BALLY/1990ドクター・デュード | ||
原題 | Dr. Dude | |
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製作年度 | 1990年 | |
ブランド名 | バリー | |
メーカー | ミッドウェイ・マニュファクチュアリング・カンパニー/WMSインダストリーズ | |
スタッフ | デザイン:デニス・ノードマン/原案,美術:グレッグ・フレーレス/音楽:クリス・グランナー/ソフトウェア:ビル・フッツ/メカニクス:トニー・パフ/バックグラス画:グレッグ・フレーレス | |
標準リプレイ点数 | 700万点 | |
備考 | 製造台数4,000台/ようつべに動画あるよ!⇒GO! |
▲バンパー地帯。きのこ型仕様はこの頃のバリー特有。更に奥には最高10万点のタイマースキルショット“アイイグザムターゲット”がある | ▲Gフレーレス面目躍如のバックグラス。冴えないヤサ男ベンAグリッチが大変身してキネティッククリニックのスーパードクターとなるアメコミストーリー |
▲フィールド下部。デュードメーターを最高値“スーパーデュート”まで上げると左ランプレーンに[ガジリオン]が点く | ▲コレがモウリキュラーミックスマスター。中ではポストが刺されたスピニングディスクが回転、ボールを中でシェイクさせる仕組み |
●「ドクター・デュード」はゲームデザインのデニス・ノードマンと美術担当のグレッグ・フレーレスの名コンビが前作エルヴァイラに続いて'90年に発表した、バリーネームの名機種なだかい1作。 2人がバリーミッドウェイ時代につちかった圧倒的なアメコミアートワークとノリ優先のゲームテンポには、今回もプレイヤーたちは目を回しました。 特に音楽と融合して鮮やかに舞い踊るデジタルディスプレイのデモンストレーションは、前作以上に調子を上げています。 このゲームの主役はズバリ、Dr.デュードと呼ばれるスーパードクターその人物。 仮の姿である冴えないヤサ男ベンAグリッチが、ロックを愛するハート(中央左ターゲット)、人の心を吸い寄せるマグネティックパーソナリティー(中部左端マグネットターゲット)、話し始めると止まらないおしゃべりギフト(中部右VUKホール)の3つのパワーをゲットした後、左ランプレーンに1回シュート&Xセレント線の照射(左奥VUKロックホール)を浴びて、ドクターデュードに変身(2ボールマルチ)! デュードに変身したら、左ランプレーン経由でモウリキュラーミックスマスター(スピニングディスク付き六角形ハビトレイルフィールド)内にボールを放り込み、ディスクの回転により計15回センサーヒットさせれば最高500万点のジャックポット獲得!尚、予め右端4バンクのドロップターゲットを完成させておけばヴァリューはダブルジャックポットに! 尚、マルチボール/1ゲームをこなす毎に上昇する[DUDEメーター]を満タンにしてから2マルチにすると、最高レベルの“スーパーデュード”に変身、ガジリオンマルチボールがスタート。この時のミックスマスター内ヒットは1発50万点!ボールヒットが途切れるとそれで50万点モードは終わっちゃうので、この際いっぺんに2コ放り込んで、揺らしも加えてデゲデゲいわしたれ! てな訳で、相〜当〜テンションの高いアメコミ調ピンボールで、その沸騰するような盛り上がりを見せる炸裂的2マルチボールの熱さから、マニア評価がとても高かったマシンです。 マグネット、プレゼント箱、ロックンロールTを完成させる過程にドラマが皆無なのは頂けませんが、それぞれの役完成毎に作曲されたノリノリの音楽とヴォイスが実に爽快。 クリス・グランナーも全力でコンポーズしていて、例えば役モノ全部にビートのご機嫌なテーマ曲があるとか、それに合せて全部違うアウトホールボーナスのBGMでカウントしてくれるとか、マルチボール寸前の凝った変拍子テクノポップがランプレーンを通すと転調してマルチリーチがかかるとか……。 そのミュージックを演出として最優先に使ったノードマンのセンスが、このゲームのテンポ全幅を鼓舞していると言っていいでしょう。通常BGMは聞こえないくらい抑えてヴォイスとファンファーレの時だけは大音響にするパットローラーとは逆の手法です。 しかし、“あっち通せ〜〜次こっち通せ〜〜今度はココとソコとアソコ3連だ〜〜〜”みたいな、マルチ完成への一翼以外ではナケナシの点数が入るだけで意義が乏しいのに、何度も同じ場所を往復させるこのゲームの煩瑣で無益な仕事が、私は当時どうしても気になりました。 そのコンボウェイフィーチャーの煩わしいゲーム性は、「ホワイトウォーター」「デモリションマン」「インディー500」と、その後のノードマン作品においてじわじわ悪化の一途をたどってゆくことになります。 写真の撮影時期についても言及しておきましょうか。今回のアップに使用したのは'93年頃新宿の地下ゲーセンで撮ったモノと、'96年頃の名古屋市ダイエー栄店8階プレイランドで撮ったモノをない混ぜてスキャン。 ダイエー栄店ゲームコーナーの台はタイトーリースなのでそこそこのメンテでしたが、係員非番の時は無人ゲーセン。 ある日断線したか焼けたかは知らんが片方のフリッパーが死亡した際も、同じゲームコーナーフロアにある、当時としても既に昭和臭こおばしい「喫茶ペガサス」のオヤジに申し出ることになってた訳ですが、“右フリッパー完全に動かないよ”と当時筆者が説明したところ、有無を言わさずオヤジがプランジャー引っ張ってシューターにあったボールがフィールドに打ちだされたのをジッと見て『出来るじゃないの。』と面倒臭そうに一言。 次の瞬間、キレた私が怒髪天を突かせながら怒鳴り声をあげて店内が凍てつき、メモ書きをオヤジに持ってこさせた……なんてキュートな思い出も、今ではセンチメンタルに後顧できる朗らかストーリーです。 |
▲仰々しい回転灯が回る左奥のVUKトップホール。重要なロックホールである他、ミステリーやEX.もかかる | ▲“マグネティックパーソナリティ”の磁石&左ターゲットのどアップ。ターゲットヒット時は磁石の稼動でひと演出を見せる | ▲フィールド全景。Dノードマンはエルヴァイラやブラックウォーター100とはまた違うデザインとゲーム構成で挑んだ |