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( )内は発売年度、【 】内は訳注
赤字はdoll、緑字はoutofit、F
は映画中の衣装を指す
【 Madra Chronology の基本的アイデアは、Anna Roddenberry's Gene Chronology に基づくものです】
★ ★ ★ ★ ★
1911年 Madra 誕生。
本名はMabel Lorkovic。ウィスコンシン州ミルウォーキー出身。ハリウッドに出てきた後、最初はサイレント映画のエキストラとして働きはじめた。
1936年
Devil
May Care (2000)
F
最新作を撮影中のセットで、この刺激的なペニョワールを着ているMadraをみたら、たいへんなことになるぞという気がするだろう。
【ペニョワール : 髪をくしけずるときや, 入浴のあとに女性が着用する化粧着】
1941年
Dress
to Kill (2000)
1941年。ニューヨークはタイムズ・スクエアのThe Regency Theatre。Madra
Lord主演、Trent Osborn共演、Monolithic映画社の最新作"Deep Eevotion"のプレミアショーに、人々はつめかけた。
いつものように、MadraはTrentと腕を組んであらわれる。Regency劇場の入り口に敷かれた赤い絨毯に添って居並ぶファンたちは、ハリウッドの大スターを間近に見ようと、うずうずしていた。懐中電灯を持って、Madraを案内していた青い制服の若くてかわいらしい案内嬢までもが、少し興奮しているようだ。
やがて照明が暗くなり、Monolithic映画社のロゴが浮かび上がる。Madra Lordがドレスの裾を引きながらスクリーンに登場すると、拍手がため息に変わった。劇中のMadraが着ている金色に輝くドレスは、そのプレミアショーの会場に着てきたものと同じだったのだ。スクリーンのMadraは、それは美しく、悲しそうに見える。
現実のMadraは観客にまじって座っていた。彼女は美しかったが、、、悲しそうではなかった。まちがいなく、激怒しているようだ。Madraはとなりの席の友人の耳元で、あのかわいい案内嬢のことで何かが起ころうとしていると、声高に非難していた。
突然、映写が中断された。ざわめきながらロビーに出た観客たちは、そこでErik Von Sternbergが発掘した新人を紹介される。Gene Marshall、あの青い制服の案内嬢だった。Madra
Lordは、そっと婦人用化粧室に向かう、、、そして、鏡の割れる音が劇場にこだまする。
【Erik Von Sternberg:Monolithic映画社の大物プロデューサーという設定】
1942年
Black
Widow (2000)
F
かかりつけの病院の待合室で雑誌を手に取ったMadraは、そこに掲載されている「蜘蛛のような女」("The Lady or the Spider")という小説に目をとめた。その小説の主人公は、Madraが演じるのに、これ以上はないほどぴったりの役だった。貧しく不幸な境遇の若い女が、成功するために男たちを利用していく。そして、たったひとり、ほんとうに愛した男に捨てられる。この物語には、すべてがあった。恋、涙、裏切り、、、そして、何よりも夢のような衣装を着るチャンスなのだ。それを着た女は蜘蛛、ドレスは蜘蛛の巣、、、。
Cold
Shoulder (2001)
1941年度の"The
Golden Star awards"授賞式に出席したMadraは、周囲の人々を呆然とさせるほど美しかった。しかし、受賞を逃したと知ったとき、呆然とするのはMadra自身だった。
【cold shoulder:冷たくあしらうこと】
1946年
Turbulence
(2001) F
Madraが翼をもったとき、The
Wild Blue Yonderは、ますますワイルドになる。映画"Turbulence"出演のために、彼女はこのクラシカルな飛行服に身をつつむ。
【turbulence:乱気流】
Scorned
Woman (2001) F
Geneが扮する商店の売娘は、得意客のTrent(もちろん、金持ちでプレイボーイ)に、密かに思いを寄せているが、TrentはGeneの上司であるMadraと婚約している。この三角関係は、ある豪華な仮装舞踏会で、結末をむかえる。
【Geneの"Pierette"とMadraの"Scorned Woman"、Trentの"Lover in
Disguise"は、いずれも映画"Lover in Disguise"中の仮装舞踏会での衣装という設定】
1947年
So
Evil My Love (2000)
F
映画"So Evil My Love"から。Madraはひとりの人間を、どんな悪人にも、善人にも演じ分ける。
Scarlet
Temptress (2001)
1947年のこと。「この街はいったい、どうなってるの?」Madra
Lordは受話器に向かって、ブツブツと不平をこぼした。彼女は新聞が散乱する部屋の長椅子に寝そべっていた。
MadraのエージェントであるBennyは、耳が変になりそうなので、受話器を遠くへ離してかまえた。
ハリケーンのような勢いで、Madraがわめきたてる。「大統領が一面記事になることもあるのに、どうして私じゃだめなのよ?彼より私の方が魅力的で、ずっと見栄えがするのに!」
「とんだ貧乏くじだぜ。」Bennyはため息をついた。
「何ですって?」Madraがどなる。
「『出かける時間だよ』といったんだ。それらしく見えるようにしてくれなくちゃ困るよ。一番ぐっとくる衣装を着て、はやいとこMonolithic社のプレミア・パーティーにかけつけてくれよ。」
「そんなこと、わかってるわよ!」Madraは撮影用のメーキャップ道具を一瞥すると、真っ赤なルージュを取り出し、、、
その夜、深紅の衣装に身をつつんだセイレーンは、リムジンからおり立つとレポーターたちの方へと歩んで行った。
「まあぁぁぁぁ、記者のみなさま方!」Madraは猫がうなるような声で話した。「みなさま方なんて柄じゃないわね。このパーティーに招待されたときから、あんたたちが来てるだろうとは察しがついてたわ。だから、準備はできてるのよ。」Madraは目もくらむばかりの笑顔を浮かべると、片方だけ深紅の柳眉をあげて見せた(もちろん、カメラマンたちが写真を撮るのに充分なあいだ)。「さあ、だれか私をお酒のあるところまでエスコートしてちょうだい。」
こうして、そのパーティー会場では"Scarlet
Temptress"の賛美者が群をなし、、、、彼女は街中の新聞の一面を飾ることになったのである。
【temptress:誘惑する女、妖婦。大統領:1947年当時の米国大統領はHarry
S.Truman。siren:セイレーン、ギリシア神話に登場する半女半鳥の海の精、美しい歌声で船人を誘い寄せて難破させたという。Scarlet Temptress:真っ赤なドレスをまとったその夜のMadraにつけられたニックネーム】
"Scarlet
Temptress"は2500体のうち1250体は両方とも黒い眉(Black Eyebrow)のもの。あとの1250体は片方の眉が黒、もう片方の眉が赤(Red
Eyebrow)でペイントされています。【ここで表示される画像はRed Eyebrowです】
1948年
Cat
Walk (2000)
1948年のこと。「いつも、いつも、ちやほやされてばかりなのは、もう、うんざりだわ。ファンから離れていたいのよ。」Madraは、エージェントのBennyに文句をつけていた。
「新作映画の切符売り場の前に立ってみたらどうだい。」Bennyは小声でぶつぶつと言った。
「何ですって?」Madraはいら立っている。「いったい、何の話よ、、、」
「わかったよ。」追いつめられたエージェントは、ため息をついた。
「私は今日一日、休みを取るわ。もちろん、お忍びでね。」Madraは受話器を置いた。彼女は炎のように赤いアンサンブルを身に着けると、ネコのようにのびをひとつして、町にでかけた。
カリフォルニアの空気を深呼吸すれば、オレンジの花と希望の香が満ちていた。「最後の仕上げをして、これで、、、、誰だかわからないでしょう。」Madraは、笑ってサングラスをかける。
まず最初に行きつけのブティックを何軒か、のぞいてみる。売り娘たちは、Madraが誰だか気付かない。「うまく行ってるじゃないの!」Madraは大喜びだった。「ほんとうは誰を接客してるのか、ひとりも気付いてないわ。」次に、彼女はチャイニーズ・シアターに向かった。セメントで固められた自分の足形の上に立って、Madraは道行く人たちに軽く会釈する。「誰も私がわからない。」彼女は微笑んだ、、、が、少し不満でもあった。マチネーが終わった後、サンセット大通りを下っていきながら、人々が振り返らないか、何度も立ち止まっては確かめる。とうとう、思い切って、彼女はサングラスをはずした。瞬く間に、サインを求めるファンたちが、Madraを取り囲む。ネコのように優雅なしぐさでサインを続けながら、Madraは思った。「無名というのもいいけど、有名なのも捨てがたいわね!」
【Chinese Theatre:ハリウッドにある東洋風建築の映画館。周囲のコンクリート製敷石に、スターたちの手形や足形が刻まれているので有名】
【Sunset Boulevard:サンセット大通り。ロサンジェルスを東西に走る通りで、ハリウッドやビバリーヒルズを通る】
1950年
Stormy
Weather
(2001)
激しい暴風雨が撮影所をおそった。衣装戸棚のレインコートとレインハットが役に立つ。
1952年
Heartless
(2000)
F
"Somewhere Summer"の主役は、Madra
Lordにとって、完璧なはまり役に思えた(少なくともMadra本人の意見では)。ひとりのキャリアガールが、無慈悲な年上の女性の陰謀にうち勝って恋人と結ばれるというストーリーである。だから、【Monolithic映画社の社長である】Ruben
Lilienthalが"Somewhere Summer"にMadraを起用するつもりだと、エージェントから電話で聞いたとき、すぐさま近くのElizabeth
Aldenにかけ込んで、フルコースの美容を受けた。1週間後、契約書にサインするつもりで映画会社に到着したMadraが知ったのは、、、、年上の女性の役に割り当てられていたということだった。
「何てことなの!」Madraは電話でエージェントをどなりつけた。「どういうつもりでLilienthalと話したの?年上の女性ですって?そんな役のために、私は1週間も美容院に通ったっていうの?」「落ち着いて、Madra」エージェントのBennyは
なんとか口を差しはさむことができた。「もう撮影がはじまってるんだ。メジャーな映画なんだよ。それに、もう契約してしまってるんだよ。」「わかったわ。」Madraはため息をついた。「それで、
だれが純情な娘の役をやるの?だれ?」「わからないかな?」少し声を震わせながら、Bennyがいった。「Gene Marshallなのね?」Bennyの沈黙が、Madraの予想を裏付けた。「それじゃ、少なくとも、私のおこぼれを、どうやって頂戴するか知ってる人と共演することになるのね。」
彼女は撮影を開始する。Madraは心ない女性に、深い同情を込めて演じたので、その年上の女性が悪事の報いを受けたとき、観客たちはわずかな悲しみを感じたほどだった。そして、彼女がポルカドットをちりばめたスマートな緑の衣装をまとい、主演男優をひきとめようと、絶望的な最後の賭けにでたとき、観客たちは息をのんだ。結局、Madraが勝つのか、、。しかし、恋人は去る。そして、年上の女性は何かを得た。観客の心を。
【Elizabeth Arden : 米国 Elizabeth Arden Corp. 系列の美容サロンチェーン店, および関連の Elizabeth Arden
Sales Corp. 製の化粧品。 1910 年に Florence Nightingale Graham (1878-1966) が New York
に開店した美容サロンが始まりで, それに際して彼女は Elizabeth Arden と名のった。文中のElizabeth Aldenは、一字ちがいで、これをもじったものと思われる】
First
Encounter (2000) F
「今夜、プレミアショー開催!」朝刊が知らせてくれる。「豪華なThe
Regency Theatreに来れば、お気に入りのスターの入場シーンが見られる。Trent Osbornが腕を取るのは、だれだろうか?それは、"First
Encounter"に出演する、銀幕のベテラン女優Miss Madra Lordかもしれない。」Madraはブラッディーマリーをひと口すすった。新聞がベテランと書くのは、まちがいなく尊敬の念からだ。しかし、、、。
予想どおり、MadraはTrentと腕を組んであらわれた。赤い絨毯の上におり立ち、劇場に入ろうとするMadraを、つめかけたファンたちは、大喝采で迎える。"First
Encounter"の劇中、Madraが最初に登場するシーンで、彼女の美しさは男性たちに息をのませ、、、その妻たちに夫を肘でつつかせた。その場面で、Madraは雨に濡れた街路を悲しげに歩いている。パーティーを抜け出してきたので、美しいアイボリーのドレスと長い毛皮のコートを着ている。うつむいた彼女は、コートをしっかりと体に引きよせる、、、そして、突然、ハンサムな見知らぬ男性とぶつかる。今度は、女性たちがため息をつく番である。なぜなら、映画好きならだれでも知っているように、「最初の出会い」は、決してそれで「最後」にはならないからである。
Madraは闇の中、劇場の後ろの席で密かに微笑んだ。「ベテラン」とは、多分、最初に出会った瞬間から、観客たちを魅了する女という意味なのだ。
【Bloody
Mary : ブラディメリー、ウォッカとトマトジュースでつくる飲み物、色は深紅色】
Pink
With Envy (2000)
1952年のこと。映画"First Encounter"は大成功をおさめ、スタジオ関係者のあいだでは、まだその余韻もさめやらないのだが、Madra
Lordは決意を固めていた。鉄(と女優)は熱いうちに打てと言うではないか。最新作中のMadraの役は、フルコースで言えば豪華なメインディッシュのようなものだったが、彼女にはまだデザートの用意があった。Madraは売り込み作戦を開始した。
ある朝、Madraが自宅のサウナに入っていると、電話のベルがなった。ぶつぶつ言いながらトルコ風のタオルを巻きつけると、彼女は電話に出た。電話をかけてきたのは、Ruben
Lilienthalの秘書だった。
「すぐこちらへお越しになれますか?Lilienthalさんは根負けなさったようですね。一時間以内においで願えるなら、お会いできるとおっしゃっています。ごいっしょに昼食を、、、、」
「そろそろだと思ってたわ!」とMadra。急いでシャワーを浴び、髪と化粧を整える。何を着ていこうか、、、。
黄色?まるで冴えないわ。青?陰気ね。Madraはクローゼットをひっかき回す。だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、、、これよ!
ピンク。完璧だわ。クラシックなラインの明るいピンクのスーツ。若々しく、毅然としてみえる。これぞ、まさしくプロのファッションじゃないの。
そして、攻撃用の武器弾薬(彼女が演じた最高の役のアートワーク)を紙ばさみに詰め込むと、映画スタジオへ急いだ。秘書の前をかけぬけ、Lilienthalオフィスへ飛び込む。サンドウィッチに一番近い椅子にすわると、Lilienthalは電話に向かって叫んでいるまっ最中だった。「Gene!よかった、やっとつかまえたぞ!新しい映画のはなしがあるんだ、、、きみの都合に合わせるから、会ってもらえないかな、、、」
Madraの顔はピンクのスーツさながらの色にそまっていく。
【Ruben
Lilienthal : Monolithic映画社の社長】
Highland
Fling (2000)
1952年のこと。Madraの件で、ゴシップ欄はもちきりだった。「Madra Lordがトラブル・メーカーだということは誰もが知っている。しかし、彼女がどこにいるのかは誰も知らない。」
それはクリスマス休暇の時期だった。この期間、ハリウッドのスターたちは、飾り立てたクリスマス・ツリーとあかあかと燃える暖炉の前で(南カリフォルニアは冬でも暖かいのだが)くつろいでいる姿をPR用の写真におさめ、ファンたちに「メリー・クリスマス」と「次回作も見てね」というメッセージを伝えるのが普通だ。しかし、Madraはどこにも見当たらない。Madraの広報係をつとめる女性たちは、「Miss
Lordは新年になるまで音信不通です」と言うだけだった。誰も特別な情報はもらえなかった。
「Madraが音信不通だろうがEast McKeesportで見つかろうが、知ったことか!」Ruben
Lilienthalは、どなっていた。「映画を撮らにゃならんのだ!」宣伝マンたちは全国を駆け回って彼女をさがしたが、手がかりは見つからなかった。
Lilienthalが私立探偵を雇おうとしていたところに、その小包が届いた。机の上に置かれた小包の消印はエディンバラである。あわてて包装紙を引きはがすと、明るい格子柄のギフト・ボックスがあらわれた。
Lilienthalは、ふたを開けてみる。箱の中には格子柄のリボンを結んだ1/5ガロン入りスコッチ・ウィスキーのボトルが入っていた。リボンにはMadraの大胆な筆跡で宛名書きされた封筒が添えられている。真珠の柄がついたペーパーナイフを取りあげると、Lilienthalは封を開いた。
鮮やかな赤と緑のタータンチェック地のドレスを着て、堂々とした石造りの暖炉の前に立つMadraの写真が、すべり出てきた。写真の裏側には「ダーリン!MacDougall卿とともに下の道をハイランドに向かいたまえ、、、私はクリスマス休暇のためのヤドリギを集めよう。ホゥ、ホゥ、ホゥ!ごきげんよう!Madra」と書かれていた。
そういうわけで、、、Lilienthalはスコッチのボトルの栓を開けた。
【Highland
fling:ハイランドフリング、スコットランド高地の動きが激しいフォークダンス、普通は男性がソロで踊る。Scotland:スコットランド、英国グレート・ブリテン島北部の地方、1707年イングランドと合併した。McKeesport:ペンシルバニア州南西部の都市、ペンシルバニア州は東海岸でハリウッドから最も遠い州のひとつ。Ruben
Lilienthal:Monolithic映画社の社長という設定。Edinburgh:エディンバラ、スコットランドの中心都市。gallon:ガロン、1ガロンは英国では約4.55リットル、米国は約3.79リットル。the
Highlands:ハイランド、スコットランド北部の高地】
【下の道をハイランドに向かいたまえ:"Loch
Lomond"(ハイランドにあるローモンド湖の意味)というスコットランド民謡からの引用と思われます。この歌はスコットランド高地地方をおもな根拠地としたジャコバイトによる反乱(1747年)に参加し、英国軍に捕らえられた2人の兵士の伝承を歌ったものです。2人のうち、ひとりは釈放され、ひとりは処刑されます。処刑されると決まった兵士は、もうひとりの兵士に「君は上の道を行きたまえ。私は下の道を通って行く。けれど、私は君より先にスコットランドに帰り着いているだろう」と言います。釈放された兵士が故郷にたどり着くと、そこには処刑された兵士の幽霊が待っていました】
1955年
Mad
about Mitzi (2001)
F
最初、"Mad about Mitzi"で主役のMitziを演じるものだと思っていたMadraは、驚かされることになる。Mitziはしゃべるプードルで、Madraはその飼い主の役だったのである。
(上記については、Crystal
Castle の TOMOKO様 より画像をご提供いただきました)
1956年
Rio
Rumba (2001)
F
マラカスのシェイクにあわせて踊るMadraは、完璧なスイングの仕方を、まるで生まれつき知っているみたい!Madraのカラフルな衣装は、陽気な映画"Calypso
Cay”を、いっそう華やかなものにする。「リオ、ルンバ!」
1957年
Anything
But Nice
(2001)
1957年のこと。パーティーは大盛況で、Madraはいつものように、女王然と振る舞っていた。
「サイレントが、もうおしまいの頃だけどさ、ある映画に Lillian っていう女の子の役で出たのよ。それが、流氷の上を渡って行ってね、、、、」
Madraは、サイレント映画の最後の時代とトーキー映画の初期について話し、まわりを取り巻く崇拝者と友人の一団を、おおいに楽しませていた。
「大スターのなかには、ホント信じられないぐらいひどい声の人もいてね。あんた達、知ってる? そういう人達を『アヒル声』って呼んでたものよ。」
夜もふけてくると、おしゃべりの標的は、今のスターに変わっていった。
Madraのひとみが意地悪そうに輝く。
「そうねぇ、だれのことだか、名前は言わないけど、、、。同じ人間と思えないほど、すてきな若いスターがいるわよねぇ。そりゃ、ほんとに『いい人』よ。おまけに、すごい女優だってことも認めるわ。だけどねぇ、あの子をけ飛ばしてやりたくなることってない?
彼女があんたの後ろに立って、こう言うのよ、、、」
隣に立っていた人にシガレット・ホルダーを渡し、最高の微笑みを浮かべながら、息をととのえて話を続けようとした、まさにその瞬間、Madraの背後から声が聞こえてきた。
「ごきげんよう、Madra。お会いできて、とてもうれしいわ。あら、どうぞ、ご遠慮なく、お話を続けてちょうだい。どなたのお噂をなさってたの?」
ひったくるようにしてシガレット・ホルダーを取り戻したMadraは、後ろを振り返るまえに、長々と一服した。
「気をつかわなくていいのよ、Gene。こんなところでお会いするなんて、奇遇ねえ、、、」
参考文献
・The Gene Book, The Ashiton-Drake Galleries.
・Cook, Carolyn B., Gene 3rd Edition , Hobby House Press, 2001.
・Madra, The Ashiton-Drake Galleries.
・Odom, Mel, Gene Marshall Girl Star, Hyperion, 2000.
The Gene Bookは、The Ashiton-Drake Galleries社の宣伝用パンフレット
Madraは、dollに同梱される小冊子
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たくさんの Doll と Outfit は、正確な設定年が不明です。
Doll や Outfit についての情報のほか、誤訳、欠落など、
お気付きの点がありましたら、掲示板にご記入いただければ幸いです。
訳文の作成に当たっては、Crystal
Castle の TOMOKO様 から、多くの貴重な御教示をいただきました。
また、Bobbi様からは画像、ストーリーなど、貴重な資料を多数ご提供いただきました。
こころより御礼申し上げます。
本ページには、多くの誤訳、欠落等のあやまりが多数あると思いますが、
それらはすべて Gabriela が責を負うものです。