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プロペラ機に乗って、いざ屋久島へ
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上空から見た桜島。火口からは噴煙があがってましたよ |
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淀川登山口から宮之浦岳へ
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朝ごはんを食べている人が多かった淀川小屋でひと休憩 |
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小花之江河からの高盤岳
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花之江河からの黒味岳
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荷物をデポして黒味岳の急登へ
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サクラツツジ。黒味岳をバックに
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黒味岳山頂。天気が良くて最高の眺望!
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宮之浦への最後の水場
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さて、これを登れば宮之浦
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大パノラマの宮之浦岳山頂
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宮之浦から見た永田岳。手ごわそうです
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平石から見た尾根道
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平石から望む宮之浦岳
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シャクナゲも絵になります
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白骨化した木々
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本日の宿、新高塚小屋
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沢水で冷やしたビールでカンパーイ
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小屋前のデッキは夕食時で賑わってました
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これぞ縄文杉。朝日を浴びていて輝いていた
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ウイルソン株。とにかくデカイ
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ウイルソン株の中から空を望む
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中には沢も流れていて神秘的
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とりあえず、チーズ!
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帰りは長い長いトロッコ道。鉄橋ならぬ、木橋。マウスを合わせてみて |
職業柄?マウスを合わせてみて
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ウイルソン株以外にもこんなに大きな株がところどころに点在してます |
昨日から、抜きつ抜かれつのデットヒート?をした皆様ともここでお別れ。お気をつけて |
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センサーでライトが点灯する、最新式トンネル。マウスを合わせてみて |
無事荒川登山口にゴール
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2005,5,20〜21
朝5時に宿を出て登山口へと向かう。途中安房で前日に予約をしておいたお弁当を購入。安房にはお弁当屋が2軒ある。ひとつは安房川の橋の手前左側に、もうひとつは屋久杉ランド入り口の交差点を曲がってすぐ右側にある。いずれも1000円で朝飯と昼飯の2食セットを用意してくれる。僕らは宿の人が予約をしてくれた前者の弁当屋に寄る。とても気分のいい女将さんからお弁当をいただき、たまたまその場に居合わせた登山ガイドの方からアドバイスをもらう。ガイドさん曰く「新高塚小屋に泊まるなら、もうちょっと足を伸ばし縄文杉まで行ったほうがいいよ。縄文杉を見ながらの一杯。これは最高だぞ」とのこと。なるほど、それは確かに魅力的だ。あと下山口を聞かれたので、「荒川口」と答えると、「そりゃもったいない。せっかく行くんだったら白谷に降りたほうがいいぞ」と言われた。「白谷へは別の日に行こうと思って」と答えると、隣にいた店主が「時間があるならそうしたほうがいい。私が行ったとき、2日目は疲れ果てて白谷の風景に感動する余裕が無かったからね」と言う。
弁当屋の女将さんに手を振って見送られ、レンタカーに乗り込み淀川登山口へと進む。小1時間で登山口へと着いたが、そこは車が十数台しか置けるスペースしかなくすでに満車状態。とりあえず荷物を降ろし駐車スペースを探していると、「その車どけてくれる?」とつっけんどんにタクシーの運転手に言われカチン!「あんたらのタクシーがあるからUターンも出来ないんじゃないか」と言い返す。我輩の車は次々と来るタクシーに囲まれていた。「まったく見りゃ分かるだろ」とぶつぶつ独り言を言いながらスペースを見つけ車を置く。
今日は平日だからすいてると思っていたが、金曜日なので土日をからめて休みを取ってくる人が多いようだ。
準備を済ませ6時過ぎに登り始める。さすが屋久島、入るなり大きな杉たちが迎えてくれた。この辺の杉でさえこんなに大きいのに、縄文杉はいったいどれくらい大きいものなのか、期待が膨らむ。朝早く、標高も高いため寒くてヤッケを羽織っていたがすぐに暑くなり脱いだ。
40分くらいで淀川小屋に到着。ここで朝飯を食べる人が多いようで賑わっていた。我輩たちも小休止。
小屋のすぐ先にはとてもきれいな沢があり山の木々を水面に反射させている。橋を渡るといよいよ急登開始。汗をポタポタたらしながら登山道に覆いまたがる杉をくぐりぬける。しばらく行くと左手に木々の間からヘンテコリンな山(高盤岳)が見えた。山頂にクジラのような大岩が鎮座している何とも不思議な山だ。
淀川小屋からすでに1時間くらい歩いているがなかなか良い休憩ポイントが無い。登山道は細く休むには他の人の邪魔になる。仕方なしにし歩き続ける。すると目の前が開け湿原が現れた。小花之江河だ。とても小さい湿原だが周りを岩の山々に囲まれとても気持ちのいいところだ。先ほど見た高盤岳もだいぶ近くにあり、湿原に反射している。景色も良く、木道も整備されていたのでここで小休止する。さっき抜かれた気さくな男性4人グループの方たちもここで休んでいた。話をすると本日の目的地は僕達と同じ新高塚小屋とのこと。「では、あとでまた会いましょう」と言い別れた。
15分ほど休み歩き始めるとすぐに花之江河に着いた。読んで字のごとく、先ほどの小花之江河を大きくしたところだ。ここの景色も先ほどと同じく周りを岩の山々に囲まれすばらしい。正面には黒味岳も見える。
さらに15分ほど歩くと黒味岳の分岐に差し掛かった。我輩たちピークハンター?(なんちゃってハイカーが正解)は荷物をそこにデポし、いざ黒味岳へアタック開始。あまり人が入らないようで、少しばかり藪の中を進むが踏み跡はしっかりしていて迷うことは無い。荷物をデポしてきたおかげで10数キロ軽くなり、気分は飛び跳ねているような感じだ。ところどころ大きな岩を登ったりと急登が続く。しばらく進むと藪の中からピークらしいものが見えカミサンに「もうすぐだよ」と告げる。道はそのピークを巻いている。ずいぶん巻いているなこの道は、と思いながら進むと先ほど見たピークとは別にもうひとつのピークが・・・。登山道はその方向へ進んでいる。ガックシ。先ほどのはニセピークだったらしい。そこでカミサンが一言「うそつき」。まぁ嘆いてもしょうがない。気分新たに登り続け無事黒味岳アタック成功!(そんな大そうなことでもないかな)
本日は天気もよく360度の大パノラマ。これから目指す宮之浦岳を始め、先ほどの花之江河、高盤岳とすばらしい眺望がここ黒味岳には待っていた。おまけに我輩たち以外に誰もいない。黒味岳を独占し、しばしボーと眺めいる。するとカミサンが「あそこに人がいるね」と指差す方向に目をやると、はるかかなた眼下に確かに人がいる。わおー、一気に現実へと引き戻された。あそこまで下ってから目の前にある宮之浦岳まで登るのか。ハァー。誰かロープウェイでも張ってくれないかな。ここ黒味岳は1831メートル、宮之浦岳は1936メートル。その差たったの100メートル。先ほど荷物を置いてきたところまでここから150メートルは下がらないといけない。ん〜、現実は厳しい〜。
先ほど来た道を折り返し、20分ほどで分岐に着いた。さて、先へと進まねばとザックを担ぐと、誰か石でも入れたんじゃないかと思うくらい重く感じる。小1時間ばかり空荷で歩いてたから余計重く感じるようだ。
30分ほどで投石湿原に着いた。ここは先ほどカミサンが「あそこに人がいる」と言ったところだ。見上げると先ほどの黒味岳に誰かが立っている。手を振るがこちらには気がつかないようだ。
小休止の後、登山道はアップダウンを繰り返す。右手には投石岳、安房岳、扇岳と現れる。50分くらい歩き扇岳の下にある大きな岩場で再び小休止。ここも小さな湿原になっていて木道が整備されていた。目の前にそびえたつ山が宮之浦岳、あとちょっとだ。地図によると40分。下山してくる人に声をかける。「あの山が宮之浦ですか?」すると「やー、あれは違うよ。宮之浦はその先でここからじゃ見えないな」。げ!マジ!「地図にはあと40分て書いてあるんですが」とさらに聞くと、「えー、40分は無理だな。1時間以上はかかるだろ」とのお返事が・・・。がっくし。
嘆いても仕方が無い、先へと進む。ここからは見るからに急登。登山道が尾根をジグザグと進んでいるのがわかる。再び汗をボタボタ落としながら進むと、先ほど下から見えたピークに着いた。その先に目をやるともうひとつピークがある。やはりここはニセピーク、下で会ったおじさんたちの言ってたことは合っていたようだ。地図に目をやると確かに宮之浦岳の手前に栗生岳と書いてあった。ふ〜、とため息をつく。もうひとがんばり、今度こそ目の前に見えているのが宮之浦岳、間違いない。そのピークは澄み渡る青い空にそびえ渡っている。よしゃ、と気合を再びいれ上り始める。あとちょっと、あとちょっとと言いながら進み、12時15分無事宮之浦岳登頂成功!
そこは周囲を山に囲まれた最高の眺望が待ち構えていた。山々の先には海も見える。屋久島は雨の島と聞いていたから、晴れてこんなにすばらしい景色が見れるとは期待していなかっただけに余計にうれしい。山頂はそれほど広くは無く次々と登ってくる人たちで賑わっていた。
さて、頃合もちょうどお昼時。朝買ったお弁当を広げ大休止宣言!永田岳の急峻な山肌を見ながらランチタイム。このうえない贅沢だ。食後のんびりと過ごしたがったが、本日の目的地はここではなく、新高塚小屋なので景色を焼付け先へと進む。
焼野三叉路までは急降下であっという間についてしまったが、そこから先は尾根道を登ったり下ったりと快適なハイキングコースが続く。小1時間で平石に到着。後ろを振り返るときれいに宮之浦岳が見える。登った山を見るのは何ともいえずいい気分だ。シャクナゲも時期がちょっと早かったようようだが、平石側ではところどころに咲いていて気分を和ましてくれる。
平石から先は林の中の登山道となり、眺望が一気に無くなる。第1展望台、第2展望台とあったが、特段すばらしい絶景が現れることも無くちょっと残念。
眺望も無くなり、会話も無くなり、足も痛くなり、ボヤキが出始めたころ、ようやく新高塚小屋に到着した。小屋は多くの人でごった返し満員のようだ。すでに先人達は宴を催している。花之江河で会った男性4人グループもすでに到着していた。「やー、なかなか来ないからどうしたかと思ってたよ」と声をかけてくれた。「黒味岳に登ったもんで」と答える。どうやら心配してくれていたようだ。ありがたい。
さーて、宿営地に着き、まずやることはといいますと沢の冷たい水をビニール袋につめること。何に使うかって?うふふ、もちろんあれですよ。我輩のガソリンならぬビールを冷やすんです。待つこと20分。「カンパーイ!」グビ、グビとコリャ最高だ。下界から持ってきた甲斐がありました。てなわけで遅ればせながらこちらも宴のスタート。ビール二本、菊水ふなくち二本と、大切なアルコールをちびちびやりながら晩飯をいただき、早めにシュラフにもぐりこんだ。
朝5時に周囲の人たちの声で目が覚めた。周りの人は朝飯の準備をしていたが、我輩たちはそそくさと撤収し歩き始めた。ここから縄文杉まで1時間くらいなので縄文杉を見ながらご飯を食べようとの作戦。本当は昨日、縄文杉の前で晩酌するつもりだったが、疲れ果てたどり着けなかったから昨日の無念を晴らすために早出をした。
1時間くらいで高塚小屋に着き、そこからさらに進むとウッドデッキに続く階段が現れた。その階段を登ると「ダーン」と縄文杉が現れた。デカイ!とにかくデカイ。周りが木の柵で囲ってありそばには近づけないが、いままで見た屋久杉をはるかにしのぐ大きさだ。しばし、カミサンと口をアングリと開け見入ってしまった。よくもまーここまで育ったもんだ。ひたすら関心させられる。しばらくすると、昨日何回か会った、グループを率いるガイドさんが現れた。向こうもこちらのことを覚えていたらしく声をかけてくれた。「朝日を浴びる縄文杉は小屋に泊まった人しか見れないんですよ」と。なるほど、ちょっと得した気分になり気持ちよく朝飯をいただく。それにしてもウッドデッキには「立ち止まり禁止」とか書いてあったから昼間は相当混むのだろ。早起きは三文の徳。昔の人はいい言葉言ったものだ。小屋に泊まり早起きをしたおかげで、朝日を浴びた縄文杉を心置きなく、時間を気にすることなく見れるんだもんな〜。
縄文杉を後にし朝日の木漏れ日の中、森のおいしい空気を吸いながら先へと進む。1時間くらい歩くと開けたところに出た。「ウイルソン株」だ。遠目から見ると大したことないかなと思ったが、近づいてみるとその大きさに圧倒される。切り株には自然に出来た入り口があり中に入れる。中に入ると改めてその大きさに圧倒される。切り株の中は空洞で空が見え、朝日を浴びた杉たちが天高くそびえている。足元に目をやるとなんと水が流れている。自然の神秘。人間の造形物などかなわない。人に感動を与えるために天井をくりぬいた訳でもないし、沢を流した訳でもない。自然のやることは粋だ。
ウイルソン株をしばボーと眺めていると、下のほうから日帰り組みが登ってきた。時計は9時。ちょうど6時くらいにスタートした人たちがここに到着するようだ。先ほどのガイドさんが下から来たガイドさんと何やら話しをしている。「下の駐車場に100人くらいいたよ」「エー、本当に。じゃ、下山急がないと。トロッコ道まで出ればいいけどその前までは道が狭いからな」。
こりゃまずい。うちらも急がないと。一気に現実に戻されザックを背負う。確かにここから下は木道ならぬ木階段になっていて行き違いが困難だ。下からは次々と団体さんがやってきて「おはようございます」と挨拶をしてくる。最初の方はいいが段々面倒くさくなってくる。あー、プラカードに「GOOD MORNING」とでも書いて首からつるしたい気分だ。挨拶を開始してから30分はたっただろか、やっと階段下に線路が見えた。これで開放される。
ここから先はトロッコ道をひたすら歩く。最初の方は物珍しさに楽しかったが段々飽きてくる。すると線路の切り替え(ポイント)が現れた。職業柄(?)思わず切り替えしてしまう。カミサンはゲラゲラ笑っていた。
デカイ切り株があるともぐってみたりしながらだらだらと歩くこと1時間ちょっと、「楠川分れ」に着きひと休憩を入れることにした。ここは、白谷雲水峡と荒川口との分かれ道。しばらくすると昨日からデットヒート(?)を繰り返した男性4人グループが追いついてきた。「やー、お兄さん達朝出るの早かったね。僕達が起きたときもういなかったからね」。「縄文杉の前で朝飯を食べようと思って朝一で出たんですよ」などと会話をし、せっかくだから記念撮影を一緒に撮り、僕達は荒川口へと男性グループは白谷へと手を振って分かれた。
そこから先も単調なトロッコ道をひたすら進むこと1時間10分、橋を渡ると駐車場が見えた。ヤッホー!ゴールに着いた。カミサンと大喜び。でも無事に縦走が終わったことに喜んでいたのではなく、トロッコ道が終わったことに二人とも喜んでいたのかな(笑) |