Perfect Match


「これは、きっと夢にちがいないわ」と、Geneは思った。
彼女は、Monolithic映画社の職人たちが巧みな技で作り出したリビングルームのセットに立って、彼がこちらへ歩いてくるのを見ていた。これまで彼といっしょにかなりの本数の映画に出演したにもかかわらず、Geneはまだ信じることができなかった。あのTrent Osbornと共演だなんて。Geneがまだほんの子供のころから、Trentはあこがれのスターだったのだ(もちろんTrent本人には、決してそのようなことを言ったりしなかったけれども!)。
撮影中の映画は、若い娘と「円熟した」というよりもいささかくたびれた中年紳士のラブ・ロマンスをめぐるものであった。彼女は派遣会社をつうじて彼のディナーパーティーのホステス役に雇われ、後かたづけのために残っているという設定だった。
ホステス役のためのピンクとグレーのドレスを着たGeneは清純そのものに見えたし、スモーキングジャケットを着たTrentは最高に魅力的なプレイボーイだった(赤ずきんちゃんの狼のように)。
そのシーンで、GeneはTrentを平手打ちすることになっていた。けれども、1回目の撮影で、Geneは思わず躊躇(ちゅうちょ)してしまった。「まあ、Trent、そんなことできないわ、、、。」
「もう一度、やってみよう。」そう言ったTrentは、2度目の撮影のとき、絶妙のタイミングでGeneの耳もとに何事かをささやく。Geneは大きく目を見開き、、、パチン!と平手打ちの音。そして「カット!」の声。鳴り物いりの大宣伝に使われたポスターには、「パーフェクト・マッチ、火花が飛ぶ」。どのシーンの写真が使われたかは、おわかりだろう。
【ポスターの宣伝文句、Perfect Matchはベストカップルというような意味ですが、ここではMatchが火をつけるマッチとのかけことばにもなっています】

 

発表年
2001年
製品番号
38232
定価
$110.00
デザイナー
Lynne Day
限定生産品
FAO Schwarz Exclusive
Limited to 2500
製造中止
-
設定年
1953年

【このページの画像は、コレクションを撮影したものです。】
to my collection