Cat Walk

1948年のこと。「いつも、いつも、ちやほやされてばかりなのは、もう、うんざりだわ。ファンから離れていたいのよ。」Madraは、エージェントのBennyに文句をつけていた。
「新作映画の切符売り場の前に立ってみたらどうだい。」Bennyは小声でぶつぶつと言った。
「何ですって?」Madraはいら立っている。「いったい、何の話よ、、、」
「わかったよ。」追いつめられたエージェントは、ため息をついた。
「私は今日一日、休みを取るわ。もちろん、お忍びでね。」Madraは受話器を置いた。彼女は炎のように赤いアンサンブルを身に着けると、ネコのようにのびをひとつして、町にでかけた。
カリフォルニアの空気を深呼吸すれば、オレンジの花と希望の香が満ちていた。「最後の仕上げをして、これで、、、、誰だかわからないでしょう。」Madraは、笑ってサングラスをかける。
まず最初に行きつけのブティックを何軒か、のぞいてみる。売り娘たちは、Madraが誰だか気付かない。「うまく行ってるじゃないの!」Madraは大喜びだった。「ほんとうは誰を接客してるのか、ひとりも気付いてないわ。」次に、彼女はチャイニーズ・シアターに向かった。セメントで固められた自分の足形の上に立って、Madraは道行く人たちに軽く会釈する。「誰も私がわからない。」彼女は微笑んだ、、、が、少し不満でもあった。マチネーが終わった後、サンセット大通りを下っていきながら、人々が振り返らないか、何度も立ち止まっては確かめる。とうとう、思い切って、彼女はサングラスをはずした。瞬く間に、サインを求めるファンたちが、Madraを取り囲む。ネコのように優雅なしぐさでサインを続けながら、Madraは思った。「無名というのもいいけど、有名なのも捨てがたいわね!」

【Chinese Theatre:チャイニーズ・シアター、ハリウッドにある東洋風建築の映画館、周囲のコンクリート製敷石にスターたちの手形や足形が刻まれているので有名。Sunset Boulevard:サンセット大通り、ロサンジェルスを東西に走る通りでハリウッドやビバリーヒルズを通る】

朱色のシースドレスとコートのアンサンブルです。衿と袖口と前のあわせの部分から、ヒョウ柄の裏地がのぞいて、とてもおしゃれです。小物はオレンジで統一されています。

頭にはフードをかぶり、その上に帽子をのせています。サングラスをかけて、変装用のスタイルです。

コートの左右につけられたポケットは、裏地までついていて、実際に手を入れることができるようになっています。

コートは赤のヒョウ柄の裏地がついています。上の画像は、コートをひっくり返して着せてみたところですが、違和感はありません。

ハイウェストのシンプルなシースドレスです。ウェストの所にヴェルベット風のオレンジのベルトをつけて、ポイントにしています。

コートの裏地と共布の帽子は、黒いハットピンで留めるようになっています。

上の画像はフードです。首の所で3つのかぎホックで留めるようになっていて、とても暖かそうです。
下の画像は手袋です。

グリーンのプラスティック・レンズがはまった赤いサングラスは、つるがちゃんと折りたためます。

ヴェルヴェット風のオレンジのベルトは、バックルがゴールドです。ピアスもゴールドです。

赤いヴェルベットのサンダルは、かかとの所にピアスとおそろいの、ゴールドのビーズがついています。

ヴェルヴェット風のオレンジのバッグは、ゴールドのバックルで開閉できるようになっています。バッグの中はコートの裏地と同じ生地を使っています。


このページの画像は、コレクションを撮影したものです。
Doll は Cold Shoulder を使用しました。

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