DRM(Digital Radio Mondiale)放送の愉しみ
まだ未完成なので内容はこれからもUP DATEしていきます

 DRM放送とはDigital Radio Mondialeの略。中波や短波にデジタル信号を乗せて、高品質の音声放送を広範囲に届けることができる方式です。
 私が大学生の頃、R.Netherlandがパソコ ンのデジタル信号を短波に乗せて実験を行ったことがありました。デジタル信号を短波で送ることができ ると言う事実を、あの時現実のものとして感じました。そのうち放送もデジタル信号化して、それが短波の電波に乗ることもあるんだろうか、などと考えたりも しました。
 あれから25年以上経ち、デジタル音声信号を短波 (中波)に乗せて聴くDRMが登場。ガキンチョの頃の想像が現実になりました。
 DRM放送は短波や中波を使って行われ、欧州を中心 に少しずつ広がりを見せています。最近では大洋州、極東地域でもニュージーランドやロシア、オースト ラリアがDRM放送を開始しています。来年の北京オリンピックにあわせて、中国が大々的にDRM放送を開始するという噂が流れています。インドは国内の放 送網にDRMを採用することにしており、実験が続いています。
 日本でもこうした国々からの電波を受信さえできれ ば、DRM放送を聴くことができます。短波DRM放送なら、伝播状態さえよければ欧州からの電波も安定 して受信できます。
 メリットは、とにかく音質がよいことです。音楽放送 もFM並みに聴けます。ただ、デメリットは微弱な電波では実用にならないこと。デジタルなのでAll or nothing。さらに、アナログ短波(中波)のように、遠くから飛んでくる微弱な電波を捕まえる醍醐味には欠けます。そうはいうものの、一度DRM放送 を聴くとその魅力に驚かないではいられません。それほどインパクトが強いのです。
 しかし残念なことに、DRM放送を聴くための受信機 がまだ普及しておらず、現状では放送を受信するには工夫が必要です。中国やインドが安価なDRMラジ オを開発・販売するようになるかどうかが、DRMの普及を占う上で重要なファクターになりそうです。
 ただ日本ではDRMではないデジタルラジオ方式(ワ ンセグの仲間)が実験を始めていて、DRMが普及する環境は整っていません。いずれにしても日本のリ スナーは、もっぱら海外のDRM放送を楽しむことになると思われます。

★★★★

 能書きはこのぐらいにして、DRM放送を実際に聞くためにはどう すればよいかをごく簡単に説明します。
 DRM放送を楽しむためにはいくつかの方法がありま す。

1.   短波受信機から455kHzのIF信号を取り出し、それを12kHzにコンバートした上で、Dreamなどのパソコンソフトに信号を流し込んでデコードし て聴く方法。
2.  パソコンに接続できるDRM受信用モジュール(Digital World Travellerなど)を使って聴く方法。
3.  DRM受信が可能なポータブル受信機を購入して聴く方法。
4.  12kHz信号を直接取り出すことができるラジオを購入し、Dreamなどのパソコンソフトで音声をデコードする方法。

 私、技術面では素人ですので、あくまでも「どうすれ ばいいか」をご紹介することにします。技術的な情報は、他のHPに詳しく紹介されていると思いますので、そちらを参照なさってください。

 1と4の方法はとりあえず他のHPに説明を譲るとして(できるだけ早くこのHPで紹介できるようにしますが)、ここでは私たち「文系リスナー」にとって 関心が高いと思われる2と3について説明します。

 まず2のDigital World Travellerですが、こちらはドイツのインターネットサイトから通販で購入することが可能です。日本円でおよそ3万円ほどでしょうか。このモジュー ルは、外部アンテナとパソコンの間にコントロールボックスを繋ぎ、パソコン側にインストールした専用ソフトで受信をコントロールします。
 ただ、選択度、感度が思いのほか悪く、操作性もあま り良くないのでこのモジュールを使って安定した受信ができた記憶がありません。日本では持っていても 意味が無いかもしれません。

 3については、現在入手可能なポータブルDRMラジオ(受信機)は 3種類。
  一つはMophy Richards社の受信機、もうひとつは香港のHimalaya社から発売されているDRM2009という受信機です。さらに2008年秋にドイツの TechniSat社からMultyradioという大型のDRMラジオが発売になっています。
 いずれの受信機(ラジオ)も、AM、FM、DRM、 DABが受信できるようになっています。
 Mophy Richards社のモデルは、現在27,000円ほどで売られていて、ドイツのHP経由で輸入をすることができます。この受信機、とにかくデカい。多分 本体部分は小さいのでしょうけれど、スピーカーがやたらと大きいので、結果としてかなり大型の受信機に仕上がっています。ソニーのICF-6800の3分 の2ぐらいの大きさでしょうか。その割に重くはありません。中身がスカスカだからでしょう 笑。


Morphy Richards社のDRMラジオ

 この受信機ですが、最初に発売されたときには外部ア ンテナ端子がついておらず、もっぱら欧州域内での利用を考えて作られていたようです。のちに改良型が 出て、外部アンテナの接続が可能となり、バッテリー駆動もできるようになったのですが、使い勝手はあまりいいとはいえません。特に感度不足と、チューニン グノブのつくりの弱さが不満です。チューニングノブが最初からグラグラしていて、いつ壊れても不思議じゃない状態なのです。
 欧州などでは自動スキャンをかければ次々にDRMラ ジオ放送が受信でき、プリセットも容易なのでしょうけれど、日本では目的の放送に周波数を合わせて聴 くことが多いので、チューニングノブが壊れやすいというのは致命傷になりかねませんね。

 これに対してHimalaya社のDRM2009 は、受信部の基本的なファンクションはMophy Richardの受信機とよく似ているのですが、とにかく小さくて軽いことがメリットです。外部アンテナ端子(ミニジャック)が装備されていて、ソニーの AN-1なんかも繋ぐことができます。但し、アンテナによって相性があるようです。AN-1などのアクティブアンテナよりもパッシブアンテナのほうがノイ ズ が少ないため、快適に動作します。今のところ、この受信機と一番相性がい いアンテナは AOR社のSA7000です。DRMの受信については、アンテナによってかなり状態が左右されるので、受信機との相性などを 試しながら最良のカップリングを探すことになります。
 デジタル信号出力端子(光デジタル端子はついてませ ん)がついているので、ステレオ音楽放送などは そのままデジタル信号をステレオアンプに送り、音楽番組を大スピーカーで聴くこともできます。DATやMDなどにデジタルコピーが可能なので、様々な活用 法があります。
 スピーカーは左右に一つずつ。ステレオ放送を手軽に 楽しめます。但し、FMの周波数は海外仕様なので日本では一部 の放送しか聴くことができません。


Himalaya社のDRM2009

 感度、操作性の点では、断然DRM2009がよいでしょう。何し ろ結構微弱な電波でも局名が確実に表示されます。音も硬くも無く柔らかすぎもせずで、聴 きやすい部類に入るのではないかと思います。国内中波局、アナログ短波放送を聞く際も、普通のリスニング程度なら感度の点で特に不自由することもありませ ん。ためしにJST1500頃、サウジアラビアのコーランネットワーク(17895kHz)を聴いてみましたが、十分満足できる状態で受信できました。

 TechniSat社のMultyRadioは、黒 と銀を基調としたデザインが高級オーディオのような雰囲気で、おそらく欧州の家庭で使うには雰囲気がピッタリなのでしょう。基本的な構造・ファンクション はMorphy RicardsやHimalayahと同じですが、チューニングダイヤルが大型化して、しかもはずみ車が入っているらしく、チューニングするときの手触り がとてもよくなっています。AM、FM(欧州バンド)、DRM、DABが受信できます。


TechniSat社のMultyRadio

 ただ、難点はデカイこと。重さはさほどではないもの の、とにかく大きすぎ。しかも、外部アンテナ端子が背面についているにもかかわらず、ラジオを据え置 きスタンドに乗せて使おうとすると外部アンテナ端子がカバーされてしまってうまく使えない。これはかなりの減点です。
 それでも音質は最高。欧州ではFMも十分な音質で楽しむことができると思います。

 Morphy RichardsもDRM2009、そしてMultyradioも、放送録音用(DRMとDABのみ動作)にSDカードスロットがついています。メーカー 側は録音フォーマットはMP3だと 言っていますが、パソコンで拡張子を見ると.drmとなっています。ファイルには音声だけでなく、局名等の情報(ニュースヘッドラインなどは含まれず)が 入っていますので、普通のMP3ではないのでしょう。まだパソコンでこのファイルを鳴らしたことが無いために詳しいことは追って報告します。


 上記のMorphy Richards製のものとHimalaya社のDRM2009、TechniSat社のMultyradioは、現在も入手可能です。ドイツのネット通 販会社経由で輸入することができます。 Himalaya社のDRM2009は品薄状態に陥ることが時々あるので要注意です。また、通販会社によっては海外(EU域外)への発送を行っていないと ころも結構ありますので、あらかじめウエブ上で購入条件等を調べておくといいでしょう。

 上記3機種に先立ち、ドイツのMayah Communications社からDRM2010というラジオが発売されていました。テンキーによる周波数 入力が可能で、見た目は BCLラジオ風。上述の3つのDRMラジオに比べるとチューニングの煩わしさがない分、使い勝手がよいように思われるのですが、内蔵のチップがワンチップ 化されていないとのことで、実は性能は劣悪。実用的ではない代物です。


Mayah社のDRM2010

 アジア向けのDRM放送でチェックしてみましたが、 信号が強いDWのDRM放送ですら、局名表示こそ出るものの音声のデコードができない状態でした。正 直なところここまで性能が悪いかなぁ とガッカリさせられるラジオです。
今はもう発売されておらず、入手のチャンスは無くなったと思いますが、このラジオ、発売されていた頃には送料込みの価格が日本円でおよそ13万円もしまし た。万が一このラジオがどこかで入手できるとしても、手を出さないことが賢明です。

 なお、2009年3月上旬を目処にフランスの会社が小型のDRMラジオを発売する予定です。去年9月にオランダで開催された"IBC 2008"でも、デモ機として紹介されていた製品です。製造は中国です。大きさはICF-7600をひとまわり分厚くしてサイズを若干大きくした程度で す。
 このラジオは、DRMのほかDAB、AM(長波、中波、短波)、FMに対応しています。約4インチのカ ラー液晶を備えていて、DRMラジオ放送で伝送される文字情報はもとより、カラー写真などの映像を映し出すことができるほか、MP4映像のファイル再生機 能を備えているので、様々な使い 方ができると思われます。外部アンテナ端子も備えていて、遠距離短波DRM放送の受信にも備えたつくりになっています。
 ただ、現在の試作機の段階では周波数入力はテンキー方式やダイヤル式ではなく、ボタンで周波数をアップダウンして選択する方式なので、もしそのまま市場 に出てくるとやはりチューニングにおいて使い勝手が悪いの ではないかと心配しています。価格は送料抜きでおよそ200ドル程度にな見通しです。


UniWave社のDRMラジオ

 ちなみにDRM放送のスケジュールは http: //drm-dx.de に最新のものが常に掲載されていますので参考になさってください。
 DRM放送の受信情報(受信音も含む)については、こちらへ
 いずれにしても、今後、アジア地域内、あるいはアジ ア地域向けのDRM放送が増えることを期待したいところです。

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