La Nina de la Plaza

「そこのジプシー女!」
その叫び声とともに、Gene Marshallがスクリーンに登場する。1945年の映画"Fiesta, Castanets"は、アンダルシア地方出身で青い瞳のジプシー娘 Ninaが、セビリアの路上から大舞台へと登りつめるサクセス・ストーリーである。おてんば娘から妖艶な女性へと成長する過程で、彼女は喜び、悲しみ、苦痛、恐怖、そして真の恋人との愛を経験する。(Trent Osborneが、Ninaの才能を見いだし、やがて恋に落ちる有名なフラメンコ・ダンサーの役を、さっそうと演じている。)
登場シーンのNinaは、路上にしゃがみこんでコインを拾っているが、「そこのジプシー女!」という声で顔をあげる。スクリーンいっぱいに映し出された彼女のクローズアップは、最高に愛らしい。Ninaの前に、不世出といわれた偉大なフラメンコ・ダンサー El Fanfarron(Trentの役名)が立っていた。「俺の前で踊ってみろ。」El Fanfarronはどなりながら、ぴかぴかのコインを見せた。
なかば目を閉じるようにして、Ninaはゆっくりと踊りはじめ、彼女の靴が広場に敷かれた小石を踏んで小さな音を立てる。しかし、Ninaの踊りが速くなるにつれ、El Fanfarronの想像の中のNinaは変身を遂げる。素朴な農民風のドレスも、カスタネットの響きと靴の踵がきざむリズムに合わせて波うち渦巻く、白いサテンのドレスに変わって行く。
息を荒くして踊りを終えたNinaは、はにかんだ笑顔で「お気に召しましたか?旦那さん」とささやく。彼女の手に渡されたコインと彼のまなざしが、これから起こる出来事を予感させていた。
(原文では、Ninaは2番目のnの上に~がつき、Fanfarronはoの上にアクセント記号がつくスペイン語表記です。このようなスペイン語用アルファベットを使用すると、文字化けを起こす可能性が高くなりますので、それらの標記は省略しました。)

おことわり・
ジプシー(gypsy)という呼称は、放浪やスリ、泥棒といった悪いイメージと結びつけて使用されることが多いため、現在では差別用語と考えられています。国連などの機関は中立的なロマ(roma)という呼び方を奨励しています。ながい年月にわたって厳しい迫害を受けてきたロマの人々の気持ちを考えると、差別的な言葉を使用するのはためらわれますが、文章のオリジナリティと1945年という時代設定を尊重して、あえて「ジプシー」と翻訳しました。苦渋の選択であることをご理解ください。

【gypsy:ジプシー、インドから出たといわれ現在ヨーロッパ各地に分布する民族、伝統的には馬売買・かご製造・占い・音楽師などを業とすることが多かった。Andalusia:アンダルシア、スペイン南部の地方。Sevilla:セビリア、アンダルシア地方の中心都市のひとつ】

発表年
2002年
製品番号
92688
定価
-
デザイナー
Jim Howard
限定生産品
2002 Annual Gene
Convention Costume
Limited to 500
製造中止
-
設定年
1945年

【このページの画像は、コレクションを撮影したものです】
【Doll は Simply Gene Brunette を使用しました】
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