Anything but Nice
1957年のこと。パーティーは大盛況で、Madraはいつものように、女王然と振る舞っていた。
「サイレントが、もうおしまいの頃だけどさ、ある映画に Lillian っていう女の子の役で出たのよ。それが、流氷の上を渡って行ってね、、、、」
Madraは、サイレント映画の最後の時代とトーキー映画の初期について話し、まわりを取り巻く崇拝者と友人の一団を、おおいに楽しませていた。
「大スターのなかには、ホント信じられないぐらいひどい声の人もいてね。あんた達、知ってる? そういう人達を『アヒル声』って呼んでたものよ。」
夜もふけてくると、おしゃべりの標的は、今のスターに変わっていった。
Madraのひとみが意地悪そうに輝く。
「そうねぇ、だれのことだか、名前は言わないけど、、、。同じ人間と思えないほど、すてきな若いスターがいるわよねぇ。そりゃ、ほんとに『いい人』よ。おまけに、すごい女優だってことも認めるわ。だけどねぇ、あの子をけ飛ばしてやりたくなることってない? 彼女があんたの後ろに立って、こう言うのよ、、、」
隣に立っていた人にシガレット・ホルダーを渡し、最高の微笑みを浮かべながら、息をととのえて話を続けようとした、まさにその瞬間、Madraの背後から声が聞こえてきた。
「ごきげんよう、Madra。お会いできて、とてもうれしいわ。あら、どうぞ、ご遠慮なく、お話を続けてちょうだい。どなたのお噂をなさってたの?」
ひったくるようにしてシガレット・ホルダーを取り戻したMadraは、後ろを振り返るまえに、長々と一服した。
「気をつかわなくていいのよ、Gene。こんなところでお会いするなんて、奇遇ねえ、、、」
小豆色のシャンタン地のアンサンブルです。シンプルなシルエットですが、袖丈や襟の空き具合が、とても上品な雰囲気です。 |
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襟元には、パープルとグリーンのビーズをあしらってあります。 |
ディオール風の襟が大きく空いたジャケットを着ています。 |
ジャケットの内側にはスナップがついていて、ワンピースの肩に留めるようになっています。ジャケットとワンピースには、ベビーピンクのポリエステルの裏地がていねいに縫いつけてあります。 |
ジャケットは背中のスナップで留めるようになっていて、飾りボタンのようなビーズが付いています。 |
ジャケットの下には、共布のシース・ワンピースを着ています。ウェストのラインがきれいに出るように、ダーツを入れてしぼってあります。 |
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ゴールドと黒のシガレット・ホルダーの先には、リアルな火の点いたタバコがセットされています。 |
靴は、黒の合成皮革でできたシンプルなパンプスです。 |