2009年6月30日更新
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2009年6月30日分 ー フィリッピンのルソンの電力需給は2015年までOK ー

原油価格が上げ気味である,ニューヨーク原油8月物終値でバレル71.49ドル,ナイジェリアの武装勢力による石油施設攻撃と,中国が国家戦略石油備蓄量を5年後をメドに現在の2.6倍にする,と報ぜられた。原油価格はこの辺りが長く続いた安定領域であり,これより上に動き始めると,2008年,147ドルの悪夢が見えてくる。フィリッピンのエネルギー自給政策は,原油価格に大きな影響を受ける。

電源売却にうつつを抜かすフィリッピン,と私も随分揶揄してきたが,私の記録を見ても,ルソンの電力需給の将来に目を向けた記事は,久しぶりである。フィリッピンの長期の電力需給の見通しは誰が責任を持っているのか,NPCが電源資産30%の小規模発電会社に格落ちし,国家送電網が中国にその運用を委譲した現実で,マニラ電力の新任,イエスス社長が発言せざるを得ない現状が,哀しい。

IPPである東京電力の火力発電所や関西電力の水力発電所など,NPCが電力の買い取りの役目を果たしていたが,電力自由化の原則は,これも認めないと言う。だから,IPPAと称して,このIPP電力の引き取り手を入札にかけ,このIPPAが,BOTの期限の来る2025年頃には,東電や関電から発電所まで引き取ることになる。しかし,この入札は不調に終わったという。微妙な売電単価,そう簡単には収束しないだろう。

ただ,現在の東京電力や関西電力がこのIPPA入札についてどの程度の発言権を持っているのか,そこが第3者にはよく分からない。法律上どうしてもNPC引き取り分を入札に付さねばならない,引き取り価格がIPP側で納得できないときは,何が起こるのか。NPCはもう引き取ることが法律上出来ない,としたら,東京電力や関西電力は,買い叩かれるだけ?PSALMは一定の線を決めているが,入札が不調ならどうなるのか,疑問一杯。

フィリッピンの電力セクターは,電力自由化のために法律を整備し,世界に先駆けて,再生可能エネルギー法を成立させて,配電会社は少なくとも10%は再生可能エネルギーを買わなければならない,としているが,一方で電気料金の引き下げが政治上の優先事項である。全く矛盾している。イエスス社長の需給バランスも,2015年までしか見ていない。そこから先の電源は,今,手を付けなければならないのに。

イエスス社長の言い分を聞いてみよう。現在のルソン系統の最大ピーク需要は,6,900MW,供給力は,8,900MW〜10000MWの間にある。民営化によって,パンタバンガン-マシウエイ水力,マシンロック石炭火力など,出力増強が進んでいる。エンリレ上院議員の,UFT法(注14)とERR法(注15)は,電気料金を引き下げる効果があり,調整機能が強化されて,電力分野の未来は明るくなっている,と。

さて,日産自動車の株主総会でゴーン社長がEV車で大見得を切った(注)。私は,おそらくゴーン社長の見方が正しいと思う。トヨタのHV車が200万円で,日産のEV車が460万円という。本当にEV車でよいのか,と心配している人がいると思う。HV車はプリウスを見て分かったが,要するに全量化石燃料オリジンである。日産のEV車の半分はバッテリーの値段だという。バッテリー技術の発展が車を救い,電力を救い,エネルギーを救う。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906300009a.nwc

本文

●フィリッピンの石炭火力のIPPA入札は価格が合わず失敗

The bidding for the appointment of independent power producer administrators (IPPAs) to manage the contracted capacities of the National Power Corporation in the coal-fired Sual and Pagbilao power plants hit a bump as the two participating parties failed to meet the reserve price set by the Board of the Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM).

このフィリッピンのIPPA入札というのは分かりがたい。私の理解は,IPPの火力や水力が,ある条件の下で発生電力の全量または一部を,NPC(注6)が引き取ることになっているが,新しい電気事業法で,NPC(注6)に多くの電源のみならず,発生電力も集中することを解消するために,IPPA(注5)を入札で決める,落札したIPPAは,その引き取る電力を,需要家へ直接販売するか,卸売市場に出す,と言うことなのであろう。

この手続きが完了して,NPC(注6)所有の発電所の70%売却が終了した段階で,フィリッピンの電力セクターの改革が一段落して,需要家のオープンアクセスが可能となり,電力料金が下がる,と言う極めて空想的なフィリッピンの電力改革のシナリオなのである。東京電力の石炭火力や関西電力の水力などは,ラモス前大統領の方針で,電力に有利な条件で,NPCが引き取っていたが,それをIPPA制度に変換するのは,結構大変。

今日の記事では,東京電力のスワル(注7)とパグビラオ(注8)の石炭火力が,IPPA入札を行って,サンミゲール(注10)とサーモルソン(注11)が応札したが,不調に終わったと言うことである。不調の原因は,発注者側であるPSALM(注12)の決めていた価格の範囲に,入札か価格が履いたなかったから,ととれる表現である。

ここで問題は,PSALMの価格範囲で,一体どうやって決めていたのか,数字も方法も明らかにされていない。入札とは名ばかりで,特定の数字にもって意向としたことは明かで,それが自由化というものか。おそらく,東京電力などのIPPの強い意向が働いて,NPCの引き取り価格に近い範囲で制限が設けられていたのだろう。

PSALMは再入札を行って,入札が成功することに自信を見せているが,全くの自由価格の入札では,システムが崩壊することは目に見えている。IPP側も,当初に意図した採算性を壊すことは,融資側を抱えているだけに,死活問題であろうし,IPP側に選択の権限は残されているのであろうか,と疑問になる。IPPAの段階は,関西電力のサンロケ(注16)を含む3つの水力が対象となる。

(注)A (1) 090630A Philippines, pia.gov,(2) title: Bidding for selection of IPPAs fails as reserve price unmet,(3) http://www.pia.gov.ph/?m=12&fi=p090626.htm&no=75,(4) Manila (26 June),(PSALM/PIA-MMIO),(5) independent power producer administrators (IPPAs),(6) National Power Corporation,(7) coal-fired Sual power plant,(8) coal-fired Pagbilao power plant,(9) Board of the Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(10) San Miguel Energy Corporation (SMEC),(11) Therma Luzon Inc.,(12) PSALM's Bids and Awards Committee (BAC),(13) Phase II of its IPPA selection process,(14) 140MW Casecnan hydropower plant,(15) 70MW Bakun hydropower plant,(16) 95 MW San Roque hydropower plant,(16)

今日の参考資料

●090630A Philippines, pia.gov
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札は価格が合わず失敗
Bidding for selection of IPPAs fails as reserve price unmet
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630A.htm

http://www.pia.gov.ph/?m=12&fi=p090626.htm&no=75

最近の関連資料

●090622C Philippines, abs-cbnnews
フィリッピンのスワルなど石炭火力売却で3グループ関心
Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622C.htm
●090525C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性
Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm
●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515C.htm
●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402A.htm


●マニラ配電はルソンの電力需給で2015年までは安定と

Power supply in the Luzon grid is expected to remain adequate until 2015, as the operations of existing power plants become more efficient. “Many of the (National Power Corp.) plants are being privatized and those that have been privatized have become more efficient... so I think up to 2015 we won’t have any problem,” Manila Electric Co. president Jose P. de Jesus said.

電源資産売却にうつつを抜かすフィリッピン,と私も随分揶揄してきた。将来の電力の需給バランスなど,誰も考える人がいなくて,高い電気料金を如何に国民に説明するか,ばかりが話題となって。珍しく,ルソン系統(注5)の普及バランスについて,新任のマニラ電力社長イエスス氏(注7)が語っている。ルソン系統(注5)の70%程度しか把握していないマニラ電力が,全体の需給に言及しなければならないのが,フィリッピンの現状だ。

イエスス社長(注7)のポイントは,NPC(注6)の所有していた発電所が売却民営化され,発電の効率が上がっていくことを考えれば,少なくとも2015年までのルソン系統(注5)は安定しているだろう,としている。2015年までですよ,イエスス社長(注7)でも2015年までしかものが言えない,それから先の電源は,もう計画が具体化していなければ間に合わないと言うのに。

イエスス社長(注7)の言い分を聞いてみよう。現在のルソン系統(注5)の最大ピーク需要は,6,900MWである。一方で供給力は,8,900MW〜10000MWの間にある。民営化によって,パンタバンガン-マシウエイ水力(注8)は,EDC(注9)によって僅かな投資で,90MWが112MWに増えた。マシンロック石炭火力(注10)は,GNP(注11)により,300MWが600MWとなり,更に2012年までの600MW増設が視野に入っている。

FGC(注12)は,500MWのガス火力を計画中である。エンリレ上院議員の,UFT法(注14)とERR法(注15)は,電気料金を引き下げる効果があり,調整機能が強化されて,電力分野の未来は明るくなっている。

(注)B (1) 090630B Philippines, business.inquirer,(2) title: Meralco Adequate Luzon supply until 2015,(3) ttp://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213047/Meralco-Adequate-Luzon-supply-until-2015,(4) By Amy R. Remo,Philippine Daily Inquirer,First Posted 00:26:00 06/30/2009,MANILA, Philippines,(5) Luzon grid,(6) National Power Corp,(7) Manila Electric Co. president Jose P. de Jesus,(8) Pantabangan-Masiway hydropower plant complex,(9) Energy Development Corp,(10) Masinloc coal fired power plant in Zambales,(11) GN Power,(12) First Gen Corp.,(13) Senate President Juan Ponce Enrile,(14) Senate Bills 3147 or the Uniform Franchise Tax Act,(15) Bills 3148 or the Electricity Rate Reduction Act,(16)

今日の参考資料

●090630B Philippines, business.inquirer
マニラ配電はルソンの電力需給で2015年までは安定と
Meralco Adequate Luzon supply until 2015
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630B.htm

http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213047/Meralco-Adequate-Luzon-supply-until-2015

最近の関連資料

●090521B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの電気料金抑制のため上院が2法案を準備
Enrile pushes twin measures to pare electric power rates
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521B.htm
●090521C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ電力の総会で料金問題が主題に
To bring down Meralco rates SMC mulls ‘plant optimization’ formul
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521C.htm
●090515B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電のロペス社長は居座り
Manolo Lopez stays as Meralco chair
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515B.htm
●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of directors
http://my.reset.jp/adachihayao/index090322B.htm
●090310C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の2009年は伸びフラット
Meralco sees flat growth in 2009 electricity sales
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310C.htm
●090128B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,マニラ配電の社長人事,イエスス氏
As SMC takes 4 board seats De Jesus named Meralco President
http://my.reset.jp/adachihayao/index090128B.htm


その他のニュース

●090630C Philippines, manila bulletin
フィリッピンの電力産業は調整機能の機関は一つでよい
Power industry must have only 1 regulator, investors urge
http://www.mb.com.ph/node/204174
●090630D Philippines, pia.gov
フィリッピンの8MWアムラン水力でICSが買収名乗り
ICS Renewables assumes ownership of Amlan power plant
http://www.pia.gov.ph/default.asp?m=12&r=&y=&mo=&fi=p090626.htm&no=27
●090630E Philippines, gmanews
フィリッピンのPSALMが8MWアムラン水力を委譲へ
PSALM turns over Amlan power plant to new owner
http://www.gmanews.tv/story/165822/PSALM-turns-over-Amlan-power-plant-to-new-owner
●090630F Philippines, Manila Stand Today
フィリッピンのスワルなど石炭火力IPPA入札は成立せず
Sual, Pagbilao auctions fail
http://www.manilastandardtoday.com/?page=business1_june27_2009
●090630G Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのロペスグループはカセカネン水力買収を視野に
Lopez firm eyes Casecnan power facility
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213041/Lopez-firm-eyes-Casecnan-power-facility


2009年6月28日分 ー マレーシアは原子力開発で優位にあると ー

前にも書いたが,1979年,私がマレーシアのケランタンで猛暑にさいなまれながら川の中でダムサイトと格闘していた頃,米国のスリーマイル島で原子力事故が起こった,あの時は一時原子炉熔解がどこまで進むか分からない恐怖の時間があったが,マレーシアのエンジニアーが,我が国は原子力がなかってよかった,とホッとしていた,可哀相な日本,という顔で我々を見ていた,それほどあの時の世界は,危機にあった。

アダチさんはなぜマレーシアを書かないのか,とよく非難気味に言われる。マレーシアはよく行っているのだが,どうも印象がもう一つである。最近は東京電力の技術陣が積極的,と伝えられている。しかし,マレーシアのエンジニアー達と話すと,ルックイーストと昔から言われながら,彼等は欧米を向いている。日本のビジネスの素人っぽさが,どうも気に入らないようで,すぐ欧米スタイルに持っていこうとする。

JICAで議事録を書こうとすると,議事録とは誰がどう言って誰がどう応えたか,を書くべきだと主張する。JICAの協定書の原案を示すと,お抱えの弁護士にチェックさせるので,2,3日待ってくれ,と来る。日本の外務省からは,日本のODAとして決めている文体だから一字一句変えるな,言われている。全くどうしようもない国である。両者は合意しなかった,と言う議事録にお互いサインして,それがシャンパンをあける署名式だったりする。

マレーシアが原子力開発に,重い腰を上げたのは,昨年,2008年7月,シャジマン・エネルギー担当大臣は,原子力開発を選択肢からはずすべきではない,と遂に口火を切った時であろう。準備に12年から15年,特に核廃棄物の処理問題と人材育成に時間がかかるだろう,と語っている。東南アジア各国,タイ,ベトナム,インドネシアなどで原子力開発ののろしが上がっても,その時までマレーシアは静かであった。

しかし,今日の記事は誠にマレーシアらしい。マレーシアには原子力の博士号,PhDを持った人が80人以上存在する,今は民間企業や政府の他の場所に散らばっているが,その80人の10%ぐらいを集めれば,原子力はすぐ出来る,韓国は原子力のPhDのか学者3人の時点で原子力を始めた,と言っている,ちょっと誰か言ってあげて下さいよ,PhDが原子力を造るのではないと,もっと地道なエンジニアーの世界だと。

今日はサラワクの再生可能エネルギー開発総合計画SCOREも話題となっている。サラワクも余り私は見ていない。どうもサラワクの開発規模と需要規模が全然マッチしない,2,400WMのバクーン水力を始めようとしても,700kmも離れた海底送電線を敷設しないと役に立たない。しかし,地図を改めてみてみると,サラワクとマレーの間には,インドネシア領のナツナ・ガス田がある。この海域を少し勉強するか。


本文

●マレーシアは原子力開発について技術的背景を持つ

Malaysia has the expertise to build its own nuclear power plant and earlier than scheduled. Atomic Energy Licensing Board chairman Prof Datuk Dr Noramly Muslim said the country had around 80 PhD holders with expertise in nuclear engineering technology. "Some of these people who are nuclear trained are now chief executive officers in banks and big companies.

全くマレーシアらしい議論である。東南アジア諸国,タイ,ベトナムを先頭に,インドネシア,それにフィリッピンも,原子力発電開発への意欲を示しており,早いところでは,2020年に発電開始の計画を打ち出しているところもある。それに対して,」比較的域内では先進性を誇るマレーシアがまだ口火を切っていない。このことで,初めて原子力関係の有力者が口火を切った。

原子力委員会のノラムリ総裁(注5)の発言は,私から見ると,誠にマレーシアらしい,曰く,マレーシアには80人に上る原子力技術に関する博士号所有者がいる,韓国などは僅かに3人の博士号所有者しかいないのに,あれだけの原子力発電所を持っている,マレーシアは潜在的に,原子力開発の技術的背景を持っている,と言っている。日本には原子力のPhDはゼロに近いだろう,博士号で原子力発電所が出来る,マレーシアらしい。

80人の原子力博士の,10〜15%も動員すれば,マレーシアの原子力発電所は出来てしまう,と言っている。またこれを煽てるのは,韓国の原子力専門家キム氏(注6)で,他の国で20年かかる原子力開発は,マレーシアでは10年で出来るだろうと。マレーシアの電力公社TNB(注8)は,今週初め,2009年6月23日頃,政府の認可の後,2025年に原子力発電所運転開始にこぎ着ける計画である,と発表した。

原子力のトップ,ジャーファル博士(注9)は,エネルギー資源の現状や価格の不安定,を考えると,将来,原子力発電は必要だ,と明言している。世界の現状だが,30カ国で400の原子力発電所が稼働中。米国は104基で電力の19.4%,欧州は196基で30%,日本は63基で34.5%,韓国は20基で35%,中国は11基で2%,となっている。

ノラムリ総裁(注5)によると,マレーシアの現状は,60%が天然ガスで,残りは石油と水力である。タイとベトナムは,原子力開発を既に視野に入れている。実際,ベトナムはマレーシアに支援を求めてきていると。最近の北京の会議では,世界の60カ国が原子力開発を示唆しており,欧州では,英国とイタリーが,原子力開発を解禁する情勢にある。

(注)A (1) 090628A Malaysia, nst.com,(2) title: 'We have expertise to go nuclear' ,(3) http://www.nst.com.my/Current_News/NST/Sunday/National/2593946/Article/index_html,(4) KUALA LUMPUR,(5) Atomic Energy Licensing Board chairman Prof Datuk Dr Noramly Muslim,(6) Prof Jong Hyun Kim, of the Nuclear and Quantum Engineering Department,(7) Korea Advanced Institute of Science and Technology,(8) Tenaga Nasional Berhad,(9) Dr Mohd Zamzam Jaafar,(10)

今日の参考資料

●090628A Malaysia, nst.com
マレーシアは原子力開発について技術的背景を持つ
'We have expertise to go nuclear'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090628A.htm

http://www.nst.com.my/Current_News/NST/Sunday/National/2593946/Article/index_html

最近の関連資料

●080722B Malaysia, The Star
原子力開発を避けるべきではない
Don’t reject possibility of using nuclear energy: Shaziman
http://thestar.com.my/news/story.asp?file=/2008/7/21/nation/20080721150745&sec=nation
●080630B Malaysia, NST Com
果たしてマレーシアは原子力開発に踏み切るべきか
Can Malaysia go NURRIS ISHAK and CHAI MEI LING
http://www.nst.com.my/Current_News/NST/Sunday/Focus/2279329/Article/index_html
●081103A Thailand, The Nation
タイの原子力地点提示は,2009年末になる
Search on for nuclear site
http://nationmultimedia.com/2008/11/03/business/business_30087411.php
●080618A Thailand, Bangkok Post
タイの原子力開発,来月より調査スタート
Nuclear study starts next month
http://www.bangkokpost.com/Business/18Jun2008_biz35.php
●090225A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ
Nuclear power project to be submitted to NA in April
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225A.htm
●081230C Indonesia, The Jakarta Post
原子力発電,フランスはいいが,インドネシアはどうか
Nuclear power for France, but not RI
http://my.reset.jp/adachihayao/index081230C.htm
●090521A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの原子力でエネルギー長官が関係者の同意が条件
Reyes sets ‘stakeholder support’ as condition for BNPP revival
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521A.htm


●マレーシアのサラワクは水力資源主導の開発へ

Sarawak hopes to become a major hydropower player in the region when the Sarawak Corridor of Renewable Energy (SCORE) is fully developed by 2030. State planning unit advisor Chang Ngee Hui said SCORE aimed to get RM334bil worth of investment by 2030 from the private sector, government-linked companies and foreign investors.

昨年,2008年4月29日頃,サラワクのバクーン発電所,少し大きいものを造りすぎて,もてあましている感じ,。最初はアルミ工場を造るつもりだったのだろうが,周囲の条件が許さなかった,そこで引けずにここまで来てしまって,これ以上続けるためには,海底送電線でマレーシア半島に持ってこなければどうにもならなくなってしまった,というのが実情だろうが,問題はこれからだろう,と書いている。

何しろ,240万KWと言う図体の大きさ,それも2010年6月には完成するところまで費用を注ぎ込んでしまったわけであるから,それも32億リンギット,10億ドル相当を越す投資であるから何とかせねばならない,しかしながら,676kmの海底直流送電で9億リンギット,約3億ドル近い送電費用を注ぎ込んで,240万KWのうち160万KWを半島に送る必要がある。政府も,現時点で幾らの電気料金,とははっきり言えない,と口を濁している。

さて,サラワク(注7)について,マレーシアの国家プロジェクト,SCORE(注5)がスタートしたのは,昨年,2008年11月頃と聞いている。具体的に何をしようとしているのか,再生可能エネルギーを標榜しているだけに,水力開発が中心となる,2,400MWのバクン水力(注8)と,バラム水力(注9)が中心であるが,アルミ精錬所(注14)か,マレーシア本島に運ぶか,いずれにしても,経済規模とプロジェクトサイズの釣り合いが悪い。

(注)B (1) 090628B Malaysia, biz.thestar,(2) title; Sarawak aims to lead in hydropower energy,(3)
http://biz.thestar.com.my/news/story.asp?file=/2009/6/13/business/4109392&sec=business,(4) KUALA LUMPUR,(5) Sarawak Corridor of Renewable Energy (SCORE),(6) State planning unit advisor Chang Ngee Hui,(7) Sarawak,(8) 2,400MW Bakun hydropower,(9) Baram hydropower,(10) Tanjung Manis,(11) Samalaju,(12) Chief Minister Tan Sri Abdul Taib Mahmud,(13) Regional Economic Development Authority (RECODA),(14) aluminium smelter plant in Mukah,(15) Borneo Convention Centre,(16) Kuching,(16) International Energy Week 2009,(17) Energising sustainable future-business opportunities in SCORE,(18)

今日の参考資料

●090628B Malaysia, biz.thestar
マレーシアのサラワクは水力資源主導の開発へ
Sarawak aims to lead in hydropower energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

http://biz.thestar.com.my/news/story.asp?file=/2009/6/13/business/4109392&sec=business

最近の関連資料

●080711B Malaysia,
サラワク,70万KWリワグダム,再び脚光
Liwagu dam project on SESB
http://www.dailyexpress.com.my/news.cfm?NewsID=58600
●080429C Malaysia, BERNAMA
JBICとの間で,バクン発電所の海底送電線で協議
Talks On Loan For Bakun Submarine Transmission Cables
http://www.bernama.com.my/bernama/v3/news_lite.php?id=329460
●080418E Malyasia, Bernama
サラワクは,ASEANの発電所となる可能性を秘めている
Hydropower To Propel Sarawak To Become Regional Powerhouse
http://www.bernama.com.my/bernama/v3/news_lite.php?id=327463

その他の関連ニュース

●090628C Malaysia,bernama
マレーシアがSCORE計画で24プロジェクトの800億リンギット承認
24 Projects With RM80 Billion Investment Approved In SCORE
http://www.bernama.com/bernama/v5/newsbusiness.php?id=417442




2009年6月26日分 ー タイはミャンマーの新規ガスの生産延期交渉 ー

タイの政治は混乱から抜け出したのか,或いは,イランや北朝鮮に隠れてしまったのか。タイ経済が立ち直ってくれなければ,我々の考えるインドシナ大陸のエネルギー開発も大きな影響を受ける。2009年5月のタイに於ける自動車生産が50%減,とか,インフルエンザ発生1,000人とかの暗いニュースに混じって,頼みの米の輸出量が29%(注),など暗いニュースが,今日のサイトを賑わしている。米はタイの水資源を左右する。

ミャンマーの沖合の天然ガスは,まさに人類に与えられた宝である,西部沖は包蔵が90兆立方フィートとも言われている。ミャンマー西部沖は寧ろ後発で,タイの国家石油PTTによって開発された東部のガス田,ヤダナ及びイエタグンのガス田開発は早かった。この二つの既開発のブロックの丁度中間に当たるM9ブロックについて,2005年からタイは探査にかかっていた。本来は,2012年の生産開始を計画していた。

ガスと言うのは不便なものだ,水力なら完成が遅れれば水は河川にそのまま流せるが,ガスは運ぶところがない,タイはガスの備蓄も満杯で,需要の落ち込みから,生産開始を,2015年に延期して欲しい,とミャンマー政府と交渉中,値段は既に決まっていて,百万Btu当たり5.83ドルである。中国に持って行かれそうな危険を感ずるが,中国もパイプラインが未完成,LNGにすることも出来ない。

電力の友人に,一番安いものから発電して行くのだ,と主張していたら,何を言うのですか,まずガスから焚くのですよ,と言われて,そんな馬鹿な,と言ったことがあるが,港にLNGタンカーがどんどん貯まってくる時の不安感は,どうしようもないと言う。今日の記事でグリーンピースが,石炭は炭酸ガス閉じこめ費用も入れて,石炭火力は,KWh当たり8.06セント,ガス火力は2.29セント,と言っている,石炭止めよ,の話である。

ちょっと,天然ガス無機説に反するので忸怩たる思いがあるが,タイからミャンマー,バングラデシュ,の海岸を眺めていると,今,タイが天然ガスを生産しているミャンマー東部沖は,明らかにイラワジ河の扇状による大陸棚である。メコンもそうだったが,大陸の大河の海に対する影響は大きい。その目で地図を北西に向けると,どうもミャンマー西部沖の大陸棚は,相当にバングラデシュのプラマト河の影響を受けている。

ミャンマーとバングラデシュは海域で紛争中で,今,ミャンマーが中国などと天然ガスを掘っている当たりの一部は,バングラデシュ領海内だ,と言ってバングラデシュ海軍が哨戒している。チベットから下り降りるブラマプトラ川は,バングラデシュで海に流れ込み,長躯ヒマラヤから運んできた土を,バングラデシュ沖に流し,その影響で,ミャンマーも天然ガスの包蔵を持つことになる。日本と中国の東シナ海,地下ではどう繋がっているのか。

(注) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090625AT2M2402L25062009.html

本文

●タイの石炭火力にグリーンピースが再考を要求

Greenpeace and its allies are calling on Thai energy policymakers to rethink building coal-fired power plants in a bid to cut carbon emissions, said Witoon Permpongsacharoen, director of Mekong Energy and Ecology Network. They want the government to review the demand projection, the proportion of renewable energy used and the use of imported coal to fuel the power plant.

タイは経済の落ち込みで,電源開発計画に若干の修正を加えている。2009年2月中旬の発表では,現在設備,17,500MWに対して,15年後の設備は,26,000MWとしているが,ラオスの水力輸入の減少や,原子力導入の遅れ,などを視野に入れている。しかし,天然ガスへの過重な依存を避けるために,依然として石炭火力,特に輸入石炭火力の計画は進めている。

これに対して,いつものことだが,グリーンピースが輸入石炭による石炭火力の増設を考え直すよう,求めている。最近のIPP勝者,ゲコ・ワン・コ発電所(注7),660MWについては,1年遅れの2014年投入としている。グリーンピースやその関係者(注6)が,見直しを求めているのは,需要想定,再生可能エネルギーの割合,輸入石炭,の3点で,特に石炭については,社会的なコストを考慮してくれ,と言っている。

グリーンピースの計算では,石炭火力は,KWh当たり2.75バーツ,約8.06セント,と言うとんでもない数字を出しており,これがグリーンピースの売りなのであろう,実際は4セント程度を我々は考えている。これに対して,天然ガス火力は,KWh当たり0.78バーツ,約2.29セント,石油火力は,267バーツ,約7.82セント相当,と主張している。石炭は,二酸化炭素閉じこめ,などを考慮しているのだろうか。

電力需要については,設備が,31,000MWで,実働は,22,055MW,66%しか動いていないが,更にこの2,3年内に小規模電源を12000MW投入する計画だ,と批判している。数字に明確でない点があって,稼働率66%と言うのは系統の負荷率を言っているようで,そうでなくピーク時の需要と設備の差を言っているのであろう,少し正確さを欠く。

最近のIPP石炭火力プロジェクト,NPSC(注7)とゲコ(注8)による,1,000MW設備を問題にして,年間900万トンの炭酸ガスを排出する,と言っている。また,EGAT(注9)による,4つの石炭火力プロジェクト,2,800MWが,2015年から2017年に投入される計画を批判している。更に,ラオス北部,タイとの国境で進められているホンサ・リグナイト火力(注10)が,国境の町への大気汚染の影響を懸念している。

この環境グループは,炭酸ガス封じ込め技術CCS(注12)には全く信を置いていない。主としてコストの面からで,この点は私もそれに近い考えだ。ノルウエーなどの実験では,閉じこめに炭酸ガス当たり,トン15〜75ドル,運搬に8ドルを要するが,更に貯蔵のために,陸上でトン5〜8ドル,海上で5〜30トン,ととても採算に合わない,と言っている。それより,省エネ機器の開発や再生可能エネルギーの方が,現実性があると言っている。

(注)A (1) 090626A Thailand, bangkokpost,(2) title: Greenpeace calls for coal plant rethink,(3) http://www.bangkokpost.com/business/telecom/19039/greenpeace-calls-for-coal-plant-rethink,(4) By: YUTHANA PRAIWAN,Published: 24/06/2009 at 12:00 AM,Newspaper section: Business,(5) Greenpeace,(6) Witoon Permpongsacharoen, director of Mekong Energy and Ecology Network,(7) National Power Supply Co,(8) Gheco-One Co,(9) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(10) coal-fired Hongsa Lignite project in Laos,(11) Wanun Permpibul, a representative from the Thai Working Group for Climate Justice,(12) carbon capture and storage system (CCS),(13)

今日の参考資料

●090626A Thailand, bangkokpost
タイの石炭火力にグリーンピースが再考を要求
Greenpeace calls for coal plant rethink
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626A.htm

http://www.bangkokpost.com/business/telecom/19039/greenpeace-calls-for-coal-plant-rethink

最近の関連資料

●090517A Thailand, nationmultimedia
タイのエネルギー委員会がラオスのホンサ石炭火力を買電
Hongsa Lignite power sale deal approved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090517A.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213A.htm
●090201A Thailand, the nation
タイのEGAT,マモーの石炭生産で,許認可取得,890億バーツ
Egat gets go-ahead for further Mae Moh mining
http://my.reset.jp/adachihayao/index090201A.htm
●081129A Thailand, Bangkok Post
EGAT,インドネシアで,炭坑権利取得
Egat gets mining approval in Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index081129A.htm


●タイの財務相が燃料補助金が多いと代替エネルギーが開発されない

Efforts to develop alternative energy in Thailand will make little progress if domestic fuel prices do not increase, said Finance Minister Korn Chatikavanij. He played down comments made earlier this week by Pruektichai Damrongrut, a deputy finance minister, that the government could cut fuel taxes or even implement outright subsidies if crude oil prices continue to rise.

石油燃料の価格に関して,タイのコーン財務大臣(注5)が,コメント,補助金や税に優遇で末端価格が下がるのは,代替エネルギーの開発に繋がらない,と補助金制度を見直す考えを述べている。この話の行き着くところは,E20計画,即ちエタノールをガソリンに20%混入させることを狙う計画である。タイの場合,エタノールの原料は,砂糖黍とカサノバで,この育成に石油燃料が必要で,更に消費税(注8)問題が絡み,複雑である。

(注)B (1) 090626B Thailand, Bangkok Post,(2) title: Korn rebuts talk of fuel subsidies,(3) http://www.bangkokpost.com/business/economics/19083/korn-rebuts-talk-of-fuel-subsidies,(4) By: WICHIT CHANTANUSORNSIRI,Published: 25/06/2009 at 12:00 AM ,Newspaper section: Business,(5) Finance Minister Korn Chatikavanij.,(6) Pruektichai Damrongrut, a deputy finance minister,(7) State Oil Fund,(8) excise tax,(9) ethanol production,(10) E85-powered vehicles,(11)

今日の参考資料

●090626B Thailand, Bangkok Post
タイの財務相が燃料補助金が多いと代替エネルギーが開発されない
Korn rebuts talk of fuel subsidies
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626B.htm

http://www.bangkokpost.com/business/economics/19083/korn-rebuts-talk-of-fuel-subsidies

最近の関連資料

●090522A Thailand, bangkokpost
タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと
PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm


●タイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れ

PTT Plc, the national oil and gas flagship, has been negotiating with Burma to delay gas deliveries from Burma's M9 block by two years to 2015, citing lower-than-expected domestic gas consumption.PTT Exploration and Production Plc (PTTEP), the upstream petroleum arm of PTT, aims to spend 70 billion baht on the M9 project over five years to 2013.

タイは経済の落ち込みで,ラオスの水力にも繰り延べを要請しているが,貴重なミャンマーの天然ガスにも,延期の報道が出てきた。現在,国家石油PTT(注5)の上流を担当するPTTEP(注7)が,探査中で生産開始準備に入っているミャンマー東岸のM9ブロック(注6)の生産開始の時期について,天然ガス需要の落ち込みを理由に,2年延期の,2015年開始で再交渉中である。

PTTEP(注7)は,現在の計画では,M9ブロック(注6)に,2013年までの5年間で,700億バーツ,約20.5億ドル相当,を注ぎ込む予定である。元々,2012年の計画を2013年に延期したところであるが,更に2015年に伸ばす。M9ブロック(注6)からのガスの価格は,既に,ヤダナ及びイエタグン(注9)と同じ,百万Btu当たり(注11)5.83ドルで合意している。これは,タイ湾のガスより輸送費分だけ高い。

M9ブロック(注6)で確認されたガスの包蔵は,17兆立方フィートとされている。PTTEP(注7)は,M9ブロック(注6)の鉱業権を2003年に取得し,2005年に探査を開始した。PTTEP(注7)の5年間の事業費,4,850億バーツの15%をM9ブロック(注6)に充当してきた。備蓄は,原油等価944百万バレル(注12)で,その80%がガスである。昨年,2008年の売り上げは,1,400億バーツで,その65%がガスである。

2008年のタイの実績は,天然ガス消費量が,日3,482百万立方フィート(注13)で,その3分の一がミャンマーからで,原油は,5,600億バレルである。ガスの他の外国からの輸入は,マレーシアとのJDA(注14),及びインドネシアのナツナガス田(注15)である。

(注)C (1) 090626C Thailand, Bangkok Post,(2) title; PTT seeks M9 delivery delay,(3) http://www.bangkokpost.com/business/economics/17605/ptt-seeks-m9-delivery-delay,(4) By: NAREERAT WIRIYAPONG,Published: 30/05/2009 at 12:00 AM,Newspaper section: Business,(5) PTT Plc,(6) Burma's M9 block,(7) PTT Exploration and Production Plc (PTTEP),(8) Chitrapongse Kwangsukstith, chief operating officer for PTT's upstream petroleum and gas business,(9) Burma's Yadana and Yetagun fields,(10) Gulf of Thailand,(11) million British Thermal Units (BTU),(12) million barrels of oil equivalent,(13) million cubic feet per day of gas,(14) Thailand-Malaysia Joint Development Area (JDA),(15) Indonesia's Natuna gas field,(16) Stock Exchange of Thailand,(17)

今日の参考資料

●090626C Thailand, Bangkok Post
タイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れ
PTT seeks M9 delivery delay
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626C.htm

http://www.bangkokpost.com/business/economics/17605/ptt-seeks-m9-delivery-delay

最近の関連資料

●090522A Thailand, bangkokpost
タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと
PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm

その他のニュース

●090626D Thailand, Bangkok Post
タイのEGATが電気機器のスタンバイ電力節約を呼びかけ
Egat calls for standby power cuts
http://www.bangkokpost.com/business/economics/18607/egat-calls-for-standby-power-cuts



2009年6月25日分 ー インドの原子力ボスがトリウム炉発言 ー

証券会社が東京でインドセミナーを開き,2,000人の聴衆が集まって熱気に包まれたという(注1)。しかし,インド経済のアキレス腱は電力不足である。この2009年度内に,14,000MWの運転開始が可能,としているが,一方で気になるのは,インド気象局が頼みのモンスーンに対して下方修正(注2),6月〜9月の南西モンスーンの降雨は,平年の93%予想で,今日話題のヒマラヤの水力もさることながら,農業への影響も懸念される。

今日の記事で,インドの原子力のボス,インド原子力委員会委員長兼原子力局長アニル・カコッドカール氏がコルカタで演説,何を言っているのか最初はさっぱり分からなかったが,結局,先端技術の国産化のために科学者よ頑張れ,と言っているようだ。いろいろな先端技術の中でも,アニル氏が問題にしているのは,トリウム原子炉の問題である。トリウムと聞くと,私はいつも鈴木篁氏(注3)を思い出す。

鈴木篁氏のトリウムとインドがどう結びつくのか,よく分かっていなかったが,鈴木篁氏(注3)のHPや2005年の資料(注4)を読んで,理解できたことは,一つは,制裁によってウラン核燃料不足に悩んだインドは,トリウムの埋蔵量が,オーストラリアに続いて第2位で,トリウム原子炉を導入すれば,インドは燃料の心配がなくなる,と言うことだ。

更に読み解き進めると,ウランに比べてトリウムの核廃棄物が極端に少なく,濃縮ウランの生産が少なくて,核爆弾への転用が難しい,と言うことらしい。世界の原子炉がなぜ最初にトリウムに取り組まなかったかと言えば,原子爆弾を大量に造らなければならない世界情勢があったという。今ここで,ウランを基礎にした核廃棄物処理サイクルをトリウムに変更することは,大変なコストがかかるようだ。

トリウムの埋蔵量はウランと比べると極端に多い。結局,鈴木篁氏(注3)の中に出てくる,軽水炉ー高速増殖炉の発展過程を,軽水炉ートリウム炉の流れに変えることは大変なようで,ウランの埋蔵量がだんだん少なくなってきて,値段が上がり始める50年後頃には,トリウム転換の可能性があるという。インドの原子力委員長は,インドの科学者に,この流れを君たちが変えろ,と叫んでいる。

戦争中の話だが,優秀な戦闘機を数多く持つことが,戦争で圧倒的な有利な立場を得ることに繋がった。1980年代は,半導体の時代で,半導体を小型化大容量低価格に出来る国が経済の主導権を握った。今は,おそらく原子力技術の廃棄物処理,燃料確保も含めた原子力発電サイクルを握ることが一つのポイントになってくる。インドはそれを目指しているようだ。今日の東芝の記事も考えさせられる。

ただ,私は,戦闘機ー半導体ー原子力,と続く流れの中で,また別の流れもあるような気がする。私が電気の専門で学校を出ていたら,おそらくバッテリーに集中,を主張するかも知れない。おそらく10年後,2020年には,80%以上の車が音もなくバッテリーで走っているだろう,そうして更に20年後,2040年には,バッテリーを積んだ飛行機が空を静かに飛んでいるはずだ,孫達によく見ておけと言っておこう。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906240099a.nwc
(注2) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090625D2M2403A25.html
(注3) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info4n.htm
(注4) http://wiredvision.jp/archives/200507/2005071201.html
(注5) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906250018a.nwc

本文

●インドはシェナブ川に関しパキスタンへの補償は行わない

New Dehli has refused to extend compensation both in shape of water or in monetary form to Islamabad for the blockade of Chenab river by India in August, 2008 that inflicted huge monetary loss to agrarian economy of Pakistan.

インダス河の左岸大支流,パキスタンの中央部の農業主体,パンジャブ州の南部でインダス本流に合流するチェナブ川(注5)である。国境未確定とされるジャムカシミールとパキスタンの境界で,これより上流はインドの実効支配下にあり,山岳地帯である。まさに要衝を占めるこのチェナブ川(注5)上流に,インドは,900MWのバギリハールダム(注7)を,2008年8月に完成させた。

世界銀行の技術者が調停に入り,ダムそのものの設計は互いに合意したものの,問題は,ダムの湛水期間中の問題で,インド側はパキスタンに入る前の地点で,最低流量毎秒50,000トンで合意したのに,2008年8月の流量は,20000トン近くまで減少し,パキスタンの穀物倉庫とも言われるパンジャブ州の農業に大打撃を与えた,インドは,水量または金額で補償せよ,とパキスタンは主張する。

インドは,バギリハールダム(注7)のために水量が落ちたのではない,それは水文事情によるもので,補償する必要はない,と言うのである。どうも,この最低流量補償,という協定は,チグリス川のトルコとシリアの間も紛争になっており,彼等の協定の方法は,私たちの常識に合致しないものである。自然流量が少なければ最低流量を守ることは不可能で,最低流量または最大自然流入量のいずれか小さいもの,となぜ決めないのか。

(注)A (1) 090625A India, thenews,(2) title: India says no to compensation for blocking Chenab in Aug ・8 ,(3) http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=184612,(4) Wednesday, June 24, 2009,ISLAMABAD,(5) Chenab river,(6) Permanent Commission of Indus Waters (PCIW),(7) Baglihar hydropower project,(8) Pakistan Commission of Indus Water Commissioner Syed Jamaat Ali Shah,(9) Indus Waters Treaty,(10) Ministry of Water and Power, Zarar Aslam,(11) modus operandi,(12) River Indus,(13) Advisor to the Punjab Irrigation Department advisor M H Siddiqui,(14) Laddakh Area,(15)

今日の参考資料

●090625A India, Economic Times
インドはシェナブ川に関しパキスタンへの補償は行わない
India says no to compensation for blocking Chenab in Aug ・8
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625A.htm

http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=184612

最近の関連資料

●090608A Pakistan, sindhtoday
パキスタンのモスレム代表がインドの水問題で原爆戦争になりかねない
Indo-Pak water dispute could trigger a nuclear war Nizami
http://my.reset.jp/adachihayao/index090608A.htm
http://my.reset.jp/adachihayao/index090608A.htm
●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month
http://my.reset.jp/adachihayao/index090518C.htm
●090510C Pakistan, nation.com
パキスタンはインドのインダス上流開発で世界銀行に訴え
Pakistan to take up water issue with WB
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510C.htm
●081205A Pakistan, dailytimes
パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ
Pakistan for Chenab water compensation
http://my.reset.jp/adachihayao/index081205A.htm
●081123A Pakistan, pakobserver
インダスの水問題,シェナブ川の実情を反映せよ
Reflecting Chenab water issue
http://my.reset.jp/adachihayao/index081123A.htm


●インドは原子力開発に関して経済性を考えて国産技術開発を

India should look at generating cheaper power and private companies need to collaborate with the department of atomic energy to manufacture
equipment for this segment so that costs come down. This was the view of Atomic Energy Commission chairman and department of atomic energy secretary Anil Kakodkar.

インドの原子力の最高権威,インド原子力委員会委員長兼原子力局長アニル・カコッドカール氏(注5)が,コルカタで演説を行った。最初は何を言っているのかさっぱり分からなかったが,結局彼は,インドの科学者達に奮起を促している。インドにも十分な資源や蓄積があるではないか,この方面でインドの科学者が奮起しなければ,また再び,原爆実験で受けたような国際制裁を受ける可能性がある,備えが必要だと。

彼は多くの先端技術に触れている(注10)。その中でも,トリウムの問題(注8)と灰分を多く含むインドの石炭(注9)に言及,これこそ国内資源を主体としたインドのエネルギー独立に欠かせない,と言っているのである。石炭の問題は,クリーンコールの技術だろうが,トリウムの問題(注8)については,鈴木篁氏(注13)が,熱心に取り上げていたことを思い出す。2005年に書かれた資料(注12)にも簡単に解説されている。

私の即興的な理解では,まずトリウム(注8)は,ウランに比べてインドに豊富に賦存する,オーストラリアに次いで世界第2位である。核燃料に困窮してきたインドとしては,独自設計のトリウム原子炉の安全性テストを行なうと既に発表し準備している。世界の原子力から見て,トリウムの埋蔵はウランに比べて遙かに多い。またトリウムに切り替えることができれば,発生する放射性廃棄物の量は約半分になると言う。

参考資料(注12)によれば,世界の核廃棄物処理の流れはウランを対象としており,この流れをトリウムに変えることは,大変だという。ウランが主燃料に選ばれたのは,米国を初め,原爆の材料としても価値が高かった,とも言われている。軽水炉ー高速増殖炉の発展過程のどこかで,トリウム炉が分岐発展する可能性を秘めているという。ただ,ウランの枯渇などを含めて,トリウムには今後50年の日時が必要とも。インドは真剣だ。

(注)B (1) 090625B India, Economic Times,(2) title: 'India should look at generating cheaper power',(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/India-should-look-at-generating-cheaper-power/articleshow/4663893.cms,(4) 16 Jun 2009, 2138 hrs IST, ET Bureau,KOLKATA,(5) Atomic Energy Commission chairman and department of atomic energy secretary Anil Kakodkar,(6) fourth Raja Ramanna Memorial Lecture,(7) Variable Energy Cyclotron Centre,(8) thoriumトリューム,(9) high-ash Indian coal,(10) Nano technology, solar technology, hydrogen as energy carrier, RF microwave, superconductivity, bio technology and plasma technology,(11) heavy water reactor, fast breeder reactor and thorium related research,(12) http://wiredvision.jp/archives/200507/2005071201.html,(13) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info4n.htm,(14)

今日の参考資料

●090625B India, Economic Times
インドは原子力開発に関して経済性を考えて国産技術開発を
'India should look at generating cheaper power'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625B.htm

http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/India-should-look-at-generating-cheaper-power/articleshow/4663893.cms

最近の関連資料

●090324B India, Economic Times
インドの原子力セクターにGE-日立が参入へ
GE-Hitachi to build nuclear reactors for NPCIL, BHEL
http://my.reset.jp/adachihayao/index090324B.htm
●090213C India, Economic Times
インド,NTPCが原子力開発へ参入へ
NTPC may enter into N-power biz
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213C.htm
●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205A.htm
●081216D India, Economic Times
インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン
Areva inks pact with NPCIL to supply 300 tonnes of uranium
http://my.reset.jp/adachihayao/index081216D.htm
●081207C India, Economic Times
インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ
India may open nuclear sector for private players soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index081207C.htm
●081119G India, Economic Times
重電メーカーBHEL,原子力開発で,仏のアレバと技術提携
BHEL, Areva T&D to form JV for manufacturing nuclear reactors
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119G.htm


●インドのヒマチャルでカルチャムワントー水力の現場に環境攪乱

Communist Party of India (Marxists) has sought action against Jaiprakash Associates hydropower company executing the mega 1000 MW Karcham Wangtoo project in Kinnaur for having illegally extracted a herb from around the project site, leaving the mountainside exposed to soil erosion and landslides.

インダス河の東方の支流,サトルジュ川(注14),インドの西端,パンジャブの平野を流れて,パキスタンのラホールの南で国境を越えて,更にパキスタンの平野部を潤しながら,インダス本流に合流する。おそらく殆どの水は,インドとパキスタンの主要な平野部の農業のために使われてしまうのだろう。上流に遡って,ヒマチャルプラデシュの山岳地帯の直下流に,大規模なバクラダムがある。

このバクラダムの上流は,まさにヒマラヤの山岳地帯で,サトルジュ川(注14)が蛇行して大電源地帯となっており,多くの大規模水力プロジェクトが連なっている。上流は,チベット平原を水源としている。1,000MWのカルチャム・ワントー水力(注7)は流れ込み式で,48mの高さのダムを有するが,水路の長さは17kmで落差は300mに達している。建設工事はたけなわで,何か従業員が問題を起こしているようだ。

(注)C (1) 090625C India, himachal,(2) title: CPI(M) seeks action against power company for environment damage in Himachal,(3) http://himachal.us/2009/06/11/cpim-seeks-action-against-power-company-for-environment-damage-in-himachal/13526/news/ravinder,(4) Posted by Ravinder Makhaik on Jun 11th, 2009 in News,Shimla,(5) Communist Party of India (Marxists),(6) Jaiprakash Associates hydropower company,(7) 1000 MW Karcham Wangtoo project,(8) Kinnaur,(9) Tikender Panwar, CPI(M) member secretariat,(10) Wangtoo,(11) Roonag,(12) Khasachi (local name) herb,(13) quintals,(14) Satluj basin,(15)

今日の参考資料

●090625C India, himachal
インドのヒマチャルでカルチャムワントー水力の現場に環境攪乱
CPI(M) seeks action against power company for environment damage in Himachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625C.htm

http://himachal.us/2009/06/11/cpim-seeks-action-against-power-company-for-environment-damage-in-himachal/13526/news/ravinder

最近の関連資料

●090130A India, thaindian
インド,ヒマチャルプラデシュ,ADBローン支払いへ
ADB to release first tranche of loan to Himachal soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090130A.htm
●090120B India, newspostonline
インドのヒマチャルプラデシュ,13水力を認可
Himachal Pradesh approves 13 hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120B.htm
●090115C India, thaindian.com
ヒマチャル,深林保護で,ジャイピー水力の送電線変更
Jaypee Hydropower told to move power line in Himachal to save forest
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115C.htm
●081219C India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデッシュ,水力開発で,小規模会社重視
Himachal allots hydro projects to smaller players
http://my.reset.jp/adachihayao/index081219C.htm
●081219C India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデッシュ,水力開発で,小規模会社重視
Himachal allots hydro projects to smaller players
http://my.reset.jp/adachihayao/index081219C.htm
●081119F India, siliconindia
ヒマチャルプラデシュ,水力は流れ込み式のみ,環境考慮
Himachal Pradesh favours agency to develop Himalayan states
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119F.htm


2009年6月24日分 ー ミャンマーの水力をバングラデシュ輸入の計画 ー

北朝鮮を出た北朝鮮船籍の船を追って,米海軍のイージス艦と哨戒機が,南シナ海海上を追いかけている,武器を積んで行く先はミャンマー(注1)との推測報道が流れている。ミャンマーは,今や独立を狙うカレン族やワ族の制圧が,必須である。それは,中国へのパイプラインが,中東やアフリカから来る原油と,ミャンマー西方沖で生産される天然ガス用と,2本を並行して,国内横断させることが至上命令だ。

米国も忙しい,イラクの自爆テロは収まらないし,キリギスタンがロシアの20億ドル援助で米軍基地を拒否しようとしているが,借用料を3倍近くに上げて,何とか決着が付いたが,ロシアはキリギスタンに対して怒っている。北朝鮮から出た船は,まだ何処に行くか分からないが,ミャンマーかイラン,そのイランは,先ほど30分ほど前に,大統領選の最終判断先送り(注2),に急展開,オバマ大統領が目を回している,禁煙がまだ出来ないとか。

ミャンマーのパイプラインは,ラキン州,南西沖の港,チャウピュから,北東に真っ直ぐミャンマーを横断して,650kmで中国の国境の町,ルイリに到達する。それから更に400kmかけて昆明に繋ぐことになるが,問題はミャンマー国内の治安である。そのために中国は,その経過地の要所要所に水力ダムを建設して,そこをパイプライン護衛の拠点にする考えだろう。イラワジを越え,サルウイーンを横断して,やっと国境に着く。

ミャンマーのNO2,マウンアイ将軍が,6日間の北京訪問から帰国して,中国との友愛関係をぶち上げている。北のマイカ,マリカ,の河川と,イラワジ上流のダム開発も中国の約束を取り付けた。一方で,イラワジの西の支流,チンドウイン川では,1,200MW,インドが調査を行っており,この開発協力で中国に先んじられた天然ガスも,視野に入れている。隣国バングラデシュは,ミャンマーから相手にしてもらえなかった。

ところがバングラデシュは,ミャンマー西部,ラキン州に,500MWの水力を建設して,バングラデシュへ輸入する,と外務大臣が突然に発表して,関係者を驚かせている。地図を見ると,港町シットウエイに河口を持つカラダン川の上流,バングラデシュとの国境付近と思われる。ミャンマーの建設企業を動員して開発させる,ミャンマー軍事政権も同意の上だろう。この川筋は,インドのラメッシュが,ミャンマーの交通路として狙っている。

さて,トヨタのハイブリッド,プリウスが走りまくっている。梅田の交差点で止まったプリウスを,立ち止まってじろじろ見ていたら,運転手から早く行け,と手で追っ払われた。日産が米国を拠点にEV車10万台生産の報道(注3)。これに対してトヨタは,プリウスの次は燃料電池車だという。トヨタは完全に方向が間違っていると私は思う。おそらく10年後梅田の交差点は日産の電気自動車で埋まっているだろう。化石燃料オリジンは駄目だと思う。

(注1) http://www.asahi.com/international/update/0624/TKY200906240110.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090624AT2M2400424062009.html
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906240097a.nwc

本文

●ミャンマーのマウンアイ将軍の北京訪問は成果が多かった

Myanmar's second top leader Maung Aye's recent goodwill visit to China has brought about new success in bilateral relations between the two countries, Myanmar state media commented Monday. Maung Aye, Vice Chairman of the State Peace and Development Council, Deputy Commander-in Chief of the Defense Services and Commander-in-Chief of the Army, paid a six-day goodwill visit to China from June 15 to 20 at the invitation of Chinese Vice President Xi Jinping

2009年6月15〜20日の6日間に亘って,ミャンマーのSPDC副議長マウンアイ将軍(注5)が,中国のシ・ジッピン副主席(注6)の招きに応じた形で,2003年8月及び2006年4月に続いて,3回目の北京訪問を果たした。その成果を強調したミャンマーのメディアの報道を,中国の記者が北京に送ったものである。両国の兄弟のような関係を,ことさら長い文章で強調したものだが,具体的な三つの覚書について触れている。

一つは,総合的な経済技術協力,二つは,具体的な水力プロジェクトの開発,運用,引き渡しに関するもの。三つは,原油パイプライン(注11)の開発,運用,維持管理」に関するものである。水力は,マイカ川(注8),マリカ川(注9),イラワジ-ミトソネ河流域上流(注10)のプロジェクトである。パイプラインについては,原油,とわざわざ書いてあるが,ガスとはまた別の協定,と言う意味か。

ミャンマーと中国の通商の数字も挙げている。2008年の両国の貿易額は,26.26億ドルで,年率26.4%の伸び,このうち中国の輸出額は,19.78億ドルである。2008年末までの数字で,中国の契約ベースの投資額は,13.31億ドル,内訳は,鉱業分野が8.86億ドル,電力分野が2.81億ドル,原油ガスが1.24億ドとなり,ミャンマーへの海外投資としては,2007年の第6位から,第4位に浮上している。

(注)A (1) 090624A Myanmar, news.xinhuanet,(2) title: Myanmar 2nd top leader's China visit brings about new success in bilateral relations,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/22/content_11581616.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-06-22 15:14:00,By Feng Yingqiu,YANGON, June 22 (Xinhua) ,(5) Maung Aye, Vice Chairman of the State Peace and Development Council,(6) Chinese Vice President Xi Jinping,(7) Premier of China's State Council Wen Jiabao,(8) Maykha,(9) Malikha,(10) the upstream of Ayeyawaddy-Myitsone River Basin,(11) Myanmar-China crude oil pipeline project,(12)

今日の参考資料

●090624A Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマーのマウンアイ将軍の北京訪問は成果が多かった
Myanmar 2nd top leader's China visit brings about new success in bilateral relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624A.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/22/content_11581616.htm

最近の関連資料

●090605A Myanmar, atimes
ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある
China drawn into Myanmar's border strife
http://my.reset.jp/adachihayao/index090605A.htm
●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401A.htm


●ミャンマーは越境犯罪でASEAN高官会議を招待

Myanmar is to host an international meeting to combat transnational crime next month, according to a report by Chinese news agency Xinhua. The meeting of senior officials of the Association of Southeast Asian Nations will be held in the capital city Nay Pyi Taw from July 1-3, Xinhua ays, quoting the Myanmar newspaper Weekly Eleven. ASEAN has given as yet no official announcement of the meeting.

ミャンマーが,新首都ネピトー(注6)に,ASEAN(注5)の高官を招いて,人身売買防止に関する会議を,2009年7月1日〜3日,開催したい,と提案したのは,マウンアイ将軍(注10)が北京より帰国した直後である。2008年5月のナルギスサイクロンで,ミャンマー南部で10万人に上る犠牲者が出てから,孤児となった子供を連れ去って,国内の買収宿や,遠くマレーシアまで売られて行く例が,米国議会でも問題となっていた。

この人身売買に積極的対応して行こうというミャンマー軍事政権の努力を,北京政府に迫られたのか。従来からミャンマーは,タイと条約を交わしたりして,厳しい対応をアピールしてきたが,この際,主導的な立場を表明したいということだろう。ただ,ASEAN諸国としては,ミャンマーに言われたくない,と言う気持ちが,今のところ,公式声明は出していない。今日のニュースは,北京発となっている。

今日の報道の中で,マウンアイ将軍(注10)が北京で交わした,水力やパイプラインの開発協力に関して,少し追加のニュースがある。マイカ,マリカ,イラワジ上流の水力開発への協力(注11)の他,パイプラインの問題がある。パイプラインについては,2008年9月に,680マイル,1,100kmに及ぶ,天然ガスと原油の両方のパイプラインの建設を,ペトロチャイナ(注12)が確認している。

天然ガスと原油の二つのパイプラインは,並行に敷設する計画で,ミャンマー西部沿岸のチャウピュ(注13)の港から,中国東部の国境の町ルイリ(注14)を経て,最終点を雲南省の昆明(注15)としており,原油は,中東やアフリカからタンカーで運んできたものを,年間2,000万トン,送る計画である。ガスについては,年間120億立方mを送るが,昆明(注15)から更に貴州省(注16),更には広西荘族自治区(注17)まで送る,と。

(注)B (1) 090624B Myanmar, upi.com,(2) title: Myanmar to host crime-prevention meeting,(3) http://www.upi.com/Security_Industry/2009/06/23/Myanmar-to-host-crime-prevention-meeting/UPI-35301245771720/,(4) sponsorship.Published: June 23, 2009 at 11:42 AM,BEIJING, June 23 (UPI),(5) Association of Southeast Asian Nations, ASEAN,(6) Nay Pyi Taw,(7) human trafficking,(8) Cyclone Nargis,(9) real estate businessman Maung Weik,(10) Maung Aye,(11) Maykha, Malikha and Ayeyawaddy,(12) PetroChina,(13) Kyaukpyu,(14) Ruili,(15) Kunming,(16) Guizhou province貴州省,(17) Guangxi Zhuang Autonomous Region廣西壯族自治區,(18)

今日の参考資料

●090624B Myanmar,upi.
ミャンマーは越境犯罪でASEAN高官会議を招待
Myanmar to host crime-prevention meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624B.htm

http://www.upi.com/Security_Industry/2009/06/23/Myanmar-to-host-crime-prevention-meeting/UPI-35301245771720/

最近の関連資料

●090624A Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマーのマウンアイ将軍の北京訪問は成果が多かった
Myanmar 2nd top leader's China visit brings about new success in bilateral relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624A.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/22/content_11581616.htm
●090605A Myanmar, atimes
ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある
China drawn into Myanmar's border strife
http://my.reset.jp/adachihayao/index090605A.htm
●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401A.htm


●ミャンマーの水力をバングラデシュに輸入する計画で協議

The Bangladesh government has disclosed it is in talks with a Burmese junta-linked firm over the construction of a large hydroelectric power plant in Arakan State. The electricity produced by the project would be transmitted across the border into Bangladesh rather than benefiting energy-starved Arakan.

ミャンマーのエネルギー資源については,中国が先頭を走り,ここにインドが何とか食い込もうと,懸命の工作を続けている中,バングラデシュは,水力輸入の話を持ち出して,ダッカを訪ねたマウンアイ将軍に,自分たちで開発できるならどうぞ,と軽くあしらわれて歯ぎしりをしていた。ここで,バングラデシュのドニ外務大臣(注5)が,ダッカのフォーラム(注6)で,突然の発言である。

ドニ外務大臣(注5)によると,ミャンマーの建設企業,シュエタウン開発(注7)が既に調査を開始しており,規模は500MWで,全量バングラデシュへ輸出する計画という。具体的な地点名は明かでないが,カラダン川の上流で,バングラデシュの国境に近いところだろう。この川の下流では,サイディンの滝を利用して,ミャンマー軍事政権が70MWの水力開発を推進中である。

(注)C (1) 090624C Myanmar,irrawaddy,(2) title: Bangladesh, Burma Firm in Electricity Power Station Talks,(3) ttp://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=15968,(4) Arakan State,(5) Bangladeshi Foreign Minister Dipu Moni,(6) Bangladesh Institute of International and Strategic Studies,(7) Shwe Taung Development,(8) Dhaka,(9) Rangoon,(10) Mandalay,(11)

今日の参考資料

●090624C Myanmar,irrawaddy
ミャンマーの水力をバングラデシュに輸入する計画で協議
Bangladesh, Burma Firm in Electricity Power Station Talks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624C.htm

http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=15968

最近の関連資料

●090404A Myanmar, narinjara
ミャンマーのアラカンでサイディン水力着工
Sai Din Hydropower Project Resumes
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404A.htm
●090204A Myanmar, narinjara
ミャンマー軍事政権,中央部とアラカンの鉄道計画
Arakan and Central Burma to be Connected by Railway
http://my.reset.jp/adachihayao/index090204A.htm
●090115A Myanmar, narinjara.com
ミャンマーのアラカン山脈,600MW発電可能
Over 600 Megawatts to be Produced in Arakan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115A.htm
●081125C Myanmar, mathaba
ミャンマーとインド,経済協力の促進を確認
Myanmar, India to cement economic and trade ties
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125C.htm



2009年6月23日分 ー インドネシアは原油ガスの国内需要確保に ー

インドネシアの大統領選挙,2009年7月9日,すぐそこまで迫ってきた。現職のユドヨノ大統領が優勢で既に副大統領候補を指名しているから,現職のカラ副大統領は政権に参入するためには,自分で大統領にならなければならない。カラ現副大統領は,ウィラント元国軍司令官を自分の副大統領候補に立てて,ユドヨノ政権とは決別の構えで,カラ副大統領としては,ユドヨノ大統領と組んで,政権に残りたかったようだ(注1)。

私は,カラ副大統領のエネルギーに関する言動に注目しているが,北京を訪問して,中国の政治体制は素晴らしい,と言って,10,000MWの石炭火力の資金の殆どを中国からもぎ取ってきたが,また,日本に対しては,資源ナショナリズムを隠さず,LNGの対日供給に厳しい姿勢を見せてきた。副大統領職も余すところ1ヶ月の先週末,突然,スラウエシのガスは全量国内向けだ,と叫んで,周辺を混乱に陥れている。

JBICはポテンシャル融資機関,と書いてあるので,まだ決まっていないと思うが,三菱商事が51%の資本参加で進んでいる中部スラウエシの,ドンギ-スノロLNGプロジェクト,入札問題で紛争の続いた後,仲裁委員会KPPUの裁定が決まってホッとしたところ,このカラ副大統領の発言に揺れている。三菱商事は控えめなコメントだが,パートナーのメデコのルクマン社長は,怒り狂っている。三菱商事はここのLNGに深い歴史を有している。

中部スラウエシには二つのガス田,スレノとマティンドックがあるが,プルタミナとメデコが生産していて,殆ど全量,335MMSCFDを,百万Btu当たり,6.16ドルで,三菱商事のドンギ-スノロLNGプロジェクトに売ることで,二つのガス田事業費14億ドルを,賄うことになっていた。国内販売価格は,その半分の,百万Btu当たり3.17ドルである。ルクマン社長の怒りはもっともだが吹き荒れるインドネシアの資源ナショナリズムでどうなるか。

インドネシアの地図をじっくり眺めていると(注2),原油は落ち込んでいる,とされているが,問題は投資の行くへのような気がする。全くその気もなかったスラウエシ以東が,今や原油ガス開発の中心になってきている。今日も,24の原油ガスブロックの入札が行われることになって,東部方面は,政府の持ち分を減らして,投資意欲を誘っている。素人ながら,カリマンタン島部沖とスマトラ南部を結ぶ広大な海域は手つかずだ。

日本の経済も,当面,インドネシアの資源ナショナリズムと厳しい戦いを強いられるが,日本政府がJOGMECやJICAを通じて,途上国の鉱物資源に必死にアプローチする状況が,報じられている(注3)。また,原子力発電所のウラン資源について,現在キログラム当たり13,000円,と言われているが,日本原子力研究開発機構が海水からの回収で,32,000円の線まで接近したという(注4)。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090501D2M0103X01.html
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906230008a.nwc
(注4) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906230091a.nwc


本文

●インドネシア政府は原油ガスの免許で56.5百万ドル歳入を期待

The government expects to bring into state coffers at least US$56.5 million in signing bonuses from 24 new oil and gas blocks put on offer on Tuesday, said a senior official. The payment is the bonus paid by oil and gas contractors to the government when the companies secure rights to explore and develop the blocks.

インドネシアは,原油生産の落ち込みで,議会が政府を叱咤激励して新しい油田ガス田の開発に,努力を積み重ねている。確かに,素人目に見ていても,例えば,カリマンタンとジャワ島の間など,海は浅くて,探査さへ進めば,少なくとも天然ガスには困らないような気がする。問題は企業の投資意欲で,今日の記事も,入札に参加する企業が在ってこそ,の話である。今年の原油生産目標は,日96万バレルである。

先週火曜日,2009年6月16日,インドネシア政府は,新規原油ガスブロックの開発計画を提示,この契約の見返りとして,56.5百万ドルが国庫収入となることを期待している。見返りについて,エビタ原油ガス局長(注5)は,推定埋蔵量の大きさによって額は異なってくる,それは政府の持っている調査資料による,としている。

今回の計画提示は24ブロックで,17ブロックは通常の入札,7ブロックは共同調査(注6)の形式をとる。入札にかけられるのは,(注7)〜(注17)のブロックを含むもので,共同調査(注6)は,(注18)〜(注24)である。大体の地名から推察できるものは,地図にマークしてみたが,具体的には把握できない。しかし,インドネシア東部,スラウエシ北部を中心に,焦点は漸次東に向かっているようだ。

政府の考えている契約の見返りは,ブロックについて,百万〜5百万ドルの範囲だ。トミニ湾(注7)とゴロンタロ(注8)は,大きな埋蔵が期待されている。特にガスに期待しているようだ。エディ部長(注26)によると,未着工井戸(注25)では,東部で井戸当たり,40〜50百万ドルの経費がかかり,西部では,7〜8百万ドルであると。エビタ局長は,政府の持ち分を小さくして,投資意欲を促している。従来の80%を65%とする予定である。

現在インドネシアでは,190の国内及び外国企業が,原油ガスの生産契約を行っており,うち51の契約では生産運転,13契約が開発過程,残りの126契約は探査過程にある。今回の新規契約は,この5年間で低下してきた原油生産を盛り返す意図を持っている。2009年の原油生産目標は,日96万バレルだが,2009年4月の実績では,95.6万バレルとなっている。

天然ガスの生産目標は,日7,660百万Btu(注28)で,前年の日7,530百万Btuを上回る計画である。来年,2010年の原油及び縮合物の生産目標は,日105万バレルである。


(注)A (1) 090623A Indonesia, thejakartapost,(2) title: Govt expects $56.5m from new oil blocks,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/17/govt-expects-565m-new-oil-blocks.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Wed, 06/17/2009 9:33 AM | Business,(5) Evita H. Legowo, director general for oil and gas,(6) joint study mechanism,(7) Tomini Bay I-V,(8) Gorontalo Tomini I-II,(9) North Bone,(10) Kolaka Lasusua,(11) Kabena,(12) Jampea,(13) Buton III,(14) Menui Asera,(15) Morowali,(16) Sula I-I,(17) Bird’s Head block,(18) Kubu,(19) North East Ogan Komering,(20) Offshore West Java,(21) Blora,(22) North Makassar strait,(23) East Simenggaris,(24) Digul block,(25) “wild cat” wells,(26) oil and gas upstream director Edy Hermantoro,(27) million barrels per day (bpd),(28) British Thermal Units of gas (Btu) per day,(29) map spource: http://www.lngpedia.com/wp-content/uploads/2009/04/indonesia-petroleum-blocks.jpg,(30)

今日の参考資料

●090623A Indonesia, thejakartapost
インドネシア政府は原油ガスの免許で56.5百万ドル歳入を期待
Govt expects $56.5m from new oil blocks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623A.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/17/govt-expects-565m-new-oil-blocks.html

最近の関連資料

●090217B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの原油ガス企業が2009年に140億ドル投資
Oil, gas firms to invest $14b in 2009
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217B.htm
●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211A.htm


●インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執

Japan's Mitsubishi Corp. says it will continue its involvement in the Donggi Senoro LNG plant (DSLNG), despite the government's ruling that all gas from the operation be sold on the domestic market. "We are not in the position to provide comments on the government's remarks," Mitsubishi spokesperson Shunsuke Nanami stated.

インドネシアのLNGプロジェクトに対して,三菱商事は深い歴史を有している。2005年3月のタングー LNGプロジェクトへの参画,アルンII LNGプロジェクトにも関与,今回は,スラウエシのドンギ-スノロLNGプロジェクトの問題である。このプロジェクトは,入先時に競争相手であったオーストラリアのLNGインターナショナル(注16)と地元企業メレオ(注17)が,2005年5月に,プルタミナ(注9)及びMEDCO(注10)が契約を締結していた。

2007年12月に至って,三菱商事(注5)が,プルタミナ(注9)及びMEDCO(注10)の間で,ドンギ-スノロLNGプロジェクトDSLNG(注6)の設立に合意し,これにLNGインターナショナル(注16)と地元企業メレオ(注17)が抗議して,仲裁委員会KPPU(注14)に提訴した。

豪上場リキファイド・ナチュラル・ガスの子会社LNGインターナショナルと地場マレオ・エネルギー・ウタマが設立した合弁会社LNGエネルギー・ウタマ(LEU)は、2005年5月に同施設の開発に関してプルタミナ、メドコと独占契約を締結していた。しかし、プルタミナとメドコが、2007年12月に三菱商事と開発会社ドンギ・スノロLNG(DSLNG)の設立で合意書を締結。LEUがKPPUに提訴していたが,2009年6月11日に,三菱商事を合法とした。

ある程度問題は残るとしても,ンギ-スノロLNGプロジェクトDSLNG(注6)は,三菱商事が51%,プルタミナが29%,メドコが20%の資本持ち分で,政府の最終決定を待っている状況である。記事では,融資候補であるJBICの意向で,三菱商事のマジョリティが決まった,と思われる記述がある。なお,この記事の問題は,ドンギ-スノロLNGプロジェクトDSLNG(注6)の全量をインドネシアの国内需要に振り向ける,との決定である。

この問題については,価格下限の決定などが決まっていないようで,三菱商事は,インドネシアへの貢献は忘れない,と微妙なコメントをしている。まだインドネシア政府が最終投資決定FDIを出していない現況で,慎重である。なお,訴訟を起こしたマレオ・エネルギー・ウタマのバックには,中部スラウエシのビジネスマン,ハリヤント氏(注18)の存在があるという。

(注)B (1) 090623B Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/mitsubishi-sticks-with-donggisenoro-project.html,(4) Mon, 06/22/2009 11:27 AM | Business,JP/Alfian,(5) Mitsubishi Corp三菱商事,(6) Donggi Senoro LNG plant (DSLNG),(7) Mitsubishi spokesperson Shunsuke Nanami,(8) FID,final investment decision,(9) Pertamina,(10) Medco,(11) Japan Bank for International Cooperation (JBIC),(12) Pertamina president director Karen Agustiawan,(13) PT LNG Energy Utama (LEU),(14) Business Competition Supervisory Commission (KPPU),(15) artificial offering,(16) Australia's LNG International,(17) PT Maleo Energi Utama,(18) Hariyanto, a businessman from Central Sulawesi,(19)

今日の参考資料

●090623B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執
Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623B.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/mitsubishi-sticks-with-donggisenoro-project.html

最近の関連資料

●090318B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのLNGから日本などが他の市場を模索
RI’s LNG diverted to other markets
http://my.reset.jp/adachihayao/index090318B.htm
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217C.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205B.htm


●インドネシアのドンギ-スレノLNGで三菱は輸出にこだわる

The consortium set to construct and operate the controversial Donggi-Senoro liquefied natural gas (LNG) plant in Central Sulawesi has stated that output from the project must be exported to ensure its economic viability.

この,インドネシア,中部スラウエシのドンギ-スレノLNGプラントDSLNG(注5)に関して,三菱商事のコメントは穏健だが,パートナーであるメドコ(注10)のルクマン社長(注7)の舌鋒は鋭い。ことの発端は,先週末,2009年6月19日,任期寸前のカラ副大統領(注8)が,LNGプラントDSLNG(注5)のLNGは,スレノガス田もマティンドックガス田(注9)も含めて,すべてインドネシア国内への供給,と指示したことにある。

ルクマン社長(注7)は,LNGは輸出に回さなければ,採算がとれない,これからインドネシア政府を説得する,と主張している。スレノガス田のガスについては,メデコとプルタミナが50%づつの資本を持っている。マティンドックガス田(注9)はすべてプルタミナであるが,既に全量,ドンギ-スレノLNGプラントDSLNG(注5)に売ることで,2009年1月22日に合意している,と言っている。

ドンギ-スレノLNGプラントDSLNG(注5)は,メデコが20%,プルタミナが29%,三菱商事が51%の資本を有している,最早政府のガスは何処にも残っていない,とルクマン社長(注7)は主張する。DSLNG(注5)プロジェクトは,16億ドルの事業費を必要とする。ミガスのプリヨノ総裁(注14)は,副大統領の指示は,国内需要を満たした後,自由に出来る,と言うことだ,宥めている。

スレノガス田のうちの,日70MMSCFD(注15)は,国内石油化学会社に売ることになっており,価格は,百万Btu当たり(注16),3.17ドルである。後は輸出に当てられており,DSLNG(注5)は,スレノから250MMSCFD(注15),マティンドックから85MMSCFD(注15),合計335MMSCFD(注15)を,価格百万Btu当たり6.16ドルで買い取ることになっている。国内価格の倍である。

(注)C (1) 090623C Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Consortium insists on need to export Donggi-Senoro's LNG,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/consortium-insists-need-export-donggisenoro039s-lng.html,(4) Alfian | Mon, 06/22/2009 11:32 AM | Business,(5) Donggi Senoro LNG plant (DSLNG),(6) Central Sulawesi,(7) Lukman Mahfoedz, project director of consortium member Medco Energy,(8) Vice President Jusuf Kalla,(9) Senoro and Matindok fields,(10) Medco,(11) Pertamina,(12) gas sales agreement (GSA),(13) Mitsubishi Corp三菱商事,(14) Chairman of upstream oil and gas regulator BP Migas, R. Priyono,(15) million standard cubic feet of gas per day (MMSCFD),(16) British Thermal Unit (MMBTU),(17)

今日の参考資料

●090623C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スレノLNGで三菱は輸出にこだわる
Consortium insists on need to export Donggi-Senoro's LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623C.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/consortium-insists-need-export-donggisenoro039s-lng.html

最近の関連資料

●090623B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執
Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623B.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/mitsubishi-sticks-with-donggisenoro-project.html
●090318B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのLNGから日本などが他の市場を模索
RI’s LNG diverted to other markets
http://my.reset.jp/adachihayao/index090318B.htm
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217C.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205B.htm


その他関連ニュース

●090623D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナは国内石油製品自給を目指し精製プラント整備
Pertamina plans fuel self-sufficiency
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/12/pertamina-plans-fuel-selfsufficiency.html
●090623E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府は再生可能エネルギーは高くて今は手に付かない
Utilization of renewable energy in RI long way off
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/10/utilization-renewable-energy-ri-long-way.html


2009年6月22日分 ー フィリッピンのビサヤス系統の将来電源 ー

東南アジア諸国に限らないが,大体,人口の都市集中が激しく,また島嶼国家では,日本にしてもインドネシアにしても,主たる島の人口が飛び抜けており,経済を論ずるときは,その主たる島の経済が議論の中心となる。最初にフィリッピンを勉強したときに,私の目に奇異に映ったのは,人口が異様に広く均等に分布していることであった。電力はルソンのことだけ,と思っていたら,とんでもない,ビサヤスやミンダナオの人口が意外に多い。

今の私の頭の中には,「ルソンに4,000万人,ビサヤスに1,500万人,ミンダナオに2,000万人」,と言う感じである。この中に入らない西のパラワンとミンドロは,併せて200万人である。ところが,発電設備が全く桁が違う,ルソンが10,000MW,ビサヤスがなんと1,500MW,ミンダナオが1,500MW見当である。これでは,セブ島を有するビサヤスの系統は,少し経済が動くと,途端に電気が足らなくなる。

ビサヤスの大きな島は,地図を見て貰おう(注)。西から,大きな島で,パナイ,ネグロス,セブ,ボホールと続く。これらは既に送電線で連携されているが,ビサヤス系統という独立した系統で,先日から,早々と電力自由化,卸売市場創設,が話題となっている。電源をこれからどうするのか,今日の議論では,対極の二つ,台湾のクリーンコール技術の石炭火力と,レイエス・エネルギー長官の再生可能エネルギー議論である。

セブ島には良質の石炭が埋蔵している,というNEDOの報告書があるが,まだ開発されていない。石炭は,国内輸入と現地調達の両睨みであろう。246MW規模であるから,相当に大きい。国内資金で調達できると言っている。また,再生可能エネルギーについては,エネルギー長官は,ビサヤスは風力だ,と言っているが,頼りは水力と石炭火力のようだ,勿論地熱もある。

私は,このビサヤス諸島は,小規模発電所に取り組んでいる人々には,非常に面白い島々だと思う。台風はともかく,治安は非常はよいし,適当に小都市が散らばって,それぞれが小規模な河川を持っているから,10MW程度の水力発電所ならば,容易にプロジェクト形成できるだろう。今日の記事でも,ティンババの23.5MW,リバカオの41MW,アンティケの8MW,イロイロのイボグロの4MW,などが上がっている。

なお,今日の記事の東電の石炭火力のIPPA,2009年6月27日にも入札を行い,既に外国企業も含めた3グループが浮上しているという,テークアンドペイでNPCが一括引き取りとなっていたのに,電気事業法によって引き取り手も売電単価も入札次第だ。発電所所有者から見るととんでもないことだが,電気事業法だ,言われればそれまでだ。次は関電のサンロケなど,3水力の入札が予定に上がっている。

(注) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

本文

●フィリッピンのセブ石炭火力に160億ルピーの借款期待

While Cebu’s power supply is facing gloom, the P16-billion loan package finally secured for the 246-megawatt Toledo power project will ease what is anticipated as electricity end-users’ agony over supply shortfall. The credit facility to be extended by a consortium of 11 banks and insurance companies was arranged by First Metro Investment Corporation. It is part of the P22-billion estimated project cost of the coal-fired facility.

2009年2月9日の本HP(注22),フィリッピンは,莫大な石炭包蔵を持っていると見られているが,投資企業が互いによりよい地域を求めて,競争しているために,開発が遅れている。この3年間,石炭価格の上昇を見て,国内企業が動き始めた。発電設備の技術革新を受けて,国内の石炭資源にも,焦点が当たってきている。国の政策分野では,クリーンエネルギーに向かっているが,依然,石炭は発電燃料の主役を担って行くだろう。

この流れをくむ動きだろう,セブ島(注5)の良質の石炭を目当てに,大規模な石炭火力が計画されている。発電所の位置は,パナイ島のトレド(21)と書かれており,輸入石炭も視野に入れたものか。セブ(注5)電力系統は,ビサヤス(注10)の一部をなすが,電力不足に苦しんでいる。この電力不足への対応のため計画されている,246MWのトレド石炭火力(注6)が,160億ペソの資金調達に成功した。

資金調達の主軸となるのは,FMIC(注7)で,国内11の銀行がコンソーシアムを形成する。160億ペソは,石炭火力の総事業費,220億ペソの一部を形成する。トレド石炭火力(注6)の企業主であるセブ・エネルギー開発公社CEDC(注9)は,この融資がいよいよ着工へこぎ出す有力な支援で,ビサヤス(注10)系統の電力需給状況改善の第一歩だ,と評価している。この12年融資は,国内主導の資金調達として,初めてと言える。

セブ・エネルギー開発公社CEDC(注9)は,グローバルビジネスGBPC(注11),アボイテス(注12),ビバント(注13),台湾のフォモサ重工FHI(注14)の合弁体である。CEDC(注9)のアルコルド社長(注15)は,これで負債部分が調達できたので,82MW機3台の第1期は,50%の進捗であり,2010年の第1四半期には,系統に繋ぐことが可能である,と語っている。これで,電力危機に間に合わせることが出来ると。

このトレド石炭火力(注6)には,タイ湾のフォモサ重工FHI(注14)が既に,台湾,インドネシア,米国で経験を積んできた,クリーン・コール・テクノロジー(注16)の最新技術が適用される,としている。中心となる需要は,バランバン特別区(注17)の日本の常石造船(注18)の造船工場や,元のアトラス鉱山(注20)を再開発するカルメン銅企業(注19)が主体となる。

(注)A (1) 090622A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Consortium extends P16-billion loan to Cebu power project,(3) http://www.mb.com.ph/articles/207629/consortium-extends-p16billion-loan-cebu-power-project,(4) By MYRNA M. VELASCO,June 21, 2009, 1:28pm,(5) Cebu,(6) 246MW Toledo power project,(7) First Metro Investment Corporation,(8) coal-fired facility,(9) Cebu Energy Development Corporation (CEDC),(10) Visayas,(11) Global Business Power Corporation of the Metrobank Group,(12) Aboitiz Power,(13) Vivant Corporation,(14) Formosa Heavy Industries of Taiwan,(15) CEDC president Jesus N. Alcordo,(16) clean coal technology,(17) Balamban EnerZone,(18) Tsuneishi Heavy Industries,(19) Carmen Copper,(20) Atlas mining site,(21) Toledo city,(22) http://my.reset.jp/adachihayao/index090209A.htm

今日の参考資料

●090622A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのセブ石炭火力に160億ルピーの借款期待
Consortium extends P16-billion loan to Cebu power project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622A.htm

http://www.mb.com.ph/articles/207629/consortium-extends-p16billion-loan-cebu-power-project

最近の関連資料

●090427B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのビサヤス州で2,3年内の電力危機に水力で
Visayas governors to fast-track building of alternative power sources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090427B.htm
●090320A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのパナイ水力の引き渡しは3月25日
Panay-Bohol plants’ turnover set March 25
http://my.reset.jp/adachihayao/index090320A.htm
●090317A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのERCがビサヤスの送電線改良450百万ペソを承認
ERC approves P450-million transmission line project for Visayas
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317A.htm
●090309B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPMCがビサヤ系統について料金設定などで承認要求
PEMC seeks to lift Visayas power supply
http://my.reset.jp/adachihayao/index090309B.htm
●090209A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,フォーラムがセブ石炭プロジェクトで調査ボーリング
Forum Energy drills Cebu coal prospect
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209A.htm
●090201C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,ビサヤス系統のスポットマーケットを視野に
WESM, system operator to launch supply augmentation auction for Visayas
http://my.reset.jp/adachihayao/index090201C.htm


●フィリッピンのエネルギー省が西ビサヤスでの再生可能投資をと

The Department of Energy is looking for investors willing to develop renewable energy sources?such as wind, hydro, geothermal and ocean?particularly in Western Visayas. Should the full renewable energy potential of Region 6 be tapped, estimates from the DOE showed that probable investments in the region could reach as much as $9.5 billion. Western Visayas covers Aklan, Antique, Negros Occidental, Capiz, Guimaras and Iloilo.

フィリッピンの地図を詳細に眺めるときに,ルソン島への人口集中が余り強くなく,大まかに言って,ルソン4千万人,ビサヤ2千万人,ミンダナオ2千万人と,結構,離島に人口が多いのは,インドネシアや日本列島とは異なる。ところが,電力設備は桁違いで,これからの経済成長の過程で,如何にビサヤスやミンダナオが,エネルギー的に危ないか,がよく分かるのである。

折角に,東南アジア諸国に先駆けて立法化した再生可能エネルギーへの投資が,今一つ盛り上がらないことに焦っているのは,レイエス・エネルギー長官である。特に,ビサヤス西部(注6)の,風力,水力,地熱,大洋,の各再生可能エネルギーへの投資を待ち望んでいる。ビサヤス西部(注6),地域6(注8)に入るのは,アクラン(注9),アンティケ(注10),ネグロスオキシデンタル(注11),カピス(注12),ギマラス(注13),イロイロ(注14)

エネルギー省DOE(注5)は,この地域への投資を95億ドルと見積もっている。今まで決まった投資は僅かに,85.5百万ドルに過ぎない。風力だけ見ても,アクラン(注9)に53MW,アンティケ(注10)に309MW,ネグロスオキシデンタル(注11)に169MW,カピス(注12)に7MW,イロイロ(注14)に85MW,のそれぞれポテンシャルがあると見積もっている。

また,水力は,117.4MWの開発可能性がある。アクラン(注9)でティンババ(注15)の23.5MW,リバカオ(注16)の41MW,アンティケ(注10)の8MW,イロイロ(注14)で,イグボロ(注18)の4MW,などが浮かび上がっている。地熱では,ネグロスオキシデンタル(注11)のマンダラガン(注19)の20MWは,地熱の計画,PECR-4(注20)に入っている。

レイエス・エネルギー長官(注21)によると,現在のフィリッピン全土の再生可能エネルギーは,4,500MWで,この先10年間で,この際成果能エネルギーを倍増したいと考えていると。

(注)B (1) 090622B Philippines, business.inquirer,(2) title; DOE seeks investors for renewable energy,(3) http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090615-210497/DOE-seeks-investors-for-renewable-energy,(4) By Amy R. Remo,Philippine Daily Inquirer,First Posted 02:22:00 06/15/2009,Filed Under: Alternative energy,MANILA, Philippines,(5) Department of Energy,(6) Western Visayas,(7) renewable energy sources,(8) Region 6,(9) Aklan,(10) Antique,(11) Negros Occidental,(12) Capiz,(13) Guimaras,(14) Iloilo,(15) 23.5 MW Timbaba hydropower,(16) 41 MW Libacao hydropower,(17) 8 MW Antique hydropower,(18) 4 MW Igbolo hydropower,(19) 20MW Mandalagan geothermal,(20) Philippine Energy Contracting Round (PECR-4) for geothermal.,(21) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(22)

今日の参考資料

●090622B Philippines, business.inquirer
フィリッピンのエネルギー省が西ビサヤスでの再生可能投資をと
DOE seeks investors for renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622B.htm

http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090615-210497/DOE-seeks-investors-for-renewable-energy

最近の関連資料

●090526A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンは再生可能エネルギーを新法で倍増へ
Manila to double renewable energy capacity with new law
http://my.reset.jp/adachihayao/index090526A.htm
●090526B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの再生可能エネルギー法実施細則が施行される
IRR of Renewable Energy Act of 2008 to be signed Monday
http://my.reset.jp/adachihayao/index090526B.htm
●090512A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲
Foreign investors keen on renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512A.htm
●090427B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのビサヤス州で2,3年内の電力危機に水力で
Visayas governors to fast-track building of alternative power sources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090427B.htm
●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404B.htm
●090317A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのERCがビサヤスの送電線改良450百万ペソを承認
ERC approves P450-million transmission line project for Visayas
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317A.htm
●090301A Philippines, pia.gov.ph
フィリッピンの電力の10%は水力で賄うことが可能である
Hydropower can supply 10% of RP's electricity requirements, say
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301A.htm


●フィリッピンのスワルなど石炭火力運用で3グループ関心

At least three groups have expressed interest to participate in the bidding for the management of independent power producer (IPP) contracts of the National Power Corp. for the Sual and Pagbilao coal-fired power plants, the Power Sector Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM) said Thursday.

フィリッピンの,1,700MW,スワル(注7)とパグビラオ石炭火力(注8),現在は東京電力のTEAMエナージ(注10)が所有して,発電した電力は,一応すべて,NPC(注6)が引き取っている。テーク・オア・ペイ契約(注19)とすれば,契約した量はすべてNPC(注6)が引き取る義務がある。ところが,NPC(注6)はこの電力を,小売りか卸売り市場で売らなければならないので,この契約自体も,自由化の対象になる。

その結果,NPCの支配する電力は,70%を売却しなければならない,との電気事業法(注13)の精神から,ここで電力の引き取り手を競争入札で決めなければならない,というのが,IPPA契約(注14)だ,と私は理解している。2009年6月27日に入札にかける,と言っているのは,この東電のスワル(注7)とパグビラオ石炭火力(注8)で,既に外国企業も含めて,3グループが入札を待っているという。

このIPPA入札後に,更に,140MWのカセカナン水力(注15),70MWのバクン水力(注16),95MWのサンロケ水力(注17)のIPPA入札が待っており,何処まで売電単価が入札によって確保できるか,が発電所所有企業の大きな問題であろう。この石炭火力の入札は,2009年j5月27日に予定されていたものが,延期されていた。更にこの水力の後,1,200MWのイリヤンのガス火力(注18)のIPPA入札が待っている。

(注)C (1) 090622C Philippines, abs-cbnnews,(2) title: Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants,(3) http://www.abs-cbnnews.com/06/18/09/three-groups-seen-bid-sual-pagbilao-plants,(4) abs-cbnNEWS.com | 06/18/2009 5:36 PM,as of 06/18/2009 8:10 P,(5) independent power producer (IPP),(6) National Power Corp,(7) Sual coal-fired power plant,(8) Pagbilao coal-fired power plant,(9) Power Sector Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM),(10) Team Energy Philippines,(11) open access,(12) retail competition,(13) Republic Act 9136 or the Electric Power Indutry Reform Act,(14) IPPAs,(15) 140MW Casecnan hydropower plant,(16) 70MW Bakun hydropower plant,(17) 95MW San Roque hydropower plant,(18) 1,200-MW Ilijan natural gas plant,(19) take-or-pay contract,(20)

今日の参考資料

●090622C Philippines, abs-cbnnews
フィリッピンのスワルなど石炭火力売却で3グループ関心
Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622C.htm

http://www.abs-cbnnews.com/06/18/09/three-groups-seen-bid-sual-pagbilao-plants

最近の関連資料

●090525C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性
Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm
●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515C.htm
●090512B Philippines, scandasia
フィリッピンのアンガット水力売却でSNパワーが関心
Norway's SN Power eyes Philippine IPPs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512B.htm
●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402A.htm
●090328C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMはカラカ火力など売却に自信
PSALM hopeful on sale of Calaca, Limay power plants within the year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090328C.htm


その他の関連ニュース

●090622D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのアンボクラオ水力などのアボイテスがOM署名
SNAP signs O&M manuals on Ambuklao-Binga dams
http://www.mb.com.ph/articles/206831/snap-signs-om-manuals-ambuklaobinga-dams
●090622E Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのミンダナオの地熱で丸紅などのBOTが期限
With Mindanao plants’ turnoverEDC freed from its BOT obligations
http://www.mb.com.ph/articles/207490/with-mindanao-plants-turnover
●090622F Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのWESMで関連企業が中立的な運用者の選定を主張
Independent operator sought for WESM
http://www.mb.com.ph/articles/207626/independent-operator-sought-wesm
●090622G Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMが55MWナガ火力売却日程を考慮中
PSALM sets 2nd round auction for 55-MW Naga thermal facility
http://www.mb.com.ph/articles/207005/psalm-sets-2nd-round-auction-55mw-naga-thermal-facility


2009年6月21日分 ー ベトナムのガスにシェブロンが40億ドル ー

来年,2010年5月に選挙を控えるフィリッピンのアロヨ大統領が,静かに日本を訪問している(注1)。フィリッピンと日本の関係で私の視点は,日比の経済連携協定(EPA)に関連して,果たしてフィリッピン人の日本の労働者社会への溶け込みが円滑に行くのかどうか,と言うことだ。少子高齢化は,ODAの推進によるアジア全体の年齢構成で解決できないか,と私は言っているが,そのフロンティアにいるのが,フィリッピンだ。

今日はベトナム以外の話題をピックアップしようとしたが,シェブロンが,ベトナム沖の天然ガスに40億ドル投資,を発表し,日本の三井石油開発も関係していることから,この記事のインパクトが強かった。今日は,アロヨ大統領の話から,このベトナム沖を一つの地図で眺める機会が少ないので,その地図を見ながら考えてみた(注2)。ベトナム沖と言うのは,メコン河の流域面積が大きいだけに,その大陸棚は発達している。

ここにベトナムの天然ガスが,東南アジアの他国に先駆けて開発された原因を見るような気がするが,連なっているカンボジア沖,タイ沖などに比べると,その面積は極めて大きい。マレーシア東沖の大陸棚と繋がるかのように,南に延びているのが分かる。天然ガスが重要になってくるに従って,カンボジアとは,おそらくこれから大いに海域問題が,持ち上がってくるだろう。タイとカンボジアの間では既に紛争となっている。

ベトナム東方,フィリッピンとの間の海域は深いが,フィリッピンが力を入れているパラワンのマランパヤガス田は,ベトナムの大陸棚と対峙しており,その海域を繋ぐ南沙諸島が,フィリッピン,ベトナム,中国の大陸棚を結ぶ重要な拠点,と言うより,第2次の大陸棚として存在価値が大きいことがよく分かる。浅瀬を掘り尽くした数十年後には,この南沙諸島が,東南アジアのエネルギーの最大の争点になりそうだ。

インドネシアのカリマンタンの北端,ダトウ岬から北北東120kmの地点の辺りに,今話題となっているインドネシアのナツナガス田があり,その北北東290kmには,今日の話題のベトナムのガス田がある,まさに至近距離で,小島が連なっている。ナツナの西方にはインドネシア領のアナンバス列島を経て,マレーシアの大陸棚までは,アナンバスの大陸棚から僅かに70kmである。

天然ガスは地球上に何処でも存在する,ただ深いか浅いかの違いだけだ,と言う私の意見を後押ししてくれる人はあまりいないが,経済成長を遂げると必ずガスが出る,日本の例外を除いては,少なくとも東南アジアでは真実に近い。日本はガスが安く買えるから,近傍のガス田に興味がないだけのような気がする。ここまではある人達が付いてきてくれるが,私が天然ガスはマグマから無限に供給される,と言った途端,周りに人がいなくなる。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090621AT2M2002D20062009.html
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

本文

●ベトナムの沖合ガス田にシェブロンが40億ドル投入

Chevron Corp. may begin work on a US$4 billion offshore natural gas project in Vietnam by August, said the company’s top official in this nation, seven years after the plan was proposed by the now-acquired Unocal Corp. The project’s economics are based on developing about four trillion cubic feet, according to Hank Tomlinson, Hanoi-based president of Chevron’s Vietnam unit.

2009年3月4日の記事を見ると,ベトナムの天然ガスの大要が見える。ブロックBで知られているベトナム南部沿岸の西南部の沖合ガス田は,4〜7兆立方フィートTCFのガス埋蔵量を持っていて,25年以上の発電所の運転に耐えられる量である。シェブロン(注5)が事業運用に当たっており,ペトロベトナム(注10)と政府を相手に,ガス配分量,パイプラインの所有権とそのルート,他の技術的な仕様について,協議を進めている,と。

60兆立方フィートの埋蔵,と言われるミャンマー西部沖のガスが,如何に規模が大きいかが納得できる。なお,ベトナムのブロックBで生産されたガスは,ベトナム南部,カントーに近いオモンに運搬される計画である,と。今日の記事は,シェブロン(注5)が,2009年8月までに40億ドルの大金の投資を,ここのガス生産に投入するという。UNOCAL(注7)がこの提案をしてから,7年が経過している。

シェブロン(注5)のベトナム担当,トムリンソン(注8)は,4兆立方フィートの包蔵を対象としての投資,としており,ペトロベトナム(注10)との価格交渉に大きく見通しを得たことを匂わしている。来月,2009年7月にも交わされる合意書を得て,エンジニアリング作業を開始すると。また,ペトロベトナム(注10)のタン総裁(注11)も,間もなく合意できることを確認している。

現在,ベトナム最大のガス生産企業であるBP(注12)は,ベトナムのガス生産はこの10年で3倍となり,タイを追い越した,と語っている。シェブロン(注5)は,今後20年以上の生産を期待しており,電力の20%増に耐え得るとしている。世界銀行(注13)の見方は,電力の伸びは年率16%を越すことも考えられると,また,水力も石炭もあるが,ガスを利用する余地は十分にあると。

シェブロン(注5)のシンガポール(注14)によると,生産を開始してから5年でピーク生産量は,日5億立方フィートに達する,と。これから開始するエンジニアリング作業は,プラットフォームの設計,井戸資機材,電気機械機材の設置,生活空間,を含むものである。2011年までに,エンジニアリングから建設までの入札を終了する,としている。最終的には,メコンデルタ(注15)までの380kmのパイプラインの建設が必要である。

2002年に,UNOCAL(注7),三井石油開発(注16),タイのPTT探査事業(注17)のグループが,2.5兆立方フィートの天然ガス発見,を報じてから,2005年にシェブロン(注5)がUNOCAL(注7)の資本を買いとったが,三井石油開発(注16),タイのPTT探査事業(注17)は依然として,プロジェクトのパートナーである。

シェブロン(注5)もペトロベトナム(注10)も,生産開始の時期は明言していないが,ベトナム投資情報(注18)は,最初のガスが発電所に到着するのは,2014年と書いている。ペトロベトナム(注10)のタン総裁(注11)自身は,2012年を生産開始と期待しているようだ。

(注)A (1) 090621A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Chevron may begin work on $4 bln Vietnam project by August,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49976,(4) Source: Bloomberg,(5) Chevron Corp,(6) offshore natural gas project,(7) now-acquired Unocal Corp,(8) Hank Tomlinson, Hanoi-based president of Chevron’s Vietnam unit,(9) Vietnam Oil & Gas Group,(10) PetroVietnamペトロベトナム,(11) Chairman Dinh La Thang,(12) BP Plc,(13) Martin Rama, Hanoi-based country economist for the World Bank,(14) Gareth Johnstone, a Chevron spokesman in Singapore,(15) Mekong Delta,(16) Mitsui Oil Exploration Co,(17) PTT Exploration & Production Plc,(18) Vietnam Investment Review,(19)

今日の参考資料

●090621A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの沖合ガス田にシェブロンが40億ドル投入
Chevron may begin work on $4 bln Vietnam project by August
http://my.reset.jp/adachihayao/index090621A.htm

http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49976

最近の関連資料

●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220A.htm
●090304A Vietnam, glgroup,
ベトナムのオモンなどのガス火力開発
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304.htm


2009年6月19日分 ー ベトナムで年末までに1,100MWが系統へ ー

1991年のベトナム制裁解除の前に,ハノイから空路,中央高原の南の都市,バンメトウトに入った。南ベトナムからスイスに帰化したメコン委員会のエンジニアーの友人と二人で,町の中央に達したときに,傷跡も生々しい戦車が飾ってあった。北ベトナム軍が一挙に南下を始め,この戦車が最初に米軍と南ベトナム軍が守る中央高原の要衝,バンメトウトに入ったという。それからサイゴンまでの進撃はあっと言うまであったという。

今日の記事で環境グループから非難されているダム建設の行われている,チュヤンシン国立公園(注B6)は,地図(注1)を眺めてみると,バンメトウトの南東30kmの位置にある。30km四方の区域であるが,ここは分水嶺をなしていて,西側は,先日も問題となったスレポック,セサンの川(注2)を経てメコン本流に流れ込む。一方の東側は,有名な観光地,ニャッチャンで南シナ海に流れ込む。いずれも懐かしい地名である。

現在のベトナムの供給力は,運転可能ベースで,14,500MWであるが,特に乾期は需給が間に合っていなく,常に停電しているが,2008年の電力損失は9.8%で,1200MWのホアビン発電所分に匹敵する。国家電力公社EVNは努力している,と言っており,今日の記事で,2009年末までには,1100MWを新規投入するという。

6つの発電所は,南部カントー市(注8)の,300MWのオモン第1火力(注7),クワンニン県(注10)の300MWのクワンニン第1石炭火力(注9),ハイホン市(注12)のハイホン第1石炭火力(注11)の3火力。更に,ハイドウオン県(注14)の110MWのプレイクロン水力(注13),中部や南よりのフエン県(注16)の220MWのバハ川水力(注15),ダックラック県(注18)のクープ村水力(注17)である。

ベトナムの電力は,電気料金の問題,それに影響されてのIPPの電力買い取り問題と投資意欲の減退,水力の乾期の出力減の大きさ,更にはこれらの最大の対策としての電力改革の停滞,などの問題があるが,石炭やガスも必ずしも豊富ではなく,原子力発電所を,2020年には投入したいと頑張っている。世界的な原子力見直しで,今日の朝日新聞は,日本の原子力の稼働率向上を検討要請している。80%は90%の間違いだろう。

日本の原発メーカーも,世界のこの原発の盛り上がりに対応するために,政府主導で,「国際原子力協力協議会」を設立した(注3)。JICAなどのODA機関を巻き込んでおり,官民一体で各国との協調を進める「ワンストップの窓口」,と称している。また日立は,電力事業の売上高を2011年度に1兆円に拡大(注4),として,原子力もさることながら,海外市場での石炭火力の高効率化も,売り込みの大きなポイントとしている。

(注1) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index090609.htm
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906190102a.nwc
(注4) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906190096a.nwc

本文

●ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ

Electricity of Vietnam (EVN) said Monday it plans to connect six new power plants with total capacity of more than 1,100 megawatts to the national power grid this year. Nguyen Manh Hung, deputy general director of EVN, said the additional power supply aims to meet increasing domestic demand

電力不足に悩むベトナム,国家電力公社EVN(注5)は,年末まで,2009年内に,6つの発電所が新たに完成して系統に繋ぎ込む,と語っている。6つの発電所の合計出力は,1,100MWである。6つの発電所は,南部カントー市(注8)の,300MWのオモン第1火力(注7),クワンニン県(注10)の300MWのクワンニン第1石炭火力(注9),ハイホン市(注12)のハイホン第1石炭火力(注11)の3火力。

更に,ハイドウオン県(注14)の110MWのプレイクロン水力(注13),中部や南よりのフエン県(注16)の220MWのバハ川水力(注15),ダックラック県(注18)のクープ村水力(注17)である。いずれも2009年10月までに,商業運転開始の予定である。EVN(注6)によると,今年,2009年の発電量は,前年比13%の伸びで,866億KWに達する見込みである。

2009年1月〜5月のEVN(注6)の発電量は,209.8億KWhで,年率換算では0.8%の伸びである。昨年,2008年の実績は,742億KWhで,この中には,531億KWhがEVNの発電機から,210億KWhが,民間から購入または輸入分である。

(注)A (1) 090619A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Six new plants set for national power grid link,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49844,(4) Reported by Vinh Bao,(5) Electricity of Vietnam (EVN),(6) Nguyen Manh Hung, deputy general director of EVN,(7) 300MW O Mon No. 1 thermal power,(8) Can Tho City,(9) 300MW Quang Ninh No. 1 thermal power,(10) Quang Ninh Province,(11) Hai Phong No. 1 thermal power,(12) Hai Phong City,(13) 110MW Plei Krong hydropower,(14) Hai Duong Province,(15) 220MW Ba Ha River hydropower,(16) Phu Yen Province,(17) Kuop Village hydropower,(18) Dak Lak Province,(19) list of hydropower: http://lilama.com.vn/UserFiles/list%20of%20hydro%20power%20plants.pdf,(19) map: http://images.google.com/imgres?imgurl=http://www.lilama454.com.vn/Uploaded/thanhnhan/ctdathicong2.jpg&imgrefurl=http://www.lilama454.com.vn/Story/en//ProjectListandImages/Projectlistandimagesofprojects/2007/8/7823.html&usg=__CLuHvqIReZyB7e9x1PPnFZG8VQA=&h=576&w=405&sz=38&hl=en&start=38&um=1&tbnid=oy-1cO9KOf3B6M:&tbnh=134&tbnw=94&prev=/images%3Fq%3D%2522Ba%2BHa%2Briver%2522%2BVietnam%26ndsp%3D20%26hl%3Den%26rls%3DGGLD,GGLD:2006-27,GGLD:en%26sa%3DN%26start%3D20%26um%3D1.

今日の参考資料

●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm

http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49844

最近の関連資料

●090511A Vietnam, army.qdnd
ベトナム北中部のタンホア県で14の発電所建設が進行中
14 power projects being commenced in Thanh Hoa
http://my.reset.jp/adachihayao/index090511A.htm
●090511B Vietnam,army.qdnd
ベトナム政府は多数の水力プロジェクト推進を支援
Government backs hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090511B.htm
●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220A.htm
●081119A Vietnam, vnbusinessnews
EVN,主要な水力プロジェクトは,2008年内に終了
Major power projects almost done
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119A.htm

●ベトナムの環境グループが開発による森林破壊を警告

The Indochina program manager of Bird Life International has warned inappropriate infrastructure development is the biggest threat to special-use forests and biodiversity in Vietnam. The board reads forest destruction is forbidden but many trees are chopped down to make room for a hydropower project in the Chu Yang Sin National Park.

ベトナムの環境グループの活動は,少なくともニュースでは余り報じられない。大統領や政府の幹部が,ダムによる水没地域を視察して,もっと予算を,と指示するか,国会議員が現地を視察したとか,地元住民対象の動きで,複雑な自然環境保護に関する調査は,なかなか報じられない。それに,ベトナム政府自体が,海外の環境グループの活動をどの様に考え,対応しているのか,その点も関心あるところである。

今日の記事の環境グループは,BLインターナショナル(注5),WWF大メコン(注10),WWFベトナム(注12)である。また具体的な対象地域は,中部,中央高原(注8)のダックラック県(注9)に設定されているチュヤンシン国立公園(注6)で,この地域は,バンメトート(注13)のやや南東に位置する。この中に水力ダムが建設中,と書いてあるが,クープ村水力(注A17)がそれなのか,よく分からない。

今日のNGOの言い分は,水力ダムが建設されることによって,道路が建設され,それが住民の交通路となって森林での経済活動が活発になって,森林環境が破壊される,とするものである。国立公園内であるから,政府も関心を持っているのだろうが,NGOは,政府の管理する人々への環境教育がもっと必要だ,と言っている。

(注)B (1) 090619B Vietnam,english.vietnamnet,(2) title: Improper infrastructure poses biggest threat to forests, biodiversity,(3) http://english.vietnamnet.vn/tech/2009/06/852885/,(4) 23:45' 13/06/2009 (GMT+7),VietNamNet Bridge,VietNamNet/SGT,(5) Bird Life International,(6) Chu Yang Sin National Park,(7) Jonathan Charles Eames,(8) Central Highlands,(9) Daklak. province,(10) Huynh Tien Dung of WWF Greater Mekong,(11) Central Truong Son Mountain Range,(12) Le Khac Coi, forest program unit manager of WWF Vietnam,(13) Buon Me Thuot,(14)

今日の参考資料

●090619B Vietnam,english.vietnamnet
ベトナムの環境グループが開発による森林破壊を警告
Improper infrastructure poses biggest threat to forests, biodiversity

http://my.reset.jp/adachihayao/index090619B.htm
http://english.vietnamnet.vn/tech/2009/06/852885/

最近の関連資料

●090606A Vietnam, hydroworld
ベトナムは260MWのチュンソン水力で環境モニター
Vietnam seeks environmental monitoring for 260-MW Trung Son
http://my.reset.jp/adachihayao/index090606A.htm
●090511B Vietnam,army.qdnd
ベトナム政府は多数の水力プロジェクト推進を支援
Government backs hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090511B.htm
●090217A Vietnam,vietnamnews
ベトナム政府はソンラダムの移住に対して1兆ドンを準備
Ministry allocates VND1 trillion for those relocated by Son La dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217A.htm


2009年6月18日分 ー パキスタンの水問題など中国が支援へ ー

パキスタンの治安情勢はどうなっているのであろうか,イランの政治情勢に煽られて霞んでいるが,6時間前に発信された,パキスタン東部,イスラマバードから南へ250km下がったファイサラバードからの報道では(注),ザルダリ大統領の,「どんな犠牲を払ってでも武装勢力に勝つまで戦争を続ける」,との,2009年6月13日のテレビ演説で,失望が広がっているという。

この記事からは,北西辺境州の戦闘の状態は掴めないが,最前線から200km以上も隔てた産業都市で,経済的な大きな損失が生じて,ザルダリ大統領への失望が広がっているという。特に,ファイサラバードは繊維産業の都市であり,治安の問題以上に,電力不足が響いており,1日12時間停電で,産業が壊滅的な状態に追い込まれている。

パキスタン政府は,2009/20010年度の予算を発表して,エネルギー分野に重点を置き,1,547億ルピー,約19.1億ドル相当,で,このうち外国援助を,193億ルピー,約2.38億ドル相当,を振り向けている。電源設備は,2008/2009年度の,20,843MWから,2009/2010年度には,24,701MWとなって,3,858MW増加の計画である。

パキスタンの電力水資源省の関係者が北京にあり,中国の水利部と協議を行っているが,12の中小水力のダムについて,中国の支援を要請している。水資源問題全般の緊急的な援助を要請しているわけだが,農業技術の問題の他に,気候変動問題と関係してくる氷河湖決壊問題への協力が話し合われ,常設の合同委員会の設置も議題に上げられている。

氷河湖決壊問題は,ブータンやネパールで勉強したが,パキスタン,インダス河への氷河湖決壊の影響は余り話題になっていない。改めて,パキスタンと中国の国境の地図を眺めてみる(注2)。インダス河は,標高8,611mのK2峰を中心としたカラコルム山脈に囲まれており,殆どの氷河の影響はカシミールも含めたパキスタン側へ影響してくるが,北に目を転ずると,昏論山脈に挟まれた中国側への影響も見逃せない。

この,カラコルム山脈を中心とした氷河湖決壊の影響は,水こそ国家の礎,とするパキスタンにとっても,また,チベットの開発やタクラマン砂漠の環境問題,更にはインドと国境紛争下にあるアクサイチンの統治問題からしても,中国にとっても見逃せない地域の水資源問題だ。軍事拠点の問題も絡んでくると,表の国境ばかりでなく,この裏の国境問題も,水資源問題やエネルギー問題として,関心を持つ必要がある。

(注1) http://mainichi.jp/select/world/news/20090618ddm007030063000c.html
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

本文

●パキスタンの中小ダムの建設計画で中国政府が支援表明

Salman Faruqui, who is currently visiting China, underlined that President Asif Ali Zardari attached highest importance to cooperation between Pakistan and China in the areas of small and medium sized dams, water conservancy, hybrid seed development, climate change and ways to deal with melting glaciers in the mountains joining China with Pakistan and other countries of South Asia.

パキスタンは,大ダムから一転して中小ダムの支援を中国に求めた。そのプロジェクトの内容は明らかではないが,発電よりも寧ろ農業灌漑に重点を置いた交渉が行われたのであろう。パキスタン側は,ファルキ大統領府長官(注7),中国側は,フシイ水利部副部長(注6)である。ファルキ大統領府長官(注7)は,特にザルダリ大統領(注5)が主唱する12の中小規模水力ダムの建設支援を要請した。

12の中小水力ダムの他,これに関連して,農業水利組合問題(注8),交雑実生開発(注9),気候変動(注10),中国との国境を接する氷河湖決壊問題(注11)などについて,広く南アジアの現状を踏まえての支援を要請している。特に,ザルダリ大統領(注5)と湖錦濤主席(注12)が,パキスタンと中国が,水資源と農業分野で協力の約束をしていることが基礎になっている,とされている。

なお,この北京での会談には,WAPDAのドウラニ総裁(注14)が参加して,12の中小水力ダムを中心としたパキスタンの水資源問題について,説明をしており,短期間に完成するために,100億〜120億ドルが必要としている。中国側は,支援の方法として,公共事業体や民間企業の投資,及びそれを支援する中国の銀行との協議を約束した。パキスタンは,常設の合同委員会(注16)の創設を提案,中国側は検討するとした。

(注)A (1) 090618A Pakistan, app.com.pk,(2) title: Chinese govt to support President Zardari’s plan to build 12 small and medium sized hydropower dams,(3) http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=79254&Itemid=2,(4) BEIJING, JUNE 17 (APP),(5) President Asif Ali Zardariザルダリ大統領,(6) Hu Siyi, Vice Minister for Water Resources中国水利部,(7) Salman Faruqui, Secretary General to the President,(8) water conservancy水利組合,(9) hybrid seed development交雑実生開発,(10) climate change,(11) melting glaciers氷河湖決壊,(12) President Hu Jintao湖錦濤主席,(13) Kamal Majidulla, Advisor to the Prime Minister on Water Resources,(14) Shakil Durrani, Chairman WAPDAWAPDA,(15) Chinese Ministry of Water Resources,(16) joint Pakistan-China Task Force on water resources,(17)

今日の参考資料

●090618A Pakistan,
パキスタンの中小ダムの建設計画で中国政府が支援表明
Chinese govt to support President Zardari’s plan to build 12 small and medium sized hydropower dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618A.htm

http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=79254&Itemid=2

最近の関連資料

●090302A Pakistan, steelguru.com
パキスタンは54のダムプロジェクトに各国の支援を期待
Pakistan seeks help for 54 mega projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090302A.htm
●081119C Pakistan, regionaltimes
経済省,パキスタンの水力投資は,外資に絶好の機会
‘Hydropower projects offer sound investment opportunities’
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119C.htm


●パキスタン政府は予算設定でエネルギーに1547億ドル

To overcome power shortage, the government has allocated Rs 154.7 billion, including foreign aid amounting to Rs 19.3 billion, for the energy sector in the budget for the 2009-10 fiscal year, the budget document revealed. The government has allocated Rs 139.306 billion, including Rs 14.885 billion of foreign aid, for the Water and Power Development Authority.

パキスタンの,2009/2010年度国家予算(注8)が発表され,エネルギー分野に重点が置かれていることが明らかになった。エネルギー分野の総額は,1,547億ルピー,約19.1億ドル相当,で,このうち外国援助を,193億ルピー,約2.38億ドル相当,としている。WAPDA(注5)に対しては,1,393億ルピー,約17.2億ドル相当,このうち,149億ルピー,約1.84億ドル相当の外国支援を見込んでいる。

また原子力関係では,パキスタン原子力委員会PAEC(注6)へ,149.43億ルピー,約1.84億ドル相当,うち44.3億ルピー,約0.55億ドル相当,が外国支援から,またパキスタン原子力庁PNRA(注7)には,4.474億ルピー,約0.055億ドル相当,が振り向けられた。電源設備は,2008/2009年度の,20,843MWから,2009/2010年度には,24,701MWとなって,3,858MW増加の計画である。

この3,858MW増加の内訳は,レンタルが,1,381MW,IPP(注9)が,1,949MW,水力が,478MW,風力が,50MWとなっている。発電量は前年比12.6%増の,1,071.16億KWhである。原油生産量は,前年の,日67,000バレル(注10)に対して,日70,000バレル,天然ガスは,前年,日3,960百万立法フィート(注11)に対して,4,100mmcfd(注11),石炭生産目標は,450万トンである。

(注)B (1) 090618B Pakistan, dailytimes,(2) title: Govt allocates Rs 154.7bn for energy sector,(3) http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C06%5C14%5Cstory_14-6-2009_pg7_31,(4) ISLAMABAD,(5) Water and Power Development Authority,(6) Pakistan Atomic Energy Commission,(7) Pakistan Nuclear Regulatory Authority,(8) 2009-10 Annual Plan,(9) independent power producers,(10) barrels per day (BPD),(11) millions of cubic feet per day (mmcfd),(12)

今日の参考資料

●090618B Pakistan, dailytimes
パキスタン政府は予算設定でエネルギーに1547億ドル
Govt allocates Rs 154.7bn for energy sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618B.htm

http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C06%5C14%5Cstory_14-6-2009_pg7_31

最近の関連資料

●090501A Pakistan, thenews
パキスタンの電力セクターへ日本政府が支援へ
Japan to provide help for Pakistan’s power sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index090501A.htm
●090429B Pakistan, dawn
パキスタンの中央開発会議でエネルギー開発が最重要課題
Energy projects top agenda of CDWP meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090429B.htm
●090411B Pakistan, regionaltimes
パキスタンの電力需要はこの先5年で36,000MWへ
Power demand to rise upto 36,000MW in next five years: Pervez Ashraf
http://my.reset.jp/adachihayao/index090411B.htm
●090323B Pakistan, thenews
パキスタンの電力不足量は2,500MWの不足
Country to face power shortage of 2,500 MW till 31st
http://my.reset.jp/adachihayao/index090323B.htm
●090109A Pakistan, dailytimes
パキスタン政府,16プロジェクトで,25,270MW
Govt plans 16 projects for generating 25,270MW power
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109A.htm



●パキスタンのタルベラダムの増設計画が進行中

The feasibility study of the Tarbela fourth extension hydro-project has been completed and it will add an additional electricity of 960 MW in the national system to strengthen the economy and enhance hydro generation project. The total power potential of the project was 2,100 MW originally which was enhanced to 3,478 MW and now will be further enhancement to 4438 MW with the completion of Tarbela fourth Extension Project.

私が丁度インドネシアのチラタプロジェクトをやっていた頃,このタルベラダムの話がよく出た。良いに付け悪いに付け,我々ダム技術者にとっては,一度は是非見たい世界有数のダムプロジェクトであった。アジア経済研究所の小林英治氏が1979年に書かれた「インダス河の開発」という極めて丁寧な参考書(アジア経済出版会)がある。そのすさまじいダム建設との戦いが記されている。

現在のタルベラダム(注11)は,貯水池長さ 80km,総貯水池容量が137億トン,有効貯水量が115億トン,ダム堤頂長が2,740m,アースフィルダム,ダム高さが143m,総発電容量 17.5万KWユニット12台,計2,100MWであるが,10ユニットが完成したのが1967年と書かれているので,その後2台が増設,現在の12台,2,100MWになったのだろう。

今回の増設計画は,単機容量を大きくして,480MW機2台,合計960MWとされている。従って,現有設備の50%増しで,おそらくピーク時間を短くして,雨期の余剰水量も飲み込もう,と言う計画なのであろう。これが,2010年の目標に間に合うのか,まだ見積図書なども出来ていない状況のようだ。ただ,電力不足を解決するために,KWを増やすのは即効性があるが,果たして貯水池の運用が円滑に行くのか,問題はあろう。

(注)C (1) 090618C Pakistan, dawn,(2) title: Work on Tarbela's fourth extension underway,(3) http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/news/business/19-work-on-tarbelas-fourth-extension-underway-06,(4) Tuesday, 09 Jun, 2009 | 07:13 PM PST | ,ISLAMABAD,(5) feasibility study,(6) Tarbela fourth extension hydro-project,(7) Water and Power Development Authority (WAPDA),(8) Detailed Engineering Design,(9) Tender Documents,(10) Rated Capacity,(11) Tarbela Damタルベラダム,(12) Attock.,(13) Indus Basin Planインダス河,(14) M/S TJV,(15) M/S TAMS,(16) earth and rock-filled embankment,(17)

今日の参考資料

●090618C Pakistan, dawn
パキスタンのタルベラダムの増設計画が進行中
Work on Tarbela's fourth extension underway
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618C.htm

http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/news/business/19-work-on-tarbelas-fourth-extension-underway-06

最近の関連資料

●パキスタンのタルベラダム,インダス川の水争い,長い長い歴史
http://my.reset.jp/~adachihayao/power.htm#power06
●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month
http://my.reset.jp/adachihayao/index090518C.htm
●090510A Pakistan, thenews
パキスタはのタルベラダムの増設に間もなく着手
Work on Tarbela extension project to start soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510A.htm



2009年6月17日分 ー メコンデルタの問題でベトナムから ー

ラオスの中部,メコン河の左岸に入るナムトウン川,この上流,流域面積にして4,000平方kmのところにナカイ高原があり,ここを貯水池としてメコン川本流まで分流,落差約400mを利用,1,070MWの出力を得るナムトウン第2水力で,2009年末の運転開始予定に遅れの報道。東南アジア随一の立地条件を持つこのプロジェクトには,多くの人の思いがこもっている。

改めてこの付近の地図を,少し目を広げて眺めてみると,東側のベトナムの斜面は急で,川も流域面積が狭く日本の河川のような急流であるが,その裏側,西のナムトウン川の流域は,なだらかで豊富な水に恵まれている。南のタイの平野部を駆け抜けてくるモンスーンは,そのままこのラオスとベトナムの国境の山と衝突して,ラオス側に豪雨をもたらす。最初,年間5,000mmと聞いたときは,耳を疑った。

そのなだらかな標高700mの高原に,メコン河本流が切れ込んだために,そこに400mレベルの段差が生じ,格好の水力発電のポテンシャルを生んだわけだ。神が人類の水力開発のために与えたまいし地形,と言って,私は憚らない。その神の地形を,いよいよこの年末,2009年末にも電力エネルギーが発してバンコクに送られる,係わった人々の灌漑も一塩だが,6,000人の移住した人々の面倒は,十分に見てあげて欲しい。

今日のベトナム発のメコンのダム批判の記事は,いつもと同じ調子だが,発信箇所がベトナムデルタの大都市,カントーで,ベトナムデルタの塩害を問題にしているところが,今までの抽象論と少し違う。実際に,メコンデルタの河川の一部の水位を測定した資料で論じているようだ。私は,メコン上流,中国領内のランサン川のダム建設への懸念が,少し科学的でないところが気になっている。

メコンデルタは,ベトナムの米の生産量の40%を誇っており,これが海水の侵入で被害を受けることは,ベトナム全体の経済を左右する問題だ,と言うことを,私たちも理解していた。メコンデルタには,雨期の洪水と乾期の塩害の,裏表二つの問題があり,メコンデルタの洪水を上流で制御することは不可能に近いとしても,乾期の塩害については,上流にダムを造って渇水を補給することにより解決できる,としてきた。

メコンデルタを渇水被害から救うためには,毎秒2,000トンオーダーの新たな流量が必要,と考えれれているが,上流ランサン川の小湾ダムを有効に運用すれば,年間700トンの渇水量を生み出すことが出来る。下流の被害を叫ぶ環境団体やメコン河委員会,下流国政府は,もっと真剣に中国政府と話し合うべきだ。ダムの効用は適切なダム運用と密接に関係しており,上下流が連携しなければ,何も生み出せない。

本文

●ラオスのナムトウン2水力の工事に遅れがでている

Laos's largest infrastructure project, the Nam Theun 2 hydropower development, is behind schedule but the power company said Monday it remains hopeful that the lost time can be made up. Logistical problems in a heavy wet season caused "significant delays" late last year to completion of electro-mechanical works inside the power station, said Aiden Glendinning, spokesman for the Nam Theun 2 Power Company.


先日,書いたばかり,ラオスの中部,メコン河(注9)の左岸に入るナムトウン川(注11),この上流,流域面積にして4,000平方kmのところにナカイ盆地(注8)があり,ここを貯水池としてメコン川本流まで分流,落差約400mを利用,1,070MWの出力を得るナムトウン第2水力(注5)が,2009年末の運転開始に漕ぎ付けるという記事があった。東南アジア随一の立地条件を持つこのプロジェクトには,多くの人の思いがこもっている。

工事の最後の段階にさしかかって,雨期に入ったメコン流域は,地域に張り巡らせた講じよう道路も,さすがに混乱しているようだ。昨年,2008年末の水力電気機器(注6)の搬入に遅れが生じたようだ。まだ,2009年12月の運転開始は諦めていないようだが,来月の役員会で見通しを確定するという。このプロジェクトは,結局,出資者であるEDF(注12)がコントラクターで,水力電気機器(注6)もフランスから持ってきたようだ。

最盛期は,8,000人の労務者が,200kmの間の14カ所の現場で働き,複雑を極めた。貯水池の面積は,450平方km,琵琶湖の3分の二の広さで,6,301人が移住した。総事業費は,14.5億ドル。95%の電力をタイへ売電する。着工は,2005年11月,完成予定は,2009年12月だった。ラオス政府の収入は25年間で20億ドル,貧困削減に向けられるという。移住先や関連河川の漁業への影響を懸念するNGOもいる。

(注)A (1) 090617A Laos, news.asiaone,(2) title: Laos's largest dam behind schedule company,(3) http://news.asiaone.com/News/Latest%2BNews/Asia/Story/A1Story20090601-145400.html,(4) Mon, Jun 01, 2009,AFP,HANOI, June 1, 2009 (AFP),(5) 1,070MW Nam Theun 2 hydropower,(6) electro-mechanical works,(7) Aiden Glendinning, spokesman for the Nam Theun 2 Power Company,(8) Nakai plateau,(9) Mekong,(10) World Bank,(11) Nam Theun river,(12) EDF

今日の参考資料

●090617A Laos, news.asiaone
ラオスのナムトウン2水力の工事に遅れがでている
Laos's largest dam behind schedule company
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617A.htm

http://news.asiaone.com/News/Latest%2BNews/Asia/Story/A1Story20090601-145400.html

最近の関連資料

●090529B Laos, guardianweekly
ラオスはいよいよその持てる資源の便益を得る段階に
Laos taps it key resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529B.htm
●081128A Laos, brettonwoodsproject
世界銀行のダム報告書,批判への説得に失敗している
new World Bank book fails to convince critics of large dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index081128A.htm


●メコン河上流のダム建設が下流域に脅威となっている

Vietnamese environmental experts have sharply criticized plans by Laos, China, and Thailand to build a cascade of dams along the upper reaches of the Mekong River, which flows through six countries, including Vietnam. "If there are such dams on the river, it will change the flow of the river and its quality," said Ky Quang Vinh, head of the Center for Natural Resources and Environment in the southern Vietnamese city of Can Tho.

メコン河(注6)のダム開発に対する批判が続く,これは,ラジオ・アジア・フリー(注22)発の記事で,これまでの批判と同じように,中国領内,雲南省(注11)の階段状開発の8つのダムの影響と,更に下流域で計画されている低ダム計画について,メコン河水系の環境システムが破壊される,といつもの議論が行われているが,この記事の特徴は,ベトナム発信で,メコンデルタの水位観測結果を基に論じている点だ。

カントー大学の研究者(注9,14)が,最近のカントー市付近を流れるメコン河の分流,所謂,メコンデルタを構成する河川の水位をを実際に記録して,最近は水位が下がり,海からの塩害が増えている,と報告していることだ。記録は示されていないが,上流のダムの影響だ,と論じ,河川とは人間の体にとっての血管と同じで,ダムを造ると言うことは,血管の中に血栓を造るようなもの,と例えになり難い議論をしている。

メコンデルタは,ベトナムの米の生産量の40%を誇っており,これが海水の侵入で被害を受けることは,ベトナム全体の経済を左右する問題だ,と言うことを,私たちも理解していた。メコンデルタには,雨期の洪水と乾期の塩害の,裏表二つの問題があり,メコンデルタの洪水を上流で制御することは不可能に近いとしても,乾期の塩害については,上流にダムを造って渇水を補給することにより解決できる,としてきた。

私たちの感覚では,乾期の塩害を防ぐためには,新たに乾期の流量を毎秒2,000トン程度上積みする必要がある,として,これを生み出すためには,下流域では困難で,上流の中国領内のダムにその役割を持たせる必要がある,というのが,専門家の見方である。渇水量で,東北タイが500トンを欲しており,デルタが2,000トン,合計2,500トンを上流のダムが生み出すことが出来るかどうか,一つの問題であった。

ランサン川(注12)のダムの中で,小湾ダムが現在工事中であるが,このダムは下流の渇水量を毎秒700トン増量できる,と言う計算結果がある。しかしこれはダムの運用如何であり,カントーの専門家が塩害を心配するならば,まず中国とのダムの運用の話し合いを始めるのが筋で,ダムは血管の血栓と同じ,と叫んでいただけでは,問題は解決しない。

(注)B (1) 090617B Mekong, rfa,(2) title: Upstream Dams 'Threaten Mekong',(3) http://www.rfa.org/english/news/vietnam/mekong-06162009095500.html,(4) AFP,HANOI,(5) photo: People wait on the Chinese side of the Mekong River as a boat crosses from Burma, July 6, 2005,(6) Mekong River,(7) Ky Quang Vinh, head of the Center for Natural Resources and Environment in the southern Vietnamese city of Can Tho,(8) Hau river,(9) Nguyen Huu Chiem, Can Tho University,(10) Tien river,(11) Yunnan province,(12) Lancang Jiang瀾滄江 ,(13) China's Foreign Ministry spokesman Ma Zhaoxu,(14) Nguyen Huu Chiem, head of the environment and natural resources management faculty at Can Tho University,(15) Mekong River Commission (MRC),(16) MRC chief executive Jeremy Bird,(17) Mekong Agreement was signed in 1995,(18) Tonle Sap,(19) Nam Khan,(20) Sekong river,(21) Sesan river,(22) Srepok river,(23) Copyright c 1998-2009 Radio Free Asia. All rights reserved,(24)

今日の参考資料

●090617B Mekong, rfa
メコン河上流のダム建設が下流域に脅威となっている
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617B.htm

http://www.rfa.org/english/news/vietnam/mekong-06162009095500.html

最近の関連資料

●090601A Mekong, saigon-gpdaily
メコン河委員会が上流も含めた本流ダム開発を検討へ
Mekong body starts evaluating mainstream dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090601A.htm
●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529A.htm
●090428B Mekong,mizzima
メコン河本流のダム開発について環境グループの懸念
Environmentalists worried over impact of Mekong damning
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428B.htm
●081215A Mekong, bernama
メコン河委員会,気候変動との戦いに参戦へ
MRC To Cooperate With Start On Combating Climate Change
http://my.reset.jp/adachihayao/index081215A.htm
●081128A Laos, brettonwoodsproject
世界銀行のダム報告書,批判への説得に失敗している
new World Bank book fails to convince critics of large dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index081128A.htm
●081119E Laos, phnompenhpost
環境フォーラム,ラオスの南のダムは,下流に濁水被害
Lao dams muddying the waters
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119E.htm


2009年6月16日分 ー インドの北辺水力開発で環境保護の声 ー

最近,中国の蜀の時代の本を読んでいて,どうも納得がいかないので改めて地図を見直してみると,四川省の成都や重慶は,上海から長江を遡ること,大体,真西の方向になる,今更,と言われそうだが,どうも北京などを中心に考えると,頭の中で勘違いする。その四川省の成都の西の山に地震で被害を受けた古代の灌漑設備,都江堰があり,そこから三川並行を越えて700kmの距離に,インドのアルナチャルがある。

このインドのアルナチャルプラデシュは,中国との国境未確定,と書かれていて,その問題のある国境の近くに,インドは大規模な水力開発を考えている。中国領内を更に西に行くと,ブラマプトラ河の上流で大屈曲点と言われる地点があるが,ここまで西から東に流れてきたチベットの主要河川,雅魯藏布江が,ブラマプトラ河と名前を変えて南北に,アルナチャルプラデシュ州を貫く。何とも劇的な地形を示す,中国とインドの国境である。

ヒマラヤ山脈といった高山地帯に囲まれて古来より国境は不確定であったが,1962年に大規模な衝突が起こって,戦闘でも,また外交的にもインドの大敗北となって,その結果,地図の書かれている未確定国境が生まれている,これを切っ掛けに,インドは原子爆弾を持つことを決意したという。2005年に,シン首相と温家宝首相が会談しており,人口密集地は争いの範囲外とする合意,で現状を保っている(ウイズペキア)。

中国とインドの戦争の舞台は,もう少し西のインダス上流であるが,このチベットや雲南に接するアルナチャルプラデシュも当然紛争地域であり,この突端にインドが,3,000MWと言う大規模な水力発電所を計画して,既に昨年,シン首相が主催して起工式を行った。このディバン渓谷は,ブラマプトラ河本流ではないので,中国との間には大きな問題は起こらないが,このたびは環境問題で苦慮していることが明らかになった。

私は,このインドの東のアルナチャルプラデシュ州や西のヒマチャルプラデシュ州は,インドの原子力開発と共に,大規模な水力を投入して,地球を救う人類の最後の戦いだと思っているが,本当にインドがこの北辺水力を進める力があるのかどうか,疑問に思うことがしばしばある。世界の中の大民主主義国家であるインドが,高さ300m近いダムを造って,数万人を移住させるプロジェクトを,やり遂げることが出来るのだろうか。

今日の,3,000MWのディバン水力プロジェクト,既に定礎式が終わっているのに,環境報告書がCEAの手元に届いていないと言う。なぜかと言えば,法律に定めれれている地元公聴会が,反対のために開かれないのだという。この3月までに6回も計画されながら,すべて流れてきたという。あのナルマダダム反対の熱気は何処に行ったのか,と思っていたが,やはりインドの環境問題は大変である。

人類の将来を思うならば,一度,この地域を中国に渡して,水力プロジェクトを開発してからインドに返還して貰う,それは駄目かな。インドの原子力は,米印原子力協定で,核燃料確保が図れそうな状況だ。日本のウラン確保について,東電出資の加ウラン会社がカザフで鉱山買収,と言うニュースが流れている(注)。カザフ中央部にあるカラト鉱山権益である。

(注) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090616AT2M1600U16062009.html

本文

●インドのAP州の3,000MWディバン水力で公聴会遅れる

The foundation stone for the project was laid in January 2008. But the public hearing, required by law before an environmental impact assessment report is prepared, couldn’t be held due to local protests A public hearing for the 3,000MW Dibang hydropower project in Arunachal Pradesh? postponed several times in the face of local opposition and last scheduled to be held in March?is still pending.

インド北東部の山岳地帯,インド北辺水力,人類最後の戦いの最前線,未確定国境で中国との摩擦を抱えたその北辺,行ったことはないが,何となく夢があり,一度は具に見てみたい,その様なイメージで眺めているアルンチャルプラデシュ州(注6)である。2008年早々には,JBIC,Jパワーなどの調査団が入ったと聞いている。いつか話を聞いてみたいものだ。

しかし,この北辺の水力開発で政府の勇ましいコメントを聞き,包蔵水力が,50,329MWもある,と聞く度に,インドの環境問題はどうなっているのか,あのナルマダの熱気も失せて,如何にも政府の方針通り円滑に進む錯覚に捉えられるが,そうも行かないのではないか,とも考えてきた。今日の記事は,この3,000MWのディバン水力(注5)の地元公聴会が,延期に延期を重ねている状況に,人類の最後の戦いの難しさを見る。

3,000MWのディバン水力(注5)は,アルンチャルプラデシュ州(注6)の東北部,中国との未確定国境に非常に近いところにある。NHPC(注7)のHPによると,位置は,ラワーディバン渓谷地区(注12)のローイング(注13)の近傍のムンリ村(注14)にあり,鉄道の終点,アッサムのチンスキア(注15)から153km,最も近い空港のディブラガール(注16)からは198kmの位置にある。

3,000MWのディバン水力(注5)の出力は,250MW機12台で合計,3,000MW,90%信頼度で年間発生電力量は,113.3億KWh,生産原価は2007年レベルでKWh当たり3.10ルピー,約6.51セント相当,工事には9年を要する。ダムは高さ288mのコンクリート重力式(注17),発電所は地下で空洞長さは,185m,事業費は,2007年レベルで,1,589億ルピー,約33.4億ドル相当,である。

着工に当たる定礎式(注18)は,シン首相(注8)の手によって2008年1月に行われたが,規定によって環境影響報告書(注19)の前に行われるべき公聴会(注19)は,地元の反対でまだ実施されていない。6度も試みられて最後は2009年の3月であったが,反対のため実施できず。NHPCのガルグ総裁(注7)は,州政府に急ぐよう要請しているが,州政府からは返事がない。

3,000MWのディバン水力(注5)のもう一つの問題は,中国との国境紛争線に近い,と言うことで,環境問題をクリアした後で,CEA(注9)の審査があり,公共事業の認可機関であるPIB(注10)の承認が必要である。資金調達の問題も残っている。記事では,1,700億ルピー,約35.7億ドル相当としている。

(注)A (1) 090616A India, livemint,(2) title; Dibang project still awaits public hearing,(3) http://www.livemint.com/2009/06/14210217/Dibang-project-still-awaits-pu.html?h=B,(4) New Delhi,(5) 3,000MW Dibang hydropower project,(6) Arunachal Pradesh,(7) S.K. Garg, chairman and managing director of state-run NHPC Ltd,(8) Prime Minister Manmohan Singh,(9) Central Electricity Authority,(10) Public Investment Board,(11) Kuljit Singh, a partner at accounting firm Ernst and Young,(12) Lower Dibang Valley District,(13) Roing,(14) Village Munli,(15) Tinsukia,(16) Dibrugarh,(17) Concrete Gravity Dam,(18) foundation stone,(19) environmental impact assessment report,(20) public hearing,(21)

今日の参考資料

●090616A India, livemint
インドのAP州の3000MWディバン水力で公聴会遅れる
Dibang project still awaits public hearing
http://my.reset.jp/adachihayao/index090616A.htm

http://www.livemint.com/2009/06/14210217/Dibang-project-still-awaits-pu.html?h=B

最近の関連資料

●090531A India, Economic Times
インドのウッタルカンドの水力開発は金融危機の影響
Hydro projects feel slowdown heat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090531A.htm
●090525B India, livemint
インドの北東地域と中央部を結ぶ送電計画に遅れ
Power transmission project to link North-East delayed
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525B.htm
●090525C India, Economic Times
インドのリライアンスがアルナチャルで水力2,520MW開発へ
Reliance Power to invest Rs 12,000 cr in Arunachal Pradesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm
●090203B India, Economic Times
インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
SJVNL to be given projects in Aurnachal Pradesh ? Jiaram Ramesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090203B.htm
●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111B.htm
●081225A India, .sakaaltimes
インド,アルンチャルプラデッシュ,2008年,水力や国境など
2008 A saga of development in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index081225A.htm

●インドのNHPC新役員指名と株式上場の9月日程

The Indian government will “soon” appoint an independent director to the board of NHPC Ltd., paving the way for the country’s largest hydroelectric generator to sell shares by September, the power secretary said. “The government has finalized the name of an independent director who will be appointed soon,” H.S. Brahma said in a brief interview at the ministry in New Delhi today. “The company is readying for the initial public offer by September.”

インドの水力発電公社NHPC(注6)は,資金調達を容易にするため,インド株式市場(注7)に株式上場を計画しているが,昨年,2008年来の株式低迷,インドの株式指標SENSEX(注10)が53%も下がったことで,上場を延期していた。このたび,与党が選挙に勝利し,再びシン首相(注9)の登場となって,2009年9月にも上場を果たすべく,規定で決められた複数の独立取締役の選任に入った。

NHPC(注6)は,2012年までに,2,800億ルピー,約60億ドル相当,を調達して,発電設備を倍増する計画を持っている。2008年4月に,NHPC(注6)のカルグ総裁(注14)は,このうち,1,100億ルピーを自己資金と株式市場から,1,700億ルピーを債務から,と考えている,とした。株式市場(注7)へ提出した書類では,7つの水力プロジェクトを進めるため,としている.。政府の株式は86.4%となる計画である。

NHPC(注6)は,現在,5,175MWの水力発電設備を持っており,新たに,2012年までに5,322MWの新設を行う計画である。大統領(注17)が議会で,12.6%の年率伸びを示す電力需要のためのに,これ以上供給不足を起こさないよう,毎年,13,000MWの新設を続ける必要がある,と報告している。

(注)B (1) 090616B India, bloomberg,(2) title: India to Name NHPC Director, Paving Way for IPO by September,(3) http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601091&sid=aLNP8MjsvZ4U,(4) By Gaurav Singh,June 11 (Bloomberg),(5) independent director,(6) NHPC Ltd,(7) Securities and Exchange Board of India,(8) NHPC spokesman Jatinder Maggo,(9) Prime Minister Manmohan Singh,(10) Sensitive Index,(11) Oil India Ltd.,(12) Bharat Oman Refineries Ltd.,(13) A.B.L. Srivastava, NHPC’s finance director,(14) Chairman S.K. Garg,(15) initial offering,(16) share-sale document,(17) President Pratibha Patil,(18) Central Electricity Authority,(19)

今日の参考資料

●090616B India, bloomberg
インドのNHPC新総裁指名と株式上場の9月日程
India to Name NHPC Director, Paving Way for IPO by September
http://my.reset.jp/adachihayao/index090616B.htm

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601091&sid=aLNP8MjsvZ4U

最近の関連資料

●090507B India, thehindubusinessline
インドのNHPCがミャンマーやブータンで4500億ルピーの事業
NHPC taking up projects worth Rs 45,000 cr in Myanmar, Bhutan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090507B.htm
●090328B India, economictimes.indiatimes
インドのNTPCは水力の地元還元を更に増大させる計画
NTPC may get to allot more power to host states
http://my.reset.jp/adachihayao/index090328B.htm
●090322C India, livemint
インドの計画委員会が上流中国に対抗の水力推進提案
Plan panel for more hydropower projects to pre-empt China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090328B.htm
●090120A India, Economic Times
インドのNHPC,周辺海外の水力開発に大きな賭け
NHPC bets big on overseas mkts,eyes Bhutan, Myanmar & Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120A.htm



●その他のインドの報道

●Mahagenco to set up 1,320 mw thermal project near Dhule
インドのマハラシュトラ州で1320MW火力プロジェクトが計画
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/Mahagenco-to-set-up-1320-mw-thermal--project-near-Dhule/articleshow/4646752.cms
12 Jun 2009, 0130 hrs IST, Pradeep Pandey, ET Bureau,MUMBAI
In a move that could reduce power shortage in Maharashtra, the state power generation company Mahagenco has decided to set up a 1,320 mega watt greenfield thermal power project at Dondaiche near Dhule. Confirming this, Mahagenco managing director Subrat Ratho told ET that the power generation firm has submitted a proposal to this effect to the state government.

●Kailash Mansarovar pilgrimage via Himachal a better option Dhumal
インドのヒマチャル首相が中央に環境保護区を避けた道路建設を要請
http://nvonews.com/2009/06/11/kailash-mansarovar-pilgrimage-via-himachal/
Jun 11th, 2009 at 7:30 pm | By NVO Bureau | Category: Himachal, News, Tourism New Delhi:
Prof. Prem Kumar Dhumal, Chief Minister, has urged the Union Minister for External Affairs to consider the option of routing the Kailash Mansarovar pilgrimage through Himachal Pradesh which would be more convenient and of short duration.

●Himachal CM for generation tax on hydropower
インドのヒマチャル州首相が水力発電プロジェクトの税制度導入を要請
http://himachal.us/2009/06/11/himachal-cm-for-generation-tax-on-hydropower/13541/news/ravinder
Posted by Ravinder Makhaik on Jun 11th, 2009 in Business, News. Follow comments via RSS 2.0.
Shimla: While emphasizing on the need for harnessing hydro electric potential to sustaining the nations growth, chief minister Prem Kumar Dhumal made a case for levying generation tax on hydropower to provide for additional revenues in a resource deficient state.

●CPI(M) seeks action against power company for environment damage in Himachal
インドのヒマチャル州の共産党が水力建設に伴う環境破壊に抗議
http://himachal.us/2009/06/11/cpim-seeks-action-against-power-company-for-environment-damage-in-himachal/13526/news/ravinder
Posted by Ravinder Makhaik on Jun 11th, 2009 in News. Follow comments via RSS 2.0.
Shimla: Communist Party of India (Marxists) has sought action against Jaiprakash Associates hydropower company executing the mega 1000 MW Karcham Wangtoo project in Kinnaur for having illegally extracted a herb from around the project site, leaving the mountainside exposed to soil erosion and landslides.


2009年6月14日分 ー フィリッピンなどのLNGプロジェクトが原油高で活気 ー

東南アジア諸国でLNGが使われる,そのような予測はあまりできなかった。それほどLNGというのは高級なエネルギーである,と言う認識だったが,LNGの波は,遂に東南アジアの岸を洗い始めた。タイ,インドネシア,そうして今日のニュースはフィリッピンである。私は,天然ガスは石油に比べれば無限にあるのではないか,と言っている。経済が繁栄すれば,必ず近海で天然ガスが出る。

なぜフィリッピンの天然ガス生産が難航しているか,というと,それは海が深過ぎるからだろう。余りよい加減なことは言えないが,それでも私は,深海の探査が非常に難しいから,フィリッピンの天然ガスの探査は進まないのだ,と思っている,日本然り,もっとも日本は海の中から天然ガスを引っ張り出そうなんて,全然考えていないが。日本は甘い,天然ガスなどお金を出せば幾らでも買えると思っている。中国は違う。

ところで問題なのは,天然ガス,或いはLNGの価格問題である。私のHPにアクセスしてくる人で,LNGの価格に関心を持っている人が多い。もっとも私のHPからLNG価格への回答を得ようとした人たちには,気の毒だが,余りよい情報がない。少し前に専門家から聞いた話では,LNGは長期契約が多く,原油価格とは余り連動しない,と言うものだった。しかし,だんだんと世界は変わってきているようで,考え方が原油連動に近寄っている。

中国のサーチチャイナ(注1)は,つい先日,2009年6月6日,中国政府が天然ガスの価格改革草案を発表へ,と題して,原油価格との連動制を採用する構え,と報じている。中国も,原油と天然ガスの間の価格のギャップに悩んできているのだ。しかしこの考え方は,そう簡単には実現しないであろう,という意見もある。原油価格の余りにも激しい動きに,天然ガスは付いていかないのではないか,というものだ。

まさに,2008年7月のバレル147ドル,2009年初めのバレル35ドル,また今日のニュースではニューヨークの原油先物が72ドルに達した,と報じられている。このような動きの激しい原油に連動すると,探査に相当な投資と設備の投資が必要なLNGが原油について行くのは大変だ。今日,2009年6月14日のライブドアのブログで,光陽ファイナンシャルトレードの下地さん(注2)が,非常に有効なグラフを公開している。

下地さんのグラフによると,今年,2009年3月以降の急激な原油高に,LNG価格はついて行っていない,という。下地さんの見方は,ニューヨーク原油価格が如何によい加減か,と言う見方をしており,LNGがこのまま推移すると,寧ろ原油価格はバレル40ドルぐらいが適当だ,という表現に近い。ただ,バレル40ドル前後の原油価格では,人類が探査に全然投資しない,とIAEA田中局長が嘆いている。先行きを見たい。明日は測量で休み

(注1) http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0606&f=column_0606_001.shtml
(注2) http://blog.livedoor.jp/ss1030/archives/843984.html

「光陽ファイナンシャルトレード(株)IT部下地のマイノリティリポート」


本文

●フィリッピンなどのLNGプロジェクトが原油高で活気

Pricing linked to the movement of crude prices will remain the ‘confidence booster’ for investments in liquefied natural gas (LNG), suppliers say. Many countries, including the Philippines, have cast on blueprint power projects that will be utilizing LNG to generate their future electricity needs. However, with limited supply that can be extracted from the Malampaya gas field, project sponsors in the country would want to resort to LNG importation.

フィリッピンに天然ガスが出て,商業運転が始まったのが,2002年1月であるが,可採埋蔵量は,3兆立方フィートとされており,日400〜450百万立方フィートを,20年間供給する能力がある,と考えられている。このガスで発電するバタンガスの三つの発電所は,2,700MWの能力を持っていて,ルソン系統の30%の電力を賄う能力を持っている。しかし,フィリッピンの将来を担う国産エネルギーとしては如何にも少ない。

今日の記事は,最近の原油価格の値上がりと関連して,クワラルンプールで書かれたものだが,フィリッピンの国産天然ガスの不足を見越してのLNG(注5)の輸入の問題が急浮上していることを窺わせる。供給側から見ると,原油価格とリンクさせたLNGとしてみた場合,市場が賑わう兆しがあるという。フィリッピンを初めとして,多くの国が将来の電力供給を輸入LNGに依存しようとしてる。

シェブロン(注7)のガス社長(注7)は,世界の原油価格が大いに揺れてはいるが,初期,原油価格にリンクしたLNG長期供給契約(注9)は,景気刺激の重要な要素だ,と言っている。投資側から見ると,原油価格にリンクするLNG長期契約,という考え方は変わっていないと言う。LNG供給側は,スポット市場の価格契約は,甚だ困難,としている。エクソン(注11)のハームズ地域副社長(注11)も,同じ考えだ。

シェブロン(注7)もエクソンモビル(注11)も,フィリッピンの燃料の上流投資企業である。シェブロン(注7)は,マランパヤガス田(注6)に多国籍のシェル(注12)との協力で大きな資本投下を考えて来ている。またエクソン(注11)は,スル海(注14)のサンダカン油田ガス田(注13)を通じて,フィリッピンの市場に再び参入してきたところだ。

(注)A (1) 090614A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Investors bet on sustaining oil-linked pricing for LNG,(3) http://www.mb.com.ph/articles/206823/investors-bet-sustaining-oillinked-pricing-lng,(4) By MYRNA M. VELASCO,June 13, 2009, 5:59pm,KUALA LUMPUR, Malaysia,(5) liquefied natural gas (LNG),(6) Malampaya gas field,(7) Chevron Global Gas President John D. Gass,(8) oil-linked pricing,(9) long-term LNG contracts,(10) global oil prices,(11) Wayne A. Harms, vice president for East Region of Exxon Mobil Upstream Ventures,(12) Shell,(13) Sandakan oil/gas prospect,(14) Sulu basin,(14)

今日の参考資料

●090614A Philippines, Manila Bulletin
http://www.mb.com.ph/articles/206823/investors-bet-sustaining-oillinked-pricing-lng

最近の関連資料

●090310D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのパラワンの電力供給で民間との再契約に慎重
Interim extension of supply contract sought to avert Palawan power shortage
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310D.htm
●090310E Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのガロック油田が日100万バレルを達成
Galoc oil production reaches 1-M barrels
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310E.htm
●090303B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマランパヤガス田のパイプライン回復まで70日必要
Spex undertakes Malampaya maintenance
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303B.htm
●081230A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,エネルギー省,西パラワンの深度探査,承認
DoE approves ultra-deep well oil drilling for West Palawan
http://my.reset.jp/adachihayao/index081230A.htm


●原油価格の低迷が年末まで原油等探査の足を引っ張る

The squeezed margins of oil firms due to low prices will continue pummeling capital flows into upstream petroleum exploration and production (E&P), with forecasts of sweeping double-digit investment decline until this yearend. Mr. Nobuo Tanaka, executive director of the Paris-based International Energy Agency (IEA) indicated that budgeted spending on oil and gas exploration worldwide have been down by about $100 billion, or 21-percent crash to $375 billion as compared to 2008 investments.

原油価格の不安定な動きに対して,非常に先行き心配されるのは,原油ガス探査への投資の縮小である。このニュースもクワラルンプール発だが,IEAの田中局長(注6)が実情を心配している。原油価格安が,上流,石油探査及び生産E&P(注5)への投資の資本の流れを阻害しており,今年,2009年末までの二桁ポイント台の投資の減が見込まれている。

全世界の原油ガス探査への投資額は,2008年の3,750億ドルから,21%減,即ち,1,000億ドルの減が予想される。田中局長(注6)は3つの理由を挙げている。一つは,信用低下に伴う資本コストの増大,二つは,原油価格の低下による新規の投資魅力の低下,三つは,景気の悪化による需要減が投資の緊急性を低下させている,等である。

市場自体が持ち直す力を持っていないが,OPEC(注9)の減産の決定が,原油価格に影響するだろう。ペトロナス(注11)のマリカン総裁(注11)も,国際企業によるE&P(注5)の低下を嘆いている。もう一つ問題は失業で,この国際市場でのE&P(注5)に関連した人員削減が,2009年4月1日時点で,23,800人に達していることである。

(注)B (1) 090614B Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Profit squeeze cuts oilgas exploration investments,(3) http://www.mb.com.ph/articles/206828/profit-squeeze-cuts-oilgas-exploration-investments,(4) By MYRNA M. VELASCO,June 13, 2009, 6:05pm,KUALA LUMPUR, Malaysia,(5) upstream petroleum exploration and production (E&P),,(6) Mr. Nobuo Tanaka, executive director of International Energy Agency (IEA),(7) credit crunch,(8) debt-equity ratios,(9) Organization of Petroleum Exporting Countries (OPEC),(10) Barclays Capital,(11) Petronas president and chief executive officer Tan Sri Mohd Hassan Marican,(12) global E&P investors,(13)

参考資料

●090614B Philippines, Manila Bulletin
http://www.mb.com.ph/articles/206828/profit-squeeze-cuts-oilgas-exploration-investments

関連資料

●090614C Oil price, online.wsj
原油先物はニューヨークでバレル当たり72ドルに
OIL FUTURES Crude Settles -64c At $72.04 Bbl
http://online.wsj.com/article/BT-CO-20090612-711760.html


2009年6月12日 ー 中国の金沙江水力開発で環境部が中止命令 ー

先ほど,鳩山総務相が辞任,のニュースが流れた(注1)。さて中国だが,気候変動問題で,日本の中期目標は不十分(注2),とし,2020年までに1995年比で40%削減を求めている。これは年約4億トンのオーダーだから,中国の10億トン以上の削減目標から見ると小さいと言われる。中国の10億トン削減には,相当の日本の協力が必要とも思われるが,如何か。日本の原子力開発に期待したい。

またこのニュースに続いて,中国の景気刺激効果が5月の銀行融資大幅増(注3)に繋がり,更に,自動車やセメントが好調で,中国工業生産が大幅伸びを示している(注4)という。中国の勢いに日本の株式市場も引っ張られている感じ。このような経済の復調の中で,注目すべきは,開発一辺倒の中で,環境庁の力がだんだん大きくなってきていることだ。

中国の特徴は,中央政府の顔色を見ながら,発電所建設が行ける,と見れば省レベルで石炭火力でも水力発電所でも一気に造ってしまう,中央としてはこの地方の建設へのエネルギーは大切だが,一方で困惑することも多い。石炭がないのに石炭火力が出来てしまうようなことになる。今日の記事は,環境省が雲南省,金沙江のダムプロジェクトに,待ったをかけた事件であり,環境部門の権限が強くなってきたことも意味している。

金沙江については,我々も失敗した経験があり,思い入れがある。我々が見てきた,2,600MWの金安橋水力プロジェクトは,中国の友人が,あれは完成した,と言っていたから,嘘だろう,と今日まで信じていなかったが,あの川筋で最初に建設されたようだ。信じられないスピードである。当時も,金安橋水力プロジェクトを進めるかどうかで,昆明の地方政府と北京政府が争っていたことを思い出す。

ブラマプトラ川上流のチベット内の西から東に流れる雅魯藏布江(注5)が,黄河への分流計画の対象になっているのではないか,中国は原子力爆発の力を借りて,ここに水力を造って大規模分流を考えている,とインドなどが懸念を示していたが,前職ではあるが元水利部長が,その計画はない,と明確に国際会議の席上で否定している。長江上流は分水の対象だ,と言っている。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090612AT3S1201P12062009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090611D2M1103O11.html
(注3) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090612D2M1201H12.html
(注4) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090612D2M1201M12.html

本文

●中国の長江上流開発で環境部署がダム推進棚上げ要請

The fate of a 200-billion yuan investment in eight hydropower stations along the upper reaches of the Yangtze River is in question, as the national environmental watchdog has blocked it citing environmental concerns. The Ministry of Environmental Protection (MEP) Thursday suspended approval for hydropower projects along the middle reaches of Jinsha River, after finding that two dams had been illegally constructed on it.

中国の特徴は,中央政府の顔色を見ながら,発電所建設が行ける,と見れば省レベルで石炭火力でも水力発電所でも一気に造ってしまう,中央としてはこの地方の建設へのエネルギーは大切だが,一方で困惑することも多い。石炭がないのに石炭火力が出来てしまうようなことになる。今日の記事は,環境省が雲南省,金沙江のダムプロジェクトに,待ったをかけた事件であり,環境部門の権限が強くなってきたことも意味している。

中国環境保護部MEP(注6)は,長江(注5)上流の金沙江(注7)で無許可の水力発電所二つが河川締め切りを行ったことで,この金沙江(注7)に計画されていた階段状の開発方式(注18)の8つのプロジェクト,総事業費2000億元,を一時棚上げすることを示唆した。華電国際電力(注9)による2,100MWの魯地拉水力(注8),及び華能国際電力(注11)による,1,800MWの龍開口水力(注10)で,いずれも麗江(注12)下流である。

環境部は,魯地拉水力(注8)も龍開口水力(注10)も,いずれも2009年1月に仮締め切り(注14)を実施したが,環境調査が完了していない,として,工事を直ちに中止して仮締め切り(注14)の安全を確保せよ,と指示した。また,この金沙江に沿って計画されている水力プロジェクトについても,環境の見直しを要請した。金沙江(注7)は,長江の上流,青海省のユシュ(注15)から四川省のイビン(注16)までの,2,300kmを言う。

このうちの雲南省部分の金沙江中流部,564kmには,8つの水力プロジェクトが計画されていて,事業費2,000億元,出力は三峡水力(注17)と同レベルの,20,580MWに達するという。しかし,少数民族が多数を占め,生物多様性の面からも重要な地域とされている。このプロジェクトのうち,2,600MWの金安橋水力(注23)は既に建設されており,2,100MWの阿海水力(注19)は,今年初めにMEP(注6)の認可をとっていた。

また,2,800MWの上虎跳峡水力(注20)は,2005年に問題となって中止されている。環境研究所のマジュン部長(注20)は,金沙江は既に調査が行われていて,水力開発が環境へ与える大きさが深刻だ,と考えており,特に水生生物生態の環境に,致命的な影響を与える,と語っている。

(注)A (1) 090612A China, chinadaily,(2) title: Dam projects suspended over eco-concerns,(3) http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-06/12/content_8274741.htm,(4) By Li Jing (China Daily),Updated: 2009-06-12 07:45,(5) Yangtze River長江,(6) Ministry of Environmental Protection (MEP)中国環境保護部,(7) Jinsha River金沙江,(8) 2,100MW Ludila hydropower project魯地拉水電站,(9) Huadian Power,,華電国際電力,(10) Longkaikou hydropower project,龍開口水電,(11) Huaneng Power華能国際電力,(12) Lijiang, Yunnan province麗江,(13) Tao Detian, the ministry's spokesman,(14) cofferdams,(15) Yushu in Qinghai province 青海省,(16) Yibin in Sichuan,四川省,(17) Three Gorges dam hydropower project,(18) cascading hydropower works,(19) A'hai hydropower project,阿海水力,(20) Tiger Leaping Gorge,上虎跳峡,(20) Ma Jun, director of the Institute of Public and Environmental Affairs,(21) aquatic biodiversity,(22) artificial breeding,(23) Jin'anqiao dam,金安橋ダム,(24)
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今日の参考資料

●090612A China, chinadaily
http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-06/12/content_8274741.htm

最近の関連資料

●090524D 中国,english.people
中国はダム開発などに対して急旋回の政策転換を示唆
Suddenly, China embraces Green
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524D.htm
●090422A China, energy-business-review
中国は2020年までに長江に更に20の水力を建設
China To Build 20 Hydroelectric Projects In Yangtze River System By 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090422A.htm
●090209D China, chinadaily
中国,四川から上海への超高圧送電線,2010年に向け突貫
China steps up in buliding UHV power line
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209D.htm
●090125C China, gokunming.
中国の雲南,蒋高明教授が視察,環境が足らないと
Yunnan news roundup
http://my.reset.jp/adachihayao/index090125C.htm
●081228B China, news.xinhuanet
中国,金沙江,大規模水力プロジェクト,河川切り替え
River blocked for China's new gigantic hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index081228B.htm
●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu
http://my.reset.jp/adachihayao/index081212B.htm


●中国政府がチベット南部のブラマプトラ上流から黄河へ分流する計画はない

"The Chinese government has no plan to divert the Yarlung Zangbo River to the Yellow River," China’s official Xinhua news agency May 25 quoted the country’s former water minister Wang Shucheng as telling a water resources seminar in Beijing, attended by 100 officials and scholars from 10 countries, including former Canadian Prime Minister Kim Campbell.

中国の南調北水プロジェクト(注9)は,とにかく水の足らない黄河や北京へ,何としてでも水を送りたい,中国の昔からの願望で,既にプロジェクトが動いている。雲南省からチベットにかけては,ハノイに抜ける紅河上流,メコン上流のランサン川,サルウイーン河となる怒江,など国際河川が多く,この南調北水プロジェクト(注9)に,周辺諸国の関心が集まっていた。特に問題なのは,チベット南部を源流とするブラマプトラ河(注18)である。

このブラマプトラ河(注18)の下流は,インドの北東地域の水力包蔵を構成し,更に下流はインド領域内やバングラデシュ領域で,多くの灌漑や河川環境を養っている。ブラマプトラ河(注18)の源流は,西から東に流れる雅魯藏布江(注5)が,大屈曲点で南に方向を変えて,ブラマプトラ河(注18)に流れ込む。この雅魯藏布江(注5)には,最近,水力発電所の建設が報道で流れており,分流を計画しているのでは,と懸念されている。

インドなどでは,中国は原子力爆発の力を借りてダム開発を進め,これを黄河に分水する計画,と懸念を呼んでいる。今日の記事は,中国政府の水資源の要職,前水利部長のワン氏(注7)が,国際会議で,その様な計画はない,と明言したことを報じたものである。南調北水プロジェクト(注9)には,東ルート,中央ルート,西ルート(注11)があるが,東と中央は既に着工している。

西ルートは,黄河を生き返らせるプロジェクトで現在研究中であるが,チベットの雅魯藏布江(注5)からの分水は,可能性がない,長江上流のチベット(注12)から分水することを考えている,とした。長江は,年1兆トンに上る流量に恵まれており,黄河へ分水しても,環境上問題は起こらない,としている。

(注)B (1) 090612B China, tibetanreview,(2) title: China says no plan to divert Tsangpo river,(3) http://www.tibetanreview.net/news.php?&id=3371,(4) (TibetanReview.net, May 26, 2009),(5) Yarlung Tsangpo river雅魯藏布江,(6) Yellow River黄河,(7) former water minister Wang Shucheng,(8) former Canadian Prime Minister Kim Campbell,(9) south-to-north water diversion project南調北水,(10) Yangtze river,(11) eastern, central and western routes,(12) Yangtze (Tibetan: Drichu),(13) China Institute for International Strategic Studies,(14) Michael Eric Bosman Hotung Foundation,(15) photo and map source: http://en.wikipedia.org/wiki/Yarlung_Tsangpo_River_(Tibet),(16) map source: http://www.water-technology.net/projects/south_north/south_north1.html,(17) Bramaputra river,(18)

今日の参考資料

●090612B China, tibetanreview
http://www.tibetanreview.net/news.php?&id=3371

最近の関連資料

●090520A China, news.xinhuanet
中国の黄河に於ける最大の水力発電所が運転開始
Largest hydropower station on Yellow River starts operation
http://my.reset.jp/adachihayao/index090520A.htm
●090514B 中国,china.org
中国のタリム盆地の河川と環境の戦いはこれからだ
The beginnings of a never-ending task
http://my.reset.jp/adachihayao/index090514B.htm
●090223B China, dailymailnews
中国はチベットの牧草地減退で2030年までに回復を計画
China aims to curb pasture degradation in Tibet by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090223B.htm
●090117B China, ndiainfoline.com
中国,チベットのヤールン水力建設へ
China may build power plants on Yarlung Tsangpo: report
http://my.reset.jp/adachihayao/index090117B.htm
●090322C India, livemint
インドの計画委員会が上流中国に対抗の水力推進提案
Plan panel for more hydropower projects to pre-empt China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090322C.htm
●090203B India, Economic Times
インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
SJVNL to be given projects in Aurnachal Pradesh ? Jiaram Ramesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090203B.htm
●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090111B.htm
●081225A India, .sakaaltimes
インド,アルンチャルプラデッシュ,2008年,水力や国境など
2008 A saga of development in Arunachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index081225A.htm
●081120B India, siliconindia
中国雲南省調査団,コルカタで,通商協議
Chinese team interested in hydropower, infrastructure projects in India
http://my.reset.jp/adachihayao/index081120B.htm


2009年6月11日分 ー 中国はクリーンエネルギー経済へ舵を切った ー

麻生首相の温暖化ガス削減案が,大きく取り上げられている(注)。現在の太陽光発電が全国で約70MW,これを2020年に10倍にする案であったところを,20倍として,2005年比で14%削減を1%上げて,15%が日本の案だ,と言っている。20倍は,1,400MW規模である。1,380MWの原子力を1機造って石油火力を代替すると,温暖化ガス約1,000万トン削減,とすると,オーダー的には話があってくる。

でも,今日の中国のニュースで,2020年に於ける中国の風力発電は,100,000MW,太陽光は,10,000MWの計画で,再生可能エネルギーは水力も入れて20%になり,年間10億トンの温暖化ガスを削減するという。こうなってくると,日本の国内の気候変動議論は,全くコップの中の嵐に過ぎなくなってくる。中国はやるだろう,前回の景気刺激策,5,860億ドルの上に更に,数週間内に,4,400〜6,600億ドルの上積みを発表する。

現在の日本の案は,原発7基の新設を前提をしているが需要の伸びない中で,どうしてそれが出来るのか,と不満を表明しているのは,東京電力の清水社長である。自民党の案では,原子力の稼働率を上げろ,と言っている。日本の原子力設備を50,000MWとして,現在の60%の稼働率を90%に上げると,15,000MW新設と同じであり,原子力10基分,温暖化ガス約1億トン削減に匹敵する,それだけで8%のオーダーで響いてくる。

今日のニュースを見て思うのは,日本の削減行動は,地球の側から見られると,全く蜂に刺された程度であって,単なる外交上のゲーム以外の何ものでもない,と言うことがよく分かる。日本はとにかく,太陽光や風力を,採算さへ合えば勝手にどんどん造ってよいが,水力資源のない日本がやることは,とにかく原子力の流れ込み式水力並みの稼働率を上げろ,それで外交ゲームとしては十分に話が通ると思いませんか。

勿論,自動車,飛行機,船の問題は別に存在する。自動車は,ハイブリッドと電気自動車が争っているが,最終的にはハイブリッドは捨てられるだろう,それも間もなくだ。木炭自動車があっという間になくなったように,電気自動車の変わるスピードは,すごく速いのではないか。来年に車検が迫っている私でさへも,来年4月にはガソリン車を買うことを,おそらく躊躇うのではなかろうか。

ただ,電気自動車のために,電気のピークがどの様に現れるのか,電力会社側はもう真剣に検討しておかなければならないだろう。1億台,1台100KWとして100億KW,負荷率10%としても10億KWのピーク発生,現在の設備の4倍の発電所,それも原子力発電所と揚水発電所でなければならない。その様に考えると,東京電力の清水社長の見方は,甘いのではないか,と言われかねない。

勿論,本当に炭酸ガスで地球が温暖化しているのかどうか,少し疑念があるのは事実,おそらく太陽系の長い温暖化サイクルの中で,我々は瞬き一瞬の議論をしているような気もするが,それが確認できるまでは,この先数十年間,日本の温暖化対策よりも,中国とインドの温暖化対策に,人類は全力を尽くすべきで,日本のコップの中の議論は,外交に任せる切りでよいと思う。新興国の原子力と水力の開発に,全世界が協力すべきだ。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906110019a.nwc

本文

●中国はクリーンエネルギー経済への転換へ舵を切った

This is the most comprehensive discussion I’ve seen of everything China is doing to green itself. It is by Julian Wong, a Senior Policy Analyst at the Center for American Progress, and Andrew Light, a Senior Fellow. It was first published here. Below: A security guard looks on as a slogan is projected onto Yongdingmen Gate in Beijing, China. The Chinese have recognized that it’s climate inaction?not climate legislation?that will lead to its own economic undoing. As a result, I am hopeful there will be a U.S.-China climate deal this fall.

もの凄く長文だが,一応読んでみた。米国議会が現在審議中の米国気候変動エネルギー法案ACESA(注9)が,中国の動きを待っている感じがあり,米国の研究所(注5)のジャーナリストが,中国は気候変動に本気で取り組みかけており,クリーンエネルギーを基本とした経済へ向かって大きな舵を切りかけており,米国などはこれを激励して,前に進ませるべきだ,と言う感じの論文だ。

気候変動問題に熱心でない人々の慣用句は,中国は一週間に二つの石炭火力発電所を造り続けている,と言う言葉である。そうして,米国は中国の動きを見てから,米国気候変動エネルギー法案ACESA(注9)の承認を決めるべきだ,と言っている。しかし,中国のみならずインドも,動き始めている,承認を待て,と言う言葉は正しくない,というのである。

米国人は,中国のエネルギーの80%が汚れた石炭から来ている,と非難し,中国人は,米国の温暖化ガス排出量は世界最大で,一人当たりから見れば中国の排出量は米国の5分の一だ,1960年から2005年の歴史的な観点からは10分の一だ,と反論する。中国は既に,気候変動対策なしでは経済は伸ばせない,と言うことに気づいている。

ここで注目すべきは,再生可能エネルギーへの投資計画で,中国の計画は,ドイツの140億ドルに続いて第2位の120億ドルとなっていて,この投資額のゆえに,中国は,太陽光,風力,電気自動車,鉄道,送電技術の点で,世界のリーダーとなる。中国政府の景気刺激策,5,860億ドルの9%は,鉄道と送電を除いて,持続的発展のための費用となっている。

また情報によると,来る週にも新たな驚くべき追加刺激策を発表するとされており,その額は,この先10年で新エネルギー関係で,4,400〜6,600億ドルとも言われており,風力,太陽光,水力より構成されているという。このことは,中国はクリーンエネルギーの世界のリーダーであり,その技術を輸出することによって,世界経済の持続的発展の先導者となると予想される。

エネルギー効率化は中国の最優先課題である。昨年,2008年に,エネルギー保全法(注15)を成立させて,GDP当たりのエネルギー消費量を,2020年には,2005年比で20%削減するとしている。この目標は省レベルでも推進されつつある。実際に,2008年には10%削減を実現させている。この目標が達成されれば,2010年から毎年,10億トン相当の温暖化ガスが削減されることになる。

比較のためだが,EUが京都議定書で負っている義務は,2012年で僅か3億トンである。中国には,2006年に策定された,エネルギートップテン企業計画(注17)というものがあって,これらの企業の省エネルギーが基準となっており,これらが中国全部の43%の温暖化ガスを排出している。この計画の目標は,温暖化ガス排出量削減を,年間3億トンから4.5億トンとして計画を進めている。

次世代自動車についても中国は積極的で,6800万から1億台の路上のガソリン車廃止に向かっている。旧式で小規模の発電所で2006年から2008年に廃止された発電所の出力は,34,000MWに上り,更に次の3年間で,31,000MWを廃止する方向だ。再生可能エネルギー開発は,2010年までに全体の10%へ,2020年までに15%に持って行く。

風力発電は,2020年には現在の20,000MWから,100,000MWに増やす計画である。また太陽光発電は,2020年には10,000MWの計画である。水力は,2020年までに現在の倍の,300,0000MWとする。中国は原子力発電を再生可能エネルギーとは位置づけていないが,現在9,000MWの原子力を,2020年には,60,000〜75,000MWとする計画だ。

(注)A (1) 090611A China, worldchanging,(2) title: China Begins Transition To A Clean-Energy Economy,(3) http://www.worldchanging.com/archives/009979.html,(4) WorldChanging Team,June 10, 2009 4:56 PM,(5) Julian Wong, a Senior Policy Analyst at the Center for American Progress,(6) Andrew Light, a Senior Fellow,(7) Yongdingmen Gate in Beijing,,(8) global warming pollution reduction policies,(9) American Climate and Energy Security Act (H.R. 2454),(10) carbon dioxide,(11) renewable electricity and energy efficiency standards,(12) low-carbon economy,(13) clean-energy jobs,(14) new energy development,(15) Energy Conservation Law,(16) Kyoto Protocol,(17) Top 1,000 Energy-Consuming Enterprises program,(18) map source: http://www.spc.jst.go.jp/opencms/export/sites/default/science_portal_china/hottopics/hottopicsphoto/0904/0904chen_3.gif,(19)

今日の参考資料

●090611A China, worldchanging
中国はクリーンエネルギー経済への転換を始めた
China Begins Transition To A Clean-Energy Economy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090611A.htm

http://www.worldchanging.com/archives/009979.html

最近の関連資料

●090527C China, chinadaily
中国の景気刺激策のうち300億元は新エネルギー開発へ
$30b set aside for green stimulus to double alternative fuel useBy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090527C.htm
●090524A China, news.xinhuanet
中国の計画委員会がエネルギー計画の刺激策を協議
China's State Council to discuss stimulus plan for new energy industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524A.htm
●090524C 中国,news.xinhuanet
中国は原子力開発計画を改定し更に加速を図る動き
China considers changes to nuclear power development plan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524C.htm
●090520B China, news.xinhuanet
中国の地方に於ける水力開発は温暖化ガス削減に貢献
China's rural hydropower plants help curb greenhouse gas emission
http://my.reset.jp/adachihayao/index090520B.htm
●090514A China, uk.reuters
中国の水力開発にとってCDMは煩わしく価値少ない
China hydropower "subprime carbon" flood may slow
http://my.reset.jp/adachihayao/index090514A.htm
●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506A.htm
●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301C.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/adachihayao/index090207B.htm
●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109E.htm


2009年6月10日分 ー バングラデシュを救うのはガス探査とブータン水力 ー

パキスタンのペシャワール,高級ホテル「パール・コンチネンタル・ホテル」が自爆攻撃を受けた(注1)。国連職員を含めて5人が犠牲となり,70人以上が負傷したという。このホテルは,我々がムンダ・ダムの調査でよく使っていたホテルで,ダムサイトまで30分,インターネット事情もよくて,気に行っていたホテルだ。ますます,パキスタン北西部の治安悪化が問題になってくる。

その反対側,東パキスタンとも言われたバングラデシュは,ミャンマーとインドの狭間にあって,つい忘れられがちで,私も,可哀相だ,JICA助けてあげて,とアピールしていたことがある。JICAは今,火力発電所の効率化を支援しているはずだ。バングラデシュのエネルギーで基本的な問題は,残り少ない天然ガスの包蔵と,なかなか円滑に進まない石炭の開発だろう。

最近の関連資料からバングラデシュのエネルギー事情を見ておこう。電力の現状,天然ガスが82%を占め,残りが石油9%,水力が4%,石炭が5%である。組織は,BPDBが電力の大本締めで,ダッカ首都圏とその周辺の配電をDPCDとDESCOが担当,クルナ周辺を WZPDCL,農村地帯をREBが担当している。設備出力は,5,245MW,このうち稼働可能は,3,400MW,ピーク需要は4,200MW,電力不足は,800MW。

頼みのガスだが,確認済みと可能性を含めて,23のガス田で,20.63TCF(兆立方フィート),そのうち既に7.42TCFは消費済みである。残りのポテンシャルは,2007年12月時点で,13.21TCFとなっている。2000年から2050年までに必要な天然ガスは,3%成長で40〜44TCF,これまでの延長で64〜69TCFなどである。もう既に政府はガス使用制限に踏み切っており,先が見えている。

それで,今日の記事で改めて地図を見てみると,ブータンの出口,プンツオリンからバングラデシュの国境までは,僅かに60kmである。ラーマン大統領でなくても,ブータンの水力を何とかならないのか,と言いたくなる。この60kmの幅はインド領であるが,あのシン首相なら,そこを送電線が横断することなんかに,ぶつぶつ言わないだろう,大いに進めるべきである。

日本政府は,温暖化ガス中期目標の決断の時期が迫ってきた。突然,2020年時点で1995年比15%削減案が浮上している(注2)。欧米が14%で決まりかけている情勢を見て,1%上積み,15%だと言う。いい加減と言えばいい加減だが,これが政治決断というものなのか。太陽光発電を増やせば1%は何とかなる,と言っている。原子力発電所の稼働率のことにも触れて欲しいと思う。

(注1) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-38474720090610
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090610AT3S1000I10062009.html

本文

●バングラデシュが新規ガス田探査で入札開始へ

The government is going to make its final decision soon, even within the current month, about the long pending issue of 3rd round bidding on offshore gas blocks. "We're now going through a due diligence process. The decision (about the gas block bidding) is going to be made very soon and it does not mean months," Prime Minister's Adviser Dr. Taufiq-e-Elahi Chowdhury said yesterday.

最近の関連資料からバングラデシュのエネルギー事情を見ておこう。電力の現状,天然ガスが82%を占め,残りが石油9%,水力が4%,石炭が5%である。組織は,BPDBが電力の大本締めで,ダッカ首都圏とその周辺の配電をDPCDとDESCOが担当,クルナ周辺を WZPDCL,農村地帯をREBが担当している。設備出力は,5,245MW,このうち稼働可能は,3,400MW,ピーク需要は4,200MW,電力不足は,800MW。

頼みのガスだが,確認済みと可能性を含めて,23のガス田で,20.63TCF(兆立方フィート),そのうち既に7.42TCFは消費済みである。残りのポテンシャルは,2007年12月時点で,13.21TCFとなっている。2000年から2050年までに必要な天然ガスは,3%成長で40〜44TCF,これまでの延長で64〜69TCFなどである。もう既に政府はガス使用制限に踏み切っており,先が見えている。

ミャンマーのガスが欲しいのは,本当はバングラデシュなのだ。2008年10月9日のこのHPを見ると,ミャンマーのマウンアイ将軍がバングラデシュのアームッド大統領を表敬訪問したときに,大統領から,主として肥料工場のためのガス供給を打診したが,マウンアイ将軍から断られている。ベンガル湾のバングラデシュ近海の深海,これはバングラデシュの海域である,としている。対話は,2008年4月に行われたが,結論が出ていない。

このようなバングラデシュのエネルギーとしては切羽詰まった中で,バングラデシュの首相顧問チョウドリー博士(注6)が,モリアティ米国大使(注8)と在ダッカの米国商工会議所AMCHAM(注7)との昼食会で明らかにした内容だが,入札を終わって懸案となっている第3次沖合ガス探査入札(注5)について,長く棚上げとなっていたが,今月中,2009年6月にも進捗を見るだろう,と語ったニュースである。

前回の入札の結果,8ブロックで米国籍のコノコ(注11)が,また1ブロックでアイルランド籍のタロウ(注12)が落札企業となっているが,内閣の交代や,いずれの入札も各1社のみで競争がなかったこと,などのため,1年ほど棚上げとなって,落札企業を焦らせていた。なお,チョウドリー博士(注6)は,困難な電力事情から,ブータン,インドからの水力輸入,石炭開発の今後についても言及している。

(注)A (1) 090610A Bangladesh,nation.ittefaq,(2) title: Final decision on gas block bidding soon,(3) http://nation.ittefaq.com/issues/2009/06/10/news0615.htm,(4) UNB, Dhaka,(5) 3rd round bidding on offshore gas blocks,(6) Prime Minister's Adviser Dr. Taufiq-e-Elahi Chowdhury,(7) American Chamber of Commerce in Bangladesh (AmCham),(8) US Ambassador James F Moriarty,(9) AmCham President Syed Ershad Ahmed,(10) Bangladesh maritime boundary,(11) Conoco Philip,(12) Tallow,(13) Dr. Taufic-e- Elahi, a former energy secretary,(14) compacted florescent lamp (CFL) bulbs,(15) long-pending issue of coal policy,(16) Petrobangla,(17)

今日の参考資料

●090610A Bangladesh,nation.ittefaq
バングラデシュが新規ガス田探査で入札開始へ
Final decision on gas block bidding soon
http://nation.ittefaq.com/issues/2009/06/10/news0615.htm

最近の関連資料

●081103C Banglaesh, bangkokpost
バングラデシュ,ミャンマーのガス開発に海域侵犯と
Bangladesh protests Burma oilfield intrusion
http://my.reset.jp/adachihayao/index081103C.htm
●081009D Bangladesh, energybangla
ミャンマー,今のところ,バングラデシュへのガスの余裕なし
No Gas for Bangladesh Right Now Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index081009D.htm
●081009E Bangladesh, xinhuanet
ミャンマー,バングラデシュの水力開発要請に合意
Myanmar agrees to move forward hydropower plant proposal
http://my.reset.jp/adachihayao/index081009E.htm
●081009F Bangladesh, thedailystar
ミャンマー,もし余裕があれば,ガスをバングラデシュへ供給
Myanmar agrees to export gas if new reserve found
http://my.reset.jp/adachihayao/index081009F.htm


●バングラデシュはブータンの水力を輸入する可能性がある

President Zillur Rahman yesterday said Bhutan could export hydropower to Bangladesh to help mitigate the current power crunch here as the Himalayan country hold a huge potential for producing about 30,000-megawatt hydroelectricity.

バングラデシュとブータンの関係,今まで余りピンと来なかったし,話題になったこともない。そう思って地図を広げてみると,ブータンの南への出口,プンツオリンの近く,1000MWクラスのタラ水力発電所とバングラデシュの国境までの最短距離は,僅かに68kmなのである。全く,ブータンとしてはバングラデシュへ電気を売った方が,遙かに物理的には容易だ,と言うことに気が付く。

新任のブータンの駐バングラデシュ大使クサン氏(注6)が,信任状提出のため大統領官邸(注7)に出向き,ラーマン大統領(注5)と会見した。アラム大統領補佐官など3人(注10〜12)が同席した。その席上で,ラーマン大統領(注5)が,ブータンの包蔵水力は30,000MWと聞いている,バングラデシュの電力需給の窮状を考えると,ブータンは水力の電力をバングラデシュへ輸出できるはずだ,と持ちかけた。

記事を読むと,それ以上は深く話されていないが,ブータンが,バングラデシュの薬品を大いに頼りにしていて,薬品技術についてブータンからの研修生を受け入れている事実が語られ,ブータン大使から謝意が述べられている。繊維関係(RGMはよく分からないが繊維だろう)のことにも話が触れている。電力輸入は物理的には可能性があり,インド領を横切るが,インドは許すだろう。この話が大プロジェクトの切っ掛けになればよいと思う。

(注)B (1) 090610B Bangladesh, nation.ittefaq,(2) title: Bhutan can export hydropower to Bangladesh: President,(3) http://nation.ittefaq.com/issues/2009/05/21/news0827.htm,(4) UNB, Dhaka,(5) President Zillur Rahman,(6) Bhutanese Ambassador to Bangladesh, Dasho Bap Kesang,(7) Bangabhaban,(8) Bangladeshi RMG,(9) pharmaceutical products,(10) Secretary of the President's Office Mohammad Shafiul Alam,(11) Military Secretary to the President Maj Gen Md Ehtesham Ul Haque,(12) President's Press Secretary Abdul Awal Howlader,(13)

今日の参考資料

●090610B Bangladesh, nation.ittefaq
バングラデシュはブータンの水力を輸入する可能性がある
Bhutan can export hydropower to Bangladesh: President
http://nation.ittefaq.com/issues/2009/05/21/news0827.htm

最近の関連資料

●081009D Bangladesh, energybangla
ミャンマー,今のところ,バングラデシュへのガスの余裕なし
No Gas for Bangladesh Right Now Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index081009D.htm
●081009E Bangladesh, xinhuanet
ミャンマー,バングラデシュの水力開発要請に合意
Myanmar agrees to move forward hydropower plant proposal
http://my.reset.jp/adachihayao/index081009E.htm
●081009F Bangladesh, thedailystar
ミャンマー,もし余裕があれば,ガスをバングラデシュへ供給
Myanmar agrees to export gas if new reserve found
http://my.reset.jp/adachihayao/index081009F.htm
●080312G Bangladesh, Independent Bangladesh
バングラデシュ,ADBの支援で,3つの発電所建設へ
Govt to seek ADB funds for three power units
http://www.independent-bangladesh.com/200803113004/business/govt-to-seek-adb-funds-for-three-power-units.html


2009年6月9日分 ー カンボジアのセサンでベトナムが水力開発 ー

中国が,インターネットの特定サイト接続遮断のソフト搭載義務を検討していると言う(注)。その様なことが出来るのだろうか。物理的に特定のサイトを遮断することはパソコン側で出来るであろうが,時々刻々,サイトも動いている状態で難しいだろう。キーワード方式とすれば,如何にも不便なパソコンが出来上がりそうだ。思想面での逆行が目立つ中国だが,今日の話題のカンボジアでも,フンセン首相は強硬な手段を執っている。

カンボジアの西部は,中国企業が入ってダム開発を進めているが,これに国際環境グループに混ぜ返されたのでは,フンセン首相の面目が立たないと言うことか,NGOを規制する決断をしたのは,つい最近である。日本の資金や世界銀行の資金ではそうは行かないが,中国資金やベトナム資金でダムを建設する分には,このフンセン首相の決断も通用しそうだ。

中国は,カンボジア西部のダム開発には手を出すが,東部,特に上流がベトナムに達する河川については,殆ど手を付けていない。ベトナムとしては,この地域のダム開発を放置しておく訳にはいかないのだろう。セサン川の最下流,スレポック川との合流点から15km下流にダムを建設,480MWを発電する,総事業費662百万ドル,セサン下流第2水力プロジェクトを,2010年にも着工し,2015年頃運転開始にこぎ着けるという。

私は,中国がカンボジアのシハヌークビルの港からラオスへ経由して雲南省に至るエネルギールートを,その考え方の根底には持っていると思うが,今のところ,カンボジアそのものへの進出は激しくても,カンボジアとラオスの国境を標的にした中国プロジェクトは動いていないと思う。その点で,セサン下流まで降りてきたベトナムの開発陣は,その中国の意図に楔を打ち込んだように思える。

今日の記事でも,カンボジア政府のブナリットさんのコメントも出てきているが,カンボジアは大いにこの中国とベトナムのバランスを有効に使うべきだと思う。我々の庭のように仕事をさせてくれたカンボジアのエネルギー官僚達であるが,今や,中国,タイ,ベトナムと囲まれて,彼等にも熟練したエネルギー外交の手腕が必要になってきている。カンボジアのガスもこれからの地域の大きな問題だ。

(注) http://www.chosunonline.com/news/20090609000025

本文

●カンボジアのセサン水力で地元住民などが反対運動

The Lower Sesan 2 hydropower dam is to begin construction in 2010, but a new report and community video highlight its potentially deleterious effects on local communities. GROUND has not yet been broken on the Lower Sesan 2 dam - Cambodia's largest planned hydropower project - but already the dam is casting a shadow upstream and downstream from the proposed site, with villagers claiming they will face social and environmental upheaval as a result of the project.

カンボジアの西部では,中国企業による水力開発が進んでおり,フンセン首相も,国際環境グループの入国は許さない,と開発に本腰を入れてきている。長い間,プノンペンのディーゼル発電による高い電気料に泣いてきたカンボジアにも,電力の全国展開と電気料金の正常化へ,道が付きつつある,と思って見ているが,問題は,メコン本流の含めたカンボジア東部の大河川の開発である。

さすがに,中国企業はこのベトナム国境付近の川までは進出していないようであるが,果たしてベトナムだけの協力で,セサン川の開発が出来るのであろうか,と懸念してきた。今日の記事によると,ベトナムのEVNが開発の主体で活躍しているようで,その下でPC1が調査を行っているようだ。記事によると,セサン下流第2ダム(注6)は,2010年にも着工の報告で進んでいる。

セサン下流第2ダム(注6)のプロジェクトは,ダム位置がスタントレン県(注8)のセサン地区(注9)のセサン川(注16)に計画されており,スレポック川(注15)とセサン川(注16)の合流点の下流,15kmの位置にある。最大出力は480MW,事業費は,662百万ドルである。ちょっと大袈裟だが,漁業の影響を受ける人口は7,8000人,影響を受ける森林は365kmとある。水没移住は,5〜7村落とされている。

全体の記事の書き方から見ると,EVNによる開発で,大きくベトナムへの送電を見込んだものであろう,カンボジア政府の姿勢は,ベトナム任せ,という感じである。EVNの副総裁(注24)はこの段階でのコメントを断っており,カンボジアのメコン河国内委員会(注25)は,完全な環境調査を要請しているとし,ブンナリット本省次官補(注26)は,ベトナムのPC1(注27)が,現在環境調査を行っている,と話している。

環境グループでは,IRのミドルトン氏(注24)の発言があり,地元住民が生活状態を撮影した20分のビデオを,ベトナム大使館や,カンボジア政府に上げて,完全な調査と情報公開,公正な補償を要求する行動を行っているようだ。

(注)A (1) 090609A Cambodia, phnompenhpost,(2) title: Villagers, activists criticise Sesan hydropower project,(3) http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009060826335/National-news/Villagers-activists-criticise-Sesan-hydropower-project.html,(4) Written by Sam Rith and Sebastian Strangio,Monday, 08 June 2009,(5) Photo by: DANIEL LANCTOT,(6) 480MW Lower Sesan 2 hydropower dam,(7) Sesan River,(8) Stung Treng province,(9) Sesan district,(10) Ratanakkiri,(11) Sre Kor village,(12) Vietnamese Embassy in Phnom Penh,(13) Kbal Romeas village,(14) Rivers Coalition in Cambodia,(15) Srepok river,(16) Sesan river,(17) Mekong River Basin,(18) Tonle Sap Lake,(19) Vietnam's Mekong Delta,(20) Tep Bunnarith, executive director of the Culture and Environment Preservation Association,(21) 720-megawatt Yali Falls dam,(22) Gia Lai province,(23) EVN,(24) Carl Middleton, Mekong Program Coordinator of International Rivers,(24) EVN Vice President Lam Du Son,(25) Pich Dun, secretary general of the Cambodia National Mekong Committee,(26) Bun Narith, deputy general director of the Department of Energy at the Ministry of Industry, Mines and Energy,(27) Power Engineering Consulting Joint-Stock Company 1,(28) RCC report,(29) Environmental Management Plan,(30) photo source: http://birdlifeindochina.org/birdlife/report_pdfs/Babbler%2026.pdf,(31)

今日の参考資料

●090609A Cambodia, phnompenhpost
カンボジアのセサン水力で地元住民などが反対運動
Villagers, activists criticise Sesan hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090609A.htm

http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009060826335/National-news/Villagers-activists-criticise-Sesan-hydropower-project.html

最近の関連資料

●080918B Cambodia, insurancenewsnet
カンボジア,7つの水力開発のため,1.14 billion ドル必要
Cambodia needs 1.14 bln USD to develop 7 hydropower projects
http://insurancenewsnet.com/article.asp?n=1&neID=20080916375.4_23930029057986ca
●080814C China, xinhuanet
中国企業,カンボジアのダムの可能性調査を実施へ
Chinese company to conduct feasibility study on dams in Cambodia
http://news.xinhuanet.com/english/2008-08/14/content_9289139.htm
●080323E Cambodia,
水力開発で政府は沸き立っているが,NGOなど環境を懸念
DEVELOPMENT-CAMBODIA: Bowing to Regional Hydropower Demands
http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=41678
●080130H Cambodia, The Nation
カンボジア最大の水力開発,住民に大きな脅威
Cambodia's biggest hydropower dams serious threats to people
http://nationmultimedia.com/2008/01/28/regional/regional_30063685.php



2009年6月8日分 ー パキスタンはインド水問題で原爆を示唆 ー

北朝鮮の核問題が緊張している。韓国がミサイル基地を攻撃,米国はテロ国家再指定も,などの文字が躍っている。北朝鮮の核容認は米国としても放置するわけには行かない,との思いなのだろう。でも,何が起こっても,北朝鮮は核は放棄しないだろう。パキスタンの核をどうするのか,イスラム過激派とのパキスタン内部の紛争で,その管理も危ぶまれる状態である。

前のブット首相も,パキスタンの核がどうなっているのか,知らされていなかったという。ムシャラフ大統領在任中は,米国もある程度は安心していただろうが,タリバン情勢も含めて,パキスタンの治安は格段に悪くなってきた。パキスタンの核は,インドとの対抗上,元々中国が与えたものだ,と書いてある記事もあるが,もしパキスタンの軍部が,タリバン討伐で一枚にならなければ,核拡散の危険を孕んでいるという。

今日の記事の中で,モスレムの政治団と思われるが,その総裁が演説の中で,インダス上流のニールム川のインドのプロジェクト,キシャンガンガ水力をインドが推進するならば,核使用の場面が考えられる,それほど水はパキスタンに取り重要で,特にニールム川はパキスタンの頸動脈みたいなもので,それをガンジス水系に分流されることは,パキスタンの砂漠化を招く,と危機感を露わにしている。インドの工事はどんどん進んでいる。

日中間の閣僚級によるハイレベル経済対話が東京で進んでいる(注1)。アジア途上国支援で協力する,との項目が入っているが,国際協力銀行(JBIC)と中国輸出入銀行が,インフラ整備を受注する日中の企業に輸出信用を供与し,援助国の企業に対しては融資する,と書かれており,単なる題目でなく,2つの銀行が協力するケースが実際に出てくると,どの様な場面なのか,大いに関心がある。

今の日本の問題としては,1998年を思い出す官民の協力が進んでいる(注2)。この記事の中に出てくる上水道事業について,日本の国内に何らかの動きが出てきたことが感じられる。東南アジアの上水道の民営化に伴って,日本は遅れており,欧州勢などに先を譲っている。日本の場合は,実際に技術を持っているのは地方自治体であり,これからの海外進出に,一工夫が求められている。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906080059a.nwc
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906080040a.nwc

本文

●パキスタンのモスレム代表がインドの水問題で原爆戦争になりかねない

The water dispute between India and Pakistan could trigger a nuclear war between both countries, Nazria Pakistan Trust Chairman Majid Nizami has said. Addressing delegates at the foundation stone laying ceremony of Aiwan-e-Quaid-e-Azam at Johar Town, Nizami blamed India for cutting off important water supply routes to Pakistan by constructing dams on rivers in Kashmir.

パキスタンのこの,「ナズリア・パキスタン・トラスト」,NNPT(注5)と言うのがどの様な団体なのか,よく分からないが,少し過激なイスラムを代表する団体なのだろう,と想像できる。改めて,インドとパキスタンのインダス河の水問題で,原子爆弾を持ち出す過激な発言である。このNNPTのニザミ総裁(注5)は,カシミール(注7)でのインドによる水源カットは,原爆戦争の引き金になる,とある地鎮祭(注6)の演説で,叫んだ。

ニザミ総裁(注5)によると,カシミールはパキスタンの頸動脈であり,神がその開発を許していない,このままでは,10年から15年先には,砂漠になってしまう,原爆を使うとい意志を明確にすべきだ,と。また,パキスタンの原爆管理に疑問を投げかけている,米国,インド,イスラエルは,まさにパキスタンに対する三国同盟であると。

パキスタンは,ニールム川に於けるインドのキシャンガンガ水力(注9)の建設に反対してきた。パキスタンに言わせると,キシャンガンガ水力(注9)は,1960年のインダス水条約(注11)違反で,完成後は,27%の水が失われると。下流ではパキスタンによる,16億ドル,969MWのニールム-ジェルム水力(注12)が推進中でリ,コンプロジェクトは成り立たなくなると。

このインドのキシャンガンガ水力(注9)は,ニールム川(注10)の水を,22kmのトンネルで,ジャム・カシミール(注14)のウラー湖(注13)に分流する計画で,22kmのトンネル工事は,殆ど完成している。

(注)A (1) 090608A Pakistan, sindhtoday,(2) title: Indo-Pak water dispute could trigger a nuclear war Nizami,(3) http://www.sindhtoday.net/news/1/18372.htm,(4) June 7th, 2009 SindhToday,Lahore, Jun.7 (ANI),(5) Nazria Pakistan Trust Chairman Majid Nizami,(6) Aiwan-e-Quaid-e-Azam at Johar Town,(7) Kashmir,(8) nuclear assets,(9) Kishanganga hydropower project,(10) Neelum river, (11) 1960 Indus Waters Treaty,(12) Neelum-Jehlum hydropower project,(13) Wullar Lake,(14) Jammu and Kashmir,(15)

今日の参考資料

●090608A Pakistan, sindhtoday
パキスタンのモスレム代表がインドの水問題で原爆戦争になりかねない
Indo-Pak water dispute could trigger a nuclear war Nizami
http://my.reset.jp/adachihayao/index090608A.htm

http://www.sindhtoday.net/news/1/18372.htm

最近の関連資料

●090510C Pakistan, nation.com
パキスタンはインドのインダス上流開発で世界銀行に訴え
Pakistan to take up water issue with WB
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510C.htm
●090428C Pakistan, dailytimes
パキスタンのニールムジェルム水力にIDBが融資へ
Pakistan, IDB likely to finalise 3-year financial package worth $577m
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428C.htm
●090418B Pakistan, greaterkashmir
パキスタンはジェルム川の分水問題で国際調停へ
Pak to move ICA against Jhelum diversion
http://my.reset.jp/adachihayao/index090418B.htm
●081213B Pakistan, pakobserver
ニールムジェールム水力,中東から775百万ドル
Neelum-Jhelum project Kuwait, S Arabia, Abu Dhabi ensure $ 775m funding
http://my.reset.jp/adachihayao/index081213B.htm
●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://my.reset.jp/adachihayao/index090210B.htm
●081227A India, dailytimes
インドの閣議,キシャンガンガ水力,承認,パキスタン紙
Indian cabinet okays Kishanganga project
http://my.reset.jp/adachihayao/index081227A.htm


2009年6月7日分 ー ネパールの政治混乱とインド企業の動き ー

ネパールの政治情勢は17時間前の報道である(注1)。首相を辞任してマオイストの首領に戻ったプラチャンダーは,当初,政治の舞台には残る,と宣言している。新しい首相に指名されたマダブ・ネパール首相は,懸命に組閣に取り組んでいるが,どうも思うようにいかないようだ。私は,ネパールの政治の問題はただ一つ,マオイストの武装グループ約2万人をどうするか,これしかないと思う。

マオイストは,首都カトマンズでのデモを激化させ,全国の幹線道路を封鎖する行為に出ている。ネパールは全く元の木阿弥ではないか。どうして大統領は参謀総長人事に口を出したのだろう,その結果がこうなると言うことは,外から見ている我々だって,容易に推測が付く。ネパールの将来や人類最後の戦いであるその水資源開発,など何も考えていない,ただ権力闘争だけだ。

マオイストの武装勢力が,まだ撤収されていない武器を再び取り上げて,地方に散開すれば,とても水力開発は無理である。既にインド企業は,開発のために位置に着いている。GMR(注10)は,300MWのアッパーカルナリ水力(注13),SJVN(注12)は,402MWのアルン第3水力(注14)を手がけ,L&T(注16)とLI(注17)は,オーストラリアのSMECと共に,750MWのウエストセティ水力(注15)を推進中である。

そこに新たに,ハイデラバード籍のPES(注5)が,カルナリ川(注8),110MWのプルコット・カルナリ水力(注7)の測量認可を得て,開発の糸口を付けた。また,ネパール西端の750MWのウエストセティ水力(注15)について,ADBが融資を容易にするために,社会環境などに関する専門家パネルの設置を決めて,動き出す気配が濃厚だ。その時に,マオイストが動き出すようでは,人類にとって誠に残念な情勢である。

中国は,太陽光発電は高いので機器生産輸出だけ,風力開発には力を入れる,と言ってきたが,今日の報道(注2)では,10兆円相当を投入して2020年には現在の8倍の容量の,100,000MWにする計画という。そこまで行くと,どの様にして不安定な出力を吸収して行くのか,系統上なかなか大変だと思う。そこまでの規模を考えるなら,揚水も有効かも知れない。温暖化ガス抑制の国際圧力への攻撃準備か。

一方でEUは,途上国への温暖化対策支援で,先進国は毎年13兆円の支出を強いられるだろうと試算している(注3)。今朝の朝日新聞では,2009年12月のコペンハーゲンで開く国連気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)では,日本は,森林吸収と排出権獲得を除いて,1990年比7%で行くと決断したようだ。電力会社が頑張って原子力の稼働率を上げる努力で,殆どカバーできる範囲ではないか。

(注1) http://www.asahi.com/international/update/0606/TKY200906060176.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090607AT2M0503R06062009.html
(注3) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090607AT2M0600B06062009.html

本文

●ネパール西部の750MWウエストセティ水力でパネル設置

The government and the Asian Development Bank have established an “Independent Expert Group” for independent monitoring of the 750 MW West Seti Project. The group consists of local experts picked from social, environmental and hydropower fields.

昨年,2008年7月22日,ネパール国会が誰を首相に選出するか,毛派のプラチャンダーが首相になるかどうか,関心を持って見守っていた時期に,インドの開発男,ラメシュ副大臣が,この750MWのウエストセティ水力(注7)を念頭に,インドとネパールはウインウインの関係にしたいと発言して,ウエストセティ水力(注7)の進捗を促しているが,この時点では,ADB(注5)が支援するかどうか,心配されていた。

また,昨年,2008年9月10日の時点では,ネパール国会がインドへの電力輸出は憲法違反ではないか,と疑問を投げかけたのにタイして,最高裁判所が,水を売るわけではない,電気を売るのだ,と名裁判を行って,裁定している。このプロジェクトは,オーストラリアのSMEC(注)が進めているもので,住民の移住をともないことから,内外のNGOの間で議論が起きている。

今日の記事では,ネパール政府とADB(注5)が,社会,環境,水力の専門家グループIEG(注6)を組織して,現在問題となっている社会環境的諸問題に,独立の立場から評価を下そうとするもので,ADB(注5)が一歩前面に出てきた,と言うところか。専門家は3人で,パント博士他(注8〜10),3人が指名されている。

(注)A (1) 090607A Nepal, myrepublica,(2) title: Experts for West Seti,(3) http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=5861,(4) REPUBLICA,Published on 2009-06-04 19:56:49,KATHMANDU, June 4,(5) Asian Development Bank (ADB),(6) Independent Expert Group,(7) 750 MW West Seti Project,(8) Dr Hemraj Pant,(9) Dr Haridatta Lekhak,(10) Kirtichnadra Thakur,(11) Snowy Mountaineering Engineering Project (SMEC),(12) Seti river,(13).

今日の参考資料

●090607A Nepal, myrepublica
ネパール西部の750MWウエストセティ水力でパネル設置
Experts for West Seti
http://my.reset.jp/adachihayao/index090607A.htm

http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=5861

最近の関連資料

●080910B Nepal, nepalnews
West Seti 水力,750MW,議会の3分の2承認は必要ない
‘No need for two-third majority in parliament on West Seti’
http://www.nepalnews.com/archive/2008/sep/sep10/news01.php
●080722A Nepal, steelguru
75万KW,ウエストセティ水力,いよいよ動くか
Global collaborations get Nepal hydel power project rolling
http://steelguru.com/news/index/2008/07/22/NTU2NTA%3D/Global_collaborations_get_Nepal_hydel_power_project_rolling.htm


●ネパールの水力開発にインド企業4番手が110MWプロジェクトに名乗り

Hyderabad-based PES Engineers has become the fourth Indian company to enter Nepal's hydropower sector, bagging the survey licence for a 110-MW project in remote Kalikot district. The 28-year-old company with an asset base of Rs.27.8 crore (Rs.278 million/$5.9 million) and specialisation in hydro-electric, thermal and nuclear plants has been given the nod to develop the Phulkot Karnali power project on the Karnali river.

ネパールの政治的混乱が続く中,勇敢にインド企業が,人類最後の戦い,ネパールの水力開発に更に参入してきた。インドのハイデラバード籍のPES(注5)が,カルナリ川(注8),110MWのプルコット・カルナリ水力(注7)の測量認可を得て,開発の糸口を付けた。PES(注5)は現在,ウッタランチャルの5億ルピー,ビラヒ・ガンガ水力(注9)を開発中である。

ネパール水資源省から認可を得たPES(注5)は,インド企業としてネパール水力参入は第3番目で,GMR(注10)は,300MWのアッパーカルナリ水力(注13),SJVN(注12)は,402MWのアルン第3水力(注14)を手がけ,L&T(注16)とLI(注17)は,オーストラリアのSMECと共に,750MWのウエストセティ水力(注15)を推進中である。

また他に,ビルワラ(注18)は,バジュハン地区の100MWのセティ水力(注19),パイオニア(注20)は,58MWのセティ・ナディ水力を,それぞれ視野に入れており,IL&FS(注11)は,4つのプロジェクト,ミャジ(注28)の17MWのガレスボール・ベニ水力(注22),27MWのミャジ第2水力(注23),12MWのパタンコーラ水力(注24)(ダルチュラ地区),67MWのカリガンダキ-タイプリアン水力(注25)を,地元企業と準備中である。

(注)B (1) 090607B Nepal, samaylive,(2) title: Another Indian company wins hydropower contract in Nepal,(3) http://www.samaylive.com/news/another-indian-company-wins-hydropower-contract-in-nepal/631736.html,(4) (Source: IANS),Published: Wed, 03 Jun 2009 at 15:33 IST,F Prev Next LBy Sudeshna Sarkar,Kathmandu,(5) PES Engineers,(6) Kalikot district,(7) 110MW Phulkot Karnali power project,(8) Karnali river,(9) Birahi Ganga Hydro project in Uttaranchal,(10) GMR,(11) Infrastructure Leasing and Financial Services (IL&FS),(12) Satluj Jal Vidyut Nigam (SJVN),(13) 300-MW Upper Karnali project,(14) 402-MW Arun III project,(15) 750-MW West Seti project,(16) Larsen and Toubro (L&T),(17) Lanco Infratech (LI),(18) Bhilwara Energy,(19) 100-MW Seti project in remote Bajhang district,(20) Pioneer Genco Ltd,(21) 58-MW Seti Nadi project,(22) 17-MW Galeswor-Beni project,(23) 27-MW Myagdi-2 project,(24) 12-MW Phatankhola project,(25) 67-MW Kaligandaki-Typlian project,(26) Phatankhola,(27) Darchula district,(28) Myagdi,(29)

今日の参考資料

●090607B Nepal, samaylive
ネパールの水力開発にインド企業4番手が110MWプロジェクトに名乗り
Another Indian company wins hydropower contract in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090607B.htm

http://www.samaylive.com/news/another-indian-company-wins-hydropower-contract-in-nepal/631736.html

最近の関連資料

●090401B Nepal, uk.reuters
ネパールの水力開発でダハール首相がインドが鍵を握っている
India key to Nepali hydropower ambition, PM says
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401B.htm
●090220C Nepal, thaindian.com
ネパールのアッパーカルナリの工事がGMRで再開
GMR trouble in Nepal resolved Menon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220C.htm
●090127B Nepal, thehimalayantimes
ネパール,100MW水力開発で,新基準を適用
New guidelines in place for 100 MW hydel project licences
http://my.reset.jp/adachihayao/index090127B.htm
●090126D Nepal, nepalmonitor
ネパールの水力開発には外国資本が必須
FDI in Nepal’s Hydropower Sector: A Focus on the Product
http://my.reset.jp/adachihayao/index090126D.htm
●081127B Nepal, thehimalayantimes
今日,ネパールとインドの総括協議,画期的な取り決めへ
Bilateral nod to update extradition treaty
http://my.reset.jp/adachihayao/index081127B.htm
●081125B Nepal, nepalnews
ネパール,民間資本,水力開発促進のための施策を要請
Govt must be clear on harnessing hydropower: Private sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125B.htm


2009年6月6日分 ー ベトナムの電力規制改革の乱れが問題 ー

知的送電網,スマートグリッドについては,先日も国内の離島で補助金を得て電力会社が実験を行う,と報道されたが,今日の報道では,米国のニューメキシコ州内の1,000世帯規模で実験を行い,日本の日立と東芝が,20〜30億円の日本政府補助金で参加すると報じられている(注1)。記事では,「自然エネルギーが使いやすくなる知的送電網,スートグリッド」,と定義付けしている。情報とバッテリーがキーワードか。

ベトナムの電力の記事は,本当に頼りない。送電線や水力発電所を造らせれば,右に出るものはいないのに,改革や組織論になると,新聞記事も実に頼りない。タイやフィリッピンの記事はしっかりしているし,少なくとも英語表現や立法の世界では,フィリッピンは一流である。今日の記事のような馬鹿なことは,ベトナムだけだろう。電力損失の中に,末端の配電は入ってなかった,なんだ,そんなことでどうする,という感じ。

特に困るのは,政府と国家電力公社EVNが常に対立関係にあることだ。EVNは,電気料金を低く規制された上に,高いIPPの電気を強制的に買わされる,政府の補助金があるのだろうが,必ずしも理屈に沿って補助されているわけではなさそうで,EVNは常に反抗している。EVNを組織したときはその様な情勢は予想されていなかった。問題はやはり,IPPが参入してきた際の仕分けにあったのだろう。

日本政府も,円借款を中心に随分EVNの電源開発を支えてきたし,最初のうちは,電源開発計画など,JICAの支援が行われていた。電力改革という面ではADBや世界銀行が主導権をとるべきであろうが,円借款と一緒になった新しいJICAは,EVNの組織論も含めた,ベトナムの電力改革へ,大いに介入して行くべきだろう。

日本政府は,2020年までの温暖化ガス削減目標について,2005年比14%減の方向で調整に入ったと言う(注2)。出来るかどうか分からないが,中国や米国を土俵に上げるために,やむを得ないと言う。日本の温暖化ガスの大部分は,電力会社がその根元を握っている。電力会社が原子力の稼働率を,現状の60%から90%に上げるだけで,かなりの目標が達成できる。政府はそこに目を向けるべきだろう。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090606AT1D0506J05062009.html
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906060101a.nwc

本文

●ベトナムは260MWのチュンソン水力で環境モニター

Trung Son Hydropower Project Management Board invites expressions of interest from consultants to provide independent environmental monitoring of resettlement for the 260-MW Trung Son hydroelectric project on Vietnam’s Ma River. Responses are due June 20, 2009.

ベトナム北部のタインホア県(注8)に流れ出るマ川(注6),その上流に,260MWのチュンソン水力プロジェクト(注5)の工事が進捗中である。このタインホア県(注8)では,14の水力発電所を推進中,という記事は最近出ていた。このチュンソン水力プロジェクト(注5)の建設本部(注4)が,移住環境に関する中立の専門家を募集している。募集期限は,2009年6月20日である。

このプロジェクト建設本部(注4)は,既に前回,アクセス道路と橋梁の社会環境移住関連の専門家を,既に雇用している。世界銀行は,この386百万ドルのチュンソン水力プロジェクト(注5)に対して,330百万ドルの融資を検討中で,56百万ドルは,EVN(注9)が準備する。チュンソン水力プロジェクト(注5)は,出力が260MW,ダムの高さが88m,年間発生電力が,10.55億KWhである。

チュンソン水力プロジェクト(注5)が求めている独立した専門家の業務範囲は,環境マネージメント計画(注11)との整合のモニターと,環境緩方法(注12)の効果の証明である。応募先は,チャンバンホアン氏(注10)である。期限は6月20日。

(注)A (1) 090606A Vietnam, hydroworld,(2) Vietnam seeks environmental monitoring for 260-MW Trung Son,(3) http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/0966878854/s-articles/s-hrhrw/s-tendersandnotices/s-tenders/s-vietnam-seeks_environmental.html,(4) Trung Son Hydropower Project Management Board,(5) 260-MW Trung Son hydroelectric project,(6) Ma River,(7) World Bank,(8) Trung Son in Thanh Hoa Province,(9) Electricity of Vietnam (EVN),(10) Tran Van Hoan, Economic-Planning Department, Trung Son Hydropower Project Management Board, 25 Quang Trung St., Ngoc Trao Ward, Thanh Hoa 44000 Thanh Hoa Province, Vietnam; (84) 37-2480039; Cell: (84) 913-054718; Fax: (84) 37-3726335; E-mail: tranhoanatd2@gmail.com, P2.trungson@gmail.com,(11) environmental management plan,(12) mitigation measures,(13)

今日の参考資料

●090606A Vietnam, hydroworld
ベトナムは260MWのチュンソン水力で環境モニター
Vietnam seeks environmental monitoring for 260-MW Trung Son

http://my.reset.jp/adachihayao/index090606A.htm
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/0966878854/s-articles/s-hrhrw/s-tendersandnotices/s-tenders/s-vietnam-seeks_environmental.html

最近の関連資料

●090418A Vietnam, vietnamnews
ベトナム北部のバンチャット水力へ153百万ドル調達
EVN gets $153m for hydro-electric plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090418A.htm
●090212A Vietnam, vietnamnews
ベトナム,首相が水力など再生可能エネルギーの促進へ
PM approves renewable energy, power projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090212A.htm
●081119A Vietnam, vnbusinessnews
EVN,主要な水力プロジェクトは,2008年内に終了
Major power projects almost done
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119A.htm


●ベトナムのEVNは許容損失を8%から9%に上げることを示唆

The Electricity of Vietnam (EVN) has presented a plan on minimising the electricity loss rate. However, what surprises everyone is that EVN is seeking permission to raise the rate to 9% from 8%. In 2005-2006, after realising that the electricity loss rate during transmission was overly high, the government asked EVN to apply necessary measures to reduce the rate to one digit.

ベトナムの電力は,水力発電所の建設など,どんどん進めて活気があるが,これが法制度など統制面からは穴だらけで,フィリッピンやタイなどの電力制度を見ていると,全くの発展途上国で,日本政府などはこの分野に少し支援の手を伸ばしてはどうかと思う。強力な電源開発の主体として組織されたEVN(注5)が反抗的で,なかなかまとまっていない。今日も電力損失の問題で,EVN(注5)が笑いものになっている。

電力損失を法規で規制することは困難であるが,底に,首相府令(注7)があるのがベトナムらしい。首相府令(注7)では電力損失を8%以下,としているのも係わらず,EVN(注5)が勝手に9%に上げた,というのである。2005〜2006年には損失が大きく,政府は一桁にするようEVN(注5)に指示した。2006年には例の首相府令(注7)で8%が出された。

先週,2009年5月末に至って,産業通商省MIT(注8)は,急遽,2010年の目標を9%と発表したのである。現在のベトナムの供給力は,運転可能ベースで,14,500MWであるが,特に乾期は需給が間に合っていなく,常に停電しているが,2008年の電力損失は9.8%で,1200MWのホアビン発電所(注9)分に匹敵する。EVN(注5)は努力している,と言っており,2000年には145%であった,としている。

それでも,マレーシアやタイの6%,シンガポールの3%に比べると高い。産業通商省MIT(注8)内の規制委員会ERA(注10)は,EVN(注5)が十分な資料を出してこない,と不満がある。ここで問題となったのが,EVN(注5)の今までの損失統計の数字が,卸売りまでで,小売り段階のものが入っていない,と言うことが明らかになった,これでは眞の損失とは言えない,と関係者をあきれさせている。

EVN(注5)側は,5,000の町村と700万の世帯をそうやって管理するのか,と言っている。この末端では損失は25%に達する,とまで言っている。EVN(注5)が,末端での損失軽減対策を全く行っていないことに,批判が渦巻いている。

(注)B (1) 090606B Vietnam, english.vietnamnet,(2) title: EVN suggests raising permissible electricity loss rate,(3) http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/05/848280/,(4) 17:24' 18/05/2009 (GMT+7),VietNamNet Bridge,VietNamNet/VnMedia,(5) Electricity of Vietnam (EVN),(6) electricity loss rate,(7) Prime Minister’s Decision No 276,(8) Ministry of Industry and Trade,(9) 1,200 MW Hoa Binh Hydropower Plant.,(10) Electricity Regulartory Authority,(11) Dao Minh Hien, Head of the Planning and Supply-Demand Supervision Division
under the Electricity Regulatory Authority
,(12) Le Van Chuyen, Deputy Head of the Business and Power Development in Rural Areas under EVN

今日の参考資料

●090606B Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムのEVNは許容損失を8%から9%に上げることを示唆
EVN suggests raising permissible electricity loss rate
http://my.reset.jp/adachihayao/index090606B.htm

http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/05/848280/

最近の関連資料

●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304A.htm
●090225B Vietnam, english.vietnamnet.
ベトナムの電力改革でEVNは反対の立場を表明
EVN does not want reform
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225B.htm
●090106J Vietnam, english.vietnamnet
ベトナム,電気料金値上げ案,政府へ提出
Electricity price increase plan submitted to Government
http://my.reset.jp/adachihayao/index090106J.htm
●081207A Vietnam, thanhniennews
ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図
Ministry eyes comprehensive power sector reform
http://my.reset.jp/adachihayao/index081207A.htm
●081203A Vietnam,english.vietnamnet
ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案
CBP scheme to be applied for electricity pricing
http://my.reset.jp/adachihayao/index081203A.htm


●ベトナム中部のクアンナムのプロジェクトで中国人労務者300人

More than 300 unskilled Chinese workers are being employed on two power plant construction projects in the central province of Quang Nam, an inspectorate chief said Tuesday.

ベトナム中部での二つの発電所プロジェクトで,未熟練の中国人労務者が,300人以上働いていることが明らかになり,問題になっている。ビザの問題である。ただ,中国人は優秀で,未熟練労務者と言えども,大いに役立っている,と担当者達は評価している。最盛期には,500人から600人に達し,工事でも中国人が主力をなしているという。

ベトナム中部のクワンナム県(注5)の二つの発電所,ドンギアン地区のコン川水力プロジェクト(注6)の196人,ノンソン地区のノンソン火力プロジェクト(注7)の110人,などである。

(注)C (1) 090606C Vietnam, thanhniennews,(2) title: Quang Nam projects employ 300 Chinese laborers,(3) http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=49237,(4) Reported by Ho Trong,(5) Quang Nam province,(6) Kon River hydropower project in Dong Giang District,(7) Nong Son thermo-electricity plant in Nong Son District,(8)

今日の参考資料

●090606C Vietnam, thanhniennews
ベトナム中部のクアンナムのプロジェクトで中国人労務者300人
Quang Nam projects employ 300 Chinese laborers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090606C.htm

http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=49237



2009年6月5日分 ー ミャンマーのガスと水力で中国が内戦懸念 ー

中国がミャンマーの水力開発を支援し,天然ガスのパイプラインを,ミャンマー南西部沖から,長躯,昆明まで敷設し,更に中東からの石油ガスを,ミャンマー沖に陸揚げして,昆明まで運ぶ構想について,ミャンマーの政治的安定をどの様に担保するのだろうか,大きな関心を持ってみているが,今日のアジアタイムスの記事は,中国が今やまさに崖の縁に手がかかっている状態ではないか,とまで考えられる。

問題は,北のカチン族と東のワ族である。特にワ族は,ワ族国民民主戦線UWSAを組織して,2万5千の武装兵員を擁していると言う。現状は,各地区とも停戦を合意した状態が続いているが,ミャンマーの軍事政権は,2010年にも全国の民主化選挙を予定しており,現在,各地区の軍司令官が,少数民族の武装グループと交渉を行っている。

2009年4月28日,軍事政権の出した条件は二つのいずれかで,一つは,武装グループをミャンマー正規軍に入れて国境警備に当たらせる,もう一つは,長老を引退させた上で政党を組織して選挙に参加させる,と言うことであり,回答期限を6月末としていたが,5月20日に至り,ワ族側から拒否されたようだ。彼等はあくまで政治的な独立を望んでいるという。

中国は難しい立場にあって,1989年のミャンマー共産党崩壊時,歴史的に国境の少数民族を支援しており,ワ族などは,地対空ミサイルは勿論,130mm砲まで持っていると言うし,中国人民解放軍が,兵員の訓練に当たっているという。中国は誠に難しい立場にあるが,クリントン国務長官がこの2月に,ミャンマー政策の見直し発言をしたことから,米国のこれからの動きを注視しているという。

中国は,北朝鮮と言い,ミャンマーと言い,本当にだだっ子のような国々を抱えて,悩みが尽きないことだろうと思う。それにしても,ミャンマー縦断ガスパイプラインは,世界のエネルギーの流れに大きく影響するプロジェクトであり,ミャンマーの行く末を図らずに進める中国も大変だが,どうも私の勘としては,スーチー女史偏重の西欧の考え方が,変更されるような予感がする。そうでないと,日本も米国もミャンマーに手も足も出ない。

本文

●ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある

しかし考えてみたら,中国も米国と同様に,だだっ子政府を抱えて大変だ,と言うことがよく分かる。北朝鮮とミャンマーである。ミャンマーについては,まさに政権がいつ転ぶか分からない状態で,よくここまでお金がつぎ込めるものだ。目的は,ミャンマーの西南沖からのガスパイプラインであるが,果たして反政府グループを抱える北部,東部を乗り切って,パイプラインが通るものであろうか,随分勇敢な決断だと思ってみている。

今日の記事。世界がスーチー女史(注5)で騒いでいる中,北部,中国との国境付近では,また別のドラマが進行している。停戦合意州数民族グループ(注6)に対して,2010年総選挙を控えて,ビルマ正規軍との間で厳しい交渉が展開している。スーチー女史(注5)の問題には黙視を続けている中国だが,この北部と東部の停戦合意州数民族グループ(注6)の問題を,中国は避けて通ることが出来ない。

2009年4月28日,ミャンマー正規軍の司令官達(注8,13)が手分けして,停戦合意州数民族グループ(注6)に交渉を持ちかけた。ミートキーナ(注7)では,独立カチンKI(注9)のリーダー達,KIO/A(注10),カチン国民民主戦線NDA-K(注11)と,またラシオ(注14)では,MNDAA(注15),NDAA-ESSであるが,最も重要な相手,シャン州(注21)の東部,タンギアン(注20)でのワ族のUWSA(注19)との会談であった。

いずれのグループも赤軍の将軍達から同じ二つの条件を突きつけられた。ミャンマー正規軍の下に入って国境警備につくか,長老達は引退の上政党を組織して2010年の総選挙に参加する,このどれかというわけである。赤軍の下に入るに当たっては武器リストの提出や大隊組織の中での将校の正規軍よりの派遣,など厳しい条件付きであった。回答期限は,2009年6月末とされていた。

2009年5月20日に至り,ワ族のUWSA(注19)から拒否の回答があり,他のグループもUWSA(注19)に倣う情勢にある。前の提案,武器放棄と和平の交換,という条件よりはよいが,十分でなく,まだ現在の停戦状態をこのまま続ける方がよい,と言うことである。2008年5月の国民投票による憲法では,ワ特別自治区(注24)が保証されているが,UWSA(注19)を完全には満足させていない。

カチンもワ族も,いずれも独立国並みの扱いを要求しており,武器を手放すことに同意できない,それは,木材,翡翠,宝石,麻薬,武器などの魅力ある取引を逃したくないからであろう。2万から2万5千の軍隊を有するそれぞれのグループは,兵員や武器の調達など,戦闘の準備に走っている情勢である。UWSAに至っては,地対空ミサイル(注30)から130ミリ砲(注34)の重装備で,中国人民解放軍PLA(注35)の訓練を受けている。

中国政府は,ミャンマー軍事政権の最大の支持者だが,一方で,少数派グループは,中国の支援なしでここまでの抵抗を続けることは出来ないはずだ。中国の少数派グループへの支援には歴史的な事情があり,1989年の内乱においてミャンマー共産党BCP(注38)が非合法化して地下に潜り,地方の独立派を形成した時期から始まっている。これは中国の武器援助だけでなく,道路,水力,農業への支援にまで繋がっている。

中国は,この少数派グループの麻薬生産と取引については取り締まることにしており,その結果,このミャンマー辺境から麻薬が,タイ,ラオス,カンボジア,更にはベトナムまで広がっていく原因となっている。中国政府は,共産党解体後は軍事政権の後ろ盾となって,国際的にも,国連の舞台などで,懸命にミャンマーをかばう立場になってきている。楊外相のミャンマー訪問で,中国がミャンマーの政治的安定を望む立場を表明している。

また,最近の動きで,中国は米国新政府の対ミャンマー政策の成り行きを注視しているという。クリントン国務長官が,2009年2月に,対ミャンマー政策を見直す,と発言していることである。従来までは,人道的立場から米国は北辺の少数民族を支援してきたが,中国は,バランスの問題から,やはり少数民族派を更に支援する必要が生じている。そこで問題になるのは,この北辺の麻薬取引の問題である。

中国の眞の目的は,2008年にインドを打ち負かして獲得した,ミャンマーの30年間のガス取引契約の維持にある。そこで中国がもっとも恐れるのは,ミャンマーでの内戦の再発である。今回のUWSA(注19)の政府提案拒否は,中国と協議がなされた気配はない。それ故にミャンマーの将軍達の頭痛の種となってきている。軍事政権側は,UWSA(注19)の司令部のある中国国境の町,パンサン(注53)で会談を申し入れている。

(注)A (1) 090605A Myanmar, atimes,(2) title: China drawn into Myanmar's border strife,(3) http://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/KE28Ae01.html,(4) By Brian McCartan,CHIANG MAI and BANGKOK, Thailand,(5) Nobel Peace Prize laureate Aung San Suu Kyiアウン・サン・スーチー。(6) ethnic ceasefire groups,(7) Myitkyinaミートキーナ,(8) Brigadier General Soe Win, the Northern Command commander,(9) Kachin Independenceカチン族,(10) Organization/Army (KIO/A),(11) National Democratic Army-Kachin (NDA-K).,(12) Shan State Army (North) (SSA-N)シャン族,(13) Major General Aung Than Htut, Northeastern Command commander,(14) Lashioラシオ,(15) Myanmar National Democratic Alliance Army (MNDAA)日本語,(16) Brigadier General Win Maung,(17) National Democratic Alliance Army (Eastern Shan State) (NDAA-ESS).国民民主戦線,(18) Lieutenant-General Ye Myint,(19) United Wa State Army (UWSA)ワ族,(20) Tangyan,(21) Shan Stateシャン州,(22) 2010 elections,(23) May 2008 referendum,住民投票,(24) Wa Self-Administered Divisionsワ特別自治区,(25) Bao Youxiang, chairman of the UWSA,(26) autonomous prefecture,(27) Wa government,(28) A Kachin State Progressive Party,(29) March 2008 Jane's Intelligence Review report,(30) anti-aircraft artillery,(31) surface-to-air missiles,(32) Chinese HN-5N.,(33) 120mm howitzers,(34) 130mm field artillery,(35) Chinese People's Liberation Army (PLA),(36) Lieutenant-General Khin Nyunt, the former spy chief and architect of the ceasefires,(37) Major General Kyaw Phyoe, the Golden Triangle commander in Myanmar's northeast,(38) Burmese Communist Party (BCP),(39) methamphetamines,(40) United Nations Security Council,(41) Chinese Foreign Minister Yang Jiechi,(42) Myanmar General Tin Aye,(43) PLA chief of staff Chen Bingde,(44) US Secretary of State Hillary Clinton,(45) George W Bush administration,(46) Shan Women's Action Network (SWAN),(47) Charm Tong, chairwoman of SWAN,(48) US Justice Department,(49) Wei Hsueh-Kang, perhaps Myanmar's most notorious drug trafficker,(50) oil and gas concession off Myanmar's southwestern coast,(51) Yunnan province,(52) Malacca Straits,(53) Panghsang,(54)
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今日の参考資料

●090605A Myanmar, atimes
ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある
China drawn into Myanmar's border strife
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

http://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/KE28Ae01.html

最近の関連資料

●090411C Myanmar, irrawaddy
ミャンマーのシャン州は不穏な空気が漂いつつある
Shan State ‘Extremely Unstable’ Researchers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090411C.htm
●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401A.htm
●081126B Myanmar, mmtimes
ミャンマー,シャン州のラシオ,観光客を惹き付けるか
Can Lashio draw tourists to Shan State
http://my.reset.jp/adachihayao/index081126B.htm


2009年6月2日 ー パキスタンへの対応を誤った米国 ー

このところ測量作業が続いて更新が出来ず,誠に申し訳ありません。一言だけ送らせて下さい。上のホームページには,パキスタンの北西辺境州,スワット渓谷のタリバンとの対決が,2分余りの動画でまとめられています,見て下さい。オバマ大統領は,クリントン国務長官を帯同して,サウジアラビア,エジプト,ドイツ,フランスの4カ国歴訪に向け,首都ワシントンを出発した。

皆さんも気が付いておられると思うが,オバマ大統領は,明らかに外交の始まりで躓いている。GMで忙しかったと言うこともあるが,素人から見ても,北朝鮮で機先を制することが出来なかった,出だしを誤らなければ,核実験を防ぐことが出来たかも知れない,そうして,核保有国とならなかったかも知れない,クリントン長官との連携も悪かった。

もう一つ誤ったのは,パキスタン情勢だ。ザルダリ大統領のタリバンとの不戦の約束を破らせて,パキスタンを混乱に陥れた。パキスタンは,これからアフガニスタンをコントロールするための重要な拠点として,ワシントンにザルダリ大統領を招いて,援助を約束し,日本政府もその支援に動くところだったが,JICA緒方理事長をして,私たちは中に入れませんから,と言わしめた。

宮崎正之氏のメルマガ(注)二もあるとおり,パキスタンに於ける中国の米国への協力が行われていない,インドとの関係からパキスタンの核は中国から支援されたとされている。パキスタンについて,米国はパキスタンが無政府状態の混沌にあり,ますます反米感情が激化していることに,コン亜はずではなかった,と衝撃を受けている,と宮崎氏の表現である。核兵器の管理が大きな懸念になってきている。

アジアのエネルギーにとってもパキスタンは重要な国であり,インドの水力開発も,中国やパキスタンとの連携なくして進まない。我々としても大いに気になるところだが,地球温暖化よりももっと緊急の問題,北朝鮮も含めた核の拡散の問題が,これからのオバマ大統領とクリントン長官の動きが大きな焦点となってきた,アジアのエネルギーと無縁の問題ではない。

(注) http://www.melma.com/backnumber_45206

関連記事

●090603A Pakistan, pakobserver
パキスタンのギラニ首相がカシミールが南アジア安定の鍵
Kashmir holds key to peace in S Asia PM
http://pakobserver.net/200906/03/news/topstories04.asp
●090524 Pakistan, dawn
パキスタンのアシュラフ大臣がカラバーダム放棄と
Kalabagh dam scrapped, says Pervez Ashraf
http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/news/pakistan/12-kalabagh-dam-scrapped-says-pervez-ashraf--bi-08
●090520 Pakistan, thenews
パキスタンのPEPCOが300MW新規電源投入
Pepco adds 300 MW to power grid
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=178578


2009年6月1日分 ー メコン河委員会が本流ダム開発に介入 ー

1989年6月4日,今から20年前のこの日は天安門事件が発生した日である。私は,1988年8月にJICAの専門員になっているので,このときのことは克明に覚えている。もう,中国の政治体制は崩壊する,という瀬戸際で,私もプロジェクトを一つ抱えていたが,棚上げとなり,テレビで成り行きを真剣に見つめていた。軍が二つに割れる可能性があって,内戦となる懸念が強かった。パナソニックが最後まで現地に踏みとどまったのが印象的。

更に印象が強いのは,民衆のデモが押さえ込まれて,中国はしばらく国際的な制裁の下にあったが,国際世論に抗して日本政府がいち早く制裁を解除した。1992年のベトナム制裁解除と併せて,日本政府の滅多に見られない決断力であった。天安門の制裁解除後,経済支援のミッションで最初に入ったのは,私たちの,通産-外務-JICAーOECFの電力調査団だったと思う。

空港に到着すると同時に,中国政府の関係者が駆けつけて,入国手続きから荷物の運搬まで,全部やってくれたことを思い出す。十三陵揚水,九江火力,天生橋水力,などが対象であったが,当時の中国の発電設備は,80,000MWで今の殆ど10分の一で,何としても日本の円借款が,電源開発のために必須であった。地方を回り,出国するまで,いいというのに,自分の荷物を持たせてもらえなかった。

それから中国の電源開発への大行進が始まったが,メコン上流のダム開発の初期には,円借款の要請がなされていた。今は,既にメコン上流に3つのダムが存在し,更に大貯水池を持つ小湾ダムが完成しつつある。この小湾ダムは,上下流が協力して運用すれば,メコン下流国の渇水期の流量を増やすことが出来る,と私は言い続けてきた。

今日のメコン河の記事は,メコン本流のダム開発について全く死に体であったメコン河委員会が,下流域での民間企業の活発な動きに,何らかの行動を起こさざるを得なくなって,バード事務局長のアナウンスとなったわけである。今問題になるのは,コーンの滝のドンサホン水力と,ビエンチャン上流の低ダム,1,200MWのサヤブリ水力である。この動きに,メコン河委員会は,直接検討に入るという。

これは,メコン下流国政府,タイ,カンボジア,ラオス,ベトナム,の首脳が適切な判断が出来るだけの資料を提供するため,としているが,こうなると,上流の中国のダムは除く,などと言ってはおれなくなる。当然,中国政府や中国企業との関係が必要となる。ランサン川は中国領内,と断言している中国との対話がどうなるか,関心のあるところである。中国は,水力は再生可能エネルギーとの声も大きくしている。

中国の水力を,温暖化ガス取引,CDMの対象にすることに,EUが反対しているが,国連は既に,250,000MWクラスの大水力をCDMプロジェクトとして承認している。今日の報道では,2008年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量取引額が,2007年の2倍,1,260億ドル,約12兆円相当,となったと報じている。2012年までの世界の取引炭酸ガスは16億トンとなり,日本が4億トンを買い取らなければならない,と予想されている(注)。

(注) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090601AT2M3000B01062009.html


本文

●メコン河委員会が上流も含めた本流ダム開発を検討へ

先日,2009年5月29日,報告したように,2009年6月4〜5日に,ベトナム南部のホーチミンでメコン電力サミット(注5)が,民間の主宰で,保池9ミンで開催されるが,その場で,1,200MWのサヤブリ水力(注17)の建設に関する民間からの提案というか,説明がなされる。このまま黙したままでは,まさにメコン河委員会MRC(注26)の存在意義が問われるところだ。

メコン河委員会MRC(注26)と言うのは,UNDPに支えられながら,中国とミャンマーを除く下流のメコン流域国,タイ,カンボジア,ラオス,ベトナムの4カ国によって組織された地域の国際機関である。歴史は古いが,カンボジアの復帰と同時に,1995年,改めて組織を固めて再発足している。その時に交わした同意書が,1995年メコン合意(注16)である。

その1995年メコン合意(注16)の中で,支流開発については単なる通知でよいが,本流開発と流域外への分流については,加盟国の間で協議を行う必要がある,と取り決めている。上流の中国領内のダム開発については,MRC(注26)だけではなく,下流国政府も,ただ手を拱いて見守っているしかなかった。実際,メコン河委員会MRC(注26)は,開発について殆ど死に体であった。

気候変動の問題も絡んで水力開発が見直されてきて,諦められてきたメコン下流の本流ダムについて,民間資金がうごめきだした。つい最近までは,メコン河委員会MRC(注26)も黙りを決め込んでいたが,ことここに至っては,メコン河委員会MRC(注26)のバード事務局長(注8)も立ち上がらざるを得なくなってきて,本日のMRC(注26)の公式のアナウンスとなったわけである。中国領も含めて,具体的な調査に係わって行くと。

バード事務局長(注8)の言い方は,中国領内も含めたダム開発の企業体からの情報を分析し,それを下流4カ国政府に伝え,下流国政府の正しい判断を助ける,と言うもので,MRC(注26)が特に注目しているのは,魚類の移動,水生生物への影響,浸食や栄養流失に関係する流砂,の問題だと言っている。これでは環境NGOと同じ立場になるが,一方で,エネルギーの重要性とダムが果たす流水への便益も,触れた発言である。

(注)A (1) 090601A Mekong, saigon-gpdaily,(2) title: Mekong body starts evaluating mainstream dams,(3) http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/5/71218/,(4) Mekong River Commission (MRC),(5) Mekong River,(6) Mekong hydropower development,(7) Mekong River Commission Secretariat,(8) Jeremy Bird, Chief Executive Officer of the MRC Secretariat,(9) lower Mekong basin,(10) economic, environmental and social sustainability,(11) Lancang-Mekong River,(12) strategic environmental assessment,(13) intergovernmental body,(14) breathing space,(15) dialogue partners,(16) Mekong Agreement 1995,(17) Yunnan Province in China,(18) Lancang River,(19) feasibility study,(20) fish passage and migration,(21) aquatic habitats,(22) sediment flow leading to erosion and loss of nutrients,(23) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(24) Mekong Power Summit on 4-5 June 2009,(25) Xayaburi Hydropower Project 1260MW,(26) メコン河委員会MRC,(27)

今日の参考資料

●090601A Mekong, saigon-gpdaily
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/5/71218/

最近の関連資料

●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529A.htm
●090428B Mekong,mizzima
メコン河本流のダム開発について環境グループの懸念
Environmentalists worried over impact of Mekong damning
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428B.htm
●081215A Mekong, bernama
メコン河委員会,気候変動との戦いに参戦へ
MRC To Cooperate With Start On Combating Climate Change
http://my.reset.jp/adachihayao/index081215A.htm
●081204B Mekong, phnompenhpost
メコン河委員会のダムに対する見解について
Dam wrong about Mekong River Commission's role
http://my.reset.jp/adachihayao/index081204B.htm
●081119E Laos, phnompenhpost
環境フォーラム,ラオスの南のダムは,下流に濁水被害
Lao dams muddying the waters
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119E.htm


アジアのエネルギー最前線 0902