Geneの本 : Gene Marshall - Girl Star -

Mel Odom著の"Gene Marshall - Girl Star -" は、ちょっと風変わりなGeneの半生記です。今は引退してイタリアで暮らすMiss Marshall自身の許可を得て、Odom氏がこの本を書いたという設定になっています。内容については、Gene自身が語った部分は全くありませんし、Odom氏の文章もほとんど含まれていません。ほぼ全文が、友人、知人やMonolithic映画社の関係者などによる談話と、新聞記事、書籍、手紙等からの引用で構成されています。
Geneの少女期からモデル時代のことは、近所の人やファッション雑誌の編集者たちが語ってくれますし、映画デビューのころのことも詳しく書かれています。すでに引退しているMadraやTrentの伝記(Trentは故人!)からの引用は、けっさくです。Monolithic映画のLilienthal社長や、プロデューサーのSternberg氏をはじめ、シナリオライターや芸能記者たちの目から見たGeneやMadraの姿がいきいきとえがかれています。残念なのは、Geneの初出演映画"Brond Lace"のお話までで終わっている点でしょうか。タイトルのとおり、GeneがまだGirl Starだったところまでなので、続編の発売が待ちどおしいところです。
本そのものは、たて28.5cm × 横22.5cmと、かなり大型のハードカバーです。紙の質はとても良く、191ページというわりには厚みと重さがあります。中身はオール・カラーで、たくさんの写真とイラストを含む美しい本です。定価は$29.95、洋書を取り扱っている書店に注文すれば、わりあい簡単に購入できます。

【この本は全部英文で書かれています。私の英語力で正確に理解できたとはとても思えませんので、誤ったことを書いている部分があるかもしれません。まちがいを発見された方は、よろしければ、ご教示ください。】

Gene Marshall - Girl Star -
Mel Odom

Published by HYPERION
Written by Michael Sommers & Mel Odom
Illustrations by Clyde Smith & Mel Odom
Photographs by Steven Mays
Art Direction by Beth Tondreau
Design by BTDnvc

左上の画像は表紙、右上の画像は裏表紙です。

上の画像は、扉の見開きです。Geneのきれいな写真が、たくさん掲載されています。

バステル調のカラーイラストも多く、この本の魅力のひとつです。

上の画像は、GeneがカヴァーガールをつとめたDe Luxe誌の表紙。1941年発行という設定で、わざわざ、はしの方をぼろぼろにするという念の入れようです。

これは、モデル時代のプロモーション用写真。この画像では小さくて読めませんが、左上のほうに Chambers Model Agency と表示されています。

これは、映画"Deep Devotion"のプレミアショーで、主演女優のMadraと案内嬢のGeneがはじめて出会った場面のイラスト。この直後に、突然Geneのデビュー記者会見が開かれ、プレミアショーがかすんでしまうので、Madraは大荒れです。

この本で使われているGeneの写真は、市販のdollに手を加えたものが、ほとんどです。上の画像も、Lovely in Laceに蝶のような羽をつけたものですが、カタログなどに掲載の写真とはちがったGeneの美しさが楽しめます。

この人は、Monolithic映画社の社長Reuben Lilienthal氏。顔はこわいですが、実はいい人です。

上の画像はGeneの兄、Sandy Marshall。ハンサムで、スポーツマン、成績優秀な大学生だったのに、Geneが10歳ぐらいのときに、交通事故で亡くなってしまいます。

 

言うまでもないと思いますが、この本に登場する人々は、Odom氏をのぞいて、ほとんど全員が架空の人物で、その談話も新聞記事も、すべてMel Odom、Micheael Sommers両氏の創作によるものです。

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