PORTUGAL(R.Portugal)
ヨーロッパ局の 中ではかなり地味 な 存在でした。1977年当時ISは流していませんでしたが、時計のチャイ ムと国歌演奏、そしてポ
ルトガルギターに よるテーマ音楽がとても 美しく、0530JSTからの英語放送をよく聴いたものです。なお、その後同局は国歌の最初の一節を木琴で演奏するISを採用しまし た。
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to: Radio Portugal in Spanish
SPAIN (Radio Nacional de Espana)
後のREE。 70 年代には日本での受信が難しい局でした。1976年の8月、0800JSTにまったくの偶然に15145kHzで南米向けサービスの
オープニングを受信したのが最初でした。ギターによるISとそれに続く開始音楽、スペイン語のアナウンスが心地よい響きを持っていました。受信したのが休
日の朝だったこともあり、強烈な印象が残っている録音のひとつです。
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to: Radio Nacional de Espana in Spanish
ORTF(Office de Radiodiffusion Television Francaise)の国際放送は1974年12月31日をもって一旦中止されました。しかし国際放送はORTFを民営化したRadio France Internationaleによってその後再開され、規模も徐々に再
拡充されながら今 日に到っています。ここで紹介しているのは1974年夏の録音です。当時ORTFは極東向けの放送を実施しており、2100JSTに15330kHzでフ ランス語放送が放送を開始するところが良好に受信できていました。 懐かしいISと華やかな開始テーマ音楽です。
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to: Radiodiffusion Television Francaise in
French
ORTFとしての最終日(1974年12月31 日)、JST1600に受信したフランス語放送の終了時の録音が出てきました。最終送信ではなかったので、特段のアナウンスが出ているわけではありませんでしたが、IDのあと国歌、そしてISが流れています。翌日からはORTFの海外向け番組がなくなり、その代わりに海外 領土向けのRadio France Cooeration Radiophoniqueなどの番組が送信されるようになりました。
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to: ORTF in French
(final day on 11825kHz close down at 0700UTC 31 December 1974)
ORTF解体後、フランスは一旦国際放送を縮小しました。その後Radio France Internationaleによる国際放送が再開されました。1980年代のフランスの国際放送はフランス語放送が主で、 英語はアフリカ向けにParis
Calling Africaの名称でわずかに行われているだけでした。
Listen to: Radio France Internationale in
English "Paris Calling Africa"
UNITED
KINGDOM(BBC)
BBCは、放送 方 向や中継所ごとにいくつかのISを使い分けています。ここでは1977年ごろの極東中継局が使っていたISをご紹介します。1800JST開始の17880kHzはもっとも安定
して受信できまし た。当時の中継放送は、まだロンドンからの放送波をマレーシアで受信して再送信する方式でした。日本語放送は、ビッグ・ベンの鐘の音に続 いて、ヴォーン・
ウイリアムス作曲のマーチ「海の歌」がオープニング曲として流れました。1970年代前半までは、オープニング曲が2コーラス流れていま
した。のんびりと した時代でした。
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to: BBC World Service via Far Eastern Relay
Station
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to: BBC Japanse service
BBCの国内向け放送のうち、Radio4は長波200kHzが北アフリ カでも良好に受信できました。格調高い気象通報のあと、短いアナウンスが出て、英国国歌で放送が終了するところをお聞きいただけます。とても気に入っている録音の一つです。1983年の録音です。
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to: BBC
Radio4 closing down with ID and NA (200kHz LW)
短波放送が最近になって再開されています。 し かし80年代、アイルランドの放送を受信するには、中波かFMしか手がなく、 日本ではほぼ不可能な状態でした。こ
の局のISは、 アイルランド民謡の”O’Donnel Abu”という曲の一節です。
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to: RTA Radio I Dublin
1600JSTの 15170kHzといえば R.Norwayと相場が決まっていました。中学校から帰宅して真っ先に聞いたのはR.Nowayの極東向け放送でした。強力に受信でき ました。75年の 受信です。
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to: Radio Norway in Norwegian
SWEDEN(R.Sweden)
2100JST開 始のR.Swedenの極東向け放送を 9630kHzで受信したものです。76年当時のISはオーケストラによる演奏でした。その後のオルゴールの演奏よりもスケール感があって好きだったのですが...。結局その後、IS自体が変更になり、現在に到っています。開始音楽も、かつてはアルヴェーン作曲のスウェーデン狂詩曲だったのが、その後IS が変更されたとき以来、ISと同じメロディーの曲が使われるようになりました。2010年秋、Radio Swedenは短波から撤退することになってしまいました。老舗国際放送が続々と消えていくのは淋しいものです。
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to: Radio Sweden in English
(Ident Signal music with orchestra)
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to: Radio Sweden in English (Ident Signal
music with celesta)
FINLAND(R.Finland)
R.Finlandは250kW送信機が完成するまでは、
日本では受信がとても難しい局でした。アジア向け放送がなかった時代です。1900JSTのフィンランド語放送の15185kHzが唯一 の頼み。しかも同 一周波数のモスクワ放送が時折停波したり、電波がスキップしているときがねらい目でした。苦労して四季のフィンランドの風景をあしらった
シリーズもののベリカードを集めたのが懐かしく思い出されます。その後、アジア向け放送が開始され、受信は容易になりました。日曜日のSunday Bestという番組なんかをよく聞いていました。
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to: Radio Finland (YLE) in
English
DENMARK(R.Denmark)
「1600JST のノルウェーまたはスイスを聞いた後は、1630からの15165kHz、デンマーク」と決めていたのは私だけではないでしょう。出
力わずか50kWとは 思えないほど強力に受信できました。開始時の英語アナウンスを除いてすべてデンマーク語だったのですが、なんとか受信報告を書いてベリカードをもらったものです。ISと開始音楽は、ともにカール・ニールセン作曲の「母」というオーケストラ曲です。
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to: Radio Denmark in Danish
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to: Radio Denmark in Danish
(new version)
デンマークの国内向け第一放送、長波245kHz(200kW)のお昼のニュース前のISと鐘の音です。なんだかとても悠長で、
しかしとても閑散とした寂しげな雰囲気です。現在、デンマークからの長波放送は243kHzで0.2kW(DRM)での送信となっています。
Listen to: DR1(Radio
Denmark) in Danish
HOLLAND
海外向けのRadio
Netherlands。実はあんまり腰を据えて聴いたことがない局で す。世界中の リスナーに支持されている局ではありますが、個人的にはISと開始音楽以外はさほど印象が残って いません。
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to: Radio Netherland in English
オランダNOSの国内向け第二プロの朝の開始部分(ISとID "Hilversum II")、747kHzでの受信です。ISはオランダ国歌の最初の三小節を管楽器で演奏したモチーフです。
Listen to: NOS II Hiversum in Dutch
BELGIUM(RTBF/BRT)
70 年代初め頃 は、ベルギーの国際放送は日本での受信は現 在のように簡単ではありませんでした。13mbでの受信は信号も弱く、受信報告もままならなかった記憶があります。しかし、その後はアジア向け送信も開始 され、常連局の仲間入りを果たしました。残念ながら、ベルギーからの短波放送は2010年春をもって廃止されてしまいましたので、もう聞く機会がありませ ん。
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to: RTBF in French
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to: BRT in Flemish on 26060kHz
ベルギーの国内向けフレミッシュネットワークの中波927kHzはシロホンのISが流れて放送が始まっていました。よく「世界のインターバルシグナル」と いったレコードなどで、ベルギーのISが紹介されていましたが、あれは国際放送ではなくて国内向けのISだったようです。ベルギーの放送
のISはたびたび変わっていたのであまりなじみがないイメージを持っています。ここではかっこいいファンファーレが流れる終了時の録音も
お聞きいただけます。
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to: BRT domestic service in Flemish on
927kHz signing on with IS
Listen to: BRT domestic service in
Flemish on 927kHz signing off with TM & IS
SWITZERLAND(+SBC)
JST1600 の 15305kHz、スイス国際放送 (Swiss Broadcasting Corporation)の極東向け英語放送がとても良好に受信できました。オルゴールの美しいISとスイス音楽紹介番組を中学校から帰宅してすぐラジオ の前に直行して聞いていました。ノルウェーと並んで16時の常連でした。2215からもアジア向け英語放送がありました。
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to: Swiss Broadcasting
Corporation in English
スイスの国内向けフランス語ネットワーク中波765kHzは、北アフリカでも良好に受信できました。フランス語放送はどこの国でもおしなべて愛想のない終 わり方をしていますが、スイスのフランス語放送もニュースと気象情報のあと国歌でさくっと終了していました。
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to: +SBC domestic French network on 765kHz
closing down with Swiss NA
スイス国際放送の送信機から 数ヶ月に一度、 放 送日を決め て、国際赤十字放送が放送を行いました。国際赤十字の活動ぶりを紹介する番組が、スイス国際放送のIS に続いて流 れました。アジア向けの時間もあって、結構熱心に聞いていました。受信状態は、放送日によってばらつきがあったように記憶していま
す。
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to: Red Cross Broadcasting
Service in English
ITALY(RAI)
イタリア国際放送がR.Romaと呼ばれていた50年代には日本語放送がありました。その名残で日本向け英語放送がありましたが、2009年 をもって国際放送は廃止されてしまいました。0700JST の9715kHzで時々聞いていました。超有名な小鳥のさえずりのIS、それにカリオン演奏による開始音楽、そして眠そうな女性アナウンサーによる番組進行が特徴でした。番組は単調だったので、頻繁に聞くというほどではありませんでした。
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to: RAI External Service in
English
国内向けRAI-1 も海外向けと同じカリオンの開始音楽が使われています。30年以上前からずっと同じ開始音楽を使ってきました。こうして、昔からの曲 を大事に使っている放 送局も少なくなりました。
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to: RAI-1 in Italian
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to: RAI-1 in Italian closing down with
NA followed by IS and "Notturno Italiano" on 567 kHz (Caltanisetta 1)
VATICAN(R.Vatican)
中学時代の私がもっとも感銘を 受けたISが、このR.Vaticanのものです。日本語放送は73年当時一日一回 JST0650から11705,
9615, 7235kHzで放送されていました。受信状態も不安定で、オンボロラジオにとっては「難局」の部類に入るほどでした。もちろんアナ ログラジオでの待ち受け受信はとても難しかったのです。IS聞きたさに早起きしても、やっとダイヤルを合わせたときにはすでに時遅し。ISのあとに流れるサンピエトロ寺院の鐘
の音が響き渡っているなどということがしばしばありました。このISは単に美しいだけでなく、とても有り難味のあるものだったのです。
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to: Vatican Radio in Japanese
FEDERAL
REPUBLIC OF GERMANY(Deutsche Welle)
かつての「幻の日本語放送」 も、その後中継 局 の充実により 強力に受信できるようになりましたが、残念なことに日本語放送は中止されてしまいました。73年 当時は 2020JSTから一時間の放送で、31〜13mbで多くの周波数を使用していました。しかし、聞こえるのはせいぜい1〜2波といった状況でした。ただ、
苦労して聞くほうが有り難かったと感じるのは私だけではないでしょう。
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to: Deutsche Welle in
Japanese
FEDERAL
REPUBLIC OF GERMANY(Radio Free Europe)
自由ヨーロッパ放送(RFE) の存在は、中学時代に読んだ雑誌「ラジオの製作」などを通して知っていたのですが、どの本を見ても「受信は困難です」と書かれてあっ
たため、良好に受信で きたときには驚くと同時に、雑誌情報があまりあてにならないことを学びました。ハンガリー語放送の11815kHzとブルガリア語放
送の 15115kHz、ルーマニア語放送の15215kHz、チェコスロバキア語放送の21725kHz、ポーランド語放送の 21665kHzがかなり良好に受信できました。ハンガリー語、ルーマニア語以外はジャミングがかかっていましたが、それでもジャミングがスキップした時には良好に聴けました。各言語とも独自のISをもっていましたが、チェコスロバキア語とポーランド語の放送ではISがめったに出なかったため、かなりの粘りが必要でした。放送局は、西ドイツのミュンヘンにありましたが、その後チェコのプラハに移転しました。
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to: Radio Free Europe in Hungarian
/ Bulgarian
/ Romanian / Czechoslovak / Polish
FEDERAL
REPUBLIC OF GERMANY(Radio Liberty)
東欧向けに放送していた自由 ヨーロッパ放送 に 比べると、ソビエト連邦をターゲットエリアにしていたRadio Libertyに対しては妨害(ジャミング)も激しく、中学生だった私は、国際社会の緊張に直接触れたようなエキサイティングな気持ちになったものです。 ジャミングの中から浮かび上がってくるような聞こえ方をしていました。後にRLを訪問した際に、技術スタッフと話をしてわかったこと ですが、やはりわざと 音質を変えて送信していたそうです。ロシア語番組のISは、「自由の讃歌」のモチーフ。実はこの歌、「プロレタリアートの国、ソ ヴィエトロシア・・・♪」という、日本語の歌詞もあるのです。Radio Libertyは、その他各言語放送でも独自のISを持っていました。今では、かつての相手国(敵国)のFM放送からの番組が流れる ようになっています。 時代の変化をひしひしと思い知らされます。
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to: Radio Liberty in Russian
AUSTRIA(ORF)
オーストリア国際放送のISといえば「美しく青きドナウ」の一節ですが、70年代前半頃には金管楽器による演奏が流れていまし た。その後70年代半ばになって弦楽器(チター)の演奏に替わりました。英語放送"Austria Calling"は極東向けに毎日1730JSTから放送されていました。しかしこの時間帯は電離層の変化が激しい時間帯で、放送が
始まって10分ぐらい 経つとだいたいエコーがかかりはじめ、受信状態が悪化してしまいました。
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to: ORF External Service in
German
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to: ORF “Austria Calling” in English
ORFの国内向け第一放送、1476kHzでの受信です。毎正時にISが出るので確認しやすい局でした。ISはピアノとチェンバ
ロでオーストリアの国 歌の最初の二小節のモチーフを演奏したものです。
Listen to: ORF 1 (Domestic Service) in German
MALTA(Xandir Malta)
Radio Malta IIという名称で放送されていた国内向け番組が、82年当時チュニジア、チュニスでは中波999kHzが終日受信できました。のんびりした音楽番組中心の
構成で、私の大好きな放送でした。ここで紹介する朝の放送開始時のISは、首都ヴァレッタで1988年3月に録音しました。
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to: Radio Malta II in Maltese
1980年代前半にはマルタには、Radio
Mediterraneanという放送局があって、マルタにあったDeutsche Welleの中継所を経由して中波と短波で放送していました。日本でも受信できました。リビア政府とマルタ政府との共同運営の放送でし
た。現在 V.O.Mediterraneanという放送局がありますが、それとは別局です。
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to: Radio Mediterranean
in English
CYPRUS(CyBC)
Cyprus Broadcasting CorporationのISは美しいギターの演奏です。週3回放送している海外向け(イギリス向け)「キプロスはあなたのそばに」が、
日本でも短波で受信できました。番組はギリシャ語。 受信状態はあまりよくありませんでした。なお、かつては国外向け番組開始前にISが流れていましたが、その後ISが流れず突然開始音楽で番組が始まるようになりました。海外向けで流れていたISは国内向けと同じメロディーを使っていましたが、演奏が若干異なっていました。海外向け放送の開始音楽は、キプロス民謡 Avkoritzaという歌です。
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to: Cyprus Broadcasting
Corporation (International Prgr. in English)
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to: Cyprus Broadcasting
Corporation External Service in Greek
中波と短波、FMでの放送です。 一時短波を中断していましたが、現在また復活しているようです。1982年当時、トルコ語に よる第一放送はISを持たずトルコ国歌でいきなり放送を開始していました。FM音楽放送は、ピアノ演奏によるIS(有名なトルコ歌謡Ushkdaraの一節)を使っていました。 FMは、トロッポ伝播による地中海をはさんだエジプトのカイロで1988年1月の受信です。
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to: Radio Bayrak I in Turkish
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to: Radio Bayrak III (FM) in English
GREECE
かつては日本向け放送がありまし た。EIRT の海外向け番組は多くがギリシャ語による放送です。75年冬に受信したのも日本
向け放送。0700JSTから 6075kHzでの放送。信号 は強力でし
たが、ラジオ・キエフの混信にいつも悩まされました。カウ・ベルとフルートによるISは国内向けにも使用されています。
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to: EIRT External Service in Greek
ギリシャの国内向け第三プログラム(ERT-III)の終了時の録音です。IS、終了アナウンス、国歌が流れます。ISと国歌は海外向けの演奏とまったく同じものです。FMのトロッポ伝播をエジプトのカイロで受信したものです。
Listen to: ERT-III in Greek closing down with IS and
N.Anthem
かつてギリシャには軍の放送局YENED(YPIRESSIA ENIMEROSSEOS ENOPLON DHYNAMEON)があって、中波981kHzで放送していました。ギリシャ語のIDは聞き取りが難しかったのですが、毎正時に流れる ISで確認ができました。
Listen to: YENED in Greek
TURKEY(The Voice of
Turkey - TRT)
今ではアジア向け放送も行われて いますが、74年当時は日本での受信は困難な局でした。11880kHzの欧州向け番組が時折受
信できました。一日だけとても強力に受信できる日があり、録音をとりました。ルーマニア語放送でした。雑誌に「受信は困難」と書かれていたので、受信に成功したときの感激はひとしおでした。 ISはオルゴール。その後、ピアノ演奏のものに替わりました。
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to: The Voice of Turkey in Romanian
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to: The Voice of Turkey in
Serbo-Croat with new Ident Signal
MONACO(Trans World Radio Monte Carlo)
モナコ、モンテカルロのTrans
World Radioは宗教局。モナコ国歌の一節をオルゴールで演奏したISを使っていました。美しいISでした。しかし英語放送の時間は日本 での受信が難しかった
ので、番組の内容がどうだったかについての記憶はほとんどありません。
Listen
to: Trans World Radio Monte
Carlo in German