Anything but Nice

1957年のこと。パーティーは大盛況で、Madraはいつものように、女王然と振る舞っていた。
「サイレントが、もうおしまいの頃だけどさ、ある映画に Lillian っていう女の子の役で出たのよ。それが、流氷の上を渡って行ってね、、、、」
Madraは、サイレント映画の最後の時代とトーキー映画の初期について話し、まわりを取り巻く崇拝者と友人の一団を、おおいに楽しませていた。
「大スターのなかには、ホント信じられないぐらいひどい声の人もいてね。あんた達、知ってる? そういう人達を『アヒル声』って呼んでたものよ。」
夜もふけてくると、おしゃべりの標的は、今のスターに変わっていった。
Madraのひとみが意地悪そうに輝く。
「そうねぇ、だれのことだか、名前は言わないけど、、、。同じ人間と思えないほど、すてきな若いスターがいるわよねぇ。そりゃ、ほんとに『いい人』よ。おまけに、すごい女優だってことも認めるわ。だけどねぇ、あの子をけ飛ばしてやりたくなることってない? 彼女があんたの後ろに立って、こう言うのよ、、、」
隣に立っていた人にシガレット・ホルダーを渡し、最高の微笑みを浮かべながら、息をととのえて話を続けようとした、まさにその瞬間、Madraの背後から声が聞こえてきた。
「ごきげんよう、Madra。お会いできて、とてもうれしいわ。あら、どうぞ、ご遠慮なく、お話を続けてちょうだい。どなたのお噂をなさってたの?」
ひったくるようにしてシガレット・ホルダーを取り戻したMadraは、後ろを振り返るまえに、長々と一服した。
「気をつかわなくていいのよ、Gene。こんなところでお会いするなんて、奇遇ねえ、、、」

発表年
2001年
製品番号
38289
定価
$49.95
デザイナー
George Sarofeen
限定生産品
-
製造中止
-
設定年
1957年

【このページの画像は、コレクションを撮影したものです。】
【Doll は Cold Shoulder を使用しました。】
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