2009年9月3日更新
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2009年8月31日 ー 中国の石炭産業に転機が訪れるのか ー

民主党の岡田幹事長が,記者団から,高速道路無料化は地球温暖化対策とは矛盾しないか,と聞かれて,全部電気自動車にするから問題はない,答えていた。もう一度言わせて。8,000万台の日本の車の設備出力は80億KW,日本の電力設備は2.4億KW,車の3%が夜間同時にプラグに繋ぐと2.4億KW。だから2030年までに,プラス約1.2億KWの発電所,100万KWの原子力約100基と揚水発電所20,の建設が必要だと。

私は,中国の石炭が微妙に動いていることを感じている。最大のポイントは,国内石炭の急激な値上がりだ,トン170ドル相当に達しているという。他の露天堀主体で掘っている国,ベトナムや南アフリカでは,トン50ドルから下手したら30ドルだ。石炭を買いに行ったら,そこには中国とタイの石炭業者が先行していて,ベトナムなどは何も出来ない,と早々に引き上げているという。

今日取り上げた三つの報道は,明らかに中国の石炭業界が,重たい舵にとりついて必死に方向を変えようとしている様が浮かんでくる。まず,福建省の福州,羅源湾に,中国石炭企業神華集団が,石炭備蓄のための大きな港の計画を持っている,北京政府は神華集団に,同じような石炭備蓄基地を中国全土で10カ所造るよう指示しているという。福建省は輸入石炭の需要で有名な地域だ。

中国の石炭産地としてもっとも有名な山西省の州政府は,炭鉱の整理に乗り出した。現在2,598カ所に上る炭鉱を,1,000カ所に削減することとする。老朽化または小規模の炭鉱を廃止するものとと思われる。また,石炭企業が2200社存在するが,これを大規模な企業100社への統合を進める。炭鉱一つでは,年90万トン以上の生産高を下限とする。廃止または吸収される石炭企業に対しては補償を行うという。

内モンゴル自治区も石炭の埋蔵量が豊富であるが,この石炭を中央部へ運ぶことを諦めて,全部ガス化してパイプラインで380km南西の北京に運び,北京の大気汚染改善に貢献するとしている。モンゴルと北京は,万里の長城を隔てて意外に近いのだ。石炭ガス化は,丸紅などがベトナムの紅河デルタで進めると報じられているが,相当大規模にやらないと,採算が合わないような気がするから,2012年,26億立方m規模という。

「中国 石炭」,で画像検索すると,見るも無惨な炭坑事故の写真が一杯出てくる。日本でも,私が木曽川にいた頃,昭和36年か,大規模な炭坑事故が起こって400人以上が閉じこめられ犠牲となった。もう日本人は炭坑を掘って石炭を生産するような精神力はない,安価な海外の石炭にならされてしまった。中国が日本と同じようになってしまって,電力の70%を賄っている石炭を海外に求めると,世界はどうなってしまうのか。

しかし,その日は近いような気がする。ベトナムのデルタを露天掘りで掘ると,幾らでも石炭は出るらしいが,北ベトナムは海の底に沈んでしまうだろうし,第一,環境問題でそこまで持たないであろう。1990年代に私もベトナムの炭田を見たことがあるが,表土1m剥げば,下は真っ黒な石炭,これでは環境がとても持たないなあ,と感じたことがある。中国の石炭は,何とか国内で需給バランスを取って欲しいものだ。

中国の石炭の総量問題を見ておくと,世界の石炭埋蔵量は約9.8兆トン,中国は,米国(25.4%),ロシア(15.9%)に続いて,約11.6%,1.1兆トン,深度2000mまで行くと,5.57兆トンという。最近の年生産量は大まかに言って,25億トン。中国の主要炭鉱のうち,露天掘りは6カ所で,残り33カ所は坑内堀だという。この点が問題で,中国も坑内堀は,諦める時が意外にに早く来るかも知れない。

海外の資源を買いあさる中国だが,今日の日本のニュースでも,中国石油がカナダのオイルサンドに1,600億円相当を投資すると報じられている。東京電力が,「低炭素社会への取り組み強化」,をキーワードに,村松執行役員主導で,新経営ビジョン策定に取り組むという。世界では,6%成長を発表したインドが,石炭火力の超臨界機器の輸入に,関税優遇政策をとるという。


今日の日本語エネルギー関連資料

中国国家石油がカナダのオイルサンドに1600億円を出資する
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090901/biz0909010943003-n1.htm
東京電力が柏崎刈羽原子力発電所6号機開始で「低炭素社会」とらえ反転攻勢
http://www.business-i.jp/news/special-page/jidai/200909010002o.nwc
日本の経済産業省がKWh当たり48円で太陽光余剰電力買い取り開始と発表
http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20090901-OYT8T00376.htm?from=yoltop
国連の世界気候会議がジュネーブで開幕し各国の情報共有を強化へ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11278220090901
ミャンマー政府の軍事政権がコーカン地区少数民族との戦闘終結を宣言
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009090102000064.html
インド経済の2009年4〜6月期は61%成長と発表
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090831D2M3102I31.html


本文

●中国の山西省は炭坑の数を2598から1000まで整理へ

China Daily reported that in an effort to consolidate its coal industry, Shanxi province is working to reduce the number of coal mines there from 2,598 to 1,000.

中国の主要な石炭生産地区,山西省は,石炭産業の整理強化を図る政策を展開することとした。まず炭鉱の整理では,現在2598カ所に上る炭鉱を,1000カ所に削減することとする。老朽化または小規模の炭鉱を廃止するものとと思われる。また,石炭企業が2200社存在するが,これを大規模な企業100社への統合を進める。

この結果,一つの企業の年石炭生産高を,300万トン以上とし,炭鉱一つでは,年90万トン以上の生産高になる。また,炭鉱の機械化を図る。この方針に基づく石炭企業との合意の期限は,2009年8月末とされている。廃止または吸収される石炭企業に対しては補償を行い,政府または新しい大規模石炭企業から,その補償が支払われる。

(注)D (1) 090831D China, steelguru,(2) title: Shanxi Province to consolidate its coal industry,(3) ttp://steelguru.com/news/index/2009/08/31/MTA5NDY1/Shanxi_Province_to_consolidate_its_coal_industry.html,(4) Monday, 31 Aug 2009,(5) Shanxi province,(6) photo source: www.chinadaily.com.cn/.../06/content_7746974.htm,(7) map sopurce: http://www.nedo.go.jp/sekitan/database/country/c0003-1b.html, (8)

今日の参考資料

●090831D China, steelguru
中国の山西省は炭坑の数を2598から1000まで整理へ
Shanxi Province to consolidate its coal industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090831D.htm

http://steelguru.com/news/index/2009/08/31/MTA5NDY1/Shanxi_Province_to_consolidate_its_coal_industry.html

最近の関連資料

○090826I China, thisismoney
中国の需要の高まりから世界の石炭価格は急上昇した
Coal prices
http://www.thisismoney.co.uk/30-second-guides/article.html?in_article_id=490022&in_page_id=53611
●090815C China, miningweekly
中国の海外石炭の輸入が飛躍的に伸びている
Chinese demand for foreign coal soars
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815C.htm
●090722C China, xinhuanet
中国の神華集団が新疆ウイグル自治区で石炭生産拡充へ
China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090722C.htm


●中国の石炭企業神華集団が福州に石炭備蓄施設を建設へ

China's top coal miner, Shenhua Group Corp, plans to build coal strategic reserves, deep-water berths, and power generation projects in the southeastern city of Fuzhou, the city's official paper reported. The coal hub will be built in Luoyuan Bay, a planned deep-water harbour area with the ambition to become a major bulk commodities port in southeastern China, the Fuzhou Daily said.

中国最大規模の石炭企業,神華集団(注5)は,中国南東の福建省(注10)の州都福州(注6)に,石炭戦略備蓄基地(注7),深海埠頭(注8),火力発電所を建設することを計画している。この石炭ハブとなるべき港は,羅源湾(注9)に計画されており,中国南東部の一大商港とする計画である。この計画は,神華集団(注5)と福州市(注6)が基本的な合意書を交わしたものだ。

その内容は,複数の深海埠頭,環境に配慮した石炭備蓄基地,大規模通商港施設,大規模石炭火力発電所,大規模軍港施設,などで,地域企業への貢献と石炭基地を目指している。神華集団(注5)の投資規模,備蓄容量,工期,などについては明らかになっていない。しかし福州市(注6)当局は,全面的な協力を行って,出来るだけ早く着工することを期待している。

福州市(注6)は福建省(注10)の州都で,輸入炭の大規模需要地となっている。なお,北京政府は神華集団(注5)に対して,全国に亘って10カ所の石炭備蓄基地を計画するよう要請している。神華集団(注5)の関連企業,神華エネルギー(注11)は,最近,記録的な取引を展開しており,これからも石炭取扱量の急増で,好成績が期待されている企業である。

(注)E (1) 090831E China, reuters,(2) title: China Shenhua to build coal reserves in Fuzhou -paper,(3) ttp://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSSHA37076120090831,(4) Mon Aug 31, 2009 2:12am EDT,SHANGHAI, Aug 31 (Reuters),(5) Shenhua Group Corp,神華集団有限責任公司,(6) Fuzhou福州,(7) coal strategic reserves,(8) deep-water berths,(9) Luoyuan Bay,羅源,(10) Fujian province福建省,(11) China Shenhua Energy Co,(12) photo source: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/c/ca/FuzhouCity.jpg,(13)

今日の参考資料

●090831E China, reuters
中国の石炭企業神華集団が福州に石炭備蓄施設を建設へ
China Shenhua to build coal reserves in Fuzhou -paper
http://my.reset.jp/adachihayao/index090831E.htm

http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSSHA37076120090831

最近の関連資料

○090826I China, thisismoney
中国の需要の高まりから世界の石炭価格は急上昇した
Coal prices
http://www.thisismoney.co.uk/30-second-guides/article.html?in_article_id=490022&in_page_id=53611
●090815C China, miningweekly
中国の海外石炭の輸入が飛躍的に伸びている
Chinese demand for foreign coal soars
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815C.htm
●090722C China, xinhuanet
中国の神華集団が新疆ウイグル自治区で石炭生産拡充へ
China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090722C.htm


●中国の内モンゴルで初めての石炭ガス化プロジェクトが発進

Construction of China's first large coal-to-gas project began in northern China on Sunday. The project is designed to ensure natural gas supplies to Beijing and promote clean energy use.

この日曜日,2009年8月30日,中国の内モンゴル(注7)に於いて,中国最初の石炭ガス化プロジェクト(注5)の建設工事が始まった。この石炭ガス化プロジェクト(注5)は,精製された天然ガスを北京に供給し,クリーン・エネルギーの推進を図る一環だ。内モンゴル(注7)の赤峰地区(注6)に位置するこの石炭ガス化プロジェクト(注5)は,年間4億立方mの天然ガスを,381kmのパイプラインを通じて,北京に送られる。

この石炭ガス化プロジェクト(注5)は,2010年には13億立方mの天然ガスを生産,更に2011年には26億立方mに拡大し,2012年には建設工事を完成する。専門家によると,この石炭ガス化プロジェクト(注5)は,石炭をベースとするクリーン・エネルギー・プロジェクトで,大気汚染を防ぎ,エネルギー構造の改革をもたらし,北京の空気を改善するものだ,と。

(注)G (1) 090831G China, english.cctv,(2) tirle: 1st large coal-to-gas project launches,(3) ttp://english.cctv.com/program/bizchina/20090831/108770.shtml,(4) 2009-08-31 11:10 BJT,(5) coal-to-gas project,(6) Chifeng赤峰,(7) Inner Mongolian Autonomous Region内モンゴル自治区,(8) photo source: http://static.guim.co.uk/sys-images/Guardian/Pix/pictures/2009/7/28/1248787277285/An-open-pit-coal-mine-in--022.jpg,(9)


今日の参考資料

●090831G China, english.cctv
中国の内モンゴルで初めての石炭ガス化プロジェクトが発進
1st large coal-to-gas project launches
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

http://english.cctv.com/program/bizchina/20090831/108770.shtml

最近の参考資料

○090826I China, thisismoney
中国の需要の高まりから世界の石炭価格は急上昇した
Coal prices
http://www.thisismoney.co.uk/30-second-guides/article.html?in_article_id=490022&in_page_id=53611
●090815C China, miningweekly
中国の海外石炭の輸入が飛躍的に伸びている
Chinese demand for foreign coal soars
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815C.htm
●090722C China, xinhuanet
中国の神華集団が新疆ウイグル自治区で石炭生産拡充へ
China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090722C.htm
●090429A China, shanghaiist
中国でモンゴルの電力が直接上海へ送電される
Shanghai's electricity direct from Mongolia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090429A.htm


その他のエネルギー関連ニュース

○090831A Philippines, newsbreak
フィリッピン政府とマアランパヤ州の間で20年の100億ドルの収入配分で白熱
Palace, Palawan face off over Malampaya’s $10 billion http://newsbreak.com.ph/index.php?option=com_content&task=view&id=6675&Itemid=88889066
○090831B Nepal, google
ネパールが氷河湖決壊の危険にさらされている
Melting glaciers threaten 'Nepal tsunami'
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5hLOQkRMwZXYHbHOdeQIlZEG5miQA
○090831C India, mydigitalfc
インド政府は石炭火力の超臨界機器について関税優遇措置を提案
Tax sop for supercritical power gear on cards
http://www.mydigitalfc.com/government-finance/tax-sop-supercritical-power-gear-cards-810
○090831F China, wiadomosci.onet
中国の広東原子力が甘粛省で550MWの太陽光発電プロジェクトに協力
China Guangdong Nuclear: Plan 550 MW New Solar Projs In Gansu
http://wiadomosci.onet.pl/2033899,10,china_guangdong_nuclear_plan_550_mw_new_solar_projs_in_gansu,item.html



2009年8月30日 ー ベトナムのガスで米ロの企業が競う ー

考えてみれば,ベトナムというのは,北は雲南省中央部を水源として流れ下る紅河のデルタ上に形成された北ベトナム,南はチベットを水源にして雲南省の西端を過ぎりながら流れ下るメコン川のメコンデルタ,この二つの大規模な大河川の扇状地に挟まれた山岳国家だ。紅河は,先日も見たように,膨大な規模の石炭を包蔵し,メコンデルタで形成された大陸棚は,豊富な天然ガスに恵まれている。

1990頃に,ベトナムの東部沖合の大陸棚に石油に伴ってガスも出る,と聞いて驚いた。当時は,旧ソ連,そうしてロシアの技術者達がインドシナ半島で活動しており,今日の記事に出てくるロシアの企業が,この大陸棚で働いていた。このロシアというのは,世界にはびこる,「天然ガス無機成因説」,にとりつかれているところがあり,ベトナム東部沖の白虎ガス田が花崗岩であるにもかかわらず,探査を入れたという。

また,「天然ガス無機成因説」,は私は知らなかったが,急にベトナム沖にガスが出るのはおかしい,と思って,天然ガスはマグマから無限に生成されているのではないか,と思って調べていて,やはり世界に,「天然ガス無機成因説」,が古くからあることを知り,また最近では,この,「天然ガス無機成因説」,を主張する学者の大きな拠り所は,ベトナムの花崗岩地帯から出る天然ガスだということを知った。

このベトナムの原油ガス生産に続いて,メナム川が流れ下るタイ湾でも,またイラワジの大河の河口の一部をなすミャンマー沖でも,大量の天然ガスが出る事態が続き,イラワジ河口に至っては,埋蔵量が60兆TCFとまで言われて,世界の注目の的になっている。しかし,フィリッピンのパラワンなどを見ると,必ずしも大河の河口ではないから,大河の河口は単に人間が掘りやすいように,大陸棚を造ってくれただけ,かも知れない。

ベトナムのガスにしても石炭にしても,埋蔵量をどのくらいと見積もっているのか,いろいろ調べてみるけれど,確定的な資料がない。石炭に至っては,紅河デルタの下は全部石炭,みたいなことを言っているし,南部のガスは,探査もまだこれから,という感じである。中国の石炭は炭坑で価格が高いから,露天掘りのベトナムや南アフリカからの輸入に流れて行き,ある時,日本の炭坑のように中国でも閉鎖が続出するだろう,と見ている。

一方で,東シナ海からアンダマン海,更にはベンガル湾にかけて,大陸棚のように,予め自然が造ってくれたリグのような役割を果たす海底に,天然ガス探査が広がって,南沙諸島を中心に,ベトナム,中国,フィリッピン,マレーシア,インドネシア,がそれぞれの方向から大陸棚沿いに探査の手を広げて,今から20年後ぐらいには,東シナ海は,天然ガス銀座に変貌するだろう。

今日のインドのニュースで,新しくインド政府の環境相に就任したラメッシュが,地球温暖化問題で,華々しく,中国との連携を企てている。ラメッシュはとにかく困難な問題に立ち向かって行くのが,楽しくて仕方がないようだ。私たちの会社でもそう言う人がいた。ラメッシュは,電力次官の時は,誰も出来ない水力を掘り起こし,環境相になったら,誰も出来ない先進国との調整を行うつもり。コペンハーゲンが楽しみだ。

考えてみれば今日は総選挙。何か,政権交代は実現,みたいな雰囲気だ。私はどちらでもよいが,民主党の面々が官僚主導を取り上げて,本当に彼等の主導で旨く行くのかどうか,メンバーをみているとなかなか難しいと思う。この前,小沢さんの悪口を書いて私のサイトの読者が激減したが,やはり,国民を前にしての,あの傲慢な態度だけは,政権を取ったら,何とか改めてもらえないか。明日は,泉南に測量に行くので,更新が遅れます。


今日の日本語エネルギー関連ユース

中国の労働監督局が釧路の稼行炭鉱であるコールマインを視察
http://www.news-kushiro.jp/news/20090830/200908304.html
米国政府が代替燃料車の普及に3億ドルを支援
http://www.ecool.jp/foreign/2009/08/eng46-320.html
台湾石化大手がベトナムで1兆円投資,石油工場の建設再開
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090824AT2M2102024082009.html
日本とベトナムの経済連携協定EPAが10月に発効へ
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090826AT3S2500Z25082009.html
ミャンマーのコーカン側から中国国境内に爆弾,数人が死傷
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090830AT2M2901Z29082009.html


本文

●ベトナムの沖合ガス探査などでロシア石油企業がペトロベトナムと協力

The Vietnam National Oil and Gas Group (PetroVietnam) and Russia’s OAO Zarubezhneft Company signed a number of cooperation agreements on August 28. The deals include a memorandum of understanding (MoU) to consider Zarubezhneft’s participation in developing some lots on the continental shelf offshore Vietnam.

私が何処でもガスが出るのではないか,と疑い始めたのは,ベトナム沖合の探査であるが,ロシアが深くベトナムの原油ガス探査に係わり始めたのも,どうも,「無機成因説」,かららしい。この記事の後ろに出てくる,白虎油田(注15)は花崗岩地帯で,本来なら有機物が入り込む余地のないところで,世界の,「無機成因説」,を主張する人の根拠の一つも,このベトナムの,白虎油田(注15)にあるらしい。

さて,今日出てくるロシア企業,OAOザルベジネフト(注5)は,我々には新しく耳にするが,1991年以来,ベトナムの白虎油田(注15)やドラゴン油田(注16)に係わってきたと言うから,ロシアの巨大ガス企業,ガズブロムの一派かも知れない。2009年8月28日,このOAOザルベジネフト(注5)が,ペトロベトナム(注4)と,数項目の協力について,覚書を交わしたという。

その中には,キューバ沖の深海探査(注9)が含まれており,ロシア・ベトナムの連合軍でキューバまで出かけて行くようだ。ロシアはベトナム沖に関してなかなか複雑なことを考えており,ハイドロカーボンや深海探査にある特殊な技術を持った企業かも知れない。ベトナムの西南沖は,シェブロンなど日本企業も入れて開発が進むが,ベトナムはロシアと協力して,南沙諸島方面への進出を考えているかも知れない。

(注)A (1) 090830A Vietnam, english.vovnews,(2) title: PetroVietnam, Russia’s oil company ink new deals,(3) ttp://english.vovnews.vn/Home/PetroVietnam-Russias-oil-company-ink-new-deals/20098/107335.vov,(4) Vietnam Oil and Gas Group, PetroVietnam,(5) OAO Zarubezhneft Company,(6) continental shelf offshore Vietnam,(7) memorandum of understanding (MoU),(8) PetroVietnam Exploration and Production Corporation (PVEP),(9) deep-water area off the shore of Cuba,(10) oil and gas exploration and exploitation,(11) Rusvietpetro joint venture company,(12) PetroVietnam Insurance Joint Stock Company (PVI),(13) Nenevski Municipality,(14) PetroVietnam Director General Phung Dinh Thuc,(15) Bach Ho (White Tiger) field,(16) Rong (Dragon) field,(17) http://my.reset.jp/adachihayao/index081031.htm,(18)

今日の参考資料

●090830A Vietnam, english.vovnews
ベトナムの沖合ガス探査などでロシア石油企業がペトロベトナムの協力
PetroVietnam, Russia’s oil company ink new deals
http://my.reset.jp/adachihayao/index090830A.htm

http://english.vovnews.vn/Home/PetroVietnam-Russias-oil-company-ink-new-deals/20098/107335.vov

最近の関連資料

●090621A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの沖合ガス田にシェブロンが40億ドル投入
Chevron may begin work on $4 bln Vietnam project by August
http://my.reset.jp/adachihayao/index090621A.htm


●ベトナムのガス探査に向けてシェブロンが全面協力を表明

Chevron Corporation, the second biggest US energy company, wants to become a reliable partner of the Vietnamese Government and people, affirmed the General Director of Chevron Vietnam, Hank Tomlinson.

ベトナムの沖合ガスについては,2009年6月21日にこのサイト(注12)で,シェブロンの40億ドル投資についての解説がある。ブロックB(注8)で知られているベトナム南部沿岸の西南部の沖合ガス田は,4〜7兆立方フィートTCFのガス埋蔵量を持っていて,25年以上の発電所の運転に耐えられる量である。シェブロン(注4)が事業運用に当たっており,ペトロベトナム(注6)と政府を相手に,交渉中,と書かれている。

また,シェブロン(注4)のシンガポールによると,生産を開始してから5年でピーク生産量は,日5億立方フィートに達する,と。これから開始するエンジニアリング作業は,プラットフォームの設計,井戸資機材,電気機械機材の設置,生活空間,を含むものである。2011年までに,エンジニアリングから建設までの入札を終了する,としている。最終的には,メコンデルタまでの380kmのパイプラインの建設が必要である。

ベトナムの正確なブロック割りは手に入ってないが,ベトナム西南沖のブロック,B&48/95と52/97(注8)を対象としたもので,タイ湾に跨るものだ。また,ベトナム東南沖のブロック122(注9)も探査中だが,まだ発見されていない。いずれにしても,米国籍第2のシェブロン(注4)は,4兆立方フィートのベトナム沖合ガスに40億ドルを投資して,少なくとも25年間はベトナムに腰を据える,と言っている。

(注)C (1) 090830C Vietnam, english.vovnews,(2) title: Chevron wants to be Vietnam’s reliable partner,(3) ttp://english.vovnews.vn/Home/Chevron-wants-to-be-Vietnams-reliable-partner/20098/107337.vov,(4) Chevron Corporation,(5) General Director of Chevron Vietnam, Hank Tomlinson,(6) Vietnam Oil and Gas Group, PetroVietnam,(7) US$4 billion natural gas exploitation project,(8) Blocks B&48/95 and 52/97 in the Gulf of Thailand,(9) Block 122 offshore eastern Vietnam,(10) Caltex lubricant trademark,(11) asphalt plant in the northern port city of Hai Phong,(12) http://my.reset.jp/adachihayao/index090621.htm,(13)

今日の参考資料

●090830C Vietnam, english.vovnews
ベトナムのガス探査に向けてシェブロンが全面協力を表明
Chevron wants to be Vietnam’s reliable partner
http://my.reset.jp/adachihayao/index090830C.htm

http://english.vovnews.vn/Home/Chevron-wants-to-be-Vietnams-reliable-partner/20098/107337.vov

最近の関連資料

●090621A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの沖合ガス田にシェブロンが40億ドル投入
Chevron may begin work on $4 bln Vietnam project by August
http://my.reset.jp/adachihayao/index090621A.htm


今日のその他のニュース

○090830B Vietnam, english.vovnews
ベトナムのEVNが2010年の電力供給に向けて全力を尽くすと
EVN ensures power to fuel development
http://english.vovnews.vn/Home/EVN-ensures-power-to-fuel-development/20098/107334.vov
○090830C Vietnam, english.vovnews
ベトナムのガス探査に向けてシェブロンが全面協力を表明
Chevron wants to be Vietnam’s reliable partner
http://english.vovnews.vn/Home/Chevron-wants-to-be-Vietnams-reliable-partner/20098/107337.vov
○090830D India, nst
インドのラジャスタンでカイルンが原油生産開始,2011年には日量17万バレル越え
Vast Indian oil field starts production in Rajasthan
http://www.nst.com.my/Current_News/NST/articles/20090829202554/Article/index_html
○090830E India, thaindian
インドのラメシュ環境相がヒマラヤ氷河の影響で中国と協力と
India, China to join hands on studying climate change in Tibet
http://www.thaindian.com/newsportal/enviornment/india-china-to-join-hands-on-studying-climate-change-in-tibet_100239992.html


2009年8月29日分 ー 中国のパキスタン支援と資源獲得戦略 ー

中国にとってのパキスタンの地政,どの様に考えられるであろうか。先に見てきたように,バングラデシュに対しては,中国は極めて冷静である。殆ど中国にとって使い道がない。バングラデシュの回りは完全にインドに取り囲まれている。その点で,ミャンマーの位置は,雲南省と隣り合わせで,しかも西側は,経済制裁から,殆どミャンマーには入っていない。13億の民を養うためには,経済制裁などと言っておれないわけだ。

パキスタンはどうか,パキスタンはウイグル自治区と国境を接して,カラコルムハイウエーで密接に繋がり,更にその南を見ると,バロチスタン州のグワダル港という立派な立地の海港があって,この海港とペルシャ湾は,目と鼻の先である。ウイグル自治区は,黄河流域や更に北京を見てみると,気が遠くなるほど遠いが,カザフスタンなどの資源を考えると,中国にとっては重要な領土と考えられる。

ミャンマー・ルートはそれとして,中国は当初はこのパキスタンのグワダル港を相当に重要と考えた節がある。そのために,支援の手を差し伸べて,国際的な商港として整備し,更にペルシャ湾を望みながら,軍港として整備して,起工した航空母艦の基地にしようと考えたのだろう。ところが,このバロチスタンは,独立運動の歴史があり,またタリバンやウイグルが入って,治安が悪く,中国人技師が,4回も襲われている。

このバロチスタンの治安の悪さのために,折角の良港も,殆ど国際港としての繁栄が,現時点では,困難な状況だ。そこで問題は,イランからのガス・パイプライン・プロジェクトで,当初は,パキスタンからインドへ向かうべく,インドからもプロジェクトに参加する予定であったが,パキスタンの余りの治安の悪さに,インドはパイプラインからは降りてしまったようで,今度は中国がこのパイプラインを,中国領内に延伸しようと図っている。

パキスタンには,このような不確定性があるものの,中国に取っては重要なウイグル地区と接しているパキスタンには,援助の手を差し伸べている。発電分野でも,7,000MW,インダス上流のブンジ水力に三峡公司を投入することになったし,ニールム-ジェルム水力,ゴマル・ザム・水力,マングラ・ダム嵩上プロジェクトにも積極的に関わる姿勢だ。

パキスタンのザルダリ大統領は,就任後既に4回も中国を訪問しているが,北京には余り行かず,杭州辺りで,中国企業との接触を続け,それなりの成果を上げている。私は北京に招かれないのかと思っていたが,今日の記事では,ザルダリ大統領が自ら好んで中国企業と接触し,パキスタン国内では,若干疑いの目で見られ始めているようだ。

今日は,中国の天然ガスの取引が大きく取り上げられ,先週から続けて,410億ドルのオーストラリアのゴーガン・ガス田取引,またミャンマーのガスパイプラインで,56億ドルの取引,とかなり遠い将来を睨んでのガスの買い占め,と映っている。現在は天然ガスがかなり世界的に余剰で,3兆2000億立方フィートに達している。米国の貯留施設はパンク寸前である,まるで風船で,いつ爆発するか分からないと。

このため価格も低迷し,1000立方フィート当たり,2008年は13ドルまで上がったのに,現在では,2.5ドル,80%の下げである。中国は,天然ガスばかりでなく,鉄や希少金属,その他資源を買いあさっており,市場が安い間にため込む戦術で,持てる資金を惜しげもなく投入している。2010年に於ける価格の跳ね返りが心配されている。

今日はその他に,フィリッピンの石炭火力のIPPA入札で,サンミゲールとアボイテスが落札の見通し。スリランカに対して,2009年11月には中国に対抗して日本が40人規模の通商使節団を送り込む。インドのラメシュ環境相が,中国の提案,2030年を温暖化ガス排出のピークに持っていく案で,どうするか悩んでいる。インドネシアのPLNが,大統領選挙が終わったところで,8%程度の電気料金値上げを狙っている。


今日のエネルギー関連日本語ニュース

バッテリー交換式電気自動車はEV本格普及の決め手になるか
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090827/1028452/
経産省が水素エネルギー活用へ実証事業,都心―空港間バスなど
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090829AT3S2801Q28082009.html
ミャンマーの少数民族1万人が中国へ越境,軍政と武装勢力衝突
http://mainichi.jp/select/world/news/20090829ddm007030052000c.html
イラン核問題で,「開発継続明らか」,米報道官が批判
http://mainichi.jp/select/world/news/20090829dde007030031000c.html
希少金属が値上がり,中国需要で1〜4割
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090829AT1J2900129082009.html
中国の宝鋼集団が豪資源開発企業に15%出資
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090828D2M2802H28.html


本文

●パキスタンのカシミール開発への中国の貢献はグワダル港軍港化に繋がる

Among the major development projects in Pakistan in which the Chinese have been involved till now are the construction of an international commercial port cum naval base in Gwadar on the Makran coast in Balochistan, the development of the Saindak copper-cum-gold mines in Balochistan, the upgradation of the Karakoram Highway connecting the Xinjiang province of China with Pakistan via the Northern Areas (Gilgit and Baltistan), the construction of a small-scale hydel project in the Federally-Administered Tribal Areas and the development of a mobile telephone network in the North-West Frontier Province.

ペルシャ湾からパキスタンのバロチスタン,グワダル港,そこからパキスタンを南北に縦断して,カラコルムハイウエーを通過して,中国領内のウイグル自治区,タリム盆地を経て黄河上流へ,というルートは,中国にとっては,一つのエネルギー回廊として注目している。しかし問題は,パキスタン南部のバロチスタンの治安の悪さで,タリバンやウイグル族のゲリラに,何度も中国のエンジニアーは,痛い目に遭っている。

しかし,グワダル港の軍港化は進んでおり,中国はパキスタンへの支援を通じて,グワダル港を中国船舶や中国海軍の重要な寄港地として確保したい意向である。今日の記事は,このような中国の意図と,中国をパキスタンの開発へ引っ張り込みたいパキスタンの本心が,火花を散らしている。ザルダリ大統領が,何度も中国を訪れ,この線に沿って,懸命に努力を続けている。

中国が深く関与しているプロジェクトは,国際港グワダル港(注5)整備,サインダック銅金鉱山(注7),カラコルム・ハイウエー(注8)整備,FATA(注11)部族地域内の小水力開発(注12),北西辺境州(注13)の携帯電話網整備,であると言われている。グワダル港(注5)の工事は殆ど終了しているが,バロチスタン州の治安が悪く,国際的な関心を余り惹いていない。

イラン-パキスタン・ガスパイプライン・プロジェクト(注16)について,中国がこのパイプラインを中国領まで伸ばすことに関心を持っている。インドは,パキスタン領内の治安の悪さから,パイプライン・プロジェクト(注16)には参加しないことを結論しており,ただガスの購入には乗り出すつもりだ。中国は,プロジェクト(注16)事業にも参加したいとしている。

治安上の問題から,中国の関心は,パンジャブ州(注19),シンディ州(注20),カシミールのパキスタン実効支配地区(注21)及び北部地区(注14)に限られており,シンディ州(注20)のタール石炭プロジェクト(注22)には力を入れている。ザルダリ大統領(注26)は,就任以来4度も中国を訪問しているが,北京には余り顔を出さず,専ら杭州(注24)などの企業と接触している。楊外相が出かけてきて,敬意を表している。

7,000MWのブンジ・ダム・プロジェクト(注29)は,先日,三峡発電公司(注31)と覚書を交わしたが,既に中国は幾つかのダムプロジェクトに関係している。それらは,ニールム-ジェルム水力(注34),ゴマル・ザム・水力(注35),マングラ・ダム(注36)嵩上プロジェクトなどである。パキスタン製鉄(注37)と中国企業(注38)との約束について,ザルダリ大統領の不正な関わりが疑われている。

(注)C (1) 090829C Pakistan, rediff,(2) title: China's growing role in Pakistan-occupied Kashmir,(3) ttp://news.rediff.com/column/2009/aug/28/raman-chinas-growing-role-in-pakistan-occupied-kashmir.htm,(4) August 28, 2009 17:11 IST,(5) Gwadar port, (6) Makran coast in Balochistan,(7) Saindak copper-cum-gold mines,(8) Karakoram Highway,(9) Xinjiang province,(10) Northern Areas (Gilgit and Baltistan),(11) Federally-Administered Tribal Areas,(12) small-scale hydel project,(13) North-West Frontier Province,(14) General Pervez Musharraf,(15) Uighurs,(16) Iran-Pakistan gas pipeline,(17) Pashtun belt,(18) China National Water Resources and Hydropower Engineering Group Corporation,(19) Pakistani Punjab,(20) Sindh,(21) Pakistan-occupied Kashmir,(22) Thar coal mines,(23) Benazir Bhutto,(24) Hang Zhou in the Zhejiang province杭州,(25) Guangzhou in the Guangdong province,(26) President Asif Ali Zardari,(27) Indus River Fresh Water Fisheries Research Institute,(28) Pearl River Fishery Research Institute of Guangzhou,(29) 7,000MW Bunji dam in the Astore district of the Northern Areas,(30) Pakistan's Ministry of Water and Power,(31) Three Gorges Project Corporation,(32) Zhejiang Design Institute of Water Conservancy and Hydroelectric Power,(33) Shakeel Durrani, chairman of the WAPDA,(34) Neelum-Jhelum hydro,(35) Gomal Zam hydel, (36) Mangla dam,(37) Pakistan Steel Mills,(38) Metallurgical Corporation of China,(39) Prime Minister Yousef Raza Gilani.,(40) photo source: http://en.wikipedia.org/wiki/File:Gwadar_Port.jpg,(41) map source: www.pec.org.pk,(42)

今日の参考資料

●090829C Pakistan, rediff
パキスタンのカシミール開発への中国の貢献はグワダル港軍港化に繋がる
China's growing role in Pakistan-occupied Kashmir
http://my.reset.jp/adachihayao/index090829C.htm

http://news.rediff.com/column/2009/aug/28/raman-chinas-growing-role-in-pakistan-occupied-kashmir.htm

最近の関連資料

○090828B Pakistan, industrialinfo
パキスタンはタールの石炭で2020年までに10,000MW開発
Pakistan Approves Four Power Projects from Thar Coal Reserves to Generate 10,000 MW by 2020
http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=149624
○090826B Pakistan, app.com
パキスタンのザルダリ大統領は中国で8つの覚書締結
Zardari’s China visit concludes with 8 MoUs
http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=84691&Itemid=1
●090824A Pakistan, onlinenews
パキスタンのザルダリ大統領が早急な開発に中国の支援をと
President declares Pakistan痴 immense development as his priority dream
http://my.reset.jp/adachihayao/index090824A.htm
●090809B Pakistan, dailytimes
パキスタン最大の7,100MWのブンジ水力の調査開始へ
Bunji hydropower project to generate 7,100 MW
http://my.reset.jp/adachihayao/index090809B.htm
●090809C Pakistan, pakobserver
パキスタンは21億ドルのニールム-ジェルム水力の権利を失いかねない
$2.1b Neelum-Jhelum Hydel project Pak may lose priority rights over Neelum
http://my.reset.jp/adachihayao/index090809C.htm
●090713B Pakistan, geo.tv
パキスタンは中国企業のエネルギー資源開発を優遇
China company to invest in Pak energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713B.htm
●090713F Pakistan, dawn
パキスタンは2010年までに10,000MW開発で外国支援必要
Pakistan looks abroad to boost energy capacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713F.htm
●090713G Pakistan, thenews
パキスタンのマングラダム増設220MWが7月8日運転開始
Mangla power plant to be operational from 8th
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713G.htm
●090310B Pakistan, economictimes.indiatimes
パキスタンのザルダリ大統領が単独でもパイプラインを
Pak to go ahead with IPI project even without India Zardari
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310B.htm


●中国は資源を漁る中で今や二つの大きなLNGプロジェクトに着手

With large purchases of iron ore, copper and oil, China has been taking full advantage of depressed commodities prices and excess production capacity. Now, the Red Dragon is making its presence felt in the natural gas market ? landing two blockbuster deals in the past two weeks. The first was an unprecedented $41 billion liquefied natural gas (LNG) deal with Australia, which was announced last week. The deal calls for PetroChina Co. Ltd. (NYSE: PTR) ? Asia’s largest oil and gas company ? to buy 2.25 million tons per year of liquefied natural gas (LNG) from the Gorgon field in Western Australia over a period of 20 years.

この10日間の間に,中国は天然ガスに関して,巨大なプロジェクト契約を行った。それが,世界のLNG市場に大きな影響を与えている,と言う趣旨だ。二つのプロジェクトは,既に,このサイトでも紹介したが,410億ドルのオーストラリアのゴーゴン・ガス田プロジェクト(注8)であり,もう一つは,56億ドルのミャンマー沖の天然ガスに対するガス・パイプライン・プロジェクト(注14)である。

ゴーゴン・ガス田プロジェクト(注8)は,40兆立方フィートのガス包蔵があり,将来40年間生産を続けることが出来ると想定されているが,年250万トンのLNGを20年間に亘って,ペトロチャイナ(注5)が買い取る。また,ミャンマー・ガス・プロジェクト(注14)は,年5億立方フィートのガスを,2013年から2043年の間,中国が引き取るというものである。現状の中国のガス需要の7%を占めるという。

2020年に於ける中国の天然ガス需要は,年180億立方フィートに達すると見られている。世界の天然ガスの備蓄は,この1年間で520億立方フィート増加して,3兆2000億立方フィートに達している。米国の貯留施設はパンク寸前である,まるで風船で,いつ爆発するか分からないと。ニューヨーク市場(注23)での価格下落は大きく,1000立方フィート当たり,2.725ドルとなっている(百万Btu当たりと殆ど同じ)。

この価格は,昨年,2008年の13ドルから見ると,80%も下落している。殆ど価格は底に来ているが,早々にリバウンドするとは見られていない。1000立方フィート当たり2.5ドルで推移すると見られている。しかし,2010年には価格競争が起きて,猛烈なガス生産,探査のブームが来るだろう,とも見ている企業がある。それは,リグの状況を見ると,生産の落ちが大きいからである。

(注)L (1) 090829L China, contrarianprofits,(2) title: China Landing Natural Gas Deals as Prices Plummet,(3) ttp://www.contrarianprofits.com/articles/china-landing-natural-gas-deals-as-prices-plummet/20211,(4) Aug 28th, 2009, By Jason Simpkins,(5) PetroChina Co. Ltd.,(6) liquefied natural gas (LNG),(7) Gorgon field in Western Australia,(8) Gorgon Project,(9) Chevron Australia Managing Director, Roy Krzywosinski,(10) Chevron Corp.,(11) Australian Trade Minister Simon Crean,(12) South Korea’s Daewoo International Corp,(13) China National United Oil Corp.,(14) Myanmar’s A-1 and A-3 offshore blocks,(15) India’s Oil and Natural Gas Corp.,(16) Myanmar Oil & Gas Enterprise,(17) India’s GAIL Ltd.,(18) Korea Gas Corp.,(19) Yunnan province,(20) Bernstein Research,(21) U.S. Energy Department,(22) Aubrey K. McClendon, Chief Executive Officer of Chesapeake Energy Corp.,(23) New York Mercantile Exchange (NYMEX),(24) Devon Energy Corp.,(25) Marshall Adkins, energy analyst at Raymond James Financial Inc.,(26) Newfield Exploration Company,(27) Baker Hughes Inc.,(28) Rich Howard, manager of the Prospector Capital Appreciation fund,(29)

今日の参考資料

●090829L China, contrarianprofits
中国は資源を漁る中で今や二つの大きなLNGプロジェクトに着手
China Landing Natural Gas Deals as Prices Plummet
http://my.reset.jp/adachihayao/index090829L.htm

http://www.contrarianprofits.com/articles/china-landing-natural-gas-deals-as-prices-plummet/20211

最近の関連資料

○090827D China, forbes
中国のゴードン・ガス田でオーストラリア政府が最終承認
Australia gives final approval to Chinese gas sale
http://www.forbes.com/feeds/ap/2009/08/26/business-energy-as-australia-petrochina-exxon_6815498.html
○090826Q China, thejakartaglobe
中国の346億ドル豪のガス買収で豪首相が対中問題は未解決と
The Thinker: China’s Tough Talk
http://thejakartaglobe.com/opinion/the-thinker-chinas-tough-talk/325980
●090819A LNG,tehrantimes
世界のLNGは記録的な余剰と価格下げに遭遇している
LNG surplus to reach a record, Wood Mackenzie says
http://my.reset.jp/adachihayao/index090819A.htm
●090819B China, marketwatch
中国国家石油がオーストラリアのLNGを購入する契約成立
PetroChina clinches Gorgon gas deal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090819B.htm
●090826E Myanmar, businessspectator
ミャンマーのガスの中国への輸出で大宇が56億ドル取引
Daewoo in $US5.6bn Burma gas export deal to China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090826E.htm
●090724A Myanmar, business-standard
インドの国家石油がミャンマーの中国パイプラインに資本参加の意向
ONGC Videsh to join Chinese gas pipeline from Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index090724A.htm


今日の他のエネルギー関連ニュース

○090829A Srilanka, asiantribune
スリランカに対するインドの行動は中国に比べて余りにも遅い
India and Sri-Lanka - How one perceives the other
http://www.asiantribune.com/news/2009/08/28/india-and-sri-lanka-how-one-perceives-other
○090829B Srilanka, dailymirror
スリランカの和平進捗で日本が40人に上る通商使節団を11月にも派遣
PEACE IN SL DRAWS JAPANESE MISSION
http://www.dailymirror.lk/DM_BLOG/Sections/frmNewsDetailView.aspx?ARTID=59700
○090829C Pakistan, rediff
パキスタンのカシミール開発への中国の貢献はグワダル港軍港化に繋がる
China's growing role in Pakistan-occupied Kashmir
http://news.rediff.com/column/2009/aug/28/raman-chinas-growing-role-in-pakistan-occupied-kashmir.htm
○090829D Philippines, business.inquirer
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札結果でスワルはサンミゲールへ,アボイテスも
San Miguel wins Sual power deal
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090828-222473/San-Miguel-wins-Sual-power-deal
○090829E Philippines, gmanews
フィリッピンのNAPOCORの電気料金自動調整制度は需要家の議論を封じている
Napocor's automatic rate hikes to leave consumers unprotected
http://www.gmanews.tv/story/170971/napocor39s-automatic-rate-hikes-to-leave-consumers-unprotected
○090829F Nepal, myrepublica
ネパールの専門家がインドに跨るコシ・ダムの高さ330mは大きすぎる,とアドバイス
Don't go for Koshi high-dam Expert
http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=9143
○090829G India, samaylive
インドのラメシュ環境相は中国のシンクタンクの提案である2030年ピークに慎重対応
India concerned over China think tank's proposal on emissions
http://www.samaylive.com/news/india-concerned-over-china-think-tanks-proposal-on-emissions/651965.html
○090829H Indonesia, thejakartapost
インドネシアでPLNのリアウの発電所向けのガス供給契約など締結
US$895.26 million gas sales contracts signed
http://www.thejakartapost.com/news/2009/08/28/us89526-million-gas-sales-contracts-signed.html
○090829I Indonesia, thejakartaglobe
インドネシアのPLNが2010年に電気料金値上げを視野に
PLN Pushes for Higher 2010 Electricity Rates
http://thejakartaglobe.com/business/pln-pushes-for-higher-2010-electricity-rates/326735
○090829J Indonesia, treehugger
インドネシアは世界が基金を助けてくれるなら2030年に温暖化ガス40%削減すると
Indonesia Hints at 40% Emissions Reductions by 2030 - If International Support is Forthcoming
http://www.treehugger.com/files/2009/08/indonesia-hints-at-40-emissions-reductions-by-2030.php
○090829K China, gulfnews
中国の関係するゴーゴンのLNGについてエクソンが最終決断へ
Exxon says decision on gas field soon
http://www.gulfnews.com/business/Oil_and_Gas/10344343.html



2009年8月28日分 ー インドネシアが石炭火力の燃料準備に動く ー

お金があれば発電所など幾らでも造れる,問題はどうやって燃料を確保し供給するかだ,とよく言ってきた。発電所が足りないから造れ,と言われて,中国では石炭火力を闇雲に造ったが,石炭供給が続かず,発電所はあれども電気はなし,という状況が一時現出した。特に石炭火力などは,石炭の山元に発電所を造ればよいけれども,日本やスリランカなど,そうは行かない,遠くから運ぶことになる。

一度シリアでゴミの計画をやらされたときに,アレッポの話だが,10トントレーラーが途切れることなくゴミを運び続けなければ市民生活に支障を来す状況を見て,何ということだ,と驚いた。私のように,水力を造ってきた人間から見ると,未来永劫に船で外国から石炭を運び続ける発電所を見て,その持続性を信ずることは出来なかった。この先100年,海外から数ヶ月間,石炭やLNGを運べない事件は,必ず起こるだろう。

インドネシアは,電力不足に果敢に挑戦して,10,000MWの石炭火力クラッシュ・プログラムを進めているが,遅ればせながら,今年,2009年の終わりには,3つのプロジェクトで,1,960MWが完成し,現在のPLNの設備,25,000MWが約27,000MWに躍進する。確かに実行力はパキスタンやベトナムにないものがあるが,それも,カラ前副大統領が北京で,心にもなく,「中国の政治制度は素晴らしい」,と褒め称えた結果だ。

これらの合計出力1,960MWの石炭火力に対して,年間3,190万トンの石炭が必要で,このうち,1,530万トンは既に確保された。更に,1,320万トンが契約交渉中で,326万トンは亜瀝青炭で,現在入札準備中である。この10月に運転開始する中部ジャワの630MWのレンバン石炭火力は,亜瀝青炭を年間190万トン,20年契約で,価格は,キログラム当たり4,200キロ・カロリーのもので,トン当たり約38.51ドル相当である。

また,インドネシアの政治家を悩ませているもう一つの問題は,年々落ちてくる原油生産で,インドネシアの政治家に言わせると,エクソンなどの海外企業に熱意が足りない,という。中部ジャワのセプ油田が生産を開始したが,日16万バレル生産に遙かに及ばず,国際調停に持ち出す,とまで言っている。プルタミナに任せればもっと生産できる,と信じているが,どうだろうか。

今日のニュースの中で他に注目すべきは,ヒートポンプ。私の友人に専門家がいて頑張っているが,何か本当に雲を掴んできて食べるような話で,本当かいな,とよくからかっている。空気を再生可能エネルギーと定義した,なんて信じられない話だ。ミャンマーのコーカン自治区の話,麻薬の問題で難民が中国領に雪崩れ込んだとか。私も一時,蕎麦造りに入っていたので,雰囲気がよく理解できる。


今日の日本のエネルギー関連ユース

中国政府は,新エネルギー産業で技術と原料は全て海外頼みに,早急な取り組みをと
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34765
インドネシア政府は温暖化で2000の島が消えると,正確な数把握へ調査
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009082800059
中国全人代常務委は温暖化対策強化の意向を表明
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11220620090828
ミャンマーの東端,コーカン自治区から中国雲南省に難民が流入
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090828/chn0908281253005-n1.htm
インドネシア政府は,「温暖化ガス,30年に4割削減可能」,資金協力が条件
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090827D2M2702V27.html
日本政府はヒートポンプで空気の熱を再生エネ認定,エコキュート普及推進
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908280021a.nwc


本文

●インドネシアのPLNが190万トンの亜瀝青炭を購入

Indonesia's state electricity firm PT Perusahaan Listrik Negara (PLN) has secured 1.9 million tonnes of sub-bituminous coal per year for its new coal-fired power plant in Central Java, an official said on Thursday. PT Arutmin, a unit of Indonesia's largest coal producer PT Bumi Resources Tbk (BUMI.JK), and PT Titan Mining Energy will each supply 950,000 tonnes of coal per year to Rembang power plant, which has generating capacity of 630 megawatts, Pudji Widodo, PLN's head of coal energy unit said.

発電所はお金さへあれば幾らでも造れる,問題は燃料供給だ,と言い続けてきた。火力発電所のように,発電所が続く限り燃料,石炭や石油やガスを運び続けなければならない,全く東京都のゴミ運びと一緒,一日でも途切れると大変なことになる。我々水力屋から見れば,よくやる,と言う感じである。インドネシアの第1次クラッシュ・プログラム(注13)の石炭火力の一部が,これから発電を開始する。

インドネシアのPLN(注5)は,中部ジャワの630MWのレンバン石炭火力発電所(注10)のために,亜瀝青炭(注6)を年間190万トン供給することで,PTブミ(注8)などと協定したことを発表した。期間は20年で,価格は,亜瀝青炭(注6)のGAR(注12)で,キログラム当たり4,200キロ・カロリーのもので,トン当たり約38.51ドル相当である。

630MWのレンバン石炭火力発電所(注10)は,第1次クラッシュ・プログラム(注13)で建設される35の石炭火力の一つである。レンバン石炭火力発電所(注10)は,今年,2009年10月に運転開始の予定であるが,レンバン石炭火力発電所(注10)を含めて3つの石炭火力が,2009年末までに運転開始する予定で,その出力は,1,960MWである。

これらの合計出力1,960MWの石炭火力に対して,年間3,190万トンの石炭が必要で,このうち,1,530万トンは既に確保された。更に,1,320万トンが契約交渉中で,326万トンは亜瀝青炭(注6)で,現在入札準備中である。第2次クラッシュ・プログラム(注14)は,10,000MWを,石炭火力と再生可能エネルギーで対応する計画である。PLNの発電設備は現在25000MWであるが,老朽化している。石油から石炭・ガスに切り替え中。

(注)F (1) 090828F Indonesia, reuters,title: Indonesia's PLN buys 1.9 mln T/year coal for new power plant,(3) http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSJAK32809520090827,(4) Thu Aug 27, 2009 2:54am EDT,JAKARTA, Aug 27 (Reuters),(5) PT Perusahaan Listrik Negara (PLN),(6) sub-bituminous coal亜瀝青炭,(7) PT Arutmin,(8) PT Bumi Resources Tbk (BUMI.JK),(9) PT Titan Mining Energy,(10) 630 megawatts Rembang power plant,(11) Pudji Widodo, PLN's head of coal energy unit,(12) 4,200 kcal/kg gross as-received (GAR),(13) crash programme,(14) second crash programme,(15) photo source: www.basf-cc.com.sg/.../Pages/Plturembang.aspx,(16)

今日の参考資料

●090828F Indonesia, reuters
インドネシアのPLNが190万トンの亜瀝青炭を購入
Indonesia's PLN buys 1.9 mln T/year coal for new power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090828F.htm

http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSJAK32809520090827

最近の関連資料

●090822A Indonesia, energy-business-review
インドネシアのPLNは第2次10,000MW開発プログラムを発進
PT PLN Plans Second 10,000MW Power Program In Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090822A.htm
●090822B Indonesia, asiasentinel
インドネシアでは人口の3分の一が電気がなく大統領に期待
Starved for Power in Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090822B.htm
●090714B Indonesia, thejakartapost
インドネシアのジャワバリ系統に1,535MW新規電源投入へ
Java-Bali grid set for increased power supply
http://my.reset.jp/adachihayao/index090714B.htm
●090317B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府がプマラン石炭火力の入札開示へ
Govt to soon open bid for Pemalang power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317B.htm
●090227C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府が石炭の最低料金を設定へ
Govt to regulate minimum coal selling prices
http://my.reset.jp/adachihayao/index090227C.htm


●インドネシア政府がセプ油田の生産落ちでエクソンに警告

Indonesia's oil watchdog, BPMIGAS, said on Thursday it may bring U.S. oil major Exxon Mobil (XOM.N) to arbitration court if the firm fails to produce 15,000 barrels per day (bpd) of crude oil from the Cepu block by the end of August. The giant block in Central Java, which is being jointly developed by Exxon Mobil and Indonesian state oil firm Pertamina, began initial production last December with a volume of around 800 bpd.

インドネシアも大統領選挙が終わってカラ副大統領が退いたが,相変わらず,原油生産の落ちに対しては,インドネシア国会を中心に,厳しい見方が続いている。国会では,外国企業の怠慢を指摘する声が多い。私はそれは,プルタミナが楽観的な見通しを示すのに対して,外国企業が客観的な計画を出す,その間のギャップが,国会やインドネシア政府の危惧に繋がっているよいうな気がする。

2009年5月の報道であるが,国会に喚問された原油ガス総局長エビタ女史は,原油ガスの総元締めであるBPミガスの数字を挙げて,来年,2010年も原油生産に関しては希望が持てない,と国会議員達を失望させている。今年,2009年の原油生産目標は,日105万バレルであったが,2010年は殆ど変わらない日96万バレルと報告している。

インドネシア,ジャワ島中部のセプ油田(注7)は,今年,2009年初め,4年間の紛争を経て,2008年12月,日80万バレルでやっと生産開始した。しかし,オペレーターであるエクソンモビル(注6)は,2009年8月の生産目標,日15,000バレルを達成出来ていない。BPMIGAS(注5)は,国際調停に持ち出す,と警告を発した。2009年3月に,パイプラインの問題で一時運転を中止している。

BPMIGAS(注5)は,オペレーターをプルタミナ(注8)に交代させることも考えていると発言している。セプ油田(注7)は,エクソン(注6)にとっては世界10指に入るプロジェクトで,2012年には日量165,000バレルの生産を目標にしている。インドネシアとしては,急激に落ちて行く原油生産の大きな歯止めになると期待しているプロジェクトである。

(注)G (1) 090828G Indonesia, reuters,(2) title: Indonesia warns Exxon on failing Cepu oil output,(3) ttp://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSJAK47562820090827, (4) Thu Aug 27, 2009 3:08am EDT,JAKARTA, Aug 27 (Reuters),(5) BPMIGAS,(6) Exxon Mobil (XOM.N),(7) Cepu block,(8) Pertamina,(9) Sulistya Hastuti, BPMIGAS spokesman,(10) map source: http://www.energy-pedia.com/article.aspx?articleid=136672,(11)

今日の参考資料

●090828G Indonesia, reuters
インドネシア政府がセプ油田の生産落ちでエクソンに警告
Indonesia warns Exxon on failing Cepu oil output
http://my.reset.jp/adachihayao/index090828G.htm

http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSJAK47562820090827

最近の関連資料

●090528A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府の見通しは2010年も原油生産伸びず
Govt unable to boost oil output next year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090528A.htm
●090528C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのセプ油田でパイプラインの許認可に見通し
Cepu block row over pipeline licence to be settled soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090528C.htm
●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211A.htm
●090209C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,エクソンがセプ油田で,から副大統領に直訴
Exxon asks for permission from Kalla on Cepu Block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209C.htm
●090114D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのセプ,エクソンが4年の紛争を経て運転開始へ
Exxon’s rights in Natuna terminated since 2005 Govt
http://my.reset.jp/adachihayao/index090114D.htm
●081204E Indonesia, The Jakarta Post
エクソン,チェプブロックの生産開始で,楽観的
Exxon upbeat on Cepu production schedule
http://my.reset.jp/adachihayao/index081204E.htm
●081203B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問
Exploration schedules in Cepu put into doubt
http://my.reset.jp/adachihayao/index081203B.htm


今日のその他のエネルギー関連ユース

○090828A Nissan,evwind
日産は将来のリチューム電池で自信,4キログラムまで小型化可能と
Nissan confident over future of lithium: 4 kg of lithium in each electric car battery
http://www.evwind.es/noticias.php?id_not=982
○090828B Pakistan, industrialinfo
パキスタンはタールの石炭で2020年までに10,000MW開発
Pakistan Approves Four Power Projects from Thar Coal Reserves to Generate 10,000 MW by 2020
http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=149624
○090828C Philippines, tradingmarkets
フィリッピンのサンミゲールが230MWのリマイ複合火力を取得へ
Philippine co San Miguel wins bidding for Limay Plant
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2498527/
○090828D Nepal, xinhuanet
ネパールの氷河湖決壊は温暖化と共に現実に
Climate change increases glacial burst danger in Nepal
http://news.xinhuanet.com/english/2009-08/27/content_11952497.htm
○090828E India, en.cop15
インドのラメシュ環境相が北京で温暖化削減で怪気炎
India to rich nations Call our bluff
http://en.cop15.dk/news/view+news?newsid=1972
○090828H India, business-standard
インド政府はNTPCなどの電源開発を見込んで4000億ルピー機器発注承認
Govt approves Rs 40,000-cr power equipment order
http://www.business-standard.com/india/news/govt-approves-rs-40000-cr-power-equipment-order/368349/


2009年8月27日分 ー バングラデシュに対して中国が10億ドル提案 ー

バングラデシュの地図を開いてみよう。ミャンマーと違ってバングラデシュは中国領チベット高原から,インドのアッサムによって遮られている。中国としては,バングラデシュはどうしても使い物にならない地政学的な位置にある。中国が助けてくれなければ,インドとは対立関係にあるし,日本に頼りしかない,というのが,バングラデシュの立場であった。助けてあげて欲しい,と私も声を上げてきた。

それでもバングラデシュは,豊富な中国の資金源から置いて行かれては堪らない。2005年当時に開かれたJEC,中国-バングラデシュ経済協力会議は,2005年に開かれたまま,その後は開かれていない。2008年に中国の楊外相がダッカを訪れているが,主たる目的は軍事協力であった。このたび,バングラデシュの使節団が北京を訪問し,28プロジェクト,総額約51億ドルの支援を要請した。

中国の対応は冷たく,その回答は,5プロジェクト,約10億ドルである。橋梁,友好会館,肥料工場,通信網整備などである。バングラデシュ側の,ソフトローンの申し込みに対して,それはならぬと,バイヤーズクレディットのハードローンのみ,それも,プロジェクトのコントラクターには中国企業に限ると言う条件,とりつく島もない。日本も東京電力を送り込むが,どの様な進捗を見せるのだろうか。

更に,可能性調査の報告書はバングラデシュで作れ,出来たら知らせてくれ,こちらからハードローンを供与する中国輸出入銀行のスタッフが査定に行く,採算性重視と言うことを忘れるな,と言われている。また,そちらでしっかりと優先順位を付けておいてくれ,バングラデシュの言うとおりにはすべての要請を受け入れることは出来ないから,と,まるで日本の外務省のような姿勢である。対ミャンマーとは大違い。

バングラデシュと中国のプロジェクトが進まないのは,バングラデシュ側のプロジェクトへの対応が悪く,プロジェクトの内容を度々変更し,実施も遅い。インドネシアなどと同時に話し合いを初めても,もうインドネシアは,多くのプロジェクトが進行しているが,バングラデシュとは大きな違いだ,とまで言われている。どうしようもないほど中国の態度が悪い。まだ余り資金のない頃は,バングラデシュの石炭火力を一生懸命造っていた。

中国の増長,と見るが,全く中国にメリットのないバングラデシュ,と判断しているのだろう。それでも10億ドルは日本の援助に比べれば大きいし,バングラデシュとしては,有り難く頂くことになる。2008年の楊外相は,6億ドルのループル原子力発電所に関心がある,と表明している。またバングラデシュは,このループル原子力発電所とバラプクリア石炭火力発電所の第3号機,125MWの支援要請をしているが,中国の回答はない。

バングラデシュの電力事情だが,2008年末の発電設備は,5,305MWで,うち,3,809MWが政府,1,496MWが民間でこの中には地方電化も含まれている。政府の設備は老朽化してガスの供給が乏しく,出力が落ちている。カプタイ水力は水位が落ちて出力減に悩んでいる。2008年の最大需要は,4,130MWである。新たに浮上しているプロジェクトは,バラプクリア石炭火力発電所の第3号機とカプタイ水力の増設だ。

イラクで日本企業が大活躍だが,最初にとりついた中国は,スイス企業との関係からブラックリスト入りだという。対イラク戦争に反対して協力しなかった中国が,大規模なイラク油田に参入するのは,少しおかしいなあ,と思っていたが,イラク政府もそう思っているのだろうか。日本企業のイラク油田での活躍が,連日報じられている。日本の需要の10%に達するプロジェクトだという。自衛隊のお陰か。

中国の石炭について,昨日の記事を読み返してみた(090826I)。中国は,効率の悪さや事故の多さから,中小炭坑の閉鎖を進めているが,これが響いたのか,国内石炭価格が急上昇しているという。トン170ドルまで達している模様で,中国政府は石炭でパニック状態,南アフリカ,インドネシア,オーストラリアなど,買いまくっている。私の推定,中国の炭坑は日本の二の舞,よく見ていて欲しい。


今日の日本のエネルギーニュース

豪政府が米シェブロンなどのLNGゴーゴン開発事業を正式認可
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090826AT2M2600V26082009.html
イラク政府は中国石油化工の同国油田開発応札認めぬ意向
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090826AT2M2504226082009.html
アジア開銀は,まずフィリピンに財政出動支援で470億円融資,続いてバングラデシュなど
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090824AT2M2401M24082009.html
イラク南部のナシリヤ油田開発で,日本企業がイラク政府と原則合意
http://www.shinmai.co.jp/news/20090827/KT090826ETI090008000022.htm
ロシア大統領がモンゴル訪問-両国の固い絆を確認
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090827/39959.html
中国政府の常務会議が風力発電など「設備過剰」と指摘
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090826D2M2602P26.html
風に乗れ,三菱重が リチウム電池に参戦,シナジー発揮
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908270015a.nwc


本文

●バングラデシュは原子力発電など中国の支援に期待

But favours hard loans; wants to pick bidders for their projects; unhappy with slow project implementation. China at a state-level meeting has primarily expressed its interest to finance five projects involving more than $1 billion as Bangladesh sought $5.14 billion assistance for 28 projects. China also offers its assistance in a mix of buyer's credit and concessional loans, which have hard terms, against Bangladesh's request for soft loans.

バングラデシュと中国の話し合いは余り円滑に進んでこなかったようだ。私もバングラデシュを助ける人がいない,日本も助けてあげたらどうか,と言っていた。2005年に両国の協議が進んだが,それ以降は途絶え,2008年4月に中国の外務大臣が訪問して,ループル原子力発電所(注21)に関心があることを中国側が表明している。しかし,楊外務大臣の大きな意図は軍事協力だったようだ。

何と言ってもバングラデシュは中国と地続きではない。この点は全くミャンマーと地政を異にする。今日の記事でも,中国の表現は誠に冷たい。まるで日本のODAみたいな感じで,まずバングラデシュの望むソフトローン(注6)を拒否し,更にバイヤーズ・クレディット(注7)でも,実施する企業は中国企業に限るとか,ミャンマー,パキスタン,ネパール,インドネシアなどと全く違う。ハードローンで中国企業ですからね。

更に追い打ちをかけている発言は,FSまでは全部そちらで準備せよ,内容を十分に検討して回答させて貰う,とか,全部が全部出来るわけではにのでそちらの優先順位をしっかりと付けてくれ,などという言い方は,そっくりそのまま日本の外務省と一緒だ。また,約束してもそちらのプロジェクトの進捗は遅い,同じ頃に話をしても,インドネシアはどんどん進めているのに,バングラデシュのプロジェクトは進まない,と散々だ。

今回の協議は28プロジェクトについて行われたようだが,殆どは,橋梁,中国得意の芸術センター,肥料工場,通信などで,バングラデシュ側の要請は28プロジェクト,51億ドル,に対して,中国の回答は,5プロジェクト,10億ドル,と厳しい。FS報告書が整ったら言ってくれ,中国輸出入銀行のスタッフを送って精査させる,評価の対象はあくまで採算性だ,と言いたいことを言っている。

バングラデシュ側としては,6億ドルのループル原子力発電所(注21)とバラプクリア石炭火力発電所の第3号機(注22),125MWを要請しているが,中国側の返答はまだない。2008年4月の楊外相訪問時,中国はバングラデシュの原子力発電所に大いに関心がある,と発言している。今年,2009年5月にロシアの調査団の訪問があって,ロシアは協力する,と発言した事実がある。

バングラデシュの電力事情だが,2008年末の発電設備は,5,305MWで,うち,3,809MWが政府,1,496MWが民間でこの中には地方電化も含まれている。政府の設備は老朽化してガスの供給が乏しく,出力が落ちている。カプタイ水力は水位が落ちて出力減に悩んでいる。2008年の最大需要は,4,130MWである。新たに浮上しているプロジェクトは,バラプクリア石炭火力発電所の第3号機とカプタイ水力の増設だ。

(注)I (1) 090827I Bangladesh, thedailystar,(2) title: China offers $1b for 5 projects,(3) ttp://www.thedailystar.net/newDesign/news-details.php?nid=103153,(4) Rejaul Karim Byron,(5) buyer's credit,(6) concessional loans,(7) hard loans,(8) feasibility study reports,(9) Bangladesh-China Joint Economic Commission (JEC),(10) Economic Relations Division (ERD) Secretary Mosharraf Hossain Bhuiyan,(11) Vice-minister Chen Jian,(12) Seventh Bangladesh-China Friendship Bridge on the Arial Khan river in Kazirtek, Madaripur,(13) Bangladesh-China Friendship Exhibition Centre,(14) Shahjalal Fertiliser Factory,(14) Pagla-Keraniganj Water Treatment Plant,(15) Export Import Bank of China,(16) Kazirtek Bridge,(17) Ministry of Commerce of China,(18) Ministry of Finance of Bangladesh,(19) preferential buyer's credit,(20) Introduction of 3G and Expansion of 2.5G Network project,(21) Rooppur Nuclear Power Project,(22) Barapukuria 125 megawatt coal-fired thermal power station,(23)

今日の参考資料

●090827I Bangladesh, thedailystar
バングラデシュは原子力発電など中国の支援に期待
China offers $1b for 5 projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090827I.htm

http://www.thedailystar.net/newDesign/news-details.php?nid=103153

最近の関連資料

●090610A Bangladesh,nation.ittefaq
バングラデシュが新規ガス田探査で入札開始へ
Final decision on gas block bidding soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090610A.htm
●090610B Bangladesh, nation.ittefaq
バングラデシュはブータンの水力を輸入する可能性がある
Bhutan can export hydropower to Bangladesh: President
http://my.reset.jp/adachihayao/index090610B.htm
●090226C Bangladesh, thedailystar
バングラデシュがインドの国境付近のダムについて影響を訴える
The Tipaimukh issue
http://my.reset.jp/adachihayao/index090226C.htm


今日のその他のニュース

○090827E Thailand, ogj
タイとマレーシアの協力ブロックB−17で間もなくガス生産開始
Block B-17 in Malaysia-Thailand JDA nears production phase
http://www.ogj.com/index/article-display/6824109459/s-articles/s-oil-gas-journal/s-drilling-production-2/s-production-operations/s-field-start-ups/s-2009/s-08/s-block-b-17_in_malaysia-thailand.html
○090827A South America, hydroworld
ブラジルの39MWのバラ・ド・ブラウナ水力の資金調達
Development bank approves financing for Brazilian hydro project
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/6655440499/s-articles/s-hrhrw/s-hydroindustrynews/s-general/s-development-bank_approves.html
○090827B Russia, .itar-tass
ロシアのサタノ-シュセンスカヤ水力事故は自動ストップが効かず
Automatic shutdown system fails at Sayano-Shushenskaya HPP
http://www.itar-tass.com/eng/level2.html?NewsID=14269034&PageNum=0
○090827F Pakistan, thenews
パキスタンの北西辺境州政府が水力地元便益還元で強硬
NWFP wants compensation in NFC
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=195082
○090827C Indonesia, upstreamonline
インドネシアのプルタミナが原油生産を大幅アップ
Pertamina cranks up Java outputs
http://www.upstreamonline.com/live/article186509.ece
○090827G India, livemint
インドのNTPCがNELP−8探査でONGCなどと協力したいと
NTPC in talks with ONGC, OIL to bid jointly for oil, gas blocks
http://www.livemint.com/2009/08/26225624/NTPC-in-talks-with-ONGC-OIL-t.html?h=B
○090827D China, forbes
中国のゴードン・ガス田でオーストラリア政府が最終承認
Australia gives final approval to Chinese gas sale
http://www.forbes.com/feeds/ap/2009/08/26/business-energy-as-australia-petrochina-exxon_6815498.html
○090827H China, offshore-mag
中国の国家石油CNOOCの生産が15%など飛躍的に増大
Strong first half for CNOOC
http://www.offshore-mag.com/index/article-display/1782829761/s-articles/s-offshore/s-production/s-asia-pacific/s-2009/s-08/s-strong-first_half.html


2009年8月26日分 ー ミャンマーへの強硬姿勢に米国の変化の兆し ー

微妙に歴史が動いている。今日のアジア・タイムスの記事を読んでいて,もう少し記事の意図がよく分からなかったが,毎日の,「米国が対ミャンマー軍事政権との対話を模索」,という記事(注)を見て,やはり動いている,と感じた。英語の表現を見ると,「ミャンマーを訪問したウェッブ米上院外交委員会小委員長は制裁政策を非難している」,と書いてある。ウエッブ議員は,収監されていたイエタウ被告を解放して,バンコクに出た。

今日のアジアタイムスを読むと,ミャンマーの軍事政権のタンシュエ将軍を初めとする将軍達は,まさに悪の帝国の首領とその手下,という感じである。将軍達に利益を捧げるのは,麻薬で企業を興してきた闇の商人達,表向きシンガポール籍でトー貿易会社を経営するタイザ,アジアワールドの経営者で麻薬で追われるロ・ジン・ハンなどである。

このタイザやロ・ジン・ハンは,単なる貿易だけではなく,ロシアからの戦闘機までも含めた武器の輸入にも手を染め,更には北朝鮮との間の核疑惑にも係わっているという。その一人は,ミャンマーのゴルフ場で,将軍達とプレーしながら,イランの核開発担当者も伴っている,と書かれている。ネピドーの山奥に引っ越した悪の帝国は,山深く,要塞を築いて核開発を進めている疑惑があるという。

このような悪の帝国を相手に,国家の枢要を握るエネルギー資源,原油やガスをパイプラインで求める中国政府も勇気があると思うが,中国は一体,ミャンマーの行く末をどの様に計っているのだろうか。この前にヤンゴンで暴動が起きたとき,タンシュエ将軍の家族は密かにラオスのビエンチャンに逃れたと言う噂が立った。そうでもしなければ,民主化の暁には,縛り首だけでは済まないだろう。

それでも,中国のガスパイプラインは進んでいる。アラカン沖のガス田は,韓国の大宇が過半数の資本を持っているが,2013年の中国へのガス売却をスタートさせるため,56億ドルの巨費を注ぎ込むという。日ピークで5億立方フィート,年間380万トンを計画している。中国雲南省を目指すパイプラインは,海上部分を大宇などコンソーシアムが運営し,陸上部分は中国のCNUOCとの協同運用となる。

文末にまとめたその他の今日のニュースでは,インドネシアのドンギ-スロノLNGをPLNが百万Btu当たり6.16ドルで買うという。中国の石炭について,私は中国の炭坑が日本の炭坑の末路をたどるような気がする。なぜ中国が南アフリカなどの石炭に手を出すのか,何処に行ってもタイと中国のバイヤーが買い占めている。炭田でなく炭坑の中国の石炭は,価格に耐えられなくなりつつあるのではないか。

(注) http://mainichi.jp/select/world/news/20090818ddm007030136000c.html


本文

●ミャンマーでのビジネスの問題に米国上院議員が火を付けた

The debate over United States and European Union-led sanctions against doing business in Myanmar is set to intensify in the wake of US Senator Jim Webb's recent high-profile meeting with Senior General Than Shwe and detained pro-democracy leader Aung San Suu Kyi. Webb spoke out against the sanctions and Myanmar's junta echoed that call through state media. As US policymakers weigh the pros and cons of economically re-engaging the ruling junta, the process will necessarily take into account that a handful of military linked businessmen, many allegedly involved in illegal activities, including drug trafficking, dominate Myanmar's underdeveloped economy.

ミャンマーはまるで悪の巣窟,タンシュエ(注6)は悪の帝国の首領である。おそらく事実に近いだろう,彼等,軍事政権との闇の証人達との繋がりは,個人的な贈収賄の問題を越えて,武器の売買は,ミャンマーの核武装にまで入り込んで来るという。この悪の帝国の首領と面会した米国上院議員ジム・ウエッブ(注5)の意見,ビジネスの面からミャンマーへの制裁を批判する発言は,表現上,強烈な反対,と訳せるのか。

闇の商人,タイザ(注10)は表向きシンガポール籍でトー貿易会社(注11)を経営しながら,ミャンマー軍事政権の将軍達への便宜の供与を行いながら,ミャンマー内での幅広いビジネスに手を染めて,軍事政権との結びつきを最大限に使いながら,果ては,ロシアからの武器の調達,核武装への北朝鮮との取引や,ゴルフなどの遊び仲間にはイランの各関係者も含まれているという。

建設企業アジア・ワールド(注34)は,私たちがミャンマーのコーカン特別地区(注39)で働いていた頃は,ミャンマーで唯一つ公認されたコントラクター,建設業者だと聞いていた。その首領のロ・ジン・ハン(注31)は,コーカン特別地区(注39)などとの麻薬取引を仲介しながらタイで逮捕され,死刑を免れてミャンマーに国外追放され,恩赦を経て,元気に働いている。いずれも,米国財務省のブラックリストだ。

この記事を読んでいると,芯からミャンマーの将来を心配する。この状態では静かな民主化への着地などは不可能である,もし民主化というものがすべてを透明化を求めるものであれば,ミャンマーの将軍達はすべて監獄行きになるだろう。その状態で軍事政権が,国民に政治の主導権を渡すだろうか。この政権交代は,大混乱と殺戮なしに軟着陸は不可能だろう。

(注)D (1) 090826D Myanmar, atimes,(2) title: On the march to do business in Myanmar,(3) ttp://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/KH26Ae01.html,(4) By Brian McCartan,BANGKOK,(5) US Senator Jim Webb,(6) Senior General Than Shwe,(7) Aung San Suu Kyi,(8) pros and cons,賛否両論,(9) Transparency International,(10) Tay Za,(11) Htoo Trading Company Ltd,(12) Air Bagan,(13) US Treasury Department,(14) Ayer Shwe Wah Company Ltd,(15) Myanmar Avia Export Company Ltd,(16) Pavo Aircraft Leasing Company Ltd,(17) Alcatel Shanghai Bell,(18) Yadanabon cyber-city,(19) Naypyidawネピドー,(20) General Thura Shwe Mann,(21) Aung Thet Mann,(22) Ayer Shwe Wah Company Ltd,(23) Cyclone Nargis,(24) United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization,(24) Bagan,(25) Avia Export Company Ltd,(26) MAPO,(27) Myanmar's suspected nuclear program,(28) Vice Senior General Maung Aye,(29) Desmond Ball, a professor at Australian National University,(30) Kyaw Thein, the deputy director of the Directorate of Defense Services Intelligence,(31) Lo Hsing Han,(32) Steven Law,(33) Tun Myint Naing,(34) Asia World Ltd,(35) Irrawaddy Delta,(36) Myit Sone dam,(37) Mytikyina,(38) Kyaukpyu on Ramree Island,(39) Kokang region,(40) then-chief of intelligence, Lieutenant General Khin Nyunt,(41) Kokang and the United Wa State Army,(42) China's National Offshore Oil Corporation (CNOOC),(43) Shwe gas project,(44) Brothers Nay Aung and Pyi Aung,(45) Aung Yee Phyo Company Ltd,(46) IGE Company Ltd,(47) Myanmar Oil and Gas Enterprise,(48) Khin Shwe, owner of the Zaykabar Company,(49) Myanmar-Japan Friendship Association,(50) Myanmar-Korean Friendship Association,(51) Myanmar Thai Development Company,(52) Htay Myint, founder of the Yuzana Company,(53)

今日の参考資料

●090826D Myanmar, atimes
ミャンマーでのビジネスの問題に米国上院議員が火を付けた
On the march to do business in Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index090826D.htm

http://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/KH26Ae01.html

最近の関連資料

●090818A Myanmar, mizzima
ミャンマーのサルウイーン河ダム開発を巡る外交戦
The politics of dam construction along the Salween
http://my.reset.jp/adachihayao/index090818A.htm
●090724A Myanmar, business-standard
インドの国家石油がミャンマーの中国パイプラインに資本参加の意向
ONGC Videsh to join Chinese gas pipeline from Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index090724A.htm
●090624A Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマーのマウンアイ将軍の北京訪問は成果が多かった
Myanmar 2nd top leader's China visit brings about new success in bilateral relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624A.htm
●090624B Myanmar,upi.
ミャンマーは越境犯罪でASEAN高官会議を招待
Myanmar to host crime-prevention meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624B.htm
●090605A Myanmar, atimes
ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある
China drawn into Myanmar's border strife
http://my.reset.jp/adachihayao/index090605A.htm


●ミャンマーのガスの中国への輸出で大宇が56億ドル取引

A Myanmar gas consortium led by South Korea's Daewoo International plans to invest about $US5.6 billion in a 30-year natural gas supply deal with China, a member of the group has said. Under the agreement, the consortium will sell natural gas to China's top state oil and gas firm, China National Petroleum Corp (CNPC), from the Shwe and ShwePhyu fields in Burma's A-1 offshore block and Mya field in A-3 offshore block, starting from 2013.

ミャンマー・ガス・コンソーシアムは,韓国の大宇(注5)が51%の資本を握り,インドのONGC(注9)が17%,ミャンマーのBOGE(注10)が15%,インドのGAIL(注11)が8.5%,KOGAS(注12)が同じく8.5%,のそれぞれ資本を握っている。このマジョリティを握る大宇(注5)が,中国との30年供給契約に関して,56億ドルの投資を行うことを計画している。

中国との合意書によると,コンソーシアムは,A1ブロックのシュエとシュエピュ・ガス田(注7)と,A3ブロックのミャ・ガス田(注8)から,中国のCNPC(注6)にガスを供給する。

海上のパイプラインはコンソーシアムが運営し,陸上部分は中国のCNUOC(注13)との協同運用となる。中国側の発表では,このガスは中国の雲南省まで運ばれ,マラッカ海峡(注15)を迂回する効果が大きいという。ミャンマー自体も,パイプラインの途中でガス供給が受けられる。西欧諸国は,人権問題からミャンマーへ制裁中で,プロジェクトに参加していない。

この中国への供給開始は,2013年を目指しており,ピーク日量5億立方フィート,年間380万トンを計画している。大宇(注5)の投資計画によると,最初の2014年までの5年間で2.1兆ウオン,約16.8億ドル相当,KOGAS(注12)が,299百万ドルを支出する。KOGAS(注12)によると,初期投資,46億ドルを含み,投資総額は,56億ドルである。

中国は,ミャンマーを外交上支えており,経済発展を支えるために,原油,ガスが必要で,ミャンマーへの投資には不安を感じていないように見える。中国のSINOPEC(注18)は,次の2年間で,1,200億元,約1755億ドル相当,を原油ガス探査及び生産に投ずる計画という。

Daewoo has a 51 per cent stake in the consortium and the other shareholders are India's Oil and Natural Gas Corp with 17 per cent, Burma Oil & GAs Enterprise with 15 per cent, India's GAIL with 8.5 per cent, and Korea Gas Corp with 8.5 per cent.
(注)E (1) 090826E Myanmar, businessspectator,(2) title: Daewoo in $US5.6bn Burma gas export deal to China,(3) ttp://www.businessspectator.com.au/bs.nsf/Article/UPDATE-1-Daewoo-in-56-bln-Myanmar-gas-export-deal--V9A2G?OpenDocument,(4) Reuters,SEOUL,(5) Daewoo International,(6) China National Petroleum Corp (CNPC),(7) Shwe and ShwePhyu fields in Burma's A-1 offshore block,(8) Mya field in A-3 offshore block,(9) India's Oil and Natural Gas Corp,(10) Burma Oil & GAs Enterprise,(11) GAIL,(12) Korea Gas Corp (KOGAS),(13) China National United Oil Corp (CNUOC),(14) Yunnan province,(15) Malacca Strait,(16) Nobel Peace Prize laureate Aung San Suu Kyi,(17) qualms,不安,(18) Sinopec Corp,(19) map source: http://images.energy365dino.co.uk/standard/107387_4a6109dc4da343d8b38d.jpg,(20)

今日の参考資料

●090826E Myanmar, businessspectator
ミャンマーのガスの中国への輸出で大宇が56億ドル取引
Daewoo in $US5.6bn Burma gas export deal to China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090826E.htm

http://www.businessspectator.com.au/bs.nsf/Article/UPDATE-1-Daewoo-in-56-bln-Myanmar-gas-export-deal--V9A2G?OpenDocument

最近の関連資料

●090724A Myanmar, business-standard
インドの国家石油がミャンマーの中国パイプラインに資本参加の意向
ONGC Videsh to join Chinese gas pipeline from Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index090724A.htm
●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401A.htm


今日のその他のニュース

○090826A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの原子力発電所は1,000MWで2020年
Vietnam to have first nuclear power plant by 2020: official
http://www.thanhniennews.com/education/?catid=4&newsid=52046
○090826N South America, hydroworld
コロンビアの820MWのソガモソ水力で425百万ドルの資金調達
Colombian utility cleared to issue bonds for Sogamoso project
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/5479227469/s-articles/s-hrhrw/s-hydroindustrynews/s-newdevelopment/s-colombian-utility.html
○090826B Pakistan, app.com
パキスタンのザルダリ大統領は中国で8つの覚書締結
Zardari’s China visit concludes with 8 MoUs
http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=84691&Itemid=1
○090826C Philippines, manila bulletin
フィリッピン初のLNGターミナルが着工して2010年にも300MW
Rites set for P2-billion gas project
http://www.mb.com.ph/articles/217607/rites-set-p2billion-gas-project
○090826O Philippines, bworldonline
フィリッピンのアボイテスがティウイ地熱の電力をビサヤへ供給計画
Aboitiz to send geothermal power to Cebu from Tiwi
http://www.bworldonline.com/BW082609/content.php?id=041
○090826P Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNがドンギ-スノロLNGを6.16ドルで購入合意
PLN Agrees to Pertamina’s Price for Donggi-Senoro Gas
http://thejakartaglobe.com/business/pln-agrees-to-pertaminas-price-for-donggi-senoro-gas/326033
○090826F India, reuters
インドがイランで51億ドルの5,000MWガス火力建設へ
India may build $5.1 bln power station in Iran - govt
http://in.reuters.com/article/businessNews/idINIndia-41960220090825
○090826G India, sify.com
インドのヒマチャル州は2007年12月以来311の小水力承認
Himachal approves 311 mini-hydro projects since December 2007
http://sify.com/news/fullstory.php?a=jizpucgegjd&title=Himachal_approves_311_mini-hydro_projects_since_December_2007
○090826H China, english.people
中国の長江の運用は難しい局面を迎えているWWF
Yangtze River management faces huge challenges, WWF expert
http://english.people.com.cn/90001/90781/90879/6738722.html
○090826I China, thisismoney
中国の需要の高まりから世界の石炭価格は急上昇した
Coal prices
http://www.thisismoney.co.uk/30-second-guides/article.html?in_article_id=490022&in_page_id=53611
○090826J China, chinaknowledge
中国は再生可能エネルギー基金の創設を検討中
China mulls setting up renewable energy development fund
http://www.chinaknowledge.com/Newswires/News_Detail.aspx?type=1&NewsID=26509
○090826K China, shreveporttimes
中国は経済成長に伴う原油需要で危機感
China hungry for oil deals for growing economy
http://www.shreveporttimes.com/article/20090825/NEWS05/908250323/1064
○090826L Climate change,english.people
中国は水資源もCOP15で交渉の範囲に入れるべきと
Water should be included in the climate negotiations in Cop 15
http://english.people.com.cn/90001/90781/90879/6738854.html
○090826Q China, thejakartaglobe
中国の346億ドル豪のガス買収で豪首相が対中問題は未解決と
The Thinker: China’s Tough Talk
http://thejakartaglobe.com/opinion/the-thinker-chinas-tough-talk/325980
○090826M Africa, hydroworld
エチオピアのテケゼ・ダムが運用を開始
Ethiopia's Tekeze Dam begins generating power
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/9059878487/s-articles/s-hrhrw/s-hydroindustrynews/s-general/s-ethiopia_s-tekeze.html



2009年8月25日分 ー ネパールとインドは水力開発推進で合意 ー

ネパールの地図を開いてみよう,北を中国のチベットに接し,南の平野部はガンジス河流域に横たわる広大なインドが位置する。インドとは,ネパールが中国から高射砲を買って以来,長い間,睨み合ってきた。インドに出口を止められると,ガソリンなど生活用品も入ってこない。車が全然動けなかったときがあった。当時の中国は,このようなネパールを助けるには,国内の経済発展に忙しかった。

ベルリンの壁ではないけれど,いつこのネパールとインドの間の壁が溶け始めたのか。それはネパールが王制を廃止し共和制を実現し,国内の両派の闘争いが収まって,治安が回復したと感じられると同時に,ネパールが経済発展のために,水力開発の門戸をインドや中国に解放してからだ,僅かに1年半前のことである。我々もこのような急展開が,僅かの時間に起こったことに驚きを感ずる。歴史の回転は以上に速い。

私がいつも言うように,ネパールのマオイストの兵士の取り扱いの問題が解決しなければ,本当の平和はネパールに訪れない。あれほどネパールの開発に情熱を燃やしていたマオイスト首領のプラチャンダーが,この問題で大統領と衝突して,簡単に政権を投げ出すとは考えていなかった。それほどプラチャンダーにとって,マオイスト兵士の処遇は大問題なのだ。

ネパールのネパール新首相の今回のニューデリー訪問に先立って,プラチャンダーを先頭に立てたマオイストは,首都カトマンズで大きなデモを計画していた。それは,ネパール西端でインドと国境を接するマハカリ川に建設される7,000MW,高さ315mという高さのロックフィルダムによるパンチェスバール多目的ダムの推進だ。プラチャンダーは,ネパール国民への便益が確定的でない,と反対している。

今日のニュースでは,ネパール首相と,我が尊敬するインドのシン首相が協同で,既設の合同水資源委員会に対して,パンチェスバール開発庁を創設するに当たっての任務と設計の内容を明らかにするよう指示した。合同会議は,この,2009年9月または10月にも開かれる予定である。おそらく数百億ドルの事業費が必要だが,一歩前進したことは確かであろう。

ニューデリーで民間企業の夕食会に招かれたネパール首相は,ネパールの治安は大丈夫なのか,と迫られた。ネパール首相は,全力で治安問題と取り組み,インドの民間企業には迷惑をかけない,ネパール領内で,アットホームな雰囲気の中で,インドの民間企業に働いてもらえるように全力を尽くす,と約束させられた。問題はプラチャンダーの思惑と言うよりは,マオイスト兵士の処遇問題に尽きるだろう。

インドのシン首相は,ネパールとの通商問題を盛り上げるために,ネパールの南北道路の幾つかを支援する,と約束した。インドとの間の関所を3カ所に亘って整備し,それに繋がる南北横断道路を建設する約束だ。これも,チベットからネパールへの道路整備を続ける中国を,多分に意識したものになる。この南北横断道路に,東西の縦貫道路,更には鉄道支援で,ネパールとの有効を確保しようと言う,インドの作戦である。

今日の日本のエネルギー関連ユース

○三菱重工,ベルギーのドエル原子力発電所に蒸気発生器(SG)2基を納入
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=229041&lindID=4
○燃料電池の実用化に向けて燃料電池研究開発施設が甲府に完成
http://www3.nhk.or.jp/news/t10015089691000.html
○米太陽エネルギー市場の覇権を握る中国ソーラーメーカーでオバマ大統領の目論見外れる?
http://www.morningstar.co.jp/portal/RncNewsDetailAction.do?rncNo=91522
○巨大権益のイラク油田で新日本石油など日本企業連合が獲得へ
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009082500595
○柏崎刈羽原発6号機で地元3自治体が試運転を了承
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090825AT3B2501125082009.html


本文

●ネパールとインドはパンチェスバール水力推進で合意

Nepal and India have agreed to speed up work on the much-talked Pancheshwor Multipurpose Hydroelectricity Project.
Prime Minister Madhav Kumar Nepal and Indian counterpart Manmohan Singh on Saturday directed the Joint Ministerial Commission on Water Resources (JMCWR) and Joint Committee on Water Resources (JCWR) to focus on the finalisation of Terms and Reference for the Pancheshwor Development Authority and the Detailed Project Report (DPR), said a joint press statement issued during the official visit of Prime Minister Nepal to India.

ネパールのネパール首相(注6)がインドのニューデリーを訪問,基本的な外交問題を話し合うと同時に,ネパール西端の国境に横たわる,7000MWの巨大プロジェクト,パンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注5)の行方が気になるところであった。政権を投げ出したマオイストのプラチャンダーがその推進に反対する中,ネパール首相(注6)はどの様な成果を得たのか。

7,000MW,パンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注5)はまさに,インドとネパールの国境のプロジェクトである。ガンジス川の支流,マ,ハカリ川のパンチェスバール付近に,高さ315mのロックフィル・ダムを建設する計画である。一見したところ,下流の灌漑便益も洪水調節も,また電力そのものも,インド,ヒンドウスタン州のため,とも言えるプロジェクトであるが,両国にとって重要なプロジェクトである。

ネパール首相(注6)とインドのマンモハン・シン首相(注7)は,インドとネパールで合同で運営する,水資源合同委員会閣僚会議JMCMR(注8)と水資源合同委員会(注9)に対して,パンチェスバール開発庁PDA(注10)の役割分担と詳細設計DPR(注11)を,結論づけるよう指示した。パンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注5)のネパールの便益は,発電が年458億ルピー,灌漑が9万6,000ヘクタールであるとしている。

インド側は,2009年9月から10月にかけて,第5次水資源合同委員会(注9)会合を開催することを提案し,以降,6ヶ月おきに定期的に会合を持つよう提案している。また,コシ堤防問題(注13)も議論されるべきこと,また更に,インドは,官民協同で,ネパールの水力開発に協力することも,合意の中に含まれている。

(注)F (1) 090825F Nepal, kantipuronline,(2) title: Nepal, India push for Pancheshwor,(3) http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=211052,(4) Kantipur Report,KATHMANDU, Aug 23,Posted on: 2009-08-23 00:15:57 (Server Time),(5) 7,000 MW Pancheshwor Multipurpose Hydroelectricity Project,(6) Prime Minister Madhav Kumar Nepal,(7) Manmohan Singh,(8) Joint Ministerial Commission on Water Resources (JMCWR),(9) Joint Committee on Water Resources (JCWR),(10) Pancheshwor Development Authority,(11) Detailed Project Report (DPR),(12) Sheetal Babu Regmi, joint-secretary at the Ministry of Irrigation,(13) Koshi embankment, (14)

今日の参考資料

●090825F Nepal, kantipuronline
ネパールとインドはパンチェスバール水力推進で合意
Nepal, India push for Pancheshwor
http://my.reset.jp/adachihayao/index090825F.htm

http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=211052

最近の関連資料

●090816A Nepal, nepalnews
ネパールのコイララ首相はデリー訪問の目的はパンチェスバール水力
PM says Pancheswor will figure predominantly during his deliberations in Delhi
http://my.reset.jp/adachihayao/index090816A.htm
●090816B Nepal, zeenews
ネパールのマオイストがパンチェスバール・ダムに反対してデモを計画
Maoists warn of mass agitation in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090816B.htm
●090816C Nepal, myrepublica
ネパールのパンチェスバールで遅れは損失と報告書を首相へ提出
Pancheshwar delay costs Nepal Rs 65b loss a year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090816C.htm
●090303D Nepl, nepalnews
ネパールに対してインドがパンチェスバール開発庁の設置を促す
India proposes formation of Pancheshwar Development Authority
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303D.htm

●ネパールに対してインドは中国を意識し投資増大へ

In a bid to support Nepal’s beleaguered peace process and check China’s growing influence, India has decided to pump in crores of rupees
into the neighbouring nation’s infrastructure. On the day Nepal’s Prime Minister Madhav Kumar Nepal started his five-day visit to India, the government at a high-level meeting took a decision to fund three large infrastructure projects, which will increase border connectivity and increase trade between the two countries.

ネパールのネパール首相(注6)とインドのシン首相(注17)の会談結果は,まず交通網整備が焦点である。インドとしては,中国が,ネパールと中国のチベット自治区(注19)を結ぶ道路の整備に力を入れている現状から,インドとネパールの国境を跨ぐ道路,特にチェックポイント(注11)の整備支援を前面に打ち出し,ネパールの南北方向の交通網整備に重点を置いて,両国の通商を図ることを考えた。

まず2つの国境地点を結ぶ道路整備を重点に,20億ルピーを投入する。テライ道路プロジェクト(注14)には,70億ルピー,全長1,500kmのうち,第1次として657kmをを整備する。これらによってインドは,ネパールを支援する,という強いメッセージを発したことになる。とにかくインドは,ネパールの和平最優先で考えている。中国政府が,ネパールの水力,保健,情報などに巨額の援助を行っていることが,インドの動機だ。

(注)H (1) 090825H Nepal, economictimes,(2) title: India attempts to match Chinese influence in Nepal,(3) ttp://economictimes.indiatimes.com/News/PoliticsNation/India-attempts-to-match-Chinese-influence-in-Nepal/articleshow/4913187.cms,(4) 20 Aug 2009, 0345 hrs IST, Nirmala Ganapathy, ET Bureau,NEW DELHI,(5) beleaguered,追いつめられた,(6) Prime Minister Madhav Kumar Nepal,(7) Integrated Customs Posts project,(8) mantra,持論,(9) Raxaul-Birganj point,(10) Jogbani-Biratnagar point,(11) Integrated Check Posts,ICP,(12) Sunauli-Bhairahawa point,(13) Nepalgunj-Nepalgunj point,(14) Terai road project,(15) Nepal Police Academy,(16) Maoist opposition,(17) Prime Minister Manmohan Singh,(18) gamut,全範囲,(19) Tibetan Autonomous Area,(20) photo and maps source: http://scaef.org.np/conference/conference/pdf/Session-3/2.%20Tulasi%20Sitaula%20-%20Theme%20PPT.pdf,(21)

今日の参考資料

●090825H Nepal, economictimes
ネパールに対してインドは中国を意識し投資増大へ
India attempts to match Chinese influence in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090825H.htm

http://economictimes.indiatimes.com/News/PoliticsNation/India-attempts-to-match-Chinese-influence-in-Nepal/articleshow/4913187.cms

最近の関連資料

●090731A Nepal, telegraphnepal
ネパールは水力を含む3大プロジェクトを中国に支援要請
Nepal appeals China for support to three projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090731A.htm
●090731C Nepal, kantipuronline
ネパールの商工会議所調査団が中国で事業協力合意
FNCCI woos Chinese investment in Nepal
http://www.kantipuronline.com/capsule.php?&nid=207033
●090720B Nepal, ndopia
ネパール政府は電力危機に対応するため大規模水力への外国企業視野
Nepal to accord priority for power export, invite investment
http://my.reset.jp/adachihayao/index090720B.htm
●090420C Nepal, thaindian
ネパールの首相の訪中で中国が支援の豪雨
China rains aid ahead of Nepal PM’s visit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090420C.htm
●090301D Nepal, asianews
ネパールの反チベットの動きに中国が警告を発す
Beijing warns Kathmandu against pro-Tibet rallies in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301D.htm
●081219B Nepal, xinhuanet
ネパールの銀行,中国企業と戦略的連携へ
Nepali bank signs strategic partnership agreement with Chinese firm
http://my.reset.jp/adachihayao/index081219B.htm
●081202B Nepal, kantipuronline
中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など
Chinese FM arriving
http://my.reset.jp/adachihayao/index081202B.htm


●ネパールはインドに対して投資環境確保を約束

We will create ‘feel-at-home’ environment for Indian entrepreneurs Security plan will address the issue of strikes, disruptions There is potential to further increase Indian investment Nepal on Wednesday promised a “feel-at-home” environment for Indian entrepreneurs, with Prime Minister Madhav Kumar Nepal assuring India that his office would take the initiative to remove all obstacles.

ネパールのネパール首相(注5)のインド訪問,シン首相との会談を通じて,インド政府はネパールの道路,エネルギーを中心に支援を続けることを決断したが,問題はネパールの治安である。インドは官民上げての体制造りに懸命であるが,民間企業側は,ネパールの治安に不安がある。インド商工会議所のメンバーとの夕食会で,ネパール首相は,全力で治安問題と取り組むことを約束した。

(注)G (1) 090825G Nepal, hindu,(2) title: Nepal promises steps to improve business climate,(3) ttp://www.hindu.com/2009/08/20/stories/2009082058510100.htm,(4) Special Correspondent,NEW DELHI,(5) Prime Minister Madhav Kumar Nepal,(6) feel-at-home environment,(7) Pushpa Kamal Dahal alias Prachanda,(8)

今日の参考資料

●090825G Nepal, hindu
ネパールはインドに対して投資環境確保を約束
Nepal promises steps to improve business climate
http://my.reset.jp/adachihayao/index090825G.htm

http://www.hindu.com/2009/08/20/stories/2009082058510100.htm

最近の関連資料

●090816B Nepal, zeenews
ネパールのマオイストがパンチェスバール・ダムに反対してデモを計画
Maoists warn of mass agitation in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090816B.htm
●090508A Nepal, livemint
ネパールの政治危機はインド企業の水力開発へ影響
Crisis in Nepal may affect plans of Indian power generation firms
http://my.reset.jp/adachihayao/index090508A.htm
●090504A Nepal, sify.com
ネパールの水力開発でインド企業の前にまた障害
GMR runs into fresh trouble in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090504A.htm


その他の今日のニュース

○090825A Vietnam,vietnamnews
ベトナムの産業次官が外国投資環境を快適にすると
VN looks to boost energy sector
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=05ECO240809
○090825B Vietnam,saigon-gpdaily
ベトナムのドンナイ県のノンチャック火力発電所が順調
Dong Nai Province power plant goes on stream
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/8/73618/
○090825C Pakistan, indiatoday
パキスタンのバシャダムの推進でインドが水問題に関心
India concerned over Pak dam project
http://indiatoday.intoday.in/index.php?option=com_content&task=view&issueid=111&id=58158&Itemid=1&sectionid=114&secid=0
○090825D Philippiness, business.inquirer
フィリッピンのミンドロ島の19.8MW水力に資金の目処
Mindoro hydro project gets funding
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090822-221413/Mindoro-hydro-project-gets-funding
○090824E Nepal, news.xinhuanet
ネパールとインドの友好条約改定でより通商の範囲を拡大
Renewed treaty with India widens trade scope Nepali finance minister
http://news.xinhuanet.com/english/2009-08/24/content_11935250.htm
○090825J India, tradingmarkets
インドのNTPCは輸入LNG購入で2億ドルの損失
INDIA'S NTPC MAY LOSE US$205 MLN BUYING IMPORTED LNG
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2491963/
○090825L India, domain-b
インドのNTPCはLNGをGAILから8ドルで購入を決意
NTPC agrees to buy LNG from GAIL at $8 per mmBtu news
http://www.domain-b.com/companies/companies_n/National_Thermal_Power/20090821_ntpc_agrees.html
○090825M Indonesia, bloomberg
インドネシアのティモールでの原油漏れ停止まで50日を要する
PTT May Need 50 Days to Stop Timor Sea Oil Rig Leak (Update4)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601081&sid=awt1egBoCsL0
○090824N Indonesia, thejakartapost
インドネシアの産業界が政府に対して石炭企業をコントロールせよと
Govt asked to control coal traders, brokers
http://www.thejakartapost.com/news/2009/08/24/govt-asked-control-coal-traders-brokers.html
○090825O China, tradingmarkets
中国の最大規模の太陽光発電所が着工
CHINA'S LARGEST SOLAR POWER PLANT BEGINS CONSTRUCTION IN QINGHAI
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2491935/
○090825P China, reuters
中国のグリーンエネルギー政策と暗い空との矛盾
The Great Paradox of China Green Energy and Black Skies
http://www.reuters.com/article/mnCarbonEmissions/idUS37179272320090818
○090825Q China, reuters
中国の発電設備は遂に8億kWに達した
China's power generating capacity tops 800 GW
http://www.reuters.com/article/GCA-GreenBusiness/idUSTRE57F08J20090816
○090825R Cambodia, i-to-i
カンボジア北東部で進むダム建設は更に貧困層を生む
Planned dams in Cambodia ‘could cause poverty to soar’
http://www.i-to-i.com/campfire/news/planned-dams-in-cambodia-could-cause-poverty-to-soar.html
○090825S Cambodia, phnompenhpost
カンボジアのセサン第2ダム・プロジェクトが環境悪化の恐れ
Sesan II dam report cites impact fears
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009081927840/National-news/sesan-ii-dam-report-cites-impact-fears.html


2009年8月24日 ー パキスタンのバシャとブンジのダムが積極的な動き ー

パキスタンのザルダリ大統領,もし前のブット女史なら,このような屈辱的とも見える中国行脚は出来なかったであろう。3ヶ月に一度は北京に来る,として,この前は丁度,米中戦略対話の真っ最中で,湖錦濤主席に会ってもらえず,一人寂しく三峡ダムの頂上を歩いてきた。パキスタンは大国だが,それでもインダス河はパキスタンには非常に重たい。大規模ダムプロジェクトはあれど,世界は踊らず,と言うところか。

パキスタンは電力危機と水不足に喘いでいる。電力は経済発展の鍵,といいながら打つ手がない。10年,20年先の大規模なインダス河のダム開発の青写真を国民に示し,宥めながら,その資金調達に奔走している。しかし,何としてでも,これらのダムプロジェクトは大きすぎる。インドも含めた地域開発となれば話は違うが,パキスタン単独では,余りに大きすぎる,バシャ,4,500MW,ブンジ,7,000MW。

パキスタンのプロジェクト開発に対する国内法制は比較的整っている。このプロジェクトはどのレベルまで進んでいるのか,国内法制上はかなり明確だ。だから,いつもメディアを賑わすのは,閣議決定したとか,最高位の計画委員会が承認したとか,大統領が着工を指示したとか,度々見るのも嫌になってくる。費用はどうするのよ,聞きたくなる。しかし,インダス河の開発は,人類最後の戦いの一環ではあるから,頑張って欲しい。

今回のザルダリ大統領の訪中は,やはり招かざる客か,北京が舞台でなく,杭州が舞台である。杭州に集まったのは中国を代表する企業の面々で,結局中国は,ザルダリ大統領のダムへの挑戦は中国企業を以て当たらせる,と決めたようだ。ザルダリ大統領は挨拶の中で,「中国と北京の友好関係はヒマラヤよりも高く海より深し」,とどこかで聞いたような文句を並べている。

更に,パキスタンの港は良港である,中国に自由に使って貰ってよい,と持ちかけている。さすがにコンロン山脈を越えてパキスタンの港に近づくのは,ミャンマーと違って中国にとっても大変だが,中東方面に中国海軍やタンカーが行き来する時代には,カラチは格好の港ではある,インドに余りにも近すぎるが。ザルダリ大統領も,中国のシーレーン戦略を見ながらの提案である。その見返りはないにか。

インダス河最上流の7,000MWのブンジ・ダム・プロジェクトを,中国の有力な発電企業,例の三峡ダム公司が,このブンジ・ダム・プロジェクトを進めることで覚書を締結した,一人寂しく三峡ダム上を歩いたザルダリ大統領へのお礼か。ブンジ・ダム・プロジェクトには,先日報告したとおり,日本工営を含むコンサルタントが合弁を組んで対応している。日本工営の友人も,何とか頑張っている,とメールをくれたところだ。

中国企業が何を約束したのか,明確には書かれていないが,このプロジェクトを民間開発で実施することは難しいだろう。そうとすると,中国企業の役割は,エンジニアリングか,コントラクターか,はたまた資金調達か。日本工営などの現在のコンサルタントとの繋がりはどうなるのか。いずれにしても,パキスタンの関心は資金だから,中国が200億ドル近くになる資金の面倒を見てくれるなら,いつでも中国に売り飛ばすだろう。

いずれにしても,中国領ウイグル自治区の南,カラコルム山脈を挟んでインダス河の上流で,人類最後の戦いの火花が散っている。バシャ・ダムはインダス河,イスラマバードの北北西50kmにある既設タルベラ・ダムから,インダス河本流沿いに遡ること約200km,北西辺境州NWFPと,国境未確定の北部地域の境界にあり,ブンジ・ダムはバシャ・ダム・サイトから約130kmのインダス河最上流に位置する。

さて,インドを挟んで,パキスタンの東に位置するバングラデシュであるが,誰か助けてあげては,と言っていたところに,JICAが入り,東京電力がその調査を行う(注)。Jパワーは石炭火力を中国に任せたが,東京電力はバングラデシュの石炭火力を買って出た。しかしまた,マスタープランで2年も3年も待たされたのでは,相手もかなわない。中国はあっという間に25万KWの石炭火力を造ってしまった。是非とも,速度を上げて欲しい。

私は,日本政府の場合は余りにもマスタープランの期間が長すぎる。コンサルタントもそれを仕事にしているわけだが,マスタープランぐらいは,官側の調査団で10日ぐらいでたたき上げるぐらいの覚悟が欲しい。そうでないと,マスタープランに2年,FSに3年とかかっていると,コンサルタントはよいかも知れないが,相手の国は堪ったものではない。アジアの電力分野のマスタープランは,一般的に,既存資料だけで策定可能だと思う。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908240028a.nwc


本文

●パキスタンのザルダリ大統領が早急な開発に中国の支援をと

Pakistan and China have formally signed an accord for a 7000Mw Hydropower Project in Northern Areas of Pakistan. Announcing the accord, President Asif Ali Zardari has declared Pakistan痴 immense development as his priority dream, which he would complete with Chinese help. Addressing the Pak-China investment forum at Chinese province of Hangzhou, he declared China as the next global developmental phenomena, and said that Pakistan would like to garner experience.

パキスタンのザルダリ大統領(注5)は必死である。パキスタンのインダス河にまつわる大規模プロジェクトは,幾ら政府内で承認してみたところで,資金調達が目処がつかなければどうしようもない。ザルダリ大統領(注5)にとって中国こそが頼りである。3ヶ月に一度は北京に来る,と宣言したが,前回の訪問時は米中経済協議で湖錦濤に会ってもらえず,寂しく三峡ダムの上を歩いていた。

今回も訪問先は,杭州(注6)である。杭州(注6)で中国企業を相手に大規模なフォーラム(注6)を開いて,「中国とパキスタンの友好関係は,ヒマラヤよりも高く,海よりも深し」,と何か聞いたことのある言葉を口にしている。また,パキスタンの港は中国が自由に使ってくれればよい,と最近の中国のシーレーン確保への動きを見ての発言をしている。インドのすぐ傍に,中国の港が出来る日も近い。

また,先日,7,000MWのブンジ水力プロジェクト(注7)を取り上げ,本格調査開始を,パキスタン政府は宣言した(注9)。問題は資金調達だ,と書いたが,今日の記事は,この7,000MWのブンジ水力プロジェクト(注7)の実施に関して,パキスタンの水資源省と中国の三峡ダム公司(注8)が,覚書を交わしたと言う。既に日本工営も入ったJVコンサルタントが入っている,どうなるのか。

7,000MWのブンジ水力プロジェクト(注7)は,ギルギットの上流,ヒマラヤの標高7,788mのラカポシ山の南麓,真下に当たる。高さ180mのRCCダムで,6kmほど川の屈曲部をショートカットのトンネルで繋いで,落差約250mを得る,壮大な計画である。なかなか難工事だろうと思う。年間240億KWh,と言っている。中国企業の民間開発なのかどうか,明確にはなっていない。

(注)A (1) 090824A Pakistan, onlinenews,(2) title: President declares Pakistan痴 immense development as his priority dream,(3) http://www.onlinenews.com.pk/details.php?id=150633,(4) BEIJING,(5) President Asif Ali Zardari,(6) Pak-China investment forum at Chinese province of Hangzhou杭州,(7) Bunji hydropower project,(8) China Three Gorges Project Corporation,(9) http://my.reset.jp/adachihayao/index090809B.htm,(10)

今日の参考資料

●090824A Pakistan, onlinenews
パキスタンのザルダリ大統領が早急な開発に中国の支援をと
President declares Pakistan痴 immense development as his priority dream
http://my.reset.jp/adachihayao/index090824A.htm

http://www.onlinenews.com.pk/details.php?id=150633

最近の関連資料

●090809B Pakistan, dailytimes
パキスタン最大の7,100MWのブンジ水力の調査開始へ
Bunji hydropower project to generate 7,100 MW
http://my.reset.jp/adachihayao/index090809B.htm
●090713B Pakistan, geo.tv
パキスタンは中国企業のエネルギー資源開発を優遇
China company to invest in Pak energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713B.htm
●090618A Pakistan,
パキスタンの中小ダムの建設計画で中国政府が支援表明
Chinese govt to support President Zardari’s plan to build 12 small and medium sized hydropower dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618A.htm


●パキスタンの経済委員会がバシャ・ダムを含む24プロジェクトを承認

Committee asks authorities to resolve demarcation, royalty and displacement issues in three months The Executive Committee of the National Economic Council (ECNEC) on Thursday approved 24 mega projects including the Diamer-Bhasha Dam. The committee also gave relevant authorities three months to resolve issues related to demarcation and royalty of the dam. The total cost of the Diamer-Bhasha project is Rs 894.257 billion and the dam would take eight to 10 years to complete.

パキスタンのダム開発の報道は,国内のどの委員会が承認したとか,誰が着工に向かって指示したとか,国内の法制に関する話が多い。国内的には結構であるが,ニュース価値としては甚だ乏しい。どの融資機関が支援を約束した,などの話はなかなか出てこない。パキスタンが開発するにはインダス河は余りにも大きい。しかも,殆どの主要部分はパキスタンだ。

今日も,経済委員会ECNEC(注5)がディアマ-バシャ・ダム(注6)を含む24のダムの開発を承認した,という国内ニュースだ。パキスタンの電力危機と水危機を解決するためには,ディアマ-バシャ・ダム(注6)を含むこれらのダムを開発する必要がある,とその緊急性を強調するが,いずれも10年,20年かかる話である。ディアマ-バシャ・ダム(注6)に至っては,8,940億ルピー,約108億ドル相当,もかかる話なのである。

ディアマ-バシャ・ダム(注6)は,イスラマバードの北北西50kmにあるタルベラ・ダム(注13)から,インダス河本流沿いに遡ること約200km,北西辺境州NWFP(注9)と,国境未確定の北部地域の境界にあって,ダムは,高さ272mというRCCダムとしては世界で最も高い計画であり,地下発電所を両岸に設けて,4,500MWの設備出力,貯水容量は,8.1MAF,約100億トンの巨大プロジェクトである。

また,パキスタンには,水力便益の地元還元(注11)という憲法規定があり,これがいつも,NWFP(注9)とWAPDA(注12)の間で紛争を繰り返している。このディアマ-バシャ・ダム(注6)でも,NWFP(注9)は強硬で,わざわざ発電所を北部地域でなくNWFP(注9)の領域に持ってこさせている。さすがのECNEC(注5)も手こずっている感じで,このために小委員会を設けて検討するよう,決定を行っている。

(注)B (1) 090824B Pakistan, dailytimes,(2) title: ECNEC approves 24 projects including Diamer-Basha Dam,(3) http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C08%5C21%5Cstory_21-8-2009_pg7_1,(4) By Ijaz Kakakhel,ISLAMABAD,(5) Executive Committee of the National Economic Council (ECNEC),(6) Diamer-Bhasha Dam,(7) federal ministers Qamar Zaman Kaira,(8) Raja Pervez Ashraf,(9) NWFP,(10) dam’s royalty,(11) issue of net hydel profit of the NWFP province,(12) Water and Power Development Authority (WAPDA),(13) Tarbela dam,(14) Mangla dam,(15) Asian Development Bank,(16) photo source: http://media.photobucket.com/image/Diamer-Bhasha%20Dam/RMSAzam/Picture522.jpg,(17)

今日の参考資料

●090824B Pakistan, dailytimes
パキスタンの経済委員会がバシャ・ダムを含む24プロジェクトを承認
ECNEC approves 24 projects including Diamer-Basha Dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090824B.htm

http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C08%5C21%5Cstory_21-8-2009_pg7_1

最近の関連資料

●090802B Pakistan, dailytimes
パキスタンのディアマ-バシャ・ダムの推進を視野に
CDWP sends Diamer Bhasha Dam project to ECNEC
http://my.reset.jp/adachihayao/index090802B.htm
●090510B Pakistan, thenews
パキスタンの北西辺境州の料金提訴を裁判所が棄却
IHC disposes of NWFP govt’s writ against Nepra
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510B.htm
●090501B Pakistan, thenews
パキスタンは友好国のバシャダムへの融資を求めている
Pakistan seeks $273m from Friends for Basha dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090501B.htm
●090303A Pakistan, thenews
パキスタンの北西辺境州が水力民間開発に反対
NWFP opposes handing over of hydel project to private sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303A.htm
●090302A Pakistan, steelguru.com
パキスタンは54のダムプロジェクトに各国の支援を期待
Pakistan seeks help for 54 mega projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090302A.htm
●090109A Pakistan, dailytimes
パキスタン政府,16プロジェクトで,25,270MW
Govt plans 16 projects for generating 25,270MW power
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109A.htm
●081221A Pakistan, thenews
パキスタンのバシャダム,発電所位置で,裁定委員会設置
Body formed to resolve royalty issue
http://my.reset.jp/adachihayao/index081221A.htm
●081204A Pakistan, pakobserver
126億ドル,ディアマバシャダム,10企業が事前適格
$ 12.6b Diamer-Bhasha dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index081204A.htm
●081125A Pakistan, pakobserver
パキスタンのバシャダム建設,水危機に有望
Construction of Bhasha Dam is a welcome sign
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125A.htm


2009年8月23日分 ー ベトナムは電気料金と石炭で矛盾を抱える ー

ベトナム,ハノイに流れ込む紅河上流は雲南省で,メコン,サルウイーン,イラワジなどの大河と違って,古代,上流は雲南省の大森林に覆われていたのだろう。この大森林の木材が流れ下って紅河のデルタに貯まって炭化し,今日のベトナムの大規模石炭層を形成しているのだろう,と勝手に想像している。そこでベトナムは,北東沿岸の中国との国境を越えて,石炭を密輸出している,昔の雲南省の木材を返却している,という図だ。

ベトナムの石炭業者が世界を駆けめぐって石炭を探し回っている,と言う話は,今日初めて聞いた。何処に行ってもその先には,タイと中国の石炭関係者がいて,幾ら高くても買っていってしまうので,ベトナムの石炭関係者は,一つも成果が上げられずに帰国しているという。紅河デルタ炭田ではさらに数千億トンの炭量が見込まれるといわれている,と言うのに,一体,ベトナムは何を騒いでいるのか。

ベトナム政府は,国内の発電企業などへの石炭供給で,石炭価格を国際市場の55%程度に絞り込まれている,そのために,発電などの企業は大いに政府に感謝しているわけだが,石炭企業は,何とか輸出を増やしたいと画策する。挙げ句の果ては,政府の目を盗んで,密かに輸出することになるが,その拠点は,中国と国境を接したクワンニン県だという,中国は目と鼻の先で,密貿易にはもってこいの地理である。

また,石炭輸出がベトナムのGDPを押し上げている事実もあり,ベトナム政府も石炭輸出を後押ししている。2010年時点では,石炭年間生産量4,500万トンが期待されるのに対し,需要が,2500万〜2600万トンならば,2,000万トンは輸出に回すことが出来る。しかし,2013年にはベトナムは石炭輸入に陥ると。2015年の石炭需要は,9,400万トンで,石炭火力が,6,700万トンを消費するが,生産はどう考えても,6,000万トンだ。

このように大規模な石炭埋蔵量を抱えながら輸入しなければならないと言う矛盾を抱えている。また,発電設備への外国投資が伸びない。2009年7月までの外国投資は,僅かに11億ドルで,その中には,901百万ドル,2004年,2005年に運転開始したフーミー3火力,フーミー2.2火力が含まれている。東京電力や九州電力が頑張った当時のまま,と言うことである。EDFに言わせると,売電交渉に6年かかったという。

ベトナム北部のクワンニン県のモンドウオン2火力プロジェクトでは,2006年に交渉が開始されたが,当事者である米国のAES,ベトナム石炭グループは,未だに妥結していない,と不満を漏らしている。ベトナム政府の計画,2006〜2025年に800億ドル,または,年間40億ドル,という数字がどうして実現できるのであろうか。明確で透明な料金制度の確立なくして,達成できる数字ではない。

2009年末のベトナムの発電設備は,17,900MWの見込みである。しかし,問題はベトナムの電気料金制度である。元々,石炭発電でスタートした国,タイ,インド,中国なども,同じような問題を抱えているが,特にベトナムの保守的な料金制度には問題があり,EVNはIPPの高い電力を買うことが,非常に困難な状況なのだ,と理解している。今後のベトナムの発展には,どうしても料金制度の合理化が欠かせない。


本文

●ベトナムのEVNは外国投資を呼び込むために料金の透明化を

The government needs to establish a clear pricing system at state-run power monopoly Electricity of Vietnam in order to lure foreign investors who are sick of haggling, officials have said. As of July this year, Vietnam’s electricity sector has attracted only US$1.1 billion worth of foreign direct investment (FDI), including $901.5 million for the Phu My 3 and Phu My 2.2 plants, which came into operation in 2004 and 2005.

電力不足に悩むベトナム,悪いのは国家電力EVN(注4)だ,という議論になってくるのだが,問題の根幹はおそらく電気料金制度にあるのだろう。国内石炭で電力を賄ってきた歴史を持つタイ,インド,中国は電気料金が歴史的に安く,時代の変化への対応が遅れt来る,ベトナムも例外ではない。このことが外国投資(注5)を阻んでいる。木曜日,2009年8月20日,ハノイで行われたセミナーの模様である。

2009年7月末現在で,電力への外国投資(注5)は,僅かに11億ドルで,そのうち,901.5百万ドルは,2004年,2005年に運転開始したフーミー3火力(注6),フーミー2.2火力(注7)が占めている。ベトナム政府の計画,2006〜2025年に800億ドル,または,年間40億ドル,という数字がどうして実現できるのであろうか。明確で透明な料金制度の確立なくして,達成できる数字ではない。

まず,国内企業と外国企業で料金が異なる,このことから改革が必要だ。また企業側からは,電気料金を経済成長に応じて調整していける機動性が必要であり,分野ごとに電気料金が異なる制度が必要だ。外国投資企業は,EVN(注4)との長期に亘る売電交渉にうんざりしている。フーミー3火力(注6),フーミー2.2火力(注7)の交渉に6年を要したと,当事者であるBP(注10)とEDF(注11)が言っている。

ベトナム北部のクワンニン県(注13)のモンドウオン2火力プロジェクト(注12)では,2006年に交渉が開始されたが,当事者である米国のAES(注14),ベトナム石炭グループ(注15)は,未だに妥結していない,と不満を漏らしている。ベトナムのBOTプロジェクト(注16)では,企業を指名するが,一般には入札制度であり,競争原理が働いていない,とベトナム政府側は言っている。2009年末の設備は,17,900MWの見込み。

(注)A (1) 090823A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Transparent power price policy needed to attract FDI: officials,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=51999,(4) Electricity of Vietnam (EVN),(5) foreign direct investment (FDI),(6) Phu My 3 plant,(7) Phu My 2.2 plant,(8) Nguyen Xuan Trung, deputy head of the Foreign Investment Department under the Ministry of Planning and Investment,(9) Vu Tuan Hung, deputy general director of state-owned Song Da Corporation,(10) BP,(11) Electricite de France (EDF),(12) Mong Duong 2 thermal power plant,(13) Quang Ninh province,(14) AES,(15) Vietnam Coal and Mineral Industries Group,(16) BOT (build-operate-transfer),(17) Tran Viet Ngai, chairman of the Vietnam Energy Association,(18) Electricity Regulatory Authority of Vietnam,(19) photo source: http://www.industcards.com/phu-my-3.jpg,(20)

今日の参考資料

●090823A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNは外国投資を呼び込むために料金の透明化を
Transparent power price policy needed to attract FDI: officials
http://my.reset.jp/adachihayao/index090823A.htm

http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=51999

最近の関連資料

090712A Vietnam, vietnamnews
ベトナムの停電でEVNの能力に疑問の声が広がる
Power cuts raise questions over EVN’s ability to meet demand
http://my.reset.jp/adachihayao/index090712A.htm
●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
●090606B Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムのEVNは許容損失を8%から9%に上げることを示唆
EVN suggests raising permissible electricity loss rate
http://my.reset.jp/adachihayao/index090606B.htm
●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304A.htm
●090225B Vietnam, english.vietnamnet.
ベトナムの電力改革でEVNは反対の立場を表明
EVN does not want reform
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225B.htm
●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220A.htm
●090106J Vietnam, english.vietnamnet
ベトナム,電気料金値上げ案,政府へ提出
Electricity price increase plan submitted to Government
http://my.reset.jp/adachihayao/index090106J.htm
●081203A Vietnam,english.vietnamnet
ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案
CBP scheme to be applied for electricity pricing
http://my.reset.jp/adachihayao/index081203A.htm


●ベトナムの電力の石炭不足と輸出増強策は明らかな矛盾である

A southern business newspaper believes a looming energy crisis will be exacerbated by Vinacomin’s eagerness to export coal. According to calculations by Vinacomin, the sprawling state-controlled ‘Vietnam Coal and Minerals Group,’ Vietnam will need to import coal to supply domestic power plants beginning in 2013. Demand for coal will rise to 94 million tonnes by 2015. Coal-fired power plants alone will consume 67 million tonnes. Coal production, however, is forecast to be 60 million tonnes at maximum.

ベトナムの石炭関係者が,世界中を回って石炭を売ってくれるところがないか,探し回っている,と言う信じられないような話。何処に行っても,タイと中国が買いに走っていて,彼等は幾ら高くても買う,と言うので,ベトナムはどうにも手が出ないと言う。なぜ石炭不足になるのか。国内販売単価が市場の55%に制限されていて,石炭業者の密売,特に中国への密輸出が絶えないと言う。この前も書いたが,ベトナムの石炭の埋蔵量。

ベトナムの石炭埋蔵量は,いろいろ資料を見てみたけれど,よく分かりませんね。JCOALの資料を借りると,北部のクアンニン炭田で海水
面以下1000mまで約100億トン,この内,確認済み炭量が海水面以下300mまでで約35億トン,紅河デルタ炭田では,海水面以下1000mで16億トン,紅河デルタ炭田ではさらに数千億トンの炭量が見込まれるといわれている。掘れば幾らでも出る,と言うことか。

丸紅の資料では,紅河デルタの亜瀝青炭,推定埋蔵量300億トン,を対象に,石炭地下ガス化技術(注8)を開発中という。この記事にも出てくる。さて,ベトナム国家石炭TKVは,2009年の石炭生産目標を,最初の,4,000万トンから4,300万トンに上方修正した。主として,需要の上向きに対応するための設備改善がある。

今日の記事。2013年にはベトナムは石炭輸入に陥ると。2015年の石炭需要は,9,400万トンで,石炭火力が,6,700万トンを消費するが,生産はどう考えても,6,000万トンだという。2020年には,石炭需要が,1億8,400万トンで,石炭火力が,1億5,000万トン,これに対して生産量は,7,000万トンという。2025年は,石炭総需要,3億800万トン,石炭火力が,2,680万トンを使う。

2009年の石炭輸出は,1,359万トンで,2007年から7%の伸びを示し,GDPに大きな貢献をしている。この時点では,300万トンが,ベトナムのクワンニン県(注14)から中国のクワンタイ省(注15)に,国境を越えて輸出されている。2010年時点でも,生産は,4,500万トンが期待され,石炭需要が,2500万〜2600万トンならば,2,000万トンは輸出に回すことが出来る。

(注)B (1) 090823B Vietnam, english.vietnamnet,(2) title: Apparent paradox: Vietnam running short of coal, but pushing exports,(3) http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/08/863178/,(4) 17:07' 12/08/2009 (GMT+7),VietNamNet Bridge,(5) Vietnam Coal and Minerals Group (Vinacomin),(6) Electricity of Vietnam (EVN),(9) Petrovietnam,(10) Saigon Tiep Thi,(11) Minister of Industry and Trade,(12) Mao Khe Coal,(13) Dong Vong Coal,(14) Quang Ninh province,(15) Quang Tay province,(16) map spurce: http://www.maps-of-china.com/guangxi-s-ow.shtml,(17) photo source: http://www.energytribune.com/live_images/vietnam%20workers%200708.gif,(17)

今日の参考資料

●090823B Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの電力の石炭不足と輸出増強策は明らかな矛盾である
Apparent paradox: Vietnam running short of coal, but pushing exports
http://my.reset.jp/adachihayao/index090823B.htm

http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/08/863178/

最近の関連資料

●090803E Vietnam, english.vovnews
ベトナムの2009年の石炭生産は4300万トンに達する
Coal sector targets 43 million tonnes this year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090803E.htm



2009年8月22日分 ー インドネシアの第2次クラッシュ・プログラム発進へ ー

インドネシア国民の大きな期待を背負って発足した第2次のユドヨノ政権を揺すぶったのは,首都ジャカルタ市内の2つの外資系ホテルで先月発生した連続爆弾攻撃であった。同じテログループが,2009年11月,インドネシア訪問すると見られているオバマ大統領の暗殺計画を練っていたと言う情報(注1)は,ユドヨノ大統領を震え上がらせている。ロシアの水力発電所事故もテロの可能性が出てきた(注2)。

テロへの対応は貧困削減であり,その象徴的な対象は,インドネシア国民の3分の1,8,200万人とも言われる灯りから取り残された人々へ電気を与えることだ,とユドヨノ大統領は理解している。だからここで敢えて,PLNのモクタール総裁が,第2次10,000MWクラッシュ・プログラムの内容について会見を開いたようだ。今までもその内容は取りざたされているが,来月,2009年9月にも入札を開始する,と言っている。

第2次10,000MWクラッシュ・プログラムの特徴は,第1次10,000MWクラッシュ・プログラムが石炭火力中心であったのに対し,地熱と水力を多く取り込み,12%が水力,48%が地熱,14%がガス火力,26%が石炭火力で,2012年の完成を目指す。また,プロジェクトの数は,全部で83となり,このうち65プロジェクトは,ジャワ-バリ系統の外,貧困層を多く持つ外島である。

また,この83プロジェクトのうち,40%はPLN自身が建設するが,残りはIPPとなる。PLNのプロジェクトについては,資金源を,世界銀行,JBIC,ドイツ基金KfW,ADB及びサウジアラビアの銀行に期待している。第1次プログラムで大活躍をしている中国の資金が,モクタールPLN総裁の口から出てこないのはどうしたのか。第1次プログラムでトラブルがあったことは記憶に新しいが,全く無視,と言うのも解しかねる。

今回の第2次10,000MW開発プログラムで大きくクローズアップされてきたのは,長年の,30年近くに亘るニュージェックの執念である,1,000MW,アッパー・チソカン揚水プロジェクトと,1,200MW,ガス火力と石炭火力の併設,ムワラ・タワール火力増設プロジェクトだ。特にアッパー・チソカン揚水プロジェクト(注16)は遅きに過ぎる感がするが,それでも石炭火力が増えた状態では,大きな貢献が期待できる。

また今日の記事で開発エコノミストが指摘している点は重要だ。それは,計画の48%を占める地熱発電の開発である。先日も,IFCの担当官が,インドネシアの地熱は余りにもデータが少ない,と言っている点と繋がるのだろう。地熱の計画において,探査は非常に重要で多くのリスクが伴うという。原油探査やガス探査に比べて,地熱の場合はリスクヘッジが完全でなく,これを考慮しないと,民間投資は難しいという,正鵠を得ている。

それと,10MW以下のプロジェクトに対して,インドネシアの開発体制が出来ていないと言う。数多くの小規模電源の開発,この数多く,という点が極めて重要で,個々の開発を語る人はあっても,国としてまとまった数の開発を行うには,余りにも地方政府の権限が小さ過ぎるという。新しい法制化で取り組む必要があり,この点では派遣されているJICA専門家が,大きな働きをしてよいと思う。

中国市場で積極的な動きをしている東芝が,30億円だが,江西省の石虎塘発電所向け水力発電設備について,江西省交通庁からバルブ式水車と発電機を受注したと発表した(注3)。20.6MWの低落差機器であるが,今後の適用対象も大いに広がってくるものと期待される。メコン本流で開発が進んでいるダムの中には,おそらく低落差のプロジェクトが含まれているのではないだろうか。

(注1) http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-11125220090821
(注2) http://mainichi.jp/select/world/news/20090822ddm007030123000c.html
(注3) http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34606&type=2


本文

●インドネシアのPLNは第2次10,000MW開発プログラムを発進

PT PLN, a state electricity company, plans to construct and manage 40% of second 10,000MW power program, generating loans from foreign banks, reported The Jakarta Post, quoting an official of PT PLN. Fahmi Mochtar, President Director of PLN, said: “We are ready to construct 40% of the power plants while the rest will be by independent power producers [IPPs]. We will ask [for] loans from various foreign banks [to finance the projects].”

インドネシアのPLN(注5)は,現在,第1次10,000MWクラッシュ・プログラムとして,ジャワ-バリ系統(注14)の増強を目指して,鋭意,石炭火力を中心とした電源開発を,中国の資金支援を中心に,進めている。35のプロジェクトの内,10プロジェクトがジャワ-バリ系統(注14),4,337MWであり,その他の系統は,5,626MWである。遅れ気味ながら,2009年から2010年の完成を目指している。

今回,PLN(注5)のモクタール総裁(注7)は,この第1次10,000MWクラッシュ・プログラムに続く第2次10,000MW開発プログラム(注6)について会見を行った。第1次10,000MWクラッシュ・プログラムが石炭火力中心であったのに対し,第2次10,000MW開発プログラム(注6)では,地熱と水力を多く取り込み,12%が水力,48%が地熱,14%がガス火力,26%が石炭火力で,2012年の完成を目指す。

プロジェクトの数は,全部で83となり,このうち65プロジェクトは,ジャワ-バリ系統(注14)の外である。このうち,40%はPLN(注5)自身が建設し,残りはIPP(注8)となる。PLN(注5)のプロジェクトについては,資金源を,世界銀行(注9),JBIC(注10),ドイツ基金KfW(注11),ADB(注12)及びサウジアラビアの銀行(注13)に期待しており,今年,2009年9月にも入札を開始する予定である。

PLN(注5)は,石油の使用を減らすことを一つの目標としており,2009年の801万キロリッターから,2010年には456万キロリッターとする。また,石炭の使用は,2009年の2,377万トンから,2010年には3,170万トンに増える。また天然ガスは,2009年の313,716BBTUから,2010年には323,447BBTUに増えることになる。

今回の第2次10,000MW開発プログラム(注6)で大きくクローズアップされてきたのは,長年の,30年近くに亘るニュージェックの執念である,1,000MW,アッパー・チソカン揚水プロジェクト(注16)と,1,200MW,ガス火力と石炭火力の併設,ムワラ・タワール火力増設プロジェクトだ。特にアッパー・チソカン揚水プロジェクト(注16)は遅きに過ぎる感がするが,それでも石炭火力が増えた状態では,大きな貢献が期待できる。

(注)A (1) 090822A Indonesia, energy-business-review,(2) title: PT PLN Plans Second 10,000MW Power Program In Indonesia,(3) http://www.energy-business-review.com/news/pt_pln_plans_second_10000mw_power_program_in_indonesia_090820,(4) Published:20-August-2009,
By Staff Reporter,(5) PT PLN,(6) second 10,000MW power program,(7) Fahmi Mochtar, President Director of PLN,(8) independent power producers (IPPs),(9) World Bank,(10) Japan Bank for International Coorporation (JBIC),(11) German financing institution KfW,(12) Asian Development Bank (ADB),(13) Saudi Arabia,(14) Java-Bali system,(15) 1,200MW add-on gas and coal-fired power plant (PLTGU) Muara Tawar in Bekasi, West Java,(16) 1,000MW hydro power plant at Upper Cisokan in West Java,(17)

今日の参考資料

●090822A Indonesia, energy-business-review
インドネシアのPLNは第2次10,000MW開発プログラムを発進
PT PLN Plans Second 10,000MW Power Program In Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090822A.htm

http://www.energy-business-review.com/news/pt_pln_plans_second_10000mw_power_program_in_indonesia_090820

最近の関連資料

●090523A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナが地熱で第2次クラッシュ参入
Pertamina prepares second phase HoA for 10,000 megawatt program
http://my.reset.jp/adachihayao/index090523A.htm
●090523B Indonesia, english.cri.cn
インドネシアのジャワ島などの電力危機に緊急措置
Indonesia Sets Steps to Overcome Power Crisis
http://my.reset.jp/adachihayao/index090523B.htm
●090407A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNがIPPからの売電単価を設定へ
PLN to set power purchase prices for independent producers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090407A.htm


●インドネシアでは人口の3分の一が電気がなく大統領に期待

An ambitious plan to electrify rural areas is probably in trouble at the onset President Susilo Bambang Yudhoyono will soon launch his second five-year government after the convincing July election victories of his Democratic Party and his Islamic allies. The recent Jakarta bombings might hold him back a little, but that 35 percent of Indonesians have no electricity could hold him back a lot more.

熱のこもった記事である。新しく始まったユドヨノ大統領(注5)の第2次政権の課題は,テロとの戦いと共に,そのテロを根絶するための完全な電力供給だ,と言っている。インドネシアの全人口の35%,3分の1に国民が暗闇の中で暮らしている状態を解決することが,新しいユドヨノ大統領(注5)の第2次政権の課題だ,と言う分けである。ジャカルタ在籍の開発エコノミストの記事である。

PLN(注6)のモクタール総裁(注7)が,第2次10,000MW開発プログラム(注8)を説明したのも,このユドヨノ大統領(注5)の決意を受けたものだという。特徴は,再生可能エネルギー重視の地方開発を目指しており,48%が地熱,12%が水力で,後は,14%がガス火力,26%が石炭火力である。また,第2次10,000MW開発プログラム(注8)は,その48%を民間,IPP(注9)に依存する。

記事は,PLN(注6)が目標をなかなか達成できない原因となる欠陥を3点指摘している。第1点は,現状設備を維持するための資金・人員の不足,第2点は,10MW以下の多数の再生可能エネルギー・プロジェクト開発への取り組みが出来ていないこと,第3点は,大規模な地熱プロジェクトに対する資金調達のシステムが出来ていないこと,だと言っている。

特に,大規模な開発を目指している地熱発電は,探査途上に於ける資金保証が不明確で,原油やガスに似たリスク回避のシステム構築,特に投資企業と地方政府の連携をもっと改善すべきだ,と言っている。また,多数の小規模プロジェクトの開発には,地方政府が地方の開発企業に開発のライセンスを与えることが出来るよう進めている法体系の整備が重要だ,としている。

(注)B (1) 090822B Indonesia, asiasentinel,(2) title: Starved for Power in Indonesia,(3) http://asiasentinel.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2017&Itemid=226,(4) Tag it:Written by Terry Lacey,Friday, 21 August ,(5) President Susilo Bambang Yudhoyono,(6) PLN,(7) Fahmi Mochtar, President Director of PLN,(8) second 10,000MW power program,(9) Independent Power Producers (IPPs),(10) Renewable Energy,(11) Badan Koordinasi Penanaman Modal,(12) Jacob Purwono, director general for electricity and energy utilization in the ministry of mines and energy,(13) map source: rovicky.wordpress.com/.../,(14)

今日の参考資料

●090822B Indonesia, asiasentinel
インドネシアでは人口の3分の一が電気がなく大統領に期待
Starved for Power in Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090822B.htm

http://asiasentinel.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2017&Itemid=226

最近の関連資料

●090523A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナが地熱で第2次クラッシュ参入
Pertamina prepares second phase HoA for 10,000 megawatt program
http://my.reset.jp/adachihayao/index090523A.htm
●090523B Indonesia, english.cri.cn
インドネシアのジャワ島などの電力危機に緊急措置
Indonesia Sets Steps to Overcome Power Crisis
http://my.reset.jp/adachihayao/index090523B.htm
●090407A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNがIPPからの売電単価を設定へ
PLN to set power purchase prices for independent producers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090407A.htm
2009年8月22日分 ー インドネシアの第2次クラッシュ・プログラム発進へ ー


2009年8月21日分 ー タイは過度の天然ガス依存で懸念が広がる ー

タイの天然ガス供給で事故が続き,バンパコン,南バンコク,ラチャブリなどの発電所で,航空燃料などにも使われるバンカーオイルを焚かざるを得ない状況に追い込まれ,更に,下流の洪水問題で運転停止していたスリナカリンの水力発電所も動かすこととなり,下流住民との調整が進められている。一時的な現象ではあるが,当局が心配してきた,70%と言う天然ガスへの依存の高さが,ここでまた問題となってくる。

タイ当局は,10年ぐらい前から,天然ガスへの依存に強い危機感を持ち,石炭火力の開発を計画してきたが,マモー石炭火力の住民の苦しみを知る国民は,石炭火力への反対運動を拡大して,思うように計画が進んでいない。考えてみれば,タイというのは発電燃料について,極めて厳しい立場に置かれている。タイ湾の天然ガスが,今後どの様な推移をたどるか大きな問題だが,海外依存度を高めるその将来が心配だ。

2008年ベースで天然ガスの供給状態を調べてみた。単位はMMSCFD,日百万立方フィート,である。2008年の総量は,3,611で,2003年の2,763から5年間で30%の伸びを示している。2008年の内訳は,ミャンマーからの輸入が828で,23%の依存度,タイ湾で大きいのは,先週事故を起こしたバンコットが604,パイリンが431,今回事故を起こしたアーティットは,2008年運転開始だが,278である。

近隣諸国の批判にも係わらず,軍政下のミャンマーとの関係を重要視するタイの気持ちが分かろうというものである。今後,アラカン周辺の天然ガスにも積極的に関わって行く姿勢であり,また,LNGへの移行についても,2011年末から稼働開始できるよう,南のラヨンにLNGプラントを建設する準備を進めている。サルウイーンやメコンへのこだわりも,このような状況を見てくると,納得できるところだ。

原子力発電の導入は,2022年頃と想定して計画を進めているが,ベトナムのように,地点名を明らかに出来るような国内情勢ではない。しかし将来は,タイへの原子力導入は必至だろう。今日のニュースで,あの世界の産油国であるサウジアラビアが,天然資源温存のために,原子力開発に動き始める姿勢を示し,原子力メーカーの関心を買っている(注)。

(注) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090821AT2M2003S21082009.html


本文

●タイの国家石油PTTは早ければ2011年にもLNG輸入へ

PTT PCL PTT.BK, Thailand's top energy firm, said on Thursday it may import the first lot of liquefied natural gas (LNG) as early as the middle of 2011, earlier than previous indicated. "We should be able to start importing LNG from the middle of 2011. The timing is in range of the middle to late 2011," Chitrapongse Kwangsukstith, head of PTT's upstream petroleum and gas operations, told Reuters.

タイの電力の70%は,タイ湾及びミャンマーのヤダナ・ガス田など,天然ガスで賄われている。天然ガスだけに頼るのは危険だ,と言われてきているが,石炭火力の建設はなかなか進まない。これからは,天然ガスをLNG(注6)に頼らざるを得ない。早くからタイはLNG(注6)の需要国となるであろうと予想され,準備も進んできたが,経済の停滞などで進捗が遅れている。

今年,2009年後半にも,電力開発15年計画PDP(注8)の見直しが行われるのに併せ,国家石油PTT(注5)は,早ければ2011年半ばよりLNG(注6)の輸入に踏み切る,そのためのLNGターミナル(注9)の建設も,タイ南部のラヨン県(注11)で開始する,と発表した。2011年以降の輸入量は,年500万トンの予定である。既にカタール・ガス(注10)との間で,年100万トンの輸入が協議の俎上に上っている。

(注)A (1) 090821A Thailand, Bangkok Post,(2) title: Thai PTT may import LNG as early as mid-2011,(3) http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSBKK46539420090820,(4) Thu Aug 20, 2009 4:32am EDT,BANGKOK, Aug 20 (Reuters),(5) PTT PCL PTT.BK,(6) liquefied natural gas (LNG),(7) Chitrapongse Kwangsukstith, head of PTT's upstream petroleum and gas operations,(8) 15-year power development plan,(9) LNG terminal,(10) QatarGas,(11) Rayong,(12) map spource: http://www.hemaraj.com/image/map_xl.jpg,(13) photo source: http://www.beachthailand.com/thailand-beaches/rayong/images/rayong-town1.jpg,(14)

今日の参考資料

●090821A Thailand, Bangkok Post
タイの国家石油PTTは早ければ2011年にもLNG輸入へ
Thai PTT may import LNG as early as mid-2011
http://my.reset.jp/adachihayao/index090821A.htm

http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSBKK46539420090820

最近の関連資料

●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm
●090626C Thailand, Bangkok Post
タイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れ
PTT seeks M9 delivery delay
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626C.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213A.htm


●タイのEGATはガス供給の問題から一部バンカーオイルで代用

The Electricity Generating Authority of Thailand will have to run three power plants on bunker oil after gas transmission from the Arthit Field was halted. Deputy governor Wirat Kanjanapibul yesterday said in a statement that the field's shutdown had blocked the daily supply of 338 million cubic feet of natural gas to Egat.

タイのガス田,何処まで深刻な事故か分からないが,タイ湾のアーティット・ガス田からの日量338百万立方フィートのガス供給が途絶え,急遽,3つの発電所,バンパコン(注9),南バンコク(注10),ラチャブリ(注11)で,バンカーオイル(注6)を焚くことに追い込まれ,また下流の洪水で動かせなかったスリナカリン水力発電所(注14)も運転の必要に迫られ,洪水被害との関連を調査している。

同じく,先週は,タイ湾のバンコット・ガス田(注12),ミャンマーのヤダナ・ガス田(注13)でも似たような事故が起きている。バンカーオイル(注6)と言えば,航空機にも使われる燃料で,相当に高価である。一時的な事故ではあるが,当局が心配しているように,電力の70%を天然ガスに依存しているタイとしては,今後の石炭火力開発やラオス,ミャンマーなどからの水力輸入が,極めて重要だと言うことが分かる。

(注)B (1) 090821B Thailand, nationmultimedia,(2) title: Egat to run plants on bunker oil,(3) http://www.nationmultimedia.com/2009/08/19/business/business_30110124.php,(4) By THE NATION,Published on August 19, 2009,(5) Electricity Generating Authority of Thailand (EGAT),(6) bunker oilバンカーオイル,(7) Arthit Field,(8) Deputy governor Wirat Kanjanapibul,(9) Chachoengsao's Bang Pakong district,(10) southern Bangkok,(11) Ratchaburi province,(12) Bongkot field,(13) Yadana field,(14) Srinakarin Dam in Kanchanaburi province,(15) Muang district,(16) Energy Minister Wannarat Charnnukul,(17) Deputy permanent secretary Norkun Sitthiphong,(18) Krabi power plant,(19) Chana plant,(20) photo source: http://www.mammoet.com/DesktopModules/S01/portalimages/1/405/01a6a73c-4c71-413f-bad1-fca312b554ba_MaxSize.jpg,(21) Arthit map source: http://photos-p.friendster.com/photos/59/70/9300795/1_776831845m.jpg,(22) Bngkot map source: http://www.total.com/static/fr/medias/topic1966/Total_2007_carte_thailande_bongkot.gif,(23)

今日の参考資料

●090821B Thailand, nationmultimedia
タイのEGATはガス供給の問題から一部バンカーオイルで代用
Egat to run plants on bunker oil
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

http://www.nationmultimedia.com/2009/08/19/business/business_30110124.php

最近の関連資料

●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm
●090626C Thailand, Bangkok Post
タイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れ
PTT seeks M9 delivery delay
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626C.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213A.htm


2009年8月20日分 ー フィリッピンの知的送電網スマートグリッド構想 ー

再生可能エネルギー法,米国のオバマ政権誕生で世界でも法制化を模索する動きが多い。再生可能エネルギーの比率が比較的少ないオーストラリアでも,上院が再生可能エネルギー法案を可決し,成立が濃厚となってきた,2020年までに,国内消費電力の20%まで再生可能エネルギーで賄うことを義務づける内容である(注)。オーストラリアの再生可能エネルギーの比率は,現在,5%と言う。

再生可能エネルギー法,フィリッピンに言わせれば,今更なんですか,と言いたいところだろう。なかなか実効は上がっていないが,世界に先駆けて,オバマ政権に先駆けて,再生可能エネルギー法を成立させたことは,フィリッピンは誇りにしていることだろう。その後も,再生可能エネルギー開発には,ベースとなる原子力が必要,とか貯留機能を持った施設,揚水などが必要とか,いろいろ発言が続いている。

今日の記事では,韓国電力が,フィリッピンに於ける再生可能エネルギー開発と共に,知的送電網,スマートグリッドの導入を計画していることを明らかにしている。韓国自身は,知的送電網,スマートグリッドについては,もっとも熱心でノウハウも豊か,と説明している。知らなかったが,G8に招かれて,知的送電網,スマートグリッドの構想を説明しているし,2011年までに済州島で,知的送電網,スマートグリッドの導入実験を行う。

知的送電網,スマートグリッドのポイントは,送電網に情報機能を組み合わせて,不安定な再生可能エネルギーの供給と気ままな需要家側のニーズを調整して,効率的な電力供給システムを構築する,とでも説明できるかな。米国の景気刺激策の中には,3,000マイルの送電線建設費用が組み込まれている。特に米国の場合は,送電線や道路網の老朽化が問題となっているところだ。

知的送電網,スマートグリッド,の機能そのものは,我々の知る高度な電力の給電システムに既に組み込まれている,と言いたいところだが,私は寧ろ,需要側に深く入っていって,一つ一つの電気器具まで情報を集め,或いはコントロールすることや,不安定で不細工な送電鉄塔を,もっとスマートで強い構造にすることも含まれるべきではないか,と思っている。

韓国電力が知的送電網,スマートグリッド構想に熱心だ,というのは初めて聞いたが,実験を行う済州島はかなり大きな規模である。日本の経済産業省も離島で知的送電網,スマートグリッドの実験を行う,としており,米国と共同研究も計画している。しかし何となく力が入っていない。日本では必要がない,という環境から来ているのだが,メーカーとしては得意の分野であり,国際競争力を付けておいた方がよい。

経済産業省の離島での実験,というのは何とも怪しい。必要のない時は,日本の電力企業や経済産業省は,大体,この手を使う。沖縄の海水揚水がその例で,誰も本土でやる気がない,まあ一度,離島でやっておくか,みたいな感じである。その点で韓国の意気込みは違う。2011年に離島で,2020年に本土で実用化を始め,2030年には韓国全土で実用化する,計画だという。

先日の,超高圧長距離送電網,UHVの話でも同じで,技術は高度に持っていながら,国内では必要ないことから,海外進出でメーカーが後れを取る,電気学会がやっと国際規格の資格を勝ち得たときは,既に中国やブラジルで,スイスのABBが,完全に技術面で制圧し,中国などには,日本は出来ないが中国は出来る,などと言われてしまう。海外進出,という意味で,知的送電網,スマートグリッドにも,力を入れておこう。

(注) http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-11101820090820?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0&sp=true


本文

●フィリッピンの韓国籍KEPCOが知的送電網の導入を視野

THE LOCAL SUBSIDIARY OF SOUTH KOrea-based firm Korea Electric Power Corp. (Kepco) yesterday revealed it was eyeing to use the so-called “smart grid” technology in the Philippines, through its planned renewable energy projects. Smart grid refers to the incorporation of information technology into an existing power network, making a two-way information exchange between suppliers and consumers possible.

フィリッピンに於ける韓国電力KEPCO(注5)の関連企業,KEPCOフィリッピン(注11)は,フィリッピンで計画している再生可能エネルギー開発(注7)をベースに,知的送電網,スマートグリッドの開発を視野に入れていることを明らかにした。知的送電網,スマートグリッドは,現在の送電網に情報技術を導入して,供給側と消費者側の双方向情報交換で,より効率的な送電網構築を目指す,としている。

KEPCO(注11)は,知的送電網,スマートグリッドの最大の目的は,再生可能エネルギー,風力と水力など,を如何に既存の送電網に連携させるか,と言うことに重点を置いている,と説明している。このことに対して,韓国電力KEPCO(注5)は,先駆的な役割を果たしており,G8のMEF(注9)でも説明している。2011年までに済州島(注10)で,知的送電網,スマートグリッドの実施を予定している。

KEPCO(注11)は更に,2020年までに消費者側の知的送電網,スマートグリッド構築の計画で,2030年までには韓国全土で,知的送電網,スマートグリッドの完全構築を目指している。2009年11月のMEF(注9)で,具体的な説明を行うことになっている。フィリッピンに於いても,2009年9月9〜11日の電力展示会(注12)で,知的送電網,スマートグリッドの展示を行う予定である。

またフィリッピン国内に於ける知的送電網,スマートグリッドの機運を醸成しているのは,マニラ配電MERALCO(注13)である。情報担当のマルティン・ロペス副社長(注14)は,ブロードバンド計画BPL(注15)こそは,大規模な知的送電網,スマートグリッドの実現を目指したもの,と言っている。MERALCO(注13)が,PLDTなど,送電網とブロードバンドの主導権争いで,激しい株式争いを行っていることは,知られているところだ。

(注)A (1) 090820A Philippines, technology.inquirer,(2) title: Kepco to use ‘smart grid’ in RP,(3) http://technology.inquirer.net/infotech/infotech/view/20090819-221091/Kepco-to-use-smart-grid-in-RP,(4) By Amy R. Remo,Philippine Daily Inquirer,First Posted 23:10:00 08/19/2009,(5) Korea Electric Power Corp. (Kepco),(6) smart gridスマートグリッド知的送電網,(7) renewable energy projects,(8) greenhouse gas emissions reduction,(9) G8 Summit’s Major Economies Forum (MEF) on Energy and Climate,(10) Jeju Island,(11) Kepco Philippines,(12) PowerTrends 2009 Exhibit on Sept. 9 to 11,(13) Manila Electric Co,Meralco,(14) Martin Lopez, vice president and chief information officer of Meralco,(15) broadband over power lines (BPL) project,(16)

今日の参考資料

●090820A Philippines, technology.inquirer
http://technology.inquirer.net/infotech/infotech/view/20090819-221091/Kepco-to-use-smart-grid-in-RP

最近の関連資料

●090718D Philippines, manila bulletin
フィリッピンのエネルギーも米国のクリーンエネルギーの影響
Changing the way we use energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090718D.htm
●090630B Philippines, business.inquirer
マニラ配電はルソンの電力需給で2015年までは安定と
Meralco Adequate Luzon supply until 2015
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630B.htm
●090512A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲
Foreign investors keen on renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512A.htm
●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404B.htm
●090319A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の資本増強競争白熱
First Pacific-Lopez alliance to control Meralco board
http://my.reset.jp/adachihayao/index090319A.htm


●フィリッピンの水道でライバンダムの推進について議論

The proposed $1-billion Laiban dam project is a welcome initiative to ensure a long-term bulk water supply for Metro Manila but consumers will benefit most from an arrangement without a take-or-pay provision, officials of water distribution concession Maynilad Water Services Inc. said.
Under a take-or-pay scheme, water distributors Maynilad and Manila Water Services Inc. will have to pay the source for a minimum water supply volume whether or not the volume is consumed.

フィリッピンのマニラ(注6),上水道需要の逼迫で,大規模なプロジェクトが動いている。3,000世帯,15,000人を越す水没移住のため,一時は捨てられたプロジェクトであるが,フィリッピンの飲食品企業サンミゲールSMC(注11)が,総事業費10億ドルのライバン・ダム・プロジェクト(注5)を,民間提案案件(注15)として,上下水道調整機関であるMWSS(注11)と合弁で,2015年にも供給開始を目指している。

これに対し,水道用水引き取り側となるMWS(注8)が,プロジェクト提案側の考えている,テークオアペイ(注7)のシステム導入には反対だ,との見解を表明した。供給水を使っても使わなくても,一定金額を合弁側に支払う,と言うもので,これを導入すると,消費者が使っても使わなくても,水道料を払うことになり,難しいとの見解である。移住の反対運動(注19)やこのような契約問題で,10億ドルプロジェクトも前途多難である。

ライバン・ダム・プロジェクト(注5)の水供給計画では,人口550万人,69万世帯のマニラ首都圏南部に対して,日18.3億リッターを供給する計画で,水源からの送水端で,25MWの発電を行うとしている。

(注)B (1) 090820B Philippines, newsinfo.inquirer,(2) title: 'Laiban dam project OK but not take-or-pay’,(3) http://newsinfo.inquirer.net/inquirerheadlines/nation/view/20090818-220820/Laiban-dam-project-OK-but-not-take-or-pay,(4) By Doris Dumlao,Philippine Daily Inquirer,First Posted 05:18:00 08/18/2009,HONG KONG,(5) Laiban dam project,(6) Metro Manila,(7) take-or-pay provision,(8) Maynilad Water Services Inc.,(9) Maynilad and Manila Water Services Inc.,(10) Maynilad president Rogelio Singson,(11) Manila Waterworks and Sewerage System,MWSS,(12) San Miguel Corp.,(13) Kaliwa River basin in Tanay, Rizal,(14) Sierra Madre mountain range,(15) unsolicited project,(16) build-operate-transfer scheme,(17) Swiss challenge,(18) concession fee agreement,(19) Nga-nga’ protest vs Laiban Dam project,http://newsinfo.inquirer.net/inquirerheadlines/metro/view/20090731-218184/Nga-nga-protest-vs-Laiban-Dam-project,(20)


今日の参考資料

●090820B Philippines, newsinfo.inquirer
http://newsinfo.inquirer.net/inquirerheadlines/nation/view/20090818-220820/Laiban-dam-project-OK-but-not-take-or-pay

最近の関連資料

●090728E Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの水道ライバンダムを2015年にも完成の構想
Laiban Dam to address Metro Manila water demand in 2015
http://www.mb.com.ph/articles/211583/laiban-dam-address-metro-manila-water-demand-2015
●090718A Philippines, manila bulletin
フィリッピンのMWSSは10億ドルライバンダムをサンミゲールに
MWSS ready to finalize SMC deal on $1-B Laiban water project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090718A.htm


2009年8月19日分 ー 世界のLNG市場が価格と生産地で激動の時代に ー

最近のエネルギー情報は,中国を中心にLNG市場が大荒れである。まず,オーストラリアのゴーゴン・ガス田,埋蔵量が40兆立方フィートとも言われている世界屈指の規模であるが,このゴーゴン・ガス田とLNGプラントを,オーストラリア政府との合意に基づいて推進しているエクソンモビルと,中国国家石油ペトロチャイナが,410億ドル,総額3兆8,900億円相当の供給契約を結んだというものである(注1)。

このオーストラリアのゴーゴン・ガス田の開発は,2005年にエクソンなどへの開発への合意が成立しているが,最終的なオーストラリア政府の開発承認は今年,2009年末とされている。この承認から生産開始までは5年かかると言われているが,最近,LNGに関する東京ガスの動きが激しく,2009年7月末には,このガス田に1%資本参入,年間150万トンのLNG輸入の意志決定をしたと報じられた(注2)。中国はこれを大幅に上回る。

更に東京ガスは,将来のLNG大国,中国の市場を開拓すべく,プラント建設請負参入の意志決定を行った(注3)と報じられている。そのために,上海などの設備の緊急措置を買って出ている。一方中国は,世界の資源株の買いあさりに没頭しており,中国国家石油の関連企業,中国石油化工が,スイスのアダックス石油の買収手続き完了,買収費用は中国企業として最大の,7,200億円と報じられている(注4)。

ただ,世界のLNG市場は,中東,インドネシア,オーストラリアなどの開発気運で,供給余剰の感じが強くなり,ここ数年,2012年までは価格が低迷すると言われており,実際に,過去,百万Btu当たり20ドルまで高騰したものが,現在では5ドルまで急落している。LNG最大の生産国であるカタールは,オーストラリアの新しいプロジェクトとの競合もあり,年3,800万トンのLNGを,アジア向けに切り替える方向にある。

LNGの世界の計画生産能力は,年1億3,000万トンに対して,太平洋地区での長期計画に基づかないLNG需要は,年8,000万トンで,明らかに供給過剰の様相を呈している。なおここで,複雑なLNG関係の単位換算を整理しておくと,1tcf(1兆立方フィート)の天然ガスは,28bcm(280億立方m)で,LNGにすると,21mt(2,100万トンLNG),1,030,000百万Btu,180百万バレル石油相当,である。

天然ガスの世界の総量問題だが,どれを見ても資料が古くてどうにもならない。もう10年前,2000年の資料は全然使い物にならなくなっている。それほど天然ガスの探査には,この10年間で劇的な変化があった,と言うことだ。10年前は,天然ガスは,旧ソ連圏,中東,インドネシアが主体であったが,私が言ってきたように,天然ガスは,何処でも,幾らでも出る,と言うつもりで臨む方がよい。

要するに,世界の何処が掘りやすく,何処に探査の資金を注ぎ込むのがもっとも確実か,と言う見方で行くべきだ。中途半端な規模では駄目で,資本の濃密な集中度を考えるべきだ。国の政策もあるだろう,エクソンモビルやシェブロンを,心おきなく受け入れたオーストラリアの今後の動きを注目する,インドネシアのように,天然ガスに資源ナショナリズムを振りかざすような国は,その面で,まず落ちて行くだろう。

(注1)http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090819AT2M1900U19082009.html
(注2)http://www.ecool.jp/press/2009/07/post-289.html
(注3)http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908150022a.nwc
(注4)http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090818D2M1803618.html


本文

●世界のLNGは記録的な余剰と価格下げに遭遇している

Liquefied natural gas producers may earn smaller margins as low demand and new export plants lead to a record surplus and lower prices, Wood Mackenzie Consultants Ltd. said. New projects in Qatar, Yemen and Indonesia may reach capacity next year, said Frank Harris, global head of LNG at the Edinburgh-based firm. Ventures planned for 2015-20, including those helmed by ConocoPhillips, Royal Dutch Shell Plc and Woodside Petroleum Ltd., may be forced to sell the fuel for less as supplies exceed consumption.

LNGの供給とバランスが崩れてきている問題点を指摘,今度数年先行きの見通しを,英国籍のコンサルタント,ウッド・マッケンジ(注6)の観測を記事にしたものである。現在世界のLNGは供給過剰に陥っており,価格が崩れてきている。新規のLNGプロジェクト,特に,カタール(注7),イエメン(注8),インドネシア(注9)では,プロジェクトが来年には稼働に入り,供給過剰となって,そのピークは2011年に訪れる。

2012年以降は,現在,新しいプロジェクトが認可されていない状況なので,供給過剰は収まってくる見通しだ。LNGの計画生産能力は,年1億3,000万トンに対して,太平洋地区での長期計画に基づかないLNG需要は,年8,000万トン,価格は一時,百万Btu(注16)当たり20ドルしていたものが,急激に値が崩れて,5ドルまでも落ち込んでいる。アジアのバイヤーは,契約の20%引きで交渉に入っている。

LNG最大の生産国であるカタール(注7)は,オーストラリアの新しいプロジェクト(注26)との競合もあり,年3,800万トンのLNGを,アジア向けに切り替える方向にある。一時,20ドルまで値上がりしたのは,新規承認されるLNGプロジェクトが,ン500万トンであったのに対し,需要増分が,1,500〜2,000万トンと見積もり誤りをしていた。


(注)A (1) 090819A LNG,tehrantimes,(2) title: LNG surplus to reach a record, Wood Mackenzie says,(3) http://www.tehrantimes.com/index_View.asp?code=200957,(4) SINGAPORE (Bloomberg),(5) liquefied natural gas,LNG,(6) Wood Mackenzie Consultants Ltd.,(7) Qatarカタール,(8) Yemen,(9) Indonesia,(10) Frank Harris, global head of LNG,(11) ConocoPhillips,(12) Royal Dutch Shell Plc,(13) Woodside Petroleum Ltd.,(14) Sanford C. Bernstein,(15) cleaner-burning fuel,(16) million British thermal units,(17) Chevron Corp.,(18) WheatstoneJOGMEC,(19) Gorgon,(20) Santos,(21) Conoco,(22) Origin,(23) BG Group Plc,(24) Inpex Corp.,(25) Shell,(26) Australia,(27) Papua New Guinea,(28) JPMorgan Chase & Co.,(29)

今日の参考資料

●090819A LNG,tehrantimes
世界のLNGは記録的な余剰と価格下げに遭遇している
LNG surplus to reach a record, Wood Mackenzie says
http://my.reset.jp/adachihayao/index090819A.htm

http://www.tehrantimes.com/index_View.asp?code=200957

最近の関連資料

●090813A Indonesia, pennenergy
インドネシアの石油担当大臣がドンギのガスは国内使用で
Indonesian oil minister wants Donggi gas for domestic market
http://my.reset.jp/adachihayao/index090813A.htm
●090714C Indonesia, thejakartapost
インドネシアのドンギLNGで日本側が合意の延長を促している
Japan buyers allow time for talks over LNG plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090714C.htm
●090623C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スレノLNGで三菱は輸出にこだわる
Consortium insists on need to export Donggi-Senoro's LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623C.htm
●090318B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのLNGから日本などが他の市場を模索
RI’s LNG diverted to other markets
http://my.reset.jp/adachihayao/index090318B.htm
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217C.htm


●中国国家石油がオーストラリアのLNGを購入する契約成立

Chances are high that few have ever heard of the Gorgon gas field, named after a dreaded she-monster in Greek mythology. But it absolutely deserves a place in the modern lexicon of energy, trade and power. The Gorgon field, off the northwest coast of Australia, is at the heart of a blockbuster, $41 billion deal signed Tuesday between two of the world's biggest companies: Exxon Mobil and PetroChina.

今まで長い間,日本が握ってきたLNG市場を,中国が将来,数十年に亘って主役となる,その歴史の変わり目だ,と評している。オーストラリアの西北岸,グレイター・ゴーゴン(注8)は,40兆立方フィートの埋蔵量を持つ,ゴーゴン・ガス田(注5)は,2005年にエクソンモービル(注6)と生産契約を結び,シェブロン(注10)なども参加して,計画を急いでいる。東京ガスは,2009年7月30日に,1%の資本参加の意思を決めている。

東京ガスの資料によると,ゴーゴン・ガス田(注5)のLNG生産は,年1,500万トンの計画で,東京ガスは,年150万トンを受け入れる考えであり,生産開始は,2009年後半の意志決定を経て,5年後,と書かれている。今日の記事では,中国国家石油ペトロチャイナ(注7)が,年225万トンで20年間の契約という。総事業費は,410億ドルと言われており,まさしく世紀の大型契約とされている。

中国としては,世界2番目の規模の経済を想定してのエネルギー戦略であり,環境への足がかり,と評価されることを狙っており,また,オーストラリアとしては,アジアのエネルギーを支配する出発点とも言える。中国に続いて,日本,インド,韓国などへの供給も既に視野に入っている。北米も考えているが,地理的な問題があると考えられている。

(注)B (1) 090819B China, marketwatch,(2) title: PetroChina clinches Gorgon gas deal,(3) http://www.marketwatch.com/story/petrochina-clinches-key-gorgon-gas-deal-2009-08-18,(4) Commentary Supply contract with Exxon Mobil carries long-term implications,By MarketWatch,SAN FRANCISCO (MarketWatch),(5) Gorgon gas field,(6) Exxon Mobil,(7) PetroChina,(8) OPEC member Indonesia,(8) Greater Gorgon,(9) Royal Dutch Shell,(10) Chevron,(11) map source: http://www.ecool.jp/press/2009/07/post-289.html,(12) photo source: www.abc.net.au/.../2009/07/30/2640643.htm,(13)

今日の参考資料

●090819B China, marketwatch
中国国家石油がオーストラリアのLNGを購入する契約成立
PetroChina clinches Gorgon gas deal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090819B.htm

http://www.marketwatch.com/story/petrochina-clinches-key-gorgon-gas-deal-2009-08-18

最近の関連資料

●090815C China, miningweekly
中国の海外石炭の輸入が飛躍的に伸びている
Chinese demand for foreign coal soars
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815C.htm
●081229C China, chinadaily
中国,燃料税改革,エネルギーの里程標
Fuel tax reform an energy milestone
http://my.reset.jp/adachihayao/index081229CC.htm



2009年8月18日分 ー ミャンマーのサルウイーン河ダム開発を巡る外交戦 ー

シベリアのハカシア共和国のエニセイ川にある,6,000MWのサヤノ・シュシェンスカヤ水力発電所で,昨日,2009年8月17日,爆発事故が起き,作業員8人が死亡,54人が行方不明になった(注1)。写真を見ると,ダム直下の発電所で,タービン室の壁が破れた,と言っているが,変圧器の爆発で水圧鉄管が破壊された,と言う感じ。水は引いているので,上部バルブを止めたのか,ダム本体には影響ないという。

さて,昨日,環境省の言う2050年までに全部電気自動車に変えると,日本の電力設備が今の倍,5億KWが必要だ,と意見を述べたら,電力の友人から,足立さんの計算はよいとしても,そう言うシナリオにはならないだろう,とメールが来た。その意味は,これから40年間で2.5億KWの新規電源開発は不可能,という意味だと思うが,では電気自動車という方法では,将来の道路交通は解決できないのか。

温暖化ガス排出による地球温暖化というのは,皆,おそらく嘘だろう,と思っている。でも,いつまでも熱効率30%未満の自動車エンジンで,2050年まで行こうと思っている人はいないだろう。第一,2050年まで石油が持つかどうか分からない,と言われているから,どうしても自動車を確保するなら,別の動力源を考えなければならないのは事実だ。そう言う意味では,必ず5億KWが2050年頃までには必要,と言うのは事実だろう。

この意見に異議を挟む人は,自動車を止めてしまえ,と言うことか,或いは,別の燃料で自動車を駆動させることを考えている人だろう。別の燃料とは,太陽光か水素か原子力か,バイオは問題外だろう。水素が一番考えやすいが,水素を造るのにどうしても電気が必要だから,結局,自動車の問題は電力会社が最後は引き受けなければならないと言うことだろう。

温暖化ガス排出による地球温暖化は本当,と信じている人は,家庭でも産業界でも運輸部門でも,すべてガス排出削減の努力を強いて行くわけだが,産業部門が40%,民生部門が26%,運輸部門が21%,と言われる中で,産業民生の70%は電力起因であり,運輸部門も電気自動車にするならば,殆どの温暖化ガス排出は,電力会社が出しているものになる。

だから,電力会社が温暖化ガス排出削減への努力をするならば,民生,産業,運輸とも,温暖化対策を意識する必要がなくなる。極端な例で,100%,揚水と原子力の電力系統の中で生活している社会ならば,人々は地球温暖化について何も気にする必要はなくなる。逆に,家庭が温暖化対策として幾ら電気を節約しても,電力会社がその減分を化石燃料の減に繋げなければ,家庭の努力は無駄というわけだ。

何が言いたいかと言えば,地球温暖化対策の中で,いろいろな人々にいろいろな課題を課すのではなく,電力企業へ責任を取って貰い,資金や技術を電力会社に集中的に注ぎ込む,それがもっとも効率的な温暖化対策ではなかろうか。ただ,太陽の放射が大きく変わったり,地球の気温がマイナス50度からプラス50度まで変わる中で,本当に我々は我慢してプラスマイナス2度を問題にしなければならないのだろうか,とは思う。

サルウイーン河に全くダムがないのは,そう言う意味で人類の大損失だが,タイ政府は今悩んでいる。最下流のハッチ・ダムは,1999年にニュージェックが,ダムを下げて流れ込み式にして,300MWの規模へ縮小するよう提案した。しかしタイ政府は,水の分水も視野に入れた,1,200MWとする決断で,アビシット首相は委員会を組織し,カレン族などの反対の中,強行すべきかどうか,判断を求めている現状だ。

(注) http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2009081701000700_World.html


本文

●ミャンマーのサルウイーン河ダム開発を巡る外交戦

Coverage has largely focused on refugees, people fleeing forced conscription, forced labor, murder and rape. Video footage of militia armies torching people’s modest bamboo homes and the schools and churches the inhabitants relied upon for their sense of community are widely available on the internet. Free Burma Rangers medical teams shot close footage as community centers and schools built by villagers with material cropped from the surrounding jungle were razed to the ground.

サルイーン河(注12)のダム開発,先陣を切るのは,最下流部,左岸支流,タイ領内から流れ込むモエイ川(注24)との合流点より33km下流,ハッチ・ダム(注10)である,33万平方kmの隆起面積を持つ。1999年にニュージェック(注25)が,プレ・フィージビリティ・調査を行って,出力300MWの流れ込み式ダムで開発すべき,と提言したが,2005年11月14日にいたってタイ政府は,貯水池式として出力1,200MWを提案。

この考えに基づき,タイ政府とミャンマー政府は,フィージビリティ調査に乗り出した。タイ政府は,ダムを高くして,洪水期のサルウイーン河(注12)の水をユアム川(注26)に導いて,マエ・ラマ・ルアン(注27)にダムを造って,トンネルで既設のブミポン・ダム(注28)へ導こうとする案を懐に入れている。今日の記事でも,ダムの高さ33m,出力1,200MW,年間発生電力量73億3500万KWh,と書かれている。

今日の記事のポイントは二つあって,一つは,この調査工事にあたって,5,000人から6,000人のカレン族の人々が,強制的な移住を課されて,避難民としてタイ領に流れ込み,厳しい生活を強いられている問題と,ミャンマー政府と共同で開発を進めるタイ政府が,今後のハッチ・ダム(注10)の実施の決断について迷っており,アビシット首相(注13)が,委員会を組織してその結論を待っている,というものである。

(注)A (1) 090818A Myanmar, mizzima,(2) title: The politics of dam construction along the Salween,(3) http://www.mizzima.com/index.php?option=com_content&view=article&id=2629:the-politics-of-dam-construction-along-the-salween-&catid=4:inside-burma&Itemid=3,(4) by Don Talenywun,Saturday, 15 August 2009 12:55,Maesod (Mizzima),(5) Karen National Union,KNU,(6) conscription,徴兵制,(7) Free Burma Rangers,(8) State Peace and Development Council,SPDC,(9) Tha Song Yang District,(10) Hat Gyi Dam,(11) World Wildlife Fund,WWF,(12) Salween River,(13) Thai Prime Minister Abhisit Vejjajiva,(14) Mae Hong Song Province,(15) Karen National Liberation Army,KNLA,(16) Saffron Revolution,(17) National Energy and Development Plan,(18) Association of South East Asian Energy Ministers’ meeting,(19) ASEAN Plan of Action for Energy Cooperation 2010-2015,(20) Ethnic Community Development Forum,(21) Sai Khur Seng,(22) map source: http://www.salweenwatch.org/index.php?option=com_content&view=article&id=51&Itemid=60,(23) photo source: http://www.worldproutassembly.org/images/salween-river.jpg,(24) Moei River,(25) NEWJEC,(26) Yuam River,(27) Mae Lama Luang,(28) Bhumipol Dam,(29)

今日の参考資料

●090818A Myanmar, mizzima
ミャンマーのサルウイーン河ダム開発を巡る外交戦
The politics of dam construction along the Salween
http://my.reset.jp/adachihayao/index090818A.htm

http://www.mizzima.com/index.php?option=com_content&view=article&id=2629:the-politics-of-dam-construction-along-the-salween-&catid=4:inside-burma&Itemid=3

最近の関連資料

●090805B Myanmar, upi.com
マンダレーのASEANエネルギー閣僚会議は協力で合意
East Asia's energy chiefs pledge teamwork
http://my.reset.jp/adachihayao/index090805B.htm
●090805B Myanmar, upi.com
マンダレーのASEANエネルギー閣僚会議は協力で合意
East Asia's energy chiefs pledge teamwork
http://my.reset.jp/adachihayao/index090805B.htm
●090605A Myanmar, atimes
ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある
China drawn into Myanmar's border strife
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm


2009年8月16日分 ー ネパールとインドの国境のパンチェスバール水力 ー

ガンジス河の支流,マハカリ川がネパールとインドの国境を流れ下る,その国境上に,6,000MWのパンチェスバール多目的ダム・プロジェクトがある。高さ315mという途方もない高さのロックフィルダムで,下流のガンジス平原への灌漑や洪水調節も目的としている。マハカリ川の源流は,中国,インド,ネパールのトライアングルになった国境付近で,すぐ北は,チベット平原で,そこを西に流れ下るステアジ川は,インダス河に流れ込む。

ネパールのマオイスト派の政権,プラチャンダーが,大統領が軍の人事を受け入れなかったために政権を投げ出してから,平穏に推移しているのかどうか,心配であったが,来週,2009年8月18日にデリーを訪問するネパールの新首相,M.K.ネパールは,この6,000MWのパンチェスバール多目的ダム・プロジェクト推進で,インドと合意したい意向という。マオイストはこれに反対,合意ならデモで応える,としている。

マオイストのプラチャンダーが首相の時,10年間で10,000MWの水力開発,を標榜して,デリー,北京を駆けめぐったが,その時当然,6,000MWのパンチェスバール多目的ダム・プロジェクトも,その計画の中に入っていた。今回のプラチャンダーの表現は,すべての水に関する問題が解決しなければ合意には反対する,カトマンズで大規模なデモを行う,としている。

ネパールの水力開発は,結局,最後まで治安の問題である。パンチェスバールが進まないのも,インドがネパール側の治安に信頼を置いていないからである。マオイストが地方で地下に潜っていた頃は,このマオイストの活動で,水力開発が阻害された。マオイストが政権に入り,治安問題は解決したはずであったが,今回のようにマオイストが反対した場合,地方の治安にどれほど影響してくるのか,インドも読みかねている。

詰まるところ,3万とも言われるマオイストの旧兵士の行く先の問題に帰結する。プラチャンダーは,マオイスト兵士を武装したまま正規軍に編入するよう要求し,これに反対した司令官を更迭しようとしたが,大統領の拒否にあって政権を投げ出した。プラチャンダーは今のところそれほど過激な動きはしていないが,それでも,この旧兵士の問題が解決しなければ,ネパールの治安問題は解決しない。

電気自動車の話。私は全部電気自動車に変わる日は,案外早いと見ている。斉藤鉄夫環境相の8月14日の発表では,2050年に乗用車全部の電気自動車化,を一つの仮定に置いている(注1)。もう既に,新日本石油などが続々,電気自動車の充電インフラ整備に向けた実証実験を始める(注2)。GMがハイブリッドのボルトでリッター94kmと発表し,「世紀の大嘘,誇張」,と非難されている(注3)。

2050年に全部電気自動車の変わるとどうなるのか。日本の保有台数は8,000万台,乗用車はそのうち5,500万台,出力規制は,軽で64馬力,乗用車で280馬力,トラックは大体8,000ccで300馬力である。1KWは1.36馬力,カムリが2,000ccで104KW,これらの数字を操作すると,2050年,40年後には,6,000万台の車,平均150KWが電気自動車に変わると考えてよい。

乗用車の年平均走行kmは8,000km,平均時速40kmとして,年200時間走っている計算,2.5%オーダーの稼働率である。この数字を参考にして,主として夜間,3%の充電時間が重なるとしよう。夜間の自動車充電ピークは,3億KWと推定できる。日本の現在のピークは2億KW,夜間は1億KW,この夜間に3億KW自動車充電負荷がかかるから,夜間のピークは昼間を越えて4億KW,予備力を入れて,5億KWピーク。

現在の発電設備は2.5億KWだから,後40年のうちに新規増設2.5億KWが必要。今日から毎年,600万KWを開発していく必要がある。計画してから発電までに8年かかるとすると,電力会社は今日この時点で,2,400万KWのプロジェクトを立ち上げなければならない。一電力会社300万KWプロジェクトである,出来れば揚水と原子力で。40年後に乗用車をすべて電気自動車にするなら,私の計算に殆ど狂いはないだろう。どうする?

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090816AT3S1401Q14082009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090813AT1D1206Q12082009.html
(注3) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090816AT2M1501R15082009.html


本文

●ネパールのコイララ首相はデリー訪問の目的はパンチェスバール水力

Even as he was warned by the main opposition Unified CPN (Maoist) against reaching any agreement on the Pancheshwor multipurpose project during his upcoming India visit, Prime Minister Madhav Kumar Nepal has said that there will be serious deliberations on the mega project. Speaking at a programme at Mulpani in Kathmandu on Saturday, Prime Minister Nepal said Pancheswor project would be discussed with priority with the Indian side.

6,000MW,パンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注7)はまさに,インドとネパールの国境のプロジェクトである。ガンジス川の支流,マハカリ川(注14)のパンチェスバール(注15)付近に,高さ315mのロックフィル・ダムを建設する計画である。一見したところ,下流の灌漑便益も洪水調節も,また電力そのものも,インド,ヒンドウスタン州のため,とも言えるプロジェクトであるが,両国にとって重要なプロジェクトである。

マオイスト(注6)のプラチャンダーに替わって首相についたネパール共産党のマダブ・クマール・ネパール(注5)が,来週,2009年8月17日からデリーを訪問してインドのシン首相との会談に臨む。その打ち合わせのためにデリーに在った外務大臣のコイララ女史(注12)が帰国,ネパール首相(注5)のデリー訪問の目的は明確に語っていないが,ネパール首相(注5)自身は,パンチェスバール多目的ダム(注7)の促進のためとしている。

これに対して,前の政権にあったマオイスト(注6)は,インドに騙されている,として,ダムによる水没などの影響が大きく,反対の姿勢を明らかにしている。波乱含みである。ネパール首相(注5)は,先日完成した,70MWのミッド・マルシャンディ水力(注9)を例にとって,6,000MW,パンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注7)は極めて経済的,と推進への意欲を明らかにしている。

(注)A (1) 090816A Nepal, nepalnews,(2) title: PM says Pancheswor will figure predominantly during his deliberations in Delhi,(3) http://www.nepalnews.com/main/index.php/news-archive/1-top-story/929-pm-says-pancheswor-will-figure-predominantly-during-his-deliberations-in-delhi.html,(4) Saturday, 15 August 2009 14:48,(5) Prime Minister Madhav Kumar Nepal (File photo),(6) Unified CPN (Maoist),(7) 6,000MW Pancheshwor multipurpose project,(8) Mulpani in Kathmandu,(9) 70MW Mid-Marshyandi hydropower project,(10) Maoists,(11) Indian ambassador Rakesh Sood,(12) Foreign Minister Sujata Koirala,(13) map source: http://www.pandeyji.com/uttarakhand/mahakali.png,(14) River Mahakali,(15) Pancheshwar,(16) Champawat District,(17)

今日の参考資料

●090816A Nepal, nepalnews
ネパールのコイララ首相はデリー訪問の目的はパンチェスバール水力
PM says Pancheswor will figure predominantly during his deliberations in Delhi
http://my.reset.jp/adachihayao/index090816A.htm

http://www.nepalnews.com/main/index.php/news-archive/1-top-story/929-pm-says-pancheswor-will-figure-predominantly-during-his-deliberations-in-delhi.html

最近の関連資料

●090720C Nepal, kantipuronline
ネパールの70MWミッドマルシャンディは発電停止か
Contractor threatens to stop power generation
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=200859
●090303D Nepl, nepalnews
ネパールに対してインドがパンチェスバール開発庁の設置を促す
India proposes formation of Pancheshwar Development Authority
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303D.htm
●090219C Nepal, thehimalayantimes
ネパール首相とインドの外相が今後の開発計画で協議
Follow-up push to bilateral commitments
http://my.reset.jp/adachihayao/index090219C.htm
●081219A Nepal, yourprojectnews
ネパール首相,70MW,ミッドマルシャンディ水力完成式
PM inaugurates much-awaited 70MW Mid-Marsyangdi hydel project
http://my.reset.jp/adachihayao/index081219A.htm
●081214A Nepal, kantipuronline
70MW,マルシャンディ水力,遂に運転開始に
PM to inaugurate much-awaited 70MW Mid-Marshyangdi hydel project today
http://my.reset.jp/adachihayao/index081214A.htm


●ネパールのマオイストがパンチェスバール・ダムに反対してデモを計画

Ahead of Nepalese Prime Minister Madhav Kumar Nepal's visit to India, Maoists on Saturday warned of a mass agitation if any agreement on the Pancheshwor hydropower project is reached with New Delhi during the trip. Senior Maoist leader C P Gajurel said the Pancheshwor Project is a part of the Mahakali Integrated Treaty, signed in 1996 between the then Nepalese Prime Minister Sher Bahadur Deuba and his Indian counterpart P V Narasimha Rao in 1996, "which is a treacherous treaty".

ネパールの政権を握っていたマオイスト,その首相であったプラチャンダー,大統領とのマオイスト兵士の取り扱いで衝突,政権を投げ出してから,比較的平穏な日が流れていると思っていた。10年間で10,000MWの水力開発達成,を標榜していたマオイスト政権だったが,ここに来て,インドとの国境に位置する,6,000MWのパンチェスバール多目的ダム(注7)に反対している。

来週,2009年8月17日よりデリーを訪問するネパール首相(注5)に対して,もしインドとの間で,パンチェスバール多目的ダム(注7)建設合意ならば,マオイストはカトマンズでの大規模なアジテーションで応える,と言っている。発言しているのはマオイストのガジュレル(注8)である。これに対して会議派のリーダー,マハット議員(注13)は,パンチェスバール多目的ダム(注7)はネパールに有利,と説得にかかっている。

(注)B (1) 090816B Nepal, zeenews,(2) title: Maoists warn of mass agitation in Nepal,(3) http://www.zeenews.com/news555628.html,(4) Updated on Saturday, August 15, 2009, 17:18 IST Tags:Nepal, Maoists,Kathmandu,(5) Prime Minister Madhav Kumar Nepal,(6) Maoistss,(7) 6,000MW Pancheshwor multipurpose project,(8) Senior Maoist leader C P Gajurel,(9) Mahakali Integrated Treaty,(10) Prime Minister Sher Bahadur Deuba,(11) P V Narasimha Rao,(12) Comprehensive Peace Agreement,(13) Nepali Congress leader Prakash Sharan Mahat,(14)

今日の参考資料

●090816B Nepal, zeenews
ネパールのマオイストがパンチェスバール・ダムに反対してデモを計画
Maoists warn of mass agitation in Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090816B.htm

http://www.zeenews.com/news555628.html

最近の関連資料

●090303D Nepl, nepalnews
ネパールに対してインドがパンチェスバール開発庁の設置を促す
India proposes formation of Pancheshwar Development Authority
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303D.htm
●090219C Nepal, thehimalayantimes
ネパール首相とインドの外相が今後の開発計画で協議
Follow-up push to bilateral commitments
http://my.reset.jp/adachihayao/index090219C.htm
●090508A Nepal, livemint
ネパールの政治危機はインド企業の水力開発へ影響
Crisis in Nepal may affect plans of Indian power generation firms
http://my.reset.jp/adachihayao/index090508A.htm
●090331C Nepal, myrepublica
ネパールの10000MW水力で2兆ルピーが必要
10,000 MW will cost Rs 2 trillion: Govt taskforce
http://my.reset.jp/adachihayao/index090331C.htm


●ネパールのパンチェスバールで遅れは損失と報告書を首相へ提出

In the wake of Prime Minister Madhav Kumar Nepal´s visit to India beginning August 18, the office of the Pancheshwar Multipurpose Project is submitting the financial status report to him Wednesday. India and Nepal are set to discuss the progress of the project during the prime minister´s visit. Nepal incurring Rs 65 billion loss from delay in Pancheshwar

ネパールの西端,インドとの国境を流れ下るガンジスの支流,マハカリ川に,高さ315mのロックフィルダムを築造して,6,000MWを発電し,下流の灌漑と洪水調節を目的とする,インドとネパールの協力プロジェクト,パンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注7)。ネパール首相(注5)が,マオイスト(注6)の反対を押し切って,来週,2009年8月18日に,インドとの合意を目指してデリー入りする。

カトマンズに事務所を置く,パンチェスバール・プロジェクト事務所のD.B.シン氏(注7)が,ネパール首相(注5)へ報告書を提出,その中で,パンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注7)が1年遅れるたびに,ネパールは650億ルピー,約8.5億ドル相当の損失を被っている,インドはそれよりも遙かに大きな損失だ,と報告している。

このパンチェスバール多目的ダム・プロジェクト(注7)が,インドとネパール両政府の間で難航しているのは,ネパール側の治安確保に不安のあるインドの動きが悪いからである。政権から去ったネパールのマオイスト(注6)の反対の中,更に不安が募るところだが,前政権の首相,マオイスト(注6)の首領,P.K.ダハール(注13),プラチャンダーは,今では,水問題がすべて合意できなければ同意できない,としている。

(注)C (1) 090816C Nepal, myrepublica,(2) title: Pancheshwar delay costs Nepal Rs 65b loss a year,(3) http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=8506,(4) AKANSHYA SHAH,KATHMANDU, Aug 11,(5) Prime Minister Madhav Kumar Nepal,(6) Maoistss,(7) 6,000MW Pancheshwor multipurpose project,(7) Dilli Bahadur Singh, the Pancheshwar project manager in Kathmandu,(8) Mahakali Integrated Treaty,(9) Pancheshwar Development Authority (PDA),(10) Minister for Energy Dr Prakash Sharan Mahat,(11) Indian ambassador Rakesh Sood,(12) Unified CPN (Maoist),(13) Maoist Chairman Pushpa Kamal Dahal,(14) Gyanendra Lal Pradhan, a hydropower expert,(15) Detailed Project Report (DPR),(16)

今日の参考資料

●090816C Nepal, myrepublica
ネパールのパンチェスバールで遅れは損失と報告書を首相へ提出
Pancheshwar delay costs Nepal Rs 65b loss a year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090816C.htm

http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=8506

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●090303D Nepl, nepalnews
ネパールに対してインドがパンチェスバール開発庁の設置を促す
India proposes formation of Pancheshwar Development Authority
http://my.reset.jp/adachihayao/index090303D.htm
●090219C Nepal, thehimalayantimes
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●090508A Nepal, livemint
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http://my.reset.jp/adachihayao/index090508A.htm
●090331C Nepal, myrepublica
ネパールの10000MW水力で2兆ルピーが必要
10,000 MW will cost Rs 2 trillion: Govt taskforce
http://my.reset.jp/adachihayao/index090331C.htm


2009年8月15日分 ー 中国の真珠の首飾り戦略と石炭 ー

年齢的にも,戦没者への慰霊には厳粛な気持ちだ,1年に1度でもよいから黙祷して身近な戦没者を思い出したい(注1)。ビジネスアイが中国の破竹の資源買収攻勢を報じている。中国の国有石炭会社が,オーストラリアの同業フェリックスをおよそ35億豪ドル,約2,817億円,で買収することで合意した。2009年に入ってからの中国企業による海外での資源資産買収の総額は,430億ドル,約4兆970億円,に達する(注2)と言う。

なぜ,世界第3位の石炭埋蔵量,可採埋蔵量は1兆1,,421億トンを有する中国が,他の資源はともかくとして,なぜ石炭まで買いまくらなければならないのか。この図を見てみよう(注3)。世界の石炭生産は,2020年頃の年32億トンをピークに減り始める。もっとも顕著な動きは中国で,2050年には約年2億トン程度にまで落ち込む。なぜなのか,それは中国の石炭の価格が高いからである。

私の推測だが,中国の石炭は炭坑が多いが,ベトナム,インド,南アフリカなどはおそらく露天掘りが多いのではないか。だから,市場の立場から見た場合,南アジアや南アフリカの石炭生産は,2100年になっても減らないで,同じレベルの生産量を続けている。寧ろ急激に生産量が落ちるのは,中国だけではないか,世界の生産減の殆ど全部を中国が負っている。

中国の政権担当者がこの図を見ていると,これは恐怖に戦くのも無理はない。2009年前半6ヶ月の,南アフリカからの石炭輸入で,中国は前年比約126%の急激な増加を示しているという。まだその絶対値は少なく15万トン程度であるが,アジア全体では,2008年の200万トンが300万トンに増える,南アフリカの石炭価格は安定しているが,アジアの石炭価格は,中国の影響で,かなり鋭敏だという。

中国の,真珠の首飾り戦略とは,アフリカ東岸,南アフリカ,タンザニア,ザンジバルなどと,モーリシャスやセーシルを経由しながら,インド洋を横断して,スリランカの南岸,ハンバントタ港に至り,更にマラッカ海峡を経て海南島に至る経路と,ミャンマーのアラカンの港に入って,ミャンマーから昆明を経て,上海,広東に至る,この経路の港を手に入れて行く,増強する海軍基地で,この真珠の首飾りのシーレーンを守る,というのである。

スリランカのハンバントタ港の拡張工事では,中国とインドが激しく争ったという。スリランカの経済の首根っこを握る石炭火力でも,日本のJパワーと中部電力が名誉ある撤退をしてから,中国とインドが激しく争ったことは記憶に新しい。インドは冷たくあしらわれたが,それではと,インドはインドからの送電線連携を提案している。また,北部の戦争跡地の復興支援でも,中国とインドが,支援額を競っている。

タンザニアの首都ダレスサラムのすぐ前には,古来より有名な貿易港,ザンジバル島がある。地図を開くと,このザンジバルとスリランカのハンバントタ港は,インド洋を真っ直ぐ東西に横断して最短距離にある。ザンジバルの北にはソマリアがあって,ソマリア沖では中国海軍が真っ先に海賊退治に出動し,日本は遅れてこれを追った。中東からソマリア,ザンジバル,南アフリカは,将来の中国の資源の積出港である。

そのタンザニアは,厳しい電力不足に見舞われており,首都ダレスサラムから西南西650kmのところに,キウイラ炭坑がある。中国は,このキウイラ炭坑に,200MWの石炭火力の開発支援を行うことで合意した。やや南には,今や激しく対立しているオーストラリアが石炭火力を提案している。まさにザンジバルは,アフリカの臍であり,このザンジバルとスリランカの南端が奇妙に繋がるのである。

折から,ドイツのボンでは,たたき台作成も交渉進展なく温暖化国連作業部会が閉幕した(注4)。インドと中国は,日本を含む先進国に,法的拘束力のある温暖化ガス削減義務を付けろ,と主張している。Jパワーや中部電力が撤退したスリランカに,日本勢がいつか帰る日があるとすれば,900MWまで拡張した石炭火力の大気汚染で,スリランカ政府が日本を呼ぶ日だろう。その時は,パーク海峡の天然ガス探査も,一緒にやりたい。

(注1) http://my.reset.jp/~adachihayao/adachi040522.htm
(注2) http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200908150019a.nwc
(注3) http://my.reset.jp/adachihayao/090815C03.gif
(注4) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090815AT2M1500T15082009.html


本文

●中国の輸銀がスリランカの港湾整備に350百万ドル

Sri Lanka and China's Exim Bank signed deals worth more than $350 million to build a highway and an oil bunkering facility near one of the world's biggest shipping lanes, Sri Lanka's Foreign Ministry said on Friday. The bunker terminals will be built at the Hambantota port on Sri Lanka's southern coast, where the state-run Exim Bank has already pledged $360 million to the initial construction phase being carried out by Chinese firms.

スリランカがどういう位置にあるのか,我々が余り見慣れない地図,インド洋を中心とした地図を見ると,まさに,ASEAN,中東,アフリカ東岸を結ぶ,実に重要な位置にあることがよく分かる。「中国の真珠の首飾り作戦(注11)」,と言われるように,次期の大国インドと対峙する場合の重要なシーレーンであり,中東,アフリカの資源を睨んだ海軍力増強と繋がってくる。中国は具体的に動き始めた。

まず,インドと争った,スリランカ南部の良港,ハンバントタ港(注7)の増強工事は,既に中国企業によって工事が進められているが,金曜日,2009年8月14日,スリランカ輸出入銀行と中国輸出入銀行が,近傍のインフラ,石油バンカー(注6)と首都コロンボ近傍の高速道路に,350百万ドル供与することで合意した。港の工事については,既に360百万ドルがコミットされている。

インドとの熾烈な争いがあったことは想像できたが,このハンバントタ港(注7)についても,中国とインドが激しく争ったようだ。また,石炭火力はスリランカの経済の基本インフラだが,これも,日本のJパワーと中部電力が名誉の撤退を行ってから,インドと中国が激しく争い,スリランカ政府はインドに対して冷たく,インフラ貧困な地点を与えて,中国には本名の,ノロッチョライ石炭火力プロジェクト(注12)を許した。

中国は,このノロッチョライ石炭火力プロジェクト(注12)を,900MWまで拡張する計画で,スリランカの電力問題に決着を付けた。また,内戦を終結し荒廃した北部への支援では,インドが約1億ドルの申し出をしていて,中国はそれを上回る支援を行う。また,首都コロンボとハンバントタ港(注7)の中間にあるミリガマ(注8)に,中国による経済特区を建設中で,中国企業が大挙して入ってくる。

(注)A (1) 090815A China, reuters,(2) title: Sri Lanka, China sign $350 mln oil, highway deals,(3) http://www.reuters.com/article/latestCrisis/idUSCOL441833,(4) Fri Aug 14, 2009 3:50am EDT,By C. Bryson Hull,COLOMBO, Aug 14,(Reuters),(5) China's Exim Bank,(6) oil bunkering facility,(7) Hambantota port,(8) Mirigama,(9) Huichen Investment Holdings Ltd.,(10) President Mahinda Rajapaksa,(11) China's "string of pearls" policy,(12) 900 megawatt coal-fired Norochcholai power plant,(13) photo source: http://www.sangam.org/2009/04/images/HambantotaPortplan2009.jpg,(14)

今日の参考資料

●090815A China, reuters
中国輸銀がスリランカの港湾整備に350百万ドル
Sri Lanka, China sign $350 mln oil, highway deals
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815A.htm

http://www.reuters.com/article/latestCrisis/idUSCOL441833

最近の関連資料

●090811A Srilanka, nation
スリランカのノロチョライ石炭火力は新しい時代の訪れ
Norochcholai to herald new power era To add 900 MW to National Grid by 2011
http://my.reset.jp/adachihayao/index090811A.htm
●090726A Srilanka, onlanka
スリランカの大統領がコトマレ水力の現場を視察
President Visits Upper Kotmale Hydro power Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726A.htm
●090726B Srilanka,livemint
スリランカにインドが送電線連携の具体化調査を提案
India, Lanka to sign MoU on power transmission system
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726B.htm
●090726C Srilanka, hindu.com
スリランカに対して中国輸銀が北部地域の復興支援を申し出
China EXIM bank to assist in development of Sri Lanka's north
http://www.hindu.com/thehindu/holnus/000200907111570.htm
●090726D Srilanka, forbes.com
スリランカに対してIMFが26億ドル支援で北西沖のガス探査も視野
UPDATE 4-IMF board OKs $2.6 bln loan for Sri Lanka
http://www.forbes.com/feeds/afx/2009/07/24/afx6699424.html
●090701A Srilanka, dailynews
スリランカのノロッチョライ石炭火力建設が進展
The significance of Norochcholai power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090701A.htm


●中国がタンザニアの石炭火力に4億ドルを支援

The government of China has offered $400m loan to the Republic of Tanzania for a 200 MW coal power project, informed the Chinese government. Mizengo Pinda, Prime Minister, revealed that the Chinese government plans the investment to revive the controversy-plagued Kiwira coal mine in Mbeya Region.

タンザニアの石炭火力は複雑である。2009年2月23日に報告した,400MWの石炭火力プロジェクトは,今回のキウイラ炭坑(注7)より更に南の地点で,国内石炭企業TANACOALと,オーストラリア原子力資源の子会社であるPCEAと合弁を通して,この計画を進めている,としている。現時点で,中国とオーストラリアは,資源企業を巡って激しい対立関係にある。

タンザニアの電力不足の厳しい状況と,2004年から天然ガスが沖合の島に出て,ガスタービン182MWが動いている。しかし,いずれにしても水力の比重が大きく,渇水に悩まされている現状である。従って,大規模な石炭火力の投入は,その石炭資源から見て,必至の情勢である。国土面積88.4万平方km,人口36百万人,発電設備は官民併せて939MW,である。

今回中国は,首都ダレスサラムから西南西約650km離れたムベヤ県(注8)のキウイラ炭坑(注7)の近くに,200MWのキウイラ石炭火力(注5)を民間で開発すべく,4億ドル相当のローンを提供すると発表された。民間開発とローンの関係はよく分からないが,中国企業が参入するものと予想される。キウイラの南の,オーストラリアの申し出との関係はよく分からない。現在の全国需要のピークは,787MWである。

(注)B (1) 090815B China, pepei.pennnet,(2) title: China to invest $400m in Tanzanian coal fired plant,(3) http://pepei.pennnet.com/display_article/367837/6/ARTCL/none/none/1/China-to-invest-$400m-in-Tanzanian-coal-fired-plant/,(4) 14 August 2009,(5) 200 MW Kiwira coal power project,(6) Mizengo Pinda, Prime Minister,(7) Kiwira coal mine,(8) Mbeya Region,(9) William Ngeleja, energy and minerals minister,(10) photo source: Kiwira,http://3.bp.blogspot.com/_1fXMXYztr0w/RicY99DSNrI/AAAAAAAABQw/cdjiFmwfuQs/s400/kiwira3.jpg,(11)

今日の参考資料

●090815B China, pepei.pennnet
中国がタンザニアの石炭火力に4億ドルを支援
China to invest $400m in Tanzanian coal fired plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815B.htm

http://pepei.pennnet.com/display_article/367837/6/ARTCL/none/none/1/China-to-invest-$400m-in-Tanzanian-coal-fired-plant/

最近の関連資料

●AF090223,Tnzania,
タンザニアが2021年までに400MW石炭火力を計画
Tanzania plans 400 MW coal plant by 2012-media
http://my.reset.jp/~adachihayao/iindex3newsAF090223.htm


●中国の海外石炭の輸入が飛躍的に伸びている

Chinese coal imports rocketed by 126,3%, year-on-year, in the first half of this year, the country’s customs authorities have revealed. In quantitative terms, the first semester’s coal imports amounted to 48,3-million tons, despite the fact that China is the world’s biggest coal producer. According to a separate report, from Reuters, between 140 000 t and 150 000 t of the coal imported by China came from South Africa.

中国の今年前半,2009年1月〜6月,の石炭輸入が,驚くなかれ,前年比126.3%の伸びを示したという。中国は世界最大の石炭埋蔵国でありながら,この半年で,4,830万トンを輸入した。この半年の南アフリカの石炭(注5)のアジア向け輸出は,140万トンでこのうち中国が,14〜15万トンを占めている。アジア向けの2009年の輸出は,2008年の200万トンを大きく上回る,300万トンに達する予想だという。

ここで中国と南アフリカの石炭総量を見ておこう。世界で現時点,可採埋蔵量は9兆8,457億トン,中国は11.6%を占め,世界で米国,ロシアに続いて第3位。中国の可採埋蔵量は,1兆1,,421億トン,2006年の石炭生産量は,23.82億トン,消費量は,23.8億トンである。一方,南アフリカ,石炭埋蔵量は1,262億トン,その内553億トンは可採埋蔵量と見られ,輸出総額の16%が石炭による。

1兆億トンを超す埋蔵量を持つ中国が,どうして1,262億トン埋蔵の南アフリカから輸入しなければならないのか,訳が分からないが,どうも価格構造にあるようだ。アジアの石炭価格は鋭敏で,これに比べると南アフリカの石炭価格は安定しており,特にインド向けが多い。これに比べ,中国の石炭は高く,インドネシア,オーストラリア,ベトナム,更にロシアからも,輸入した方がよいという。景気刺激策で,電力,セメントなど需要増の傾向。

(注)C (1) 090815C China, miningweekly,(2) title: Chinese demand for foreign coal soars,(3) http://www.miningweekly.com/article/chinese-demand-for-foreign-coal-soars-2009-08-07,(4) By: Keith Campbell,7th August 2009,(5) South Africa,(6) collieries,(7) China Mining Association,(8) China International Capital Corporation,(9) Chinese brokerage Galaxy Securities report,(10) China Shenhua Energy,(11) China Coal Energy,(12) Yanzhou Coal Mining,,(13) photo source: www.autobloggreen.com/.../,(14) graph source: www.oilempire.us/peak-coal.html,(15) map source: www.arm.co.za/b/coal_xcsa.asp,(16)

今日の参考資料

●090815C China, miningweekly
中国の海外石炭の輸入が飛躍的に伸びている
Chinese demand for foreign coal soars
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815C.htm

http://www.miningweekly.com/article/chinese-demand-for-foreign-coal-soars-2009-08-07

最近の関連資料

●090722C China, xinhuanet
中国の神華集団が新疆ウイグル自治区で石炭生産拡充へ
China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090722C.htm
●090717E China, xinhuanet
中国の神華集団公司が新疆ウイグル自治区で360億元の石炭開発
China Shenhua to invest 36 bln yuan in Xinjiang to expand coal capacity
http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/05/content_11657524.htm
●090527B China, proactiveinvestors
中国の石炭は需要減から生産過重になっているのではないか
Is China headed for coal production overcapacity
http://www.proactiveinvestors.com.au/companies/news/1545/is-china-headed-for-coal-production-overcapacity-1545.html
●081229C China, chinadaily
中国,燃料税改革,エネルギーの里程標
Fuel tax reform an energy milestone
http://my.reset.jp/adachihayao/index081229C.htm


2009年8月14日分 ー ラオスの北部ナムカンで中国が水力開発 ー

中国はダム建設で,激しくカンボジア,ミャンマーに介入している。ラオスは中国の裏庭であるし,当然ラオスにも大きく係わっている,と言う先入観があるが,考えてみると,経済的な浸透は深いものがあるが,ダム建設については,大きなプロジェクトは殆ど手がけていない,一つの盲点みたいな感じである。いろいろな理由があるであろうが,おそらく,民営化の時期の問題と,ラオス北部に良好な地点がなかったことだろう。

ラオスの水力開発の民営化は,アジアの中でも非常に早かった。1991年には,ラオスはまだ世界銀行やOECFの公的資金を目指して頑張っていたが,公的資金では無理だと悟ったのは,1992年だったと思う。今日の記事にも出てくる,元工業省次官,現EDL会長のカモンさんが,ラオスの水力地点を民間開発で行う,とバンコクで表明したときに,私も現場に立ち会っていた。

そう考えてみると,水力の民間開発,即ちIPPでは,メコン流域で最初の決断だったと思う。当時のタイは経済成長の最盛期で,ADBや世界銀行の民間支援を受けて,欧州やタイ,日本の企業などがラオスに一気に進出して,重要な地点を殆ど抑えてしまった。ナムテン2然り,ナムグム2,3も然りである。そう言う意味では,JICAが開発調査を行う気になったときには,もうナムニエップしか選択肢がなかったほどである。

2000年ぐらいに中国が実力を伸ばしてラオスのダム開発に参入する意志を持ったときに,中国はおそらくラオス北部の,ルワンプラバンに流れ込む,ナムウー,ナムスワン,ナムカン,などの川を考えたはずだが,この地域の川は平坦で,しかも多くの住民が川の近くで生活していてダム建設が難しく,また,地形的にもこの辺りは,ラオス南部に比べて雨が少なく,経済性が必ずしもよくなかった。

このたび,やっとナムカン川にとりついたわけであるが,ナムカン2が140MW,ナムカン3は47MWで,今の時点では,ラオスの国内向け程度のの規模となってしまっている。従って北西部のシエンクワンとルワンプラバンを結ぶ送電線を抱き合わせて,ラオス北部一帯の国内電力供給の飛躍的な整備に手を付けようと,視点を変えざるを得なかった,と考えられる。

今日のニュースは,既に日本語でも報道されていて(注),ラオスの電力公社EDLはカモン会長に率いられて,北京に集まったようだ。北京の環境の責任者が,特に発言をしていて,中国はダム建設での海外進出に際しては,その国の環境基準に合致するよう工事を進める,とわざわざ断っている。中国内部でも,大規模水力の中止命令が続々とでており,中国はこの意味で,ダム建設についても曲がり角に来ている。

(注) http://japanese.cri.cn/881/2009/08/14/1s145281.htm


本文

●ラオスのナムカン川でシノハイドロが2つの水力推進へ

Sinohydro Corporation, China's largest builder of hydropower plants, has signed a contract with Laos' electricity supplier, Electricite Du Laos (EDL), to build two hydropower stations and a power transmission line in a deal that is cumulatively worth around $559 million.

中国のラオスへのプレゼンスは大きい。しかし,考えてみれば,ラオスの水力開発に関しては,中国は寧ろ出遅れている。ラオスの水力開発は,1990年代始めに民間開発を指向したから,当時はタイの経済を中心とした西側企業の進出で,ナムトウン川,ナムグム川などの主要なメコン支流を抑えられてしまっていたからか。中国の国境付近は,殆ど中国経済の中であろうから,ルワンプラバン(注8)への南下は,指呼の内だろう。

ルワンプラバン付近にメコン河左岸に流れ込む大支流は,ナムウー,ナムスワン,ナムカン(注9)などがあるが,特に大きいナムウーは,河川勾配が非常に緩やかで,人々が多く川沿いに居住していて,ダムを造ると大きな水没移住が起こることと,この地域はラオスの中でも降雨が少なく,比較の問題で,水力開発には余り適していない,と私は見ていた。中国はこの中でも比較的小規模な地点に,食い込んできた。

シノハイドロ,中国水利水電建設集団公司(注5)は,ミャンマー,カンボジアを始め,遠くアフリカにも進出している。今回,ラオスの国家電力EDL(注6)と合弁を組んで,140MWのナムカン第2水力(注7)と,47MWのナムカン第3水力(注8)を建設する方向で合意した,と報じられた。シエンクワン(注12)からの送電線も含め,総事業費559百万ドルである。

この報道は中国側からなされたものであるが,EDL(注6)の会長職に就いているカモン氏も,間もなく着工,と認めている。注目すべきは,北京の環境中心(注16)のマ・ユン水力担当(注17)が特に発言し,中国の政策として,海外でダム開発を進める場合は,その国の環境基準を遵守する,環境法制が整っていない国では,特に環境に配慮して開発を進める,として,最近の中国の問題点を先んじて制した。

(注)A (1) 090814A Laos, english.people,(2) title: Sinohydro inks power plant deal with Laos' energy firm,(3) http://english.people.com.cn/90001/90778/90857/90861/6727902.html,(4) Source:China Daily,(5) Sinohydro Corporation中国水利水電建設集団公司,(6) Electricite Du Laos (EDL),(7) 130,000-kW Nam Kham 2 hydropower plant,(8) Luang Prabang,(9) Nam Kham river,(10) Assets Supervision and Administration Commission,(11) 47,000-kW Nam Kham 3 hydropower plant,(12) Xiengkhouang,(13) Laos' 2020 national grid network plan,(14) Khammone Phonekeo, chairman of EDL,(15) Huang Baodong, deputy general manager of Sinohydro,(16) Institute of Public and Environmental Affairs,(17) Ma Jun, a hydropower insider and director of the Institute of Public and Environmental Affairs,(18) photo source: www.flickr.com/photos/ganagafoto/2404737467/,(19)

今日の参考資料

●090814A Laos, english.people
ラオスのナムカン川でシノハイドロが2つの水力推進へ
Sinohydro inks power plant deal with Laos' energy firm
http://my.reset.jp/adachihayao/index090814A.htm

http://english.people.com.cn/90001/90778/90857/90861/6727902.html

最近の関連資料

●090702A Laos, enews.mcot
ラオスは2020年までにASEANの電源地帯となる
Laos plans to become battery of ASEAN by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702A.htm
●090407B Laos, isria.info
ラオスのルワンプラバンでナムモンMW水力が完成
A Japanese funded 70 mw dam supplies energy to six villages
http://www.isria.info/en/7_April_2009_35.htm


●ラオスのビエンチャンでカンボジア,ベトナムなど国境地域の協議

Representatives from Vietnam, Laos and Cambodia have gathered at a conference in Vientiane, Laos to discuss measures to strengthen cooperation in developing the triangle region between the three countries. The implementation of Japanese-funded projects to develop the triangle region is also under discussion.

ラオス,ベトナム,カンボジアのトライアングル地域,と言っても余り注目してみたことはなかったが,改めて地図に焦点を合わせてみて,何があるのかな,と不思議になってくる。アクセス的には殆どベトナムのテリトリーで,カンボジア,ラオスからは接近するのも大変な地域だ。モット広い視野で見ると,セサン川,スレポック川などに囲まれた電源地帯の果てである。

日本政府が20百万ドルの基金を創設したので,それをどう使うか協議をするために,参加国代表がビエンチャンに集まって協議するという。少し調べてみたが,どの様な背景があるのかよく分からない。日本企業も開発に名乗りを上げているという。東西回廊(注7)の構想の一環だ,とも書かれているが,関係ないですよね。或いはここに三国に跨る道路を造ろうというのか,それにしてはお金が足りない。

(注)B (1) 090814B Laos, english.vovnews,(2) title: Conference on Vietnam-Laos-Cambodia development triangle,(3) http://english.vovnews.vn/Home/Conference-on-VietnamLaosCambodia-development-triangle/20098/106787.vov,(4) Vientiane,(5) triangle region,(6) Japanese-funded projects,(7) East-West Corridor,(8) photo source: www.ampersandtravel.com/RegionItineraryList.a...,(9)

今日の参考資料

●090814B Laos, english.vovnews
ラオスのビエンチャンでカンボジア,ベトナムなど国境地域の協議
Conference on Vietnam-Laos-Cambodia development triangle
http://my.reset.jp/adachihayao/index090814B.htm

http://english.vovnews.vn/Home/Conference-on-VietnamLaosCambodia-development-triangle/20098/106787.vov


2009年8月13日分 ー インドネシアのドンギLNGで大臣発言 ー

インドネシアは,安定感のあるユドヨノ大統領再選で,先行き好調,2009年4月〜6月,選挙直前になるが,伸び率前年同期比4%の伸びを示している(注1)。不安材料は治安の問題で,再選直後のユドヨノ政権を揺さぶったのは,ジャカルタの高級ホテル爆弾テロ事件であった。首謀者は射殺されたとの情報を政府は訂正し,首謀者なお潜伏,ユドヨノ大統領へのテロも計画(注2),と一抹の不安感を漂わせている。

私はインドネシアの今後の注目点は,資源ナショナリズムの行方だと思っている。落ちて行く原油生産に脅えているのは,インドネシア国会であり,特にプルタミナなど,国家企業が生産計画を上げてくる中,外国,特に多国籍石油企業が生産計画を落としていることに,疑念と焦りを感じている。その急先鋒が,今回の大統領選挙で敗れたカラ前副大統領であった。

落ちて行く原油生産に変わって,開発気運が盛り上がっているのが天然ガスであるが,インドネシア国会は,LNGの外国企業の支配や輸出制限に動こうとしている。三菱商事が主導する,スラウエシ島東南部,ドンギ-スロノLNGプラントは,新たなスロノ・ガス田とマティンガ・ガス田の天然ガスをLNGに転換して,日本,特に関西電力と中部電力を中心のバイヤーとして,海外輸出を狙って,現在工事中のプロジェクトである。

ところが,大統領選挙直前に,当時のカラ副大統領が,スラウエシのLNGはインドネシア国内優先である,と発言し,大統領選挙の真っ最中だったユドヨノ大統領も,資源ナショナリズムに同調する形で,同意の発言を行った。三菱商事など,ドンギ-スロノLNGプラントのコンソーシアム,プルタミナやメドコも,国内販売では採算がとれない,と反発,関西電力と中部電力は,インドネシア政府の出方を静観している。

その微妙な時期に,ロスアンジェルスから発信されたニュースで,インドネシア政府の当事者,ユドヨノ・エネルギー大臣が,「もし私がプラント企業なら,この状態では,バイヤーとして国内企業を捜すだろう,見つからなければ,インドネシア政府のその様に訴える,」,と発言している。一見,コンソーシアム側に逃げ場を与えたようにとれる発言だが,資源ナショナリズムは,インドネシアの至上命題となりつつある。

ただ,資源ナショナリズムは,インドネシアにとって両刃の刃であろう。関西電力や中部電力は,そんなに難しいなら他を捜す,と言う雰囲気も当然持っており,三菱商事主導とは言え,重要なインドネシアのインフラが立ちゆかないのは,インドネシアにとっても痛手である。事実,東京電力や関西電力は,三菱商事など大手商社と組んで,サウジアラビアの発電事業に乗り出す勢い(注3),中東への依存を高める方向だ。

これは数年来の私の見解だが,商事会社はともかく,電力会社やそれを金融支援するJBICなどは,その公的な性格から,やはり途上国,特にアジアの開発には一つの責任を持ってきていると思っている。それは1998年頃の産業構造改革の一つの流れであるし,インドネシアはその様な日本の開発社会に対して,一定の評価を行うべきで,いたずらに資源ナショナリズムが,インドネシアを利するとは思えない。

インドネシアの第2次クラッシュ・プログラム,2014年を目指した,10,000MW,電源開発計画が進んでいるが,そこに一石を投じたのは,IFCの担当官である。4,000MW,再生可能,特に地熱を民間資金で,と政府は言っている,ポテンシャルは,26,000MWもあるが,データー不足,入札の不透明,不十分な内容の売電契約,などで,とても民間企業は手が出せない,と警告している。政府補償にも触れている。

ベトナム縦断の新幹線構想で日本の方式を導入したい,とした(注4)。ベトナムの制裁解除後の最大の命題は南北融和,と言い続けてきた私だが,あれから時代は随分進んだ。南北統一後,ベトナム新政権が取り組んだ事業は,南北縦断鉄道の整備であったし,また,世論を押して進めた,南北連携50万ボルト送電網であった。日本の新幹線で結ばれた南北を見てみたい,日本の東名高速では,15日開通で,プロジェクトXが進行中。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090811AT2M1002I10082009.html
(注2) http://mainichi.jp/select/world/news/20090813ddm007030043000c.html
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908130071a.nwc
(注4) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090813AT2M1203A12082009.html


本文

●インドネシアの石油担当大臣がドンギのガスは国内使用で

Indonesia’s state-owned PT Pertamina and partner PT Medco Energi Internasional should sell natural gas intended for their PT Donggi-Senoro LNG plant to the domestic market, according to a government minister. “If I am part of the consortium, I will find domestic buyers who can purchase gas with an economical price. If no buyers at home are interested, I will report to the government,” said Minister for Energy and Mineral Resources Purnomo Yusgiantoro.

インドネシア,東北の主要島嶼,スラウエシ,三菱商事(注10)が率いるスラウエシ東のLNGプラントから,関西電力(注11)と中部電力(注12)に,LNGを送ろうとしたら,カラ副大統領(注13)が,ローカル優先,と発言してしまったことである。カラ副大統領(注13)は今回の大統領選挙でユドヨノ大統領に敗れ,政権から退場したが,カラ副大統領(注13)の発言をユドヨノ大統領もフォローしていたので,その後の経緯が問題となっていた。

バイヤーである関西電力(注11)と中部電力(注12)は,予備合意HOA(注17)を延期して,三菱商事(注10),プルタミナ(注5),MEDCO(注6)などの,ドンギ-スロノLNGコンソーシアム(注9)とインドネシア政府の交渉を見守る姿勢である。コンソーシアム側は,インドネシア国内での販売では,プロジェクトの採算は困難,としている。

今回突然,ロスアンジェルス発で入ってきた外電は,インドネシア政府の当の責任者であるプルノモ・エネルギー鉱工業大臣(注8)が,カラ発言を指示する発言を伝えている。プルノモ・エネルギー鉱工業大臣(注8)の言い方は,「もし私がコンソーシアム(注9)の立場なら,国内販売で採算のとれるバイヤーを捜すだろう,もし見つからなければ,政府にその旨報告し,支援を求めるだろう。」,である。

またプルノモ・エネルギー鉱工業大臣(注8)は,「心配しなくても国内のバイヤーは見つかるだろう,インドネシア政府も支援するから。」と付け加えている。ことが資源ナショナリズムの問題なので,インドネシア政府も扱いにくい。カラ副大統領(注13)と言う人は,度々資源ナショナリズムを強調してきている。プルノモ・エネルギー鉱工業大臣(注8)の発言は,採算がとれなければ,輸出もやむを得ない,と解釈できるのか。

(注)A (1) 090813A Indonesia, pennenergy,(2) title: Indonesian oil minister wants Donggi gas for domestic market,(3) http://www.pennenergy.com/index/articles/display/9259935653/s-articles/s-oil-gas-journal/s-transportation/s-lng0/s-markets/s-articles/s-indonesian-oil_minister.html,(4) Eric Watkins,OGJ Oil Diplomacy Editor,LOS ANGELES, Aug. 10,(5) PT Pertamina,(6) PT Medco Energi Internasional,(7) PT Donggi-Senoro LNG plant,(8) Minister for Energy and Mineral Resources Purnomo Yusgiantoro,(9) Donggi-Senoro LNG consortium,(10) Mitsubishi Corp,(11) Kansai Electric Power Co. Inc,(12) Chubu Power Co. Inc,(13) Indonesia Vice-President Jusuf Kalla,(14) Senoro gas field,(15) Matindok fields,(16) PT Medco E&P,(17) HOA,(18) Hari Karyuliarto, Pertamina's head of LNG business,(19) Karen Agustiawan, Pertamina president director,,(20) map spurce: LNGpedia,(21) photo source: ptbss,(22)

今日の参考資料

●090813A Indonesia, pennenergy
インドネシアの石油担当大臣がドンギのガスは国内使用で
Indonesian oil minister wants Donggi gas for domestic market
http://my.reset.jp/adachihayao/index090813A.htm

http://www.pennenergy.com/index/articles/display/9259935653/s-articles/s-oil-gas-journal/s-transportation/s-lng0/s-markets/s-articles/s-indonesian-oil_minister.html

最近の関連記事

●090714C Indonesia, thejakartapost
インドネシアのドンギLNGで日本側が合意の延長を促している
Japan buyers allow time for talks over LNG plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090714C.htm
●090623B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執
Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623B.htm
●090623C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スレノLNGで三菱は輸出にこだわる
Consortium insists on need to export Donggi-Senoro's LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623C.htm


●インドネシアの地熱は投資意欲を減退させるとIFC

Poor resource data, opaque tender processes and inadequate provisions in Power Purchase Agreements (PPA), have made investors shy away from developing geothermal power plants in Indonesia, an investment officer at the International Finance Corporation (IFC) said on Wednesday.

これはインドネシアの電源開発にとって,極めて重要な記事である。インドネシア政府は,第1次クラッシュプログラム,10,000MW石炭火力開発計画に次いで,第2次のクラッシュプログラム(注10),2014年までに地熱4,000MWを含む,新たな10,000MW開発計画を発進させているが,その主要な役割は再生可能エネルギー,特に重点が,地熱発電(注7)にかかっている。

IFC(注8)の担当者が,インドネシアの地熱プロジェクトは,投資企業の意欲を減退させている,と発言している。理由としてあげたのは,貧弱な資源データ,不透明な入札過程,PPA(注6)の不適切な条件,であると。それと,民間開発に於いても,国家保証(注12)が必要である,としている点で,地熱開発の前途に不安を投げかけている。地熱のポテンシャルは,26,000MW,既開発及び進行中は僅かに1000MW。

(注)B (1) 090813B Indonesia, thejakartapost,(2) title: Geothermal projects `less attractive' for investors,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/07/30/geothermal-projects-less-attractive039-investors.html,(4) Benget Besalicto Tnb. , The Jakarta Post , Jakarta | Thu, 07/30/2009 12:53 PM | Business,(5) opaque tender processes,(6) Power Purchase Agreements (PPA),(7) geothermal power plants in Indonesia,(8) International Finance Corporation (IFC),(9) Jack Sidik,(10) second stage of Indonesia's 10,000 megawatt (MW) electricity program,(11) one-fit-all formula,(12) sovereign guarantee,(13) photo source: http://www.greennews.com/images/geothermal-power-plant-i01.jpg,(14)

今日の参考資料

●090813B Indonesia, thejakartapost
インドネシアの地熱は投資意欲を減退させるとIFC
Geothermal projects `less attractive' for investors
http://my.reset.jp/adachihayao/index090813B.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/07/30/geothermal-projects-less-attractive039-investors.html

最近の関連資料

●090523A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナが地熱で第2次クラッシュ参入
Pertamina prepares second phase HoA for 10,000 megawatt program
http://my.reset.jp/adachihayao/index090523A.htm


2009年8月12日分 ー インドのラメシュ環境相の気候変動との戦い ー

中国がインド洋のシーレーン制圧のため,ミャンマーのアラカン州に港を築き,スリランカに石炭火力を造る見返りに,スリランカ南端の港を確保する,更に積極的にソマリア沖の海賊制圧に中国艦隊を派遣しているのは,インド洋を制圧するため,今や中国の海軍は世界第3位でインドを遙かに追い越している,今後は,中国とインドの海軍力増強競争に拍車がかかる,とスイス研究機関の説明(注1)。

インドと中国は,このインド洋の勢力争いと共に,インド北部,ヒマラヤ周辺での国境問題を抱えている。インドのラメシュ環境大臣は新任だが,電力省の副大臣の頃から,その強力なリーダーシップを,このサイトでも報じてきた。環境大臣は不似合い,と思ったけれども,どうもそうでもないらしい。グローバルな視点から,ヒマラヤの氷河の流出は,地球的な問題,とラメシュは捉えた。

アジアの給水塔,の別名のヒマラヤは,その周辺に,水資源,特に水力や農業に大きな恩恵を与えてきており,ガンジス河,ブラマプトラ河,更にチベット高原を水源とする揚子江など,アジア大陸の死活を握っている。ラメシュは,2009年末のCOP15を睨んで,8月末にも北京に飛ぶという。協議はするが,ヒマラヤのインド実行支配区域には,中国人科学者を一歩も入れない,とラメシュらしい表現をしている。

温暖化によるヒマラヤの変化への適応を誤れば,人類にとっては,「最後の審判の日」,を迎え,ヒマラヤに人類の,「墓碑銘」,を刻まなければならない,とラメシュは意気込んでいる。この点では,中国と同舟の運命であると思っている。少なくとも温暖化問題に対しては,ラメシュは中国と共闘の姿勢であり,環境大臣という職とはそぐわない,インド経済を守る立場に自ら立とうとしている。

ラメシュは,先月末,インドを訪ねたクリントン米国務長官には,温暖化ガス削減など,一歩も先進国に譲らない姿勢を示したそうだ。ラメシュは,4億の民が貧困に苦しんでいるのに,それを救わずにどうして温暖化削減に走れるか,とクリントン長官に食いついたようだ。もう既にインドはやるべきことはやっている,効率化ビル,風力発電,超臨界の石炭火力,天然ガスによる石炭代替,米印原子力協定,などを挙げたようだ。

日本や米国,欧州など,先進国は,手強い相手を敵にしたようで,ラメシュは有力な国家議員としての顔も持っており,単なる環境を守る環境大臣ではないようだ。電力省の副大臣の時も,難しいプロジェクトには自ら現地に飛んで解決していったが,特に,NHPCが放棄しようとしたミャンマーのタマンティ水力では,NHPCの尻を叩いて,続行を決め,ミャンマーの天然ガスに手を突っ込んでいる。

インド,北東地域のアルンチャルプラデシュ州,その最北東端,ディバン下流渓谷地区のディバン川の下流部にエタリンという町がある,その近くだと思うが,インド最大の出力を誇る,4,500MWのエタリン多目的ダム・プロジェクトのダムサイトがある。情報は非常に少ないが,ジンダール電力が着工の準備に入った,インド最大規模の水力で,まさに紛争中の中国との国境での,つばぜり合いである。

インドの有力企業リライアンスについて,長男ムケシュ(52)と次男アニル(50)が対立していることはよく報じられているが,私も余り関心がなく,」詳しいことは知らなかった。今日のに日本語ロイターは,天然ガスを巡る二人の対立と政府の介入の詳細を報じている(注2)。天然ガスの価格決定に大きな問題があるようで,インドのエネルギーを根底から揺すぶる,複雑な様相である。

(注1) http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34252&type=1
(注2) http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090811-OYT1T01170.htm?from=navr


本文

●インドと中国は氷河湖決壊問題で同じテーブルに着かざるを得ない

Jairam Ramesh, India's environment minister, said that, as part of a scientific investigation into the health of what are called the Water Towers of Asia, academic research bodies on both sides of the mountain range would share information. He also told the Financial Times that New Delhi was open to a dialogue about water resources with Beijing, saying the two countries shared concerns.

私が指名した,アジアの開発4人男,の殆どは舞台から去ったが,インドのラメシュ(注6)は環境大臣に着任して,また新たな分野に挑戦している,ヒマラヤの氷河湖(注8)決壊問題である。彼がこの問題を新たな方向に持って行っているのは,中国との関係である。2009年12月のコペンハーゲン気候変動会議COP15(注20)に先んじて,ヒマラヤの氷河湖(注8)決壊問題について中国と協議するため,月末にも北京を訪問するという。

ラメシュ(注6)らしい過激な言葉で北京行きの決意を語っているが,中国とは協力せざるを得ない,しかし,中国の科学者を一歩たりともインド実効支配地域には入らせない,問題解決のためには北京と協力する,と言っている。ヒマラヤ(注9)はまさに,「アジアの貯水塔(注7)」で,地球温暖化の結果,人類に,「最後の審判の日(注13)」が来て,人類の墓碑銘(注14)とならないよう,挑戦するという。

ヒマラヤの氷河(注8)は,まさにインドと中国のチベット平野に,水と電力と農業を与えてくれる「アジアの貯水塔(注7)」であり,これは,インドのガンジス河(注11)と中国のチベット平野(注10)に発する揚子江(注12)を潤す重要な水源で,ラメシュ(注6)としては,どうしてもCOP15(注20)の前に,中国政府と話しておきたい,と言っている。先進国は,ラメシュ(注6)と言う強力な交渉相手を得たわけである。

(注)A (1) 090812A India, gulfnews,(2) title: Melting glaciers bring Delhi and Beijing to table,(3) http://www.gulfnews.com/world/India/10337189.html,(4) By James Lamont, Financial Times,Published: August 03, 2009, 22:57,New Delhi:,(5) Amritsar,(6) Jairam Ramesh, India's environment minister,(7) Water Towers of Asia,(8) Himalayan glaciers,(9) Himalayan region,(10) Tibet plateau,(11) Ganges,(12) Yangtze,(13) doomsday,最後の審判の日,(14) epitaph,墓碑銘,(15) World Glacier Monitoring Service,(16) United Nations Environment Programme,UNEP,(17) Achim Steiner, executive director of the United Nations Environment Programme,(18) canary in the climate change coal-mine,melting glaciers as a “canary in the climate change coal-mine”, 小鳥のカナリアを炭鉱の中に連れて行くと、 爆発などの危険を察知して鳴いて教えてくれます。 ヒマラヤ山脈で融けつつある氷河は、 深刻化する地球温暖化の象徴なのです。(19) Indian Space Research Organisation,(20) Copenhagen talks on climate change in December,(21) countervailing power,(22) greenhouse emissions,(23) photo source: http://isiria.wordpress.com/2009/05/19/vandana-shiva-on-climate-change-at-the-third-pole-the-himalayas/,(24)

今日の参考資料

●090812A India, gulfnews
インドと中国は氷河湖決壊問題で同じテーブルに着かざるを得ない
Melting glaciers bring Delhi and Beijing to table
http://my.reset.jp/adachihayao/index090812A.htm

http://www.gulfnews.com/world/India/10337189.html

最近の関連資料

●090801B India, thehindubusinessline
インドのNHPCが世界で標高が最も高い水力プロジェクト工事たけなわ
NHPC rises to new highs to light up Leh, Kargil
http://my.reset.jp/adachihayao/index090801B.htm
●0907903B India, business-standard
インドは雨量少なく水力の出力落ちでガスと石炭火力がフル稼働
Government looks at coal, gas to beat power shortfalls
http://my.reset.jp/adachihayao/index0907903B.htm


●インドのラメシュ環境相はクリントン長官にインドはもう十分に気候変動対策を行っていると

Hillary Clinton's meeting with Jairam Ramesh was an awkward moment in an otherwise smooth visit to India last month. The Indian environment minister lectured Clinton that India would not commit to cuts in its emissions of the gases that cause global warming. India has other priorities, he said, such as getting electricity to 400 million poor people in the hinterlands.

先月,2009年7月末の米国クリントン国務長官(注5)のインド訪問時に,新しく環境大臣に就いたラメシュ(注6)との会談が行われ,クリントン国務長官(注5)の,COP15を視野に入れての,気候変動対策へのインドの理解と協力を求めたのに対し,ラメシュ(注6)が激しく抵抗したことが報道されている。4億の貧困に苦しむ国民をそのままにして,先進国と同じ温暖化ガス排出制限に同意は出来ない,と言っている。

もう一つのラメシュ(注6)の論点は,インドは今までにも温暖化ガス排出削減に関して,十分な努力を行ってきた,と言うのである。まず第1に,インドのエネルギー効率化ビルディング(注8)の問題,再生可能エネルギー技術(注9)の中での風力発電の発展,石炭火力の超臨界機器導入による高効率化(注10),更にリライアンスによる天然ガスの生産開始,また,米印原子力協定(注12)による原子力開発促進,などを挙げている。

ラメシュ(注6)は,ヒマラヤの氷河湖融解問題で,中国政府と協力すべく,今月末,2009年8月末にも北京を訪問することになっており,2009年12月のコペンハーゲン気候変動会議,COP15に向けて,先進国は強力な交渉相手を持ったことになる。

(注)B (1) 090812B India, newsweek,(2) title: He Protests Too Much India is already going green,(3) http://www.newsweek.com/id/209952,(4) By David G. Victor | NEWSWEEK,Published Aug 1, 2009,(5) Hillary Clinton,(6) Jairam Ramesh,(7) global warming,(8) new energy-efficient office building,(9) renewable-energy technologies,(10) efficient (so-called supercritical) plants,(11) higher-efficiency coal combustion,(12) U.S.-India nuclear deal,(13) Nuclear Non-Proliferation Treaty,(14) Kyoto Protocol,(15) Reliance Industries,(16)

今日の参考資料

●090812B India, newsweek
インドのラメシュ環境相はクリントン長官にインドはもう十分に気候変動対策を行っていると
He Protests Too Much India is already going green.
http://my.reset.jp/adachihayao/index090812B.htm

http://www.newsweek.com/id/209952

最近の関連資料

●090715A India, bloomberg
インドの原子力問題についてクリントン長官が挑む
Clinton Seeks to Resolve India Nuclear Arms Dispute
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715A.htm
●090708C India, Economic Times
インドのジンダール系企業がマハラシュトラで3,200MWの超臨界
JSW Energy plans 3,200 MW power plant, to invest Rs 15,000 cr
http://my.reset.jp/adachihayao/index090708C.htm
●090328B India, economictimes.indiatimes
インドのNTPCは水力の地元還元を更に増大させる計画
NTPC may get to allot more power to host states
http://my.reset.jp/adachihayao/index090328B.htm


●インドのジンダールが4500MWのAP州のエタリン水力を開発へ

Jindal Power Limited (New Delhi), a fully owned subsidiary of Jindal Steel and Power Limited (JSPL) (BSE:532286) (New Delhi), recently announced it will construct the 4,500-MW Etalin multipurpose hydropower project with the state of Arunachal Pradesh.

インド,北東地域のアルンチャルプラデシュ州(注8),その最北東端,ディバン下流渓谷地区(注10)のディバン川(注9)の下流部にエタリンという町がある,その近くだと思うが,インド最大の出力を誇る,4,500MWのエタリン多目的ダム・プロジェクト(注7)のダムサイトがある。情報は非常に少ないが,その上流には,3,000MWのディバン水力プロジェクトが進行中である。まさに中国と国境を賭けた最前線のプロジェクトである。

このプロジェクトを,鉄鋼企業であるジンダール(注6)の子会社,ジンダール電力(注5)が開発の覚書を,アルンチャルプラデシュ州(注8)と交わした。州の公社であるアルンチャル水力開発公社HPDCAP(注11)との合弁となる。PDCAP(注11)が26%の資本配分となる。

(注)C (1) 090812C India, ndustrialinfo,(2) title: Jindal Power to Build 4,500-MW Etalin Hydroelectric Project in Arunachal Pradesh,(3) http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=149148,(4) BANGALORE, INDIA-- August 7, 2009--Researched by Industrial Info Resources (Sugar Land, Texas),(5) Jindal Power Limited,(6) Jindal Steel and Power Limited (JSPL),(7) 4,500-MW Etalin multipurpose hydropower project,(8) Arunachal Pradesh,(9) Dibang River,(10) Lower Dibang Valley,(11) Hydro Power Development Corporation of Arunachal Pradesh (HPDCAP),(12) Itanagar,(13) photo source: http://www.kolkatabirds.com/mishmi/floodplains9smh.jpg,(14)

今日の参考資料

●090812C India, ndustrialinfo
インドのジンダールが4500MWのAP州のエタリン水力を開発へ
Jindal Power to Build 4,500-MW Etalin Hydroelectric Project in Arunachal Pradesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090812C.htm

http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=149148

最近の関連資料

●090723B India, assamtribune
インドの北東地域の開発遅れで世界銀行が分析報告
WB report blames geographical isolation
http://my.reset.jp/adachihayao/index090723B.htm
●090715D India, ivemint
インドのスバンシリ水力で最高裁が棚上げを解除命令
Supreme Court lifts ban on Subansiri hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715D.htm
●090708C India, Economic Times
インドのジンダール系企業がマハラシュトラで3,200MWの超臨界
JSW Energy plans 3,200 MW power plant, to invest Rs 15,000 cr
http://my.reset.jp/adachihayao/index090708C.htm
●090616A India, livemint
インドのAP州の3000MWディバン水力で公聴会遅れる
Dibang project still awaits public hearing
http://my.reset.jp/adachihayao/index090616A.htm
●090525C India, Economic Times
インドのリライアンスがアルナチャルで水力2,520MW開発へ
Reliance Power to invest Rs 12,000 cr in Arunachal Pradesh
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm


2009年8月11日分 ー スリランカの電力は中国の石炭火力で自信 ー

日本列島は豪雨に縦断され,台風の中心が近づきつつあった静岡は,震度6弱の地震に見舞われる。気象庁は,予想されている東海大地震とは地質的に関係ないとしている。昭和40年代初頭から始まった列島縦断のネットワーク,新幹線基盤は異常なかったものの,遂に,50年近く年齢を経た東名高速道路は不通となった。建設当初,新幹線も高速道路も,その基盤への関心が高かったが,遂に6弱でやられたか,という感慨。

今日は再びスリランカの石炭火力を取り上げる。長文の現地紙ネーションの記事で,石炭火力を中心とした数字を並べながら,2010年初めにも最初の300MWが稼働する見込みの,スリランカ西部の港,プットラムの傍の,ノロチョライ石炭火力を,これでスリランカの電力問題は一挙に解決する,と写真入りで大きく取り上げている。中国のソフトローンで,最終規模900MWを予定,現在の発電設備は,水力と石油火力で2,700MW。

日本政府は,早くにアッパー・コトマレ水力,150MWをコミットし,最近,運転開始に漕ぎ着けた。日本政府は,JICAもJBICも次のスリランカのターゲットは輸入による石炭火力であったが,スリランカ内部の調整で遅れ,世界の情勢も変化,Jパワーなど,石炭とダムは中国に任した,との判断から,中国の進出となった。この石炭火力支援で,中国は,シーレーン確保のための南部のハンバントタ港を確保する見返りを得ている。

今日の記事は,高い電気料金と電力不足に泣いたスリランカの電力も,これで救われる,とお祭り騒ぎの感がする。二つほど指摘したい。一つは,もし現在の石油火力,少なくとも700MWを石炭火力で造っておけばこのような苦労はしなかった,と言って,当時の政界と海外IPP企業との関係を問題にしている。石炭火力を造ることができたのに,高い石油火力を造ってしまった,と当時の政府を批判している。

このような経緯は別にしても,需要規模が小さくて資源のない国,スリランカやカンボジアなどは,小規模の石油火力やディーゼル発電所からスタートせざるを得ないので,自ずと,高い電気料金の電力システムになってしまう。経済規模が大きくなるに従って,300MWクラスの石炭火力が造れるようになるわけで,あの時石炭火力を造っていれば,などと言うことは,当時をよく知る人には言えない言葉である。

今日の記事は更に,今後のスリランカの電力システムは,日本が力を入れた水力と,これから中国に支援される石炭火力で万全であり,とりあえず,石炭火力を2012年までには600MW,更に最終規模900MWまで増設すると意気込んでいる。おそらく,大気汚染問題が生じてくるだろう。何処まで中国の技術陣が,環境への配慮を行っているか,問題だが,石炭火力を手放しで祝うスリランカに,警告を発しておきたい。


本文

●スリランカのノロチョライ石炭火力は新しい時代の訪れ

With Sri Lanka’s exponential growth and anticipated GDP growth comes the exponential need for energy. Demand for electricity has far outstripped supply, and now a new era will dawn in Sri Lanka’s power and energy sector with the Norochcholai Coal Power Project coming into operation by mid 2010 heralding the Coal Power Era.

スリランカ,高い電気料金と電力不足に苦しむ中で,日本のアッパー・コトマレ水力(注23)に続いて,中国支援のノロチョライ石炭火力(注5)の建設工事が順調に進んで,ここに革命的な進展があって,これからはスリランカの電力に明るい兆しが見えてきた,とスリランカ紙が大きく讃えている。重要な数字もあるし,我々もこの経緯については,一言なかるべし,と言うところである。

政治的な側面から,中小規模の石油火力やディーゼル発電所の建設に頼ったのは,政府の要人と結びついたIPPマフィアのせいだ,と書いているが,そうではないと思う。カンボジアやフィリッピンでも経験したことだが,大規模火力を建設するのには,需要規模が小さかった,と言うことだ。ある程度経済の規模が大きくなって初めて,石炭輸入による大規模石炭火力が建設できるようになった。

スリランカの電力問題,高料金と電力不足を解決手段は,水力と大規模石炭火力の建設が必要だ,と言ってきたのは我々であり,実際に日本政府は,水力を進めると共に,石炭火力の調査も進めてきた。ノロッチョロイ石炭火力(注5)は元々,JICA,JBICなどと協力しながらJパワーが進めてきたもので,Jパワーの,ダムと石炭は中国に任せた,という情勢判断で捨てた経緯がある。

ただ,スリランカは石炭こそが世界の電力を救う,中国を見ろ,インドのUMPP(注25)を見ろ,ベトナムのモンドウオン(注26)を見ろ,米国を見ろ,として,ノロチョライ石炭火力(注5)を900MWまで大きくする計画であるが,石炭火力が集中するに従って問題になってくるのは,大気汚染である。中国が何処までこの大気汚染に配慮しながら設計を進めているのか,この点に大いに関心がある。重要な数字を拾っておく。

ノロチョライ石炭火力(注5)は土木工事が70%進捗し,2010年第1四半期にも運転開始の見込み。発電単価の見込みは,KWh当たり7〜8ルピー,約6.09〜6.96セント相当,と見込まれている。現在石油への依存は,55〜60%で,残りは水力である。石炭価格の見込みは,プウトラム港(注11)で石炭トン90ドル,発電原価にして,KWh当たり4ルピー,約3.48セント相当,と考えられている。

ディーゼルは,発電原価でKWh当たり14ルピー,約12.18セント相当,LNG(注12)は10ルピー,約8.70セント相当,水力は5〜6ルピー,約4.35〜5.22セント相当,水力は20年後には,1ルピー,約0.87セントになる。スリランカの電気料金は世界でも最高のレベルで,産業用は,スリランカで7〜7.5ルピー,約6.09〜6.52セント相当,である。

これに比べて,インドネシアは,1.32〜3.39セント,マレーシアで2.29〜9.15セント,シンガポールで376〜5.90セント,タイで2.51〜6.10セント,のレベルである。スリランカの現在の設備は,2,544MWで年間発生電力は,16億5,800万KWh,需要は年率10%で伸びている。ピーク需要は,1,900MWである。

(注)A (1) 090811A Srilanka, nation,(2) title: Norochcholai to herald new power era To add 900 MW to National Grid by 2011,(3) http://www.nation.lk/2009/08/09/newsfe1.htm,(4) By Santhush Fernando,(5) Norochcholai Coal Power Project,(6) Coal Power Era,(7) Ceylon Electricity Board CEB,(8) Chairman of Ceylon Electricity Board E A S K Edirisinghe,(9) Dr Tilak Siyambalapitiya,(10) Independent Power Plants (IPPs),(11) Puttlam,(12) Liquefied Natural Gas (LNG),(13) United National Party government,(14) Power Committee,(15) Treasury Secretary, R. Paskeralingam,(16) President Chandrika Bandaranaike Kumaratunga,(17) Presidential Secretary, K Balapatabendi,(18) Ranil Wikremesinghe administration,(19) Power Supply Committee,(20) Bishop of Chilaw, Rt Rev Frank Marcus Fernando,(21) St. Anne’s Shrine, Talawila,(22) Ceylon Workers Congress (CWC),(23) Upper Kotmale Project,(24) President Mahinda Rajapaksa,(25) Ultra Mega Power Projects (UMPPs),(26) Mong Duong,(27) Asian Development Bank (ADB),(28) photo source: www.colombopage.com/.../Jul1246721437JV.html,(29)

今日の参考資料

●090811A Srilanka, nation
http://www.nation.lk/2009/08/09/newsfe1.htm

最近の関連資料

●090726A Srilanka, onlanka
スリランカの大統領がコトマレ水力の現場を視察
President Visits Upper Kotmale Hydro power Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726A.htm
●090701A Srilanka, dailynews
スリランカのノロッチョライ石炭火力建設が進展
The significance of Norochcholai power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090701A.htm


2009年8月9日分 ー パキスタンの7,100MWブンジ水力調査推進へ ー

昨夜,私のサイトへのアクセスが急に上昇して,8時から9時にかけて通常の40倍から50倍のアクセスがあった。統計の故障か,と思って検索字句を調べてみたら,「UHV」,だった。しまった,と瞬時に気が付いたのは,見ようとセットしていたNHKの国際標準番組の,AtoZ,だ。東京電力,東芝などの超高圧送電規格の戦い,女子バレーを見ていて,酒井法子の速報で,すっかり忘れていた,急いでNHKのサイトを見て,概要を理解した。

私のサイトは,中国の超高圧送電網でスイスのABBが全面的に協力している記事で,その中に中国技術陣の見解として,日本は理論的には進んでいるが実際に長距離送電の実施例がなく今や中国が世界一だ,と書いている。中国の当然日本の技術が頭に入っていたわけであるが,私の記事が2009年4月,国際標準として認められたのが,2009年6月,中国は2年ぐらい前からABBと協力している。

送電業界内部のことは分からないので,当を得ていなければお許し頂きたいが,日本電気学会の動きも誠に遅い。私の日誌を調べてみると,9年前,2000年9月10日にJICAの知的支援でニューデリーに入っている。その時に,インド送電公社の幹部が,東京電力の100万ボルト送電技術に関心を持っている,との発言があり,報告書に入れて東電のメンバーによろしく,とお願いしたことがあった。

この9年間の動きは早かった。おそらく中国の発電設備は当時,今の3分の一ぐらいだっただろう,当時の中国の送電網はブツ切れで,石炭は列車で運んでいた。インドは早くから東の石炭を送電線で西に運んでいた。とにかく動きが早いから,日本の安全第一主義は全く付いていけない。ブラジルでも,60万ボルト直流送電線,2,500km,はABBが落札した。速く走る人と慎重派の間を調整する役割の人物が,日本の技術界には必要だ。

今日は,日本工営が係わっている,カシミールのパキスタン実効支配地域,インダス河の最上流,ヒマラヤの町ギルギット,その直上流で,ヒマラヤの標高7,788mのラカポシ山の南麓,真下に当たる,7,100MW,パキスタン最大のブンジ水力プロジェクトを動かそう,という記事だ。その下流には,パキスタンが急いでいる,4,500MW,バシャ・ダム・プロジェクトがある。

また,インダス河の南の支流,ニールム川で進めている,969MW,ニールムージェルム水力プロジェクトについて,上流のインドのキシャンガンガ水力プロジェクトと早い者勝ちだという。これはメコン河でもあった話だが,先に経済発展を遂げたタイの河川開発を,他の国は追認した。早くできるほうに優先権がある,と言う考え方である。ところが,インドとパキスタンは,時代のずれがそんなになく,大いに問題,原爆で解決しないように。

また,既設タルベラ水力の増設が最優先だという(注1)。いずれも膨大な資金を必要とし,パキスタン国内の制度上の話はよいが,どうやって資金を調達するのか,これが抜けている。とにかく,優先プロジェクトに的を絞って欲しい,バシャか,ニールムか,ブンジか,タルベラか。ザルダリ大統領は,これらの大きな荷物を担いで,今月,2009年8月末,北京を訪れる。日本工営のブンジでの健闘を祈る。明日は泉南で測量作業,遅れます。

(注1) Construction of Tarbela 4th extension project of 960MW given top priority Minister
http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=82818&Itemid=1
(注2) Zardari to visit China later this month
http://news.google.com/news?pz=1&ned=us&hl=en&q=hydropower&cf=all&scoring=n


本文

●パキスタン最大の7,100MWのブンジ水力の調査開始へ

The government is preparing a feasibility study for the largest hydropower project of Pakistan?Bunji Hydropower project?having an installed capacity of 7100MW. The detailed design and tender documents will be completed in August 2010, sources informed Daily Times here on Saturday. The PC-II for feasibility study, detailed engineering design and tender document was approved in the Executive Committee of the National Economic Council (ECNEC) meeting held on December 14, 2005.

パキスタンの水力開発は,インダス河の規模が大きすぎて開発が進まないところに問題がある。ネパールもそうだが,ネパールはインドと結ぶことで,大規模開発への糸口を掴もうとしている。もしインドが,パキスタンの水力を頼りにする時代が来ればよい,と願っている,そう簡単ではなさそうだが。でも今日の,7,100MWのブンジ水力プロジェクト(注5)は,日本工営が係わっており,頑張って欲しいと思う。

記事によると,パキスタン政府は,7,100MWのブンジ水力プロジェクト(注5)の可能性調査FSに踏み切ることになった。入札用の図書も含めた詳細設計は,2010年8月に完成する予定である。パキスタンの制度上の決断,PC-II(注6)とECNEC(注7)の承認は,2005年12月14日に完了している。もし,ムシャラフ前政権が,予定通りに進めておれば,パキスタンは今日のような状態にはなかっただろうと,残念だ。

現在調査を行っているコンサルタントは,大きなジョイントベンチャーで,英国及び在パキスタンのモット・マクドナルド(注10,11),フランスのソグレア(注12),日本工営(注13),パキスタンのコンサルタント(注14)が参加している,ブンジ・コンサルタント合弁BCJV(注15),である。ダムはインダス河(注16)の最上流で,下流には,パキスタン政府が進めるバシャ・ダムがある。

参考資料から地図に落としてみると,ギルギット(注17)の上流,ヒマラヤの標高7,788mのラカポシ山の南麓,真下に当たる。高さ180mのRCCダムで,6kmほど川の屈曲部をショートカットのトンネルで繋いで,落差約250mを得る,壮大な計画である。なかなか難工事だろうと思う。しかし問題は,パキスタンのどのダムにも言えるが,資金調達だ。年間240億KWh,と言っている。

(注)A (1) 090809B Pakistan, dailytimes,(2) title: Bunji hydropower project to generate 7,100 MW,(3) http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C08%5C09%5Cstory_9-8-2009_pg5_7,(4) By Ijaz Kakakhel,ISLAMABAD,(5) 7,100MW Bunji Hydropower project,(6) PC-II,(7) Executive Committee of the National Economic Council (ECNEC),(8) Musharaf led PML-Q government,(9) Rental Power Plants,(10) Mott MacDonald UK,(11) Mott MacDonald Pakistan,(12) Sogreah Consultants (France),(13) Nippon Koei (Japan)日本工営,(14) Development & Management consultants (Pakistan),(15) Bunji Consultants Joint Venture (BCJV),(16) Indus River,(17) Gilgit city,(18) Pre-feasibility report,(19) Gilgit River,(20) Suspended sediment,(21) Gaingi Bridge,(22) ISRIP,(23) WAPDA,(24) Kachura,(25) Alam Bridge,(26) Bunji Bridge,(27) Irrigation Research Institute (IRI), Nandipur,(28)

今日の参考資料

●090809B Pakistan, dailytimes
パキスタン最大の7,100MWのブンジ水力の調査開始へ
Bunji hydropower project to generate 7,100 MW
http://my.reset.jp/adachihayao/index090809B.htm

http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C08%5C09%5Cstory_9-8-2009_pg5_7

最近の関連資料

●090802B Pakistan, dailytimes
パキスタンのディアマ-バシャ・ダムの推進を視野に
CDWP sends Diamer Bhasha Dam project to ECNEC
http://my.reset.jp/adachihayao/index090802B.htm
●090713I Pakistan, thenews
パキスタンの電力はカシミールの17000MW水力で賄えると
Kashmir can fulfill Pakistan痴 power needs: Atiq
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=185783
●090501A Pakistan, thenews
パキスタンの電力セクターへ日本政府が支援へ
Japan to provide help for Pakistan’s power sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index090501A.htm
●090501B Pakistan, thenews
パキスタンは友好国のバシャダムへの融資を求めている
Pakistan seeks $273m from Friends for Basha dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090501B.htm
●090302A Pakistan, steelguru.com
パキスタンは54のダムプロジェクトに各国の支援を期待
Pakistan seeks help for 54 mega projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090302A.htm


●パキスタンは21億ドルのニールム-ジェルム水力の権利を失いかねない

Islamabad?Pakistan fears losing water priority rights on the Neelum river which issues from Occupied Kashmir where it is called Kishanganga river. India is fast constructing the most controversial project of Kishanganga in violation of 1960 Indus Water Treaty. Under the Teaty Pakistan gets water priority right which will first initiate and first complete project on the river.

こういうことは,国際河川では有り得ていいことだ,即ち,早くダムを造った方が勝ち。メコン河で,カンボジア,ラオス,ベトナムがまだ戦争している頃,タイは日本と結ぶことで経済発展を遂げた。1992年にカンボジアに和平が訪れたとき,タイは既にタイ領内のメコン支流の開発を終えていた。この開発を既得権益として,他の3カ国は認めた。経済的に早く開発できるものから開発しよう,と言う考え方である。ランサン川然り。

さて,インダス河の場合も,1960年のインダス水条約の中にこの表現があるという。インダス上流のインドとパキスタンに跨った支流,例えば,ニールム川(注5)である。ところが,上流のインドは,キシャンガンガ水力(注7)でガンジス川への分水計画を進め,その下流でパキスタンは,ニールム-ジェルム水力(注10)を進める,若干インドが早いが,時代が殆ど同じで,メコン河とは少し違う。

今日の記事は,パキスタン側として,このままではインドのキシャンガンガ水力(注7)が,国際的に優先しそうだ,急ごう,と言うわけである。ムシャラフ政権時代に,この趣旨に沿って,電気代の上に,ニールム-ジェルム上乗せ(注14)を徴収して,総事業費21億ドルのうち,10億ドルをパキスタン政府が負担する決定を行って,工事を進めている。どの様に決着されるのか。原爆だけは使わないで頂きたい。

(注)C (1) 090809C Pakistan, pakobserver,(2) title: $2.1b Neelum-Jhelum Hydel project Pak may lose priority rights over Neelum,(3) http://pakobserver.net/200908/06/news/topstories01.asp,(4) Shah Hasan,Islamabad,(5) Neelum river,(6) Occupied Kashmir,(7) Kishanganga river,(8) Kishanganga hydropower project,(9) 1960 Indus Water Treaty,(10) 969MW Neelum-Jhelum hydropower project,(11) Wapda,(12) Wapda chairman Mr Shakil Durrani,(13) Musharraf regime,(14) Neelum-Jhelum (N-J) surcharge,(15) modus operandi,(16) Permanent Commission of Indus Waters (PCIW),(17) Kishanganga map and photo source: http://www.nhpcindia.com/Projects/English/,(18) Neelum river photo source: http://www.ens-newswire.com/ens/jun2009/2009-06-12-01.asp,(19)

今日の参考資料

●090809C Pakistan, pakobserver
パキスタンは21億ドルのニールム-ジェルム水力の権利を失いかねない
$2.1b Neelum-Jhelum Hydel project Pak may lose priority rights over Neelum
http://my.reset.jp/adachihayao/index090809C.htm

http://pakobserver.net/200908/06/news/topstories01.asp

最近の関連資料

●090608A Pakistan, sindhtoday
パキスタンのモスレム代表がインドの水問題で原爆戦争になりかねない
Indo-Pak water dispute could trigger a nuclear war Nizami
http://my.reset.jp/adachihayao/index090608A.htm
●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month
http://my.reset.jp/adachihayao/index090518C.htm
●090510C Pakistan, nation.com
パキスタンはインドのインダス上流開発で世界銀行に訴え
Pakistan to take up water issue with WB
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510C.htm
●090428C Pakistan, dailytimes
パキスタンのニールムジェルム水力にIDBが融資へ
Pakistan, IDB likely to finalise 3-year financial package worth $577m
http://my.reset.jp/adachihayao/index090428C.htm
●090418B Pakistan, greaterkashmir
パキスタンはジェルム川の分水問題で国際調停へ
Pak to move ICA against Jhelum diversion
http://my.reset.jp/adachihayao/index090418B.htm
●081213B Pakistan, pakobserver
ニールムジェールム水力,中東から775百万ドル
Neelum-Jhelum project Kuwait, S Arabia, Abu Dhabi ensure $ 775m funding
http://my.reset.jp/adachihayao/index081213B.htm
●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://my.reset.jp/adachihayao/index090210B.htm
●081227A India, dailytimes
インドの閣議,キシャンガンガ水力,承認,パキスタン紙
Indian cabinet okays Kishanganga project
http://my.reset.jp/adachihayao/index081227A.htm


2009年8月8日 ー メコン河のダム建設にメコン委員会が調査へ ー

最近のニュースを探っていると,特に米国を中心に,水力発電を再興しようと言う雰囲気に満ちあふれており,その水力開発の大義名分について書いている記事が多い。グリーン・ニューディールの流れに乗った記事も多いが,やはり,人類の持つエネルギー資源の開発にはタイミングというものがある。1960年代のサンボール・ダムや,1990年代のパモン・ダムなど,大いにチャンスがあったわけである。

結局,半世紀を経てもメコン下流域にはダムは出来ず,今三度,再生可能エネルギー開発に乗って,メコン川本流のダム開発が大いに沸いている。今回は,火を付けたのは明らかにタイのサマック前首相だが,実際には誰が旗を振っているのかよく分からない。NGOの資料を読むと,日本のマネーが怪しい,日本工営ではないか,以前にサルウイーン開発を主導したEPDCではないか,など書かれている。

1990年代にビエンチャンの上流のパモン・ダムの調査の話の時に,私は,ダムの河川に対する常識は上流で,中国領内のダムが下流へ便益を与える,下流域ではダム開発は難しかろう,と考えて議論していた。上流では順調にダム開発が進んでいるが,中国側も下流国側も,技術的な話し合いを持とうとしない。ダムの運用というのは約束事で,上下流がもっと話し合わないと,ダムの効用を引き出すことは難しい。

タイのアビシット首相はハノイに飛んで,タイ,EGATは,性急に本流ダムを推進しているわけではない,とベトナムを宥めたようだが,ベトナムは,メコンデルタの渇水期の流量が減って,稲作などに対する塩害を恐れている。水力国のベトナムのことだからよく分かっているはずで,ダムの設備をどの様に下流のために運用するか,理解済みだと思う。中国のダムからの渇水補給を,真剣に議論しなければならない段階だろう。

ただ,ここで難しいのは,水系一貫の環境影響評価で,必要だと言われながら,一つのダム計画のために,上流から下流まで,調査の手を広げた例はまずないだろう。今回のメコン河委員会の調査は,これに一歩踏み込んだもので,泥沼に突っ込んだメコン河委員会,という言い方も出来る。この場合は特に上流,中国の問題があって,中国は専門家を派遣する,と言っているが,上流への調査権限は委員会にはない,と言うだろう。

11のダム建設,と言われているが,ラオスやカンボジアが進めようとしているのは,コーン・フォールのドンサホン,カンボジア領内最下流のサンボール・ダム,中流で比較的影響が少ないと言われるバンクム・ダム,更に上流,ルワンプラバン上流に考えられるダム,などが,一縷の着工の望み
を持っている地点だろう。メコン河委員会は,来年,2009年8月までの1年間,と言っているが,随分困難な話である。

今,日本の社会は,総選挙よりも,酒井法子の麻薬問題でひっくり返っている,酒井法子がやるならば他にも一杯いるだろう,という感じか。米国政府は麻薬問題で一番危ないのは日本の社会,と言う表現をしている。ラオスの東端に麻薬補償で発電所を作りに行ったことがあるが,ラシオに腰を落ち着けて頑張っていた山梨大学の先生に一晩話を聞いたが,メコンと関係のある地域の麻薬との関係は根強い。あの蕎麦代替,どうなった?


本文

●メコン河委員会がいよいよダム開発の調査に乗り出す

A watchdog has kicked off a study to look at proposed hydropower developments on the Mekong River and their impact on the tens of millions of people living along it, officials said Friday. The probe has been launched to help countries affected by the projects decide whether they want to go ahead with them.

メコン河下流域で11のダム開発を誰が主導しているのか,ちょっと分かりにくい。しかし火を付けたのは,タイのサマック前首相だろう。今日の記事が出るに当たって,少し調べてみたが,先日もメコンデルタの問題でベトナムが開発に疑問を呈した後,タイのアビシット首相がハノイに飛び,ダム開発についての調整を行ったようである(注11)。民間企業が動いている,という記事はあり,特に日本のコンサルタントも熱心だ,と見られている。

メコン河委員会MRC(注6)は,これ以上,黙りを決め込んでいるわけにはいかなくなったようで,広報担当(注7)を通じて,本格的に調査に乗り出す,という声明を発表した。MRC(注6)のバード事務局長(注9)は,1995年に新しくメコン河委員会MRC(注6)が再発足してから,最大の重要な決断である,としているが,ここで何もしなければ,MRC(注6)の存在意義が問われるところだろう。

このMRC(注6)の決断の中には,中国領内のダムの関連も当然は行ってくるわけで,この点については,おそらく非常に難しい論点があるのだろう。中国側は,MRC(注6)の調査に専門家を送る用意がある,と言っているが,中国側としては,メコン下流の問題でしょう,という主張だろう。MRC(注6)が上流にまで調査をの手を広げるマンデートはない,と主張しそうな感じである。

MRC(注6)は,調査完了の目処を,来年,2010年8月と想定している。しかしこの問題は,まさに密林に分け入るようなもので,彷徨い込んだらもう出られなく可能性が高いと思う。ハノイのメコン河委員会の会合では,ラオスのナムトウン2水力で組織された世界ダム委員会WCD(注12)も関係してきているような感じで,調査自体が大きな反響を呼ぶだろう。

(注)A (1) 090807A Mekong,google,(2) title: Study begins to look at impact of Mekong hydropower plans,(3) http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5h6KK5Z4-yQ1kRxJUPLsIESjGJviA,(4) (AFP),HANOI,(5) Mekong River,(6) Mekong River Commission (MRC),(7) Damian Kean, spokesman for the Mekong River Commission (MRC) secretariat,(8) Lancang River,(9) Jeremy Bird, chief executive officer of the MRC secretariat,(10) map source: MRC,(11) http://www.stimson.org/southeastasia/?SN=SE200907212270,(12) WCD http://www.dams.org/,(13)

今日の参考資料

●090807A Mekong,google
メコン河委員会がいよいよダム開発の調査に乗り出す
Study begins to look at impact of Mekong hydropower plans
http://my.reset.jp/adachihayao/index090807A.htm

http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5h6KK5Z4-yQ1kRxJUPLsIESjGJviA

最近の関連資料

●090730A Mekong, The Nation
メコン圏への大国の介入にタイなどはどの様に対処すべきか
As superpowers eye the Mekong, Thailand should act
http://my.reset.jp/adachihayao/index090730A.htm
●090702B Mekong, ipsnews
メコン川本流のダム開発は水戦争を勃発させる
Dams Across the Mekong Could Trigger a ‘Water War’
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702B.htm
●090617B Mekong, rfa
メコン河上流のダム建設が下流域に脅威となっている
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090617B.htm
●090601A Mekong, saigon-gpdaily
メコン河委員会が上流も含めた本流ダム開発を検討へ
Mekong body starts evaluating mainstream dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090601A.htm
●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529A.htm


2009年8月7日分 ー ベトナムの原子力は企業選定の段階へ ー

ベトナムの原子力発電所建設計画,地元民は皆賛成してくれている,と地点名を上げて計画を説明するベトナムの原子力委員会,ASEANでここまで言い切れる国が他にあるだろうか。地点は地点でよいが,我々には人材がいない,海外での研修に頼らざるを得ない,1986年のチェルノブイリ事故の時,キエフで勉強していた人材はいるが,と言っている,大丈夫かなと思う。もっともフィリッピンはあの時点で,運転するつもりだったのだが。

タイの新聞で,1900年初めに,日本の原子力学科卒業生の数とこんなに違う,タイがどうして原子力を造れるのか,と言う社説が出ていたが,あれから20年,タイは原子力技術者が育っているのだろうか。タイは地点名の候補も言えない状態で,一旦地点名が上がると,タイの国内は大変なことになるだろう。今日の記事で勉強してみると,東芝がベトナムで随分歓迎されている。タイよりベトナムが早い,と言う私の賭けは,多分勝ちだろう。

私には,実際に日本の原子力界がベトナムにどの様にアクセスしているのか,余り分からないが,2008年6月3日付で,日本政府の経済産業省は,中野経済産業副大臣がベトナム商工省ハオ副大臣と原子力分野の協力文書に署名,日本の経験をベトナムにおける原子力発電開発に役立てるための枠組が整ったことは大変有意義,としている。また,2006年付の東芝の公表資料は,日越の歴史から引き起こして,誠に懇切丁寧。

いずれにしても,東南アジア諸国が早く原子力発電を導入して,特に,石炭発電国,ベトナムなどの石炭依存を減らすことには,大きな大義名分があるから,進めるべきだと思う。ただ,三峡ダムではないけれど,企業の決定は,その争いが熾烈を極めるであろうことが想像できる。東芝,EDF,ROSATOMなど,企業メーカー入り乱れており,ベトナムが100億ドルに達する輸銀資金調達を条件にしているところ,日本は頑張れるかな,と。

ペトロベトナム,国内最大の石油化学コンビナートを建設へ(注1),の記事。場所は,ホーチミンから約100km離れたバリアブンタオ省ロンソン地区,2014年の運転開始を目指している。今週を目処に,JVを組む外資系を決めるという。火力発電所,石油コンビナート,工業特区建設,更にこれに原子力商戦が加わって来ると,インドや中国とはまた違った意味で,まさに激戦地帯である。

トヨタが,HV車,所謂ハイブリッド車でプリウスの売り上げを伸ばす中,これに対抗して日産が,EV車,即ち完全な電気自動車,リーフで対抗する。今日はGMが,プラグイン可能,即ち充電できるハイブリッド車,を2010年に出してくる(注3)。私は,どうしてトヨタが,模擬でもよいからなぜプラグインにしなかったのか,今でも不満である。担当者にも言った,しかし数ヶ月前だが,あの時はHVだけで大いばりだった,今は違う。

行き着くところは,必ず電気自動車だから,今のように少し台数が増えてきた,などという間はよいが,一旦問題点が解決し始めると,多様化にすすむのではなくて,一気に収束すると思う。電力会社に全部負担がかかってくるが,エネルギー効率から見て素晴らしいことだ。ただ,どの様なタイムスパンで,電力会社は検討にはいるべきなのか。20年後には,今の2億KWの4倍ぐらいの発電設備が必要になる,試算してみるとよい。

政府は,太陽光の導入に一生懸命で,電力会社に,太陽光電力買い取り義務化,家庭の余剰分の買い取り48円に倍増(注4),と報じている。この太陽光発電分を全部需要家に載せるわけで,たいした影響はないから,と言っているけれど,家計に対して影響はない,と言う意味は,太陽光を導入しても,気候変動問題への貢献は大したことはない,ということになる。本気で太陽光を導入すると,発電経済は大変なことになる。

経済産業省は総合資源エネルギー調査会部会を開き,温室効果ガス排出量を,「2020年に05年比で15%削減する」,政府の中期目標達成に向けた具体策をまとめた(注5)。この中で家計負担を年7万7,000円と試算している。この家庭や企業などの負担は要するに電力企業を通じて負担が増えるものが大きな部分を占める,企業だけ或いは家庭だけで閉じている部分は少ない。この大本の電力企業との繋がりを明らかにして欲しい。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090803AT2M2302D03082009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090807AT2M0700M07082009.html
(注3) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090803AT2M2302D03082009.html
(注4) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908070099a.nwc
(注5) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908060016a.nwc


本文

●ベトナムは2030年までに系統の10%を原子力で賄う

Vietnam plans to start building its first nuclear power plant in five years and plug it into the grid by 2020 as demand for power continues to grow at a rate of about 15 percent per year, the country's top atomic official said.

ベトナムの原子力発電開発,2008年6月3日付で,日本政府の経済産業省は,中野経済産業副大臣がベトナム商工省ハオ副大臣と原子力分野の協力文書に署名,日本の経験をベトナムにおける原子力発電開発に役立てるための枠組が整ったことは大変有意義,としている。これだけのお墨付きがあれば,と考えると,とんでもない,今やベトナムの原子力は,世界の企業の争奪戦の場と化している。ロイターが挑んだ記事である。

先日も,ブンアン第1石炭火力で東芝の受注が決まったときは,ベトナム紙はわざわざ,原子力の東芝,と紹介している。少し前になるが,東芝は,2005年時点で,ベトナムの原子力事情をまとめて,発表している。ウエスティングハウス-東芝は,外目,随分有利に見えるが,フランスなどの存在を考えると,戦いはこれからなのであろう。今日の記事は,ベトナム原子力委員会(注7)のブオン・フ・タン総裁が対応している。

ベトナムの原子力発電所は,5年後に着工を見込んでおり,2020年に第1号機の運転開始を計画している。最初の原子力地点は,ニントウアン県(注5)と想定しており,ホーチミン市(注6)から,北東250kmの地点である。2030年までには,15,000MWまで拡張し,全設備の10%となる計画である。現在のベトナムは,60%が石炭またはガスで,40%が水力であるが,停電に悩まされている。

来年,2010年の電力需要予想は,6.5〜7.0%の伸びで,934億KWhになる。2009年の設備は,17,900MWであるが,中国から35億KWhを輸入している状態だ。原子力については,協力合意書を,中国,ロシア,韓国,インド,アルジェンチンと結んでおり,同じように近く,フランス,日本,米国と結ぶ予定で,これらの国の企業から,技術と設備の供給を受ける内容である。

既に,東芝(注9)の資本下にあるWE(注9),ロシアのROSATOM(注10),フランスのEDF(注11),中国の広東原子力(注12),などがベトナム側と対話を行っている。最初の原子力発電所は,EVN(注13)の投資となる。100億ドルの事業費のうち,4分の一はEVN(注13)が準備するが,残りは,海外支援企業の国の輸出入銀行に期待している。海外企業の決定は,国会承認後,委員会の案にも続いて,首相が決定する。

国会承認の時期は,2009年10月か,次の2010年5月のどちらかになるであろう。何しろ投入資本が多いので,早急な決定が必要だ。ベトナムの人材の問題があるが,海外での教育に依存しなければならない。1986年のチェルノビル事故の時,キエフで勉強していた人材はいる。また地元の問題であるが,補償も十分に考えているので,地元民は協力的である。

(注)A (1) 090807A Vietnam, in.reuters,(2) title: INTERVIEW - Nuclear energy to power 10 pct of Vietnam by 2030,(3) http://in.reuters.com/article/worldNews/idINIndia-41575020090806?pageNumber=1&virtualBrandChannel=11584,(4) Thu Aug 6, 2009 12:21pm IST,By John Ruwitch and Nguyen Nhat Lam,HANOI (Reuters),(5) Ninh Thuan province,(6) Ho Chi Minh City,(7) Vietnam Atomic Energy Commission,(8) Vuong Huu Tan, chairman of the Vietnam Atomic Energy Commission,(9) Westinghouse Electric, a unit of Japan's Toshiba,(10) ROSATOM,(11) EDF,(12) China Guangdong Nuclear Power Group,(13) Vietnam Electricity (EVN),(14) Chernobyl meltdown in 1986,(15) METI Ukraine-trained nuclear expert,(16) METI http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo25/siryo25-1.pdf,(17) Photo source: Toshiba http://www.fnca.mext.go.jp/cgi-img/asia-img/head/VietNam.pdf,(18)

今日の参考資料

●090807A Vietnam, in.reuters
ベトナムは2020年までに系統の10%を原子力で賄う
INTERVIEW - Nuclear energy to power 10 pct of Vietnam by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090807A.htm

http://in.reuters.com/article/worldNews/idINIndia-41575020090806?pageNumber=1&virtualBrandChannel=11584

最近の関連資料

●090225A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ
Nuclear power project to be submitted to NA in April
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225A.htm


2009年8月6日分 ー 中国のNGOが金沙江のダムの再検討正式要請 ー

ロンドン籍の格付け会社,ビジネス・モニタリング・インターナショナル,BNIが,この四半期のアジア太平洋諸国の電力セクターに関し,盛んにレポートを出していて,先日もインドに関するものを紹介したが,今日は中国のレポートを取り上げた。ライバルのインドに対して,格付けが5ポイント上になっているが,中国のカントリー・リスクを考えても,今の中国にはその勢いがある,と言うのである。

中国のカントリー・リスクとは何であろうか。まずピンと来るのは政治体制の問題だが,近い未来的には経済バブルの問題だろう。先日からも上海市場を見ながら,バブル崩壊を気にする記事が再三でているが,今日も中国人民銀行が,「バブルの兆しを適時発見,解決するが,当面, 金融緩和策を継続する」(注1),と言って,世界の警戒感を和らげる発言をしている,そう言わねばならないシチュエーションが危ぶまれる。

中国の原子力発電は,2008年で680億KWhであるが,2013年には1,400億KWhとなり,2008年はアジア太平洋地域の13.32%を占めるに過ぎないが,2013年には地域の21.38%を占めることになる。その大事な時期に,中国での原子力発電核燃料などを扱う中国核工業集団公司の総経理の康日新氏がこのたび公金流用などの疑惑で身柄を拘束(注2),これも勢力争いなど,カントリー・リスクの一つと言えるだろう。

昔から雲南省を見ていて,おい,大丈夫か,と言う感じだった。と言うのはダムを開発するのに,北京の当時の能源部が,待て,と言っているのに,いいから,いいから,とどんどん調査を進めてしまう。中国の中でも,特に雲南省は,そう言う中央へ逆らう性質があるのであろうか,三国志の頃からの伝統か。先日から,環境省が盛んに中止命令を出しているのは,雲南省の金沙江のダムだ。

我々が関係した金安橋ダムはもう完成したらしいが,その上流の麗江の近くにある虎跳峡のダムは,温家宝首相から直接中止命令がでた。その後,下流部の,2,400MWクラスの魯地拉水力,龍開口水力など,次々と河川切り替えを実施して進めているが,よく事故を起こしているのは,このHPでも紹介している。そうして今度は,重慶のNGOから,直接北京の発改委に直接訴えられている。

これは,NGOが政府に公式に嘆願書を合法的に出した,という意味で,まさに新中国としては歴史的な事件なのである。再検討要請,という法律があるようで,この要請を受けた発改委は,5日以内に現地に調査官を派遣する必要がある。今後もどんどんダムを造っていかなければならない中国にとって,これほど大きなカントリー・リスクはないのではないか。遠慮がちで,災害に関する要請だが,移住問題に発展するとどうなるか。

ニューヨークタイムスが中国の気候変動問題担当と会見し,2009年12月に向かってのコペンハーゲンの問題で話を聞いている。楽観してると言うが,私は中国の姿勢は一貫して,「先進国の責任を追及し途上国に対する規制には反対,しかし,努力していることを世界に認めさせる」,と言う一点に尽きると思っている。水力と原子力が牽引役だ。最近,中国も視野に入れた東芝の重電が,よく経済欄を賑わしている(注3)。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090805D2M0503J05.html
(注2) http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0806&f=politics_0806_010.shtml
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908060008a.nwc


本文

●中国代表が気候変動対策の妥結に向けて楽観論を展開

China’s envoy to global negotiations on climate change expressed optimism on Wednesday that a new agreement to reduce greenhouse gases would be reached this year, and he said that his nation’s efforts to curb carbon pollution already had produced results that he called “second to none.”

気候変動問題に対する中国の姿勢は,私は,中国は一貫して,「先進国の責任を追及し途上国に対する規制には反対,しかし,努力していることを世界に認めさせる」,と言う一点に尽きると思っている。今日のニューヨーク・タイムスの記事は,何か中国の姿勢に変化があったのか,と思わせるタイトルであったが,中国のこの一貫した主張には変わりない。しかし,中国の努力は結構大きい。記事のポイントを拾っておく。

中国外務省内で行われた対談は,中国の気候変動チームを率いるユ・キンタイ(於慶泰)代表(注8)である。彼が一貫して,バリ会議以来,中国の代表団を取り締まって,交渉に臨んでいる。まず,中国の気候変動への努力は,誰にも負けない(注7),と。温暖化ガス排出において,米国より増えているが,一人当たりとなると米国が多く,中国と米国で世界の40%の温暖化ガスを排出している。

中国は世界で,水力発電と太陽光は開発量はトップで,風力発電は世界で4番目,2020年までには15%を再生可能エネルギーで賄う容易がある。エネルギー使用の効率化を進めており,GDP当たりのエネルギー使用量2005年以来,10%カットしている。2020年までには,20%をカットする。2009年末のコペンハーゲン会議(注11)の京都議定書(注12)の後継の合意は,可能と考えていると。

しかし,一貫して,途上国に制限を課すことには反対,生活水準を先進国に近づける努力を無にしてしまうからであると。先進国に対しては,過去の歴史的な問題から,2020年までに40%の温暖化ガス削減を求めて行くと。しかし,オバマ政権との気候変動に対する対話は,非常に実りが多く,二国間の対話は今後とも大いに続けて行きたいと。

(注)A (1) 090806A China, nytimes,(2) title: China Sees Climate Accord, Without Strict Limits,(3) http://www.nytimes.com/2009/08/06/world/asia/06china.html,(4) Published: August 5, 2009,BEIJING,(5) climate change,(6) greenhouse gases,(7) second to none,(8) the envoy, Yu Qingtai,(9) carbon dioxide,(10) a binding target.,(11) a December meeting in Copenhagen,(12) protocol reached at a 1997 United Nations meeting in Kyoto,(13)

今日の参考資料

●090806A China, nytimes
中国代表が気候変動対策の妥結に向けて楽観論を展開
China Sees Climate Accord, Without Strict Limits
http://my.reset.jp/adachihayao/index090806A.htm

http://www.nytimes.com/2009/08/06/world/asia/06china.html

最近の関連資料

●090717A China, tpmcafe.talkingpointsmemo
中国を訪問した米国チュウ長官は気候変動で対立点を協議
US Energy Secretary Stephen Chu in China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090717A.htm
●090717B China, chinadaily
中国政府は先進国の炭素関税案でWTOを無視すると反論
Carbon tariff 'an excuse' to protect trade
http://my.reset.jp/adachihayao/index090717B.htm
●090611A China, worldchanging
中国はクリーンエネルギー経済への転換を始めた
China Begins Transition To A Clean-Energy Economy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090611A.htm
●090520B China, news.xinhuanet
中国の地方に於ける水力開発は温暖化ガス削減に貢献
China's rural hydropower plants help curb greenhouse gas emission
http://my.reset.jp/adachihayao/index090520B.htm
●090520B China, news.xinhuanet
中国の地方に於ける水力開発は温暖化ガス削減に貢献
China's rural hydropower plants help curb greenhouse gas emission
http://my.reset.jp/adachihayao/index090520B.htm
●090506A China, news.xinhuanet
中国は再生可能エネルギー開発に向け支援計画を策定へ
China expected to issue support plan for renewable energy development
http://my.reset.jp/adachihayao/index090506A.htm
●090301C China, chinadaily
中国は2030年までにグリーン経済を確立することが出来ると
China can build 'green economy' by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301C.htm
●090207B China, xinhuanet
中国,先進国の温暖化ガス削減を要請へ
China urges developed countries to further fulfill commitment to greenhouse
http://my.reset.jp/adachihayao/index090207B.htm
●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109E.htm


●中国の原子力発電量は680億KWhから2013年には1,400億KWhへ

New report provides detailed analysis of the Energy and Utilities market Published on August 03, 2009 by Press Office.
The new China Power Report from BMI forecasts that the country will account for 53.63% of Asia Pacific regional power generation by 2013, and will have a shrinking generation surplus. BMI’s Asia Pacific power generation assumption for 2008 is 7,093 terawatt hours (TWh), representing an increase of 3.2% over the previous year. We are forecasting an increase in regional generation to 9,099TWh by 2013, representing a rise of 28.3%.

先日,インドで取り上げた同じ報告書(注14)の中国版である。ロンドンのビジネス・モニター・インターナショナルBMI(注6)という格付け会社が出している報告書で,金融経済の始点が多く,余り取り上げていなかった。エネルギーベースで,設備との関係を論じていなくて,我々には余り役に立たないが,対象が中国であり,一度記事だけ読んでおこう。50億KWhは,大体,負荷率50%程度の1,000MW級発電所と考えて,見ていきたい。

2013年に於ける中国の発電量は,アジア太平洋地域(注7)の53.63%を占めるだろう。2008年のアジア太平洋地域(注7)の全発電量は,7兆930億KWhで,前年の3.2%伸びである。これが2013年には,28.3%上がって,9兆990億KWhとなる。火力に付いてみると,5兆5700億KWhで,78.5%を占めている。これが2013年には,6兆9990億KWhとなり,25.7%の伸びとなる。

これは水力と原子力が伸びる結果だが,中国は,2008年の火力が2兆7610億KWhで地域の49.57%だが,2013年までには,火力の比率は5382%に落ちる。2007年の中国の実績は,一次エネルギーPED(注9)で,石炭が70.4%,石油が19.7%,水力が5.9%,ガスが33%である。地域のエネルギー需要は,2013年で48億5900万石油等価トンTOE(注10)で,2008年から24.9%の伸びである。

因みに,石油等価1トンは,11,626KWh,石炭1.615トンに匹敵する。中国の原子力は,2008年で680億KWhであるが,2013年には1,400億KWhとなり,地域の21.38%を占めることになる,2008年は13.32%。電力の格付け(注11)では地域のトップで,ライバルのインドを5ポイント引き離している。カントリーリスクも,産業の強さが相殺しており,近い将来,このグループのトップに付くだろう。


(注)B (1) 090806B China, officialwire,(2) title: China's Estimated 68twh Of Nuclear Demand In 2008 Is Forecasted To Reach 140twh By 2013 ,(3) http://www.officialwire.com/main.php?action=posted_news&rid=12988&catid=322,(4) (Companiesandmarkets.com and OfficialWire),LONDON, ENGLAND,China Power Report Q3 2009,(5) China Power Report from BMI,(6) BMI,(7) Asia Pacific regional,(8) terawatt hours (TWh),(9) primary energy demand (PED),(10) ton oil equivalent (toe),(11) BMI’s Power Business Environment rating,,(12) Chinese real GDP growth,(13) long-term BMI power forecasts,(14) http://my.reset.jp/adachihayao/index090801A.htm,(15)

今日の参考資料

●090806B China, officialwire
中国の原子力発電量は680億KWhから2013年には1,400億KWhへ
China's Estimated 68twh Of Nuclear Demand In 2008 Is Forecasted To Reach 140twh By 2013
http://my.reset.jp/adachihayao/index090806B.htm

http://www.officialwire.com/main.php?action=posted_news&rid=12988&catid=322

最近の関連資料

●090524C 中国,news.xinhuanet
中国は原子力開発計画を改定し更に加速を図る動き
China considers changes to nuclear power development plan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524C.htm
●090205D China, capital-en.trend
中国,2009年の電力投資,5800元
China to invest 580 bln yuan in power construction in 2009
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205D.htm
●081229C China, chinadaily
中国,燃料税改革,エネルギーの里程標
Fuel tax reform an energy milestone
http://my.reset.jp/adachihayao/index081229C.htm


●中国の金沙江のダムでNGOが初めて環境省へ抗議

Chongqing Green Volunteers' League, a Chongqing-based non-governmental organization, has submitted an application of administrative reconsideration in which it criticizes China's Ministry of Environmental Protection for its improper settlement of the Jingshajiang River Hydropower Projects. This is noted by local media reports to be the first administrative reconsideration application filed by an NGO in China.

中国のダム開発上の歴史的な事件であろう,NGOが公式に中央政府に対して,ダムの工事中止を求める再考要求書(注15)を出したのだから。それも,雲南省の金沙江(注7)の一連のダム開発プロジェクトについてである。要求書(注15)を提出したのは重慶籍のCGVL(注5)というNGOである。宛先は,環境省MEP(注6)の処置が不十分として,発改委NDRC(注10)に直接訴えている。

状況を見ていると,いろいろ雰囲気は醸成されていたようで,まず,プロジェクトの再考を求める嘆願に関する法律が出来ている。この嘆願書が出たときは,5日以内に担当官を現地に派遣して調査を行い,嘆願が正当かどうか,判断することになっている。最初は温家宝首相の虎跳びのダムの中止命令であり,その後,環境省が中止命令を出し,更に付近の四川省などでダムの事故が続いた。

移住の問題かと思ったら,CGVL(注5)の要求は,環境省が中止命令を出した,2100MWの魯地拉水電站,2100MWの龍開口水電站,金案橋の上流の阿海水電站などの,主として,洪水,土砂浸食,災害などの工事に関する問題だ。環境省が中止命令を出した後の処理が,非常に危険だ,という意味で,移住の問題には触れていないが,この例で今後水没移住に発展すると,問題が大きくなる。中国にも変化が訪れるか。

(注)C (1) 090806C China, chinacsr,(2) title: MEP Accused Of Illegal Environmental Behavior,(3) http://www.chinacsr.com/en/2009/07/30/5796-mep-accused-of-illegal-environmental-behavior/,(4) July 30, 2009,(5) Chongqing Green Volunteers' League (CGVL),(6) Ministry of Environmental Protection,MEP,(7) Jingshajiang金沙江,(8) Huadian, 2,100MW Ludila Hydropower Plant project魯地拉水電站,(9) Huaneng Longkaikou Hydropower Plant project龍開口水電,(10) National Development and Reform Commission,NDRC,(11) 2,400MW Liyuan hydropower plant,(12) Ahai hydropower plant,阿海,(13) Longkaikou hydropower plant,(15) application of administrative reconsideration,(16) Chongqing Municipal Civil Affairs Bureau,(17) photo source: http://english.dbw.cn/system/2009/04/30/000129306.shtml,(18) map source: http://www.tourschina.com/yangtze-river/map.htm,(19) Ludila photo source: http://big5.jrj.com.cn/gate/big5/images.jrj.com.cn/2009/06/20090612084546102.jpg,(20)

今日の参考資料

●090806C China, chinacsr.
中国の金沙江のダムでNGOが初めて環境省へ抗議
MEP Accused Of Illegal Environmental Behavior
http://my.reset.jp/adachihayao/index090806C.htm

http://www.chinacsr.com/en/2009/07/30/5796-mep-accused-of-illegal-environmental-behavior/

最近の関連資料

●090612A China, chinadaily
中国の長江上流開発で環境部署がダム推進棚上げ要請
Dam projects suspended over eco-concerns
http://my.reset.jp/adachihayao/index090612A.htm
●090524D 中国,english.people
中国はダム開発などに対して急旋回の政策転換を示唆
Suddenly, China embraces Green
http://my.reset.jp/adachihayao/index090524D.htm
●090422A China, energy-business-review
中国は2020年までに長江に更に20の水力を建設
China To Build 20 Hydroelectric Projects In Yangtze River System By 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090422A.htm
●090125C China, gokunming.
中国の雲南,蒋高明教授が視察,環境が足らないと
Yunnan news roundup
http://my.reset.jp/adachihayao/index090125C.htm
●081228B China, news.xinhuanet
中国,金沙江,大規模水力プロジェクト,河川切り替え
River blocked for China's new gigantic hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index081228B.htm
●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu
http://my.reset.jp/adachihayao/index081212B.htm



2009年8月5日分 ー ミャンマーのASEAN会議でタイが活躍 ー

昨日は猛暑の中,京都を訪ね,学校の同窓生達と,50年記念同窓会の打ち合わせをしていて,夕方から烏丸の通りの居酒屋で飲み始めて,遅くなってしまった。50年で公式な同窓会は終わりにしよう,と言う約束になっている。卒業したときは黒四の最盛期で,既に中心は,道路建設と新幹線に移っていた。半世紀の流れは速く,環境保護の波が押し寄せて,皆,苦労した戦友達である。

丁度その日本の状態とスケールをずらすように,東南アジア,中国が発展期に入って,この半世紀で中国がこのように変化するとは,卒業したときは分からなかった。今や,中国抜きで経済開発は論じられないが,この数週間,中国が少し静かだな,と思いませんか。中国の完全管理下にあると思われている北朝鮮で核開発が進み,先週はミャンマーに核疑惑,また昨夜は電撃的なクリントンの北朝鮮訪問で,中国に顔色がない。

また今日は,中国の電力需要が上がり(注1),上海の株式市場の高騰がバブルの前兆(注2),また,中国のGDPに嵩上げ疑惑(注3),と報じられて散々である。中国のGDP値は,大きな流れではあっているが,大きなデコボコを修正している作業はなされている,と書いた本があった。ミャンマーの核疑惑では,資源問題でおかしかった中国とオーストラリアの間を,更に変にしているが,タイ筋は疑惑を否定している。

静かな中国に変わって,今週大きく活躍したのが,政治が小康状態にあるタイであった。マンダレーで行われたASEANエネルギー閣僚会議で主導したのは,タイのワッタナ・エネルギー大臣である。2010〜2015年のASEANエネルギー・プランの原稿を持ち込み,大体タイの考えているストーリーで全会一致で声明を発表したが,寧ろ脚光を浴びたのは,タイとミャンマーの二国間協議の場である。

中国のミャンマーへの関わり合いは大きいが,それでもミャンマー軍事政権の面々には,成果が今目の前に見えるタイの方が,大切なのかも知れない。ヤナダガス田からのタイへの供給は順調に進んでいるし,一時,2015年まで棚上げと言われていた,マルタバン湾のM9ブロックのガス田について,2013年の運転開始の目処が付き,来月,2009年9月にも合意書が取り交わされる段階に来た。

また,サルウイーン河の開発は,最終的には,中流,上流のダム開発で,中国の手を借りなければならないが,今,目の前に見えているのは,約1,.000MWの,最下流のハッチ水力ダムで,タイのEGATが主導権を握っている。環境や人権団体の反対も多いが,EGATとミャンマー政府は,ハッチ・ダムはやり遂げるだろう。アシビット首相の諮問委員会は,来月にも結論を出すという。


(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090804D2M0404504.html
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908040085a.nwc
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908050080a.nwc
(注4) http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009080500232


本文

●ミャンマーとタイのブロックM9のガス生産開始は2013年

Thailand and Myanmar will start commercial gas production from offshore Block M9 natural gas project on the Gulf of Martaban, south of Yangon in late 2013.

ミャンマーのマルタバン湾(注6)の新規ガス田ブロックM9(注5)については,世界の金融危機と買い取り側のタイの経済の落ち込みで,大幅延期の見通しが出てきていた。今回マンダレー(注9)で行われたASEAエネルギー閣僚会議(注8)と同時に行われたタイとミャンマーの二国間対話で,タイのワナラット・エネルギー大臣は,新規ガス田ブロックM9(注5)の2013年の生産開始予定を明確にした。署名は,2009年第4四半期。

新規ガス田ブロックM9(注5)の運転を担うタイの国家石油探査PTTEP(注10)は,日3億立方フィート,mcfpd(注11)を見込んでいる。その80%の2.4億立方フィートはタイへ輸出,残りの20%の0.6億立方フィートはミャンマーに需要に対応する。ブロックM9(注5)の埋蔵量は,1.5兆mcfpdと見込まれ,投資額は少なくとも10億ドルと見積もられている。

(注)A (1) 090805A Myanmar, enews.mcot,(2) title: Thai-Myanmar gas project to start commercial production in 2013,(3) http://enews.mcot.net/view.php?id=11149,(4) BANGKOK, Aug 3 (TNA),(5) offshore Block M9 natural gas project,(6) Gulf of Martaban,,(7) Wannarat Channukul, Thailand's energy minister,(8) ASEAN Energy Ministers meeting,(9) Mandalay,(10) PTT Exploration and Production Plc. (PTTEP),(11) million cubic feet per day (mcfpd), (12)

今日の参考資料

●090805A Myanmar, enews.mcot
ミャンマーとタイのブロックM9のガス生産開始は2013年
Thai-Myanmar gas project to start commercial production in 2013
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

http://enews.mcot.net/view.php?id=11149

最近の関連ニュース

●090707C Myanmar, mizzima
ミャンマーは経済制裁にも係わらず外国投資は150億ドルに達している
Foreign investments soar in Burma despite economic sanctions
http://www.mizzima.com/news/inside-burma/2410-foreign-investments-soar-in-burma-despite-economic-sanctions-.html
●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm
●090626C Thailand, Bangkok Post
タイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れ
PTT seeks M9 delivery delay
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626C.htm


●マンダレーのASEANエネルギー閣僚会議は協力で合意

East Asia's energy ministers called for stronger regional energy cooperation to build a secure, stable and sustainable energy future during a series of meetings in Myanmar. Noting that volatile oil prices affect the global economy -- producing and consuming countries alike -- the ministers called for greater cooperation on energy policy, energy supplies, the oil market and transport routes, Xinhua, China's news agency, reported.

ミャンマーの古都,マンダレーで開かれていたASEANエネルギー閣僚会議は,先週,209年7月29日,協力を約束して閉会した。中国紙の報道は,原油価格の高騰の影響を懸念し,その輸送ルートの確保などの協力に重点を置いたものだった。エネルギー市場の自由化に関する協力も話し合われた。バイオ燃料への関心が示されたが,食糧問題への懸念と慎重な対応が話し合われた。また,エネルギー効率化も重視した。

ミャンマーは,テインセイン首相が,バイオ燃料への民間参加による環境問題に懸念を示した。ミャンマーでは,人権グループが,天然ガスなどの開発が軍事政権を利している,と批判しているが,ミャンマーは今や,世界第11位のガス生産国であり,アジア太平洋では最大,これを現在はタイが最大の購入者となっている。原油換算で32億バレルとも言われる資源に,各国が関心を示している。軍事政権は,年25億ドルを得ている。

それでもミャンマーでは電力不足が続いている。2007〜2008年のデータでは,未だに全エネルギーの62%を木材から得ており,石油からは12%,天然ガスからは11.5%,水力から19%,石炭とリグナイトから3.65%と言う実情だ。

(注)B (1) 090805B Myanmar, upi.com,(2) title: East Asia's energy chiefs pledge teamwork,(3) http://www.upi.com/Energy_Resources/2009/08/04/East-Asias-energy-chiefs-pledge-teamwork/UPI-35091249417096/,(4) MANDALAY, Myanmar, Aug. 4 (UPI),(5) Prime Minister Thein Sein,(6) Myanmar's Ministry of Energy,(7)

今日の参考資料

●090805B Myanmar, upi.com
マンダレーのASEANエネルギー閣僚会議は協力で合意
East Asia's energy chiefs pledge teamwork
http://my.reset.jp/adachihayao/index090805B.htm

http://www.upi.com/Energy_Resources/2009/08/04/East-Asias-energy-chiefs-pledge-teamwork/UPI-35091249417096/

最近の関連資料

●090202A Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマー,ガスタービン不調で,電力需給逼迫
Gas turbine failure restricts electricity supply in Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index090202A.htm
●081212A Myanmar, irrawaddy
ヤンゴンの住民,停電に見舞われている
Rangoon Residents Suffer Power Cuts
http://my.reset.jp/adachihayao/index081212A.htm


●ミャンマーのサルウイーン河開発に厳しい非難

NewsEnvironmental, social and human rights groups are slamming the adoption of plans for hydropower dams on the Salween River by Asean energy ministers. The groups yesterday claimed the dams would cause massive damage to the river and communities that rely on it, lead to forced relocation and labour abuses, and would enrich Burma's military junta rather than Burmese people.

先週,2009年7月29日,マンダレーで閉幕した,第27次ASEANエネルギー閣僚会議(注6)の一連の行事の中で,タイのワナラット・エネルギー大臣(注9)は,ミャンマー政府側とサルウイーン河(注5)の下流,1,000MW,ハッチ水力ダム(注10)の開発について協議した。これに対して環境人権グループが反発している。言い分は,移住に際して人権を抑圧し,軍事政権を利するが,関係住民には便益はない,という。

記事では,ハッチ水力ダム(注10)のダムサイトはタイのマエホンソン県(注11)の西で,出力は,1,000MWとされている。特に,ミャンマーの少数民族(注12)への江お経が大きい,と非難している。NGOは,ビルマ河川ネットワークBRN(注13)やオイル・ウオッチ(注14)は,ミャンマーに於けるエネルギー・プロジェクトの中止を要求している。軍事政権は,20以上のダムを計画,タイ,中国,ASEANグリッド(注15)への供給としている。

タイ政府は,ハッチ水力ダム(注10)について,委員会を設けて検討中で,来月,2009年9月にも委員会の報告を見て決定するとしている。タイのアシビット首相(注17)は,2009年4月に委員会を発足させ,議論が続くプロジェクトについて諮問している。

(注)C (1) 090805C Myanmar, bangkokpost,(2) title: Salween dam plan draws heavy flak,(3) http://www.bangkokpost.com/news/local/21209/salween-dam-plan-draws-heavy-flak,(3) Writer: APINYA WIPATAYOTIN,Published: 31/07/2009 at 12:00 AM,Newspaper section,(5) Salween River,(6) 27th Asean Energy Ministers Meeting,(7) Mandalay,(8) Asean Plan of Action for Energy Cooperation 2010-1015,(9) Thai Energy Minister Wannarat Channukul,(10) Hut Gyi hydropower dam,(11) Mae Hong Son province,(12) Burmese ethnic minorities,(13) Burma Rivers Network (BRN),(14) OilWatch Southeast Asia,(15) Asean power grid,(16) Sai Khur Hseng of the Ethnic Community Development Forum,(17) Prime Minister Abhisit Vejjajiva,(18) map spource: http://www.salweenwatch.org/images/stories/maps/hydroproject.jpg,(19) Electricity Generating Authority of Thailand,(20)

今日の参考資料

●090805C Myanmar, bangkokpost
ミャンマーのサルウイーン河開発に厳しい非難
Salween dam plan draws heavy flak
http://my.reset.jp/adachihayao/index090805C.htm

http://www.bangkokpost.com/news/local/21209/salween-dam-plan-draws-

最近の関連資料

●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm



2009年8月3日分 ー ベトナムの大規模火力と日本企業の活躍 ー

東京株式市場,今日は落としているが,東芝が値を飛ばしている,原子力と,今日はベトナムの石炭火力機器受注が材料だという(注1)。この,東芝,双日の受注した,600MWのブンアン第1石炭火力は,ベトナム中部のハティン県にあって,ブンアン経済特別区の開発中で,その中核となる石炭火力であろう。受注額は少ないが,なお今後,1,200MWへの増設など,発展性がある。

ベトナムの石炭生産はどうなっているのか。今年,2009年の生産目標を,4,000万トンから4,300万トンへ上方修正,各地の炭坑の設備の改良や炭坑の拡大を目指している。丸紅が参加している,紅河の石炭地下ガス化技術の開発は,紅河の堆積層の下に眠る300億トンの石炭層を対象として,オーストラリアの企業などと協力している。遙か雲南省から流れ下る紅河,地下に300億トンの石炭,大陸河川の扇状地はすごい。

でも,一体ベトナムの石炭埋蔵はどうなっているのか,JCOALの資料で調べて見て驚いた。北部のクアンニン炭田で海水面以下1000mまで約100億トン,この内,確認済み炭量が海水面以下300mまでで約35億トン,紅河デルタ炭田では,海水面以下1000mで16億トン,紅河デルタ炭田ではさらに数千億トンの炭量が見込まれるといわれている。掘れば幾らでも出る,と言うことか。

しかし,こんなものを近隣の国で一緒になって掘っていたら,瞬く間に北ベトナムは海底に沈んでしまうのではないか。それにしても,中国大陸から流れてくる大河の凄さにはショックを受ける。メコンやサルウイーンと違うのは,紅河の上流が,雲南省の大平原を水源にしている,と言うことだろう。ハノイに住む友人が,この川の上流に100万都市があるのか,と驚いていた。ガス化して抜けばどうなるのか,ハノイはやはり沈下する?

今日は,ベトナム南西端の,1,200MWのキエンルオン天然ガス火力,東芝が受注した,最終規模1,200MWのブンアン第1石炭火力,初めてと思われる中国企業の,440MWのマケオ石炭火力,と見てきたが,ベトナムの変貌ぶりには驚く。EPC企業がベトナム企業であったり,1200MW,10数億ドルの天然ガス火力のプロモーターが,ベトナム企業であったり,中国に続いて,民間の力が大きくなってきている。

ただ,ベトナムの電力セクターが病んでいる,と言う話は,このHPでも伝えてきた。民間開発の勢いはすごいが,問題はそれを冷たく横で見ている国家電力EVNの存在である。EVNはすねている。民間から高い電気を買わされる,しかし,販売電力料金は,政府によって低く抑えられている。ベトナムの国民は,乾期の停電続きに,EVNを攻める。これからベトナムが議論すべきなのは,EVNの改革だろう。

日産のゴーン会長が小泉さんを乗せて,電気自動車リーフで会場に現れた(注2)。トヨタのHVと日産のEVと,どちらが方向として正しいか。私は日産が正しく,トヨタは時代の変わり目の産物だろう,と思っている。しかし,リーフが,ワンチャージ最大160km,値段が400万円,と言われると。でも記事にも書いているように,バッテリーが200万円だから,リースにして,スタンドで取り替える方法がよい。電力会社の対応が必要な時期も近い。

(注1) http://www.stockstation.jp/stocknews/20910
(注2) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200908030014a.nwc


本文

●ベトナム北部の600MWの石炭火力で東芝などが機器受注

Toshiba Corp., Japan’s largest atomic-reactor maker, and Sojitz Corp. won an 11-billion-yen (US$115 million) contract to supply generators to Vietnam, tapping growing demand in the country.

東芝(注4)と双日(注5)がベトナムで火力危機を受注したニュースは,既にブルンバーグが日本語で報じている(注7)。ベトナム北部,ハティン県のブンアン第1石炭火力で,600MW機2機,110億相当,2012年完成である。かなり安いが,ボイラーを除いた蒸気タービンだけなのか。日本語ではEVNと書かれているが,この記事では,ベトナム機器(注6)からの受注とされている。

このベトナム記事の面白いところは,日本最大の原子力メーカーである東芝が,ベトナムの火力発電所の機器を受注した,と強調している点で,東南アジアに先駆けて原子力発電所の開発に向けて走っているベトナムとしては,東芝が力を入れて取ってくれた,東芝は既にベトナムの原子力を下に頑張っているのではないか,と言外に読みとるのは,私だけか。

(注)A (1) 090803A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Toshiba, Sojitz win $115 million Vietnam contract,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=51349,(4) Toshiba Corp,(5) Sojitz Corp,(6) Vietnam Machinery Installation Corp,(7) http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aDQcfLNGVUHg&refer=jp_asia,(8) photo source: http://pecc1-26.co.cc/index.php?option=com_content&view=article&id=25&catid=25&Itemid=50,(9)

今日の参考資料

●090803A Vietnam, thanhniennews
ベトナム北部の600MWの石炭火力で東芝などが機器受注
Toshiba, Sojitz win $115 million Vietnam contract
http://my.reset.jp/adachihayao/index090803A.htm

http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=51349

最近の関連資料

●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304A.htm
●090225A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ
Nuclear power project to be submitted to NA in April
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225A.htm


●ベトナム北部の440MW石炭火力を中国企業が430百万ドルで受注

China’s Wuhan Kaidi Electric Power Co. on Tuesday won a US$429.5 million contract from state-owned Vietnam National Coal-Mineral Industries Group to build a 440-megawatt thermal power plant.

ベトナムに中国企業がEPC契約(注6)で入ってくることは珍しいのであろうか,おそらく初めてではないか。中国企業のウーハン・カイディ(注4)が,ベトナム北部,クワンニン県(注8)の,440MWのマオケ石炭火力(注7)について,ベトナム国家石炭グループ(注5)から,429.5百万ドルで,契約を獲得した。第1期が36ヶ月,第2期が42ヶ月の契約である。

この440MWのマオケ石炭火力(注7)は,北部,クワンニンの石炭基地に隣接している。総事業費は,577百万ドルである。2012年に運転開始して,年間26億KWhを発電する。ベトナム国家石油(注9)はマオケ石炭火力(注7)のために,ベトナム輸出入銀行(注10)と56百万ドルの借款契約を行った。返済期間は13年間で,金利は,4.5〜4.8%とmされている。

(注)B (1) 090803B Vietnam, thanhniennews,(2) title: China’s Wuhan Kaidi to build Vietnam power plant,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=50536,(4) Wuhan Kaidi Electric Power Co,(5) Vietnam National Coal-Mineral Industries Group,(6) engineering, procurement and construction contract (EPC),(7) 440MW Mao Khe thermal power plant,(8) Quang Ninh province,(9) Vietnam National Coal,(10) Vietnam Export-Import Commercial Joint- Stock Bank,(11) photo souece: Quan Nhin http://pecc1-26.co.cc/index.php?option=com_content&view=article&id=21&catid=25&Itemid=50,(12) map source: http://www.flutrackers.com/forum/attachment.php?attachmentid=2942&d=1234025625,(13)

今日の参考資料

●090803B Vietnam, thanhniennews
ベトナム北部の石炭火力を中国企業が430百万ドルで受注
China’s Wuhan Kaidi to build Vietnam power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090803B.htm

http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=50536

最近の関連資料

●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304A.htm


●ベトナムが1200MW石炭火力企業に政府保証を供与

The government of Vietnam has agreed to guarantee loans to Tan Tao Investment Industry Corp. (ITA.VH), or Itaco, to build a coal-fired power plant in the fourth quarter this year, Itaco said in a statement Wednesday. Itaco will build Kien Luong Thermal Center 1 with two 600-megawatt turbines at a cost of VND45.8 trillion ($2.6 billion), the statement said.

ベトナムの遙か西,メコンデルタのそれも西の端,ホーチミン(注8)から600kmも隔たったキエンギアン県(注7)の港町,キエンルオン(注6)に,天然ガスによる大規模な火力コンプレックスが進行中,しかもその驚きは,主体になって進めるのは,ベトナム企業である。ベトナム政府は,今年,2009年第4四半期に,ベトナム籍企業ITACO(注5)に,政府保証を与えることに合意した。

この,1,200MWのキエン・ルオング火力センター第1期(注6)は,600MW機2台で,4.58兆ドン,約26億ドル相当,で,政府保証によって,海外ローンを視野に入れることになった。第1期の完成は,2013年の第4四半期,第2期は,2014年の第2四半期を予定している。

(注)C (1) 090803C Vietnam, online.wsj,(2) title: Vietnam To Guarantee Loans For Itaco's 1,200MW Power Plant,(3) http://online.wsj.com/article/BT-CO-20090728-721568.html,(4) HANOI (Dow Jones),By Nguyen Pham Muoi, Dow Jones Newswires, 84-435-123-041; phammuoi.nguyen@dowjones.com,(5) Tan Tao Investment Industry Corp. (ITA.VH), or Itaco,(6) 1,200MW Kien Luong Thermal Center 1,(7) Kien Giang province,(8) Ho Chi Minh City,(9) map source: http://www.wompom.ca/vietnam/gfx/vn-map-kiengiang.gif,(10) photo source: http://3.bp.blogspot.com/_6RxV-qV8Ypo/Roko_nipp0I/AAAAAAAAAIo/hYr1-K37nQ4/s400/P1010012.JPG,(11) Kien Luong,photo source: http://phuhung.com.vn/img/21232F297A57A5A743894A0E4A801FC3/21232F297A57A5A743894A0E4A801FC3img/aur_duckpond06.jpg,(12)

今日の参考資料

●090803C Vietnam, online.wsj
ベトナムが1200MW石炭火力企業に政府保証を供与
Vietnam To Guarantee Loans For Itaco's 1,200MW Power Plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090803C.htm

http://online.wsj.com/article/BT-CO-20090728-721568.html

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●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
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http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
VIET NAM Electricity Needs Aiming at Being Met
http://my.reset.jp/adachihayao/index090304A.htm


●ベトナム中部の1200MWのブンアン石炭火力でEPC契約

WorleyParson Pte. will provide consulting services for the construction of a power plant in central Vietnam under a US$25.5 million contract signed Thursday, the constructor Lilama Corp. said.

ベトナム中部,ハティン県(注7)のブンアン第1石炭火力プロジェクト(注6)は,東芝と双日が,タービンの契約を取ったプロジェクトですね。少し詳しくでているが,ハティン県(注7)のキアン地区(注11)に,ブンアン経済特区(注10)を建設中で,ここの核となる石炭火力発電所のようで,最終規模は,1,200MWと大きい。政府系のベトナム石油ガス・グループ(注8)が進めているものである。

この,1,200MWのブンアン第1石炭火力プロジェクト(注6)のEPC契約を獲得しているのが,ハノイに本拠を置くリラマ(注5)で,これを支えるため,シンガポール籍であるが米国系のウオーリーパルソンWPP(注4)が,25.5百万ドルでコンサルタントを引き受ける。このプロジェクトは,年間290万トンの石炭を消費して年80億KWhを発電する。リラマ(注5)のEPC契約は,45ヶ月である。

(注)D (1) 090803D Vietnam, thanhniennews,(2) title: WorleyParson win consulting contract for Vietnam power plant,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=51155,(4) WorleyParson Pte,(5) Lilama Corp,(6) 1,200MW Vung Ang 1 coal-fired power plant,(7) Ha Tinh Province,(8) Vietnam Oil and Gas Group,(9) map source: http://www.kktvungang-hatinh.gov.vn/?lid=en,(10) photo source: http://www.uni-bros.com/en/news.php?id=12280&cid=4,(10) Vung Ang Economic Zone,(11) Ky Anh district,(12)

今日の参考資料

●090803D Vietnam, thanhniennews
ベトナム中部の1200MWのブンアン石炭火力でEPC契約
WorleyParson win consulting contract for Vietnam power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090803D.htm

http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=51155

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●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
●090304A Vietnam, glgroup
ベトナムの電力需給達成のためには何をなすべきか
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http://my.reset.jp/adachihayao/index090304A.htm


●ベトナムの2009年の石炭生産は4300万トンに達する

The Vietnam Coal and Mining Industries Group (TKV) has decided to raise its coal output this year to 43 million tonnes from the 40 million-tonne target set previously. The group says that it will boost production to meet the target, with priority given to key coal consumers such as the electricity, fertilizer, paper and cement industries.

ベトナムの石炭埋蔵量は,いろいろ資料を見てみたけれど,よく分かりませんね。JCOAL(注12)の資料を借りると,北部のクアンニン炭田で海水
面以下1000mまで約100億トン,この内,確認済み炭量が海水面以下300mまでで約35億トン,紅河デルタ炭田では,海水面以下1000mで16億トン,紅河デルタ炭田ではさらに数千億トンの炭量が見込まれるといわれている。掘れば幾らでも出る,と言うことか。

丸紅の資料(注11)では,紅河デルタの亜瀝青炭,推定埋蔵量300億トン,を対象に,石炭地下ガス化技術(注8)を開発中という。この記事にも出てくる。さて,ベトナム国家石炭TKV(注4)は,2009年の石炭生産目標を,最初の,4,000万トンから4,300万トンに上方修正した。主として,需要の上向きに対応するための設備改善がある。

生産の拡張,嵩上げを求められているのは,バンダン(注5),カンホア(注6),ケチャム(注7)の各炭坑で,また,紅河デルタの丸紅の石炭地下ガス化技術(注8)への投資も見込んでいる。この6ヶ月の実績は,2030万トン,5%ダウン,販売は,2150万トン,3%の伸びであった。

(注)E (1) 090803E Vietnam, english.vovnews,(2) title: Coal sector targets 43 million tonnes this year,(3) http://english.vovnews.vn/Home/Coal-sector-targets-43-million-tonnes-this-year/20097/105835.vov,(4) Vietnam Coal and Mining Industries Group (TKV),(5) Vang Danh,(6) Khanh Hoa,(7) Khe Cham,(8) underground coal gasification project,(9) Red River’s sedimentary bed,(10) Vang Danh photo source: http://www.panoramio.com/photo/5831182,(11) 丸紅資料: http://www.marubeni.co.jp/news/2007/070813.html,(12) Jcoal 資料: http://www.jcoal.or.jp/publication/jcoaljournal/dlfiles/JCOAL_Journal-4.pdf,(13)

今日の参考資料

●090803E Vietnam, english.vovnews
ベトナムの2009年の石炭生産は4300万トンに達する
Coal sector targets 43 million tonnes this year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090803E.htm

http://english.vovnews.vn/Home/Coal-sector-targets-43-million-tonnes-this-year/20097/105835.vov


2009年8月2日分 ー パキスタンの電力と経済の悪循環 ー

パキスタンのニュースを見るたびに,大規模ダムの推進を計画委員会が承認したとか,WAPDAはいよいよバシャダムを来年にも着工する決意を固めた,という勇ましい国内手続きの話を読まされて,うんざりしている。昔,メコンで,ダムの着工を決めるのは地元政府でなくて欧米の資金源だ,と言ってしまって,即座に首になった事務局長がいたけれど,パキスタンにも言いたくなる,ダムの着工を決定するのは中国政府だ,と。

実際,今日のパキスタンの経済の実態を洗った記事を見て,110億ドルのダムを議論している場合かよ,と言いたくなってしまう。電力が,3,000M〜3,500MW不足で,国民の53%が,日8時間以上の停電に苦しみ,パンジャブでは暴動が起きている。主たる輸出産業の繊維は,この10ヶ月で8%の生産減で,ますます国家財政を圧迫,低く抑えている電気料金も政府が払えなくなって,電力会社は発電を落としている。

結局,よくある発電費用と電気料金のギャップが大きく,民間企業も発電への投資意欲が全くない。未払いも含めた送電企業の電力損失は30%に達している。政府は,2010年までに,4,000MW新設,と言っているが,この財政で誰も信じていない。昨年,2008年にIMFから76億ドルの資金援助を受けたが,いつまで持つか。まず,現政府がいつまで持つのか,それが格付け低下となり,資金調達を困難にしている。

少なくとも,2014年までは,何とか石油に頼って凌ぐしかないが,需要側が代金を払ってくれないから,発電企業も石油企業に代金が払えず,石油供給がいつまで持つのか,現在の日15.5万バレルの需要は,2012年には177バレルになる。IMFも,世界銀行も,ADBも,どうすればこの0パキスタンの惨状を救うことが出来るのか,と苦慮しているとき,国内政治はムシャラフの追求に血道を上げている(注1)。

パキスタンは,これからの人類の最後の戦いの舞台で,重要な位置を占めている。アフガニスタンも,イランも,インドも,カシミールも,中国も,更には今日の4カ国首脳会議にあるように,ロシアまでも,またアフガンに力を入れる米国でさへも,パキスタン抜きでは,何も出来ない状態なのだ。まあ,南アジアのへそみたいなもので,そのインダス川の大本を握るパキスタンに,何とか立ち直って貰いたい,国民は優秀だ。

昨夜,ミャンマーの核武装の外電を見て,今日はそれを取り上げようかと思っていたのだが,日経が取り上げた(注2)。北朝鮮の支援で2014年完成という。首都移転もつい勘ぐってしまう。一体中国は何をしているのか,というのが率直な感想。しかし,核は持った方が勝ち,という考え方は世界中で止まらないだろう,どうするのだろうか,それはいつかどこかで,核爆発という現実を見るのだろうか。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090802AT2M0102U01082009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090801D2M0102401.html


本文

●パキスタン,タジキスタンなど首脳会議でエネルギー開発など

Zardari says the four leaders’ actions will help future generations * Zardari, Medvedev vow to increase trade between Pakistan, Russia
The quadrilateral summit between the leaders of Pakistan, Tajikistan, Afghanistan and Russia on Thursday stressed an increase of foreign investment in the sphere of hydropower projects, construction of transmission lines and development of transport infrastructure.

先週木曜日,2009年7月30日,タジキスタン(注6)の首都ドシャンベ(注4)に,4カ国首脳が会合した,4カ国首脳会議(注5)という。パキスタンはザルダリ大統領(注8),タジキスタンは今国内混乱で苦慮しているラーモン大統領(注9),ロシアのメドベデブ大統領(注10),アフガニスタンは選挙で大変なカルザリ大統領(注11)である。ロシアの支援で,エネルギー通商を3カ国で結ぶ,と言う会合か。

タジキスタンは,アフガニスタンの米軍の基地の問題があり,今日の記事に出てくるパンジ川,国境の川の上には,米国が2007年に完成したもの凄く立派な橋がある。また,タジキスタンの水力開発は,ロシアが古くより開発を進めてきており,中央アジア最大の水力発電設備を有している。重要な発電所はバクシュ川で,ヌレック水力で出力は3,000MW。ログン水力は3600MWであるが未完成,ダムの高さは335mで世界最大。

今日の記事に出てくる670MWのサングトウダ第1水力(注12)は,紆余曲折の末,殆ど完成に近いが,今日の記事の内容では,ロシアとイランの融資で,また工事はもたついているのか,4者会談で,その早期の完成に協力する,とある。結局,この会談の趣旨は,タジキスタンの水力資源を開発して,アフガニスタンとパキスタンの電力不足に対応するため,送電線と道路インフラを,整備するというものだ。

全体的に,背景となる国際関係が複雑で,よく分からないが,アフガニスタンの治安回復が米国の威信に係わる大事業であるのに関し,その重要な拠点であるタジキスタンをロシアに握られていて,米国は,アフガンの両隣,タジキスタンとパキスタンへの干渉を深めるが,ロシアがこれをやんわりと牽制している,と言うことか。この地域の西には,カザフスタンの膨大なエネルギー資源が横たわっている。

(注)A (1) 090802A Pakistan, dailytimes,(2) title: Pakistan, Tajikistan, Afghanistan, Russia summit Development of energy, transport system discussed at moot,(3) http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C07%5C31%5Cstory_31-7-2009_pg7_1,(4) DUSHANBE,photo source: http://en.wikipedia.org/wiki/Dushanbe,(5) quadrilateral summit,(6) Tajikistan,(7) Afghanistan,(8) President Asif Ali Zardari,(9) Tajik President Emomali Rahmon,(10) Russian President Dmitry Medvedev,(11) Afghanistan President Hamid Karzai,(12) 670MW Sangtuda-1 Hydropower Plant in Tajikistan,photo sourve: Sangtuda-1 Hydropower Plant in Tajikistan,(13) World Bank,(14) Panji Poyon-Sherkhon route,(15) Bandar-Kabul-Peshawar,(16) Panji river bridge photo source: http://en.wikipedia.org/wiki/File:Afghanistan_-_Tajikistan_Bridge_Completion.jpg,(17) http://my.reset.jp/~adachihayao/iindex3newsCA081108.htm,(18)

今日の参考資料

●090802A Pakistan, dailytimes
パキスタン,タジキスタンなど首脳会議でエネルギー開発など
Pakistan, Tajikistan, Afghanistan, Russia summit Development of energy, transport system discussed at moot
http://my.reset.jp/adachihayao/index090802A.htm

http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C07%5C31%5Cstory_31-7-2009_pg7_1

最近の関連資料

●電力危機のタジキスタン,水力発電開発に努力
http://my.reset.jp/~adachihayao/iindex3newsCA081108.htm
●081108F Tajikistan,ap.google.com
電力危機のタジキスタン,水力発電開発に努力
Electricity-starved Tajiks boost hydropower plant
http://ap.google.com/article/ALeqM5jxtBt5jcAfqju0T_uh4hJr7do-JgD948LN3G2
●081107H Tajikistan,istockanalyst
タジキスタンのサントウダ水力,第3号機が運転開始
Third Turbine Launched at Tajikistan's Sangtuda-1hydropower Plant
http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews+articleid_2772249.html


●パキスタンのディアマ-バシャ・ダムの推進を視野に

The Central Development Working Party (CDWP) of the Planning Commission has recommended Diamer Basha Dam Project for approval to the ECNEC. Diamer Basha Dam is the largest project ever constructed in the country. After commissioning of Tarbela Dam in 1976, no large water storage project has been developed in Pakistan.

パキスタンのダム建設の報道は,やるぞやるぞ,と言う話ばかりで全く進まない。問題は,国内で幾ら決意を語っても,資金調達が思うに任せない。計画委員会がどうしたこうした,と言っても,中国が融資してくれるかどうか,そこが問題で,ザルダリ大統領(注11)は,3ヶ月に一度は北京に行く,と決意を語っていたが,最近はどうなったか。これほどのダムを引き受けてくれるのは,もう中国しかないと言うことだ。

4,500MW,インダス河上流でまさにジャムカシミールの国境未確定直前の地点で,まさにパキスタンのインダスの水資源の首根っこを握るディアマ-バシャ・ダム・プロジェクト(注7)について,計画委員会(注6)の中央開発作業部会CDWP(注5)は,認可を与える最終機関であるECNEC(注8)に対して,承認を与えるよう勧告を行った。まだやってなかったのかよ,と言う感じだが,国内手続きも結構うるさい国である。

インダス下流のタルベラ・ダム(注9)が完成したのは,1976年であるが,その後,四半世紀も大きなダムが必要と言われながら,一つも造られていない。発電所の規模は,4500MW,事業費の総額は113億ドル,年間発生電力量は,180億KWh,貯水池の容量は,640万エーカー・フィート,1233を乗じて換算すると,約80億トンぐらいか。要は,中国がどう考えているのか,が問題。

(注)B (1) 090802B Pakistan, dailytimes,(2) tittle: CDWP sends Diamer Bhasha Dam project to ECNEC,(3) http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C07%5C19%5Cstory_19-7-2009_pg5_3,(4) LAHORE,(5) Central Development Working Party (CDWP),(6) Planning Commission,(7) 4,500MW Diamer Basha Dam Project,(8) ECNEC,(9) Tarbela Dam,(10) Planning Commissioning Deputy Chairman Sardar Assef Ahmed Ali Khan,(11) President Asif Ali Zardari,(12) Prime Minister Syed Yousaf Raza Gilani,(13) million acre feet (MAF),(14) map spurce: http://media.photobucket.com/image/4,500MW%20Diamer%20Basha%20Dam%20Project/traPPed_2008/Diamer-BashaDamsite.jpg,(15) photo source: http://hunzatimes.files.wordpress.com/2009/05/hunzatimes-basha-98.jpg,(16)

今日の参考資料

●090802B Pakistan, dailytimes
パキスタンのディアマ-バシャ・ダムの推進を視野に
CDWP sends Diamer Bhasha Dam project to ECNEC
http://my.reset.jp/adachihayao/index090802B.htm

http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C07%5C19%5Cstory_19-7-2009_pg5_3

最近の関連資料

●090713F Pakistan, dawn
パキスタンは2010年までに10,000MW開発で外国支援必要
Pakistan looks abroad to boost energy capacity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713F.htm
●090618C Pakistan, dawn
パキスタンのタルベラダムの増設計画が進行中
Work on Tarbela's fourth extension underway
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618C.htm
●090501B Pakistan, thenews
パキスタンは友好国のバシャダムへの融資を求めている
Pakistan seeks $273m from Friends for Basha dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090501B.htm
●081221A Pakistan, thenews
パキスタンのバシャダム,発電所位置で,裁定委員会設置
Body formed to resolve royalty issue
http://my.reset.jp/adachihayao/index081221A.htm
●081204A Pakistan, pakobserver
126億ドル,ディアマバシャダム,10企業が事前適格
$ 12.6b Diamer-Bhasha dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index081204A.htm
●081125A Pakistan, pakobserver
パキスタンのバシャダム建設,水危機に有望
Construction of Bhasha Dam is a welcome sign
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125A.htm


●パキスタンの脆弱な電力セクターは経済発展を阻害する

* Frequent power cuts a top concern of industry, households,* Lack of electricity dims growth outlook,* Low tariffs, "circular debt",exacerbate capacity shortfall,* Oil-burning plants to be brought online to fill gap,Looking from the outside Islamist militancy is the big worry, but if you're a Pakistani with no electricity to run fans or drive water pumps at home, and no job because your factory's on short time, think again.

専門家の意見を聞きながら,パキスタンがどれほどひどい状態にあるかを,率直に表現している。110億8ドルのバシャダム,などというのは,家では明日も食事に困っているのに,何千万円のブルドーザーを買って,と議論しているようなものだ。要するに悪循環で,電力不足が産業を破壊し,それが電源開発を阻害する。何点か聞くに値する意見がある。

最近も電気がなくて水のポンプも動かず,パンジャブで暴動が起こっている。電力不足が繊維産業を直撃し,急激な輸出減に至っている。2013年まで選挙がないので,電気料金は上がるのに電気は足りないと言う矛盾を起こしつつある。政府は,2010年までに,4,000MWを新設すると言っているが,財政悪化の中,誰も信じていない。電源開発を行わず,3,000MW〜3,500MWの不足になっている。

電気料金を払ってもらえない発電企業は,発電を止めているし,送電ロスは30%にも達している。パキスタンの53%の人が,日8時間以上の停電に曝されている。生産額はこの10ヶ月で8%の下落,政府は,昨年,2008年11月,IMF(注7)の76億ドルの資金供与を受けた。世界銀行(注8),ADB(注9)は協力して,パキスタン財政の息の詰まるような破綻の問題点を究明している。

送電企業は,12.5億〜25億ドルの未払いの中でもがいており,発電企業に払うための政府補助金も滞りがちである。それはまた,石油企業への未払いにも発展してきている。問題は,政府がいつまで持つのか,と言う政治問題も絡んで,パキスタンの格付けが急激に落ちている。結局,今のパキスタンには,何とかして石油を調達する以外に方法はない。現在の日15.5万バレルは,2012年には17.7万バレルに上がる。

2008年で,パキスタンの電力の48%はガス火力で,34%が水力である。国内のガス包蔵は落ちてきており,イランからのガスパイプラインは,まだ5年は待たなければならない。カタールからのLNG輸入も視野にあるが,インフラを構築するための資金がない。とにかく2014年までは,石油とガスに依存して問題に対処するしか,パキスタンには手段が残されていない。

(注)C (1) 090802C Pakistan, news.alibaba,(2) title: FEATURE-Frail power sector holds Pakistani economy hostage,(3) http://news.alibaba.com/article/detail/energy/100140572-1-feature-frail-power-sector-holds-pakistani.html,(4) Published: 22 Jul 2009 00:29:57 PST,ISLAMABAD, July 22,(5) Maria Kuusisto, an analyst and Pakistan expert with consultancy Eurasia Group in London,(6) Sayem Ali, an economist with Standard Chartered in Karachi,(7) International Monetary Fund (IMF),(8) World Bank,(9) Asian Development Bank,(10) Aninda Mitra, senior sovereign analyst for Pakistan with Moody's in Singapore,(11) sovereign rating,(12) Praveen Kumar, head of the South Asia oil and gas team for FACTS Global Energy in Singapore,(13) liquefied natural gas (LNG),(14)

今日の参考資料

●090802C Pakistan, news.alibaba
パキスタンの脆弱な電力セクターは経済発展を阻害する
FEATURE-Frail power sector holds Pakistani economy hostage
http://my.reset.jp/adachihayao/index090802C.htm

http://news.alibaba.com/article/detail/energy/100140572-1-feature-frail-power-sector-holds-pakistani.html

最近の関連資料

●090713A Pakistan, dailytimes
パキスタンの大統領と首相が産業への円滑な電力供給を
‘President, PM for smooth power supply to industry’
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713A.htm
●090429B Pakistan, dawn
パキスタンの中央開発会議でエネルギー開発が最重要課題
Energy projects top agenda of CDWP meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090429B.htm
●090411B Pakistan, regionaltimes
パキスタンの電力需要はこの先5年で36,000MWへ
Power demand to rise upto 36,000MW in next five years: Pervez Ashraf
http://my.reset.jp/adachihayao/index090411B.htm
●090323B Pakistan, thenews
パキスタンの電力不足量は2,500MWの不足
Country to face power shortage of 2,500 MW till 31st
http://my.reset.jp/adachihayao/index090323B.htm
●090310B Pakistan, economictimes.indiatimes
パキスタンのザルダリ大統領が単独でもパイプラインを
Pak to go ahead with IPI project even without India Zardari
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310B.htm




2009年8月1日分 ー インドが南西岸にLNG基地建設へ ー

皆既日食に揺れ,モンスーンの遅れによる水不足や電力不足に悩むインドであるが,IT関係の記事を書いている竹田氏(注1)によると,今のインドの話題は,軍拡と原子力発電だと言っている。私も最近,インドの原子力潜水艦が試運転を行った,と言う記事を見た。中国は既に62隻の潜水艦を動かして,日本海,南沙諸島,インド洋を睨んで,動いている。要するに,インドも中国も,資源戦争のためのシーレーン確保なのだ。

中国が,遠くアフリカの資源や中東の原油ガスを中国へ運ぶために,インド洋,モーリシャス,スリランカ,ミャンマーのアラカン,と港湾整備に豊富な外貨を注ぎ込んでいるが,インドは,現在,西部北のダヘジにあるLNG基地の他,南部西岸,コーチンの港付近に,3,000億円相当以上を投じて,年量250万トンの容量を持つLNG再ガス化施設を建設し,2隻のLNG船調達や,各地域へのガスパイプラインを計画している。

インドは,全体的にこの南西部にエネルギーが不足している。石炭が出ないし,水力も少ない。そのために原子力発電所がこの地域に集中しているが,コーチンの港の位置を見ると,まさしくこの弱点を補う絶好の地点である。ではLNGはどこから持ってくるか。中東のカタールとは既に実績があるが,この南部の港には,オーストラリアのゴーゴンのLNGを視野に入れ,年150万トン,20年間の契約が,この2009年8月10日にも成約する。

まさに,中国とインドのシーレーンが,インド洋状上で激しく交差するわけで,空母建造を視野に入れている中国との,海軍力を中心とした激しい軍拡競争が始まる。インドの年間軍備費は,2兆円を超えているらしい。今,両国の間で余り関心を見せるような姿勢はないが,スリランカ周辺や,東のアンダマン諸島,更にもっと東の南沙諸島など,両国は虎視眈々とその行く先を睨んでいるだろう。

また,インドのジャムカシミールのインダス河上流,カラコルム山脈を回る標高3,000m以上のダム建設の話もすごい。45MW級二つの流れ込み式発電所が工事中で,2011年にも運転開始するが,中国などとの未確定国境を含む国境警備隊の軍用に持って行かれるという。現在のディーゼル発電所は,KWh当たり30円ぐらいするが,この水力が出来れば,KWh当たり12円ぐらいだと言っている。世界最高標高の水力発電所らしい。

中東最大級,イランのアザデガン油田は,日本企業が米国の思惑を見ながら渋っている間に,中国企業が70%の資本を獲得したという(注2)。フィリッピンのアキノ大統領死去。1984年のアキノ革命をインドネシアの山の中で見ていた,独裁に終焉,と讃えているが,原子力発電所をぶっ壊したのもアキノさんだった。アロヨ大統領はホワイトハウスにあって,オバマ大統領に,イスラム勢力の治安問題を指摘されている(注3)。

(注1) http://it.nikkei.co.jp/business/column/takeda_india.aspx?n=MMITzp000029072009
(注2) http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009080102000254.html
(注3) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090731D2M3101P31.html


本文

●インドの電源は向こう10年間で86.8%の増加となる計画である

This new India Power Report forecasts that the country will account for 12.06% of Asia Pacific regional power generation by 2013, with a potentially growing generation shortfall This new India Power Report forecasts that the country will account for 12.06% of Asia Pacific regional power generation by 2013, with a potentially growing generation shortfall. This forecast implies a rising dependence on imports.

ロンドンのビジネス・モニター・インターナショナルBMI(注7)という有名な格付け会社が出している定期的な報告書で,金融経済の始点が多く,余り取り上げていなかった。エネルギーベースで,設備との関係を論じていなくて,我々には余り役に立たないが,対象がインドであり,一度記事だけ読んでおこう。50億KWhは,大体,負荷率50%程度の1,000MW級発電所と考えて,見ていきたい。主たる数字だけ拾う。

インドの電力がアジア太平洋地域に占める割合は,2013年で12.06%と見ている。アジア太平洋地域では,2008年に7兆930億KWh,約14.2億KWで,前年の32%増。2013年には,6兆9990億KWh,約18.2億KW。火力は,2008年で,5兆5700億KWh,約11.1億KW,全体の78.5%であるが,2013年には,6兆9990億KWh,約14.9億KW,257%の伸びで,全体の比率としては,76.9%に減る。

インドの2008年の火力は,6,520億KWh,約1.3億KW,アジア太平洋地域の11.71%,2013年ではこれが12.65%になる。石炭はインドでは首位にある一次エネルギー源(注11)で,51.4%を占めており,続いて石油が31.8%,ガスが8.9%,水力が6.8%となっている。以下省略するが,格付けでは中国が上だが,カントリー・リスク(注15)が小さく,その差は5ポイントで,予測可能な範囲で,将来中国と競うだろうと。

(注)A (1) 090801A India, officialwire,(2) Indian Electricity Generation Is Expected To Increase By 86.8% During 2008 To 2018,(3) http://www.officialwire.com/main.php?action=posted_news&rid=12410&catid=882,(4) Published on July 30, 2009,by Press Office,(Companiesandmarkets.com and OfficialWire),LONDON, ENGLAND,(5) India Power Report Q3 2009,(6) http://www.companiesandmarkets.com/r.ashx?id=2B2THZ334154345,(7) BMI,Business Monitor International, London,(8) Asia Pacific power generation,(9) terawatt hours (TWh),10億KWh,(10) Asia Pacific thermal power generation,(11) primary energy demand (PED),(12) tonne oil equivalent (toe),(13) Asia Pacific nuclear market,(14) Power Business Environment Rating,(15) Country risk factors,(16) real GDP growth,(17) long-term BMI power forecasts,(18) graph source: http://www.growthconsulting.frost.com/,(19)

今日の参考資料

●090801A India, officialwire
インドの電源は向こう10年間で86.8%の増加となる計画である
Indian Electricity Generation Is Expected To Increase By 86.8% During 2008 To 2018
http://my.reset.jp/adachihayao/index090801A.htm

http://www.officialwire.com/main.php?action=posted_news&rid=12410&catid=882

最近の関連資料

●090715B India, indiainfoline
インドのシンディ電力大臣が電力不足は20,000MWに達していると
India has 15,000-20,000 MW power shortfall: Shinde
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715B.htm
●090531C India, hindu
インドのシン新政権誕生で電力改革と地方電化を推進へ
Big push to rural electrification on cards
http://my.reset.jp/adachihayao/index090531C.htm
●090305A India, telegraphnepal.
インドなどの南アジアエネルギーへの提案
Regional Energy Market in South Asia: Recommendations
http://my.reset.jp/adachihayao/index090305A.htm
●081215B India, Economic Times
電力大臣,2012年までに,全家庭に電気を
Electricity for all by 2012 Power Minister
http://my.reset.jp/adachihayao/index081215B.htm
●081206A India, businessspectator.
インドの電源開発,もう引っ返す道なし
WEEKEND READ: India's big test
http://my.reset.jp/adachihayao/index081206A.htm


●インドのNHPCが世界で標高が最も高い水力プロジェクト工事たけなわ

Recently in Leh At well over 10,000 feet, NHPC Ltd’s Nimoo Bazgo and Chutak hydro projects are among the highest in the world.
With construction running pretty much on schedule, the two high altitude projects, being set up on rugged Himalayan terrain, promise to light up the Leh and Kargil regions, respectively.

インダス河がカラコルム山脈の南を巡るように北西の方向に流れ落ち,ジャム・カシミールのインド実効支配地域をはずれる角に,パキスタンは,巨大なバシャダムの建設に向かって推進しているが,この地点からインダス河は大きく南に転じて,パキスタンの平野を流れ下る。この上流の,カラコルム山脈の南の端の辺り,その麓にレー(注10)という町があり,更に135km下流に,カルギル(注17)という町がある。

いずれも古代より,中国のチベットとの重要な交通の要所で,冬になると,この部分だけを除いて交通は止まる,冬はマイナス摂氏30度,夏は39度を超す。標高は,10,000フィートと言うから,優に3,000mを越しているわけで,NHPC(注6)のエンジニアー達は,ここで水力発電ダムの建設に命をかけている。規模は,45MW程度で,僻地の電力供給としては大きいが,国境地帯,しかも未確定,相当の電力が軍用に使われる。

上流のレー(注10)の近くのプロジェクトは,45MWのニモー・バズゴ水力(注7)であり,下流のカルギル(注11)の近くは,44MWのチュタック水力(注8)であり,いずれも50mぐらいの高さを持ったダムと長いトンネルを有する流れ込み式水力(注14)である。記事によると,これらの水力による発電原価は,KWh当たり580ルピア,約12.13セント,これに対して現在のディーゼル発電は,KWh当たり15ルピー,約31.4セントという。

世界でもっとも標高の高い水力発電所になる,と書いてある。ペルーの山奥で発電機を付けようとしたダムは標高4,500mだったがな。それにしても,極寒の地で温度と戦いながら,コンクリートを打ち続ける苦労は大変なものだと思う。高山病にかかる関係者も多くでているとか。黒四に決死ででていった我々の先輩を見ているが,このカラコルムの水力開発は,黒四を凌ぐ。

(注)B (1) 090801B India, thehindubusinessline,(2) title: NHPC rises to new highs to light up Leh, Kargil,(3) http://www.thehindubusinessline.com/2009/07/28/stories/2009072850722100.htm,(4) Anil Sasi,(5) photo source: (thehindubusinessline),High altitude projects: Construction work in full swing at NHPC’s Nimoo Bazgo power project in Leh,(6) NHPC Ltd,(7) 45MW Nimoo Bazgo hydro project,(8) 44MW Chutak hydro project,(9) Leh At,(10) Leh region, (11) Kargil region,(12) Ladakh region,(13) Mr H. N. Satyanarayana, NHPC’s Senior Manager (Civil), at the Nimoo Bazgo project site,(14) run-of-the-river scheme,(15) Jammu and Kashmir,(16) Indus river,(17) Suru river in Kargil,(18) Hindustan Construction Company (HCC),(19) CDM (clean development mechanism),(20) Mr S. Majumdar, HCC’s Deputy Project Manager at the Leh site,(21) phto map source: http://www.powermin.nic.in/,(22) phto map source: http://www.powermin.nic.in/whats_new/pdf/chutak_book.pdf,(23)

今日の参考資料

●090801B India, thehindubusinessline
インドのNHPCが世界で標高が最も高い水力プロジェクト工事たけなわ
NHPC rises to new highs to light up Leh, Kargil
http://my.reset.jp/adachihayao/index090801B.htm

http://www.thehindubusinessline.com/2009/07/28/stories/2009072850722100.htm

最近の関連資料

●090616B India, bloomberg
インドのNHPC新総裁指名と株式上場の9月日程
India to Name NHPC Director, Paving Way for IPO by September
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●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month
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●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://my.reset.jp/adachihayao/index090210B.htm
●090202B India, Economic Times
インド,小水力の未開発地点は,80%残っている
India yet to tap 80 pc of small hydropower potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index090202B.htm
●090120A India, Economic Times
インドのNHPC,周辺海外の水力開発に大きな賭け
NHPC bets big on overseas mkts,eyes Bhutan, Myanmar & Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120A.htm
●081129C India, Economic Times
インド,水力開発,地方電化で優先資金獲得
Hydro projects, rural power to get priority funds
http://my.reset.jp/adachihayao/index081129C.htm


●インドのペトロネットが2011年までに1450億ルピーのLNG投資

Petronet LNG, India's major provider of liquefied natural gas (LNG), plans to line up Rs14,500 crore investment by 2011 for its LNG terminal, power plant and allied projects in Puthuvypeen, near Kochi in Kerala. The 2.5 MMTPA (million metric tonnes per annum) LNG re-gasification project will involve an investment of Rs3,750 crore and the proposed 1,068 megawatt gas-based power plant would cost Rs3,250 crore.

現在世界のマーケットで原油価格は落ちついているが,それ以上にLNGの価格の低下が注目を浴びており,アジアでのガス田の開発もあって,LNGが発電燃料などで関心を集めている。インド最大のLNG供給企業,ペトロネットLNG(注5)が,2011年までに,1,450億ルピーを投入して,ケララ州(注9)のコチン港(注8)の近く,プトビピーン(注7)に,LNGターミナルと火力発電所の建設を計画している。

この計画の中には,375億ルピーの再ガス化施設(注11)と,325億ルピーの1,068MW,ガス火力が含まれている。また,250億ルピーで2隻のLNG船(注12)の調達も入っている。また,国家ガスGAIL(注13)は,コチン(注8)からそれぞれ,マンガロール(注14),コイムバトーレ(注15),エロウデ(注16),サレム(注17),バンガロール(注18)を結ぶガスパイプラインに,500億ルピーを投ずる計画である。

LNG(注6)の供給元は,オーストラリアのゴーゴン(注21)で,オーストラリアのエクソンモビル(注20)とペトロネットLNG(注5)は,この,2009年8月10日に,年量150万トンのLNGを,20年間,供給されることになっている。また,肥料企業(注22)と発電のNTPC(注23)のカヤムクラム火力(注24)にも供給する計画である。

(注)C (1) 090801C India, domain-b,(2) title: Petronet LNG to invest Rs14,500 crore by 2011 news,(3) http://www.domain-b.com/companies/companies_p/Petronet_LNG/20090727_petronet_lng.html,(4) 27 July 2009,(5) Petronet LNG,(6) liquefied natural gas (LNG),(7) Puthuvypeen,(8) Kochi,(9) Kerala,(10) MMTPA (million metric tonnes per annum),(11) LNG re-gasification project,(12) LNG vessels,(13) Gas Authority of India Ltd. (GAIL),(14) Mangalore,(15) Coimbatore,(16) Erode,(17) Salem,(18) Bangalore,(19) Petronet managing director P Dasgupta,(20) ExxonMobil Corp,(21) Gorgon,(22) Fertilisers and Chemicals Travancore Ltd,(23) National Thermal Power Corporation,(24) Kayamkulam plant,(25) Cochin Port Trust,(26) photo source: http://www.naturalgas.org/lng/lng.asp,(27) photo source: http://en.wikipedia.org/wiki/File:Kochi_India.jpg,(28) photo source: Cochin pot, http://michaels-land-resort.com/,(29)

今日の参考資料

●090801C India, domain-b
インドのペトロネットが2011年までに1450億ルピーのLNG投資
Petronet LNG to invest Rs14,500 crore by 2011 news
http://my.reset.jp/adachihayao/index090801C.htm

http://www.domain-b.com/companies/companies_p/Petronet_LNG/20090727_petronet_lng.html

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●090402C India, Economic Times
インドのリライアンスがKG流域ガスの生産開始
RIL's KG-D6 block gas project goes on steam
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●090320B India, Economic Times
インドなどはLNG価格の低下で莫大な節約に
50% cheaper LNG may save $750 mn in FY10
http://my.reset.jp/adachihayao/index090320B.htm
●081222B India, Economic Times
インド,輸入のLNG,35%値上がりへ
LNG to cost up to 35 pc more at USD 6.7 per mmBtu from Jan
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●081217C India, Economic Times
インド,LNGから転換へ,ナフタがより安価と
India curbs LNG buying as naphtha cheap option
http://my.reset.jp/adachihayao/index081217C.htm




アジアのエネルギー最前線 0902