2009年11月29日更新
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2009年11月29日 ー インドは温暖化ガス削減目標でプレッシャー ー

中国の,GDP当たり40〜45%削減,の発表を受けて,インドのラメシュ環境相が北京に飛び,温家宝首相と会談した。太陽光発電20,000MW開発,エネルギー効率化,ビルや交通の効率化,など,その努力を前面に打ち出して来たインドとしては,数値として中国にCOP15を目前にして,抜き打ち的に発表がなされたことには,少なからずショックと不満が渦巻いている。インドもそのぐらいな腹づもりはある,と言うわけだ。

中国は,2020年にGDP当たりの温暖化排出ガスを最大で45%削減する,と言っているわけだが,この数字をチェックしてみよう。中国の現在のGDPは4兆4016億ドルで温暖化ガス排出は27.8億トンだから,1兆ドル当たり6.31億トンである。45%削減は,3.47億トンである。後10年間でGDPが年率8%で伸びると,約2倍の8.8兆ドルだから,削減した結果の排出量は,30.5億トンで,約10%の温暖化ガス排出増となる。

これは中国に言わせれば,4.4兆ドルのGDPが8.8兆ドルまで伸びて現在の米国を追い抜くほどに世界経済に貢献し,それでも温暖化ガスは僅かに2.7億トンしか増えない,素晴らしい,と言いたいわけである。現在の日本が,GDP1兆ドル当たり2.44億トンだから,日本経済の現在の状況に比べても,なお40%も効率が悪い状態だ,と言うことが出来る。確かに,45%と言う数字にしては,若干努力不足と映る分けである。

これを一斉に西欧のメディアがついた。今朝の日経の社説は,輸入原油に依存する中国は,更に一段のエネルギー効率化を図ることが自国経済のためにも有利だ,と更なる努力を促している。北京で行われた記者会見では,西側記者の,「数値目標に国際的拘束力をもたせないのは,削減行動自体を放棄するのと同じ意味ではないか」,との質問に対して,国家発展改革委員会の解振華副主任が怒った。

「あなたの質問はおかしい。人類に対する責任として取り組もうとしているのに。」,と気色ばんだが,まさに国際的な中国パッシングに変わっていることに,中国側は,心外だ,と言うことだろう。私も,ここは一つ,米国も数字を出したことだから,ある程度ことを進めるべきではないかと思う。しかし中国は,もっとフランクに議論すべきで,GDP当たりが何を意味するが,皆分かっているけれども,もう少し説明しながら,提案すべきではないか。

もう一度ここに数字を見ておく。世界の温暖化ガス排出量は230億トン,世界のGDP総額は60兆6900億ドルで1兆ドル稼ぐのに3.79億トンの排出となる。同じ計算をしてみると,米国が56.1億トン排出で14兆2646億ドルだから1兆ドル当たり3.93億トン,日本が12.0億トンで4兆9238億ドルだから1兆ドル当たり2.44億トン,ドイツが7.8億トンで3兆6675億ドルだから1兆ドル当たり2.13億トン,となる。

メコン河委員会の閣僚会議が,タイのフアヒンで開かれた。見るべき議論はないが,メコン下流本流上に提案されている11のダム建設計画を,真面目に取り上げているようだ。事務局も,頭からこれを否定するわけでなく,一環の環境調査で対応する。これに対して中国が,協力する,と応じてきているので,メコン委員会側は,上流ダムの開発も含めた流域全体が対象になる,と張り切っているが,そうは旨くいかないだろう。

サウジアラビアが豪雨で100名が犠牲になったという。雨が見たいのでインドへ観光旅行に行く,というサウジアラビアで豪雨とは,信じられない。経済産業省が,知的送電網,スマートグリッドの研究会を主宰するという。知的送電網の鍵はバッテリーで,送電線がいくら賢くても,気ままな太陽光や風力を最大限には活用できない。太陽光や風力が,最低有効出力ゼロ,というのは,どう考えるのですかね,

その他のニュース。ベトナム国会は原子力開発地点など承認して閉会。ベトナム国会は国営企業の効率化法案を可決して閉会。ウガンダの油田ブロックの入札で巨大企業が競争。フィリッピンのアボイテスがバタンガスへの電力供給認可を要請。ネパールの法務大臣が750MWウエストセティ水力の合意書変更は主権に係わると。インドのHP州でADB資金によるサインジ水力は着工。

インドのマハラシュトラ州政府がジャイタプール原子力の用地手配を1月までにと。インド電力省はウッタルカンドの3水力プロジェクト開始に向け現地訪問。エチオピアは600MWのテケゼ第2水力を第1水力の下流60km計画。中国の三峡ダムが15年かかって最終水位に達する機会に得た教訓。ブータンの氷河湖決壊問題は国際協力の努力が必要。


今日の主題

●091129E India, telegraphindia
インドにとって中国の温暖化ガス削減策は大きなプレッシャー
Holes in China green plan

http://my.reset.jp/adachihayao/index091129E.htm
http://www.telegraphindia.com/1091128/jsp/nation/story_11796734.jsp
●091129I Mekong, reliefweb
メコン諸国の閣僚がフアヒンに集まって水問題を協議
Mekong Ministers meet in Hua Hin to discuss water issues
http://my.reset.jp/adachihayao/index091129I.htm

http://www.reliefweb.int/rw/rwb.nsf/db900SID/HHVU-7Y5FCC?OpenDocument


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091129G Vietnam, saigon-gpdaily
ベトナム国会は原子力開発地点など承認して閉会
NA session closes, two resolutions passed
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/11/76462/
○091129H Vietnam, thanhniennews
ベトナム国会は国営企業の効率化法案を可決して閉会
Legislators want ineffective state-owned firms dissolved
http://www.thanhniennews.com/politics/?catid=1&newsid=53977
○091129A Uganda, newvision
ウガンダの油田ブロックの入札で巨大企業が競争
Giants compete for Uganda's oil
http://www.newvision.co.ug/D/8/12/702590
○091129B Philippines, bworldonline
フィリッピンのアボイテスがバタンガスへの電力供給認可を要請
Aboitiz asks for approval of Bauan contract
http://www.bworldonline.com/main/content.php?id=2317
○091129J Nepal, myrepublica
ネパールの法務大臣が750MWウエストセティ水力の合意書変更は主権に係わると
Law Ministry opposes West Seti renewal, advises against new clauses
http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=12313
○091129C India, sindhtoday
インドのHP州でADB資金によるサインジ水力は着工
Work begins on ADB-funded hydropower project in Himachal
http://www.sindhtoday.net/news/1/76317.htm
○091129D India, indianexpress
インドのマハラシュトラ州政府がジャイタプール原子力の用地手配を1月までにと
Land acquisition for Jaitapur project by Jan: state to NPCIL
http://www.indianexpress.com/news/land-acquisition-for-jaitapur-project-by-jan-state-to-npcil/547161/
○091129F India, business-standard
インド電力省はウッタルカンドの3水力プロジェクト開始に向け現地訪問
Centre takes steps to revive stalled Uttarakhand hydropower projects
http://www.business-standard.com/india/news/centre-takes-steps-to-revive-stalled-uttarakhand-hydropower-projects/377654/
○091129K Ethiopia, ezega
エチオピアは600MWのテケゼ第2水力を第1水力の下流60km計画
Ethiopia planning to build Tekeze II
http://www.ezega.com/News/NewsDetails.aspx?Page=heads&NewsID=1849
○091129L China, japanfocus
中国の三峡ダムが15年かかって最終水位に達する機会に得た教訓
Lessons from China’s Three Gorges Dam
http://japanfocus.org/-Peter-Bosshard/3262
○091129M Bhutan, surfbirds
ブータンの氷河湖決壊問題は国際協力の努力が必要
International effort to drain dangerous Bhutan lake
http://www.surfbirds.com/sbirdsnews/archives/2009/11/international_e.html


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○知的送電網,スマートグリッドの規格作り提言へ,経産省が新組織
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091129AT3S2703U28112009.html
○日産,電気自動車の走行距離2倍に,電池新技術で300キロ
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091129AT2G2800228112009.html
○コメ国際価格,高騰の恐れ,フィリピン・インドは不作,輸入拡大へ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091129AT2M2802228112009.html
○日経社説,米中のCO2削減は不十分
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20091128AS1K2700628112009.html
○サウジアラビアの洪水,死者100人に近づく
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200911290005.html
中国『排出世界一』に反論 温室ガス削減圧力けん制
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009112902000078.html


本文

●インドにとって中国の温暖化ガス削減策は大きなプレッシャー

China’s proclamation of plans to slow down its greenhouse gas emissions growth may intensify pressure on India to quantify its own actions but Beijing hasn’t given away anything yet, climate change analysts have said. Chinese Prime Minister Wen Jiabao announced on Thursday that China would cut emissions intensity by 40 per cent by 2020 ? a day after President Barack Obama said he would call for a US emissions reduction target of 17 per cent below the 2005 levels by 2020.

中国が,COP15を間近に控えて,温暖化ガス抑制へ新目標,GDP当たり40〜45%削減,を打ち出した。炭素強度を基本とした指標であり,それは既に,今年,2009年9月に,湖錦濤主席がワシントンで中国の考え方を表明したときに出た考え方である。この発表を見たインドの環境大臣,ラメシュは,直接北京に飛んで,温家宝首相との会談を持っている。インドとしては,削減目標をまだ明らかにしていない。

米国のオバマ大統領(注6)が,この木曜日,2009年11月26日,2005年レベルで2020年までに17%削減,を打ち出して一日後,温家宝首相(注5)が,中国は,炭素強度で2020年までに40%削減,を打ち出した。

この二つの発表で,世界の温暖化ガス排出量トップ5の中で,削減目標を発表していないのはインドだけになった。グリーンピースのパタック氏(注7)は,インドは目標値を明らかにするプレッシャーを感じているはずだ,と見ている。インドは確かに,再生可能エネルギー拡大,エネルギー効率改善,ビルと公共交通機関の効率化,について積極的な計画を発表しているが,これが温暖化ガス排出削減に及ぼす影響を説明していない。

しかし,専門家が指摘するように,中国の発表は,温暖化ガス排出を今後も増大すると言っており,ただその増大の速度を抑える,と言っているだけで,その程度の成果となるかは,その経済成長によって決まることになる。ワシントンのシンクタンク,WRI(注9)も,排出強度は,経済成長単位当たりのガス排出量を言っているので,中国の急速な経済発展を見ると,排出量の絶対値は増えることになる,と指摘している。

しかし,米国と中国のこの発表は,来月,2009年12月のコペンハーゲンでのCOP15に於いて,国際的な排出削減の合意に,大きな支援となるものだ。しかし,インドの気候変動チームのゴッシュ氏(注11)は,中国は何もしていない,削減量を言っていないし,国際的なモニタリングや検証にも触れていない,また国際的な協議についても触れていない,と言っている。

CSEのヤダブ氏(注12)も,中国の発表は何も特別なものではない,インドの炭素強度は既に中国より低いし,もしやろうと思えば,インドは明日にでも同じ発表が可能だろう,と言っている。この数週間,2022年までに太陽光発電を20,000MW開発する,と言っているが,これが温暖化ガス排出にどれほどの効果をもたらすかを,定量的に説明しなければならないと言う圧力を感じてきている。

中国,米国に次いで第3に排出地域であるEUは,一方的に,2020年までに25%削減,をコミットしているし,第4の排出国ロシアも,EUと同様の削減を行うだろう,と言っている。グリーンピース(注7)によると,インドが発表している再生可能エネルギー拡大,エネルギー効率化,ビルと公共交通施設の効率化,を考えると,インドは2020年までに15〜18%の削減が可能だろう,と見ている。ブラジルとインドネシアは,途上国の中で2020年までの削減を発表しているグループだが,彼等は第一に,森林喪失の抑制を掲げている。

(注)E (1) 091129E India, telegraphindia,(2) title: Holes in China green plan,may intensify pressure on India,(3) http://www.telegraphindia.com/1091128/jsp/nation/story_11796734.jsp,(4) OUR SPECIAL CORRESPONDENT,New Delhi, Nov. 27,(5) Chinese Prime Minister Wen Jiabao,(6) President Barack Obama,(7) Siddharth Pathak, a climate campaigner with the non-government environmental organisation Greenpeace,(8) emissions intensity,(9) World Resources Institute,(10) UN meeting on climate change in Copenhagen, Denmark,(11) Prodipto Ghosh, a member of India’s climate change negotiating team,(12) Kushal Yadav, a climate policy analyst at the non-government Centre for Science and Environment,(13) gas emission by sector, graph spurce: http://www.globalwarmingart.com/wiki/File:Greenhouse_Gas_by_Sector_png,(14) gas emission by countries,graph spurce: http://en.wikipedia.org/wiki/File:World_CO2_emission_by_country_2006.svg,(15)

今日の参考資料

●091129E India, telegraphindia
インドにとって中国の温暖化ガス削減策は大きなプレッシャー
Holes in China green plan

http://my.reset.jp/adachihayao/index091129E.htm
http://www.telegraphindia.com/1091128/jsp/nation/story_11796734.jsp

最近の関連資料

●2009年11月28日付本サイト
中国が温暖化ガスGDP当たり45%削減を発表
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
●2009年9月22日付本サイト
中国が温暖化ガス削減で炭素強度の指標を示唆
http://my.reset.jp/adachihayao/index090922.htm


●メコン諸国の閣僚がフアヒンに集まって水問題を協議

Hydropower, climate change, fisheries and flood management loom large for the Mekong Basin, with ministers from four countries meeting in Hua Hin this week to discuss strategies for trans-boundary river management. The annual meeting of the Mekong River Commission (MRC) Council was an opportunity for Cambodia, Lao PDR, Thailand and Viet Nam to share views and discuss the future direction of the river basin, as well as how Member Countries can assist each other in addressing the challenges posed by increasing pressures on water resources.

メコン河委員会の閣僚会議(注7)が,今週,タイの南部のフアヒンで開催され,タイのスイット水資源大臣(注8)が,その協議の状況を説明した。メコン流域(注5)の国境を跨ぐ河川管理の議題は,広く,水力発電,気候変動,漁業,洪水対処などに亘る広範な問題である。スイット水資源大臣(注8)は,環境問題の重要性を強調し,関係国の協力を求めた。

メンバー国の,カンボジア,ラオス,タイ,ベトナムは,水資源一貫管理計画(注9)の元に,その灌漑,水力発電,やその他の水資源問題に関して,5年計画を確立することも,重要な議題の一つだ。メコン河委員会事務局長のバード氏(注)は,水力開発,気候変動の影響,人口の増大が,水資源需要に大きな圧力となっている,しかし,関係国の協力によって,水資源が,地域発展の大きな鍵だ,と言っている。

また,現在,民間企業によって提案されているメコン下流域本流上の11のダム開発計画について,その影響と,経済開発への貢献について,閣僚間で話し合いが行われた。メコン河委員会MRC(注7)は,これについて,環境調査を実施することを決定し,中国政府もこの調査に協力する,としていることから,上流も含めたメコン全体の開発の実態と計画が調査されるものと期待されている。

また,メコン開発協力国からの発表も行われて,フランス政府が,環境計画で50万ユーローを,またベルギー政府が,舟運計画と水力開発の持続的開発を探る調査のため,700万ユーローの供与を表明した。


(注)I (1) 091129I Mekong, reliefweb,(2) title: Mekong Ministers meet in Hua Hin to discuss water issues,(3) http://www.reliefweb.int/rw/rwb.nsf/db900SID/HHVU-7Y5FCC?OpenDocument,(4) Source: Mekong River Commission For Sustainable Development (MRC),Date: 28 Nov 2009,Vientiane, Lao PDR/Hua Hin, Thailand,(5) Mekong Basin,(6) Hua Hin,(7) Mekong River Commission (MRC) Council,(8) Minister of Natural Resources and Environment, H.E. Mr. Suwit Khunkitti,(9) Integrated Water Resource Management,(10) Jeremy Bird, CEO of the MRC,(11) Strategic Environmental Assessment,(12) 1995 Agreement on the Cooperation for the Sustainable Development of the Mekong River Basin,(13) Khy Lim, MRCS Communication Officer; Tel: +(856 20)552 8726; E-mail: khy@mrcmekong.org,(14) Mekong river, photo source: http://www.mekong.es.usyd.edu.au/case_studies/rbm/MDMK/MK/MKBasinGlance.htm,(15) Land cover map, map source: http://www.mekong.es.usyd.edu.au/case_studies/rbm/MDMK/MK/MKBasinGlance.htm,(16)


今日の参考資料

●091129I Mekong, reliefweb
メコン諸国の閣僚がフアヒンに集まって水問題を協議
Mekong Ministers meet in Hua Hin to discuss water issues
http://my.reset.jp/adachihayao/index091129I.htm

http://www.reliefweb.int/rw/rwb.nsf/db900SID/HHVU-7Y5FCC?OpenDocument

最近の関連資料

○091108C Laos, timesonline
ラオスのルワンプラバンを中心とした紀行紀でメコンの落ちついた旅
A slow, ponderous journey up the Mekong
http://www.timesonline.co.uk/tol/travel/destinations/south_east_asia/article6904497.ece
○091105H Mekong, reuters
日本政府はメコン沿岸諸国代表を東京に招き気候変動など協議
Japan courts leaders from Mekong River region
http://www.reuters.com/article/asiaCrisis/idUSHAN427961
○091020C Mekong, voanews
メコンの環境市民グループがフォーラムでメコン下流のダム開発を否定
Civic Groups Press to End Hydropower Development on Lower Mekong River
http://www.voanews.com/english/2009-10-19-voa14.cfm
●091003D Mekong, greeninc.blogs.nytimes
メコン流域の発展はエネルギー開発の必要を促すと米国大使
Rising Energy Needs Along the Mekong
http://my.reset.jp/adachihayao/index091003D.htm
●090730A Mekong, The Nation
メコン圏への大国の介入にタイなどはどの様に対処すべきか
As superpowers eye the Mekong, Thailand should act
http://my.reset.jp/adachihayao/index090730A.htm
●090730C Mekong, saigon-gpdaily
メコン沿岸諸国が環境問題で米国と会合
Mekong countries, US meet for environment
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/International/2009/7/72786/
●090702B Mekong, ipsnews
メコン川本流のダム開発は水戦争を勃発させる
Dams Across the Mekong Could Trigger a ‘Water War’
http://my.reset.jp/adachihayao/index090702B.htm
●090702C Mekong, slowfood
メコン河流域の漁民など住民が本流ダム開発で関係政府に抗議
Fighting for the Mekong
http://sloweb.slowfood.com/sloweb/eng/dettaglio.lasso?cod=3E6E345B0f30127197IHt160F9F5
●090702D Mekong, news.asiaone
メコン河流域のダム反対の住民に世界がこぞって合流
World joins Mekong citizens in battle to stop dam building
http://news.asiaone.com/News/Latest%2BNews/Asia/Story/A1Story20090621-149910.html
●090702E Mekong, rfa
メコン河上流の中国のダムに対してメコンデルタから反対の声
Upstream Dams 'Threaten Mekong'
http://www.rfa.org/english/news/vietnam/mekong-06162009095500.html
●090601A Mekong, saigon-gpdaily
メコン河委員会が上流も含めた本流ダム開発を検討へ
Mekong body starts evaluating mainstream dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090601A.htm
●090529A Mekong, emediawire
メコン河電力サミットが開催され流域の開発調整が行われる
Regulatory Complexities To Be Addressed At Mekong Power Summit
http://my.reset.jp/adachihayao/index090529A.htm


2009年11月27日 ー インドネシアはアジアからモスレム世界へ ー


三菱商事が,まさに日本の生命線として死守する,インドネシアの中央スラウエシ,ドンギ-スロノLNGプロジェクトであるが,何とも不思議な記事である。リビアの油田と結びつけて,スリランカ現地紙の中東経済専門の記者がジャカルタで書いた記事だ。しかし,そこには,ASEANの盟主としての存在感を誇るインドネシアが,改めてモスレム国家であることを思い出させ,中東の経済の発展に従って,インドネシアが揺れ動く様が,読みとれる。

この記事の前に,中国石化新聞が2009年9月9日に報じた,リビアの石油権益に関する記事を頭の中に入れておく必要がある。それは,中国石油天然ガス集団CNPCが,リビアの石油権益を握るカナダ籍のVERNEXの5億ドル弱の買収に走ったが,リビア国営石油公社NOCが,その申請書を握ったまま無言を続けたために,CNPCは,VERNEXの買収を諦めた,と言うことである。

これはあくまで書いた記者の見方であるが,インドネシアの多国籍企業MEDCOが,リビア投資庁と連携して,カナダ企業を,2013年に生産開始するリビアのガダメス油盆の権益から追い出し,また5億ドルで買収にかかった中国石化を諦めさせて,この有望な油田をモスレム国家同士が連携して運用して行くことになった,と言うものである。ここで,第2期を迎えたユドヨノ大統領と新任のハッサン外相の策略があったと言う。

MEDCOが中東に走った大きな理由は,日本が進めるドンギ-スノロLNGプロジェクトの混迷にあるという。ドンギ-スノロLNGプロジェクトは,今までもこのサイトで扱ってきたように,カラ前副大統領の介入で,このLNGは国内優先,と決定し,関西電力がまず引き取り手の役から早々と撤退し,これに対して34億ドルの主たる資金調達の担い手であるJBICが,枠組みが崩れた,として再検討を示唆している。

もう一つの引き取り手である中部電力は粘り腰で,国益優先,とまだ三菱商事支援の態勢であり,ジャカルタで開かれた日本インドネシアの定期協議の席上で,資源エネルギー庁の上田審議官が中心となって,JBIC融資態勢を背景に,新任のダーウイン・エネルギー鉱業相とエビタ総局長に,日本とインドネシアにとって極めて重要なプロジェクト,と圧力をかけ続けている。

インドネシアのエネルギー危機という小さな世界の問題は,日本,中国,韓国という地域の需要の増大と,国内需要の伸びで,プロジェクト自体は,外部からの巨大投資がなければ持たない状況だ。ASEANとプラス3は,世界の景気回復の鍵を握る立場にある。しかし,この世界経済,地域の需要,更にはインドネシア国内のエネルギー不足の,三つの関係をインドネシア一国に任すには,荷が重い,と言うことだ。

このような状態の中で,エネルギーのポテンシャルも高く,金融の力も強く,更にはイスラム会議OICのメンバー国としての同情,などを考えると,インドネシアは今後,中東やマグレブに,ここしばらくは,のめり込んで行く可能性が高い。だから今回の取引では,リビヤが勝ち組とすれば,それに対して日本は負け組,インドネシアはその中間をとった,と言えるのではないか,と見ている。イスラム経済の専門家でなければ書けない記事だ。

中国が,COP15を間近に控えて,温暖化ガス抑制へ新目標,GDP当たり40〜45%削減,を打ち出した。中国はそのGDP,即ち経済規模に比べてエンジンが大きすぎる,と言い始めたのは,8年前の我々海電調一派だった。だから湖錦濤主席が,この9月初めにニューヨークで,ガス排出量削減はGDP当たりで行こう,と言い始めたときは,ハハン,と言う感じだった。あのとき試算したものを見直してみる。

世界の温暖化ガス排出量は230億トン,世界のGDP総額は60兆6900億ドルで1兆ドル稼ぐのに3.79億トンの排出となる。同じ計算をしてみると,米国が56.1億トン排出で14兆2646億ドルだから1兆ドル当たり3.93億トン,日本が12.0億トンで4兆9238億ドルだから1兆ドル当たり2.44億トン,ドイツが7.8億トンで3兆6675億ドルだから1兆ドル当たり2.13億トン,となる。

これに対して,中国は27.8億トン排出で4兆4016億ドルだから1兆ドル当たり6.31億トン,インドは10.8億トン排出で1兆2097億ドルだから1兆ドル当たり8.93億トンとなる。中国と日本を比べると,実に中国は2.6倍近い温暖化ガスを排出していることになる。この数字から行くと,中国がGDP当たり45%削減しても,まだ1兆ドル当たり34.7億トンで,日本の1.42倍と言うことになる。まっいいか。

京大の森林,四手井綱英名誉教授が97歳で亡くなられた記事を見た。私が30歳で由良川上流にダムを考えていた頃,先生は53歳だったのか。京大の芦生演習林の中にダムを造ろうとしていて,私は初めて,原生林保護,と言う言葉を聞いた。経済発展のために原生林を大切にする,などという発想は,あのころの若者にはなかった。それから会社の幹部が先生と交渉したが,結局ダムは出来ず,我々は兵庫の市川に移動した。合掌。

その他の今日の記事。フィリッピンの規制委員会はMERALCOの損失上限延期を却下。インドのヒマチャルでサトルジュ川の水力開発に反対するデモ。インドネシアはエネルギー効率化で40億ドルが必要とADB。インドネシア政府と日本がスラウエシのLNGプロジェクト継続で協議。インドネシアのPGNが10億ドルでLNG解凍基地を2カ所建設へ。インドネシアのパイトンに対する12億ドルのANZ銀行が撤退。インドネシアのジャワバリ系統拡充のためADBが1億ドル。中国の青海省のチベット族居住地域で水力発電が22年間稼働。アンゴラでポルトガル電力企業が複合火力建設へ。


今日の主題

●091127E Indonesia, srilankaguardian
インドネシアのLNG基地問題はリビヤの介入で日本が失う可能性
Libya wins, Japan maybe loses, Indonesia in-between
http://my.reset.jp/adachihayao/index091127E.htm

http://www.srilankaguardian.org/2009/11/libya-wins-japan-maybe-loses-indonesia.html


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091127A Philippines, businessmirror
フィリッピンの規制委員会はMERALCOの損失上限延期を却下
ERC denies Meralco’s plea to defer new system loss cap set for next year
http://businessmirror.com.ph/home/companies/19011-erc-denies-meralcos-plea-to-defer-new-system-loss-cap-set-for-next-year.html
○091127J India, himachal
インドのヒマチャルでサトルジュ川の水力開発に反対するデモ
Tribal Kinnaur up in arms against hydropower development in Himachal
http://himachal.us/2009/11/26/tribal-kinnaur-up-in-arms-against-hydropower-development-in-himachal/17373/people/ravinder
○091127B Indonesia, antara
インドネシアはエネルギー効率化で40億ドルが必要とADB
RI`s energy efficiency program needs $4 billion
http://www.antara.co.id/en/news/1259231495/adb-ris-energy-efficiency-program-needs-4-billion
○091127C Indonesia, tradingmarkets
インドネシア政府と日本がスラウエシのLNGプロジェクト継続で協議
RI, JAPAN DISCUSS MASELA, SENORO GAS MEGA PROJECTS
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2681584/
○091127D Indonesia, thejakartapost
インドネシアのPGNが10億ドルでLNG解凍基地を2カ所建設へ
PGN to invest $1b in LNG receiving terminals
http://www.thejakartapost.com/news/2009/11/26/pgn-invest-1b-lng-receiving-terminals.html
○091127F Indonesia, ifrasia
インドネシアのパイトンに対する12億ドルのANZ銀行が撤退
ANZ Exits Paiton Energy PF Deal
http://www.ifrasia.com/loans-anz-exits-paiton-energy-pf-deal/330229.article
○091127G Indonesia, bernama
インドネシアのジャワバリ系統拡充のためADBが1億ドル
ADB Allocates US$100 Million Loan To Fix Java-Bali Power Grid
http://www.bernama.com/bernama/v5/newsworld.php?id=458227
○091127H China, chinatibet.people
中国の青海省のチベット族居住地域で水力発電が22年間稼働
Hydropower station in Qinghai's Tibetan area operates for 22 years
http://chinatibet.people.com.cn/6824585.html
○091127I Angola, macauhub
アンゴラでポルトガル電力企業が複合火力建設へ
Portugal’s EDP analyses construction of a combined -cycle power plant in Angola
http://www.macauhub.com.mo/en/news.php?ID=8508


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○中国,イランの石油精製施設建設に巨額投資へ,地元メディア
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091127AT2M2603Q27112009.html
○中国,温暖化ガス抑制へ新目標,GDP当たり40〜45%削減
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091127AT2M2602P26112009.html
○東南アジア,7.2%成長,2009年7〜9月,主要5カ国
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091127AT2M2602U26112009.html
○アマゾンの熱帯雨林保護に支援要請,ブラジル大統領
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091127/amr0911271238004-n1.htm


本文

●インドネシアのLNG基地問題はリビヤの介入で日本が失う可能性

As Indonesia launches the second term government of President Susilo Bambang Yudhoyono, with a bright new Foreign Minister, Dr. Hassan Wirajuda, the Indonesian multinational PT Medco Energi Internasional has teamed up with the Libya Investment Authority, while another deal between Medco and the Japan Bank for International Cooperation (JBIC) is in danger of going down.

三菱商事が,まさに日本の生命線として死守する,インドネシアの中央スラウエシ,ドンギ-スロノLNGプロジェクト(注13)であるが,何とも不思議な記事である。リビアの油田と結びつけて,スリランカ現地紙(注4)の記者がジャカルタで書いた記事だ。しかし,そこには,ASEANの盟主としての存在感を誇るインドネシアが,改めてモスレム国家であることを思い出させ,中東の経済の発展に従って,インドネシアが揺れ動く様が,読みとれる。

この記事の前に,中国石化新聞が2009年9月9日に報じた,リビアの石油権益に関する記事を頭の中に入れておく必要がある。それは,中国石油天然ガス集団CNPCが,リビアの石油権益を握るカナダ籍のVERNEX(注11)の5億ドル弱の買収に走ったが,リビア国営石油公社NOCが,その申請書を握ったまま無言を続けたために,CNPCは,VERNEX(注11)の買収を諦めた,と言うことである。

インドネシアは,ユドヨノ大統領(注5)の第2期目に入り,目玉人事であるハッサン外相(注6)の就任に伴って,インドネシアの多国籍エネルギー企業MEDCO(注7)が,リビア投資庁(注8)と連携することとなり,MEDCO(注7)が連携してきた日本国際協力銀行JBIC(注9)との関係に,暗雲がかかってきた。MEDCO(注7)はこの新しいリビアとの連携によって,2013年に生産開始する豊富なエリア47油田(注10)の一翼を担うことになる。

この変革は,従来,リビアと連携してきたカナダ籍のVERNEX(注11)を買収するという強行手段によってなされたものだ。結果,MEDCO(注7)とリビア側の相手が,資本13.7%づつを持ち合い,リビア政府が86.3%の資本を独占することになる。従来は,MEDCO(注7)とVERNEX(注11)が,50対50で資本を分け合っていたものだ。このエリア47油田(注10)は,日5万バレルの生産能力を持つが,ポテンシャルは,215万バレルだ。

MEDCO(注7)によると,今回のリビアとの連携強化の促進は,ドンギ-スノロLNGプロジェクト(注13)の先行きが不透明になったことによる,と言っている。この不透明は,カラ前副大統領(注14)の,国内供給を優先する,との発言によって,日本の投資事業に介入してきた結果だ。またこの発言は,インドネシア経済の伸びで,エネルギー危機が現実に起こってきた結果でもある。

先日開かれた第10次インドネシア日本定期協議(注15)の席で,強力なJBICの政策を背景とする日本側代表団によって,新任のダーウイン・エネルギー鉱業相(注16)とエビタ総局長(注17)が,圧力をかけられた事実がある。従来より日本側は,ドンギ-スノロLNGプロジェクト(注13)で,関西電力(注)と中部電力(注)の下流での12年間各年百万トンのLNG購入を含めた開発に,34億ドルの総事業費の主たる融資を行ってきた。

カラ前副大統領(注14)の発言があったものの,MEDCO(注7)を含めたインドネシア・チームは,まだ諦めることなく,日本が入った形でのプロジェクトの進捗を画してきた。日本側の,資源エネルギー庁,上田審議官(注20)も先の会合の一連の対話の中で,ドンギ-スノロLNGプロジェクト(注13)は,日本,インドネシア両国にとって重要で,日本としてはまだLNG受け取りを諦めたわけではない,と発言している。

ドンギ-スノロLNGプロジェクト(注13)は,日本の三菱商事(注21)が51%の資本を握り,押しの強い女性総裁カレン(注24)に率いられるプルタミナ(注23)が29%,MEDCO(注7)が20%の資本を握っている。関西電力(注18))はいち早くLNG購入を放棄し,JBIC(注)は継続には新しい枠組みが必要,としている。中部電力(注19)は,日本の国益のため,三菱商事(注21)を支えて踏ん張っている。

インドネシア側の,プルタミナ(注23)とMEDCO(注7)は,国内でのLNG引き取り手を捜す必要があるが,それは国有企業SOE(注25)にならざるを得ないだろう。国内引き取りの単価は安いので,引き取り手が国有企業でも,インドネシアの銀行はプロジェクトを肩代わりすることは困難だ。また国有企業も,政府保証がない限り,優良な買い手とはなり得ない。

インドネシアのエネルギー危機という小さな世界の問題は,日本,中国,韓国という地域の需要の増大と,国内需要の伸びで,外部からの巨大投資がなければ持たないだろう。ASEANとプラス3は,世界の景気回復の鍵を握る立場にある。しかし,この世界経済,地域の需要,更にはインドネシア国内のエネルギー不足の,三角関係をインドネシアに任すには,荷が重い。

このような状態の中で,エネルギーのポテンシャルも高く,金融の力も強く,更にはイスラム会議OIC(注27)のメンバー国としての同情,などを考えると,インドネシアは今後,中東やマグレブ(注26)に,ここしばらくは,のめり込んで行く可能性が高い。だから今回の取引では,リビヤが勝ち組と言え,それに対して日本は負け組,インドネシアはその中間をとった,と言えるのではないか。


(注)E (1) 091127E Indonesia, srilankaguardian,(2) title: Libya wins, Japan maybe loses, Indonesia in-between,(3) http://www.srilankaguardian.org/2009/11/libya-wins-japan-maybe-loses-indonesia.html,(4) Wednesday, November 25, 2009,By Terry Lacey,(November 26, Jakarta, Sri Lanka Guardian),(5) President Susilo Bambang Yudhoyono,(6) Foreign Minister, Dr. Hassan Wirajuda,(7) PT Medco Energi Internasional,(8) Libya Investment Authority,(9) Japan Bank for International Cooperation (JBIC),(10) Area 47 gas and oil field in the Ghadames Basin,(11) Verenex energy,(12) Hilmi Panegoro, president commissioner of Medco,(13) Dongi-Senoro oil and gas block in Central Sulawesi,(14) previous Vice President Jusuf Kalla,(15) 10th Indonesia-Japan Energy Round Table,(16) Energy and Mineral Resources Minister Darwin Zahedy Saleh,(17) Director General for Oil and Gas Evita Legowo,(18) Kansai Electric Power Co.,(19) Chubu Power Inc,(20) Takayuki Ueda, Japans director general for natural resources and energy,(21) Mitibushi Corporation,(22) PT Donggi Senoro LNG,(23) Pertamina,(24) Karen Augustinian,(25) State Owned Enterprise (SOE),(26) Maghreb,(27) Organization of Islamic Conference (OIC),(28) Libya Area 47,map source: http://www.slb.com/images/services/resources/casestudies/software/cs_fml_verenex01.jpg,(29) Libya Area 47,map source: http://www.verenexenergy.com/upload/editor/Image/Figure%202%20-%20Area%2047%20Combined%20Map%20with%20Carve%20Out%20ii(1).png,(30) BPmigas site,photo source: http://www.bpmigas.com/Dokumen/LAPORAN-BPMIGAS/gbr1.JPG,(31) Donggi-Serono,map source: www.lngpedia.com/.../uploads/2009/04/ds-lng.jpg,(32) Donggi-Serono location,map source: http://www.lngpedia.com/indonesias-pertamina-ups-stake-in-donggi-senoro-lng/,(33)

今日の参考資料

●091127E Indonesia, srilankaguardian
インドネシアのLNG基地問題はリビヤの介入で日本が失う可能性
Libya wins, Japan maybe loses, Indonesia in-between
http://my.reset.jp/adachihayao/index091127E.htm

http://www.srilankaguardian.org/2009/11/libya-wins-japan-maybe-loses-indonesia.html

最近の関連資料

●091124K Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スロノLNGで日本企業は依然として関心
Japan still wants the Donggi Senoro LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index091124K.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/11/23/japan-still-wants-donggi-senoro-lng.html
○091014J Indonesia, upstreamonline
インドネシアのスノロLNGでプルタミナなどが4〜6.16ドルの価格で国内供給同意
Senoro duo may settle for less
http://www.upstreamonline.com/live/article195707.ece
○091014L Indonesia, in.reuters
インドネシア政府はドンギ-スノロLNGの価格問題決定時期を2009年末目処
Indonesia eyes end-yr Donggi gas price decision
http://in.reuters.com/article/oilRpt/idINSP33389120091013
●090901C Indonesia, upstreamonline
インドネシアのスノロLNGを国内に供給するには高すぎる
'Senoro LNG too expensive for Indonesians'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090901C.htm
○090826P Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNがドンギ-スノロLNGを6.16ドルで購入合意
PLN Agrees to Pertamina’s Price for Donggi-Senoro Gas
http://thejakartaglobe.com/business/pln-agrees-to-pertaminas-price-for-donggi-senoro-gas/326033
●090813A Indonesia, pennenergy
インドネシアの石油担当大臣がドンギのガスは国内使用で
Indonesian oil minister wants Donggi gas for domestic market
http://my.reset.jp/adachihayao/index090813A.


2009年11月26日 ー インドに何故石炭不足が起こるのか ー

ワシントンを,オバマ大統領初の国賓として訪問した,インドの我がマンモハン・シン首相は,中国のような経済発展が可能であるとしても,インド国民は中国のような政治体制はとらないだろう,と強烈に中国を皮肉る発言をしている。国境未確定地域を抱え,更にパキスタンへの中国のダム開発支援の脅威にさらされ,ブラマプトラ河上流では,中国のダム開発の脅威にさらされるインドの気持ちを,端的に表現している。

日経の社説では,日本のインドへの姿勢の曖昧さを鋭くついている。日本は,インドが核拡散防止条約に署名していないため,原子力協定を見送っているが,これも,米国やフランス企業と組む日本の原子力メーカー,日立,東芝,三菱重工などの立場を曖昧にしている。世界最大の民主主義国家,と評するオバマ政権の表現は,大いに一体感を煽るものだが,日本政府の踏み込みが,もう一つもの足りないのは事実だ。

中国の石炭輸入が急増しているという。2009年10月,中国は2008年同期比で2.2倍増の1,110万トンの石炭を輸入し,その輸入量で推計すると,中国の2009年1−10月の石炭輸入総量は9,683万トンに達し,通年の輸入量が1億トンを超えるだろう,と報じられている。中国もインドも,世界の名だたる石炭埋蔵国だ。その両国が,世界の石炭を買い漁る理由には,いつも答えが見つからない。

今日の記事では,インドの石炭に関する新しい数字が出てくる。石炭埋蔵量が世界第4位と言われるインドが,どうして石炭を輸入しなければならないのか,中国の石炭輸入と共に,私にとって一つの大きな疑問である。この記事は,少しでもそれに答えてくれるのか,と思って取り上げた。世界の石炭推定埋蔵量は約1兆トン,と覚えておこう。インドの推定埋蔵量は,2,672億トン,確認埋蔵量は,1,058億トン,と書かれている。

インドの石炭が,鉄鋼などに使われる原料炭としては適さない,確認埋蔵量1,058億トンのうち発電炭が883億トンを占める,と言われてきているが,必要量の80%ぐらいが発電炭だから,原料炭のために輸入しなければならない,というのは,理解は出来るが,石炭の需給ギャップの説明には,余りなっていない。埋蔵量はともかくとして,生産量に注目する必要があろう。

国家石炭GILの化石燃料の生産計画では,2009〜2010年の年生産量,4億3,500万トンに対して,2011〜2012年は,11.08%増の4億8,650万トンとなるとしている,既に,1億8,444万トンの生産を上げている。2009〜2010年の不足は,7,000万トンである。また,2016〜2017年の時点で,生産量は,6億4,750万トンとなるが,不足量は,8,650万トンになる。

石炭不足への対策として,輸入と国内炭鉱の開発の二つの方向を考えているが,国内の炭鉱開発は,第11次五カ年計画で125炭鉱の開発が計画されているにもかかわらず,40炭鉱が開発されたに留まっている。私は,シン首相が民主主義を標榜しながら,農業と同じように,石炭についても国家管理から抜け出せないことが,石炭不足の大きな原因ではないか,と思い至っている。これからもその眼で,インドの石炭を見ていきたい。

その他のニュースだが,ベトナム国会が原子力発電開発の2地点を承認したことが出ている。問題はこれからであり,資金も含めた協力国をどの様に選定して行くか,日本にとっても大きな問題だ。カンボジアの環境NGOが,石炭火力に反対しているが,中規模の石炭火力を提案しているのか,それでは高い電気料金の問題は解決出来ないだろう。ベトナムのガス公社PVNはオモンまでの398kmパイプライン着工へ。

ザンビア政府の750MWカフエ峡谷下流ダムについて世銀がその決意を待っている。インドのジンダールがAP州の1,600MWスバンシリ中流プロジェクト開発で協定。インドのBHELがUP州の1,980MW石炭火力で12億ドル契約を獲得。インドのラジャスタンの原子力が5号機220MWで臨界へ達し全部で4,340MW。インドのカルナタカ州のエネルギー長官がラメッシュ環境相の方針変更を非難。インドネシア政府が世界初の石炭メタンからLNGを精製する事業を計画中。


今日の主題

●091126G India, steelguru
インドの石炭不足は深刻で2012年には8,000万トンの輸入が必要
Acute coal shortage to push up import
http://my.reset.jp/adachihayao/index091126G.htm

http://steelguru.com/news/index/2009/11/25/MTIyMzIy/Acute_coal_shortage_to_push_up_import.html


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091126J Zambia, news.xinhuanet
ザンビア政府の750MWカフエ峡谷下流ダムについて世銀がその決意を待っている
World Bank awaits Zambia's response of $1.5 bln hydro power station plan
http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/25/content_12538511.htm
○091126A Vietnam, earthtimes
ベトナムの原子力開発は反対論もあるが国会承認の運びである
Vietnam nuclear plants to be approved despite concerns
http://www.earthtimes.org/articles/show/296061,vietnam-nuclear-plants-to-be-approved-despite-concerns.html
○091126B Vietnam, english.vovnews
ベトナムのガス公社PVNはオモンまでの398kmパイプライン着工へ
PVN to build US$1 billion gas pipeline
http://english.vovnews.vn/Home/PVN-to-build-US1-billion-gas-pipeline/200911/110129.vov
○091126C Philippines, gmanews
フィリッピンのMERALCOのNPCへの未払い問題で決着を促す
Meralco seeks court verdict declaring agreement with Napocor valid
http://www.gmanews.tv/story/177712/meralco-seeks-court-verdict-declaring-agreement-with-napocor-valid
○091126D India, equitybulls
インドのジンダールがAP州の1,600MWスバンシリ中流プロジェクト開発で協定
Jindal Steel & Power arm to set up 1600 MW Hydro Electric Power Project
http://www.equitybulls.com/admin/news2006/news_det.asp?id=64239
○091126E India, pepei.pennnet
インドのBHELがUP州の1,980MW石炭火力で12億ドル契約を獲得
India's BHEL signs $1.2bn contract for Uttar Pradesh coal plant
http://pepei.pennnet.com/display_article/371215/6/ARTCL/none/none/1/India's-BHEL-signs-$12bn-contract-for-Uttar-Pradesh-coal-plant/
○091126F India, beta.thehindu
インドのラジャスタンの原子力が5号機220MWで臨界へ達し全部で4,340MW
Fifth nuclear reactor commissioned in Rajasthan
http://beta.thehindu.com/news/national/article54132.ece
○091126H India, timesofindia.indiatimes
インドのカルナタカ州のエネルギー長官がラメッシュ環境相の方針変更を非難
‘Jairam’s volte-face halts power projects'
http://timesofindia.indiatimes.com/city/bangalore/Jairams-volte-face-halts-power-projects/articleshow/5265700.cms
○091126I Indonesia, en.vivanews
インドネシア政府が世界初の石炭メタンからLNGを精製する事業を計画中
Indonesia to Produce LNG from Coal
http://en.vivanews.com/news/read/108767-indonesia_to_produce_lng_from_coal
○091126K Cambodia, greeninc.blogs.nytimes
カンボジアの100MW石炭火力プロジェクトで議論沸騰
Coal Plant Stirs Passions in Cambodia
http://greeninc.blogs.nytimes.com/2009/11/25/coal-plant-stirs-passions-in-cambodia/


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○ドバイ,政府系企業債務の返済猶予要請へ,5兆円超,調達難航
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091126D2M2600F26.html
○日本円,対ドル86円台に上昇,14年ぶり円高
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091126ATFL2600L26112009.html
○サウジ国営石油,沖縄で原油備蓄へ,日本,緊急時に優先調達
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091126AT2M2501Y25112009.html
○日経社説,インド重視示した米政権,原子力協定を早期に実施
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20091125AS1K2500125112009.html
○タイ,タクシン派組織,反政府デモを無期限延期
http://mainichi.jp/select/world/news/20091126ddm007030066000c.html
○21世紀末,海面1〜2メートル上昇,米欧などの研究者発表
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091125AT2M2502V25112009.html
○米国,2005年比17%,COP15で削減目標提示
http://japanese.cri.cn/881/2009/11/26/146s150828.htm
○中国の石炭輸入,通年の輸入量が1億トンを超える可能性
http://www.xinhua.jp/industry/241421/


本文

●インドの石炭不足は深刻で2012年には8,000万トンの輸入が必要

According to an analysis by the Planning Commission, the shortage of coal in the country is expected to be worse than what was estimated previously. About 78% of the fossil fuel produced in the country is used by thermal power plants and this accounts for half of India's commercial energy consumption.

石炭埋蔵量が世界第4位と言われるインドが,どうして石炭を輸入しなければならないのか,中国の石炭輸入と共に,私にとって一つの大きな疑問である。この記事は,少しでもそれに答えてくれるのか,と思って取り上げた。世界の石炭推定埋蔵量は約1兆トン,と覚えておこう。CIL(注7)の情報では,インドの推定埋蔵量は,2,672億トンと書かれている。いろいろな数字があって混乱するが,一つの目安だろう。

インドの石炭の推定埋蔵量は,2,672億トン,このうち発電炭は2,338億トン,確認埋蔵量は,1,058億トン,このうち発電炭は883億トンとされている。生産量は,2007〜2008年生産量,4億5,708万トン,2008〜2009年 4億9,295万トンである。中国の生産量が大凡25億トンで,インドネシアが輸入制限の上限,としていたのが,年1億5.000万トンである。

この度の計画委員会(注)の分析によると,石炭不足は,当初の推定を上回ることになる。インドの化石燃料の78%は発電に使われており,これはインド全体の商業エネルギー消費の半分に達する。ジャイズワール石炭相(注)は,中期的には,2011〜2012年に,8,103万トンの不足が生じ,この需給ギャップは輸入で埋める,としている。

GIL(注)の化石燃料の生産計画では,2009〜2010年の年生産量,4億3,500万トンに対して,2011〜2012年は,11.08%増の4億8,650万トンとなるとしている,既に,1億8,444万トンの生産を上げている。2009〜2010年の不足は,7,000万トンである。また,2016〜2017年の時点で,生産量は,6億4,750万トンとなるが,不足量は,8,650万トンになる。

この石炭不足に対して,石炭省は二つの対策を練っている,と議会(注)に報告している。一つは,海外,モザンビーク(注),オーストラリア,インドネシア,南アフリカ,米国の炭鉱開発であり,また一つは,国内の208炭鉱の開発である。しかし,国内の炭鉱開発は,第11次五カ年計画で125炭鉱の開発が計画されているにもかかわらず,40炭鉱が開発されたに留まっている。

エネルギー総合計画(注)によると,政府関係,CIL(注)が開発できない炭鉱は,2026〜2017年度には,認可された民間企業によっての開発を要請することになる。ムケルジ財務相によると,政府は石炭の調整委員会の設立を考えている。また,総合エネルギー計画(注)では,石炭探査の活性化のために,原油ガス探査に於けるNELP(注)のような方式も検討されている。

(注)G (1) 091126G India, steelguru,(2) title: Acute coal shortage to push up import,(3) http://steelguru.com/news/index/2009/11/25/MTIyMzIy/Acute_coal_shortage_to_push_up_import.html,(4) Wednesday, 25 Nov 2009,(5) Planning Commission,(6) Mr Sriprakash Jaiswal coal minister of India,(7) Coal India Limited,CIL,(8) Rajya Sabha,インド上院,(9) Mozambique,(10) Mr Pranab Mukherjee finance minister of India,(11) Integrated Energy Policy,(12) Nelp,(13) Coal mine India, photo source: http://bardhaman.nic.in/mines/tm.jpg,(14) map source: http://www.mapsofindia.com/maps/india/india-map-coalreserves.jpg,(15) major coal fields, map source: http://www.geni.org/globalenergy/library/national_energy_grid/india/graphics/ind-coal.gif,(16)



今日の参考資料

●091126G India, steelguru
インドの石炭不足は深刻で2012年には8,000万トンの輸入が必要
Acute coal shortage to push up import
http://my.reset.jp/adachihayao/index091126G.htm

http://steelguru.com/news/index/2009/11/25/MTIyMzIy/Acute_coal_shortage_to_push_up_import.html

最近の関連資料

○091113F India, steelguru
インドの石炭火力の増大につれて石炭燃料のカロリーに問題
Insufficient steam coal output to hit power projects in India
http://steelguru.com/news/index/2009/11/12/MTIwMDU1/Insufficient_steam_coal_output_to_hit_power_projects_in_India.html
○091110F India, macauhub
インドのタタと豪の合弁がモザンビークの炭鉱開発承認
Consortium approves first stage of Benga coal venture in Mozambique
http://www.macauhub.com.mo/en/news.php?ID=8400
○091030G India, dnaindia
インドのリライアンス系企業が海外の石炭資源を獲得へ走る
CESC scouting for coal mine overseas
http://www.dnaindia.com/money/report_cesc-scouting-for-coal-mine-overseas_1304771
●091006C India, bloomberg
インドの国家石炭は世界の52企業と石炭関連契約を年末目処に完了
Coal India May Complete Mine Acquisition This Year
http://my.reset.jp/adachihayao/index091006C.htm
●091006E India, sify
インドのチャティスガール州は豊富な石炭で50,000MW開発構想
Chhattisgarh to add 50,000 MW thermal power
http://my.reset.jp/adachihayao/index091006E.htm
○091003G Indonesia, in.reuters
インドネシアの石炭をドバイ企業がインドの需要増で年500万トンから20%増へ
C&O sees Indonesia coal purchases up 20 pct in 2010
http://in.reuters.com/article/domesticNews/idINJAK38409520091002
○090921E India, dnaindia
インドの国家石炭CILが世界の石炭鉱山の選別で強力な委員会を組織
Coal India vets EoIs from 52 global firms
http://www.dnaindia.com/money/report_coal-india-vets-eois-from-52-global-firms_1291838
●090918I India, prminds
インドの石炭需要はこの2年間に7.58%伸びる
Indian Coal Industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918I.htm


2009年11月24日 ー インドネシアの資源ナショナリズムを憂う ー

明日は高校の同窓生と食事会で,更新を休むつもり。タイのサマック元首相が亡くなってショック。彼は私と同年生まれで,1976年,私が関西電力から去って意を決してビルマに旅立ったとき,サマック氏は,陸軍大尉として,私が通過したバンコクをクーデターに陥れていた本人だ。私に,アジア開発4人男,の一人に指名されて,タクシンの後で首相になって,メコン本流ダムに再び火を付けた。料理番組に出て,首相を頸になった。

もう一人の,アジア開発男,の一人,インドネシアのカラ元副大統領は,今日の記事で,故郷スラウエシに帰って,水力発電所などの開発を始めたという。中国を訪問して,中国の政治体制は素晴らしい,と褒めて,80億ドルの石炭火力支援を取り付けた。私に言わせれば,インドネシアの資源ナショナリズムの元凶で,三菱や関電が関係するスラウエシのドンギ-スロノLNGを混乱に陥れたのは,落選前の彼の一言だった。

カラ副大統領の,ドンギ-スノロのLNGはインドネシア国内優先だ,の一言で,短気な関西電力は降りてしまったが,おそらく国内優先とは言っても価格の点でなかなか折り合わず,三菱やプルタミナが困惑している。ジャカルタで,日本とインドネシアの対話に出席した資源エネルギー庁の上田審議官は,関西電力は降りても,日本の国内でLNG買う企業はまだ残っている,と粘り腰を見せている。

インドネシアの資源ナショナリズムは,原油王国であったインドネシアが輸入国に転落し,その後も生産量が落ちてきて,OPECからも脱退した時期に,国会議員達の恐怖心に火を付けた。外国企業の原油生産を任しているから駄目なのだ,プルタミナにやらせれば,まだまだ生産が伸びるはずだ,と信じて,多国籍外国企業のいじめにかかっている。原油は,おそらくもう生産が下降線をたどる一方だろう。

しかし,インドネシアの資源はまだまだこれからだ。発電用石炭と錫の輸出では世界一だし,その他に,ニッケルや銅も算出する。41年間,改訂されることのなかった鉱業法を,昨年,2008年12月に改訂,国会を通過させた。今回の大統領選挙の結果で,プルノモ・エネルギー大臣の後任に,エネルギー鉱業行政については全く未知数のダーウイン氏が大臣となって,新鉱業法の実施細則で,関係企業を恐怖に陥れている。

石炭については,可採埋蔵量が1,000億トン,と先日の記事に書いてあったが,実は,インドネシア東部の探査はまだ行われていなくて,インドネシア諸島は石炭の塊みたいな感じがあり,原油はなくとも,LNGの生産と石炭の増産で,これからも資源国として大きく伸びる可能性を秘めている。中国もインドも,自分の国の資源よりも,インドネシアに買いに走っている。

その時に,この資源ナショナリズムを前面に押し出した新鉱業法が,大きな問題になっている。もっとも大きな影響を受けるのは,石炭業界だと言われている。問題の核心は,アウトソーシングを禁じられた点で,下請け企業に大きな制限が加わったようだ。例え下請け企業を使うとしても,厳重な審査があって,国内企業でなければならない。このことはとても大変なようで,これからの石炭生産や探査事業に大きな影響を与えるようだ。

今日のその他のニュース。タイの活動家がミャンマーのダムからの撤退を要求。タイのサルウイーン河開発反対に対してアビシット首相冷静に対応。
フィリッピンのMERALCOは将来の経費増を含めた料金を目指す。ネパールとインドはパンチェスバール水力開発構想で合意模索。ネパールとインドの国境の6000MWパンチェスバール水力が動き始める。

ナイジェリアの電力供給でシェルがガス供給を増強して対応。ナイジェリアのニジェール川デルタの平穏回復で大規模プロジェクトが始動。マレーシアのサラワクの石炭火力にシノハイドロが入札参加へ。ケニアの発電公社が500MW開発で2億ドル債券を発行。インドネシアのカラ元副大統領がスラウエシの電力開発ビジネス再開。インドネシアのスターエナージが190MWの地熱発電所建設へ。エチオピアの300MWテケゼ水力はシノハイドロが完成させたが遅れて工費増大。

今日の主題

●091124K Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スロノLNGで日本企業は依然として関心
Japan still wants the Donggi Senoro LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index091124K.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/11/23/japan-still-wants-donggi-senoro-lng.html
●091124M Indonesia, forexyard
インドネシアの新鉱業法は外国資本投資にとって脅威となる可能性
ANALYSIS-Indonesia mining rule threatens investment drive
http://my.reset.jp/adachihayao/index091124M.htm

http://www.forexyard.com/en/reuters_inner.tpl?action=2009-11-23T084055Z_01_JAK61878_RTRIDST_0_INDONESIA-MINING-ANALYSIS


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091124A Thailand, earthtimes
タイの活動家がミャンマーのダムからの撤退を要求
Thai activists demand pull-out from Myanmar dam project
http://www.earthtimes.org/articles/show/295818,thai-activists-demand-pull-out-from-myanmar-dam-project.html
○091124D Thailand, Bangkok Post
タイのサルウイーン河開発反対に対してアビシット首相冷静に対応
Abhisit cool to opponents of Salween River dam plan
http://www.bangkokpost.com/news/local/27980/abhisit-cool-to-opponents-of-salween-river-dam-plan
○091124B Philippines, tradingmarkets
フィリッピンのMERALCOは将来の経費増を含めた料金を目指す
Meralco pushes last-minute insertions
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2672921/
○091124C Nepal, ncrsamaylive
ネパールとインドはパンチェスバール水力開発構想で合意模索
India-Nepal finalise action plan for Pancheshwar Project
http://ncrsamaylive.com/NewsDetails.aspx?lNewsID=95386&lCategoryID=105
○091124E Nepal, waterpowermagazine
ネパールとインドの国境の6000MWパンチェスバール水力が動き始める
Pancheswor project moves ahead
http://www.waterpowermagazine.com/story.asp?sectioncode=130&storyCode=2054815
○091124F Nigeria, businessday
ナイジェリアの電力供給でシェルがガス供給を増強して対応
Shell raises gas output to boost power supply in Nigeria
http://www.businessday.co.za/articles/Content.aspx?id=87814
○091124G Nigeria, allafrica
ナイジェリアのニジェール川デルタの平穏回復で大規模プロジェクトが始動
Mega Projects And Niger Delta Development
http://allafrica.com/stories/200911230562.html
○091124H Malaysia, bernama
マレーシアのサラワクの石炭火力にシノハイドロが入札参加へ
Sinohydro To Bid For Mukah, Merit Coal Power Plants
http://www.bernama.com.my/bernama/v5/news_lite.php?id=457437
○091124I Kenya, allafrica
ケニアの発電公社が500MW開発で2億ドル債券を発行
KenGen's U.S.$200 Million Bond to Power Extra 500mw
http://allafrica.com/stories/200911230355.html
○091124J Indonesia, tempointeractive
インドネシアのカラ元副大統領がスラウエシの電力開発ビジネス再開
Jusuf Kalla Returns to Power Business
http://www.tempointeractive.com/hg/nasional/2009/11/23/brk,20091123-209984,uk.html
○091124L Indonesia, tradingmarkets
インドネシアのスターエナージが190MWの地熱発電所建設へ
INDONESIA'S STAR ENERGY TO BUILD TWO NEW GEOTHERMAL POWER PLANTS
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2672716/
○091124N Ethiopia, probeinternational
エチオピアの300MWテケゼ水力はシノハイドロが完成させたが遅れて工費増大
Ethiopia's Tekeze dam limps into operation
http://www.probeinternational.org/export-credit/ethiopias-tekeze-dam-limps-operation


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○剛腕対決…参りました,小沢氏,謝女流名人と公開対局
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20091124/plt0911241221001-n2.htm
○タイ,7〜9月GDP2.8%減,年率換算で5.4%増となり経済の回復基調
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091123D2M2300T23.html
○米政府,温暖化ガス削減目標をCOP15前に公表へ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091124AT2M2402824112009.html
○24番目開発援助委員会(DAC)会員国となった韓国の課題は
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=123099&servcode=400&sectcode=400
○フィリピン南部で知事選候補者の妻ら拉致,24人殺害
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-12604220091124
○温暖化に歯止め掛からず=温室ガス濃度,過去最高更新−2008年
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009112400075
○米印首脳会談,気候変動で覚書署名へ
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20091124k0000e030067000c.html
○サマック氏死去,元タイ首相,メコン本流開発の提唱
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112401000367.html
○世界最大級メガソーラー発電所,関電が起工式,一般供給で国内初 
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/091124/env0911241244000-n1.htm


本文

●インドネシアのドンギ-スロノLNGで日本企業は依然として関心

Japan still expects to receive liquefied natural gas (LNG) supplies from the disputed Donggi Senoro project, a high ranking official told reporters Monday. "The project is very much important for both sides and yes (we still hope the gas to be supplied to Japan)," Takayuki Ueda, Japan's director general for natural resources and energy said on the side line of the Tenth Indonesia-Japan Round Table in Jakarta.

インドネシアのスラウエシ,三菱商事(注)が主導権を持って開発してきたドンギ-スノロLNGプロジェクト(注)は,関西電力(注)など日本企業によって買い取られる前提で進んできたが,カラ前大統領が突然,このLNGはインドネシア国内優先だ,と主張して,彼が退任後も,現政権はこの国内優先策で進んでいる。しかし,価格の問題があって,プロジェクトを進める三菱やプルタミナは,輸出にこだわっている。

今日の記事は,第10次日本インドネシア会合(注8)に出席した資源エネルギー庁の上田審議官(注7)が,日本は依然としてこのプロジェクトに関心がある,と語ったことが取り上げられている。このプロジェクトは,プルタミナ(注)が29%,MEDCO(注)が20%,三菱商事(注)が51%の資本を持っている。プルタミナ(注)が29%,MEDCO(注)が,政府の決定に従って,国内企業と交渉中である。

インドネシア政府の,LNG供給は国内優先,との決定で,買い手候補であった関西電力はあっさりと降りてしまった。そこで資源エネルギー庁の上田審議官(注)の発言となったわけで,彼は,このプロジェクトは有望であり,今でも日本国内で他の買い手企業を見つけることは難しくない,との発言となったものだ。インドネシアの資源ナショナリズムは,新]鉱業法にも現れてきている。

(注)K (1) 091124K Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Japan still wants the Donggi Senoro LNG,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/11/23/japan-still-wants-donggi-senoro-lng.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Mon, 11/23/2009 2:12 PM | Business,(5) Donggi Senoro LNG plant project,(6) liquefied natural gas (LNG),(7) Takayuki Ueda, Japan's director general for natural resources and energy,(8) Tenth Indonesia-Japan Round Table in Jakarta,(9) Senoro and Matindok fields in Central Sulawesi,(10) PT Pertamina,(11) PT Medco Energi Internasional,(12) Mistsubishi Corporation,(13) Kansai Electric Power Co.,(14)

今日の参考資料

●091124K Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スロノLNGで日本企業は依然として関心
Japan still wants the Donggi Senoro LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index091124K.htm

http://www.thejakartapost.com/news/2009/11/23/japan-still-wants-donggi-senoro-lng.html

最近の関連資料

○091014J Indonesia, upstreamonline
インドネシアのスノロLNGでプルタミナなどが4〜6.16ドルの価格で国内供給同意
Senoro duo may settle for less
http://www.upstreamonline.com/live/article195707.ece
○091014L Indonesia, in.reuters
インドネシア政府はドンギ-スノロLNGの価格問題決定時期を2009年末目処
Indonesia eyes end-yr Donggi gas price decision
http://in.reuters.com/article/oilRpt/idINSP33389120091013
●090901C Indonesia, upstreamonline
インドネシアのスノロLNGを国内に供給するには高すぎる
'Senoro LNG too expensive for Indonesians'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090901C.htm
○090826P Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNがドンギ-スノロLNGを6.16ドルで購入合意
PLN Agrees to Pertamina’s Price for Donggi-Senoro Gas
http://thejakartaglobe.com/business/pln-agrees-to-pertaminas-price-for-donggi-senoro-gas/326033
●090813A Indonesia, pennenergy
インドネシアの石油担当大臣がドンギのガスは国内使用で
Indonesian oil minister wants Donggi gas for domestic market
http://my.reset.jp/adachihayao/index090813A.


●インドネシアの新鉱業法は外国資本投資にとって脅威となる可能性

A new Indonesian mining rule, limiting contract work that can be outsourced and favouring local players, is shaping up as a new blow to plans to boost mining investment in Southeast Asia's biggest economy. The rule, attached to a mining law passed last year, presents an immediate challenge for new energy and mining minister Darwin Saleh, who was sworn in last month amid hopes that a new government could boost the resources sector.

インドネシアの人の性格の中には,オランダ植民地時代から日本の占領時代を経て,資源ナショナリズムのような考え方があった,と私は思っているが,産油国から石油輸入国に転換してから,この考え方が表面に出てきた。それがドンギ-スロノLNGにも現れているし,更に,昨年,2008年12月に改訂された新鉱業法の中には,資源ナショナリズムが色濃く漂っているという。

特に,この鉱業基本法を受けて実施細則がこれから整備されて行くわけだが,契約上の多くの制限事項が,これからの鉱業投資の足を引っ張る可能性がある。また,エネルギー鉱業大臣が,前任のプルオノ氏(注8)から,新任のダーウイン・サレ氏に替わって,その考え方が強くにじみ出た実施細則になりつつある。41年間の旧法に替わり,新法は,世界最大の錫と発電用石炭輸出,その他の金属鉱物からの最大の利益を求めている。

最近のインドネシアは,金属鉱山への外国資本投資が少なくなっており,また,エネルギー鉱業省の実施規則は,更に投資企業の意欲を殺ぐものだ。インドネシア鉱業協会(注7)によると,鉱山企業は,自ら新たに設備に投資したり,自ら人員を雇用しなければならないために,大きな経費増が予測される。特に石炭企業では,採鉱から貯蔵までの過程で,下請けの企業に依存してきている。新規則では,これに制限が加えられている。

これは世界の潮流に逆行するもので,組織のスリム化を否定し,非効率となって行く可能性がある。この実施規則の整備を行う責任者の,新しい大臣(注6)は,まだどの様に踏み出して行くのか,読み切れていない。最近の傾向は,政治家のグループによって,外国資本を制限してナショナリズムに走る傾向が顕著となってきている。2004年の10億ドルから2008年の16.5億ドルまで増えているが,新しい企業の参入はない。

既にある企業は昨年,2008年から投資計画を棚上げしており,これは,長期契約よりも短期契約を進める新鉱業法の不確実性によるものだ。金属は国内で製品化しなければならないし,石炭は国内市場重視に傾いている。新法では,下請け企業の使用を制限しており,国内企業優先で,本省の許可を義務づけている。新法は特に石炭企業への影響が大きい,それは石炭企業がその殆どの作業を下請けに出しているからだ。

特に,取扱量最大のアダロ(注13),5番目のベラウ(注14)は,完全に作業を外部に出している。現在の鉱山企業は,ある期間が過ぎると,すべてのシステムを改造する必要に迫られる。合併による再編成か,資産売却か,権利の売却,のいずれかしか方法がなくなる。企業は,そのコストへの影響を検討している段階だが,格付け企業は,アダロ(注13)とインディカ(注16)については,評価を下げる要素は見られない,と言っている。

しかし,匿名の企業幹部は,設備を買うなど影響は避けられない,と見ている。インドネシア政府は,2009年度の鉱業投資を,地熱も含めて20億ドルと予想しているが,企業側では,10億ドルを割り込むと見ている。昨年,2008年,ビリトン(注18)はインドネシア東部のニッケル鉱山の計画を放棄しているし,中央カリマンタンの炭鉱も放棄している。中国のチンシャン(注19)は,北マルクの5億ドルのニッケル鉱山を放棄している。

(注)M (1) 091124M Indonesia, forexyard,(2) title: ANALYSIS-Indonesia mining rule threatens investment drive,(3) http://www.forexyard.com/en/reuters_inner.tpl?action=2009-11-23T084055Z_01_JAK61878_RTRIDST_0_INDONESIA-MINING-ANALYSIS,(4) Wednesday November 25, 2009 07:40:08 AM GMT,INDONESIA-MINING/ (ANALYSIS),By Fitri Wulandari,JAKARTA, Nov 23 (Reuters),(5) mining law,(6) new energy and mining minister Darwin Saleh,(7) Priyo Pribadi Soemarno of the Indonesian Mining Association,(8) Former Mining and Energy Minister Purnomo Yusgiantoro,(9) President Susilo Bambang Yudhoyono,(10) Freeport-McMoRan Copper & Gold Inc,(11) Newmont Mining Corp,(12) David Kiu, an analyst at Eurasia Group,(13) PT Adaro Energy,(14) PT Berau Coal,(15) Sacha Winzenried, a mining partner at PricewaterhouseCoopers Indonesia,(16) PT Indika Energy,(18) BHP Billiton,(19) Tsingshan Mineral Company Ltd,(20) PT Berau,photo source: http://www.beraucoal.co.id/,(21) Indonesia mining map, map source: http://map.infomine.com/map.asp?open_section=PROP,WORL&cmd=MAP&location_id=,(22)

今日の参考資料

●091124M Indonesia, forexyard
インドネシアの新鉱業法は外国資本投資にとって脅威となる可能性
ANALYSIS-Indonesia mining rule threatens investment drive
http://my.reset.jp/adachihayao/index091124M.htm

http://www.forexyard.com/en/reuters_inner.tpl?action=2009-11-23T084055Z_01_JAK61878_RTRIDST_0_INDONESIA-MINING-ANALYSIS

最近の関連資料

●091120D Indonesia, in.reuters
インドネシアの石炭輸出制限は実際の行動は5年後だろう
Indonesia coal exports curb will take time to bite
http://my.reset.jp/adachihayao/index091120D.htm
●091015G Indonesia, forbes
インドネシアが石炭輸出に関し国内需要から年1.5億トンに制限する政策を視野
Indonesia plans to cap coal exports, official says
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm


2009年11月23日 ー ミャンマーのダムは中国によって着々と進捗 ー

昨夜,深夜,インドのマンモハン・シン首相がワシントン訪問の途についたのか,CNNのインタビューを受けていた。CNN特有の厳しい質問を浴びせていたが,一つは,経済学者であるマンモハン・シン首相が,この度の世界経済危機をどう見ていたか,と言うことと,中国の経済成長との比較の問題だった。終始,我が尊敬するシン首相の口をついて出てきたのは,60年に亘る大国の民主主義運営のことであった。

中国との比較になるが,我が尊敬するシン首相は,民主主義の元では,急速な経済開発は困難でインドがプロジェクト開発でもたついているのは仕方がない,その代わり,インド国民が享受している民主主義,人権の尊重は,何ものにも代え難い,みたいなことを言っていた。米印原子力協定が,インド国会の反対で潰れそうになって,シン首相の辞任説が流れたが,あの時のシン首相の姿勢に,私は畏敬の念に打たれたのだ。

それにしても,中国の開発速度は速い。どの様な指令系統になっているのか,その内情を知りたいものだ。香港のCIFが中国政府の政府系ファンドを握って,数十億ドルのプロジェクトを,いくつもいくつも,リスクの多い地域で,躊躇いもなく投入して行く姿勢は,中国人独特の商活動の精神なのか,或いは北京で周到に計算された筋書きによって,一糸乱れず動いているのか,おそらく前者に近いと思うが,それにしても大胆だ。

昨日のスーダンの記事でも,中国人労務者が4人も現地で殺されて,先行きどうなるか分からないスーダンの油田の状況の中,石油の前払い金をどんと置いて行く,誰が置いて来い,と言ったのですかね。スーダンのその様な末端まで北京は見ていないでしょう。今日の記事でも驚いたのは,日本を初め西側諸国が,40年以上もたもたとして建設できないミャンマーのダムを,3つも4つも,あっという間に建設して行く。

それも,現在のミャンマーの全電力設備が1,600MWというのに,今日のイエイワ水力発電所が790MW,今年半ばに運転を開始したシュエリ第1水力が600MW,一体,誰がその電気を使うのか,電気料金は幾らになっているのか,中国にとっては全く関係ないですね。そこにダムサイトがあるからダムを造る,という感じ。おそらく,ミャンマーに関しては,今のうちに要所を中国の手で確保しろ,という指令があるのだろう。

地図を見て頂ければ分かるが,イエイワにしてもシュエリにしても,中国が,ミャンマーの西海岸から雲南省の昆明まで敷設しようとしているパイプラインの経由地と,殆ど重なっている。ミャンマー軍事政権に反逆する少数民族の拠点にも近く,このような不安定な中で,マラッカ海峡に替わるエネルギーラインを構築してその安全を確保するためには,1000億円近いダムの一つや二つは,要所を確保せよ,の一発の指令で出来るのだろう。

1976年に私たちは,このイエイワのダムサイトに入っている。地質の権威であった電中研の田中博士のお尻を押しながら,照りつける太陽の下,ダムサイトを駆け上った。中国人エンジニアーが入った後があって,ビルマ人のエンジニアーは,中国人はビールを飲んでしょっちゅう寝ていたが,最後はここにはダムは出来ない,と言って引き揚げて行った,と言っていた。要するに,大義名分がなかったら,ダムの開発も容易でないのだ。

タイのラチャブリ発電会社の記事が出ている。ラオスの615MWのナムグム2水力や,1,650MWのホンサ・リグナイト石炭火力を手がけている企業であるが,遂に海外進出も,オーストラリアに出かけていくようになったようだ。経営難に陥っている火力発電所を買収するという。ゼロサムゲームは止めて,ラオスの電源開発に集中して欲しいものだ。

今日のその他のニュース。ネパールの西端のインドとの国境上に位置する6,000MW,大規模なパンチェスバール多目的ダムで,インドとネパールが共同で開発庁を創設する話は,旨くいっていたのに,土壇場になってインドが,その長官のポジションを要求して,混迷に陥っているようだ。スリランカのノロッチョロイ石炭火力で,中国の支援で,900MWに拡張する。中国は,南部のハンバントタ港を手にするために,なりふり構わない。


今日の主題

●091123A Thailand, Bangkok Post
タイのラチャブリがオーストラリアなど海外水力に乗り出す
RATCH to shop closer to home after Australian bid
http://my.reset.jp/adachihayao/index091123A.htm

http://www.bangkokpost.com/business/economics/27952/ratch-to-shop-closer-to-home-after-australian-bid
●091123F Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマーの最大規模790MWのイエイワ水力が試験運転へ
Myanmar biggest hydropower plant to be put on test run
http://my.reset.jp/adachihayao/index091123F.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/22/content_12519343.htm


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091123B Srilanka, srilankawatch
スリランカのノロッチョロイ石炭火力で更に891百万ドルの中国支援
Norochcholai goes ahead with $ 891 million loan
http://srilankawatch.com/index.php?option=com_content&task=view&id=402&Itemid=1
○091123C Pakistan, nation
パキスタンは今後の経済開発のために水力開発を推進する方策が必要
Experts for challenging hydropower companies' monopoly
http://www.nation.com.pk/pakistan-news-newspaper-daily-english-online/Karachi/23-Nov-2009/Experts-for-challenging-hydropower-companies-monopoly
○091123D Nepal, ekantipur
ネパールとインドのパンチェスバール水力開発庁で合意がならず
NEPAL-INDIA TALKS: Pancheshwor in troubled waters
http://www.ekantipur.com/the-kathmandu-post/2009/11/21/top-stories/NEPAL-INDIA-TALKS-Pancheshwor-in-troubled-waters/2247/
○091123E Nepal, xinhuanet
ネパールとインドはパンチェスバール水力開発庁設置で合意
Nepal, India to set up Pancheshwor Development Authority
http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/23/content_12522196.htm


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○日産,中国で電気自動車の生産検討,工場建設,広州市が支援も
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091123AT1D2200D22112009.html
○インドのリライアンス化学,化学世界3位の米企業買収を持ちかけ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091123AT2M2200822112009.html
○2009年12月7日からデンマークでCOP15開催へ,少なくとも世界65カ国首脳が出席の意向
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00167093.html
○オバマ政権,クリーンエネルギー開発で国立研究所に1億ドル超を提供
http://www.ecool.jp/foreign/2009/11/san18-437.html


本文

●タイのラチャブリがオーストラリアなど海外水力に乗り出す

Ratchaburi Electricity Generating Holding Plc (RATCH), Thailand's largest private power producer, has begun exploring acquisition opportunities in neighbouring countries in addition to its ongoing bid to acquire Australian power plants, says senior vice-president Prachuab Ujin.

タイのラチャブリ発電会社(注5)は,我々にとっては,ラオスの615MWのナムグム2水力プロジェクトの25%資本所有企業として有名である。タイ最大の民間発電企業で,プラチュアブ副社長(注6)は,海外のプロジェクトへの進出を目指しており,最近では,オーストラリアの発電所買収に関連して,調査を開始した,と述べている。また,インドネシアやベトナムの水力への関心も高く,可能性調査も手がけている。国内では困難との考え。

インドネシアのPLN(注7)が,多額の負債を抱えて,資産の一部売却を考えていることも,その切っ掛けになっている。プラチュアブ副社長(注6)は,水力プロジェクトは,一般には他の電源に比べて経済的で,10%以上の利益を目標としているので,極めて魅力的,と言っている。ラチャブリ発電会社(注5)は,70億バーツの現金を持って,海外進出に備えており,銀行よりの借り入れも準備している。

プラチュアブ副社長(注6)は,オーストラリアの発電企業が経営難にあって,11発電所,1,000MWを売りに出しており,ラチャブリ発電会社(注5)は,西部及び東部にの3つの複合火力について,入札に参加していると。経済性のある発電所,200〜300MWの発電所を3つ選んでいる。また,他の発電企業についても,調査を行っている。

またラオスでは,4つの発電所に参入しており,EGAT(注8)と買電価格について交渉中で,いずれも2013〜2016年に運転開始を予定している。また,1650MWのラオスのホンサ・リグナイト石炭火力(注10)は,ASEAN最大の石炭企業バンプー(注9)と,そのプロジェクトの資本を分け合っている。この金曜日のSETの株価は,37バーツである。

(注)A (1) 091123A Thailand, Bangkok Post,(2) title: RATCH to shop closer to home after Australian bid,(3) http://www.bangkokpost.com/business/economics/27952/ratch-to-shop-closer-to-home-after-australian-bid,(4) Published: 23/11/2009 at 12:00 AM,(5) Ratchaburi Electricity Generating Holding Plc (RATCH),(6) senior vice-president Prachuab Ujin,(7) Perusahaan Listrik Negara (PLN),(8) Electricity Generating Authority of Thailand,(9) Banpu Plc,(10) 1,650MW Hongsa Lignite coal-fired power plant in Laos,(11) Ratch HP,photo source: http://www.ratch.co.th/eng/4_1_news_2.aspx,(12)

今日の参考資料

●091123A Thailand, Bangkok Post
タイのラチャブリがオーストラリアなど海外水力に乗り出す
RATCH to shop closer to home after Australian bid
http://my.reset.jp/adachihayao/index091123A.htm

http://www.bangkokpost.com/business/economics/27952/ratch-to-shop-closer-to-home-after-australian-bid

最近の関連資料

○091101A Thailand, Bangkok Post
タイの発電企業ラチャブリが豪の発電所買収で75億バーツ準備
RATCH seeks Australian plants Q3 profit dips as tax holiday ends
http://www.bangkokpost.com/business/economics/26611/ratch-seeks-australian-plants
●090925I Thailand, Bangkok Post
タイのラチャブリ電力がラオスの水力の遅れから風力発電に投資へ
Ratchaburi targets wind Billions of baht for new projects planned
http://my.reset.jp/adachihayao/index090925I.htm
●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm
○090729C Thailand, nationmultimedia
タイの金融危機でラオスのナムグム2水力が遅延
Ch Karnchang delays its Lao unit's listing
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729C.htm
●090517A Thailand, nationmultimedia
タイのエネルギー委員会がラオスのホンサ石炭火力を買電
Hongsa Lignite power sale deal approved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090517A.htm
●090219A Thailand, Bangkok Post
タイのラチャブリ電力が2009年の拡張計画で128百万ドル
Thai Ratchaburi to spend $128 mln on 2009 expansion
http://my.reset.jp/adachihayao/index090219A.htm


●ミャンマーの最大規模790MWのイエイワ水力が試験運転へ

The construction of Myanmar's biggest hydropower plant, Yeywa, is nearing completion and the test run on one of the turbines of the plant will be launched during next month, the local weekly Voice reported Sunday. The construction of the dam on the Myitnge River involved a number of Chinese companies on contracts signed with the Myanmar side since 2004.

ミャンマーのマンダレーの東,イラワジ河の左岸支流でマンダレーの直前でイラワジに合流するミトンゲ川(注6),その上流に790MWのイエイワ水力プロジェクト(注5)のダムサイトがある。間もなく試験運転に漕ぎ着けると言う。私自身も,1976年にダムサイトを見ていることと,このイエイワ水力ダム(注5)と,今日の記事にもある600MWのシュエリ第1水力(注10)は,中国パイプラインの重要なノッドになる点で,印象的。

790MWのイエイワ水力プロジェクト(注5)の諸元は,ダムの総貯水容量26億トン,有効容量16億トン,ダム満水位185m,低水位150m,RCCタイプのダムは,高さ134m,長さ690m,ゲートなしの洪水吐長さ157m,フランシスタービン197MW4機,最大使用水量毎秒840トン,下流維持最低流量毎秒100トン,となっている。

790MWのイエイワ水力プロジェクト(注5)は完成に近づいて,来月,2009年12月にも,最初の1号機の試験運転を開始する。このミトンゲ川(注6)の現場では,多くの中国企業が,2004年の契約に基づいて,建設工事に従事してきた。総事業費6億ドルのうち,4億ドルはミャンマー政府が準備し,2億ドルは中国政府が準備した。位置は,マンダレーの東50km,最大出力は790MW,年間発生電力量は,35.5億KWhである。

電力は,23万ボルト送電線で,チャウクセ(注8),メイキティラ(注9),マンダレー(注7)の変電所を経て全国に供給される。また,今年,2009年5月には,シャン州(注11)の北部,600MWのシュエリ第1水力(注10)が運転を開始している。シュエリ第1水力(注10)は,ナムカムの南西27.2kmのマンテット村(注12)に位置し,最大出力600MW,年間発生電力量40.22億KWhである。全国の発電設備1,684MW,66.2億KWh。

(注)F (1) 091123F Myanmar, news.xinhuanet,(2) title: Myanmar biggest hydropower plant to be put on test run,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/22/content_12519343.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-11-22 12:08:29,YANGON, Nov. 22 (Xinhua),(5) 790MW Yeywa hydropower plant,(6) Myitnge River,(7) Mandalay,(8) Kyaukse,(9) Meikhtila,(10) 600MW Shweli-1 hydropower project,(11) Shan state,(12) Manthet Village, 27.2 kilometers southwest of Namkham,(13) Yeywa dam site,photo source: http://www.vncold.vn/Modules/CMS/Upload/13/Documents/YHPPEW.pdf,(14) Yeywa RCC placing, photo source: http://www.vncold.vn/Modules/CMS/Upload/13/Documents/YHPPEW.pdf,(15)

今日の参考資料

●091123F Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマーの最大規模790MWのイエイワ水力が試験運転へ
Myanmar biggest hydropower plant to be put on test run
http://my.reset.jp/adachihayao/index091123F.htm

http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/22/content_12519343.htm

最近の関連資料

○091120I Myanmar, thejakartaglobe
ミャンマーのパイプライン建設で中国の強行は軍事政権に予想外の収穫
China’s Oil and Gas Bonanza in Burma Proves a Windfall for Oppressive Junta
http://thejakartaglobe.com/opinion/chinas-oil-and-gas-bonanza-in-burma-proves-a-windfall-for-oppressive-junta/342617
●091103B Myanmar, online.wsj
ミャンマーのパイプラインで米国の動きがプロジェクトに影響を与えるか
Myanmar's Neighbors Advance Pipeline Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index091103B.htm
●090911D Myanmar, independent
ミャンマーの原油の取引で将軍達のポケットに50億ドル
Burmese generals pocket $5bn from Total oil deal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090911D.htm
●090911C Myanmar, ipsnews
ミャンマーのパイプラインで世論を押し切り中国は推進
CHINA Dual Pipelines in Burma to Push Ahead Amid Criticism
http://my.reset.jp/adachihayao/index090911C.htm
●090818A Myanmar, mizzima
ミャンマーのサルウイーン河ダム開発を巡る外交戦
The politics of dam construction along the Salween
http://my.reset.jp/adachihayao/index090818A.htm


2009年11月22日 ー インドと米国の原子力協力で核拡散など問題 ー

我が尊敬するインドのマンモハン・シン首相が,間もなくニューデリーを発って,ワシントンに向かうが,この件に関して日本の新聞の記事は,何か誠意がないですね,考えて書かれたとは思えない。マンモハン・シン首相は,まさに人類にために戦う,その成果を確実にするために,オバマ大統領に会おうとしている。円滑に言っていると思われている米印の原子力協定の実行に関して,まだまだ問題があるようだ。

インドのエネルギーは,ヒマラヤ周辺の大規模水力開発にしても,電源危機を克服するための大規模石炭火力開発計画UMPPにしても,米国などと約束した原子力開発にしても,かけ声は大きいが,なかなか実績が現れて来ない,観客席はイライラしますね。原子力協定も,大いに待ちかまえているGE,WH,三菱重工,それに連なる東芝や日立があるが,もう少し,解決するべき問題があるようだ。

今回の首脳会談は,昨年,2008年に両国各議会で批准された米印原子力協定の実質的な進捗を推進するものとして,期待されている。この原子力協力は,封印されていた冷戦時代の両国関係の壁を打ち破るものであり,インド国会を説得したシン首相の名声を一段高めた政治的事件であった。しかし,米国企業から見ると,まだ制度上の難問が残っていて,具体的な商活動には至っていない。

米国企業は,核燃料として低濃縮ウランを提供するが,これが核兵器に転用されることがないことを,確実に米国議会に納得させる必要がある。オバマ政権は,濃縮ウランの流出について,重大な関心を寄せている。また,インドが,核不拡散条約に参加していないことを背景に,原子力技術のノウハウを拡散しない,とのインドの確実な約束を待っている。更に原子力事故に対する免責条項について,インドが法律上の措置を行う必要がある。

これらを確認して,米国議会を納得させるだけの,シン首相とオバマ大統領の会談内容が要求される。オバマ政権は,南アジア安定のために,インドとパキスタンの関係改善を図ることを目指しているが,インドとしては米国に入って欲しくない。先日の,オバマ湖錦濤会談で,南アジアの安定,を謳われたことに,インドは反発している。中国が南アジア安定のための警察的な役割を果たすことに,警戒の念を高めている。複雑な会談である。

スーダンに於ける中国の動きが伝わって来た。現地で住民の相当の反発を買っているようで,油田の位置をマレーシア企業と替わって欲しい,と持ちかけてきた。スーダン,国土面積250万平方km,人口4,200万人,GDP580億ドル,大国である。原油埋蔵量については,余り資料がない。アフリカ中部の水を全部集めて,国土全体が白ナイルの扇状地の状況で,この湿地のような国土である。

首都ハルツームの標高が378mで,青ナイルのエチオピアの3,000mに比べて,低地である。これが原油を埋蔵した地形なのだ。政情不安定だが,中国企業,マレーシア企業が頑張っている。アジア企業の独断場だが,日本もこの原油を輸入しているのだ。どうやって持ち出しているのか,と思ったら,ハルツームから直線で700kmの,北端,スーダン港まで,パイプラインが通っている。

しかしこの地域の開発は,ダルフール反逆集団と地域の武装勢力に狙われており,攻撃を受ける可能性がある。2007年と2008年に少なくとも3件の拉致事件が起きている。殆どは解放されたが,少なくとも4人の中国人労務者が殺されている。また,交換の対象となっているブロック5A(注9)の地域では,水が汚染されていて,住民や家畜に病気が広がり,この世界最大級の湿地帯が,危険にさらされている。

今日のその他のニュース。ベトナム南部のドンナイ川の28.4MWダクシン水力のEPC契約をCAVICO。ネパールのカトマンズ東部のラスワ地区を中国大使が急遽訪問して水力も。ナイジェリアのデルタの紛争がなくなってガス火力が回復し3,330MWを供給。ブータンのプナチャンチュ水力開発などで魚類の移動に問題と。ベトナム国会は2,400MWソンラ水力の事業費増について説明を求める。


今日の参考資料

●091122D India, online.wsj
インドのシン首相の訪米で米印原子力協力がいよいよ拡大してくる
U.S. and India Hone Nuclear Pact for Singh's Arrival
http://my.reset.jp/adachihayao/index091122D.htm

http://online.wsj.com/article/SB125876806713958491.html
●091122E China, www.ogj
中国の国家石油CNPCがスーダン政府と石油精製などで協定を締結
CNPC signs new agreements with Sudan
http://my.reset.jp/adachihayao/index091122E.htm

http://www.ogj.com/index/article-display/2873009041/articles/oil-gas-journal/general-interest-2/companies/2009/11/cnpc-signs_new_agreements.html


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091122A Vietnam, hydroworld
ベトナム南部のドンナイ川の28.4MWダクシン水力のEPC契約をCAVICO
Cavico Awarded Engineering, Procurement and Construction Contract at Dak Sin Hydropower Plant
http://www.hydroworld.com/index/display/news_display/137902147.html
○091122B Nepal, telegraphnepal
ネパールのカトマンズ東部のラスワ地区を中国大使が急遽訪問して水力も
Chinese envoy Guohang’s sudden dash to Rasuwa district-Nepal
http://www.telegraphnepal.com/news_det.php?news_id=6685
○091122C Nigeria, petroleumworld
ナイジェリアのデルタの紛争がなくなってガス火力が回復し3,330MWを供給
Nigeria's power supply rises after Delta amnesty
http://www.petroleumworld.com/story09112003.htm
○091122F Bhutan, kuenselonline
ブータンのプナチャンチュ水力開発などで魚類の移動に問題と
Does megapower mean no mahseer
http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=14028
○091122G Vietnam, english.vietnamnet
ベトナム国会は2,400MWソンラ水力の事業費増について説明を求める
Son La cost overruns stir-up law-makers
http://english.vietnamnet.vn/biz/200911/Son-La-cost-overruns-stirup-lawmakers-880111/


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○中国,PKO専門部隊の訓練公開,積極的な貢献アピール
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091121D2M2102U21.html
○環境などで連携強化へ,インド首相,24日に米大統領と会談
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091122AT2M2103821112009.html
○中国の炭鉱でガス爆発,作業員87人死亡,中国黒竜江省鶴崗市
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12588420091122


本文

●インドのシン首相の訪米で米印原子力協力がいよいよ軌道に乗るか

India and the U.S. are pushing to tie up vital details of a nuclear-energy cooperation agreement approved by their legislatures last year, ahead of Prime Minister Manmohan Singh's visit to the White House Tuesday, said officials from both countries. The nuclear deal was a breakthrough in relations for two nations that were ideologically opposed during the Cold War, and Mr. Singh staked his political reputation to get it approved by a reluctant Indian Parliament.

来週火曜日,2009年11月24日,米政権の後退以来初めて,インドのマンモハン・シン首相(注6)がホワイトハウスにオバマ大統領を訪ねる,これは両国にとって,昨年,2008年に各議会で批准された米印原子力協定の実質的な進捗を推進するものとして,期待されている。この原子力協力は,封印されていた冷戦時代の両国関係の壁を打ち破るものであり,インド国会を説得したシン首相(注6)の名声を高めた事件であった。

しかし,米国企業から見ると,まだ制度上の難問が残っていて,具体的な商活動には至っていない。ルーマー駐印米国大使(注7)は大きな進展を期待しているが,土曜日,2009年11月21日,ワシントンで行われたはずの下打ち合わせの焦点は,米国企業によって供給されることになる低濃縮ウランが兵器転用できないレベルの品質であることの確認であった。オバマ政権は,濃縮ウランの流出について,重大な関心を寄せている。

また,インドが,核不拡散条約(注9)に参加していないことを背景に,原子力技術のノウハウを拡散しない,とのインドの確実な約束を待っている。更にもう一点,米国企業の,原子力事故に対する免責条項(注11)について,インドが法律上の措置を行う必要がある。GE(注10)などの米国企業は,この法律上の措置が,インド市場参入の前提条件である,と言っている。インドの高官は,次の国会でこの免責条項を処理すると言っている。

火曜日,2009年11月24日,オバマ大統領とシン首相はホワイトハウスで会談を行うが,オバマ政権はインドとの関係を重要な戦略的な相手と位置づけて,教育,クリーンエネルギー,防衛の3点を焦点に,協議を行う意図である。月曜日には,バイデン副大統領とクリントン国務長官が昼食会に臨み,火曜の夜には,オバマ大統領が,夕食会を予定している。ムンバイテロの問題でも,両国は対テロ作戦で協力の姿勢にある。

2005年のワシントンに於けるシン首相とブッシュ前大統領の会談では,原子力協力が最大の焦点であったが,オバマ政権になって,南アジアや中央アジアの政治的安定が重要な焦点となり,特にカシミール(注15)を巡るインドとパキスタンの紛争解決が,オバマ政権の約束になってきている。米国はホルブルック特使(注16)を任じて調整に当たろうとしているが,インドはパキスタンの関係では,米国の介入を望んでいない。

米国は,インドのアフガニスタン問題への参加を求めているが,インドが参加すると,パキスタンがタリバンへ傾く恐れがある,と懸念する向きもある。また,インドは,米国と中国の協力関係にも関心があり,オバマ大統領が,中国と南アジアの安定で協力する約束をしたことに,懸念を表明している。中国が,南アジアの政治的安定のための掲載的な役割を果たすことは,インドが基本的に反対している。

(注)D (1) 091122D India, online.wsj,(2) title: U.S. and India Hone Nuclear Pact for Singh's Arrival,(3) http://online.wsj.com/article/SB125876806713958491.html,(4) By AMOL SHARMA in New Delhi and JAY SOLOMON in Washington,(5) photo source: India has 17 nuclear-power plants -- including Kakrapar, above, in the western state of Gujarat -- and is building six more to meet growing energy demand,(6) Prime Minister Manmohan Singh,(7) Timothy Roemer, U.S. ambassador to India,(8) low-enriched uranium低濃縮ウラン,(9) Nuclear Nonproliferation Treaty核拡散防止条約,(10) General Electric Co.,(11) liability protection,(12) Vice President Joe Biden,(13) Secretary of State Hillary Clinton,(14) Assistant Secretary of State Robert Blake,(15) Himalayan territory of Kashmir,(16) special envoy to Pakistan and Afghanistan, Richard Holbrooke,(17) C. Raja Mohan, an influential Indian strategic analyst,(18)

今日の参考資料

●091122D India, online.wsj
インドのシン首相の訪米で米印原子力協力ががいよいよ軌道に乗るか
U.S. and India Hone Nuclear Pact for Singh's Arrival
http://my.reset.jp/adachihayao/index091122D.htm

http://online.wsj.com/article/SB125876806713958491.html

最近の関連資料

●091110D India, steelguru
インドの電力セクターについて将来8〜9年で2,500億ドル必要
USD 250 billion investments needed in power sector - Study
http://my.reset.jp/adachihayao/index091110D.htm
○091110E India, in.reuters
インドの原子力開発でGEは少なくとも一つのプロジェクトを期待
GE hopes to build at least one Indian nuclear plant
http://in.reuters.com/article/topNews/idINIndia-43798720091109
○091110G India, Economic Times
インドの原子力で仏籍アルストルムがBHELや原子力公社と提携模索
Alstom India in talks with Bhel, NPCIL to be a part of JV
http://economictimes.indiatimes.com/news/news-by-industry/energy/power/Alstom-India-in-talks-with-Bhel-NPCIL-to-be-a-part-of-JV/articleshow/5211064.cms
○091010I India, rttnews
インドと米国の原子力協定でオバマ大統領が6ヶ月毎の報告書を議会説明へ
Obama Transmits Report On Indo-U.S. N-Deal To Congress
http://www.rttnews.com/Content/GeneralNews.aspx?Node=B1&Id=1089510
●091010J India, thepeninsulaqatar
インドの原子力公社は8サイトで2032年までに63,000MW開発の計画
Nuclear Power Corp targets 63,000 MW of atomic energy by 2032
http://my.reset.jp/adachihayao/index091010J.htm


●中国の国家石油CNPCがスーダン政府と石油精製などで協定を締結

China National Petroleum Corp., apparently shrugging off environmentalists’ concerns, has signed three oil and gas cooperation agreements with the government of Sudan. The agreements consist of a memorandum of understanding on the second phase expansion of Khartoum refinery, advance payment for crude trading and an agreement to swap equity between CNPC's Block 6 and Malaysia State Oil's Block 5A.

スーダン,国土面積250万平方km,人口4200万人,GDP580億ドル,大国である。原油埋蔵量については,余り資料がない。アフリカ中部の水を全部集めて,国土全体が白ナイルの扇状地の状況で,この湿地のような国土であるが,首都ハルツームの標高が378mで,青ナイルのエチオピアの3000mに比べて,低地である。これが原油を埋蔵した地形なのだ。政情不安定だが,中国企業,マレーシア企業が頑張っている。

このたび,中国国家石油CNPC(注5)が,環境団体からの非難渦巻く中で,スーダン政府との原油ガス開発に関する新しい協定を締結した。この協定は3つの部分からなっていて,ハルツーム精油所(注7)の拡充,石油代金の前払い,マレーシア企業のブロック5A(注9)とCNPC(注5)のブロック6(注6)の間での資本の交換である。詳しくは公表されていないが,精油所(注7)は,CNPC(注5)とSUDPET(注10)の共有である。

ハルツーム精油所(注7)は,2000年に年250万トンの石油生産で始まったが,2006年に一度拡充されて,年500万トンを生産している。その80%はスーダン国内で消費されている。CNPC(注5)によると,PETRONAS(注11)との間で合意に達したのは,95%の資本を持つブロック6(注8)と,PETRONAS(注11)のWNPOC(注12)が全資本を有するユニティ県のブロック5A(注9)の間の交換である。

このユニティ県のブロック5A(注9)は,タールジャット油田とマラ油田(注14)を包含しているが,2005年に,PETRONAS(注11)が68.875%,ONGC(注15)が23.125%,SUDAPET(注10)が8%の資本を有するWNPOC(注12)に,権益を与えられたものだ。これは,CNPC(注5)がブロック6(注8)の地域で住民の批判に曝されているからだが,ブロック5A(注9)でも,環境汚染の問題がある。

2009年10月半ばに,CNPC(注5)の子会社CPECC(注16)が260百万ドルで権益を得たものだが,問題は,西コードファン県と南ダルフール県(注17)の県境を跨いでいることである。現在では,西コードファン県のフラ油田(注18)だけで稼働していて,生産量は日4万バレルである。しかし2007年にいたってCNPC(注5)は,3600万バレルの可採埋蔵量を発見していて,2年内に,日6万バレルに生産を上げる見込みが立っている。

しかしこの地域の開発は,ダルフール反逆集団と地域の武装勢力に狙われており,攻撃を受ける可能性がある。2007年と2008年に少なくとも3件の拉致事件が起きている。殆どは解放されたが,少なくとも4人の中国人労務者が殺されている。また,交換の対象となっているブロック5A(注9)の地域では,水が汚染されていて,住民や家畜に病気が広がり,この世界最大級の湿地帯が,危険にさらされている。

ドイツのNGO(注22)によると,マラとタルジャティ油田(注14)では,生産設備の廃水がその汚染の主たる原因とされている。その汚染は,既に飲料水の取水層に影響が出ている。汚染の要因は,シャン化物,鉛,ニッケル,カドミューム,ヒ素などで,決定的な限界まで来ている。住民達は,その汚染された飲料水で,死に至る病気の危険に曝されている。4000平方kmの30万人の住民に影響が及ぶ,とされている。

(注)E (1) 091122E China, www.ogj,(2) title: CNPC signs new agreements with Sudan,(3) http://www.ogj.com/index/article-display/2873009041/articles/oil-gas-journal/general-interest-2/companies/2009/11/cnpc-signs_new_agreements.html,(4) Nov 20, 2009,Eric Watkins,OGJ Oil Diplomacy Editor,LOS ANGELES, Nov. 20, (5) China National Petroleum Corp,CNPC,(6) Sudanスーダン,(7) Khartoum refinery,(8) Block 6,(9) Malaysia State Oil's Block 5A,(10) Sudapet,(11) Petronas,(12) White Nile Petroleum Operating Co,WNPOC,(13) Unity State,(14) Thar Jath and Mala oil fields,(15) Oil & Natural Gas Corp.,(16) China Petroleum Engineering & Construction Co. (CPECC),(17) Western Kordofan and South Darfur states,(18) Fula field in West Kordofan,(19) antagonize,敵対する,(20) Darfuri Justice and Equality Movement,(21) South Kordofan and the adjoining areas of South Darfur,(22) Klaus Stieglitz, vice-chairman of the German NGO Sign of Hope,(23) Rier, a village close to the Thar Jath processing facility,(24) cyanide,シャン化物,(25) arsenic,ヒ素,(26) Khartoum refinery photo source: http://images.google.com/imgres?imgurl=http://www.sudantribune.com/IMG/jpg,(27) Khartoum downtown,photo source: http://img2.travelblog.org/Photos/13981/54595/f/309006-Downtown-Khartoum-1.jpg,(28) multinational oil consortium, map source: http://farm4.static.flickr.com/3058/2985425706_dd06589267_o.jpg,(29) Oil block,map source: http://www.africanoiljournal.com/sudan_oil_block.htm,(30) JOGMEC Sudan, http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=0611_02_takehara_sudan_r.pdf&id=38

今日の参考資料

●091122E China, www.ogj
中国の国家石油CNPCがスーダン政府と石油精製などで協定を締結
CNPC signs new agreements with Sudan
http://my.reset.jp/adachihayao/index091122E.htm

http://www.ogj.com/index/article-display/2873009041/articles/oil-gas-journal/general-interest-2/companies/2009/11/cnpc-signs_new_agreements.html

最近の関連資料

●091117F China, wsws
中国のアフリカ会議は米国などの牽制にもかかわらずその進出に歯止め効かず
China continues its aggressive pursuit of Africa’s resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index091117F.htm
○091109F China, steelguru
中国がアフリカで現在までに契約した投資プロジェクト
List of Chinese oil and mineral deals in Africa
http://steelguru.com/news/index/2009/11/08/MTE5NDAy/List_of_Chinese_oil_and_mineral_deals_in_Africa.html
○091109H China, news.xinhuanet
中国温家宝首相はスーダン大統領など6カ国首脳と個別に会談
Chinese premier meets with African leaders
http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/09/content_12413126.htm
●091108F China, chinadigitaltimes
中国の世界資源獲得戦略は温家宝のエジプト会議で進行中
China’s Africa Investments Under Harsh Spotlight
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108F.htm
○091105F China, reuters
中国のアフリカの資源及び通商との関わり合いの歴史
China's oil and mineral deals in Africa
http://www.reuters.com/article/marketsNews/idUSPEK30076220091104
●091030B Rwanda, defenceweb
ルワンダへの投資について中国企業がコンゴとの関連で高く評価
China praises Rwanda's investment potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index091030B.htm
●091029D Ethiopia, af.reuters
エチオピアの道路や水力ダム建設に中国企業が進出
Ethiopia earmarks almost $1 billion for roads
http://my.reset.jp/adachihayao/index091029D.htm
●091027E China, ngrguardiannews
中国とアフリカの関係でナイジェリアの原油などその眞の意図は何か
The truth about China-Africa relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index091027E.htm


2009年11月20日 ー インドネシアの石炭の輸出は当分問題ない ー

気候変動問題のニュースが氾濫して大変だが,私は,インドと中国の石炭火力抑制に関するものと,インドネシア,ブラジルの熱帯林喪失抑制,の問題以外は,出来るだけ無視する方針である。今日のIEA予測の報道で,如何に世界が頑張っても,再生可能エネルギー開発で需要増に対応することは不可能で,経済面からも石炭火力の増大を抑えることは出来ず,地球温暖化ガスの排出が増加,と書いている。

中国やインドの新興国で,13兆ドル以上の電力投資が必要で,その殆どは石炭火力だ,と言っている。だから私は,これをいくらかでも抑えようとするならば,中国とインドの原子力開発と,ヒマラヤ周辺の大規模水力で,対応するより他に手段はない,と思っている。太陽光や風力は,焼け石に水で,その資金と努力は,中国とインドの原子力と大規模水力に注ぎ込むべきだと思う。ビジネスはビジネス,人類の戦いの本質はまた別だ。

インドと中国が,どうして海外の石炭に躍起になって手を伸ばして行くのか,なかなか理解できない。石炭の埋蔵量についてはいろいろ数字があって難しいが,可採埋蔵量と言う観点から見ると,世界全部で1兆トンと覚えておく。中国とインドは第2位と第4位で,1,000億トン規模,インドネシアは600億トン,と覚えていたが,今日の記事ではもう少し多いようだ。もっとも,未探査の東部を入れると無限に近いが。

中国とインドが海外石炭を買いあさるために,世界は脅えている。私の考えるところ,インドも中国も,自分の国の石炭生産をさぼっているのではないかと思う。中国は炭坑事故が余りにも多くて,世界で安く買えるなら,そちらの方がよい,と思っている。インドも,もっと頑張ればよいのだが,西部海岸地帯では,東部から運んでくるよりも輸入して船で持ってくる方がよい,という横着な態度,もっとも原料炭にするのは質が悪いという問題もある。

中国の石炭荷揚げ港,河北省の秦皇島港は,今日のニュースにあるように,全国の輸入石炭の50%を扱っているが,急激に荷揚げ量が増えつつあり,11月17日の1日扱い量が66.7万トンに達し,11日に52.3万トンであったものが,一週間で実に14万トンも増えている。日本と一緒で,どんどん危ない炭坑を閉鎖して,安全なインドネシアの石炭に,依存度を増やしてきている,もっと自国で頑張るべきだろうが。

インドネシアは,現在,電力危機に対処するために,中国の支援を受けながら,石炭火力10,000MWのクラッシュ・プログラムを進めているが,これらが本格的に稼働すると,年3,000万トンの石炭が余分に必要となる。そのために,石炭輸出の上限は1.5億トン,と発表したために,インドや中国がその量的な問題と共に,価格の問題を懸念している。

中国の石炭の年間生産量は,25億トン,インドは,11億トン,のオーダーだが,年1.5億トンの生産国のインドネシアの石炭を,どうして買いあさるのか,この辺りが私の疑問だが,今日の記事を読んでみると,インドネシアの石炭生産の見通しは,極めて強気であり,中国もインドも,その先行きに大いに期待しているのかも知れない。その生産の先行きを見てみよう。石炭価格は,トン80ドルまで上がると見られる。

マッコーリ(注6)の予想では,インドネシアに於ける炭鉱企業は,容易に生産を上げることが可能,と言う点も考慮すべき,としている。この10年間,インドネシアの石炭生産は,年2,000万トンの速度で伸びてきており,この傾向は2020年まで続くと思われる。今年,2009年の生産予想,2.3億トンに比べて,2025年には4.05億トンに達すると予測できる。クラッシュ・プログラム(注5)の遅れも,石炭不足の懸念を和らげている。

その他,今日は重要なニュースが沢山あった。ベトナムの2009年の電力設備は20%増大する。ベトナム国会で関係閣僚が水力開発で質問攻めに会う。ネパールとインドの水資源対話でパンチェスバール多目的ダムが討議の俎上に。インドネシアのPLNが国内銀行から石炭火力の160百万ドル調達。インドネシア北スマトラの中国の400MW石炭火力再開。

ガーナのブイダムの水没移住で生活面の問題に挑戦。スリランカは更に中国からの追加借款で900MWの石炭火力規模へ。ミャンマーのパイプライン建設で中国の強行は軍事政権に予想外の収穫。ブラジルの大規模停電はイタイプ水力発電へ頼りすぎた結果ではないか。などなど。


今日の主題

●091120D Indonesia, in.reuters
インドネシアの石炭輸出制限は実際の行動は5年後だろう
Indonesia coal exports curb will take time to bite
http://my.reset.jp/adachihayao/index091120D.htm

http://in.reuters.com/article/domesticNews/idINJAK43591920091119


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091120A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの2009年の電力設備は20%増大する
Vietnam 2009 power capacity to rise 20 pct: minister
http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=53768
○091120B Vietnam, vietnamnews.vnagency
ベトナム国会で関係閣僚が水力開発で質問攻めに会う
Minister grilled on hydropower
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=03ECO191109
○091120C Nepal, thehimalayantimes
ネパールとインドの水資源対話でパンチェスバール多目的ダムを討議
Pancheswor project to top water talks with India
http://www.thehimalayantimes.com/fullNews.php?headline=Pancheswor+project+to+top+water+talks+with+India&NewsID=48135
○091120E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNが国内銀行から石炭火力の160百万ドル調達
PLN to get another Rp 1.5t loan from BRI
http://www.thejakartapost.com/news/2009/11/19/pln-get-another-rp-15t-loan-bri.html
○091120F Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア北スマトラの中国の400MW石炭火力再開
Construction of power plant resumes after forced halt
http://www.thejakartapost.com/news/2009/11/19/construction-power-plant-resumes-after-forced-halt.html
○091120G Ghana, news.myjoyonline
ガーナのブイダムの水没移住で生活面の問題に挑戦
Feature: Bui Dam resettlements: Livelihoods and institutional challenges
http://news.myjoyonline.com/features/200911/38117.asp
○091120H Srilanka, lankabusinessonline
スリランカは更に中国からの追加借款で900MWの石炭火力規模へ
Sri Lanka accelerates Chinese-financed coal plants
http://www.lankabusinessonline.com/fullstory.php?nid=1623813244
○091120I Myanmar, thejakartaglobe
ミャンマーのパイプライン建設で中国の強行は軍事政権に予想外の収穫
China’s Oil and Gas Bonanza in Burma Proves a Windfall for Oppressive Junta
http://thejakartaglobe.com/opinion/chinas-oil-and-gas-bonanza-in-burma-proves-a-windfall-for-oppressive-junta/342617
○091120J Brazil, counterpunch
ブラジルの大規模停電はイタイプ水力発電へ頼りすぎた結果ではないか
The Problems With Hydropower Blackout in Brazil
http://www.counterpunch.org/kozloff11192009.html


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○IEA予想,クリーンな発電,需要に追い付かず,石炭火力増える
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aA1VJhYj0yTI
○石炭の取扱量で国内シェア50%の河北省・秦皇島港
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/241044/
○JFEスチール,印JSWスチールと戦略的包括提携,出資も前向きに検討
http://jp.reuters.com/article/jpSubMarketNews/idJPnTK035104220091119
○日中外相会談,「ガス田」早期解決で一致, 「6カ国」再開へ連携
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091120ddm002010056000c.html
○米エネルギー省と農務省,バイオ燃料研究に2,400万ドル投資
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091120ddm002010056000c.html
○原油相場,約60ドルに下落か,需要低迷と在庫増で−マッコーリー
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=azbA31lfHHwU
○COP15,先進国,当面年9000億円拠出を,約束求める−条約事務局長
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009112000452


本文

●インドネシアの石炭輸出制限は実際の行動は5年後だろう

Indonesia's plans to cap coal exports to satisfy demand at home are unlikely to crimp global supplies for as long as five years, when new power plants will finally fire up domestic demand in the top thermal coal exporter. Coal traders are growing increasingly worried over the prospect of Indonesia switching more coal to home use and away from exports, particularly given the rapid import demand growth from Asian giants China and India at the same time.

インドネシアは世界最大の発電用石炭の輸出国である。インドネシアの石炭は,世界的にも余り大きいとは言えない。確認埋蔵量は,約614億トンで,南アフリカやオーストラリアの900億トンレベルよりも小さい。そのうちの72%は,南スマトラと東カリマンタンに偏って存在する。パプアでは地質的に大きなポテンシャルを持っていると考えられているが,調査が進んでいない。石炭生産については,年間約1億5,000万トン程度と考えられる。

インドネシアは,国内需要の増大を理由に,石炭輸出を,年1.5億トンに制限する決定を行ったが,少なくとも5年間,即ち現在建設中の石炭火力が完全に稼働するまでは,このインドネシアの決定が,世界の石炭市場に大きな混乱を与えるとは考えられない,と言うのである。最近,巨大な石炭輸入国に変身してきた中国やインドは,特にこのインドネシアの新しい決定に,懸念を示している。

マッコーリ(注6)の予想では,インドネシアに於ける炭鉱企業は,容易に生産を上げることが可能,と言う点も考慮すべき,としている。この10年間,インドネシアの石炭生産は,年2,000万トンの速度で伸びてきており,この傾向は2020年まで続くと思われる。今年,2009年の生産予想,2.3億トンに比べて,2025年には4.05億トンに達すると予測できる。クラッシュ・プログラム(注5)の遅れも,石炭不足の懸念を和らげている。

このクラッシュ・プログラム(注5)は,年3,200万トンを必要とするが,2010年完成の予定が,2011年にずれ込む。また,第2次クラッシュ・プログラム(注7)は,石炭火力の他,地熱や水力の再生可能エネルギーに重点を置いている。1.5億トンの輸出制限を行う時期は,少なくとも5年後だろう。国内需要は,2016年で,1.25〜1.30億トンと予測される。

この値は,2015年に1.4億トンとした政府予測を下回り,2015年には,2.09億トンとなって,輸出可能量は,1.96億トンと計算される。インドネシアの発電用の石炭需要は,全体需要の60%だ。長期的な石炭価格だが,今回の輸出制限の決定が,価格に影響を与える可能性は小さい。今週のアジアの基準価格,オーストラリアの石炭価格は,トン83ドルで,2年越しの安値であった3月の58ドルから,50%アップしている。

マッコーリ(注6)の見方は,2010年は乾期に当たり,インドネシアの石炭の生産量も,2.50〜2.60億トンで,中国の需要も7月がピークであり,トン70ドルに低迷する,即ち,短期的には価格は安定するだろう。しかし中国は,中小炭坑の閉鎖と電力の伸びで,石炭純輸入国になってきている。2012年にはインドネシアの石炭火力が動き始め,インドの石炭火力も石炭輸入に圧力をかけてくる。

インドは,自国石炭生産の遅れで,2012年には,3,000万トン増えて,8,000万トン,更には1億トンに達することも有り得る。2011〜2012年の石炭価格は,トン80ドルまで上がると見られるが,更に高い90ドル,と言うことも考えておく必要がある。中国とインドの需要圧力は,インドネシアの石炭に対する投資を呼び込む。低質炭に対するロイヤリティカットで,これからは世界的にも高質炭需要は少なくなり,低質炭が伸びてくる。

インドネシアの石炭大手,ブミ資源(注10),アダロ(注11)は,この政府のロイヤリティカットで,利益が伸びてくる。インドネシアの石炭包蔵は,1,057.6億トンで,その80%は,乾燥状態ADB(注12)でキログラム当たり6,100キロカロリー以下の低質炭である。インドネシアの石炭への投資は旺盛で,最近,米国のPE社(注13),ドバイのC&C(注14),マーキュリア(注15)が,ジャカルタに事務所を開設した。

しかし一部では,新しい鉱業法が,投資を制限する方向に働く懸念がある,としている。この新しい規則の内容の解明なしでは,新規企業の参入は難しいかも知れない。大部分の外国企業は,既設企業との結びつきと,大規模な引き取り手のある事業に,資本割合を増やさず参入してくることが予想され,それらの企業は,インドや中国からと思われる。インドのタタ電力(注17)は2007年にブミ(注10)の30%,KEPCO(注18)はこの7月に,アダロ(注11)の1.5%資本参入で,年間300万トンの石炭輸入を確保している。

(注)D (1) 091120D Indonesia, in.reuters,(2) title: Indonesia coal exports curb will take time to bite,(3) http://in.reuters.com/article/domesticNews/idINJAK43591920091119,(4) Thu Nov 19, 2009 10:38am IST,By Fitri Wulandari,JAKARTA, Nov 19 (Reuters),(5) crash programme,(6) Adam Worthington, head of Asian utilities and coal at Macquarie Securities,(7) second 10,000 MW government programme,(8) Singgih Widagdo, director of the Indonesian Coal Society,(9) Rania Rahmundita of CIMB Securities Indonesia,(10) Bumi Resources,(11) Adaro Energy,(12) air-dried basis (ADB),(13) Peabody Energy,(14) Coal & Oil,(15) Mercuria Energy Group,(16) Russell Neil, director and chief development officer at PT Bayan Resources,(17) Tata Power,(18) Korea Electric Power Corp,(19) World coal market, picture source: http://www.erdene.com/assets/imgs/projects/Map_WorldCoalMarket.gif,(20) map info mine Indonesia, map source: http://map.infomine.com/map.asp?open_section=PROP,WORL&cmd=MAP&location_id=,(21) photo source: http://www.bayan.com.sg/,(22)
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今日の参考資料

●091120D Indonesia, in.reuters
インドネシアの石炭輸出制限は実際の行動は5年後だろう
Indonesia coal exports curb will take time to bite
http://my.reset.jp/adachihayao/index091120D.htm

http://in.reuters.com/article/domesticNews/idINJAK43591920091119

最近の関連資料

○091015F Indonesia, energy-business-review
インドネシアのPLNが第1次クラッシュプログラムの一部10億ドルを確保
PLN Inks Loan Agreements For Coal-fired Plants
http://www.energy-business-review.com/News/pln_inks_loan_agreements_for_coalfired_plants_091014/
●091015G Indonesia, forbes
インドネシアが石炭輸出に関し国内需要から年1.5億トンに制限する政策を視野
Indonesia plans to cap coal exports, official says
http://my.reset.jp/adachihayao/index091015G.htm
●091015H Indonesia, reuters
インドネシアのPLNが石炭火力開発で中国の銀行などから10億ドル確保
Indonesia power firm signs loan agreements for over $1 bln
http://my.reset.jp/adachihayao/index091015H.htm
●091011F Indonesia, news.alibaba
インドネシアのPTブミによると石炭価格は需要回復で2010年は40%上昇へ
PT Bumi Resources to expect 2010 electric and coal price up to US$100t
http://my.reset.jp/adachihayao/index091011F.htm
●090924E Indonesia, reuters
インドネシアの石炭企業の債務に中国投資基金が19億ドル借款供与
Indonesia's Bumi says China's CIC lends $1.9 bln
http://my.reset.jp/adachihayao/index090924E.htm


2009年11月19日 ー インドの国営重電がUHV変圧器で工場拡張 ー

胆沢ダムの小沢幹事長への5,000万円献金問題で,今朝から報道が飛び交っている。さて,超超高圧送電網UHVについては,いろいろな思いが交錯する。我々が揚水発電所を造っていた1970年代は,50万ボルト送電線華やかなりし頃で,特に関西電力管内では,近畿を取り巻く環状線の送電網に,北,南,西に揚水発電所をぶら下げて,系統全体の安定を図る,理想的な供給網の構築が進んだ。

東京電力で100万ボルトの送電線が進んでいたことは,私も知っていたが,日本では実験的な試み,との認識が私達にあった。2000年にインドの送電公社を訪ねたときに,東京電力の100万ボルト送電線に大いに関心がある,支援してくれる方策がないか,と問いかけられたことがあった。まさか中国が先行するとは,当時の中国の現状を見ていて,その時は考えなかった。

しかし結局,超超高圧送電網UHVを本格的に試みて,実用化したのは中国であった。おそらく,東京電力の技術者も,日本の国内で一生懸命,もがいていたのであろうが,地域分割されている日本の電力の現状では,海外進出の目標はあっても,国内での100万ボルトの本格使用は,出来なかったのだろう。中国は相当にこの面で東京電力に学んだと思われるが,最終的に名をなしたのは,スイスのABBだった。

今年になって,NHKが国際規格のテーマーで取り上げてきたときは,もう既に中国の2,000kmのUHVのニュースが世界を駆けめぐっており,中国は,UHVでは世界一,と豪語し始めた。日本は技術は持っているが実用化していない,と表現して,次はブラジルに中国の実績を持って行くのだ,と世界制覇の夢を語り始めた。ブラジルは,先日,大停電を起こして,オリンピックまでの大規模送電投資を要請されている。

さて,その後インドはどうなっているのかな,北東地域から西への送電や,ブータン,ネパールの水力開発で,インドこそは超超高圧送電網UHVの必要を今こそ感じているだろう,とは予測していた。中国にお願いします,と言うわけには行かず,東京電力もなかなか本気になって支援してくれないし,困っていたのではないか。今日のニュースで,国営重電のBHELが,UHV対応の変圧器工場の拡充に踏み切った,と書かれている。

具体的に超超高圧送電網UHVの計画は,記事には書かれていない。調べてみると,日本のメーカーも盛んにインドのUHVの将来性に目を付けて,奔走している模様が見て取れる。インドは,120万ボルトのUHVに踏み切っているようだが,どうやら日本が躍起になって国際規格をとろうとしていた100万ボルト,110万ボルトは採用しない模様だ。120万ボルトとなると,実用化されていないが,欧州が国際標準を獲得しているようだ。

旭電気の遠藤滋氏がまとめておられる資料を借りると,2012年までに800KV直流送電網,4,000km,1,200KV送電網が2025年までに20,000kmと,まさに壮大なUHV計画である。インドの超超高圧送電網UHVは,まさにこれからが正念場のようである。BHELとは日立-GEなどが原子力で提携関係にあり,また日立は,日本のUHV技術の担い手でもある。新しい展開が欲しいところだ。知的送電網,スマートグリッドも含めたい。

なお,このUHVを調べて知ったが,BHELの工場のあるボパールというマディヤプラデシュ州の州都は,1984年に悲惨な事故を経験していることを知った。1984年12月にカーバイド工場から有毒ガスが漏れ,その夜のうちに3,000人が死亡,最終的に2万人以上が死亡した事件があり,工場の社長は米国に海外逃亡して,未だに市民との間で紛争が続いているという。


今日の主題

●091119D India, ummid
インドのBHELはUHV系統の変圧器製造のため工場を建設
BHEL sets up new UHV Transformer Manufacturing Facility at Bhopal
http://my.reset.jp/adachihayao/index091119D.htm

http://www.ummid.com/news/November/18.11.2009/bhel_set_up_uhv_transformer_unit.htm


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091119A Tanzania, thisday
タンザニアのTANESCOの系統に49MWが付加され需給が改善に
TANESCO mum over power cuts rescheduling
http://www.thisday.co.tz/News/6514.html
○091119B Nepal, nepalnews
ネパールの456MWアッパータマコシ水力にCITが20億ルピー投資へ
CIT to invest Rs 2 billion in Upper Tamakoshi
http://www.nepalnews.com/main/index.php/news-archive/3-business-a-economy/2460-cit-to-invest-rs-2-billion-in-upper-tamakoshi.html
○091119C Nigeria, allafrica
ナイジェリアのオグンの20人がミニ水力学習のため中国へ出発
Ogun to Spend N7 Billion on Power Plants
http://allafrica.com/stories/200911171192.html
○091119H India, dnaindia
インドのPATELがタミルナドで1,320MW火力の用地を取得
Patel Engg completes land buys for Tamil Nadu plant
http://www.dnaindia.com/money/report_patel-engg-completes-land-buys-for-tamil-nadu-plant_1313505
○091119E Ethiopia, nazret
エチオピアは10年以内に地域の電力純輸出国になるだろう
Ethiopia will become net power exporter in the region within 10 years: Report
http://nazret.com/blog/index.php?title=ethiopia_will_become_net_power_exporter_&more=1&c=1&tb=1&pb=1
○091119F Elsarvador, laht
エルサルバドルの洪水被害は880百万ドルに達する
El Salvador Flood Damage Estimated at $880 Million
http://www.laht.com/article.asp?ArticleId=347569&CategoryId=23558
○091119G China, online.wsj.
中国の三峡ダムの地下発電所部分は渇水と環境問題で全力運転はまだ
Drought Poses Obstacle for Giant Chinese Dam
http://online.wsj.com/article/SB125845994890851943.html


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○日本は2,700億円の支援強調,食料サミット閉幕,先進国の影薄
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091119AT3S1800M18112009.html
○太陽光発電システム市場は3年ぶりに拡大,2015年度には1兆円規模に
http://www.asahi.com/digital/cnet/CNT200911190027.html
○インド,太陽光発電の電力買い取りが電力会社の義務に?
http://news.indochannel.jp/news/nws0001718.html
○カタールがアジアで大型石化事業,8,700億円,伊藤忠参加も
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=a9VJXZS7dVFo
○マレーシア,再生可能エネルギー法案を来年審議,太陽光発電に注力
http://www.asiax.biz/news/2009/11/19-110824.php
○三菱重工業,カナダのエネルギー企業からガスタービン発電機を受注,CTCC90万KW
http://www.ecool.jp/press/2009/11/post-408.html
○経団連,メコン5カ国首脳歓迎昼食会開催,投資拡大を各国首脳が期待感表明
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2009/1119/06.html


本文

●インドのBHELはUHV系統の変圧器製造のため工場を建設

As part of its manufacturing capacity expansion to 15,000 MW per annum, India's giant Public Sector Bharat Heavy Electricals Limited, (BHEL), has set up a new state-of-the-art Ultra High Voltage (UHV) Transformer Manufacturing Facility at Bhopal, the capital of central Indian state of Madhya Pradesh.

超超高圧送電網,我々が言っていた超高圧送電網は,日本が1970年代に大々的に開発した50万ボルト送電線を言うから,UHV(注6)という場合は,100万〜150万ボルトと考えると,超超高圧送電網と言う日本語表現を使うことになるのだろう。UHV(注6)には,我々のいろいろな思いがこもるが,日本は早くから研究に取り組み,現実に建設してきたけれども,中国やインドの送電網に十分に食い込んでいない,という思いがこもる。

インドのUHV(注6)計画は,インド送電公社PGCILが持っているが,旭電気の遠藤滋氏がまとめておられるのを借りると,2012年までに800KV直流送電網,4,000km,1,200KV送電網が2025年までに20,000kmと,まさに壮大なUHV(注6)計画である。私も忸怩たる思いがあるのは,2000年頃に,PGCILが東京電力の100万ボルト送電線に,大きな関心を示したことがあった,ことである。

今インドは,年間平均15,000MWの電源拡張計画の元,インドの巨大国営重電メーカーBHEL(注5)が,マディヤプラデシュ州(注8)の州都,ボーパル(注4)に,世界最新技術(注7)の超超高圧UHV(注6)の変圧器製造工場を,準備することとなった。火曜日,2009年11月17日,デシュムク重工業大臣(注9),ラオBHEL総裁(注13)などが出席して,除幕式が行われた。

このUHV(注6)変圧器の技術は,世界最新鋭の技術を担うBHEL(注5)の重要な一環をなすものだ。この新設備は,BHEL(注5)の生産能力に新たに年間12,000MVAを追加する。この結果,ボパール(注4)工場で合計年間30,000MVAが可能であり,ジャンシー工場(注15)を併せると,BHEL(注5)全体で,年間45,000MVAの生産能力となる。この結果,インドとしてUHV(注6)技術で,国産で賄うことが可能となる。

この新工場は,最高の設備を有して,1,200KV送電に耐え得るものだ。この結果,第11次五カ年計画は勿論,それ以降の計画にも対応できる。電源規模では,年間10,000MWを越えて,15,000MWに達し,更に2011/2012年度には,20,000MWに対応するものと計画されている。過去5年間,BHEL(注5)は,変圧器と分路リアクトル(注16)について,インドの送電分野を支えてきた。

BHEL(注5)は,インドのにおけるUHV(注6)技術の花形的役割を果たしてきた。近い将来,超臨界800MWユニットや,700MW原子力ユニットの計画が,この変圧器の多様化の要請に応えることとなる。変圧器の需要は急激に高まっており,年間120,000MVA生産の要請に対して,BHELは,この要請に応えて,段階的に発展して行くだろう。

(注)D (1) 091119D India, ummid,(2) title: BHEL sets up new UHV Transformer Manufacturing Facility at Bhopal,(3) http://www.ummid.com/news/November/18.11.2009/bhel_set_up_uhv_transformer_unit.htm,(4) Bhopal,(5) Bharat Heavy Electricals Limited, (BHEL),(6) Ultra High Voltage (UHV),(7) state-of-the-art,最先端技術,(8) Madhya Pradesh,(9) Union Minister Heavy Industries & Public Enterprises Vilasrao Deshmukh,(10) Chief Minister of Madhya Pradesh Shivraj Singh Chouhan,(11) Union Minister of State for Heavy Industries & Public Enterprises. Dr. S. N. Dash,(12) Secretary, Department of Heavy Industry,(13) B.P. Rao, Chairman & Managing Director, BHEL,(14) UHV transformer,(15) Jhansi plant,(16) Shunt Reactors,分路リアクトル,(17) BHEL factory,photo source: http://www.trichyportal.com/images/bhel_19042009.jpg,(18) UHV transmission in Japan,photo source: http://www015.upp.so-net.ne.jp/overhead-TML/1000KVtower3.jpg,(19)

今日の参考資料

●091119D India, ummid
インドのBHELはUHV系統の変圧器製造のため工場を建設
BHEL sets up new UHV Transformer Manufacturing Facility at Bhopal
http://my.reset.jp/adachihayao/index091119D.htm

http://www.ummid.com/news/November/18.11.2009/bhel_set_up_uhv_transformer_unit.htm

最近の関連資料

●091110D India, steelguru
インドの電力セクターについて将来8〜9年で2,500億ドル必要
USD 250 billion investments needed in power sector - Study
http://my.reset.jp/adachihayao/index091110D.htm
○091110E India, in.reuters
インドの原子力開発でGEは少なくとも一つのプロジェクトを期待
GE hopes to build at least one Indian nuclear plant
http://in.reuters.com/article/topNews/idINIndia-43798720091109
○091110G India, Economic Times
インドの原子力で仏籍アルストルムがBHELや原子力公社と提携模索
Alstom India in talks with Bhel, NPCIL to be a part of JV
http://economictimes.indiatimes.com/news/news-by-industry/energy/power/Alstom-India-in-talks-with-Bhel-NPCIL-to-be-a-part-of-JV/articleshow/5211064.cms
●091023C India, machinist
インドのチェンナイに建設する東芝の重電工場へJBICが90百万ドル
Toshiba JSW gets US$90 million loan from JBIC for Chennai facility
http://my.reset.jp/adachihayao/index091023C.htm
○090527A China, chinaknowledge
中国は超高圧送電網UHVに2020年までに6000億元投入
State Grid to spend RMB 600 bln on UHV power lines by 2020
http://www.chinaknowledge.com/Newswires/News_Detail.aspx?type=1&NewsID=23865
●090223A China, forbes
中国の送電網先進技術が海外進出を狙う
Chinese utility tries to join electricity pioneers
http://my.reset.jp/adachihayao/index090223A.htm


2009年11月18日 ー タイの原子力開発に中国企業が参入 ー

ニュース不作だが,どこを見ても,気候変動問題のタイトルが飛び交っている。気候変動問題はエネルギーと密接な関係があるので,積極的に取り上げるべきかも知れないが,なかなか積極的にはなれない。地球温暖化は本当か,と言う基本的な疑念と,世界の流れが余りにも政治的で,問題の核心に触れているとは思えないからである。日本の国内での取り組みに,特に疑念を感じてしまう。

地球温暖化,気候変動問題に乗っかってビジネスをやっている人は力が入るかも知れないが,ビジネスと関係ないと無関心に近い。温暖化ガスの問題が真実としても,世界の240億トンの中で日本は13億トンと言われると,日本で頑張っても仕方がない,日本が頑張れば東京の空の上にぽっかりと穴が空いて暖かい空気が流れ出て行くなら頑張ってもよいが,それは,中国や米国から流れてくるガスで,あっという間に塞がれてしまう。

今の気候変動問題の議論は,国境沿いに高い壁を構築して空気が外に流れないようにして,それで各国が何%減らすか,競っているなら意味があるが,地球温暖化に国境はないから,国境を決めた上で議定書で義務づけをする,と言うことに矛盾を感ずる。国別に義務づけや努力を強いるのではなしに,地球上のどこから炭酸ガスが出ているのかを把握して,そこに世界の専門家が集合するべきだろう。

それはどこか,と言えば,中国と米国とインドの石炭火力と,インドネシアとブラジルの熱帯林,この問題以外に大勢かかっても,少しも地球には効いてこないだろう。まあ,誤解に基づくビジネスがあっても,それはそれでよいかも知れないが,それはビジネスであって,地球温暖化対策ではないと思う。とにかく,日本人の科学者も含めた世界の叡智は,中国やインドへ行くべきではないか。

しかし,電気自動車の問題は,地球温暖化とは切り離して考えるべきだろう。残り少ないという石油をガソリンにして,8%と言う低い効率でそれを燃やしながら,大気汚染をばらまくのだから,地球温暖化がなくても,電気自動車は進めるべきだろう。もっとも,その電気は電力会社が,原子力によって賄う,という前提,電力会社が石油や石炭で電気を起こしていては,電気自動車の意味がない。

私が,日本の8,000万台の自動車をすべてバッテリーに換えれば,夜間電力にピークが起こって,原子力発電所を何基も増設しなければならない,と書いたら,そんなことはない,と言って多くの反論を貰ったが,一度は正確に計算して言い返さなければならないと思っている。昨日,パソコンのバッテリーを約2,000本積んだ車が,東京大阪間を途中充電なしで完走した,と言う記事があった。

この人は前の晩,何をしていたか。パソコンを2,000台,家の電源に数時間繋ぎ放しで充電したのだろう。パソコン一台で入力が何KWだったのか,議論のあるところだが,考えてみて下さい,日本の8,000万台の車のうちの3%,240万台がある夜,翌日の走行のために同時に充電したとする,パソコン何台充電するのか,50億台のパソコンを同時に電源に繋ぐのですよ,何が起こるのか,おそらく私の計算が正しいと,証明されるだろう。

ところで,今日の記事で,タイのEGATが,原子力開発のために,中国の広東原子力と契約した,と報じられた。タイの原子力が中国によって建設されるとは決まっていない,と言われているが,既に80人のタイ人の原子力技術者が,研修のために中国に招かれているという。背景には,フランスのアレバがいるとは思うが,それにしても,原子力の研修ぐらいは,日本で]やってあげたらどうだったのか。


今日の主題

●091118A Thailand, pepei.pennnet
タイのEGATが広東原子力CGNPCと3年間の技術協力協定
Thailand's EGAT signs agreement with China Guangdong Nuclear Power
http://my.reset.jp/adachihayao/index091118A.htm

http://pepei.pennnet.com/Articles/Article_Display.cfm?Section=ARTCL&SubSection=Display&PUBLICATION_ID=6&ARTICLE_ID=370941


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091118B Philippines, philstar
フィリッピンのERCが大統領府の電気料金凍結案に反論せず
ERC silent on plan to freeze power rates
http://www.philstar.com/Article.aspx?articleId=524270&publicationSubCategoryId=66
○091118C Bangladesh, energybangla
バングラデシュのガスに関する制度改革の問題と挑戦
Management of Gas Transmission ?Issues and Challenges
http://www.energybangla.com/index.php?mod=article&cat=SomethingtoSay&article=2281


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○オバマ大統領,天皇に深々とお辞儀は「尊敬の表れ」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20091117/dms0911171621007-n2.htm
○「米中時代」足元に溝,人民元・貿易で平行線
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091118AT1C1700E17112009.html
○日経社説 米中は環境でも責任果たせ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20091117AS1K1700617112009.html
○環境相,途上国支援方針を表明,COP準備会合で
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/200649.html


本文

●タイのEGATが広東原子力CGNPCと3年間の技術協力協定

The Electricity Generating Authority of Thailand (EGAT) has signed an agreement with a Chinese developer of nuclear power technology, paving the way for the country's first atomic power plant, says governor Sombat Sarntijaree.

不安定な天然ガス供給から逃れるためにも,タイは原子力発電所が必要,としてきた。原子力発電所は計画してから運転開始まで13年を要するので,そのつもりで計画を実行する必要があると考えている。ただタイは,まだ具体的な立地をまだ決定していないので,その公表のタイミングと一般への啓蒙が,タイの原子力発電開発の鍵を握っている。ここで突然,中国の原子力企業が顔を出してきた。

EGAT(注5)のソンバット総裁(注6)の発表によると,EGAT(注5)は,タイ最初の原子力発電開発のための道筋を付けるために,原子力技術開発の中国企業との技術協力に合意した。EGAT(注5)が覚書に署名した相手は,広東原子力CGNPC(注7)とCLP(注8)で,向こう3年間の期限で,原子力技術に関する情報交換に合意したものだ。

ソンバット総裁(注6)の説明によると,広東原子力CGNPC(注7)は,過去10年,原子力発電技術を開発してきて,既に1,000機の原子炉を売り込んでいる。これはフランスのアレバ(注9)との共同開発によるものだ。ソンバット総裁(注6)は,EGAT(注5)が中国の原子力技術を使うかどうかは,未決定だ,と言っている。EGAT(注5)は,2020年から2021年にかけて,2機合計2,000MWの原子力開発を計画している。

EGAT(注5)は計画に従って,サイトの選定,原子力技術,制度法律問題,人的資源,などについて研究を行っている。実際に原子力発電所を採用するかどうかの結論は,来年,2010年としている。昨年,2008年,EGAT(注5)は,80人のエンジニアーを,中国の原子力研修コースに派遣している。エネルギー省によると,今回の協定には,法律問題と事業費の算定が含まれているという。

広東原子力CGNPC(注7)は,EGAT(注5)に対して,研究開発と現場研修を,原子力発電所の現場で行うことになっている。広東原子力CGNPC(注7)の会長の話によると,CGNPC(注7)は世界で53の原子力発電プロジェクトを有し,世界の20%を占めていると言っている。アレバ(注9)のことを言っているのか。広東省では,更に新たに8機の原子炉を新設することになっていると。

(注)A (1) 091118A Thailand, pepei.pennnet,(2) title: Thailand's EGAT signs agreement with China Guangdong Nuclear Power,(3) http://pepei.pennnet.com/Articles/Article_Display.cfm?Section=ARTCL&SubSection=Display&PUBLICATION_ID=6&ARTICLE_ID=370941,(4) 17 November 2009,(5) Electricity Generating Authority of Thailand (EGAT),(6) governor Sombat Sarntijaree,(7) China Guangdong Nuclear Power Group (CGNPC),(8) CLP Holding Co,(9) Areva,(10) Pornchai Rujiprapa, permanent-secretary to the Energy Ministry,(11) Chairman Qian Zhimin,(12) CGNPC site,photo source: http://www.cgnpc.com.cn/n1093/n463576/n463613/index.html,(13)

今日の参考資料

●091118A Thailand, pepei.pennnet
タイのEGATが広東原子力CGNPCと3年間の技術協力協定
Thailand's EGAT signs agreement with China Guangdong Nuclear Power
http://my.reset.jp/adachihayao/index091118A.htm

http://pepei.pennnet.com/Articles/Article_Display.cfm?Section=ARTCL&SubSection=Display&PUBLICATION_ID=6&ARTICLE_ID=370941

最近の関連資料

●091009A Thailand, Bangkok Post
タイのEGATの調査で59%の住民が原子力発電所に反対
Egat revises nuclear marketing
http://my.reset.jp/adachihayao/index091009A.htm
●090912A Thailand, Bangkok Post
タイのEGATは2つの原子力発電所を計画している
Egat plans two nuclear power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090912A.htm
●090729A Thailand, Bangkok Post
タイのエネルギー大臣が地域のエネルギーの見通しを語る
Regional energy action plan ready for Mandalay meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090729A.htm
○091110H China, news.alibaba
中国は内陸部の発展を意図して3地点の原子力発電所開発へ
China starts building 3 nuclear power stations inland
http://news.alibaba.com/article/detail/business-in-china/100197133-1-china-starts-building-3-nuclear.html
●091108G China, prweb
中国は積極的な核燃料資源の確保で原子力発電開発を強化へ
China Seeks Uranium Supplies for Nuclear Power Growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108G.htm


2009年11月17日 ー 中国のアフリカ進出に米国の牽制 ー

昨日は,好天の中,紅葉の始まりの泉南で,測量作業があったため,休みました。今日は打って変わって大阪は,みぞれでも降りそうな感じだが,今日は少し長い文章にとりついてしまって,夕方になってしまった。読者が退社の時間に間に合いそうにない。最近,特に話題になっている中国のアフリカへの進出だが,読者のアクセスを見ていて,アフリカの問題は,また違った読者層があることに気がついている。

今日の記事を読んでいて特に印象に残ったのは,アフリカの北の入り口,アデン湾付近を通過する中国へ向かう原材料と製品の量は,中国が扱うそれらの40%を占める,と読んで驚いた。ソマリア沖の海賊への対応を名目に,中国の駆逐艦艦隊がいち早く行動したのは,その様な意味があるのだ。この中国艦隊の海外出動は,国連協力の範疇以外では,史上初めてという。

中国がいかに深くアフリカへのめり込んでいるか,その記事を読んでいて思ったのは,アフリカに頼る原油,LNG,鉄鉱石,銅,ウラニューム,食糧などをどうして中国本土に運ぶのか,現在では,いずれもマラッカ海峡を通過することになる。日本人はこの点は安心している。いかなる紛争が起こっても,米国艦隊が日本近海にある限り,マラッカ海峡が止まることはないと,石油がマラッカで途絶えることはないと。

でも,中国の立場になって考えると,これ大変だろう。中国だってまだ戦争を予想しているわけではないが,例えば,台湾問題などで,或いはミャンマー支援問題などで,米国の空母が一隻,マラッカ海峡に居座ったら,タンカー一つ通ることが出来ない。すべての原材料が,中国へ入らなくなってくる。アフリカからのシーレーン,スリランカのハンバントタ軍港,ミャンマーのチャウピュー商港,これらが如何に中国にとって大切かが分かる。

アフリカでの中国資金の活動を要約して見よう。今まで見たのは,コンゴ民主共和国への投資,ギニアの軍事政権への90億ドル支援,などであったが,アンゴラ,ナイジェリアの原油ガス,エチオピアのダム,ケニアの道路と港,それらがスーダンの原油と繋がる。ケニアのラム海盆の探査権,ウガンダのアルベルト湖,10億バレルの開発,ニジェールのウラン,ザンビアの銅,モザンビークの食糧,ガーナのブイダム,などなど。

米国との問題で微妙な雰囲気がある。温家宝首相がアフリカ会議で,米国の国家予算の赤字をたしなめたのだが,すぐに,米国を背景にしているIMFが,コンゴ民主共和国に中国が数十億ドルの借款を注ぎ込むならば,コンゴの信用レベルを落とす,行く末はジンバブエのような悲惨な国に陥ることになる,と警告している。紛争中の国に大量の資金を注ぎ込む手法に,警告を発したわけだ。

米国ドルの弱体化で中国は勢いづいており,中国独自の経済圏の構築に前向きだ。中国の銀行のコンソーシアムが,10億ドルを提供して,南アフリカ銀行の中国支配権の確立を意図する動きもある。北京では,この世界最大の外貨準備を利用して,対象を,アフリカ,南アメリカ,アジアに限定した,「世界調和プラン」,基金を構築する構想が,金融機関から人民会議に提案されているという。

この基金は,総額で,5,000億ドルで,1,000億ドルは外貨準備から,残りを人民元,約2.7兆元,と考えている。これは,中国アフリカ基金などの既存の組織を使って,国家信用か事業益から返済されることを考えている。戦後のマーシャルプランの構想を参考にしたもので,世界的な不況から中国企業を守ることと,人民元の国際化を目指すものだ,と説明されている。いずれにしても,米国との間で,厳しい緊張状態が生ずるだろう。

日本と中国は,経済面で,これから同レベルの国同士の新たなつきあいが待っている。資源に関して,中国と日本の間にはどの様な考え方の違いがあるのだろうか。やはり日本は,日米同盟の上に胡座をかいている,と言ってよいのではないか。それは軍事面だけでなく,米国の多国籍企業の資源の調達に頼り切っている,と言えるだろう。

しかし,その頼りの多国籍企業,シェブロン,エクソンモビル,シェル,トータル,リオティントなども,ナイジェリアやアンゴラ,オーストラリアを舞台にして,中国資本から激しい攻撃を受けている。米国が弱くなれば,中国から買えばよい,と言う考え方もあるだろう。でも,米国と中国が激しく経済的に争っている中で,果たしてその様な漁夫の利が可能であろうか,専門家の意見を聞きたいものだ。


今日の主題

●091117F China, wsws
中国のアフリカ会議は米国などの牽制にもかかわらずその進出に歯止め効かず
China continues its aggressive pursuit of Africa’s resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index091117F.htm

http://www.wsws.org/articles/2009/nov2009/afch-n16.shtml


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091117A Thailand, Bangkok Post
タイのEGATが222百万バーツで1000KWの太陽光発電所
Egat aims to be solar-power innovator
http://www.bangkokpost.com/business/economics/27520/egat-aims-to-be-solar-power-innovator
○091117B Philippines, business.inquirer
フィリッピンのロペス財閥がMERALCO株売却でこの9ヶ月78億ペソ利益
Lopezes’ firm nets P7.8B in first 9 months
http://business.inquirer.net/money/breakingnews/view/20091116-236614/Lopezes-firm-nets-P78B-in-first-9-months
○091117C Indonesia, vivanews
インドネシアの一人当たり電力消費は年515KWhでASEANで最低レベル
Indonesia's Power Consumption Lower in ASEAN
http://en.vivanews.com/news/read/105955-indonesia_s_power_consumption_lower_in_asean
○091117D Indonesia, en.vivanews
インドネシアのPLNは2010年にも料金値上げの意向だが反対論
Indonesia PLN Should Not Raise Tariff
http://en.vivanews.com/news/read/105849-indonesia_pln_should_not_raise_tariff
○091117E Indonesia, reuters
インドネシアは地熱発電を開発するためには深林保護規制を緩める必要がある
Indonesia forestry laws curbing geothermal-industry
http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSJAK11380920091116
○091117G Philippines, philstar
フィリッピン政府はクリーン技術基金設立のため約28億ドルの資金を求めている
RP eyes multilateral financing for $2.78-billion Clean Technology Fund
http://www.philstar.com/Article.aspx?articleId=523962&publicationSubCategoryId=66
○091117H Brazil, greeninc.blogs.nytimes
ブラジルは森林破壊でCO2排出大だがこれに規制をかける決意
Reducing Deforestation (and CO2) in Brazil
http://greeninc.blogs.nytimes.com/2009/11/16/reducing-deforestation-and-co2-in-brazil/
○091117I China, probeinternational
中国の長江下流は渇水のため三峡ダムは175mの満水位維持を諦める
Three Gorges officials admit they can't fill reservoir, for now
http://www.probeinternational.org/three-gorges-probe/three-gorges-officials-admit-they-cant-fill-reservoir-now


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○イエメンでJICA日本人拉致,同国政府,犯人側の部族と交渉中
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20091117/frn0911171208001-n2.htm
○「経済・安保で広く協力」オバマ大統領,中国主席と会談
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091117NT001001017112009.html
○米中首脳会談,人権に関する対話拡大に合意=中国国家主席
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12508520091117
○米国ブログ,オバマ大統領のお辞儀が米国メディアで話題に
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1117&f=national_1117_025.shtml
○COP15,次期枠組み交渉期限で延長案浮上
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20091117-OYT1T00414.htm


本文

●中国のアフリカ会議は米国などの牽制にもかかわらずその進出に歯止め効かず

The ministerial Forum on China-Africa Cooperation met in Sharm el-Sheik, Egypt, last week, attended by Chinese Premier Wen Jiabao and representatives of more than 300 Chinese companies. Wen took the opportunity to chide the US for its large budget deficit. He made it clear that China intended to press ahead with its programme of investment in Africa despite American opposition.

これまでも,中国のアフリカ進出については,何度も書いてきたが,先週,2009年11月に行われたエジプトの南部の観光地,シャムエルシェイク(注6)で行われた,中国アフリカ首脳会議(注5)では,温家宝首相(注7)が中国企業300社を率いての,堂々たる大経済使節団となった。この会議に関連して,中国のアフリカ進出について,問題点も含めた総括的な記事である。米国との争点も取り上げている。長文である。

温家宝首相(注7)はこの会議で,米国の膨大な国家債務についても,それをたしなめる発言をしている。温家宝首相(注7)はまた,米国が反対の意向を持つことを頭に置いた上で,中国はアフリカへの投資に邁進することを,内外に鮮明に宣言した。温家宝首相(注7)は,総額100億ドルに達する3年間のソフトローン,それは利子率と償還期間に於いて有利な,特別の借款を,アフリカ諸国に約束した。勿論,アフリカ諸国は大歓迎である。

この会議の最中に,米国は鋭く反応した。IMF(注8)が,コンゴ民主共和国(注9)に対して,中国が投資額の規模を縮小しなければ,その信用ラインを下げる,と警告したのだ。この米国が背景に存在するIMF(注8)は,この戦火にまみれ貧困に陥っているコンゴ民主共和国(注9)を,ジンバブエが経験したような,悲惨な経済的結末を招く,財政的孤立状態に落ち込ませることになる,と脅かしているのだ。

この中国のコンゴ民主共和国(注9)への投資の問題は,2010年以降に勃発する米国と中国の貿易戦争の始まりであり,世界経済にとっての最大の危機だ,と見る向きもある。中国のアフリカへの経済介入は急激な上昇を見せており,2003年に18億ドルであったものが,2008年には1,070億ドルに達し,南アフリカは,現在中国が,最大の貿易相手国である。2009年3四半期では,2008年のそれの77%増である。

ここで最も重要なことは,中国の経済攻勢が,官民の強力な協力に基づくものだ,と言うことである。中国はアフリカのすべての公共工事の50%を勝ち取っており,アフリカ大陸の道路プロジェクトは,中国が制覇していると言って良い。この官民協同の利益獲得の方式は,元々西欧諸国がしてきたもので,金融機関や民間企業に,膨大な利益をもたらすものだ。西欧の銀行の混乱に対応して,中国がとってきた方策の結果とも言える。

中国は,2,500万人が職を失い,輸出が低迷して,2008年の同時期に比べ,21%も輸出額が減っている。中国の開発銀行の支援を受けた膨大な数の中国企業が,世界経済の低迷で価格の下がった機会を捉えて,世界に飛び出し,特にアフリカに突出したわけである。中国の統計によると,2009年の最初の2ヶ月で,中国企業は80億ドルの海外契約を勝ち取ったが,これは前縁実績の25%増に匹敵する。

中国は,2兆ドルを超える外貨準備と米国債を所有し,米国ドルの信用低下と共に,中国の信用を爆発的に高めた。この膨大な外貨準備を後ろ盾に,中国は,世界で紛争状態にある資産を狙って攻勢を始めた。この意味で,鉱物の原材料価格が下がったことが,大きな投資機会となった。この2,3年,中国は,殆どすべてのアフリカ諸国の原油包蔵に対して,探査契約を仕掛けた。

優秀な沖合探査技術を保有するカナダとスイスの企業,ADDAX(注14)を,中国のシノペック(注13)が買収したことの意味は大きい。アンゴラ(注11)はアフリカ最大の中国との貿易国だが,中国の原油の16%がアンゴラ(注11)からのものである。2008年の両国の貿易額は,253億ドルに達し,アフリカ全体の中国との貿易額の23%に達する。アンゴラ(注11)の中国からの輸入は,96%アップの,250万トンに達している。

アンゴラ(注11)の大統領選挙は今年であるが,現在のサントス大統領(注15)の選挙運動にとって,中国の建設プロジェクトは,欠かすことが出来ないものだ。しかしこのことは,アンゴラ(注11)の企業にとっては苦しい状態で,アンゴラ(注11)国内でも調達できるものを,中国から運んでくる。このような批判を押さえ込むための,中国の官民協力の事業と見られないこともない。

ナイジェリア(注12)は,アフリカ最大の天然ガス包蔵と,2番目の原油包蔵を有するが,西欧企業に免許が既に与えられている500億ドルを越す価値を持つ原油包蔵を買収する意図を持っている。中国のCNOOC(注16)は,シェブロンの10,シェルの8,エクソンの4,トタルの1,合計23の原油ライセンス,100億バレルの確認原油埋蔵と天然ガスについて,49%の資本参加を狙っている。

ナイジェリアの大統領顧問(注21)によると,中国は西欧企業に比べて比較にならない高い額を提示していると。もしCNOOC(注16)が交渉に成功すれば,ナイジェリア最大の協力企業は,中国になる。一方中国は,エチオピア(注22)に対しては,その水力包蔵を開発するために,多くの大規模ダムの建設を行っている。このことは,中国がエチオピア(注22)国内の電力を支配するだけでなく,近隣諸国への輸出の圧力にもなってくる。

ケニア(注23)政府は,最近,中国に対して,35億ドルのプロジェクト実施を要請しているが,その中には,南部の海岸の観光都市であるラム(注24)の港の整備と,エチオピア(注11)及び南部スーダン(注25)との国境への,道路及び鉄道建設が含まれている。また,ケニア(注23)のナイロビは,カタールとの間で,4万ヘクタールの耕作地のリースについて,協議を進めている。

スーダン(注25)の中国開発の原油量は,中国の輸入原油の6%に匹敵するが,このケニア(注23)における輸送施設の開発は,このスーダン(注25)の原油の輸出ルート開発に資することになる。これとは別に,中国のCNOOC(注16)は,ケニア北部に於け原油包蔵を視野に入れており,また,港の近くのラム(注24)海盆の第2ブロックの探査権利を手にしている。

ウガンダについては,ウガンダとコンゴ民主共和国(注9)の間に横たわるアルベルト湖(注27)のそこに横たわると言われている10億バレルの原油包蔵を狙って,アイルランド企業ツロウの持つ権益の一部買い取りを交渉中だが,この原油に対しては,パイプラインと港の建設及び精製工場の建設で,40億ドルが必要,と言われている。

中国は,アフリカへの関心を守るだけの手段が必要,と意識している。アデン湾(注28)に関して,この地政的に微妙な地域での。海賊対応を名目にして,駆逐艦による小艦隊を派遣している。中国の貿易の約40%の物資や原材料が,この海域を通過する。これは,国連行動を除いて,中国海軍としては初めての海外作戦である。

西部アフリカ,内陸部のニジェール(注53)であるが,ウラニューム購買国として,フランスとライバル関係にある。昨年,2008年,中国はジンダー近傍のアガデム原油ブロック(注30)を,国家石油CNPC(注29)が,50億ドル契約を行っている。リベリア(注31)では,ボン地区(注32)の鉄鉱石開発で,中国企業連合が,26億ドルで契約している。

ザンビア(注33)では,中国企業が,2億ドル債務で苦慮していたルアンシャイア銅鉱山(注34)を,最近,230百万ドルで買い取っている。中国輸出入銀行(注35)は,カリバ北水力プロジェクトで,4億ドルの85%を支援している。更に,南部アフリカ地域の鉄道計画,モザンビーク,アンゴラ,コンゴのキンシャサ,コンゴのブラザビル,マラウイ,ザンビアを結ぶ計画,これについて関係国と協議中だ。

農業とバイオ燃料についてだが,モザンビーク(注37)では,中国輸出入銀行(注35)が,ザンベジ川のムハンダ-ヌクワ・ダムで,23億ドルの借款を供与する。また8億ドルの農業支援を供与するが,これは,米生産を助けることが目的で,マラウイ湖とモザンビークの河川との結合,農業支援のためのダム建設について,協議を行った。

中国は,全世界の16%の人口を有しながら,世界の耕地面積の9%しか持っていない。このため,中国企業は農耕地を求めているが,ザンベジ渓谷で牧場と植林を行う土地を捜しており,3000人の中国人を移住させることを考えている。この構想は,モザンビークの原住民達の反感を買うことに繋がっている。ウガンダでは,1万エーカーの土地を,中国がリース契約をしている。

ザンビアでは,バイオ燃料用の土地として,200万ヘクタールを中国企業が要請しているが,香港の有力者(注39)が,40億ドルのバイオ燃料帝国を建設すべく,400億ドルを投資する。このバイオ燃料は,全世界の10%を占めることになる。中国企業は,これらの建設プロジェクトを促進するために,その促進と経済性の圧力をかけられているが,これは,アフリカの住民にとっては,低賃金と過酷な労働を強いられ,非難に繋がっている。

特に問題となっているのが,ガーナのブイ・ダム(注41)建設現場で,労務者の住居環境が悪く,組合結成は,シノハイドロの圧力に屈して放棄された。中国の融資機関は,経済の下降傾向の中,高い利益率獲得に積極的で,世界銀行のゼーリック総裁(注42)は3000億ドルの資金を扱っている中国のCIC(注43)と最近,対話を持っており,アフリカでの特別工業団地育成で,投資協力を行う提案をしている。

米国ドルの弱体化で中国は勢いづいており,中国独自の経済圏の構築に前向きだ。中国の銀行のコンソーシアムが,10億ドルを提供して,南アフリカ銀行の中国支配権の確立を意図する動きもある。北京では,この世界最大の外貨準備を利用して,対象を,アフリカ,南アメリカ,アジアに限定した「世界調和プラン」基金(注45)を構築する構想を話し合っているという。

この基金は,総額で,5,000億ドルで,1,000億ドルは外貨準備から,残りを人民元,約2.7兆元,と考えている。これは,中国アフリカ基金などの既存の組織を使って,国家信用か事業益から返済されることを考えている。これは,戦後のマーシャルプランの構想を参考にしたもので,世界的な不況から中国企業を守ることと,人民元の国際化を目指すものだ,と説明されている。いずれにしても,米国との間で,厳しい緊張状態が生ずるだろう。

(注)F (1) 091117F China, wsws,(2) title: China continues its aggressive pursuit of Africa’s resources,(3) http://www.wsws.org/articles/2009/nov2009/afch-n16.shtml,(4) By Brian Smith and Ann Talbot,16 November 2009,(5) ministerial Forum on China-Africa Cooperation,(6) Sharm el-Sheik,(7) Chinese Premier Wen Jiabao,(8) International Monetary Fund,(9) Democratic Republic of Congo,(10) Stephen Roach, the Asia managing director of Morgan Stanley,(11) Angola,(12) Nigeria,(13) Sinopec,(14) Addax,(15) President Dos Santos,(16) China National Offshore Oil Corporation (CNOOC),(17) Chevron,(18) Royal Dutch Shell,(19) ExxonMobil,(20) Total,(21) Tanimu Yakubu, chief economic adviser to the Nigerian President,(22) Ethiopia,(23) Kenya,(24) Lamu,(25) Sudan,(26) Tullow,(27) Lake Albert,(28) Gulf of Aden,(29) China National Petroleum Corporation,(30) Agadem oil bloc near Zinder,(31) Liberia,(32) Bong County,(33) Zambia,(34) Luanshya Copper Mine,(35) China Exim Bank,(36) a power project at Kariba North,(37) Mozambique,(38) Mphanda Nkuwa dam on the Zambezi River,(39) Hong Kong-based tycoon Stanley Ho,(40) African Labour Research Network (ALRN),(41) Ghana’s Bui Dam,(42) World Bank President Robert Zoellick,(43) China Investment Corporation,(44) Standard Bank of South Africa,(45) Harmonious World Plan,(46) economist Xu Shanda to the Chinese People’s Political Consultative Conference,(47) Renminbi,(48) photo source: The fourth ministerial meeting of the Forum on China-Africa Cooperation (FOCAC) opens in the Egyptian resort of Sharm el-Sheikh on Nov. 8, 2009. (Xinhua Photo),(49) Sharm el-Sheik,photo source: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/61/NaamaBay2005.JPG,(50) Kenya, Lamu basin, photo source: http://www.photos4travel.com/travelArticles/photos/lamubeach.jpg,(51) Lake Albert, photo source: http://www.caravanparkphotos.com.au/meningie/images/img_1853.jpg,(52) Mozambique,Mphanda Nkuwa dam site,photo source: http://www.internationalrivers.org/files/images/Zambezi14_small.preview.jpg,(53) Niger,(54)

今日の参考資料

●091117F China, wsws
中国のアフリカ会議は米国などの牽制にもかかわらずその進出に歯止め効かず
China continues its aggressive pursuit of Africa’s resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index091117F.htm

http://www.wsws.org/articles/2009/nov2009/afch-n16.shtml

最近の関連資料

○091109F China, steelguru
中国がアフリカで現在までに契約した投資プロジェクト
List of Chinese oil and mineral deals in Africa
http://steelguru.com/news/index/2009/11/08/MTE5NDAy/List_of_Chinese_oil_and_mineral_deals_in_Africa.html
○091109H China, news.xinhuanet
中国温家宝首相はスーダン大統領など6カ国首脳と個別に会談
Chinese premier meets with African leaders
http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/09/content_12413126.htm
●091108F China, chinadigitaltimes
中国の世界資源獲得戦略は温家宝のエジプト会議で進行中
China’s Africa Investments Under Harsh Spotlight
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108F.htm
●091108G China, prweb
中国は積極的な核燃料資源の確保で原子力発電開発を強化へ
China Seeks Uranium Supplies for Nuclear Power Growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108G.htm
○091105F China, reuters
中国のアフリカの資源及び通商との関わり合いの歴史
China's oil and mineral deals in Africa
http://www.reuters.com/article/marketsNews/idUSPEK30076220091104
●091030B Rwanda, defenceweb
ルワンダへの投資について中国企業がコンゴとの関連で高く評価
China praises Rwanda's investment potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index091030B.htm
●091029D Ethiopia, af.reuters
エチオピアの道路や水力ダム建設に中国企業が進出
Ethiopia earmarks almost $1 billion for roads
http://my.reset.jp/adachihayao/index091029D.htm
●091028G China, finfacts
中国の海外の新興市場への進出についてドイツ連銀がその対応を提言
China's growing ties with emerging markets: What it means for geopolitics
http://my.reset.jp/adachihayao/index091028G.htm
●091028H Angola, 234next
アンゴラの原油生産でシェブロンが中国との関係など見通しで2011年25%増
Chevron’s Angola output to see a 25% rise by 2011
http://my.reset.jp/adachihayao/index091028H.htm
●091027E China, ngrguardiannews
中国とアフリカの関係でナイジェリアの原油などその眞の意図は何か
The truth about China-Africa relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index091027E.htm
●091025E China, business-standard
中国のアジア,アフリカ,南米を目指すグローバルな経済政策
ND Batra: China's economic diplomacy
http://my.reset.jp/adachihayao/index091025E.htm



2009年11月15日 ー ベトナムは紅河上流に更に1,200MWダム建設 ー

茨木市の住民で安威川の下流に住んで,現在工事中の安威川ダムの洪水処理ルーチンを研究しておかなければ,と思うのは,安威川ダムの流域面積が小さいからだ。北に位置する亀岡方面から谷筋を亘って雷雨が南下すると,雷雲はそのダム流域を殆どカバーしてしまう。予想も付かないような,従来の統計処理では予測できないような集中豪雨が襲う可能性がある。淀川などの出水とは大いに違うだろう。

今日のベトナムのニュースの中で思うのは,ベトナムの河川管理行政の未熟である。問題の起こっているのは,ベトナム中部の非常に狭くて急流の小河川が入り乱れる中央高原から東シナ海に流れ出る河川だ。中小のダム開発が進み,そこに,9月のケッツエナ,10月のミリネア,と二つの台風が直撃して,合計で300人近くの水害による犠牲者を出している。

発電側,監督責任のある産業貿易省は,ダムは発電を目的に造ったもので,洪水を軽減するなどの対策はとっていない,河川の水の管理は,農業省の問題だ,と言い放っている。ダナン工科大学の教授は,発電側から,水や環境について一言も相談がない,自分たちの都合のよいように計画し,工事を行っている,と不満を述べている。環境省は,首相府と地元当局に文書を出して,発電は環境を無視,と訴えている。

ここで,我々もよく知る,元EVN総裁で,今は副首相まで上り詰めて首相まで後一歩まで来ている,ホアン・チュン・ハイさんは,発電が悪いわけではない,悪いのは人類が招いた気候変動のせいだ,異常な台風や出水に,人類は対応できていないのだ,と地球規模に文句をつけてきた。河川管理に関する責任体制が,国として全くとれていないのである。

日本でもその様な時代はあって,我々が新入社員の頃は,黒部川や木曽川は電力会社のものだと思っていた。それでも,少なくとも洪水の処理については,ダム管理者としての責任を果たしてきたし,その後の河川法に基づく厳しい河川管理を理解して,対応してきた。洪水時の対応などは,洪水期間中は,少なくとも上流からの流入量以上の放流は決して行わない,と言うのが重要な原則だ。

ベトナムの中部の急流,小河川に比べて,北部の,中国の雲南省からハノイに流れ下る紅河は,アジアでも屈指の大河川である。勿論洪水も激しいが,それでもゆったりとしており,ある程度の出水の予測は可能である。既にこの紅河には,ホアビン・ダムがあり,その上流ではソンラ・ダムが建設中である。今日は更にその上流のライチャウに1200MWのダム建設で,国会審議。まさに対照的なベトナムの北部と中部である。

今日のその他の世界のニュース。フィリッピンのスワルとパグビラオ石炭火力のIPPAはサンミゲールなどへ。モロッコの農村電化などにフランスのAFDが115百万ドル支援。インドのアルミ企業NALCOがNPCと協定して原子力参入へ。ブラジルの大規模停電でオリンピック委員会が2016年までの改善を要請。エチオピアの300MWテケゼ水力が今日運転開始。


今日の主題

●091115A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの環境相が中央高原のダム開発は環境を壊していると
Minister says central highlands dams depleting resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index091115A.htm

http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=53684
●091115F Vietnam, vietnamnews.vnagency
ベトナムの国会で紅河第3のダムのライチュ水力が討議の俎上に
NA deputies discuss third Da River dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index091115F.htm

http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=08ECO141109


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091115B Philippines, tradingmarkets
フィリッピンのスワルとパグビラオ石炭火力のIPPAはサンミゲールなどへ
PSALM turns over Sual, Pagbilao power plants
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2651613/
○091115C Morocco, map.ma
モロッコの農村電化などにフランスのAFDが115百万ドル支援
AFD grants $ 171 mln loan to Morocco to fund development projects
http://www.map.ma/eng/sections/economy/afd_grants__171_mln/view
○091115D India, thehindubusinessline
インドのアルミ企業NALCOがNPCと協定して原子力参入へ
Nalco to partner NPC for n-power project
http://www.thehindubusinessline.com/2009/11/14/stories/2009111451970100.htm
○091115E Brazil, nce
ブラジルの大規模停電でオリンピック委員会が2016年までの改善を要請
Blackout hits "power island" claim
http://www.nce.co.uk/home/energy/blackout-hits-power-island-claim/5210852.article
○091115G Ethiopia, ezega
エチオピアの300MWテケゼ水力が今日運転開始
Ethiopia: Tekeze begins power generation today
http://www.ezega.com/News/NewsDetails.aspx?Page=heads&NewsID=1825


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○来日オバマ,鳩山を丸裸に,このままでは角栄の二の舞か
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20091114/plt0911141350002-n1.htm
○中国,オバマ大統領演説の「協調姿勢」を歓迎
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091115AT2M1403W14112009.html
○APEC,新議定書採択二段構え,気候変動で首脳会合
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111501000146.html


本文

●ベトナムの環境相が中央高原のダム開発は環境を壊していると

Hydropower plants in the Central Highlands are destroying the region’s environment, the Natural Resources Minister said in a note to a National Assembly member this week. Discussing the note, a university lecturer and department head added that the power plant projects in question were being constructed without adequate consultation of experts in the field.

ベトナム中部の台風による影響は,相当に深刻だったようだ。洪水を防ぐはずのダムが,運用の問題で被害を大きくしているとすれば,残念なことだ。日本のように,洪水時の運用が事細かにルール化され,訓練が徹底されていることが必要だ。ベトナム国会で,中央高原のダム建設が問題にされ,環境相が,開発が余りにも環境に被害を与えすぎる,と訴えている。特に大学の研究者などから,厳しい意見が相次いでいる。

環境大臣(注6)は,中央高原の7つの水力発電所が,すべて環境ルールを破っている,と国会に報告している。発電所群は,水を留め,水質を悪くし,その運用に当たって,上流,下流への環境への影響を考えずに,行っていると。環境省は,首相府や地方当局にも文章を送っている。そうして,河川運用のガイドラインと,ソンラ(注7),ホアビン(注8),トウエンクワン(注9),タックバ(注10)など,ダム同士のネットーワーク構築を行うと。

ダナン工科大学(注11)の教授は,中央高原のダム建設で相談に預かったことは一度もない,と不満を述べている。ダム建設の当局やコントラクターは,自分たちの分野だけで事を進めていると。すべてのダム建設の関する資料を,科学者達に解放しなさいと。今のところ,どのダムも操作を適正に行っていないと。大きな洪水に対して,判断や操作が余りにも遅きに過ぎると。

9月の台風ケツエナでは,アブン水力発電所(注12)が150百万トンの放流を行って,少なくとも163人が犠牲になり,14兆ドン,約786百万ドル相当の被害が出た。11月初めの台風ミリナエでは,バハ川水力ダム(注13)が同様の操作で,123人の犠牲者と,5兆ドン,約280百万ドル相当,の被害を出している。研究者は,ダム操作に誤りがあったの相違なく,中立的な検証を行うべきだと。

しかし,EVNの総裁から上がっていったホアン・チュン・ハイ副首相(注14)は,無頓着な発電所の放流に責任があるのではなく,原因は世界的な気候変動にある,と発電所側を擁護している。発電を監督する立場の産業通商省(注15)は,発電側に責任があるというならば,その証拠を出すべきだ,と開き直っている。ダムは発電目的だから,水利用の面からは,農業省(注16)が考えるべきだ,と言っている。


(注)A (1) 091115A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Minister says central highlands dams depleting resources,(3) http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=53684,(4) Last Updated: Friday, November 13, 2009 22:09:06 Vietnam (GMT+07),(5) Central Highlands,(6) Minister of Natural Resources and Environment Pham Khoi Nguyen,(7) Son La dam,(8) Hoa Binh dam,(9) Tuyen Quang dam,(10) Thac Ba dam,(11) Nguyen The Hung, head of the irrigation technology department at Da Nang Polytechnics University,(12) A Vuong Hydropower Plant,(13) Ba Ha River Hydropower Dam,(14) deputy Prime Minister Hoang Trung Hai,(15) Ta Van Huong, head of the Energy Department under the Ministry of Industry and Trade,(16) Ministry of Agriculture and Rural Development (MARD),(17) map spurce:
http://www.adb.org/Documents/Events/2009/5th-NARBO-Training/Success-IWRM-presentation.pdf,(18) Ba Ha dam,photo source: http://www.vfej.vn/en/detail/19640/questions_asked_over_hydro_power_reservoir_water_discharge_in_typhoon,(19)

今日の参考資料

●091115A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの環境相が中央高原のダム開発は環境を壊していると
Minister says central highlands dams depleting resources
http://my.reset.jp/adachihayao/index091115A.htm

http://www.thanhniennews.com/society/?catid=3&newsid=53684

最近の関連資料

○091112A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの台風時のダムの操作について疑問が呈されている
Questions asked over hydro-power reservoir water discharge in typhoon
http://english.vietnamnet.vn/reports/200911/Questions-asked-over-hydropower-reservoir-water-discharge-in-typhoon-878157/
○091108J Vietnam, thanhniennews
ベトナム国会は中部の洪水に鑑み水力建設の厳重な管理を要請
Legislators call for tighter hydro plant controls to curb floods
http://www.thanhniennews.com/politics/?catid=1&newsid=53558
●091104A Vietnam, thanhniennews
ベトナム中部の河川では大小60のダムが2020年までに建設される
Dammed and damned 60 large-scale hydropower plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index091104A.htm
○091026A Vietnam, vietnamnews
ベトナムは多目的ダムを活用して灌漑用水供給の効率化を目指す
Multi-purpose use of water to boost irrigation strategy
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=03AGR241009


●ベトナムの国会で紅河第3のダムのライチュ水力が討議の俎上に

National Assembly deputies met for a plenary session to discuss plans to build the Lai Chau Hydro-electric Power Plant in the northwestern region. Under the proposal, the plant will see the third dam built on the Da River, after the Son La and Hoa Binh power plants. The Lai Chau plant will be located in Nam Hang Commune, Muong Te District in Lai Chau Province, and once completed, it will play an important role in regulating water in the Hong (Red) River and meeting growing demand for electricity across the country.

ベトナムの別の資料によると,ライチャウ水力プロジェクト(注5)は,出力1,200MW,ベトナム北部のライチャウ県(注9)にあって,ハノイからの距離は450km,事業費は33兆ドン,約18.5億ドル相当,2011年に着工し,2016年に運転開始,現在のベトナムの発電設備容量は,15,500MW,このうち25%は水力が占めている,とある。国会の承認が待たれている段階にあった。

ライチャウ水力プロジェクト(注5)は,雲南省から発してハノイに流れ下る紅河(注6)上にあって,既設のホアビン水力発電所(注8),建設中のソンラ水力プロジェクト(注7)に次いで,3番目,最上流のダム・プロジェクトとなる。プロジェクト(注5)の位置は,北部国境に接しているライチャウ県ムオンテ地区ナムハン村(注9)にある。いよいよ国会で審議が始まった。社会開発の影響は,西隣のディエンビエン県(注10)にも及ぶ。

ベトナム国会の社会技術環境委員会(注12)で審議された内容が議会に提案されている。大多数は承認の意向である。議員からは,技術的な問題の他に,住民の移住の関する問題や環境への影響について,更なる説明が求められている。移住に関する政府の説明では,8つの村と一つの町が移住の必要があり,1,660世帯,5,867人が,移住の対象となっている。移住先は,上流のムオンテ地区(注9)が予定されている。

また,特に伝統的な文化と少数民族への特別の配慮が,要請された。また,最近,ベトナム中部で問題となっている洪水時のダムの影響について,多くの発言があった。また,地質的な複雑な地域で,地震時の問題も議論された。地震に対しては,リヒター震度(注15)で9度が摘要されるとの説明があった。この議会では,同時に,原子力開発についても,審議が行われている。

原子力開発については,現在,ベトナム中部のニントウアン県ニンフオック地区フオックディン村(注19)と,ニンハイ地区ビンハイ村(注20)が予定されているが,二つ同時に開発を進めるtことは困難であろう,と言う意見と,開発方式や支援企業の選択に当たっては,特に安全を最優先するよう,意見が出されている。

(注)F (1) 091115F Vietnam, vietnamnews.vnagency,(2) title: NA deputies discuss third Da River dam,(3) http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=08ECO141109,(4) (14-11-2009),Ha Noi,(5) 1,200MW Lai Chau Hydro-electric Power Plant,(6) Hong (Red) River,(7) Son La power plant,(8) Hoa Binh power plant,(9) Nam Hang Commune, Muong Te District in Lai Chau Province,(10) Dien Bien province,(12) National Assembly’s Committee for Science, Technology and Environment,(14) Pham Le Thanh, General Director of the Electricity of Viet Nam,(15) Richter scale,(16) Ninh Thuan Province,(17) third-generation nuclear technology,(18) Minister of Industry and Trade Vu Huy Hoang,(19) Ninh Phuoc District’s coastal Phuoc Dinh Commune in central Ninh Thuan Province,(20) Vinh Hai Commune in Ninh Hai District,(21) International Atomic Energy Agency,(22) Lai Chau, photo source: http://www.vinaset.com/en/modules.php?name=News&file=article&sid=99#,(22)

今日の参考資料

●091115F Vietnam, vietnamnews.vnagency
ベトナムの国会で紅河第3のダムのライチュ水力が討議の俎上に
NA deputies discuss third Da River dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index091115F.htm

http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=08ECO141109

最近の関連資料

○091108I Vietnam, saigon-gpdaily
ベトナム国会はGDP目標6.5%でソンラ水力は2010年12月一部運開
NA approves 6.5 percent GDP target
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/11/75806/
○091108J Vietnam, thanhniennews
ベトナム国会は中部の洪水に鑑み水力建設の厳重な管理を要請
Legislators call for tighter hydro plant controls to curb floods
http://www.thanhniennews.com/politics/?catid=1&newsid=53558
○091108K Vietnam, thanhniennews
ベトナム政府は国会に対してソンラ水力の39%増など予算増額要請
Gov’t seeks more funds for key projects
http://www.thanhniennews.com/politics/?catid=1&newsid=53560
○091106A Vietnam, easybourse
ベトナムのEVNが北部の1200MWライチャウ水力を計画中
Electricity Of Vietnam Plans 1,200-MW Hydropower Plant
http://www.easybourse.com/bourse/actualite/electricity-of-vietnam-plans-1-200-mw-hydropower-plant-FR0010208488-756331


2009年11月13日 ー ブラジルの大停電は送電系統のドミノ現象 ー

ブラジルを知らずに世界のエネルギーを語るな,と言われそうだが,一度は勉強しなければ,と思いながら,今日まで殆どブラジルを知らなかった。2009年11月10日午後10時,日本時間11日午前9時,最大都市サンパウロをはじめとする主要都市で停電が起き,7,000万人とも言われる人々が電気を失い,復旧までに4時間かかったという。世界最大級のイタイプー・ダムにある水力発電所に問題,と日本では報じているが,そうではない。

改めてブラジルの諸元を見ると,国土面積は,851万1,965平方km,人口,1億9,373万人(2008年),GDPは,1兆9,812億ドル,発電設備は約80,000MWである。パラグアイ(注19)との国境にあるイタイプ・ダムの発電所(注8)は,14,000MWで,ブラジルの電力全体の20%を占めている。殆どが水力発電所で,2001年の渇水の際には,供給に大きな障害が出た。記事を読んでみよう。

昭和40年でしたか,私が木曽の現場から大阪の本社に帰ってすぐの頃,地下鉄の中で停電のために閉じこめられた。御母衣ダムの鉄塔が地滑りで倒れて,それがドミノのように,電気的に送電線を破壊し,それに耐えられずに姫路の火力が自動停止して,大規模停電に陥った。お祭りの御神輿のようなもので,誰かが抜けると,他の人に負荷がかかって,どんどん逃げていって,御神輿が倒れる,と先輩が教えてくれた。

日本の一般新聞は,世界最大級のイタイプー・ダムにある水力発電所が停止したために,大規模な停電が起きた,と書いているけれど,もっと詳しく言うならば,まず,嵐が襲って,サンパウロ州の2つの送電系統が落ちた。これで過負荷に陥った第3の送電系統が直ちに崩壊,続いてブラジル南部の15の送電系統が段階的に影響を受けて送電不能に陥り,それがイタイプ発電所の安全装置を自動的に働かせて運転をストップさせた。

ブラジルの発電所規模はまだ大きくないが,80%が水力で,2001年には渇水による電力不足から経済の停滞を招いたことがあった。それ以来,電力系統には相当の投資が重ねられてきて,全国の送電網が連携されており,これが停電の規模が広がった原因だ,と書いている。中国のUHV送電線の経験を次はブラジルに移植するのだ,と中国の送電線の技術陣は意気込んでいた。

送電線については,知的送電網,スマートグリッドの話が出始めてから,大いに世界的に盛り上がっているが,日本の50万ボルト系送電線が整備され始めたのは,昭和45年頃でそれでも既に40年が経過している。米国などはもっと古く老朽化が激しいので,知的送電網,スマートグリッド構想が必要だ,と言う説もある。その意味では,ブラジルやナイジェリアの送電網も,1980年代,30年近くが経過しているわけだ。

しかし,このブラジルの停電がもう少し早く起こっていたらオリンピックはどうなっただろうか。今日の記事では,2014年,ワールドカップが開催されるリオのサッカー場付近では,停電時に略奪が起き,警官隊が300人,急遽動員されたという。神戸の地震でも略奪は起きなかったのに,僅か3時間の停電で略奪が起こるようでは,やはり2016年までには,送電網も,人心も,もう少し補強して欲しいものだ。

今日のその他の世界のエネルギーニュース。パキスタンの電力大臣が向こう3ヶ月内に2500MWの新規電源。パキスタンはインドのキシャンガンガ水力で調停と仲介の2本立てで臨む。ナイジェリアと米国のエネルギー及び投資に関する委員会設立へ。ナイジェリアの送電網強化にIDAが約3億ドル相当支援。インドの石炭火力の増大につれて石炭燃料のカロリーに問題。インド高官が中国はブラマプトラ河上流で複数のダムを造っていると。インドのシッキムの水力開発について環境専門家が反対意見。ブラジルの大規模停電で送電網の基盤に疑問の声。


今日の主題

●091113D Brazil, bloomberg
ブラジル大規模停電に対して送電網が余りにも脆かった
Brazil’s Integrated Power Grid Vulnerable to Massive Blackouts
http://my.reset.jp/adachihayao/index091113D.htm

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aMFxMl2ORqms&pos=9


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091113A Pakistan, steelguru
パキスタンの電力大臣が向こう3ヶ月内に2500MWの新規電源
2500 MW to be added to Pakistani grid soon
http://steelguru.com/news/index/2009/11/12/MTE5OTQx/2500_MW_to_be_added_to_Pakistani_grid_soon.html
○091113G Pakistan, dailytimes
パキスタンはインドのキシャンガンガ水力で調停と仲介の2本立てで臨む
Pakistan to propose two forums for Kishanganga dispute
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C11%5C13%5Cstory_13-11-2009_pg7_20
○091113B Nigeria, 234next
ナイジェリアと米国のエネルギー及び投資に関する委員会設立へ
U.S. Nigeria plan bi-national commission on energy
http://234next.com/csp/cms/sites/Next/Money/Business/5480270-147/story.csp
○091113C Nigeria, ngrguardiannews
ナイジェリアの送電網強化にIDAが約3億ドル相当支援
Govt. okays N45billion loan for power
http://www.ngrguardiannews.com/news/article01/indexn2_html?pdate=121109&ptitle=Govt.%20okays%20N45billion%20loan%20for%20power
○091113F India, steelguru
インドの石炭火力の増大につれて石炭燃料のカロリーに問題
Insufficient steam coal output to hit power projects in India
http://steelguru.com/news/index/2009/11/12/MTIwMDU1/Insufficient_steam_coal_output_to_hit_power_projects_in_India.html
○091113H India, livemint
インド高官が中国はブラマプトラ河上流で複数のダムを造っていると
China dams may hit plans in Arunachal
http://www.livemint.com/2009/11/13002743/China-dams-may-hit-plans-in-Ar.html?h=A1
○091113I India, ptinews
インドのシッキムの水力開発について環境専門家が反対意見
Bahuguna criticises Sikkim govt on hydel projects
http://www.ptinews.com/news/374609_Bahuguna-criticises-Sikkim-govt-on-hydel-projects
○091113E Brazil, online.wsj
ブラジルの大規模停電で送電網の基盤に疑問の声
Brazil Blackout Sparks Infrastructure Concerns
http://online.wsj.com/article/SB125798817743744475.html?mod=WSJ_hpp_MIDDLTopStories


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○サンパウロなどブラジルの主要都市で大規模停電
http://www.asahi.com/international/update/1111/TKY200911110202.html
○蓮舫にキレた「私の話も聞いて!」オバちゃんの正体は?
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20091112/plt0911121610004-n2.htm
○ベトナム進出の中小企業を支援,ジェトロ,ハノイに拠点
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091113D2M1201013.html
○丸紅,中国で下水事業,「水ビジネス」成長見込む
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091113AT1C1200812112009.html
○中国,石炭を国家備蓄,今年,初の純輸入国へ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091113AT2M1104612112009.html
○APEC閣僚会議が閉幕,日本,中長期成長戦略の策定提案
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091113AT3S1202I12112009.html
○国連,コペンハーゲン会議の参加を各国首脳に促す
http://japanese.cri.cn/881/2009/11/13/146s150191.htm
○温暖化ガス80%削減目指す,50年目標,首脳会談で合意へ−日米両政府
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009111300359


本文

●ブラジル大規模停電に対して送電網が余りにも脆かった

Brazil’s integrated electricity grid leaves it vulnerable to the types of massive outages that occurred this week when 40 percent of the country was plunged into darkness, according to a government energy research agency. “Brazil has the largest integrated power grid in the world; it’s fantastic because it facilitates electricity transmission between regions, but the domino effect that happens when we have a problem is a major inconvenience,” said Mauricio Tolmasquim, president of Brazil’s Energy Research Agency.

ブラジルを知らずに世界のエネルギーを語るな,と言われそうだが,一度は勉強しなければ,と思いながら,今日まで殆どブラジルを知らなかった。2009年11月10日午後10時,日本時間11日午前9時,最大都市サンパウロをはじめとする主要都市で停電が起き,6,000万人とも言われる人々が電気を失い,復旧までに4時間かかったという。世界最大級のイタイプー・ダムにある水力発電所に問題,と日本では報じているが,そうではない。

改めてブラジルの諸元を見ると,国土面積は,851万1,965平方km,人口,1億9,373万人(2008年),GDPは,1兆9,812億ドル,発電設備は約80,000MWである。パラグアイ(注19)との国境にあるイタイプ・ダムの発電所(注8)は,14,000MWで,ブラジルの電力全体の20%を占めている。殆どが水力発電所で,2001年の渇水の際には,供給に大きな障害が出た。記事を読んでみよう。

ブラジルの送電線は,地域間を連携する壮大な規模で世界に誇るものだが,今回のドミノ現象による停電事故は,全く大きな損失をもたらし,実に7,000万人が影響を受けた。最大の発電所,イタイプ(注8)を結ぶ送電線に嵐と共に落雷があり,それが原因と見られているが,26州のうち18州に影響が及び,3時間半停電し,多くの大企業が影響を受けた。

まず,嵐が襲って,サンパウロ州(注12)の2つの送電線が落ちた。これで過負荷に陥った第3の送電線が直ちに崩壊,続いてブラジル南部の15の送電系統が段階的に影響を受けて送電不能に陥り,それがイタイプ発電所(注8)の安全装置を自動的に働かせて運転をストップさせた。米国の送電系統は3地域に分かれているが,ブラジルの場合は全国が連携されているので,問題が起きた。

イタイプ発電所(注8)が,1983年に運転を開始してから,自動停止に陥ったのは初めてである。2014年のワールドカップ,2016年のオリンピック開催が迫る中,老朽化が進む送電系統に,大きな懸念が生じている。シルバ大統領(注15)も,2003年以来,相当の資金を注ぎ込んできたのだから,この事故を引き金に,2001年の渇水による電力不足と経済の停滞の再現を防がなければならない,と強調している。

2003年以来,電力産業に投じられた資金は100億ドルを超えており,次の5年間も,5%の年経済成長率を支えるため,資金投入が続けられる予定である。リオデジャネイロ(注16)やサンパウロ(注12)のような巨大都市が,3時間に亘って停電するなどと言うことは,考えられないことだ。系統容量の20%を占めるイタイプ発電所(注8)の運転は,翌日午前6時には回復している。

また,ワールドカップ開催が予定されているマラカナ・サッカー場周辺では,停電時に略奪が起きて,300人の警官隊を注ぎ込んでいる。野党の有力議員は,ワールドカップやオリンピックを招致して,大規模なインフラ投資を宣言しているのに,これではとても耐えられないであろう,と懸念を表明している。リオとサンパウロの国際空港と地下鉄では,停電時に閉鎖されている。水道は回復したが,80%に留まっている。

(注)D (1) 091113D Brazil, bloomberg,(2) title: Brazil’s Integrated Power Grid Vulnerable to Massive Blackouts,(3) http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aMFxMl2ORqms&pos=9,(4) By Adriana Brasileiro,Nov. 12 (Bloomberg),(5) Brazil’s integrated electricity grid,(6) Mauricio Tolmasquim, president of Brazil’s Energy Research Agency,(7) Energy Minister Edison Lobao,(8) 14,000- megawatt Itaipu hydroelectric dam,(9) Vale SA,(10) Gerdau SA,(11) Petroleo Brasileiro SA,(12) Sao Paulo state,(13) Adriano Pires, head of the Brazilian Center for Infrastructure,(14) Ildo Sauer, an energy professor at the University of Sao Paulo and former executive director of gas and energy at state- controlled Petrobras,(15) President Luiz Inacio Lula da Silva,(16) Rio de Janeiro,(17) Mines and Energy Ministry,(18) Vanderlei Macris, a lawmaker from the opposition Social Democracy Party,(19) Paraguay,(20) Brazilian gid map, source: http://www.geni.org/globalenergy/library/energy-issues/brazil/graphics/brazil-2004.jpg,(21) Itaipu dam, photo source: http://www.rechargenews.com/multimedia/archive/00027/dam_27686a.jpg,(22) ブラジル,(23) ブラジルの電力,(24)

今日の参考資料

●091113D Brazil, bloomberg
ブラジル大規模停電に対して送電網が余りにも脆かった
Brazil’s Integrated Power Grid Vulnerable to Massive Blackouts
http://my.reset.jp/adachihayao/index091113D.htm

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aMFxMl2ORqms&pos=9

最近の関連資料

○091113E Brazil, online.wsj
ブラジルの大規模停電で送電網の基盤に疑問の声
Brazil Blackout Sparks Infrastructure Concerns
http://online.wsj.com/article/SB125798817743744475.html?mod=WSJ_hpp_MIDDLTopStories
○091023F Brazil, engineeringnews
ブラジルは2030年までに240億ドルを投じて原子力拡充
As South African programme languishes, ?Brazil attracts interest from nuclear majors
http://www.engineeringnews.co.za/article/as-sa-programme-languishes-brazil-attracts-interest-of-the-nuclear-power-majors-2009-10-23
○091017B Brazil, prnewswire
ブラジルがギアナの800MWタートルーバ水力で協力
Brazilian Involvement in Guyana Hydropower Project Opens Up New Opportunities
http://www.prnewswire.com/news-releases/brazilian-involvement-in-guyana-hydropower-project-opens-up-new-opportunities-64607042.html
○091011B South America, ipsnews
ブラジルは再生可能エネルギーのリーダーだが他の南米諸国は問題山積
Crisis Has Hurt Investment in Renewables
http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=48798
○090926B Brazil, online.wsj
ブラジルの88億ドルの大規模ベロモンテ水力で企業が安すぎると
Brazil Energy Cos Doubt Belo Monte Hydro Station Costs-Report
http://online.wsj.com/article/BT-CO-20090925-705909.html
○090909A Brazil, hydroworld
ブラジルの362MWマウア水力は順調に2011年運転開始
First phase of Maua hydro plant in Brazil complete
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/2424569541/s-articles/s-hrhrw/s-hydroindustrynews/s-newdevelopment/s-2009/s-09/s-first-phase_of_maua.html
○090827A South America, hydroworld
ブラジルの39MWのバラ・ド・ブラウナ水力の資金調達
Development bank approves financing for Brazilian hydro project
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/6655440499/s-articles/s-hrhrw/s-hydroindustrynews/s-general/s-development-bank_approves.html


2009年11月12日 ー ブータンの10,000MW水力にインドが苦慮 ー

インドの電力セクターは忙しい。まず,4,000MWクラスの石炭火力を全国で13プロジェクト展開するUMPP,米印原子力協定に発する原子力発電所の建設,ヒマラヤ周辺のインド北辺での水力開発,そうして更には,ネパールの2020年までの10,000MW水力開発の督励,そうして更には,今日も記事になっているブータンの2020年までの水力開発を2国間協力で実施する問題,いずれも人類最大最後のエネルギー開発である。

ブータンの首都ティンプーから,1,000mの崖下を望む,岩肌にくさび形に切り込まれた道路,凍てついて滑りそうな路面,その道路を南下して,ブータンの南西端,チュカ水力発電所を見に行ったときのことだ。発電所のメンバーが一斉に揃って会議室で出迎えてくれたが,インド人エンジニアー達に守られるように囲まれたブータン人の所長が,中央の席を占めていた。

資金調達も工事も運転も,すべてインド人が行うのだが,あくまで中央に座るブータン人の所長を祭り上げる如く丁寧に対応するインド人達を見て,なるほどこれが,インドとブータンの関係か,と思った。ブータンは,軍事権も外交権も,対外活動に関係する事案は,すべてインド政府に任せているという。ネパールとの大きな違いで,ネパールとインド人の間では,まず国家主権が火花を散らす,ネパール水力の開発が遅れた理由だ。

今日の記事にも出てくるが,例えば,プナチャンチュ水力プロジェクト(注7)の場合は,インドからの40%が無償,60%がローンで,完成後は発電所はブータン政府の資産になる。そうして,ブータンはインド人に運転して貰いながら電気をインドに売る。この買電した料金でブータン政府はインドへの借款を返済する。それでも,相当のブータンの純歳入になるよう,親切に調整されている。

現在,ブータンからインドへの電力供給で,1,020MWのタラ水力発電所(注18)と64MWのクリチュウ水力発電所(注19)は,KWh当たり1.80Nu,約3.90セント相当,また,336MWのチュカ水力発電所(注20)は,Kwh当たり2Nu,約4.32セント相当で取引されている。ブータンは現在年間60億Nu,約13億ドル相当,の配当及び租税を得て,30億Nu,約6.48億ドルを,インドへのローン返済している。

ただ,インドは,マンモハン・シン首相自ら,2020年までに10,000MWを,二国間協力方式で開発する,と約束している。インド国内では,果たしてインドの国家予算は大丈夫か,との懸念が上がり始めている。このためにインド政府は,2020年までに総額5,000億ルピー,約108億ドル相当,年間では450億ルピー,約9.7億ドル相当,を準備しなければならない。インドの年度予算は,10兆2億ルピー,約2,160億ドル相当,である。

今日のその他の記事。ベトナムの台風時のダムの操作について疑問が呈されている。タイの最初の発電企業EGCOは13発電所3,981MWで経営が好調。IEAは2015年まで天然ガスは供給過剰気味であると。ペルーがエクワドルへの電力融通1,200MWに同意。フィリッピンのPSALMなどがNPC資産売却で12億ドルの債権で銀行と提携へ。

ラオスが画期的な国民保険制度の導入でナムトウン2水力基金などが貢献。インドのマドラス原子力発電所の1機が年次補修を終えて運転を再開へ。中国の長江上流のダム開発に関して米中の科学者達が環境問題を議論。バングラデシュがミャンマーのガスをインドへ運ぶパイプラインを再度協議したいと。中国の長江上流の話は興味があったが,解説する時間がなくなった。


今日の主題

●091112I Bhutan, kuenselonline
ブータンとインドの10,000MW水力開発プロジェクトに資金難の問題
Misgivings on inter-govt. model
http://my.reset.jp/adachihayao/index091112I.htm

http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=13941


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091112A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの台風時のダムの操作について疑問が呈されている
Questions asked over hydro-power reservoir water discharge in typhoon
http://english.vietnamnet.vn/reports/200911/Questions-asked-over-hydropower-reservoir-water-discharge-in-typhoon-878157/
091112B Thailand, Bangkok Post
Egco profit steady
タイの最初の発電企業EGCOは13発電所3,981MWで経営が好調
http://www.bangkokpost.com/business/economics/27208/egco-profit-steady
○091112C Power, gulf-times
IEAは2015年まで天然ガスは供給過剰気味であると
IEA sees acute global gas glut as alternative output rises
http://www.gulf-times.com/site/topics/article.asp?cu_no=2&item_no=325456&version=1&template_id=48&parent_id=28
○091112D Peru, livinginperu
ペルーがエクワドルへの電力融通1,200MWに同意
Ecuador to buy electricity from Peru
http://www.livinginperu.com/news/10600
○091112E Philippines, bloomberg.
フィリッピンのPSALMなどがNPC資産売却で12億ドルの債権で銀行と提携へ
Philippine Power Agency Said Hire Banks for Debt Restructuring
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601080&sid=aOL5t80OnraI
○091112F Laos, frontierindia
ラオスが画期的な国民保険制度の導入でナムトウン2水力基金などが貢献
Lao PDR Adopts Sector Program Support to Improve Primary Health Care
http://frontierindia.net/pharma/lao-pdr-adopts-sector-program-support-to-improve-primary-health-care/507
○091112G India, trak.in
インドのマドラス原子力発電所の1機が年次補修を終えて運転を再開へ
Kalpakkam atomic power station to resume generation
http://trak.in/news/kalpakkam-atomic-power-station-to-resume-generation/22078/
○091112H China, chinadaily
中国の長江上流のダム開発に関して米中の科学者達が環境問題を議論
Experts fight to plug up dam project
http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-11/12/content_8954067.htm
○091112J Bangladesh, thefinancialexpress
バングラデシュがミャンマーのガスをインドへ運ぶパイプラインを再度協議したいと
Govt to revive tri-nation gas pipeline talks
http://www.thefinancialexpress-bd.com/more.php?news_id=84028


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○オバマ絶賛,「松井の活躍は日米関係の象徴」,ヤ軍1年契約も
http://www.zakzak.co.jp/sports/mlb/news/20091111/mlb0911111610004-n2.htm
○ブラジルの大停電,ほぼ復旧,6000万人に影響 ,イタイプ・ダムで問題発生
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200911120008.html
○APEC閣僚会議,声明きょう採択,環境製品促す計画,自由貿易圏へ道筋
http://mainichi.jp/life/today/news/20091112ddm008030012000c.html
○経団連,小沢環境相に配慮求める,企業活力をそぐ環境税など
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091112-OYT1T00576.htm
○中国の李副首相,生態環境保護の重要性を強調
http://japanese.cri.cn/881/2009/11/12/1s150119.htm


本文

●ブータンとインドの10,000MW水力開発プロジェクトに資金難の問題

According to a Times of India (ToI) news story, India’s investment in Bhutan’s 10,000 MW hydro projects could have an adverse impact on their annual budgetary provisions if it is in the ‘inter-government model,’ according to records of a recent meeting called by the Indian power sector officials.

インドの電源開発の戦いは多忙を極める。4,000MWクラス石炭火力13プロジェクトのUMPP,米印原子力協定を切っ掛けとする原子力発電開発計画,ネパールの2020年までの10,000MW水力開発,そうして更にブータンでは,インドとブータンの両国政府による2020年までの10,000MW水力開発である。ブータンの水力開発は,まさにインドの北辺,人類最後の戦いの重要な一環である。

インドは苦しんでいる,ブータンとの水力開発が,直接インドの国家予算に影響してくるからだ。ブータン政府との約束では,2020年までに10,000MWを,二国間協定の元で進めるというものである,ネパールの民間開発は,方式が全く異なる。このためにインド政府は,2020年までに総額5,000億ルピー,約108億ドル相当,年間では450億ルピー,約9.7億ドル相当,を準備しなければならない。

二国間協定による方式(注6)とはどの様なものか。例えば,プナチャンチュ・プロジェクト(注7)の場合は,40%が無償,60%がローンで,完成後は発電所はブータン政府の資産になる。また別の考え方として,インドの国有企業PSU(注8)とブータン政府の合弁方式で,PSU(注8)側は49%の持ち分であるが,このPSU(注8)の資本は,30年後にブータン政府に委譲される,という方式だ。

インド電力省のブラマー次官(注9)は,資金的には問題はなく,全体の計画の4プロジェクトは二国間方式で,残りは現在協議中,と語っていた時期があった。2009年8月にワンチュック国王(注10)がデリーを訪問したときは,全部で10プロジェクトのうち,6プロジェクト,9,340MWは二国間方式(注6)で,残りの4プロジェクト,2,236MWは合弁方式で,両国は合意していた。

2009年7月のティンリー・ブータン首相(注11)がデリーを訪問したときは,マンモハン・シン首相は,10,000MW開発は合意通りに進んでいる,と明言している。もし,二国間方式を合弁方式の変えると,当然インドは,高い料金で電気を引き取らなければならない。ブータン側は,二国間方式を望んでいる,それは当初から資産を所有できるからだ。

ブータン側の情報によると,4,060MWのサンコシュ多目的ダム(注14),1,170MWのプナチャンチュウ第1水力(注15),1,000MWのプナチャンチュ第2水力(注16),720MWのマンデチュ水力(注17),計約6,700MWは二国間方式で実施されることになっており,他のプロジェクトは協議中という。

現在,ブータンからインドへの電力供給で,1,020MWのタラ水力発電所(注18)と64MWのクリチュウ水力発電所(注19)は,KWh当たり1.80Nu,約3.90セント相当,また,336MWのチュカ水力発電所(注20)は,Kwh当たり2Nu,約4.32セント相当で取引されている。ブータンは現在年間60億Nu,約13億ドル相当,の配当及び租税を得て,30億Nu,約6.48億ドルを,インドへのローン返済している。なお,インドの2009/2010年度年度予算総額は,10兆2億ルピー,約2,160億ドル相当,である。

(注)I (1) 091112I Bhutan, kuenselonline,(2) title: Misgivings on inter-govt. model,(3) http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=13941,(4) photo: The Kurichu Project is one of the hydro power projects built on the inter-government model,10,000 MW Hydro Projects,(5) 10 November, 2009,(6) inter-government model,(7) Punatsangchu project,(8) Indian public sector undertaking (PSU),(9) Indian power secretary, Harishankar Brahma,(10) Lyonpo Khandu Wangchuk,(11) prime minister Lyonchhoen Jigmi Y Thinley,(12) Indian prime minister Dr Manmohan Singh,(13) Druk Green power corporation,(14) 4,060MW Sunkosh project,(15) 1,170MW Punatsangchu 1 project,(16) 1,000MW Punatsangchu 2 project, (17) 720MW Mangdechu project,(18) 1,020 MW Tala plant,(19) 64 MW Kurichu plant, (20) 336 MW Chukha project,(21)

今日の参考資料

●091112I Bhutan, kuenselonline
ブータンとインドの10,000MW水力開発プロジェクトに資金難の問題
Misgivings on inter-govt. model
http://my.reset.jp/adachihayao/index091112I.htm

http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=13941

最近の関連資料

○091103D Bhutan, Economic Times
ブータンはGNHを標榜するが水力開発でGDPが急激に伸びている
Bhutan's happiness is large dam, fast GDP
http://economictimes.indiatimes.com/opinion/columnists/swaminathan-s-a-aiyar/Bhutans-happiness-is-large-dam-fast-GDP/articleshow/5188888.cms
●090705A Bhutan, news.smashits
ブータンとインドが水力開発を急ぐことで合意
India, Bhutan agree to fast-track implementation of hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090705A.htm
○090705B Bhutan, kuenselonline
ブータンの水力にとってインドの会議派の勝利はどう影響するか
Observations from the Indian elections for Bhutan
http://kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=12561


2009年11月10日 ーインドの電力は将来8〜9年で2,500億ドル ー

殺人事件で追われている市橋容疑者が,地元の茨木で働いていた,と言うので,周辺では大騒ぎだが,茨木市は今,安威川ダムの工事や安威川奥の大規模な採石場で,土木工事は忙しそう。それでも彼が社会に与えてくれた教訓は,人を殺した気になって茨木で働けば,身元のハンディがありながら一年間,食べて寝て100万円が貯まるのだ,と言うこと。この6%に迫る失業地獄の時に,苦しむ若者達よ,こぞって我が茨木に来たれ。

先日,昨日か,中国の発電設備が,830,000MWに達した,と言う記事が出た。1989年の天安門事件の時は,中国の電力設備は,80,000MWだった。20年で10倍だが,遅々として進まないのはインドの電力設備である。インドは未だに,150,000MW,中国の20%強しかない。どうしてこんなに差が出てきたのか。インドは30%を越す電力不足に悩み,経済成長の足を引っ張っている。

インド人は,なかなか理屈が多くて付き合うのも難しいが,何故か海外のインド人は,インド国内にいる人たちと性格が全く違う,と言う経験をしたことはありませんか。フィジーやモーリシャスで付き合ったインド人は,すごく話しやすくて親切で,あれっ,インド人ってこんなんだったかな,と首をひねることが多かった。それに比べると,本国のインド人は,性格が激烈である。

一度,眼の前でインド人同士が大喧嘩をするのを見たことがあるが,インド人って英語で喧嘩するのですね,機関銃のように出て二人の間で火花を散らして交差している激しい英語を目の前にすると,我々の英語で仲介に入るのは不可能である。おそらく発電所を造るときも,あのような激論を交わしながら,交渉するのだろう,あれではまとまる話も,なかなかまとまらないと思う。

インドネシアの10,000MW,石炭火力のクラッシュ・プログラムが始まった時期と,インドの大規模石炭火力プログラム,UMPPが始まったのは,殆ど同時期ではなかろうか。インドネシアは,資金調達に苦しみながら,それでも何とか2010年には,完遂するところまで来ている。ところがインドの場合,13あるプロジェクトのうち,企業が決まったのは僅かに3プロジェクト,残りの地点は,入札の入り口でもたもたしている。

今日の記事,今後のインドの電力セクターの行き着く先について,インド産業連盟CII(注6)が,インドの大手経営コンサルタントであるカーニー社(注6)と協力して調査した報告書の内容が公表された。報告書は,「インド電力セクターの持続的成長の将来」,と題するもので,結論は,今後,8〜9年で2,500億ドルの投資が必要,とするもので,将来のインド電力セクターの大きな機会と挑戦に焦点を当てている。

私が注目した記述は,「最も重要な要素は,燃料供給の確保だろう,石炭は大きな埋蔵量を持ちながら,2014年時点で25%の不足が予想されている。それと同様に,原子力発電の増強で,ウラニュームの需要が,7倍程度まで増えることを見込まなければならない。」,という点で,中国のように,発電所は黙っていても出来るが,燃料は付いてこない,と言う点にも,インドは十分に慎重な姿勢が必要だ。

今日のその他の記事は多彩である。ザンビアの750MWカフエ峡谷下流水力の可能性調査が終了。フィリッピンのライバン水道ダムで大統領官邸が反対派と対話。フィリッピンの地熱発電投資は19プロジェクトで25億ドルに。フィリッピンのミンダナオの200MW石炭火力に対してWWFが反対運動。パキスタンのニールム-ジェルム水力などへサウジアラビアがローン供与。ナイジェリアの年末必要電力6,000MWはまだ不確定のまま。

モロッコは2012年までに700MWスペイン連携を拡充して電力輸出へ。インドの原子力開発でGEは少なくとも一つのプロジェクトを期待。インドのタタと豪の合弁がモザンビークの炭鉱開発承認。インドの原子力で仏籍アルストルムがBHELや原子力公社と提携模索。中国は内陸部の発展を意図して3地点の原子力発電所開発へ。中国の三峡ダム貯水池の水位を上げるにつれて地滑りが増えると警告。カンボジアの外相は東京会議から帰ってシハヌークビル港などに期待と。


今日の主題

●091110D India, steelguru
インドの電力セクターについて将来8〜9年で2,500億ドル必要
USD 250 billion investments needed in power sector - Study
http://my.reset.jp/adachihayao/index091110D.htm

http://steelguru.com/news/index/2009/11/09/MTE5NDc2/USD_250_billion_investments_needed_in_power_sector_-_Study.html


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091110A Zambia, steelguru
ザンビアの750MWカフエ峡谷下流水力の可能性調査が終了
Feasibility studies completed for Kafue Gorge Lower hydro power plant
http://steelguru.com/news/index/2009/11/09/MTE5NTQy/Feasibility_studies_completed_for_Kafue_Gorge_Lower_hydro_power_plant.html
○091110B Philippines, politics.inquirer
フィリッピンのライバン水道ダムで大統領官邸が反対派と対話
Palace invites tribal leader to dialogue on dam
http://politics.inquirer.net/view.php?db=1&article=20091109-235180
○091110L Philippines, teatronaturale
フィリッピンの地熱発電投資は19プロジェクトで25億ドルに
Philippines steaming ahead with $2.5 Billion geothermal investments
http://www.teatronaturale.com/article/1264.html
○091110M Philippines, mindanews
フィリッピンのミンダナオの200MW石炭火力に対してWWFが反対運動
WWF to Conal: junk coal-fired power plant
http://www.mindanews.com/index.php?option=com_content&task=view&id=7194&Itemid=50
○091110K Pakistan, dailytimes
パキスタンのニールム-ジェルム水力などへサウジアラビアがローン供与
Pakistan, S Arabia to sign $380m deal today
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C11%5C10%5Cstory_10-11-2009_pg7_17
○091110C Nigeria, ngrguardiannews
ナイジェリアの年末必要電力6,000MWはまだ不確定のまま
Uncertainty trails 6000mw target
http://www.ngrguardiannews.com/business/article01/indexn2_html?pdate=091109&ptitle=Uncertainty%20trails%206000mw%20target
○091110J Morocco, af.reuters
モロッコは2012年までに700MWスペイン連携を拡充して電力輸出へ
Morocco to upgrade power link with Spain
http://af.reuters.com/article/investingNews/idAFJOE5A80T420091109
○091110E India, in.reuters
インドの原子力開発でGEは少なくとも一つのプロジェクトを期待
GE hopes to build at least one Indian nuclear plant
http://in.reuters.com/article/topNews/idINIndia-43798720091109
○091110F India, macauhub
インドのタタと豪の合弁がモザンビークの炭鉱開発承認
Consortium approves first stage of Benga coal venture in Mozambique
http://www.macauhub.com.mo/en/news.php?ID=8400
○091110G India, Economic Times
インドの原子力で仏籍アルストルムがBHELや原子力公社と提携模索
Alstom India in talks with Bhel, NPCIL to be a part of JV
http://economictimes.indiatimes.com/news/news-by-industry/energy/power/Alstom-India-in-talks-with-Bhel-NPCIL-to-be-a-part-of-JV/articleshow/5211064.cms
○091110H China, news.alibaba
中国は内陸部の発展を意図して3地点の原子力発電所開発へ
China starts building 3 nuclear power stations inland
http://news.alibaba.com/article/detail/business-in-china/100197133-1-china-starts-building-3-nuclear.html
○091110N China, probeinternational
中国の三峡ダム貯水池の水位を上げるにつれて地滑りが増えると警告
Three Gorges dam causing landslides again
http://www.probeinternational.org/three-gorges-probe/three-gorges-dam-causing-landslides-again
○091110I Cambodia, phnompenhpost
カンボジアの外相は東京会議から帰ってシハヌークビル港など
Leaders bring pledges of support from Japan
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2009110929409/National-news/leaders-bring-pledges-of-support-from-japan.html


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○アフガン支援,5年で50億ドル,政府決定,元兵士の職業訓練も
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091110AT3S1000G10112009.html
○タクシン氏カンボジア入り,タイは身柄引き渡し要求へ
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111001000368.html
○中国車のアフリカ展開,エジプト工場視察の中国首相も絶賛
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1110&f=politics_1110_001.shtml
○サウジ,原油の対中輸出を拡大,国営石油社長に聞く
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091110AT2M0903R09112009.html
○仏アレバ送配電部門,東芝など3連合が応札
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20091110D2M1000S10.html
○中国投資CIC,米国電力会社AESへ15.8億ドルを出資
http://www.chinapress.jp/finance/18976/
○市橋容疑者“ニセひきこもり”の実態,なじみの風俗店も
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20091110/dms0911101210001-n2.htm


本文

●インドの電力セクターについて将来8〜9年で2,500億ドル必要

According to a CII AT Kearney Study on Sustaining Growth Future of Indian Power Sector, about USD 250 billion investments would be needed in the power sector over the next 8 to 9 years. The study highlights the emerging opportunities and challenges in the future power markets. The Indian power market is evolving rapidly from a nascent/ opening market phase to a developing phase.


インドの大規模石炭火力開発UMPPは重要であるが,常に温暖化ガスの問題がつきまとう,この点ではインドネシアのクラッシュ・プログラムと一緒だ。現在のインドの石炭火力は,公的機関であるNTPCの発電と,BHELの機器製造に,支配されている。しかし,漸次,民間企業の動きが活発になってきている。現在のインドの発電設備は,150,000MWだが,2017年までに倍の,330,000MWを目指している。

今後のインドの電力セクターの行き着く先について,インド産業連盟CII(注6)が,インドの大手経営コンサルタントであるカーニー社(注6)と協力して調査した報告書の内容が公表された。報告書は,「インド電力セクターの持続的成長の将来」,と題するもので,結論は,今後,8〜9年で2,500億ドルの投資が必要,とするもので,将来のインド電力セクターの大きな機会と挑戦に焦点を当てている。

インドの電力市場は,まだ緒に就いたばかりの自由化市場への段階的で急速な発展に,象徴されている。電力需要は,基準となるケースで,2017年まで年複利で7.5〜8%の成長を続ける。これは更に供給不足を生み,需要は潜在化して行く危険を持っている。中国やブラジルで見られるような,人口当たりの消費の伸びに対応する,電力市場の成長が必須である。それには,開発と運営の両方のバランスが必要だ。

2014年までには,80〜85GWの新規電源を投入して,電力の競争市場の新しい時代の幕を開けなければならない。その新規電源の80〜90%は火力発電であろうが,稼働率を,80〜95%に上げて,ベース負荷の不足を1〜2%の低いレベルに抑えなければならない。電力料金を抑える努力も必要だ。石炭火力が主体ではあるが,ガス火力,原子力発電も,新しいビジネスの機会として浮かび上がってくる。

再生可能エネルギーについては,風力発電を,沖合設置や大容量化で,年率15〜20%で上げて行く,太陽光発電も一定の伸びを想定する。しかし最も重要な要素は,燃料供給の確保だろう,石炭は大きな埋蔵量を持ちながら,2014年時点で25%の不足が予想されている。それと同様に,原子力発電の増強で,ウラニュームの需要が,7倍程度まで増えることを見込まなければならない。

配電分野の資金と人材について,注目する必要がある。最終的には,送配電損失の大きさと配電部門の改革の遅れが,電力産業の足を引っ張る可能性がある。全体の資金調達も重要な要素で,今後8〜9年で2,500億ドルが必要であり,また,熟練労働者,半熟連労働者も入れて,この先,5〜7年で,15万人の人材が必要になるだろう。

(注)D (1) 091110D India, steelguru,(2) title: USD 250 billion investments needed in power sector - Study,(3) http://steelguru.com/news/index/2009/11/09/MTE5NDc2/USD_250_billion_investments_needed_in_power_sector_-_Study.html,(5) Monday, 09 Nov 2009,(6) CII AT Kearney Study on Sustaining Growth Future of Indian Power Sector,(7) CAGR,compound annual growth rate,(8) Mr Sudhir Trehan chairman of CII India Energy Conclave & Energy Expo and MD of Crompton Greaves,(9) Mr Kaustav Mukherjee AT Kearney Partner,(10) PV manufacturing,(11) UMPPs table source: http://www.thehindubusinessline.com/2008/04/26/stories/2008042650780800.htm,(12)



今日の参考資料

●091110D India, steelguru
インドの電力セクターについて将来8〜9年で2,500億ドル必要
USD 250 billion investments needed in power sector - Study
http://my.reset.jp/adachihayao/index091110D.htm

http://steelguru.com/news/index/2009/11/09/MTE5NDc2/USD_250_billion_investments_needed_in_power_sector_-_Study.html

最近の関連資料

○091109D India, steelguru
インドのシンディ電力相が第11次五カ年計画の78,000MW開発可能と
11th Plan target of 78000 MW is achievable - Me Shinde
http://steelguru.com/news/index/2009/11/08/MTE5MzY2/11th_Plan_target_of_78000_MW_is_achievable_-_Me_Shinde.html
○091102A India, Economic Times
インドは経済成長のため向こう8年間で2,500億ドルが必要
Power sector requires $250bn investment in next 8 yrs: Study
http://timesofindia.indiatimes.com/biz/india-business/Power-sector-requires-250bn-investment-in-next-8-yrs-Study-/articleshow/5185624.cms
●091101F India, energytribune
インドの石炭火力開発UMPPなどは今後民間企業が大きな役割を果たす
India Opening Power Sector to Private Investment, Coal Still the Fuel of Choice
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101F.htm
●091023C India, machinist
インドのチェンナイに建設する東芝の重電工場へJBICが90百万ドル
Toshiba JSW gets US$90 million loan from JBIC for Chennai facility
http://my.reset.jp/adachihayao/index091023C.htm
●091022C India, business-standard
インドの大規模火力開発UMPPで2010年初頭までに4地点審査
Request for qualification for UMPPs likely by Jan '10
http://my.reset.jp/adachihayao/index091022C.htm
○091022F India, business-standard
インドのムンドラ石炭火力でタタ電力がテキサス籍企業から技術支援
Invensys to provide technology for Tata Power's Mundra project
http://www.business-standard.com/india/news/invensys-to-provide-technology-for-tata-power%5Cs-mundra-project/76432/on


2009年11月9日 ー ネパールの水力に中国企業が初めて参入 ー

日米関係の再検証,というのは,そう容易な言葉ではない,と意見を述べたが,今日も,岡田外相の訪米中止で,米国側としてはかなり殺気立っている,という趣旨の記事が出ている。安全保障の足元だけは,どうするのか明確にした上で,政治を行って欲しいと思う。気に入らないけれども,他人の核に頼って安全保障を確保しなければならない現実の環境に置かれている,という認識があまり出来ていないような気がする。

核に挟まれての外交で生き延びる国は沢山あるが,ネパールもその一つだろう。ネパールの地政,ネパール,ヒマラヤを背景としたネパールはどの様にして今の位置を確保してきたのだろうか。大国,中国とインドに挟まれて,今でもその行動はいかに両大国の狭間で国家的威信を保持するか,経済を開発するか,一生懸命である。インドの英国の植民地時代,ネパールはその険しい山岳地帯を利用して戦った。

相当部分をインドにもぎちぎられたが,当時の中国は,この隣人の苦境に対して,支援する力はなかった。インドと中国の国境の大部分をネパールが緩衝していることは,今の時代でも極めて特徴的な事実である。インドと中国が直接国境を接している東のアルナチャルプラデシュや西のダクダルでは,かって中国とインドの激しい戦争が繰り返されたが,ネパールを挟む国境地域は静かに過ぎてきた。

しかし問題は,そこに秘められた中国とインドの静かな戦いであり,それはネパールの政治的安定と共に,再び激化している。最近は,中国とインドの関係が厳しく,今日も,ダライラマが,インド北東部の国境紛争地帯,アルンチャル・プラデシュのタワンを訪問して,中国側は緊張している。問題は,チベットなどからインド統治下に非難してきている人々の,暴動を気にしているわけである。

ネパールの唯一の資源は,水力発電である。ネパールは,前任のプラチャンダー首相が主唱した,この先10年間で10,000MW開発を経済発展の至上命令としている。インドは,共和制成立と同時に積極的にアプローチして優位な立場を確保しているが,最近は中国の攻勢が激しく,インドも気が気ではない。中国が寄贈する大会堂が,中国の情報機関の拠点にならないか,懸念を表明している。

だから,今日の50MWのアッパー・マルシャンディ水力プロジェクトを,中国のシノハイドロが持っていったニュースは,水力の規模は小さいが,ネパールと中国の国境に限るなく近いところ,東に海抜8,163mのマナスル,西に海抜8,091mのアンナプルナを見る,ヒマラヤの辺境に,少なくとも中国企業の楔を打ち込んだことは,中国にとってもインドにとっても,大変に重要な事件だと思われる。

年内に着工,と言っているが,雪の中を,中国ネパール国境を越えて,中国の国旗をはためかせたブルドーザーが大挙して押し寄せてくる。事実,中国は,中国が来たよ,と言うことを,強く印象づけようとする点では,日本のODAは付いて行けないと言う。インドの高官達にとって見れば,ブルドーザーなのか戦車なのか,夢の中では区別が付かず,眠れないのではないか。

今日は,中国とアフリカの記事など,多彩である。フィリッピンのIPPA入札は大統領選挙の影響で遅れるかも知れない。インドのシンディ電力相が第11次五カ年計画の78,000MW開発可能と。中国の氷河消失はその重工業発展過程を揺する。中国がアフリカで現在までに契約した投資プロジェクト。フィリッピンのエネルギー省は再生可能エネルギーを更に100以上審査中。中国温家宝首相はスーダン大統領など6カ国首脳と個別に会談。


今日の主題

●091109B Nepal, thaindian
ネパールの水力開発参入で中国企業もインドと同じく地元企業と協力
China follows Indian cue, enters Nepal’s hydropower sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index091109B.htm

http://www.thaindian.com/newsportal/business/china-follows-indian-cue-enters-nepals-hydropower-sector_100271683.html
●091109C Nepal, ekantipur
ネパールの50MWアッパーマルシャンディ水力に中国企業が参入
China enters Nepal’s hydropower sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index091109C.htm

http://www.ekantipur.com/tkp/news/news-detail.php?news_id=1784


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091109A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのIPPA入札は大統領選挙の影響で遅れるかも知れない
Election ban may halt power asset sales
http://www.mb.com.ph/articles/228584/election-ban-may-halt-power-asset-sales
○091109D India, steelguru
インドのシンディ電力相が第11次五カ年計画の78,000MW開発可能と
11th Plan target of 78000 MW is achievable - Me Shinde
http://steelguru.com/news/index/2009/11/08/MTE5MzY2/11th_Plan_target_of_78000_MW_is_achievable_-_Me_Shinde.html
○091109E China, timesonline
中国の氷河消失はその重工業発展過程を揺する
Vanishing glaciers jolt smokestack China
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article6907919.ece
○091109F China, steelguru
中国がアフリカで現在までに契約した投資プロジェクト
List of Chinese oil and mineral deals in Africa
http://steelguru.com/news/index/2009/11/08/MTE5NDAy/List_of_Chinese_oil_and_mineral_deals_in_Africa.html
○091109G Philippines, malaya
フィリッピンのエネルギー省は再生可能エネルギーを更に100以上審査中
DOE to award more RE contracts
http://www.malaya.com.ph/11092009/busi8.html
○091109H China, news.xinhuanet
中国温家宝首相はスーダン大統領など6カ国首脳と個別に会談
Chinese premier meets with African leaders
http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/09/content_12413126.htm


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○JBIC,中国石炭火力発電所の省エネ・環境改善事業で日中協力
http://www.jbic.go.jp/ja/about/press/2009/1109-01/index.html
○「理解できない日本」,岡田外相の訪米中止はマイナス要因
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-column/news/20091106/ecc0911061639002-n2.htm
○タイのタクシン元首相,11月12日,カンボジアで講演
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091109D2M0901E09.html
○日米首脳会談は予定通り,11月13日,オバマ氏来日日程変更で再調整
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091109AT3S0900E09112009.html
○世界の電池市場,2014年に6兆円超,民間予測,特に自動車向けリチウムイオン
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091109AT3K0600V06112009.html
○中国,日本に環境基金の設立提案,環境42事業の協力で合意
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091109AT2M0800109112009.html
○ベトナム首相,原発発注で4条件提示,日仏競わせ交渉優位に,安全燃料など
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091109AT2M0701U07112009.html
○インドネシアでM6・7の地震,2人死亡,中部の西ヌサトウンガラ州
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091109-OYT1T00335.htm
○中国首相が「自力での発展」要求,アフリカ会議で
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110901000117.html
○ハリケーン「イダ」が中米を直撃,エルサルバドルで死者124人
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2661291/4873015
○ダライ・ラマ,中印の国境係争地にある僧院を訪問,中国は反発
http://www.afpbb.com/article/politics/2661481/4870880
○イラク石油相,開発契約締結の3油田,600万バレル超の生産見込む
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aH42vxK223AY
○世界最大級の石油・化学プラント正式稼働,住化とサウジ国営社
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091109AT2M0900409112009.html
○中国,漢江など四大河川の再生事業,11月10日8に着工へ
http://www.chosunonline.com/news/20091109000029
○安定確保が低炭素社会への近道,激化するレアメタル争奪戦
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20091106/102580/
○温首相,アフリカへの支援策で8つの提案を発表,気候変動への対応など
http://japanese.cri.cn/881/2009/11/09/147s149940.htm


本文

●ネパールの水力開発参入で中国企業もインドと同じく地元企業と協力

Nepal’s northern neighbour China has picked up the cue from its business rival in the region India to gradually consolidate its toehold in this water-rich country’s hydropower sector. Chinese companies are now seeking to form joint ventures with Nepal’s power producers to gain easier access to an industry that, though potentially lucrative, is fraught with obstacles in the form of political opposition.

ネパールの地政,ネパール,ヒマラヤを背景としたネパールはどの様にして今の位置を確保してきたのだろうか。大国,中国とインドに挟まれて,今でもその行動は如何に両大国の狭間で国家的威信を保持するか,経済を開発するか,一生懸命である。インドの英国の植民地時代,ネパールはその険しい山岳地帯を利用して戦った。相当部分をインドにもぎちぎられたが,当時の中国は,この隣人の苦境に対して,支援する力はなかった。

インドと中国の国境の大部分をネパールが緩衝していることは,今の時代でも極めて特徴的な事実である。インドと中国が直接国境を接している東のアルナチャルプラデシュや西のダクダルでは,かって中国とインドの激しい戦争が繰り返されたが,ネパールを挟む国境地域は静かに過ぎてきた。しかし問題は,そこに秘められた中国とインドの静かな戦いであり,それはネパールの政治的安定と共に,再び激化している。

ネパールの唯一の資源は,水力発電である。ネパールは,前任のプラチャンダー首相が主唱した,この先10年間で10,000MW開発を経済発展の至上命令としている。インドは,共和制成立と同時に積極的にアプローチして優位な立場を確保しているが,最近は中国の攻勢が激しく,インドも紀書きではない。中国が寄贈する大会堂が,中国の情報機関の拠点にならないか,懸念を表明している。

中国は,インドの進出の後を追っかけながら,ネパールの水力開発にその足元を固めようとしている。ネパールの水力開発に当たっては,いろいろ政治的問題が絡んで複雑であるが,中国企業も,インド企業に倣って,地元企業との連合体の形成を目指してきた。シノハイドロ,中国水利水電建設集団公司(注5)は中国の500の企業の第84位にランクされる有望企業であるが,地元企業との合弁に踏み切った。

シノハイドロ,中国水利水電建設集団公司(注5)は,地元企業,サガルマタ(注6)と組んで,ガンダキ川の上流,県庁所在地のラムジュン(注8),カトマンズから西北西に約120kmの地点の,50MWのアッパー・マルシャンディ水力(注7)を手がけることとなった。具体的な位置は明確ではないが,東に海抜8,163mのマナスル,西に海抜8,091mのアンナプルナを見る,ヒマラヤの辺境である。

この中国とネパール企業の合弁は,既にネパール電力庁NEA(注9)と,KWh当たり5.99セントで,買電契約の署名している。中国というドラゴンは,更に他に二つのプロジェクトの資本を分担している。中国輸出入銀行(注11)は,今月,2億ドルのインフラ建設への借款に関する覚書に署名しているが,この中には,カトマンズの北北西約40km,ヌワコット県(注13)にある,61MWのアッパー・トリシュリ水力(注12)が含まれている。

更に中国輸出入銀行(注11)は,西部のカリナリ川にある,ネパール最大,750MWのウエスト・セティ水力(注14)の75%の資金を供与しているが,中国中央銀行(注15)も有力な融資機関である。インドは,早くからネパールの水力開発に名乗りを上げ,インドの主要なインフラ企業であるGMR(注16)は,ネパール国会が一企業一プロジェクトの原則に則り,ネパール企業ヒムタル水力(注17)と組んで合弁を形成している。

GMR(注16)が開発するのは,ネパール西部のカルナリ川の中流,300MWのアッパー・カルナリ水力(注18)である。デリーの近辺のノイダに根拠を置くビルワラ・エナージ(注19)は,ネパールのトリベニ・グループ(注20)と組んでおり,タタ電力(注21)は,ノルウエーのSNパワー(注22)と合弁を組んで,インドやネパールの水力を確保する態勢にある。

SNパワー(注22)は,地元企業,ネパール最大のIPP企業,ヒムタル水力(注17)の50%越えの資本を確保しており,このヒムタル水力(注17)は,カトマンズの東約80kmにあるタマコシ川の,タマコシ第2及びタマコシ第3水力(注23)の調査権を持っており,これらのプロジェクトの出力は,500MWを越える。また他にも,340MWのプロジェクトに関係している。

(注)B (1) 091109B Nepal, thaindian,(2) title: China follows Indian cue, enters Nepal’s hydropower sector,(3) http://www.thaindian.com/newsportal/business/china-follows-indian-cue-enters-nepals-hydropower-sector_100271683.html,(4) November 8th, 2009 - 4:08 pm ICT by IANS,By Sudeshna Sarkar,Kathmandu, Nov 8 (IANS),(5) Sinohydro,中国水利水電建設集団公司,(6) Sagarmatha Power Company,(7) 50 MW Upper Marsyangdi project,(8) Lamjung district,(9) Nepal Electricity Authority,(10) NEA spokesman Dandapani Basyal,(11) China’s state-owned Exim Bank,(12) 61 MW Upper Trishuli hydropower project,(13) Nuwakot district,(14) 750 MW West Seti,(15) Bank of China,(16) GMR,(17) Himtal Hydropower Ltd,(18) 300 MW Upper Karnali project,(19) Noida-based Bhilwara Energy Ltd,(20) Triveni Group,(21) Tata Power,(22) S.N. Power,(23) Tamakoshi 2 and 3 projects,(24) Nepal generation expansion plan, table source: http://www.nea.org.np/index.php?page=corporateplan,(25) project location, map surce: http://www.nicci.org.np/images/hydro_map.jpg,(26) upper Maeshandi valley, photo source: http://www.summitpost.org/view_object.php?object_id=278389,(27)

今日の参考資料

●091109B Nepal, thaindian
ネパールの水力開発参入で中国企業もインドと同じく地元企業と協力
China follows Indian cue, enters Nepal’s hydropower sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index091109B.htm

http://www.thaindian.com/newsportal/business/china-follows-indian-cue-enters-nepals-hydropower-sector_100271683.html

最近の関連資料

○091101L Nepal, myrepublica
ネパールの14MWクリカニ第3水力が中国コントラクターで着工
Kulekhani-III to be over in two years
http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=11299
○091017F Nepal, telegraphnepal
ネパールの中国研究センターはインドが警戒している
China Study Centers could cement Nepal-India-China ties
http://www.telegraphnepal.com/news_det.php?news_id=6466
●090906I Nepal, kashmirwatch
ネパールと中国チベットとの地政学的位置と開発への影響
Geopolitical Dimension of Nepal-China Relation
http://my.reset.jp/adachihayao/index090906I.htm
●090907B Nepal, myrepublica
ネパールは中国輸銀へジャジャルコットの400MW水力など10億ドル要請
Nepal seeks $1b loan from Chinese Exim bank
http://my.reset.jp/adachihayao/index090907B.htm


●ネパールの50MWアッパーマルシャンディ水力に中国企業が参入

The Nepal Electricity Authority (NEA), a government owned power utility, has agreed for Power Purchase Agreement (PPA) with a Chinese company for the commissioning of the 50-MW Upper Marsyangdi Hydro Electricity Project (UMHEP) located in Lamjung district. This is the first Chinese investment in hydro project in Nepal.

前の項の情報を補う。ネパール電力庁NEA(注5)は,50MWのアッパー・マルシャンディ水力(注7)に関して,中国企業と初めての買電協定PPA(注6)に係わる覚書に署名した。相手は,中国のシノハイドロ(注9)とネパール企業のサガルマタ電力(注10)の合弁である。提案された売電単価は,KWh当たり5.995セント,約4.5ルピー相当,である。

サガーマタ電力(注10)は,シノハイドロ(注9)が資本の90%を持っており,4ヶ月以内にPPA(注6)を正式締結することが条件で,プロジェクト実施のための銀行保証,10万ドル,約750万ルピー相当,を積む必要がある。以前に,買電価格5.73セント,約4.24ルピー相当,で合意していたが,シノハイドロ(注9)側から,資材の値上がりなどで,改訂を要請してきたものだ。

50MWのアッパー・マルシャンディ水力UMHEP(注7)は,今年,2009年冬に着工し,4年の工期を目指すが,事業費は138百万ドルと想定されている。他の地点と違って,乾期に於いても50%出力が可能である。例えば,60MWのキムティ水力(注11),36MWのボテコシ水力(注12)などは,乾期は20〜30%しか出力できない。また,1992年制定の電力法(注13)で,30年後にネパールに所有権が帰することになっている。

50MWのアッパー・マルシャンディ水力UMHEP(注7)は,調査によれば,年間3億2,400万KWhを発電する。電力は,ネパール政府が最近完成させた22万ボルトのマルシャンディ回廊を通る送電線で送られる。

(注)C (1) 091109C Nepal, ekantipur,(2) title: China enters Nepal’s hydropower sector,(3) http://www.ekantipur.com/tkp/news/news-detail.php?news_id=1784,(4) KATHMANDU, NOV 07,(5) Nepal Electricity Authority (NEA),(6) Power Purchase Agreement (PPA),(7) 50 MW Upper Marsyangdi Hydro Electricity Project (UMHEP),(8) Diwakar Poudel, deputy acting director of the Finance Department of the NEA,(9) Sinohydro,中国水利水電建設集団公司,(10) Nepali company Sagarmatha Power Company,(11) 60MW Khimti hydropower project,(12) 36MW Bhotekoshi hydropower project,(12) Jivendra Jha, managing director at NEA,(13) Electricity Act 1992,(14) Marsyangdi corridor,(15) Khimti 1,photo source: http://www.hpl.com.np/khimti_1_hydropower_project.htm,(16)

今日の参考資料

●091109C Nepal, ekantipur
ネパールの50MWアッパーマルシャンディ水力に中国企業が参入
China enters Nepal’s hydropower sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index091109C.htm

http://www.ekantipur.com/tkp/news/news-detail.php?news_id=1784

最近の関連資料

○091101L Nepal, myrepublica
ネパールの14MWクリカニ第3水力が中国コントラクターで着工
Kulekhani-III to be over in two years
http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=11299
○091017F Nepal, telegraphnepal
ネパールの中国研究センターはインドが警戒している
China Study Centers could cement Nepal-India-China ties
http://www.telegraphnepal.com/news_det.php?news_id=6466
●090906I Nepal, kashmirwatch
ネパールと中国チベットとの地政学的位置と開発への影響
Geopolitical Dimension of Nepal-China Relation
http://my.reset.jp/adachihayao/index090906I.htm
●090907B Nepal, myrepublica
ネパールは中国輸銀へジャジャルコットの400MW水力など10億ドル要請
Nepal seeks $1b loan from Chinese Exim bank
http://my.reset.jp/adachihayao/index090907B.htm


2009年11月8日 ー 中国がウラン資源やアフリカ資源確保へ動く ー

昨日今日,2009年11月7,8日,中国の温家宝首相はカイロに飛んで,アフリカ諸国首脳を集めて,資源と援助の会合を持ち,一方日本の鳩山首相は,東京にメコン下流沿岸諸国の首脳を集めて,日本の支援を,「鳩山イニシアチブ」,として強調している。「中国がメコンに力を入れるから日本に不利という話ではない」,と日本政府は語っているが,中国の200億ドルと日本の50億ドルには,歴然たる差がある。

ただ,中国の,メコンの200億ドル,というのは,多分に投資が含まれていて,日本のODAとは質が異なると思うが,今日の記事では,この中国の投資なるものに注目が集まっている。アフリカに投資作戦を展開しているのは,香港籍の中国投資基金CIFで,中国政府は,CIFは政府とは関係ない,と言っている。それは,ダルフール問題を抱えるスーダンや,この9月に100人以上を射殺したギニア政権の問題を抱えているからだ。

しかし,今日のメディアの報道は,アフリカに出かけているCIFのキーパーソンの中には,明らかに国営企業や政府機関のメンバーが含まれており,更に中国情報機関のスタッフも含まれている可能性があるという。スーダン,アンゴラ,ナイジェリアを中心とした原油,ギニアの銅,更に南米に飛んで,ペルーの鉄鉱石,モンゴルの銅,また今日の原子力の記事で,カザフスタンのウランは,中国にとって必須の資源という。

太平洋戦争の前に,日本は必死になって,朝鮮半島の石炭・鉄鉱石,マレー半島の錫,スマトラのパレンバンの原油を抑えにかかったが,これは国際市場の中に入れてもらえないからそうなったので,国際市場がしっかりしていれば,資源はその中で調達可能だ。中国が,自らの手で資源を押さえにかかっている行動は,戦争とは言わないまでも,あらゆる国際紛争をシミュレーションしているからだろう。その点,日本は甘いのか。

先日も,国際エネルギー資源の中で戦っている友人からメールを貰ったが,国際メジャーには太刀打ちできないが頑張っている,と言っていた。日本は国際メジャーなどの枠の中で生き延びてきたし,これからも生き延びる積もりだ。今朝の朝日新聞のコラムの中に,間もなく中国がGDP総額で日本を追い越す,そうなったときの中国の姿勢は,と聞かれた中国政府要人は,人口が違うからまだまだだ,と婉曲に変化を否定している。

しかし,中国人全体がその日を心待ちにしているに違いない,今こそ米中二大大国の時代だと。30年間というのは一人の人間にとって一世代だから,その間平穏である見通しがあれば,心は落ちつく。国際エネルギー資源と戦う友人も言っていたが,石油にしても天然ガスにしても,後30年以上,となるまでは比較的落ちついているが,残り30年近くになってくると,探査に勤しんで年数を増やす,人類は無限のその繰り返しだろうと。

最終的には,米国と中国は戦うだろう,と皆考えている,まあその時が人類の終わりかも知れないが,それが30年ぐらいは大丈夫だろう,では心許ない,少なくとも半世紀,50年ぐらいは欲しい。米国には,シェブロン,エクソンモビルなど,世界の資源を支配している企業がある。中国は,今,外貨資源がある間に,まだ抑えられていない資源,特にアフリカの資源を中心に,シーレーン確保も狙いながら,活動中だ。

日本はどちらに付くのか。今朝の朝日新聞は,三国志でどうか,と言っている。魏の曹操が米国であり,日本が蜀で中国が呉,大国魏に対して蜀と呉が連合すれば勝てる,という。鳩山内閣は何か危ないゲームをやっているように思えて仕方がない。日米関係再検証,という意味は,経済のことを言っているのか安全保障のことを言っているのか,はっきりさせて欲しい。

中国との友好を増進させる,経済の面から必須の考え方であるが,米中が,50年後か100年後か,いつか戦うであろう,との前提に立てば,安全保障の面では確固たる足下がなければ軽挙妄動できないだろう。今日の日経にも,「日米,衝突回避を優先,首脳会談,普天間問題深入りせず」,「小沢氏が中国共産党幹部と会談へ,民主,パイプづくり加速」,どう見ても日米関係見直しである。

私たちが子供の頃に,明日は鳩山一郎総理大臣が誕生する,と言っていた日に,今でもその新聞を読んでいた場所まで覚えているが,突然にマッカーサー司令部から,鳩山一郎のレッドパージが発せられて,吉田茂首相の誕生に繋がった。鳩山一郎の書いた論文の一部に米軍批判があった,と言う逸話もあるが,鳩山首相の対米外交が確信犯ならば,それならそう言って,総選挙で国民に問うてからにして欲しい,勝手に変えられては困る。

安全保障の面から,魏と組むのか呉と組むのか,それによって全く変わってくるのは,エネルギー資源戦略だ。呉と組むならば,中東やアフリカからの原油や天然ガスLNGなどは,寧ろミャンマーのパイプラインを支援して,日本は中国の広東でその原油や天然ガスを受け取る,と言う可能性も踏んだ上で準備をしておく必要がある。沖縄の米軍移転を海外まで考慮に入れるならば,米国も鳩山首相を確信犯と見るだろう。

今日のその他の報道。ベトナム国会はGDP目標6.5%でソンラ水力は2010年12月一部運開。ベトナム国会は中部の洪水に鑑み水力建設の厳重な管理を要請。ベトナム政府は国会に対してソンラ水力の39%増など予算増額要請。パキスタンはインドのキシャンガンガ水力で世界銀行に仲裁を求める決意。ネパールの456MWアッパータマコシ水力でNEAが10%NTに渡す。

モロッコの太陽光発電開発の将来は極めて明るい。ラオスのルワンプラバンを中心とした紀行紀でメコンの落ちついた旅。インドの紛争を続けたインドラサガールの400MWメシュワール水力は2010年完成。カメルーンの電力はSONELが一部民営化AES参入で新しい時代に。中国の国家石化CNPCが四川省のガス田開発でシェブロンと共同開発で合意。中国の政府投資基金が米国の発電企業AESの資本一部を買収。


今日の主題

●091108F China, chinadigitaltimes
中国の世界資源獲得戦略は温家宝のエジプト会議で進行中
China’s Africa Investments Under Harsh Spotlight
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108F.htm

http://chinadigitaltimes.net/2009/11/chinas-africa-investments-under-harsh-spotlight/
●091108G China, prweb
中国は積極的な核燃料資源の確保で原子力発電開発を強化へ
China Seeks Uranium Supplies for Nuclear Power Growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108G.htm

http://www.prweb.com/releases/2009/11/prweb3171644.htm


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091108I Vietnam, saigon-gpdaily
ベトナム国会はGDP目標6.5%でソンラ水力は2010年12月一部運開
NA approves 6.5 percent GDP target
http://www.saigon-gpdaily.com.vn/National/2009/11/75806/
○091108J Vietnam, thanhniennews
ベトナム国会は中部の洪水に鑑み水力建設の厳重な管理を要請
Legislators call for tighter hydro plant controls to curb floods
http://www.thanhniennews.com/politics/?catid=1&newsid=53558
○091108K Vietnam, thanhniennews
ベトナム政府は国会に対してソンラ水力の39%増など予算増額要請
Gov’t seeks more funds for key projects
http://www.thanhniennews.com/politics/?catid=1&newsid=53560
○091108L Pakistan, thenews
パキスタンのジラニ首相が200MWニシャット火力の竣工式主宰
PM inaugurates 22MW power plant
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=207281
○091108M Pakistan, thenews
パキスタンはインドのキシャンガンガ水力で世界銀行に仲裁を求める決意
Pakistan to move WB on water issue
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=207390
○091108N Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンでWWFが石炭火力建設継続の政府の意図に抗議
Environment group hits coal plants’ construction
http://www.mb.com.ph/articles/228390/environment-group-hits-coal-plants-construction
○091108A Nepal, myrepublica
ネパールの456MWアッパータマコシ水力でNEAが10%NTに渡す
NEA offers 10% to NT in Upper Tamakoshi PM briefed on 3 hydro projects
http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=11533
○091108B Morocco, magharebia
モロッコの太陽光発電開発の将来は極めて明るい
Solar energy: Morocco's bright ? and green ? idea
http://www.magharebia.com/cocoon/awi/xhtml1/en_GB/features/awi/features/2009/11/06/feature-01
○091108C Laos, timesonline
ラオスのルワンプラバンを中心とした紀行紀でメコンの落ちついた旅
A slow, ponderous journey up the Mekong
http://www.timesonline.co.uk/tol/travel/destinations/south_east_asia/article6904497.ece
○091108O India, business-standard
インドの紛争を続けたインドラサガールの400MWメシュワール水力は2010年完成
Maheshwar power project on track
http://www.business-standard.com/india/news/maheshwar-power-projecttrack/375491/
○091108D Cameroon, allafrica
カメルーンの電力はSONELが一部民営化AES参入で新しい時代に
Electricity Supply - Foundation to Industrial Expansion
http://allafrica.com/stories/200911060902.html
○091108E China, petroleumworld
中国の国家石化CNPCが四川省のガス田開発でシェブロンと共同開発で合意
CNPC, Chevron agree to start developing China gas field
http://www.petroleumworld.com/story09110616.htm
○091108H China, online.wsj
中国の政府投資基金が米国の発電企業AESの資本一部を買収
AES Will Sell 15% Stake To China's Sovereign Fund
http://online.wsj.com/article/BT-CO-20091106-713885.html


今日の日本語エネルギー関連ニュース


○日メコン首脳会議,温暖化対策10年の工程表,「東京宣言」に明記
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091107AT3S0700I07112009.html
○首相,ODA拡充表明へ,対ミャンマー、民主化条件に
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091107AT3S0601Q06112009.html
○「ポスト京都」の原案まとまらず,国連作業部会が閉幕
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091107AT2M0700807112009.html
○日米,衝突回避を優先,首脳会談,普天間問題深入りせず
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091108NT3S07019107112009.html
○小沢氏が中国共産党幹部と会談へ,民主、パイプづくり加速
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091108AT3S0700U07112009.html
○ベトナム首相,「原発協力,日仏が軸」,2010年65%成長に回復
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091108AT2M0701P07112009.html
○丸紅,イラクで大型肥料工場の刷新・拡張事業を受注,バグダッド北200km
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091108AT1D2705207112009.html
○G20財務相会議,政策協調手探り,実効性,経常収支の赤字と黒字で米中の対応カギ
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091108NT3S07005107112009.html
○日メコン首脳会議,温暖化対策10年の工程表,「東京宣言」に明記
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091108AT3S0700I07112009.html
○中国首相,エジプト訪問,ムバラク大統領らと会談,医薬や農業分野で協力
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091108AT2M0702107112009.html
○タイとカンボジアの対立激化 ASEANスリン事務局長,自制をと
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009110802000074.html
○米国,地熱発電の開発に3億3,800万ドル投資,123プロジェクト
http://www.ecool.jp/foreign/2009/11/doe54-422.html
○ベトナム首相,原発・高速鉄道建設計画で日本と協力強化へ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aHzzcyk.qasw


本文

●中国の世界資源獲得戦略は温家宝のエジプト会議で進行中

Premier Wen Jiabao is currently in Egypt for a China-Africa forum that will run from November 6-8. With continued China-Africa cooperation plans at the focus of forum talks, many are bringing the topic of China-Africa trade and investments under greater scrutiny. From Joelle Garrus for AFP: From oil in Sudan, Angola and Nigeria to bauxite in Guinea, China has been pouring money into natural resources not only in Africa but also around the globe, with other investments in Peruvian iron and Mongolian copper.

エジプトの飛んだ中国の温家宝首相だが,中国アフリカ・フォーラム(注5)で,中国のアフリカ進出を総括する意図を余すところなく披露したわけで,世界のメディアから,中国の意図とその戦略について,論評されている。原油を求めてのスーダン(注6),アンゴラ(注7),ナイジェリア(注7)から,ボーキサイトを求めてのギニア(注9)まで,資源獲得への資金投入は,更に世界へ,ひいてはペルーの鉄(注10),モンゴルの銅(注11)と展開する。

この投資のやり放題は,エキサイティングな経済成長を支えるのもだが,最近の中国投資基金CIF(注12)は,その2週間前に血で血を洗ったコナクリへの莫大な投資を,中国政府は民間企業のやったことだ,と嘯いている。しかし,米国議会が関係する米中経済安保調査団(注14)は,香港籍のCIF(注12)は不透明な組織で,明らかに中国政府と連携している,と報告している。

即ち,何人かのCIF(注12)のキーパーソンは,中国国家企業や政府組織と,明らかに繋がっており,可能性としては,情報機関と関係がある。この中国のアフリカ接近の役割への隠された疑問は,既に,賞賛と,一方で激しい非難の曝され始めている。一党独裁で数百万の貧困層を引っ張り続ける中国政府は,西欧的な,民主主義と透明性こそが繁栄への道,というものに,甚だ懐疑的だ。

中国の対外援助や資源への投資は,人権やその政府の政治手法には全く関係ない,それは中国が長くとり続けてきた,内政不干渉,の原則に従っている。この隠れた援助の手法が,悪の政治をクリーンにする,との批評もあるが,殆ど成功はしていない。このような分野に集中しているNGOに言わせれば,西欧の多くの政府も,金銭的支援で汚職の改善に貢献したかと言えば,そうも言えない。

このアフリカ大陸の諸国が,食い散らしたような国際プロジェクトで,何かをもたらされただろうか,殆ど何もない。数十億ドルの資金を投入されたナイジェリア(注8)を見ればよい,その電力供給はどうなっているのか,深刻なつぎはぎの電力供給体制で,今でも苦しんでいるではないか。

(注)F (1) 091108F China, chinadigitaltimes,(2) title: China’s Africa Investments Under Harsh Spotlight,(3) http://chinadigitaltimes.net/2009/11/chinas-africa-investments-under-harsh-spotlight/,(4) Premier Wen Jiabao,(5) China-Africa forum, Egypt,(6) Sudan,(7) Angola,(8) Nigeria,(9) Guinea,(10) Peruvian iron,(11) Mongolian copper,(12) China Investment Fund, CIF,(13) Conakry,(14) US-China Economic and Security Review Commission,(15) Emma Graham-Harrison, for Reuters,(16) Joelle Garrus for AFP,(17) Fredrik Galtung, chief executive of Tiri,(18) Photos of Wen’s arrival in Egypt, from Xinhua,(19) China & Africa,graph source: http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2009/2009honbun/image/ic1102.png,(20)

今日の参考資料

●091108F China, chinadigitaltimes
中国の世界資源獲得戦略は温家宝のエジプト会議で進行中
China’s Africa Investments Under Harsh Spotlight
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108F.htm

http://chinadigitaltimes.net/2009/11/chinas-africa-investments-under-harsh-spotlight/

最近の関連資料

○091105F China, reuters
中国のアフリカの資源及び通商との関わり合いの歴史
China's oil and mineral deals in Africa
http://www.reuters.com/article/marketsNews/idUSPEK30076220091104
●091030B Rwanda, defenceweb
ルワンダへの投資について中国企業がコンゴとの関連で高く評価
China praises Rwanda's investment potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index091030B.htm
●091029D Ethiopia, af.reuters
エチオピアの道路や水力ダム建設に中国企業が進出
Ethiopia earmarks almost $1 billion for roads
http://my.reset.jp/adachihayao/index091029D.htm
●091028G China, finfacts
中国の海外の新興市場への進出についてドイツ連銀がその対応を提言
China's growing ties with emerging markets: What it means for geopolitics
http://my.reset.jp/adachihayao/index091028G.htm
●091027E China, ngrguardiannews
中国とアフリカの関係でナイジェリアの原油などその眞の意図は何か
The truth about China-Africa relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index091027E.htm
○091025D Nigeria, vanguardngr
ナイジェリアの電力を含むインフラ建設に中国企業CGGCが覚書を交わす
FCT, Chinese firm seal pact on housing
http://www.vanguardngr.com/2009/10/23/fct-chinese-firm-seal-pact-on-housing/
●091025E China, business-standard
中国のアジア,アフリカ,南米を目指すグローバルな経済政策
ND Batra: China's economic diplomacy
http://my.reset.jp/adachihayao/index091025E.htm
●091021H Africa, allafrica
中国はギニアの軍事政権と70億ドルに上る鉱山事業投資から距離を取り始めた
China's Business Ties to the Loathed Camara Junta Could Quickly Backfire
http://my.reset.jp/adachihayao/index091021H.htm
○091020G Zambia, lusakatimes
ザンビア大統領が中国のCCSプラントなどインフラ支援に感謝
Government appreciates Chinese investments ? RB
http://www.lusakatimes.com/?p=19041


●中国は積極的な核燃料資源の確保で原子力発電開発を強化へ

China is today pursuing the acquisition of nuclear generating and fuel processing technology as it plans an aggressive nuclear energy expansion plan. Its domestic uranium resources, however, fall short of the forecast requirements needed to fuel commercial reactors slated for construction over the next two decades, Dr. R. Gene Clark, chief executive officer of TradeTech, explained in a recent presentation to the Nuclear Industry Congress in Shanghai, China.

中国,上海で開かれた,原子力産業会議(注5)に於ける,トレードテック(注4)のクラーク社長(注4)の話の要点である。トレードテック(注4)は,世界の核燃料市場の調査を行っていて,有益な情報をそのサイト上に流している。中国は,積極的な原子力発電開発の計画を持っているので,原子力発電技術とその燃料生産過程の技術を追求し続けている。しかし,この先20年間の計画では,国内ウラン資源は不足すると見られている。

従って,中国の原子力産業界は,探査や海外企業との合弁を通して,海外ウラン資源の獲得に奔走している。海外企業との合弁に加えて,長期に亘るウラン資源購入契約を獲得すべく交渉を続けている。現在中国は,年間ウラン850トン(注14)の生産能力を持っているが,これは,新規ウラン鉱の開発,既設ウラン鉱の拡張,石炭灰からのウラン回収を通じて,拡大して行く必要がある。

更に,カザフスタン(注7)に於ける合弁形成は,大きなウラン資源の拡大に繋がる。将来の中国にとって重要な要素に,ウランの濃縮技術がある。濃縮ウランの買い入れ増大か,技術的な限界も考えられるが,ウラン濃縮作業の実用化だ。世界的には,この濃縮技術によって供給確保を計画しているのは,ロシア,中国,日本,欧州,米国,などがある。

(注)G (1) 091108G China, prweb,(2) title: China Seeks Uranium Supplies for Nuclear Power Growth,(3) http://www.prweb.com/releases/2009/11/prweb3171644.htm,(4) Dr. R. Gene Clark, chief executive officer of TradeTech,(5) Nuclear Industry Congress in Shanghai, China,(6) Denver, CO (PRWEB) November 6, 2009,(7) Kazakhstan,(8) uranium enrichment services,(9) U-235,(10) separative work units (SWU),(11) Nuclear Market Review (NMR),(12) TradeTech Market Values (Exchange Value, UF6 Value, Loan Rate, Conversion Value, SWU Value, and Transaction Value),(13) Uranium spot market pice, graph source: http://www.uranium.info/,(14) 850 tU annually,(15) Uranium resources map source: http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Resources/Image1636.gif,(16)

今日の参考資料

●091108G China, prweb
中国は積極的な核燃料資源の確保で原子力発電開発を強化へ
China Seeks Uranium Supplies for Nuclear Power Growth
http://my.reset.jp/adachihayao/index091108G.htm

http://www.prweb.com/releases/2009/11/prweb3171644.htm

最近の関連資料

○091106F China, business.globaltimes
中国は2020年の原子力発電設備を70GWとしている
Experts: China's installed nuclear power capacity to reach 70 GM by 2020
http://business.globaltimes.cn/data/2009-11/482164.html
○091002F China, english.eastday
中国の政府系ファンドCICがカザフスタンの原油ガスへ投資
CIC buys stake in Kazakh oil and gas
http://english.eastday.com/e/1001/u1a4701494.html
●090928K China, reuters
中国のNEAトップが安全から見て原子力開発の速度が速すぎる
China official warns on "too fast" nuclear plans
http://my.reset.jp/adachihayao/index090928K.htm
●090928M China, shanghaidaily
中国の山東省に1,250MのWE機原子力ユニット2機を建設へ
Haiyang nuclear plant gets green light
http://my.reset.jp/adachihayao/index090928M.htm
●090925G China, business.asiaone
中国の政府系ファンドが世界の資源への投資を拡大
China sovereign fund boosts resource interests
http://my.reset.jp/adachihayao/index090925G.htm


2009年11月6日 ー インドネシアのアラフラ海で海上LNG基地実現へ ー

INPEXと言うのは,2008年10月1日に,国際石油開発帝石ホールディングス株式会社が国際石油開発と帝国石油を合併して出来た,海外資源の開発を狙っての,日本の野望に満ちた国策の企業である。世界に多くの原油ガスの開発を仕掛けているが,特に今回の,海上LNG基地の提案に関しては,今後の世界の天然ガス生産に,大きな影響を与えるものとして,期待したい。ナツナ・ガス田,タングーLNGでも活躍中。

国際石油開発帝石のサイトの説明を要約すると,1998年11月に,アラフラ海のマセラ鉱区の100%権益を取得,2000年にアバディ・ガス田を発見,2002年にガス層の広がりを確認,2007年5月より本格調査,2008年半ばよりインドネシア政府のBPMIGASと開発計画の調整を行っている。2009年9月初めに,海上LNG基地承認とニュースが流れたが,1月半ばには島嶼利用を検討,決定が難航していた。

海上基地の建設費は196億ドル,と言われてきたが,INPEXは,100億ドルで出来る,と言っている。2016年の完成を目指している。生産目標は,年450万トンである。アバディ・ガス田の埋蔵量は,10兆立方フィート以上で,14.4兆立方フィートのタング・プロジェクトに次ぐインドネシア第2の規模という。インドネシアは,天然ガス輸出国として,カタール,マレーシアに続いて,世界第3位の位置にある。

AFPの2007年の記事で,シュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事が,ロサンゼルス西部沖合,マリブ沖22kmの海上に広大な,「恒久的天然ガス基地の建設」,の承認を拒否したという。当時の技術では,ロサンゼルスの盆地地帯で毎年大量のばい煙とスモッグが発生する恐れがあったという。そう言う意味では,この日本企業,国際石油開発帝石の,海上LNG基地が,世界で初めて,と言うことになる。

地球上どこでも天然ガスは出る,という立場に立てば,この海上LNG基地がどれほど重要な試みから分かるというものだ。今までは,LNG基地までは必ずパイプラインを敷設しなければならないから,どうしても海岸とある距離の中にガス田がなければならない。もしこのインペックスの構想が成功すれば,その応用範囲はもの凄く広がることだろう。あの海の真ん中,アラフラ海に注目した経緯が知りたいものだ。

今日のその他のニュース。ベトナムのEVNが北部の1200MWライチャウ水力を計画中。ウガンダの送電線で住民が反対しブジャガリダムの工程に遅れ。ネパールのトリシュリA水力などに中国がローンを供与。インドネシアの中部で英国籍企業IPが2,000MW火力を計画中。中国は2020年の原子力発電設備を70MW,また,太陽光設備を20MWとする計画。ブラジルの77億ドルのサントアンオニオ・ダムについて検討中。


今日の主題

●091106D Indonesia, en.vivanews
インドネシア政府は国際石油開発帝石提案の海上LNGプラントを採用へ
Inpex to Build Floating LNG Plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index091106D.htm

http://en.vivanews.com/news/read/102939-inpex_to_build_floating_lng_plantI


その他の世界のエネルギー関連ニュース

○091106A Vietnam, easybourse
ベトナムのEVNが北部の1200MWライチャウ水力を計画中
Electricity Of Vietnam Plans 1,200-MW Hydropower Plant
http://www.easybourse.com/bourse/actualite/electricity-of-vietnam-plans-1-200-mw-hydropower-plant-FR0010208488-756331
○091106B Uganda, newvision
ウガンダの送電線で住民が反対しブジャガリダムの工程に遅れ
Bujagali dam delay blamed on public
http://www.newvision.co.ug/D/8/13/700102
○091106C Nepal, nepalnews
ネパールのトリシュリA水力などに中国がローンを供与
China pledges Rs 14.97 billion as soft loan
http://www.nepalnews.com/main/index.php/news-archive/3-business-a-economy/2255-china-pledges-rs-1497-billion-as-soft-loan-.html
○091106E Indonesia, en.vivanews
インドネシアの中部で英国籍企業IPが2,000MW火力を計画中
International Power Eyeing C Java Power Plant
http://en.vivanews.com/news/read/102861-international_power_eyes_c__java_power_plant
○091106F China, business.globaltimes
中国は2020年の原子力発電設備を70MWとしている
Experts: China's installed nuclear power capacity to reach 70 GM by 2020
http://business.globaltimes.cn/data/2009-11/482164.html
○091106G China, tradingmarkets
中国は2020年までに太陽光設備を20MWとする計画
China to have 20 GW of installed solar power capacity by 2020
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2627697/
○091106H Brazil, Financial Times
ブラジルの77億ドルのサントアンオニオ・ダムについて検討中
Amazon dam comes under close scrutiny
http://www.ft.com/cms/s/0/d8b8f78a-c8d9-11de-8f9d-00144feabdc0.html
○091106I China, hindu
中国政府がブラマプトラ河上流のザンム水力は下流に影響がないと
China reassures India on dam projects
http://www.hindu.com/2009/11/06/stories/2009110660071000.htm


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○タイ,駐カンボジア大使らを召還,元首相の経済顧問任命に抗議
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091105D2M0503005.html
○中国投資CIC,インドネシア石炭大手らに出資,27億ドル
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091105D2M0503705.html
○インペックスの豪LNG施設,最終投資判断は来年末以降に,設計が進まず
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009110600367
○米上院委が温暖化法案を可決,2020年までに2005年比20%削減 
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091106/amr0911061110004-n1.htm


本文

●インドネシア政府は国際石油開発帝石提案の海上LNGプラントを採用へ

The floating LNG plant will be located off the Arafura Sea,The government finally decided to use a floating LNG plant for the gas processing project of the Abadi gas field, Masela block, owned by a Japan-based oil and gas company Inpex Corporation. Based on data publicized by the upstream regulator BP Migas, the floating LNG plant will be located off the Arafura Sea.

国際石油開発帝石のサイトの説明を要約すると,1998年11月に,アラフラ海(注7)のマセラ鉱区(注8)の100%権益を取得,2000年にアバディ・ガス田(注8)を発見,2002年にガス層の広がりを確認,2007年5月より本格調査,2008年半ばよりBPMIGAS(注10)と開発計画の調整を行っている。2009年9月初めに,海上LNG基地(注6)承認とニュースが流れたが,1月半ばには島嶼利用を検討,決定が難航していた。

INPEX(注9)と言うのは,2008年10月1日に,国際石油開発帝石ホールディングス株式会社が国際石油開発と帝国石油を合併して出来た,海外資源の開発を狙っての,日本の野望に満ちた国策の企業である。世界に多くの原油ガスの開発を仕掛けているが,特に今回の,海上LNG基地(注6)の提案に関しては,今後の世界の天然ガス生産に,大きな影響を与えるものとして,期待したい。

建設費は196億ドル,と言われてきたが,INPEX(注9)は,100億ドルで出来る,と言っている。2016年の完成を目指している。生産目標は,年450万トンである。アバディ・ガス田(注8)の埋蔵量は,10兆立方フィート以上で,14.4兆立方フィートのタング・プロジェクトに次ぐインドネシア第2の規模という。インドネシアは,天然ガス輸出国として,カタール,マレーシアに続いて,世界第3位の位置にある。

今日の記事では,インドネシア政府が最終的に,海上LNG基地(注6)を承認した。年生産目標は,前回記事通り,450万トン,更に,日13万バレルの縮合物(注11)の生産も意図している。LNGは直接,海上LNG基地(注6)から船積みされるが,INPEX(注9)の平坦基地は,精製事業も含めて,ヤムネダ島(注12)に設定される。マルク島のサウムラキ(注14)の南西150kmで,海の深さは,400〜800mである。

(注)D (1) 091106D Indonesia, en.vivanews,(2) title: Inpex to Build Floating LNG Plant,(3) http://en.vivanews.com/news/read/102939-inpex_to_build_floating_lng_plantI,(4) Kamis, 5 November 2009, 11:58 WIB,VIVAnews,(5) LNG receiving terminal,photo source: vivanews,(6) floating LNG plant,(7) Arafura Sea,(8) Abadi gas field, Masela block,(9) Inpex Corporation国際石油開発帝石,(10) BP Migas,(11) condensate,(12) Yamdena island,(13) Director General of Oil and Gas Evita Herawati Legowo,(14) Saumlaki, Maluku,(15) floating LNG plant,photo source: http://www.iee-c.com/indogas2009/pdf/TS/TS%202%20-%20Shunichiro%20Sugaya%20-%20Inpex%20Corporation.pdf,(16) location of Arafura Sea,http://www.iee-c.com/indogas2009/pdf/,(17) location of Abadi gas field: http://www.iee-c.com/indogas2009/pdf/,(18)

今日の参考資料

●091106D Indonesia, en.vivanews
インドネシア政府は国際石油開発帝石提案の海上LNGプラントを採用へ
Inpex to Build Floating LNG Plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index091106D.htm

http://en.vivanews.com/news/read/102939-inpex_to_build_floating_lng_plantI

最近の関連資料

○091028E Indonesia, easybourse
インドネシアのタングーLNG基地が中国福建の基地に向けてLNG輸送開始へ
Indonesia Likely To Ship Tangguh LNG Cargo To Fujian This Week
http://www.easybourse.com/bourse/actualite/indonesia-likely-to-ship-tangguh-lng-cargo-to-fujian-GB0007980591-750884
○091014J Indonesia, upstreamonline
インドネシアのスノロLNGでプルタミナなどが4〜6.16ドルの価格で国内供給同意
Senoro duo may settle for less
http://www.upstreamonline.com/live/article195707.ece
○091014K Indonesia, upstreamonline
インドネシアは東部のアバディ・ガス田で海上LNG基地の他島嶼利用検討
Jakarta mulls onshore options for Abadi
http://www.upstreamonline.com/live/article195709.ece
○091010E Power General, pr
LNGは1964年に始まってから今やガスの7%を占めるまでに成長
RNCOS Releases a New Report - Global LNG Market Analysis
http://www.pr.com/press-release/184113
○091009B Power, online.wsj
石油大手シェルがオーストラリア北部沖で海上LNG基地の建設を計画
Shell Plans to Build Floating Gas Plant
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704882404574461321132480810.html?mod=googlenews_wsj
●090924D Indonesia, upstreamonline
インドネシアのナツナ・ガス田でペトロナスが価格で妥協へ
Petronas agrees to reset Natuna price
http://my.reset.jp/adachihayao/index090924D.htm
○090919F Indonesia, reuters
インドネシアのボンタンLNGの生産は2010年にガス枯渇から落ちてくる
Lower 2010 LNG output seen from Indonesia's Bontang
http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSJAK43642020090918
●090903F Indonesia, in.reuters
インドネシアは日本企業提案の海上LNGプラントを承認
Indonesia energy ministry approves Japan's Inpex LNG plan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090903F.htm


2009年11月5日 ー インドはブラマプトラのダム計画をまだ疑っている ー

友人を通して手に入れた中国全土のダム計画が手元にある。いつもは,長江水系や黄河水系など,中国中央部の河川の開発に目を通しているが,最近賑わしいチベット周辺の開発計画を眺めてみると,改めてそのダム開発の緻密さには驚く。特に,ブラマプトラ河が大屈曲点を経て流れ下り,インド領内に入ってくるところも,アンデラプラデシュ州が国境未確定,との前提で,ずらりとダム計画が並ぶ,皆,中国名である。

インドは,リモート・センシングで衛星写真を分析して,中国がブラマプトラ上流にダムを建設中であることを確認した,と発表している。インドのラオ外務次官も,我が尊敬するマンモハン・シン首相も,何度も何度も中国側に確認しており,その様なダム計画はない,とアッサムやアルンチャルプラデシュの州政府首相を説得している。それでもインド国民の疑心暗鬼はぬぐい去れない。

私は私なりに現状を分析理解している。中国は実際にダムを建設中である。540MWのザンム水力プロジェクトだ。ダムの高さは110mだが,流域面積から見て,大きな貯水池は持っていないか,運用上,河川水を極端に溜め込む貯水池方式ではない,だから中国は,正面切って,ダムは造っていない,と言っている。インド側も,流れ込み式の運用であれば,国際河川の慣用から,許されると理解している。

それにしても中国は,国際河川のダム建設に関しては,確固とした信念を持って臨んでいる,自国内のダム建設は自国の責任で断固として実施する,下流国に相談をする必要はないと,国家の主権の問題だと。今回の問題でも,インドに情報を公開して現地に連れて行ってもよいのに,それをしない。インドに対して公開の措置を執れば,それはメコン河やサルウイーン河の下流諸国へも影響してくるからだ。

メコン下流諸国やパキスタンは,中国から莫大な支援を得ているから,上流のダム開発に対して,少なくとも政府間のやりとりはない。ベトナムのメコンデルタが危惧を表明していることと,環境グループが声を上げているが,殆ど影響はなく,特に最近は,メコン下流本流のダム開発が問題になっているので,環境グループはそちらにエネルギーをとられてしまっている。

しかし問題は,ブラマプトラ河の最東端の大屈曲点からの分水計画が,余りにも中国にとって魅力的な点である。専門家達は真剣に設計図を引いているであろうこと容易に想像が付く。それ故に数字も漏れてくる。ブラマプトラのインドへ流れ込む水の総量は年間715億トンで,中国はこのうち400億トンを分流する計画を持っているが,バングラデシュで総量は5,500億トンで,分水しても問題なし,と考えている向きもある。戦争が起こりそう。

今日のニュースの中で,ロイター電は,中国のアフリカ進出の全貌を,時間を追いながら総括しており,わかりやすい図解も添えている。また,朝鮮日報の日本語版は,「中国が海外油田を相次ぎ確保,各地で反発も」,と題して,中国の世界の資源戦略を描き出している。書き出しの言葉は,「オイルサンドでも深海でも構わない。独裁国家だからどうだというのか。石油とガスさえあればよい。」。

日本政府が,メコン下流国の首脳を呼んで東京で会議を主宰する,気候変動と環境が主題で,行程表を示して支援するという,会議は11月6,7日だ。ロイター電は,中国進出の中での日本の誘い込み,コート,と言う言葉を使って,中国囲い込みの中,日本が誘い出そうとしている感じの記事。日本外務省のコメントは,競争する気持ちはないと。インフラが最重要課題の国に,気候変動だけでの対処は,成果が目に見えない気がする。

そ他の世界のニュース。フィリッピンのサンミゲールが石油精製のペトロン買収の意向。フィリッピンのミンダナオでHEDCORの水力開発に反対運動。ミャンマーのガスパイプラインを中国のCNPCが着工へ。インドのアダニ電力がティトダ発電所を3,300MWへ増設。中国のアフリカの資源及び通商との関わり合いの歴史。中国の発電設備容量は830GWに達した。日本政府はメコン沿岸諸国代表を東京に招き気候変動など協議。


今日の主題

●091105I India, Economic Times
インドの疑いに対して中国はブラマプトラ河でのダム建設を否定
China denies building dams on Brahmaputra: Foreign secretary
http://my.reset.jp/adachihayao/index091105I.htm

http://timesofindia.indiatimes.com/india/China-denies-building-dams-on-Brahmaputra-Foreign-secretary/articleshow/5197237.cms


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091105A Philippines, reuters
フィリッピンのサンミゲールが石油精製のペトロン買収の意向
Manila's San Miguel says reviewing Petron buy-in option
http://www.reuters.com/article/rbssConsumerGoodsAndRetailNews/idUSMAN19562720091104
○091105B Philippines, mindanaotimes
フィリッピンのミンダナオでHEDCORの水力開発に反対運動
Councilors urged to nix Hedcor application
http://www.mindanaotimes.com.ph/?p=4754
○091105C Myanmar, google
ミャンマーのガスパイプラインを中国のCNPCが着工へ
China's CNPC starts building Myanmar oil pipeline
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5h89U0a6NBTfL-2mwxERve7diKosw
○091105D India, zeenews
インドの宇宙事業団がブラマプトラ河の中国のダム建設を証明
RS agency spots China’s dam on Brahmaputra
http://www.zeenews.com/news575946.html
○091105E India, moneycontrol
インドのアダニ電力がティトダ発電所を3,300MWへ増設
Adani Power to expand capacity at Tiroda to 3,300 MW
http://www.moneycontrol.com/news/business/adani-power-to-expand-capacity-at-tiroda-to-3300-mw_422549.html
○091105F China, reuters
中国のアフリカの資源及び通商との関わり合いの歴史
China's oil and mineral deals in Africa
http://www.reuters.com/article/marketsNews/idUSPEK30076220091104
○091105G China, istockanalyst
中国の発電設備容量は830GWに達した
China has 830 GW of installed power capacity
http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews/articleid/3604682
○091105H Mekong, reuters
日本政府はメコン沿岸諸国代表を東京に招き気候変動など協議
Japan courts leaders from Mekong River region
http://www.reuters.com/article/asiaCrisis/idUSHAN427961


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○米国務次官補,スー・チー氏と初会談,軍政に対話圧力
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20091104D2M0403G04.html
○九電,玄海原発3号機を起動,初のプルサーマル発電
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091105AT2G0500105112009.html
○温暖化ガス25%削減,「相当程度は国内で」,衆院予算委で戦略相
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091105AT3S0400R04112009.html
○「蓄電池の標準化検討を」,経産省,環境対応車で初会合
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091105AT3S0400N04112009.html
○ミャンマー,米「関係改善の用意」,首相に伝える,民主化努力前提
http://mainichi.jp/select/world/news/20091105ddm007030086000c.html
○メコン川流域の環境対策,日本が行程表作成へ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091105-OYT1T00340.htm
○「寿命40年」美浜原発1号機10年間運転継続,関電2例目
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/091105/env0911051142000-n1.htm
○シンガポール,ジュロン島,中国華能,発電所計画を復活
http://www.asiax.biz/news/2009/11/05-095543.php
○中国が海外油田を相次ぎ確保,各地で反発も
http://www.chosunonline.com/news/20091105000026


本文

●インドの疑いに対して中国はブラマプトラ河でのダム建設を否定

The last time Indian officials raised the issue of diversion of the Brahmaputra with their Chinese counterparts, the Chinese reportedly
said, "Why don't you believe us when we say we are doing nothing on the Brahmaputra?" After the National Remote Sensing Agency reported some kind of construction on the Brahmaputra, foreign secretary Nirupama Rao said the Chinese had denied they were building dams.

私なりには結論が出たつもりであるが,インドは執拗に,ブラマプトラ河上流の中国のダム・プロジェクトについて,追求を続けている。メコン川の上流とは違って,ブラマプトラ河には,大屈曲点を利用した,分水の可能性があるからだろう。最近,インドの政府官僚が中国の相手に,ブラマプトラ河の分水問題を取り上げたときに,中国側は,何故私の言葉を信じてくれないのか,と言い返している。

インドの国家リモート・センシング庁(注6)が,ブラマプトラ河上のダム工事を報告したときも,インドのラオ外務次官(注7)は,中国側は否定している,と語っている。しかし,中国側のメディアは,ブラマプトラ河,即ち中国名で,ヤールン-ツアンポ河(注8)上には5つのダム計画があって,これに伴う水力発電所は,2015年までに完成する,と報じている。また事実,華能国際電力(注9)や葛州覇(注10)が,資金面など,支援しているという。

中国が進めていると思われるのは,ザンム水力プロジェクト(注11)であるが,他にも,ドンゾン,グオドウオ,シンアンダ,ルシ,リンチャン(注12)の5つのダムが計画されている。もしこれらのダムが流れ込み式の場合には,国際法上は問題ないと思われる。しかし懸念があるのは,中国がブラマプトラ河の水を,中国北東地域の水の少ないところに分水する案を持っていることだ。

インドのマンモハン・シン首相(注13)は,最近,アッサム(注14)とアルナチャルプラデシュ(注15)の首相に,中国はダムを建設していない,と説得しているが,衛星による証拠の件については,政府は説明できていない。この問題は,先月バンコクで,マンモハン・シン首相(注13)と温家宝首相(注16)に間でも確認されている。また中国は,インダス河上流のセンゲ-アリ・ダム(注17)について,パキスタンに通知していない。

インド側としては,この540MWのザンム水力プロジェクト(注11)について,流水を貯留できるのではないかと疑い,また,ブラマプトラ河について,二国間の取り決めが何もないことに,余計,疑心暗鬼になっている。専門家によると,インドへ流れ込む水の総量は年間715億トンで,中国はこのうち400億トンを分流する計画を持っている。バングラデシュで総量は5,500億トンで,分水しても問題なし,と考えている向きもある。

(注)I (1) 091105I India, Economic Times,(2) title: China denies building dams on Brahmaputra: Foreign secretary,(3) http://timesofindia.indiatimes.com/india/China-denies-building-dams-on-Brahmaputra-Foreign-secretary/articleshow/5197237.cms,(4) TNN 5 November 2009, 03:38am IST,NEW DELHI,(5) Brahmaputra,(6) National Remote Sensing Agency,(7) foreign secretary Nirupama Rao,(8) Yarlung-Tsangpo,(9) Huaneng, China,(10) Gezhouba,(11) Zangmu hydropower project,(12) Dhongzhong, Guoduo, Xiangda, Ruxi and Linchang.,(13) Prime Minister Manmohan Singh,(14) Assam,(15) Arunachal Pradesh,(16) Wen Jiabao,(17) Senge-Ali,(18) Buramaputra Great Bend photo source: http://www.travel-china.net/imagesen/new/1/yarlung-tsangpo-grand-canyon1.jpg,(19) Senge-Ali dam, photo source: http://4.bp.blogspot.com/_4JFb_433E6o/ScfIu3JXVeI/AAAAAAAAABI/Ee0-OZaEmKY/s1600-h/Clyde%20Dam_jpg.jpg,(20)

今日の参考資料

●091105I India, Economic Times
インドの疑いに対して中国はブラマプトラ河でのダム建設を否定
China denies building dams on Brahmaputra: Foreign secretary
http://my.reset.jp/adachihayao/index091105I.htm

http://timesofindia.indiatimes.com/india/China-denies-building-dams-on-Brahmaputra-Foreign-secretary/articleshow/5197237.cms

最近の関連資料

○091105D India, zeenews
インドの宇宙事業団がブラマプトラ河の中国のダム建設を証明
RS agency spots China’s dam on Brahmaputra
http://www.zeenews.com/news575946.html
●091030E India, indiajournal
インドのシン首相と温家宝首相の会談で国境など現状維持で更に話し合いと
India, China Agree to Maintain Peace on Border
http://my.reset.jp/adachihayao/index091030E.htm
○091022G India, beta.thehindu
インドは中国のブラマプトラ河開発に着手したが分水は行わないと言っている
India, China and water security
http://beta.thehindu.com/opinion/op-ed/article36468.ece
○091022I India, dailyindia
インドと中国の間で飛び交って言葉の戦争は危険で両サイドの危機管理が必要
China, India rivalry could spin out of control, warn experts
http://www.dailyindia.com/show/340265.php
○091021D India, morungexpress
インドのアッサム州などがブラマプトラ河上流の中国ダム計画で脅威と
UPA under pressure to act fast on China
http://www.morungexpress.com/regional/35795.html
○091021E India, hindustantimes
インドの州政府首相などが中国はブラマプトラ河にダムは造っていないと説得
No Chinese dam over Brahmaputra PM assures Arunachal
http://www.hindustantimes.com/News/northeastindia/No-Chinese-dam-over-Brahmaputra-PM-assures-Arunachal/Article1-467150.aspx
○091017H Inia, mangalorean
インドの外務省のラオ外務次官が中国との緊張を冷静にと
We need to resolve boundary issue with China: Nirupama Rao
http://mangalorean.com/news.php?newstype=broadcast&broadcastid=150644
●091017L India, sify
インドは中国のブラマプトラ本流ダム開発に打つ手がないかも知れない
Northeast frets, but India can do little on China's Brahmaputra dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index091017L.htm
●091016D China, zeenews
中国はインドとの問題を孕みながらブラムプトラ河ダムの工事に入る
China building dam on Brahmputra River
http://my.reset.jp/adachihayao/index091016D.htm
●091016H India, expressindia
インドのシン首相のアルンチャル訪問で中国が緊張したがインドは正しいと
India to take Arunachal to right fora
http://my.reset.jp/adachihayao/index091016H.htm


2009年11月4日 ー ベトナム中部のすさまじいダム建設 ー

前原国土交通大臣が,コンクリートから人へ,で,洪水はダムでなく人で防ぐ,だからコントラクター,建設業者は海外を狙え,そのための支援は惜しまない,と言っている。私も,ダムや道路や橋は,ベトナムは全くこれからだ,日本のODAも,日本の30年代に立ち帰って,ベトナムのダム,高速道路,新幹線,長大橋梁,地下鉄,原子力に,大いに頑張って欲しい,と思っているところだが,ベトナムの人のエネルギーには驚くばかりである。

メコン委員会でも経験したが,ベトナムの人々は日本人に似たところがあって,例えば水車タービンの設計図を偶々手に入れると,それを町の鉄工所に持ち込んで,ああでもない,こうでもない,と同じような形をした水車を造ってしまう。ヤリフォールやソンラのダムなども,日本政府が応援してくれないと分かった時点で,ドンをかき集めて自分たちで造ろうとする。

ヤリフォールのダムを下流から撮った写真を,米国の友人が送ってくれて,自分がとったと言わないでくれ,と言っていたが,よく見てみると,洪水吐の回りの岩盤がどうも崩れそうで危なくて見ておれない,何とも荒っぽいのだ。ベトナムの北部では,紅河という大河川があって,約2,000MWのホアビン発電所に続いて,2,500MW規模の大水力ダムを建設中だ。

ところがベトナム中部及び中部高原は,地図を見ると分かるように,日本の地形とよく似ていて,西の高い山々から一気に南シナ海に落ち込んでいて,格好の水力発電所地点候補が,幾らでも計画できる。元々ベトナムの人々は水力発電所が好きで,5万分の一でも渡すと,必死になって水力地点を探し始める,その点では日本人の誰かさんと同じである。

日本では,昭和30年代から,当時の建設省の河川管理が行き届いており,電力会社などとタイアップして,その許認可については厳しいルールが守られてきたが,ベトナムはどうなっているのか,河川法はないのだろう。すごい勢いで,中部ベトナムの急流にダム開発を挑んだわけである。驚くなかれ,数百のダムプロジェクトが進行中なのだ。

ベトナム中部及び中央高原に於ける水力発電所の建設計画では,クワンナム県(注)が62地点,トウアティエンフエ県(注)では,フオン川(注)に11プロジェクト,他に小規模ダムが12地点,ビンディン県(注)では,7地点が認可され,20地点が申請中,ギアライ県(注)では,7地点の主要地点の他,21地点の運転中を含め,113地点の小規模ダム,ダックノン県(注)では,3地点が工事中で,26の運転中を含め,70の地点がある。

これらのダム建設に,民間企業も競争で建設を開始したものだから,ベトナム戦争の枯れ木作戦に勝るとも劣らないような森林伐採が進行中,と言うのである。ベトナムは台風の通路になっている,先日もフィリッピンと共に大規模な災害に見舞われ,多くの犠牲者を出した。今日のニュースでも,新たな台風で50名以上の犠牲が出ている。

問題は,森林伐採の後の処理と,完成したダムの洪水運用だろう。先日も,フィリッピンのサンロケダムのNPCの洪水運用がやり玉に挙がっていたが,よく練られたダムの運用計画がないと,水位がどんどん上がってきて,肝を潰してゲートを一挙に全開するような羽目に陥る。当然下流への配慮の時間もなく,後で責任を問われる。今日の記事でも,ダムの予告のない放流が問題になっている。

ベトナムの人々は,今こそダム開発が必要と必死だから,なかなか人の言うことを聞かないが,この辺りはJICAの出番であり,ダム建設に際しての環境対応策や河川の運用など,専門家を派遣して,支援できるような態勢を考えたらどうかと思う。多くの友人がベトナムには入っているが,このような環境問題は,政府対政府の問題として,対応してあげる必要があろう。

今日のその他の世界の問題。パキスタンの北西辺境州が水力地元便益とした100億ルピーを2,3日内に払え。フィリッピンのサンロケなどの水力IPPA入札でサンミゲールが関心。モロッコが2020年までに90億ドルを投じて太陽光発電投入を発表。インドのジャイタプール原子力発電サイトで用地買収で住民が反対。モロッコの太陽光は懐かしい,モロッコは隅々まで歩いた経験がある,HPを見て欲しい。


今日の主題

●091104A Vietnam, thanhniennews
ベトナム中部の河川では大小60のダムが2020年までに建設される
Dammed and damned 60 large-scale hydropower plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index091104A.htm

http://www.thanhniennews.com/features/?catid=10&newsid=53447


その他の世界のエネルギー関連ニュース

○091104B Pakistan, thenews
パキスタンの北西辺境州が水力地元便益とした100億ルピーを2,3日内に払え
NHP arrears to be spent on revenue generation sectors
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=206734
○091104C Philippines, business.inquirer
フィリッピンのサンロケなどの水力IPPA入札でサンミゲールが関心
San Miguel seen bidding for power plant contracts
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20091102-233608/San-Miguel-seen-bidding-for-power-plant-contracts
○091104D Morocco,af.reuters
モロッコが2020年までに90億ドルを投じて太陽光発電投入を発表
Morocco unveils $9 bln solar power scheme
http://af.reuters.com/article/investingNews/idAFJOE5A202D20091103
○091104E India, topnews
インドのジャイタプール原子力発電サイトで用地買収で住民が反対
At nuclear plant site, another village says no
http://www.topnews.in/nuclear-plant-site-another-village-says-no-2231792


今日の日本のエネルギー関連ニュース

○前原ビビってる!?事前通告ナシの質問には「答えません」
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20091104/plt0911041206000-n2.htm
○中国の2009年成長率,8.4%に上方修正,世銀予測
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091104AT2M0302U04112009.html
○気候変動作業部会,アフリカがボイコット,発言力強化狙う?
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091104AT2C0300C03112009.html
○日経社説,企業は低炭素時代の経営を世界と競え
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20091103AS1K0200102112009.html
○米高官,スー・チーさんと初会談,制裁解除を協議
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110401000470.html
○三井物の4〜9月期当期利益はー6.9%,通期は据え置き
http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2009-11-04T151410Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-122792-1.html
○丸紅,カナダ社と共同で英領北海における油田探鉱に成功
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=235580&lindID=5
○IEA,年次見通しで長期石油需要予測を大幅下方修正へ,WSJ
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-12276920091104
○ロシア・インド・中国3カ国外相会合がバンガロールで開催,未来に希望の光
http://www.voiceofindia.co.jp/politics-a-international/3188-1104


本文

●ベトナム中部の河川では大小60のダムが2020年までに建設される

Vast areas of forests are being sacrificed in the central region and the Central Highlands to build hundreds of hydropower plants, and experts are warning of serious environmental and social consequences. A total of 60 large-scale hydropower plants of between 54 megawatts and 2,400 megawatts capacity will be constructed on central rivers by 2020. This is not including hundreds of smaller plants in central provinces, including 80 in Kon Tum, 57 in Quang Nam and 64 in Dak Nong.

先月,フィリッピンのマニラを襲って,ベトナムに上陸した台風は,相当にベトナムの人心を傷めたようだ。ベトナム全土で進むダム開発に対して,危惧の声が高まっている。ベトナム中部及び中央高原で進むまさに数百のダム建設が,自然環境や社会環境に与える影響を心配している。ベトナム中部の河川では,2020年までに,54MWから2,400MWの大規模水力が,60地点も建設されることになっている。

この中には,数百の小規模ダムは含まれていないが,それが,コントウム県(注6)に80地点,クワンナム県(注7)に57地点,ダクノン県(注8)に64地点もある。チャソム水力プロジェクト(注9)について,村の水田の80%と数百ヘクタールの畑が潰される,と地元の人民委員会はこぼしている。天然資源環境省(注20)の担当官も,河川の流れや水生生物(注)への影響は計り知れない,と言っている。環境報告書を眼にしたこともないと。

水資源の担当官も,ベトナム中部に於ける水力発電所が与える渇水や洪水を心配している。発電を目指すグループは,水の流れの変化に無頓着だと。ベトナムの水力の比率は20%で,東南アジアでも比率が高く,電力不足に対応するために,急速な開発が進んでいる。多くの水力地点が,山深く,保護林を破壊するケースが目立っていると。

ビンディン県(注)のビンタン地区(注)では,チャソム水力プロジェクト(注9)のために,630ヘクタールの森林が伐採された。この地区では他に,11の大規模水力の計画が進んでいる。更に,1,100ヘクタールの森林が,ビンソン第2水力,第3水力,第4水力,第5水力及びヌオックルオン水力(注)によって伐採されようとしている。

クワンナム県(注)では,ブギア川(注)及びトウボン川(注)で,10地点の大規模水力と12以上の小規模水力の開発が進んでいる。クワンナム県(注)の担当官は,4,000ヘクタールの森林が伐採され,更に送電線のために6,000ヘクタールが伐採されたと言っている。クワンナム県(注)の計画中の全地点が開発された状況などは,想像するのが難しいと。9月29日の台風被害は,ダムのせいだ,と言っている。

中央高原(注)のダクノン(注)では,僅か7.5MWのダックル水力発電所(注)のために,数百ヘクタールの森林が伐採された。プレイクロン水力プロジェクト(注)のためには,コントウム県(注)の6,000人が移住を強いられた。貯水池の大きさは,4,000ヘクタールである。サタイ,ダックハ,ダックト(注)の各地区では,多くの世帯が,4ヘクタールのコーヒー園を放棄させられた。新たな居住地の窮状も報告されている。

9月末の台風では,アボン水力発電所(注)が,予告もなく放流を行い,危険をもたらした,と疑われている。この経験から考えると,水力発電所の洪水被害を防ぐことは,極めて難しいと,地元では考えている。水力発電所の建設企業は,植林のための経費を調達すべきだ,と言われている。今のところは,全くその植林の約束はなされていないと。

ベトナム中部及び中央高原に於ける水力発電所の建設計画では,クワンナム県(注)が62地点,トウアティエンフエ県(注)では,フオン川(注)に11プロジェクト,他に小規模ダムが12地点,ビンディン県(注)では,7地点が認可され,20地点が申請中,ギアライ県(注)では,7地点の主要地点の他,21地点の運転中を含め,113地点の小規模ダム,ダックノン県(注)では,3地点が工事中で,26の運転中を含め,70の地点がある。

(注)A (1) 091104A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Dammed and damned 60 large-scale hydropower plants,(3) http://www.thanhniennews.com/features/?catid=10&newsid=53447,(4) photo source: The groundbreaking ceremony for the Thuong Kon Tum Hydropower Plant project in Kon Tum Province,(5) Central Highlands,(6) Kon Tum Province,(7) Quang Nam Province,(8) Dak Nong Province,(9) Tra Xom power plant project,(10) Dinh Drin, chairman of Vinh Son Commune People’s Committee in Binh Dinh Province’s Vinh Thanh District,(11) Bui Cach Tuyen, head of the Environment Department under the Ministry of Natural Resources and Environment,(12) flora and fauna,(13) Hoang Van Bay, deputy head of the ministry’s Water Resource Management Department,(14) Huynh Thi Thanh Thuy, deputy director of the Phu Yen Province’s Department of Planning and Investment,(15) Binh Dinh Province’s Vinh Thanh District,(16) Tra Xom hydropower plant,(17) 110MW Vinh Son 2 VS-SHJSC/IPP 2013, Vinh Son 3, Vinh Son 4, Vinh Son 5 and Nuoc Luong,(18) Quang Nam Province,(19) Vu Gia, Thu Bon rivers,(20) Duong Chi Cong, director of Quang Nam Department of Natural Resources and Environment,(21) 7.5MW Dak Ru Power Plant in the Central Highlands province of Dak Nong,(22) Plei Krong hydropower plant project in Kon Tum Province,(23) Sa Thay, Dak Ha and Dak To districts,(24) Nguyen Van Doi, deputy chairman of Hong Thuong Commune in Thua Thien-Hue Province’s A Luoi District,(25) A Vuong power plant in Quang Nam Province,(26) Nguyen Thanh Quang, vice director of Quang Nam Department of Agriculture and Rural Development,(27) A Vuong Hydroelectric Joint-stock Company,(28) Dai Loc District,(29) Le Minh Anh, chairman of Quang Nam People’s Committee,(30) Ta Van Huong, head of the Energy Department under the Ministry of Industry and Trade,(31) Quang Nam Province,(32) Thua Thien-Hue Province,(33) Huong River,(34) Binh Dinh Province,(35) Gia Lai Province,(36) Dak Nong Province,(37) table source: http://www.menas.co.uk/pubsamples/VF0907.pdf,(38) map spurce: http://www.adb.org/Documents/Events/2009/5th-NARBO-Training/Success-IWRM-presentation.pdf,(39)

今日の参考資料

●091104A Vietnam, thanhniennews
ベトナム中部の河川では大小60のダムが2020年までに建設される
Dammed and damned 60 large-scale hydropower plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index091104A.htm

http://www.thanhniennews.com/features/?catid=10&newsid=53447

最近の関連資料

●091017A Vietnam, vietnamnews
ベトナムの2009年内2,969MW新規運転開始に赤信号
to bring on line an additional 2,969MW of capacity this year
http://my.reset.jp/adachihayao/index091017A.htm
○090930A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムは台風の接近で北部での500MW欠落が心配されている
Superstorm damages lines - north loses 500 MW of electricity
http://english.vietnamnet.vn/biz/2009/09/871133/
●090929A Vietnam, nhandan
ベトナムの220MWのコントウム水力プロジェクトが着工
Construction of biggest hydro-electric power plant in Kon Tum starts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090929A.htm
●090712B Vietnam, globalpost
ベトナム中部の水力開発で川が干上がってきている
Vietnam Hydropower projects drying up central Vietnam's water supplies
http://my.reset.jp/adachihayao/index090712B.htm



2009年11月3日 ー ミャンマーへの米国の政策転換 ー

米国のキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)ら米政府代表団が,今日,2009年11月3日,オバマ政権高官として初めてミャンマーを訪問した。ミャンマーはまるで悪の巣窟,タンシュエは悪の帝国の首領であると,この8月に面会した米国上院議員ジム・ウエッブは述べているが,制裁が何の効果もないと知るオバマ政権は,対話の方向へ舵を切る。

米国を初め西欧諸国が幾ら制裁を続けても,中国が徹底的にミャンマーの経済を支え,タイがヤダナ・ガス田から大量の天然ガスを買い,インドが中国に対抗してミャンマーの資源に関心を示し,バングラデシュもその水力資源などで興味を示している情勢下では,制裁は何の役にも立たない,更に,北朝鮮やイランの高官が,ミャンマーの軍事政権の将軍達とゴルフをしながら,原子爆弾の話をしていたのでは,どうしようもない,というわけだ。

今日は,ウオール・ストリート・ジャーナルが,写真を10数枚と動画を織り交ぜながら,ミャンマーに於けるガス・パイプライン・プロジェクトの進捗状況を報道しているが,実際は殆ど何も取材できていない。ミャンマーや中国の政権は,何も具体的な発表を行わないし,プロジェクトに従事する中国石油CNPCや韓国の大宇も,口が堅くて何も言わない。ただ,工事開始が遅れて,2009年12月本格着工か,と報じられている。

また,このプロジェクトには海港の工事が含まれていて,中東やアフリカからの原油の輸送にも使われる。このことは,現在のマラッカ海峡のバイパスとして,中国に新しい輸送ルートを供与する。タイにベースを置くシュウエ・ガス活動などの人権団体は,中国のエネルギー保安に貢献すると共に,ミャンマーの軍事政権に,30年間に亘って,年数十億ドル,ミャンマーの外貨の3分の一に匹敵する歳入をもたらす,と推定している。

このパイプラインのルートは,私が,2000年に,ミャンマー北東端のコーカン地区に入ったときのルートと全く同じで,写真も豊富なので,そちらを見て頂きたい。今日の記事も,このルート上にあるシッポーの町を取り上げているが,ミャンマー住民は必ずしも歓迎していない。まるで中国の植民地になるようだ,と表現している。中国にとってのこれからの難題は,国境付近の少数民族の反政府勢力との対決だろう。
http://my.reset.jp/adachihayao/Myanmar.htm

中国にとって,パイプライン・プロジェクトは,危険を伴う可能性がある。ルートの途中にあるシッポーは,少数民族との緊張が高まっている。周辺住民は,中国の影響力が増すことを非常に嫌っている。この8月,ルートの周辺で,ミャンマー軍と地元反乱軍が衝突し,30人が死亡し,3万人が中国領へ逃げ込んで,軍事政権は,中国政府の怒りを買った事件があったばかりである。まだ,総選挙までには何かが起こりそうだ。

いつも同じ感想を書くが,中国は何処まで軍事政権と付き合うつもりなのであろうか。これだけの重要なライフラインを,ミャンマーの軍事政権に預けてよいのだろうか,と人ごとながら心配になる。30年の経済耐用年数を想定しているとして,30年の間に何の変化も起こらない,と判断しているのだろうか。特に今回の米国の介入は,中国にとっては大変に邪魔になる可能性がある。

今日のこの他のニュース。ナイジェリアの原油ガス法の改正案は国際企業の反対の中で政府が国会承認を強行の構え。エチオピアのテケゼ水力発電所が最終300MWの最初の75MW機の発電開始で電力不足解消に期待。ブータンはGNHを標榜するが水力開発でGDPが急激に伸びている。長文だが,ナイジェリアの資源ナショナリズムの記事は,是非読んでおきたい。


今日の主題

●091103B Myanmar, online.wsj
ミャンマーのパイプラインで米国の動きがプロジェクトに影響を与えるか
Myanmar's Neighbors Advance Pipeline Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index091103B.htm

http://online.wsj.com/article/SB125712409500421827.html?mod=WSJ_hpp_LEFTTopStories


その他の世界のエネルギー関連ニュース

○091103A Nigeria, businessdayonline
ナイジェリアの原油ガス法の改正案は国際企業の反対の中で政府強行
Nigeria sliding into resource nationalism with new petroleum law
http://www.businessdayonline.com/index.php?option=com_content&view=article&id=6363:nigeria-sliding-into-resource-nationalism-with-new-petroleum-law&catid=1:latest-news&Itemid=18
○091103C Ethiopia, ethioplanet
エチオピアのテケゼ水力発電所が75MW機発電開始で電力不足解消に期待
Tekeze Hydro Power Plant to officially open next week
http://www.ethioplanet.com/news/2009/11/02/ethiopia-tekeze-hydro-power-plant-to-officially-open-next-week/
○091103D Bhutan, Economic Times
ブータンはGNHを標榜するが水力開発でGDPが急激に伸びている
Bhutan's happiness is large dam, fast GDP
http://economictimes.indiatimes.com/opinion/columnists/swaminathan-s-a-aiyar/Bhutans-happiness-is-large-dam-fast-GDP/articleshow/5188888.cms


今日の日本語のエネルギー関連ニュース

○G20財務相会議,不均衡是正の枠組み議論,温暖化対策も焦点
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091103AT3S0201T02112009.html
○三洋電機,米オレゴン州に太陽電池向けシリコン工場開設
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091103AT2N0203303112009.html
○米次官補がミャンマー訪問,スー・チーさんらと会談へ
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110301000209.html
○パキスタン・ラワルピンディで自爆攻撃,35人死亡
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2658829/4843367
○気候変動枠組み条約の特別作業部会開幕,COP15控え最後の詰め
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2659035/4844592
○中国石化の東北地域最大の松南ガス田の生産能力10億立方メートル
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/239683/
○中国,2010年の再生可能エネルギーは10%
http://japanese.cri.cn/881/2009/11/03/1s149628.htm


本文

●ミャンマーのパイプラインで米国の動きがプロジェクトに影響を与えるか

Planned Oil-and-Gas Development Is Seen Lifting Country's Financial Strength as the West Attempts to Weaken Ruling Junta. China and its neighbors are moving ahead on a multibillion-dollar oil-and-gas pipeline project that promises to greatly enhance the financial strength of Myanmar's military regime and boost its political clout in Asia.

米国務省によると,キャンベル国務次官補ら代表団は,11月3日と4日にミャンマーを訪問する予定と言う。ミャンマーはまるで悪の巣窟,タンシュエは悪の帝国の首領であると,面会した米国上院議員ジム・ウエッブは述べているが,制裁が何の効果もないと知るオバマ政権は,対話の方向へ舵を切る。結果が何を生み出すのか,予想は困難だが,中国がこれをどう見ているのかも興味がある。今日は米国紙の論評である。

このミャンマー軍事政権の財政的基盤を飛躍的に高める中国のパイプライン・プロジェクトが,近隣諸国の協力の下に動き始めている。反対派や少数民族グループをを牢獄に閉じこめ,近い将来,近隣諸国に軍事的脅威を与える可能性のある,この軍事政権に対して,米国が新たな姿勢を打ち出してきた。これまで実施してきた制裁などの措置が,ことごとく失敗してきたことを考慮した米国の姿勢転換だ。

パイプライン・プロジェクトの詳細な内容は,秘められたままで,関係する企業,中国のCNPC(注5),韓国の大宇(注6)からも,概要と事業費以外は漏れてこない。しかし,住民の話では,既に40人近くの中国人技術者が展開して,測量などの作業を開始したという。このプロジェクトが,ミャンマー沖の天然ガスを中国へ供給開始すると,ミャンマーはアジアの中でも重要な位置づけを確保することになる。

また,このプロジェクトには海港の工事が含まれていて,中東やアフリカからの原油の輸送にも使われる。このことは,現在のマラッカ海峡のバイパスとして,中国に新しい輸送ルートを供与する。タイにベースを置くシュウエ・ガス活動(注)などの人権団体は,中国のエネルギー保安に貢献すると共に,ミャンマーの軍事政権に,30年間に亘って,年10億ドル,ミャンマーの外貨の3分の一に匹敵する歳入をもたらす,と推定している。

中国にとっては,外国勢力の影響や海賊からの妨害を避ける,重要な役割を持つプロジェクトになる。パイプラインの本格着工は,2009年9月開始となっているが,少数民族問題で遅れているようで,本格工事はこの年末から,と言われている。大宇(注6)によると,事業費は,他の企業(注8〜11)も含めて,30億ドルとしている。

パイプライン・プロジェクトは,米国にとっては,ミャンマー軍事政権の弱体化,と言う目標にとっては,問題を難しくしている。西欧諸国がとってきた経済制裁は,中国や北朝鮮への接近を強化しただけだ,とも言われている。2009年9月,米国は,経済制裁は続けるが,軍事政権との対話を始める政策転換を決意している。キャンベル次官補(注13)は,火曜日,11月3日にも,2,3日の予定でミャンマーに入る。

中国にとって,パイプライン・プロジェクトは,危険を伴う可能性がある。ルートの途中にあるシッポー(注14)は,少数民族との緊張が高まっている。周辺住民は,中国の影響力が増すことを非常に嫌っている。この8月,ルートの周辺で,ミャンマー軍と地元反乱軍が衝突し,30人が死亡し,3万万人が中国領へ逃げ込んで,軍事政権は,中国政府の怒りを買った事件があったばかりである。まだ,総選挙までには何かが起こりそうだ。

人権グループからは,このプロジェクトが,環境問題と人権問題を起こすだろう,と非難されているが,CNPC(注5)と大宇(注6)は,これに対して口を閉ざしている。タイへのパイプラインを有するヤダナ・プロジェクト(注15)の例も挙げている。ワシントンの人権グループ(注18)は,48億ドルが外国銀行に密かに貯め込まれている,と言っている。

有名な静かな町,シッポー(注14)では,住民はパイプラインについて全く知らされていないが,この2,3時間で中国国境に達する町では,中国製のトラックがうなりを発して走り回っており,古い小さな橋は,大きな新しい橋に架け替えられつつある。市内に一軒あるゲストハウスは増設されて,中国人技術者の宿舎になっている。住民は,中国の植民地になりつつあると,怒りを露わにしている。

(注)B (1) 091103B Myanmar, online.wsj,(2) title: Myanmar's Neighbors Advance Pipeline Project,(3) http://online.wsj.com/article/SB125712409500421827.html?mod=WSJ_hpp_LEFTTopStories,(4) By A WSJ STAFF REPORTER,HSIPAW, Myanmar,(5) China National Petroleum Corp.,(6) Daewoo International Corp.,(7) Shwe Gas Movement,(8) Myanmar Oil & Gas Enterprise,(9) Korea Gas Corp.,(10) Oil & Natural Gas Corp. of India,(11) GAIL (India) Ltd.,(12) Aung San Suu Kyi,(13) U.S. Assistant Secretary of State Kurt Campbell,(14) Hsipaw,(15) Yadana project,(16) Total SA,(17) Unocal Corp.,(18) EarthRights International,(19) Chevron Corp,(20) map source: http://www.shwe.org/about-shwe/maps,(21) Hsipaw,photo source: http://www.wright-photo.com/BurmaImages/319---Hsipaw-.jpg,(22)

今日の参考資料

●091103B Myanmar, online.wsj
ミャンマーのパイプラインで米国の動きがプロジェクトに影響を与えるか
Myanmar's Neighbors Advance Pipeline Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index091103B.htm

http://online.wsj.com/article/SB125712409500421827.html?mod=WSJ_hpp_LEFTTopStories

最近の関連資料

○091101D Myanmar, mizzima
ミャンマーのガスパイプラインで中国調査団がヤンゴン入り
Chinese energy delegation in town
http://www.mizzima.com/news/breaking-and-news-brief/2979-chinese-energy-delegation-in-town.html
○091028A Myanmar, lankaweb
ミャンマーの中国へのガスパイプラインで反対グループが湖錦濤へ文書
Activists urge to suspend Shwe Pipeline Project in Burma
http://www.lankaweb.com/news/items/2009/10/27/activists-urge-to-suspend-shwe-pipeline-project-in-burma/
○091017G Mynmar, irrawaddy
ミャンマーのシュウエ・ガス田の拡張で探査を開始へ
Further Exploration of Rich Shwe Gas Field Set to Begin
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=17012
●090911D Myanmar, independent
ミャンマーの原油の取引で将軍達のポケットに50億ドル
Burmese generals pocket $5bn from Total oil deal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090911D.htm
●090911C Myanmar, ipsnews
ミャンマーのパイプラインで世論を押し切り中国は推進
CHINA Dual Pipelines in Burma to Push Ahead Amid Criticism
http://my.reset.jp/adachihayao/index090911C.htm
○090910H Myanmar, shanland
ミャンマーの北の国境は衝突が拡大している
Danger of border skirmishes escalating
http://www.shanland.org/index.php?option=com_content&view=article&id=2719:danger-of-border-skirmishes-escalating&catid=102:mailbox&Itemid=279
○090908E Myanmar, irrawaddy
ミャンマーのパイプライン・プロジェクトでNGOが中止を要請
Shwe Gas Calls on Corporations, Govts to Suspend Pipeline Project
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=16736
●090826D Myanmar, atimes
ミャンマーでのビジネスの問題に米国上院議員が火を付けた
On the march to do business in Myanmar
http://my.reset.jp/adachihayao/index090826D.htm
●090826E Myanmar, businessspectator
ミャンマーのガスの中国への輸出で大宇が56億ドル取引
Daewoo in $US5.6bn Burma gas export deal to China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090826E.htm


2009年11月2日 ー フィリッピンの国家石油が小水力の投資企業を求む ー

民主党は,「コンクリートから人へ」,と言っているけれど,コンクリート・ダムを中止して人柱を立てると言う意味なら反対,江戸時代の話に逆戻りではなかろうか。台風被害に苦しむフィリッピンは,まさに,「人をコンクリートで救え」,の時代である。そのフィリッピンで,昨日は,新規87の契約で総額22億ドル18企業による再生可能エネルギー・プロジェクトを承認した,と報じた。総出力は,4,042MWで,主力は,地熱,水力,などである。

87のプロジェクトのうち,65が再生可能エネルギーで,残りの22は,既存の契約を再生可能エネルギー契約に切り替えるもので,17が水力,5が地熱である。2,950MWの水力を5,468MWにとしている。フィリッピンの国家石油PNOCが立ち上がった,再生可能エネルギー法に沿って,11の小規模水力,合計300MWを,2011年の着工に向かって進めるという。

今日は,この並んだ水力地点を洗っていると,時間がなくなってしまった。最も大きいのは,イザベラ,イラガンの,60MWのアブアン水力である。我々日本人の感覚では,60MWと言えば大水力である,今からそのサイズのプロジェクトがあればとんでいくだろう。KW当たり2,500ドルとして,150億円と言うところか。この11の水力は,大凡,30MW〜40MWが多い。小流域なので大変だろうが,意味のある仕事だろう。

これらの水力地点を地図の上に落としていて時間が経ったが,出てきた資料の中に,JICA,と銘打った立派なものがあった。これは明らかに,1989年頃に日本工営が世界銀行の資金で調査したものに間違いない。それが,JICAの手で,2002年に,フィリッピンの水資源のデーターベースとして整理され,その結果をフィリッピン政府が,水資源ネットワークとして取り上げ,ネット上に公表したものだろう,よくまとまっている。

あの,1989年頃に行われた作業が,2008年のフィリッピンの再生可能エネルギー法の成立によって注目を浴び,それをフィリッピンの国家石油が掘り起こしてきて,投資企業を募っているのだ。このような落ち穂拾いのような段階は何処でもあるもので,今はフィリッピンがその段階にある。コンサルタントでは投資は扱いにくいので,電力会社が小さな子会社を造って,投資してあげたらどうか。

日経社説で,「低炭素の要の原発に正面から向き合え」,と題して,地球温暖化と原子力の関係が論じられている。 関西電力の原子力の稼働率は87%まで上がってきている,と報じられている。鳩山首相も,温暖化と原子力の関係を理解している発言をしている。この社説では,自然エネルギーを大量に受け入れると跳ね上がる電気料金を競争原理で抑えろ,と断じている。高くなったものをそのまま消費者へ,というのは余りに発想貧困。

今日のその他のニュース。インドは経済成長のため向こう8年間で2,500億ドルが必要,日本は温暖化ガスを地中に閉じこめる実験に取りかかっているとインドが報道,中国へオーストラリアからの石炭輸出が急増でガスとウランも続く,フィリッピンのミンダナオのブキンドダムなど300MW水力で慎重を地元望む。中国への石炭輸出急増は,長文だが是非読んでおきたい。


今日の主題

●091102D Philippines, beta.bworldonline
フィリッピンの国家石油PNOCが11水力300MWで外国投資企業を打診
PNOC renewable energy unit planning to build 11 hydropower plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index091102D.htm

http://beta.bworldonline.com/main/content.php?id=698


その他の世界のエネルギー関連ニュース

○091102A India, Economic Times
インドは経済成長のため向こう8年間で2,500億ドルが必要
Power sector requires $250bn investment in next 8 yrs: Study
http://timesofindia.indiatimes.com/biz/india-business/Power-sector-requires-250bn-investment-in-next-8-yrs-Study-/articleshow/5185624.cms
○091102B India, Economic Times
日本は温暖化ガスを地中に閉じこめる実験に取りかかっている
Japan aims to bury greenhouse gas emissions
http://timesofindia.indiatimes.com/home/environment/developmental-issues/Japan-aims-to-bury-greenhouse-gas-emissions-/articleshow/5185613.cms
○091102C China, watoday
中国へオーストラリアからの石炭輸出が急増でガスとウランも続く
China's energy insecurity set to fuel exports
http://www.watoday.com.au/business/chinas-energy-insecurity-set-to-fuel-exports-20091101-hrns.html
○091102E Philippines, beta.bworldonline
フィリッピンのミンダナオのブキンドダムなど300MW水力で慎重を地元望む
Local leaders, proponent clash on Bukidnon dam project
http://beta.bworldonline.com/main/content.php?id=718


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○環境車普及の戦略策定へ,経産省,各社トップと研究会
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091102AT3S3003M01112009.html
○欧州,電気自動車インフラ着々,ベルリン、充電スタンド500基
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091102AT2M2903F01112009.html
○日経社説,低炭素の要の原発に正面から向き合え
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20091101AS1K3000D01112009.html
○中国,上海で長江トンネル,長江大橋が開通,約10km
http://www.chinapress.jp/pd/18871/
○見えぬ民主党の描く政策,変わる温暖化政策,その議論の現場
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20091030/102515/
○サンコー,GPS機能内蔵アナログ腕時計「GPSトラベルWatch」発売
http://japan.cnet.com/clip/domestic/story/0,3800097352,20402790,00.htm


本文

●フィリッピンの国家石油PNOCが11水力300MWで外国投資企業を打診

The renewable energy arm of state-owned Philippine National Oil Co. (PNOC) is in talks with foreign and local investors for a plan to build 11 hydropower plants in the country with a total capacity of 300 megawatts (MW). Pedro H. Maniego, Jr., president of PNOC Renewables Corp. (PNOC-RC), said "several local and foreign companies have signed MoUs [memorandum of understanding] expressing their interest to partner with us."

昨日はフィリッピンのエネルギー省が新規87の契約で総額22億ドル18企業による再生可能エネルギー・プロジェクトを承認した,と報じた。総出力は,4,042MWで,バイオマス,地熱,水力,波力,太陽光,風力の各分野に亘るものだ。87のプロジェクトのうち,65が再生可能エネルギーで,残りの22は,既存の契約を再生可能エネルギー契約に切り替えるもので,17が水力,5が地熱である。2,950MWの水力を5,468MWにとしている。

これに続いて,このフィリッピンでの再生可能エネルギー開発を主導すべく,国家石油PNOC(注5)が立ち上がった。その傘下に,PNOC再生可能エネルギーPNOC-RC(注6)を立ち上げ,主として,地熱開発及び水力開発を標榜している。今日の記事は,このPNOC-RC(注)が立ち上げようとしている水力プロジェクトについて,共同出資者を求めている,と言う記事だ。

PNOC再生可能エネルギーPNOC-RC(注6)が,内外の投資企業に声をかけている水力は,11プロジェクトで,合計出力は300MWに達する。PNOC-RC(注)のマニエゴ社長(注6)は,既に多くの内外の企業が,自分たちと覚書を交わしているという。この先2,3週間でこれらの企業と協議して,資本の配分やプロジェクトの事業費の検討を行いたい,としている。2年間で,準備と資金調達を完了して,2011年に着工したとしている。

具体的な地点は,イサベラのイラガンにある60MWのアブアン水力(注7)が最大で,ルソン北部及びビサヤス系統(注17)に集中している(注8〜16)。ビサヤス系統(注17)では,ネグロス・オリエンタル(注9)に多い。マニエゴ社長(注6)によると,工事費の見当は,KW当たり,2,000〜2,500ドルで,予備調査に基づいて,現在事業費を算出している,として,間もなく,投資企業への説明書を書き上がる,と。

重点は,2008年以来,計画停電が続くビサヤス系統(注17)に置いており,その中でも,セブ-ネグロス-パナイ系統(注19)では,需要が925MWで,予備力として100MWを見ると,既に30%の供給不足が起こっている,と言われている。今回のPNOC-RC(注6)による11の水力のプロジェクトは,エネルギー省の報道の中の87プロジェクトの中に入っている。協定では,2年が与えられ,更に余裕を1年与えられている。

フィリッピンは,世界第2の地熱国で,東南アジアでは最大の風力発電を誇っている。代替エネルギーまたは再生可能エネルギーの開発は,2006年のバイオ燃料法(注21)と,2008年の再生可能エネルギー法に支えられている。現在の再生可能エネルギー,4,500MWは,次の10年間で,9000MWにすることが政府の目標である。

(注)D (1) 091102D Philippines, beta.bworldonline,(2) title: PNOC renewable energy unit planning to build 11 hydropower plants,(3) http://beta.bworldonline.com/main/content.php?id=698,(4) J. B. F. Santos,(5) Philippine National Oil Co. (PNOC),(6) Pedro H. Maniego, Jr., president of PNOC Renewables Corp. (PNOC-RC),(7) 60-MW Abuan facility in Ilagan, Isabela,(8) 45-MW Natalang plant in Kabayan, Benguet,(9) 45-MW Sicopong in Sta. Catalina, Negros Oriental,(10) 33-MW Pacuan-Guinoba in La Libertad, Negros Oriental,(11) 24-MW Saltan in Balbalan, Kalinga,(12) 22 MW and 20 MW in Pasi, Kalinga,(13) 18-MW Dulangan plant in Baco, Oriental Mindoro,(14) 17.80-MW Jalaur in Calino, Iloilo,(15) 11-MW Okoy in Valencia, Negros Oriental,(16) 5.40-MW Siaton plant in Siaton, Negros Oriental,(17) Visayas grid,(18) rotating brownouts,(19) Cebu-Negros-Panay grid,(20) Department of Energy,(21) Biofuels Act of 2006,(22) JICA data base: http://www.nwin.nwrb.gov.ph/Prog&Proj/JICA/main.html,(23) Negros Oriental scenary,photo source: http://farm4.static.flickr.com/3515/3945883067_dd71759016.jpg,(24)

今日の参考資料

●091102D Philippines, beta.bworldonline
フィリッピンの国家石油PNOCが11水力300MWで外国投資企業を打診
PNOC renewable energy unit planning to build 11 hydropower plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index091102D.htm

http://beta.bworldonline.com/main/content.php?id=698

最近の関連資料

●091101B Philippines, breakbulk
フィリッピンで22億ドル分の再生可能エネルギー・プロジェクトが認可
Philippine Contracts Worth $2.2 Billion Awarded for Renewable Energy Projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101B.htm
●091101B Philippines, breakbulk
フィリッピンで22億ドル分の再生可能エネルギー・プロジェクトが認可
Philippine Contracts Worth $2.2 Billion Awarded for Renewable Energy Projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101B.htm
●091019A Philippines, business.inquirer
フィリッピンの国家石油PNOCが11水力300MWで投資協力企業を捜している
PNOC unit seeks partners for hydro projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index091019A.htm
○091009C Philippines, upi.
フィリッピンの再生可能エネルギー開発についてドイツが支援へ
Germany to aid Filipino renewable energy sector
http://www.upi.com/Science_News/Resource-Wars/2009/10/08/Germany-to-aid-Filipino-renewable-energy-sector/UPI-80151255037594/
●090926F Philippines, business.inquirer
フィリッピンのエネルギー省が9プロジェクトで1,000MW投入を期待
DOE banks on new power plants Plants’ capacity not enough to address shortfall
http://my.reset.jp/adachihayao/index090926F.htm


2009年11月1日 ー フィリッピンの再生可能87プロジェクト承認 ー


フィリピンでまた台風被害が報告され,1カ月で4度目の災害だという。今日は何とかアジアに帰ってきたが,どうしてもアフリカのニュースに惹かれますね,特に,コンゴ民主共和国の資源問題,治安の悪さから,欧米の企業は皆引き上げる中,中国企業の一人舞台になっているようだ。1970年代は日本企業も大挙してザイールに押しかけ,日本人町も出来ていた,と言うから,その違いに驚く政治情勢だ。

さて,ゼロサムゲームに明け暮れるフィリッピン,とからかっていたが,再生可能エネルギー推進で,とんでもない数字を打ち出してきた。先日,2009年10月22日に,フィリッピンのエネルギー省で行われた認可のセレモニー,新規87の契約で総額22億ドル,18企業による再生可能エネルギー・プロジェクトを承認した。総出力は,4,042MWで,バイオマス,地熱,水力,波力,太陽光,風力の各分野に亘るものだ。

ちょっとにわかには信じられない数字だが,まだまだ成熟していないプロジェクトを,政府の再生可能エネルギー法の主導で出てきたものだろう。地熱はある程度予想できて,現在1,200MWの地熱を1,931MWにすると言っている。問題は,主要部分をなす水力で,現在の2,950MWの水力を5,468MWにするという。ミニ水力だけではとても達成できないし,この増分約2,500MWの中には,揚水が入っている可能性がある。

エネルギー大臣の談話で,これらによっ経済性も達成できる,と言っているが,電気料金の高いフィリッピンで,ますますそれを引き上げる方向になるだろう。日本でも,全量,電力会社が太陽光電力を買い取る法案が出てくるが,高い太陽光の分は,翌年度,電力会社が電気料金に上乗せするという。幾らでも高く引き取れるわけで,太陽光を所有する人の増分経費を,持たない人が当分に分け持つ,と言うことか。

インドのマンモハン・シン首相は,人格者で偉い人だが,インド人の中には,時々偉い人がでる。東京裁判の判事もそうだが,ダムの評価をしたグループにもインド人の専門家が含まれている。世界で何か基準を作るときには,多くの場合,インド人の学者が入ってくるが,その一人が,国連気候変動会議IPCCの委員の一人であるインド人のパチョリ博士である。

今日のインドの大規模石炭火力計画UMPPの記事の中で,パチョリ博士が言っている言葉,世界の民主主義の国の中で国民の4億人が電気にアクセス出来ない,などと言うことが理解できるだろうか,と。パチョリ博士は徹底的に,インドの石炭火力を支持しているわけだ。インドに,石炭以外で国民に電力を与えることの出来るものはない,石炭だけだと。少し我田引水だが,石炭の輸入が増えてくるのが理解困難。

なお,先日,東芝がチェンナイに重電工場を造る,という記事を取り上げていたが,あの中に出てくる東芝の合弁相手,JSW,と言うのは,私はてっきり日本製鋼のことだと思いこんでいたが,あれはインドのジンダールのことなのか。ジンダールも鉄鋼会社だから,日本製鋼ではなかったのか,もっと調べなければならなかったが,ごめんなさい,誰か教えて下さい。


今日の主題

●091101B Philippines, breakbulk
フィリッピンで22億ドル分の再生可能エネルギー・プロジェクトが認可
Philippine Contracts Worth $2.2 Billion Awarded for Renewable Energy Projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101B.htm

http://www.breakbulk.com/content/?p=1004
●091101C Nigeria, allafrica
ナイジェリアのカフィン・ザキ・ダムで1,500万人が移住の危機
Kafin Zaki Dam - 15 Million Nigerians May Migrate to Niger, Chad
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101C.htm

http://allafrica.com/stories/200910300255.html
●091101F India, energytribune
インドの石炭火力開発UMPPなどは今後民間企業が大きな役割を果たす
India Opening Power Sector to Private Investment, Coal Still the Fuel of Choice
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101F.htm

http://www.energytribune.com/articles.cfm?aid=2518
●091101H Congo,in.reuters
コンゴ共和国の水力開発などでインドが263百万ドルの借款を供与
India grants Congo $263 mln in infrastructure loans
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101H.htm

http://in.reuters.com/article/topNews/idINIndia-43558320091030


その他の今日の世界のエネルギー関連ニュース

○091101A Thailand, Bangkok Post
タイの発電企業ラチャブリが豪の発電所買収で75億バーツ準備
RATCH seeks Australian plants Q3 profit dips as tax holiday ends
http://www.bangkokpost.com/business/economics/26611/ratch-seeks-australian-plants
○091101J Tajikistan,rferl
タジキスタンの北部地域が南部と送電線で連携
Tajikistan Opens Power Line To Northern Regions
http://www.rferl.org/content/Tajikistan_Opens_Power_Line_To_Northern_Regions_/1866041.html
○091101K Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのアグノ川とサンロケダムの問題は次世代のために熟考を
Agno River & San Roque Dam: Indivisible Synergy
http://www.mb.com.ph/articles/227374/agno-river-san-roque-dam-indivisible-synergy-last-part
○091101L Nepal, myrepublica
ネパールの14MWクリカニ第3水力が中国コントラクターで着工
Kulekhani-III to be over in two years
http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=11299
○091101D Myanmar, mizzima
ミャンマーのガスパイプラインで中国調査団がヤンゴン入り
Chinese energy delegation in town
http://www.mizzima.com/news/breaking-and-news-brief/2979-chinese-energy-delegation-in-town.html
○091101E India, mydigitalfc
インドのタタ電力が4,000MW分水力開発でSNPと合弁へ
Tata Power enters into JV with SN Power
http://www.mydigitalfc.com/news/tata-power-enters-jv-sn-power-338
○091101M Ethiopia, en.afrik
エチオピアとケニヤの送電連携について世界銀行へ380百万ドル支援要請
Ethiopia and Kenya make joint request to World Bank over electricity supply
http://en.afrik.com/article16395.html
○091101G China, australia.to
中国の三峡ダムは最高水位175mに近づくにつれ内外の批判が高まる
CHINA: Tide of Opposition Swells as Largest Dam Nears Completion
http://www.australia.to/index.php?option=com_content&view=article&id=15871:china-tide-of-opposition-swells-as-largest-dam-nears-completion&catid=116:breaking-news&Itemid=298
○091101I Angola, economist
アンゴラの経済拡大で政府は電力投資をこの先2,3年で84億ドルが必要と
Investments in infrastructure drive Angola’s electricity industry
http://www.economist.com.na/index.php?option=com_content&view=article&id=20301:investments-in-infrastructure-drive-angolas-electricity-industry&catid=530:financial-markets&Itemid=57


今日の日本語エネルギー関連ニュース

○政府,温暖化基金統合提案へ,目的別3種類,資金を効率活用
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091101AT3S3003T31102009.html
○インドネシア貿易相,「通関施設を増設」,外国企業誘致を強化
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091101AT2M3003J31102009.html
○ミャンマーのスー・チーさん,米の対話政策を支持
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/091031/asi0910312340001-n1.htm
○温暖化対策途上国支援,EU,年6.7兆円盛り込む
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20091030D2M3004Q30.html
○フィリピンでまた台風被害,1カ月で4度目,被害報告
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200910310020.html
○南米リチウム争奪戦,塩湖の底に世界の8割
http://www.asahi.com/business/update/1101/TKY200911010080.html
○家庭の太陽光電力,買い取り価格2倍スタート,県内業界も特需に期待
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20091101/02.shtml


本文

●フィリッピンで22億ドル分の再生可能エネルギー・プロジェクトが認可

The Philippines Department of Energy has awarded 87 new contracts worth a combined $2.2 billion in the renewable energy sector to 18 companies. The contracts entail the development of biomass, geothermal, hydropower, ocean, solar and wind energy resources, with a total power generation potential of 4,042 megawatts. This development is being touted as the largest number of contracts awarded in a single day.

今回のフィリッピンの再生可能エネルギー・プロジェクトの認可の報道は,既に10月23日に地元紙が報じている。現実味のない話だが,どの様なないようで認可されたのか,電気料金に与える影響はどうなのか,買電協定はこの先どうなるのか,全く未知数のままだが,フィリッピンとのフォーラムを開いたインドが,バンガロールから,驚きを持って報じている。

フィリッピンのエネルギー省(注5)は,新規87の契約で総額22億ドル,18企業による再生可能エネルギー・プロジェクトを承認した。総出力は,4,042MWで,バイオマス,地熱,水力,波力,太陽光,風力の各分野に亘るものだ。87のプロジェクトのうち,65が再生可能エネルギーで,残りの22は,既存の契約を再生可能エネルギー契約に切り替えるもので,17が水力,5が地熱である。

この認可は,2008年再生可能エネルギー法(注6)に基づくもので,10年間で85億ドルの投資を視野に入れている。これによって消費者にも影響する経費節約が期待されており,この先5年間で,1,636MWが投入される見込みだ。エネルギー省(注5)の計画では,2003〜2013年で,4,500MWの再生可能エネルギーを,9,000MWに増やし,再生可能エネルギーを,全体の40%にする計画だ。

この内訳は,現在1,200MWの地熱を1,931MWに,2,950MWの水力を5,468MWに,風力を417MWに,また,バイオマス,波力,太陽光で131MWにする計画である。2009年7月にエネルギー省(注)は,再生可能エネルギー振興のため,20億ドルの基金を設けている。9月には,7つの風力プロジェクト,10億ドル相当,6企業合計379MWを認可している。

このときエネルギー省(注5)は,50の小水力と20の風力,一つの波力,合計70プロジェクトが進行中,と話していた。国家再生可能エネルギー委員会NREB(注7)は間もなく,その優遇政策を実施に移す。再生可能エネルギー法(注6)では,税の軽減,10年間機材輸入の関税免除,7年間の所得税免除,付加価値税免除,などが盛り込まれている。地元紙の報道では,企業名も明らかにされている。

風力に挑むのは,トランスアジア(注9)など4企業(注9〜12),地熱と波力の運営契約は,APRなど2企業(注13〜14),バイオマスが2企業(注15〜16),水力が,ファーストジェンなど6企業(注17〜22),既存契約の更改は,地熱が1企業(注23),水力が3企業(注24〜26),シェブロン(注27)も地熱の更改である。バイオでキャビテ(注28)がある。その他,4企業(注29〜31)も,既に認可されている中に入っている。

(注)B (1) 091101B Philippines, breakbulk,(2) title: Philippine Contracts Worth $2.2 Billion Awarded for Renewable Energy Projects,(3) http://www.breakbulk.com/content/?p=1004,(4) October 30, 2009 BANGALORE, INDIA,October 29, 2009,Researched by Industrial Info Resources (Sugar Land, Texas),(5) Philippines Department of Energy,(6) Renewable Energy Act of 2008, also known as Republic Act 9513,(7) National Renewable Energy Board,(8) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(9) Trans-Asia Renewable Energy Corp.,(10) Constellation Energy Corp.,(11) Alternergy Philippine Holdings Corp.,(12) DOST-Industrial Technology Development Institute,(13) AP Renewables Inc.,(14) Deep Ocean Power Philippines Inc.,(15) Lucky PPH International Inc.,(16) Unisan Biogen Corp.,(17) Mindanao Energy Systems Inc.,(18) First Gen Mindanao Hydro Power Corp.,(19) Century Peak Energy Corp.,(20) AV Garcia Power Systems Corp.,(21) Benguet Electric Cooperative Inc.,(22) PNOC-Renewables Corp.,(23) Energy Development Corp.,(24) Hedcor Inc.,(25) First Gen Bukidnon Power Corp.,(26) Luzon Hydro Corp.,(27) Chevron Geothermal Philippine Holdings Inc.,(28) Cavite Biofuels,Magallanes, Cavite,(29) San Carlos Bioenergy Inc.,(30) Chemrez Technologies Inc.,(31) Golden Asian Oil International Inc. and Leyte Agri Corp.,(32) IGA photo source: http://www.geothermal-energy.org/,(33) small hydro map source: http://www.doe.gov.ph/ER/Maps%20-%20Micro%20Hydro.htm

今日の参考資料

●091101B Philippines, breakbulk
フィリッピンで22億ドル分の再生可能エネルギー・プロジェクトが認可
Philippine Contracts Worth $2.2 Billion Awarded for Renewable Energy Projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101B.htm

http://www.breakbulk.com/content/?p=1004

最近の関連資料

○091025C Philippines, business.inquirer
フィリッピンのエネルギー省が水力など4,042MWの再生可能エネルギー承認
Gov’t awards 87 renewable energy contracts
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20091023-231924/Govt-awards-87-renewable-energy-contracts
●091019A Philippines, business.inquirer
フィリッピンの国家石油PNOCが11水力300MWで投資協力企業を捜している
PNOC unit seeks partners for hydro projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index091019A.htm
●090926F Philippines, business.inquirer
フィリッピンのエネルギー省が9プロジェクトで1,000MW投入を期待
DOE banks on new power plants Plants’ capacity not enough to address shortfall
http://my.reset.jp/adachihayao/index090926F.htm


●ナイジェリアのカフィン・ザキ・ダムで1,500万人が移住の危機

About 15 million Nigerians from the seven states of Plateau, Bauchi, Gombe, Kano , Jigawa, Yobe and Borno states have threatened to migrate to the neighbouring Niger and Chad Republic , should the federal government embark on the construction of the Kafin Zaki Dam project. This stunned revelation was contained in various petitions written and endorsed by all the North-East Speakers Forum and addressed to President Umaru Musa Yar'Adua which was made available to our correspondent in Maiduguri , the Borno state capital.

ナイジェリアについては,先日も中国の資源攻勢に対する迷いがある,論争がある,と書いたとおりである。今日のカフィン・ザキ・ダム(注)が中国と乾期エイがあるのかどうか,記述はないが,大きな住民移動で,取り上げてみようと思った。何故こんなに住民移動があるのか,よく分からない。プラトー州など北部7州(注)の住民1500万人が,ニジェール(注),チャド(注)に移動しなければならない恐れがある。多くの地元の訴えが大統領(注)に出されている。コンサルタントからの報告書が問題になっている。

(注)C (1) 091101C Nigeria, allafrica,(2) title: Kafin Zaki Dam - 15 Million Nigerians May Migrate to Niger, Chad,(3) http://allafrica.com/stories/200910300255.html,(4) Ahmed Mari,29 October 2009,Maiduguri,(5) Nigeria,(6) Plateau, Bauchi, Gombe, Kano , Jigawa, Yobe and Borno states,(7) Niger and Chad Republic,(8) Kafin Zaki Dam project,(9) North-East Speakers Forum,(10) President Umaru Musa Yar'Adua,(11) EIA,(12) Federal Ministry of Agriculture and Water Resources,(13) Hon. Goni Ali Modu,(14) Bauchi state government,(15) Chalawa Dam in Kano state,(16)

今日の参考資料

●091101C Nigeria, allafrica
ナイジェリアのカフィン・ザキ・ダムで1,500万人が移住の危機
Kafin Zaki Dam - 15 Million Nigerians May Migrate to Niger, Chad
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101C.htm

http://allafrica.com/stories/200910300255.html

最近の関連資料

●091027E China, ngrguardiannews
中国とアフリカの関係でナイジェリアの原油などその眞の意図は何か
The truth about China-Africa relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index091027E.htm


●インドの石炭火力開発UMPPなどは今後民間企業が大きな役割を果たす

With coal-fired power plants as the primary source, India’s electricity generation sector space has been dominated by the two state run big companies NTPC (for generation) and BHEL (for equipment manufacturing). However, a gradual shift is taking place with private players looking to play a bigger role in the country’s electricity generation business.

インドの大規模石炭火力開発UMPP(注9)は重要であるが,常に温暖化ガスの問題がつきまとう,この点ではインドネシアのクラッシュ・プログラムと一緒だ。現在のインドの石炭火力は,公的機関であるNTPC(注5)の発電と,BHEL(注6)の機器製造に,支配されている。しかし,漸次,民間企業の動きが活発になってきている。現在のインドの発電設備は,150,000MWだが,2017年までに倍の,330,000MWを目指している。

このうちの30%は,民間企業によることになろう。民間への移行は変革だが,相変わらず石炭火力であることは変わらず,炭酸ガス排出で世界の注目が集まるところだ。しかし,国連気候変動会議IPCC(注8)の委員の一人であるインド人のパチョリ(注7)が言っていることは真実だ。彼がこの7月に発した言葉,インド人の4億の国民が電気を受けていないと言うことを信じられるか,と言う問題に帰するのだ。

更にパチョリ(注7)は,民主主義の元で,4億人が電気がないと言うことは受け入れられないのだ,しかもインドには石炭があるのみで,インド人には石炭以外に選択肢がないのだ,と。インド政府は,大規模石炭火力UMPP(注9)を進めている,13カ所で4,000MW規模のプロジェクトを推進中だ。工業化した5州(注10)は恩恵を受けるし,世界銀行(注12)も,タタ電力(注11)のUMPP(注9)に,450百万ドルを支援する。

このインド政府のUMPP(注9)には,多くの資本が関心を示している。エネルギー企業は,次年度以降,30億ドルに上る株式上場を目指している。その企業とは,JSWなど9企業(注13)である。また,三菱,東芝,日本製鋼などの海外企業(注14)も,地元企業との新規の合弁を進めている。発電機機器の供給は,BHEL(注6)とL&T(注15)が担っているが,注文の数に圧倒されている。

L&T(注15)は意欲的で,過去2年間で注文は20倍に増えている。また,アンデラプラデシュ州でガス火力を進めているほか,海外の石炭をインドネシアとオーストラリアに求めている。更に,原子力機器供給の一端も担うことを視野に入れている。アニル・アンバニ(注16)の率いるR電力(注16)は,2008年に既に株式市場で30億ドルの資金を得,35,000MWの設備能力を計画している。

R電力(注16),このうち,3,000MWは2012年までに,残りは2017年までの完成を目指している。また,海外石炭を,オーストラリア,ブラジル,米国,英国などの石炭企業と協議を続けている。タタ電力(注11)は,2012年までに準備する5,500MWのために,45億ドルを投資する。これらの殆どは,グジャラート州のUMPP(注9)であり,2014年までには12,000MWの開発を視野に入れている。石炭はインドネシアより輸入する。

エッサール電力(注17)は,2012年までの計画で,6,000MWに40億ドルを投資する。その石炭は,オーストラリア,モザンビーク,インドネシアを予定している。このインド政府の進めるUMPP(注9)で,コペンハーゲンの気候変動問題での世界的炭酸ガス排出抑制での討議が注目されるが,

(注)F (1) 091101F India, energytribune,(2) title: India Opening Power Sector to Private Investment, Coal Still the Fuel of Choice,(3) http://www.energytribune.com/articles.cfm?aid=2518,(4) Posted on Oct. 30, 2009,By Energy Tribune staff,(5) NTPC,(6) BHEL,(7) Rajendra Pachauri,(8) UN’s Intergovernmental Panel on Climate Change,(9) ultra-mega power plants, (UMPPs),(10) Gujarat, Tamil Nadu, Karnataka, Andhra Pradesh and Maharashtra,(11) Tata Power,(12) World Bank,(13) JSW Energy, Jindal Power, Indiabulls, Sterlite, GMR Energy, Adani Power, Essar Power, Usher Eco Power and Bhilwara Energy,(14) Mitsubishi, JSW and Toshiba, Bharat-Forge and Alstom SA (France), and Ansaldo Caldaie (Italy),(15) L&T,(16) R-Power, headed by Anil Ambani,(17) Essar Power,(18) Copenhagen climate talks,(19) UMPPs table source: http://www.thehindubusinessline.com/2008/04/26/stories/2008042650780800.htm,(20)

今日の参考資料

●091101F India, energytribune
インドの石炭火力開発UMPPなどは今後民間企業が大きな役割を果たす
India Opening Power Sector to Private Investment, Coal Still the Fuel of Choice
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101F.htm

http://www.energytribune.com/articles.cfm?aid=2518

最近の関連資料

●091023C India, machinist
インドのチェンナイに建設する東芝の重電工場へJBICが90百万ドル
Toshiba JSW gets US$90 million loan from JBIC for Chennai facility
http://my.reset.jp/adachihayao/index091023C.htm
●091022C India, business-standard
インドの大規模火力開発UMPPで2010年初頭までに4地点審査
Request for qualification for UMPPs likely by Jan '10
http://my.reset.jp/adachihayao/index091022C.htm
○091022F India, business-standard
インドのムンドラ石炭火力でタタ電力がテキサス籍企業から技術支援
Invensys to provide technology for Tata Power's Mundra project
http://www.business-standard.com/india/news/invensys-to-provide-technology-for-tata-power%5Cs-mundra-project/76432/on


●コンゴ民主共和国の水力開発などでインドが263百万ドルの借款を供与

India has offered Democratic Republic of Congo $263 million in loans to build hydroelectric plants and repair battered infrastructure in the war-ravaged central African nation, Congo's foreign minister said on Friday. The two countries agreed the final terms of the loan package this week during a four-day visit by Foreign Minister Alexis Thambwe Mwamba to the south Asian economic powerhouse.

昨日ルワンダへの中国の接近を見てきて,これは東にキブ湖を介して接するコンゴ民主共和国からの接近だと理解し,広大なコンゴ民主共和国の資源への中国のアクセスに大いに関心を持ったところである。現在,コンゴ民主共和国の外務大臣がインドを訪問中であり,インドもこの広大な国へ関心が深いことを理解した。ザイールに時代から,内陸部への接近は大変なこと,と知っていたが,治安は依然としてよくないはずだ。

コンゴ民主共和国は,国土面積234万平方km,世界第12位と極めて広大で,人口は,6,600万人,GDP総額は206億ドルである。資源は,コバルト,ダイヤモンド,カドミウム,黄金,銀,亜鉛,マンガン,錫,ゲルマニウム,ウラン,ラジウム,ボーキサイト,鉄鉱石,石炭などを産する世界トップクラスの鉱産資源国であり,コバルトは世界の65%を占め,ギニア湾沖に海底油田を擁し,原油の輸出も盛んで同国の経済を支える。

ウランも採掘が行われており,広島の原爆の原料はベルギー領コンゴ国産とされている。政情不安の中,日本はどうしているのだろうか。殆どめぼしい援助は行われておらず,極めて人道支援に限られているようだ。1970年代には日本企業が大挙して押しかけ,日本人町も出来ていたという。800億から850億ドルと言われる鉱山資源は,中国企業のワンサイドゲームと言われており,欧州企業も手を引き始めているようだ。

インドについては,将来に備えて借款を供与する,と言う形か。インド訪問中のムワンバ外相(注6)が,インド政府は,水力発電所の建設と戦火で荒廃したインフラ再興のため,263百万ドルの借款を供与する,と語った。南部のカサイ・オリエンターレ県の18MWのカテンデ・ダム・プロジェクト(注7)へ168百万ドル,北部のココボラダム(注8)へ45百万ドル,キンシャサ(注4)の鉄道修復に50百万ドル,となっている。

コンゴ民主共和国(注5)は,1998〜2003年まで続いた戦火のために荒廃が進んで,その復興のために資金を求めている。キンシャサ(注4)の上下水道とITに,インドは既に,25百万ドルの借款を供与している。中国は既に,60億ドルに上る資源インフラの開発を約束しており,インドの借款は,中国の申し出に続いて行われた。しかし,コンゴの資源を担保とする巨額の融資は,IMFがその将来に懸念を示している。

IMFは100億ドルの債権放棄に,難色を示している。中国は,当初の90億ドルの約束を60億ドルに減らしており,パリクラブのメンバー国も,債権放棄要請で,コンゴ政府と遭うことになっている。インド訪問中のムワンバ外相(注6)は,この話し合いを楽観視しており,世界銀行もIMFも,コンゴの状況をよく理解している,と電話で語っている。

(注)H (1) 091101H Congo,in.reuters,(2) title: India grants Congo $263 mln in infrastructure loans,(3) http://in.reuters.com/article/topNews/idINIndia-43558320091030,(4) By Joe Bavier,KINSHASA (Reuters),(5) Democratic Republic of Congoコンゴ共和国,(6) Foreign Minister Alexis Thambwe Mwamba,(7) 18MW Katende dam project in Kasai Orientale (province),(8) Kakobola dam,(9) kleptocratic 盗癖のある,(10) President Joseph Kabila,(11) International Monetary Fund (IMF),(12) Reporting by Joe Bavier; Editing by Richard Valdmanis/Victoria Main,(13) map source: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b4/Cg-map.png,(14) Image 9: Inga Dam in Bas-Congo Photographer: Frazier Date: 1973 Place: Inga Dam Place/Time: Congo-Kinshasa / Central Africa (courtesy of University of Wisconsin),photo source: http://exploringafrica.matrix.msu.edu/teachers/curriculum/m18/activity1.php,(15)


今日の参考資料

●091101H Congo,in.reuters
コンゴ共和国の水力開発などでインドが263百万ドルの借款を供与
India grants Congo $263 mln in infrastructure loans
http://my.reset.jp/adachihayao/index091101H.htm

http://in.reuters.com/article/topNews/idINIndia-43558320091030

最近の関連資料

●091030B Rwanda, defenceweb
ルワンダへの投資について中国企業がコンゴとの関連で高く評価
China praises Rwanda's investment potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index091030B.htm




アジアのエネルギー最前線 0902