The Story of Gene

Katie Gene Marshallは、Edward Marshall博士夫妻の娘として、1923年4月17日、コネチカット州のCos Cobという町で生まれた。すでに2歳のころには、将来、すばらしい美人になるだろうということが、明らかだった。Katieの完璧なハート形の顔と、生き生きとしたブルーの瞳は、ひとめで人々の心をとりこにした。ごく幼い時から彼女には、ひときわ洗練された、しとやかな雰囲気が備わっていた。

少女時代のKatieは、妖精や幽霊、ベッドの下のモンスターを信じる、想像力豊かな子供だった。彼女は小枝で妖精の小屋をつくったり、おやつの残りを食べさせたりして遊んでいた。母親はKatieの創造性を育てるべく、庭のきのこの下にコインを隠して、「妖精の贈り物」だと娘に信じさせた。他方、過剰な想像力が災いして、Katieは暗闇を怖がった。「ベッドの下のモンスターが、私を食べに来る。」Katieがそう叫ぶたびに、父親はとんできて、モンスターを追い払い、Katieを安心させてやらなければならなかった。Katieが読書好きだったことも、想像力をふくらませる原因となった。

学校時代、Katieはよく劇に出演したが、主役を演じることが多かった。彼女の容姿と演技力が、そうさせた。3年生の時、Katieはシンデレラに扮したが、その後、何日間かは役になりきったままだった。このような、夢見がちでのめり込みやすい性格を、父親は困ったことだと考えていた。しかし母親は、どれほど非現実的にみえる夢でも、あきらめてはいけないと、Katieを励ました。

Katieが成長するにつれ、彼女の関心は映画に移っていく。"Jazz Baby"をはじめて見た瞬間に、Katieはすっかり心を奪われてしまった。彼女の映画館通いがあまりに激しくなったので、両親は「映画は週に2回まで」と制限しなければならなくなった。Katieは映画雑誌からお気に入りのスターの写真を切り抜き、部屋中の壁に、壁紙のようになるまで、はりまくった。彼女は映画スターの伝記を読み、しばしば自分がスターになったところを夢想した。

ハリウッドの映画スターをめざし、天性の才能をみがくべく、放課後のKatieは演技とダンスと歌のレッスンにはげんだ。まちの公民館劇場が彼女の舞台となった。このような少女時代の舞台ですら、Katieは瞬く間に観客の心をつかみ、賞賛をほしいままにした。将来、スターになることは、約束されていたのである。

高校に入学した頃、Katieの美貌はすでに花開いていたが、彼女はやさしい性格の少し内気な、優等生であった。とくに文学と科学の成績が優秀だったが、家庭科を苦手にしていた。男の子たちからは無数のデートのさそいがあった。しかし、Katieからみると、高校生たちは映画の男優に比べてあまりに幼いように思えた。結果的に、多くの男の子たちが失望することとなった。

高校卒業後、Katieはニューヨークに出ることを熱望した。彼女の父親は反対だったが、卒業記念のヨーロッパ旅行と引き換えに、6か月の期限を切って許可することにした。Katieは女性専用のthe Barbizon Hotelに滞在するが、その間、Marshall家と親しくしている家族の娘がルームメイトになる予定だったことも、父親を安心させる材料となった。ニューヨークに到着してすぐ、Katieはthe Chambers Model Agencyの面接を受ける。彼女の美しさ、優雅さ、洗練された態度によって、即座にスポット契約が成立する。

ニューヨークに来て2週間目、Katieは、the Regent Movie Palaceで、ある大作映画の先行プレミアショーが開かれるという新聞記事を読む。たくさんのプレミアショーが開かれることを期待して職を求めたKatieは、翌日の午後から案内嬢として働くことになる。

Katieにとって幸運なことに、映画"Deep Devotion"のプレミアショーは、the Regent Movie Palaceで開かれた。Katieは、豪華で刺激的なプレミアショーに参加することにスリルを覚えた。その夜、彼女は長身で気品のある男性を、劇場の暗がりの中、座席へと案内する。Katieの懐中電灯が、かげになっていた彼女の美しい顔を、一瞬、照らしだす。この男性こそが映画プロデューサーのEric von Sternbergであった。彼女の美貌と優雅さに驚いたSternberg氏は、Katieを最高の新人としてハリウッドへ連れ帰る。Katieは芸名として、大好きな祖父の名前 Gene をもらうことにする。祖父はいつも、Katieのハリウッドへの夢を励まし続けてくれたからである。こうして Gene Marshall が誕生した。

ハリウッドにもどると、Sternberg氏はGeneに新作"Blond Lace"で、ナイトクラブの花売り娘の役を与える。これはセリフが2行しかない端役であったが、彼女のカメラ写りの良さはすばらしく、照明の光は美貌をさらに強調した。Geneのスター性がはっきりと証明されたのである。その後、出演が予定されていた女優Madra Lordの事故をきっかけに、"Blond Lace"の脚本は全面的に書き直され、Geneの役はより重要なものに変更される。この映画の成功によって、Geneはスターへの道を歩みはじめる。

"Blond Lace"撮影中にけがをした女優は Cook, C., Gene,1998 によれば Maxine Lester となっているが、同書の 3rd Edition および Odom, M., Gene Marshall Girl Star,2000 によれば Madra Lord となっているので、ここでは Madra Lord を採用した】

参考文献
Gene, SHARE THE DREAM
Cook, Carolyn B., Gene, Hobby House Press, 1998.
Cook, Carolyn B., Gene 3rd Edition , Hobby House Press, 2001.
Odom, Mel, Gene Marshall Girl Star, Hyperion, 2000.


Gene, SHARE THE DREAM はdollに同梱される小冊子

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