名古屋'90年代ゲーセン写真館

ドラッピー本店(藤ヶ丘)

▲'90年代半ば頃の撮影。ビリヤードもメダルコーナーもあったが、あくまでゲームカフェというスタイルを最後まで貫いていた店だった

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水野商会という業者が、《トッポジージョ》なる、瀟洒で可愛らしいゲームカフェを名古屋市名東区の宝ヶ丘にオープンさせたのは、今から30年近く前のこと。
 おなじみトッポジージョのキャラクター看板、白を貴重とした内装、採光いっぱいのガラス窓、おしゃれなカウンター席。
 店内はテーブルゲームもエレメカもメダルゲームも備えた紛れもないゲームセンターなんだけど、雰囲気はとても落ち着けるコーヒーショップのよう。
 入店してテーブル筐体に付きコイン投入すると、お冷とおしぼりが出てきた。まだアップライト筐体がなかった頃のゲーム喫茶スタイルである。

 セガやシグマが店舗の内装を明るくしてメダルゲームを増やし、店頭屋外にUFOキャッチャーを置く、いわゆるアミューズメントスペース路線に向かうよりも少し前に、同社は既に大人や家族向けのゲームスぺースを提供する路線に挑んでいた。

 その後同社は店舗を増やし、名古屋駅前一等地の名鉄レジャック店金山スポーツガーデン店をオープン。しかしトッポジージョキャラクターの使用はなんと無許諾だったらしく、慌ててオリジナルのマフィア風ドラ猫キャラクターを考案の上、チェーン名を《ドラッピー》に、株式会社名をアムスに変更。
 '90年代に入ると、正に同社が予見していたアミューズメント路線がゲームセンターの主流となり、その後ドラッピーは栄店、今池店、豊田VITS店、大曽根店、その他地方ショッピングセンター内や遊園地内などにも破竹の勢いで店舗数を伸ばしてゆく。

 そんなドラッピー本店のオープン当初に、当時の住まいが近場だった幼少の筆者は両親と一緒によくこの店に遊びに来ていた。
 父は犬の散歩ついで。母はコーヒー目当て。私はゲームに没頭。「ドルアーガの塔」のポップやNGが置かれていた時節。
 当時はピンボールのラインナップも豊富で、バリーの「スペースインベーダー」「ブラックピラミッド」、ゴットリーブの「ザ・ゲームズ」、ウィリアムスの「コメット」が置かれていた記憶がある。
 その後の差し替えも盛んで、「モータードーム」「ストレンジサイエンス」「ダンジョンズ&ドラゴンズ」など、なぜかバリー台を盛んに入荷していた。

 後年は故障は少ないがゲーム性のパッとしない「アリーナ」1台のみの寂しい態勢が永らく続いたが、2000年代を過ぎる頃には「フィッシュテールズ」「スーパーマリオブラザーズ」と意外と悪くない2台が、かなり良い状態でメンテナンスされ、穏やかな晩節を過ごしていた。

 その一方で同社はアーケードゲームの潮流と推移に対応できなかったのか、同チェーン今池店やシャンピア店、スポーツガーデン店、栄店などを次々とたたむ凋落期に入っていた。
 閉店よりずっと前の栄店と今池店はとっくにアムス社の所有から離れていたそうだ。

 2008年頃にドラッピー本店の地を訪れたところ、既に取り壊されてマンションの建設が始まっていた。

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(2012年3月12日)