Kiss Me, Gene
フィラデルフィアで先行上演された舞台は、単にすばらしかったというよりも、観客たちが恍惚となるほど最高のものだった。1948年一番の人気ミュージカルが、まもなくニューヨークで上演されようとしていた。シェークスピアの「じゃじゃ馬馴らし」を脚色したCole Porterの"Kiss Me, Kate"は、ブロードウェイの"the New Century Theatre"で、12月30日に初演の予定である。
Geneはその舞台のPR担当者のひとりから、入手困難といわれた初日のチケットを受け取っていた。PR担当者は、有名人が舞台を見に来たと新聞に書き立ててもらいたかったのだ。
しかし、Geneにとってその舞台は、ただのミュージカルのオープニングとは違う意味をもっていた。高校のとき、舞台で「じゃじゃ馬馴らし」のKateを演じた思い出がよみがえる。かわいい小さなKatie Marshallがガミガミ屋のKateに変身し、また真実の愛によって従順な女性へと変わっていく様子は、家族や友人たちにとってスリリングな体験だった。Kateを演じたことで、Geneは演技こそが自分の天職と悟ったのである。
今、フラッシュの光の中、通路を降りて行くGeneは、夢の実現への第一歩となったあの舞台の興奮と喜びと、そのために費やした努力に思いをめぐらせていた。ハリウッドの人気スターの入場に気付いて、プログラムの影でヒソヒソとささやき、微笑む観客たちの視線をあびながら、Geneは席に着いた。まもなく"Kiss Me, Kate"の序曲がはじまり、照明が落ちる。けれども、その闇のなかで、Geneの幸せな記憶は強い光をはなっていた。【Kiss Me, Gene:Geneの本名Katie Gene Marshallと劇の主人公Kateの名前が掛詞になっている。Cole Albert Porter:(1892?-1964)米国のポピュラー音楽作曲家。Kiss Me, Kate:Cole Porterが作詞・作曲した実在のミュージカル、1948年初演。Taming of the Shrew :シェークスピアの戯曲「じゃじゃ馬馴らし」、気の強い名家の娘Katherinaに求婚した紳士Petruchioが、彼女を手なずけて従順な妻にしてしまうという喜劇】
発表年 2000年 製品番号 76271 定価 $44.95 デザイナー Lynne Day 限定生産品 Limited to 5000 製造中止 - 設定年 1948年
Geneのアウトフィットにはめずらしい、鮮やかな黄色いサテンのイブニング・ドレスとケープです。
シンプルなデザインが、色の美しさをひきたてています。白い二の腕まであるロング・グローブを着けています。
胸元にはドレープをよせたオーガンジーがあしらわれています。髪にはビーズでできたお花のかたちの飾りをつけています。
スカートのフロントには、ビーズで唐草風の模様が刺繍されています。
複雑な形のケープは、表が黄色のサテンで、ドレスとおそろいのビーズ刺繍がほどこされています。裏地は白のサテンです。ポケットがついていて、ハンドバッグの代わりをするようになっています。
スカートの下には、ゴールドのオーガンジーのペチコートをはいています。
サンダルはドレスとおそろいの黄色で、甲の部分にラインストーンが輝いています。
アクセサリーは、ビーズでできたブレスレットと、花形の髪飾りです。
髪飾りはハットピンでとめるようになっています。
ストーリーにあわせて、このアウトフィットには、Geneサイズのプログラムとチケットが付属します。
上段の画像はプログラム、左の画像は入場券です。
このページの画像は、コレクションを撮影したものです。
Doll は Priceless をリペイントしたものです。