Gene Chronology

doll名、outfit名をクリックすると、画像が表示されます。

( )内は発売年度、【 】内は訳注
赤字はdoll緑字はoutofitF は映画中の衣装を指す

Gene Chronology の基本的アイデアは、Anna Roddenberry's Gene Chronology に基づくものです】

★ ★ ★ ★ ★

1923年 4月17日 Gene誕生。

生まれたのはコネチカット州のCos Cobという田舎町だが、高校を卒業後、すぐにニューヨークのthe Chambers Model Agencyと契約をして、モデル活動をはじめる。

1940年

Spellbound (2000)
モデル時代の初期、Geneはカメラの前で彼女自身を表現する才能によって、写真家たちに強い印象をあたえた。撮影が中断してしまうほど、Geneは自分の役に深く没頭していく。

Love at First Sight (2000)
ニューヨークのモデル時代、Geneはある写真家のおしゃれなパーティーに招待された。着がえる時間がなかったので、Geneは撮影用の衣装で出席することになった。

1941年

Usherette (1995)
ハリウッドでは、最初に公表されたGene Marshallの写真として伝えられているもの。プロデューサーのEric von Sternbergは、"Manhattan Nights"のプレミアショーに出席するためにthe Regent Movie Palaceをおとずれる。その映画館で案内嬢をつとめていたGeneは、彼を座席に案内する。Geneの懐中電灯の一瞬の光のなかに、たぐいまれな美貌を見取ったvon Sternbergは、ロビーにひきかえし、記者たちのフラッシュをあびながら、すばらしい新人を発掘したと公表する。
【usherette : 劇場などの案内嬢】

Good-bye New York (1995)
Eric von Sternbergに伴われたGeneは、ニューヨークを離れ、ハリウッド行きの列車に乗る。

First Stop : Chicago (2000)
ニューヨークからハリウッドへの旅の、まず最初に、列車はシカゴで停車する。新星Geneのラジオ出演のためである。"Blue Skies"を魅惑的に歌ったGeneは、喝采をあびる。

Hello Hollywood Hello (1998)
列車をおりたGeneに、ハリウッドの記者たちは、たちまち魅了される。この田舎町出身の美女は瞳のなかに星を宿しており、さすがの記者たちも、Geneの微笑みのあたたかさと輝かしさに、とろけてしまう。

First Close-Up (2000) F
映画"Blond Lace"で、けがをした女優の代役に決まる以前、Geneは出演場面は少ないが重要な役である「ナイトクラブの花売り娘」として出演する予定であった。 【blond lace : フランス製の絹レース】

Blond Lace (1995) F
Gene最初の出演映画"Blond Lace"から。気だての良いタバコ売りの娘にすぎなかったGeneの役は、女優のひとりがけがにみまわれたことで、急遽、書き直される。この衣装を着たGeneは、ナイトクラブのステージで、優雅に、軽快に踊ってみせる。
【代役に決まる以前のGeneの役が、First Close-Upの解説では「花売り娘」、Blond Laseでは「タバコ売り娘」と矛盾している】

Lovely in Lace (2001) F
旅は終わった。
その旅は、コネティカット州の小さな街 Cos Cob に住むひとりの少女の夢のなかではじまった。胸に宿ったあこがれと激しい情熱とともに。
その夢はニューヨークで実現し、情熱と才能は開花した。幸運の女神が彼女の手を取って、スターへの道を歩ませたのである。
モデル。案内嬢。そして輝く瞳の新人スターが見いだされた!
突然、彼女は魔法の絨毯に乗せられて、アメリカ大陸を横断することになる。ニューヨーク、シカゴを経て、、、、ついにハリウッドへ。そこで、かつて夢見たように、彼女は本物の映画に出演する。彼女が輝く才能と魅力を手に入れると同時に、運命の時が訪れた。運命は彼女自身に輝きを与え、彼女はスターとなった。
混雑した試写会場の明かりが落とされ、上映がはじまった。そして観客たちはハリウッドに新しい歴史がきざまれたことを確信した。銀幕には輝くばかりの彼女が、まさに少女のころから夢見つづけたように、映し出されていた。レースの衣装を美しくまとい、彼女は見るものすべての心をとりこにした。
Gene Marshall、新星の誕生である。

Premiere (1995)
Gene最初のプレミアショーとなった"Blond Lace"のプレミアショーでの衣装。押しよせた数百人ものファンたちは、新しいスターGene Marshallに目をうばわれた。

Croquet, Anyone? (2000)
Geneはハリウッドの最高に輝いてる人たちとクロッケーをする。そして、彼女は優勝する!

Baking Cookies (2000)
Monolithic映画社での、初期の宣伝写真。Geneはthe Bratzanjammer Boysのためにクッキーを焼いている。彼女は、クッキーとあたたかい心で、「Monolithic映画社の悪童ども」の気持ちをつかむ。

1942年

Brunch With Katie (2001)
Geneがカリフォルニアに引っ越した後、母親が訪ねてくる。Geneは、何も心配する必要がないことを証明してみせる。

Black Ribbon (1999) F
Golden Star Award主演女優賞を受賞した映画"The Black Ribbon"より。Geneは、この映画で若い未亡人Gildaを演じている。夫に先立たれ無一文になったことを告げられたGildaは、その夜、悪夢にうなされる。彼女は黒いドレスをまとい、墓地のなかを走っている。どんなに走っても闇からのがれることはできない。すると突然、一条の光があらわれる。その光の方へ走る彼女の耳に、若くてハンサムな顧問弁護士Jeremy Wattsの呼ぶ声が聞こえる。Gildaは懸命に走り続け、光の中にたどりつく。そこにはJeremyが待っており、彼女は彼の腕に飛び込む。鐘の音が聞こえてくる、、、、。それは電話のベルの音だった。Gildaが受話器を取ると、Jeremyの声がして、Times紙がファッション関係のライターを求めていることを知らせてくれる。Gildaの人生に、もう一度、太陽が輝きはじめる。

1943年

Striking Gold (1995)
評論家にどれほど好評だろうと、どれほどファンたちに人気があろうと、本当のところ、ハリウッドのスターが望んでいるのは、業界の賞を受賞することだ。そして、今夜、Geneはあこがれの"Golden Star"主演女優賞を授賞する。
翌朝、Geneは授賞式の余韻を楽しんでいた。"Hollywood Gazette"紙に掲載されたGeneの写真に付けられた見出しは"Striking Gold"である。このような賛辞は、Geneの女優としての成功だけでなく、はにかんだようにトロフィーを受け取る彼女の魅力的な姿に寄せられたものである。
Geneの流れるようなラインのドレスと宝石をちりばめたショールに、観客たちは息をのんだ。すばらしいプロポーションをあまり露骨にならずに印象づけるよう、たくみに仕立てられたドレスは、光沢のあるゴールドのジャージー・ニットで、パステル・ピンクのサテンが裏打ちされている。淡いシャルトルーズ(黄色がかった薄緑色)のシルクのショールも裏地はピンクで、繊細なビーズがちりばめられており、手作りのシルクのタッセル(飾り房)がつけられている。Geneはこの授賞式のためにゴールドの星をかたどったブレスレットとピアスを身につけ、それにマッチしたゴールドのハイヒール・サンダルをはいている。しかし、最もすばらしい輝きは、ささやくような声で心からの感謝のことばを述べるGeneその人が発するものであった。
【striking:人目をひく、印象的な、すばらしい】

Crimson Sun (1995)
第2次世界大戦中に撮られた、最初のピンナップフォト。
【戦場の兵士たちをなぐさめるためのポスターという設定なので、セクシーさが強調されている】

Atlantic City Beauty (1996)
あそこにいるのはMonolithic映画社の新人女優Gene Marshallだろ?すっごいゴージャスだなあ。今、アトランティック市でやってるミス・アメリカコンテストに出たって、いい線いくんじゃないか。サインをもらいに行く勇気がほしいよ。そばには、だれもいないし、、、彼女は、すごく性格がよさそうだし。きっと、気持ちよくサインしてくれるさ。

Sea Spree (1997) F
海を舞台にしたミュージカル映画"Sea Spree"中の、特にこの場面で、Geneは元気いっぱいの女の子を演じる。「でも、少尉さん、私は踊れるわ、だいじょうぶよ!ボビーをちょっとでも早く太平洋から呼び戻せるなら、ここからルーズベルト大統領のところまでだって、踊ってみせるわ。私がどれほど、ボビーのことを思っているか伝えるためにね。第7艦隊の軍艦の、全部のデッキで踊ったっていいわ。彼を見つけて抱きしめるためならね。踊らせてよ。私のボビーと、それから彼みたいに故郷や恋人から遠く離れている人たちのためになるなら、、、。少尉さん、私が踊れる方に賭けて!」

Song of Spain (1999) F
映画"Sea Spree"の衣装より。すばらしく豪華な闘牛士の扮装。

Tea Time at the Plaza (1999)
彼女は著名な(悪名高いともいうが)コラムニストであった。スキャンダルを嗅ぎつけ、たちの悪いゴシップとうわさをまき散らす。100万人もの貧欲な読者に支持されて、彼女の名はハリウッド中から恐れられていた。陰険な当てこすりや辛辣な批評をコラムにひとこと載せるだけで、彼女はだれの将来でも破滅させることができた。
映画スターたちは、彼女のインタビューを避けていた。だから、Gene Marshallからニューヨークのthe Plazaでのお茶に招待されたと知って、彼女は驚いた。Geneは映画"Black Ribbon"でゴールデン・スター賞を受賞したばかりだったので、コラムニストはこの新人スターのスキャンダルを探り出すチャンスに小躍りした。
Geneはギリシア風の円柱と花々、そしてクリスタル、銀器、陶器、リネンが完璧にセットされたthe Plazaのハイ・ティーに囲まれて、コラムニストを待っていた。心からの暖かさに満ちたGeneの微笑みに出会って、ゴシップ・コラムニストは瞬く間に骨抜きにされていく自分を感じた。彼女は心の中で、Geneの完璧なファッションと知的な会話を称賛していた。なんて、すなおで気だての良いGene。コラムニストは悪辣なゴシップを探るどころか、まるで親しい友人のようにおしゃべりをしていた。Geneを信頼するあまり、彼女は料理の本を出版するという夢までしゃべってしまう。別れの時が来た。Geneは家族とのディナーの約束があり、コラムニストはホットな原稿を書かなければならない。けれども、the Plazaのお茶の席で生涯続く友情が生まれたことを、ふたりは感じていた。
【the Plaza:ニューヨークの五番街とセントラルパーク南端の59ストリートの交差点に建つ高級ホテル、あるいはセントラルパーク東南端にある広場。high tea:午後4〜6時頃にとるお茶と料理のついた軽食】

Sprit of Truth (2000) F
第2次世界大戦中に撮影された愛国的短編映画で、Geneは神秘的な「真実の精」を演じる。この衣装はジャンヌ=ダルクをイメージして、デザインされたもの。

Little Black Dress (2000)
戦時下の配給制度によって、人々は服も自由に買えなくなるが、Geneは完璧な方法でこの問題を解決してみせる。アクセサリーの効果的な使用である。ちょっとした工夫で、どれだけ変化がつけられるかを、Geneは全国の女性たちに示してみせた。彼女は、この"Little Black Dress"を、数々の戦時国債振興のための公演に持参する。

Jazz Note (2000)
Geneファンなら知っているように、Geneはジャズが好きだ。新聞を読んでいて、お気に入りの将来有望なジャズシンガーViolet Watersが、ビバリーヒルズの小さなクラブに出演することを知ったとき、Geneは有頂天になった。
このホットな新人を、彼女の有力な知人たちに紹介する絶好の機会ではないか。興奮のさめやらぬGeneは受話器を手に取ると、、、Violetが出演するクラブのテーブルひとつ分を友人たちの席でうめるまで、電話をかけ続けた。
指定席が確保され、公演の夜がやってきた。ジャズそのもののようになめらかで、流れるようなラインが挑発的な黒いドレスをまとったGeneは、たばこで煙ったクラブに入っていく。くだけた雰囲気の小さなクラブに、かすかなざわめきが広がる。観客たちは、何か素晴らしいことが起こる予感がした。音楽に関するGeneのセンスの良さは、よく知れわたっていた。
照明が暗くなり、スポットライトが灯る。カーテンのかげから、Violetが小さなステージへと進み出る。静まりかえった聴衆(とりわけGene)は、Violetが醸し出す、すべてのメロディに酔いしれた。Violetが歌い終わった後、聴衆はさながら嵐のような拍手を送った。
ただひとり、Geneをのぞいて。彼女は、ナプキンの裏にメモを書きつけるのに忙しかったからである。「まるで天国のジャズのようでした。ショーの幕間に、わたくしたちのテーブルへおいでになれますでしょうか?あなたにお会いしたいという映画関係者たちが、こちらにおります。愛をこめて、Gene Marshall 」

1944年

Red Venus (1995) F
映画"Red Venus"で、Geneは初の悪女役を演じるが、目のさめるような赤毛での登場もはじめてである。彼女はある事情から、ギャングの愛人になっているという設定である。

Lavender Light (2001) F
たいていの俳優は、「悪役を演じるのは楽しい」と言うだろう。それはチャレンジしてみて何が得られるか知るための、また自分とは全然違うだれかになるための、チャンスだからである。1944年の映画"Red Venus"で、Gene Marshallは悪女役を演じる機会を得た。普通ならMadra Loadにお似合いの役を演じる我らの恋人Geneをみた観客たちは、しかし、大喜びである。そして、この映画でGeneは映画界きっての演技派女優であることを証明してみせた。
映画の冒頭、小さなナイトクラブの歌手 Morgan O'Day としてGeneが登場する。ピアノの上に横たわり、渦巻くタバコの煙とラヴェンダー色のライトの下、手に持った黄色いファンをあおぎながら、彼女は失われた恋の歌を悩ましく歌う。
ところが、後ろの方の客席から聞こえてくる怒鳴り声が、ムードをぶちこわしにした。
Morganは激しい剣幕でピアニストの演奏を中止させる。彼女がピアノの上からすべり降りてクラブを横切っていくと、客たちは静まりかえった。Morganは騒がしい客のテーブルのそばで立ち止まる。「ちょっと、あんた!」ピンストライプのスーツを粋に着こなした男は、繰り返し呼びかける彼女の声を無視し続ける。とうとうMorganはグラスを取りあげ、その水を彼の顔にあびせかけた。男はぶつぶつ言いながら、立ち上がる。「どいつがBilly Roccoに、こんなまねをしやがるんだ」と怒鳴ると、顔のしずくをぬぐった。
Morganは腰に手を当てて言い返す。「あたしは『どいつ』なんかじゃないね。あたしはMorgan O'Dayさ。それを、よく覚えとくことだね。」
映画館は、もはや興奮のるつぼである。

Pin-Up (1996)
ピンナップ"Crimson Sun"の後、米兵たちの熱望を受けて、Monolithic社は2枚目のポスターを制作する。このポスターは、たしかに「もっとMiss Marshallを」という、兵士たちの要望にこたえるものである。Geneは色っぽい黒のテディと、それにマッチしたネグリジェを着用しており、彼らの視線を釘付けにするにちがいない。世界中で戦っている米兵たちの吹く口笛の音が、聞こえてくるようである。

Press Conference (1999)
USOツアーへの参加を公表した記者会見での衣装。
【USO : United Service Organizations 米軍慰問協会、軍隊慰問活動を行なう民間の非営利組織】

USO (1999)
GeneはUSOのボランティアとして、海外に派遣された米兵たちを慰問する。

Farewell Golden Moon (1999)
Geneが歌う甘くせつないバラード"Farewell Golden Moon"をききながら、米兵たちは故郷で待っている恋人のことを思い出す。USOツァーのステージから。

Stand Up and Cheer (1999)
USOツァーのためのカラフルで魅惑的、愛国的で、大胆なダンス・コスチューム。ショーのフィナーレでは、派手な愛国的ナンバーが演奏され、赤・白・青の衣装は、米兵たちから大喝采を受ける!

1945年

Blue Goddess (1996) F
はじめて出演したカラー映画のうちの1本。彼女のうっとりするようなベビーブルーの瞳の色にあわせて、ガウンも青い。"Blue Goddes"は盗まれたダイアモンドの名前だが、Geneこそが「女神」の名に値するだろう。

Promenade (1997)
見てよ!犬をつれて、通りを渡ろうとしているのは、Gene Marshallじゃないの? あのドレス、、それに、あのプロポーション。なんてすてきなんでしょう。犬をなでてやって、サインをお願いしたら、迷惑かしら?だって、Geneはすごくいい人だって聞いてるもの。

La Nina de la Plaza (2002) F
「そこのジプシー女!」
その叫び声とともに、Gene Marshallがスクリーンに登場する。1945年の映画"Fiesta, Castanets"は、アンダルシア地方出身で青い瞳のジプシー娘 Ninaが、セビリアの路上から大舞台へと登りつめるサクセス・ストーリーである。おてんば娘から妖艶な女性へと成長する過程で、彼女は喜び、悲しみ、苦痛、恐怖、そして真の恋人との愛を経験する。(Trent Osborneが、Ninaの才能を見いだし、やがて恋に落ちる有名なフラメンコ・ダンサーの役を、さっそうと演じている。)
登場シーンのNinaは、路上にしゃがみこんでコインを拾っているが、「そこのジプシー女!」という声で顔をあげる。スクリーンいっぱいに映し出された彼女のクローズアップは、最高に愛らしい。Ninaの前に、不世出といわれた偉大なフラメンコ・ダンサー El Fanfarron(Trentの役名)が立っていた。「俺の前で踊ってみろ。」El Fanfarronはどなりながら、ぴかぴかのコインを見せた。
なかば目を閉じるようにして、Ninaはゆっくりと踊りはじめ、彼女の靴が広場に敷かれた小石を踏んで小さな音を立てる。しかし、Ninaの踊りが速くなるにつれ、El Fanfarronの想像の中のNinaは変身を遂げる。素朴な農民風のドレスも、カスタネットの響きと靴の踵がきざむリズムに合わせて波うち渦巻く、白いサテンのドレスに変わって行く。
息を荒くして踊りを終えたNinaは、はにかんだ笑顔で「お気に召しましたか?旦那さん」とささやく。彼女の手に渡されたコインと彼のまなざしが、これから起こる出来事を予感させていた。
(原文では、Ninaは2番目のnの上に~がつき、Fanfarronはoの上にアクセント記号がつくスペイン語表記です。このようなスペイン語用アルファベットを使用すると、文字化けを起こす可能性が高くなりますので、それらの標記は省略しました。)
おことわり・
ジプシー(gypsy)という呼称は、放浪やスリ、泥棒といった悪いイメージと結びつけて使用されることが多いため、現在では差別用語と考えられています。国連などの機関は中立的なロマ(roma)という呼び方を奨励しています。ながい年月にわたって厳しい迫害を受けてきたロマの人々の気持ちを考えると、差別的な言葉を使用するのはためらわれますが、文章のオリジナリティと1945年という時代設定を尊重して、あえて「ジプシー」と翻訳しました。苦渋の選択であることをご理解ください。
【gypsy:ジプシー、インドから出たといわれ現在ヨーロッパ各地に分布する民族、伝統的には馬売買・かご製造・占い・音楽師などを業とすることが多かった。Andalusia:アンダルシア、スペイン南部の地方。Sevilla:セビリア、アンダルシア地方の中心都市のひとつ】

1946年

The Kiss (1995) F
私はこの映画のラストシーンを、生涯忘れられないだろう。マンハッタンの夜景を背にしたGene Marshallと夫役の俳優は、抱き合って、お互いを見つめている。そして、彼は彼女に、やさしく、情熱的にキスする。映画のエンド・ロールが流れ、画面は暗くなる。映画は終わるが、私の心の中では、まだ長い長いキスが続いている。完璧な喜びとともに、私が映画館を出たあとでさえも。

Love's Ghost (1995) F
たいへんユニークなラブ・ロマンス映画"Love's Ghost"から。時代設定はヴィクトリア朝で、Geneはふたりの子供を教えるガヴァネスに扮している。陰鬱な屋敷のなかですすんでいく物語のなかで、彼女は「ヴィクトリア時代の美女が、幽霊との恋に、永遠の幸せを見いだすことができるだろうか」という問題に立ち向かう。この映画の結末の意味については、映画ファンのなかでも意見が分かれている。結論は、あなた自身の目で見て、判断してほしい。ただし、必ずハンカチを用意していくことを、おすすめする。
【governess : ガヴァネス、(特に住込みの)女性家庭教師】

Midnight Angel (1998) F
記録的なヒットとなった映画"Love's Ghost"より。英国ヨークシャー地方の荒地に建つ古いヴィクトリア時代の邸宅で、Geneは情熱的な幽霊に取り憑かれる。迷子になった少年をさがすため、彼女は危険な夜の荒地に踏み入るが、幽霊の不気味な手招きに助けられて、無事に戻ることができる。

Crescendo (1996) F
"Crescendo"はGene Marshallの演じる、最もドラマチックな物語のひとつである。1939年、彼女の演じる若い米国人ヴァイオリニストは、自由と情熱的な恋をあとに残し、ヨーロッパ留学を断念せざるをえなくなる。数年後、一流のコンサート・ヴァイオリニストとしてヨーロッパにもどった彼女は、演奏会の聴衆の中に、死んだと思っていた恋人の姿を見つける。このシーンでのMiss Marshallの演技力と表現力は、真に賞賛に値する。

Iced Coffee (1997) F
「私の恋人はアイス・コーヒーのように、私の心をかきみだす。彼女から離れられない。」 Monolithic映画社の最新作、その冒頭シーンでナイトクラブ歌手のGeneが歌うジャズ調の曲は、非常にスリリングである。
(以下は"Anna Roddenberry
's The Gene Chronology"より引用)
映画"Voodoo Blues"での衣装。Geneはニューオリンズのナイトクラブの人気ブルース歌手。大農園を所有する一族のハンサムな跡取り息子への片思いがテーマだが、Geneの魅惑的な歌声は、彼の心をつかむ。この映画についての資料は混乱しており、1949年制作だという説もある。

White Hyacinth (1997) F
親愛なるMiss Marshall。"White Hyacinth"について、御一考いただきたく、脚本を同封いたします。"White Hyacinth"は、深く愛し合っているのに、衝突をくりかえしてしまう夫婦の、叙情的な物語です。一連の感動的でドラマチックな出来事のあとに、彼らはお互いの違いを認め合います。夫婦が和解する、ある春の日の午後が、ラストシーンになります。Miss Marshall以外に、この役にふさわしい人は考えられません。ぜひ、引き受けていただけますよう、こころから祈っております。

Mandarin Mood (1997)
ハリウッドの女優ならだれでも知っているが、才能と人気があれば、それだけ忙しくなる。むちゃくちゃで、ノンストップの、台風にでもであったような大騒ぎだ!でも、皆がそんな忙しさを愛している。
Geneも普段はとても忙しいので、友人たちと過ごす一時を何よりも大切にしている。今夜彼女が主催するディナーパーティーのテーマは、エキゾチックな中国風である。有名な料理人を雇い、北京ダックや麺類、焼飯、大皿料理も用意した。Geneは準備の具合をチェックする。忠実に再現された手描きの絹の屏風や紙のランタン、中国音楽をかなでる楽士たち。どれもが、彼女をわくわくさせる。
香のかおりが部屋中を満たし、箸と格闘する友人たちの笑い声を聞いて、Geneは微笑む。プールでは、竜船レースの準備がととのっている。ゲストたちには、中国語でそれぞれの名前が書かれた毛筆書がおみやげだ。中華料理はおいしいけれど、ママのポットローストにはかなわないわね、とGeneは青い瞳を輝かせながら思う。
Geneが中国風のシルクのジャケットとパンツ姿であらわれたとき、パーティーのスタッフたちは、その美しさに圧倒されてしまった。彼女の髪はつややかに結い上げられ、2本の箸でまとめられていた。中国の金貨でできたイヤリングは、、パーティーの料理人が、大ファンである映画スターの幸運を願って贈ったものである。
【mandarin:中国清朝の高級官僚、ここでは中国宮廷風のというほどの意味。dragonboat:竜船(りゆうせん)、へさきに竜の彫刻をつけた船、ヴァイキングの竜船や中国南部キタイなどの祭事用の船など。pot roast:ポットロースト、焼き目をつけてから蒸し焼きにした牛肉料理】

Picnic in the Country (1999)
The California hillsのフルーツスタンドに立ち寄ったあと、Geneと友人たちは、突然、ピクニックを思いつき、田舎に出かけていく。

Pierette (2001) F
1946年のこと。古典的なロマンス、現代のシンデレラ物語である。
映画"Lover in Disguise"のGeneは、ガラスの靴を試さなくても、あこがれの王子様(演じるのは人気俳優Trent Osborn)と結ばれる。
"Lover in Disguise"でGeneは、上流社会の婦人(Madra Lordがとんでもなく横柄)が経営するドレス・ショップに勤める働き者の売り娘役である。
Gene扮する売り娘は、ショップの常連客である(見るからに金持ちそうな)さっそうとした年上の男性に夢中になる。ふたりは身分ちがいであったが、互いに引かれ合った。そして、売り娘が自分にも幸せをつかむチャンスがあるかもしれないと考えはじめたとき、王子様のフィアンセが登場する。それは傲慢な女店主その人だった。
どうしたらいいのだろう?売り娘は、だまって王子様をあきらめればいいのだろうか?それとも、自分の気持ちに正直に行動すべきだろうか?親切な妖精があらわれるのを待っている時間はない。その夜、あこがれの人がチャリティー仮装舞踏会に出席すると知って、売り娘はショップのショーウィンドゥに飾られていた、かわいらしいピエロのコスチュームを、こっそり拝借する。
裸になってしまったマネキン人形を後に残し、われらがピエロ嬢は舞踏会場へ、恋人の腕のなかへと急ぐ。
あこがれの人は、彼女に気付くだろうか?彼は本当の気持ちを告白するだろうか?誰もが結末はわかっているはずだ。それでも、ピエロ嬢が舞踏会場の階段を下りていこうとするとき、観客たちはかたずをのむ、、、、。
【Disguise:変装、仮装】
【Geneの"Pierette"とMadraの"Scorned Woman"、Trentの"Lover in Disguise"は、いずれも映画"Lover in Disguise"中の仮装舞踏会での衣装という設定】

1947年

Afternoon Off (1996)
延々と続く映画撮影とPRのスケジュールをぬって、やっと、半日休暇が取れたのだ!何をするのも自由だ。何をしよう?この次のパーティーで着る新しいドレスを買いに行こうか?花屋の人と一緒に家中を飾るフラワーアレンジメントの計画を練ろうか?銀色のオープンカー(内装は赤い革張り)で、ドライブするのも悪くない。
スターならだれでもするように、Geneもそういうことは、ひととおりやってきた。しかし、今日の午後はちがうことがしたい。彼女はこっそりとお忍びで近所の食料品店に行き、子供のころから大好物だった野菜スープの材料を買い込んだ。
やがてスープの鍋がグツグツと煮えてくると、家中をおいしそうなにおいが満たす。Geneはお気に入りの安楽椅子で、自分が特集にとりあげられている雑誌をパラパラとめくっている。その記事を読んでみると、、、とんでもないことが書いてあるわねと、Geneは思う。
町へ買い物に出かけ、そのあと家でくつろいでいるあいだ、Geneはこのシンプルなチェックのスカートとセンスの良いグレーのフランネルのジャケットを着ている。クラシカルなアイボリーのセーターは、ネックラインにビーズがあしらわれており、スタイリッシュなストラップが付いたグレーのスエードの靴は、この仕立ての良いアウトフィットに、完璧にマッチしている。"Screen Look"誌の暴露記事は、Geneが笑ってしまうような内容だったが、、、、まあ、それもハリウッドならではである。

Love, Paris (1999)
"Love, Paris"は、第2次大戦後のファッションの方向性を決めた革新的なニュールックの代表ともいえる、すばらしいドレスである。【the new look : ニュールック 、1947年 Dior が発表した婦人服および毛髪のスタイル。長くゆったりしたスカートや、耳たぶの長さで左側はショートカットで右側に強いウェーブがかかった髪型などが特徴】

Encore (2000) F
ショービジネスの世界で大成功する復員兵が主人公の映画。Geneは自分自身の役で、脇役をつとめる。

Love Letters (2000) F
映画"Love Letters"ではペンフレンドたちが、はじめての待合わせをする。「どうやって、君をみつければいいでしょうか?」と彼はたずねる。彼女は「何か、赤いものを身に着けていきます」とこたえる。なんと、ひかえめな表現だろう!

The Perfect Gift (2000)
「メリークリスマス!」
下界を見降ろすプロメテウス像のごとく高所に設置されたスピーカーから、声がひびく。ロックフェラーセンターのスケートリンクのそばで、その声を聞いているのは、元気いっぱいの女学生のようなふたりの若い女性たち。はしゃいだ様子からは、ひとりがニューヨークで成功している医者であり、もうひとりはハリウッドで最も愛されているスターだとは思いもよらないだろう。
クリスマス休暇にニューヨークで再会したいという、Cos Cob時代からの親友の電話がはじまりだった。Geneは大喜びした。どうにか、ふたりの日程を繰り合わせて、、、あっという間にその日がやってきた。シンプルなグリーンのスーツを着たGeneは、プラザ広場の向こうにいる友人を見つけると、手を振って合図を送った。楽しい昼食の後、ふたりはスケートリンクの前に立っていた。
「何年も、滑ってないわね。」と医師が言う。
「私もよ。」と映画スター。「それじゃ、滑らなきゃね!」
足には貸しスケート靴、唇には笑い声。ふたりの旧友は、その午後いっぱいスケートを楽しんだ。
夕暮れがせまるころ、Geneは友人の瞳をのぞきこんで言った。「最高のプレゼントをありがとう。」
「何もプレゼントなんか、あげてないわよ!」と友人は反論する。
「でもね、」とGene。「あなたの時間と友情をくれたじゃないの。それこそ何よりも完璧なプレゼントだわ!」
そして、ふたりはリンクの中央で抱き合い、Geneの旧友は完璧な涙のしずくをぬぐった。
【Rockefeller Center:ロックフェラーセンター、ニューヨーク市の中心部にあるビジネス・娯楽街、屋外スケート場がある。Cos Cob:コネチカット州の架空の田舎町、Geneの出身地という設定。the Plaza:プラザ広場、ニューヨーク市マンハッタンの南端にある2ヘクタールほどの広場】

1948年

Sparkling Seduction (1997) F
ハリウッド映画の大スターは、自分の役柄を自由に選べるという利点がある。そして、ファンたちが思いもよらないような役柄を、演じてみせる。
その点で、Geneは主演映画"Sparkling Seduction"に、期待していた。これは、ちょっと変わった探偵映画である。なぜなら、探偵役をつとめるのは、よれよれのトレンチコートを着た男性ではなく、Geneだからである。
ストーリーは複雑で、何度も予想外のどんでん返しが起きる。映画の冒頭でGeneは、ハリウッド映画界の大物の疑り深い妻から、夫の素行調査を依頼される。しかし、すぐに夫は潔白であり、、、人殺しにねらわれていることがわかる!さらに、事件を追うちに、Geneは彼と恋に落ちてしまう。緊迫した(そしてとてもロマンティックな)真夜中のランデブーの場面で、Geneはこの豪華なドレスと毛皮のケープを着て登場する。ぴったりと体にそったシースドレスに輝くスパンコールは、裾に向かって流れ落ちる滝のようである。ケープは深いワインレッドで、袖には毛皮があしらわれている。そして、アメジストの精巧なネックレスと3連のブレスレット、ドロップタイプのイヤリングといったジュエリーが、エレガンスを添える。映画史上、これほど魅力的な探偵が登場したことはない。観客たちは、Geneの演技に大満足である!

The King's Daughter (1997) F
ラジオをお聞きのみなさん、Gene Marshallの最新のヒット作、"The King's Daughter"の一場面をお送りしましょう : 「エドワード、お城の生活は息がつまるわ。お父様は許さないけれど、私は外の世界に出ていかなくちゃ!世界がどんなか、見てみたいのよ。こんな塔の上からじゃなくてね、、。街には活気と情熱にあふれた人びとの暮らしがあるわ!あなた、手助けしてくれる?」「はい、殿下。真夜中に、お迎えにまいります。」

Broadway Medley (1998) F
"Broadway Medley"はブロードウェイのスターを目指す若者のサクセス・ストーリーだが、めずらしく、この映画でGeneは脇役をつとめる。短い場面や歌のシーンなどで顔見せに出演する数多くの大スターにまじっての出演である。きら星のように輝くそのスターたちのなかには、ハリウッドを離れ、ヨーロッパやアジアの劇場で米兵の慰問を行ってきたものも少なくない。しかし戦争は終わり、スターたちの実力をあらためて米国民の前に示すときがやってきた。そして、、、この映画"Broadway Medley"の登場である。希望にあふれ愛国的テーマにいろどられたこの映画は、スターたちの凱旋をかざるのに、このうえないものであった。
Geneにとって、この映画のセットはまるで同窓会場のように感じられた。親しい友人や以前に共演したことのあるひとびとが、戦場からもどり、一堂に会したからである。スポットライトの中に進み出たGeneは、失われた恋のバラード"Mood Emerald"に、感謝の思いのすべてをこめて歌った。祖国へ帰ってきたひとたちに、そして、帰ってこられなかったひとたちの思い出のために。その澄んだ歌声は、聞くひとすべての心をとらえ胸を刺す。ステージ上のだれもが泣いた。
異例のことに撮影は取り直し無しで終了し、Geneの信じられないほどの才能には、静かな賛辞が送られた。プロデューサーは涙をぬぐうとGeneを抱きかかえ、耳元でささやいた。「みんな死ぬまで忘れんだろう。今の歌を。それから、あんたの歌を聴くためにハリウッド中の人間が立ち止まったこともな。Gene Marshall、あんたはかけがえのないひとだ。」
(上記については、Bobbi様よりストーリーカードの原文をご提供いただきました)

Covent Garden (1998)
シンデレラが劇場に到着した!ロンドンを訪問中の、有名な米国女優Miss Gene Marshallは、ロッシーニの「シンデレラ」を鑑賞するために、Covent Garden Opera Houseをおとずれた。Miss Marshallは、まさにシンデレラ物語の主人公である。これは庶民から大スターへの変身だけを指すのではない。このすばらしいイブニング・ガウンに身をつつんだ彼女をひとめ見れば、生後わずか2週間の英国プリンスでさえ恋に落ちるだろうから。
【生後2週間のプリンスとは、1948年生まれのチャールズ現皇太子を指している】

Smart Set (1998) F
映画"Montage"より。夕闇の迫るローマの回廊を、急ぎ足で行くGeneに、あやしい人物が影のように追すがる。彼女は行方不明になった父のものである、謎めいた絵を、その腕にかかえている。このスリルに満ちたサスペンス劇を演じるGeneの表現力豊かな表情に焦点をあわせて、カメラは息もつかせぬ恐怖とその正体を、詳細にとらえていく。このヒット作において彼女の演技は、完璧である。

Secret Sleuth (1999) F
1948年のサスペンス・スリラー"Montage"より。Geneはこのシャーロック・ホームズ風の衣装に身をつつみ、父親殺しの犯人を追う。

She'd Rather Dance (1999) F
Geneはテクニカラー・ミュージカル大作のための、ホットなタンジェリン・オレンジの絹のシースを着用している。 ( 99年発売の"Gene CD"の収録曲"She'd Rather Dance"は、この人形をイメージして作られた。)
【sheath : シース、ぴったり体に密着したベルトなしの婦人服】

Dance With Me (2000) F
"She'd Rather Dance"に観客は酔いしれるだろう。歌とダンスと演技とスマイル、それらのすばらしい共演であるこの映画は、Geneが持つダンスと演技の実力を、あますところなく見せてくれる。映画のストーリーは、ボストン社交界の若い淑女をめぐるものである。彼女は午後のお茶会よりもダンスに夢中で、上流社会の人々にあきれられている(観客にとっては、喜ばしいことなのだが)。映画のはじめの部分では、Geneは面白みのない古風なダンスを踊っている。彼女を取り巻く社交界の人びとのおしゃべりが、だんだんGeneをいらだたせていく。とうとう、彼女はがまんできなくなり、ダンスフロアを横切って、楽団の指揮者のもとに向かう。Geneが早口に何かをささやくと、音楽が急に代わり、このミュージカルのタイトル曲であるホットなナンバー"Dance with Me"が流れ出す。灼熱の炎のように、Geneはダンスフロアを燃え立たせ、スカートの裾が炎のようにひるがえる。Geneが「私と踊って、、、」と小声で口ずさむと、大勢の紳士たちが彼女のもとへ押しよせてくる。もてない女性たちの恨みのこもった視線のなかで踊るGeneは、ブロードウェイの有名なプロデューサーの目に留まる。彼女の変わり者の伯父が、そのプロデューサーを招いたのである。はなばなしい曲の最後には、Geneはタキシードを着た男性の肩の上に乗っている。プロデューサーは、ダンスフロアに降り立ったGeneに近づき、思い切ってたずねる、、、。

St. Moritz (2000)
たっぷり働いたご褒美に、Geneはスイスの高級リゾート地で、スキーを楽しむ。

Right in Step (2001)
"Right in Step"は、映画"She'd Rather Dance"中のナンバーのひとつ。Geneはコーラスの子ども達とハーモニーが取れるか、試している。

Kiss Me, Gene (2001)
フィラデルフィアで先行上演された舞台は、単にすばらしかったというよりも、観客たちが恍惚となるほど最高のものだった。1948年一番の人気ミュージカルが、まもなくニューヨークで上演されようとしていた。シェークスピアの「じゃじゃ馬馴らし」を脚色したCole Porterの"Kiss Me, Kate"は、ブロードウェイの"the New Century Theatre"で、12月30日に初演の予定である。
Geneはその舞台のPR担当者のひとりから、入手困難といわれた初日のチケットを受け取っていた。PR担当者は、有名人が舞台を見に来たと新聞に書き立ててもらいたかったのだ。
しかし、Geneにとってその舞台は、ただのミュージカルのオープニングとは違う意味をもっていた。高校のとき、舞台で「じゃじゃ馬馴らし」のKateを演じた思い出がよみがえる。かわいい小さなKatie Marshallがガミガミ屋のKateに変身し、また真実の愛によって従順な女性へと変わっていく様子は、家族や友人たちにとってスリリングな体験だった。Kateを演じたことで、Geneは演技こそが自分の天職と悟ったのである。
今、フラッシュの光の中、通路を降りて行くGeneは、夢の実現への第一歩となったあの舞台の興奮と喜びと、そのために費やした努力に思いをめぐらせていた。ハリウッドの人気スターの入場に気付いて、プログラムの影でヒソヒソとささやき、微笑む観客たちの視線をあびながら、Geneは席に着いた。まもなく"Kiss Me, Kate"の序曲がはじまり、照明が落ちる。けれども、その闇のなかで、Geneの幸せな記憶は強い光をはなっていた。
【Kiss Me, Gene:Geneの本名Katie Gene Marshallと劇の主人公Kateの名前が掛詞になっている。Cole Albert Porter:(1892?-1964)米国のポピュラー音楽作曲家。Kiss Me, Kate:Cole Porterが作詞・作曲した実在のミュージカル、1948年初演。Taming of the Shrew :シェークスピアの戯曲「じゃじゃ馬馴らし」、気の強い名家の娘Katherinaに求婚した紳士Petruchioが、彼女を手なずけて従順な妻にしてしまうという喜劇】

Twilight Rumba (2000)
この映画で、Geneは有名な歌手を演じている。彼女の夫は、はじめて出会った夜を再現することで、5周年記念日を演出し、彼女を驚かせる。この人形に、はじめてGene用のくしが付属した。

Warmest Wishes (1998)
親愛なるMiss Gene Marshall。クリスマスには、おもちゃの兵隊をいただき、たいへんありがとうございました。彼は私の机の上で、儀仗兵のように誇り高く立っており、私は、いつも彼をながめています。戦争で負傷した老ドアマンである私が、ちょうどこの兵隊のように、制服姿で寒い屋外に立っているとき、この兵隊を選んでいただいたあなたの思慮深いやさしさが、私の心をあたためてくれます。こころよりの感謝をこめて、Henry Cooper。

My Heart's Song (2001) F
Geneは音楽系出版社の受付嬢の役で、全国的大ヒットとなる曲を発見する。

1949年

Bird of Paradise (1997)
オープニングは、完全な闇の中。やがて、小さなスポットライトの光があらわれる。ひとりの女性が、ゆっくりと階段をおりてくる姿が見える。スポットライトの光が広がると、数千ものフラッシュライトがきらめいて、彼女の華麗な姿が浮かび上がる。そして、彼女がGene Marshallであることが、観客にわかる。クリスタルの輝きにつつまれたGeneを、だれもが忘れられないであろう。

Lucky Stripe (1999)
予定外の週末休暇、パームスプリングズ行きの列車の切符、高級ホテルのスウィートルーム、、。今日はGeneのラッキーデー!
【Palm Springs : パームスプリングズ、California州南東部Los Angelesの東にある保養地。ゴルフコース、テニスコートなどが多数ある】

Priceless (1999)
うわさは熱狂的に伝わっていった。世界的に有名な宝石店の広告のために、Gene Marshallがネックレスのモデルをつとめるというのである。その夜、興奮したファンたちによって宝石店は取り囲まれていた。店の正面にはヴェルベットのロープが張られ、何かが起こるに違いないと予感させた。そして、、、
突然、彼女がそこに立っていた。静かに落ち着き払い、優美にダイヤモンドをまとって。けれども、そのうちの最も大きなダイヤですら、Geneが放つ炎のような輝きにはおよばなかった。
「そのまま!こっちを見て!あごを下げて!OK!!」
撮影は終わった。カメラマンは機材を分解し、消灯したライトが冷えるのを待っている。豪華な宝石はガードマンによって運び去られ、雪のように白い毛皮はケースにしまわれた。Geneは、あこがれのスターをひとめ見ようと群がったファンたちとのひとときを楽しんでいた。
夕暮れの寒さを気遣った勤務中の警官が、Geneの肩に自分のコートをかけた。彼女は幸せそうに笑いながら立っている。自分の映画の観客である、まさにその人たちにまじって、サインし、おしゃべりしながら。
そのとき、Geneはあらためて感じた。ファンの情熱こそが、たとえようもないほど貴重な宝物なのだと。
【priceless:値段のつけられない、きわめて貴重な】

Meet Me in Paris (2000)
客船の手すりにもたれながら、Geneは考える。「船の旅には、何かがあるわ。」ディナーの用意ができるのを待つ間、彼女はコネチカットの少女時代に思いを馳せていた。
ディナーの開始を知らせる船員の呼び声が、彼女を夢想から連れ戻す。振り向こうとしたGeneは、そばにいた乗客にぶつかってしまう。そのハンサムな紳士は軽く会釈すると非礼をわびて、足早に立ち去っていった。はっきりとはわからないが、彼の持つ何かが、Geneをほほ笑ませた。
船長のテーブルに座ったGeneは、となりの席のネームカードを見て驚いた。そんな、、、うそでしょう!そこには高校の同級生の名前があった。Geneは注意深くあたりを見回す。すると、「Katie? Cos Cob の Katie Marshall じゃないか!」
まさに彼女だった、、、そして、まさに彼だった。遠い昔の同級生は、今では国際弁護士となり、、、船のデッキで彼女にぶつかったのである。昔なじみに(文字通り)鉢合わせするとは、何という幸運だろう。おしゃべりの種はつきることがなく、とうとう彼が言った。「きみはロンドンに行くんだろう。ぼくはトゥーロンで顧客に会わなきゃいけない。だったら、パリで昼食にしよう。」
Geneは笑いながらOKした。ロンドンからパリでは、ちょとした旅行だわ。でも、この楽しい出会いを締めくくるにはふさわしい約束よね。
そして、今日。Geneはシャンゼリゼ通りの小さなレストランの前に立ち、彼がこちらにやって来るのを見つけた。彼女の心はときめいた。彼の瞳って、以前からあんなに青かったかしら、、、。
【Cos Cob:コネチカット州の架空の田舎町。Geneの出身地という設定】
【Toulon:トゥーロン、フランス南東部の地中海に臨む港市】

Ransom in Red (1998)
1949年、クリスマス・シーズンのコマーシャルは大成功だった。パリの有名なメーカーによる印象的な香りの新しい香水"Ransom in Red"は、Miss Gene Marshallを起用した大々的なキャンペーンによって、全米をすっかり魅了してしまった。新聞、雑誌、ラジオ、テレビがこぞって"Ransom in Red"とGene Marshallの蠱惑的な魅力を広告するのに利用された。
そのコマーシャルに登場したGeneのイメージは、まさに"Ransom in Red"の香りそのものであった。強く、そして女らしく、セクシーでありながら気高く、近寄りがたいようでセイレーンの歌声のように誘惑的なのだ。ひときわ高い白い台座の上に立ち、国王の身代金に値するほどの豪華な宝石をまとったGeneは、数百万人のテレビ視聴者を魅惑し、30秒間のCMはそれを見た人々にとって忘れがたいものとなった。官能的になかば閉じられたGeneの青い瞳がカメラのレンズに映し出されると、視聴者たちはまるで魔法にかけられたようになった。スクリーンの上を数え切れないほどのイメージが踊る。Geneがふり返り、エレガントなクリスタルの香水瓶を愛撫する手がクローズアップされる。優雅にかしげた顔にうかぶモナ・リザのように神秘的な微笑が、ダイヤモンドの輝きを放つ。そして、深紅の唇から挑発的なささやきが聞こえると、人々は釘付けになった。
「"Ransom in Red"で、彼の心を虜に、、、」
国中の高級デパートの香水売り場には長い行列ができ、売り上げは記録的なものとなる。"Ransom in Red"は、多くの女性たちが恋人に求めるプレゼント・リストのトップを占めることになったが、それは男性たちにとっても大歓迎だった。
【ransom:身代金。king's ransomは王の身代金、つまり莫大な金額のこと】

Toast at Twelve (1999)
1949年が364日と23時間59分すぎたころ。ニューイヤーズイブのパーティーにつめかけた人々は静まりかえっていた。司会者はGeneMarshallに、一緒に舞台に立ち、新年のカウントダウンと乾杯の発声をしてほしいと頼んだ。「ここにおいでのみなさんのために。そして、50年代がすばらしい10年となりますように!」
舞台をおりてバルコニーに出たGeneは、わずかの間だけ、ひとりきりになった。そのとき、だれかが彼女の肩にふれた。振り返ると、彼がそこに立っていた。ふたりは、あたたかい、親しみのこもった包容をかわす。はにかんだように、彼はためらいがちな新年のキスを彼女のほほにする。「新年を迎えるのに必要だったのはこれよ。」Geneは微笑む。「今年は、絶対にすばらしい年になるわ。新年おめでとう。私たちふたりに乾杯しましょう!」

1950年

Monaco (1995)
Monolithic映画社の最新作"Monaco"のGene Marshallは、おとぎ話を現実に変える。Geneは庶民の生まれでありながら、自国のハンサムなプリンスのハートを射止める少女を演じている。結婚式のシーンは、最高にドラマチックだとしか言いようがない!これから、彼女の姿をそっくりにまねた、たくさんの花嫁が登場するだろう。

Honeymoon (1999)
内気で純粋だが魅力的なGeneは、結婚式の夜、彼女のプリンスを待っている。映画"Monaco"より。

It's a Wrap (2000)
長期の撮影を終えたGeneは、高価なバブルバスに入浴したあと、綿のローブを着てくつろいでいる。

Symphony in G (2000)
この映画で、Geneは芸術を熱心に後援するプリンセスに扮する。「生まれつき裕福なあなたは、人の心を打つ真の芸術について、何も知らない」と書かれた手紙が、ひとりの貧乏な作曲家から届く。怒った彼女は、変装して、その手紙を書いた才能ある(ハンサムな)作曲家に会いに行き、恋が花開く。

Heart of Hollywood (2000)
Gene Marshallはハリウッドで最も売れっ子のスターというだけでなく、最高の慈善家のひとりとしても知られている。Geneが行ってきた数々の慈善活動は、様々な団体から多大な感謝を受けている。しかし、たいていの場合、Geneはひかえめで個人的な行為を好んだ。
けれども、Geneは子供好きだったので、児童福祉活動に限ってはひかえめになどしていられなかった。子供たちを思う気持ちは彼女のハートからあふれ出し、子供たちのための使命について誰彼となく語るときのGeneは最高に幸せそうだった。
ついに、Geneはハリウッド中の友人たち(カメラの前に立つ人も、カメラの後ろで働く人も)に声をかけ、慈善団体の設立イベントを開催することにした。そのイベントは、ハリウッドの中心に近いボールルームで開かれた。ハリウッドでも一流の舞台装置家たちが飾り付けを行い、最高級レストランの料理が用意され、人気絶頂のスターたち(Miss Marshall本人を含む)が出演して、その夜は大成功をおさめた。
イベントを終えた後、報道陣がGeneのまわりを取り囲んだ。このイベントの意義を情熱的に訴える彼女は、かつてないほど優雅に見えた。「ハリウッドに住むすべての人たちの心をとらえた今夜の催しが、毎年恒例のものとなることをお約束します。」真心を込めて、Geneはそう語った。【heart of Hollywood:heartには、愛情という意味と中心にある場所という意味がかけられています。ballroom:ボールルーム、舞踏場】

Garden Party (2001)
「お願いできるかしら、Katie?」
息つく間もおかずに、Geneは答えた。「どうして断るなんて思えるの?いつなの?言ってよ。ちゃんと出席するから。何てわくわくするんでしょう!」
Cos Cobに住む親友が電話をかけてきて、この春の結婚式でGeneにmaid of honorをつとめて欲しいというのだ。
Geneは続けた。「それに、お式の前日のお茶会は、もちろん私にまかせてくれるんでしょう?最高のパーティーにしてみせるわ。子供のころに忍び込んだお茶会みたいに。おぼえてる?木陰にかくれてケーキを食べながら、女の人たちが着ているきれいなドレスの品定めをしたじゃない。今度は私たちが、そのきれいなドレスの女性なのよ!すぐママに電話して、お料理の相談をしなくちゃ!」
「パーティーですって!」Marshall夫人はすごく乗り気だった。「準備は私にまかせなさい、Katie」と彼女は言った。「どういうわけか、あなたが小さかった頃以来、そういうお茶会を開く機会がなかったのよ。あなたは多分おぼえてないでしょうけどね、、、、」
子供のころの思い出話に、Geneは笑みがこぼれた。
お茶会の日、Marshall家の庭はお客でいっぱいになった。カラフルなドレスの女性たちは、まるでその庭に咲く花々のようだった。ホステス役をつとめるGeneは、美しい花の刺繍がほどこされたドレスをまとっていた。もっとも、どの花よりも美しいのはそのドレスを着ている女性その人だったのだけれど。
【Cos Cob:コネチカット州の架空の田舎町、Geneの出身地という設定。maid of honor:花嫁に付き添う未婚付添い女性の長】

1951年

Tango (1997)
ダンスをするふたり。彼女の視線は情熱的に彼の顔をみつめ、体はひとつに溶けあうほどしっかりと抱き合っている。Geneが彼の腕のなかで踊るシーンは、黄金の輝きと、珊瑚色のかすみに彩られている。突然、彼女と離れた彼は、どうしたことかスピンしながら遠ざかっていく。しかし、最後の瞬間に、彼の力強い腕はGeneの腰をとらえて、やさしくそばへ引き寄せる。あまりにスリリングで、見ている私の息が止まりそうになる。そう、これこそがタンゴなのだ!

Embassy Luncheon (1998)
映画"Tango"は、必見である!Gene Marshallは、今年の"Golden Star Awards"に、ノミネートされることが確実だろう。すばらしい舞踏室のシーンの間じゅう、観客たちは興奮させられっぱなしである。はげしい情熱を胸に、勇敢にも外交官の父親に立ち向かっていくGeneは、観客の喝采を受ける。

Safari (1998)
映画"Daughter of the Nile"のエジプトロケで、Geneは神秘的なアフリカに魅了されてしまった。だから宣伝のためにケニアの大草原へサファリに行くと決まって、彼女はわくわくしていた。それは、まさに一生に一度の体験であり、決して忘れることのできない思い出となった。
例えば、遊牧のマサイ族と行動をともにしたある日のこと。美しい染めの民族衣装をまとった、長身で端正な人々にかこまれたGeneの写真を、カメラマンは次々に撮影していった。Geneの衣装はマサイ式の娯楽を楽しむためのもので、特に宣伝部が用意したハイヒールは、岩が多いブッシュを散策するときには好都合だった。すばらしい大自然をライフル銃ではなくカメラでshootするのだと、Geneが礼儀正しく、断固として主張したとき、宣伝マンはがっかりした。しかし、遊びで狩をすることが理解できないマサイ族の人々から、このGeneの決断は歓迎された。Geneにとって最も忘れがたい出来事は、一冊の雑誌を手にしたマサイの少女が、はずかしそうに近寄ってきたときに起こった。その雑誌は1947年の"Screen Look"誌で、Geneの写真が表紙を飾っていた。ずいぶん読み古されてはいても、確かにその雑誌は少女にとって大切な宝物にちがいなかった。このような古の大陸、原始の地、はるかな未開の荒野においても、Geneが銀幕に映し出す夢の世界は少女の心をとりこにしていたのだ。アメリカの映画スターがマサイの娘を抱きしめ、ふたつの世界を結びつける橋が生まれたときのことを、今もその部族は語り継いでいるという。
・おことわり・
文中にはアフリカに対する差別的ともとれる表現が見られますが、原文を尊重してそのまま訳することにしました。ご了承ください。
【safari:サファリ、主にアフリカ東部などで行われる狩猟・探検旅行、shoot:銃を撃つと写真を撮るの二つの意味がある】

Cameo (1998)
ごらんなさい、あれはKatie Marshallとお母さんよ。彼女が婦人美術協会の会合に出席するなんて、すごくすてきだわ。あの娘3年生のときに、教えたことがあるのよ、知ってた?その時分から、じょうずだったわよ!彼女が大女優のGene Marshallになるなんて、思ってもみなかったわ。でもね、私にとっては、いつまでも学芸会で優勝したかわいいKatieよ。こんにちは、Katie!すてきなカメオをつけてるのね。

Cognac Evening (1999)
カリフォルニア州知事公邸のパーティーで、Geneは尊敬と愛情を勝ち取る。

Everything's Coming Up Roses (2001)
Monolithic映画社の10周年式典で、Geneは花束をもらうことができなかった。彼女はパレードの山車のひとつに乗っていたからである。
【come up roses : (思ったよりずっと)うまくいく 】

Blue Heaven (2001)
映画"Little Blessings"から。ワーキング・ウーマンのGeneは、サパークラブで天の恵みのような幸運に巡りあう。

Little Blessings (2001)
映画"Little Blessings"中で、Geneと夫は、いろいろな思い出−とりわけ楽しかったこと−を思い出す。このマタニティを着けた彼女は、妊娠の喜びにあふれている。

Bonnie and Blithe (2001)
さわやかな秋晴れの日曜日、友人の子どもたちを大勢つれて、Geneは動物園に行く。

1952年

My Favorite Witch (1997)
陽気な新作コメディ"My Favorite Witch"のGene Marshallは、観客たちに魔法をかけ、うっとりさせ、完璧に魅了する。Geneは、現代のSalemに住む良い魔女をチャーミングに、そして神秘的に演じている。魔法の媚薬には失敗するが、ハロウィンの仮装舞踏会で真実の愛が明らかになる。そして、魔法のようなエンディングがおとずれる。この秋、映画"My Favorite Witch"をお見逃しなく!
【Salem:セーレム Massachusetts 州北東部の港町、1692年に魔女裁判が行なわれたところ 】

A Night at Versailles (1997)
最近、ヨーロッパを訪問中の女優Gene Marshallは、戦争で破壊されたベルサイユ宮殿の舞踏会に出席した。このフランスの宝ともいえる壮麗な建物を修復するための基金あつめのイベントにおいて、米国からきたMiss Marshallは最も優雅な存在であった。その夜にふさわしく、彼女はフランス王室のカラーである豊かな紫のガウンをまとっていた。噂によるとシャルル=ドゴール大統領は、彼女のフランス語のたくみさと、フランス文化に対する知識の深さに、すっかり魅了されてしまったということである。

Daughter of the Nile (1998)
この記念碑的な歴史映画に出演している、きら星のような大スターたちのなかで、Gene Marshallはひときわ輝いている。ファラオの命令と運命的な恋のあいだで苦悩する、夢見がちなイシス神の巫女に扮した彼女の演技は最高のものである。彼女は、鋼のような芯の強さをおおう傷つきやすい心を、みごとに表現し、人々を魅了してしまう。もしもクレオパトラがGeneのような女性であったなら、ローマとエジプトがその足下にひれ伏したとしても、何の不思議もないだろう!

An American Countess (1999)
評論家たちは激賞した。「Gene Marshallが、また大成功をおさめた。映画"Royal Rebel"でMiss Marshallのダンスは夢のようにすばらしく、歌声は天使のようだが、それだけではない。Geneは年季の入ったコメディアンのような演技もみせてくれる。全編をつうじて彼女はみごとに演じ、観客を魅了する。すばらしい才能というほかない。」
1952年の"Royal Rebel"は、小さな公国のプリンスと「身分ちがいの」結婚をしたブロードウェイのスターの物語である。劇中のGeneは彼女が着けるティアラのダイアモンドのように輝いている。
最初、公国の人々は金目当てのアメリカ女だと思って、Geneに辛くあたる。彼女の気さくな性格は、軽蔑され、冷笑をあびる。宮廷の召使いたちだけが、彼女を受け入れ、主人と認め、、、そして友人となる。
アメリカ流の大胆さ(と召使いたちの協力)で、Geneはある計画を立てる。その年の収穫祭の最後の夜、宮殿の螺旋階段の上に、突然、Geneがあらわれると、その姿をみた人々の間からため息がもれる。Geneは、その昔、公国の人々に愛された伯爵夫人Corneliaのドレスをまとい、Corneliaが米国親善旅行の際に送られた宝石を着けていた。
階段を下りながら、Geneはブロードウェイの彼女のショーで最も人気のあった"A Promise for Tomorrow"を歌いはじめる。感動的な歌詞とそこに込められた偽りのない気持ちにふれて、人々は、彼女が公国を心から愛していることに気付く。そして、ひとり、またひとり、彼らの愛する新しい伯爵夫人のために、あいさつを送るのである。

Don't Fence Me In (2000)
西部劇"Shooting Star"で、Geneは大牧場のオーナーを演じる。ジーンズをはいたGeneは、投げ縄や乗馬、格闘まで、難なくこなす。

Bolero (2000)
映画"Shooting Star"で、Wild West Showのパレードを先導するGeneが着ているのは、友人が縁起を担いで彼女に贈った特別な衣装。Geneは射撃大会で優勝できるだろうか?この"Bolero"はガウチョの衣装を再現したもの。
【Wild West Show : カウボーイやインディアンが荒馬乗りなどを見せる大西部ショー。 gaucho : ガウチョ、南米大草原のカウボーイ】

Shooting Star (2000)
射撃大会でのGeneはずば抜けており、観客の喝采と優勝を勝ちとる。

Heart's Afire (2000)
映画"Shooting Star"で、Geneは射撃大会に優勝し、町を救う。感謝した町の人々はパーティーを開く。"Heart's Afire"はそのお祭り騒ぎの夜のガウンだが、たしかに真実の恋の炎をかき立てる衣装といえる。

Shorts Story (2000)
"Shooting Star"のロケ期間中に、Geneは日帰りの観光にでかけ、、、一軒の「家」を買った。

Hacienda (2000)
Geneは"Shooting Star"の俳優たちとスタッフ(そして特別に招待した人たち)を招いて、南西部の新しいhaciendaの披露パーティーを開く。
【hacienda : (住居つきの)大農場、大牧場 。大農場(大牧場)の母屋】

Diamond Evening (2000)
あるフォーマルなパーティーに招かれたときの衣装。ドレスにおとらず、Geneも輝きを放っている。

Champagne Flight (2002)
Geneは1952年に映画"Somewhere Summer"で、スチュワーデスを演じた。星々よりも高く飛びたいと願う、夢見がちな女性の役である。
物語はニューヨークで次のフライトを待っている場面ではじまる。彼女はオートマットの前にすわって、古い"Posh Living magazine"をパラパラとめくっていた。突然、声がして、彼女の夢想がやぶられる。「となりに座ってもいいかな?」顔をあげたスチュワーデスのそばには、信じられないほど魅力的なハシバミ色の目をしたハンサムな男性が立っていた。コーヒーカップを手にした彼は、あっという間に彼女の横にすわるとおしゃべりをはじめる。彼女は自分が恋に落ちてしまったことに気付いた。
翌日、ロマンスの余韻にほほを染めながら、彼女はロサンジェルス行きの旅客機に搭乗した。離陸のアナウンスのために客室に入ると、昨夜出会ったハシバミ色の目をしたハンサムな男性が、ひとりでそこを占領していた。
彼女は口ごもりながらたずねた。
「他のお客様は、どうなさったのですか?」
「君とふたりになりたくて、私が全部の座席を買い占めたんだ」と彼が笑う。
そのとき、副操縦士が客室をのぞいて、「準備はよろしいですか?」と聞いた。
「ああ、けっこうだ。」答えると、彼はスチュワーデスの方に向きなおった。
「多分、自己紹介をした方がいいだろう。」
書類鞄から取り出した"Posh Living magazine"最新号の表紙をかざっているのは、彼の写真だった。
彼女は一瞬、呼吸が止まるかと思ったが、何とか微笑んだ。
「そろそろ、お仕事をした方がよろしいでしょうね。お飲物はどうなさいますか?」
「シャンペンではどうかな?」
そう言うと、彼は冷えたシャンペン・ボトルを取り出した。シャンペンの泡は、ふたりを雲よりも高く運んでいった。
【automat:オートマット、小銭を入れて小さなガラス窓の裏の食物を取る自動販売機の一種、1930年代に流行したが、現在New York 市に残った唯一のオートマットは、マンハッタンの Third Avenue 東 42nd Street の南東の角にある。 Posh Living magazine:直訳すると上流生活雑誌というほどの意味、この名称の雑誌が実在したかどうかは不明】
(上記については、ひさこ様より画像とストーリーカードの原文をご提供いただきました)

Somewhere Summer (1999)
映画"Somewhere Summer"より。映画の終わり近く、このドレスを着たGeneは、美しいバラ園で恋人を待っている。彼はあらわれず、冷たい雨が降りはじめる。泣きながらバラ園を出ようとするGeneの耳に、彼女の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。土砂降りの雨の中、ふたりは抱き合う。そして彼女は気付く。真実の愛さえあれば、どんな寒い土地にいても、"Somewhere Summer"はいつも心のなかにあるのだと。
【Madraのoutfitである"Heartless"に付属のストーリーブックによれば、この映画でGeneとMadraは共演している】

1953年

Blossoms in the Snow (1997)
昨夜、ニューヨーク市のRaleigh Theatre退役軍人会の新年チャリティー・ダンスパーティーが開催された。豪華な顔ぶれのゲストたちのなかでも、女優のGene Marshallはひときわ輝いていた。このパーティーのテーマである「雪の中に咲く花」を表現するべく、Miss Marshallは白い毛皮でふちどりされ、シルクのバラをちりばめた、シンプルだが刺激的なピンクのサテンのガウンを着用している。その夜、多くのありきたりなドレスにかこまれて、彼女はさながらファッションに吹き込まれた新しい息吹のようであった。

Blue Evening (1995)
美女と恋の歌という組み合わせほど、インスピレーションを刺激するものはない。ちょっと耳寄りな話を、お聞かせしよう。常にデザイナーたちのお気に入りである女優のGene Marshallは、 Ina Staffordが歌うムーディーなブルース"Blue Evening"をイメージしてつくられた、このゴージャスなガウンからインスピレーションを得た。Gene MarshallはMonolithic映画社のトップデザイナーであるTimothy Albertsの手による、この深い青色の絹のドレスをたいへん気に入って、この秋に発表されるPR写真用に選んでいる。
【このoutfitは、実際にTimothy Albertsがデザインしたもの】

Creme de Cassis (1998)
Gene Marshallにインタビューした夜のことは、決して忘れられないだろう。53年の8月だった。私たちはパリのthe Ritz Hotelでクレーム・ド・カシスをすすっていた。彼女はすばらしかった。聡明で、ウィットにあふれ、しとやかで、この上もなく愛らしかった。かぐわしい吐息。そして、ああ、神々しいまでに青い瞳!かすみのようなベールの向こうにいる神秘的な女性の、かがやき、ゆらめく、その瞳は、すっかり私を虜にしてしまった。その夜、私は恋に落ちたんだよ。

Midnight Gamble (1998)
きっと幸運の女神は、この美しい米国の映画スターGene Marshallの大ファンなのにちがいない。プライベートでJacques Zoliの絵画展を鑑賞した後、Miss Marshallとそのデートのお相手は、深夜になってカジノ"Le Rouge et Le Noir"を訪れた。Geneは、これまでに全くギャンブルの経験がなかったが、ルーレットも彼女のファンだったのだろう。彼女は大勝し、周囲の人々を喜ばせた。

Rain Song (1998)
1953年のヒット作"Rain Song"でGeneは献身的な教師役を演じている。その映画が公開されるやいなや、二人の主人公をめぐってうわさが流れた。妻に先立たれ、8歳の息子をかまってやる余裕がないハンサムな男性との恋物語である。父親役の俳優に抱かれたGeneの華麗なクローズアップ写真は、ファンを刺激した。Geneとその相手役の俳優が、Green Parrot Restaurant で楽しそうにおしゃべりをしている姿がしばしば見られたので、うわさはますます激しくなった。ふたりはただの友人関係だと主張したが、ゴシップ好きの人々は、いつかふたりはそれ以上の関係になるだろうと邪推した。そんなうわさにこたえて、Geneは笑顔で語った。彼女のハートをとらえた本当の共演者は、8歳のかわいい子役 Beau であると。
映画の中でBeauは美しい担任教師にのぼせてしまい、詩やバレンタインカードを贈って、彼女が新しい母親になってくれることを夢見る。ついに、Beauは自分の父親とGeneを引き合わせることに成功する。彼女はBeauの父親が凍りついた心を開き、孤独なひとり息子と気持ちを通じあわせることを願って、懸命な努力をはじめる。GeneとBeauの父親は、嵐のように激しいやりとりを交わすが、密かにお互いへの関心をつのらせて行く。そして、クライマックスは、暖かな春の雨のなかでの感動的な愛の告白である。最後のシーンではGeneと父親が、空にかかる虹のようにBeauの両手をつないで、水たまりを飛び越えさせる。完璧なハッピーエンドは、ロマンスを愛するすべての人々に満足のため息を約束するだろう。

---------------------------------------------------
Gene Marshallといっしょに"Rain Song"に出演したとき、僕はまだ8歳だったけど、全部おぼえてるよ。彼女の微笑み、抱きしめてくれたこと、笑い声。映画の中の役と同じで、僕も密かに、Geneに恋をしてしまった。どんなにきれいで、愛すべき人だったか。彼女といると、まるで、僕は世界一かしこくてハンサムで、かっこいい男の子になったような気がしたよ。今でも、ずっと、彼女に恋をしているよ。

Sunday Afternoon (1999)
ある日曜日、映画"Rain Song"の撮影を休んで、Geneは絵のように美しいニューイングランドの町を散歩する。ある船の船長は、彼女がハリウッド・スターのGene Marshallにそっくりだといって、ほめてくれる。

Perfect Match (2001)
「これは、きっと夢にちがいないわ」と、Geneは思った。
彼女は、Monolithic映画社の職人たちが巧みな技で作り出したリビングルームのセットに立って、彼がこちらへ歩いてくるのを見ていた。これまで彼といっしょにかなりの本数の映画に出演したにもかかわらず、Geneはまだ信じることができなかった。あのTrent Osbornと共演だなんて。Geneがまだほんの子供のころから、Trentはあこがれのスターだったのだ(もちろんTrent本人には、決してそのようなことを言ったりしなかったけれども!)。
撮影中の映画は、若い娘と「円熟した」というよりもいささかくたびれた中年紳士のラブ・ロマンスをめぐるものであった。彼女は派遣会社をつうじて彼のディナーパーティーのホステス役に雇われ、後かたづけのために残っているという設定だった。
ホステス役のためのピンクとグレーのドレスを着たGeneは清純そのものに見えたし、スモーキングジャケットを着たTrentは最高に魅力的なプレイボーイだった(赤ずきんちゃんの狼のように)。
そのシーンで、GeneはTrentを平手打ちすることになっていた。けれども、1回目の撮影で、Geneは思わず躊躇(ちゅうちょ)してしまった。「まあ、Trent、そんなことできないわ、、、。」
「もう一度、やってみよう。」そう言ったTrentは、2度目の撮影のとき、絶妙のタイミングでGeneの耳もとに何事かをささやく。Geneは大きく目を見開き、、、パチン!と平手打ちの音。そして「カット!」の声。鳴り物いりの大宣伝に使われたポスターには、「パーフェクト・マッチ、火花が飛ぶ」。どのシーンの写真が使われたかは、おわかりだろう。

Spring in Central Park (2002)
セントラルパークへの小旅行と昼食という招待には、抗しがたい魅力があった。ニューヨークの喧噪のただなかにあって、セントラルパークには都会のオアシスといったたたずまいがあり、そのことがGeneの心を浮き立たせた。
【Central Park:セントラルパーク 、ニューヨーク市マンハッタン島の中央部にある公園】

1954年

Midnight Romance (1997)
ヒット曲"Midnight Romance"をフィーチャーした、作曲家Johnny Harmonの最新のアルバムのカバーは、あなたを驚かせるに違いない。このアルバムを飾るのは、だれあろうGene Marshallの華麗な写真である。彼女はこの作曲家への個人的な友情から、モデルをつとめることとなった。噂によればJohnny Harmonは、Miss Marshallの新しい映画のために新しい曲をかいているとのことである。

Destiny (1998)
昨夜、映画界および子供のための慈善事業に対するGene Marshallの貢献を讃えるためのレセプションが開催され、大勢のファンが集まった。上映されなかった1954年の映画"Destiny"の行方不明だったフィルムが発見され、そのプレミアショーを見ることができるとは、何という興奮だろう。その短いフィルムは、豪華な夜会服に身をつつんだGeneの、完璧な姿を見せてくれた。これまで見ることのできなかった、この映画のすばらしいスチル写真をご希望のGeneファンは、忘れずにこの雑誌の来月号を購入してほしい。
【このドレスは、写真では濃紺にしか見えませんが、実際には濃い青緑色です】

Hi-Fi (1998)
9月のある雨の午後のことだった。Geneは映画撮影の谷間の、貴重な休暇をこころゆくまで楽しんでいた。彼女はコーヒーテーブルの前のやわらかいラグにすわって、個人的な手紙やファンレター、出演を依頼されている映画の脚本などを読んでいる。キッチンにかけられた鍋からは、Geneの大好物であるシチューを煮込むおいしそうなかおりが家中にひろがり、愛犬のDashiellとDottieは暖炉の前で幸せそうにまどろんでいる。とりわけ最高なのは、親友の Ina Stafford が歌うブルース"Blue Evening"のメロディーが、Hi-Fiのオーディオから流れていることだ。Ina の豊かなヴェルベット・ヴォイスが室内を満たす。
ファンレターへの返事にサインしながら、Geneはそのメロディーにあわせてハミングしている自分に気づく。切手を取りに立ち上がると、彼女はスウィングしはじめる。Ina の官能的なアルトに、Geneのソプラノが重なる。見えないパートナーに腕をあずけると、唇には微笑みがうかび、瞳は夢見るように、、、。
音楽は終わり、突然、窓の外から拍手の音が聞こえた。親しい友人であり映画の共演者でもある男性が、ひょっこりと立ち寄り、Geneの即興のダンスを楽しんでいたのだ。顔を赤らめながら、Geneは彼を招き入れる。彼はまっすぐにオーディオのそばへ行き、もう一度その曲をかけた。そして、彼女を抱き寄せると、、、ふたりのダンスがはじまる。

【Hi-Fi : (high fidelity の略)ラジオの受信機や録音の再生装置などで再生される音が、原音に極めて近いこと】

Forget Me Not (1998)
あたしはスタジオの衣装係だから言えるんだけど、Gene Marshallはショー・ビジネスの世界で一番の働き者だよ。きついスケジュールの写真撮影のときは、1ダースも衣装を換えるんだけど、いっつも彼女は笑顔さ。何もかもが、うまくいかないときでもね。他のスターも、まあ、やってるよね。でも、Geneはちがってる。あたしに言わせりゃ、あの人こそが、永遠に忘れられない女性だね。

Poolside (1999)
映画"Love for Sail"より。プールサイドの彼女が話すのは、ハンサムな船長のことばかり。

Bridge Club (1999)
自分のことをよくわかっていない主人公と、彼女を何とか結婚させようとする母親のロマンチック・コメディー。この映画のGeneは、ブリッジクラブで恋人をみつける。

Table for Two (2000)
特別企画の打ち合わせのために、映画会社の社長との昼食会にのぞむGeneは、シャープに装う。

Noble Invitation (2001)
1954年、米国の作家が5年ぶりにノーベル文学賞を受賞した。Ernest Hemingwayである。GeneはHemingwayの受賞に興奮していた。1年ほど前、彼女はパリのHemingway がよく出入りしているバーでインタビューを受けたことがあった。彼と会えるかもしれないと期待してのことである。
しかし、現在のGeneには、もっとわくわくする理由があった。ストックホルムで開催されるノーベル文学賞の授賞式にゲストとして招待されていたのである。Geneは大西洋上空を飛ぶ飛行機のなかで、Hemingwayの代表作『老人と海』を読みかえす。エンジン音にうとうとしながら、サンチャゴの海で巨大なカジキと格闘する自分の姿を想像する、、、。なんてすてきなストーリー。きっと、すばらしい映画になるわ!タイトルは、そう、『麗人と海』ね!
運命のいたずらか、GeneはストックホルムでもHemingwayと出会うことが出来なかった。Hemingwayは病気のため授賞式を欠席し、米国大使のJohn C.Cabotが受賞演説を代読した。その夜、多くの乾杯と賛辞が、姿を見せない作家のためにささげられた。
Geneが招かれた記念パーティーは、ざわめきに満ちていた。Gustav6世スウェーデン国王とLouise王妃がご臨席されるというのである。王侯のように美しく装ったGeneですら、心臓の鼓動がわずかに早くなる瞬間がやってきた。突然、沈黙が会場全体をつつみ、人混みがふたつに分かれて、、、。
【前年のパリでのインタビューに関しては"Creme de Cassis"のストーリー上のものを指していると思われる】
(上記については、Bobbi様よりdollに付属するストーリーカードの原文をご提供いただきました)

1955年

El Morocco (1996)
Geneの最初のテレビ放映インタビューでの衣装。彼女は、父親Edward Marshallの誕生日を祝うパーティーのために、このシックなアンサンブル"El Morocco"を着用している。(この項目は"Anna Roddenberry
's The Gene Chronology"より引用)

On the Avenue (1998)
今日のニューヨーク市が、こんなにもすばらしいのは、まぶしい太陽の光によるものか、それともMiss Gene Marshallのおかげなのかは、判断するのが難しい。彼女はthe Plazaで開催された大規模な広告イベントに参加しようと、街に出かけた。大きなウサギのぬいぐるみをかかえて歩いていた彼女は、リポーターの出現に驚かされる。彼女は、そのウサギを6歳のファンのために買ったのだという。そして、今日はあまりに良い天気なので、リムジンをおりて、通りを散歩していたのだと。何とすばらしいアイデアだろうと、私には思えるのだが。

Incognito (1998)
ローマとイタリアの田園地方をお忍びで旅行する、米国の有名な映画スターMiss Gene Marshallのめずらしい姿がリポートされた。お忍びの旅行といっても、これほどのきわだった美人が、彼女と同じぐらい美しいフェラーリ357MMコンバーティブル・ロードスターに乗っているところを見て、イタリアの男たちが、ほっておくはずがないと言っておこう。

On the Veranda (1999)
世界的に有名なイタリア人の映画監督が開いた、ある午後のパーティーに、Geneは主賓として招かれた。豪勢なオードブルとシャンペン、音楽とダンス、そしてベランダから見る息をのむほどに美しい庭園のながめ。それらはすべて、才能ある米国の映画女優をイタリアに引きとどめ、彼の次回作に出演させるために、計画された巧妙な陰謀の一部だった。しかし、本物のGene Marshallをひとめ見たとたん、あらゆる計略と入念に下準備された口説き文句の数々は、彼の脳裏から消え失せてしまう。Geneの愛らしさ、知性、甘い魅力に、彼はすっかり、まいってしまう。その夜おそく、ふたりきりでベランダに出たときには、Geneとともにハリウッドへ行き、彼女の次回作"Bitter Snow"を監督することに、よろこんで同意していた。これは、まったくGeneの計画どおりの結末である。

Sunset Celebration (1999)
「今日じゃない、今日じゃない、、、」Geneは繰り返し自分自身に言い聞かせていた。しかし、今日はまさにその日、Geneの誕生日である。だが、誰も、誰ひとり、それに気づいていないのだ。
撮影所のセットは、普段の日と変わりがない。春うららかな4月17日、映画用の真冬の衣装は何十kgもの重さがあるように感じられた。「オーケー。みんな、今日は終わりにしよう。」監督の声が響く。
ゆっくりとGeneは自分のトレーラーまで歩いて行く。きっと誰かが呼び止めて、「ハッピーバースデー!」と言ってくれるはずよ。けれども、みんなしてどこかに急いでいる様子なのだ。
彼女のトレーラーの戸口には、、、箱があった。プレゼント!、、、じゃない。デザイナーの友人が縫った衣装の試作品だった。「これを試着してみて」というメモが付いている。がっかりだったが気を取り直して、その夕焼け色のドレスを着てみることにする。たちまちGeneの気分は、明るくなる。そのとき、ノックの音がする。スタッフのEddieだった。
「ええと、Miss Marshall、ぼくはAスタジオから来たんですけど、、見に来ていただきたいものがあるんです。いえ、そのままで。着がえていただかなくて結構ですから。」とEddie。
彼のあとについて、Geneは空っぽの録音スタジオに向かう。Eddieがスタジオの重いドアを開けると、、。突然、スポットライトの光とスタッフ、共演者、友人たちの暖かい心が、Geneをとらえる。彼女の誕生日を祝うために、みんながそこにいた。その夕暮れ、ハリウッドの最高に輝いているスターは、「今日じゃない日」よりも祝福に満たされていた。

Stardust Memories (2000)
この銀色に輝くイヴニングドレスは、プレミアショーの夜、銀幕のスターが着るにふさわしいものである。

Best Bet (2002)
「モンテカルロの夜会」は、大にぎわいだったが、、、Geneがその扉から入ってくると、すべての賭が中断してしまった!
「モンテカルロの夜会」は毎年開かれるチャリティーの催しである。ハリウッドに出現したカジノでは、善意に満ちたギャンブルに、夜通し何千ドルもが費やされる。黒いジャケットのディーラーやクルピエ、ウェイトレスやウェイター、そして用心棒に扮したスターたちを見ようと、客たちがつめかける(用心棒役を演じているのは、普段おとなしい役で知られたスターである)。
今年、Geneはルーレットのクルピエを選んだ。その役柄なら、彼女がこの夜のために用意したドレスが最高に映えると思ったからである。
彼女が入ってくると、男たちは息をのみ、女たちは連れの腕をぎゅっとつかんだ。Geneは燃えるようにまっ赤なカクテルドレスに、漆黒の髪という姿であらわれたのである(おまけに、左のほほには、上品にして大胆なつけ黒子が付けられていた)。赤と黒、まさにルーレットの色で、Geneはこの夜の役に臨んだ。
(小柄な用心棒に先導されて)Geneがルーレット・テーブルの方に歩みはじめると、嵐のような称賛が巻き起こった。客たちはバカラやキーノの手を休め、ポーカーの札を投げ出して、ルーレット台のそばに押しよせた。やがて、Geneの口上がはじまる。
「紳士淑女のみなさん、どうぞお賭け下さい。」
Geneがささやくと、彼女の瞳のなかで踊る情熱の光のように、流れ星をかたどったネックレスがきらめく。
「みなさまがたの広いお心のように、大きくお賭けになって下さい!」
【クルピエ:賭博台のゲーム進行係。バカラ:トランプ賭博の一種。キーノ:ビンゴに似た賭博の一種】
(上記については、Bobbi様よりdollの画像と付属するストーリーカードの原文をご提供いただきました)

1956年

Pink Lightning (1995)
高価なオートクチュールならではの、インパクトのあるカラーとぜいたくな生地、人目を引く大胆なデザイン。こんなドレスは、ハリウッドの大スターでなければ着こなせないだろう。
今やGeneは最高のデザイナーがデザインしたより抜きドレスを着ることができる。Geneお気に入りの、このカクテルドレスはまさに魅惑的だ!はじめてこのドレスを着たGeneが映画会社の広報パーティーに姿をあらわしたときには、大騒ぎが巻き起こった。ピンクのオーガンジーとスカートのシルバー・ラメにちなんで、このドレスは"Pink Lightning(ピンクの稲妻)"と報道された。
このすばらしいドレスは、深いミッドナイト・ブルーのタフタをぜいたくに使った、流行のホルターネック・ラインのものである。タフタのブルーと対照的に、ショッキング・ピンクのオーガンジーが肩を取り巻いて、胸で交差している。ひざ丈のアンダースカートは、ドレスと共布である。
アシンメトリー(左右非対称)なスカートの縁で信じられないような輝きを放つシルバー・ラメは、このドレスが「スター級」のものであることを告げている。そして、スカートの裾からのぞくアンダースカートのラメが、さらに刺激的な輝きを添える。
もちろん、Geneはドレスに良くマッチしたバッグを持ち、ハイヒールのサンダルをはいている。"Pink Lightning"、伝説の美女が夢物語を現実に変えたかのようである。

Holiday Magic (1996)
昨夜、女優のGene Marshallは、NBSの伝説的な番組"Holiday Magic"の特別編に出演した。彼女のテレビ出演は、たいへんめずらしいが、この番組はカラーで放送された最初のテレビ番組のひとつである。カラーテレビを持っている数少ない視聴者は、青・白・銀色で構成されたスタジオのセットによくマッチするようにデザインされた、きらきら光る青と白の優雅なドレスに身をつつんだGeneを、見ることができた。しかし、たとえ白黒テレビしかなくても、彼女が出演するなら、見る価値は充分だろう。

Breathless (1999)
魔法のようにゴージャスなイルミネーションがきらめくカリフォルニア。ある夜の出来事。ハリウッド・ルーズベルト・ホテルは、クリスタルのシャンデリアとスポットライト、カメラのフラッシュ、そしてきら星のごとく勢揃いした有名人たちの放つ輝きで、明々と照らし出されていた。ハリウッドの大物プロデューサー Eric von Sternbergの55歳の誕生日を祝うためである。
ある新米レポーターが、ホテルの入り口付近で、カメラをぶらさげて、所在なく立っていた。今夜にかぎって、カメラのフラッシュが一度も光ってくれなかったのだ。一枚の写真も撮らずに帰社したら、編集長がどれほど怒り狂うかと想像すると、彼は今にも泣き出しそうになった。たぶんクビになるだろう。
そのとき、赤い絨毯が敷かれた階段の下に、おしゃれな白いリムジンが止まった。次の瞬間、リムジンからGene Marshallが飛び出し、階段をかけ登りはじめた。突然、世界が魔法にかかったようになった。パールとサテンとゴールドがきらめく、この世のものと思えないほど美しいブルーのドレスが、月明かりに浮かび上がる。ほとんど透明なショールが、金色の星にかかる天国の雲のようにたなびいている。上を向いた彼女の顔は、星明かりのもとでたとえようもないほど美しく、彼は思わず息をのんだ。カメラをかまえ、Geneを呼び止めた。「Miss Marshall、今夜のご気分は?」「息も止まりそう!」ほほ笑みながら、彼女は答え、愛想よく撮影のためのポーズをとってくれた。奇跡のように、フラッシュが光る!
翌日の朝刊、Geneの写真の下に「息も止まりそう」の大見出しが掲載された。クビをまぬがれた新米レポーターにとって、Geneはまさに天使であった

Mood Music (1999)
主催者みずからの手で届けられた、手書きの招待状。もしも、自分の家にそんな招待状が届いたら、、、。親しい友人グループのためにGene Marshallが自宅で開くカクテルパーティーへの招待を、断れる人がいるだろうか? 映画撮影所のけたたましい騒々しさから逃れるには、絶好の機会だろう。ひととき、友人たちと好きな音楽を聴きながらくつろぐのだ。
そのグループは、友人たちが自然と引かれあって、集ったものだった。彼らは最高の音楽、おいしい食事、気さくな仲間、陽気な笑い声、そして人生そのものへの愛といったシンプルな物事を好んだ。
このパーティーを開くことは、Geneにとってちょっとした気晴らしになっていた。気のおけない仲間たちとの集まりが、何よりの楽しみだったのである。一日をすごすのに、これ以上に良い方法があるだろうか。カナッペを用意し、お酒と氷の支度をすませ、家具の配置を変えて、、、Geneの楽しい作業はパーティの直前まで休む間もなく続く。
パーティーの準備は完璧だった。照明は少し暗めに落とされ、ソファは会話がしやすいかたちに並べなおされた。友人たちが星空の下でダンスをしたくなった時にそなえて、パティオのスピーカーも調整ずみである。
招待客たちが到着するまえに身支度をととのえようと、Geneは階上へのぼっていった。この日のためのドレスを、彼女は慎重に選ぶ。パーティーにふさわしく華やかに、みんなをもてなすために動きやすく、親しい仲間の集まりなのでカジュアルに。
準備完了。Geneは階段を下りていく。そして、ドアベルの音が来客の到着を告げる。
【Geneが手に持っているのは、彼女のレコード "Menu for Romance" という設定】
(上記については、Bobbi様よりdollの画像と付属するストーリーカードの原文をご提供いただきました)

Avant Garde (1999)
ある画廊が開いたモダンアートの展示会にて。Geneはすぐれた芸術作品として、額縁をバックに写真を撮影されている。

Friendly Connection (2000)
「ロサンジェルスデノリツギ。ユウショクノジカンアルカ。ヘンジコウ。」Cos Cobの旧友からGeneのもとに電報がとどいた。
「モチロン。ダイカンゲイ。スベテマカサレタシ。アイヲコメテ。Gene。」Geneは返信する。
お楽しみがはじまった。どんな時でも、Geneはイベントの準備が大好きでだった、、、それが、たとえ2人だけのディナーだとしても。さっそくお気に入りのレストランに席を取り、夕食の予約を万事ととのえた。次に、空港に着いた友人を出迎えてレストランまで乗せて来るリムジンの手配をする。最後は新しいドレスのショッピングである。結局、豪華なフレアのついた美しいダーク・ブルーのタフタのドレスに決めた。それなら、小物も全部このドレスに合わせて、、、ビーズのパース、宝石、それから、、、羽根飾りが付いた帽子も!
その夜、旧友が到着した。
「いつものことだけど、本当によく準備したわね。」と友人。
「あなたはゆっくりしていられないんでしょ。だから、何もかも完璧でなきゃね。」Geneが微笑む。
「でもね、、、何が起こったと思う?私の乗る予定だった飛行機が欠航になったのよ!だから、いくらだって夜更かしができるの、、、」

Crazy for Calypso (2001) F
映画"Calypso Cay"中の衣装。大嵐の後、カフェ・オーナーのGeneは地元の人たちと祝賀会を開く。

1957年

April Showers (2001)
Geneは1957年3/4月のコカ・コーラカレンダーのモデルをつとめる。「なんて、さわやか!」

Personal Secretary (1997) F
Gene Marshallが新作コメディ"Personal Secretary"でみせたような、かかとの高い小さなミュールをはけば、どんなキャリアウーマンでも、わくわくすることだろう。スタイリッシュで知性的なGeneは、仕事に厳しい広告担当重役である上司が絶対に手放せないと思うほど、いきとどいた仕事ぶりを発揮する。そして、カフェテリアで彼の昼食のために買ってきたバナナ・クリームパイを分け合ったときから、ふたりのロマンスがはじまる。この映画をお見逃しなく!

Love After Hours (1998) F
Gene Marshallの新しいコメディ"Personal Secretary"は、もう、ご覧になりましたか?ぜひ、見に行かれることを、おすすめします。私が一番好きなのは、上司がVIPとのディナーに彼女を連れて行くつもりだが、あと10分しかないと言う場面です。友達の助けをかりて、ドレスに風変わりで独創的な手直しをほどこしたGeneは、華麗に変身をとげます。この映画で、すばらしい午後をお楽しみください。

Gold Sensation(My Favorite Bow) (1998)
印刷機を止めて!The Golden Star Awardsで、すごいニュースを手に入れたわ。今から言うことを書きとめて!「今夜、Gene Marshallは最優秀女優賞を獲得したが、ゴールドのサテンで作られた「泡のような」彼女のドレスは、本当にみごとなものだった。しかし、そのあとthe Green Parrot Restaurantでスカート部分をはずし、その下からマーメイドドレスがあらわれた時には、周囲の人々を本当にあっといわせる。Geneには文字通り、ノックアウトさてしまった!彼女の曲線美は、ふたりのウェイターが、けんかをはじめる原因となったほどである。」

Champagne Supper (1998)
美しいGene Marshallと、彼女の映画で何度も共演した情熱的な俳優とは、ここ数年、ずっとうわさされ続けてきた。読者のみなさんは、彼がだれかは、よくご存じだろう。しかし、ロンドンの高級レストランで、ろうそくの光のもと、いっしょに食事をするふたりの表情から判断する限り、事情はちがっている。私なら、とっくに知っていることに、彼らはこの時、ようやく気付くのである。つまり、ふたりの間には強い感情的な絆があることに、である。ついに、恋が生まれた。

Unforgettable (1999)
Geneが出演する最後の映画のプレミアショーの夜がやってきた。一度は案内嬢として働いた、その同じ劇場の上空を、強力なスポットライトが照らす。赤い絨毯の前に、銀色のリムジンが止まった。彼女の名を不滅のものにした光り輝くプラチナ・ブロンドの髪をなびかせて、Geneは歩み出す。

Shimmering Star (2001)
1956年の特別番組は大成功をおさめ、国中から文字通り数千通のファンレターが、Geneにはもちろん放送局にも寄せられた。それらの手紙は、どれも音楽と笑い声と愛に満ちた、にぎやかな休日の家族団らんの様子をつづったものだった。そして、視聴者の願いは再びかなえられることになったのである。
放送時間が近づくと、人々はプレゼントのラッピングや部屋の飾り付けやクリスマス・カードを書く手を止め、ポップコーンとココアの用意をしてテレビの前に集まる。夢のようなGeneの特別番組を見るためにである。
お目当ての時間がやってきた。NBSのロゴが画面にあらわれ、この番組がフルカラー放送であることがアナウンスされる。しかし、白黒テレビでしか見られない人々にとっても、すばらしい感激が待ち受けていることは確かだった。
オープニング・タイトルが終了すると、人口の雪が舞う中、Geneがすべるようにカメラの前にあらわれる。ソフトな銀色に輝く白いドレスは、きらめく氷の結晶をちりばめた雪の花のようである。
そして、喜びと愛とクリスマス精神に満たされて、すべての家族が心地よく寄り添う。

At Home for the Holidays (1999)
昨年のクリスマス・スペシャル番組(Geneのテレビデビュー)は、ニューヨークのNBSのスタジオからカラーで放送された。今年の番組は、太陽がさんさんと輝くカリフォルニアのGene Marshall邸で行われるホームパーティーという趣向だ。
クリスマス休暇を家族と過ごせないなら、この番組に参加するのはセカンド・ベストといえないだろうか。昨年のクリスマス・スペシャルの撮影期間中、NBSの"Holiday Magic"ショーの出演者やスタッフたちは、Geneと家族も同然に過ごした。今年もまた関係者たちのほとんどは、恒例となったGene Marshallのクリスマス・イベントに参加するために、西海岸へと集まってきていた。
もちろん音楽もすばらしかったが、出演者のカラフルな衣装で番組は色彩の饗宴となった。フィナーレでGeneがまとったドレスの美しさは、全国のカラーテレビの売り上げを爆発的にのばしたほどだ。
家中がカメラやライト、音響装置で足の踏み場もなくなったころ、Geneは客人たちを驚かせようと、あるアイデアを思いついた。そのことについては今でも語りぐさになっている。Geneは昨年の番組の後でプロデューサーやスタッフたちから贈られたおしゃれな白いクリスマス・ツリーを、念入りに飾り付けしていた。最後の歌の放送が終わってGeneがツリーの所からこちらに歩いてくると、出演者とスタッフ全員へのプレゼントが、そこに現れたのである。それは彼女自身が選んでラッピングしたものだった。
あなたがGene Marshallの友人なら、毎日がクリスマスのようだと感じるにちがいない!

1958年

Moments to Remember (2000)
Geneは子供のころから人形を集めていてた。大好きな映画の場面を、その人形たちに演じさせて遊んだものだった。大人になってからも、Geneの人形コレクションはつづいた。映画撮影のためや友達を訪ねて旅行したときには、お気に入りの人形たちが楽しかった時間と親しい友人たちのことを思い出させてくれた。あるドール・コンベンションの基調講演を依頼されたとき、Geneは一番大切にしている人形について話すために、それを持っていくことにした。コンベンションの出席者たちは、大スターが自分たちと趣味を共有していることに興奮をおぼえた。しかし、Geneにとって最高の瞬間は、コンベンションの主催者が「Geneのペーパードール・ブック」を紹介したときだった。そこにはGeneの舞台衣装やドレスのミニチュア版が満載されてた。

 

参考文献
The Gene Book, The Ashiton-Drake Galleries.
Gene, SHARE THE DREAM, The Ashiton-Drake Galleries.
Cook, Carolyn B., Gene, Hobby House Press, Inc., 1998.
Cook, Carolyn B., Gene 3rd Edition , Hobby House Press, 2001.
Odom, Mel, Gene Marshall Girl Star, Hyperion, 2000.
Collector Card Set/First Edition, The Ashiton-Drake Galleries.
Anna Roddenberry's Gene Chronology

The Gene Book は、The Ashiton-Drake Galleries社の宣伝用パンフレット
Gene, SHARE THE DREAM はdollに同梱される小冊子
Anna Roddenberry's Gene Chronology は、インターネット上のドキュメント

★ ★ ★ ★ ★

たくさんの Doll と Outfit は、正確な設定年が不明です。
Doll や Outfit についての情報のほか、誤訳、欠落など、
お気付きの点がありましたら、掲示板にご記入いただければ幸いです。

訳文の作成に当たっては、Crystal Castle の TOMOKO様 から、多くの貴重な御教示をいただきました。
また、Bobbi様からは画像、ストーリーなど、貴重な資料を多数ご提供いただきました。
こころより御礼申し上げます。

本ページには、多くの誤訳、欠落等のあやまりが多数あると思いますが、
それらはすべて Gabriela が責を負うものです。

 

back