766/

インド

●090214C India, Economic Times
インドのジャルカンド電力がティラヤ火力でリライアンスにLI
J'khand Power Ltd issues LoI for Tilaiya project to Rel Power
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Jkhand_Power_Ltd_issues_LoI_for_Tilaiya_project_to_Rel_Power/articleshow/4118004.cms

インドネシア

●090214D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの鉱業法制定で国有公社が特権を獲得へ
State firms may get privileges in mining law
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/13/state-firms-may-get-privileges-mining-law.html


2009年2月13日 ー インドネシアの中国ローンで利上げ要求 ー

中国の金融路線で,何か動いているのではないか,という見方が,内外のメディアで囁かれている。一昨日,2009年2月11日,インドネシアで,電源開発,10,000MWのクラッシュプログラムに対して,中国資金を積極導入,これを主導したカラ副大統領が欧州にある間に,ユドヨノ大統領が閣僚を引き連れてPLN本社に乗り込み,資金調達の今後について議論したことは,報告した。

PLNのモクタール総裁は,今日,そのトラブルの一面を明らかにした。10,000MW,総額80億ドルのうちの外貨分,USドル分,14.8億ドルは,中国銀行グループによって,インドネシア政府保証付きで,2008年にPLNとの間で合意され,一部は既に支出されている。ところが,残りの部分について,中国銀行グループから,利子率の変更を伴う再交渉を要求されている。インドネシア政府は困惑,今,政府内で対応が検討されているという。

今日の宮崎正弘氏のメールマガジンを読んだ上での話だが,宮崎氏によると,中国の金融路線で大きな方向転換があったのではないか,としている。確かに,今年初め,世界金融危機が明らかになり始めて,中国は内需拡大に転換した,として,もう2度と米国などの資産を欲しがらないぞ,と言う感じの転換を行って,温家宝首相が欧州各国を回って,それを喧伝した。

しかし,その後の中国の資源獲得への金融戦略は,再び激しさを増しており,宮崎氏によると,米国債購入を止めると,中国元の高騰を招いて再び輸出に影響が出るため,米国債購入を再開した,と,ファイナンシャル・タイムズが伝えているという。この中国の金融路線転換と,インドネシアへのローンの再交渉とが,どの様に結びつくのか,難しいが,中国が全体的な見直しを行い,それがインドネシアへの資金にも影響する,かどうか。

いずれにしても,インドネシアが,10,000MWのクラッシュプログラムを発想したときは,中国へこれほど依存するとは思っていなかったはずだ。それが中国の積極的な支援を受けて,思いの外,開発が円滑に行き始めたので,PLNは自信を深めていたところであった。モクタール総裁も言っているように,中国資金が円滑だったから,プロジェクトも円滑に進みかけていたので,これからの中国の出方が,大いに開発に影響してくる。

今日は,インドネシアの他,タイが,電源開発長期計画PDPを見直して,経済減速を織り込んで,電源開発のスピードを調節し始めた,という記事が注目を引く。最初に影響を受けるのは,ラオスの水力で,2024年までの計画だが,輸入電力を,13,244MWであったものを,5,036MWに減らしている。これは,過去の報道にもあったように,ラオスの水力の建設費の高騰も,影響しているのだろう。

本文

●タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ

一昨日,2009年2月11日,エネルギー省による,国家電源開発計画PDP(注1)の見直し案に対する公聴会が開かれた。経済が落ち込む中,国有電力公社EGAT(注2)は,電力需要の低下によって,この先15年間で,4,600億〜1兆6,500億バーツ,の節約が可能になる。エネルギー省のポーンチャイ次官(注3)は,この値は,世界金融危機を受けて改訂される2009〜2024年のPDP(注1)に基づくもの,と説明している。

この節約分は,巨額の投資を必要とするラオスの水力投資の減少によるものである。しかし,ポーンチャイ次官(注3)は,もし国内の石炭火力と原子力開発が遅れる場合は,再度,ラオスの水力の促進を考える必要があるかも知れない,としている。改訂PDP(注1)案では,輸入電力で,13,244MWであったものを,5,036MWに減らしている。

同じように,現在検討中の原子力発電についても,2020〜2021年に投入するものとして,半分の,2,000MWとしている。全体としては,現在の発電設備,17,500MWに対して,15年後の設備は,26,000MWとしている。新たに加わった電源は,チャナ天然ガス火力(注4)の増設,2013年,700MWを1,500MWに,バンパコン火力(注5)増設800MWで合計1,600MW,南部の火力で2020年に,800MW,としている。

ただこのPDP(注1)では,需要予想を,次の5年間,2013年までしか出しておらず,それ以上は予想困難で,再度改訂の必要があろう,と考えている。すべての種類の民間開発プロジェクト,IPP,SPP,VSPP(注6)は,7,500MWであったものを,9,585MWに上げている。しかし,最近のIPPの勝者,ゲコ・ワン・コ発電所(注7),660MWについては,1年遅れの2014年投入としている。

第3次のIPPプロジェクト,2,400MWについても,2017年であったものを,2020年に延期している。エグコ・グループ(注8)のカノム天然ガス火力(注9),800MWも,契約上,2016年となっている。

(注) (1) national power development plan (PDP),(2) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(3) Pornchai Rujiprapha, permanent secretary of the Energy Ministry,(4) gas-fired Chana plant,(5) Bang Pakong in Bangkok,(6) private power producers (IPP, SPP, VSPP),(7) Gheco-One Co plant,(8) Egco Group Plc,(9) Khanom gas-fired power plant,(10)

●フィリッピンのNPC,燃料など契約の見直しを迫られる

主として,不明朗な燃料契約を言っているらしい,発電とは関係ないようだ。国有発電公社NPC(注10)は,契約自体を役員会にあげ,また必要ならコントラクターがその支払いの更新を行うなど,これらの事項を確実にするために,,広範な契約事項について見直すことになった。タンピンコNPC総裁(注11)は,この見直しは,レイエス・エネルギー長官(注12)の指示によるもので,検討するために1ヶ月が必要,としている。

タンピンコNPC総裁(注11)は,レイエス・エネルギー長官(注12)から指示された報告書は,来月,2009年3月の第4週に行われるNPC(注10)役員会に上程する,と言っている。また,ブラックリストで揺れている燃料契約のコントラクターがいる,と言っているが,名前は挙げなかった。また,問題があるのはコントラクター側であって,現在,NPC(注10)内部でも検討を行っている,と言っている。

レイエス・エネルギー長官(注12)は,NPC(注10)入札委員会(注13)の刷新を求めており,これはNPC(注10)の入札手続きのクリーナップ作戦の一環である,と言っている。公共事業道路省(注14)で起こっているような不正行為を未然に防ぐため,としている。これは世界銀行から指摘された道路入札問題のことを指している。

NPC(注10)の契約についても,常に噂が絶えず,特に燃料契約の過程で問題が多いとされている。今回指示された報告書は,NPC(注10)の運用や財務について改革を行うために,制度,手続き,人事など,すべての分野に亘って,必要な改革を行う,としている。

(注) (10) National Power Corporation (NPC),(11) NPC President Froilan A. Tampinco,(12) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(13) NPC Bids and Awards Committee,(14) Department of Public Works and Highways,(15)

●インド,NTPCが原子力開発へ参入へ

今日,2009年2月14日,インド最大の発電会社NTPC(注15)は,インド原子力発電公社NPCIL(注16)との間で,合弁事業合意書(注17)に署名するが,これでNTPC(注15)が,原子力発電事業に本格的に乗り出すことになる。これは,インドで初めての原子力開発に関する合弁事業となる。NPCIL(注16)は,インド唯一の原子力発電企業で,現在,4,120MWの原子力発電設備を所有している。

電力省関係筋によれば,この合弁事業は,既に両企業の取締役会の承認を得て,原子力省DAE(注18)と原子力委員会AEC(注19)の了承も得ている,と。今回の覚書は,国有公社PSU(注20)間の合弁事業に道を付けるものだ,と。この提案では,NPCIL(注16)が51%,NTPC(注15)が49%の資本で,2,000MWの原子力発電所を開発するが,具体的な場所については,後ほど決定される。

現在の原子力発電所の建設費は,KW当たり7万〜8万ルピー(注21),約1,440〜1,650ドル相当,で,規模を,2,000MWとすると,1400億〜1600億ルピー,約28.8億〜32.9億ドル,が必要となる。これは,同じサイズの火力発電所の33%増しに相当する。NPCIL(注16)は同様の合弁事業をAGENCO(注22)の間でも検討中である。

米国,フランス,ロシアとの原子力協力協定を締結後,NPCIL(注16),DAE(注18),NTPC(注15)の間で検討が続けられてきた。この決定は,NTPC(注15)の持っている大規模発電事業への経験を元に,ゴーサインが出たものだ。このたびの,2,000MW原子力発電プロジェクトは,国の計画,2017年までの新規電源開発計画,75,000MWの中の一環である。

(注) (15) NTPC,(16) Nuclear Power Corporation of India Ltd (NPCIL),(17) joint venture (JV) agreement,(18) Department of Atomic Energy (DAE),(19) Atomic Energy Commission (AEC),(20) PSU,(21) Rs 7 - 8 crore per MW,(22) APGenco (Andhra Pradesh Generation Company).,(23)

●インドネシア,中国が資金支援で,利子率上げを主張

一昨日,2009年2月11日の本HP(注26)で,インドネシアのクラッシュプログラム(注24)の資金難が問題になったばかりである。問題は,頼みとする中国政府の資金支援が,遅れて,それが工程にも影響が出てきていて,ユドヨノ大統領が,その解決に自ら乗り出している,と言う記事であった。中国資金の問題点について,PLNモクタール総裁(注25)が,詳細を語っている。

PLNモクタール総裁(注25)は,クラッシュプログラム(注24)の主たる投資国である中国が,ローンの利率を上げるよう提案してきており,クラッシュプログラム(注24)に遅れの可能性がある,と語った。昨年,2008年に合意されたローンについて,中国側の銀行が改訂を求めてきている。モクタール総裁(注25)は,計画が円滑に言っているのは,資金調達が円滑であったからで,これでプロジェクトも遅れる可能性が出てきた,と。

中国のローンは主としてドルの支援である。中国銀行グループは,中国銀行(注27),中国開発銀行(注28),中国輸出入銀行(注29)により構成されて,このコンソーシアムとPLN(注23)が,契約に署名した。その総額は,14.8億ドルであった。モクタール総裁(注25)は,既に一部は支出されているが,残りの分について,中国側から再交渉を申し込まれている,と。他の今後の折衝中のローンについても,再交渉を求められている。

PLN(注23)とインドネシア政府は,中国に対してどの様に返答するか,検討中だ,と。10,000MWのクラッシュプログラム(注24)は,インドネシア政府によって,2006年に,主としてジャワバリ系統(注30)の電力供給力増強のために計画された。全部で35発電所で,そのうち10発電所がジャワバリ内,25発電所が外島である。全部で必要な資金は,80億ドルで,ルピアとUSドルで成り立っている。

モクタール総裁(注25)は,国内銀行も資金調達可能と思う,と述べて,急いで,外貨分については額が大きすぎて困難だろう,と付け加えている。10,000MWのクラッシュプログラム(注24)は,2011年完成予定で,ローンはすべて,政府保証である。

(注) (23) PT PLN,(24) 10,000 megawatt (MW) crash program,(25) president director Fachmi Mochtar,(26) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090211B.htm,(27) Bank of China,(28) China Development Bank,(29) China Export Import Bank,(30) Java and Bali,(31)

参考資料

タイ


●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://www.bangkokpost.com/business/economics/11473/slowing-demand-means-savings-for-egat

フィリッピン

●090213B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPC,発電契約の見直しを迫られる
Review of NPC contracts pushed
http://www.mb.com.ph/BSNS20090212147932.html

インド

●090213C India, Economic Times
インド,NTPCが原子力開発へ参入へ
NTPC may enter into N-power biz
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/NTPC_may_enter_into_N-power_biz/articleshow/4114073.cms

インドネシア

●090213D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,中国が資金支援で,利子率上げを主張
China wants higher interest for PLN projects
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/11/china-wants-higher-interest-pln-projects.html



2009年2月12日 ー カンボジアで中国のダム着工 ー

サハリンのLNG出荷開始が,2009年3月に迫っているという。三井物産と三菱商事が参画したプロジェクトで,日本のLNGの10%を賄う,と言うから大きい。総事業費は200億ドルで,先年,ロシアの資源ナショナリズムで紛争に至り,半分はロシアのガスプロムが持つことで決着がついた事件が記憶に残る。三菱は,先日も,インドネシアのLNG契約で大きな報道があった。サハリンの詳細はビジネスアイ(注40)で見てください。

さて,今日は小型の水力開発ばかり,ベトナム,フィリッピンのネグロス・オキシデンタル,それにカンボジアのコーコンの中国企業によるキリロム第2水力の環境問題を取り上げている。このプロジェクトは,18MWであるが,カンポットのキリロム水力,約100MWなど,中国はこのカンボジアのカルダモン山脈で,大々的にダム開発に取り組んでいる。

カンボジアのフンセン首相は,環境NGOの活動について,厳しく対応してゆく構えであるが,それでもミャンマーに比べれば,カンボジアでのNGOの動きは,比較的自由である。今日の記事も,野生動物も一緒に移住させろ,とかなり無理なことが書いてあって,カンボジアの人々のための経済開発,と言う視点は全くないが,中国政府としても,今後いろいろ対応が試される場面だろう。

少しこの辺の事情を見ておこう,と中国のサイトに目を通していると,このキリロムのプロジェクトに関して,中国語の古い記事に遭遇した(注41)。中国語なので完全には理解していないが,カンボジアの地名などはローマ字で書いてあるので,全体的には感じが漢字で分かる。その日は,2004年12月28日で,もう既に4年前に,この小さい規模の水力の検討が行われていたのだ,と驚いた。

2004年12月28日の午後に,カンボジアのダム建設の地元から,5人の代表が北京を訪れているのだ。中国側の招待であろうが,当該中国企業の実施した社会環境調査の内容を説明している。中国側は,その企業だけでなく,能源部,林業部も含めて,何と60人が会議に出席して,対応している。中国側の情報は,余り英語では出てこないので分からないが,細かく読めば,この辺の事情が分かりそうだ。

この中国の対応が,今のところ一般的なのか,このカンボジアのプロジェクトだけの話なのか,よく分からないが,我が身に例えて,相手国政府を飛ばして,関係地元住民を日本に呼んで説明するだろうか。いろいろ手続きが複雑で,とんでもない国際的な問題を惹起する懸念などが,まず働いてしまって,地元住民を東京に呼ぶ,など出来そうにない。後で押しかけられたことはあるが。中国のこのような現状を,少し研究してみる必要がある。

(注) (40) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902120014a.nwc,(41) http://www.inmediahk.net/node/13385,(42)

本文

●ベトナム,首相が水力など再生可能エネルギーの促進へ

ベトナムのグエン・タン・ドウン首相(注1)は,金曜日,2009年2月6日,再生可能エネルギー開発と,全国の遠隔地に対する電力供給のための送電網整備で,205百万ドルに上る予算を承認した。この,「再生可能エネルギー開発,遠隔農村への送電網改良拡張(注6)」プログラムは,ADB(注2)の資金援助によるものである。

電力セクターの話によると,ベトナムは,再生可能エネルギー分野,太陽光,風力,地熱,また特に水力,の開発を必要としている。水力発電所のポテンシャルは,国内主要9河川で検討されており,その量は世界でもトップ14に入る。しかしこのポテンシャルは,経済性の問題と技術的困難から,まだ完全には開発されていない。全国で,500地点の小規模水力があり,その総出力は,135MWである。

グエン・タン・ドウン首相(注1)は,同じ日に,北部バック・コン県(注3)農業開発計画(注7)を承認したが,この資金は,農業開発国際基金(注4)によるものである。財務大臣の承認も,まもなく降りるはずである。首相(注1)は以前に,国連児童基金(注5)による,社会的監査強化計画(注8)の60万ドルを承認している。

(注) (1) Prime Minister Nguyen Tan Dung,(2) Asian Development Bank,(3) Bac Kan Province,(4) International Fund for Agriculture Development,(5) United Nations Children’s Fund,(6) "Renewable energy development and electric grid upgrade and expansion in remote communes" programme,(7) "Partnership for the poor in agro-forestry development in northern Bac Kan Province" project,(8) "Increasing social auditing capacity of the socio-economic development plan 2006-10" project,(9)

●フィリッピンのネグロスで,水力発電所開発へ

ネグロス島(注9)の南部,カバンカラン市(注10)発である。この島については,以前にも中部のバコロッド市(注11)で水力開発の話が持ち上がっている。日本企業も顔を出して,再生可能エネルギーによる地方電化に貢献しようとしている。ネグロス・オキシデンタル(注9)全体で,2013年までに,55MWの需要に対応するためのプロジェクトで,バゴ川(注12)沿いとカロルアン村(注13)の水力開発プロジェクトである。

昨日,2009年2月10日,カバンカラン市(注10)の市庁舎に於いて,ザイコ市長(注14)と,コナル持株会社のサンティジャン副社長(注15)によって,カロルアン水力プロジェクト(注16)の予備調査に関する覚書MOU(注17)の署名が,イシドロ・ザイコ知事(注18)立ち会いの下,なされた。サンティジャン副社長(注15)は,この予備調査(注19)に,6ヶ月の期間を与えられた,と語った。

この予備調査(注19)報告書は,カバンカラン市政府(注20)に提出されるが,その内容は,カロルアン水力プロジェクト(注16)の出力規模,工事費,工程,電気料金,が盛り込まれる。これらの数字がいずれも満足すべきものであれば,可能性調査FS(注21)を進めることになる,とサンティジャン副社長(注15)は語っている。また,FS(注21)が完成すれば開発に移るが,出力は,15MW程度と思われる,と。

ネグロス・オリエンタル電力協同組合NOEC(注22)は,15MWを十分吸収できるし,これから計算してみるが,大凡,KWh当たり4ペソ,約8.5セント相当,の料金でやっていけるだろう,と。しかし,乾期が問題で,水が少ないと高くなる可能性がある,とも。サンティジャン副社長(注15)は,バゴ川(注12)沿いに,サン・カルロス(注23),ドン・サルバドル・ベネディクト(注24),ムルチア(注25)の3つの流れ込み式を検討中と。

コナル持株会社のサンティジャン副社長(注15)は,同時に,アルト電力管理会社APMC(注26)の副社長も兼務している。この3つの水力プロジェクトの合計出力は,40MW,工事費は40億ペソ,で,2010年末着工,2013年運転開始の予定だ,と。しかし,地質的な問題があり,断層と滑り面に対する回避が出来るかどうか,検討中である。

アルト電力管理会社APMC(注26)は,このバゴ川(注12)開発の主たる投資企業となるだろう,と。また他に,タイ発電会社(注27)と日本の豊田通商(注28)が参加することを期待している。なお,カバンカラン市(注10)と協定を結んだコナル持株会社(注15)は,アルト電力管理会社APMC(注26)が60%の資本を有し,]残り40%は,豊田通商(注28)が持っている。2008年9月25日付本HP(注29)に関連記事。

(注) (9) Negros Occidental,(10) Kabankalan,(11) Bacolod,(12) Bago River,(13) Barangay Carol-an,(14) Kabankalan Mayor Pedro Zayco,(15) Tirso Santillan Jr., executive vice president of Conal Holdings Corp,(16) Carol-an project,(17) Memorandum of Understanding,(18) Gov. Isidro Zayco,(19) preliminary study,(20) Kabankalan City government,(21) feasibility study,(22) Negros Occidental Electric Cooperative,(23) San Carlos,(24) Don Salvador Benedicto,(25) Murcia,(26) Alto Power Management Corp.,(27) Electricity Generating Power Co. of Thailand,(28) Toyota Tsusho of Japan,(29) http://my.reset.jp/~adachihayao/index080925.htm,(30)

●カンボジアのコーコン水力,野生動物で議論

事実だけを拾っておこう。全体的には,カンボジアの人々の生き残りを尊重しているのか,野生動物の生き残りを大切にしているのか,よく分からない記事だが,中国企業が何処まで,水没移住の住民への対策を講ずるか,に問題はかかっているのだろう。問題になっているプロジェクトは,キリロム第3水力プロジェクト(注30)である。

キリロム第3水力プロジェクト(注30)は,今月,2009年2月,着工の予定で,出力は,18MW,場所は,コーコン県(注32)。企業主は,中国企業のCETIC(注33),工事費は40百万ドル,工期は2年半である。昨年,2008年,CETIC(注33)による環境報告書が出来上がっている。移住は10家族,352種の野生動物である。野生動物に関心のあるのは,CIのブンラ氏(注34),NGOフォーラムのケンテル氏(注35)

河川は,スタンポンルル川(注36)。2008年に環境問題を論ずる報告書を出しているのは,カンボジアのRCC(注37),米国のAFSC(注38)。カンボジア政府の環境担当で対応しているのは,環境省のブッタ氏(注39)である。

(注) (30) Kirirom III dam,(31) Photo by: MICHAEL HAYES,http://www.phnompenhpost.com/,(32) Koh Kong province,(33) China Electric Power Technology Import and Export Corp (CETIC),(34) Seng Bunra, country director for Conservation International,(35) Tonn Kunthel, Mekong community rights project officer at the NGO Forum on Cambodia,(36) Stung Pongrul River,(37) Rivers Coalition of Cambodia,(38) American Friends Service Committee,(39) Thuk Kroeun Vutha, an undersecretary of state at the Ministry of Environment,(40)

参考資料

ベトナム


●090212A Vietnam, vietnamnews
ベトナム,首相が水力など再生可能エネルギーの促進へ
PM approves renewable energy, power projects
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=04ECO100209

フィリッピン

●090212B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのネグロスで,水力発電所開発へ
Neg. Occ. may have hydropower by 2013
http://www.visayandailystar.com/2009/February/11/topstory1.htm

カンボジア

●090212C Cambodia, phnompenhpost
カンボジアのコーコン水力,野生動物で議論
Koh Kong dam to impact wildlife
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009021024118/National-news/Koh-Kong-dam-to-impact-wildlife.html


2009年2月11日 ー インドネシアのエネルギーに変革のとき ー

今日のビジネスアイ(注28)は,日本の経済産業省を中心に,「中国,インドなどアジア各国を対象に,世界最高水準の燃焼効率を誇る日本の石炭火力発電の技術支援に乗り出す」,と題して,長文で,大々的な石炭火力への支援を報じている。最近のJICAなどの公開資料で,その積極的な動きに,大いに感ずるところがある。Jパワーが,石炭火力は諦めた,と皮肉っていたが,関係者の努力で,その一角に突破口が開くか。

インドネシアの石炭火力も,曲がり角に来たようだ。インドネシア当局には,まだ石炭火力問題の本質までは論ずる余裕がないみたいで,今は,計画した,10,000MW,クラッシュプログラムの成否に,大統領まで乗り出して,その工程確保と,資金調達難と闘っている。私は,誰か,カラ副大統領に密接して,彼の動きを追え,と唱えてきたが,その早い動きに,振り回されそう。

カラ副大統領は,今日現在オランダのヘーグにいる。カラ副大統領不在であるにもかかわらず,ユドヨノ大統領は,電力公社PLN本社に,関係閣僚を連れて乗り込んで,中国が約束した電源開発への資金供与が円滑に行っていない点を糾弾し,関係者に,中国との再交渉も良いけれど,国内資金の動員も考えよ,と指示している。電源への中国政府資金は,2008年12月23日HP(注17)にもあるよう,カラ副大統領が動かしたものだ。

さて,私の最近のHPを追って貰えば分かるが,カラ副大統領は,先週には実は東京にあった。東京では,LNG契約の確保を狙う日本の官民を前に,インドネシアはこれからは国内需要優先だ,と言って,そのまま,米国へ飛んだ。米国では一連の会談をこなす中で,エクソンモビルの幹部が,おそるおそる,例のセプ油田の拡張の話を持ちかけると,日百万バレルでも生産するか,と皮肉一杯に蹴飛ばして,欧州に向かった。

欧州では,今日の記事になるのだが,オランダで,先方首相を初め,ロイヤルダッチシェルの面々を前に,インドネシアのエネルギー資源は,これからは外国企業の勝手にはさせない,国内企業のプルタミナ優先,を大きく打ちだして,インドネシアの記者団に,長文の報告を書かせた。今やインドネシアは,落ち込んでゆく原油生産に,国会議員が焦り始めて,政府や企業への追求を強めている。

政府と国会の言い分は,海外企業がさぼっているから生産が落ち込むのだ,国有のプルタミナに任せれば,彼等は頑張る,現に,プルタミナの計画は,増える傾向にあるが,シェブロンなどの海外企業が,生産落ち込みを主導している,と言っている。最近の動きの中で,悪者にされているのは,エクソンモビルで,東ジャワのセプ油田で,さんざんな目に遭いながら,やっと生産開始にこぎ着けたが,まだ分からない。

問題は,リアウ諸島の北東端,フィリッピンに近いナツナガス田である。エクソンモビルが,既得権を主張するのに,それを強引に取り上げて,プルタミナ主導への動きを加速させている。ここは16兆立方フィートと言われる巨大な容量を持つが,深海で,インドネシアも,プルタミナの技術だけでは難しいことを知っている。それが,カラ副大統領の欧州巡りと結びついている。

さて,来年,2010年はインドネシアの大統領選挙の年である。カラ副大統領は,既に立候補を宣言しており,前哨戦が始まっている。カラ副大統領が進めている中国との協力プロジェクトを,カラ副大統領が不在中に,ユドヨノ大統領が,閣僚まで引き連れて,PLN本社へ乗り込むのは,極めて異例だろう。カラ副大統領は,かって,中国訪問の後,莫大な資金協力を手にして,「中国の政治体制は素晴らしい。」,と褒め称えた人だ。

(注) (28) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902110096a.nwc

本文

●インドネシア,カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない

カラ副大統領の動きは激しく,誰か世界を飛び歩く彼に付きっ切りで追っかける必要がある。私の感じでは,カラ副大統領を軸に,インドネシアのエネルギー資源や電力開発が,大きくうねり始めている。カラ副大統領は日本に飛んで,日本へのLNG輸出を牽制し,その足だろう,米国へ飛んだ,泣きつくエクソンを皮肉タップリにやりこめて,今は欧州,ノルウエーにある。直近は,2009年2月9日付本HP(注1)である。

今日の記事,ヘーグ(注5)発信である。訪欧中のインドネシア,カラ副大統領(注3)は,インドネシアは,段階を踏んで地元エネルギー企業の役割を増大する方向で変革の道を歩んでおり,もうこれ以上,我が国のエネルギーを外国企業に支配させることはない,と断言した。即ち,一国の外国企業に,資源を自由にはさせない,インドネシアは自国の資源を管理する権利があり,大統領(注4)もこの考えに同意している,と語った。

カラ副大統領(注3)は,詳しくは説明していないが,エネルギー・プロジェクト,特に原油ガスのセクターでは,世界の殆どの国が,巨大多国籍企業に支配されている,と述べている。例えば,原油分野では,地元企業プルタミナ(注6)の原油生産量は,日115,000〜125,000バレルであるが,米国巨大企業シェブロン(注7)は,インドネシアの全原油の45%,日400,000バレルを生産している。

カラ副大統領(注3)は,地元企業を盛り上げるという意味は,外国企業との協力を完全に否定しているのではない,インドネシアはまだまだ,国際的な資金と技術を必要としている,としている。外国企業との協力の好例として,プルタミナ(注6)が主導する大規模ガス田ナツナ・ブロック(注8)に於ける外国企業との協力を挙げている。

カラ副大統領(注3)は,ナツナ・ブロック(注8)に於けるプルタミナ(注6)と外国企業との協力で,今問題となっている米国籍エクソンモビル(注9)の他,候補リストとして,ノルウエーのスタットオイル(注10),中国籍のペトロチャイナ(注11),タイ籍のPTT(注12),オランダ籍のロイヤルダッチシェル(注13),がインドネシア政府の候補リストに上がっている,と説明している。

また,オランダ滞在中のカラ副大統領(注3)は,オランダ籍のロイヤルダッチシェル(注13)のナツナ・ブロック(注8)への参入の条件は,シェル(注13)の持つシンガポールの石油精製設備を,インドネシアのバタム島(注14)に移すことが条件だ,とし,バルケネンデ首相(注15)が,インドネシア参入の戦略を表明していることに,関心を示した。

米国籍エクソンモビル(注9)のナツナ・ブロック(注8)への権利について,カラ副大統領(注3)は,契約は既に2005年に失効している,と。「私は前から言っているように,エクソンモビル(注9)との契約は2005年に失効している。我々は,エクソンモビル(注9)に再交渉の機会を与えたにもかかわらず,エクソンモビル(注9)はその機会を失した。だから今こそ,我々が自国のエネルギー資源を自分で管理し始めるチャンスだ。」,と。

インドネシア政府は,地元企業プルタミナ(注6)が,インドネシアの原油ガス・エネルギー・プロジェクトの主導権を考えるときだ,と示唆してきている。カラ副大統領(注3)の今回の一連の発言は,老朽化した油田で,この5年間,生産が下がり続けている傾向を,インドネシアが再び再活性化しようとしている努力と重ね合わせるものである。今年,2009年のインドネシアの原油生産目標は,日960,000バレルである。

地元原油ガス上流監理のBPミガス(注16)の報告によると,日960,000バレルの目標を達成するために,原油ガス関連の企業は,2009年の生産と探査を併せて,131.5億ドルの投資を提案している。129.5億ドルが生産活動で,新規探査は僅かに,2.0157億ドルである。129.5億ドルの内訳は,37.3億ドルが1,237井の掘削,28.5億ドルが生産設備,47.2億ドルが運転,164億ドルが一般管理,である。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090209C.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090205B.htm,(3) Vice President Jusuf Kalla,(4) President Susilo Bambang Yudhoyono,(5) HAGUE,(6) PT Pertamina,(7) Chevron Corp.,(8) Natuna block,(9) ExxonMobil,(10) Norwegian-based StatOil,(11) China-based PetroChina,(12) Thailand-based PTT,(13) Netherlands-based Royal Dutch Shell,(14) Batam,(15) Netherlands Prime Minister Jan Peter Balkenende,(16) BPMigas,(17)

●インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要

カラ副大統領(注18)が出席して,盛大に,中国政府との協力協定が署名されたのは,つい先日,昨年,2009年12月23日である。そのHP(注17)に詳しく内容が残されている。この中には,4つの石炭火力発電所が含まれている。カラ副大統領(注18)は,現在欧州を旅行中である。この留守中に,ユドヨノ大統領(注19)が自らPLN(注20)本社を訪ね,中国の発電所支援に問題があることで,懸念を表明している。

ユドヨノ大統領(注19)によれば,国有電力公社PLN(注20)は,未だ,10,000MW,クラッシュプログラム(注21)で,資金難に遭遇している,それは主として,最大の投資国である中国政府の,円滑でない関係(注22)が原因である,と。月曜日,2009年2月9日,ユドヨノ大統領(注19)は,関係閣僚とPLN(注20)幹部に対して,中国との再交渉,国内融資機関との交渉,を含め,解決策の検討を指示した。

PLN(注20)本社を直接訪ねた後で,ユドヨノ大統領(注19)は,10,000MW,クラッシュプログラム(注21)の工事そのものは急速に進捗しているが,資金難から障害に遭遇している,関連閣僚とPLN(注20)幹部に,中国政府に円滑な資金供給の交渉を続けるよう指示した,国内資金の活用については,解決策が見つかっていない,と語っている。他の外国資金の目処はなく,国内資金を検討することが最良の策,としている。

10,000MW,クラッシュプログラム(注21)は,急増する電力需要,特にジャワバリ系統(注23)への対応として,2006年に始まった。35の発電所建設計画で,そのうち10地点がジャワバリ系統(注23),25地点が外島である。これらのうち,32発電所で契約の署名が終わり,その殆どは着工している。PLN(注20)によれば,80億ドルの資金のうち,85%が外部資金,15%がPLN(注20)資金である。

10,000MW,クラッシュプログラム(注21)の責任者であるPLN(注20)のプラトモ氏(注24)によれば,PLN(注20)は既に,17兆ルピア,約14.5億ドル相当,を地元金融機関から,また,20億ドル,その殆どは中国資金だが,の海外資金を確保している,と。また,中国支援の問題点が,プロジェクト互いに作用を及ぼしており,西部ジャワのインドラマユ発電所(注25)は,本来は,今年,2009年に発電開始する計画であった。

PLN(注20)によれば,インドラマユ発電所(注25)を含めた3つのプロジェクト,それぞれ1000MW,が,2009年に運転開始するところ,既に遅れている,と。また,2010年には,7,000MWが発電する予定であるが,2,000MWは,2011,2012年にずれ込む,と。更に将来の需要増を考えて,PLN(注20)は,第2次10,000MW開発プログラム(注26)を準備している。その一部はPLN(注20)プロジェクトだがそれ以外はIPP(注27)だ。

PLN(注20)によれば,第2次10,000MW開発プログラム(注26)の発注は,今年,2009年後半の初期に始まるだろう。10,000MW,クラッシュプログラム(注21)は全部石炭火力であったが,第2次10,000MW開発計画(注26)は,その12%が水力発電,48%が地熱発電,14%がガス火力発電,26%が石炭火力発電,と考えられている。

(注) (17) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081223C.htm,(18) Vice President Jusuf Kalla,(19) President Susilo Bambang Yudhoyono,(20) PT PLN,(21) first 10,000 megawatt (MW) crash program,(22) “unsmooth” partnership,(23) Java-Bali system,(24) Yogo Pratomo,(25) Indramayu,(26) second 10,000 megawatt accelerated program,(27) independent power producers (IPPs),(28)

参考資料

インドネシア


●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/10/ri-may-prefer-lead-role-oil-gas-kalla.html
●090211B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要
PLN should negotiate with China on funds, or local banks
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/10/pln-should-negotiate-with-china-funds-or-local-banks.html


2009年2月10日 ー インドのカシミールのダムに反対論 ー

今日は,大阪梅田で大学の同窓会があり,更新が遅れました。最近,母校の学部の中で土木の名前がなくなって,皆が怒っていた。土木という名前は,今となれば結構懐かしい。地球工学とか言っているらしい。地球に爪痕を残す,と言う仕事も面白い,衛星写真から自分の作品が見える,と言うのは感激だが,それでもミクロ,ナノの中で,世界に名を残す人も多い,人間の仕事って,不思議ですね。

今日の記事は,最近よく出るテーマーで申し訳ないが,インドが,インダス河上流,カシミールで建設中のダムに,またまたパキスタンが怒っている問題である。我々日本にいて,インドがカシミールで建設しているダムの情報は限られている。大きなダムは話題になるが,中規模のダムになると,なかなかウエブサイトを見ても良く分からない。でも,今日のような記事を集めてくると,いろいろ事情が分かってくる。

だけど,私は,パキスタンが言っている主張は,余りよく理解できない。インダス河がパキスタンの生命線であることはよく分かる。しかしパキスタンは,インダスの水を利用するために,タルベラとかマングラとかのダムがあるが,下流の水のためには貯水池の容量が足りない,と言っている。それでは上流にダムを造って貰えば良いではないか,理屈としては,それでいいはずだ。

パキスタンは,ダムが出来てインドが自由自在に水の出方を変られる環境を造り出すことが耐えられないのか,或いは建設後最初に貯める水のことを言っているのか。メコン河でもそうだが,上下流の沿岸国が,適切な対話を交わせば,少なくとも水の使い方については,高度な利用が出来るはずだ。土砂の問題はあっても,少なくと,最も重要な人間の水利用にとって,上流のダムは下流に便益をもたらす。

現在,一人当たりの利用可能水量年間1,200立方mは,2020年には800立方mに減少する,60年前にはこれが5,000立方mあったものを。恐るべきことに,パキスタン内には僅かに2つのダム,タルベラダム(注17)とマングラダム(18)しかないというのに,インドのこれらの動きは,パキスタンにとって,悲惨そのものである,と言っているが,理解できないところがある。

本文

●フィリッピン,水道用ライバンダム,サンミゲールが提案

東南アジア最大の食料品,飲料企業,サンミゲール(注1)は,将来のマニラ首都圏(注2)の水供給を視野に入れたダムプロジェクト開発で,政府と合弁事業を行うことを検討中である。サンミゲール(注1)によると,その完全子会社SMBWCI(注3)は,ライバンダム(注5)の開発に関して,マニラ上下水道公社MWSS(注4)と合弁で実施する提案書(注6)をMWSS(注4)宛に提出した。

更に,SMBWCI(注3)とパートナーの海外企業は,ライバンダム(注5)の,資金調達,建設,運転,維持管理について,MWSS(注4)と協力する合弁の段階に入ろうと考えている。この計画は,サムと取水口建設,原水輸送設備,水処理施設,水力発電設備,水道用水輸送設備,ポンプ設備,貯水設備,受け渡し設備,を含むものである。

サンミゲール(注1)によると,タナイ(注7)とリサール(注8)に位置するライバンダムプロジェクト(注5)は,マニラ首都圏(注2)の長期水需要を目標に,その安定と保安を確保するもの,としている。また,この子会社の提案は,サンミゲール(注1)本体の,電力,石油,ガス,水などの産業への投資の方向性に沿ったものである,と。

NEDA(注9)の資料によると,ライバンダムプロジェクト(注5)の総工事費は,480億ペソで,政府と民間企業の合弁事業として準備されている。ダム事業などの供給容量は,日18.3億リッターで,550万人の需要に応えるものである。サンミゲール(注1)自身は,最近,そのビールのブランド,知的財産,不動産を,醸造部門(注10)に,388億ペソで売却することに同意している。

サンミゲール(注1)は,その主力である食品飲料から脱却して積極的な企業活動を行っており,マニラ配電(注11)の資本27%を,300億ペソで買収したばかりである。また,フィリッピン最大の石油精製企業ペトロン(注12)を322億ペソで過半数の資本獲得に同意しており,更に,通信分野でカタールテレコム(注13)と協力する計画を進めている。

(注) (1) San Miguel Corp,(2) Metro Manila,(3) San Miguel Bulk Water Co. Inc. (SMBWCI),(4) Metropolitan Waterworks and Sewerage System (MWSS),(5) Laiban Dam Project,(6) unsolicited proposal,(7) Tanay,(8) Rizal,(9) NEDA,(10) San Miguel Brewery Inc,(11) Manila Electric Co.,(12) Petron Corp,(13) Qatar Telecom,(14)

●インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ

パキスタン側から,インダス流域のインドのダム建設に対して,強く抗議する記事である。インドは,パキスタンの命綱であるインダス河(注14)に,3つのダムの建設を開始している。これは,インド側の発電,2,060MWの計画の一部である。最近の調査報告,山岳内のコンクリート(注15),ヒマラヤのダム建設(注16)によれば,パキスタンは,まさに水不足による災害の瀬戸際にある。

現在,一人当たりの利用可能水量年間1,200立方mは,2020年には800立方mに減少する,60年前にはこれが5,000立方mあったものを。恐るべきことに,パキスタン内には僅かに2つのダム,タルベラダム(注17)とマングラダム(18)しかないというのに,インドのこれらの動きは,パキスタンにとって,悲惨そのものである。

インドは既に,シェナブ川(注19)で,既にバギリハール水力プロジェクト(注20)の運転を開始しており,更にウリ第1(注21),ウリ第2(注22)のダムプロジェクトを建設中である。インドはシェナブ川(注19)だけで,10〜20のダムの建設を計画中である。ジェルム川(注23)では,キシャンガンガ水力プロジェクト(注24)の建設を開始している。

219MWを発電する,これらのラダック地域(注25)におけるダムは,既に建設を始めており,これは明らかにインダス水条約(注26)違反で,ラダック地域(注25)の環境を無視し,また,シアチェン氷河(注27)にインド軍を配置する意志と合致している。インダス河(注14)は,チベット(注28)〜アラビア海(注29まで)総延長3,180km,中国領内が404km,ラダック地域(注25)が395kmである。

この報告は,アバシ専門家(注30)からギラニ首相(注31)に,パキスタンの農業セクターを窒息させるインドの動きを挫折させるよう,文書で要請したもので,そのコピーは,水資源,電力,環境を担当する各大臣にも送られている。文書によると,レー(注32)から70kmのアルチ村(注33)に位置するニムーバズゴ水力プロジェクト(注34)が工事の最盛期にある。45MW,ダム高57m,発電所掘削は完了,ダムコンクリートは48%。

ダムカール水力プロジェクト(注35)は,130MWで,ダム高42m,位置は,レー-カルシバタリック道路(注36)のレー(注32)から128kmの地点である。また,インド支配のカシミール(注37)内の支流,スル川(注38)のプロジェクト(注39)は,カルギル地区(注40)にあり,44MW,ダム高59mで,2006年に建設を開始しているが,完成まで更に2年が必要である。

(注) (14) Indus River,(15) Mountains of Concrete,(16) Dam Building in the Himalayas,(17) Tarbela,(18) Mangla,(19) Chenab River,(20) Baglihar power project,(21) Uri-1 project,(22) Uri-2 project,(23) Jhelum River,(24) Kishanganga Hydropower project,(25) Ladakh region,(名) ラダック, 17世紀にチベット王国があったインドとパキスタンにあるジャムカシミールの地方(中国との国境付近),(26) Indus Water Treaty,(27) Siachen glacier,(28) Tibet,(29) Arabian Sea,(30) Arshad H Abbasi, visiting research fellow SDPI Islamabad,(31) Prime Minister Yousuf Raza Gilani,(32) Leh,(33) village Alchi,(34) Nimoo Bazgo power project,(35) Dumkhar project,(36) Leh-Khalsi Batalik road,(37) Indian-held Kashmir,(38) River Suru,(39) 鼎hutak,(40) Kargil district,(41)

参考資料

フィリッピン


●090210A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,水道用ライバンダム,サンミゲールが提案
San Miguel subsidiary eyes Laiban Dam project
http://www.gmanews.tv/story/147937/San-Miguel-subsidiary-eyes-Laiban-Dam-project

インド


●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=20205


2009年2月9日 ー フィリッピンの石炭探査が始まるか ー

フィリッピンはエネルギー資源がなく,石油燃料主体で,その昨年の高騰の影響まともに受けている,最近では,西のパラワンでガスが出て,ガス火力発電も行われているが,量的に問題があって,将来的には不安を抱えている,国内は高止まりした電気料金に,国民や議会筋の不満が多く,再生可能エネルギー,国産エネルギーの開発にかけている,と言うのが印象で,石炭については全く関心がなかった。

考えてみれば,フィリッピンは,或いはフィリッピンに関わる海外資本のエネルギー企業が怠惰ではないのか,とさへ思われるほど,石炭の印象は強くない。国内には,5カ所の石炭火力があって,合計出力,3,790MWを持っているが,2007年の石炭使用量は,僅かに300万トン程度で,その半分以上を輸入に頼っている。僅かに,カラカ石炭火力が,120万トンほどの国内産石炭,質の良くないセミララ炭田を使っている。

一体,フィリッピンの石炭はどうなっているのか,と思って,NEDO(注12)の報告書を覗いてみた。これも余り最近のことは書いてなくて,基本情報としては,セミララ島(注13)に,約1.5億トンの埋蔵があるという。この石炭は質が悪く,カラカ石炭火力がひどく傷んでいて,発電所の買い手が手付け金をなげうって夜逃げした,と言う情報を,先日ここでも取り上げたばかりである。

NEDO(注12)の報告書を読み進めると,セミララ島(注13)の他,カガヤン渓谷(注14),ミンダナオ(注15)の名前があり,ミンダナオ(注15)に至っては,8億トンの包蔵があるという。もっともミンダナオ(注15)には,200MWほどの石炭火力の計画があるが,ここでの石炭をルソンへ運ぶ話はない。フィリッピンの石炭は,亜瀝青質で,発熱量も,キログラム当たり3,900〜5,200キロカロリーで,悪い。

そこで,今日のセブ島の話だが,私には突然降ってわいたような話だが,政府は探査計画を持っており,今日の記事で,このセブ島の石炭は,他の地域に比べて良質である,と書かれている。この記事の最後の部分は,非常に私には衝撃的である。フィリッピンの石炭の埋蔵量については,世界の石炭分布にも余り書かれていない。今日の記事の最後の部分であるが,

フィリッピンは,莫大な石炭包蔵を持っていると見られているが,投資企業が互いによりよい地域を求めて,競争しているために,開発が遅れている。この3年間,石炭価格の上昇を見て,国内企業が動き始めた。発電設備の技術革新を受けて,国内の石炭資源にも,焦点が当たってきている。国の政策分野では,クリーンエネルギーに向かっているが,依然,石炭は発電燃料の主役を担って行くだろう。

いまのフィリッピンの,再生可能エネルギーへの傾注に水を差すようで悪いが,元々フィリッピンの国会が再生可能と言い始めたのは,寧ろ,国内エネルギー資源,に重点がかかっていて,高い電気料金を何とかしたいなら,少なくとも国内の石炭だけは,もう少し真剣に確認したらどうだろうか。もっとも,輸入石炭の方が安い,と言う結果が出るかも知れないが,いま始まった調査は,とにかくしっかりやるべきだ。

今日はこの記事の他,ワシントンを訪問しているインドネシアのカラ副大統領に,エクソンモービルが,セプの油田をもう少し何とかしてくれ,と直訴したら,どうぞどうぞ,日百万バレルで頑張れ,と皮肉を飛ばされた,いま日2万バレルなのに。また,中国の,80万ボルト直流送電線2,000km,日本の技術は売ってくれなかった,と。日本は需要が少ないから,その後技術が発展しなかった,それに比べ中国は,と書いてある。

本文

●フィリッピン,フォーラムがセブ石炭プロジェクトで調査ボーリング

フィリッピンの石炭は,余り話題になっていないが,NEDO報告(注12)がある。セミララ島(注13),カガヤン渓谷(注14),ミンダナオ(注15)などが上げられ,ミンダナオ(注15)では,9億トンの包蔵が見積もられている。この時点のNEDO報告(注12)では,この記事にあるセブ(注2)南部の記述はない。炭質は,発熱量,3,900〜5,200 Kcal/kg,とされて,余り良くない。セブ(注2)南部は良質,と書かれている。

ロンドン籍フォーラムエナージFM(注1)は,今年,2009年前半,セブ(注2)南部の石炭鉱山プロジェクトで,ボーリングを行うことになっている。この石炭探査事業は,エネルギー省DOE(注3)によって発注される石炭運用契約COC(注4)131の範囲である。このCOC(注4)は,2,000ヘクタールの面積に12本のボーリングを行うものである。全体の面積は,2,700ヘクタールである。

FM(注1)によると,この目的は,石炭包蔵を確定するもので,探査COC(注5)から開発生産COC(注6)までの,COC(注4)131の関連採炭プロジェクトに基づくものである。このボーリング作業は,同様プロジェクトの経験のある南アフリカのコンサルタント,IRE(注7)が監督する。FM(注1)のブラウン社長(注8)によると,このCOC(注4)131の区域は,フィリッピンに於ける他の石炭と比べて,良質の石炭層である。

FM(注1)は,同じセブ(注2)のCOC(注4)132,バランバン-ナガ(注9)に関心を持っていたが,それは,350万ドルで,FARMC(注10)に売却されて範囲外となった。なお,ブラウン社長(注8)がFM(注1)の位置についたのは,彼の企業PMC(注11)が,FM(注1)の株式61.44%を取得した結果である。

フィリッピンは,莫大な石炭包蔵を持っていると見られているが,投資企業が互いによりよい地域を求めて,競争しているために,開発が遅れている。この3年間,石炭価格の上昇を見て,国内企業が動き始めた。発電設備の技術革新を受けて,国内の石炭資源にも,焦点が当たってきている。国の政策分野では,クリーンエネルギーに向かっているが,依然,石炭は発電燃料の主役を担って行くだろう。

(注) (1) Forum Energy plc,(2) Cebu,(3) Department of Energy,(4) coal operating contract (COC),(5) Exploration COC,(6) Development and Production COC,(7) Independent Resource Estimations,(8) Forum Energy chief executive officer Walter Brown,(9) Balamban-Naga,(10) First Asian Resources and Mining Corporation,(11) Philex Mining Corporation,(12) http://www.nedo.go.jp/sekitan/database/country/c0017.htm,(13) Semirara,(14) Cagayan Valley,(15) MIndanao,(16)

●インド,オリッサ州,8つのIPPと,9,780MWMOU

インドのオリッサ(注16)州政府,8つのIPP(注17)企業と,石炭火力出力合計,9,780MW,投資総額,4,202億ルピーの覚書MOUを交わした。署名に立ち会ったパトナイク州政府首相(注18)は,これらのプロジェクトは,工業分野の年成長率を20%向上するものである,我々は,自家発(注19)で,1,400MW開発して以来,その進捗は核心に迫るものだ,語った。

また,パトナイク州政府首相(注18)は,これらとは別に,IPP(注17)で,2009年内に,1,000MWを運転開始し,州間の電力取引も,州の八手に拍車をかけるであろうと。他の政府筋は,これらのうち,1,174〜1,370MWは,石炭の供給状態によっては,非常に安価な電力を,州に供給することが出来る,そのため,需要家は安価な電気を享受出来ると。州財政への貢献も,税収など,影響が大きいと。

(注) (16) Orissa,(17) Independent Power Producers (IPPs),(18) Chief Minister Naveen Patnaik,(19) captive power plants,(20)

●インドネシア,エクソンがセプ油田で,から副大統領に直訴

インドネシアの原油生産の落ちに焦る政治家達,海外企業を随分絞り上げている状況は,先日から報告しているとおりである。特にエクソンモービル(注20)は,リアウ諸島の天然ガス探査でも,プルタミナの権利を尊重するインドネシア政府から,締め出しを食っており,今日問題となっている中部ジャワのセプブロック(注21)では,地元関係で工程が遅れ,問題となってきた。最近,やっと軌道に乗り始めている。

今日の記事。木曜日,2009年2月5日,日本訪問から米国に回っているインドネシアのカラ副大統領(注22)と面談した際,エクソンモービル(注20)代表が,セプブロック(注21)のインフラ拡張のための追加の用地取得への許可を直訴した,と,APINDO(注23)のワナンディ会長(注24)がリークしている。現在エクソンモービル(注20)は,セプブロック(注21)で,日1万バレル生産計画を,2万〜3万に上げたいという。

エクソンモービル(注20)は,この県のバニュウリップ村(注24)に,貯留設備を儲けたい意向だ。この要請に対してカラ副大統領(注22)は,「日生産量100万バレルまで持って行け,助けてやる。」,と語ったという。カラ副大統領(注22)らしい,皮肉に満ちた返答である。とにかくインドネシアの政治家は,生産量が落ちているのは,海外企業が原油ガスの生産でさぼっている,と非難してきているのだ。

(注) (20) ExxonMobile,(21) Cepu Block,(22) Vice President Jusuf Kalla,(23) Indonesian Employee Association (Apindo),(24) Chairman of the Indonesian Employee Association (Apindo) Sofjan Wanandi ,(24) Banyu Urip village,(25)

●中国,四川から上海への超高圧送電線,2010年に向け突貫

中国の送電事業に関して,非常に重要なことが書いてあるが,私は全部は読まない。途中まで読んで解説しているので,また後でゆっくり読むが,何か読み落とした重要なことが書いてありそう。冷たい風の吹く中,中国最先端の技術を駆使した送電線の建設が,中国南西部の四川省(注25)から上海まで,山を越え,平野を横切って,いまや最盛期の状態にある。この春節の時期も止まることなく,80万ボルト直流電線(注26)の工事が続く。

国家送電網SGCC(注28)の下部組織,DCECCのリウエニ・マネージャー(注27)が四川省(注25)の宜寶(注29)で語っている,「我々は2月26日から始まる春節も休まない,2010年にはプロジェクトを完成させる必要があるから,」,と。パイロットプロジェクトとしての工事,2000kmに亘って8つの省と市町村を越える,四川省(注25)の宜寶(注29)から上海を繋ぐ工事は,昨年,2008年12月12日に着工した。

この送電線は,三峡発電所(注33)に続く,金沙江(注32)に位置する中国第2位,第3位の規模を持つシアンジアバ水力(注30)とシルオドウ水力(注31)の電力を送る。我々の超高圧送電線UHVの定義は,100万ボルト以上の交流送電線(注35)か,80万ボルト以上の直流送電線(注26)を意味するが,通常の50万ボルト送電線よりも,損失を少なく,大容量長距離の送電が可能である。

同じようなUHV送電線は,かってロシアと日本で開発されたが,これらの国では需要が弱く,この技術は広くは使われなかった。リウエニ・マネージャー(注27)は,この送電線が2010年に完成すると,南西部の山間から,途切れることない大量の電力が,東部の電力に飢えた地域に送られ,10年以上に亘って東部を悩ましてきた電力不足を,根本的に救うことになる,と。

この世界でもっとも難しいUHV送電線で経済的に電力を運ぶという夢は,核となる技術開発と設備の生産で実現された。SGCC(注28)のウユシェン技術次長(注34)は,「確かに,ロシアや日本は技術は持っているが,核心部分は売ってくれない。それに,中国には中国の特殊な環境や技術条件があるし,我々は我々自身による技術開発が必要であった。」,と語っている。

2004年末の時点で,SGCC(注28)は,中国全土の亘る送電網の骨格は,100万ボルト以上の交流送電線(注35)と80万ボルト直流電線(注26)によって形成する,との方針を確認した。この方針に基づき,中国の専門家達は,30項目以上に亘る技術問題に,4年間挑戦してきた。この結果,独自の知的財産を所有することになり,90%以上の部品を,国内で生産できるようになった。

問題の解決は次の分野の多岐に亘った,それは,電圧基準,電磁環境(注36),過電圧絶縁調整(注37),反応電圧抑制(注38),電灯防護技術(注39),高標高地域及び氷結地域の変圧器送電線設計問題(注40),UHV建設技術,大規模送電網の運転問題,などである,と。実験的には,上海湖北間100万ボルト送電線(注42)で,その有効性と安全性が確認された。以下,重要な記述があるが,読んで頂きたい。

(注) (25) Sichuan province,(26) 800 kv direct current UHV line,(27) Li Wenyi, general manager of the Direct Current Engineering Construction Co Ltd,(28) State Grid Corporation of China (SGCC),(29) Yibin,宜寶,(30) Xiangjiaba Hydropower Station,(31) Xiluodu Hydropower Station,(32) Jinshajiang River,(33) Three Gorges project,(34) Wu Yusheng, deputy chief engineer of SGCC,(35) 1000 kv alternating current,(36) electromagnetism environment,(37) over-voltage and insulation co-ordination,(38) reactive voltage control,(39) lightning proof technology,(40) design of transformer substations and lines in high altitude and heavily iced areas,(42) Shanxi-Hubei UHV transmission line,(43)

参考資料

フィリッピン


●090209A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,フォーラムがセブ石炭プロジェクトで調査ボーリング
Forum Energy drills Cebu coal prospect
http://www.mb.com.ph/BSNS20090208147598.html

インド

●090209B India, Economic Times
インド,オリッサ州,8つのIPPと,9,780MWMOU
Orissa govt signs MoU with power producers
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Orissa_govt_signs_MoU_with_power_producers_/articleshow/4093228.cms

インドネシア

●090209C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,エクソンがセプ油田で,から副大統領に直訴
Exxon asks for permission from Kalla on Cepu Block
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/07/exxon-asks-permission-kalla-cepu-block.html

中国

●090209D China, chinadaily
中国,四川から上海への超高圧送電線,2010年に向け突貫
China steps up in buliding UHV power line
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-02/07/content_7454327.htm


2009年2月8日 ー ベトナムのソンラ水力の移住難航 ー

ベトナムのダム開発の中でも,その規模や開発への様々な過程を見ると,そのベトナム政府の悲願で,涙が出そうな気持ちになる。当時,結局我々は何も出来なかったが,日本工営とJパワーが,その設計管理に従事したと聞いて,少し慰められたような気になった。まだこれから大変なようだが,日本政府にも,世界銀行にも見限られ,さすがに中国もベトナムには手を出さない。結局,ベトナム人は自分たちで,地球温暖化と孤独に戦う。

ベトナム北部,ハノイに流れ込む紅河の上流,ソンラ県内。日本工営の資料によると,ダムはRCCタイプで,高さ138m,流域面積43,760平方km,総貯水容量93億トン,出力2,400MW,年間発生電力量9,429GWh,最大使用水量毎秒3,462トン,落差101.6mである。出力規模については,水没移住の関連で,議論が続いたが,今日の記事では10万人,94%が少数民族という。2012年,運転開始を予定している。

多数の少数民族10万人,と言うのは少し変だが,ダムの水没移住に関しては,大統領以下,非常に関心を持って対応している,と言われている。一党独裁だけに,その扱いについては,政府も神経を使っており,大統領や首相も現地を訪れて実情を調査している。今回も,国会議員団の現場調査は尋常ではない,現地に2日間,更に一週間後,4日間も現地に入るという。異例である。

私も,三峡ダムの移住地区を見学したことがあるが,まさに一つの近代的な都市,という感じで,移住地の造成が行われていたが,問題は,従来の生活様式と,移住後の生活様式の狭間をどの様にして埋めるか,と言うことが問題なのであろう。10万人のうち94%が少数民族で,それを新しい近代的な移住地の中に,少数民族の伝統をどう残すか,難しい問題なのであろう。国会議員団は,最後に報告書をまとめるという。

別件,国際協力に関する有識者会議,議長渡辺利夫拓殖大学長,2月9日の会議の後,中曽根弘文外相に報告書を提出するという。内容は,日経によると,民間資金にODAを組み合わせた,「官民パートナーシップ方式」,と呼ばれる枠組み,と書いてある。1997年の通産省の民間資金を公的資金に組み合わせる提案を思い出す。なかなか旨くいかなかったが,今度はどうなるか,特にエネルギー分野。

本文

●ベトナム,ソンラ水力の住民移住に遅れ

ベトナムの北部,紅河の上流,ソンラ水力プロジェクト(注1),1990年代初めは国家威信をかけた大プロジェクトであった。結局,2003年に至って,自らの手で着工に踏み切ったが,今から約1年前,2008年3月4日の私のメモ(注2)を見てみると,時の首相が現場を訪問,激励している。また,ソンラ水力プロジェクト(注1)の設計管理を,日本工営とJパワーが実施し,詳しい報告書がある(注3)。

今日の記事。ベトナム国会(注4)のメンバーが,ソンラ水力プロジェクト(注1)の現場を訪れ,住民移住の実態を視察して,住民の移動が困難に直面して,状態は良くない,とコメントしている。写真(注6)は,ディエンビエンフー県ムオンライ地区に建設されているナムカン移住地区(注5)である。国会調査団の団長は,少数民族委員会のクソールフオック議員(注7)である。2日間の調査は,2009年2月5日に終わった。

この調査には,関係各省庁からも参加した。多くの移住地域を視察した調査団は,ある移住地区ではインフラが不十分であり,かつ,文化や習慣の保全に対して必要な環境が未だ未整備だ,とし,移住民が困難に直面している,と見ている。関係当局は,移住政策の実施に当たって,彼等が直面した障害による問題点を説明している。それに対して国会調査団は,問題点をすぐに政府や国会に報告していない,責任を全うしていない,と。

国会調査団は,更に,2009年2月10日〜16日に再び調査を続け,ディエンビエン(注8),ソンラ(注9),ライチュ(注10)各県の移住計画の実施状況を視察し,報告書を国会へ提出する予定である。ソンラ水力プロジェクト(注1)は,2003年着工,2,400MWで,2012年完成の予定。移住人口は,2万世帯,10万人で,94.4%が少数民族である。

(注) (1) Son La hydropower project,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index3news0803.htm,(3) http://www.n-koei.co.jp/library/pdf/forum15_011.pdf,(4) National Assembly,(5) Nam Can resettlement area, built in Muong Lay town, Dien Bien Province,(6) http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/2/68289/,(7) K’Sor Phuoc, chairman of the Council for Ethnic Minority Affairs,(8) Dien Bien Province, (9) Son La province, (10) Lai Chau province,(11) 21°57'30"N 103°8'42"E. MUONG LAY TOWN.,(12)

●フィリッピン,配電部門で,資金回収で新ルール

フィリッピン,電力規制委員会ERC(注12)は,配電事業体DU(注13)の間で合意した電力の売買に関して,資金回収を行う規則を改正,公布した。ERC(注12)によると,この規則は,DUs(注13)の間で,再販売のための買電に適用されるものだ,と。この特殊な例とは,あるDU(注13)が,消費者に売るために,他のDU(注13)から電力を買う場合である。

ERC(注12)のゼナイダ総裁(注14)によると,この規則公布の目的は,この再販売される電力が,消費者に適正な価格で売り渡されることである,と。この規則は,新聞紙上へ公告後,15日後より効力を発する。規則によると,ERC(注12)の承認を受けた再売電合意(注15)を行ったDU(注13)は,実際の関連原価をすべて改修する権利が得られる。

しかし,規則は,一般料金(注16)とライフライン料金(注17)は,それが最後のユーザーではないので,この際適用されない,と規定している。一方で,承認されない,または効力のない原価回収は,NPC(注18)の料金か,実際の原価か,どちらか低い方に固定される。電力の引き取り手DU(注19)に課される料金は,発電,送電,許容損失,配電,など,調整過程で許されるものの合計の要素で決められる。

買電したDU(注13)が,需要家に課す小売価格は,買電価格,許容損失,配電供給メータリングなどから構成される。この規則が適用されるDU(注13)の合意はについて,そのDU(注13)の分割料金(注20)が承認されたものである必要がある。これが出来ていないDU(注13)は,未承認の買電協定,と見なされる。現在,承認過程中の買電合意契約は,この新しい規則によって審査される。

(注) (12) Energy Regulatory Commission (ERC),(13) power distribution utilities (DUs),(14) ERC chairperson Zenaida G. Cruz-Ducut,(15) ‘sale for resale agreements’,(16) universal charges,(17) lifeline rates,(18) National Power Corporation (NPC),(19) off-taker DUs,(20) unbundled rates,(21)

参考資料

ベトナム


●090208A Vietnam, saigon-gpdaily.com
ベトナム,ソンラ水力の住民移住に遅れ
Lack of progress in hydropower project resettlement
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/2/68289/

フィリッピン

●090208B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,配電部門で,資金回収で新ルール
For power distribution utilities ERC issues new rules on cost recoveries
http://www.mb.com.ph/BSNS20090207147515.html



2009年2月7日 ー 中国は温暖化対策で先進国の義務強調 ー

今日の日経は,日本政府の気候変動問題対応への苦戦を伝えている。中国の攻撃は激しい。あの中国外務省のジアンユ報道官が,極めて明確に,中国の気候変動,地球温暖化対策への対応について,説明している。責任は先進国にあると,途上国も努力はするが,あくまで途上国の目標は任意であり,過去の責任をとる意味で,先進国には温暖化ガス排出の義務を課すべきだ,と。

それなら一層,中国とインドには,先進国の中に入って貰ってはどうか,と言いたくなるが,中国は何もしないと言ってはいないだけに,顔に似合わず,極めてしぶとい外務報道官の姿勢である。今日の日経は,「中国,干ばつ深刻化,小麦産地直撃,供給不足も」,とその惨状を伝えている。冬小麦は,作付け面積の44%が被害を受けているという。気候変動の影響をまともに受けているのか。

今日,ここで問題にしたいのは,中国政府の目標,2010年に再生可能エネルギーを一次エネルギーの10%に上げる,と約束していることである。電力だけ取り上げても,約8億KWあるから,10%と言えば,80,000MW,日本の電力の約40%にあたる量を,再生可能エネルギー,それも風力だけで賄うのだから大変で,当然,大規模水力も立派な再生エネルギーとして評価されている。

今日の記事でも,( )付きで,大規模水力も含む,と明記されている。今まで中国の言う再生可能エネルギーの定義は,明確でなかったが,当然入っているものと考えてきた,三峡ダムも勿論である。日本は,もう大規模ダムによる発電はない,と考えれば,この問題はどうでも良いわけだが,米国の場合は,最近の記事で,適切な水力は再生可能エネルギーと勘定する,と書かれている。

我々の再生可能エネルギー開発の目的は何なのか。CDMである特定の人に便益を与えることなのか,そうではなくて,地球温暖化から地球を救うためだ,と考えるときに,これは原子力も含めての話だが,地域の問題と地球の問題を,もう少し分けて考える必要があると思う。CDMから,原子力や大規模水力を除く,と言う考え方は,CDM市場で,太陽光や風力と競い合うことが,不適切,との考えからでていないか,懸念する。

ダムに,もし問題があるとすれば,それはその地域の,或いはもっと広くその河川の流域の中で考えるべきことで,地球の中で考えることではないと思う。例えば極端な話,日本が,地球の温暖化抑制のために,淀川の大山崎にダムを造り京都市を全部湖にして石炭火力を全部廃止して,地球のために貢献する,と言えば,世界の人々は,サンキュー,と言うべき問題だろう。ダム反対と地球温暖化対策は,全く別の問題だと思う。

地球全部の環境の問題と,ローカルの環境問題は,大きくなると繋がる可能性はあるが,今のところは別に考えても良いのではないか。大規模ダムで大規模水力発電所を造り,その分だけ石炭火力を少なくする,その大規模ダムを国内問題としてそれぞれの政府が環境問題を解決してくれるならば,それはそれで良し,だから,大規模水力が開発可能な地域は,当然それは再生可能エネルギーとして取り扱うべきだ。

大規模ダムの住民移住の問題などに反対するのは,それはそれで別の問題として扱えばよい,地球温暖化に反対する例えば環境専門家が,同時に大規模な再生可能エネルギー,大規模ダムの反対するのは,それは,まさしく矛と盾の問題で,矛と盾とどちらが強いかの議論になってしまう。地球温暖化のためにインドが北辺にダムを建設する,環境への対応が悪ければ,それを議論して直せばよいのだ,と思う。

CDMに原子力と大規模水力を入れないのは,どういう分けか。それは,地球には優しくても地域の被害を招く恐れがあるからか。それなら,地域の問題は地域で解決すべきで,解決されたものをCDMの市場に持ち込んで,何処が悪いか,と言うことにならないか。CDMの市場に原子力や水力ぅを持ち込めば,市場が混乱する,と考えているならば,それは真剣に地球を救おうと思っていないことになるのではないか。

本文

●ミャンマー,インド副大統領が,タンシュエ将軍と会談

経済界首脳を引き連れたインドのアンサリ副大統領(注1)一行のミャンマー訪問については,昨日,2009年2月6日付け本HP(注6)で取り上げたばかりである。副大統領(注1)一行は,早速,首都ネピトー(注3)で,ミャンマー首脳との会談に臨んだ。ネピトー(注3)からのインド側記者からの報告であるが,中国あり,天然ガスありで,なかなか核心に迫らない会談であるが,うちに込められた思惑がほとばしり出るようだ。

アンサリ副大統領(注1)は,早速に,ミャンマーナンバーワンのタンシュエ将軍(注2)と会談して,基本的な両国の関係強化を深めることに合意した上,当面の重要な協力分野を絞り込んだ。それは,農業と鉄道である。農業については,農業技術に重点を置き,鉄道については,機関車の供与に,ミャンマー側は関心を示した。

実務的には,アンサリ副大統領(注1)とマウンアイ将軍(注4)の会談に移ったが,この席には,殆どのミャンマー側の閣僚が出席するという歓待ぶりだったようだ。インド側の外務省カツ次官(注5)によると,会談は大いに農業問題に集中したという。セン駐ミャンマーのインド大使(駐7)もこれを確認している。大使(駐7)は特に,鉄道分野の協力についても語っている。インドの機関車供与は,歴史があるようだ。

農業や鉄道は,かなり表面的な協力分野であって,次に出てきたのは,水力開発や運輸と共に,ハイドロカーボン(注8)が強く取り上げられた。このハイドロカーボン(注8)が何を意味しているのか,原油天然ガスを含んだ全部の炭化水素の資源を総称しているのか,海底に眠る炭化水素の固形対を意味しているのか,よく分からない。おそらく,競争の激しい天然ガスという言葉を避けたのではないか,と言う気がする。どうですかね?

両サイドから,特にこの7年間の両国の深まる関係について言及しており,実績面から見た協力分野は,道路,電力,ハイドロカーボン(注8),通信,IT分野,などが強調された。国境の治安問題も話し合われたが,特にエネルギー安全保障の言葉も使っているので,水力電気の輸出や天然ガスの輸出などを頭に置いた話し合いだったのであろう。そこは中国も気にしているところだ。

インドは,欧米からのミャンマーの民主化についてのアドバイスを,中国同様無視してきているが,インドは,この外交の枠の問題とエネルギーの間の微妙なバランスの上で行動していることになる。今から5年前に,2004年,ミャンマーのタンシュエ将軍(注2)がデリーを訪問,インド側はこれを赤絨毯で歓迎したわけで,それが,インドの明確な意志を表している。

(注) (1) Vice President Hamid Ansari,(2) head of the country's military junta Gen Than She,(3) Nay Pyi Taw,(4) Gen Maung Aye,(5) Special Secretary in the Ministry of External Affairs, Vivek Katzu,(6) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090206.htm,(7) Indian Ambassador to Myanmar, Aloke Sen,(8) hydrocarbon,(9)

●中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ

簡潔な記事だが,最近の中国政府の気候変動への取り組み,姿勢を,公式に記者会見で表明したものとして,興味ある記事である。この木曜日,2009年2月5日,中国のジアンユ外務省報道官(注12)が,記者会見に臨んだ。中国政府は,2009年末にデンマークのコペンハーゲン(注11)で予定されている気候変動(注10)会議の成功は,先進国が2012年以降も,その温暖化ガス(注9)の削減を確認することが前提である,と。

基本的な問題は,先進国と途上国の違いであり,途上国の温暖化ガスの削減は任意であり,先進国のそれは義務であると。途上国と先進国では,その責任と義務に大きな違いがあると。コペンハーゲン(注11)での結論には,国連気候変動枠組UNFCCC(注14)と京都議定書(注15)を実行するために,バリで決めた工程表(注13)に沿って,議論がなされなければならないと。

2007年12月のバリに於ける気候変動会議(注16)で,2009年にデンマークで合意すべく,2年間に亘る工程表(注13)が決められた。2009年末のコペンハーゲン(注11)会議では,2012年に終了する京都議定書(注15)に変わる協定がなされる予定になっている。ジアンユ外務省報道官(注12)は,この工程表(注13)に遅れている,と警告している。国際社会は,気候変動対策に,同じ挑戦を強いられているのだ,と。

更にジアンユ外務省報道官(注12)は,中国や他の途上国も,気候変動への努力を続けている,もし,先進国が約束したように,資金の支援や技術移転を確実に実施してくれれば,途上国はもっと成果を上げることが出来るであろう,と。また,中国の温暖化ガス(注9)は大きいが,それは人口圧力から来るもので,一人当たりの排出量や,過去の排出の積み重なりは,まだ低いレベルである,と主張している。

中国は,他の途上国と共に,国際的な枠組みの中で気候変動には果敢に挑戦して行く,と。既にこれに向かっての政策を展開中で,5カ年計画では,GDP当たりのエネルギー使用量を,2010年には2005年の実績から20%削減する目標を持っている,と。他に,再生可能エネルギーの割合を2010年には10%とすることと,森林被覆を20%増大する,ただし,再々可能エネルギーには,大規模水力を含めている,と。

(注) (9) greenhouse gas emissions,(10) climate change,(11) Copenhagen,(12) Chinese Foreign Ministry spokesperson Jiang Yu,(13) Bali Roadmap,(14) UN Framework Convention on Climate Change (UNFCCC),(15) Kyoto Protocol,(16) United Nations Climate Change Conference,(17)

参考資料

ミャンマー


●090207A Myanmar, zeenews
ミャンマー,インド副大統領が,タンシュエ将軍と会談
VP Hamid Ansari meets head of Myanmar's military junta
http://www.zeenews.com/nation/2009-02-07/505135news.html

中国

●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse http://news.xinhuanet.com/english/2009-02/05/content_10770578.htm


2009年2月6日 ー インドの副大統領がミャンマーへ ー

日経によると,日本政府は,地球温暖化問題,ポスト京都について,専門家機関を国連に設置するよう提案するという。削減の中期目標は最後まで提示しない方針のようだ。各国,好きなようにやったらよい,と言う感じで,少し困っているような状態。2009年末の合意に持って行くのは,日本政府としても主導権をとるのは大変なようだ。私は,どうせ大変なら,セクトラルアプローチを,あくまで貫いてはどうか,と思う。

今日の主題は,インドとミャンマーの関係である。皆様も覚えていると思うが,イラワジ上流の,1,200MW,チンドウイン川のタマンティ多目的ダムで,現地調査を行っていたNHPCが,とても難しい,しかもインドに持って帰るのは不可能だ,と逃げ帰ろうとしたところで,電力省の政治家ポストにあったラメシュ副大臣が,何を言っているか,現地に乗り込んでと押しとどめ,何とか継続に持ち込んだ。

勿論,ラメッシュ副大臣の意図は,タマンティの電力にあるのではなく,中国が主導権を握ろうとしている,ミャンマー,ランキン州沖の,60兆立方フィートとも言われる天然ガスの大包蔵にある。ラメッシュは次々と手を打ってくる。じっと国境付近の地図に見入っていたラメッシュが気がついたのは,インド東北地域のモゾラム州が,まるで沖合天然ガス田に手を伸ばすように,ミャンマー内に張り出していることだ。

今までは,ミャンマーのガスをインドにもって帰ろうとすると,どうしてもバングラデシュを通らなければ駄目,嫌なら海底を通るしかない,と諦めていたインドだが,このラメッシュの発想で,実に短距離でラキン州沿岸から,インド国境まで達せることが分かったのだ。勿論,誰も考えつかなかったように,このルートは,ミャンマー側もインド側も,極めて未開発地域で,人が通るだけでも容易なルートではない。

ここで,電力省のオフィスに座っているようなラメッシュではなかった。彼は,尻込みする部下のを叱咤して,自ら,ミャンマーのアラカンの山をヘリで飛び越えて,州都,海岸のあるシットウエイに飛び,そこから何とボートを駆って,カラダン川を北に上って途中から歩き,自分で,このルートは開発可能だ,と判断し,ニューデリーを訪問したミャンマーのセインテイン首相を説得,このルートの開発を合意したのだ。

このときは,ラメシュの口からは,ガスのガも出ていない。今でもインドは,このルートの開発が,中国と対抗するパイプラインルートだ,とは一言も言っていない。しばしニューデリーにあったラメッシュは,周辺を説得して,アンサリ副大統領のミャンマー訪問使節団を立ち上げた。副大統領が実際に署名するプロジェクトは,全く関係のない教育関係などの協定である。

しかし,この副大統領ミッションには,多くの企業のトップが付き従っており,その中には,タマンティでラメッシュに尻を蹴飛ばされたNHPC代表や,天然ガス関連の公社代表も加わっている。副大統領一行は,昨日,2009年2月5日,デリーを発って,ヤンゴンから,軍政のネピドーに回って,タンシュエ将軍などとも会談して,4日間,ミャンマーに滞在する。この副大統領は,かって演説の中で,知的送電網の必要を説いた人だ。

本文

●フィリッピン,NPCが21億ペソの燃料供給契約

2009年のNPC(注1)の燃料契約が詳しく書かれている。少し煩わしいが,発電所名が全部書かれているので,一応記録に残しておこう。4つの燃料企業が,総額21.33億ペソの燃料供給契約を勝ち取った。このうち,20.91億ペソがディーゼルと石油燃料で,42.070百万ペソが潤滑油関連である。中核の企業はシェブロン(注2)で,752.082百万ペソ,続いていてペトロン(注3)の,662.396百万ペソである。

続いてフィルプライド(注4)の,燃料,652.806百万ペソ,潤滑油,42.07百万ペソであり,第4位は,フイロイルガス(注5)の23.802百万ペソである。今回分は,今年,2009年全体の額,33.57億ペソの一部分である。NPC(注1)によると,この燃料供給は,契約しているIPP分全部と,NPC(注1)が直接見ている小規模発電グループSPUG(注6)を含むものである。

NPC(注1)が本来求めていた基幹供給(注8)ものは,832,535キロリッターKL(注7),233.17億ペソの石油燃料と,271,578KL,102.53億ペソの潤滑油関連であった。全体の中で,158,466KLはNPC(注1)の発電所用,642,806KLは契約IPP用,312,83KLはSPUG(注6)用である。基幹供給(注8)は,230.96億ペソがIPP発電所,53.69億ペソがNPC(注1),51.04億ペソがSPUG(注6)である。

ディーゼル供給は,最初はIPPの,マラヤ火力(注9),セブ第1及び第2火力(注10),セブディーゼル第1火力(注11),セブ地上がスター瓶代1及び第2(注12),船上発電所PB118(注13),を目指したであった。SPUG(注6)に相当するものは,ルソンのPB120とPB106(注14),パラワンのプエルトプリンセス(注15),ビサヤスとミンダナオの船上発電機(注16),それにモジュール発電機群(注17)である。

石油燃料の対象は,ボホールディーゼル(注18),パナイ第1及び第3ディーゼル(注19),イリガンディーゼル(注20),PB群(注21)である。IPPのバターン複合火力(注22)は,12ヶ月間自己調達である。SPUG(注6)のカガヤンデタウイタウイディーゼル(注23)は個別入札となる。供給方法は,タンクトラック,ディーゼルはドラム,と決められている。

(注) (1) National Power Corporation (NPC),(2) Chevron Philippines Inc.,(3) Petron,(4) Filpride Resources Inc. of the Villavincencio group,(5) Filoil Gas Company Inc.,(6) NPC’s Small Power Utilities Group,(7) kiloliters KL,(8) bulk of supply,(9) Malaya thermal plant,(10) Cebu thermal I and II,(11) Cebu diesel I,(12) Cebu land-based gas turbine 1 and 2,(13) Power Barge (PB) 118,(14) PB 120 and PB 106 in Luzon,(15) Puerto Princesa in Palawan,(16) power barges in Visayas and Mindanao,(17) modular plants,(18) Bohol diesel plant,(19) Panay I and III diesel plant,(20) Iligan diesel plant,(21) Power Barges 101, 102, 103 and PB 119,(22) Bataan combined cycle power facility,(23) Cagayan de Tawi-Tawi diesel plant of SPUG Western Mindanao,(23)

●ミャンマー,インドの副大統領が,明日訪問

先頭を切って,ミャンマーのエネルギー資源を頭の中に置いた,インドのラメシュ副大臣の先導であろうか,遂にアンサリ副大統領(注23)が,重い腰を上げて,2009年2月5日より,4日間,ミャンマーを訪問することになった。工業,運輸,通信の各分野で協力協定に署名するという。インドの狙いは,ミャンマー沖の天然ガスにあり,政治的障害を乗り越えてでも,友好を深めよう,と言うインドの思惑である。

今回,アンサリ副大統領(注23)副大統領に同行するのは,ラジュ副大臣(注25)の他,大規模な経済使節団がいる,その企業は,HMT(注25),タタモーターズ(注26),ONGC(注27),GAIL(注28),NHPC(注29),エッサール(注30),TCIL(注31)などで,多くの重要なエネルギー企業があることに注目する。今回,エネルギーで具体的な案件は挙げられていないが,その底流はエネルギーにある。記事を見よう。

インドが,ミャンマーとの関係に於いて,重点を置いている分野は,道路,水力,石油精製,天然ガス,通信,IT,などである。電力については,電力不足のインド北東地域への輸入を目指す,NHPC(注29)が扱うチンドウイン川流域(注36)のタマンティ水力(注34)とシュエザイ水力(35)がある。しかしインドの狙いは天然ガスであり,使節団の中の,ONGC(注27),GAIL(注28),エッサール(注30)の企業を見れば分かる。

これらの企業は,ランキン沿岸部(注37)の陸地及び沖合の天然ガスへの一定の参画を考慮している。もう一つの大きなテーマーは,先日,ラメシュ副大臣が現地に乗り込んだように,ミャンマーのカラダン川(注38)を遡って,舟運と道路により,インド東北部のミゾラム(注39)に繋ぐというプロジェクトで,表向きは通商ルートであるが,インドとしては,バングラデシュを通過しないガスパイプラインと言う想定もありえるだろう。木材もある。

(注) (23) Vice President Hamid Ansari,(24) Minister of State for Defence V Pallam Raju,(25) HMT,(26) Tata Motors,(27) ONGC Videsh Ltd,(28) GAIL,(29) National Hydro Power Corporation NHPC,(30) Essar,(31) TCIL,(31) Nay Pyi Taw,(32) Gen Maung Aye, the number two in that country's ruling military junta,(33) Gen Thaan Shwe who heads the junta,(34) Tamanthi hydropower project,(35) Shwezay hydropower project,(36) Chindwin river basin,(37) Rakhaine coast,(38) Kaladan river,(39) Mizoram,(40)

●カンボジア,2008年,中国が最大の投資国

カンボジアは,日本国内では,脱貧困支援のモデルみたいに言われているが,ますます日本の影は小さくなっていっているのか。カンボジア投資委員会CIB(注40)が刊行した2008年の報告書は,各国のカンボジア投資で,第1位の中国は,第2位の韓国の4倍に相当する43億ドル,全体の40.14%と発表された。韓国は,12億ドルで11.39%である。

中国の投資分野は,衣類,水力,農業,ソフト分野,と多岐に亘っている。もっとも多かったのは,トンミングループ(注41)がカンポット県(注42)沿岸開発プロジェクトに,38億ドルを投入している。ここは,問題になっているカムチャイ水力の地元である。カンボジア開発局のチャンダ局長(注43)は,中国の積極的な投資が,各国のカンボジアへの投資意欲を盛り上げている,と手放しである。

中国関係の専門家スリバン氏(注44)は,官民一体となった中国とカンボジアの関係が,一層,中国の投資を有利にしている,と分析している。2007年の報告書では,マレーシアが第1位の投資国で,続いて,中国,韓国であった。

(注) (40) Cambodian Investment Board,(41) Tong Min Group Engineering,(42) Kampot province,(43) Sok Chanda, secretary general of the Council for Development of Cambodia,(44) China expert Michael Sullivan,research for the Association of Southeast Asian Studies under UK sponsorship,(45)

参考資料

フィリッピン


●090206A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,NPCが21億ペソの燃料供給契約
NPC awards P2.133 B fuel contracts
http://www.mb.com.ph/BSNS20090205147346.html

ミャンマー

●090206B Myanmar, zeenews
ミャンマー,インドの副大統領が,明日訪問
Ansari visits Myanmar tomorrow, 3 MoUs to be signed
http://www.zeenews.com/nation/2009-02-04/504665news.html

カンボジア

●090206C Cambodia, xinhuanet
カンボジア,2008年,中国が最大の投資国
China top investor in Cambodia in 2008
http://news.xinhuanet.com/english/2009-02/05/content_10766192.htm



2009年2月5日 ー 中国の電力設備は792,000MW ー

突然のパナソニックの,「破壊と創造」(注64),がメディアに現れ,1万5,000人の削減もさることながら,国内外にある230の事業拠点の20%を削減する,と言うのは,余りにも思い切った破壊で,大勢の人が戸惑っていることだろう。パナソニックはまだ廃止する事業所を完全には明らかにしていない。かって成功した果敢な破壊と創造に,再び挑戦か。米国企業の,1月の人員削減も,24万人以上と伝えている。

また一方で,求職と職提供のミスマッチを,テレビは大きく報じていた。昨夜の,テレビって奴は,で何のために働くか,議論していたけれども,お金だけでないところに,職探しの難しさがあるのだろう。誇りある仕事,と主張していた人もいたが,埃ある仕事,に就くのは嫌,と言うのも,この事態でまだあるのか。自分の存在の証をこの世に残しておきたい,と答える人もいたが,かなり無難な回答だと思う。

中国は,北京で大会議を開いて,電力分野の2009年の活動計画について議論が行われている。2008年末現在で,全発電設備は,792,000MWに達したという,恐ろしいとしか言いようがない,米国に次いで第2位だ。天安門事件の直後,1989年,その発電設備は,約80,000MWだった。18年間で10倍か。造りすぎ,というのは良く我々が行ってきた言葉。今日の記事で,数点,思うことあり。

第一点。中国も再生可能エネルギー開発への大きなビジョンを持っているが,印象が強いのは,風力はやるが太陽光はやらない,と決めてかかっていることだ。太陽光は余りにも高価すぎる,少ない間はよいけれど,系統の中での割合が増えてくると,電力経済が大変なことになる,と分かっている。風力を大々的に開発し,太陽光はパネルを大量生産して日本に売るだけ,中国国内では使わないと言う。すごい割り切りに感心している。

第二点。もう一つは,電力石炭総合開発地点を,2カ所ほど選んで,2009年にも着工していることである。石炭の輸送に行き詰まり,結局,石炭のあるところに石炭火力を造らねばならない,と割り切ったわけである。そのやり方がまた大規模で,結局民間でやったのでは,規模の小さいもののつぎはぎは出来るが,基礎から大規模にやって行くには,国家プロジェクトにしなければならない,と理解したようだ。

第三点。送電網の整備に重点を置く,当然のことだろう,超高圧直流送電も視野に入れて,石炭電力総合開発の地点から,3,000MW,4,000MWと大規模に運んで来る構想だ。ここで思うのは米国のことで,オバマ大統領が特に送電網を取り上げて,知的送電網を含んだ大規模な投資を考えている。考えるに,米国,橋梁もそうだが,おそらく送電線も相当に傷んでいるのではないか。日本も,後50年もすればそうなるか。

(注) (64) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902050018a.nwc

本文

●インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名

インドと米国の原子力協力協定の成立後,原子力供給グループNSG(注1)のインドへの輸出解禁,と進み,最初に接触を開始したのはフランスである。2008年12月16日付本HP(注2)では,世界最大規模,フランスの原子力企業アレバ(注3)とインド原子力開発公社NPCIL(注4)は,年間300トンのウラニューム供給で,協定に署名したことが報じられている。フランスはダライラマで中国と問題があるだけに,本件,必死である。

国際民間原子力のインドへのドアが開かれてから,インドは最初の商業的事業の合意を,世界最大規模,フランスの原子力企業アレバ(注3)と,原子力発電所の建設に向けて,明日,2009年2月5日,署名を交わすことになった。最初の段階として,アレバ(注3)は,欧州加圧水型原子炉EPR(注5),1,650MW機,2基を,マハラシュトラ州(注6)のジャイタプール(注7)に提供することになる。

この覚書MOUは,インド原子力発電公社NPCIL(注8)とアレバ(注3)の間で,チャバン副大臣(注9)と訪印中のイドラック仏外務副大臣(注10)の立ち会いの下,署名される。なお,この2機の供与に続いて,更に4機のEPR(注5)が,遅れて提供されることが期待されている。このEPR(注5)が使用されている国は,フランスの他,フィンランド,中国である。2008年12月には,インドは,300トンのウランを仏から輸入することになっている。

昨年,2008年9月,インドも世界的な原子力産業に参加することが決まり,歴史的な原子力供給グループNSG(注1)との協定が結ばれてから,最初の原子炉供与に関する商業協定となる。NSG(注1)との合意以降,インドは,二国間の原子力協定を,米国を初め,フランス,ロシア,カザフスタン(注11)と結んできた。

昨日,2009年2月3日,ウイーン(注12)で,IAEA(注13)と結んだ,インド特定防護対策協定(注14)が批准されれば,アレバ(注3)から供与される原子核燃料は,ラジャスタン原子力発電所(注15)に使用されるが,この2機のユニットには既にこの30年間,安全な運転の実績がある。

(注) (1) Nuclear Suppliers’ Group,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081216D.htm,(3) Areva,(4) Nuclear Power Corporation of India,(5) European Pressurised Reactors (EPR),(6) Maharashtra,(7) Jaitapur,(8) Nuclear Power Corporation of India Limited,(9) Minister of State in PMO Prithviraj Chavan,(10) French Minister of State for Foreign Trade Anne Marie Idrac,(11) Kazakhstan。(12) Vienna,(13) IAEA,(14) India-specific safeguards agreement,(15) Rajasthan Atomic Power Station,(16)




●インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き

インドネシアの原油ガスの生産落ち込みに神経を尖らせているのは,他ならぬインドネシア国会である。何度もエネルギー省や企業の代表を国会に呼び出して,外国企業の誠意が足りないのではないか,との疑念を持っている。国有のプルタミナへの信頼を強く打ちだして来ており,リアウのガスや東部ジャワのセプなど,大いに関心を持っている。最新の情報は,2009年1月24日付本HP(注16)である。

今日の記事は,カラ副大統領(注17)と日本のLNGが絡んで,興味ある記事である。タングー油田(注18)の新規ガス供給が加わるにもかかわらず,老朽化した油田から逃す生産減少で,全体のガス生産量は,僅かに上向いただけに終わっている。ガス規制機関BPミガス(注19)のプリヨノ会長(注20)は,2009年のガス生産目標は,日75.0億立方フィートで,2008年の実績,74.6億立方フィートを僅かに越えただけである,と。

プリヨノ会長(注20)によると,多くの油田,例えば,アチェのアルン油田(注21)などは生産が減っている。BPミガス(注19)の資料によると,特に老朽化した油田では,今年の目標は一般に低い。これらの企業は,トータル(注22),VICO(注23),ペトロチャイナ(注24),BP(注25),CNOOC(注26),シェブロン(注27),プレミア石油(注28)である。

しかし,2008年より高く目標を設定している企業もある。その中には,プルタミナ(注29),CONOCO(注30),エクソンモービル(注31),KODECO(注32)などが含まれている。エネルギー大臣プルノモ氏(注33)は,幸運にも,これらの企業が穴埋めしてくれて,何とかバランス上,生産減を避け得た,としている。プリヨノ会長は,タングー油田(注18)の生産開始は,2009年2月の予定が,4月にずれ込むと言っている。

プリヨノ会長は,タングー油田(注18)の生産開始のためには,もう少し時間が必要,と。タングー油田(注18)は巨大で,パプアのビントウニ湾(注34)地域で,14.4兆立方フィートの天然ガス包蔵が確認されている。プリヨノ会長によると,4月に始まる日生産量は,500MMscfd(注35)で,最初の供給は5月になるだろうと。

エネルギー省のレゴヲ原油ガス局長(注36)は,原油ガス生産の落ち込みを救う唯一の方法は,新規油田の探査による発見であるとし,現在,31のブロックで入札を行っていて,4月か5月には,入札を開示することになろう,と。インドネシア政府は最近,何度も,輸出よりも国内優先,を繰り返し言っている。しかしプルノモ大臣(注33)は,場所により,高度な技術を必要とするプロジェクトでは,輸出せざるを得ないだろう,と見ている。

プルノモ大臣(注33)は,東カリマンタン沖(注37)のシェブロン(注27)の原油ガスプロジェクトは,深海であり,開発は高価,ここから生産される天然ガスは,国内で受け入れられることは無理だ,と見ている。プルノモ大臣(注33)は,この天然ガスの開発を,これは無理であろうが,国内で受け入れられる時点まで延期するか,それでなければ,天然ガス全体で国内を満たしてから,これを輸出に回すしか方法がない,と。

インドネシアは,世界で第5位のLNG輸出国で,買ってないほどの内外の需要の高まりに呼応して,天然ガス生産を上げるべく戦っている。インドネシア政府は,輸出できることは全く光栄であるが,まず国内を満たさなければならない,としている。日本にいるカラ副大統領(注17)は,最大のLNG輸入国日本は,更にインドネシアのLNGを求めているが,国内優先を繰り返している。現在,インドネシアのガスは,日本の消費の20%である。

(注) (16) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090124B.htm,(17) Vice President Jusuf Kalla,(18) Tangguh field,(19) BPMigas,(20) R. Priyono, chairman of upstream oil and gas regulator BPMigas,(21) Arun fields (in Aceh),(22) Total E&P Indonesie,(23) Vico Indonesia,(24) Petrochina International Jabung Ltd.,(25) BP West Java Ltd.,(26) CNOOC SES Ltd.,(27) Chevron Indonesia Co.,(28) Premiere Oil Natuna Sea B.V.,(29) PT Pertamina,(30) ConocoPhillips (Grissik) Ltd.,(31) ExxonMobil Oil Indonesia Inc.,(32) Kodeco Energy Co., Ltd.,(33) Energy and Mineral Resources Minister Purnomo Yusgiantoro,(34) Bintuni Bay area in Papua,(35) 500 MMscfd (million standard cubic feet per day),(36) Evita H. Legowo, director for oil and gas at the ministry,(37) off East Kalimantan,(38)

●中国,ジンピン水力プロジェクト,2013年運転開始へ

中国鉄道建設公社CRCC(注38)によれば,中国南西部,四川省(注39)のジンピン水力発電所(注40)は,2013年にも,第1号機運転にこぎ着ける予定であると。建設工事の鍵となる仮排水路トンネル(注41)は,2009年1月に着工した。このトンネルは,長さ16kmで,4本である。総工事費は,298億元,約43.6億ドル相当,である。

場所は,ヨンロン川(注42)の本流上のジンピンダム(注43)に位置する。出力は,4,800MWで,ヨンロン川(注42)で最大である。すべての完成は,2015年を予定しており,電力は四川省(注39)を潤すが,更に,重慶(注44)や中国東部に供給される。


(注) (38) China Railway Construction Corporation Limited,(39) Sichuan Province,(40) Jinping Hydropower Station,(22.7619 103.2156) 雅著江錦屏二級水電站,(41) diversion tunnel,(42) Yalong River,雅著江,(43) Jinping Dam,(44) Chongqing City,(45)

●中国,2009年の電力投資,5800元

中国北京,火曜日,2009年2月3日,国家エネルギー作業部会(注45)が開催された席上で,中国国家エネルギー管理庁CNEA(注46)のザングオバオ長官(注47)が説明,2009年の中国は,電力建設に,5,800億元,約848億ドル,を投入して,原子力と風力を含めた,主として新エネルギーの開発を促進する,と。

2009年の中国エネルギー開発計画によると,3つの原子力発電所,ゼジアン-サンメン(注50),シャンドン-ハイヤン(注51),グアンドン-タイシャン(注52),合計8,400MWの着工に踏み切る。また一方,総計10,000MWの風力発電所を,ガンスー(注53),内モンゴル(注54),湖北(注55),ジアンスー(注56)の各省で,10年かけて建設する。また,石炭火力の建設も進める。

石炭と電力の総合開発基地を着工する。それは,内モンゴル(注54)のシリンゴルリーグ(注57)と,山西省(注58)の石炭電力総合開発(注59)である。このために送電線を建設するが,その容量は,リアオニン省(注60)向けが3,000MW,山東省(注61)向けが,4,000MWである。ザングオバオ長官(注47)は,小規模の火力,炭坑,石油精製工場を廃止して,大規模エネルギーインフラの建設に切り替える方針,と言っている。

更に,中期及び長期の計画に於いて,原子力開発の調整を行い,また,電源と供給のバランスをとるため,農村部,都市部の送電網の再建設にも着手すると。2009年には,エネルギー建設に関する第12次五カ年計画(2011〜2015年)(注62)の事前検討を行い,その前半には,各界の意見を聴取する。

中国の電力は発展を続けており,毎年,100,000MWのオーダーで増えていて,2008年末には,792,000MWに達して,米国に次いで第2位の位置にいる。しかし,中国の電力は多くの問題を抱えている。ある省では明らかに電力余剰であるが,他の省では急激に供給力が落ちている。また,不法な発電所の建設が後を絶たず,これらが国内電力企業の状態を悪化させている。

水力発電所,風力発電所,送電網も,最近は新しい問題点や困難に遭遇している。ザングオバオ長官(注47)は,電力会社が未だに多くの損失を抱えていて,需要を妨げ,経済を追い込んでいるが,これは,中国が,電力産業の開発を最適化するための,よい機会だと思っている,と述べている。

(注) (45) National Energy Working Conference,(46) China's National Energy Administration,(49) Zhang Guobao, head of China's National Energy Administration,(50) Zhejiang Sanmen,(51) Shandong Haiyang,(52) Guangdong Taishan,(53) Gansu province,(54) Inner Mongolia,(55) Hebei province,(56) Jiangsu province,(57) Xilin Gol League in Inner Mongolia,(58) Shanxi province,(59) coal-electricity base,(60) Liaoning province,(61) Shandong province,(62) Twelfth Five-Year Program (2011-2015),(63)

参考資料

インド


●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/India_to_sign_MoU_with_AREVA_for_nuclear_reactors_on_Feb_4/articleshow/4071504.cms

インドネシア

●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/04/gas-output-rise-slightly.html

中国

●090205C China, tradingmarkets
中国,ジンピン水力プロジェクト,2013年運転開始へ
Jinping Hydropower Station to Begin to Run in 2013
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2155720/
●090205D China, capital-en.trend
中国,2009年の電力投資,5800元
China to invest 580 bln yuan in power construction in 2009
http://capital-en.trend.az/empty/1416532.html


2009年2月4日 ーミャンマーのアラカン州に鉄道建設 ー

東京の米国大使館勤務の経験がある,新任のガイトナー米財務長官が,バブル崩壊後の日本の失敗を教訓にしたい,と語っている。多くの日本の政治家がこの発言に苛立っていることだろう。麻生首相は,日本がバブルを克服した経験を大いに世界にアピールして,この世界金融危機に参考にして貰う,と張り切っていたのに,日本は反面教師と言われては。この長官は,中国の為替操作など,少し発言にナイーブさを欠きますね。

今日の日経も朝日も,社説の主題は,公務員制度改革である。渡辺議員の脱党や人事院総裁の反逆など,結構議論が盛り上がっている。谷人事院総裁は今朝,テレビに出ていたけれど,徳川幕府の頭の切れる老中,みたいな感じで勇ましい。上下を着て,頭はそのままで大小刀を差せば,立派な侍ですね。いつでも切腹の覚悟が出来ている。全体的に,官僚制度と官僚意識を何とかせよ,と言う世論が多い中,国民として思うところ2点。

自由党も民主党も,政治家が官僚に代わって日本を動かす,と言う論調だが,今の政治家が官庁に乗り込んでいって官僚の座っている席に座り行政を行う,想像しただけでも危なくて危なくて,国民としても,そうだそうだ,と言えないところがある。省益に走る官僚は,見ていても見苦しいところがあるが,それでも今の政治家に行政をやられるよりは,まだマシとも言えそう。

それから,赤穂義士がなぜ切腹させられたか。若い人が多すぎて,このまま人生を過ごしたのでは,何処で失敗して武士道全体に汚名を着せるかも知れない,それが切腹を命じた最後の理由だった。官僚も一緒で,早くに外に出してしまうと,官僚組織の真実を世間に曝すことになるし,機密事項を盾に官僚組織を脅迫する人も出てくるだろう,だから天下りや渡りで,官僚の支配下に置いておく必要がある。

これは官僚だけに当てはまることではなく,一般社会でも一緒で,組織でより高位にあって,より高度な情報に接していた人ほど,組織から遠くに行って貰っては困る,もう頭脳的に呆けてしまうところまで置いておいて,もう無害,と言うところで,組織の支配から解放するわけである。まあそう言う一面もあると言う意味で,今の世論に反対をしているわけではないが,皆そのことに気がついてないから一言。

今日の本論で,再びミャンマーのアラカン州が話題になっている。何かアラカンで急に動きが激しく,住民も,一体何事か,と訝っている。水力発電所の開発も,この地域の電力事情を改善するため,と首相や大臣が二人も現地に入って,住民への説明に躍起。今度は,鉄道を造って,地域内の交通の便を図ると同時に,将来は,アラカン山脈を越えて,イラワジ河畔のミンブまで延長するという。

まあ皆さんも読んでいるであろうが,問題は中国のガスパイプラインである。パイプラインは,ベンガル湾のラブリー島から中国の雲南省まで延々と敷設される,将来は,中東からの石油パイプラインも走る。中国政府が,ミャンマーの治安について,ミャンマー軍事政権に警告を発したに違いない。誰が考えても,アラカンから雲南省まで,安全に資源が運ばれるとは思えないのが,ミャンマーの治安である。

それから,中国の四川省の昨年5月の大地震,3万人が犠牲となり,500万人が家を失った。この地震は,2004年に,断層から3マイル離れたところに貯水したダムの影響,で中国政府が困っている。我々の考え方としては,局地的な微小地震はあり得る。しかし,新規の水の重量に比べて,遙かに数億年の山の重さの方が大きいから,大地震の原因にはならない,とそう言ってきたのだが。要検討。

本文

●ミャンマー軍事政権,中央部とアラカンの鉄道計画

このHPも,最近のミャンマー西部,アラカン(注1)地方の動きに注目している。2009年1月15日付本HP(注2)で,アラカンでの水力開発を伝え,2009年1月29日付本HP(注3)では,首相の乗ったヘリコプターが濃霧で目的地に降りられず,など,軍事政権中枢のアラカンでの動きを注目してきた。基本は中国の天然ガスの動きであるが,これに,インドやバングラデシュの動向も絡む。

今日の記事。ミャンマー軍事政権(注4)は,アラカン州(注5)とビルマ中枢(注6)との鉄道による連携を計画している,それは地域開発を促進する目的である,と公式に報じている。これは,テインセイン首相(注7)が,2009年1月24〜29日にアラカン(注1)地方を訪問したときに発表されたものである。鉄道ルートは,アラカン州(注5)の州都シットウエ(注8)と,西部軍司令部のあるアン地区(注9)を結ぶ。

シットウエ(注8)とアン地区(注9)を結ぶこのルートの建設は,第1フェースと称して,4年以内に完成させる,と発表している。第2フェースは,アラカン山脈(注14)を越えて,アン地区(注9)と西部イラワジ川(注10)のミンブ(注11)を結ぶことになる。(アン地区(注9)はよく分からないが,おそらく
シットウエ(注8)から直線で60km東北にあるミョハウン(注15)の新しい地名ではないかと思う,足立註)。

この第2フェースによって,ビルマ中枢(註6)の西部とアラカン(注1)地方が,鉄道によって結ばれることになる。この鉄道計画は発表はされたが,ミャンマー軍事政権は,予算も,どの国が支援するかも発表していない。シットウエ(注8)の情報筋は,軍事政権はこのような大プロジェクトのを実施する能力はないので,おそらく中国政府の支援によるのだろう,と推測している。

中国は,ミャンマー軍事政権の最大の支援者であり,中国は現在,天然ガスを輸出するため,アラカン州(注5)からのパイプラインを準備中である。この工事は,ミャンマー最大の島,ランブリー島(注16)のチャウクプル(注17)で,先月,2009年1月,工事を開始している。このパイプラインは,ミャンマーから中国雲南省に向かう計画である。

また,ミャンマー軍事政権は,アラカン州(注5)で,多くの水力プロジェクトを準備中であるが,表面上,アラカン州(注5)の電力を賄うため,としている。2009年1月28日,ゾーウイン第一電力大臣(注18),キンマウンミン第2電力大臣(注19)が,水力プロジェクトの視察のため,ブティダウン地区(注20)のサイディン滝(注21)を訪ねている。

最近のミャンマー軍事政権は,20年間も無視してきたアラカン州(注5)に多くの開発プロジェクトを発表している。多くの住民や分析者は,注意深くその動きを,軍事政権の急なアラカンのインフラ開発に,どの様な背景が隠されているのか,監視している。

(注) (1) Arakan,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090115A.htm,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090129C.htm,(4) Burmese military junta,(5) Arakan State,(6) Burma proper,(7) Prime Minister Lt. General Thein Sein,(8) Sittwe,(9) Ann Town,(10) Irrawaddy River,(11) Minbu,(12) Arakan Roma,(14) Arakan Roma (Arakan Range),(15) Myohaung,(16) Rambree Island,(17) Kyaukpru,(18) Power Electricity Minister One Colonel Zaw Min,(19) Power Two Minister General Kine Maung Myint,(20) Buthidaung Township,(21) Sai Din Waterfall,(22)

●インド,リライアンス,KGガス供給で協議へ

インドの東部,2008年10月3日,取り上げているが,「2002年にリライアンスは,インド東海岸沖合のクリシュナ・ゴバダリ(KG)盆地で推定埋蔵量14兆立方フィート(2002年度における世界最大の天然ガス発見)の天然ガスを保有することとなった。」,のが切っ掛けで,2008年12月22日付本HP(注1)では,その配分について,更に政府との交渉が報じられている。

今日の記事。リライアンスRIL(注23)は,クリシュナゴドバリKG流域(注24)のガス販売について,12以上の発電所や肥料工場との交渉を始めている。RIL(注23)は来週にも,政府と相談の上,購買者のリストを完成させる予定である。パンディ石油省次官(注25)は,「我々はRIL(注23)とガス購買者のショートリスト作りで会議を呼びかけている。発電と肥料の企業が,その対象となるであろう。」,と語っている。

発電企業でガス購買に熱心なのは,ラッタナギリRGPPL(注26),GVK(注27),ガウタミ(注28),コナシーマ(注29),トレント(注30)であり,肥料では,RCF(注31),タタ化学(注32)など他5工場である。


(注) (22) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081222A.htm,(23) Reliance Industries (RIL),(24) Krishna Godavari (KG) basin,(25) petroleum secretary RS Pandey,(26) Ratnagiri Gas and Power (RGPPL),(27) GVK Power and Infrastructure,(28) Gautami Power,(29) Konaseema,(30) Torrent Power,(31) Rashtriya Chemicals and Fertilisers (RCF),(32) Tata Chemicals,(33)

●中国,四川地震は,果たしてダムが引き金なのか

これは問題の記事ですね,外国のディスカバーマガジン(注33)の報道である。大規模ダムは,今までの我々の常識は,微小地震の原因とはなるかも知れないが,大規模地震の引き金になることはない,と言う考え方であった。昨年,2008年5月,中国の四川省(注34)で8万人の犠牲者を出した衝撃的な地震は,震源地(注35)から3マイル離れたところのダムの影響ではないか,と研究者達が議論している,と言うのである。

地球物理起因の専門家クロウズ氏(注36)は,ジッピンプーダム(注37)の背後に貯められた数億トンの水の重量が,近くのベイチュアン断層(注38)に悪い作用所引き起こした,と言っている。このマグニチュード(注39)7.9の地震によって,500万人が家を失った。これは中国にとって衝撃的で微妙な問題で,中国政府は,急遽,ジッピンプーダム(注37)が原因,との示唆について,抑えにかかった。

研究者達は,これ以上の地震の原因を探るための地震学的地質的データーへのアクセスを拒否されている。この研究に携わった2,3の学者は,政府のダム開発計画に一定の歯止めをかけるよう呼びかけているが,彼等によると,その勧告は聞き入れられていないと言う。最初にジッピンプーダム(注37)が犯人ではないか,といい始めたのは,米国地球物理協会(注40)の会議と中国地質地震誌(注41)であった。

その後,他の研究者達もこのことを論ずるようになった。成都(注42)の四川地質鉱物研究所のファンシアオ主任(注43)は,2004年に建設,湛水したダムが大災害に繋がった可能性は,かなり高い,と言っている。ファンシアオ主任(注43)によると,貯水池が地震の引き金になったケースは多い,この地域で地震というのは異常である,過去にこの一帯でこのような大きな動きをした記録は残っていない,と言っている。

ファンシアオ主任(注43)によると,まだ誰も,この地震と貯水池の関連を証明した者はいない,しかし,多くのダムを建設する前に,注意深い調査を行っていくべきである,と言う証拠は十分にある,今現在のダム計画をもう一度検討してみたらどうか,と言っている。しかし,ファンシアオ主任(注43)は,水力開発企業や地方政府の経済的な関心を考えると,大規模開発を止めることには悲観的,とも発言している。

(注) (33) http://blogs.discovermagazine.com/,(34) Sichuan Province,(35) quake’s epicenter,(36) geophysical hazards researcher Christian Klose,(37) Zipingpu Dam,(38) Beichuan fault,(39) magnitude,(40) American Geophysical Union,(41) Chinese journal Geology and Seismology,(42) Chengdu,(43) Fan Xiao, the chief engineer of the Sichuan Geology and Mineral Bureau,(44)

参考資料

ミャンマー


●090204A Myanmar, narinjara
ミャンマー軍事政権,中央部とアラカンの鉄道計画
Arakan and Central Burma to be Connected by Railway
http://www.narinjara.com/details.asp?id=2054

インド

●090204B India, Economic Times
インド,リライアンス,KGガス供給で協議へ
RIL steps on the gas, in talks to sell KG output
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/RIL_steps_on_the_gas_in_talks_to_sell_KG_output/articleshow/4067102.cms

中国

●090204C China, discovermagazine
中国,四川地震は,果たしてダムが引き金なのか
Did a New Hydropower Dam Trigger China’s Deadly 2008 Earthquake
http://blogs.discovermagazine.com/80beats/2009/02/02/did-a-new-hydropower-dam-trigger-chinas-deadly-2008-earthquake/



2009年2月3日 ー ラオスのナムグム第2水力順調に推移 ー

今日のニュースで目を引くのは,オーストラリアで大規模な天然ガス開発が行われる,と言う日経の記事(注23)である。米シェブロンや英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなどの動きで,4兆円投資で2014年稼働,生産量は,カタールに次ぐ世界第2位の見込み,とある。天然ガスは地球上何処でもある,というのは私の信念で,誰もついて来ないが,もう宗教的な信じ込みに陥っている。

何処で誰がどれだけ投資できるか,にかかっているから,次がオーストラリアだ,というのは私は初耳である。再生可能エネルギーで生きれると信じているというオバマ政権下で,しかも金融危機の最中の,天然ガスに大型投資,の報道である。感じからしても,深海のある日本周辺のガス生産は大変だろうと思うが,そうか,大陸棚が大きいところ,経済的な基盤のあるところ,それがオーストラリアなのか。

もう一つ,三井物産の定例移動人事を報じたビジネスアイ(注24),三井物産は,70%を資源エネルギー分野で稼ぎ出しているらしいが,今度の配置転換で明らかになったのは,この偏った人事を,成長分野にシフトする,と読んでいることだ。成長分野とは,農業食糧分野と新エネルギー分野という。農業については,最近よく言われているから分かるが,新エネルギーとは何か,となると,問題も出てくる。

もしそれが,太陽光と風力であれば,少し焦点が違うかも知れない,と言いたくなる。一定の伸びはあるであろうが,量的に行き詰まる,と]言うことは,資源エネルギー分野を肩代わりできるような産業には,発展できないのではないか,と思っている。それよりも,昨日出ていた,大容量の電力を貯蔵し,瞬時に供給できる,「電力貯蔵用ナトリウム硫黄電池」(NAS電池),とは何者なのであろうか。

ラオスの水力については,長い間触れていないが,元々私の心の故郷は,ラオスの水力である。早くから,ナムテン第2水力の経済性を評価してきたし,次に続くのは,ダム式とは言え,ナムグム第2水力であろうと考えてきた。ここまでは,タイに電気を売るとしても,経済的に問題ないと思っていたが,それ以降のプロジェクトについては,多くの議論があった。

今日のニュースで,出力615MW,タイ企業が,昨年のインフレを何とか克服して,2010年にも運転開始するような雰囲気で安心した。三井物産と東芝が,この電気機器に参加しているが,この激しい時期に,良く国際入札でとれたことだと思う。昨年夏の鋼材の暴騰で相当苦労があったようだが,2010年8月にも運転開始,と報じられているので,良かったと思っている。

(注) (23) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090203AT2M0202S02022009.html,(24) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902030109a.nwc,(25)

本文

●ラオスの水力開発企業,タイ証券市場に上場の構え

ラオス東南アジアエナージSEAN(注1)は,ナムグム第2水力(注2)のために,タイの建設企業カムチャンCK(注3)が造った関連会社である。今日の記事は,バンコク発ロイター電で,このSEAN(注1)を,タイの証券市場(注4)への上場を視野に入れている,という証券市場のニュースである。この金融危機のタイミングなので,時期は明確にしていないが,ナムグム第2水力(注2)のオーナーとしての野望がある。

この機会に,しばらく遠ざかっていた,メコン支流ナムグム川(注5)の開発の模様を見ておこう。ナムグム第2水力(注2)は,私はラオスの水力の中では,ナムテン第2水力(注6)に次ぐ規模と経済性を持った優秀なプロジェクトである,と認識してきた。早くから開発の声がかかっており,既に工事も進んで,2010年にも完成の見込みと報じられている。出力は,615MWである。おそらく日15時間運転なので,将来,1,200MWの可能性。

昨年,2008年10月時点で報じた記事がある(注7)。それによると,着工したのは2005年で,昨年8月時点で工事の進捗は65%と報じられている。2008年8月時点のニュースなので,工事費の値上がりを心配しており,30%以上増えるものと懸念している。確か,電気機器は東芝と記憶しているので,当時の東芝としては,相当の値上げを要求したのではないか。今では鋼材価格は,様変わりしているが。

タイのEGAT(注8)との買電契約PPA(注9)は,2004年に既に合意されている。この半年の経済情勢から,改訂の動きが出ているとも記憶している。しかし,この昨年8月時点では,ナムグム第2水力(注2)の総工事費316億バーツは,既にタイの銀行(注10)との間で,資金調達を終えており,工事費改定は困難,との見通しが出ていた。この鞘を取るため,運転開始を早める考えで,数ヶ月早い,2010年8月を予定している。

このときの報道では,EGAT(注8)では,開発計画PDPを見直しているが,予定より1年遅れのプロジェクトとして,ナムニエップ水力(注11),ナムグム第3水力(注12),ナムテン第1水力(注13),ナムウー水力(注14),ホンサ石炭火力(注15),合計出力,2,336MWとされていた。ナムグム第2水力(注2)は先行着工して,この大変動の影響を最小限に食い止めたと言うことか。

(注) (1) Laos Southeast Asia Energy Co Ltd (SEAN),(2) Nam Ngum II hydropower plant,(3) Ch Karnchang CK.BK,(4) Bangkok stock exchange,(5) Nam Ngum river,(6) Nam Theun II hydropower plant,(7) http://www.flickr.com/photos/nn2dam/,(8) Electricity Generating Authority of
Thailand (Egat)
,(9) power purchasing agreement (PPA),(10) Krung Thai Bank, TMB Bank and Siam City Bank,(11) Nam Ngiep,(12) Nam Ngum 3,(13) Nam Theun 1,(14) Nam Ou,(15) coal-fired Hongsa Lignite plant,(16)

●インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発

インドのみならず,周辺諸国の電力を引っかき回す男,私が注視している,インド電力省の政治職,ラメッシュ副大臣(注16),(これ,大臣と書いてあるけど,副大臣の間違いですよね。),が,ヒマチャルプラデシュ(注17)の州都シムラ(注18)に現れたので,追っかけてみた。ヒマチャルプラデシュ(注17)には,そこを拠点とする公的開発公社SJVNL(注19)の本社ビル完成式に州首相(注20)と共に出席したようだ。

ラメッシュ副大臣(注16)は,SJVNL(注19)は現在,ヒマチャルプラデシュ(注17),ウッタラカンド(注18),ネパール,ブータンでプロジェクトを進めているが,アルナチャルプラデシュ(注22)にプロジェクトを持っていないので,直ちに持つべきだ,と暗にその仲介を約束した。SJVNL(注19)は現在,6,000MWの発電設備を持っている。

また,ヒマチャルプラデシュ(注17)の,19,000MWのポテンシャルのうち,11,000MWを,この先4年間で開発すべきだ,と語っている。更に,SJVNL(注19)は,ブータンやネパールと,国際的な協力を展開するようにアドバイスしている。また,他の発電公社と協力して,ヒマチャルプラデシュ(注17)に,工業大学など,教育機関の充実を呼びかけている。(ラメシュは電力大臣になったのですかね,その様な記事がある)

(注) (16) Jairam Ramesh, central power minister,(17) Himachal Pradesh,(18) Shimla,(19) Satluj Jal Vidyut Nigam (SJVNL),(20) chief minister Prem Kumar Dhumal,(21) Uttrakhand,(22) Arunachal Pradesh,(23)

参考資料

ラオス


●090203A Laos, uk.reuters.com
ラオスの水力開発企業,タイ証券市場に上場の構え
Thai Ch Karnchang eyes IPO for Laos subsidiary
http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKBKK21132420090202

インド

●090203B India, Economic Times
インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
SJVNL to be given projects in Aurnachal Pradesh ? Jiaram Ramesh
http://himachal.us/2009/02/01/sjvnl-to-be-given-projects-in-aurnachal-pradesh-?-jiaram-ramesh/10356/news/ravinder



2009年2月2日 ー インドの小水力包蔵は15,000MW ー

今日は泉南で測量作業,更新が遅れた。最近数少ない好天に恵まれた。どうしてか,ウイークデーにもかかわらず,大規模なコンペが入っていたり,若い人が多かったり,ちょっと腑に落ちない風景だが,皆,ヒマになってきたのだろうか。今日は大きなニュースはなかったが,中国がミャンマーの電力不足を報じたり,インドの専門家が,小水力開発の効用を唱えたり。

小水力の定義は何か,と良く聞かれるけれど,それは余り的確なものはないと思う。日本では,10,000MWでも中堅の水力であるが,中国やインドではおそらく,100,000MWでも小水力と言っているのだろう。流れ込み式で,1,000,000MWを発電する世界である。だから,再生可能エネルギーの中に水力を入れるのかどうか,記事を読んでもよく分からない場合が多い。

中国はおそらく,大規模水力も再生可能エネルギーの中に勘定している。最近の米国の記事では,再生可能エネルギーを,太陽光と風力,地熱に限ろうとする傾向がある。バイマスは勿論,水力も地球上の重要な土地を消費するから,と言う表現を使っている。何とか水力を除こうという意志が感じられる。大ダム反対の世界の動きに逆行するからだろう。でも,太陽光と風力だけでは,国は治められない,という気持ちである。

今日の国際ニュースの中で目を引くのは,日経の,「2008年世界の排出量取引市場84%増」,として1,180億ドル,約10兆6,000億円相当,と,初の,「10兆円市場」となった,その80%が欧州市場という。取引市場から,水力と原子力を除く,と言う合意は,私は地球を効率的に救う方法として,納得行かず。競争市場に向かないものを除いたのでは,と思う。

それと,ビジネスアイが,アラブ首相国連邦のアブダビ首長国の太陽光への挑戦が目を引く。石油が枯渇したときに,子孫に残すものがない,という気持ちからで,太陽光の耐用年数は何年か分からないが,回転部分がないから,相当長く持つのではないか。今の石油のお金を太陽光の施設に注ぎ込むと言う。どういう政治家がいるのだろう,一度研究してみよう。

今,中東は,原油の値下がりと世界金融危機で,多くのプロジェクトが止まっているという。アダチさん,中東がいそがしいので,あなたの仕事は手伝えませんよ,と言っていたジェネコンの方達は,まだ中東で頑張っているのだろうか。それと,東京電力が,原子力の基本計画でアブダビを訪問している,と書かれている。大容量の電力を貯蔵し,瞬時に供給できる,「電力貯蔵用ナトリウム硫黄電池」(NAS電池)にも興味津々。今夜は眠い。

本文

●ミャンマー,ガスタービン不調で,電力需給逼迫

最近のミャンマーのニュースは,中国から入ってくる。電力事情がどうなっているのか,水力発電所が幾つか完成しているから,安定してきたのかな,と思っていると,昨年,2008年末から,ヤンゴン(注7)では大変みたいだ。天然ガスは,タイなどに売っているから国内では使わないのかと思っていたが,ガス発電所も幾つかあるみたいだ。

モッタマ海岸(注1)沖,ヤダナ天然ガスプロジェクト(注2)のガスタービンの故障で,先週末から全国各所で電力不足が起きている。この故障したタービンの電力を補填するために,水力発電所が肩代わりしている。また,ローピタ-トングー系統(注3)のタウチャカット渓谷(注4)部分の鉄塔が,カイン族グループKNU(注5)とKNPP(注6)の武装グループによって,2009年1月26日,爆破され,状態を更に悪くしている。

当局は,出来るだけ早く回復するよう,努めている。旧首都ヤンゴンでは,2008年12月以来,6時間停電,6時間供給,のサイクルを繰り返している。以前の報告では,ヤンゴン(注7)に送電している3つの天然ガス火力発電所,140MWが,昨年,2008年11月末より,パイプラインの問題で,停止しているという。ヤンゴン電力局(注8)によると,3つの発電所は,ローカ(注9),イワマ(注10),タカイタ(注11)各発電所である。

問題のあるパイプラインの区間は,ミャンマー南部,タニンタイ県(注12)のイエ地区(注13)で,現在復旧作業中である。ヤンゴン(注7)には企業や産業が集中しており,全国の60%,530MWの電力需要がある。電力省(注14)によると,現在全国で,22地点の水力発電所が工事中で,更に将来,15地点の発電所が,着工する予定である。

(注) (1) Mottama coast,(2) Yadana natural gas project,(3) Lawpita-Toungoo grid,(4) Thaukyaykhat Creek,(5) Kayin National Union (KNU),(6) Kayinni National Progressive Party (KNPP),(7) Yangon,(8) Yangon Electricity Supply Board,(9) Hlawka plant,(10) Ywama plant,(11) Thakayta plant,(12) Taninthayi division,(13) Ye township,(14) Ministry of Electric Power,(15)

●インド,小水力の未開発地点は,80%残っている

小水力発電,インドではどの程度の規模を言うのであろうか。日本で,小水力は,と聞かれれば,まあ,1,000KW以下,とか答えるだろうが,中国やインドではおそらく,50MW以下ぐらいになってしまうのだろう。そう言う意味で,中国やインドの小水力は,結構,開発甲斐があると言わねばならないだろう。エネルギー専門家のダモダラン氏(注15)が,地球温暖化会議で提供した話題が,記事になっている。

インド全土で,15,000MWのポテンシャルを持つ小水力(注17),環境に良く経済性も優れているが,まだ80%が未開発のまま残されている。水不足と同時に,地球温暖化が環境上のが重要な問題になって折から,小水力(注17)の開発はより一層,大切なものとなってきている。インドのポテンシャル,15,000MWのうち,16%が開発されたのみ,少なくとも50%は,すぐにも開発可能である。

小水力(注17)は,民間開発でも可能であるし,地方のコミュニティでも開発可能である。政府に求められているのは,その適切で革新的な政策の策定である。最近の欧州や50年前の中国のように,開発のための,水供給プロジェクトと同時または多目的利用として枠組み設定が必要である。世界的には,水力は重要な再生可能エネルギーで,電力の19%を占めている。

しかし,小水力が再生可能エネルギーの63%を占めているにもかかわらず,水力の中では僅かに,10〜12%である。最も重要なことは,環境上の効用で,小水力(注17)は,環境影響で,リグナイトは300倍,石炭は250倍,ウラニュームは125倍,天然ガスは50倍の悪影響である。

(注) (15) Dr Damodaran, Vice-chairman of Kerala Energy Management Centre,(16) Small Hydropower Potential (SHP),(17)

参考資料

ミャンマー


●090202A Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマー,ガスタービン不調で,電力需給逼迫
Gas turbine failure restricts electricity supply in Myanmar
http://news.xinhuanet.com/english/2009-02/01/content_10744064.htm

インド

●090202B India, Economic Times
インド,小水力の未開発地点は,80%残っている
India yet to tap 80 pc of small hydropower potential
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/India_yet_to_tap_80_pc_of_small_hydropower_potential/articleshow/4056723.cms



2009年2月1日 ー 再生可能エネルギーの前提はベース原子力 ー

今日は,タイのマモーの石炭生産計画に,大いに関心があった。政治混乱に明け暮れた,また明け暮れているバンコク,タイ,今朝も,再びタクシン派3万人が集会を開いているという。雑誌のタイトルを拾い読みしていると,中立のはずのブミポン国王が,引き裂かれかけているという。それでも,久しぶりに,国有電力公社EGAT(注1)が新しいプロジェクト,それも遂に古いマモー(注2)の石炭資源の開発に向かうという。

これよりも私の目を引いたのは,アメリカの片隅に転がっていた記事で,しかもウイスコンシンという田舎の記事だが,オバマ政権の目指す再生可能エネルギーをベースとしたエネルギー政策に,やんわりと批判して,私の言っているように,原子力ベースが必要だ,と過激でなく静かに語っているところに惹かれた。

記事の趣旨は,再生可能燃料,それは確かに将来には有効かも知れない,しかし,今は,再生可能エネルギー技術が真実みを帯びるまでは,原子力がこの間の隙間を埋めるものである。我々はエネルギー危機の真っ直中におり,昨年の夏以来,ガス価格の低下と経済危機で,エネルギー問題解決を急ぐべきと分かってきたが,問題は最早現実のものとなってきている。続けて,

原子力について,政治家も含めて多くの人が,必ずしも全面的に認めていないのは事実である。原子力にはゆがみがある,それは,最初の莫大な投下資本であり,廃棄物の永久処理の問題である。しかし,原子力が温暖化ガスを排出しない,と言うことを考えた場合,このようなねじれの問題は,原子力を否定することには繋がらない。この数10年,原子力建設はないが,欧州では成功を収めており,我々米国は技術を温存している。

風力,太陽光,水力,水素ガス,エタノール,それらはすべて解決への糸口を持っている。しかしこれらは,補完的なエネルギーにはなるが,一定のエネルギーを保証しない。我々には,ベースロードのエネルギー,即ち,風力が止まり太陽が出ないときにも働くエネルギーは,必ず必要だ。科学者が,風力や太陽光の電気を蓄積できる方法を考えたとき,その開発は現実のものとなるかも知れない。と書いている。

折しも,今日の日経は,「政府,原子力協定の交渉加速,春にも韓国などと」,とタイトルして,原子力発電所の建設需要が増している新興国に照準を定め,原子力協力協定の締結交渉を加速させる,としている。原子力協定では,日本企業が相手国に原発関連の部品や燃料を輸出する手続きを簡素化する一方,軍事転用や他国への流出を防ぐ,協定なしで原発関連製品を輸出するのは難しい。と報じている。

本文

●タイのEGAT,マモーの石炭生産で,許認可取得,890億バーツ

政治混乱に明け暮れた,また明け暮れているバンコク,タイ,今朝も,再びタクシン派3万人が集会を開いているという。雑誌のタイトルを拾い読みしていると,中立のはずのブミポン国王が,引き裂かれかけているという。それでも,久しぶりに,国有電力公社EGAT(注1)が新しいプロジェクト,それも遂に古いマモー(注2)の石炭資源の開発に向かうという。

EGAT(注1)は,890億バーツ,約25.5億ドル相当,を投じて,ランパン県のマモー炭田で,炭坑プロジェクトを継続する許認可を得ている。新しい許認可を受けた炭坑は,確認埋蔵量が1.78億トンで,面積として,3664ライ(注3),約5.86平方km,である。EGAT(注1)のスティポン副総裁(注4)によると,石炭生産は,2009年3月に開始し,少なくとも年800万トンを,マモー発電所(注5)に供給するべく期待されている。

マモー発電所(注5)の出力は,2400MWで,国内の発電設備の20%を占めている。マモー発電所(注5)で発生する電力の50%は北部地域へ,30%は中部地域へ,残りの20%は北東部へ,それぞれ供給されている。EGAT(注1)全体では,電力の70%が天然ガス,18%が石炭,4%が水力,残りの8%は民間企業,IPPからの買電で構成されている。

EGAT(注1)は当初,石炭火力が天然ガス火力に比べて経済的なので,50%を石炭火力とする計画を立てた。しかし,過去の石炭火力プロジェクト,特にプラチュアップキリカン県(注6)のボノック(注7)とヒンクルット(注8)で住民の強い反対にあった。スティポン副総裁(注4)によると,石炭火力は,KWh当たり55サターン,約157セント相当,であるのに対し,天然ガス火力は,1.75バーツ,約5.01セント相当,と言う。

スティポン副総裁(注4)によると,EGAT(注1)は,石炭は経済的であるし価格が安定し,更にある程度国産で賄うことが出来るので,石炭火力を増やしたいと考えているが,それは閣議が決定することだ,としている。マモー(注2)の石炭資源は,全体では,8.64億トン埋蔵と期待され,2035年までの発電に耐え得る。このうち,2.84億トンは既に使用済みである。

(注) (1) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(2) Mae Moh mine in Lampang province,(3) rai,1ライ=4ガーン=400タランワー=1600平方メートル,(4) Egat's deputy governor for fuel, Suttipong Teppitak,(5) Mae Moh power plant.,(6) Prachuap Khiri Khan,(7) Bo Nok,(8) Hin Krut,(9)

●再生可能エネルギーに加え,原子力開発も重要

この記事は,ウイスコンシン大学(注9)のキャプナー氏(注10)がデイリーカーディナル紙(注11)に書いた記事で,全米的にどの様な位置づけにあるのかよく分からないが,オバマ政権の再生可能エネルギーだけでは難しい,と言う趣旨の,私の意見とかなり合致していたので,米国内にもこのような意見がある位置を占めているのだ,と感じ,拾ってきた。

記事の趣旨は,再生可能燃料,それは確かに将来には有効かも知れない,しかし,今は,再生可能エネルギー技術が真実みを帯びるまでは,原子力がこの間の隙間を埋めるものである。我々はエネルギー危機の真っ直中におり,昨年の夏以来,ガス価格の低下と経済危機で,エネルギー問題解決を急ぐべきと分かってきたが,問題は最早現実のものとなってきている。

経済は,勿論,オバマ政権のここ数ヶ月の課題だが,我々のエネルギー政策は,経済や外交政策の決定に影響を与えるばかりでなく,環境や我々の財布の中身にまでも影響を与えてくる。化石燃料に頼ったエネルギー政策は,工業経済に我々が依存しすぎたように,急速に勢いを失っている。サービス分野とITが工場業務を奪ったように,我々のエネルギー政策も,世界市場の競争の中で,知的で最先端技術に変わる必要がある。

自動車のビッグスリーが政府に助けを求め,日本の自動車メーカーがお金をかき集めて行く現状の中,旧来のエネルギーの経済は,最早有効ではなくなった。我々は,一つ一つは意味があるとしても,ただ一種類の燃料に依存する経済は成立しないことを学ぶべきだ,それは,風力でもなく,太陽光でもなく,水力でもないように。原子力も含めた上での,幅広いエネルギーに基づく政策が必要である。

原子力について,政治家も含めて多くの人が,必ずしも全面的に認めていないのは事実である。原子力にはゆがみがある,それは,最初の莫大な投下資本であり,廃棄物の永久処理の問題である。しかし,原子力が温暖化ガスを排出しない,と言うことを考えた場合,このようなねじれの問題は,原子力を否定することには繋がらない。この数10年,原子力建設はないが,欧州では成功を収めており,我々米国は技術を温存している。

風力,太陽光,水力,水素ガス,エタノール,それらはすべて解決への糸口を持っている。しかしこれらは,補完的なエネルギーにはなるが,一定のエネルギーを保証しない。我々には,ベースロードのエネルギー,風力が止まり太陽がでないときにも働くエネルギーは,必ず必要だ。科学者が,風力や太陽光の電気を蓄積できる方法を考えたとき,その開発は現実のものとなるかも知れない。

しばらくの間,我々は現実を知る必要がある。我々は,化石燃料が環境や外交政策に及ぼす影響を弁えながら,エネルギー独立を目指すダイナミックなエネルギー政策を展開することは,可能である。米国は,問題解決のための発明や技術開発は得意である。もし,我々が,原子力エネルギーも含めて,多様なエネルギー源の開発を行うなら,経済を刺激し,環境にグリーンで対応し,エネルギー独立を達成することも可能になる。

(注) (9) Univercity of Wisconsin, Madison,(10) Lavilla Capener is the communications director of the College Democrats of Madison,(11) http://www.dailycardinal.com/,(12)

●フィリッピン,ビサヤス系統のスポットマーケットを視野に

ルソン島の南部のビサヤス系統(注12)は,供給力不足に状態にある。スポットマーケットの創設には危険が伴うことを,政府もよく知っている。今回のこの記事の内容が意味するところが,今ひとつつかめないが,スポットマーケットを造る前に,何らかの供給力増強を行おうとしているようだ。それが真っ直ぐの電源開発でないところが,何となくフィリッピン的である。

ビサヤス系統(注12)の問題解決のため,暫定的に,この供給力不足に見舞われている系統の供給を拡大するため,WESM(注13)はその運営者と共に,ビサヤス供給力増大競売VSAA(注14)をスタートさせることにした。WESM(注13)の運用を担当するPEMC(注15)によると,この方法は,最初にエネルギー省(注16)に相談し,そして関係者の同意を得たものだ,と言っている。

ビサヤス供給力増大競売VSAA(注14)の実施についての法令手続きなどの案は,エネルギー省(注16)が調整していると。更に,各企業の参加する公聴会は,2009年2月3〜6日に開かれる。PEMC(注15)のパンギリナン社長(注17)の評価では,一旦VSAA(注14)が行われれば,客先からの新規電源で,ビサヤスの供給力は増大する,としている。

レイエス長官(注18)は,ビサヤス系統(注12)は供給力不足で,緊急の供給力追加が必要だ,と言っている。エネルギー省(注16)の評価では,このVSAA計画(注19)は,特に,セブ(注20),ネグロス(注21),パナイ(注22)の3地域CNPについて,暫定的に,供給の信頼度,質,保安を強化する目的だ,としている。CNP地域では,2003年からしばしば停電が起こっているが,長期に亘って問題は解決していない。

レイエス長官(注18)は,VSAA計画(注19)は関係者全部が協力する必要がある,としている。ビサヤス系統(注12)でのプール市場WESM(注13)は,供給力が不安定なので,このような暫定的な方法が必要,とエネルギー省(注16)は考えている。投資企業は,卵が先か鶏が先か,迷っているが,WESM(注13)の実現を望む中,新規供給力確保のため,暫定的な方法に同意している。

(注) (12) Visayas grid, (13) Wholesale Electricity Spot Market (WESM),(14) Visayas Supply Augmentation Auction (VSAA),(15) Philippine Electricity Market Corporation (PEMC),(16) Department of Energy,(17) PEMC acting president Mario R. Pangilinan,(18) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(19) Visayas Supply Augmentation Auction Program (VSAAP),(20) Cebu,(21) Negros,(22) Panay,(23)

参考資料

タイ


●090201A Thailand, the nation
タイのEGAT,マモーの石炭生産で,許認可取得,890億バーツ
Egat gets go-ahead for further Mae Moh mining
http://nationmultimedia.com/2009/01/31/business/business_30094628.php

電力一般

●090201B USA,dailycardinal
再生可能エネルギーに加え,原子力開発も重要
Nuclear worthy addition to renewable energies
http://www.dailycardinal.com/article/21886

フィリッピン

●090201C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,ビサヤス系統のスポットマーケットを視野に
WESM, system operator to launch supply augmentation auction for Visayas
http://www.mb.com.ph/BSNS20090131146984.html


アジアのエネルギー最前線 0902