Meet Me in Paris

客船の手すりにもたれながら、Geneは考える。「船の旅には、何かがあるわ。」ディナーの用意ができるのを待つ間、彼女はコネチカットの少女時代に思いを馳せていた。
ディナーの開始を知らせる船員の呼び声が、彼女を夢想から連れ戻す。振り向こうとしたGeneは、そばにいた乗客にぶつかってしまう。そのハンサムな紳士は軽く会釈すると非礼をわびて、足早に立ち去っていった。はっきりとはわからないが、彼の持つ何かが、Geneをほほ笑ませた。
船長のテーブルに座ったGeneは、となりの席のネームカードを見て驚いた。そんな、、、うそでしょう!そこには高校の同級生の名前があった。Geneは注意深くあたりを見回す。すると、「Katie? Cos Cob の Katie Marshall じゃないか!」
まさに彼女だった、、、そして、まさに彼だった。遠い昔の同級生は、今では国際弁護士となり、、、船のデッキで彼女にぶつかったのである。昔なじみに(文字通り)鉢合わせするとは、何という幸運だろう。おしゃべりの種はつきることがなく、とうとう彼が言った。「きみはロンドンに行くんだろう。ぼくはトゥーロンで顧客に会わなきゃいけない。だったら、パリで昼食にしよう。」
Geneは笑いながらOKした。ロンドンからパリでは、ちょとした旅行だわ。でも、この楽しい出会いを締めくくるにはふさわしい約束よね。
そして、今日。Geneはシャンゼリゼ通りの小さなレストランの前に立ち、彼がこちらにやって来るのを見つけた。彼女の心はときめいた。彼の瞳って、以前からあんなに青かったかしら、、、。

【Cos Cob:コネチカット州の架空の田舎町。Geneの出身地という設定】
【Toulon:トゥーロン、フランス南東部の地中海に臨む港市】

フューシャ・ピンクのシルク・シャンタン地のスーツはディオール風で、とてもエレガントな雰囲気です。七部袖のジャケットは、ウェストの部分で強くしぼってあり、きれいなAラインが出ています。お人形はひざが曲がるタイプですが、ひじは曲がりません。

ジャケットの肩の部分にはギャザーが入っていて、女性らしいラインになっています。麦藁状の素材でできた円錐形の帽子をかぶっています。ブラウンの髪はシニョン風にすっきりとまとめられており、パールとシルバーのビーズでできたピアスをつけています。

衿はへちまカラーで、ベージュのグログラン地です。ふたつの大きなポケットにはえりと共布で、リボン型の飾りがついています。ポケットは飾りではなく、ちゃんとものが入るようになっています。

カフスも衿と共布で、パールとシルバーの花形の飾りボタンがついています。ジャケットもスカートもパステルピンクの裏地がていねいに縫いつけられています。手袋は、白いショート丈のものです。

スカートにはスリットが入っていて、タブにはパールの飾りがついています。

靴は衿やカフスと共布でできたサンダルです。

帽子は麦藁を螺旋状に巻いて、円錐形にしたものです。飾りにループと、ブラウンのフェザーがついています。

ハンドバッグも帽子と同じく、麦藁を螺旋状に巻いたものでできています。パールのビーズで留めるようになっていて、中にはものが入れられます。

エッフェル塔の絵が描かれた白いハットボックスが付属します。ふたの内側には、"... for the PARIS FASHION DOLL FESTIVAL 2000"の文字が書かれています。


このページの画像は、コレクションを撮影したものです。

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