2009年5月31日更新
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2009年5月31日分 ー インドの新内閣の課題は電力改革と地方電化 ー

明日は測量作業で明後日は用事があるので,今日は貯まっていたインドの記事で頑張ったが,さすがに疲れた。北朝鮮が現実に核保有国になったことで,日本はどう対処すべきか,識者の議論が続く。米国が日本には核を持たせない,日本は米国の核の傘の中にあるから,ということだが,具体的に米国が何をしてくれるのか,その議論はない。しかし,孫子の時代まで,本当に米国の核の傘は続くのだろうか。

中国は,2020年までに,GDPに対する使用エネルギー量を40%削減する計画の検討に入った(注1)。早くから,中国のエンジンは大きすぎる,と言ってきた我々だが,今やGDPのドル表現で,日本と中国は並んだが,7億KWと2.4億KW,エンジンの大きさは,中国が3倍である。中国が直ちに40%エンジンを小さくしたとすると,約4.5億WKとなる。それでも日本の2倍,いいところだ,壮大な試みである。

これに対してインドは,まだ1.4億KW,勿論GDPも小さいけれども,電源の開発が思うようにいかない。中央政府と州政府の足並みが揃わないからだ,と私の友人も解説していたが,インドネシアと同じ,クラッシュ・プログラム,突貫工事,と言う言葉が出てきて,新しいシン内閣の重要な課題だ。尊敬するシン首相と,開発男,ラメシュ副大臣に期待するが,インドはあくまで民間の投資意欲に依存する,改革なくして目標達成は困難だ。

インド西部を見ると,山岳地帯のウッタルカンドやヒマチャルプラデシュと,平野部にあるデリーやウッタルプラデシュなどとのエネルギーバランスが問題,これから夏に入ってヒマラヤの氷が溶け出して,インダス上流のスティアジュ川などは水が溢れ,流れ込み式水力がフル稼働で,今まで平野部の火力から送電されていた山岳部が,そのお返しに,電力を送っている。州間送電線の自由化のため,シン内閣が改革を考えている。

知的送電網,スマートグリッドは,米国の他,インドでも大きく取り上げられているが,日本の経済産業省は,電力会社と協力して実験を行うという(注2)。どこかの小さい島でやる,と言うから,あのヤンバル揚水を思い出してしまう。少しお茶濁しの考え方ではないか,と疑ってしまう。補助金だろうが,もう少し大きな構想の方がよいのではないか。もっとも,日本はその必要性を本当に感じているかどうかは,疑わしい。

インドのもう一つの課題は原子力である。約400万KWの原子力を持っているが,核燃料不足で41%しか動いてないと言う,日本の原子力と余り変わらないが,今回,フランスとロシアからの核燃料供給が決定して,その飛躍的な稼働率の改善が期待されている。原子力の命は稼働率である。日本の原子力も稼働率さへ上げれば,地球温暖化で,中国に余り言われなくても良くなるだろう,6%は軽くクリアするのではないか。

地球温暖化の鍵は,運輸と電力だと思う。産業だとか家庭だとか言っているけれど,その省エネルギーへの努力は全部電力に跳ね返るわけで,電力が電源をしっかりクリーンにすれば,家庭や産業は余り気にせずエネルギーを使えることになる。電力の究極は,水力と原子力で回すことだが,当面,電力に出来ることは,とにかく原子力の稼働率を思い切り上げることだ。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090531AT2M3002K30052009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090531AT3S2800U30052009.html

本文

●インドのウッタルカンドの水力開発は金融危機の影響

The hydropower sector in Uttarakhand is feeling the pinch of the recession, with developers wary of making new investments in the sector. Officials sources said development of hydropower was itself a slow process and the slowdown has only created more problems.

インドのウッタラカンド州(注5)は包蔵水力豊富で,インド北辺水力人類最後の戦いの重要な地域である。2000年11月9日に,ウッタルプラデシュから独立しているので,古い地図に出てなくて苦労する。州面積は,5万1,125平方km,人口は848万人,州都はデラドゥン(注4),世界遺産 ナンダ・デヴィ国立公園がある。ガンジス川の支流が多く走っており,ヤムナ(注22),バギラティ(注12)などがある。

インドは,今回の世界金融危機から受ける被害は比較的少ない,と言われているが,このようなインドの辺境,山岳地帯のプロジェクトにも,静かにその影響が出てきている,と言うのである。ナヤール渓谷(注7)の4つの水力プロジェクト,合計出力23.25MWの比較的小さいプロジェクトであるが,地域のコントラクター(注6)が,預託したしたにもかかわらず,明かに次のステップを踏み出しかねているという。

インド政府が,ガンジスに流れ込む重要な支流,バギラティ川(注12),480MWのパラマネリ水力(注10),381MWのバイロンガティ水力(注11)を棚上げしてから,暗雲が漂っている。インドの大手コントラクター,L&T(注13)が,先週,99MWのシンゴリ-バトワリ水力(注14)を中断して,政府の怒りを買っている。政府から見て,NTPCなど(注15〜20)大手の発電企業にも,その影響は出てきている。

インド中央の大手企業に割り当てられているウッタルカンドの水力プロジェクトは,13,667MWに達しており,この州の水力包蔵は,25,450MWと見られているが,既開発は僅かに,2810MWである。

(注)A (1) 090531A India, business-standard,(2) title: Hydro projects feel slowdown heat,(3) http://www.business-standard.com/india/news/hydro-projects-feel-slowdown-heat/359445/,(4) Shishir Prashant / New Delhi/ Dehra Dun May 29, 2009, 0:50 IST,(5) Uttarakhand,(6) WWI-RRE, a consortium of RR Energy and Worlds Window Impex,(7) Nayar Valley,(8) lakh,(9) Yogendra Prasad, chairman of Uttarakhand Jal Vidyut Nigam Limited,(10) 480 Mw Pala Maneri hydel project,(11) 381 Mw Bhaironghati hydel project,(12) Bhagirarthi river,(13) L&T,(14) 99 Mw Singoli-Bhatwari project,(15) NTPC,(16) NHPC,(17) THDC,(18) Reliance,(19) Lanco,(20) GVK,(21) Uttarakhand Jal Vidyut Nigam Limited,(22) Yamuna river,(23)

今日の参考資料

●090531A India, Economic Times
インドのウッタルカンドの水力開発は金融危機の影響
Hydro projects feel slowdown heat
http://www.business-standard.com/india/news/hydro-projects-feel-slowdown-heat/359445/

最近の関連資料

●090224C India, business-standard
インドのウッタラカンドが120MWビャシ水力など工事を再開
Uttarakhand to revive stalled hydel projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090224C.htm


●インドの首都デリーはヒマチャルの水力発電増加の恩恵を受けている

Record hydroelectric power generation in Himachal Pradesh due to thawing of glaciers and frozen lakes is good news for Delhi and the rest of northern India. The 20 state-owned run-of-river projects currently generate 7.6 million units daily, “the maximum generation during the peak season”, said Sunil Grover, Himachal Pradesh State Electricity Board’s director of generation.

夏である,ヒマラヤ山脈の雪解けが始まって川は満水,水力発電所はフル運転,これがヒマラヤ山脈の麓にあるヒマチャルプラデシュ州のインダス上流,サトウルジュ川(注13)である。つい先ほどまでは,この水力発電所の電力が出ずに,平野にあるデリーや近隣の州の火力から補給を受けていたヒマチャルプラデシュ州(注5)の州都シムラ(注4)の実情であった。

この川には,20ほどの流れ込み式水力(注7)が並んでおり,出力を最大に上げて,日760万KWhの電力を生み出している。冬の間に,電力融通契約を交わして給電してくれた里の町に,この電気で恩返しをしている。デリーには毎日,150万KWhを送っている。来月,6月からは,パンジャブ州(注9),ハリヤナ州(注10)にも送電することになる。冬の期間,12月から3月末まで,4億KWhがこの三州から山に送られた。

この州政府所有の発電所の他,13の,中央政府,民間企業の発電所がある。ヒマチャルプラデシュ州の発電企業SJVN(注11)は,有名な1,500MWのナトパ-ジャクリ水力(注12)を持っている。サトウルジュ川(注13)の水が増え,この発電所が毎日,3,600万KWhを発電している。現在の河川流量は毎秒500トンであるが,これが冬の間は,50〜60トンであった。この電力を,パンジャブなど7地区(注14〜17)が受電している。

ヒマチャルプラデシュ州(注5)は,まさに人類最後の戦いの現場であり,インドの全部の包蔵水力の25%にあたる,20,416MWを有しているが,6,419MWが開発されただけである。このうち,15水力,1,738MWが民間開発による。この州の水力開発は,一定量を無償で州内に供給する義務がある。この他に,MW当たり200万ルピーを納める必要がある。建設費は平均MW当たり,7,000万ルピーである。

(注)B (1) 090531B India, sindhtoday,(2) title: Delhi benefits from record hydropower in Himachal,(3) http://www.sindhtoday.net/news/1/14107.htm,(4) May 26th, 2009 SindhToday, Shimla, May 26 (IANS),(5) Himachal Pradesh,(6) Delhi,(7) run-of-river projects,(8) Sunil Grover, Himachal Pradesh State Electricity Board’s director of generation,(9) Punjab,(10) Haryana,(11) V.K. Verma, deputy general manager of the Satluj Jal Vidyut Nigam,(12) 1,500-MW Nathpa-Jhakri project.,(13) Satluj river,(14) Chandigarh,(15) Jammu and Kashmir,(16) Rajasthan,(17) Uttar Pradesh,(18) Vishal Gulati can be contacted at vishal.g@ians.in,(19)

今日の参考資料

●090531B India, sindhtoday
インドの首都デリーはヒマチャルの水力発電増加の恩恵を受けている
Delhi benefits from record hydropower in Himachal
http://www.sindhtoday.net/news/1/14107.htm

最近の関連資料

●090507A India,livemint
インドの迫り来る夏の電力不足は12%に達する
India has 12% power shortage, figure may get higher experts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090507A.htm
●090409A India, thaindian
インドのヒマチャル州がオランダ企業と960MW水力開発へ
Himachal signs power project agreement with Brakel
http://my.reset.jp/adachihayao/index090409A.htm
●090130A India, thaindian
インド,ヒマチャルプラデシュ,ADBローン支払いへ
ADB to release first tranche of loan to Himachal soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090130A.htm
●090120B India, newspostonline
インドのヒマチャルプラデシュ,13水力を認可
Himachal Pradesh approves 13 hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120B.htm
●090115B India, Economic Times
インド,送電公社が不満,発電地点の変更が頻発
PowerGrid seeks new IPP norms over location shifts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115B.htm
●090115C India, thaindian.com
ヒマチャル,深林保護で,ジャイピー水力の送電線変更
Jaypee Hydropower told to move power line in Himachal to save forest
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115C.htm
●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111B.htm
●081219C India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデッシュ,水力開発で,小規模会社重視
Himachal allots hydro projects to smaller players
http://my.reset.jp/adachihayao/index081219C.htm
●081201A India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデシュ州,オランダ企業の水力建設を承認
Himachal Pradesh invites Brakel to sign power project agreement
http://my.reset.jp/adachihayao/index081201A.htm
●081119F India, siliconindia
ヒマチャルプラデシュ,水力は流れ込み式のみ,環境考慮
Himachal Pradesh favours agency to develop Himalayan states
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119F.htm


●インドのシン新政権誕生で電力改革と地方電化を推進へ

Apart from giving a major thrust to power reforms and attracting large private investment, the new Government in office will give a big push to the rural electrification programme, curbing aggregate and technical losses (A&T) and working a roadmap for achieving the open access goal propagated by the Prime Minister, Manmohan Singh, in his last tenure.

インドの新しい内閣,シンディ電力大臣はそのままなのですかね,調べてもよく分からない,おそらく留任なのであろう。今日の記事には,私の尊敬するシン首相(注8)と,インドの開発男,ラメシュ副大臣(注17)が登場する。76歳でシンゾウバイパス手術を受けたシン首相(注8)の最後の任期で,もっとも開発の焦点である電力問題が,彼の評価を左右することになる。とりとめない記事だが,その要点を拾う。

大規模な民間投資を呼び込むための電力改革(注10)とは別に,新しい内閣に課せられるのは,地方電化の推進(注5)と送電線損失軽減(注6)で,最後に目指すゴールは電力のオープンアクセス(注7)だという。新しい内閣の電力大臣は,原子力(注9)の稼働率の問題があるが,フランスとロシアの核燃料供給を受けて,現在41%しか動いていない原子力発電所の稼働率を上げる課題がある。

オープンアクセス(注7)の問題は,州間の送電線(注11)を完全に自由化するために,中央給電司令所(注12)を独立させることを考えているようだ。電源開発は思うように進んでいないが,ラメシュ副大臣(注17)が就任してからは,今まで動かなかったプロジェクトが劇的に動き始め,ラメシュ副大臣(注17)の力が高く評価されている。

現在の発電設備は,147,000MWであるが,第11次五カ年計画(注19)では,新規電源,78,500MWが目標として決められている。また,2005年4月にスタートした農村復興計画RGGVY(注20)は,この新内閣の旗印である。なお,新内閣の閣僚の略歴は注21を見られたい。

(注)C (1) 090531C India, hindu,(2) title: Big push to rural electrification on cards,(3) http://www.hindu.com/2009/05/21/stories/2009052155551400.htm,(4) NEW DELHI,(5) rural electrification programme,(6) technical losses (A&T),(7) open access goal,(8) Prime Minister, Manmohan Singh,(9) nuclear power plants,(10) power sector reforms,(11) inter-State transmission,(12) National Load Despatch Centre,(13) crash programme for capacity addition,(14) Power Ministry,(15) Planning Commission,(16) UPA regime,(17) Jairam Ramesh as the Minister of State for Power,(18) Congress Party,(19) XI Plan,(20) Rajiv Gandhi Grameen Vidyutikaran Yojana (RGGVY),(21) http://www.zimbio.com/Prime+Minister+Manmohan+Singh/articles/701/Thumbnail+sketches+India+new+cabinet+ministers,(22)

今日の参考資料

●090531C India, hindu
インドのシン新政権誕生で電力改革と地方電化を推進へ
Big push to rural electrification on cards
http://www.hindu.com/2009/05/21/stories/2009052155551400.htm

最近の関連資料

●090507A India,livemint
インドの迫り来る夏の電力不足は12%に達する
India has 12% power shortage, figure may get higher experts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090507A.htm
●090321C India, Economic Times
インドで4つの大規模発電プロジェクトが再び発進する
Work resumes at four large power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090321C.htm
●090219D India, Economic Times
インド政府が民間初電気業に3%のフリーアクセスを義務化へ
Power generators to sell power capacities through open access system
http://my.reset.jp/adachihayao/index090219D.htm
●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205A.htm
●090202B India, Economic Times
インド,小水力の未開発地点は,80%残っている
India yet to tap 80 pc of small hydropower potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index090202B.htm
●081216D India, Economic Times
インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン
Areva inks pact with NPCIL to supply 300 tonnes of uranium
http://my.reset.jp/adachihayao/index081216D.htm
●081215B India, Economic Times
電力大臣,2012年までに,全家庭に電気を
Electricity for all by 2012 Power Minister
http://my.reset.jp/adachihayao/index081215B.htm
●081214B India, Economic Times
インド政府,世界最初の,省エネルギー市場へ構想
Govt readies blueprint for world's first energy savings market
http://my.reset.jp/adachihayao/index081214B.htm
●081206A India, businessspectator.
インドの電源開発,もう引っ返す道なし
WEEKEND READ: India's big test
http://my.reset.jp/adachihayao/index081206A.htm
●081129C India, Economic Times
インド,水力開発,地方電化で優先資金獲得
Hydro projects, rural power to get priority funds
http://my.reset.jp/adachihayao/index081129C.htm


2009年5月29日分 ー メコン河電力サミットで本流開発議題に ー

民間主宰によるメコン河電力サミットと称するフォーラムが,2009年6月4,5日,ホーチミンで開催される。タイ,カンボジア,ベトナムからは政府要人の出席が約束されている。参加料は約15万円である。議題はいろいろあるが,主たる論点は,今や公然と話題になっている,メコン下流域の本流低ダム開発のようだ。特に,ビエンチャン上流の,1,200MWのサヤブリ水力が,民間企業に提示されるようだ。

メコン本流開発には,私自身,いろいろな思いがあるが,1992年,ビエンチャン上流に低パモンダム計画が提案され,それがラオスとカンボジア,ベトナムの反対で潰え去ったのが,これが最後の機会だった,と思っていた。あの時のタイのシン代表の血涙流れる演説を,今でも覚えている,あれだけの人類が持つポテンシャルを,あなた方は自分自身の手で,潰してしまってよいのか,と。

あれから20年,タイのサマック元首相が,やろうと言ってから,コーンの滝のドンサホン,ラオス南部のバンクム,更に今日の記事のサヤブリ水力と浮かび上がってきた。勿論すべて低落差発電だ。低落差については,私も絵を描いてみたことがあったが,メコン河では低ダムは成り立たないのではないか,と今でも思っている。メコンは余りにも乾季と雨季の水位差が激しく,雨期には潜り堰になって,発電できないのではないかと。

また,メコン左岸支流上流の,1,070MWのナムトウン第2水力が,フランスのEDFの手で,今年,2009年末にも運転開始するという。1927年にフランスのエンジニアーが,この地点の開発に対する熱い思いを書き残しているという,その様にこのナムトウン川は,東南アジアで最高の水力開発の立地条件を有するだけに,多くの人々が,それぞれにその思いを心に秘めている。

ラオスのスリボン大臣は,25年前にこの地点に入った経験があり,彼にとってはまさに25年の思いが,今遂げられるという。私は,1990年に,UNDPがナムトウンの調査を行い,このとき,日本工営と豪州のスノウイマウンテンが,入札で接戦を演じ,日本工営が敗れ去ってから,あの地点は日本の手から零れていった,と思っている。日本工営が勝っていたら,ナムトウンの運命も変わっただろうと。

また一時,世界銀行の介入で環境調査が難航し,EDFが手を引く,との報道がなされたことがあった。私は,東京電力の友人に,東京電力が当時ベトナムの火力でEDFと協力関係にあったので,EDFと話してみてはどうか,経済性としては東南アジアで最高の地点だ,と電話したことがあった。1992年のUNDPの500万ドル追加要請に,JICAは応じなかった。何度も日本の手のひらからこぼれ落ちた,巨大プロジェクトが完成を迎える。

本文

●メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる

Mekong Power Summit is set to take off on 4-5 June 2009 in Ho Chi Minh City featuring a panel of power experts in this region. The summit is organized in view of the ever-growing demand for more electricity resulting from rapid economic growth of Vietnam, Cambodia, Laos, Thailand and Myanmar.

2009年6月4〜5日に,ベトナム南部のホーチミンで開かれるメコン河電力サミット(注5)は,調べてみると,多国籍のエネルギー関連コンサルタントCMT(注21)が,ベトナム(注8),タイ(注9),カンボジア(注10)の政府の協力を得て,15万円程度の会費を徴収して開催する,民間主宰のフォーラムのようだ。中国雲南省の問題は避けたようで,あくまで従来のメコン下流域,と言う概念で,これにミャンマーも入れたものである。

フォーラムの主題は,大きく,メコン下流域の電力需要に対応するための調整の複雑さと,電力需給を賄う電源と域内送電網を議題にしている。ただ,この資料を読んでみて,タイ政府が提案している本流沿いの開発について,流域内のコンセンサスを得ようと考えている関係者もいるようだ。プレゼンテーションの主題は,ビエンチャン上流の本流に計画されているパクチョム堰に伴う,1,200MWのサヤブリ水力(注17)である。

メコン本流の水力ポテンシャルを再び話題にしてきたのは,あのサマック元タイ首相である。メコン下流域の本流開発は,結局,低ダム方式の流れ込み式に近い方式が,今日では中心になっており,コーンフォールのドンサホン水力やラオス下流部のバンクム水力,それにこのサヤブリ水力(注17)が有力とされている。

サヤブリ水力(注17)は,記事によると,28億ドルで2011年に完成の予定の元に進められている。1990年初めには,多くのダム開発が本流に計画されたが,いずれも葬り去られた。元海電調の古市さんが低ダムで開発できないか,と相談してこられたことがあったが,メコンは乾期と雨期の水位差が激しく,雨期には殆ど発電できなくなって難しい,それに低ダムでも相当の住民移住が必要,と私は悲観的であった。どうなるか。

(注)A (1) 090529A Mekong, emediawire,(2) title: Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit,(3) http://www.emediawire.com/releases/2009/5/prweb2448924.htm,(4) Attract Foreign Participants,(PRWEB) May 25, 2009,(5) Mekong Power Summit on 4-5 June 2009,(6) Ho Chi Minh City,(7) Vietnam, Cambodia, Laos, Thailand and Myanmar,(8) Vietnam's Ministry of Industry & Trade,(9) Thailand's Energy Regulatory Commission,(10) Cambodia's Ministry of Industry, Mines and Energy,(11) Mr. Robert Fitzgibbons, Senior Counsel at DFDL Mekong,(12) regulatory complexities,(13) http://www.cmtevents.com/eventposts.aspx?feedid=277&ev=090627&,(14) Cavico,(15) Aerogies.plus,(16) Janakuasa,(17) Xayaburi Hydropower Project 1260MW,(18) Mr Somkuan Watakeekul, Managing Director of South East Asia Energy,(19) http://www.cmtevents.com/aboutevent.aspx?ev=090627&,(20) http://www.mrcmekong.org/download/programmes/hydropower/presentations/2.3%20Thailand%20-%20Regional%20partner%20in%20hydropower%20development.pdf,(21) CMT - World Leader in Petrochemicals, Energy & Renewables Conferences,(22)

今日の参考資料

●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://www.emediawire.com/releases/2009/5/prweb2448924.htm

資金の関連資料

●090428B Mekong,mizzima
メコン河本流のダム開発について環境グループの懸念
Environmentalists worried over impact of Mekong damning
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428B.htm
●081215A Mekong, bernama
メコン河委員会,気候変動との戦いに参戦へ
MRC To Cooperate With Start On Combating Climate Change
http://my.reset.jp/adachihayao/index081215A.htm
●081204B Mekong, phnompenhpost
メコン河委員会のダムに対する見解について
Dam wrong about Mekong River Commission's role
http://my.reset.jp/adachihayao/index081204B.htm
●081128A Laos, brettonwoodsproject
世界銀行のダム報告書,批判への説得に失敗している
new World Bank book fails to convince critics of large dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index081128A.htm
●081119E Laos, phnompenhpost
環境フォーラム,ラオスの南のダムは,下流に濁水被害
Lao dams muddying the waters
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119E.htm


●ラオスはいよいよその持てる資源の便益を得る段階に

A French engineer wrote an enthusiastic account in 1927 of the hydroelectric potential of the Nam Theun river in Laos, a major tributary of the Mekong river, on the Nakai -plateau. Now his dream is about to come true. The dam, built with the support of the World Bank, will start to produce electricity at the end of this year.

ラオスの中部,メコン河の左岸に入るナムトウン川(注6),この上流,流域面積にして4,000平方kmのところにナカイ盆地(注7)があり,ここを貯水池としてメコン川本流までショートカット,落差約400mを得て,1,070MWの出力を得るナムトウン第2水力(注11)が,いよいよ今年,2009年末にも運転開始に漕ぎ付けるという。東南アジア随一の立地条件を持つこのプロジェクトには,多くの人の思いがこもっている。

結局,このナムトウン第2水力(注11)を仕上げるのは,フランスの国営電力EDF(注12)であるが,記事は,1927年,私が生まれる8年も前に,フランスのエンジニアーが,この地点の開発への思いを書いているという。EDF(注12)が必死に頑張ったのも,この仏領時代の思いがあってのことなのであろうか。記事は,特に6000人の移住した人々への対策を書いているが,依然としてNGOは,嫌悪感を強いという。

ラオスのスリボン大臣(注10)の談話があり,彼にとってはこの地点に25年の思いがあるという。スリボン大臣(注10)は,世界の大臣おなかで休日に田植えをしているのは私一人だろう,と言っていた,素朴な大臣である。

(注)B (1) 090529B Laos, guardianweekly,(2) title: Laos taps it key resources,(3) http://www.guardianweekly.co.uk/?page=editorial&id=1093&catID=17,(4) Thursday May 28th 2009,(5) Le Monde's Jean-Michel Bezat,(6) Nam Theun river,(7) Nakai -plateau,(8) World Bank,(9) Nam Theun Power Company (NTPC),(10) Soulivong Dara-vong, minister of -energy and mining,(11) Nam Theun 2 hydropower,(12) EDF,,(13) Jean-Christophe Philbe, head of EDF in south-east Asia,(14) Khamsi, the local representative of the Lao Women’s Union,(15) Jean-Francois Astolfi, head of the New Energies division at EDF,(16)

今日の参考資料

●090529B Laos, guardianweekly
ラオスはいよいよその持てる資源の便益を得る段階に
Laos taps it key resources
http://www.guardianweekly.co.uk/?page=editorial&id=1093&catID=17

最近の関連資料

●081128A Laos, brettonwoodsproject
世界銀行のダム報告書,批判への説得に失敗している
new World Bank book fails to convince critics of large dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index081128A.htm


2009年5月28日分 ー インドネシアの原油生産落ちで焦り ー

昨日,久しぶりにガソリンスタンドに行って,リッター当たり119円になっているのを見て驚いた。去年の夏は189円とか言っていて,今年初めには90円前後だったのに,動きが早い。今日の報道(注1)では,ニューヨークの原油先物,バレル当たり63.45ドルを示している。一時は30ドル台まで下がったのに。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が,この先の原油需要について楽観的な見方を示した,のが要因とか。

インドネシアはこの数年,原油の枯渇に脅えている。1980年代にインドネシアの友人が言っていた言葉,インドネシアに原油がなくなったら我々はどうなるのかと。1992年から2007年までのインドネシアの原油生産と石油需要のグラフがJOGMECの資料の中にある(注2)。1992年から1996年までは,日160万バレルの線をキープしているが,1998年以降漸次落ち始め,2007年には半分の90万バレルに落ち込んでいる。

世界の原油生産量は約8,700万バレル程度であるから,インドネシアはもう産油国というレベルではない。落ち方は直線的で,インドネシアの国会議員達はヒステリックになっている。政府を呼びつけては叱りつけ,外国企業の代表を喚問しては,プルタミナはよい数字を挙げてくるのに,外国企業はどうしたのかと問いつめる。カラ副大統領は,外国企業に勝手な真似はさせない,と怒り狂っている。

世界は,このインドネシアの原油生産の動向を見ながら,これは20年後に起こるであろう世界の原油に対するパニックの縮図だ,と言っている。20年か或いはもっと早く,世界の原油生産も,この恐怖の落ち込みカーブを見ることになるのである。電力はいいだろう,原子力も石炭も水力もある,しかし,飛行機と自動車はどうにもならなくなる,20年ぐらいで自動車が完全に電気に変わることになるのか。飛行機は?

インドネシアの政治家や政府の懸念にも係わらず,国会に呼ばれたエビタ総局長は,2010年の見通しも,原油生産が上向くことはない,と暗い示唆を投げかけている。国会の第4委員会(注8)に喚問された原油ガス総局長エビタ女史(注7)は,原油ガスの総元締めであるBPミガス(注5)の数字を挙げて,来年,2010年も原油生産に関しては希望が持てない,と国会議員達を失望させている。

今年,2009年の原油生産目標は,日105万バレルであったが,2010年は殆ど変わらない日96万バレルと報告している。また今日のニュースの中で,これから期待されているジャワ島中部のセプ油田について,地元との調整が遅れ,日2万バレルの生産目標が,8月にまでずれ込む気配という。セプ油田のオペレーターであるエクソンモビルには,インドネシア人の冷たい視線が向けられている。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090528ATQ2INYPC28052009.html
(注2) http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=0809_out_m_id_change_of_psc_terms.pdf&id=2096


本文

●インドネシア政府の見通しは2010年も原油生産伸びず

Upstream oil and gas regulator BP Migas has set an oil and condensate output target of 1.05 million barrels per day (bpd) for next year, similar to this year's target. The government has set an oil lifting target of 960,000 barrels of oil per day (bpd) for next year, unchanged from this year's target.

インドネシアは,原油の枯渇に脅えている。特に激しく政府の施策を批判して神経質になっているのは,インドネシア国会の,エネルギーと鉱業資源を見ている,第4委員会(注8)である。外国企業に任せていてよいのか,という空気は,国会のみならず,今選挙で忙しいカラ副大統領の気持ちでもある。外国企業は悲観的な予想を出してくるので,プルタミナに任せよう,プルタミナはよい数字を挙げてくる,と国会は考えている。

第4委員会(注8)に喚問された原油ガス総局長エビタ女史(注7)は,原油ガスの総元締めであるBPミガス(注5)の数字を挙げて,来年,2010年も原油生産に関しては希望が持てない,と国会議員達を失望させている。今年,2009年の原油生産目標は,日105万バレルであったが,2010年は殆ど変わらない日96万バレルと報告している。

2009年4月時点で,原油生産目標を日96万バレルとしたが,実績は目標を達せず,95.6万バレルに終わっている。なお,天然ガスについては,今年,2009年の目標値,日75.3億Btu(注9)に対して,2010年の目標は増えて,76.6億Btu(注9)となっている。

(注)A (1) 090528A Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Govt unable to boost oil output next year,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/25/govt-unable-boost-oil-output-next-year.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Mon, 05/25/2009 11:15 AM | Business,(5) BP Migas,(6) million barrels per day (bpd),(7) Director General for Oil and Gas Evita H. Legowo,(8) Commission VII overseeing energy and mineral resources,(9) billion British thermal units of gas (Btu) per day,(10)

今日の参考資料

●090528A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府の見通しは2010年も原油生産伸びず
Govt unable to boost oil output next year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090528A.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/25/govt-unable-boost-oil-output-next-year.html

最近の関連資料

●090217B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの原油ガス企業が2009年に140億ドル投資
Oil, gas firms to invest $14b in 2009
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217B.htm
●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211A.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205B.htm
●081203B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問
Exploration schedules in Cepu put into doubt
http://my.reset.jp/adachihayao/index081203B.htm

●インドネシア政府は東アチェのMEDCOのガス契約を延長へ

The government has confirmed it will extend PT Medco E&P Indonesia's contract in the Block A gas field in East Aceh, one of six oil and gas blocks currently waiting for contract extension approval. "It is impossible *for the government* not to extend the contract. We are now finalizing terms and conditions," upstream oil and gas regulator BPMigas chairman R. Priyono told reporters Wednesday.

インドネシア,このアチェのガス田に関する契約について,前後の脈絡がよく分からないが,インドネシア政府の外国企業への風当たりが強くなっている現状で,この事実も記録にとどめておこう。東アチェのブロックAガス田(注6)に関して,インドネシア政府はMEDCO(注5)との契約を延長することに同意した模様である。これは契約延長が懸案となっている6つの原油ガス田の一つである。

政府規制機関のBPミガス(注13)のプリヨノ総裁(注7)は,契約打ち切りは不可能,とし,プルノモ・エネルギー鉱業大臣(注8)も,東アチェのブロックAガス田(注6)のガスが,国内肥料企業であるイスカンダ(注9)へ供給されていることを挙げ,優先度が高いとしている。ブロックAガス田(注6)の保有量は,日120百万立方フィート(MMSCFD)(注10)とされている。MEDCO(注5)は,資本41.67%,残りは2社(注11,12)である。

BPミガス(注13)によると,ブロックAガス田(注6)の生産開始は,2010年,MEDCO(注5)のブディ社長(注14)によると,65%が政府の取り分で,35%がコントラクターとなっている。MEDCO(注5)はこの契約で,更に6億ドルの投資が必要,としている。

(注)B (1) 090528B Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Govt to extend Medco's contract in Aceh gas field,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/22/govt-extend-medco039s-contract-aceh-gas-field.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Fri, 05/22/2009 1:23 PM | Business,(5) PT Medco E&P Indonesia,(6) Block A gas field in East Aceh,(7) BPMigas chairman R. Priyono,(8) Energy and Mineral Resources Minister Purnomo Yusgiantoro,(9) PT Pupuk Iskandar Muda,(10) million standard cubic feet of gas per day (MMSCFD),(11) Premier Oil Sumatera (North) BV,(12) Japex Block A Ltd,(13) BPMigas,(14) Budi Basuki, president director of Medco E&P Indonesia,(15)

今日の参考資料

●090528B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府は東アチェのMEDCOのガス契約を延長へ
Govt to extend Medco's contract in Aceh gas field
http://my.reset.jp/adachihayao/index090528B.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/22/govt-extend-medco039s-contract-aceh-gas-field.html

最近の関連資料

●090219E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナがナツナガス田で政府補償を要求
Pertamina asks for government guarantee for Natuna
http://my.reset.jp/adachihayao/index090219E.htm
●090217B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの原油ガス企業が2009年に140億ドル投資
Oil, gas firms to invest $14b in 2009
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217B.htm
●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211A.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205B.htm


●インドネシアのセプ油田でパイプラインの許認可に見通し

The central government and the regent of Tuban, the administrative area covering part of the huge Cepu oil and gas block, expect to resolve a dispute over a pipeline installation licence within three weeks. Tuban's regent Haeny Relawati said Tuesday she and the central government had set this time line for resolving the license problem, which has contributed in part to at least a four month delay in the early production plans for the block.

インドネシア,ジャワ島中部のセプ油田(注6)は,今年,2009年初め,4年間の紛争を経て,やっと生産開始の目処が立った,と報道されていたが,35kmのパイプラインのうち10kmの部分が,ツバン地区(注5)に入って許可が下りず,まだ生産開始までこぎ着けていなかったようだ。日2万バレルの原油生産が見込まれていただけに,生産計画に大きな影響が出て,国会でも問題になっている。

今日の報道では,向こう3週間以内に,ツバン地区(注5)代表ハエニ女史(注7)の同意書が降りて,決着に持ち込まれる,とされている。要するに,ハエニ女史(注7)に言わせれば,中央政府が必要な書類を提供しないから,としているが,原油ガス総局長のエビタ女史によれば,エクソンモビル(注14)との契約上,明らかに出来ない部分があるという。4ヶ月遅れで,2週間前に遅れが国会で問題となっていた。8月生産開始か。

(注)C (1) 090528C Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Cepu block row over pipeline licence to be settled soon,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/27/cepu-block-row-over-pipeline-licence-be-settled-soon.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Wed, 05/27/2009 1:41 PM | Business,(5) regent of Tuban,(6) Cepu oil and gas block,(7) uban's regent Haeny Relawati,(8) Energy and Mineral Resources Ministry,(9) BPMigas,(10) Evita H. Legowo, director general for oil and gas at the ministry,(11) BPMigas's chairman R. Priyono,(12) offshore floating storage facility,(13) Mobil Cepu Ltd,(14) ExxonMobil,(15) BPMigas's planning deputy Achmad Luthfi,(16)

今日の参考資料

●090528C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのセプ油田でパイプラインの許認可に見通し
Cepu block row over pipeline licence to be settled soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090528C.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/27/cepu-block-row-over-pipeline-licence-be-settled-soon.html

最近の関連資料

●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211A.htm
●090209C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,エクソンがセプ油田で,から副大統領に直訴
Exxon asks for permission from Kalla on Cepu Block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209C.htm
●090114D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのセプ,エクソンが4年の紛争を経て運転開始へ
Exxon’s rights in Natuna terminated since 2005 Govt
http://my.reset.jp/adachihayao/index090114D.htm
●081204E Indonesia, The Jakarta Post
エクソン,チェプブロックの生産開始で,楽観的
Exxon upbeat on Cepu production schedule
http://my.reset.jp/adachihayao/index081204E.htm
●081203B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問
Exploration schedules in Cepu put into doubt
http://my.reset.jp/adachihayao/index081203B.htm


2009年5月27日分 ー 中国は再び石炭生産の過重の兆し ー

Jパワーが中国に発電事業を統括する合弁企業を造る(注)。Jパワーは既に,漢江で水系一貫を取り扱うための資本参入をしているが,今回は中国全土に亘って,特に気候変動問題と関連づけるプロジェクトについて,全国展開である。Jパワーがタイでとった方式に似ているが,私も,プロジェクト毎の海外進出は日本企業にとって困難で,地元有力企業と如何に結びつくかを考えるべきで,このJパワーの方針を支持する立場だ。

今日取り上げた記事の中で,私は石炭問題に注目したが,まさに中国のエネルギーの話題は,代替エネルギーへの膨大な景気刺激策,今や世界に誇る長距離超高圧送電網UHV,それに石炭の問題だ。石炭の問題は,今日のJパワーの記事にもあるように,石炭火力の高効率化技術と結びつく。代替エネルギーへの外国企業の参入は,熟練した中国企業との連携が欠かせない,と主張している。

先日北京で,中国エネルギー戦略サミット(注10)が開催され,原子力開発計画の拡大などが公表されていたが,その中で石炭の問題が論じられていたとの報道である。中国媒炭鉱業網(注5)の報告であるが,需要の減少から石炭に余剰が生ずる可能性が出てきた。石炭不足に泣いたのはつい先日で,中小の旧式炭坑を閉鎖したことを悔いていたが,再び炭坑の整理が話題になってくる。揺れる中国の石炭である。

中国の石炭生産は,年率で6.8%の伸びを示してきて,2009年の当初4ヶ月の生産量は,8.27億トンに達した。昨年,2008年,中国の石炭生産量は27.2億トンで,消費量は27.4億トンであった。生産過多の傾向から,8万の石炭企業の70%が,年生産30万トン以下の小規模企業で,1000万トン以上の大規模企業は24企業だ。2020年には石炭需要が35億トンに達するが,炭坑を整理する必要がある。

どうにも自由にならない中国の石炭問題は,地方主導の石炭生産にある。これは中国経済特有の成り行きで,中央政府が号令を下すと,地方が止まらなくなってしまう。これは駄目だと思ってブレーキを踏むが,その利きが悪い。まさにフライトシミュレーションをやった人は分かると思うが,操縦桿を右に切ると,なかなか反応しないのに,効いてくると右の回りすぎる,これの繰り返しで墜落するのだが,まさに中国経済は同じである。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905270105a.nwc

本文

●中国は超高圧送電網UHVに2020年までに6000億元投入

The State Grid Corporation of China (SGCC), the nation's largest power supplier, plans to invest over RMB 600 billion in ultra-high voltage (UHV) power lines by 2020, said Shu Yinbiao, deputy general manager of the company, on Thursday

中国の長距離超高圧送電網UHVに対する我々の関心は高い。日本も超高圧送電網UHVに対しては,高い技術力を誇っているのだが,国土の問題と地域独占に分割されている日本の電力では,長距離送電に対する実用化の面で,中国が先に走っており,今後,中国の技術が海外に進出する可能性を秘めている。現在の中国では,UHV(注6)は,100万ボルト交流送電線と80万ボルト直流送電線を,総称して呼んでいる。

中国国家送電網SGCC(注5)は,超高圧送電網UHV(注6)に,2020年までに6,000億元,約878億ドル相当,を投入する計画である。最初のUHV(注6)は,中国北部の山西省(注10)から中央部の湖北省(注11)に至るもので,2006年に着工し2009年1月に運用を開始,事業費は,59億元,約8.6億ドル相当,であった。更に3つのラインを2009年内に着工する。

(注)A (1) 090527A China, chinaknowledge,(2) title: State Grid to spend RMB 600 bln on UHV power lines by 2020,(3) http://www.chinaknowledge.com/Newswires/News_Detail.aspx?type=1&NewsID=23865,(4) May 25, 2009 (China Knowledge),(5) State Grid Corporation of China (SGCC)中国国家電網,(6) ultra-high voltage (UHV) power lines超高圧送電網UHV,(7) Shu Yinbiao, deputy general manager of the company,(8) initial public offering,(9) 10-million-kilovolt UHV power line,(10) Shanxi Province山西省,(11) Hubei Province湖北省,(12) 300 million kilowatts by 2020,(13) 78 million kilowatts of hydropower,(14)

今日の参考資料

●090527A China, chinaknowledge
中国は超高圧送電網UHVに2020年までに6000億元投入
State Grid to spend RMB 600 bln on UHV power lines by 2020
http://www.chinaknowledge.com/Newswires/News_Detail.aspx?type=1&NewsID=23865

最近の参考資料

●090524B China, dailymailnews
中国の副首相が超高圧送電網UHVの技術発展を強調
Vice Premier stresses UHV power technology
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524B.htm
●090429A China, shanghaiist
中国でモンゴルの電力が直接上海へ送電される
Shanghai's electricity direct from Mongolia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090429A.htm
●090223A China, forbes
中国の送電網先進技術が海外進出を狙う
Chinese utility tries to join electricity pioneers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090223A.htm
●090209D China, chinadaily
中国,四川から上海への超高圧送電線,2010年に向け突貫
China steps up in buliding UHV power line
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209D.htm
●090117C China, alibaba.com
中国国家電網,超高圧送電網整備に,146億ドル
China grid operator to spend $14.6 bln on UHV lines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090117C.htm
●081224C China, edubourse.com
中国,ABBが80万ボルト,遠距離送電の鍵となる変圧器テスト成功
ABB successfully tests ultrahigh-voltage transformer, key for power
http://my.reset.jp/adachihayao/index081224C.htm


●中国の石炭は需要減から生産過重になっているのではないか

The deputy director of the China Coal Industry Association says "weak demand has resulted in a clear trend for overcapacity" in the country's coal industry. The nation's coal production increased 6.8% year on year to 827 million tons in the first four months of this year, the association estimated.

先日北京で,中国エネルギー戦略サミット(注10)が開催され,原子力開発計画の拡大などが公表されていたが,その中で石炭の問題が論じられていたとの報道である。中国媒炭鉱業網(注5)の報告であるが,需要の減少から石炭に余剰が生ずる可能性が出てきた。石炭不足に泣いたのはつい先日で,中小の旧式炭坑を閉鎖したことを悔いていたが,再び炭坑の整理が話題になってくる。揺れる中国の石炭である。

中国の石炭生産は,年率で6.8%の伸びを示してきて,2009年の当初4ヶ月の生産量は,8.27億トンに達した。昨年,2008年,中国の石炭生産量は27.2億トンで,消費量は27.4億トンであった。生産過多の傾向から,8万の石炭企業の70%が,年生産30万トン以下の小規模企業で,1000万トン以上の大規模企業は24企業だ。2020年には石炭需要が35億トンに達するが,炭坑を整理する必要がある。

(注)B (1) 090527B China, proactiveinvestors,(2) title: Is China headed for coal production overcapacity,(3) http://www.proactiveinvestors.com.au/companies/news/1545/is-china-headed-for-coal-production-overcapacity-1545.html,(4) by Dorothy Kosich, Mineweb.net,(5) China Coal Industry Association中国媒炭鉱業網,(6) 827 million tons in the first four months,(7) 2.72 billion tons of coal and consumed 2.74 billion tons,(8) Jiang Zhimin, deputy director of the China Coal Industry Association,(9) colliery accidents,(10) Chinese Energy Strategy Summit,(11)

今日の参考資料

●090527B China, proactiveinvestors
中国の石炭は需要減から生産過重になっているのではないか
Is China headed for coal production overcapacity
http://www.proactiveinvestors.com.au/companies/news/1545/is-china-headed-for-coal-production-overcapacity-1545.html

最近の関連資料

●090524A China, news.xinhuanet
中国の計画委員会がエネルギー計画の刺激策を協議
China's State Council to discuss stimulus plan for new energy industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524A.htm
●090524C 中国,news.xinhuanet
中国は原子力開発計画を改定し更に加速を図る動き
China considers changes to nuclear power development plan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524C.htm
●081229C China, chinadaily
中国,燃料税改革,エネルギーの里程標
Fuel tax reform an energy milestone
http://my.reset.jp/adachihayao/index081229C.htm


●中国の景気刺激策のうち300億ドルは新エネルギー開発へ

As part of the country's 4 trillion ($586 billion) stimulus package, the National Development and Reform Commission will put $30 billion into green projects. Now China is planning to draft another stimulus package to double the nation's 2007 output of alternative energy by 2020, according to Liang Zhipeng, director of Renewable Energy Department, National Energy Administration.

中国が発表した景気刺激策は,4兆元,約5860億ドル相当,世界最大規模である。米国が1,120億ドル,韓国が310億ドル,日本は150億ドル。もっとも,中国政府支出は30%で残りは地方政府や民間,と言われているが,それにしても世界の中では飛び抜けている。このうち,グリーン経済への貢献度はどのぐらいか,との関心に対して,300億ドルぐらいだろう,しかし,プロジェクトの選定が難しい,と論じている。

中国の発改委NDRC(注7)は,2020年に於ける代替エネルギーを,2007年の倍にすべく計画中という。水力,風力,太陽光などを指している。このために,2006〜2020年で2兆元を支出,と言ってきたが,更に1兆元追加,と発表している。ニューヨークタイムスも,外国企業の投資に大いにチャンスあり,としている。IFC(注12)も,中国にはそれだけのグリーンな資源がある,と評価している。

しかし一方で,プロジェクトの選定では,外国企業は有力で経験豊かな中国企業に依存することになる,としている。2020年までの中国の0目標は,太陽光が1,800MW,水力が300,000MW,風力が30,000MW,バイオマスが30,000MW,とされている。太陽光についてはバッテリーの問題がついて回り,生産価格は石炭の実に4倍という難問がある。クリーン経済が可能かどうか,関心を持って見守る必要があると。

(注)C (1) 090527C China, chinadaily,(2) title: $30b set aside for green stimulus to double alternative fuel use,(3) http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-05/25/content_7937667.htm,(4) Zhang Qi (China Daily),Updated: 2009-05-25 08:00,(5) green economy,(6) 4 trillion ($586 billion) stimulus package,(7) National Development and Reform Commission,(8) Liang Zhipeng, director of Renewable Energy Department, National Energy Administration,(9) Shi Dinghuan, the chief director of China Renewable Energy Society,(10) $221 billion has green features,(11) Ellen Elle Carberry, Venture Partner, Hao Capital and Co-Managing Director of China Greentech Initiative,(12) International Finance Corporation,(13) KK Chan, previous head of investments Greater China, Climate Change Capital,(14) Wang Zhongying, the renewable energy development director at the research center of the NDRC,(15) Chris Devonshire-Ellis, Founding Partner, Dezan Shira & Associates,(16) Clean Energy Initiative,(17)

今日の参考資料

●090527C China, chinadaily
中国の景気刺激策のうち300億元は新エネルギー開発へ
$30b set aside for green stimulus to double alternative fuel useBy
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-05/25/content_7937667.htm

最近の関連資料

●090524A China, news.xinhuanet
中国の計画委員会がエネルギー計画の刺激策を協議
China's State Council to discuss stimulus plan for new energy industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524A.htm
●090520B China, news.xinhuanet
中国の地方に於ける水力開発は温暖化ガス削減に貢献
China's rural hydropower plants help curb greenhouse gas emission
http://my.reset.jp/adachihayao/index090520B.htm
●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506A.htm
●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301C.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/adachihayao/index090207B.htm


2009年5月26日分 ー フィリッピンは再生可能エネルギー倍増を期待 ー

フィリッピンは何か不思議な国だ,と言う気がする。1970年代は,私はフィリッピンはアジアの先進国だ,と思っていた。当時のビルマからマニラに立ち寄ったときも,その輝きは東京と全然変わらないではないか,とさへ感じ,それは当然のことだと思っていた。だから原子力発電所も,東南アジアで最初に手を付けて殆ど完成したし,名実共に東南アジアの経済の主導国だった。

それから政治的混乱で経済そのものは落ちて行き,バンコクなどの都市文化に置いてけぼりを食ってきたが,1900年代終わりから徹底的に電力分野の改革,自由化に走り始めたときは,目を疑った。当時,カリフォルニアで電力自由化の末の混乱が起きたり,エンロンの暴挙が暴かれたり,電力改革に疑問が投げかけられる中,米国をも凌ぐ電力改革に手を付け,2001年には,包括電気事業改革法EPIRAを成立させた。

このEPIRAの実施細則IRRの策定に当たっては,当時のODA主要国であった日本政府に,その細則案のチェックを依頼してきたと聞いている。日本政府も面食らったことだろう,その中に,国家電力が所有する電源設備の私企業への売却,電力卸売市場の創設,更には個々の需要家の電源へのオープンアクセスまで,規定されていたのだから。タイもインドネシアも,日本でさへも,これには付いていけなかった。

それから自動車のガソリンの中にあるパーセントでココナツエタノールを強制的に混合させる法案を通過させて,東南アジアの面々を驚かせた。そうして,息継ぐ暇もなく,再生可能エネルギー法の作成に手を付け,オバマ氏がまだ選挙演説で,グリーンニューディール,と叫んでいる頃に,彼等はもう既にグリーン構想を確立して,オバマが大統領就任式でまだダンスしている頃,アロヨ大統領が今日の再生可能エネルギー法に署名していた。

今日のフィリッピンのレイエス・エネルギー長官の鼻息は荒い。10年後のマニラの電力需要は,現在の倍の9,000MWになる,その増分は再生可能エネルギー,地熱,水力,太陽光,波力,バイオマス,と聞いている方が恥ずかしいような盛りだくさんだ。でも,彼は税優遇措置は講ずるが,政府の現金を少しでも出す気持ちはない,すべて民間依存,それで十分に電源拡充は対応できると思っている。

フィリッピンの山の中を歩くと,日本人とフィリッピン人の違いがよく分かる。例えば,山道を造った,と日本人が言えば,斜面を削ってジグザグ,滑りやすい箇所には階段状にし,場合によっては水捌けまで講ずる。ところが,彼等が,山道がある,と言ったときは,山の斜面を真っ直ぐに下り,川の底には石に傷を付けて目印にして滑りにくくするだけ,それが彼等の道なのである。さて,再生可能と電力改革,どの様な行く末を描くだろうか。

電源資産売却問題の中で,私自身は当事者でないのでよく分からないが,IPPのプロジェクトの中には,ラモス大統領によるテークオアペイの政策で,生まれる電力をすべて国家電力NPCが契約価格で買い取る制度により,買収,建設を行ったものがある。ところが今日の記事を見ると,IPPAというものを設け,入札買い取りを実施する,それがEPIRAの基本精神だという。これは,日本企業も少なからず影響を受けるのではないか。2001年のEPIRAだから,IPP企業がそのEPIRAをその様に納得していた,としたら,かなり優秀だったと思う。


本文

●フィリッピンは再生可能エネルギーを新法で倍増へ

The Philippines intends to double its renewable energy (RE) capacity in 10 years after the government approved rules covering the implementation of the Renewable Energy Act (Republic Act 9513).

フィリッピンの再生可能エネルギー(注5)は,アロヨ大統領が,2008年12月15日,再生可能エネルギー法(注6)に署名して以来,盛り上がりを見せているが,まさにオバマ大統領を凌ぐ先進性を,フィリッピン政府は誇示したいところだろう。この再生可能エネルギー(注5)政策が生きてくるかどうかは,これからの民間資金の動きによるが,来週月曜日,にも再生可能エネルギー法(注6)の実施細則IRR(注15)が公布される。

レイエス・エネルギー長官(注8)は,かかる時期に,その青写真を描いて見せた。この先10年で,首都マニラの電力需要は,現在の倍の9,000MWに達する,と言う想定である。今後の再生可能エネルギー(注5)開発は,地熱発電(注9)が4,531mWs,水力(注10)が13,097mWs,太陽光は1平方m当たり日5.1KWh(注11),と想定している。風力と波力は単位が分からない(注12,13)。

再生可能エネルギー(注5)の開発費は,KW当たり,1,000〜2,000ドル,実施細則IRR(注15)の施行で,100億ドルの新規投資があるとしており,現在15のプロジェクトがあり,風力,水力,バイオマス,太陽光,大洋エネルギーなどが考えられている。また,関心を持って取り組んでいる企業は,PNOC再生可能(注16)の他,11企業(注17〜26)に上っている。

(注)A (1) 090526A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Manila to double renewable energy capacity with new law,(3) http://www.gmanews.tv/story/162794/Manila-to-double-renewable-energy-capacity-with-new-law,(4) 05/25/2009 | 05:15 PM MANILA,,Philippines,(5) renewable energy (RE),(6) Renewable Energy Act (Republic Act 9513),(7) 9,000 megawatts (mWs) of power,(8) Department of Energy Secretary Angelo T. Reyes,(9) 4,531 mWs from geothermal energy地熱発電,(10) 13,097 mWs from hydropower,(11) 5.1 kilowatt hours per square meter a day from solar,,(12) 76,600 mWs from wind,(13) 170,000 mWs from oceanic waves,(14) $1 million to $2 million per megawatt,(15) implementing rules and regulations (IRR),(16) PNOC-Renewables Corp.,(17) Lopez-led First Gen Corp.,(18) Aboitiz Power Corp.,(19) Trans-Asia Power,(20) Energy Development Corp.,(21) Suweco,(22) Constellation Corp.,(23) Oriental Energy,(24) Green Power Philippines,(25) Deep Ocean Philippines,(25) Norasian Corp.,(26) Philcarbon,(27). mWs と言うのは100万ワット秒らしい,(28)

今日の参考資料

●090526A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンは再生可能エネルギーを新法で倍増へ
Manila to double renewable energy capacity with new law
http://www.gmanews.tv/story/162794/Manila-to-double-renewable-energy-capacity-with-new-law

最近の関連資料

●090512A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲
Foreign investors keen on renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512A.htm
●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404B.htm
●090301A Philippines, pia.gov.ph
フィリッピンの電力の10%は水力で賄うことが可能である
Hydropower can supply 10% of RP's electricity requirements, say
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301A.htm
●090301B Philippines, newsinfo.inquirer
アロヨ大統領が水力現場を視察してクリーエネルギーに関心表明
Arroyo favors clean energy sources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301B.htm
●090220B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの地熱発電所をアボイテスが引き取り
Aboitiz Power sets Tiwi, Makban plants takeover
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220B.htm
●090114A Philippines, Manila Bulletin
米国企業シェブロンがフィリッピンの地熱政策を支援
US firm Chevron Geothermal commits to support gov’t energy efficiency plan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090114A.htm
●081218A Philippines, istockanalyst
フィリッピンの関連産業界,再生可能エネルギー法で,盛り上がる
Industry Players Upbeat Onrenewable Energy Projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index081218A.htm
●081217A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名
President signs law promoting renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index081217A.htm


●フィリッピンの再生可能エネルギー法実施細則が施行される

After roughly six months of flexing muscles and collaborating resources on its completion, the Department of Energy (DoE) finally hit the road for the signing today of the implementing rules and regulations (IRR) of the Renewable Energy Act of 2008.

フィリッピンでは,2008年12月15日,再生可能エネルギー法(注7)が成立して約6ヶ月,エネルギー省(注5)は,月曜日,2009年5月25日,予定を1ヶ月繰り上げて,実施細則IRR(注6)を公布した。この規則に含まれるエネルギー資源は,バイオマス,太陽光,風力,水力,地熱,大洋などの他,ハイブリッド・システム(注9)も含まれる。

また,再生可能エネルギー法(注7)による投資などへの優遇措置は,新規投資に対して,7年間の所得税免税措置ITH(注10),付加価値税VATの免除(注11),関連資機材輸入の関税免除(注12),7年間の所得税免税措置ITHの後7年間,35%の法人税を10%(注13),などであり,政府は投資の刺激策として,期待している。

ここで,ハイブリッドを含む(注9)というのは何を意味するか,重要である。単純に考えれば,変化する風力を補うためにディーゼル発電所を置いたと,このディーゼル発電所も優遇措置の中に含める,と考えることも出来るし,或いは,風力や太陽光に付属するバッテリーのことを言っているのだ,とも考えられる。揚水発電所は,再生可能エネルギーのハイブリッドの一環,と考えている可能性もある。

(注)B (1) 090526B Philippines, Manila Bulletin,(2) title: IRR of Renewable Energy Act of 2008 to be signed Monday,(3) http://www.mb.com.ph/node/201913,(4) By MYRNA M.VELASCO,May 24, 2009, 12:20pm,(5) Department of Energy (DoE),(6) implementing rules and regulations (IRR),(7) Renewable Energy Act of 2008,(8) renewable energy sources,(9) biomass, solar, wind, hydro, geothermal, ocean energy sources and even hybrid systems,(10) seven-year income tax holiday (ITH),(11) zero-rated value-added tax (VAT),(12) duty-free importation of RE machinery, equipment and materials for the first 10 years,(13) significantly-reduced corporate tax rate of 10% on net taxable income after seven years of ITH,(14)

今日の参考資料

●090526B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの再生可能エネルギー法実施細則が施行される
IRR of Renewable Energy Act of 2008 to be signed Monday
http://www.mb.com.ph/node/201913

最近の関連資料

●090512A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲
Foreign investors keen on renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512A.htm
●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
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フィリッピンの関連産業界,再生可能エネルギー法で,盛り上がる
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●081217A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名
President signs law promoting renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index081217A.htm


●フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性

Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM) has moved to next month the auction of contracts to manage the output of the Sual and Pagbilao plants, saying it needed to iron out the details of the bid’s terms of reference (TOR).

フィリッピンのPSALM(注5)にとって懸案となっている,東京電力など,TEAM(注18)所有の,1,000MWのスワル石炭火力(注8),700MWのパグビラオ石炭火力(注9)のIPPA(注10)入札を,来月,2009年6月にも実施の意向である。IPPA(注10)入札とは,私に理解では,電力の引き取り手がNAPOCOR(注11)になっていたのでは,オープンアクセス(注17)制度に入ることが出来ないから,引き取り手を入札する,と言うことか。

私もなかなか理解できなかったのだが,このIPPA(注10)と言うのは問題があって,それぞれのIPPプロジェクトは,NAPOCOR(注11)の引き取り契約があるから安心して買収,または新設したので,このようにEPIRA(注16)で,その引き取り契約を変更する,と言うのは大変なことではないか,と推測している。EPIRA(注16)だから,内外とも誰もクレームを付けられないが,当事者の間では,結構議論があるのではないか,と推測している。

NAPOCOR(注11)の設備または契約の70%の処理が終われば,需要家のオープンアクセス(注17)が始まり,政府は電気料金が下がると期待している。私は上がると思うが,とにかく,289MWのティウイと458.53MWのマクバン地熱(注15)の売却が終われば52%完了となり,それから問題の,95MWのサンロケ水力(注22),70MWのバクン水力(注21),140MWのカセクナン水力(注20)のIPPA(注10)入札となる。

(注)C (1) 090525C Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved,(3) http://www.bworldonline.com/BW052609/content.php?id=044,(4) THE POWER SECTOR,(5) Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM),(6) terms of reference (TOR),(7) PSALM President Jose C. Ibazeta,(8) 1,000-megawatt (MW) Sual plant in Pangasinan,(9) 700-MW Pagbilao plant in Quezon,(10) Independent Power Producer Administrators (IPPA),(11) National Power Corp. or Napocor,(12) Japan-based entity,(13) privatization have so far reached $2.1 billion,(14) privatization level hitting over 52%,(15) 289-MW Tiwi and 458.53-MW Makban geothermal power plants,(16) Republic Act No. 9136 or the Electric Power Industry Reform Act (EPIRA) of 2001,(17) "open access" regime,(18) Team Energy,(19) build-operate-transfer agreement,(20) 140MW Casecnan hydro,(21) 70MW Bakun hydro,(22) 95MW San Roque hydropower plant,(23)

今日の参考資料

●090525C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性
Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved
http://www.bworldonline.com/BW052609/content.php?id=044

最近の関連資料

●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515C.htm
●090512B Philippines, scandasia
フィリッピンのアンガット水力売却でSNパワーが関心
Norway's SN Power eyes Philippine IPPs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512B.htm
●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402A.htm
●090328C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMはカラカ火力など売却に自信
PSALM hopeful on sale of Calaca, Limay power plants within the year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090328C.htm
●090304B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCの売り上げは資産売却進行でが急落
NPC power sales dip as plants were sold
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304B.htm



2009年5月25日分 ー インドの原子力でGE日立がL&Tと協力 ー

北朝鮮は核保有国になった,と言うことか。持ってしまえばもうそれを追認するしかない,と言うのが我々の経験であり,長い長い議論が続くだろうが,核を持った国がそれを捨てるなどと言うことはあり得ない,と思う。それならそれで,周辺国はそれなりの心構えが必要だが,日本は米国の核の傘の中にいる,これを認めるならば,これからは米国に,北朝鮮に対して確実に抑止力となるような方策を固めて貰うより方法がない。

世界は,と言うよりは米国は結局インドの核を認めたことになるから,米印原子力協定は平和目的とは言え,インドに核燃料を供給することになって,インドの原子力市場に火がついている。日本は微妙な立場とは言え,GE日立が,既にインド原子力公社と,改良型沸騰水型軽水炉ABWR(注7)の技術を基本とした協力で合意しており,今日のニュースでは,現地の実施企業として,L&Tと合意し,環境は整った。

何年か後に,北朝鮮とも同じような状況が生まれるのだろう,核保有国である北朝鮮と原子力平和協定を結んで技術協力をする日本の姿は,今考えると余りに痛ましいが,歴史は必ずそちらの方向に行くだろう。それは,外交が如何に進展しても,核を一旦握った国が,それを捨てるなど,考えられないからである。南アフリカの例があるが,イスラエル,インド,パキスタン,近隣に問題を抱える国は,捨てることはない。

昨日,2009年5月24日の本HPでは,中国が原子力開発政策を大きく転換する,と伝えたが,今日はインドの原子力開発のニュースで,日本の日立や三菱重工,東芝も,本格的にインドの原子力開発に取りかかる体制が徐々に整ってきた。北東地域,58,000MWの水力をインド中央部に持ってくる80万ボルト直流送電線が,円滑に言っていないが,この水力と原子力で,インドはエネルギー問題,気候変動問題に取り組むわけである。

日本の温暖化政策もいよいよ大詰め(注)。世論は1990年比,2020年に7%削減だ,と書いてある。マクロに言って,日本の年間炭酸ガス排出13億トン余り(世界は100億トン)の半分は産業,と言うより元は電力だ。運輸は20%だから,家庭や農業の相当部分も電力だから,電力に的を絞って温暖化対策を進めるべきだと思う。

ダムの漏水や新型インフルエンザと一緒で,出口で一生懸命手で塞いでみても,漏れるものは漏れてしまう。温暖化ガスも,個々の産業や家庭に幾らプロパガンダを行っても,漏れるものは漏れる。その大本で絞らねば,効果は期待できないだろう。エネルギーの大本は電力であり,今時点の頼みは何と言っても原子力の稼働率で,ベースとなる原子力が,流れ込み式水力と同程度の稼働率では,何とも手ぬるい。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905250036a.nwc

本文

●インドでGEと日立がインド企業と原子力ABWR開発で協力

GE Hitachi Nuclear Energy, the global nuclear alliance created by GE and Hitachi signed an agreement with engineering and construction
major Larsen & Toubro Ltd (L&T) on Tuesday to develop an advanced nuclear power plant in India based on Advanced Boiling Water Reactor (ABWR).

GE-日立(注1)のインド原子力参入は,2009年3月24日に既に報じられている。また,2009年2月6日の時点で海外電力調査会は,ウエスティングハウスと東芝のインドへの参入を報じている。この二つのグループに加え,フランスのアレバと組む三菱重工の活躍も話題になっている。原子力についての日本とインドの関係は微妙だが,米印原子力協定の元で,日本企業も元気だ。

今日の報道は,GE-日立(注1)が現地ジェネコンのL&T(注6)と協力に関する合意がなされた,と言うことで,インド国営重電メーカーのBHELとアレバ-三菱重工の組み合わせに対抗するものだろう。GE-日立(注1)の原子炉は,改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)(注7)で,インド原子力公社NPCIL(注9)との間では,サイトを含め,開発合意が出来ている。

インドは,2030年までに原子力発電の設備を,60,000MWまで拡大する意欲的な計画を持っている。現時点では,6カ所の発電所に合計17機の原子炉を持ち,その出力は,4,120MWで,中国の9,000MWの半分以下である。なお,GE-日立(注1)の協力の中には,核燃料供給も含まれているという。

(注)A (1) 090525A India, Economic Times,(2) title: GE Hitachi Nuclear Energy, L&T to develop nuclear power plant,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/GE-Hitachi-Nuclear-Energy-LT-to-develop-nuclear-power-plant/articleshow/4552799.cms,(4) 19 May 2009, 2016 hrs IST, ET Bureau,NEW DELHI,(5) GE Hitachi Nuclear Energy,(6) Larsen & Toubro Ltd (L&T),(7) Advanced Boiling Water Reactor (ABWR)改良型沸騰水型原子炉,(8) GE Energy CEO, for India, Srilanka & Bangladesh Kishore Jayaraman,(9) Nuclear Power Corporation of India (NPCIL).,インド原子力公社,(10) 60,000 mw of nuclear capacity by 2030,(11) nuclear power capacity is 4,120 mw,(12) 17 nuclear reactors which are operating from six locations,(13)

今日の参考資料

●090525A India, Economic Times
インドでGEと日立がインド企業と原子力ABWR開発で協力
GE Hitachi Nuclear Energy, L&T to develop nuclear power plant
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/GE-Hitachi-Nuclear-Energy-LT-to-develop-nuclear-power-plant/articleshow/4552799.cms

最近の関連資料

●090324B India, Economic Times
インドの原子力セクターにGE-日立が参入へ
GE-Hitachi to build nuclear reactors for NPCIL, BHEL
http://my.reset.jp/adachihayao/index090324B.htm
●090213C India, Economic Times
インド,NTPCが原子力開発へ参入へ
NTPC may enter into N-power biz
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213C.htm
●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205A.htm
●081216D India, Economic Times
インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン
Areva inks pact with NPCIL to supply 300 tonnes of uranium
http://my.reset.jp/adachihayao/index081216D.htm
●081207C India, Economic Times
インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ
India may open nuclear sector for private players soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index081207C.htm
●081119G India, Economic Times
重電メーカーBHEL,原子力開発で,仏のアレバと技術提携
BHEL, Areva T&D to form JV for manufacturing nuclear reactors
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119G.htm


●インドの北東地域と中央部を結ぶ送電計画に遅れ

インドの中央部と北東地域を結ぶ線上に,ネパールの東南端とバングラデシュの北西端に挟まれた狭い回廊がある。距離を測ってみると,僅か23kmしかない,これをインドでは,「鶏の首(注8)」と呼んでいるのか。北東地域(注7)及びブータンの膨大な水力包蔵,58,000MW(注18)をインド中央部へ運ぶためには,この23kmの狭い回廊に,46,000MW容量の送電線を敷く,結構困難なプロジェクトのようだ。

中国で話題となっている,80万ボルト直流送電線をここに通す計画で,距離は約2,000km,送電の入札は順調に行われたのだが,変換所のプロジェクトの入札が大幅に遅れている。理由は書かれていないが,この直流と交流の変換所の工事費は,450億ルピーで,技術的な能力を持っているのは,ABB,アレバ,シーメンス(注14)しかないと言う。インドの電力需給に大きな影響を与える。中国はABBで成功している。

(注)B (1) 090525B India, livemint,(2) title: Power transmission project to link North-East delayed,(3) http://www.livemint.com/2009/05/24225045/Power-transmission-project-to.html?h=B,(4) New Delhi,(5) terminal tender,(6) Power Grid Corp. of India Ltd, or PGCILインド送電公社,(7) North-Eastインド北東地域,(8) chicken-neck project,(9) transmission corridor,(10) Rs11,000 crore,(11) three more such transmission corridors,Rs33,000 crore,(12) alternating current to direct current (DC),(13) terminals is around Rs4,500 crore,(14) ABB, Areva and Siemens,(15) high-voltage DC line 800KV,(16) 2,000km link,(17) four corridors of 6,000MW each,(18) North-East and Bhutan is about 58,000MW,(19) demand in the region expected to go up to around 12,000MW,(20) transmission capacity of the new system works out to be around 46,000MW,(21) NHPC Ltd’s project at Subansiri on the Assam-Arunachal Pradesh border,(22)

今日の参考資料

●090525B India, livemint
インドの北東地域と中央部を結ぶ送電計画に遅れ
Power transmission project to link North-East delayed
http://www.livemint.com/2009/05/24225045/Power-transmission-project-to.html?h=B

最近の関連資料

●090420A India, Economic Times
インドの国家送電網が電源を睨み2000億ルピー投資へ
PowerGrid to spend about 20,000 cr in UMPPs by 2012
http://my.reset.jp/adachihayao/index090420A.htm
●090420B India, Economic Times
インドの国家送電網が2010年度に1200億ルピーを投資
Power Grid Corp earmarks Rs 12,000-crore capex for FY 10
http://my.reset.jp/adachihayao/index090420B.htm
●090115B India, Economic Times
インド,送電公社が不満,発電地点の変更が頻発
PowerGrid seeks new IPP norms over location shifts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115B.htm
●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111B.htm
●081225A India, .sakaaltimes
インド,アルンチャルプラデッシュ,2008年,水力や国境など
2008 A saga of development in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index081225A.htm


●インドのリライアンスがアルナチャルで水力2,520MW開発へ

The Reliance Power will invest over Rs 12,000 crore for executing 2,520-MW hydropower projects in Arunachal Pradesh, to be commissioned in the next Five Year Plan (2012-17).

インドの北東地域,アルナチャルプラデシュ州(注9),豊富な水力資源と中国との国境問題を抱えた,インドにとっては注目の州である。大規模石炭火力やKG流域のガスに力を注ぐリライアンス(注5)であるが,水力設備も4,620MWを有している。今回の入札も含めて,主として流れ込み水力(注17)で,4地点,2,520MW,1,200億ルピーを獲得した。いずれも2017年までの第12次五カ年計画対象である。

今回落札の地点は,1,200MWのカライ第2水力(注10),420MWのアムリン水力(注11),500MWのエミニ水力(注12),400MWのミフンドン水力(注13)である。リライアンス(注5)はこの他にアルナチャル(注9)で,700MWのタト第2水力(注15),1,000MWのシヨム水力(注16)を準備中で,いずれも6〜7年を要するが,700MWのタト第2水力(注15)が最初に運転するプロジェクトとなる。

(注)C (1) 090525C India, thehindubusinessline,(2) title: Reliance Power to invest Rs 12,000 cr in Arunachal Pradesh,(3) http://www.thehindubusinessline.com/blnus/02211561.htm,(4) NEW DELHI,(5) Reliance Power,(6) Rs 12,000 crore,(7) 2,520-MW hydropower projects in Arunachal Pradesh,(8) Five Year Plan (2012-17)インド第12次五カ年計画,(9) Arunachal Pradesh government,(10) 1,200 MW Kalai-II,(11) 420 MW Amulin,(12) 500 MW Emini,(13) 400 MW Mihundon,(14) Reliance Power hydro is 4,620 MW,(15) 700-MW Tato-II,(16) 1,000-MW Siyom,(17) Run-of-river (ROR) project,(18)

今日の参考資料

●090525C India, Economic Times
インドのリライアンスがアルナチャルで水力2,520MW開発へ
Reliance Power to invest Rs 12,000 cr in Arunachal Pradesh
http://www.thehindubusinessline.com/blnus/02211561.htm

最近の関連資料

●090203B India, Economic Times
インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
SJVNL to be given projects in Aurnachal Pradesh ? Jiaram Ramesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090203B.htm
●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111B.htm
●081225A India, .sakaaltimes
インド,アルンチャルプラデッシュ,2008年,水力や国境など
2008 A saga of development in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index081225A.htm



2009年5月24日分 ー 中国のエネルギー政策に転換の兆し ー

今日の朝日新聞は世界金融危機への各国の対応を解説していたが,強調されていたのは中国の素早い対応で,世界経済が大きく中国経済に助けられている,と書かれている。中国の意志決定の早さは,その国務院の常務会議がわずか10人で殆どの政務を動かしてしまう,日本の国会に当る全人代は年1回,毎年3月に開かれるだけ,日本のような与野党の駆け引きで刺激策が遅れることはない。

では一党独裁の方がよいのか,と言われると,それは次元の違う話になってしまうが,それでも中国の地方政府の動きはこれを補ってかなり競争状態だ。GDPが上がって電力需要が下がる,効率化したという意味か,と記者に聞かれて,統計院長が立ち往生したように,地方は勝手に動く。今回の4兆元の景気刺激策の7割は地方,または民間の財源に頼って,まだ十分に動き始めていない,とも言われている。

ため込んでいた中国のエネルギーに関する記事を読み飛ばしてみたが,期待したほどの具体性がなく,失望した。しかし雰囲気として,気候変動問題がエネルギー政策に大きな影響を与えつつあるようで,中国を犯人呼ばわりする世界の流れに対して,中国は強制はされないが,既に舵を切っている,と言うことを何としても言わなければならない,と言う姿勢だ。

気候変動に対しては,やはり原子力で対抗,と言う筋書きは強く,原子力開発計画の見直しを大きく取り上げて行く方向である。今日の時点ではその量的な決定は発表されていないが,大きく方向を転換したい意向のようだ。特に中国は,風力も含めて,原子力機器の国産化が夢で,これを一つの目標にしている。現在の中国の原子力発電所は,沿岸部,6発電所,11機,9,070MWである。

日本も経団連が,1990年比4%増,を提言して,「笑いもの」,になっているが,いろいろなことを考えずに,電力会社の原子力発電所の稼働率に絞って話を進めるべきだろう。他のことをやっても影響は大きくないから,原子力発電所の稼働率をとにかく90%近くまで上げるための方策を,電力会社に徹底的に議論させるべきだ。日本の排出削減対策は,この一本にかかっている,と思う。その方策をボンで説明させるべきだ。


本文

●中国の計画委員会がエネルギー計画の刺激策を協議

China's top economic planning agency would soon submit a draft support plan of the country's new energy industry to the State Council for approval, the Shanghai Securities News reported Saturday.

中国のエネルギー開発の最高機関,国家発展改革委員会(注7)は,景気刺激策としての新エネルギー政策の策定をほぼ完了し,間もなく国家計画委員会SC(注5)に上程する予定である。刺激策の規模は未だ明確にされていないが,原子力,再生可能エネルギー,特に風力と太陽光に資金を投入する計画で,水力を除いて,現在の1.5%を,2020年に6%にあげると共に,原子力と風力の機器国産化を進める内容である。

(注)A (1) 090524A China, news.xinhuanet,(2) title: China's State Council to discuss stimulus plan for new energy industry,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/23/content_11422754.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-05-23 11:14:19,BEIJING, May 23 (Xinhua), (5) State Council,(6) Zhou Xi'an, an official of the National Bureau of Energy,(7) National Development and Reform Commission (NDRC)国家発展改革委員会,(8) nuclear power中国の原子力,(9) renewable energy as wind and solar power,(10) Liang Zhipeng, head of the new and renewable energy division of the Bureau,(11) 6 percent by 2020,(12) current 1.5 percent,(13) self-made equipment for nuclear and wind power facilities,(14)

今日の参考資料

●090524A China, news.xinhuanet
中国の計画委員会がエネルギー計画の刺激策を協議
China's State Council to discuss stimulus plan for new energy industry
http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/23/content_11422754.htm

最近の関連資料

●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506A.htm
●090412B CHina, ews.alibaba
中国の湖北省は更に多くの原子力開発を計画している
China's Hubei eyes more nuclear power projects - media
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412B.htm
●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301C.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/adachihayao/index090207B.htm
●090205D China, capital-en.trend
中国,2009年の電力投資,5800元
China to invest 580 bln yuan in power construction in 2009
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205D.htm
●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109E.htm


●中国の副首相が超高圧送電網UHVの技術発展を強調

Chinese Vice Premier Zhang Dejiang said it's important to develop ultra-high-voltage (UHV) power transmission technology as part of China's energy distribution strategy. Zhang made the remarks at an international conference on UHV power transmission technology which opened Thursday in Beijing.

中国は石炭や水力資源が,中国西部,南部に偏って存在し,長距離送電網の技術が必要で,今やその実績が世界の注目となっている。中国の超高圧送電網UHVは,100万ボルト交流送電か80万ボルト直流送電と定義して,それぞれ約2,000kmに及ぶ6つのラインを整備中で,ザン副首相(注5)が国家送電網(注11)の成果を中心に,そのUHV技術の重要性を強調した。

(注)B (1) 090524B China, dailymailnews,(2) title; Vice Premier stresses UHV power technology,(3) http://dailymailnews.com/200905/23/news/dmchinawatch01.html,(4) BEIJING,(5) Chinese Vice Premier Zhang Dejiang,(6) ultra-high-voltage (UHV) power transmission technology中国の超高圧送電網UHV,(7) China's energy distribution strategy,(8) strenuous 骨の折れる,(9) 7.4 trillion kilowatt-hours by 2020,(10) 1.47 billion kilowatts,(11) State Grid Cooperation of China (State Grid) or SGCC中国国家電網,(12) International Council on Large Electric Systems,(13) International Electrotechnical Commission,(14) voltage of 1,000kv or above in alternating current and 800 kv or above in direct current,(15) three more UHV power lines,number of China's UHV lines to six,(16) 300 million kilowatts by 2020,(17) Vice Premier Li Keqiang,(18) environmentally-friendly products,(19) Xie Zhenhua, deputy director of the National Development and Reform Commission,(20) obsolete 旧式の,(21) Jiangxi Huadian Power Corp. Ltd,(22) 2009 Beijing International Energy-saving and New Energy Technology Expo,(23) President Hu Jintao,(24) Vice Present Xi Jinping

今日の参考資料

●090524B China, dailymailnews
中国の副首相が超高圧送電網UHVの技術発展を強調
Vice Premier stresses UHV power technology
http://dailymailnews.com/200905/23/news/dmc

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●090429A China, shanghaiist
中国でモンゴルの電力が直接上海へ送電される
Shanghai's electricity direct from Mongolia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090429A.htm
●090223A China, forbes
中国の送電網先進技術が海外進出を狙う
Chinese utility tries to join electricity pioneers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090223A.htm
●090209D China, chinadaily
中国,四川から上海への超高圧送電線,2010年に向け突貫
China steps up in buliding UHV power line
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209D.htm
●090117C China, alibaba.com
中国国家電網,超高圧送電網整備に,146億ドル
China grid operator to spend $14.6 bln on UHV lines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090117C.htm
●081224C China, edubourse.com
中国,ABBが80万ボルト,遠距離送電の鍵となる変圧器テスト成功
ABB successfully tests ultrahigh-voltage transformer, key for power
http://my.reset.jp/adachihayao/index081224C.htm


●中国は原子力開発計画を改定し更に加速を図る動き

A Chinese energy official said Friday the government is considering an adjustment to its nuclear power development plan. The world's second-largest energy user will boost nuclear power development in coastal areas while scientifically planning nuclear power stations inland, said Zhou Xi'an, director of the General Affairs Department of the National Energy Administration.

内容は全然明らかにされていないが,中国は従来の原子力開発計画を見直しているようだ,更なる開発の加速と機器の国産化が大きな焦点のようだ。北京のセミナーで,国家エネルギー庁(注6)が示唆した。現在,中国の発電の70%は石炭だが,原子力は沿岸部に,6つの発電所があって11機の原子力が稼働中で,その容量は,9,070MWである。

(注)C (1) 090524C 中国,news.xinhuanet,(2) title: China considers changes to nuclear power development plan,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/22/content_11421222.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-05-22 22:07:27 Print,BEIJING, May 22,(Xinhua),(5) nuclear power development plan中国の原子力,(6) Zhou Xi'an, director of the General Affairs Department of the National Energy Administration,(7) 5th China Energy Strategy Summit in Beijing,,(8) 11 nuclear reactors at six plants,9.07 million kw,(9) Zhang Guobao, head of the National Energy Administration,(10) Qiu Shi (Seeking Truth),(11) Central Committee of the Communist Party of China,(12) 11th five-year plan (2006-2010),(13) wind power to 20 million kw in 2010 and 100 million kw in 2020,(14)

今日の参考資料

●090524C 中国,news.xinhuanet
中国は原子力開発計画を改定し更に加速を図る動き
China considers changes to nuclear power development plan
http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/22/content_11421222.htm

最近の関連事項

●090412B CHina, ews.alibaba
中国の湖北省は更に多くの原子力開発を計画している
China's Hubei eyes more nuclear power projects - media
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412B.htm
●090205D China, capital-en.trend
中国,2009年の電力投資,5800元
China to invest 580 bln yuan in power construction in 2009
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205D.htm


●中国はダム開発などに対して急旋回の政策転換を示唆

Premier Wen Jiabao has ordered an immediate halt to construction of a massive hydropower plant in Southwest China, which, if built, will dam one of the country's most scenic rivers, the Nujiang River. Wen's instructions included an in-depth and extensive study of the would-be impact on local ecology and local communities.

中国の温家宝首相(注5)が,怒江(注7)のダム開発について中止を命じ,更なる環境調査を要請したのは,2年ぐらい前の話である。人民日報が改めてここで取り上げたのは,北京で開かれた会議のせいであるが,温家宝首相(注5)はこの調査の監督をリクキアン副首相(注8)に指示している。温家宝首相の指示を,中国のエネルギー政策の大きな転換,と捉えた記事であるが,かなり抽象的である。

(注)D (1) 090524D 中国,english.people,(2) title: Suddenly, China embraces Green,(3) http://english.people.com.cn/90002/96743/6663643.html,(4) + - 13:12, May 22, 2009,By Li Hong, People's Daily Online,(5) Premier Wen Jiabao,(6) a massive hydropower plant in Southwest China,(7) Nujiang River怒江,(8) Vice-Premier Li Keqiang,(9) high-tech, low-carbon, top-caliber efficiency,(10) bio-diversity,(11) $586 billion stimulus spending plan,(12)

今日の参考資料

●090524D 中国,english.people
中国はダム開発などに対して急旋回の政策転換を示唆
Suddenly, China embraces Green
http://english.people.com.cn/90002/96743/6663643.html

最近の関連資料

●090506B China, english.people.com
中国の新疆自治区で貧困対策としての最大の水力プロジェクト
Xinjiang starts construction of its biggest poverty relief project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506B.htm
●090422A China, energy-business-review
中国は2020年までに長江に更に20の水力を建設
China To Build 20 Hydroelectric Projects In Yangtze River System By 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090422A.htm
●090422B China, waterpowermagazine
中国の三峡貯水池が長江下流の気候変動へ影響している
Climate change blamed for lower Yangtze basin rainfall
http://my.reset.jp/adachihayao/index090422B.htm
●090305B China, chinaknowledge
中国建設大手企業がチベットのブラマプトラで水力開発
Gezhouba gains a record RMB 1.14 bln hydropower contract
http://my.reset.jp/adachihayao/index090305B.htm
●090125C China, gokunming.
中国の雲南,蒋高明教授が視察,環境が足らないと
Yunnan news roundup
http://my.reset.jp/adachihayao/index090125C.htm
●090117B China, ndiainfoline.com
中国,チベットのヤールン水力建設へ
China may build power plants on Yarlung Tsangpo: report
http://my.reset.jp/adachihayao/index090117B.htm
●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu
http://my.reset.jp/adachihayao/index081212B.htm


2009年5月23日分 ー インドネシアの第2次電源開発は地熱重点 ー

我々の関心国の中での政局が動いている。インドは正式にシン首相を再任した(注2)が,記事では,任期内にもソニア・ガンジー国民会議派総裁の長男ラフル氏(38)に首相職を譲る,と予想している。また心配していたネパールの毛派のプラチャンダーは,穏健に下野するとの見通しで,第3党の統一共産党幹部,マダブ・ネパール元書記長(56)が首相のようだ(注3)。インドネシアの大統領選挙はどうなるか。

インドネシアの大統領選挙は,2009年7月8日で,ユドヨノ大統領が優勢,ただ注目していたカラ副大統領は下野のようで,副大統領候補には,ブディオノ中央銀行総裁(66)とされている(注1)。全国に亘っての電力不足の中,選挙は大変である。今回も立候補すると思われるメガワティさん,2004年5月に日本を訪問し,住友商事の当時の岡社長にタンジュンジャティへの投資を懇願したのが,第1次クラッシュプログラムの始まりだった。

第1次,10,000MW,石炭火力を中心としたクラッシュプログラムは,結局,中国勢が主導権を持って進めており,石炭火力とダムに関しては,日本企業は歯が立たない,と言うよりは中国に任せておけ,と言う感じだが,資金調達で,中国とインドネシアの間に摩擦が生じている,その後どうなったか。今日の話題は,この第1次に続く第2次の10,000MWクラッシュプログラムが主題である。

2008年9月7日の記事を振り返ると,再び住友商事が登場し,当時のプルオノ局長の談話では,第2次クラッシュプログラムの先陣を,タンジュンジャティB火力の2号機,660MWで切り,JBICも支援することになっていた。当時,日本側は沈黙を保っていたが,現時点でもまだ発表はないようだ。建設費の問題があるのかも知れない。そうして今日は,この第2次に,プルタミナの登場である。

プルタミナは,15の地熱発電プロジェクトに関して,PLNと予備契約を交わした。まだ具体的な内容も価格も書かれていないようで,地熱エネルギーをプルタミナが供給し,PLNが発電する,と言う方法も残されているようだ。第2次は,地熱発電が4,733MW,水力発電が1,174MWで,石炭とガス火力が残りの,4,056MW,とされている。スマトラやスラウエシの水力開発にも,期待のかかるところだ。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090516AT2M1502Q15052009.html
(注2) http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009052302000081.html
(注3) http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090518-OYT1T00800.htm


本文

●インドネシアのプルタミナが地熱で第2次クラッシュ参入

State oil and gas company PT Pertamina is preparing to sign a head of agreement (HoA) with state electricity company PT PLN in the second phase of the government-sponsored 10,000 megawatt (MW) power plant program.

インドネシアの第2次クラッシュプログラム(注11),第1次の石炭火力10,000MW開発に続く第2次の10,000MW開発計画であるが,第2次は代替エネルギー中心で進める,とされているが,まだ具体的には明らかになっていない。この状態の中でのプルタミナ(注5)の地熱発電開発(注10)の申し出である。今回,プルタミナ(注5)とPLN(注7)の間で交わされた予備契約HOA(注6)がそれである。

プルタミナ(注5)のサルジト報道官(注9)は,合意書についてはまだ調整中だ,と語っている。今回の予備契約HOA(注6)の中には,15の地熱発電プロジェクト(注10)を対象としている。プルタミナ(注5)が完全に発電所を運営してPLN(注7)に電力を供給するのか,または発電所はPLN(注7)が建設してプルタミナ(注5)が地熱エネルギーを供給するのか,どちらの方法でもよい,とサルジト報道官(注9)は言っている。

問題は,今回の予備契約HOA(注6)には,これらの地熱発電所の電力の価格については,何も記述されていないことである。サルジト報道官(注9)は,これは単なる予備契約HOA(注6)だ,と言っている。第2次クラッシュプログラム(注11)は,代替エネルギー(注12)とされ,地熱4,733MW,水力1,174MWで,石炭とガス火力が残りの,4056MW,とされている。

(注)A (1) 090523A Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Pertamina prepares second phase HoA for 10,000 megawatt program,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/22/pertamina-prepares-second-phase-hoa-10000-megawatt-program.html,(4) The Jakarta Post | Fri, 05/22/2009 5:54 PM | National ,(5) PT Pertamina,(6) head of agreement (HoA),予備契約,(7) PT PLN,(8) second phase of the government-sponsored 10,000 megawatt (MW) power plant program,(9) Pertamina’s spokesman Adiatma Sardjito,(10) geothermal power plant projects,(11) second phase of the crash program,(12) alternative energy sources,(13)

今日の参考資料

●090523A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナが地熱で第2次クラッシュ参入
Pertamina prepares second phase HoA for 10,000 megawatt program
http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/22/pertamina-prepares-second-phase-hoa-10000-megawatt-program.html

最近の関連資料

●090407A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNがIPPからの売電単価を設定へ
PLN to set power purchase prices for independent producers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090407A.htm
●090227B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナへの補助金を大幅カットへ
Pertamina Govt braces for higher fuel subsidy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090227B.htm
●090211B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要
PLN should negotiate with China on funds, or local banks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211B.htm
●081225B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,プルタミナ,補助金2兆ルピアを期待
Pertamina expects fuel subsidies to cost Rp 2t next year
http://my.reset.jp/adachihayao/index081225B.htm
●081220C Indonesia, The Jakarta Post
南部スマトラ,インドなどが発電所など,40億ドル投資へ
India, UAE firms to build $4b smelter
http://my.reset.jp/adachihayao/index081220C.htm
●080907E Indonesia, Jakarta Post
インドネシアの第2次電源開発
http://my.reset.jp/~adachihayao/index3news0809.htm


●インドネシアのジャワ島などの電力危機に緊急措置

The Indonesian government would implement three plans to overcome nationwide power shortage and the rising power demands in regions, the national news agency Antara quoted a minister as reporting on Monday. The plans would be implemented through state-run power company Perusahaan Listrik Negara (PLN), State-Owned Enterprise (SOE) Minister Sofyan Djalil said.

インドネシアのメディアを経ての中国メディアの報道で,しかもエネルギー省ではないから,いろいろ理解困難なところがあるが,インドネシア政府が国会からジャワ島の外島の電力危機について,糾弾を受けている姿が浮かび上がる。国会議員から質問を受けたジャリル国営企業相(注6)は,広く国内全般の電力危機に,国営電力PLN(注5)によって,これを克服するために,3つの計画が実施されようとしている,と応えている。

ジャリル国営企業相(注6)によると,短期的には,ジャワバリ系統以外の外島で,発電機の借り上げと,余剰地域から不足地域への発電設備の移設によって対応すると。また,全国的には,10,000MWの第1次大規模電源開発計画(注7),クラッシュプログラムを推進中であると。それに,送電網の強化と,各自治体の需要抑制計画(注8)を進めていると。

昨年,2008年のPLN(注5)の発電設備は,29,200MWであるが,需要は,21,400MW(記事では,不足量,と書かれているが,ピーク需要であり,発電所の稼働率を考えると不足,と言う意味だろう。),であり,今後,9.69%の伸びが予想されている(10年間で9.69%伸びる,と書いてあるが,不正確な表現)。また,これから10年間で,送電網の増設計画は,44,257kmで,配電網の増設は,175,013km,であると。

またジャリル国営企業相(注6)は,長期の対策として,10,000MWの第2次電源開発計画(注9)を推進中で,全国に亘り,地熱発電と水力発電が中核をなす,と語っている。

(注)B (1) 090523B Indonesia, english.cri.cn,(2) title: Indonesia Sets Steps to Overcome Power Crisis,(3) http://english.cri.cn/6966/2009/05/18/1361s485637.htm,(4) 2009-05-18 19:22:29 Xinhua Web Editor: Yang Yang,(5) Perusahaan Listrik Negara (PLN),(6) State-Owned Enterprise (SOE) Minister Sofyan Djalil,(7) first phase of mega power plant project,(8) self-controlled power demands system,(9) second phase of the mega project,(10)

今日の参考資料

●090523B Indonesia, english.cri.cn
インドネシアのジャワ島などの電力危機に緊急措置
Indonesia Sets Steps to Overcome Power Crisis
http://english.cri.cn/6966/2009/05/18/1361s485637.htm

最近の関連資料

●090317B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府がプマラン石炭火力の入札開示へ
Govt to soon open bid for Pemalang power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317B.htm
●090225D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの航空機中国契約問題がPLN開発計画に影響
Merpati row may delay PLN 10,000 MW program
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225D.htm
●090213D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,中国が資金支援で,利子率上げを主張
China wants higher interest for PLN projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213D.htm
●090211B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要
PLN should negotiate with China on funds, or local banks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211B.htm
●090111C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,スラウエシで,新規発電所完成へ
New power plants for S. Sulawesi
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111C.htm
●081220C Indonesia, The Jakarta Post
南部スマトラ,インドなどが発電所など,40億ドル投資へ
India, UAE firms to build $4b smelter
http://my.reset.jp/adachihayao/index081220C.htm
●080907E Indonesia, Jakarta Post
インドネシアの第2次電源開発
http://my.reset.jp/~adachihayao/index3news0809.htm


2009年5月22日分 ー タイの国家石油の海外での活躍 ー

裁判員制度は理解できない,国から十分な待遇を受けて仕事を任されている裁判官が,国民をまるで徴兵するように強制的に指名して,従わなかったら20万円の罰金,これは徴兵制度と同じだ,誰だって仕事が忙しいときに強制的に徴用できる人員がいれば好都合,なぜ裁判官だけに国民を駆り立てるのか,と息巻いていたら,突然孫が,「裁判員の中に,もし真犯人が混じったらどうするのか」,大いに夕食の食卓が盛り上がった。

エコカーの問題だが,世界市場の規模で,HV(ハイブリッド)で2009年の68.4万台が,2020年には375万台に増え,EV(電気自動車)は2020年に13.5万台と予測している(注1)。もっともっと増えるだろう,と私は思う。問題の電池は,プリウスに乗っているのはニッケル水素電池で,日産などはリチウムイオン電池を考えており,2020年頃には大半がリチウムイオン電池に代わるという。

リチウム電池は,我々もパソコンでなじみ深いが,パソコンが熱くなるように,問題は熱で,それに価格の問題が伴う。我々が問題にするのは,耐用年数で,トヨタの説明は,10年ぐらいは大丈夫だ,と言っているが,ちょっと信用できないところがある。10年,20年と言えば,揚水発電所の耐用年数と同じぐらいになってしまう。友人は,事故にあったら真っ先に潰れるだろう,と心配している。それはガソリンエンジンも同じと思うが。

今,この6月にボンで開かれる温暖化会議で,日本の提案の内容で国内が揺れているが,誰が考えても自動車は将来,ガソリンを焚くのは止めて欲しい,と思う。だからおそらく,バッテリー自動車は,今日の新聞予想以上に,もの凄く急激に普及するのではないか。中国も含めて,各国が原油やガスを求めて世界を駆けめぐっているのは,その大きな部分を,ガソリン車を含む運輸航空の要求が占めているのではないか。

中国国家石油が世界の資源を求めて動き,日本企業も,JBICなどの支援を得て海外資源の開発に力が入ってきたが,タイ湾の天然ガスで鍛えたタイ国家石油も,世界に飛び出して行っているのである。タイ国家石油PTT傘下の石油ガス探査企業PTTEP(注5)のアノン社長(注7)は,この世界金融危機の中,中長期の視野から,探査を継続するその目標は2020年で現在の4倍の日当たり90万バレル石油等価BOED(注6)を目指す。

この記事の中で,FLNG(注16)と言うのが出てくる。私は知らなかったが,海上に浮上している設備の中で,天然ガスの生産からLNGまで一貫して行ってしまうプラットフォームで,ガス包蔵の小規模化に伴って出てきた発想で,ナイジェリアの例があるようだ。経済的に成り立つのかどうか,難しい問題だろうが,人類がいろいろと生きるためのエネルギー資源への新たな発想を出してくる。

ただ,今日出てきた電気自動車の問題で,おそらくハイブリッドでは人類は満足出来ないだろう,行き着くところはHVでなくEVであり,エネルギー源は全面的に発電所に依存することになるだろう。結局,今,温暖化ガスの30%と言われている自動車が,すべて発電所に乗りかかってくるわけで,発電所がそれを同じ石油で発電していたのでは,余り大きな革命とは言えず,電気自動車の増分は,原子力,水力,早晩,その話になるだろう。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905220018a.nwc

本文

●タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと

Despite the cyclical downturn of the upstream petroleum industry, PTT Exploration and Production Plc (PTTEP) is confident it can increase petroleum production to 900,000 barrels of oil equivalent per day (boed) by 2020.

中国国家石油が世界の資源を求めて動き,日本企業も,JBICなどの支援を得て海外資源の開発に力が入ってきたが,タイ湾の天然ガスで鍛えたタイ国家石油も,世界に飛び出して行っているのである。タイ国家石油PTT傘下の石油ガス探査企業PTTEP(注5)のアノン社長(注7)は,この世界金融危機の中,中長期の視野から,探査を継続する,その目標は2020年で現在の4倍の日当たり90万バレル石油等価BOED(注6)を目指す。

アノン社長(注7)によると,2013年に,301,000BOED(注6)を目標とし,その7年後の2020年には,現在の生産量,240,000BOED(注6)から,その4倍の,900,000BOED(注6)とする計画という。そのために,2013年までの投資額は,4,850億バーツ,約141億ドル相当,であると。この起爆力となるのは,会社の保有する現金,人材,石油備蓄量だと。

PTTEP(注5)は,この数年間の海外でのE&Pライセンス(注9)取得の努力を続け,今では,世界13カ国,40石油プロジェクト(注8)を運営しているが,主たる国は,エジプト,イラン,ニュージーランド,オーストラリアである。現在問題となっているのは,E&P用架台(注10)で,最近の鋼材の値下がりを考慮すると,架台(注10)メーカーは,大幅に値下げしてきている。昨年,2008年は,必要な架台,20〜30基調達が困難であった。

E&P用架台(注10)は,1基が20百万ドルもするので,最近の鋼材の値下がりで10%は安くなり,全体としては大きな節約になる。現在,PTTEP(注5)の手持ちの資金は,原油の値上がりの引き当てで,500億バーツがあり,また,先週,2009年5月半ば,400億バーツ相当の社債を発行している。また,人材に関しても,地質専門家,石油技術者,エンジニアーなどを育成しており,将来に備えている。

地震探査(注13)などの技術は,タイ湾の経験を生かして養成しているが,成功率は70%に達しており,世界的な標準50%よりもかなり高い。また,深海プロジェクト(注14)も,アンダマン海(注15),オーストラリア,ニュージーランドなどで手がけている。また新しい技術であるFLNG(注16)も,オーストラリアで準備中で,オーストラリア企業クージー(注17)の資産とE&Pライセンス(注9)を,入手中である。

PTTEP(注5)は,2008年末現在で944百万BOED(注6)の備蓄があり,この数字はミャンマー沖のM9ブロック(注18)とオーストラリアの一部の油田を除いたものである。昨日,2009年5月19日のバンコク市場のPTTEP(注5)の株価は34億バーツの取引高で,9.50バーツ上昇の,127.50バーツとなり,好調を維持している。

(注)A (1) 090522A Thailand, bangkokpost,(2) title: PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020,(3) http://www.bangkokpost.com/business/economics/16999/pttep-to-raise-output-over-decade,(4) By: YUTHANA PRAIWAN,Published: 20/05/2009 at 12:00 AM,Newspaper section: Business,(5) PTT Exploration and Production Plc (PTTEP),(6) oil equivalent per day (boed),(7) CEO Anon Sirisaengtaksin,(8) petroleum projects,(9) exploration and production (E&P) licences,(10) E&P platform producers,(11) corporate bond issue,(12) Gulf of Thailand,(13) seismic testing,(14) deep-sea projects,(15) Andaman Sea,(16) floating liquefied natural gas (FLNG),(17) Australia-based Coogee,(18) M9 block in Burma,(19) SET,(20) http://www.jstage.jst.go.jp/article/japt/73/1/73_74/_article/-char/ja,(21)

今日の参考資料

●090522A Thailand, bangkokpost
タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと
PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020
http://www.bangkokpost.com/business/economics/16999/pttep-to-raise-output-over-decade

過去の関連資料

●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213A.htm
●090201A Thailand, the nation
タイのEGAT,マモーの石炭生産で,許認可取得,890億バーツ
Egat gets go-ahead for further Mae Moh mining
http://my.reset.jp/adachihayao/index090201A.htm
●081129A Thailand, Bangkok Post
EGAT,インドネシアで,炭坑権利取得
Egat gets mining approval in Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index081129A.htm


2009年5月21日分 ー フィリッピンの電気料金との戦い ー

新型インフルエンザに対し,1957年以前に生まれた人は免疫を持っている(注1),と言うのは,新説である。1957年は昭和32年,52歳以上と言うことか。丁度,企業の戦士は年頃で,まさに部長クラスから役員へ進もうとしている人々だ。これからは企業の会議室でも,52歳より若い人はすべてマスクをして,52歳以上はフリー,と言うことになる。マスクを付けていないことが一つのステータス。

経済は底を打った,という説が,日本のみならずアジアでも広がっている(注2,注3)。この話の中に出てくるシャープの社長の言葉,「最先端分野の事業でも,日本だけから輸出するのは時代遅れだ」,という。これも電池や太陽光発電の話だが,今日のフィリッピンの電気料金の問題と繋がってくる。フィリッピンの国会議員達が心配しているのは,高い電気料金のため,日本企業などが逃げるのではないか,と言うことだ。

インドネシアの電力危機は今でも続いているが,インドネシアを拠点に事業を展開する日本企業は,あれだけ大きな日本のODAを注ぎ込んでおきながら,どうして電気が足りないのか,と政府のODA担当者に不満をぶちまけるビジネスマンもいた。まさに仰るとおりで,フィリッピンの場合も,どうして電気代が高いのか,と外国企業からは,不満の声が聞こえる。

電力改革が進めば安くなる,と言い続けるフィリッピン政府であるが,電力自由化が果たして電気料金の低減の繋がるかどうか,疑問である。私はおそらく電源構成に手を付けなければ解決できない,と思っているが,フィリッピン政界では,あの手この手と政策を打ち出してくる。今日の記事に出てくるエンリレ上院議長は,再生可能エネルギーなど,エネルギー構造改善に熱心な議員の一人だ。

エンリレ上院議長は,電気事業の税金構造の改革で,この高料金問題に対処しようとしている。特に問題にしているのは,再生可能エネルギーではない国産資源,原油,石炭,天然ガスへの,政府の権利使用料,ロイヤリティの改善を求めている。それと12%に達する付加価値税だ。これらを法律で軽減することによって低減を狙うが,税収不足は,景気刺激策と考えろ,と言っている。

先日は,フィリッピンのレイエス・エネルギー長官が,バターン原子力発電所の修復を提案し,国内で議論を呼んでいる。エネルギー長官は,再生可能エネルギーを入れるならば,その底にベースとなる発電所が必要で,それは化石燃料でないとしたら原子力だ,と理路整然と述べたが,今日は一転して,国民が賛成しなければやらない,まず人材育成だ,と急にトーダウンしてしまった,長官,あなたは正しいと思いますよ。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090521AT2M2102721052009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090521AT2M2102B21052009.html
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905210017a.nwc

本文

●フィリッピンの原子力でエネルギー長官が関係者の同意が条件

All efforts aimed at reviving the operations of the mothballed Bataan Nuclear Power Plant (BNPP) may just end up in the dumps, with the Department of Energy (DoE) setting primary condition that such must first thrive as an acceptable proposition to stakeholders.

今月初旬,2009年5月2日の資料,フィリッピンのレイエス・エネルギー長官(注7)が,棚上げされているバターン原子力発電所BNPP(注5)について,その回復を行うべく,広く呼びかける演説を行って,いよいよフィリッピンが原子力発電所開発に踏み切るか,と憶測を呼んだ。エネルギー長官(注7)の発想は,再生可能エネルギーを投入するなら,それなりの安定電力が必要,との説明であった。

今日の報道は,その反響の大きさから,少しトーンダウンした表現である。バターン原子力発電所BNPP(注5)の再開に関しては,エネルギー省DOE(注6)が,まず関係者の同意を得る必要がある,との発言になった。記者団から,バターン原子力発電所BNPP(注5)の再開に関して聞かれたレイエス長官(注7)は,国民の同意が条件で,毎日のようにデモを仕掛けられるのは避けたい,と応えている。

5月初旬に積極的な意見を述べたレイエス長官に対して批判が集中し,長官はトーンダウンした,と見られている。レイエス長官は,規制上,財政上,人材上,10〜15年は必要,と述べている。特に人材について,原子力発電所の設計,建設工事,運転,維持管理についての人材は,今のところない,と明言している。これからでは3代の政権に亘る必要があり,現アロヨ政権(注9)は,人材育成に集中することになると。

改訂されたフィリッピン・エネルギー計画PEP(注10)を具に見ても,現政権のみでこの重荷を支えきる体制にはないと。PEP(注10)は明らかに,原子力開発は2025年だ,と示唆している。原子力発電の投入は,それほど急がれてはいない。エネルギー省DOE(注6)によると,原子力の投入は2025年で,規模は600MWと考えられている。

エネルギー計画の専門家によると,2035年のエネルギー使用量は,3.54百万トン原油等価MTOE(注11)で,このうち0885MTOE(注11)を原子力で置き換える計画である。エネルギー省DOE(注6)は,長期エネルギー計画を,世界の諸国の例のように,30年の長期の幅に持ってきている。


(注)A (1) 090521A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Reyes sets ‘stakeholder support’ as condition for BNPP revival,(3) http://www.mb.com.ph/node/201071,(4) By MYRNA M. VELASCOMay 18, 2009, 6:07pm,(5) Bataan Nuclear Power Plant (BNPP),(6) Department of Energy (DoE),(7) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(8) country’s nuclear renaissance program,(9) Arroyo administration,(10) updated Philippine Energy Plan (PEP),(11) million tons of oil equivalent (MTOE),(12)

今日の参考資料

●090521A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの原子力でエネルギー長官が関係者の同意が条件
Reyes sets ‘stakeholder support’ as condition for BNPP revival
http://www.mb.com.ph/node/201071

最近の関連資料

●090502A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのレイエス長官が原子力開発決断か
RP studying energy mix, including nuclear
http://my.reset.jp/adachihayao/index090502A.htm
●090304C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマカティ市長が原子力よりも地熱を開発せよ
Geothermal, not nuclear power, Binay advises
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304C.htm
●090128A Philippines, pinoypress
フィリッピンのバターン原子力,議会の動きに注意喚起
Scientists Caution Solons on Move to Reopen Bataan Nuclear Plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090128A.htm


●フィリッピンの電気料金抑制のため上院が2法案を準備

For what he termed as ‘stimulus package’ for electricity consumers, Senate President Juan Ponce Enrile is giving his best to push for the passage of twin measures aimed at lowering the cost of power paid by Filipino rate payers.

アジアで日本に次いで高いフィリッピンの電気料金,制度上の問題で解決できるのか,甚だ疑問であり,電源構成の見直しが必要と思うが,議会は一生懸命である。このエンリレ上院議員(注6)は,再生可能エネルギー法(注15)の時も主導したが,再び,電気料金低減に向かって動く。今回は,景気刺激策(注5)の中で,2つの法案を組み合わせて,電気料金を抑えようとしている。

第一のSB3147(注7)は,電気事業者に均一営業税UFT(注8)を課すものであり,SB3148(注9)は,国産エネルギー資源の原油,石炭,天然ガスに対する権利使用料ロイヤリティの不公平を是正しようとするものだ。SB3147(注7)は,他の国及び地方の諸税に代わって総配電収入に3%の税金をかけるものだ。これは営業税(注8)と法人所得税(注12)の上に,12%の付加価値税VAT(注11)を課そうとしている政府案と対極だ。

勿論,これらはすべて最終的に需要家への請求書に含まれることになる。エンリレ上院議員(注6)は,2法案が成立すれば,産業界にも貧困層にも大きな助けになり,アジアで2番目の高い料金に歯止めが打てると。SB3148(注9),電気料金低減法案(注14)は,再生可能エネルギー法(注15)で規定されていない国産エネルギー,原油,石炭,天然ガスに対して,公正さを保つことが可能になると。

エンリレ上院議員(注6)によると,国産エネルギー,原油,石炭,天然ガスに対して,現在政府によって徴収されている,探査,開発,生産事業の権利使用料ロイヤリティは,すべて3%に抑えられ,フィリッピン需要家のすべてに大きな益をもたらす。これは,政府支出としては,世界で実施されている景気刺激策の一貫である,と考えるべきだと。現在,委員会で止まっている2法案の通過に全力を尽くすと。

需要家はこれによって浮いた費用を消費に回すことになるし,産業界も,国際市場の中で有利な立場を確保することになると。

(注)B (1) 090521B Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Enrile pushes twin measures to pare electric power rates,(3) http://www.mb.com.ph/node/201171,(4) By MYRNA M. VELASCOMay 19, 2009, 2:47pm,(5) stimulus package,(6) Senate President Juan Ponce Enrile,(7) Senate Bill 3147,(8) Uniform Franchise Tax,(9) SB 3148,(10) indigenous energy sources,(11) value added tax (VAT),,(12) corporate income tax,法人所得税,(13) abyrinth 混迷,(14) Electricity Rate Reduction Act,(15) Renewable Energy Act of 2008,(16) economic relief,(17)

今日の参考資料

●090521B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの電気料金抑制のため上院が2法案を準備
Enrile pushes twin measures to pare electric power rates
http://www.mb.com.ph/node/201171

過去の関連資料

●090218B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの議会報道官が原油規制緩和法の見直しを視野
Oil deregulation review sought
http://my.reset.jp/adachihayao/index090218B.htm
●081224B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,NPCが発電単価を全国で上げるよう申請
NPC seeks generation rate hikes for all grids
http://my.reset.jp/adachihayao/index081224B.htm
●081221B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,規制委員会,料金自動調整で公式提示
ERC sets formula on automatic recovery of NPC’s purchased power, forex costs
http://my.reset.jp/adachihayao/index081221B.htm
●081217A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名
President signs law promoting renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index081217A.htm
●081216C Philippines, Manila Bulletin
マニラ配電,大規模ユーザーが,貧困層料金負担
Bigger consumers to shoulder costs of subsidy for Meralco lifeline users
http://my.reset.jp/adachihayao/index081216C.htm


●フィリッピンのマニラ電力の総会で料金問題が主題に

フィリッピンのマニラ配電は,ルソン系統の60%の配電事業を握る巨大電力企業であるが,ロペス財閥に支配されてきた資本構造が大きく変化し,サンミゲールSMC(注7)がしょい本買収を仕掛け,アン社長(注9)以下4人の取締役を送り込む。ロペスに対抗するSMCが,マニラ配電MERALCO(注5)の販売電気料金にメスを入れると言う名目で,今月,2009年5月26日の株主総会(注6)に注目が集まっている。

2009年5月26日のMERALCO株主総会が,目前に迫ってきた。新しく経営陣に乗り込むサンミゲールSMC(注7)は,如何にして電気料金を安く抑えるか,で理論武装を始めている。ブロードバンドを武器に,と考えていたが,アン社長(注9)は,MERALCO(注5)が,特別に契約しているIPP電源の受電を最適化する方法があれば,それも一つの論点だ,と言っている。

アン社長(注9)のサンミゲールSMC(注7)グループに対抗するのは,ロペス-パンギリナン連合(注11)である。パンギリナン(注12)は,フィリッピン長距離電話PLDT(注12)を経営する事業家である。両派はこれまで,発電所の最適化,を仮の命題に小競り合いを演じてきた。それは,ロペス財閥の家長の位置にあるオスカー・ロペス(注14)を意識したものである。

ロペス側は,「何かが起こるぞ(注15)」といいながら,電気料金低減を材料に,両者のにらみ合いが続いている。

(注)C (1) 090521C Philippines, Manila Bulletin, (2) title: To bring down Meralco rates SMC mulls ‘plant optimization’ formul,(3) http://www.mb.com.ph/node/200969,(4) : aBy Myrna M. VelascoMay 17, 2009, 6:25pm,(5) Manila Electric Company (Meralco),(6) Meralco stockholders’ meeting,(7) San Miguel Corporation (SMC),(8) broadband connectivity,(9) SMC president and chief operating officer Ramon S. Ang,(10) contracted independent power producers (IPPs) of Meralco,(11) Lopez-Pangilinan group,(12) businessman Manuel V. Pangilinan of the Philippine Long Distance Telephone Co,(13) squabble 小競り合い,(14) Lopez patriarch Oscar M. Lopez,(15) “That’s they way it should be,” 何かが起こるぞ,(16)

今日の参考資料

●090521C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ電力の総会で料金問題が主題に
To bring down Meralco rates SMC mulls ‘plant optimization’ formul
http://www.mb.com.ph/node/200969

最近の関連資料

●090502B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのサンミゲールがインドネシアの石炭へ資本参加
SMC in talks to buy into Indon coal firm
http://my.reset.jp/adachihayao/index090502B.htm
●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of directors
http://my.reset.jp/adachihayao/index090322B.htm
●090319A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の資本増強競争白熱
First Pacific-Lopez alliance to control Meralco board
http://my.reset.jp/adachihayao/index090319A.htm
●090310C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の2009年は伸びフラット
Meralco sees flat growth in 2009 electricity sales
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310C.htm
●090128B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,マニラ配電の社長人事,イエスス氏
As SMC takes 4 board seats De Jesus named Meralco President
http://my.reset.jp/adachihayao/index090128B.htm


2009年5月20日 ー 中国の黄河上流で最大の水力運転開始 ー

新型インフルエンザは,少し落ちついてきたのか,テレビのニュースでも扱いが小さくなってきた。今日は滋賀県で休校が決まったようだが,WHOでも日本の広がりを注視しているが,重症度についても考慮して事態の推移を見つめる,と言うことは,広がっても深刻さはない,という見方か。確率が小さくても広がれば犠牲者の出る可能性。昨日,車で茨木の町に出て一句浮かぶ,「茨木は,マスク姿で,皆美人」。

昨夜のCNNを見ていると,湖錦濤主席がブラジル大統領をエスコートして,堂々,足早に演壇に登る姿を映し出した。中国がブラジルの油田に100億ドル投資(注1),100億ドルですよ。これにより中国へブラジルは,とりあえず,15万〜20万バレルの石油を輸出する。中国はカザフスタンの石油にも100億ドル投資したところだ。ブラジルとの決済はドルを使わないことが話し合われたとか。

パナソニックが中国のエネルギー開発を通して環境支援を行う,とフォーラムで発表した(注2)。その骨子は太陽光発電だという。パナソニックのブランド力強化,と言うが,中国の思惑と一致するのかどうか。中国は,風力は全力で開発するが,太陽光は基本的に採用しない,という方針を掲げている。太陽光は高いから中国になじまない,太陽光機器を開発して,海外輸出を図る,と言っていることを覚えておく必要がある。

中国が,競争相手であるブラジルと,原油を通してパートナーとなる情勢だが,原油がじわじわと上がっていることに気がついていますか。ニューヨーク原油先物相場,昨日,5月19日早朝の時間外取引で,バレル60ドル台に乗せてきた(注3)。ナイジェリアの情勢悪化がその要因という。60ドルというのは,2008年11月初旬,半年ぶりの高騰という。不気味である。

中国は,再生可能エネルギー,地球温暖化ガス削減の大きな武器として水力を挙げている。地方電化もすべて水力であるが,今日は歴史的なプロジェクトの完成を伝えている,黄河上流,西寧の南西80km,4,200MW,黄河水系最大の拉西瓦(ラシワ)峡水力発電所(注6)の1,2号機の送電開始である。ダムはコンクリートのアーチダムで高さ250m,黒四の180mを遙かに越す,8年がかりの工事であった。

(注1) http://www.chosunonline.com/news/20090520000030
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905200023a.nwc
(注3) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090520AT2M2000Q20052009.html

本文

●中国の黄河に於ける最大の水力発電所が運転開始

China began operating its largest hydropower station Monday on the Yellow River after eight years' construction, as the first two units of the Laxiwa Hydropower Station successfully connected to grid and generated electricity.

建設に8年をかけた難工事,黄河(注5)上流,青海省の貴徳県と和貴南県の境界,西寧から南西約80kmの黄河本流上に位置する,ラシワ,拉西瓦峡水力発電所(注6)の一部運転開始のニュースである。この月曜日,2009年5月18日,最初の2つのユニットが,送電網に繋がれ,送電を開始した。これは黄河の中で,最大規模の出力,最大高さのダム,最大送電電圧を誇る。

ラシワ,拉西瓦峡水力発電所(注6)の最終設備出力は,4,200MWで,ダムはコンクリートのアーチダム,高さ250m(黒四は180m)で,中国西部及び国家西東送電網の中核をなす発電所である。残りの4機のユニットは,2010年に運転開始の予定である。これで,黄河上流の水力発電所の規模は10,000MWを越えることになる。

(注)A (1) 090520A China, news.xinhuanet,(2) title: Largest hydropower station on Yellow River starts operation,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/18/content_11395672.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-05-18 16:05:05,XINING, 西寧 May 18 (Xinhua) --,(5) Yellow River黄河,(6) Laxiwa Hydropower Station,拉西瓦峡,青海省貴徳県和貴南県交界的黄河乾流上,(7) Qinghai Province青海省,(8) national West-East transmission project中国西東送電網,(9) photo source: http://zbb.ndrc.gov.cn/zbxx/zbxxny/W020080402510596481111.jpg,(10)

今日の参考資料

●090520A China, news.xinhuanet
中国の黄河に於ける最大の水力発電所が運転開始
Largest hydropower station on Yellow River starts operation
http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/18/content_11395672.htm

最近の関連事項

●China starts up major hydropower station-Xinhua
http://in.reuters.com/article/oilRpt/idINPEK18684620090518
●090223A China, forbes
中国の送電網先進技術が海外進出を狙う
Chinese utility tries to join electricity pioneers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090223A.htm
●090209D China, chinadaily
中国,四川から上海への超高圧送電線,2010年に向け突貫
China steps up in buliding UHV power line
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209D.htm
●090117C China, alibaba.com
中国国家電網,超高圧送電網整備に,146億ドル
China grid operator to spend $14.6 bln on UHV lines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090117C.htm
●081224C China, edubourse.com
中国,ABBが80万ボルト,遠距離送電の鍵となる変圧器テスト成功
ABB successfully tests ultrahigh-voltage transformer, key for power
http://my.reset.jp/adachihayao/index081224C.htm


●中国の地方に於ける水力開発は温暖化ガス削減に貢献

China's rural hydropower projects have become an important part of the rural infrastructure and a critical means of protecting the ecological environment, said Chen Lei, Minister of Water Resources Sunday.

この土曜日,2009年5月16日,浙江省(注10)の省都杭州(注9)で,地方水資源開発産業会議(注11)が行われ,チェンレイ水資源部長(注6)が出席した。チェンレイ水資源部長(注6)は,地方の水力開発は,地方のインフラ整備と生態環境の保護に大きな役割を果たすようになってきた,と強調した。

地方の水力発電所は,5,600万トンの標準石炭燃焼を削減し,140百万トンの炭酸ガス排出(注7)を削減,また,70万トンの硫化ガス(注8)を削減した計算になると。昨年,2008年には,99.6%の農村家庭が水力発電所の電力の恩恵を受けており,1980年の40%から比較すると,3億人がこの地方の水力開発の影響を受けたことになると。

2006年から2009年は,125億元,約18.4億ドル相当,の投資が行われて,400の県で,1,260MWの発電設備が地方電化によって増加した。2008年の大雪害や四川地震(注12)の影響を受けた地域では,石炭火力が大きな被害を受け,地方の小規模の水力発電所が,緊急の役割を果たしたと。中国の地方の水力のポテンシャルは,128,000MWと推定され,今後に大きな期待が寄せられている。

(注)B (1) 090520B China, news.xinhuanet,(2) title: China's rural hydropower plants help curb greenhouse gas emission,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/17/content_11388752.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-05-17 13:26:47,HANGZHOU, May 17 (Xinhua),(5) rural hydropower projects,(6) Chen Lei, Minister of Water Resources,(7) Carbon dioxide emissions,(8) sulfur dioxide emissions,(9) Hangzhou杭州,(10) Zhejiang Province浙江省,(11) industry conference on rural water resources,(12) Wenchuan earthquake,(13) Tian Zhongxing, head of the ministry's rural hydropower development department,(14)

今日の参考資料

●090520B China, news.xinhuanet
中国の地方に於ける水力開発は温暖化ガス削減に貢献
China's rural hydropower plants help curb greenhouse gas emission
http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/17/content_11388752.htm

最近の関連事項

●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301C.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/adachihayao/index090207B.htm
●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109E.htm
●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109E.htm


2009年5月18日分 ー インドとパキスタンの関係に重大関心 ー

新型インフルエンザ,まさに我が茨木はその渦中にあり,我が家の近くにある茨木保健所は,90人もの職員が全員出勤してフル稼働とか。橋下知事も桝添厚生労働相も,弱毒性,規制を緩めることで一致したようだが,規制を緩めざるを得ないことは理解できるが,感染者が増えるということは,弱者の罹患が増え,確率的に犠牲者も出るだろう,その時の世間の反応はどうだろうか,180度,世論は逆転するのではないか。

インドの総選挙が終わり,シン首相率いる国民会議派の勝利で,過半数には届いていないが,シン首相の続投は確定的,との今朝の新聞である。米国との原子力協定で国際的な位置を確実にしながら,貧困層にも一定の配慮を行った結果という。そう言う意味で,電気料金の農業優遇制度が,電力改革の足を大きく引っ張っている,とも言える。各州電力局の財政,特にマハラシュトラなど,注目に値する。

もう一つインドの問題はパキスタンとの関係である。あれほど温厚なインドのシン首相であるが,パキスタンとの関係に於いては,容易に妥協しない。特に,バギリハールダムの強行やキシャンガンガ水力の進め方を見ていると,全くパキスタン無視である。朝刊を読むと,ムンバイのテロ事件で,シン首相の妥協を許さないインドの世論があるようだ。生き残った犯人の一人の裁判が進行中で,パキスタンとの関係で大きな火種である。

このような中で,インダス河の常設委員会の会合が,ニューデリーで来週,2009年5月第4週,にも開かれるという。パキスタン側の記事であるが,極めて冷静,両国の関係の中でこのような場面があるとは,大いに期待が持てる。結果は分からないが,インドとパキスタンが,互いに両国のそれぞれの流域内のインダス水系を視察する計画もあるという。水問題で是非とも,雰囲気を改善して欲しいものだ。

また,インドの電源開発は,インド経済にとって最も重要なエンジンである。州政府の独立性からプロジェクトが遅れ気味,と言う報告を先日もしたが,火力公社NTPCが,17億ドルに上る中央銀行の借款を獲得して,この金融危機の最中,NTPCの大規模火力建設が進むことが期待される。NTPCは,石炭火力の効率化などで,日本政府の支援を得ており,日本の重電メーカーの活躍も期待される。

エコカーの問題。先日は招待されてトヨタの新型プリウスを見てきたが今日発売開始である(注1)。トヨタによると,既に8万台の予約が入っており,現時点の注文で手に渡るのは11月だとか。ハイブリッド車(HV)である。EVではないところに注目,トヨタによると電気だけで動くEVは放棄した。日産はまだEVに望みをかけている。プリウスはエンジンの自走で充電する,全部化石燃料源資,なぜ送電線からも補助的に充電可能にしないのか。

スリランカのフォンセカ陸軍司令官は18日,同国北部で抵抗を続けていた少数派タミル人の反政府武装勢力タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)を「完全に制圧した」と発表(注2)。今まで,日本のODAが一生懸命,スリランカの電力を支えてきたが,内戦はまさにスリランカODAののどに刺さった骨だった。問題は解決したのか。どうもそうではないらしい,タミル人の感情と,国際社会からのスリランカ政府への非難が続くことになる。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905190024a.nwc
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090519AT2M1802618052009.html


本文

●インドの規制委員会が近く火力と送電の料金で新しいルール

Electricity tariffs may change as power sector regulator CERC will soon announce new parameters determining the cost of generation and
transmission for thermal power projects. Now the power industry, as a thumb rule, considers Rs 4 crore per MW for determining the cost of projects and tariffs are determined based on this and transmission expenses.

インドの電力セクターの最大の問題点は,電気料金制度である。農業に対する優遇に州政府が固執するために,いずこも財政難で,電源開発にも少なからず影響してくる。電力料金を規制する電力規制委委員会CERC(注6)は,とりあえずその改善の一歩として,電気料金規制の上で,火力発電所と送電線の建設費の基準を作成する意向である,と言っている。

一定の基準として,火力発電所の建設費を,MW当たり4000万ルピー,KW当たり約835ドルとし,これに送電線を加算することを考えているようだ。CERC(注6)によると,これは基準であって法律的な規定ではない,技術と燃料の敏感度を考慮するもので,発電所の規模によっても変動する,と考えている。CERC(注6)はコンサルタントを雇用して検討する,KPMG(注8)を含むコンソーシアムになるだろう。

またCERC(注6)は,再生可能エネルギーのプロジェクト(注9)についても,建設費の基準を策定する意向で,小水力,バイオマス,太陽光,風力などを対象に考えており,一週間程度で原案を作成する考えである。

(注)A (1) 090518A India, Economic Times,(2) title: CERC to set new criteria of power generation, transmission,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/CERC-to-set-new-criteria-of-power-generation-transmission/articleshow/4542380.cms,(4) 17 May 2009, 1256 hrs IST, PTI,NEW DELHI:,(5) thumb rule,(6) Central Electricity Regulatory Commission (CERC),(7) legal sanction,(8) KPMG,(9) renewable energy projects,(10)

今日の参考資料

●090518A India, Economic Times
インドの規制委員会が近く火力と送電の料金で新しいルール
CERC to set new criteria of power generation, transmission
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/CERC-to-set-new-criteria-of-power-generation-transmission/articleshow/4542380.cms

最近の関連事項

●090219D India, Economic Times
インド政府が民間初電気業に3%のフリーアクセスを義務化へ
Power generators to sell power capacities through open access system
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090219D.htm
●090122B India, Economic Times
インドのCERC,公社事業の資本参入,IRR15.5%へ
CERC raises power returns base to 15.5% for five years
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090122B.htm
●090115B India, Economic Times
インド,送電公社が不満,発電地点の変更が頻発
PowerGrid seeks new IPP norms over location shifts
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090115B.htm
●081230B India, Economic Times
インド,大規模火力プロジェクトUMPP,5社が応札
5 power cos submitted bids for UMPP
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081230B.htm
●081227A India, dailytimes
インドの閣議,キシャンガンガ水力,承認,パキスタン紙
Indian cabinet okays Kishanganga project
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081227A.htm


●インドの火力発電公社NTPCがインド中央銀行から融資

Even as several private sector power projects are finding it difficult to financially close their new projects, country’s largest power
producer NTPC on Thursday entered into a loan agreement with State Bank of India (SBI) for Rs 8,500 crore.

世界金融危機の中,インドの膨大な電源開発への資金供給はどうなって行くのか,関心のあるところである。多くのプロジェクトが資金調達が遅れる中で,インド最大の電力企業NTPC(注5)は,木曜日,2009年5月14日,インド国家銀行SBI(注6)と,850億ルピー,約17.86億ドル相当,の借款の合意に達した。これは,SBI(注6)がかって電力企業に与えた最大のローンになる。

この850億ルピーに上るSBI(注6)の借款は,企業規模の拡大を意図するNTPC(注5)にとって,進行中のプロジェクトの大きな支えになる。NTPC(注5)は,2012年までに,新規に22,000MWを追加して,規模50000MWの発電企業となる計画である。ローンの期間は10年で,金利はSBAR(注7)に従う。NTPC(注5)によると,このローンは3年間で引き出し,現在進行中の発電プロジェクトに当てられると。

このNTPC(注5)の資金調達は,現在,ササーン大規模火力プロジェクト(注10)の資金調達を完了しようとしているリライアンス電力(注8)に肉薄するもので,ササーン大規模火力プロジェクト(注10)は,各銀行及び融資機関から,1,150億ルピー,約24.2億ドル相当,と,英国籍のインフラ投資企業IIFCL(注11)からの,5.5億ドルを確保している。

(注)B (1) 090518B India, Economic Times,(2) title: NTPC ties up Rs 8,500-cr SBI loan,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/NTPC-ties-up-Rs-8500-cr-SBI-loan/articleshow/4531819.cms,(4) 15 May 2009, 0057 hrs IST, ET Bureau NEW DELHI: ,(5) NTPC,(6) State Bank of India (SBI),(7) SBAR (State Bank Advance Rate),(8) Reliance Power,(9) close on the heels of,熱心に追跡する,(10) Sasan ultra mega power project,(11) IIFCL,(12)

今日の参考資料

●090518B India, Economic Times
インドの火力発電公社NTPCがインド中央銀行から融資
NTPC ties up Rs 8,500-cr SBI loan
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/NTPC-ties-up-Rs-8500-cr-SBI-loan/articleshow/4531819.cms

最近の関連事項

●090328B India, economictimes.indiatimes
インドのNTPCは水力の地元還元を更に増大させる計画
NTPC may get to allot more power to host states
http://my.reset.jp/adachihayao/index090328B.htm
●090321C India, Economic Times
インドで4つの大規模発電プロジェクトが再び発進する
Work resumes at four large power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090321C.htm
●090309C India, Economic Times
インドのリライアンスがササーン火力で資金調達完了へ
Financial closure for Sasan UMPP by March end
http://my.reset.jp/adachihayao/index090309C.htm
●090213C India, Economic Times
インド,NTPCが原子力開発へ参入へ
NTPC may enter into N-power biz
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213C.htm
●081230B India, Economic Times
インド,大規模火力プロジェクトUMPP,5社が応札
5 power cos submitted bids for UMPP
http://my.reset.jp/adachihayao/index081230B.htm


●パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う

Pakistan and India are to hold in the fourth week of current month in New Dehli the annual talks at Permanent Commission of Indus Waters (PCIW) level where in data with regard to floods and inflows in Indus basin system would be reviewed.

パキスタンとインドの水問題は,インドのキシャンガンガ水力(注13)の分水問題で加熱している。パキスタンとインドの関係が,オバマ大統領ばかりでなく国際的な大きな関心になってきているが,今日のようなインダス河の水問題の冷静な動きもある。これを重要視して,これからの両国の関係を進めるべきだ。外交問題が,水問題を話し合うことで緩和された例は,カンボジアの和平会議の例がある。

パキスタンとインドは,月内,2009年5月中,第4週に,ニューデリーで,インダス河水資源常設委員会(注5)の会議を持って,インダス河流域の洪水と流出の水文資料のレビューを行うこととなった。パキスタン側によると,この会議で,インドとパキスタンが互いに相手国のインダス河沿いの,堰やダム,河川流況,プロジェクトを視察することが,協議されることになっていると。

パキスタンのシャー委員長に率いられるインダス河国内委員会(注6)が,ラダック地区(注7)を訪問するかどうかについて,シャー委員長は,会議でラダック地区(注7)を訪問することで要請する,と応えている。このラダック地区(注7)では,現在インドが,3つの大規模ダム,それはパキスタンの息の根を止めることになるダムだが,それらを建設すべく,鋭意,工事を行っている地域内である。

最近のシェナブ川(注10)の水量の減量について聞かれたシャー委員長は,これはインドのバギリハールダム(注11)の影響ではなく,気象的な問題だ,と言っている。パキスタンとしては,状況を慎重に見て記録を残しており,インドがシェナブ川(注10)の水を減量させることは出来ないと。気温が低く,上流の氷の融解が遅れているのが理由だと。

また,シャー委員長(注6)は,インド側もパキスタン領域内の視察を要請するだろうと。インドとパキスタンの両サイドの水文資料の交換は,インダス水条約(注12)に従って,実施されると。両国間で問題になっているインドのキシャンガンガ水力(注13)については,世界銀行(注14)に訴える方向で進んでいる。キシャンガンガ水力(注13)は,28kmのトンネルにより,ニールム川(注15)の水を分流しようとしている。

このニールム川(注15)の下流では,パキスタンが,969MWのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注16)を進めている。記者が,インド側はニールム-ジェルム水力プロジェクト(注16)のサイトを訪問するのか,との質問に,当然である,インド側は会議でそれを要請するだろう,と語っている。

(注)C (1) 090518C Pakistan, pakobserver,(2) title: Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month,(3) http://pakobserver.net/200905/15/news/topstories10.asp,(4) Shah Hasan,Islamabad?,(5) Permanent Commission of Indus Waters (PCIW),(6) Pakistan’s Commission of Indus Water headed by Syed Jamaat Ali Shah,(7) Laddakh area,(8) Laddakh Area map: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Ladakh_locator_map.svg (9) strangulate 窒息させる,(10) Chenab river,(11) Baglihar project,(12) Indus Water Treaty,(13) Kishanganga Hydropower project,(14) World Bank,(15) Neelum River,(16) 969 MW Neelum-Jhelum hydropower,(17)

今日の参考資料

●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month
http://pakobserver.net/200905/15/news/topstories10.asp

最近の関連資料

●090510C Pakistan, nation.com
パキスタンはインドのインダス上流開発で世界銀行に訴え
Pakistan to take up water issue with WB
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510C.htm
●090428C Pakistan, dailytimes
パキスタンのニールムジェルム水力にIDBが融資へ
Pakistan, IDB likely to finalise 3-year financial package worth $577m
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428C.htm
●090418B Pakistan, greaterkashmir
パキスタンはジェルム川の分水問題で国際調停へ
Pak to move ICA against Jhelum diversion
http://my.reset.jp/adachihayao/index090418B.htm
●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://my.reset.jp/adachihayao/index090210B.htm
●090120B India, newspostonline
インドのヒマチャルプラデシュ,13水力を認可
Himachal Pradesh approves 13 hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120B.htm
●081227A India, dailytimes
インドの閣議,キシャンガンガ水力,承認,パキスタン紙
Indian cabinet okays Kishanganga project
http://my.reset.jp/adachihayao/index081227A.htm
●081213B Pakistan, pakobserver
ニールムジェールム水力,中東から775百万ドル
Neelum-Jhelum project Kuwait, S Arabia, Abu Dhabi ensure $ 775m funding
http://my.reset.jp/adachihayao/index081213B.htm
●081123A Pakistan, pakobserver
インダスの水問題,シェナブ川の実情を反映せよ
Reflecting Chenab water issue
http://my.reset.jp/adachihayao/index081123A.htm


2009年5月17日 ー ラオスの水力など再び動く気配 ー

ダムや堤防で水漏れが始まったとき,噴出口を一生懸命抑えるのは愚策で,上流側の対策をしなければダムは壊れる。政府は一生懸命やっているようで,航空機から大勢の人が解放されているのを見て,私は,片手落ち,と評したが,民主主義国家ではあれが精一杯か。中国のように乗客全員停留など出来ないのだろう。足下の茨木にも新型インフルエンザ。茨木,吹田,豊中,全校10日間閉鎖で,孫達は目を白黒している。

さて,ラオスの水力開発はしばらくなりを静めていた。昨年,2008年6月頃,私自身もあるプロジェクトの真っ直中にいたが,7月に原油が147ドルに高騰し,原材料の高騰を呼んで,まずパニックに陥ったのは重電メーカーだった,と私は思っている。ジェネコンも,一斉に殻の中に閉じこもってじっと嵐に耐えた。この時期のニュースを見ると,ラオスの水力やリグナイト計画が,どんどんパンクしていった。

この嵐が止み始めたのは,2008年の年末,原油や鋼材の価格動向を見ながら,嵐が過ぎた,と感じていた。私の勘だが,今のプロジェクトのコストは,2007年末時点のレベルに落ちているのではないか。あの一瞬の価格高騰で葬り去られたプロジェクトは,誠に不幸と言わざるを得ない。嵐が過ぎ去って木々の間から頭だけ出して様子を窺っていた開発企業は,一斉に動き始めたようだ。

タイは政治混乱に揺れているが,電力分野のテクノクラートも動き始めたようだ。まず,企業側が放棄していたラオスの1,650MWのホンサ・リグナイト石炭火力(注6)の買電を承認した。ラオス政府は,これに続いて,既に効力を失っている協定,440MWのナムグム第3水力(注16),523MWのナムトウン第1水力(注17)について,再度,買電協定を協議したい,と要請している。

また,これら以外のプロジェクトで,工事費の急騰によって開発不可能と判断されていたプロジェクト,例えば,ホンサ石炭火力(注6),ナムウー水力(注18),260MWのナムニエップ第1水力(注19)についても,同様に協議を開始したい,としている。また,現在工事中のナムトウン第2水力(注20)については,工事費の調整交渉をしたい,と言っている。また,サヤブリ水力(注21)も交渉のテーブルに載せたい意向だ。

世界最大規模の民主主義国,インドの選挙結果が判明(注1),最大与党の国民会議派が議席を伸ばして勝利,私の尊敬するシン首相は,そのまま政権を担当する勢いである。シン首相が危なかったのは,野党が,米国との原子力協定の批准に反対した時だ。当時外遊していたシン首相が,辞意を漏らして私を落胆させたが,これから再びインドの難しいエネルギー戦略に,シン首相が主導する。スリランカが最後の攻防(注2)。

遠くブラジル,三井物産がブラジルの国営石油会社ペトロブラスが計画している石油精製所建設プロジェクトに協力する(注3)。総事業費は111億ドル,約1兆600億円相当規模,石油精製設備は,ブラジル北東部のセアラ州,現地で採掘した原油を使って2013年をめどに石油製品の生産を開始する。原油処理量は日量30万バレルの見込みと。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090517AT2M1603A16052009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090516D2M1603F16.html
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905160125a.nwc


本文

●タイのエネルギー委員会がラオスのホンサ石炭火力を買電

The National Energy Policy Council recently approved a new proposed power purchasing agreement for Laos' Hongsa lignite-fired plant The original memorandum of understanding (MoU) approved by the Surayud Chulanont government had been abandoned by the project's developers after construction costs soared.

タイの政治が混乱し,更に昨年,2008年7月の原油及び建設資機材の価格暴騰,続いて世界の金融危機で,タイの電力開発計画は大きく揺れた。特に影響を受けたのはラオスの石炭火力と推力のタイによる買電計画である。今日の記事は,これらの問題に対する一つの新しい動きである。タイの国家エネルギー政策委員会NEPC(注5)は,ラオスの1,650MWのホンサ・リグナイト石炭火力(注6)の買電を承認した。

最初の両国間の覚書MOU(注7)は,前のスラユド政府(注8)によって結ばれていたが,諸物価高騰で,プロジェクト企業側が,放棄していたものである。今後は,EGAT(注9)とプロジェクト企業側との新規の買電交渉の段階に移る。ホンサ・リグナイト石炭火力(注6)の出力,1,650MWのうち,1,470MWをタイへ売電し,残り,175MWをラオス国内で消費する計画である。

プロジェクト企業側は,タイ企業のBAPNPU(注10)とラチャブリ(注11)がそれぞれ40%の資本を持ち,残りの20%をラオス政府が持つことになる。タイのエネルギー省の政策調整局タワラット局長(注12)によると,改訂2007電源開発計画PDP(注13)では,2015〜2018年に,近隣諸国から毎年450MWの契約を始めることとなっているが,価格が許せば,それを2011〜2015年に早めても良い,としている。

タイのエネルギー省(注14)筋によると,最近になって,ラオスのエネルギー開発促進局DEPD(注15)から,多くのプロジェクトについてタイのエネルギー省と話し合いを始めたい,との要請がなされているという。ラオス側は,既に効力を失っている協定,440MWのナムグム第3水力(注16),523MWのナムトウン第1水力(注17)について,再度,買電協定を協議したい,と要請している。

また,これら以外のプロジェクトで,工事費の急騰によって開発不可能と判断されていたプロジェクト,例えば,ホンサ石炭火力(注6),ナムウー水力(注18),260MWのナムニエップ第1水力(注19)についても,同様に協議を開始した,としている。また,現在工事中のナムトウン第2水力(注20)については,工事費の調整交渉をしたい,と言っている。また,サヤブリ水力(注21)も交渉のテーブルに載せたい意向だ。

(注)A (1) 090517A Thailand, nationmultimedia,(2) title: Hongsa Lignite power sale deal approved,(3) http://www.nationmultimedia.com/2009/05/11/business/business_30102331.php,(4) By WATCHARAPONG THONGRUNG,THE NATION,Published on May 11, 2009,(5) National Energy Policy Council,(6) 1,650MW Hongsa lignite-fired plant,(7) memorandum of understanding (MoU),(8) Surayud Chulanont government,(9) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(10) Banpu,(11) Ratchaburi Electricity Generating Holding,(12) Tawarat Sutabutr, director of the Energy Ministry's Policy and Strategy Coordination Office,(13) revised 2007 Power Development Plan,(14) Energy Ministry,(15) Department of Energy Promotion and Development,(16) 440MW Nam Ngum3,(17) 523MW Nam Theun 1,(18) Nam Ou,(19) Nam Ngiep 1,(20) Nam Ngum 2 project,(21) Xayabury hydropower project,(22)

今日の参考資料

●090517A Thailand, nationmultimedia
タイのエネルギー委員会がラオスのホンサ石炭火力を買電
Hongsa Lignite power sale deal approved
http://www.nationmultimedia.com/2009/05/11/business/business_30102331.php

過去の関連資料

●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090213A.htm
●081104A Laos, Bangoko Post
タイのソムチャイ首相,ラオスの水力促進へビエンチャンへ
Somchai visits Laos, presses for more dams
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081104A.htm
●080809A Thailand, Bangkok Post
ラチャブリ,ラオスの水力開発に遅れが
RATCH may delay overseas ventures
http://www.bangkokpost.com/090808_Business/09Aug2008_biz24.php
●080808C Laos, Bangkok Post
ASEANの閣僚会議,燃料備蓄問題とラオスの水力高騰を論ずる
Surin Region should build oil stockpiles
http://www.bangkokpost.com/080808_Business/08Aug2008_biz31.php
●080725A Laos, The Nation
ラオスの水力建設費高騰,EGATが買電できず
Delays force Egat to cancel laos electricity deals
http://nationmultimedia.com/2008/07/25/headlines/headlines_30078961.php
●080721B Mekong, The Star
メコン沿岸諸国,最近の景気悪化で開発に問題が
The Mekong dilemma
http://biz.thestar.com.my/news/story.asp?file=/2008/7/21/business/21867361&sec=business


2009年5月15日分 ー フィリッピンの主要石炭火力がIPPA入札へ ー

フィリッピンの二つの石炭火力,合計1,700MWのパグビラオ石炭火力とスワル石炭火力のIPPA入札が,2009年5月27日に実施されるという。相変わらずフィリッピンのゼロサムゲームだが,東京電力など,日本企業も関係していて,関心も深い。IPPをなぜIPPAに売りに出すのか,よく分からないが,NAPOCORの全量オフテーカー,引き取り手というのは,電力自由市場の形成に障害になるのだろう。

それなら一体誰が,どの様な企業がIPPAになるのか,よく分からないが,地元企業が主力になって引き取って,WESM,卸売市場に出すか,需要家を捜すのだろう。その時の売電単価はどうなるのか,NPCと長期に結んでいた買い取り契約はどうなるのか,しかし,いずれにしても包括電力改革法EPIRAが最高権威だから,それに従う必要があるのだろう。続いて関電のサンロケなどの水力もIPPA入札が行われるという。

この二つの石炭火力は,東京電力のBOTだから,いずれも2025年頃にはフィリッピン政府に譲渡することになる。本来はNAPOCORに譲渡する契約なのであろうが,これ以上NAPOCORは発電所を持つことは出来ないから,すぐにまた売りに出さなければならない。また東京電力が買うことになるのか,電力自由化も全く自由にならない窮屈なものだ。

このフィリッピンのBOT作戦を主導したJBICは,分割されてどうなったのか,JICAと一緒にならなかったJBICは政策投資銀行に吸収されたはずだが,今日も元気に新聞紙上を賑わしている(注1)。アフリカ開発銀行(AFDB)との関係強化に向けた覚書を締結,鉱物資源の安定的な確保に乗り出すという。アフリカは,人道支援から大きくインフラ支援に舵を切る途上にあり,電力インフラについても拍車がかかるか。

三菱電機が,ここに来て売上高20%拡大の事業計画を策定している(注2)。インドの火力関係発電機と米国の原子力が当面の目標だという,国内設備の拡大に乗り出す,と言うが,大丈夫かな。でも,明らかに電力産業は,世界不況の中でも盛んにうごめいており,沈滞してきた日本の重電メーカーも,今がチャンスかも知れない。石炭火力の高効率化にも大いに力を発揮して欲しい。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905150102a.nwc
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905150104a.nwc


本文

●フィリッピンのマニラ配電が再生可能エネルギーでメタン

A purchase contract concluded recently by the Manila Electric Co. (Meralco) with a methane-based power plant has underscored the power distributor’s continuing commitment to help preserve the environment, which is geared to the larger goal of sustainable development.

フィリッピンのマニラ配電MERALCO(注8)は,マニラ全域,ルソン系統の約60%の配電を担当する民間資本の配電企業であるが,国有電力公社NAPOCOR(注14)が電力改革で解体が進む中,フィリッピンの電力セクターで生き残る巨大企業として,いろいろな意味で注目を集めている。最近では,サンミゲールによる株買い占めで話題となったが,再生可能エネルギーへの関心を高めて,その生き残りを策して行く。

MERALCO(注8)は,最近,マニラ北東部の都市,リザール州のロドリゲス(注9),旧称モンタルバン(注15)をベースとするモンタルバン・メタン電力会社MMPC(注8)と,廃棄物から生まれるメタンガスを利用する発電所,8MWのメタン発電所(注8)の先導的な買電契約に同意した。メタンガスからでる温暖化ガスGHGは,燃焼の結果発生する二酸化炭素より地球に無害で,CDM(注17)の対象となる,と言う理屈である。

マニラ配電MERALCO(注8)は,元来は発電企業で,フィリッピンの環境に貢献してきた,と自負しており,歴史は古く,1929年に,ラグナのマジャイジャイを流れるボトカン川(注11)に,17MWのボトカン水力発電所(注10)を建設し,当時東アジア最大の規模を誇っていた,という歴史がある。その後,1936年にNAPOCOR(注14)に設備は接収されたが,その後も,マランパヤ発電所(注15)の買電など,努力を続けている。

(注)A (1) 090515A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Renewable energy Meralco’s new environmental thrust,(3) http://www.mb.com.ph/articles/205357/renewable-energy-meralco-s-new-environmental-thrust,(4) May 13, 2009, 2:49pm, (5) Manila Electric Co. (Meralco),(6) 8MW methane-based power plant,(7) pace-setting,(8) Montalban Methane Power Corp. (MMPC),(9) Rodriguez, Rizal,,(10) 17MW Botocan hydroelectric power plant,(11) Botocan River in Majayjay, Laguna,(12) Caliraya plant in Lumban, Laguna,(13) 528-KW mini-hydro plant in Nagcarlan, Laguna,(14) National Power Corp. (Napocor),(15) $4-billion Malampaya Natural Gas Project in Palawan,(15) Montalban,(16) waste-to-energy project,(17) Clean Development Mechanism of the Kyoto Protocol,(18) greenhouse gas (GHG),(19) carbon dioxide (CO2),(20)

今日の参考資料

●090515A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が再生可能エネルギーでメタン
Renewable energy Meralco’s new environmental thrust
http://www.mb.com.ph/articles/205357/renewable-energy-meralco-s-new-environmental-thrust

最近の関連資料

●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090404B.htm
●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of dir
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090322B.htm
●090319A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の資本増強競争白熱
First Pacific-Lopez alliance to control Meralco board
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090319A.htm
●090310C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の2009年は伸びフラット
Meralco sees flat growth in 2009 electricity sales
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090310C.htm


●フィリッピンのマニラ配電のロペス社長は居座り

Utility giant Manila Electric Company (Meralco) has debunked claims that Manuel M. Lopez will relinquish his post as chief executive officer (CEO) after the company’s annual stockholders’ meeting on May 26. Lopez Group patriarch Oscar M. Lopez earlier told media that his brother will retain his chairmanship in the company’s board but will be stepping down as CEO.

フィリッピン最大の配電企業,マニラ配電MERALCO(注5)の人事権の主導争いである。長く,MERALCOを支配し続けてきたロペス財閥が,政府やサンミゲールの資本買収戦略の中で,如何に生き残るか,腐心しているところだが,フィリッピンの電力改革の進展と共に,この巨大企業の行き着く先が大いに関心を呼んでいる。

現在の会長職兼CEOであるマニュアル・ロペス氏(注6)は,会長職に留まることは断念したが,CEO(注7)に留まる見込みである,との情報をすっぱ抜かれた。2009年5月26日の株主総会(注8)で正式決定される。ロペス財閥の家長であるオスカー・ロペス氏(注9)は,その弟であるマニュアル・ロペス氏(注6)が,CEOに格下げで,MERALCO(注5)に留まることを明らかにした。

MERALCO(注5)のミグエル・ロペス副社長(注10)は,MERALCO(注5)運営の人事の決定権は,取締役会(注11)が持つことになる,としている。オスカー・ロペス氏(注9)は,新任のジェスス社長(注12)がCOO(注13)として,全般的な運営に当たる,と明言している。今回,経営陣に入った元PLDTのパンギリナン氏(注14)とロペスグループが,強固な関係を構築した,と言えるのか。

(注)B (1) 090515B Philippines, Manila Bulletin,(2) Manolo Lopez stays as Meralco chair,(3) http://www.mb.com.ph/node/200620,(4) May 14, 2009, 10:38pm,(5) Manila Electric Company (Meralco),(6) Manuel M. Lopez,(7) chief executive officer (CEO),(8) annual stockholders’ meeting,(9) Oscar M. Lopez,(10) Meralco Vice President and Corporate Marketing Head Miguel L. Lopez,(11) Meralco's Board of Directors,(12) Meralco president Jose P. de Jesus,(13) chief operating officer (COO),(14) businessman Manuel V. Pangilinan of the Philippine Long Distance Telephone Company (PLDT),(15)

今日の参考資料

●090515B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電のロペス社長は居座り
Manolo Lopez stays as Meralco chair
http://www.mb.com.ph/node/200620

最近の関連事項

●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of directors
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090322B.htm
●090319A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の資本増強競争白熱
First Pacific-Lopez alliance to control Meralco board
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090319A.htm


●フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ

The Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM) is collaborating with industry stakeholders concerning the May 27, 2009 first bid for coal supply and delivery to Pagbilao and Sual coal-fired power stations. PSALM is preparing for the bidding for the selection of independent power producer administrators (IPPAs) for the Sual and Pagbilao coal-fired thermal power plants.

フィリッピンの電力改革の進展は,私自身にも分かりがたい点があるが,電力公社の発電資産売却が進んできて,フリーアクセスという一つのマイルストーンを目指して,新たな段階に入っている。その一つは,IPPとして,或いは発電資産の買い取り手として,電力公社を電力の引き取り手として契約してきたが,その契約を縮小して,IPPA(注8)に仲介して引き取らせる入札の段階に至ったようだ。

今日のニュースでは,東京電力のTEAMエナージ(注10)が現在IPPとして所有する二つの石炭火力,764MWのパグビラオ石炭火力(注6)と1,216MWのスワル石炭火力(注7)について,2009年5月27日に,新しい引き取り手となるIPPAの入札を開始する,と言うことである。現在NPCは,二つの発電所で合計1,700MWの買電契約を持っているが,その40%を新しいIPPA(注8)に引き取らせる,というものだ。

なお,パグビラオ石炭火力(注6)と1,216MWのスワル石炭火力(注7)はいずれもBOT(注11)で,NPCの引き取り契約は,2024年,2025年にそれぞれ終了することになっていた。買電契約とは別に,TEAMの所有権がBOTとして2024年頃に終わるが,この後はどうなるのだろう。PSALMが引き取って,もう一度売却手続きに入るのだろうか,変な話ではある。

またPSALMは,この二つの石炭火力のIPPA入札が終了したところで,次の段階,140MWのカセクノン水力(注12),70MWのバクン水力(注13),95MWのサンロケ水力(注14)のIPPA入札に移ることになる。記事によると,例えばサンロケなどは,エネルギー省以外の省庁が関係しているので,IPPA入札は違った形式になるだろう,と書いている。ダムの問題かな。

(注)C (1) 090515C Philippines, energy-business-review,(2) title: PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines,(3) http://www.energy-business-review.com/news/psalm_to_settle_bidding_matters_on_pagbilao_and_sual_coalfired_power_stations_in_philippines_090506,(4) Published:06-May-2009,By Staff Reporter,(5) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(6) 764MW Pagbilao coal-fired power station,(7) 1,216MW Sual coal-fired power station,(8) independent power producer administrators (IPPAs),(9) BENECO,(10) National Power Corporation,(10) Team Energy,(11) build-operate-transfer (BOT),(12) 140 MW Casecnan hydropower plant,(13) 70 MW Bakun hydropower plant,(14) 95 MW San Roque hydropower plant,(15)

今日の参考資料

●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://www.energy-business-review.com/news/psalm_to_settle_bidding_matters_on_pagbilao_and_sual_coalfired_power_stations_in_philippines_090506

最近の関連資料

●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090402A.htm
●090328C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMはカラカ火力など売却に自信
PSALM hopeful on sale of Calaca, Limay power plants within the year
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090328C.htm
●090106K Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,エネルギー省,NPC資産売却に自信
DoE confident of privatizing the remaining assets of Napocor this year
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090106K.htm
●081220A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,商工会議所,NPCの民営化を急げと
PCCI urges speedier Napocor privatization
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081220A.htm


2009年5月15日分 ー 中国の水力開発のCDMにEUが異論 ー

地球温暖化対策,京都議定書に沿った温暖化ガス取引市場,CDMについては,私たちは,原子力や大規模水力をその対象から除いたのでは,真に地球を救うシステムとなることは難しいのではないか,と言う意見を持ってきた。今日の欧州発のロイター電は,このような私たちの考え方から見て,大いに問題のある意見が並んでいる。12月のコペンハーゲン会議を控えて,非常に重要な記事である。

中国の水力開発は,世界の中でも桁違いの規模とスピードで進んでおり,先日も,240MWの水力がCDMの認定を受けて証明書CERを得たばかりであるが,CDMの当面の市場規模,146億ドルの中で,このまま行けばCDM市場の半分は中国の水力になってしまう,とEUの関係者が批判し,中国などの水力をCDMに認定する場合は,50MW以下にすべきだ,と述べている。これこそ主客転倒と言う言葉が当てはまる。

中国の市場が半分を占めて何処が悪いか,と言う質問を投げかけたい。CDMの目的は,温暖化ガスを減らして気候変動問題をコントロールすることだから,そのために中国の水力が大規模に貢献することは,地球にとっては大いに歓迎すべきことであろう。大きいからと言ってそれを除外するのは,CDM市場が成り立たなくなってくるからだが,CDM市場が目的ではなくて,地球を救うことが目的だ,と言うことを忘れている意見だと思う。

私は,個人個人が手間暇をかけてゴミの選別を行ったり,エコ袋でスーパーで買い物したり,というのは,おそらく精神論に近いと思う。発電所の燃料から化石燃料を減らし,自動車のガソリンを代替する,というような行為に比べれば,個人の努力は殆ど地球に影響ないだろう。化石燃料を,原子力発電や大規模水力で代替して行くことに,人類は集中した方がよいのではないかと思う。

米国のオバマ大統領も,再生可能エネルギーで米国を統治できると考えているが,30年間建設が途切れている米国の原子力発電所について,オバマ自身はまだ一言も触れていない,いずれ触れざるを得ないだろう。今日の日経では,知的送電網,スマートグリッドに30億ドル注入する仕事に取りかかったと報道されている(注1)。

知的送電網,スマートグリッド,については,私たちは,電力系統の給電司令所システムが,従来からその役割を果たしてきており,供給力の変動と需要の変動のバランスをとってきたと考えている。ここで知的送電網というならば,単なる送電と通信の結合,という単純な定義ですませることでは満足できない。需要の内側まで入り込む知的送電網であり,その知的送電網のシステムには,電力貯蔵の技術が,必ず伴われるべき次元だ。

送電線では,今や中国のUHV,超高圧送電網が大いに話題となっているが,次に来るのはインドであり,しかもインドは国際連携を含む複雑なシステムになるはずだ。中国の水力が,CDMの焦点であるならば,当然インドの北辺の水力も重要な役割を果たす。インドはいよいよ長かった選挙の結果が,2009年5月16日に明らかになる(注2)。インド人民党による政権交代が実現するのかどうか,エネルギー政策への影響はどうなる。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090514AT2M1701G13052009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090513D2M1303J13.html

本文

●中国の水力開発にとってCDMは煩わしく価値少ない

China's booming hydropower sector is facing mounting criticism for generating "subprime carbon" credits from projects that don't need extra earnings to succeed, raising the risk of tougher rules and putting billions of dollars of clean energy investments at risk.

国連の炭酸ガス排出抑制政策のCDMと言うのは,地球を救うためではなくて,国際的なデリバティブによる取引市場そのものが目的ではないか,と疑い続けてきたのは私である。奇しくも,中国の大規模水力の取り扱いについて,ロイターが注意を喚起する記事を書いてきた。中国の水力開発にサブカーボンクレディット(注5)を適用するのは誤りだ,とする批判が出てきている。

国連の京都議定書(注7)に従うCDM(注6)は,CDMがなければ成り立たないプロジェクトが対象だ,とされている。即ち,このような批判をしている人々は,CDM市場取引総額146億ドルの半分を占めると思われる中国の水力への二酸化炭素削減証明CER(注8)を与える必要はない,基本的に中国の水力への追加性(注22),即ちCDMがなければ成り立たない,と言うことに疑問あり,と言うのである。

中国の水力のCDMを狙っている国際企業,日本の三井物産(注9),などが多くがある。特に,環境団体IRNのマックーリー総裁(注10)がそれを言っている。「地球のとも」(注11)なども,中国の水力を考えるとCDM素材供給過剰で,気候変動への貢献は疑問だと。もう一つの意見は,中国の水力の売電単価が石炭より安いことである。このことが,CDMの理由になっている,というのはザン専門家(注12)である。

はっきりしていることは,今年,2009年12月に予定されている気候変動会議では,この中国の水力開発のCDM参入に,一定の制限をかけようとしている動きである。特にEUなどでは,これらのプロジェクトに追加性はない,として制限しようとしている。EUは,小規模水力は地球に無害であり,CDMの対象は,50MW以下と主張している。最近の240MWのビンリン水力のCDM扱いで,問題となっている。以下省略

(注)A (1) 090514A China, uk.reuters,(2) title: China hydropower "subprime carbon" flood may slow,(3) http://uk.reuters.com/article/behindTheScenes/idUKTRE5452AI20090506?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0,(4) Wed May 6, 2009 11:27am BST, BEIJING (Reuters) -,(5) subprime carbon,(6) U.N.'s Clean Development Mechanism,(7) Kyoto Protocol,(8) Certified Emission Reduction offsets (CERs),(9) Norway's DNV, Mitsui and Co. of Japan, the Italian utility Enel SpA, EDF of France and EcoSecurities of the U.K,(10) Patrick McCully, executive director of International Rivers, a California-based environmental pressure group,(11) Friends of the Earth,(12) Zhang Zhongxiang, a CDM expert with the East-West Center in Hawaii,(13) U.N. carbon offset scheme,(14) Anders Brendstrup, managing director for China for Camco, one of the larger CDM project developers and advisers in China,(15) United Nations Framework Convention on Climate Change,(16) Three Gorges,(17) Bingling hydroelectric facility,(18) Yellow River,(19) Lex de Jonge, chairman of the CDM's executive board,(20) Copenhagen,(21) Yang Ailun, China climate campaign manager with Greenpeace,(22) additionality,(23)

参考資料

●090514A China, uk.reuters
中国の水力開発にとってCDMは煩わしく価値少ない
China hydropower "subprime carbon" flood may slow
http://uk.reuters.com/article/behindTheScenes/idUKTRE5452AI20090506?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

過去の関連事項

●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090506A.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090207B.htm


●中国のタリム盆地の河川と環境の戦いはこれからだ

The Tarim River, running for 2,179 kilometers from west to east through the northern part of the Tarim Basin and ending at the Taitema Lake, is China's longest inland river and is honored as the mother river of Xinjiang. It originates with the conflux of the Aksu River of Tianshan Mountain, the Yerqiang River of Kunlun Mountains and the Hetian River. Most of its upper reaches flow through the Taklamakan Desert.

記事の始まりは,「大河川」(注5)のタイトルの映画の試写会を温家宝首相が見て,この映画は終わりではなく,タリム盆地のタリム川の気候変動との戦いだ,と言うテーマで始まっている。地図を見ながらでなくては理解できない部分が多い。タリム川(注8)は,全長2,179km,タリム盆地を西から東に流れ,タイテマ湖(注12)に注ぐ,内陸河川としては,中国最長の河川である。新疆の母なる川,と呼ばれている。

源流は,天山山脈(注13)のアクス川(注12),崑崙山脈(注15)のエルキアン川(注14),ヘイタン川(注15)に発し,殆どの源流がタクラマカン砂漠(注17)を貫流している。タリム川水系は,144の河川から成り立っており,大きく9つの水系に分かれるが,その中には,カイドウ川(注24)からコンケ川(注18),アクス川流域,ヤルカント川流域(注19)が含まれ,全流域面積は100万平方km,年間流量は430億トンに達する。

この地域は,原油ガス資源に恵まれ,また綿の産地,更に石油化学基地でもある。この自然のオアシスが,タクラマカン砂漠(注17)の砂の侵入を防いでいる。タリム川の洪水が,古くからのオアシス文化,樓蘭(注20)やシルクロード(注21)の文化を支えてきた。不幸にも,19509年代より,気候変動,土地流出,不適切な分流工事,などによって,急速に荒廃が進んできた。水力開発と環境保護が今日,叫ばれている。

中国政府が西部開発に取り組み始めたのは,1998年,そうして,2001年6月27日に,タリム川流域の環境保護が打ち出された。ここで水資源コントロールと環境保護のため,107億元,約13億ドル相当,が投入されることになった。200年5月から2007年10月にかけて,23億トンに及ぶ水量が,タリム川下流の乾燥地域に,分流された。それまで30年間もこの地域は,乾燥地域であった。これにより環境が大きく変わった。

(注)B (1) 090514B 中国,china.org,(2) title: The beginnings of a never-ending task,(3) http://www.china.org.cn/environment/news/2009-05/06/content_17733521.htm,(4) By Zhang Yunxing,China.org.cn staff reporter,China.org.cn May 6, 2009,(5) The Great River,(6) Xinjiang Uygur Autonomous Region新疆,(7) Xinjiang,(8) Tarim River,(9) director of the Tarim River Region Administration (TRRA), Tohti Ahmati,,(12) Taitema Lake,(12) Aksu River,(13) Tianshan Mountain,天山山脈,(14) Yerqiang River,(15) Kunlun Mountains,崑崙山脈,(16) Hetian River,(17) Taklamakan Desert,(18) Kongquehe River,(19) Yarkant River,(20) Loulan,樓蘭,(21) Silk Road,(22) Weili County,(23) Urumqi,(24) Kaidu,(26)

参考資料

●090514B 中国,china.org
中国のタリム盆地の河川と環境の戦いはこれからだ
The beginnings of a never-ending task
http://www.china.org.cn/environment/news/2009-05/06/content_17733521.htm

過去の関連事項

●090506B China, english.people.com
中国の新疆自治区で貧困対策としての最大の水力プロジェクト
Xinjiang starts construction of its biggest poverty relief project
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090506B.htm

付属資料

2009年5月13日分 ー 日本とロシアが原子力協力 ー

今日は朝早くから泉南で測量作業があり,日本語ニュースだけ拾って,許していただきたい。測量作業は,朝7時半という早い時間にスタートしたが,大きなコンペが入っていて,後半のハーフは待たされ待たされ,遅くなってしまった。一部上場の有名企業のアナウンスをやっていたが,今日は水曜日,どうして一流企業が大きなコンペが出来るのですかね。何か理解できない,一般の練習場でも週日の午後2時頃でも満員ですよ。

ロシアのプーチン首相の来日は,何がそうさせたのか,我々にはなかなか理解できないところがあるが,日露原子力協定を締結したことが大きなニュースとなっている(注1)。ロシアの原子力発電の比率は思ったより小さく,全設備の16%だという。これからの原子力開発に,ロシアにとって,安全管理などの日本の技術に注目しているという。東芝や日立製作所,三菱重工業などにとって追い風になるのは間違いないと。

また,東シベリアの原油開発への日本の参入も合意された(注2)。具体事項の節を引用。現地のイルクーツク石油と合弁会社を設立し,ボリシェチルスキー,ザパドナ・ヤラクチンスキーの2鉱区を共同で探鉱する。合弁会社への出資比率はJOGMECが49%,イルクーツク石油が51%。2鉱区の合計原油埋蔵量は1億バレル程度とみられ,調査は2013年までの5年間実施する。総事業費は約150億円の見通し。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905130012a.nwc
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905130116a.nwc


2009年5月12日分 ー フィリッピンのアンガット水力買収劇始まる ー

新型インフルエンザの水際作戦,JICAなどODA関係者にとっては,そんなこと言っておれるか,と言うところだろうが,本当に防ぎきれるのか,仰々しい割合には片手落ちが多すぎる。やれるだけやってみよう,と言う姿勢であることには間違いないが,乗客を出す方と入れる方では,その関心度に大きな差がありすぎる。両方で同じレベルで監視できれば,効率はすごく良くなると思うが,まあ無理か。

再生可能エネルギー法を成立させて,税などの優遇政策を決めたフィリッピンでは,太陽光や風力よりも,まずその辺の水力素材を買い集めるか,小さくても残った水力ポテンシャルに手を付けるなど,大いに関心が高まっている。既設水力の買収には優遇措置はないが,それでも再生可能エネルギー源,国内エネルギー資源を確保しておけば,何らかの便益があるのではないか,との思惑もあるのだろう。

246MWのアンガット水力発電所は,規模としてはかなり大きいし,場所がマニラに近く,そのアンガットダムはマニラ市民の飲料水を賄う上で極めて重要な施設だ。ただ,1968年の建設だから,既に42年が経過している。おそらく早晩,水車発電機器類の更新が必要となることだろう。この発電所が,来月,2009年6月に売りに出される。最初に名乗りを上げたのは,ノルウエー企業のSNパワーだ。

これから激しい買収劇が始まるのだろうが,この施設を所有する人は,社会的責任が大きくのしかかる。電力供給の面でもさることながら,問題はダムの水資源価値だ。今日の記事に出てくる,再生可能エネルギーに関心を示す石油公社PNOCなども,今後は既設の買収に参入する可能性もある。先日,エネルギー長官が,再生可能エネルギーを開発するなら,安定供給力としての原子力開発は欠かせない,との意思表明。

私は,オバマ大統領よりは,フィリッピンのレイエス・エネルギー長官の方が先を行っているように思うが,これに激しく反発したのが,国際環境団体のグリーンピースだ。彼女の言い分は,なぜ原子力が安定供給力なのか,日本の柏崎刈羽を見てみなさい,2007年に地震の被害を受けてからまだ一度も運転していない,これで原子力が安定供給力といえるのか,と言われてしまった。

でも,地球温暖化問題で,世界の原子力発電への関心は急激に高まっている。比較的穏やかだったフランスの電力公社EDFがベルギー電力大手SPEを買収すると発表した(注)。原子力部門の事業拡大を意図するものであると。EDFは原子力発電技術に強みを持った電力企業であるが,メーカーと違って,アジア周辺の原子力プロジェクトには係わってきていない。

明日は,泉南で測量作業があり,更新が遅れる見込み。

(注) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090512AT2M1200512052009.html


本文

●フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲

Foreign investors are exploring development of renewable energy sources in the country, Philippine National Oil Co. (PNOC) said. PNOC president Antonio M. Cailao said the state-run company hopes to conclude a solar power project with a German power firm.

フィリッピンの国家石油公社PNOC(注5)を中心とした再生可能エネルギー開発への盛り上がりと,最近,レイエス・エネルギー長官が表明した原子力開発への取り組みを環境団体が批判した内容である。しかし,フィリッピンの再生可能エネルギーへのかけ声は高いが,今ひとつ具体性に欠けるところがある。PNOC(注5)によると,外国企業のフィリッピンの再生可能エネルギー開発への意欲は大きいという。

PNOC(注5)のカイラオ総裁(注6)によると,PNOC(注5)とドイツ企業との間で,太陽光発電開発の話が進んでいると。また,米国企業との水力開発の協力の話があり,韓国企業が風力開発のプロジェクトを持ち込んできていると。更に,シンガポールとタイの企業は,再生可能エネルギーのフィリッピンに於けるポテンシャルに関心を示していると。

PNOC(注5)自身も,再生可能エネルギー開発を担当する関連会社PNOCRC(注8)を立ち上げ,再生可能エネルギーに技術,資金,両面から経験のあるコンステレーションCEC(注9)との協力を進めている。PNOCRC(注8)は,再生可能エネルギー全般を広く扱うことになっており,分野としては,太陽光発電,水力発電,風力発電,更に地熱発電への再参入を目指している。

最近,レイエス・エネルギー長官が,バターン原子力発電所(注13)の再建を目指す決意を表明したが,これに対して,環境団体のグリーンピース(注11)は,批判を展開している。グリーンピース(注11)のオブサン女史(注14)は,原子力への転換は,より海外資源への依存を増やすことになる,再生可能エネルギーとエネルギー効率か技術こそが,フィリッピンのエネルギー独立を目指す道だと。

確かにフィリッピンには既にその原子力の関連基盤はあるが,化石燃料に比べて,安全でもなく安くもない。良い例が日本の柏崎刈羽原子力だ,2007年に地震被害を受けてから,まだ稼働していない,原子力が如何に供給信頼度が低いか,を証明していると。これまでの例から見ても,原子力発電所はいつも完成が遅れ,費用が増大しているのが実情だと。

(注)A (1) 090512A Philippines, gmanews.tv,(2) title: Foreign investors keen on renewable energy,(3) http://www.gmanews.tv/story/160478/Foreign-investors-keen-on-renewable-energy,(4) 05/08/2009 | 05:54 PM,MANILA, Philippines -,GMANews.TV,(5) Philippine National Oil Co. (PNOC),(6) PNOC president Antonio M. Cailao,(7) renewable energy sources,(8) PNOC Renewables Corp. (PNOCRC),(9) Constellation Energy Corp. (CEC),(10) geothermal,(11) Greenpeace,(12) Energy secretary Angelo T. Reyes,(13) Bataan Nuclear Power Plant,(14) Greenpeace Southeast Asia Climate Campaigner Amalie Obusan,(15) energy efficiency technologies,(16) Kashiwazaki-Kariwa nuclear power plant,(17)

参考資料

●090512A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲
Foreign investors keen on renewable energy
http://www.gmanews.tv/story/160478/Foreign-investors-keen-on-renewable-energy

過去の関連事項

●090502A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのレイエス長官が原子力開発決断か
RP studying energy mix, including nuclear
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090502A.htm
●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090404B.htm
●090304C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマカティ市長が原子力よりも地熱を開発せよ
Geothermal, not nuclear power, Binay advises
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090304C.htm
●090128A Philippines, pinoypress
フィリッピンのバターン原子力,議会の動きに注意喚起
Scientists Caution Solons on Move to Reopen Bataan Nuclear Plant
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090128A.htm
●090114A Philippines, Manila Bulletin
米国企業シェブロンがフィリッピンの地熱政策を支援
US firm Chevron Geothermal commits to support gov’t energy efficiency plan
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090114A.htm
●081218A Philippines, istockanalyst
フィリッピンの関連産業界,再生可能エネルギー法で,盛り上がる
Industry Players Upbeat Onrenewable Energy Projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081218A.htm
●081217A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名
President signs law promoting renewable energy
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081217A.htm


●フィリッピンのアンガット水力売却でSNパワーが関心

Norwegian power company Statkraft Norfund Power Invest AS (SN Power) remained optimistic about its Philippine prospects after disclosing plans to acquire local independent power producers (IPPs).

ノルウエー籍のSNパワー(注5)が世界の再生可能エネルギー,特に水力を狙って活発である。今度はフィリッピン,ルソン中部の中核である,246MW,アンガット発電所(注10)に関心を示しているという。SNパワー(注5)はまた,フィリッピンのIPP群の電力引き取りへの関心を示しているところで,フィリッピンに於ける事業に関しては,極めて楽観的である。

SNパワー(注5)のアザンナ代表(注9)は,アボイテス電力(注8)との合弁企業であるSNアボイテス(注7)によって,246MW,アンガット発電所(注10)の買収にかかるという。アンガット発電所(注10)は,来月,2009年6月にも入札公示がなされる見込みで,他の水力IPP発電所の買収にも関心を持っていると。

アンガット発電所(注10)は,1967年7月の運転開始で,その前に付属の第1及び2号機が完成している。1967年10月には,2つの主要発電機が運転に入っている。第3及び4号機は,1968年8月の運転開始である。アザンナ代表(注9)によると,今のところ,フィリッピンでの目標は水力で,風力や他の再生可能エネルギーへの参入は,まだ考えていないと。

SNパワー(注5)は,アジアと南米で,14の水力発電所を所有し,チリーのコキンボ(注13)では,47MWのトトラル風力発電所(12)を所有,運転している実績がある。

(注)B (1) 090512B Philippines, scandasia,(2) title: Norway's SN Power eyes Philippine IPPs,(3) http://www.scandasia.com/viewNews.php?coun_code=no&news_id=5410,(4) http://www.gmanews.tv/story/156948/Norways-SN-Power-eyes-Philippine-IPPs,(5) Statkraft Norfund Power Invest AS (SN Power),(6) independent power producers (IPPs),(7) SN Aboitiz Power Inc.,(8) Aboitiz Power Corp,(9) Rodolfo Azanza, SN Power’s Philippine representative,(10) 246 megawatt Angat hydro power facility,(11) San Lorenzo, Norzagaray, Bulacan,(12) 47MW Totoral Wind Farm,(13) Coquimbo Region,(14)

参考資料

●090512B Philippines, scandasia
フィリッピンのアンガット水力売却でSNパワーが関心
Norway's SN Power eyes Philippine IPPs
http://www.scandasia.com/viewNews.php?coun_code=no&news_id=5410

過去の関連事項

●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090402A.htm
●090122A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,アボイテス,電源資産のため15億ペソ起債
Aboitiz Power to borrow P1.5B more; parent to hike spending
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090122A.htm
●090106K Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,エネルギー省,NPC資産売却に自信
DoE confident of privatizing the remaining assets of Napocor this year
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090106K.htm


●フィリッピンの投資委員会がダバオの水力開発を承認

The Board of Investments (BOI) has extended its incentives package to the P1.09-billion investment for a hydroelectric power project in Davao by Hedcor Sibulan Corp. The BOI said the additional investment in the plant brings the total money infused by Hedcor to P5.121 billion

フィリッピンの投資委員会BOI(注5)は,ミンダナオ島北部,ダバオ(注7)のHEDCOR(注8)によって進められている,42MWのシブラン水力発電所(注10)の追加投資109億ペソについて,投資刺激策(注6)の一部に拡大包含することに決定した。この結果,シブラン水力発電所(注10)の事業総額は,51.21億ペソとなる。今年,2009年運転開始目標で2005年に着工した時点では,事業費は,40.31億ペソであった。

その後,HEDCOR(注8)は,追加投資についても,租税優遇措置がとられることを,BOI(注5)に要請していた。HEDCOR(注8)は,容量の増加を目指して追加投資を行う計画を進めてきた。シブラン水力発電所(注10)は,シブラン川(注11)とバロリン川(注12)の流水を使った流れ込み式水力(注13)であるが,2段階開発で,上流の計画Aは16MW,下流の計画Bは26MW,で合計出力42MWであった。

機器の効率向上などで,計画Aを16.5MWとし,合計42.5MWとする計画とした。BOI(注5)はこの変更を認め,完成時期を1年ずらすことにも合意した。

(注)C (1) 090512C Philippines, philstar,(2) title: Board of Investments okays perks for P1-billion hydropower project,(3) http://www.philstar.com/Article.aspx?articleId=461964&publicationSubCategoryId=66,(4) Updated April 28, 2009 12:00 AM,MANILA, Philippines -Ma. Elisa Osorio,(5) Board of Investments (BOI),(6) incentives package,(7) Davao,(8) Hedcor Sibulan Corp,(9) tax perks,(10) 42MW Sibulan hydroelectric power project,(11) Sibulan river,(12) Baroring River,(13) run-of-river type hydropower plants,(14)

参考資料

●090512C Philippines, philstar
フィリッピンの投資委員会がダバオの水力開発を承認
Board of Investments okays perks for P1-billion hydropower project
http://www.philstar.com/Article.aspx?articleId=461964&publicationSubCategoryId=66

過去の関連事項

●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090404B.htm
●090301B Philippines, newsinfo.inquirer
アロヨ大統領が水力現場を視察してクリーエネルギーに関心表明
Arroyo favors clean energy sources
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090301B.htm


2009年5月11日分 ー ベトナムの水力民間投資に政府保証 ー

ベトナムの電力セクターは,電力改革の問題と供給力不足に悩んでいる,病んでいる,と言った方がよいかも知れない。北部,中部,南部の電力企業を統一してEVNを組織した頃は,勢いが良かったが,結局,安い電気料金を扱いかねているのが現状で,今では,そのEVNと本省の間が円滑に行かず,次の手を打つことが出来ない。副首相にまで昇進した元EVN総裁のハイさん(注B10)も,焦っていることだろう。

ベトナムの人々は,個々のものを造るのは秀でているが,システムの組織化という面では,いろいろ問題を起こしているようだ。発電所の作り方も,国際社会が関係しないプロジェクトでは,予算が付くままに進める,即ち,予算がなくても着工する,と言うことを平気でやる。ヤリもソンラも,また今日の,220MWのバンチャット水力も同じである。そう言う点では,建設省のダム工事と同じである,お金のあるだけやってなくなるとストップ。

私の住んでる茨木の山中には,安威川ダムが計画されて,付帯工事が進んでいる。いつ完成するのか全く分からないが,巨大な付け替え工事や橋梁の建設が進み,多くの住民が移住を完了している。でも,ダムの本体工事はいつ始まるのか,全く分からない。民間企業の開発では,これはやらないだろう,と言う気がする。私はダムの下流住民だが,一度,洪水処理の方法を調べてこようと思っている,怖いから。

すごく気になっているネパールの政治情勢(注1)だが,容易に結論が出ないようだ。毛派のプラチャンダーの動きを注視している。下野するだけで収まるかどうか,また地方の地下に潜られると,人類最後の挑戦,ネパールの水力開発は,見込みが断たなくなる。今日のニュースでは,彼は,政権に入れなくても,大統領が参謀長人事を撤回してくれれば,政治に留まる,としている,と言うことは,地下に潜る可能性もあると言うことか。

もう一つ気になるのは,パキスタンの北西辺境州の情勢である(注2)。米中東司令官の見方は,国際テロ組織「アルカイダ」指導部が,パキスタン,北西辺境州の部族地域に本拠を移した,と言うことである。本格的な掃討作戦を行わなければ,インダス河上流の開発は不可能,と言うことか。これでは,大規模な作戦なくして,昨日のパキスタンのエネルギー開発は不可能である。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090511AT2M1100A11052009.html
(注2) http://mainichi.jp/select/today/news/20090511k0000e030030000c.html

本文

●ベトナム北中部のタンホア県で14の発電所建設が進行中

14 power projects, including 2 thermo-power and 12 hydro-power, are being created in Thanh Hoa Province, the Thanh Hoa Provincial People’s Committee Office reported on May 9th. The 14 power projects have a total designed capacity of 2,565 MW and a total cost of VND 46,922 billion.

ベトナムのタンホア県(注5)は,ベトナム北部,ハノイの南にあり,ラオスから流れてくるマ川(注11)が貫流している。このタンホア県(注5)の行政庁であるタンホア人民委員会(注5)が,2009年5月9日に発表したところでは,2つの火力発電所と12の水力発電所が,現在建設中という。規模も大きく,近い将来の電力不足を補う役割を持つ。EVN管轄ではあるが,IPPとして開発中のものもあるようだ。詳しくは出ていない。

14の発電プロジェクトの出力は,2,565MW,事業費は,46.9兆ドン,約26.4億ドル相当,とされている。この中には,チュオンシュアン地区(注8)に位置する97MWのクワダット水力プロジェクト(注7)が最初の完成する予定で,2009年9月運転開始を目標にしている。他の二つの重要なプロジェクトは,第1期計画600MWのニソン火力プロジェクト(注9)があり,その事業費は,734百万ドルである。

もう一つは,マ川(注11)にあり,260MWのチュンソン水力プロジェクト(注10)で,6.45兆ドン,約3.63億ドル相当,で,電力のみならず,マ川(注11)下流域の洪水調節も期待されている。

(注)A (1) 090511A Vietnam, army.qdnd,(2) title: 14 power projects being commenced in Thanh Hoa,(3) http://army.qdnd.vn/vietnam.economy.enews.24744.qdnd,(3) Photo: baothanhhoa,(4) Source: TT,Translated by Thu Nguyen,(5) Thanh Hoa Province,(6) Thanh Hoa Provincial People’s Committee Office,(7) 97MW Cua Dat hydropower project,(8) Thuong Xuan District,(9) 600MW Nghi Son thermo-power plant,(10) 260MW Trung Son hydro-power plant,(11) Ma river,(12)

参考資料

●090511A Vietnam, army.qdnd
ベトナム北中部のタンホア県で14の発電所建設が進行中
14 power projects being commenced in Thanh Hoa
http://army.qdnd.vn/vietnam.economy.enews.24744.qdnd

過去の関連事項

●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090220A.htm
●081119A Vietnam, vnbusinessnews
EVN,主要な水力プロジェクトは,2008年内に終了
Major power projects almost done
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081119A.htm


●ベトナム政府は多数の水力プロジェクト推進を支援

A number of power projects are projected to be implemented in the forthcoming time with the support from the Government. The Prime Minister has just agreed with the Finance Ministry’s proposals, under which the Government will stand bail for entrepreneurs to borrow capital from international lenders, to build small-scale power projects.

ベトナム政府が,中小規模の発電プロジェクト,特に水力発電プロジェクトに対して,財務省による政府保証(注5)を与える,という推進策を決定した。何処まで企業のインセンティブをもたらすことが出来るのか,よく分からないが,電力不足の中,一生懸命発電所を造って行く姿勢は,ベトナム人らしい。これは財務省の提案で,これに首相が同意を与えたもののようだ。

まず二つのプロジェクトがその恩恵を受けるという。その2つの水力発電所は,ベトナム中部と思われるが,バック川(注6)とナムバック川(注7)の水力プロジェクトである。ナムバック川水力(注8)は,ダナン,ホアバン地区のホアバック村(注9)に位置する。この首相の決定と同時に,ハイ副首相(注10)は,マレーシア企業(注12)にBOT(注13)で,ハイドウオン(注11)の火力プロジェクトに,原則同意した。

この政府保証(注5)によって投資を行う企業との窓口は,通商産業省(注14)で,他の関連官庁及び地方庁が協力することになる。

(注)B (1) 090511B Vietnam,army.qdnd,(2) title: Government backs hydropower projects,(3) http://army.qdnd.vn/vietnam.Policy-Society.pnews.24684.qdnd,(4) Source: DDDN,Translated by Thu Nguyen,(5) stand bail for,(6) Bac river,(7) Nam-Bac river,(8) Nam-Bac river power project,(9) Hoa Bac Commune, Hoa Vang District, Da Nang,(10) Deputy Prime Minister Hoang Trung Hai,(11) Hai Duong,(12) Malaysian group Jaks Resources Bhd,(13) BOT(build-operate-transfer) mode,(14) ministry of Commerce and Industry,(15) photo source: http://www.iwrm.vn/index.php?lang=vn&page=6&id=43&id1=90,(16)

参考資料

●090511B Vietnam,army.qdnd
ベトナム政府は多数の水力プロジェクト推進を支援
Government backs hydropower projects
http://army.qdnd.vn/vietnam.Policy-Society.pnews.24684.qdnd

過去の関連資料

●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090304A.htm
●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090220A.htm
●090212A Vietnam, vietnamnews
ベトナム,首相が水力など再生可能エネルギーの促進へ
PM approves renewable energy, power projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090212A.htm
●081207A Vietnam, thanhniennews
ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図
Ministry eyes comprehensive power sector reform
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081207A.htm


●ベトナムの銀行が220MWのバンチャット水力を支援へ

Loans totalling VND2.6T (US$146M) have been agreed by four local banks for the Ban Chat hydro power project in Vietnam, which began construction three years ago but is now scheduled to be operational by early 2012.

このベトナム北部の,220MWのバンチャット水力(注5)は,2009年4月18日に既報であるが,新しい情報もあるので,解説しておく。既報の通り,4つの国内銀行(注8)が,2.6兆ドン,約146百万ドル相当,の借款に合意し,3年前に着工したこのプロジェクトも,2012年初頭にも完成の目処がついた。EVN(注7)のプロジェクトで,農業農村開発銀行(注6)が主導する。総工事費の56%が既に調達できていた。

220MWのバンチャット水力(注5)は,ベトナム北部ライチャウ県タンイエン地区のナムム川(注9)に位置し,総工事費は8.6兆ドン,約485百万ドル相当で,今回のローンはその30%にあたる。220MWのバンチャット水力(注5)は,2006年に着工し,2010年に完成する予定であったが,2012年の完成とずれ込む。年間発生電力は,13億KWhで,洪水調節の機能も持つ。

ベトナムの水力発電所の容量は,2010年に,8,800MWとなり,年間350億KWhを発電する。2010年の必要需要は,1,000億KWhである。2020年の水力設備は,15,000MWで,発生電力は,600億KWhであり,その時の需要は,2,000億KWhである。

(注)C (1) 090511C Vietnam, waterpowermagazine,(2) title: Vietnam banks in loan deal for Ban Chat,(3) http://www.waterpowermagazine.com/story.asp?sectionCode=130&storyCode=2052833,(4) Thursday, April 30, 2009,(5) 220MW Ban Chat hydro power project,(6) Bank for Agriculture and Rural Development (Agribank),(7) Electricity of Viet Nam (EVN),(8) Bank for Investment and Development of Viet Nam (BIDV),the Bank for Foreign Trade of Viet Nam (Vietcombank) and the Global Petro Commercial Joinst Stock Bank.,(9) Nam Mu river in Than Uyen district of Lai Chau province,(10)

参考資料

●090511C Vietnam, waterpowermagazine
ベトナムの銀行が220MWのバンチャット水力を支援へ
Vietnam banks in loan deal for Ban Chat
http://www.waterpowermagazine.com/story.asp?sectionCode=130&storyCode=2052833

過去の関連事項

●090418A Vietnam, vietnamnews
ベトナム北部のバンチャット水力へ153百万ドル調達
EVN gets $153m for hydro-electric plant
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090418A.htm
●081119A Vietnam, vnbusinessnews
EVN,主要な水力プロジェクトは,2008年内に終了
Major power projects almost done
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081119A.htm


2009年5月10日分 ー パキスタンはインドの姿勢に極めて不満 ー

パキスタンの北西辺境州,ペシャワールの北,スワット平野はまさに桃源郷である。ムンダの峡谷を越えて入ったところは,広く広がる盆地の中に,仏教遺跡も散在し,お釈迦様が宿泊したと伝えられる石造の遺跡も残されている。この地域を訪問して,瀟洒なホテルに宿泊したときは,私は,仏教の言う桃源郷はまさしくここから来たのだと思った。唐天竺も,ここのことを言うのであろうと。丁度,桃の花も満開であった。

今日の日経は,「パキスタン軍がタリバン掃討作戦,民兵多数を殺害」(注1)とタイトルして,パキスタン正規軍の激しい攻撃で,避難民が20万人とも30万人とも報じられている。この激しいタリバン駆逐作戦の舞台になっているのが,まさしく桃源郷のスワット平野なのだろう。いつの間に,これほどのタリバンが入り込んだのか,地元住民の中に,部族ななどでは,タリバンのシンパが多く,パキスタン政府も苦しい。

今日は,パキスタンの外務省報道官が,インダス河上流のジェルム川に於けるキシャンガンガ水力のインドの「暴挙」を激しく攻撃し,世界銀行が動くべきだ,と国際社会の介入を促している。下流のパキスタン領内には,969MWのニールムジェルム水力プロジェクトを推進中であり,上流では,ジェルム川(注6)の水をウラー湖(注7)に分水し,ガンジス川流域に流す,インドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注8)が進行中である。

このパキスタンの報道官は,水問題よりも基本的に,インドとの関係ではカシミールの領土未確定問題を解決する必要がある,とし,特に最近のインドのパキスタン非難,テロに対する姿勢が怠惰だ,という問題に対して,それならその問題を,米国も入れて話し合おう,と開き直っている。今日の激しいタリバン掃討作戦は,この米国との協議を控えての,パキスタンの面目にかけての行動なのであろう。

今日のパキスタンの記事は他に,PEPCOのチーム総裁が,大言壮語とも思われる電源開発の全容を語っている。タルベラの増設や,4,500MWのバシャダム,969MWのニールムジェルム水力,一体幾ら資金があれば出来るのか,軽く200億ドルは超す数字である。また,掃討作戦の渦中にある北西辺境州政府は,まだ電気料金などで,中央政府に紛争を仕掛けている,本当に喧嘩の好きな州政府だ。

インドネシアの総選挙(注2)は,ユドヨノ大統領の民主党が躍進,との第一報である。カラ副大統領のゴルカル党が伸び悩んでいる。ユドヨノ大統領は安定していて,企業にも投資意欲を起こさせる。でも,カラ副大統領のキャラクターは興味がある,メガプロジェクトを語らせればこれほど面白い人はいない,政権から去らずに,是非ともユドヨノ大統領と組んで,開発を続けて欲しいものだ,面白いから。

新日本石油が高効率燃料電池を2015年までに商品化するという(注3)。燃料電池は家庭用と同時に,エコカーでも話題になっている。インプットはメタンガスと純水,これに水蒸気を発生させて水素を造り,これと空気中の炭酸ガスを化学反応させて電気を得るという。純水をどうやって造るのか,水蒸気を造るエネルギーは何か,そんなに効率が良いなら,分散せずに大規模な100万KWの燃料電池を造ったらどうか。いろいろ疑問。

(注1) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37911820090510
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090510AT2M0902V09052009.html
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905090121a.nwc

本文

●パキスタはのタルベラダムの増設に間もなく着手

Pakistan Electric Power Company (PEPCO) Managing Director Tahir Basharat Cheema on Saturday said that feasibility study of Tarbela IV extension project has been completed and development work will start soon to generate 900 megawatts of electricity.

パキスタンの電力供給公社PEPCO(注5),これはWAPDAの組織から発電部門と水力以外の開発事業を切り離したものだが,このPEPCO(注5)のチーマ総裁(注6)の大言壮語,と言ってしまえばおしまいだが,友好国会議の支援も得て,鼻息は荒い。ここで,進行中のプロジェクトを整理してみた,と考えて取り上げた。まず,タルベラダムの増設,900MWの第4期プロジェクト(注7)は,調査を終えて間もなく着工,12億ドルである。

また,740MWのムンダ水力プロジェクト(注8)と,840MWのスキケナリ水力プロジェクト(注9)は,いずれも準備が終わり間もなく着工する。4,500MWのディアマ-バシャダムプロジェクト(注10)は事業費98億ドルで,2010年5月着工の予定,また,1,100MWのコハラダムプロジェクト(注11)は事業費17億ドルで間もなく着工する。コハラダムプロジェクト(注11)は中国に依存している。

火力では,最終規模6,000MW,総事業費72億8ドルのタール石炭プロジェクト(注12)は,着工準備が整っている。225MWのアトラス電力プロジェクト(注13)は,2009年5月末に運転を開始する。225MWのオリエント電力プロジェクト(注14)は,2009年6月に運転開始する。2009年末までには,新規に,3,060MWが稼働し,2009年以降は停電はなくなる。

このうち,1,542MWはレンタルベースで,1,519MWはIPP(注15)である。また,新規の800MWは自家用発電(注16)である。また,2010年には,300MWのGENCOの発電所の修復が完了する。更に2010年の公社の水力,502MWも運転開始する。問題の,969MWのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注18)は,2015年の運転開始を目指して進めている。また,風力太陽光の目標は,2030年で,9,700MWである。

地方電化では,70の独立系統村落,4,000世帯の電化が終了し,バロチスタン州(注19)の300村落が,現在代替エネルギーで電化作業中である。全部で,7,784村落が電化される計画で,50MWの太陽光発電も含まれている。廃棄物利用の発電は現在35MWであるが,全国で200MWのポテンシャルを持っている。経済成長に併せて,今後とも電力開発を進める計画であると。

(注)A (1) 090510A Pakistan, thenews,(2) title: Work on Tarbela extension project to start soon,(3) http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=176824,(4) Sunday, May 10, 2009,ISLAMABAD:,(5) Pakistan Electric Power Company (PEPCO),(6) PEPCO Managing Director Tahir Basharat Cheema,(7) 900MW Tarbela IV extension project,(8) 740MW Munda hydropower project,(9) 840MW Suki Kenari hydro project, (10) 4,500 Diamer-Basha Dam,(11) 1,100MW Kohala Project,(12) 6,000MW Thar Coal based project,(13) 225MW Atlas Power Project,(14) 225MW Orient power project,(15) independent power producers (IPPs).,(16) captive power plant,(17) 300MW rehabilitation of GENCOs plants,(18) 969MW Neelum-Jhelum project,(19) Balochistan,(20) 50MW solar thermal power plant,(21)

参考資料

●090510A Pakistan, thenews
パキスタはのタルベラダムの増設に間もなく着手
Work on Tarbela extension project to start soon
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=176824

過去の関連事項

●タルベラダムとインダス河の長い水争いの歴史
http://my.reset.jp/~adachihayao/power.htm#power06
●090501A Pakistan, thenews
パキスタンの電力セクターへ日本政府が支援へ
Japan to provide help for Pakistan’s power sector
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090501A.htm
●090501B Pakistan, thenews
パキスタンは友好国のバシャダムへの融資を求めている
Pakistan seeks $273m from Friends for Basha dam
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090501B.htm
●090429B Pakistan, dawn
パキスタンの中央開発会議でエネルギー開発が最重要課題
Energy projects top agenda of CDWP meeting
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090429B.htm
●090428C Pakistan, dailytimes
パキスタンのニールムジェルム水力にIDBが融資へ
Pakistan, IDB likely to finalise 3-year financial package worth $577m
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090428C.htm
●090411B Pakistan, regionaltimes
パキスタンの電力需要はこの先5年で36,000MWへ
Power demand to rise upto 36,000MW in next five years: Pervez Ashraf
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090411B.htm
●090323B Pakistan, thenews
パキスタンの電力不足量は2,500MWの不足
Country to face power shortage of 2,500 MW till 31st
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090323B.htm


●パキスタンの北西辺境州の料金提訴に裁判所が令状

Islamabad High Court (IHC) Judge Justice Muhammad Munir Paracha Monday disposed of the writ petition of NWFP government against National Electric Power Regulatory Authority (Nepra) with directions to the latter to give meaningful hearing to the petitioner and other interested parties while ascertaining the consumer-end tariffs.

記事の内容はよく分からないが,パキスタンにおいて北西辺境州NWFP(注8)がいかに特殊な存在かが分かる事件である。問題は二つあり,一つは電気料金の紛争,もう一つはスキキナリ水力プロジェクト(注11)の問題である。イスラマバード高裁IHC(注5)は,北西辺境州NWFP(注8)がNEPRA(注9)の電気料金値上げに対する差し止め訴訟(注7)で,両者間及び利害関係者の協議開始を指示した。

昨年,2008年夏に中央政府の31%料金値上げ実施について,北西辺境州NWFP(注8)が差し止め訴訟を起こしていた。北西辺境州NWFP(注8)は,需要家はペシャワールのPESCO(注10)を通じて供給を受けているものと主張,しかし,NEPRA(注9)は,2008年8月23日に,値上げを決定している。裁判所は,NEPRA(注9)が2008年8月23日の値上げで,公聴会を開いていないことを問題にしている。

また同じ裁判所は,北西辺境州NWFP(注8)の,マンセラ(注12)に位置する655MWのスキキナリ水力プロジェクト(注11)の住民移住の際し止め訴訟を出しているが,スキキナリ水力プロジェクト(注11)の着工の権限は,中央政府でなく北西辺境州NWFP(注8)の権限だ,と主張している。

(注)B (1) 090510B Pakistan, thenews,(2) title: IHC disposes of NWFP govt’s writ against Nepra,(3) http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=175950,(4) Tuesday, May 05, 2009,By Our correspondent,Islamabad,(5) Islamabad High Court (IHC),(6) IHC Judge Justice Muhammad Munir Paracha,(7) writ petition,(8) NWFP government,(9) National Electric Power Regulatory Authority (Nepra),(10) Peshawar Electric Supply Company (Pesco),(11) 655MW Suki Kinari Hydropower Project,(12) Mansehra,(13) lawyer Barrister Abdul Hafiz Pirzada,(14)

参考資料

●090510B Pakistan, thenews
パキスタンの北西辺境州の料金提訴を裁判所が棄却
IHC disposes of NWFP govt’s writ against Nepra
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=175950

過去の関連資料

●090303A Pakistan, thenews
パキスタンの北西辺境州が水力民間開発に反対
NWFP opposes handing over of hydel project to private sector
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090303A.htm


●パキスタンはインドのインダス上流開発で世界銀行に訴え

Pakistan on Thursday said it could move the World Bank (WB) against India’s decision to divert the Jhelum River to Wullar Barrage and the faulty design of the Kishanganga hydropower project in Indian Held Kashmir.

インドとパキスタンの領域を跨って流れるインダス上流ジェルム川(注6),下流のパキスタン領内には,969MWのニールムジェルム水力プロジェクトを推進中であり,上流では,ジェルム川(注6)の水をウラー湖(注7)に分水し,ガンジス川流域に流す,インドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注8)が進行中である。しかも,いずれも国境未確定地域で,微妙な両国の実効支配地域同士での紛争である。

パキスタンは,この問題を国際調停に持ち出す,との情報も流れているが,今日はパキスタンの外務省のバシット報道官(注11)が不満をぶちまけている。パキスタンによると,このインドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注8)の誤った計画は,世界銀行(注5)が動く可能性がある,と語っている。今年,2009年3月にパキスタンのインダス委員会(注10)よりインドに抗議の文書が出されているが,満足な回答が未だ得られないと。

パキスタンとしては,判断を下すための中立の技術者の指名,世界銀行による調停,などのオプションを考えている。バシット報道官(注11)は,ジャムカシミール問題(注12)は,インドとパキスタンにとって極めて重要で,基本的な解決が必要だと。最近のテロに関するインドの発言には,パキスタンとしては我慢できないと。テログループに対するパキスタンの怠惰な攻撃(注13),という言い方は当たらない。米国を含め話し合うべきだと。

(注)C (1) 090510C Pakistan, nation.com,(2) title: Pakistan to take up water issue with WB,(3) http://www.nation.com.pk/pakistan-news-newspaper-daily-english-online/Politics/01-May-2009/Pakistan-to-take-up-water-issue-with-WB,(4) By: Shaiq Hussain | Published: May 01, 2009 ISLAMABAD -,(5) World Bank (WB),(6) Jhelum River,(7) Wullar Barrage,(8) Kishanganga hydropower project,(9) Indian Held Kashmir,(10) Pakistani Indus Commissioner,(11) Foreign Office Spokesman Abdul Basit,(12) Jammu Kashmir,(13) drone attacks,(14)

参考資料

●090510C Pakistan, nation.com
パキスタンはインドのインダス上流開発で世界銀行に訴え
Pakistan to take up water issue with WB
http://www.nation.com.pk/pakistan-news-newspaper-daily-english-online/Politics/01-May-2009/Pakistan-to-take-up-water-issue-with-WB

過去の関連事項

●090428C Pakistan, dailytimes
パキスタンのニールムジェルム水力にIDBが融資へ
Pakistan, IDB likely to finalise 3-year financial package worth $577m
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090428C.htm
●090418B Pakistan, greaterkashmir
パキスタンはジェルム川の分水問題で国際調停へ
Pak to move ICA against Jhelum diversion
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090418B.htm
●081123A Pakistan, pakobserver
インダスの水問題,シェナブ川の実情を反映せよ
Reflecting Chenab water issue
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm
●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090210B.htm
●081227A India, dailytimes
インドの閣議,キシャンガンガ水力,承認,パキスタン紙
Indian cabinet okays Kishanganga project
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081227A.htm


2009年5月8日分 ー ネパール政変に脅えるインド企業 ー

日本の8,000万台の自動車を全部プラグインカーにして,一斉にプラグに繋ぐと80億KWのピークになる,と書いたら,電力の友人から,少し多いのではないか,自動車1台100KWが疑問,とメールが来たので調べてみたが,トヨタのプリウスは81KWの出力を持っている,バッテリーは60KWぐらい,一般の家庭では10KWぐらいですかね,家はじっとしているが,動くと如何に多くのエネルギーを使うか,自分自身驚いている。

中国もエコカーに3000億円の研究費を投ずると言う(注1)。中国が全部プラグインカーになる頃は,世界の電力はどうなるのですかね。とにかく石油がなくなって車は全部電気と言うことになれば,原子力の世界になる。再生可能エネルギーで走ろうとしている米国は,米西部ネバダ州ユッカ山地での使用済み核燃料の地下処分場建設計画を廃止する,と発表した(注2)。今のガソリン自動車のエネルギーを賄うのは原子力だろう,と思うが。

中国はあっという間に8億KW近くも発電所を造ってしまったが,インドは電源開発にもたもたしている,なぜだろう,民主主義か,と書いたら,これも友人から,インドの欠点は,州政府が中央政府の命令に従わないからだ,とメールが来た。そうだった,インドの州政府のわがままというか,独自性には中央が手を焼いている,中央の書く方針は英語も含めてすこぶる立派だが,州政府はこれを無視するから,まさに絵に描いた餅になる。

今朝の朝日新聞の記事では,ネパールのカトマンズでは,マオイストが動員したデモが荒れ狂っており,ヤダブ大統領の発した陸軍司令官の復帰命令が取り消されるまでデモを続ける,との毛派の方針だという。他の政党は,毛派抜きでも新首相を選ぼうとしているが,キャスティングボードを握っている共産党は,毛派抜きで参加しないと言っている。毛派は,陸軍司令官復帰の取り消しがなければ応じない,困ったことになった。

毛派が政権から,或いは政治から降りると,ネパールは元の木阿弥で,2万人の毛派ゲリラが地方を占拠して,水力開発どころではなくなる。プラチャンダーは,ゲリラ活動に戻ることはない,大統領が指示を撤回してくれれば,もう一度政権に帰ってもよい,と言っているので,自暴自棄になっているのではないようだ,それにしても大統領の指示撤回は不可能だろう,と新聞は書いている。

今日のニューデリー発の記事は,電話などでカトマンズを呼び出して取材をしているようだが,インド政府側も,インド企業も,またネパール側の電力庁も,どうなるか分からない,と不安一杯のコメントである。現地には多くのインド企業が,土地の調達などで住民と交渉中だ,難航しているところもあるが,プラチャンダーが政権から降りると,一斉に水力開発反対に向かう農村の人々だ。

現在,インド企業が進めようとしているプロジェクトが上げられているので,整理しておこう。SJVNL(注5)が402MWのアルン第3水力(注11),GMR(注7)が302MWのアッパーカルナリ水力(注12)と250MWのアッパーマルシャンディ水力(注13),BEL(注6)が120MWのリクー水力(注14)と50MWのバラティ水力(注15),その合計出力は,1,124MWとなっている。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090508AT2M0702Z07052009.html
(注2) http://mainichi.jp/select/world/news/20090508k0000e030058000c.html

本文

●ネパールの政治危機はインド企業の水力開発へ影響

As the country drifts towards political crisis, extortion, threat to life and property become the order of the day The political turmoil in Nepal may hurt the ambitious plans of Indian power generation firms such as Satluj Jal Vidyut Nigam Ltd, or SJVNL, Bhilwara Energy Ltd, or BEL, and GMR Infrastructure Ltd, to set up hydroelectric projects with a combined capacity of 1,124MW in that country.

ネパールのプラチャンダー首相の突然の辞任は衝撃的であった。今日初めて,インド企業が進めるネパールの水力開発への影響について,ニューデリー発の記事が出た。誰も今の時点では何も言えない,と言うことは,衝撃の大きさを物語っている。カトマンズではマオイストのデモが荒れ狂い,地方でも農民が他の政党の建物を襲撃する事件が起きているという。

現在,インド企業が進めようとしているプロジェクトが上げられているので,整理しておこう。SJVNL(注5)が402MWのアルン第3水力(注11),GMR(注7)が302MWのアッパーカルナリ水力(注12)と250MWのアッパーマルシャンディ水力(注13),BEL(注6)が120MWのリクー水力(注14)と50MWのバラティ水力(注15),その合計出力は,1,124MWとなっている。

いずれもデリーから電話で取材したものだろう,インド政府のカトマンズ駐在は,現在の状態はよく分からないがインドの資産やインド人の安全が保証されているとは言えない,一旦ことが起こればすべて崩壊するような状態だ,と伝えている。プラチャンダー首相(注8)が2009年5月4日に,軍司令官のカタワル将軍(注9)を罷免して,これをヤダブ大統領(注10)が取り消し,直ちにプラチャンダーが辞任して,デモ行動に移っている。

インド電力省の高官は,多くの貴重なプロジェクトがあり,現在の状態に失望している,正常化するのを待つより他にない,と語っている。GMRの広報官は,プロジェクトはまだ土地調達など初期段階で大きな問題はない,とあまり多くを語らない。BELのラビ会長(注17)は,状態を非常に危惧している,と述べている。ネパールのNEA(注20)も,状態がどう推移するか分からない,見守っている状態だ,と言っている。

ネパールは世界でもっとも新しく共和国になった国であるが,戦略的に中国とインドに挟まれて微妙な位置にあり,インドは伝統的には,マオイスト(注19)よりは,反対派の会議派(注18)に近い外交政策をとってきた。ネパールの発電設備は617MWでそのうち570MWが水力,未開発水力は,83,000MWと言われており,水力開発投資には,9.96兆ルピーの資金が必要とされている。

(注)A (1) 090508A Nepal, livemint,(2) title: Crisis in Nepal may affect plans of Indian power generation firms,(3) http://www.livemint.com/2009/05/07214700/Crisis-in-Nepal-may-affect-pla.html?h=B,(4) New Delhi:,(5) Satluj Jal Vidyut Nigam Ltd, or SJVNL,(6) Bhilwara Energy Ltd,or BEL,(7) GMR Infrastructure Ltd,(8) Maoist leader Pushpa Kamal Dahal, also known as Prachanda,(9) army chief Rookmangud Katawal,(10) president Ram Baran Yadav,(11) 402MW Arun-III project,(12) 302MW Upper Karnali project, (13) 250MW Upper Myarsangdi project,(14) 120MW Likhu project,(15) 50MW Balathi project,(16) H.K. Sharma, chairman and managing director, SJVNL,(17) Ravi Jhunjhunwala, chairman, LNJ Bhilwara Group,(18) Nepali Congress party,(19) Maoists,(20) Nepal Electricity Authority,NEA,(21) Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry (Ficci),(22) gross domestic product,(23)

参考資料

●090508A Nepal, livemint
ネパールの政治危機はインド企業の水力開発へ影響
Crisis in Nepal may affect plans of Indian power generation firms
http://www.livemint.com/2009/05/07214700/Crisis-in-Nepal-may-affect-pla.html?h=B

過去の関連資料

●090401B Nepal, uk.reuters
ネパールの水力開発でダハール首相がインドが鍵を握っている
India key to Nepali hydropower ambition, PM says
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090401B.htm
●090220C Nepal, thaindian.com
ネパールのアッパーカルナリの工事がGMRで再開
GMR trouble in Nepal resolved Menon
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090220C.htm
●090127A Nepal, mediaforfreedom
ネパール,ダハール首相,議会に対して幅広い理解を要請
PM Dahal calls for comprehensive political understanding
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090127A.htm
●090126D Nepal, nepalmonitor
ネパールの水力開発には外国資本が必須
FDI in Nepal’s Hydropower Sector: A Focus on the Product
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090126D.htm
●081127B Nepal, thehimalayantimes
今日,ネパールとインドの総括協議,画期的な取り決めへ
Bilateral nod to update extradition treaty
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127B.htm


●インドネシアのプルタミナが上流事業に20億ドル投資へ

After decades of monopoly, state oil and gas company PT Pertamina is trying to beat the rising competition by investing more in the upstream sector, where competition is scarce and returns are higher. According to Pertamina deputy president director Omar S. Anwar, the company plans to increase its investment by 25 percent to US$2 billion this year, 65 percent of which will be used to finance upstream investment projects.

インドネシア,大統領選挙に向けて政治が動くが,副大統領は,インドネシアのエネルギー資源を外国企業に自由にはさせない,と言っているし,ナツナガス田を見ても,国営企業のプルタミナ重視の姿勢が顕著で,資源ナショナリズムが高揚している。落ち行く原油生産を,プルタミナを中心にして,何とかその落ち込みを防ごうという国策であるが,ここに来て,プルタミナが上流事業へ大きな重点を置くという。

ADBの年次総会に出席していたプルタミナ(注5)のオマール副総裁は,奇異遮断に対して,2009年の投資を前年比25%アップし,22兆ルピア,約20億ドル相当,とし,その65%を上流事業(注6)に振り向ける,と説明した,上流事業重視への政策転換である。これに対応して,2012年までの投資額を41兆ルピアとすると。上流事業の中には,原油,天然ガスの他,地熱資源も包含して考えている。

オマール副総裁は,大企業はいずれも上流事業から大きな利益を得ている,プルタミナも後れをとりたくない,上流事業はより競争市場ではあるが,利益は下流事業に比べて大きい,プルタミナの利益は,多くの仕事を仕事をこなさなければならない下流事業からは5〜10%であるが,上流産業では50%に達していると。

この上流事業の中には,120万ヘクタールに及ぶ既存の油田の開発の他,他企業からの油田の取得,天然ガス田開発,地熱エネルギー開発などを含んでいる。地熱に関して,インドネシアは大きなポテンシャルを持っているが,開発の動機が薄い,これが改善されたときは,地熱の分野でプルタミナが上位にいることを意図していると。しかし上流事業では,パートナーが必要で,海外事業を含め,広く合弁を目指したいと。

しかし,下流事業を続けるのはプルタミナの義務で,市場のシェアーを60%には保つ必要があると。下流事業の重要な分野は,パイプライン事業,石油精製事業,LPGタンク,新規ガスステーション,などがある。インドネシアは今でもガソリンの半分,21兆キロリッターを輸入に頼っており,石油精製事業はなお魅力的な分野である。家庭用のケロシンはLPGに代わってきているので,これも重要。

プルタミナの投資の今年の原資は,40%,8.8兆ルピアを,外部に求める必要がある。プルタミナの2008年の純益は32兆ルピアで,2007年の24兆ルピア,2006年の19兆ルピア,に比べて大きく伸びつつある。

(注)B (1) 090508B Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Pertamina plans to invest $2b to boost upstream operations,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/04/pertamina-plans-invest-2b-boost-upstream-operations.html,(4) Riyadi Suparno , The Jakarta Post , Nusa Dua, Bali | Mon, 05/04/2009 2:07 PM | Business,(5) PT Pertamina,(6) upstream sector,(7) Pertamina deputy president director Omar S. Anwar,(8) geothermal field,(9) Asian Development Bank's (ADB) annual general meeting,(10) downstream operation,(11) pipeline project,(12) oil refineries,(13) liquefied petroleum gas (LPG),(14) kerosene,(15)

参考資料

●090508B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナが上流事業に20億ドル投資へ
Pertamina plans to invest $2b to boost upstream operations
http://www.thejakartapost.com/news/2009/05/04/pertamina-plans-invest-2b-boost-upstream-operations.html

過去の関連事項

●090227B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナへの補助金を大幅カットへ
Pertamina Govt braces for higher fuel subsidy
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090227B.htm
●090219E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナがナツナガス田で政府補償を要求
Pertamina asks for government guarantee for Natuna
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090219E.htm
●090217B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの原油ガス企業が2009年に140億ドル投資
Oil, gas firms to invest $14b in 2009
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090217B.htm
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090217C.htm
●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090211A.htm
●090209C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,エクソンがセプ油田で,から副大統領に直訴
Exxon asks for permission from Kalla on Cepu Block
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090209C.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090205B.htm
●090124B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,エクソンとシェブロンが地元ガス需要へ対応
Exxon, Chevron in $6.76b deal to feed gas-hungry local market
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090124B.htm
●090114D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのセプ,エクソンが4年の紛争を経て運転開始へ
Exxon’s rights in Natuna terminated since 2005 Govt
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090114D.htm
●081225B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,プルタミナ,補助金2兆ルピアを期待
Pertamina expects fuel subsidies to cost Rp 2t next year
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081225B.htm
●081204E Indonesia, The Jakarta Post
エクソン,チェプブロックの生産開始で,楽観的
Exxon upbeat on Cepu production schedule
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081204E.htm
●081203B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問
Exploration schedules in Cepu put into doubt
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203B.htm



2009年5月7日分 ー インドに迫り来る夏の電力不足 ー

エコカー,ハイブリッドカーの話題が,世界の自動車メーカーの再編成と共に,新聞紙上を賑わしている。オバマ大統領が,日本人に造れてなぜアメリカ人に造れないのか,と叫ぶ中,日本のエコカーが海を渡っている。私も盛んに,カムリからプリウスに乗り換えろ,と販売店からプレッシャーをかけられている。フォードが,5億ドルを注ぎ込んで,エコカーの開発生産拠点を構築すると言うニュースも流れている。

水素で行くのか電気で行くのか,大きな分かれ目だろうが,電気に収束して行く可能性は高い。燃料電池は公害の分散の可能性があるから水素をどこかで造るとすると,電力がいるのだから。私は,バッテリーを規格化して,バッテリーステーションでバッテリー毎交換するのがよいと思うが,夜間のプラグインも出来るようにしたらよい。

ただ,開発途上の話ばかりしているが,総量問題は大丈夫なのか,と考えてしまう。日本で言えば,8,000万台,1台のバッテリーが平均100KWとすると,8,000万台が同時にプラグに繋ぎ込むと,80億KWのピーク電力が必要になる。同時に繋ぐのは5%と仮定しようか,その時のピークは4億KWで,現在の日本の電力設備の2倍近い容量になる。少なく見積もっても,1億KWは,原子力発電所を新たに建設する必要がある。

今,路上を走っている車のガソリンがゼロになるのだから,大いに結構で,この方向で進む,少なくとも10年後ぐらいには,その様な状況になるのではないか。今後10年間で100万KWの原子力ユニットを100機建設する,とんでもない話だが,エコカーの話というのは,その様なもので,一部の業界でエコカーと騒いでも,どうしようもない,と言うことだ。

インドの人口は10億だから,インドの車を電気自動車にするのも大変な話だ。インドの現在の発電設備は1億4,000万KWで,この夏には水力が渇水のため落ち込むので,8,000万KWぐらいしか出ないと言う。2007年までの五カ年計画では,目標,41,110MWに対して,20,950MWが達成されただけである。次の2012年までの五カ年計画では,78,577MWであるが,誠に心許ない。

中国は,あっという間に8億KW近い設備を作ってしまったが,どうしてインドは発電所が出来ないのか。民主主義だから,と言うわけではなかろう。中国の場合も,中央政府が一声かけると,もう規制が効かないほど発電所が出来てしまって,挙げ句の果てに石炭が足らなくなってしまって,停電が続く。おそらく,インド人の小難しさにあるのではないか。何かというと法廷に持ち込んでいつまでも解決しない。


本文

●インドの迫り来る夏の電力不足は12%に達する

Hydropower generation capacity has fallen by 10%, the situation will improve after the onset of the monsoon rains New Delhi: This summer, which has already seen record high temperatures, will soon get hotter and more uncomfortable due to longer power outages.

インドの電力不足を包括的に取り上げた記事として注目,数字を中心に拾っておきたい。現在の乾期の状況で,水力発電所の出力は既に12%落ちている状況だ。今年の夏は酷暑が予想され,設備増強も円滑でなく,少なくともモンスーンの時期までは(注6),電力需給に厳しい状況が続く。夕方5時から11時のピーク時間には,不足は12%に上ると推定される。

電源開発も遅れている。2008〜2009年度の目標,11,000MWに対して実績は僅かに,3,500MWで,2012年の目標の60%は達成できないだろう。特に南部の水力発電所は,殆ど止まっている。南部の水力は,全国の水力,38,000MWのうち,30%,11.400MWを占めている。インド全部の設備出力は,147,000MWであるが,実際に動いているのは,85,000MWである。

2012年までの新規電源の目標は,78,577MWであるが,2007年8月28日の報告では,機器供給とコントラクターの不足が理由で,60%は目標に達しないだろう,と見られていた。事実,2007年までの五カ年計画では,目標,41,110MWに対して,20,950MWが達成されただけである。ただ,KGガス(注8)が供給を開始して,6,000MWが稼働状態に入ることは心強い。

モンスーンの雨は6月から9月と見られているが,気象庁IMDによると,今夏は熱波に襲われ,特にラジャスタンなど(注10)多くの州で需要が急激に上がる可能性がある。CEA(注7)の予測では,西地域では19%の電力不足が予想され,特に,マハラシュトラ(注12)では23.7%,グジャラート(注13)では23.4%の不足が予想される。北地域では,10.7%の不足で,特にウッタルプラデシュでは22%不足で,近隣地域に影響を与える。

デリーの電力問題は大きい。デリーのピーク需要は通常,4,036MWであるが,今年の夏は,4,500MWに達すると予想される。現時点で既に,3,700MWを記録している。デリーの有する設備は僅かに1,300MWで,他の州からの融通が頼りである。デリー送電会社(注15)によると,周波数を49ヘルツに保つ必要があり,これが停電の大きな原因になろう。デリーの配電ライセンスは,BSESなど5社(注18)である。デリーは既に周波数低下のために停電が起こっており,他州からの融通(注19)に期待している。

(注)A (1) 090507A India,livemint,(2) title: India has 12% power shortage, figure may get higher experts,(3) http://www.livemint.com/2009/05/05005836/India-has-12-power-shortage.html,(4) New Delhi: ,(5) Jacob P. Koshy contributed to this story.
utpal.b@livemint.com,(6) onset of the monsoon rains,(7) Central Electricity Authority (CEA),(8) Krishna Godavari gas,(9) meteorological department (IMD),(10) Rajasthan, Madhya Pradesh, Chhattisgarh, Vidarbha, Delhi, Himachal Pradesh, Punjab Haryana and Uttar Pradesh,(11) Ajit Tyagi, director general of IMD,(12) Maharashtra and Gujarat,(13) Delhi government,(14) grid frequency,(15) Delhi Transco Ltd,(16) Anil Ambani-owned BSES,(17) Tata-owned New Delhi Power Ltd,(18) BSES Yamuna Power Ltd, BSES Rajdhani Power Ltd, NDPL, New Delhi Municipal Corporation and Military Engineering Services (for Delhi Cantonment).,(19) Central Unallocated Quota,(20)

参考資料

●090507A India,livemint
インドの迫り来る夏の電力不足は12%に達する
India has 12% power shortage, figure may get higher experts
http://www.livemint.com/2009/05/05005836/India-has-12-power-shortage.html

過去の関連資料

●090420A India, Economic Times
インドの国家送電網が電源を睨み2000億ルピー投資へ
PowerGrid to spend about 20,000 cr in UMPPs by 2012
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090420A.htm
●090409B India, economictimes.indiatimes
インドの閣僚会議がKGガスの電力への供給開始を承認
Power list gets nod for KG gas
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090409B.htm
●081215B India, Economic Times
電力大臣,2012年までに,全家庭に電気を
Electricity for all by 2012 Power Minister
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081215B.htm
●081206A India, businessspectator.
インドの電源開発,もう引っ返す道なし
WEEKEND READ: India's big test
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081206A.htm


●インドのNHPCがミャンマーやブータンで4500億ルピーの事業

In line with India’s hydropower diplomacy initiative in its immediate neighbourhood, state-owned NHPC Ltd is working on plans to develop hydroelectric power plants in Myanmar and Bhutan. The proposed projects entail cumulative investments of nearly Rs 45,000 crore.

インド北辺の水力開発,人類最後の戦いの範囲は,当然周辺国の山岳地帯の水力資源もターゲットである。ネパールの政治が大きく動いている中で,インドの水力発電公社NHPC(注5)が,インド政府の全面的な支援の元,動きを加速している。主体は,今のところ,ミャンマーとブータンで,重電メーカーBHEL(注6)と組んで,総額4,500億ルピーの事業に挑んでいる。

NHPC(注5)のガルグ総裁(注7)は,ネパールについては,政治的な安定を見届けてからだ,と言っている。ここ数日のマオイストの動きが重要な鍵を握っている。ミャンマーとブータンについては,インド政府も熱心で,ミャンマーでは,2つのプロジェクトに総額2,500億ルピー,ブータンについては,3つのプロジェクトに1,800億ルピーが必要であると。ミャンマーのプロジェクトは,インド北地域までの送電線が必要である。

ミャンマーのプロジェクトは,チンドウイン川(注10)の2つのプロジェクトで詳細設計DPR(注11)の報告書を見直し中で,対象は,1200MWのタマンティ水力プロジェクト(注12)と,642MWのシュエザエ水力プロジェクト(注13)である。これらは,ミャンマー政府とMOUを交わしている。ブータンでは,720MWのマンデチュ水力プロジェクト(注14)のDPRを,ブータン政府に提出している。

またブータンの他の2つの水力,チャムカルチュ第1水力プロジェクト(注15),クリゴングリHE水力プロジェクト(注16),併せて2,470MWについて,DPRを準備中である。また,NHPC(注5)とBHEL(注6)の合弁で,タジキスタンの既設バルゾブ第1水力発電所(注17),3.67MW機2台の改造を手がけている。

(注)B (1) 090507B India, thehindubusinessline,(2) title: NHPC taking up projects worth Rs 45,000 cr in Myanmar, Bhutan,(3) http://www.thehindubusinessline.com/2009/05/07/stories/2009050752071500.htm,(4) New Delhi, May 6,(5) NHPC Ltd,(6) Bharat Heavy Electricals Ltd,(6) Tajikistan,(7) NHPC’s Chairman and Managing Director Mr S K Garg,(8) modalities of funding,(9) Northern India,(10) Chindwin River Basin,(11) DPR (detailed project reports),(12) 1,200-MW Tamanthi hydroelectric project,(13) 642-MW Shwezaye hydroelectric project,(14) 720-MW Mangdecchu Hydropower Project,(15) Chamkarchhu-I project,(16) Kuri-Gongri H.E project,(17) Varzob Hydro Power Plant-I (2x3.67 MW),(18)

参考資料

●090507B India, thehindubusinessline
インドのNHPCがミャンマーやブータンで4500億ルピーの事業
NHPC taking up projects worth Rs 45,000 cr in Myanmar, Bhutan
http://www.thehindubusinessline.com/2009/05/07/stories/2009050752071500.htm

過去の関連事項

●090207A Myanmar, zeenews
ミャンマー,インド副大統領が,タンシュエ将軍と会談
VP Hamid Ansari meets head of Myanmar's military junta
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090207A.htm
●090206B Myanmar, zeenews
ミャンマー,インドの副大統領が,明日訪問
Ansari visits Myanmar tomorrow, 3 MoUs to be signed
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090206B.htm
●081125C Myanmar, mathaba
ミャンマーとインド,経済協力の促進を確認
Myanmar, India to cement economic and trade ties
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125C.htm
●090130B Bhutan, Economic Times
ブータンのダガチュ水力開発,インド企業へ
Maytas lowest bidder for Bhutan hydropower project
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090130B.htm
●090108B Bhutan, Kuensel
ブータン,ダガチュウ水力のパートナー,不確定に
Dagachu power partner under cloud
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090108B.htm



2009年5月6日分 ー 中国が新疆自治区でエネルギー開発強化 ー

昨夜は本当に夢を見た,バンコクの空港で,カトマンズに帰れないと言っているプラチャンダーのために,一生懸命チケットを手配している夢だった。あの独特の黒縁眼鏡をかけたプラチャンダーが,右往左往していた。私は余程,プラチャンダーに期待していたのだなあ,と自分で感心していた。ネパールの全然手が付けられていない水力エネルギーは,彼の,10年間で10,000MW,の公約に大いに期待していた。

今朝の朝日のニュース(注1)では,いろいろ次期内閣の準備が進められているようであるが,とにかくマオイストがどうなるかだけが問題で,誰がどう連立しようと,ネパールの水力エネルギー開発は,マオイストの意志如何にかかっている。次の内閣が出来たとしても,プラチャンダーを支持する地方の農民はマオイストに味方するだろうし,山の中の水力開発は不可能である。プラチャンダーよ,もう一度,帰ってこい。

パキスタンの北西辺境州も大変なことになっている(注2)。あれほど穏やかだったスワット平野やカイダルの部族地域が,今や戦闘態勢である。村人達を盾にしたタリバンは,自爆攻撃も辞さない過激派だ。ネパールと言い,北西辺境州と言い,人類にとっての重要なエネルギー資源,人類最後の戦いの場が,このようの混乱の極みであることは,残念無念,折角,ネパールなど,歴史的な和解が成立したのに。

中国は,チベットの開発から,更に辺境となる新疆ウイグル自治区の開発に一挙に手を付けた。今日は新疆の二つの水力を取り上げて作文していたのに,一つのトシカン川の開発の方を上書きして失ってしまった。原文へのリンクをとっておいたので見て下さい。再生可能エネルギー開発も方針を見直し,水力と共に,風力に力点を置く中国のようだ。

地図を付けたので見て欲しいが,新疆ウイグル自治区のキジルス県(注8)は,キルギスタン,タジキスタンと国境を接して,新疆ウイグル自治区の重要な水源をなしている。全部で7つの川があり,年間の総流出量は140億トン,電力は,5,000MWのポテンシャルを持っている。

(注1) http://www.asahi.com/international/update/0505/TKY200905050138.html
(注2) http://www.asahi.com/international/update/0505/TKY200905050158.html


本文

●中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ

The Chinese government is working on a support plan for the renewable energy industry aimed at raising the country's wind power capacity to 100-150 million KWh by 2020, sources close to the plan making told Xinhua on Tuesday.

中国は,太陽光発電が非常に高価なので,再生可能エネルギー開発は,風力と水力に焦点を当て,太陽光については機材輸出に方向を決めた,と言う記事があったが,とにかく,大規模水力もすべて再生可能エネルギーと見なし,これに風力発電の大規模開発を入れて,これらを主体に,中国の再生可能エネルギー開発を推進しようとしている,と理解してきた。

記事によると,中国政府は現在,再生可能エネルギー産業育成計画を策定中で,その中では,風力発電について,100〜150GWhまで拡大することが基本となっていると。中国科学技術院(注6)が策定に当たっているようだ。責任機関は発改委NDRC(注8)で,既に現行は出来上がっているようだ。2007年に一度,中期及び長期の計画が出来上がっており,今回はこれを修正したものになる。

中国風力エネルギー協会(注10)によると,2020年までに風力を30GWh開発する計画であったが,この目標は2011年に達成される見込みだ。2008年末までに12.15GWhの開発量に達しているが,2008年だけで6.25GWhを開発しており,これは前年の89%増しである。現在の計画では,2020年までに,水力を300GWh,バイオマスを30GWh,太陽光を1.8GWhとする計画になっている。

(注)A (1) 090506A China, news.xinhuanet,(2) title: China expected to issue support plan for renewable energy development,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/05/content_11316039.htm,(4) BEIJING, May 5 (Xinhua) --,(5) renewable energy industry,(6) Shi Dinghuan, member of energy research commission with Chinese Academy of Sciences,(7) wind power capacity,(8) National Development and Reform Commission,NDRC,(9) renewable energy support plan,(10) Shi Pengfei, vice director with Chinese Wind Energy Association,(11) hydropower capacity,(12) biomass power capacity,(13) solar power capacity,(14) State Council,(15)

参考資料

●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://news.xinhuanet.com/english/2009-05/05/content_11316039.htm

過去の関連事項

●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090301C.htm
●090223B China, dailymailnews
中国はチベットの牧草地減退で2030年までに回復を計画
China aims to curb pasture degradation in Tibet by 2030
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090223B.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090207B.htm
●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090109E.htm
●081229C China, chinadaily
中国,燃料税改革,エネルギーの里程標
Fuel tax reform an energy milestone
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081229C.htm


●中国が新疆ウイグル自治区に315百万ドルの水力建設へ

China is building a 315-million-U.S.-dollar hydropower station in the Pamirs to improve irrigation, power generation and flood control in the northwestern Xinjiang Uygur Autonomous Region.

トシカン川(注14)の開発とよく似ているが,これは別のプロジェクトだ。中国政府は,西端の国境,新疆ウイグル自治区へのインフラ投資を強めている。新疆ウイグル自治区の北西部,パミール(注5)のゲズ川(注7)に,出力200MW,事業費315百万ドルの水力発電所を,2009年5月5日,着工した。目的は,発電の他,灌漑,洪水調節である。ゲズ川(注7)沿いの5つの発電計画で最大規模のものである。

開発を担当する企業は,南寧(注10)の広西水資源電力公司(注9)である。3機の水車で出力は200MW,完成は2012年で,年間673GWhを発電する。残りの4つの発電所は6年以内に完成し,発電量は,2,270GWhとなる。カズ川(注7)の開発の意義は,発電のみでなく,10万ヘクタールの灌漑と下流の洪水緩和の効果が大きい。

キジルス県(注8)は,キルギスタン,タジキスタンと国境を接して,新疆ウイグル自治区の重要な水源をなしている。全部で7つの川があり,年間の総流出量は140億トン,電力は,5,000MWのポテンシャルを持っている。

(注)C (1) 090506C 中国,news.xinhuanet,(2) title: China building $315-mln hydropower station in Pamirs ,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-04/29/content_11281004.htm,(4) ATUX, Xinjiang, April 29 (Xinhua) --,(5) Pamirs,(6) Xinjiang Uygur Autonomous Region新疆ウイグル自治区,(7) Gez River,(8) Kirgiz Autonomous Prefecture of Kizilsu,(9) Hou Daiping, vice president of the Guangxi Water Resources and Electric Power Group Co., Ltd,(10) Nanning,(11) Guangxi Zhuang Autonomous Region広西荘族自治区,(12) Kashi Prefecture,(13) Yan Fenxin, a top official in Kizilsu Prefecture,(14) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090506B.htm,(15)

参考資料

●090506C 中国,news.xinhuanet
中国がパミール高原に315百万ドルの水力建設へ
China building $315-mln hydropower station in Pamirs
http://news.xinhuanet.com/english/2009-04/29/content_11281004.htm

●090506B China, english.people.com
中国の新疆自治区で貧困対策としての最大の水力プロジェクト
Xinjiang starts construction of its biggest poverty relief project
http://english.people.com.cn/90001/90776/90882/6650627.html

過去の関連資料

●090305B China, chinaknowledge
中国建設大手企業がチベットのブラマプトラで水力開発
Gezhouba gains a record RMB 1.14 bln hydropower contract
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090305B.htm
●090223B China, dailymailnews
中国はチベットの牧草地減退で2030年までに回復を計画
China aims to curb pasture degradation in Tibet by 2030
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090223B.htm
●090205D China, capital-en.trend
中国,2009年の電力投資,5800元
China to invest 580 bln yuan in power construction in 2009
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090205D.htm
●090117B China, ndiainfoline.com
中国,チベットのヤールン水力建設へ
China may build power plants on Yarlung Tsangpo: report
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090117B.htm
●081216E China, chinadaily
中国,寧夏回族自治区,500億元,大規模エネルギー基地
Ningxia to fuel China power needBy Si Tingting
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081216E.htm


2009年5月4日分 ー ネパールのマオイスト政権が倒れる ー

この皆さんが余り読んでくれない連休中に,このようなことが起こるとは,私はショックですね。昨日,2009年5月4日の朝日新聞に,ネパールのプラチャンダー首相が,陸軍司令官を解任した記事を見て,嫌な予感がした。私は,ネパールのエネルギー開発が,人類最後の戦いであり,プラチャンダーが挑むこの戦いの原点は,中国問題でもインド問題でもなく,マオイスト軍隊約2万人の,円滑なネパール正規軍への編入だと思っていた。

ネパール軍部はこのマオイストの完全武装解除が前提,との主張を譲らず,プラチャンダーは2万の自分の将兵を説得できずにいた。私は,水力開発の破綻が訪れるとすれば,この旧ゲリラ部隊の存在だと言うことを知っていたし,その武器はすべて金庫の中に納められたけれども,その金庫の鍵は,旧毛派の兵士が握っている,と聞いていた。今日のプラチャンダーの辞任表明(注1)は,余りの進展の早さに,ショックである。

今日,話題になっている127MWのアッパーセティ水力プロジェクト(注B9)は,Jパワーの専門家が手がけ,ネパールの乾期の電力危機を救うにはこれしかない,と乾坤一擲,JICAが開発調査投入を決断した。その調査の途上で,ゲリラの銃声一発で,調査が中断した記憶はまだ新しい。要するに,ネパールの水力開発,人類最後の戦いの鍵は,武器庫の鍵と共にマオイスト兵士達が今でも握っているわけである。

プラチャンダーは,政権投げ出しと同時に,民衆を動員してのデモ活動に移る,と宣言しているが,マオイストの言うデモ活動とはゲリラ活動と直結したもので,まずカトマンズ道路の閉鎖が,彼等の得意な戦略である。国際社会は,或いは人類は,プラチャンダーと言う理想に燃えた戦闘政治家に託した思いを,今は裏切られようとしているのであろうか。

オバマ政権のエネルギー政策の成り行きにも注目している我々であるが,訪米した二階俊博経済産業相とチュー米エネルギー長官と会談,原子力平和利用で協力に合意,というニュース(注2)は,私は,日本の原子力主導の考え方を,チュー米エネルギー長官に押しつけたものとの見方をしている。オバマ政権は,原子力開発については多くを語っていないが,米国が新規原子力開発なしでは,エネルギー政策は進まず,と見ている。再生可能エネルギーだけで米国は統治できず,と私が主張している所以である。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090504D2M0400Z04.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090505AT3K0500805052009.html


本文

●ネパールの水力開発でインド企業の前にまた障害

The GMR Group, one of India's premier infrastructure developers, has run into fresh trouble in Nepal, where it is building a 300-MW hydro power project. From Sunday, villagers in western Nepal's remote Dailekh and Accham districts have forced GMR to halt the work on the 300-MW Upper Karnali project, saying the Indian company failed to meet some of their demands, Nepal's official media reported Tuesday.

ネパールの大規模水力開発の突破口の役割を果たすべく乗り込んだインド企業GMR(注5),300MWのアッパーカルナリ水力(注8)の着工で,再び三度,難関に直面している。アッパーカルナリ水力(注8)に関連するネパール西部の辺境,ダイレキ地区(注6)及びアッチャム地区(注7)の村民達が,GMR(注5)が当初の約束を果たしていない,と工事阻止の行動に出た。

村民達の要求は,橋梁の建設や通信塔の設置,及び共有林(注10)喪失による雇用の創出などであった。村民のリーダー(注9)によると,約束の2009年4月中旬までに,約束が果たされなかった,と言うのである。GMR(注5)は,2008年1月に,数多の競争相手を打ち負かして,アッパーカルナリ水力(注8)の開発権を取得したわけであるが,あれから幾度となくトラブルに巻き込まれている。

2009年2月に至って,村民は要求を掲げて工事の阻止行動に入った。前年の2008年3月には,当時の暫定内閣がこの開発権を承認したのは国家利益に反する,と訴訟に持ち込んでいる。ネパールの最高裁はこれを退けたが,未だにGMR(注5)は,地元住民との間でトラブルを抱え続けているのである。

(注)A (1) 090504A Nepal, sify.com,(2) title: GMR runs into fresh trouble in Nepal,(3) http://sify.com/finance/fullstory.php?a=je2o4tahifg&title=GMR_runs_into_fresh_trouble_in_Nepal&?vsv=TopHP1,(4) 2009-04-28 14:06:47,Last Updated: 2009-04-28 15:20:32,Kathmandu: ,(5) GMR Group,(6) Dailekh district,(7) Accham district,(8) 300-MW Upper Karnali project,(9) Bom Bahadur B.C., a resident of Dailekh village and the leader of a local struggle committee,(9) community forests,(10)

参考資料

●090504A Nepal, sify.com
ネパールの水力開発でインド企業の前にまた障害
GMR runs into fresh trouble in Nepal
http://sify.com/finance/fullstory.php?a=je2o4tahifg&title=GMR_runs_into_fresh_trouble_in_Nepal&?vsv=TopHP1

過去の関連事項

●090401B Nepal, uk.reuters
ネパールの水力開発でダハール首相がインドが鍵を握っている
India key to Nepali hydropower ambition, PM says
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090401B.htm
●090220C Nepal, thaindian.com
ネパールのアッパーカルナリの工事がGMRで再開
GMR trouble in Nepal resolved Menon

http://my.reset.jp/~adachihayao/index090220C.htm
●090126D Nepal, nepalmonitor
ネパールの水力開発には外国資本が必須
FDI in Nepal’s Hydropower Sector: A Focus on the Product
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090126D.htm
●081127B Nepal, thehimalayantimes
今日,ネパールとインドの総括協議,画期的な取り決めへ
Bilateral nod to update extradition treaty

http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127B.htm


●ネパールは自己資金で2つの水力を2年内に完成へ

The government will start work on two medium-size hydro power projects through local capital within this July and plans to complete them within two years, according to a senior official at the Ministry of Water Resources.

ネパールの当面の電力危機を回避するために,火力発電所の開発まで検討されたが,結局,水力に頼るべきだとの合意の元に,外国資本による開発に時間がかかることから,2年以内に運転開始できるようなプロジェクトを,ネパール独自の資金調達で開始する,との決断をしたようだ。しかしここで問題になるのは,貯水池式発電所が必要なことで,一挙にJICAの手がけたアッパーセティ水力(注9)が浮上してきている。

ネパール政府は,年度内,即ち2009年7月までに,二つの中規模水力を,国内資本で着工し,2年内に完成させると言う決断をした。このうち一つは貯水池式(注6)で,乾期にも発電できることが条件だ。現在貯水池式は,90MWのクリカニ水力発電所(注8)だけである。水資源省MOWR(注5)は,タナフ地区ダマウリ(注10)に位置する,127MWのアッパーセティ水力プロジェクト(注9)を年度内,7月までに着工する。

もう一つの流れ込み式水力(注11)は,ソルクンブ地区(注13),40MWのラワーソル水力プロジェクト(注12)である。計画では,ネパール政府もい一定の資本を持ち,政府と民間でそれぞれ30〜40億ルピー,約0.378〜0.504億ドル相当,を調達する。これらのプロジェクトの可能性調査FSと詳細設計は終了している,としている。

その他,ドラカ地区(注18),309MWのアッパータマコシ水力プロジェクト(注17)は,2009年7月に国内資金で着工することになっており,ラスワ地区,20MWのチリメ水力プロジェクト(注19)も,国内資本による建設のモデルとして準備が進んでいる。92MWのクリカニ水力発電所(注21)以外は現在すべて流れ込み式(注11)で,乾期には出力が36%しか出ず,停電の主要な原因となっている。

(注)B (1) 090504B Nepal, kantipuronline,(2) title: Plan to build hydel projects sans donors,(3) http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=191708,(4) PRAGATI SHAHI,KATHMANDU, April 29 -,Posted on: 2009-04-28 21:52:24 (Server Time) ,(5) Ministry of Water Resources (MoWR),(6) storage-project,(7) pre-monsoon season,(8) 90 MW Kulekhani hydropower plant,(9) 127 MW Upper Seti hydropower project,(10) Damauli in Tanahu district,(11) run-of-the-river project,(12) 40 MW Lower Solu hydropower project, (13) Solukhumbu district,(14) Ministry of Finance (MoF),(15) Bishnu Prasad Poudel, Minister for Water Resources,(16) Rameshwor Khanal, secretary at MoF,(17) 309 MW Upper Tamakoshi hydropwer project,(18) Dolakha district,(19) 20 MW Chilime hydro project,(20) Rasuwa district,(21) 92 MW Kulekhani hydro project, (22) Makwanpur district,(23)

参考資料

●090504B Nepal, kantipuronline
ネパールは自己資金で2つの水力を2年内に完成へ
Plan to build hydel projects sans donors
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=191708

過去の関連資料

●090104B Nepal, nepalnews
ネパール,火力建設は果たしてベストの選択か
Alternatives to Thermal Plant
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090104B.htm
●081125B Nepal, nepalnews
ネパール,民間資本,水力開発促進のための施策を要請
Govt must be clear on harnessing hydropower: Private sector
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125B.htm


2009年5月2日分 ー フィリッピンも原子力発電を決断 ー

拡大しつつある新型インフルエンザに関して,WHOへとばっちりが返ってきた,18日間の初動の遅れ(注1),が問題になってきた。誰でも経験することだが,自分の速すぎる判断を如何にして上部を説得するか,仕事というのはこの繰り返しのような気がする。早すぎると皆に馬鹿にされる。今度の場合も,WHOの日本人スタッフが早く気付き,彼女の重大な役目は,如何にチャン事務局長を納得させるか,だったという。

オバマ政権は,再生可能エネルギーに一生懸命だが,スリーマイルの事故以来,30年間新しい原子力発電所を建設していない米国も,早晩,原子力発電を問題にする必要が出てこよう。今日のフィリッピンのレイエス・エネルギー長官の記事を見ていて,どうもフィリッピンは,言葉だけだが,オバマの一歩先を言っているな,と言う感じがする。55%が再生可能エネルギーの場合,45%は信頼できるベースロードの供給力が必要と。

タイやベトナムも,原子力については随分発言しており,具体的に2020年頃を目処に,原子力発電所の運転開始を視野に入れているが,どうも説明の仕方が余り旨くない。英語の問題もあるかも知れないが,タイやベトナムの政府の原子力プロパガンダは,もう一つ国民を納得させるには,迫力不足,と言う感じがする。

フィリッピンの場合は,事実既に建設の実績があることもあるが,再生可能エネルギー法の採択で,東南アジア諸国が,大丈夫か,と言う感じで眺めているときに,少しの恥ずかしげもなく,あの高い電気料金の批判の中で,再生可能エネルギーを打ち出す。オバマの機先を制した形だ。実際に動くかどうか,それは未知数だが,少なくとも言葉の上では,フィリッピンの人は饒舌だ。

レイエス・エネルギー長官の言っている重要な点は,2030年に50%前後の再生可能エネルギー投入を考えているが,それを実現させるためには二つの条件があると。それは,45%程度は原子力などの安定した合理的な生産価格の電源が必要であることと,蓄電機能の発展が必要だ,と言っている点だ。バッテリーのことを言っているが,米国のチュー長官のように,規模によっては揚水の果たす役割,と結びつける可能性もある。

いずれにしても,エネルギー長官が自ら,原子力発電の必要を公式に認めたことは,フィリッピンが原子力発電所の建設に踏み切ったと見てよいだろう。東南アジア最大の飲料企業サンミゲールのエネルギー分野への資本進出の野望もすさましい。国内に留まらず,インドネシアの石炭への資本進出も視野に入れた。なお,日本の企業連合が,欧州ウラン濃縮会社ウレンコ社への出資構想(注2)も,極めて野望的である。


(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090503AT2M0104702052009.html
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200905020090a.nwc


本文

●フィリッピンのレイエス長官が原子力開発決断か

Thank you, Mr. Chairman. It is an honor to speak before members of this body. My presence here today will highlight the Philippines’ position on nuclear energy from the perspective of a developing and non oil-producing country. Our country’s renewed interest in nuclear power, like the rest of the world, is primarily driven by concerns on energy security, volatility of fossil fuel prices and rising carbon dioxide emissions.

フィリッピンの原子力発電所の問題は,ここ数年,再び現実的な議論に移ってきているが,エネルギー長官が自らこのように順序立てて,原子力発電の必要性を語ったのは,初めてではないか。英語の使い方が旨いから,タイやベトナムの比べると現実味を帯びてくる。重要なポイントを拾い上げておこう。明確に,フィリッピンに於ける原子力発電所の位置づけを述べる,と最初に断っている。

なぜ今やフィリッピンのみならず世界的にも原子力が見直されてきているかと言う理由は,国家エネルギー確保,化石燃料価格の不安定,炭酸ガス排出量の増加,の3点としている。エネルギー源の多様化を目指すことから,最適電源組み合わせ(注5)が必要であると。化石燃料依存から脱却するため,再生可能エネルギー(注6)の開発を考え,今年,2009年初頭,そのための法案を成立させた。

我々の計算では,2030年までに再生可能エネルギー(注6)の占める割合を,35〜55%とする計画であるが,そのためにはコストの問題と技術開発,特に電力貯留の技術(注8)を開発する必要がある。規模にもよるが,当然この中には,米国のチュー長官が言っているような揚水発電の活用も考えて行かねばならないだろう,と言うことになるか。

55%を再生可能エネルギー(注6)で賄うとしたとき,残りの45%は,最適電源組み合わせ(注5)の考え方から,信頼度の高いベース供給力(注7)が必要になろう。この中には当然,原子力発電が入ってくる。それは,持続的で低価格の電源(注9)という意味から重要である。フィリッピンの現状は,化石燃料の使用が多い上に,アジアで一番電気料金が高い,と言う事実がある。このような立場から,原子力発電を必要としている。

また,フィリッピンは義務は負っていないが,二酸化炭素に関する地球の問題にも貢献する必要がある。国連気候変動会議(注10)と京都議定書(注11)に参加している意味からも,価格の高い再生可能エネルギーだけに頼ることは困難で,原子力発電の導入は避けられない。過去に我々は原子力発電に挑戦した経験がある。バターン原子力発電所(注12)は政治的な問題から密閉(注13)してしまった。

IAEA調査団(注14)の勧告に従って原子力開発拡大組織(注15)を政府内に組織して,準備に当たっている。フィリッピンの原子力発電開発は,IAEAの定めた原子力開発の基盤整備(注16)条件に沿うべく,行動を開始している。原子力発電の分野でもっとも微妙な問題は,廃棄物最終処理問題(注18)である。国民に受け入れられるような解答を見つけるべく,努力する。

フィリッピン経済を進展させるために,エネルギー確保と電源の多様化のために,我々は,IAEAのすべての条件を満たすような,フィリッピン原子力発電開発計画(注19)を策定するので,協力を願いたい。

(注)A (1) 090502A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: RP studying energy mix, including nuclear,(3) http://mb.com.ph/articles/204518/rp-studying-energy-mix-including-nuclear,(4) By ANGELO T. REYES,May 1, 2009, 10:00pm,(5) optimal energy supply mix,(6) renewable energy sources,(7) reliable base load capacity,(8) area of storage technologies,(9) sustainable and reasonably-priced electricity rates,(10) UN Framework Convention on Climate Change,(11) Kyoto Protocol,(12) Bataan Nuclear Power Plant,(13) mothballing,(14) IAEA Expert Mission,(15) Inter-Agency Core Group on Nuclear Energy,(16) Infrastructure Requirement in the Development of a Nuclear Power Program,(17) sequential and logical plan,(18) final disposition of nuclear wastes,(19) Nuclear Power Program for the Philippines,(20)

参考資料

●090502A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのレイエス長官が原子力開発決断か
RP studying energy mix, including nuclear
http://mb.com.ph/articles/204518/rp-studying-energy-mix-including-nuclear

過去の関連事項

●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090404B.htm
●090304C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマカティ市長が原子力よりも地熱を開発せよ
Geothermal, not nuclear power, Binay advises
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090304C.htm
●090227A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのエネルギー省がエネルギー計画を見直しへ
DoE to review energy plan as slump dampens demand
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090227A.htm
●090128A Philippines, pinoypress
フィリッピンのバターン原子力,議会の動きに注意喚起
Scientists Caution Solons on Move to Reopen Bataan Nuclear Plant
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090128A.htm
●081218A Philippines, istockanalyst
フィリッピンの関連産業界,再生可能エネルギー法で,盛り上がる
Industry Players Upbeat Onrenewable Energy Projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081218A.htm
●081217A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名
President signs law promoting renewable energy
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081217A.htm
●081127A Philippines, abs-cbnnews
再生可能エネルギーによるクリーン開発
Clean development through renewable energy?Edgardo Angara
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm


●フィリッピンのサンミゲールがインドネシアの石炭へ資本参加

San Miguel Corporation is in talks to buy a stake worth about $500 million in Adaro Energy, Indonesia's largest coal producer by market value, the Philippine conglomerate's president said on Wednesday.

フィリッピンの東南アジア最大規模の飲料食品企業サンミゲールSMC(注5)が,その多様化経営を目指して,エネルギー関連企業の資本買収に走っていることは,このHPでも取り上げてきた。中でも,最近のマニラ配電MERALCO(12)の27%の株式取得による役員の送り込みは,フィリッピンのエネルギーを舞台に,SMC(注5)のエネルギーへの野望を露骨に表したものだ。

SMC(注5)のラモン・アン社長(注8)は,インドネシア最大規模の石炭企業アダロ(注6)の資本参加に動いていることを明らかにした。アン社長(注8)は,その規模について明らかにしていないが,一説によると5億ドル規模と言われており,現在,アダロ(注6)の株式17%を持っているゴールドマンサックス(注9),シティグループ(注10),ヘッジファンドのファラロン(注11)などとの交渉を視野に入れているようだ。

SMC(注5)はかって,東南アジア最大の鉱業企業PTブミ(注7)の資本獲得を目指して動いたことがある。ゴールドマンサックス(注9)は石炭企業アダロ(注6)の株式9.94%を有していて,SMC(注5)がマニラ配電(注12)の株式27%取得した際も,SMC(注5)のアドバイスに動いており,SMC(注5)の野望的な多様化経営への重要な相談役を演じてきている。

SMC(注5)は他に,通信ベンチャーの買収や,石油精製企業ペトロン(注13)のマジョリティを狙うなど,エネルギー分野の立場からも,その今後の動きに注目する必要がある。

(注)B (1) 090502B Philippines, Manila Bulletin,(2) title: SMC in talks to buy into Indon coal firm,(3) http://mb.com.ph/articles/204335/smc-talks-buy-indon-coal-firm,(4) April 30, 2009, 7:09pmMANILA, April 30 (Reuters) ?,(5) San Miguel Corporation,(6) Adaro Energy,(7) PT Bumi Resources,(8) San Miguel president Ramon Ang,(9) Goldman Sachs,(10) Citigroup,(11) Farallon,(12) Manila Electric Co,(13) Petron Corp,(14)

参考資料

●090502B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのサンミゲールがインドネシアの石炭へ資本参加
SMC in talks to buy into Indon coal firm
http://mb.com.ph/articles/204335/smc-talks-buy-indon-coal-firm


過去の関連事項

●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of directors
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090322B.htm
●090319A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の資本増強競争白熱
First Pacific-Lopez alliance to control Meralco board

http://my.reset.jp/~adachihayao/index090319A.htm

●090219B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭で20ブロックを民間セクターへ
20 coal blocks offered to investors
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090219B.htm
●090209A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,フォーラムがセブ石炭プロジェクトで調査ボーリング
Forum Energy drills Cebu coal prospect
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090209A.htm



2009年5月1日 ー 日本政府がパキスタンの電力支援へ ー

今日の現地からの報道だが,パキスタンのイスラマバード,この木曜日,2009年4月30日,日本の渥美大使が急遽,パキスタンのアシュラフ水資源電力大臣を訪問,日本は積極的にパキスタンの電力セクターを支援する用意がある,と伝えた。4月17日の東京での一連のパキスタン会議では,日本政府は具体的にはダム支援を明らかにしておらず,緒方理事長も,日本はパキスタンには入れない,とまで言っていた。

タリバンの勢力が,イスラマバード近郊まで押し寄せてきて,その処置に困惑しているパキスタン政府であるが,確かに,北西辺境州の事情は特殊である。部族,トライバルの自治地域のような区域であり,そこに逃げ込んだタリバンを,軍事力で駆逐することは困難である,と我々も理解できる。国際的な圧力で,とにかく形だけでもパキスタン軍はタリバン攻撃を行っている状況だ。

アシュラフ大臣を訪ねた渥美大使は,このHPでも書いたように,電力と水への支援が核になるべき,との判断から,日本政府は電力を支援する,と伝えたわけであるが,渥美大使は,ところでプロジェクトのリストを出してもらえないか,とちょっとどうかと思われる質問で,アシュラフ大臣は,東京で詳細に説明したではないですか,と言いながら,改めて,パキスタンの要望を説明したようだ。

これを敷衍するような形で,地元紙が詳しく,プロジェクトの内容と必要工事費,それに年支出計画まで添えて記事にしている。大きく目につくのは,バシャダムへのこだわりで,総額50億ドル,とりあえず今年度に273百万ドルが必要,としている。また,バシャダムの工事のために必要なカラコルムハイウエーなど,周辺道路関係が,850百万ドルが緊急に必要,としている。

また,タールの石炭プロジェクトは,今後のパキスタンのエネルギーを占う重要なプロジェクトであり,17.5億ドル必要としている。更に,ブンジ水力プロジェクト(注10)に4年後から7年間で60.95億ドル,グドウ火力発電プロジェクト(注11)に,次の4年間で710百万ドル,などとなっている。その他,農業,灌漑,鉄道など,要請は多彩を極めている。渥美大使の申し出は,どの様に今後進められるのか,注目したい。


本文

●パキスタンの電力セクターへ日本政府が支援へ

Japanese Ambassador Chihiro Atsumi called on Federal Minister for Water and Power Raja Pervez Ashraf on Thursday and assured him of providing financial and technical assistance for Pakistan’s energy sector.

木曜日,2009年4月30日,イスラマバードの渥美日本大使(注5)は,パキスタンのアシュラフ水資源電力大臣(注6)を訪ね,日本政府はパキスタンの電力セクターを積極的に支援する,との日本政府の意志を伝えた。渥美日本大使(注5)は,2009年4月15日,東京パキスタン会議の直前の私のHPのコメントを見て,改めて日本政府の真意を確認されたのだろう。

報道によると,二人の会談はややちぐはぐ,渥美大使(注5)が,電力セクターを積極的に支援するので,プロジェクトのリストを頂きたい,と言うと,アシュラフ大臣は,東京でちゃんと渡したではないか,と応えている。大臣は,現状での電力不足は,3,500MWである,と大使に伝えている。また,日本からの支援を受け入れる準備は,十分に出来ている,と伝えている。

大臣はやや勉強不足気味の大使に対して,改めて電力の現状を説明し,特に石炭火力を水力について支援を要望したようだ。石炭については既に中国が大きくコミットしており,効率化の面などで日本の支援も必要,と考えたと解釈してもよいか。おそらく大使からの持ちかけであろうが,風力,太陽光開発に着いても,大臣から話が出たようだ。

渥美日本大使(注5)は,特に,日本の民間企業の開発へのインセンティブに触れており,これに関して大臣は,パキスタンと日本は全天候型の友好関係で,政治的困難があろうと,パキスタンは日本の支援を受け入れ,企業をサポートする,と強調している。大使の訪問もさることながら,これを大きく取り上げたパキスタンの報道は,日本のダムへの姿勢が明確でなかったことで,改めてその日本の支援を確認した,という意味だろう。

(注)A (1) 090501A Pakistan, thenews,(2) title: Japan to provide help for Pakistan’s power sector,(3) http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=175249,(4) Friday, May 01, 2009,By By our correspondent,ISLAMABAD:,(5) Japanese Ambassador Chihiro Atsumi,(6) Federal Minister for Water and Power Raja Pervez Ashraf,(7)

参考資料

●090501A Pakistan, thenews
パキスタンの電力セクターへ日本政府が支援へ
Japan to provide help for Pakistan’s power sector
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=175249

過去の関連事項

●090429B Pakistan, dawn
パキスタンの中央開発会議でエネルギー開発が最重要課題
Energy projects top agenda of CDWP meeting
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090429B.htm
●090428C Pakistan, dailytimes
パキスタンのニールムジェルム水力にIDBが融資へ
Pakistan, IDB likely to finalise 3-year financial package worth $577m
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090428C.htm
●パキスタンのダムへの支援を日本政府拒否
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090415.htm
●090411B Pakistan, regionaltimes
パキスタンの電力需要はこの先5年で36,000MWへ
Power demand to rise upto 36,000MW in next five years: Pervez Ashraf
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090411B.htm
●090323B Pakistan, thenews
パキスタンの電力不足量は2,500MWの不足
Country to face power shortage of 2,500 MW till 31st
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090323B.htm
●090302A Pakistan, steelguru.com
パキスタンは54のダムプロジェクトに各国の支援を期待
Pakistan seeks help for 54 mega projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090302A.htm
●090109A Pakistan, dailytimes
パキスタン政府,16プロジェクトで,25,270MW
Govt plans 16 projects for generating 25,270MW power
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090109A.htm
●090103A Pakistan, thenews
パキスタン,ザルダリ大統領,停電をなくせよ,と指示
Zardari directs end to power outages
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090103A.htm
●081119C Pakistan, regionaltimes
経済省,パキスタンの水力投資は,外資に絶好の機会
‘Hydropower projects offer sound investment opportunities’
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081119C.htm


●パキスタンは友好国のバシャダムへの融資を求めている

2009年4月17日に東京で開かれたパキスタン友好国会議FODP(注5)で配布されたパキスタン側の必要とする資金の内訳について,パキスタン紙が詳細を報じた。エネルギー関連では,まずディアマ-バシャ・ダム(注6)があり,2009-2010年度分として,273百万ドルが上がっている。このダムと関係すると思われるアクセス道路について,二つの部分に分けて説明している。

一つは,中国やアフガニスタンと繋がるグワダール連結(注7)確立に594百万ドル,カラコルムハイウエー(マンセーラ-サジン間258km)の改良工事に256百万ドル,をそれぞれ要請している。その他,鉄道に,13.42億ドル,タール石炭プロジェクト(注9)に,17.50億ドル,またバシャダム全体(6)に,50億ドル,農業灌漑に6年間で23億ドル,32の小規模ダムに5年間で,14.34億ドル,農業に5年間で28.80億ドル,

また,エネルギー分野で,ブンジ水力プロジェクト(注10)に4年後から7年間で60.95億ドル,第4年に480百万ドル,第5年に600百万ドル,第6年に840百万ドル,第7年に960百万ドル,第8年に960百万ドル,第9年に840百万ドル,第10年と第11年に70百万ドル,とされている。また,グドウ火力発電プロジェクト(注11)に,次の4年間で710百万ドル,などとなっている。

(注)B (1) 090501B Pakistan, thenews,(2) title: Pakistan seeks $273m from Friends for Basha dam,(3) http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=175244,(4) Friday, May 01, 2009,By By Mehtab Haider,ISLAMABAD: ,(5) Friends of Democratic Pakistan (FoDP),(6) Diamer-Basha dam,(7) Gwadar linkages with China, Afghanistan,(8) Karakoram Highway (Mansehra to Sazin 258km),(9) Thar coal development,(10) Bunji Hydropower Plant,(11) Guddu Thermal Power,(12)

参考資料

●090501B Pakistan, thenews
パキスタンは友好国のバシャダムへの融資を求めている
Pakistan seeks $273m from Friends for Basha dam
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=175244


アジアのエネルギー最前線 0902